JP3520322B2 - 低温細菌由来の新規なプラスミドpPS1M2及びその誘導体 - Google Patents
低温細菌由来の新規なプラスミドpPS1M2及びその誘導体Info
- Publication number
- JP3520322B2 JP3520322B2 JP2000053688A JP2000053688A JP3520322B2 JP 3520322 B2 JP3520322 B2 JP 3520322B2 JP 2000053688 A JP2000053688 A JP 2000053688A JP 2000053688 A JP2000053688 A JP 2000053688A JP 3520322 B2 JP3520322 B2 JP 3520322B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- plasmid
- stranded dna
- circular double
- pps1m2
- strain
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遺伝子操作技術に
関し、より詳細には、低温でよく生育する微生物を宿主
とし、その低温増殖機能や低温性酵素等生産物の利用を
目的とした遺伝子操作に有用なプラスミドに関するもの
である。
関し、より詳細には、低温でよく生育する微生物を宿主
とし、その低温増殖機能や低温性酵素等生産物の利用を
目的とした遺伝子操作に有用なプラスミドに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】低温細菌は、摂氏4−30℃の温度範囲
で生育し、特に10℃以下の低温条件でも良好な増殖を示
す有用な微生物である。この低温細菌に対して、近年急
速に発達してきた遺伝子組換え技術を適用することが可
能になれば、その有用性は一層増大させることが期待で
きる。実際に、一部の低温細菌を宿主として用い、中温
性細菌の巨大プラスミドを接合伝達で導入したり(Kole
nc et al. (1988; AEM 54:638-641)、同様に中温性細菌
の広宿主域プラスミドを接合伝達で導入したり(Remaut
et al., 1999; pp. 1-16. In: Biotechnological Appl
ications of Cold-adapted Organisms. Ed. R. Margesi
n and F. Schinner, Springer)と、低温細菌を対象とし
た遺伝子組換え技術の開発が進められており、産業への
応用の試みが行われようとしている段階である。
で生育し、特に10℃以下の低温条件でも良好な増殖を示
す有用な微生物である。この低温細菌に対して、近年急
速に発達してきた遺伝子組換え技術を適用することが可
能になれば、その有用性は一層増大させることが期待で
きる。実際に、一部の低温細菌を宿主として用い、中温
性細菌の巨大プラスミドを接合伝達で導入したり(Kole
nc et al. (1988; AEM 54:638-641)、同様に中温性細菌
の広宿主域プラスミドを接合伝達で導入したり(Remaut
et al., 1999; pp. 1-16. In: Biotechnological Appl
ications of Cold-adapted Organisms. Ed. R. Margesi
n and F. Schinner, Springer)と、低温細菌を対象とし
た遺伝子組換え技術の開発が進められており、産業への
応用の試みが行われようとしている段階である。
【0003】しかしながら、いずれのベクターも中温性
細菌由来のプラスミドを用いており、プラスミドのサイ
ズが大きく遺伝子操作には適さない。また、低温細菌へ
の導入も接合伝達法を用いているため、より一層煩雑な
操作が必要となる。さらに、異種の細菌由来のプラスミ
ドを用いているため、組換え低温細菌の安全性試験には
多大な労力が必要となることなど、中温性細菌由来のプ
ラスミドを低温細菌のベクターに用いることは、実用面
で多くの障害を有している。そのため、低温細菌が保有
する有用な機能や酵素等有用生産物の付加価値をさらに
向上させ産業利用を図る上では、まだ大きな限界が存在
している。
細菌由来のプラスミドを用いており、プラスミドのサイ
ズが大きく遺伝子操作には適さない。また、低温細菌へ
の導入も接合伝達法を用いているため、より一層煩雑な
操作が必要となる。さらに、異種の細菌由来のプラスミ
ドを用いているため、組換え低温細菌の安全性試験には
多大な労力が必要となることなど、中温性細菌由来のプ
ラスミドを低温細菌のベクターに用いることは、実用面
で多くの障害を有している。そのため、低温細菌が保有
する有用な機能や酵素等有用生産物の付加価値をさらに
向上させ産業利用を図る上では、まだ大きな限界が存在
している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低温細菌で
利用可能なプラスミドで、低温細菌が元来保持し、プラ
スミドサイズが小型で、低温細菌内への導入が容易なプ
ラスミドを提供することを目的とする。
利用可能なプラスミドで、低温細菌が元来保持し、プラ
スミドサイズが小型で、低温細菌内への導入が容易なプ
ラスミドを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、南極海域
や日本海溝等より分離した低温細菌株について、その保
有するプラスミドの探索を行ったところ、日本海溝の海
底堆積物(Stn. PS1、水深 5,974 m:Maruyama et al.,
1997, Marine Biology, 128:705-711)より分離した低
温細菌Pseudoalteromonas sp. PS1M2株(受託番号FERM
P-17703)中に約3.1Kbという比較的小さなサイズ
を持つプラスミドを見いだした。このプラスミドは図1
の制限酵素地図を有し、HindIII、HaeIII、Ec
oRIでそれぞれ1カ所の認識部位を有し、SphI、
PstI、BamHI、SmaI、SacIの認識部位
を有しない。このプラスミドをpPS1M2と命名し
た。
や日本海溝等より分離した低温細菌株について、その保
有するプラスミドの探索を行ったところ、日本海溝の海
底堆積物(Stn. PS1、水深 5,974 m:Maruyama et al.,
1997, Marine Biology, 128:705-711)より分離した低
温細菌Pseudoalteromonas sp. PS1M2株(受託番号FERM
P-17703)中に約3.1Kbという比較的小さなサイズ
を持つプラスミドを見いだした。このプラスミドは図1
の制限酵素地図を有し、HindIII、HaeIII、Ec
oRIでそれぞれ1カ所の認識部位を有し、SphI、
PstI、BamHI、SmaI、SacIの認識部位
を有しない。このプラスミドをpPS1M2と命名し
た。
【0006】pPS1M2が担う形質は不明であったの
で、選択マーカー遺伝子としてエリスロマイシン(Eryt
hromycin;以下Emと略称することがある。)耐性遺伝
子あるいはクロラムフェニコール(Chloramphenicol;
以下Cmと略称することがある。)耐性遺伝子を連結
し、形質転換を試みたところ低温細菌Pseudoalteromona
s sp. PS1M2株において前記選択マーカー遺伝子が発現
する形質転換株を得ることに成功した。本発明は、上記
の知見に基づいて完成された。
で、選択マーカー遺伝子としてエリスロマイシン(Eryt
hromycin;以下Emと略称することがある。)耐性遺伝
子あるいはクロラムフェニコール(Chloramphenicol;
以下Cmと略称することがある。)耐性遺伝子を連結
し、形質転換を試みたところ低温細菌Pseudoalteromona
s sp. PS1M2株において前記選択マーカー遺伝子が発現
する形質転換株を得ることに成功した。本発明は、上記
の知見に基づいて完成された。
【0007】すなわち、本発明は、3138bpの長さ
を持ち、下記の制限酵素地図を有することを特徴とする
環状二本鎖DNAプラスミドpPS1M2又はその誘導
体を提供する。
を持ち、下記の制限酵素地図を有することを特徴とする
環状二本鎖DNAプラスミドpPS1M2又はその誘導
体を提供する。
【0008】
【化2】
【0009】本明細書にいう「環状二本鎖DNAプラス
ミドpPS1M2の誘導体」とは、pPS1M2に由来
するプラスミドであって、プラスミドベクターとしての
機能を保持する限りにおいて、pPS1M2のDNAの
一部が欠失、置換、挿入又は付加されたものを意味す
る。具体的には、プラスミドpPS1M2の複製に関与
しない領域(HindIIIの認識部位を起点として、1
954塩基対から2535塩基対の領域と推定され
る。)の一部が欠失、置換、挿入又は付加されたものが
挙げられる。
ミドpPS1M2の誘導体」とは、pPS1M2に由来
するプラスミドであって、プラスミドベクターとしての
機能を保持する限りにおいて、pPS1M2のDNAの
一部が欠失、置換、挿入又は付加されたものを意味す
る。具体的には、プラスミドpPS1M2の複製に関与
しない領域(HindIIIの認識部位を起点として、1
954塩基対から2535塩基対の領域と推定され
る。)の一部が欠失、置換、挿入又は付加されたものが
挙げられる。
【0010】また、本発明は、環状二本鎖DNAプラス
ミドpPS1M2又はその誘導体に異種DNAを挿入し
たプラスミドを提供する。異種DNAとしては、選択マ
ーカー遺伝子、導入すべき形質を担う遺伝子、発現調節
に関与するDNA配列を挙げることができる。選択マー
カー遺伝子としては、クロラムフェニコール耐性遺伝
子、エリスロマイシン耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺
伝子、スペクチノマイシン耐性遺伝子、ストレプトマイ
シン耐性遺伝子、テトラサイクリン耐性遺伝子などの薬
剤耐性遺伝子などを挙げることができる。導入すべき形
質を担う遺伝子としては、プロテアーゼ、リパーゼ、D
NA合成酵素、RNA合成酵素、アミノ酸や有機酸合成
系に関与する酵素代謝合成酵素などの酵素の遺伝子など
を挙げることができる。発現調節に関与するDNA配列
としては、プロモーター、エンハンサー、各種リプレッ
サー遺伝子およびそれに対応するリプレッサー結合領域
などを挙げることができる。
ミドpPS1M2又はその誘導体に異種DNAを挿入し
たプラスミドを提供する。異種DNAとしては、選択マ
ーカー遺伝子、導入すべき形質を担う遺伝子、発現調節
に関与するDNA配列を挙げることができる。選択マー
カー遺伝子としては、クロラムフェニコール耐性遺伝
子、エリスロマイシン耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺
伝子、スペクチノマイシン耐性遺伝子、ストレプトマイ
シン耐性遺伝子、テトラサイクリン耐性遺伝子などの薬
剤耐性遺伝子などを挙げることができる。導入すべき形
質を担う遺伝子としては、プロテアーゼ、リパーゼ、D
NA合成酵素、RNA合成酵素、アミノ酸や有機酸合成
系に関与する酵素代謝合成酵素などの酵素の遺伝子など
を挙げることができる。発現調節に関与するDNA配列
としては、プロモーター、エンハンサー、各種リプレッ
サー遺伝子およびそれに対応するリプレッサー結合領域
などを挙げることができる。
【0011】環状二本鎖DNAプラスミドpPS1M2
又はその誘導体に選択マーカー遺伝子を挿入した組換え
プラスミドの例としては、(1)環状二本鎖DNAプラ
スミドpPS1M2又はその誘導体のHindIII認識
部位又はそれ以外の部位に、大腸菌のクロラムフェニコ
ール耐性遺伝子を持つpHSGプラスミドを挿入した環
状二本鎖DNAプラスミド、(2)環状二本鎖DNAプ
ラスミドpPS1M2、その誘導体又は(1)の環状二
本鎖DNAプラスミドのいずれかにpDG647由来の
エリスロマイシン耐性遺伝子を挿入した環状二本鎖DN
Aプラスミドを挙げることができる。
又はその誘導体に選択マーカー遺伝子を挿入した組換え
プラスミドの例としては、(1)環状二本鎖DNAプラ
スミドpPS1M2又はその誘導体のHindIII認識
部位又はそれ以外の部位に、大腸菌のクロラムフェニコ
ール耐性遺伝子を持つpHSGプラスミドを挿入した環
状二本鎖DNAプラスミド、(2)環状二本鎖DNAプ
ラスミドpPS1M2、その誘導体又は(1)の環状二
本鎖DNAプラスミドのいずれかにpDG647由来の
エリスロマイシン耐性遺伝子を挿入した環状二本鎖DN
Aプラスミドを挙げることができる。
【0012】さらに、本発明は、上記のプラスミドによ
り宿主細胞を形質転換して得られた形質転換体を提供す
る。宿主細胞としては、種々の原核細胞(細菌など)お
よび真核細胞(動植物細胞など)を挙げることができる
が、Pseudoalteromonas属(具体的には、Pseudoalterom
onas sp. PS1M2株)、Vibrio属、Psychrobacter属など
の低温細菌、Escherichia coli、枯草菌、Pseudomonas
属細菌などの細菌をはじめとする微生物が宿主として好
ましい。
り宿主細胞を形質転換して得られた形質転換体を提供す
る。宿主細胞としては、種々の原核細胞(細菌など)お
よび真核細胞(動植物細胞など)を挙げることができる
が、Pseudoalteromonas属(具体的には、Pseudoalterom
onas sp. PS1M2株)、Vibrio属、Psychrobacter属など
の低温細菌、Escherichia coli、枯草菌、Pseudomonas
属細菌などの細菌をはじめとする微生物が宿主として好
ましい。
【0013】本発明は、また、環状二本鎖DNAプラス
ミドpPS1M2を含有し、受託番号FERM P−1
7703として工業技術院生命工学工業技術研究所(住
所:茨城県つくば市東1−1)に寄託されている(寄託
日:平成12年1月20日)Pseudoalteromonas sp. PS
1M2株を提供する。Pseudoalteromonas sp. PS1M2株は、
摂氏4−30℃の温度範囲で生育し、特に10℃以下の低
温条件でも良好な増殖を示す有用な低温細菌である。さ
らにまた、本発明は、上記のプラスミドをベクターとし
て用いる遺伝子組換え法を提供する。
ミドpPS1M2を含有し、受託番号FERM P−1
7703として工業技術院生命工学工業技術研究所(住
所:茨城県つくば市東1−1)に寄託されている(寄託
日:平成12年1月20日)Pseudoalteromonas sp. PS
1M2株を提供する。Pseudoalteromonas sp. PS1M2株は、
摂氏4−30℃の温度範囲で生育し、特に10℃以下の低
温条件でも良好な増殖を示す有用な低温細菌である。さ
らにまた、本発明は、上記のプラスミドをベクターとし
て用いる遺伝子組換え法を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】pPS1M2を調製するには、Bi
rnboim,H.C and J.Doly, (1979) Nuc.Acid.Res., 7,15
13-1523に記載の方法にしたがって行えばよい。すなわ
ち、Pseudoalteromonas sp. PS1M2株を培地で培養し、
次いでこれを集菌して、大腸菌等を溶菌させる公知の方
法、例えば水酸化ナトリウムやドデシル硫酸ナトリウム
を用いて溶菌する。得られた溶菌物からは、例えばフェ
ノール抽出およびエチジウムブロミド存在下の塩化セシ
ウム密度勾配遠心法の如き通常用いられる方法によっ
て、プラスミドを分離・精製することができる。
rnboim,H.C and J.Doly, (1979) Nuc.Acid.Res., 7,15
13-1523に記載の方法にしたがって行えばよい。すなわ
ち、Pseudoalteromonas sp. PS1M2株を培地で培養し、
次いでこれを集菌して、大腸菌等を溶菌させる公知の方
法、例えば水酸化ナトリウムやドデシル硫酸ナトリウム
を用いて溶菌する。得られた溶菌物からは、例えばフェ
ノール抽出およびエチジウムブロミド存在下の塩化セシ
ウム密度勾配遠心法の如き通常用いられる方法によっ
て、プラスミドを分離・精製することができる。
【0015】pPS1M2をベクターとして用いること
により、宿主を形質転換することができる。宿主に用い
る低温細菌としては、Pseudoalteromonas sp. PS1M2株
が好ましく、特にPseudoalteromonas sp. PS1M2株から
元来保有しているpPS1M2を除去したPseudoaltero
monas sp. PS1M2-p株が最も好ましい。プラスミドを除
去した株を作成する方法としては、Rプラスミドの分子
遺伝学的実験法 中谷林太郎他、p17−18、菜根出
版に記載の大腸菌等からプラスミドを除去する方法、す
なわちエチジウムブロミド存在下で培養することにより
プラスミドを選択的に除去する方法により得ることがで
きる。
により、宿主を形質転換することができる。宿主に用い
る低温細菌としては、Pseudoalteromonas sp. PS1M2株
が好ましく、特にPseudoalteromonas sp. PS1M2株から
元来保有しているpPS1M2を除去したPseudoaltero
monas sp. PS1M2-p株が最も好ましい。プラスミドを除
去した株を作成する方法としては、Rプラスミドの分子
遺伝学的実験法 中谷林太郎他、p17−18、菜根出
版に記載の大腸菌等からプラスミドを除去する方法、す
なわちエチジウムブロミド存在下で培養することにより
プラスミドを選択的に除去する方法により得ることがで
きる。
【0016】pPS1M2に選択マーカー遺伝子などの
異種DNAを挿入した組換えプラスミドを導入する形質
転換の方法としては、当業者に公知の塩化カルシウム
法、プロトプラストーポリエチレングリコール法、エレ
クトロポレーション法などが挙げられ、特に限定はない
が、低温細菌を宿主とする場合はエレクトロポレーショ
ン法が最も好ましい。
異種DNAを挿入した組換えプラスミドを導入する形質
転換の方法としては、当業者に公知の塩化カルシウム
法、プロトプラストーポリエチレングリコール法、エレ
クトロポレーション法などが挙げられ、特に限定はない
が、低温細菌を宿主とする場合はエレクトロポレーショ
ン法が最も好ましい。
【0017】pPS1M2の自律複製機能に関与する遺
伝子は、他のプラスミドと同様に、本発明プラスミドD
NAの一部に担われていると考えられるので、本発明プ
ラスミドの中で複製に関与しない領域が欠失していた
り、あるいは別のDNAが挿入又は付加されたようなプ
ラスミド誘導体も本発明プラスミドと同様な機能を有す
ると考えられる。それ故、本発明はpPS1M2そのも
ののみに限定されるのではなく、これを修飾して得られ
るプラスミドや、選択マーカー遺伝子や宿主に導入すべ
き形質を担う遺伝子などのDNA配列を本発明プラスミ
ドに挿入した組換えプラスミドをも包含するものであ
る。
伝子は、他のプラスミドと同様に、本発明プラスミドD
NAの一部に担われていると考えられるので、本発明プ
ラスミドの中で複製に関与しない領域が欠失していた
り、あるいは別のDNAが挿入又は付加されたようなプ
ラスミド誘導体も本発明プラスミドと同様な機能を有す
ると考えられる。それ故、本発明はpPS1M2そのも
ののみに限定されるのではなく、これを修飾して得られ
るプラスミドや、選択マーカー遺伝子や宿主に導入すべ
き形質を担う遺伝子などのDNA配列を本発明プラスミ
ドに挿入した組換えプラスミドをも包含するものであ
る。
【0018】pPS1M2をベクターとして宿主に導入
できる新たな形質としては、従来常温以上で活性を示す
酵素遺伝子、特にプロテアーゼ、リパーゼなどの酵素遺
伝子などが考えられ、必要に応じてプロモーターなどの
発現調節に関与する配列を組み込んでも良い。
できる新たな形質としては、従来常温以上で活性を示す
酵素遺伝子、特にプロテアーゼ、リパーゼなどの酵素遺
伝子などが考えられ、必要に応じてプロモーターなどの
発現調節に関与する配列を組み込んでも良い。
【0019】
【実施例】本発明を以下の実施例により具体的に説明す
る。これらの実施例は説明のためのものであって、本発
明の範囲を限定するものではない。 〔実施例1〕 プラスミドpPS1M2の調製Pseudoalteromonas sp. PS1M2株(受託番号FERM
P−17703:以下、PS1M2株と略称することがあ
る。)より、Birnboim,H.C and J.Doly, (1979)Nuc.Aci
d.Res., 7,1513-1523.の方法に準じた方法でpPS1M
2プラスミドDNAを調製した。すなわち、PS1M2株を1
00ミリリットルの1/2 TZ培地(Maruyama, A. et al., 1
997, 前出)に植菌し、4℃で3日間培養して得られた
菌体について水酸化ナトリウムやドデシル硫酸ナトリウ
ムを用いて溶菌後、フェノール処理し、さらにエタノー
ルによりプラスミドDNAを精製した。
る。これらの実施例は説明のためのものであって、本発
明の範囲を限定するものではない。 〔実施例1〕 プラスミドpPS1M2の調製Pseudoalteromonas sp. PS1M2株(受託番号FERM
P−17703:以下、PS1M2株と略称することがあ
る。)より、Birnboim,H.C and J.Doly, (1979)Nuc.Aci
d.Res., 7,1513-1523.の方法に準じた方法でpPS1M
2プラスミドDNAを調製した。すなわち、PS1M2株を1
00ミリリットルの1/2 TZ培地(Maruyama, A. et al., 1
997, 前出)に植菌し、4℃で3日間培養して得られた
菌体について水酸化ナトリウムやドデシル硫酸ナトリウ
ムを用いて溶菌後、フェノール処理し、さらにエタノー
ルによりプラスミドDNAを精製した。
【0020】得られたプラスミドDNAを各種制限酵素
(宝酒造(株))で切断し、得られたDNA断片の塩基
対長をアガロースゲル電気泳動により求めた結果、pP
S1M2はHindIII、HaeIII、EcoRIの認識
部位をそれぞれ1カ所づつ持つ環状二本鎖DNAプラス
ミドであり、pPS1M2全体の長さは約3100塩基
対(bp)であった。また、SphI、PstI、Ba
mHI、SmaI、SacIの認識部位は存在しなかっ
た。図1にpPS1M2の制限酵素地図を示す。配列表
の配列番号1に、常法により決定したpPS1M2の全
塩基配列を示す。
(宝酒造(株))で切断し、得られたDNA断片の塩基
対長をアガロースゲル電気泳動により求めた結果、pP
S1M2はHindIII、HaeIII、EcoRIの認識
部位をそれぞれ1カ所づつ持つ環状二本鎖DNAプラス
ミドであり、pPS1M2全体の長さは約3100塩基
対(bp)であった。また、SphI、PstI、Ba
mHI、SmaI、SacIの認識部位は存在しなかっ
た。図1にpPS1M2の制限酵素地図を示す。配列表
の配列番号1に、常法により決定したpPS1M2の全
塩基配列を示す。
【0021】〔実施例2〕 pPS1M2への選択マー
カーCmおよびEm耐性遺伝子の付与 Cm耐性遺伝子を担うpHSG399(宝酒造(株):
2227bp)をHindIIIで切断し、pPS1M2
をHindIIIで切断したものを連結反応させた。連結
後の反応液を常法に従い、大腸菌JM109株(宝酒造
(株))に形質転換し、50μg/mlのクロラムフェ
ニコールを含むLB培地(トリプトン 10g、イース
トエキス 5g、NaCl 5g/1リットル)プレー
ト上で選択してCm耐性の形質転換株を得た。得られた
形質転換株よりプラスミドを調製し、その制限酵素切断
パターンを解析したところ、pHSG399およびpP
S1M2のいずれも含有しており、このプラスミドをp
3921Hと命名した。
カーCmおよびEm耐性遺伝子の付与 Cm耐性遺伝子を担うpHSG399(宝酒造(株):
2227bp)をHindIIIで切断し、pPS1M2
をHindIIIで切断したものを連結反応させた。連結
後の反応液を常法に従い、大腸菌JM109株(宝酒造
(株))に形質転換し、50μg/mlのクロラムフェ
ニコールを含むLB培地(トリプトン 10g、イース
トエキス 5g、NaCl 5g/1リットル)プレー
ト上で選択してCm耐性の形質転換株を得た。得られた
形質転換株よりプラスミドを調製し、その制限酵素切断
パターンを解析したところ、pHSG399およびpP
S1M2のいずれも含有しており、このプラスミドをp
3921Hと命名した。
【0022】次に得られたp3921HをSmaIで切
断し、Anne-Marie Guerout-Fleuryet al, (1995) Gen
e., 167, 335-336.に記載のエリスロマイシン耐性遺伝
子を担うpDG647をBamHIで切断し平滑末端化
したものを連結反応させた。連結後の反応液を常法に従
い、大腸菌JM109株(宝酒造(株))に形質転換
し、20μg/mlのエリスロマイシンを含むLB培地
プレート上で選択してEm耐性の形質転換株を得た。得
られた形質転換株よりプラスミドを調製し、その制限酵
素切断パターンを解析したところ、pHSG399、p
PS1M2およびエリスロマイシン耐性遺伝子のいずれ
も含有しており、このプラスミドをp3921HErm
(全長約7000bp)と命名した。図2に、p392
1H及びp3921HErmの構築図及び制限酵素地図
を示す。
断し、Anne-Marie Guerout-Fleuryet al, (1995) Gen
e., 167, 335-336.に記載のエリスロマイシン耐性遺伝
子を担うpDG647をBamHIで切断し平滑末端化
したものを連結反応させた。連結後の反応液を常法に従
い、大腸菌JM109株(宝酒造(株))に形質転換
し、20μg/mlのエリスロマイシンを含むLB培地
プレート上で選択してEm耐性の形質転換株を得た。得
られた形質転換株よりプラスミドを調製し、その制限酵
素切断パターンを解析したところ、pHSG399、p
PS1M2およびエリスロマイシン耐性遺伝子のいずれ
も含有しており、このプラスミドをp3921HErm
(全長約7000bp)と命名した。図2に、p392
1H及びp3921HErmの構築図及び制限酵素地図
を示す。
【0023】〔実施例3〕 宿主低温細菌となるPseudo
alteromonas sp. PS1M2-p株の作成 宿主に用いる低温細菌として、Pseudoalteromonas sp.
PS1M2株から元来保有しているpPS1M2を除去した
株を作成した。プラスミドを除去した株を作成する方法
としては、Rプラスミドの分子遺伝学的実験法 中谷林
太郎他、p17−18、菜根出版に記載の大腸菌等から
プラスミドを除去する方法に準じた方法を用いた。すな
わち、Pseudoalteromonas sp. PS1M2株を30μg/m
lのエチジウムブロミド存在下で培養することによりプ
ラスミドpPS1M2を除去した株を選択した。選択は
実施例1に記載の方法でプラスミドを調製しアガロース
ゲル電気泳動によりプラスミドDNAの有無を指標に行
った。その結果、約3000株のうち一つの株がプラス
ミドpPS1M2を保持していないことことから、この
株をPseudoalteromonas sp. PS1M2-p株(以下、PS1M2-p
株と略称することがある。)と命名した。
alteromonas sp. PS1M2-p株の作成 宿主に用いる低温細菌として、Pseudoalteromonas sp.
PS1M2株から元来保有しているpPS1M2を除去した
株を作成した。プラスミドを除去した株を作成する方法
としては、Rプラスミドの分子遺伝学的実験法 中谷林
太郎他、p17−18、菜根出版に記載の大腸菌等から
プラスミドを除去する方法に準じた方法を用いた。すな
わち、Pseudoalteromonas sp. PS1M2株を30μg/m
lのエチジウムブロミド存在下で培養することによりプ
ラスミドpPS1M2を除去した株を選択した。選択は
実施例1に記載の方法でプラスミドを調製しアガロース
ゲル電気泳動によりプラスミドDNAの有無を指標に行
った。その結果、約3000株のうち一つの株がプラス
ミドpPS1M2を保持していないことことから、この
株をPseudoalteromonas sp. PS1M2-p株(以下、PS1M2-p
株と略称することがある。)と命名した。
【0024】〔実施例4〕 低温細菌Pseudoalteromona
s sp. PS1M2-p株へのプラスミドp3921HErmの
形質転換 低温細菌Pseudoalteromonas sp. PS1M2-p株へのプラス
ミドp3921HErmの形質転換は、Kato, J et al,
(1998) Appl.Environ.Microbiol., 64,2061-2064に記
載のエレクトロポレーション法に準じた方法により行っ
た。PS1M2-p株を10ミリリットルのMaruyama,A et al,
(1997)に記載のマリン培地に植菌し、4℃で2日間培
養後、集菌し菌体を緩衝液(7mM HEPES、25
2mM Sucrose、pH7.5に水酸化ナトリウ
ムで調整)で2回洗浄し、100μlの同緩衝液に懸濁
した。実施例2で調製したプラスミドp3921HEr
mを1μgを懸濁液に加え、ジーンパルサー(米国バイ
オラド社)を用いて電気パルス(50μF、2.0K
V)を1回印加した。印加後、マリン培地を5ml加え
4℃で3日間培養後、適当量をエリスロマイシン20μ
g/ml含有のマリン培地プレートに塗布し、4℃で3
日間培養した。得られたエリスロマイシン耐性株より実
施例1に記載の方法でプラスミドを調製しアガロースゲ
ル電気泳動を行ったところ、いずれもp3921HEr
mを含有していることが判明した。また、上記の実験を
選択にクロラムフェニコール(選択濃度:50μg/m
l)を用いた場合で行ったところ、エリスロマイシンを
選択に用いた場合と同様な結果が得られた。このことか
ら本発明のプラスミドpPS1M2は、低温細菌Pseudo
alteromonas sp. PS1M2-p株用のベクターとして有用で
あることは明らかである。
s sp. PS1M2-p株へのプラスミドp3921HErmの
形質転換 低温細菌Pseudoalteromonas sp. PS1M2-p株へのプラス
ミドp3921HErmの形質転換は、Kato, J et al,
(1998) Appl.Environ.Microbiol., 64,2061-2064に記
載のエレクトロポレーション法に準じた方法により行っ
た。PS1M2-p株を10ミリリットルのMaruyama,A et al,
(1997)に記載のマリン培地に植菌し、4℃で2日間培
養後、集菌し菌体を緩衝液(7mM HEPES、25
2mM Sucrose、pH7.5に水酸化ナトリウ
ムで調整)で2回洗浄し、100μlの同緩衝液に懸濁
した。実施例2で調製したプラスミドp3921HEr
mを1μgを懸濁液に加え、ジーンパルサー(米国バイ
オラド社)を用いて電気パルス(50μF、2.0K
V)を1回印加した。印加後、マリン培地を5ml加え
4℃で3日間培養後、適当量をエリスロマイシン20μ
g/ml含有のマリン培地プレートに塗布し、4℃で3
日間培養した。得られたエリスロマイシン耐性株より実
施例1に記載の方法でプラスミドを調製しアガロースゲ
ル電気泳動を行ったところ、いずれもp3921HEr
mを含有していることが判明した。また、上記の実験を
選択にクロラムフェニコール(選択濃度:50μg/m
l)を用いた場合で行ったところ、エリスロマイシンを
選択に用いた場合と同様な結果が得られた。このことか
ら本発明のプラスミドpPS1M2は、低温細菌Pseudo
alteromonas sp. PS1M2-p株用のベクターとして有用で
あることは明らかである。
【0025】
【発明の効果】本発明のプラスミドpPS1M2は、摂
氏4−30℃の温度範囲で生育し、特に10℃以下の低温
条件でも良好な増殖を示す有用な低温細菌Pseudoaltero
monassp. PS1M2株から分離されたものであることから、
低温細菌内で、熱に対して極めて不安定な蛋白質あるい
は低温条件下で活性を示す酵素などの遺伝子組換え技術
による高生産に極めて有用なベクターとして期待され
る。
氏4−30℃の温度範囲で生育し、特に10℃以下の低温
条件でも良好な増殖を示す有用な低温細菌Pseudoaltero
monassp. PS1M2株から分離されたものであることから、
低温細菌内で、熱に対して極めて不安定な蛋白質あるい
は低温条件下で活性を示す酵素などの遺伝子組換え技術
による高生産に極めて有用なベクターとして期待され
る。
【0026】
【配列表】
SEQUENCE LISTING
<110> Director-General of Agency of Industrial Science and Technology
<120> Novel plasmid pPS1M2 from a psychrotrophic bacterium and derivativ
es thereof
<130> 11900294
<140>
<141>
<160> 1
<170> PatentIn Ver. 2.0
<210> 1
<211> 3138
<212> DNA
<213> Pseudoalteromonas sp.
<400> 1
aagcttttca tagtcgtttt gattaatgct tttgactcgt ttttgcttgc gcttaacttg 60
tcgtttaagc atttctggtg catctacagc agttagagga ttttttgtct cgttgattct 120
atcagcagat tttttaaagc ccttggcttg ctgttcgtat gctaaagcat tacgcagctt 180
acgccagtat gcaggtctat agtcaaatgc tgcatctttc aatgcgtctg tgattttctt 240
cggtgtaatg tcatcactag ctaatcgtgt tttgtaaaaa tgctcagcta gtttgatgta 300
atcagattgt gttttttcat tcataacaat ggatctcgtt ttaagtttaa attgtgatcc 360
atcgtcaaag agcctttgtc tgttcggtag tcgcttcact ttaaaaactc gcatgagaat 420
gctcattttc aaagttcgct cgtacactca caaacaaagg ggttctacac ccactccagt 480
cgcaagctcc ttgcggggtt tcgctcgtca tacttcctca acacccccat acttacatat 540
tttatcaata tgtaagtatg gtttcaagtg cgctaaaacc ctaaatacgt aaaacccgta 600
aattttaccg ttttacatat ttaaccagat gtgtaacaat ggtaaaaatt acaagattaa 660
ataaggtgta tcattatggg ttttattaca gatttagagc tgcaaatgga aattgaagca 720
gaggagtttg caaagctacc aaagggaaga acaagagaga ataactaaag aaaaaaaagc 780
ggaatccgaa agaataaaag caaaatttaa agcaaagtat gagtctaaaa aaaatgactg 840
aaattgaaaa attaattgag cttttaggtt ctgaatctgg tgatcgttgg cttgaattca 900
tggattacgt taatcaaaac ctcagtcata ttttgaaacg tggcaagcca aaagctgaag 960
atattgaaaa ctcaatcatt ggcaaagctg gctttaaaac gtggaaagaa tttatagaat 1020
ccccaaccgc acaaggcggt ttggcatgga atctatctac ttttgattcg tggaaacgtg 1080
cttattcaat cgtttgtaat tatccatttt tgagaaactt agagttatca gcgagtttta 1140
ttaatacgat ttaccgtgaa accaagccaa atttccctat ctctgaaagt gatttaacac 1200
gaatttctag tcgttagaga agaaaaagcc atagcaaacc aacaaaacaa gctaaaaatg 1260
gctgagaatc gctctcagga gcttttagag caacttaaag cgcatgaaca caccatagca 1320
ctacaacaac aagagataga cacattaaaa agccagttag cgcagggcgc agcccaagca 1380
gaacggcttt tgggaagtga aaaacgtgtt ggtgaactcg aaacactgtt aaaacttcaa 1440
tgaaaccgag ttaaacaaga ctaaaaattc gttaaaaaaa caagtcaaac aggcttgata 1500
gctatgaaaa catgggtttt ttagacaagc tgaaagcctt atttaactaa aggtcgctca 1560
attactggga ttttttgcta cgcaaaaccg cattgattta ctgtggaaaa atcagagatt 1620
ttacacacag caactcaaca ctactcccgg taatcactcc ccaatgcaca attatttttt 1680
gttttttatt agaactcgat tttttcaggg tgattgagga acgaaatcgc acttaaaaaa 1740
tgagtaagca agcgaagcgc ggtagtcggt tttcgtacct caaacctcac ttaataagat 1800
aataagaagg gaaattgctc cagcccttta aaataagggg ggtatttttc aaaacacaga 1860
cttgtaagct caacttcaag accaagcagg ctcaaaaata tagctttaca agctcaaaat 1920
taaactatat attgagcttt gcattccatt gttatgagat tcacaatctc aaaaaagagg 1980
tcgattttga gcttacaaag atataaagaa aatccatttc tcaaagatat ggagattaat 2040
acaagcaata aacaagttac tgttagcgca cttggaaaag ataacaatgt acttgttaac 2100
caaagcacag gtgagataag tggaacgtca gtagtgacgt acaaaaaggt tgatgatgct 2160
gaatttgtta agttatttag tgcaaacata gcactgactt ttgatttaaa atcagcaggg 2220
attaaaacat tttccgtttt aatttggatg gttcagcaca gggccattgg taaagaccaa 2280
gtaatccttg atcacatggc gcttgaagaa tggtgcgaag tacacgaacc aaaaagcata 2340
agccatgcaa catttaaacg tggcttaaac gagcttgaaa aagctaaaat catagcaaaa 2400
acaatgcgta aaggtactta tttcataaac cctaactttg tttttaatgg caatcgaatt 2460
gcattcacaa cagttataga gcgaggcaac aaagctaaaa atgaaaatca gcaagagttg 2520
cctttgggtg attaattaca tagaaaaatc actgtcatga tcattgtttt tatgatgttc 2580
gggcgcatta attttagtcg atttttcgtg attaactcta actagctttt gctgttcagc 2640
cagcgttatt gctggcttta cggctatttt tccgcttgct gttcgcttat caccgtacac 2700
gctgactgat ttagttgatt gatgacccat aatgtaagcc acttcaacac gacttaaacc 2760
actcgctttt aaatcagagc ctaattgatg cctaaagcta tatagcgtca tctgggcttt 2820
tctacgtggg aatgttgact tggttagtgt tgctaatcgc tcttgtattc tgtgcattat 2880
cccagtctta aaatcgcctg tatcgcctga tttcagtacg tctacagcct gactgatagc 2940
aaaacaatca ttgtaatcta acgtcaactt tctatctaaa cctctatcac ctttttcatt 3000
gatttttgcg cccttgatag tgatttcata gggcaaatca atctcaatat taagcatttc 3060
agcaggtcta cagcctgtta attctgcaat ggttaacgct gccctaagct caatatcatt 3120
agggtttagc ttgcttaa 3138
【図1】pPS1M2の制限酵素地図である。各制限酵
素の認識部位をHindIIIを起点として、( )内は
bp単位で示した。また、SphI、PstI、Bam
HI、SmaI、SacIの認識部位は存在しなかっ
た。図中の太線矢印は、1954塩基対から2535塩
基対の領域で複製必須領域と推定される範囲を示す。
素の認識部位をHindIIIを起点として、( )内は
bp単位で示した。また、SphI、PstI、Bam
HI、SmaI、SacIの認識部位は存在しなかっ
た。図中の太線矢印は、1954塩基対から2535塩
基対の領域で複製必須領域と推定される範囲を示す。
【図2】p3921H及びp3921HErmの構築図
及び制限酵素地図である。
及び制限酵素地図である。
Claims (11)
- 【請求項1】配列番号1に記載された塩基配列からなる
環状2本鎖DNAプラスミドpPS1M2、又はプラス
ミドpPS1M2の自律複製機能を保持する限りにおい
て、配列番号1に記載された塩基配列に一又は数個の欠
失、置換、挿入若しくは付加された塩基配列からなる環
状二本鎖DNAプラスミド。」 - 【請求項2】 請求項1記載の環状二本鎖DNAプラス
ミドに異種DNAを挿入した組換えプラスミド。 - 【請求項3】 異種DNAが選択マーカー遺伝子である
請求項2記載の組換えプラスミド。 - 【請求項4】 選択マーカー遺伝子が薬剤耐性遺伝子で
ある請求項3記載の組換えプラスミド。 - 【請求項5】 請求項1記載の環状二本鎖DNAプラス
ミドのHindIII認識部位又はそれ以外の部位に、大
腸菌のクロラムフェニコール耐性遺伝子を持つpHSG
プラスミドを挿入した環状二本鎖DNAプラスミド。 - 【請求項6】 請求項1記載の環状二本鎖DNAプラス
ミド又は請求項5記載の環状二本鎖DNAプラスミドの
いずれかにpDG647由来のエリスロマイシン耐性遺
伝子を挿入した環状二本鎖DNAプラスミド。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のプラス
ミドにより宿主細胞を形質転換して得られた形質転換
体。 - 【請求項8】 宿主細菌が低温細菌Pseudoalteromonas
属に属する細菌である請求項7に記載の形質転換体。 - 【請求項9】 宿主細菌がEscherichia coliに属する細
菌である請求項7に記載の形質転換体。 - 【請求項10】 請求項1記載の環状二本鎖DNAプラ
スミドpPS1M2を含有し、受託番号FERM P−
17703として工業技術院生命工学工業技術研究所に
寄託されているPseudoalteromonas sp. PS1M2株。 - 【請求項11】 請求項1〜6のいずれかに記載のプラ
スミドに、異種DNAを挿入して組換えベクターを調製
し、該組換えベクターを用いて、宿主微生物を形質転換
することを特徴とする、遺伝子組換え方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000053688A JP3520322B2 (ja) | 2000-02-29 | 2000-02-29 | 低温細菌由来の新規なプラスミドpPS1M2及びその誘導体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000053688A JP3520322B2 (ja) | 2000-02-29 | 2000-02-29 | 低温細菌由来の新規なプラスミドpPS1M2及びその誘導体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001238675A JP2001238675A (ja) | 2001-09-04 |
JP3520322B2 true JP3520322B2 (ja) | 2004-04-19 |
Family
ID=18575037
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000053688A Expired - Lifetime JP3520322B2 (ja) | 2000-02-29 | 2000-02-29 | 低温細菌由来の新規なプラスミドpPS1M2及びその誘導体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3520322B2 (ja) |
-
2000
- 2000-02-29 JP JP2000053688A patent/JP3520322B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001238675A (ja) | 2001-09-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Nakano et al. | Isolation and characterization of sfp: a gene that functions in the production of the lipopeptide biosurfactant, surfactin, in Bacillus subtilis | |
Sauer et al. | Sporulation and primary sigma factor homologous genes in Clostridium acetobutylicum | |
US5232840A (en) | Enhanced protein production in bacteria by employing a novel ribosome binding site | |
CA2038706A1 (en) | Bacterial vectors | |
Uraji et al. | A novel plasmid curing method using incompatibility of plant pathogenic Ti plasmids in Agrobacterium tumefaciens | |
US4725535A (en) | Promoter probe vectors | |
Lee et al. | Cloning and characterization of two groESL operons of Rhodobacter sphaeroides: transcriptional regulation of the heat-induced groESL operon | |
CN111117942B (zh) | 一种产林可霉素的基因工程菌及其构建方法和应用 | |
EP1762612A2 (en) | Insertion sequence elements derived from ralstonia solanacearum | |
KR100407835B1 (ko) | 니트릴히드라타제(NitrileHydratase)유전자발현을위한조절유전자 | |
JPH10337185A (ja) | アスパルターゼ活性を有する新規なタンパク質および該タンパク質をコードする遺伝子dna | |
JP3520322B2 (ja) | 低温細菌由来の新規なプラスミドpPS1M2及びその誘導体 | |
US7049097B2 (en) | Antibiotics-independent vector for constant high-expression and method for gene expression using the same | |
JPH07107976A (ja) | 挿入配列 | |
Ladygin et al. | Transformation of Chlamydomonas reinhardtii CW-15 with the hygromycin phosphotransferase gene as a selectable marker | |
JP4903004B2 (ja) | ロドコッカス属に属する細菌の形質転換方法 | |
Winteler et al. | Anaerobically controlled expression system derived from the arcDABC operon of Pseudomonas aeruginosa: application to lipase production | |
JPH05284973A (ja) | 組換プラスミドおよびこれをベクターとして用いる異種蛋白質の分泌生産方法 | |
Marsch-Moreno et al. | pTn5cat: a Tn5-derived genetic element to facilitate insertion mutagenesis, promoter probing, physical mapping, cloning, and marker exchange in phytopathogenic and other Gram-negative bacteria | |
JP2003235565A (ja) | 乳酸菌用シャトルベクター | |
JP3946300B2 (ja) | ビフィズス菌用シャトルベクター及びビフィズス菌プラスミドの複製タンパク質遺伝子 | |
CN114875046B (zh) | 一种丝状真菌复制子 | |
US4876202A (en) | Chimeric plasmids | |
JPH0665307B2 (ja) | バチルスズブチリスのグルコン酸オペロンおよびプロモ−タ− | |
JP4565113B2 (ja) | 新規なプラスミドpAMI−1及びその誘導体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 3520322 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |