JP3848337B2 - サッシ窓の施工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、サッシ窓の施工方法に関する。
建物外壁の開口部に固定された開口枠と、この開口枠に固定されて内部にガラスパネルを支持するサッシ窓枠とを備えたサッシ窓が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載されたサッシ窓の開口枠は、木製であり外壁開口部の室内側に沿って固定されている。そして、サッシ窓枠は、四周枠組みされたアルミ形材製であり、その上および左右の枠体が開口枠の室外面に室外側からのビスにより固定されるとともに、開口枠の見込み面に室内側からのビスにより固定されている。
特許第3477421号公報(図1、2)
しかしながら、前記特許文献1に記載のサッシ窓では、外壁の開口部への取り付けの際に、まず開口枠を開口部に固定しておき、その後にサッシ窓枠を室外側から開口枠にセットし、室外側および室内側からサッシ窓枠をビス止め固定しなければならず、取付作業が面倒であるという問題がある。さらに、サッシ窓枠を交換する必要が生じた際には、室内外のビスを外すとともに、サッシ窓枠を開口枠から室外側に取り外し、新たなサッシ窓を室外側から取り付けなければならず面倒であり、特に高所に設けられた窓では交換作業に多大の手間を要するという問題がある。
本発明の目的は、取付作業や交換作業の作業性に優れたサッシ窓の施工方法を提供することにある。
本発明のサッシ窓の施工方法は、上支持枠、下支持枠、および左右の縦支持枠を四周枠 組みして構成され建物外壁の開口部に固定される支持枠と、上本窓枠、下本窓枠、および 左右の縦本窓枠を四周枠組みして構成されるとともに内部にパネル体を支持する本窓枠と、前記支持枠と本窓枠とを互いに連結する複数の連結部材とを備えたサッシ窓の施工方法 であって前記支持枠に対して室内側から前記本窓枠をセットし、この本窓枠の室内側か らセットした前記連結部材を介して前記上支持枠および上本窓枠と、前記下支持枠および 下本窓枠と、前記縦支持枠および縦本窓枠とをそれぞれ互いに連結してから、前記支持枠 を前記外壁の開口部に固定するとともに、当該開口部に前記各連結部材を室内側から固定 するか、または前記支持枠を前記外壁の開口部に固定してから、前記支持枠に対して室内 側から前記本窓枠をセットし、この本窓枠の室内側からセットした前記連結部材を介して 前記上支持枠および上本窓枠と、前記下支持枠および下本窓枠と、前記縦支持枠および縦 本窓枠とをそれぞれ互いに連結するとともに、前記開口部に前記各連結部材を室内側から 固定することを特徴とする。
ここで、窓枠体の内側に支持されたパネル体としては、窓枠体に移動不能に支持されて嵌め殺し(Fix)窓を構成するガラスパネル等の面材であってもよく、また窓枠体に開閉可能に支持された1枚または複数枚の障子であってもよい。パネル体が障子である場合には、例えば、引き違い窓や片引き窓、開き窓、辷り出し窓等、任意の開閉形式のサッシ窓が構成可能である。
このような本発明によれば、支持枠と本窓枠とが連結部材で連結されているため、外壁開口部へのサッシ窓の取付時において、まず支持枠を開口部に取り付けておいてから本窓枠を連結部材で室内側から連結して取り付けることもでき、また支持枠と本窓枠とを連結部材で連結した状態で外壁開口部に取り付けることもできる。従って、サッシ窓が設けられる建物外壁の位置等に応じて取付手順を適宜選択することができ、作業性を向上させることができる。この際、連結部材により支持枠および本窓枠を連結するとともに、連結部材を外壁開口部に固定することで、本窓枠の取付強度を高めることができる。
また、サッシ窓の交換時において、支持枠と本窓枠との連結部材による連結を室内側から外すことで、本窓枠を取り外すことができるとともに、支持枠を外壁開口部から取り外す必要がないので、本窓枠の交換作業を容易に実施することができる。
この際、本発明のサッシ窓の施工方法では、前記支持枠の上支持枠、下支持枠、および縦支持枠は、見付け方向内側に突出した支持片部を有し、前記本窓枠の上本窓枠、下本窓枠、および縦本窓枠は、それぞれ見付け方向外側に突出して前記支持枠の支持片部の室内側に沿って延びる取付片部を有しており、前記連結部材、前記本窓枠の取付片部、および前記支持枠の支持片部室内側からビスを螺合して当該支持枠と本窓枠とを連結することが好ましい。
このような構成によれば、支持枠の支持片部の室内側に本窓枠の取付片部を設ける、つまり本窓枠を室内側から支持枠に取り付けることで、本窓枠の取付作業および交換作業が室内側から実施でき、これらの作業性をより一層高めることができる。すなわち、従来のサッシ窓が2階以上の階であって外部にバルコニー等がない外壁に設けられた場合には、足場やクレーン等の大掛かりな設備を用いなければ、室外側から本窓枠を取り付けることができない。これに対して、本発明のサッシ窓では、本窓枠が室内側から取り付け、または交換可能になるため、大掛かりな設備が不要で簡単かつ迅速に取り付け、交換作業ができる。
また、ビスで螺合して支持枠の支持片部と本窓枠の取付片部と連結部材とを連結することで、本窓枠の取付作業が容易にできるとともに、ビスを緩めることで連結部材、取付片部、支持片部の連結を外すことができ、本窓枠の交換作業が容易に実施できる。
そして、見付け方向外側に突出した取付片部を有した本窓枠としては、製品バリエーションや製品点数が非常に多くレギュラー製品である半外付け用サッシ枠が利用でき、多種多様なサイズや形式の窓を安価に構成することができる。また、半外付け用サッシ枠において通常外壁に固定するために設けられた取付片部を、支持枠の支持片部に係合させて本窓枠を取り付けることで、半外付け用サッシ枠に対する加工の必要がなく、コスト増加を招かずに半外付け用サッシ枠を転用することができる。
ここで、支持枠の支持片部と本窓枠の取付片部との間には、これらの間をシールするシール材が介装されていることが好ましく、シール材を介して支持枠および本窓枠が連結されることで止水性能を確保することができる。
さらに、本発明のサッシ窓では、前記連結部材は、短尺の金属製であり、前記上支持枠および上本窓枠、前記下支持枠および下本窓枠、前記縦支持枠および縦本窓枠、の各々を少なくとも2箇所にて連結していることが好ましい。
このような構成によれば、連結部材を短尺の金属製ピース材で構成し、上下左右の各枠体において、それぞれ複数箇所で支持枠および本窓枠を連結することで、所定の連結強度を確保しつつ、連結部材の部品点数の削減を図ることができる。すなわち、サッシ窓の見付け幅寸法や高さ寸法が比較的小さい場合には、2箇所の連結部材で連結したり、見付け幅寸法や高さ寸法が比較的大きい場合には、3箇所以上の連結部材で連結したりすることで、サッシ窓の大きさに応じた所定の連結強度が確保できる。さらに、連結部材をピース材とすることで、上下左右の各枠体の長さに関わりなく連結部材が共通化でき、部品点数の削減が可能である。
また、本発明のサッシ窓の施工方法では、前記連結部材は、室内側に開口した断面略コ字形に形成されており、この連結部材のコ字形開口部には、木質材料からなる充填部材が圧入可能に構成され、前記外壁の開口部に前記各連結部材を室内側から固定した後に、当 該開口部における上下左右の四周に沿って前記充填部材を前記連結部材に圧入し、この充 填部材を下地材として内装材を外壁の室内側に取り付けることが好ましい。
このような構成によれば、連結部材に充填部材を圧入することで、略コ字形に開口した連結部材の強度を高めることができる。また、充填部材を開口部の四周に沿って設けることで、支持枠と本窓枠との間の室内側にできた隙間を充填部材によって塞ぐことができ、サッシ窓における断熱性能を高めることができる。さらに、充填部材を木製や再生木等の 木質材料から構成し、この充填部材を内装材の下地としても利用することができる。
この際、本発明のサッシ窓の施工方法では、前記本窓枠の室内側端部には、前記内装材 の開口内周縁を覆う額縁材を支持するケーシングアタッチメント、または前記内装材の開 口内周縁を覆うケーシング部材が取り付け可能に構成され、前記内装材を外壁の室内側に 取り付けた後に、前記ケーシングアタッチメントに支持させて前記額縁材を取り付けて前 記内装材の開口内周縁を覆うか、または前記ケーシング部材を取り付けて前記内装材の開 口内周縁を覆うことが好ましい
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、第2実施形態以降において、次の第1実施形態で説明する構成部材と同じ構成部材、および同様な機能を有する構成部材には、第1実施形態の構成部材と同じ符号を付し、それらの説明を省略または簡略化する。また、各図においては、主要構成部品の断面を示すハッチングが省略されている。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係るサッシ窓である引違い窓10が設けられた建物の外壁1部分を示す縦断面図である。図2は、外壁1部分を示す横断面図である。図3、4は、それぞれ引違い窓10の上枠部分、および下枠部分を拡大して示す縦断面図である。図5は、引違い窓10の縦枠部分を拡大して示す横断面図である。
図1、2において、建物の外壁1は、外壁躯体としての壁パネル2と、この壁パネル2の室外面に設けられた外壁仕上げ材としての外装材3と、壁パネル2の室内面に設けられた内部仕上げ材としての石膏ボード等の内装材4とを有して構成されている。壁パネル2は、格子状等に組んだパネル芯材2Aと、このパネル芯材2Aの室外側に固定されたパネル面材2Bとで形成されている。また、外装材3は、壁パネル2の室外面にモルタルを所定厚さに吹きつけて形成したものでもよく、また予め板状に成形したセメント成形板等を壁パネル2の室外面に取り付けたものでもよい。この外壁1には、矩形状の開口部5が設けられており、引違い窓10は、開口部5内における外壁1の室外面1Aよりも見込み方向室内寄りに設けられた、いわゆる内付けサッシ窓である。この引違い窓10の室内側には、内装材4の開口端縁の室内側を覆う木製の額縁材(ケーシング)6が四周連続して取り付けられている。
引違い窓10は、上枠体11、下枠体12、および左右の縦枠体13からなる窓枠体14と、この窓枠体14の内側に開閉自在に支持されたパネル体としての室内外一組の障子15と、これらの障子15の室外側に設けられた網戸16とを有して構成されている。窓枠体14は、壁パネル2に固定される支持枠(捨て枠)20と、この支持枠20に着脱自在に取り付けられた本窓枠30とを有している。支持枠20は、上支持枠21、下支持枠22、および左右の縦支持枠23を四周枠組みして形成され、本窓枠30は、上本窓枠31、下本窓枠32、および左右の縦本窓枠33を四周枠組みして形成されている。そして、支持枠20の上支持枠21、下支持枠22、および縦支持枠23と、本窓枠30の上本窓枠31、下本窓枠32、および縦本窓枠33とは、それぞれ連結部材41で連結されており、この連結部材41には、内装材4を釘打ち固定する下地材(充填部材)42が嵌め込まれている。また障子15および網戸16は、本窓枠30の上本窓枠31および下本窓枠32に設けられた後述するレール部に戸車が案内され、図2の左右方向に移動可能になっている。障子15は、四周框組した上下左右の框材17と、これらの框材17の内部に嵌め込んだガラスパネル18とを有して形成されている。
図3に示すように、上枠体11は、支持枠20の上支持枠21と、本窓枠30の上本窓枠31とを有して構成されている。これらの上支持枠21と上本窓枠31とは、後述する連結部材41(411)で連結されており、この連結部材411には、下地材42(421)が固定されている。
上支持枠21は、アルミ押出形材製であって、外壁1の開口部5の上縁に沿って見込み方向室外側に延びる見込み片部211と、この見込み片部211の室外側端縁に連続して上方に折れ曲がり、壁パネル2の室外面に沿って延びる固定片部212とを有している。この固定片部212は、室外側からのビス7により壁パネル2に固定されるとともに、固定片部212と壁パネル2との間には、図示しないシール材や防水シート等を用いた止水構造が設けられている。そして、上支持枠21は、固定片部212よりも室内側において見込み片部211から下方(見付け方向内側)に延びる見付け片部213と、この見付け片部213の下端(見付け方向内端)に連続して見込み方向室外側に延びる折返し片部214とを有している。この折返し片部214には、その先端から下方に延びる垂下片214Aと、その下面において上本窓枠31を位置決めする位置決め部214Bとが設けられている。さらに、上支持枠21は、見付け片部213よりも室内側において見込み片部211から下方(見付け方向内側)に延びる支持片部215を有している。この支持片部215の下端部室内側には、シール材215Aが取り付けられている。
本窓枠30の上本窓枠31は、室外側に配置されるアルミ押出形材製の室外部材31Aと、室内側に配置される樹脂製の室内部材31Bとを備えて構成されている。上本窓枠31の室外部材31Aは、上支持枠21の見込み片部211に対向して室内外に延びる上面部311と、この上面部311から下方に延出して室外側の障子15の上框を案内するレール部312および網戸16の上框を案内する網戸レール部313と、上面部311の室内側端部から上方(見付け方向外側)に突出し、上支持枠21の支持片部215の室内側に沿って延びる取付片部314とを有している。この取付片部314は、連結部材411を貫通するビス45によって、上支持枠21の支持片部215に係合され、これにより上本窓枠31が上支持枠21に連結されている。そして、このビス45を締め付けることで、取付片部314および支持片部215が圧接され、支持片部215のシール材215Aが取付片部314に密接するようになっている。また、上本窓枠31の室内部材31Bは、室外部材31Aのレール部313に係合するとともに、ビス315で連結部材411および下地材421に固定されている。そして、室内部材31Bは、下方に延出して室内側の障子15の上框を案内するレール部316と、内装材4の開口端縁と所定の間隔を有して室内側に延びる係止片部317とを有している。この係止片部317と内装材4の開口端縁との間には、額縁材6を支持するための樹脂押出形材製のケーシングアタッチメント43が係止片部317にビス止め固定されている。このケーシングアタッチメント43には、室内側に開口した凹溝部43Aが形成されており、この凹溝部43Aに額縁材6の突出部6Aが挿入されて額縁材6が取り付けられている。なお、ケーシングアタッチメント43は、樹脂製に限らず、木製やアルミ形材製でもよい。
次に、図4に示すように、下枠体12は、支持枠20の下支持枠22と、本窓枠30の下本窓枠32と有して構成されている。これらの下支持枠22と下本窓枠32とは、連結部材41(412)で連結されており、この連結部材412には、下地材42(422)が固定されている。
下支持枠22は、アルミ押出形材製であって、外壁1の開口部5の下縁に沿って見込み方向室外側に延びる見込み片部221と、この見込み片部211に連続して下方に延び、壁パネル2の室外面に沿って延びる固定片部222と、見込み片部221に連続して固定片部222よりも室外側に延びる水切り片部223とを有している。固定片部222は、前述の上支持枠21の固定片部212と同様に、室外側からのビス7により壁パネル2に固定されるとともに、固定片部222と壁パネル2との間に止水構造が設けられている。そして、下支持枠22は、固定片部222よりも室内側において見込み片部221から下方に延びる2つの載置片部224を有し、この載置片部224によって壁パネル2に載置されている。さらに、下支持枠22は、室外側の載置片部224の上方に延びる見付け片部225と、室内側の載置片部224の上方に延びる支持片部226とを有している。見付け片部225の基端部には、見付け片部225と支持片部226との間の等圧空間227に浸入した雨水等を室外空間に排出する排水弁225Aが設けられている。また支持片部226の上端部室内側には、シール材226Aが取り付けられている。
本窓枠30の下本窓枠32は、それぞれアルミ押出形材製の室外部材32Aおよび室内部材32Bと、これらを連結する樹脂製の断熱部材32Cとを有して構成されている。
下本窓枠32の室外部材32Aは、下支持枠22の見込み片部221に対向して室内外に延びる底面部321と、この底面部321の上方に対向する上面部322と、この上面部322から上方に延出して室外側の障子15の戸車を案内するレール部323および網戸16の戸車を案内する網戸レール部324と、底面部321の室内側端部から下方(見付け方向外側)に突出し、下支持枠22の支持片部226の室内側に沿って延びる取付片部325とを有している。この取付片部325は、下支持枠22の室内側の載置片部224にビス45で係合された連結部材412と、下支持枠22の支持片部226との間に挿入され、これにより下支持枠22と下本窓枠32とが連結され、支持片部226のシール材226Aが取付片部325に密接するようになっている。そして、室外部材32Aの底面部321下面には、下支持枠22の見付け片部225上端が当接し、等圧空間227が閉鎖されるようになっている。また、下本窓枠32の室内部材32Bは、連結部材412上に載置されるとともに、上方に延出して室内側の障子15の戸車を案内するレール部326と、内装材4の開口端縁と所定の間隔を有して室内側に延びる係止片部327とを有している。この係止片部327と内装材4の開口端縁との間には、前述の上本窓枠31と同様に、額縁材6を支持するためのケーシングアタッチメント43が係止片部327にビス止め固定されている。
次に、図5に示すように、縦枠体13は、支持枠20の縦支持枠23と、本窓枠30の縦本窓枠33とを有して構成されている。これらの縦支持枠23と縦本窓枠33とは、連結部材41(413)で連結されており、この連結部材413には、下地材42(423)が固定されている。
縦支持枠23は、アルミ押出形材製であって、外壁1の開口部5の上縁に沿って見込み方向室外側に延びる見込み片部231と、この見込み片部231の室外側端縁に連続して側方(見付け方向外側)に折れ曲がり、壁パネル2の室外面に沿って延びる固定片部232とを有している。この固定片部232は、室外側からのビス7により壁パネル2に固定されるとともに、固定片部232と壁パネル2との間には、図示しないシール材や防水シート等を用いた止水構造が設けられている。そして、縦支持枠23は、固定片部232よりも室内側において見込み片部231から見付け方向内側に延びる見付け片部233と、この見付け片部233の見付け方向内端に連続して見込み方向室外側に延びる折返し片部234とを有している。この折返し片部234の基端部には、見付け方向内端に突出するシール材234Aが設けられている。さらに、縦支持枠23は、見付け片部233よりも室内側において見込み片部231から見付け方向内側に延びる支持片部235を有している。この支持片部235の先端部には、シール材235Aが取り付けられている。
本窓枠30の縦本窓枠33は、室外側に配置されるアルミ押出形材製の室外部材33Aと、室内側に配置される樹脂製の室内部材33Bとを備えて構成されている。縦本窓枠33の室外部材33Aは、縦支持枠23の見込み片部231に対向して室内外に延びる側面部331と、この側面部331から見付け方向内側に延出して室外側の障子15の縦框を案内する引寄せ片332および網戸16の縦框を案内する係止片333と、側面部331の室内側よりの位置から見付け方向外側に突出し、縦支持枠23の支持片部235の室内側に沿って延びる取付片部334とを有している。この取付片部334は、連結部材413を貫通するビス45によって、縦支持枠23の支持片部235に連結されている。そして、このビス45を締め付けることで、取付片部334および支持片部235が圧接され、支持片部235のシール材235Aが取付片部334に密接するようになっている。そして、室外部材33Aの室外側端部には、見付け方向外側に突出し、縦支持枠23の折返し片部234に当接または近接する突出片部336が設けられており、この突出片部336の室内側位置において折返し片部234のシール材234Aが側面部331に当接している。また、縦本窓枠33の室内部材33Bは、室外部材33Aにビス止めされるとともに、ビス335で連結部材413および下地材423に固定されている。そして、室内部材33Bは、室外側の障子15の縦框室内側面に当接するシール材337と、内装材4の開口端縁と所定の間隔を有して室内側に延びる係止片部338とを有している。この係止片部338と内装材4の開口端縁との間には、前述の上本窓枠31および下本窓枠32と同様に、額縁材6を支持するためのケーシングアタッチメント43が係止片部338にビス止め固定されている。
次に、支持枠20と本窓枠30とを連結する連結部材41(411,412,413)、および充填部材としての下地材42(421,422,423)について、図6〜10に基づいて詳しく説明する。
図6は、外壁1の一部を省略して室内側から見た窓枠体14を示す正面図である。図78は、それぞれ縦枠体13および外壁1の一部を示す斜視図である。図9は、連結部材41を示す斜視図である。図10(A)〜(C)は、連結部材41を示す三面図である。
連結部材41は、図6に示すように、上枠体11および下枠体12において、それぞれ左右両端寄りの2箇所に設けられ、縦枠体13において、それぞれ上下端寄りおよび中央の3箇所に設けられている。そして、下地材42は、外壁1の開口部5に沿って上下左右の四周に連続して設けられている。
連結部材41は、図7〜10に示すように、室内側に向かって開口した断面略コ字形の金属製(SUS製やアルミ製等)ピース材(短尺部材)であって、第1〜3の片部41A,41B,41Cを有して形成されている。連結部材41の第1片部41Aは、外壁1の開口部5周面に対向して設けられ、ビス44によって壁パネル2の芯材2Aに固定されるようになっている。第2片部41Bは、本窓枠30の取付片部314,325,334に対向して設けられ、上枠体11および縦枠体13における取付片部314,334および支持片部215,235にビス45で固定され、また下枠体12における下支持枠22の載置片部224にビス45で固定されるようになっている。第3片部41Cは、上枠体11における上本窓枠31の室内部材31B、下枠体12における下本窓枠32の室内部材32B、および縦枠体13における縦本窓枠33の側面部331に、それぞれ対向して設けられている。そして、第1片部41Aには、ビス44を挿通するための挿通孔41Dと、両端に折曲部41Eとが設けられている。第2片部41Bには、ビス45を挿通するための挿通孔41Fと、両端に折曲部41Gとが設けられている。第3片部41Cには、必要に応じて上本窓枠31の室内部材31Bや縦本窓枠33の室内部材33Bを固定するためのビス315,335を螺合するためのビス孔41Hが設けられている。
下地材42は、連結部材41のコ字形断面内に収まる矩形断面を有した木製部材であり、連結部材41の第1片部41Aの折曲部41Eと第3片部41Cとの間に挟持され、連結部材41の第2片部41Bの折曲部41Gにより室内外方向の位置決めされている。そして、下地材42は、内装材4を釘打ち等で固定するための下地として機能するとともに、連結部材41に嵌め込むことで連結部材41の剛性を高める効果を有している。さらに、下地材42は、支持枠20の室内側および本窓枠30と壁パネル2との間の空間を塞いで、室内外を断熱する断熱材としても有効に機能するようになっている。
なお、本実施形態では充填部材として木製の下地材42を採用したが、これに限らず、樹脂製の中空部材であってもよく、また木粉を樹脂で固めて成形した再生木等で形成されたものであってもよい。ただし、木製とすることで下地材42は、内装材4を釘打ちにより固定する場合の固定強度を向上させることができるようになっている。
次に、引違い窓10の改装方法について、図11に基づいて説明する。
図11は、引違い窓10の改装方法を説明する縦断面図である。図12は、改装した嵌め殺し窓10Aを示す縦断面図である。図13は、改装した嵌め殺し窓10Aを示す横断面図である。
ここで、引違い窓10における本窓枠30は、見付け方向外側に突出した取付片部314,325,334を四周に有した半外付け用サッシ枠である。すなわち、本窓枠30は、支持枠20を介さずに取付片部314,325,334を壁パネル2の室外面に直接固定することで、外壁面から室外側に突出した半外付けのサッシ窓が構成できるようになっている。このような半外付け用サッシ枠は、一般的に用いられており、その製品バリエーションや製品点数が非常に多く、本実施形態の引違い窓形式の他に、嵌め殺し窓や片引き窓、開き窓、辷り出し窓等の多数の形式のものに利用可能である。つまり、本実施形態においては、本窓枠30は、支持枠20に対して着脱可能に取り付けられており、この本窓枠30を交換することによって、各種形式の窓に改装する、あるいは新しい窓に交換することができるようになっている。
図11において、本窓枠30を支持枠20から取り外すにあたり、先ず、額縁材6を取り外すとともに内装材4の開口周縁の一部を切り欠いてから、切り欠いた下地材42を取り外す。次に、窓枠体の四周において、連結部材41を壁パネル2に固定しているビス44(図3〜5)、および連結部材41と本窓枠30および支持枠20とを連結しているビス45を外し、連結部材41を窓枠体から取り外す。これにより、本窓枠30が支持枠20から取り外し可能になる。
次に、本窓枠30の上本窓枠31側を室内側に倒しながら、上方に持ち上げて本窓枠30を支持枠20から室内側に取り外す。そして、以上の手順と逆の手順で新たな本窓枠としての嵌め殺し窓10A用の本窓枠50(図12、13)を取り付け、連結部材41で連結するとともに、内装材4を取り付け直すことで改装が完了する。
この際、本窓枠30,50の取り外しおよび取り付けの作業は、室内側から実施でき、外装材3および支持枠20を壊したり、取り外したりする必要がない。従って、改装作業の手間がかからず、また、高層建物等のように室外側からの作業が困難な場合であっても容易に改装作業ができるようになっている。
なお、改装時ではなく新設時における引違い窓10の取付方法としては、まず外壁1の開口部5に支持枠20を固定しておき、その後に室内側から本窓枠30を取り付けてもよく、また、予め支持枠20と本窓枠30とを連結部材41で連結しておき、これらを開口部5に室外側から取り付けてもよい。
図12、13において、改装された嵌め殺し窓10Aは、前述と同一の支持枠20と、上本窓枠51、下本窓枠52、および左右の縦本窓枠53を四周枠組みして形成され、その内部に移動不能に支持されたパネル体としてのガラスパネル55を有した本窓枠50とを備えて構成されいる。そして、支持枠20の上支持枠21と本窓枠50の上本窓枠51とによって上枠体11が構成され、下支持枠22と下本窓枠52とによって下枠体12が構成され、縦支持枠23と縦本窓枠53とによって縦枠体13が構成され、これらがそれぞれ互いに連結部材41(411,412,413)で連結されている。また、嵌め殺し窓10Aの室内側には、前記額縁材6およびケーシングアタッチメント43に代えて、上本窓枠51、下本窓枠52、および縦本窓枠53と内装材4との間に取り付けられたケーシング材46が設けられている。このケーシング材46は、内装材4の開口端縁を覆う延出片46Aを有しており、前記ケーシングアタッチメント43と同様に、上本窓枠51、下本窓枠52、および縦本窓枠53にビス止め固定されている。
本窓枠50の上本窓枠51は、室外側に配置されるアルミ押出形材製の室外部材51Aと、室内側に配置される樹脂製の室内部材51Bとを備えて構成されている。上本窓枠51の室外部材51Aは、室内外に延びる上面部511と、この上面部511の室外側から下方に延出してガラスパネル55を支持するパネル支持片512と、上面部511の室内側から上方(見付け方向外側)に突出し、上支持枠21の支持片部215の室内側に沿って延びる取付片部514とを有している。この取付片部514は、連結部材411を貫通するビス45によって、上支持枠21の支持片部215に係合され、これにより上本窓枠51が上支持枠21に連結されている。また、上本窓枠51の室内部材51Bは、室外部材51Aに係合して取り付けられるとともに、室内側からガラスパネル55を押圧する押縁として機能するようになっている。
下本窓枠52は、それぞれアルミ押出形材製の室外部材52Aおよび室内部材52Bと、これらを連結する樹脂製の断熱部材52Cとを有して構成されている。下本窓枠52の室外部材52Aは、室内外に延びる底面部521と、上方に延出してガラスパネル55を支持するパネル支持片522と、底面部521の室内側から下方(見付け方向外側)に突出し、下支持枠22の支持片部226の室内側に沿って延びる取付片部525とを有している。この取付片部325は、下支持枠22にビス45で係合された連結部材412と、下支持枠22の支持片部226との間に挿入され、これにより下支持枠22と下本窓枠52とが連結されている。また、下本窓枠52の室内部材52Bは、連結部材412上に載置されるとともに、室内側からガラスパネル55を押圧する押縁として機能するようになっている。
縦本窓枠53は、室外側に配置されるアルミ押出形材製の室外部材53Aと、室内側に配置される樹脂製の室内部材53Bと、この室内部材53Bを室外部材53Aに取り付けるための樹脂製の取付部材53Cとを備えて構成されている。縦本窓枠53の室外部材53Aは、室内外に延びる側面部531と、この側面部531から見付け方向内側に延出してガラスパネル55を支持するパネル支持片532と、側面部531の室内側よりの位置から見付け方向外側に突出し、縦支持枠23の支持片部235の室内側に沿って延びる取付片部534とを有している。この取付片部534は、連結部材413を貫通するビス45によって、縦支持枠23の支持片部235に連結されている。また、縦本窓枠53の室内部材53Bは、室外部材53Aにビス止めされた取付部材53Cに係合されるとともに、室内側からガラスパネル55を押圧する押縁として機能するようになっている。
以上のように、嵌め殺し窓10Aのガラスパネル55は、その四周が本窓枠50の上本窓枠51、下本窓枠52、および左右の縦本窓枠53によって支持されている。すなわち、ガラスパネル55は、上本窓枠51における室外部材51Aのパネル支持片512と室内部材51Bとの間にシール材を介して上縁が挟持され、下本窓枠52における室外部材52Aのパネル支持片522と室内部材52Bとの間にシール材を介して下縁が挟持され、縦本窓枠53における室外部材53Aのパネル支持片532と室内部材53Bとの間にシール材を介して側縁が挟持されている。
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)すなわち、支持枠20と本窓枠30,50とが連結部材41で連結されているため、外壁1の開口部5への取付時において、まず支持枠20を開口部5に取り付けておいてから本窓枠30,50を連結部材41で室内側から連結して取り付けることもでき、また支持枠20と本窓枠30,50とを連結部材41で連結した状態で開口部5に取り付けることもできる。従って、窓が設けられる建物外壁1の位置等に応じて取付手順を適宜選択することができ、作業性を向上させることができる。
(2)また、改装時において、支持枠20と本窓枠30,50との連結部材41による連結を室内側から外すことで、本窓枠30,50を取り外すことができるとともに、支持枠20を外壁1の開口部5から取り外す必要がないので、本窓枠30,50の交換作業を容易に実施することができる。
(3)さらに、本窓枠30,50を室内側から支持枠20に取り付けることで、本窓枠30,50の取付作業および交換作業が室内側から実施でき、これらの作業性をより一層高めることができる。すなわち、2階以上の階であって外部にバルコニー等がない外壁1に窓が設けられた場合であっても、足場やクレーン等の大掛かりな設備を用いる必要がなく、室内側から簡単かつ迅速に取り付け、交換作業ができる。
(4)また、連結部材41により支持枠20および本窓枠30,50を連結するとともに、連結部材41を外壁1の開口部5に固定することで、本窓枠30,50の取付強度を高めることができる。そして、ビス45で螺合して支持枠20の支持片部215,235と本窓枠30,50の取付片部314,334,514,534と連結部材41とを連結することで、本窓枠30,50の取付作業が容易にできるとともに、ビス45を緩めることでこれらの連結を外すことができ、本窓枠30,50の交換作業が容易に実施できる。
(5)さらに、支持枠20の支持片部215,226,235と本窓枠30,50の取付片部314,325,334,514,525,534との間には、シール材215A,226A,235Aが介装されているので、止水性能を確保することができる。
(6)また、連結部材41を金属製ピース材で構成し、上下左右の各枠体11,12,13において、それぞれ複数箇所で支持枠20および本窓枠30,50を連結することで、所定の連結強度を確保しつつ、連結部材41を共通化できて部品点数の削減を図ることができる。
(7)また、略コ字形に開口した連結部材41の開口部に下地材42を圧入することで、連結部材41の強度を高めることができる。また、下地材42を外壁1の開口部5の四周に沿って連続させることで、支持枠20と本窓枠30,50との間の室内側にできた隙間を下地材42によって塞ぐことができ、断熱性能を高めることができる。
(8)また、下地材42を木製や再生木等の木質材料から構成することで、この下地材42に内装材4を釘打ち等により固定することができる。
(9)また、本窓枠30,50を製品バリエーションや製品点数が非常に多い半外付け用サッシ枠を用いて構成したことで、多種多様なサイズや形式の窓を安価に構成することができる。そして、半外付け用サッシ枠において通常外壁に固定するために設けられた取付片部314,325,334,514,525,534を、支持枠20の支持片部215,226,235に係合させて支持枠20に本窓枠30を取り付けることで、半外付け用サッシ枠に対する加工の必要がなく、コスト増加を招かずに半外付け用サッシ枠を本窓枠30,50として転用することができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係るサッシ窓である嵌め殺し窓10Bについて、図14、15に基づいて説明する。図14は、嵌め殺し窓10Bを示す縦断面図である。図15は、嵌め殺し窓10Bを示す横断面図である。
本実施形態の嵌め殺し窓10Bは、前述の第1実施形態における嵌め殺し窓10Aと略同様の構成を備え、支持枠の構成が第1実施形態と相違する。そして、外壁1における外装材および室内側の額縁材の構成が第1実施形態と相違している。相違点について以下に詳しく説明する。
図14、15において、嵌め殺し窓10Bは、外壁1の開口部5に固定される支持枠60と、前述の第1実施形態と同様の本窓枠50と、この本窓枠50の内部に移動不能に支持されたガラスパネル55とを備えて構成されている。ここで、本窓枠としては、嵌め殺し窓形式の半外付けサッシを用いるが、この本窓枠は、前述の引き違い窓形式の本窓枠30を用いてもよく、また片引き窓や、開き窓、辷り出し窓等各種形式の本窓枠が採用可能である。
支持枠60は、上支持枠61、下支持枠62、および左右の縦支持枠63を四周枠組みして形成されている。そして、これらの上支持枠61、下支持枠62、および縦支持枠63は、第1実施形態の上支持枠21、下支持枠22、および縦支持枠23と略同様に、室内外側に延びる見込み片部611,621,631と、壁パネル2の室外面に沿って延びる固定片部612,622,632と、見込み片部611,621,631から見付け方向内側に延びる支持片部615,626,635とを有している。これらの支持片部615,626,635に本窓枠50の取付片部514,525,534が連結部材41により連結されることで、本窓枠50が支持枠60に固定されている。
支持枠60の上支持枠61および縦支持枠63には、下支持枠62の水切り片部623と同様に、外壁1の室外面よりも室外側に突出した突出片部616,636が設けられている。これらの突出片部616,636および水切り片部623は、四周連続するように連結されており、これらによって嵌め殺し窓10Bの外部に設けられた室外額縁部(モール)65が構成されている。そして、この室外額縁部65の見付け方向外側にシール材3Bを介して外装材3Aが接続されている。この外装材3Aは、プレキャストのセメント成形板あるいはPC板から構成され、壁パネル2の室外側に適宜な固定手段により固定されている。なお、室外額縁部65は、支持枠60の上支持枠61、下支持枠62、および縦支持枠63に一体に形成されたものに限らず、別体で形成した室外額縁材を支持枠60に取り付けて構成したものでもよい。
一方、嵌め殺し窓10Bの室内側に設けられる額縁材6は、その突出部6Aが内装材4の開口端縁に沿って室外側に延びてケーシングアタッチメント43に取り付けられている。
このような本実施形態によれば、前述の効果と略同様の効果に加え、以下の効果を奏することができる。
(10)すなわち、支持枠60に一体または別体に室外額縁部65を設けることで、サッシ窓における外観意匠の設計自由度を高めることができるとともに、本窓枠50との連結構造を変更する必要がないため、各種形式の本窓枠を採用することができる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態に係るサッシ窓である引違い窓10Cについて、図16〜18に基づいて説明する。図16は、引違い窓10Cの上枠部分を示す縦断面図である。図17は、引違い窓10Cを示す横断面図である。図18は、引違い窓10Cの変形例を示す上枠部分の縦断面図である。
本実施形態の引違い窓10Cは、前述の第1実施形態における引違い窓10と略同様の構成を備え、支持枠に室外付属部材が取り付けられている点が第1実施形態と相違する。相違点について以下に詳しく説明する。
図16〜18において、引違い窓10Cは、外壁1の開口部5に固定される支持枠70と、前述の第1実施形態と同様の本窓枠30と、この本窓枠30の内部に開閉自在に支持された一組の障子15とを備えて構成されている。ここで、本窓枠としては、引き違い窓形式の半外付けサッシを用いるが、この本窓枠は、前述の嵌め殺し窓形式の本窓枠50を用いてもよく、また片引き窓や、開き窓、辷り出し窓等各種形式の本窓枠が採用可能である。
支持枠70は、上支持枠71、下支持枠72、および左右の縦支持枠73を四周枠組みして形成されている。そして、これらの上支持枠71、および縦支持枠73は、第1実施形態の上支持枠21、および縦支持枠23と略同様に、室内外側に延びる見込み片部711,731と、壁パネル2の室外面に沿って延びる固定片部712,732と、見込み片部711,731から見付け方向内側に延びる見付け片部713,733および支持片部715,735とを有している。これらの支持片部715,735に本窓枠30の取付片部314,334が連結部材41により連結されることで、本窓枠30が支持枠70に固定されている。また、支持枠70の上支持枠71および縦支持枠73において、各々の見込み片部711,731には、それぞれ係合片部716,736が設けられ、各々の見付け片部713,733には、それぞれ係合片部717,737が設けられている。
そして、図16に示すように、上支持枠71の室外側には、室外付属部材としてのロールスクリーン用ボックス75が取り付けられている。このロールスクリーン用ボックス75は、上支持枠71および壁パネル2に固定される第1外装体751を有している。第1外装体751は、その下端面が見込み方向室内側に延びて上支持枠71の係合片部716,717に係合されるとともに、上支持枠71の固定片部712を覆って壁パネル2に沿って上方に延びる側面部752と、側面部752の上部から室外側に延びる上面部753と、側面部752の上方に延びて壁パネル2に固定される固定部754とを有して形成されている。そして、第1外装体751には、ロールスクリーン用ボックス75の底面部を覆う第2外装体755と、前面部を覆う第3外装体756とが係合されている。これらの第1〜第3外装体751,755,756で囲まれた内部には、軸部材757と、この軸部材757に巻き付けられたスクリーン758とが設置されている。そして、手動または電動により軸部材757が回転駆動されることでスクリーン758が下降または上昇し、引違い窓10C前面を覆って遮光でき、または開放できるようになっている。
また、図17に示すように、縦支持枠73の室外側には、アルミ形材製の外部縦枠材76が取り付けられている。この外部縦枠材76は、縦支持枠73の係合片部736,737に係合されるとともに、その上端がロールスクリーン用ボックス75に接続され、下端が下支持枠72に接続されている。そして、外部縦枠材76の側面には、外壁1の外装材3が当接されて位置決めされている。
一方、図18に示すように、前記ロールスクリーン用ボックス75に代えて、上支持枠71の室外側に室外付属部材として庇部材77を取り付けてもよい。この庇部材77は、底面部771および上面部772を有して中空状に形成されており、上支持枠71の係合片部716,717に係合されるとともに、上支持枠71の固定片部712を覆って上方に延びる固定部773が壁パネル2にビス止め固定されている。このような庇部材77によって、引違い窓10Cへの雨がかりや、障子15を開放した状態における室内空間への雨の浸入が防止できるようになっている。
このような本実施形態によれば、前述の効果と略同様の効果に加え、以下の効果を奏することができる。
(11)すなわち、支持枠70の室外側に室外付属部材としてのロールスクリーン用ボックス75や外部縦枠材76、庇部材77を取り付けることで、サッシ窓に各種の機能を簡単に付加することができるとともに、本窓枠30との連結構造を変更する必要がないため、各種形式の本窓枠を採用することができる。
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記各実施形態では、本窓枠30,50を開口部5内における外壁1の室外面1Aよりも見込み方向室内寄りに設け、内付けサッシ窓を構成したが、これに限らず、本窓枠を室外寄りや見込み方向中央位置に設けてもよい。
また、本窓枠30,50として外付け用サッシを用いたが、本窓枠の形態は特に限定されず、他の形態のサッシを用いてもよい。
また、前記実施形態では、連結部材41を短尺の金属製ピース材とし、断面略コ字形に形成したが、これに限らず、各枠体に沿った長尺部材から構成してもよく、また、略C字形や略L字形等の断面形状を有して形成されていてもよい。さらに、連結部材41に下地材42が嵌め込まれたものに限らず、単にビス止め等により下地材42が連結部材41に取り付けられていてもよく、下地材42が連結部材41と接続されずに設けられていてもよい。
また、充填部材としては、木製の下地材42を用いたが、これに限らず、連結部材41に充填する充填部材と内装材4を固定する下地材とが別体で構成されていてもよい。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明の第1実施形態に係るサッシ窓が設けられた建物の外壁部分を示す縦断面図である。 前記外壁部分を示す横断面図である。 前記サッシ窓の上枠部分を拡大して示す縦断面図である。 前記サッシ窓の下枠部分を拡大して示す縦断面図である。 前記サッシ窓の縦枠部分を拡大して示す横断面図である。 前記外壁の一部を省略して室内側から見た窓枠体を示す正面図である。 前記窓枠体および外壁の一部を示す斜視図である。 前記窓枠体および外壁の一部を示す斜視図である。 前記実施形態の連結部材を示す斜視図である。 (A)〜(C)は、前記連結部材を示す三面図である。 前記サッシ窓の改装方法を説明する縦断面図である。 前記改装したサッシ窓を示す縦断面図である。 前記改装したサッシ窓を示す横断面図である。 本発明の第2実施形態に係るサッシ窓を示す縦断面図である。 前記サッシ窓を示す横断面図である。 本発明の第3実施形態に係るサッシ窓の上枠部分を示す縦断面図である。 前記サッシ窓を示す横断面図である。 前記サッシ窓の変形例を示す上枠部分の縦断面図である。
符号の説明
1…外壁、4…内装材、5…開口部、10,10C…サッシ窓である引違い窓、10A,10B…サッシ窓である嵌め殺し窓、15…パネル体である障子、20,60,70…支持枠、21,61,71…上支持枠、22,62,72…下支持枠、23,63,73…縦支持枠、30,50…本窓枠、31,51…上本窓枠、32,52…下本窓枠、33,53…縦本窓枠、41…連結部材、42…充填部材である下地材、45…ビス、55…パネル体であるガラスパネル、215,226,235,615,626,635,715,735…支持片部、314,325,334,514,525,534…取付片部。

Claims (4)

  1. 上支持枠、下支持枠、および左右の縦支持枠を四周枠組みして構成され建物外壁の開口部に固定される支持枠と、上本窓枠、下本窓枠、および左右の縦本窓枠を四周枠組みして 構成されるとともに内部にパネル体を支持する本窓枠と、前記支持枠と本窓枠とを互いに 連結する複数の連結部材とを備えたサッシ窓の施工方法であって
    前記支持枠に対して室内側から前記本窓枠をセットし、この本窓枠の室内側からセット した前記連結部材を介して前記上支持枠および上本窓枠と、前記下支持枠および下本窓枠 と、前記縦支持枠および縦本窓枠とをそれぞれ互いに連結してから、前記支持枠を前記外 壁の開口部に固定するとともに、当該開口部に前記各連結部材を室内側から固定するか、
    または
    前記支持枠を前記外壁の開口部に固定してから、前記支持枠に対して室内側から前記本 窓枠をセットし、この本窓枠の室内側からセットした前記連結部材を介して前記上支持枠 および上本窓枠と、前記下支持枠および下本窓枠と、前記縦支持枠および縦本窓枠とをそ れぞれ互いに連結するとともに、前記開口部に前記各連結部材を室内側から固定するサッシ窓の施工方法
  2. 前記支持枠の上支持枠、下支持枠、および縦支持枠は、見付け方向内側に突出した支持片部を有し、前記本窓枠の上本窓枠、下本窓枠、および縦本窓枠は、それぞれ見付け方向外側に突出して前記支持枠の支持片部の室内側に沿って延びる取付片部を有しており、
    前記連結部材、前記本窓枠の取付片部、および前記支持枠の支持片部室内側からビス を螺合して当該支持枠と本窓枠とを連結する請求項1に記載のサッシ窓の施工方法
  3. 前記連結部材は、室内側に開口した断面略コ字形に形成されており、この連結部材のコ字形開口部には、木質材料からなる充填部材が圧入可能に構成され、
    前記外壁の開口部に前記各連結部材を室内側から固定した後に、当該開口部における上 下左右の四周に沿って前記充填部材を前記連結部材に圧入し、この充填部材を下地材とし て内装材を外壁の室内側に取り付ける請求項1または請求項2に記載のサッシ窓の施工方
  4. 前記本窓枠の室内側端部には、前記内装材の開口内周縁を覆う額縁材を支持するケーシ ングアタッチメント、または前記内装材の開口内周縁を覆うケーシング部材が取り付け可 能に構成され、
    前記内装材を外壁の室内側に取り付けた後に、前記ケーシングアタッチメントに支持さ せて前記額縁材を取り付けて前記内装材の開口内周縁を覆うか、または前記ケーシング部 材を取り付けて前記内装材の開口内周縁を覆う請求項3に記載のサッシ窓の施工方法
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