JP4565113B2 - 新規なプラスミドpAMI−1及びその誘導体 - Google Patents

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本発明は、遺伝子操作技術に関し、より詳細には、強力な環境汚染物質分解能力を有するSphingobium属及びSphingomonas属細菌を宿主とし、その分解能力の増大化や環境中のモニタリングおよび新規酵素の創製を目的とした遺伝子操作に有用なプラスミドに関するものである。
Sphingobium属及びSphingomonas属細菌は、強力な環境有害物質分解能力を有することから、環境浄化への応用が期待される極めて有用な細菌群である。この細菌群に対して、近年急速に発達してきた遺伝子操作技術を適用することが可能になれば、その有用性は一層増大させることが期待できる。実際に、同細菌群からは様々な環境有害化学物質分解能力を有する細菌が同定され、例えば環境ホルモンの一つであるノニルフェノールを分解するSphingobium amiensis (非特許文献1参照)やSphingomonas cloacae(非特許文献2参照)、ペンタクロロフェノールを分解するSphingobium chlorophenolica(非特許文献3参照) 、さらに多環芳香族炭化水素を分解するSphingobium yanoikuyaeSphingomonas capsulata (非特許文献4参照)等があり、最近、多環芳香族炭化水素(PAH)分解能を有する細菌として新たに見いだされたものとしては、Sphingomonas sp. ANI7A菌株(FERM P-19095、「新規微生物」特開2004-159599(公開日:2004年6月10日)、以下Sphingomonas ANI7A菌株と略することがある)が挙げられる。

また、同細菌群の一つであるSphingomonas aromaticivorans F199(非特許文献5参照)やSphingomonas sp.HV3(非特許文献6参照) から巨大プラスミドが発見され(非特許文献7参照)、同細菌群を対象とした遺伝子組換え技術の開発が進められており、産業への応用の試みが行われようとしている段階である。
しかしながら、上記プラスミドは、接合性を持つため、環境中にプラスミドを持つ微生物が漏出した場合に水平伝播により遺伝子が拡散してしまうことが懸念される。また、非選択圧下でプラスミドが宿主微生物内に安定に保持されず、プラスミド欠失微生物が優先的に増殖し、遺伝子組換え技術の効率性が損なわれる。さらにプラスミドのサイズが大きいためこれらをベクターに用いることは困難である等、Sphingobium属及びSphingomonas属細菌の有用な機能をさらに向上させ産業的利用を図る上では、まだ大きな限界が存在している。
2001;Microbes & Environments 16:240-249 2001; Int.J. Syst.Evol.Microbiol 51:603-610 1985;Appl.Environ.Microbiol 50:1512-1515 1990; Microbiol. Immunol 34:99-119 1999; J.Bacteriol 181:1585-1602 1997; FEMS Microbiol Lett 154:403-408 1999;J.Bacteriol 181:1585-1602 特開2004-159599号公報(公開日:2004年6月10日)
本発明は、Sphingobium属及びSphingomonas属細菌で利用可能なプラスミドで、同細菌群が元来保持し、プラスミドサイズが小型で、宿主内安定性が高く、多くの同細菌群内へ導入可能な非伝達性プラスミドを提供することである。
本発明者らは、多くのSphingobium属及びSphingomonas属細菌について、その保有するプラスミドの探索を行ったところ、Sphingobium amiensis JCM11777 (Japan Collection of Microorganisms)中に約10Kbという比較的小さなサイズを持つプラスミドを見出し、該プラスミドが、Sphingobium属及びSphingomonas属等の環境有害物質分解能力を有する細菌群中の細菌においてきわめて安定的に保持され、これら細菌群の改良等における遺伝子組み換え操作においてきわめて有用な手段となりうることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)配列番号1に記載された塩基配列からなる環状二本鎖DNAプラスミドpAMI-1、又はプラスミドpAMI-1の自律複製機能を保持する限りにおいて配列番号1に記載された塩基配列に1又は数個の欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列からなる環状二本鎖DNAプラスミド。

(2)上記(1)に記載の環状二本鎖DNAプラスミドに異種DNAを挿入した組換えプラスミド。

(3)異種DNAが選択マーカー遺伝子である上記(2)記載の組換えプラスミド。

(4)選択マーカー遺伝子が薬剤耐性遺伝子である上記(3)記載の組換えプラスミド。

(5)上記(1)記載の環状二本鎖DNAプラスミドにおいて、少なくとも配列番号1に記載された塩基配列の3582bpから6475bpのDNA断片を含む領域と、大腸菌カナマイシン耐性遺伝子を持つpHSGプラスミドを連結した環状二本鎖DNAプラスミド。

(6)上記(1)記載の環状二本鎖DNAプラスミドにおいて、少なくとも配列番号1に記載された塩基配列の3582bpから6475bpのDNA断片を含む領域と、大腸菌クロラムフェニコール耐性遺伝子を持つpHSGプラスミドを連結した環状二本鎖DNAプラスミド。

(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載のプラスミドにより、宿主細菌(ただし、Sphingobium amiensisに属する細菌を除く。)を形質転換して得られた形質転換体。

(8)宿主細菌がSphingobium属に属する細菌(ただし、Sphingobium amiensisに属する細菌を除く。)である上記(7)に記載の形質転換体。

(9)宿主細菌がSphingomonas属に属する細菌である上記(7)に記載の形質転換体。

(10)宿主細菌がEscherichia coliに属する細菌である上記(7)に記載の形質転換体。

(11)上記(1)〜(6)のいずれかに記載のプラスミドに、異種DNAを挿入して組換えベクターを調製し、該組換えベクターを用いて、宿主細菌を形質転換することを特徴とする、宿主細菌の遺伝子組換え方法。
本発明のプラスミドは、Sphingobium属及びSphingomonas属等の強力な環境有害物質分解能力を有する細菌群において安定的に保持され、該細菌内で、その分解能力の増大化や環境中のモニタリングおよび新規酵素の創製を目的とした遺伝子操作に有用なベクターである。
本発明のプラスミドは図1の制限酵素地図を有し、SalI、KpnI、PstI、SacIでそれぞれ1カ所の認識部位を有する。このプラスミドをpAMI-1と命名した。
本発明は、pAMI-1が担う形質の中で、プラスミドの複製に必須であると推定されるRep遺伝子を含む2893bpのDNA断片と、選択マーカー遺伝子としてカナマイシン(Kanamycin;以下Kmと略称することがある)耐性遺伝子またはクロラムフェニコール(Chloramphenicol;以下Cmと略称することがある)耐性遺伝子と連結し、形質転換を試みたところSphingobium amiensis JCM11777株、Sphingomonas cloacae JCM10874株、Sphingobium chlorophenolica JCM10275株、Sphingobium yanoikuyae JCM7371株、Sphingomonas capsulata JCM7452株、及びSphingomonas ANI7A菌株において前記選択マーカー遺伝子が発現する形質転換株を得ることに成功したことに基づく。
上記プラスミドpAMI-1は、9978bpの長さを有する環状2本鎖DNAプラスミドである。
「環状二本鎖DNAプラスミドpAMI-1の誘導体」は、pAMI-1に由来するあらゆるプラスミドを含む。その一例として、プラスミドベクターの自律複製機能を保持する限りにおいて、pAMI-1のDNAの一部が欠失、置換、挿入又は付加されたものが挙げられる。具体的には、プラスミドpAMI-1の複製に関与しない領域(配列番号の1を起点として、3581塩基対までの領域と6475塩基対から9978塩基対の領域と推定される。)の一部が欠失、置換、挿入又は付加されたものが挙げられる。
また、本発明は、環状二本鎖DNAプラスミドpAMI-1又はその誘導体に異種DNAを挿入したプラスミドを提供する。異種DNAとしては、選択マーカー遺伝子、導入すべき形質を担う遺伝子、発現調節に関与するDNA配列を挙げることができる。選択マーカー遺伝子としては、クロラムフェニコール耐性遺伝子、エリスロマイシン耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子、スペクチノマイシン耐性遺伝子、ストレプトマイシン耐性遺伝子、テトラサイクリン耐性遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子などの薬剤耐性遺伝子を挙げることができる。導入すべき形質を担う遺伝子としては、トルエン分解酵素、ビフェニル分解酵素などの芳香族化合物分解代謝系に関与する酵素の遺伝子や、β-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、緑色蛍光蛋白質などのレポーター遺伝子などを挙げることができる。発現調節に関与するDNA配列としては、プロモーター、エンハンサー、ターミネーター、各種リプレッサー遺伝子およびそれに対応するリプレッサー結合領域などを挙げることができる。
環状二本鎖DNAプラスミドpAMI-1又はその誘導体に選択マーカー遺伝子を挿入した組換えプラスミドの例としては、環状二本鎖DNAプラスミドpAMI-1又はその誘導体の、少なくとも配列番号1に記載された塩基配列の3582bpから6475bpのDNA断片を含む領域と、大腸菌カナマイシン耐性遺伝子あるいはクロラムフェニコール耐性遺伝子を持つpHSGプラスミドを連結した図2及び図3の環状二本鎖プラスミドpAMI-K1またはpAMI-C1を挙げることができる。
さらに、本発明は、上記のプラスミドにより宿主細胞を形質転換して得られた形質転換体を提供する。宿主細胞としては、種々の原核細胞(細菌など)および真核細胞(動植物細胞など)を挙げることができるが、Sphingobium属及びSphingomonas属細菌、Escherichia coli、枯草菌、Pseudomonas属細菌などの細菌をはじめとする微生物が宿主細胞として望ましい。
さらにまた、本発明は、上記のプラスミドをベクターとして用いる遺伝子組換え法を提供する。
pAMI-1を調製するには、Birnboim,H.C and J.Doly, (1979) Nuc.Acid,Res., 7, p1513-1523 に記載の方法にしたがって行えばよい。すなわち、Sphingobium amiensis JCM11777株を培地で培養し、次いでこれを集菌して、大腸菌等を溶菌させる公知の方法、例えば水酸化ナトリウムやドデシル硫酸ナトリウムを用いて溶菌する。得られた溶菌物からは、例えばフェノール抽出およびエチジウムブロミド存在下の塩化セシウム密度勾配遠心法の如き通常用いられる方法によって、プラスミドを分離・精製することができる。
pAMI-1をベクターとして用いることにより、宿主を形質転換することができる。
宿主に用いるSphingobium属及びSphingomonas属細菌としては、Sphingobium amiensis JCM11777株、Sphingomonas cloacae JCM10874株、Sphingobium chlorophenolica JCM10275株、Sphingobium yanoikuyae JCM7371株、Sphingomonas capsulata JCM7452株及びSphingomonas ANI7A菌株が好ましく、特にSphingobium amiensis JCM11777株から元来保有しているpAMI-1を除去したSphingobium amiensis JCM11777-c株が最も好ましい。プラスミドを除去した株を作成する方法としては、Rプラスミドの分子遺伝学的実験法 中谷林太郎 他、p18〜19,菜根出版に記載の大腸菌等からプラスミドを除去する方法、すなわちエチジウムブロミド存在下で培養することによりプラスミドを選択的に除去する方法により得ることができる。
pAMI-1に選択マーカー遺伝子などの異種DNAを挿入した組換えプラスミドを導入する形質転換の方法としては、当業者に公知の塩化カルシウム法、プロトプラストーポリエチレングリコール法、エレクトロポレーション法などが挙げられ、特に限定はないが、Sphingobium属及びSphingomonas属細菌を宿主とする場合はエレクトロポレーション法が最も好ましい。
pAMI-1の自律複製機能に関与する遺伝子は、他のプラスミドと同様に、本発明プラスミドDNAの一部に担われていると考えられるので、本発明プラスミドの中で複製に関与しない領域を欠失したり、あるいは別のDNAが挿入又は付加されたようなプラスミド誘導体も本発明プラスミドと同様な機能を有すると考えられる。それ故、本発明はpAMI-1そのもののみに限定されるのではなく、これを修飾して得られるプラスミドや、選択マーカー遺伝子や宿主に導入すべき形質を担う遺伝子などのDNA配列を本発明プラスミドに挿入した組換えプラスミドをも包含するものである。
pAMI-1をベクターとして宿主に導入できる新たな形質としては、トルエン分解酵素、ビフェニル分解酵素などの芳香族化合物分解代謝系に関与する酵素の遺伝子や、β-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、緑色蛍光蛋白質などのレポーター遺伝子などが考えられ、必要に応じてプロモーターなどの発現調節に関与する配列を組み込んでも良い。

本発明を以下の実施例により具体的に説明する。これらの実施例は説明のためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
プラスミドpAMI-1の調製
Sphingobium amiensis JCM11777株(JCM11777株と略称することがある。)より、Birnboim,H.C and J.Doly, (1979) Nuc.Acid,Res., 7, p1513-1523 の方法に準じた方法でpAMI-1プラスミドDNAを調製した。すなわち、JCM11777株を100ミリリットルの肉エキス培地(肉エキス0.4gを100ミリリットルの水に溶解したもの)に植菌し、30℃で1日培養して得られた菌体について水酸化ナトリウムやドデシル硫酸ナトリウムを用いて溶菌後、フェノール処理し、さらにエタノール沈殿によりプラスミドDNAを精製した。
得られたプラスミドDNAを各種制限酵素(宝酒造(株))で切断し、得られたDNA断片の塩基対長をアガロースゲル電気泳動により求めた結果、pAMI-1は、SalI、KpnI、PstI、SacIの認識部位をそれぞれ1カ所持つ環状二本鎖DNAプラスミドであった。図1にpAMI-1の制限酵素地図を示す。配列表の配列番号1に、常法により決定したpAMI-1の全塩基配列を示す。
pAMI-1への選択マーカーKm遺伝子あるいはCm遺伝子の付与
Km耐性遺伝子を担うpHSG298(宝酒造(株):2676bp)あるいはCm耐性遺伝子を担うpHSG398(宝酒造(株):2227bp)をSphIとPstIで切断し、pAMI-1の塩基配列3582塩基対から6475塩基対までの2893塩基対からなるDNA断片を常法のPCR増幅により取得したものをそれぞれ連結反応させた。連結後の反応液を常法に従い、大腸菌JM109株(宝酒造(株))にそれぞれ形質転換し、50μg/mlのカナマイシンあるいは50μg/mlのクロラムフェニコールを含むLB培地(トリプトン 10g、イーストエキス 5g、NaCl 5g/1リットル)プレート上で選択してKm耐性あるいはCm耐性の形質転換体を得た。得られた形質転換株よりプラスミドを調製し、その制限酵素切断パターンを解析したところ、上記二つのDNA断片をそれぞれ含んでおり、各プラスミドをpAMI-K1(全長約5600bp)及びpAMI-C1(全長約5100bp)と命名した。
Sphingobium amiensis JCM11777-c株の作成
宿主に用いるSphingobium属細菌として、Sphingobium amiensis JCM11777株から元来保有しているpAMI-1を除去した株を作成した。プラスミドを除去した株を作成する方法としては、Rプラスミドの分子遺伝学的実験法 中谷林太郎 他、p18〜19,菜根出版に記載の大腸菌等からプラスミドを除去する方法に準じた方法を用いた。すなわち、Sphingobium amiensis JCM11777株を30μg/mlのエチジウムブロミド存在下で培養することによりプラスミドpAMI-1を除去した株を選択した。選択は実施例1に記載の方法でプラスミドを調製しアガロースゲル電気泳動によりプラスミドの有無を指標に行った。その結果、約500株のうち一つの株がプラスミドpAMI-1を保持していないことから、この株をSphingobium amiensis JCM11777-c株(以下、JCM11777-c株と略称することがある。)と命名した。
Sphingobium amiensis JCM11777-c株へのプラスミドpAMI-K1の形質転換
JCM11777-c株へのプラスミドpAMI-K1の形質転換は、Kurusu,Y et al.(2001) Marine Biotech., 3, p96-99に記載のエレクトロポレーション法に準じた方法により行った。JCM11777-c株を100ミリリットルの肉エキス培地に植菌し、30℃で約18時間培養後、集菌し菌体を緩衝液(10%グリセロール)で2回洗浄し、100μlの同緩衝液に懸濁した。実施例2で調製したプラスミドpAMI-K11μgを懸濁液に加え、ジーンパルサー(米国バイオラド社)を用いて電気パルス(50μF、2,5KV)を1回印加した。印加後、肉エキス培地を1ml加え30℃で2時間培養後、適当量をカナマイシン30μg/ml含有の肉エキス培地プレートに塗布し、30℃で2日間培養した。得られたカナマイシン耐性株より実施例1に記載の方法でプラスミドを調製しアガロースゲル電気泳動を行ったところ、いずれもpAMI-K1を含有していることが判明した。このことから、本発明のプラスミドは、Sphingobium amiensis JCM11777-c株用のベクターとして有用であることは明らかである。
Sphingomonas cloacae JCM10874株へのプラスミドpAMI-K1の形質転換
Sphingomonas cloacae JCM10874株へのプラスミドpAMI-K1の形質転換を、実施例4と同様の方法で行った。得られた形質転換株からは、いずれもpAMI-K1を含有していることが判明した。このことから、本発明のプラスミドは、Sphingomonas cloacae JCM10874株のベクターとしても有用であることは明らかである。
Sphingobium chlorophenolica JCM10275株へのプラスミドpAMI-K1の形質転換
Sphingobium chlorophenolica JCM10275株へのプラスミドpAMI-K1の形質転換を、実施例4と同様の方法で行った。得られた形質転換株からは、いずれもpAMI-K1を含有していることが判明した。このことから、本発明のプラスミドは、Sphingobium chlorophenolica JCM10275株のベクターとしても有用であることは明らかである。
Sphingobium yanoikuyae JCM7371株へのプラスミドpAMI-K1の形質転換
Sphingobium yanoikuyae JCM7371株へのプラスミドpAMI-K1の形質転換を、実施例4と同様の方法で行った。得られた形質転換株からは、いずれもpAMI-K1を含有していることが判明した。このことから、本発明のプラスミドは、Sphingobium yanoikuyae JCM7371株のベクターとしても有用であることは明らかである。
Sphingomonas capsulata JCM7452株へのプラスミドpAMI-K1の形質転換
Sphingomonas capsulata JCM7452株へのプラスミドpAMI-K1の形質転換を、実施例4と同様の方法で行った。得られた形質転換株からは、いずれもpAMI-K1を含有していることが判明した。このことから、本発明のプラスミドは、Sphingomonas capsulata
JCM7452株のベクターとしても有用であることは明らかである。
Sphingomonas ANI7A菌株(FERM P-19095)へのプラスミドpAMI-C1の形質転換
Sphingomonas ANI7A菌株(FERM P-19095)へのプラスミドpAMI-C1の形質転換は、Kurusu,Y et al. (2001) Marine Biotech., 3, p.96-99に記載のエレクトロポレーション法に準じた方法により行った。Sphingomonas ANI7A菌株を100ミリリットルの肉エキス培地に植菌し、30℃で約18時間培養後、集菌し菌体を緩衝液(10%グリセロール)で2回洗浄し、100μlの同緩衝液に懸濁した。実施例2で調製したプラスミドpAMI-K11μgを懸濁液に加え、ジーンパルサー(米国バイオラド社)を用いて電気パルス(50μF、2,5KV)を1回印加した。印加後、肉エキス培地を1ml加え30℃で2時間培養後、適当量をクロラムフェニコール30μg/ml含有の肉エキス培地プレートに塗布し、30℃で2日間培養した。得られたクロラムフェニコール耐性株より実施例1に記載の方法でプラスミドを調製しアガロースゲル電気泳動を行ったところ、いずれもpAMI-C1を含有していることが判明した。このことから、本発明のプラスミドは、Sphingomonas ANI7A菌株用のベクターとして有用であることは明らかである。
Sphingobium yanoikuyae JCM7371株内でのプラスミドpAMI-K1の宿主内安定性
実施例7で得られた形質転換株を100ミリリットルの肉エキス培地(カナマイシン無添加)に植菌し、30℃で約150世代継代培養後、肉エキス培地プレート(カナマイシン無添加)に塗布し、30℃で2日間培養した。出現したコロニーを約100株選択し、カナマイシン30μg/ml含有の肉エキス培地プレートに塗布し、30℃で2日間培養したところ、全ての株が生育した。さらに生育した株より実施例1に記載の方法でプラスミドを調製しアガロースゲル電気泳動を行ったところ、いずれもpAMI-K1を含有していることが判明した。このことから、本発明のプラスミドは、Sphingobium yanoikuyae
JCM7371株内で非選択圧下においてもベクターとして有用であることは明らかである。
pAMI-1の制限酵素地図である。各制限酵素の認識部位を配列番号1の1番目を起点として、( )内はbp単位で示した。図中の太線矢印は、塩基配列情報から得られた相同性の遺伝子を表した。 pAMI-K1の構築図である。pAMI-1の配列番号(3582)から複製に必須と推定されるrep遺伝子を含む配列番号(6475)までの領域をpAMI-K1の作成に用いた。 pAMI-C1の構築図である。pAMI-1の配列番号(3582)から複製に必須と推定されるrep遺伝子を含む配列番号(6475)までの領域をpAMI-C1の作成に用いた。

Claims (11)

  1. 配列番号1に記載された塩基配列からなる環状二本鎖DNAプラスミドpAMI-1、又プラスミドpAMI-1の自律複製機能を保持する限りにおいて配列番号1に記載された塩基配列に1又は数個の欠失、置換、挿入又は付加された塩基配列からなる環状二本鎖DNAプラスミド。
  2. 請求項1に記載の環状二本鎖DNAプラスミドに異種DNAを挿入した組換えプラスミド。
  3. 異種DNAが選択マーカー遺伝子である請求項2記載の組換えプラスミド。
  4. 選択マーカー遺伝子が薬剤耐性遺伝子である請求項3記載の組換えプラスミド。
  5. 請求項1記載の環状二本鎖DNAプラスミドにおいて、少なくとも配列番号1に記載された塩基配列の3582bpから6475bpのDNA断片を含む領域と、大腸菌カナマイシン耐性遺伝子を持つpHSGプラスミドを連結した環状二本鎖DNAプラスミド。
  6. 請求項1記載の環状二本鎖DNAプラスミドにおいて、少なくとも配列番号1に記載された塩基配列の3582bpから6475bpのDNA断片を含む領域と、大腸菌クロラムフェニコール耐性遺伝子を持つpHSGプラスミドを連結した環状二本鎖DNAプラスミド。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のプラスミドにより、宿主細菌(ただし、Sphingobium amiensisに属する細菌を除く。)を形質転換して得られた形質転換体。
  8. 宿主細菌がSphingobium属に属する細菌(ただし、Sphingobium amiensisに属する細菌を除く。)である請求項7に記載の形質転換体。
  9. 宿主細菌がSphingomonas属に属する細菌である請求項7に記載の形質転換体。
  10. 宿主細菌がEscherichia coliに属する細菌である請求項7に記載の形質転換体。
  11. 請求項1〜6のいずれかに記載のプラスミドに、異種DNAを挿入して組換えベクターを調製し、該組換えベクターを用いて、宿主細菌を形質転換することを特徴とする、宿主細菌の遺伝子組換え方法。
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JP2003250547A (ja) * 2002-02-28 2003-09-09 Marine Biotechnol Inst Co Ltd 新規プラスミドベクター

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