JP4495059B2 - サッシ窓 - Google Patents
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Description
従来の外壁においては、外壁開口部に設けられた木製の開口枠(特許文献1)や金属製の開口フレーム(特許文献2)と、開口枠や開口フレームに固定されたアルミ形材製のサッシ窓枠と、このサッシ窓枠に支持されたガラスパネルや障子等のパネル体とで内付けのサッシ窓が構成されている。そして、外壁の躯体である金属製のフレームに下地材を介して外装材(サイディングやタイル)が固定されており、開口部の上および左右の三方において外装材が室内側に折れ曲がる形で回り込んで設けられるとともに、この外装材の折曲部室内側端部が水密材(シール材)を介して開口枠(開口フレーム)やサッシ窓枠に接続されている。
また、サッシ窓枠と外装材の折曲部とが互いに固定されていないことから、地震時や暴風時等に相対変位が大きくなってシール材が切れてしまう可能性があり、シール材が切れたり劣化したりした場合には、このシール材位置から浸入した雨水等が即座に躯体や内装材の位置まで到達してしまうため、止水性能上も問題がある。
また、外壁躯体と外壁仕上げ材との間に、窓枠体の突出片部の突出寸法分の隙間による通気層を形成することができ、外壁躯体や仕上げ材の湿気を防止することができるとともに、外壁の断熱性能も高めることができる。さらに、通気層によって室外空間との等圧空間を構成することもできるので、この通気層を介して外壁躯体や窓枠体の内側へ雨水が浸入することが阻止できる。
すなわち、外壁仕上げ材の折曲部先端と窓枠体の見付け片部との間から雨水が浸入したとしても、この雨水は窓枠体の見込み片部と外壁仕上げ材の折曲部との間を通って室外側に移動し、さらに突出片部を越えて固定片部と外壁仕上げ材との間を通って止水位置に達するまでの長い距離を移動する必要があるため、止水位置まで雨水が浸入しにくくなっている。さらに、止水位置に雨水が達したとしても、この雨水は、まず止水構造により阻止されて窓枠体と外壁躯体との間に浸入できないようになっている。さらに万一、窓枠体と外壁躯体との間に雨水が浸入したとしても、この浸入位置から室内空間までは、少なくとも外壁躯体の厚さ寸法以上の距離が隔てられているため、室内空間まで雨水が浸入する可能性をほぼ皆無にすることができる。また、止水位置が隙間を介して外壁仕上げ材に覆われているので、室外空間の風圧や気圧差の影響を低減することができ、この点からも室内空間への雨水の浸入を防止することができる。
また、本発明のサッシ窓では、前記外壁仕上げ材は、前記外面部から前記折曲部まで一体成形されたサイディング材から構成され、前記折曲部を構成する前記サイディング材または当該サイディング材の下地材が前記窓枠体の突出片部にビス止め固定されていてもよい。
さらに、本発明のサッシ窓では、前記外壁仕上げ材は、板状の下地材と、この下地材の表面に設けられたモルタル層とを有して構成され、前記折曲部を構成する前記外壁仕上げ材の下地材が前記窓枠体の突出片部にビス止め固定されていてもよい。
このような構成によれば、外壁仕上げ材における外面部と折曲部とで構成材料の組み合わせを任意に選択することができ、外観意匠デザインの多様化を図ることができる。
このような構成によれば、窓枠体を支持枠(捨て枠)および本窓枠から構成し、支持枠に対して着脱自在に本窓枠を取り付けるようにするとともに、支持枠の上支持枠や縦支持枠に見込み片部、見付け片部、および突出片部を設けたので、支持枠を外壁に固定したままで外壁仕上げ材を壊すことなく本窓枠を交換することができ、改装サッシとして本発明のサッシ窓を構成することができる。また、支持枠と本窓枠とがシール材を介して連結されるので、これらの間からの雨水の浸入を防止することができ、前述した外壁躯体および外壁仕上げ材と支持枠との間の止水構造と併せて、サッシ窓全体としての止水性能を確保することができる。
なお、第2実施形態以降において、次の第1実施形態で説明する構成部材と同じ構成部材、および同様な機能を有する構成部材には、第1実施形態の構成部材と同じ符号を付し、それらの説明を省略または簡略化する。また、各図においては、主要構成部品の断面を示すハッチングが省略されている。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係るサッシ窓である引違い窓10が設けられた建物の外壁1部分を示す縦断面図である。図2は、外壁1部分を示す横断面図である。図3、4は、それぞれ引違い窓10の上枠部分、および下枠部分を拡大して示す縦断面図である。図5は、引違い窓10の縦枠部分を拡大して示す横断面図である。
上支持枠21は、アルミ押出形材製であって、外壁1の開口部5の上縁に沿って見込み方向室外側に延びる見込み片部211と、この見込み片部211の室外側端縁に連続して上方に折れ曲がり、壁パネル2の室外面に沿って延びる固定片部212とを有している。この固定片部212は、室外側からのビスにより壁パネル2に固定されるとともに、固定片部212と壁パネル2との間には、図示しないシール材や防水シート等を用いた止水構造が設けられている。そして、上支持枠21は、固定片部212よりも室外側に突出する突出片部213と、固定片部212よりも室内側において見込み片部211から下方(見付け方向内側)に延びる見付け片部214と、見付け片部214よりも室内側において見込み片部211から下方に延びる支持片部215とを有している。この支持片部215の下端部室内側には、シール材215Aが取り付けられている。
下支持枠22は、アルミ押出形材製であって、外壁1の開口部5の下縁に沿って見込み方向室外側に延びる見込み片部221と、この見込み片部211に連続して下方に延び、壁パネル2の室外面に沿って延びる固定片部222と、見込み片部221に連続して固定片部222よりも室外側に延びる水切り片部223とを有している。固定片部222は、前述の上支持枠21の固定片部212と同様に、室外側からのビスにより壁パネル2に固定されるとともに、固定片部222と壁パネル2との間に止水構造が設けられている。そして、下支持枠22は、見込み片部221から下方に延びた載置片部によって壁パネル2に載置されるとともに、見込み片部221から上方に延びる支持片部224を有している。この支持片部224の上端部室内側には、シール材224Aが取り付けられている。
縦支持枠23は、アルミ押出形材製であって、外壁1の開口部5に沿って見込み方向室外側に延びる見込み片部231と、この見込み片部231の室外側端縁に連続して側方(見付け方向外側)に折れ曲がり、壁パネル2の室外面に沿って延びる固定片部232とを有している。この固定片部232は、室外側からのビスにより壁パネル2に固定されるとともに、固定片部232と壁パネル2との間には、図示しないシール材や防水シート等を用いた止水構造が設けられている。そして、縦支持枠23は、固定片部232よりも室外側に突出する突出片部233と、固定片部232よりも室内側において見込み片部231から見付け方向内側に延びる見付け片部234とを有している。さらに、縦支持枠23は、見付け片部234よりも室内側において見込み片部231から見付け方向内側に延びる支持片部235を有しており、この支持片部235の先端部室内側には、シール材235Aが取り付けられている。
以上のような縦枠体13における外壁仕上げ材のセメントボード3は、壁パネル2の室外側側面に所定間隔を介して対向する外面部3Aと、この外面部3Aに連続して室内側に折れ曲がり、縦支持枠23の突出片部233および見込み片部231に沿って見込み方向室内側に延びる折曲部3Bとを有して構成されている。これらの外面部3Aおよび折曲部3Bは、互いに別体とされて各々断面矩形状に成形されたセメントボード3から構成されている。外面部3Aは、突出片部233の先端に当接して位置決めされ、外面部3Aは、突出片部233の突出寸法と略等しい寸法の隙間を介して壁パネル2と対向して設けられている。そして、外面部3Aと壁パネル2との隙間によって通気層3Cが形成されている。また、折曲部3Bは、室外から螺合されるビス3Dによって突出片部233に固定され、折曲部3Bの室内側端縁が縦支持枠23の見付け片部234に当接して位置決めされるとともに見付け片部234に接続されている。
まず、上枠体11および縦枠体13において、上支持枠21および縦支持枠23の見込み片部211,231、および見付け片部214,234が連続しているため、この位置から室内側に雨水等が浸入することがない。また、セメントボード3の折曲部3B先端と見付け片部214,234とが当接されているため、これらの間に雨水等が浸入しにくくなっているが、雨水が浸入したとしても、この雨水は折曲部3Bと見込み片部211,231との間を通って室外側に移動し、さらに突出片部213,233を越え、かつ固定片部212,232に沿って回り込む長い距離を移動する必要がある。このため、固定片部212,232と壁パネル2との止水位置に達するまでの距離が十分に長いので、止水位置まで雨水が浸入する心配がほぼ皆無である。なお万一、固定片部212,232の止水位置から雨水が浸入したとしても、浸入位置から室内空間までは、少なくとも壁パネル2の厚さ寸法以上の距離が隔てられているため、室内空間まで雨水が浸入しないようになっている。
すなわち、引違い窓10における本窓枠30は、見付け方向外側に突出した取付片部312,322,332を四周に有した半外付け用サッシ枠である。すなわち、本窓枠30は、支持枠20を介さずに取付片部312,322,332を壁パネル2の室外面に直接固定することで、外壁面から室外側に突出した半外付けのサッシ窓が構成できるようになっている。このような半外付け用サッシ枠は、一般的に用いられており、その製品バリエーションや製品点数が非常に多く、本実施形態の引違い窓形式の他に、嵌め殺し窓や片引き窓、開き窓、辷り出し窓等の多数の形式のものに利用可能である。つまり、本実施形態においては、本窓枠30は、支持枠20に対して着脱可能に取り付けられており、この本窓枠30を交換することによって、各種形式の窓に改装する、あるいは新しい窓に交換することができるようになっている。
(1)すなわち、外面部3Aにおけるセメントボード3が上支持枠21および縦支持枠23の突出片部213,233の先端に当接されるとともに、折曲部3Bにおけるセメントボード3が突出片部213,233にビス止め固定されているので、外面部3Aおよび折曲部3Bがそれぞれ突出片部213,233によって位置決めされ、セメントボード3の位置決め精度が高められ、施工時の取り付けが容易になって施工性を向上させることができる。さらに、折曲部3Bと支持枠20との位置ずれを防止することができ、外壁1および引違い窓10の外観意匠性の向上を図ることができる。
次に、本発明の第2実施形態に係るサッシ窓について、図6〜図9に基づいて説明する。
本実施形態のサッシ窓である引違い窓10は、前述の第1実施形態と略同様の構成を備えている。そして、本実施形態において、外壁1の外壁仕上げ材の構成が前述の第1実施形態と相違する。相違点について以下に詳しく説明する。
(8)すなわち、外壁仕上げ材として、前記第1実施形態のセメントボード3の他に、サイディング8や、下地材71上にモルタル層72を形成した外装材7や、折曲部9Aを見切り部材9から構成したものが選択可能になるので、設計の自由度および外観意匠性を向上させることができる。
例えば、前記実施形態の引違い窓10では、窓枠体14を支持枠20および本窓枠30で構成したが、これに限らず、一体の窓枠体で構成してもよい。
また、前記実施形態では、室内外一対の障子15を備えた引違い窓10について説明したが、これに限らず、嵌め殺し窓でもよく、また片引き窓や、上げ下げ窓、開き窓、辷り出し窓等、任意の開閉形式のサッシ窓が構成可能である。
また、外壁仕上げ材の折曲部3B,7B,8B,9Aを窓枠体14の突出片部213,233に固定する手段としては、ビス止めに限らず、外壁仕上げ材に設けた係合部と突出片部とを係合させて固定する構造であってもよい。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (6)
- 建物の外壁に設けた開口部内の室内寄りに配設された窓枠体と、この窓枠体の内側に支持されたパネル体とを備えたサッシ窓であって、
前記外壁は、外壁躯体と、この外壁躯体の室外面を覆う外壁仕上げ材とを備えて構成され、
前記窓枠体は、上枠体、下枠体、および左右の縦枠体から構成され、これらの上枠体、下枠体、および縦枠体には、前記外壁の開口部に沿って見込み方向室外側に延びる見込み片部と、この見込み片部に連続して折れ曲がり前記外壁躯体の室外面に沿って延び、かつ当該外壁躯体に固定される固定片部とが設けられ、
前記上枠体および縦枠体の少なくとも1つは、前記固定片部よりも室内側にて前記見込み片部に連続して見付け方向内側に延びる見付け片部と、前記固定片部よりも室外側に突出する突出片部とを有して形成され、
前記上枠体および縦枠体の少なくとも1つに対応した位置の前記外壁仕上げ材は、前記窓枠体の突出片部の突出寸法分の隙間を介して前記外壁躯体の室外面に対向する外面部と、この外面部に連続して見込み方向室内側に折れ曲がり前記見込み片部に沿って延びる折曲部とを有し、この折曲部が前記突出片部に固定されるとともに当該折曲部の室内側端縁が前記見付け片部に接続されているサッシ窓。 - 前記外壁仕上げ材は、前記外面部と前記折曲部とで互いに別体に形成された断面矩形状のセメントボードから構成され、
前記折曲部を構成する前記セメントボードが前記窓枠体の突出片部にビス止め固定されている請求項1に記載のサッシ窓。 - 前記外壁仕上げ材は、前記外面部から前記折曲部まで一体成形されたサイディング材から構成され、
前記折曲部を構成する前記サイディング材または当該サイディング材の下地材が前記窓枠体の突出片部にビス止め固定されている請求項1に記載のサッシ窓。 - 前記外壁仕上げ材は、板状の下地材と、この下地材の表面に設けられたモルタル層とを有して構成され、
前記折曲部を構成する前記外壁仕上げ材の下地材が前記窓枠体の突出片部にビス止め固定されている請求項1に記載のサッシ窓。 - 前記外壁仕上げ材のうち、前記外面部は、下地材およびモルタル層と、セメントボードと、サイディング材とのいずれかから構成され、
前記折曲部は、アルミ製、樹脂製、または木製の見切り部材から構成されて前記窓枠体の突出片部にビス止め固定されている請求項1に記載のサッシ窓。 - 前記窓枠体は、前記外壁躯体に固定される支持枠と、この支持枠に着脱自在に取り付けられるとともに前記パネル体を支持する本窓枠とを備え、これらの支持枠と本窓枠とがシール材を介して連結されて構成されており、
前記支持枠は、上支持枠、下支持枠、および左右の縦支持枠を四周枠組みして構成され、これらの上支持枠、下支持枠、および縦支持枠に前記見込み片部および固定片部が設けられ、当該上支持枠および縦支持枠に前記見付け片部および突出片部が設けられている請求項1から請求項5のいずれかに記載のサッシ窓。
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