JP4494660B2 - 自動二輪車におけるv型エンジンのスロットル制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スロットルグリップ,アクセルペダル等のスロットル部材を人為操作することによるスロットル開閉入力に基づいてスロットル弁の開度を駆動モータにより制御するようにした自動二輪車におけるV型エンジンのスロットル制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、スロットルグリップあるいはアクセルペダルの操作量を検出し、該操作量に基づいて駆動モータによりスロットル弁の開度を駆動制御するようにした、いわゆる電子スロットル制御装置が提案されている。
【0003】
この種のスロットル制御装置を、例えばV型エンジンが搭載された自動二輪車に配設するにあたっては、その車体構造からして駆動モータ等をできるだけコンパクトに配置するとともに、メンテナンスを容易に行えるようにするのが望ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上記駆動モータの配置如何によっては上述のコンパクト化やメンテナンス性向上の要請に応えられない場合がある。例えば、駆動モータをスロットル弁の弁軸の外端部に対向するよう配置した場合には、駆動モータが外部に突出することから、それだけエンジン全体が大型化するという懸念がある。また上記駆動モータをステー等を介してエンジンや車体に取付けるようにした場合には、部品点数が増えるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたもので、駆動モータを配置する場合のエンジン全体の大型化を回避できるとともに、メンテナンスを容易に行える自動二輪車におけるV型エンジンのスロットル制御装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、前側気筒と後側気筒をVバンクをなすように配置し、上記前側気筒は、左右方向に並置される複数の気筒を有し、上記後側気筒は、左右方向に並置される複数の気筒を有し、上記Vバンク内に位置するように配置された各気筒毎のスロットル弁を備え、該各スロットル弁の開度をスロットル部材の人為操作によるスロットル操作量に基づいて駆動モータにより制御するようにしたV型エンジンのスロットル制御装置において、上記左右方向に並置される前側気筒の各スロットル弁を支持し、左右方向に延びる前側弁軸と、上記左右方向に並置される後側気筒の各スロットル弁を支持し、左右方向に延びる後側弁軸とを有し、上記駆動モータの回転軸は、上記前側弁軸と上記後側弁軸とを含む平面に対して平行に配置され、上記駆動モータの少なくとも一部は、左右方向において、前側気筒及び後側気筒の左側に位置する気筒のスロットル弁の左端と右側に位置する気筒のスロットル弁の右端との間に位置し、かつ、平面視において、上記駆動モータの前端と後端とは、上記前側気筒の各スロットル弁の弁軸の軸線と上記後側気筒の各スロットル弁の弁軸の軸線との間に位置することを特徴としている。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1において、上記スロットル弁が左側に配置された気筒,右側に配置された気筒毎に独立した駆動モータにより制御されていることを特徴としている。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2において、上記駆動モータのハウジングが、スロットルボディに一体的に取付けられていることを特徴としている。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1又は2において、上記駆動モータのハウジングが、燃料噴射弁に燃料を供給する燃料供給管に一体的に取付けられていることを特徴としている。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1又は2において、上記駆動モータのハウジングが、シリンダヘッドに弾性部材を介在させて直接取付けられていることを特徴としている。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1ないし5の何れかにおいて、上記駆動モータのハウジグに、吸気負圧を取り出すためのエア通路が形成されていることを特徴としている。
【0012】
【発明の作用効果】
本発明に係るスロットル制御装置によれば、駆動モータをVバンク内に配置したので、エンジンの空きスペースを有効利用して駆動モータを配置でき、エンジンの大型化を回避できる。またメンテナンスを行なう場合には、Vバンクの外方から容易に行なうことができる。
【0013】
請求項2の発明では、上記スロットル弁を上記Vバンクの一方,他方の気筒毎に独立配置した駆動モータにより制御したので、何らかの原因で一方の駆動モータが故障した場合には、他方の駆動モータにより運転を継続することが可能となり、信頼性,安全性を高めることができる。
【0014】
請求項3の発明では、上記駆動モータのハウジングをスロットルボディに一体的に取付けたので、ステー等を不要にできる分だけ部品点数を低減でき、また駆動モータをスロットルボディに予め組み付けることにより、エンジンへの組み付け性を向上できる。
【0015】
請求項4の発明では、駆動モータのハウジングを燃料噴射弁の燃料供給管に一体的に取付けたので、請求項3と同様に、部品点数の低減を図ることができるとともに、エンジンへの組み付け性を向上できる。
【0016】
請求項5の発明では、駆動モータのハウジングをシリンダヘッドに弾性部材を介して直接取付けたので、エンジン振動による駆動モータへの影響を回避しながら、取付け強度を高めることができる。
【0017】
請求項6の発明では、駆動モータのハウジングに吸気負圧を取り出すためのエア通路を形成したので、従来の専用エアホースを不要にでき、エンジン周りを簡素化できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0019】
図1ないし図3は、請求項1,7の発明の一実施形態(第1実施形態)によるV型エンジンのスロットル制御装置を説明するための図であり、図1,図2はそれぞれスロットル制御装置が配設されたV型エンジンの断面側面図,平面図、図3は駆動モータの平面図である。
【0020】
図において、1は自動二輪車に採用される水冷式4サイクルV型4気筒エンジンを示しており、このエンジン1は、前側,後側ブロック2,3を車両前側,後側に所定のバンク角をなすように配置してなり、共通のクランク軸(不図示)を車幅方向を向けて車体フレーム(不図示)に搭載されている。
【0021】
上記前側ブロック2は、クランクケース(不図示)の前部に一体形成され、左右一対の前側気筒4a,4aを有する前側シリンダブロック4と、これの上合面にボルト締め結合された前側シリンダヘッド5とを備えており、この前側シリンダヘッド5のカムケース部5aの上合面には前側ヘッドカバー6が装着されている。
【0022】
また上記後側ブロック3は、クランクケースの後部に一体形成され、上記同様に左右一対の後側気筒7a,7aを有する後側シリンダブロック7と、これの上合面に結合された後側シリンダヘッド8とを備えており、該後側シリンダヘッド8のカムケース部8aには後側ヘッドカバー9が装着されている。
【0023】
上記前側,後側シリンダヘッド5,8の燃焼室を形成する凹部には吸気弁開口5b,8b及び排気弁開口5c,8cが開口しており、この各吸気弁開口5b,8bは吸気弁11,11により開閉され、各排気弁開口5c,8cは排気弁12,12により開閉される。上記吸気弁11,排気弁12はそれぞれ吸気カム軸10,排気カム軸(不図示)で開閉駆動される。
【0024】
上記前側シリンダヘッド5の車両前側に開口する左右の前側排気ポート5dには不図示の前側排気管が、後側シリンダヘッド8の車両後側に開口する左右の後側排気ポート8dには不図示の後側排気管が接続されている。
【0025】
上記前側シリンダヘッド5の吸気弁開口5bからVバンクA内側に延びる左右の前側吸気ポート5eには前側吸気管15の下流端口が接続されており、上記後側シリンダヘッド8の吸気弁開口8bからVバンクA内側に延びる左右の吸気ポート8eには後側吸気管16が接続されている。この前側,後側吸気管15,16は対称をなすように略垂直上方に延びている。
【0026】
上記各前側,後側吸気管15,16の上流端には前側,後側スロットルボディ17,18が接続されており、各スロットルボディ17,18の空気吸込口はエアクリーナ(不図示)内に開口している。この各スロットルボディ17,18の吸気通路17a,18a内にはバタフライ式スロットル弁20,21が全閉位置と全開位置との間で開閉可能に配置されている。この前側左右のスロットル弁20同士は共通の弁軸22により連結されており、後側左右のスロットル弁21同士は同じく共通の弁軸23により連結されている。この各弁軸22,23にはスロットル弁20,21を全閉位置に付勢する戻りばね(不図示)が配設されている。また前側の弁軸22の右端にはスロットル開度センサ24が装着されている。
【0027】
上記前側,後側吸気管15,16の下流端フランジ部15a,16aの車両前側,後側には吸気ポート5e,8eに連通する弁孔15b,16bが形成されており、この各弁孔15b,16b内に噴射ノズルが位置するよう燃料噴射弁25,26が装着されている。この各燃料噴射弁25,26は、吸気管15,16とカムケース部5a,8aとの間に位置し、かつ互いに平行に垂直上方に向くよう配置されている。この各燃料噴射弁25,26からの燃料は吸気ポート5e,8eを通って吸気弁11の傘部裏面に向けて噴射される。
【0028】
上記各燃料噴射弁25,26には共通の燃料供給ユニット27が接続されている。この燃料供給ユニット27は、平面視で前側燃料供給管28の車幅方向右端と後側燃料供給管29の右端とを連結管30でコ字状に連結して一体化したものであり、各スロットルボディ17,18の外側を囲むように配置されている。
【0029】
上記前側燃料供給管28に分岐形成された接続口28aに前側の各燃料噴射弁25の上端部が挿入接続されており、後側燃料供給管29に分岐形成された接続口29aに後側の各燃料噴射弁26の上端部が挿入接続されている。
【0030】
また上記後側燃料供給管29の上流端部(左端部)には燃料供給ホース31を介して燃料ポンプ(不図示)が接続されており、前側燃料供給管28の下流端部(左側端部)には燃料圧力を調整するレギュレータ32が接続され、該レギュレータ32からの戻り管33は燃料タンク(不図示)に接続されている。
【0031】
そして上記各スロットル弁20,21とスロットルグリップ(不図示)とはスロットル制御装置を介して接続されている。このスロットル制御装置は、運転者によるスロットルグリップの操作量(回動量)を検出する操作量検出センサ(不図示)と、上記各スロットル弁20,21を開閉駆動する駆動モータ35と、上記操作量検出センサからの検出値に基づいて上記駆動モータ35を駆動制御するコントローラ(不図示)とから構成されている。
【0032】
上記駆動モータ35は、これの回転軸35aを弁軸22,23と平行に向けるとともに、VバンクA内の各スロットルボディ17,18で囲まれた空間に配置されている。
【0033】
この駆動モータ35はアルミダイキャスト製のハウジング36内に収納されており、該ハウジング36は不図示のステーを介してスロットルボディ17,及び18に架け渡すように取付け固定されている。上記ハウジング36にはギヤケース37が一体に接続形成されている。このギヤケース37内には、図3に示すように、減速ギヤ機構が収納されている。この減速ギヤ機構は、前側の弁軸22の中央部に装着固定されたスロットルギヤ38と、上記駆動モータ35の回転軸35aに装着固定された回転ギヤ39と、両ギヤ38,39に噛合する中間ギヤ列40とを備えており、この中間ギヤ列40は回転ギヤ39に噛合する大減速ギヤ40aと、上記スロットルギヤ38に噛合する小減速ギヤ40bとからなり、両減速ギヤ40a,40bのギヤ軸40cはギヤケース37に軸支されている。
【0034】
上記前側の弁軸22と後側の弁軸23とはリンク機構41を介して連結されている。このリンク機構41は、前側の弁軸22の左端部に装着固定された駆動リンク部材42と、後側の弁軸23の左端部に装着固定された従動リンク部材43とをアーム部材44により回動可能に連結した概略構造のものであり、これにより前側の弁軸22が回転すると該回転に同期して後側の弁軸23が回転するようになっている。
【0035】
次に本実施形態の作用効果について説明する。
【0036】
運転者がスロットルグリップを回動操作すると、その操作量に応じて駆動モータ35が回転し、この回転が各ギヤ39,40,38を介して前側の弁軸22に伝達され、該弁軸22の回転に伴って前側のスロットル弁20が回転する。また前側の弁軸22の回転はリンク機構41を介して後側の弁軸23に伝達され、該弁軸23が上記弁軸22と同期して回転し、該弁軸23の回転に伴って後側のスロットル弁21が回転する。
【0037】
本実施形態のスロットル制御装置によれば、駆動モータ35をVバンクAの中心線方向に見たとき該VバンクA内で、かつ4つのスロットルボディ17,17,18,18で囲まれた空間に配置したので、駆動モータ35をエンジン1の空きスペースを有効利用して配置でき、これによりエンジンの大型化を回避でき、コンパクト化の要請に応えられる。またメンテナンスを行なう場合には、燃料タンクを取り外すことにより、VバンクAの上方から容易に行なうことができ、作業性を向上できる。
【0038】
また上記駆動モータ35のハウジング36をステーを介してスロットルボディ17,及び18に架け渡すように取付け固定したので、駆動モータ35の取付け強度を確保できるとともに、スロットルボディ17,18同士の連結強度を高めることができる。
【0039】
さらに1つの駆動モータ35で前側のスロットル弁20を回転駆動し、該前側のスロットル弁20の回転をリンク機構41を介して後側のスロットル弁21に伝達したので、低コストでかつ簡単な構造でもって4つのスロットル弁20,21を同期回転させることができる。
【0040】
なお、上記実施形態では、駆動モータ35の回転を各ギヤ39,40,38を介して弁軸22に伝達するようにした場合を例に説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えばリンク機構,ワイヤ機構,あるいはこれらの組み合わせによって駆動モータ35の回転を弁軸22に伝達するようにしてもよい。
【0041】
例えば、図4は、駆動モータの減速機構の変形例を示し、図中、図3と同一符号は同一又は相当部分を示す。これは駆動モータ35の回転ギヤ39に減速大ギヤ40aを噛合させ、該減速大ギヤ40aのギヤ軸40cと弁軸22とをリンク機構45を介して連結した例である。このリンク機構45はギヤ軸40cに固定された駆動リンク部材46と弁軸22に固定された従動リンク部材47とをアーム部材47で回動可能に連結した構造のものであり、この場合にも上記実施形態と同様の効果が得られる。なお、48はスロットル弁20を全閉位置に常時付勢する戻りばねである。
【0042】
図5は、請求項1の発明の第2実施形態によるスロットル制御装置を説明するための図である。図中、図2と同一符号は同一又は相当部分を示しており、重複する符号についての説明は省略する。
【0043】
本実施形態のスロットル制御装置では、1つの駆動モータ50がVバンクA内の中央部に配置されており、この駆動モータ50は各回転軸50a,50aを弁軸22,23と直角方向に向けて配置されている。そして上記各回転軸50aにはウォームギヤ51が装着されており、該各ウォームギヤ51は各弁軸22,23に装着固定されたウォームホイール52,52に噛合している。
【0044】
本実施形態では、VバンクA内に配置された1つの駆動モータ50で前側,後側の弁軸22,23を回転駆動するようにしたので、低コストでかつ簡単な構造でもって4つのスロットル弁20,21を同期回転させることができ、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0045】
図6及び図7は、請求項1,3の発明の一実施形態(第3実施形態)によるスロットル制御装置を説明するための図であり、図中、図2と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0046】
本実施形態のスロットル制御装置では、駆動モータ55はVバンクA内の左側の前,後スロットルボディ17,18の間に配置され、かつ両スロットルボディ17,18に架け渡すように取付け固定されている。
【0047】
また上記駆動モータ55は回転軸55aを前側,後側の弁軸22,23と平行に向けて配置されており、該回転軸55aと各弁軸22,23とはリンク機構56により連結されている。このリンク機構56は、上記回転軸55aに固定された駆動部材57と、各弁軸22,23の左端部に固定された従動部材58,58とをリンクアーム59,59で連結した構造となっている。なお、矢印aはモータ回転方向を、矢印bはスロットル弁回転方向を示す。
【0048】
本実施形態によれば、駆動モータ55をVバンクA内の左側端部に配置するとともに、1つの駆動モータ55でリンク機構56を介して前側,後側の弁軸22,23を回転駆動するようにしたので、低コストでかつ簡単な構造でもって4つのスロットル弁20,21を同期回転させることができ、上記第1,第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0049】
本実施形態では、駆動モータ55を前,後側のスロットルボディ17,18に架け渡して固定したので、ステー等の別部材を介して固定する場合に比べて部品点数を低減できる。また駆動モータ55を予めスロットルボディ17,18に一体に組み付けることにより、エンジンへの組み付け性を向上できる。また、上記駆動モータ55が両スロットルボディ17,18の補強部材として機能することとなり、別部材による補強を不要にできる。
【0050】
図8は、請求項2,3,6の発明の一実施形態(第4実施形態)によるスロットル制御装置を説明するための図である。図中、図2と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0051】
本実施形態のスロットル制御装置は、VバンクA内に2つの駆動モータ60,60を配置し、各駆動モータ60により前側の弁軸22と後側の弁軸23とを独立して駆動するように構成されている。この各駆動モータ60は、ギヤケース61が一体に接続形成されたハウジング62内に収納されており、基本的な構造は上記第1実施形態と同様である(図3参照)。
【0052】
上記各駆動モータ60は前,後スロットルボディ17,18に架け渡して取付け固定されており、各ギヤケース61はVバンクA内側の弁軸22,23の中央部に連結されている。
【0053】
上記各駆動モータ60とスロットルボディ17,18との取付け合面には、吸気負圧を取り出すためのエア通路(不図示)が形成されている。このように駆動モータ60とスロットルボディ17,18との取付け合面を利用してエア通路を形成したので、専用のエアホースを不要にでき、エンジン周りを簡素化することができる。
【0054】
本実施形態によれば、2つの駆動モータ60により各弁軸22,23を独立して回転駆動するようにしたので、何らかの原因で一方のモータが故障した場合には他方の駆動モータにより運転を継続することができ、信頼性,安全性を高めることができる。
【0055】
また各駆動モータ60を前,後側のスロットルボディ17,18に架け渡して固定したので、ステー等の別部材を介して固定する場合に比べて部品点数を低減でき、上記第3実施形態と同様の効果が得られる。
【0056】
なお、上記実施形態では、各駆動モータ60のギヤケース61をVバンクA内側に向けて配置した場合を説明したが、本発明では、ギヤケース61をVバンクA外側に向けて配置し、各弁軸22,23の外端部22a,23aを駆動するようにしてもよい(図8の二点鎖線参照)。
【0057】
図9及び図10は、請求項1,4の発明の一実施形態(第5実施形態)によるスロットル制御装置を説明するための図である。図中、図1,図2と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0058】
本実施形態のスロットル制御装置は、各燃料噴射弁25,26に高圧燃料を供給する前側燃料供給管28と後側燃料供給管29とを、前側,後側スロットルボディ17,18の間に配置し、1つの駆動モータ65をVバンクA内で、かつ両燃料供給管28,29の中央部下面に架け渡して取付け固定した構成となっている。
【0059】
上記各燃料噴射弁25,26は、スロットルボディ17,18のスロットル弁20,21より下流側部分に形成された弁孔17b,18bに挿入接続されており、かつスロットルボディ17,18の軸線に対して内側に傾斜させて配置されている。また各弁軸22,23の左端部同士は上記第1実施形態と同様の構造のリンク機構41により連結されている。
【0060】
上記駆動モータ65はギヤケース61が一体に接続形成されたハウジング62内に収納され、後側の弁軸23に連結されており、基本的な構造は上記第1,第4実施形態と同様である。
【0061】
本実施形態によれば、駆動モータ65をVバンクA内に配置するとともに、該駆動モータ65を前側,後側燃料供給管28,29に架け渡して固定したので、ステー等の別部材を介して固定する場合に比べて部品点数を低減でき、また上記駆動モータ65が両燃料供給管28,29の補強部材として機能することとなり、別部材による補強を不要にできる。
【0062】
図11及び図12は、請求項2,4の発明の一実施形態(第6実施形態)によるスロットル制御装置を説明するための図であり、図中、図9,図10と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0063】
本実施形態のスロットル制御装置は、各燃料噴射弁25,26に高圧燃料を供給する前側燃料供給管28と後側燃料供給管29とを、前側,後側スロットルボディ17,18の間に配置し、2つの駆動モータ66,66をVバンクA内で、かつ両燃料供給管28,29の両端部下方に配置した構成となっている。
【0064】
上記前側の各スロットルボディ17の弁軸22´及び後側の各スロットルボディ18の弁軸23´はそれぞれ独立しており、この前側,後側の弁軸22´,23´同士はリンク機構41,41により連結されている。このリンク機構41は上記第1,第5実施形態と同様の構造のものである。
【0065】
上記各駆動モータ65はギヤケース61が一体に接続形成されたハウジング62内に収納されており、それぞれ前側の弁軸22´,後側の弁軸23´に連結されている。
【0066】
本実施形態によれば、2つの駆動モータ66により前,後の弁軸22´,23´を回転駆動するようにしたので、何らかの原因で一方のモータが故障した場合には他方の駆動モータにより運転を継続することができ、信頼性,安全性を高めることができる。
【0067】
なお、上記各実施形態では、駆動モータをスロットルボディ,あるいは燃料供給管に取付け固定した場合を説明したが、本発明では駆動モータをシリンダヘッドに弾性部材を介して直接取付け固定してもよく、このようにしたのが請求項5の発明である。この場合には、駆動モータの取付け強度を高めることができ、またエンジン振動は弾性部材により吸収されるので、上記駆動モータへの影響を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の第1実施形態によるV型エンジンのスロットル制御装置を説明するための断面側面図である。
【図2】上記スロットル制御装置が配設されたエンジンの平面図である。
【図3】上記スロットル制御装置の駆動モータの減速ギヤ機構を示す平面図である。
【図4】上記実施形態の変形例による減速機構を示す平面図である。
【図5】請求項1の発明の第2実施形態によるスロットル制御装置を説明するための平面図である。
【図6】請求項1の発明の第3実施形態によるスロットル制御装置を説明するための平面図である。
【図7】上記スロットル制御装置の駆動モータのリンク機構を示す側面図である。
【図8】請求項2,3,6の発明の第4実施形態によるスロットル制御装置を説明するための平面図である。
【図9】請求項1,4の発明の第5実施形態によるスロットル制御装置を説明するための断面側面図である。
【図10】上記スロットル制御装置の平面図である。
【図11】請求項2,4の発明の第6実施形態によるスロットル制御装置を説明するための断面側面図である。
【図12】上記スロットル制御装置の平面図である。
【符号の説明】
1 V型エンジン
4a,7a 気筒
20,21 スロットル弁
35,50,55,60,65,66 駆動モータ
36,62 ハウジング
17,18 スロットルボディ
25,26 燃料噴射弁
28,29 燃料供給管
A Vバンク
Claims (7)
- 前側気筒と後側気筒をVバンクをなすように配置し、上記前側気筒は、左右方向に並置される複数の気筒を有し、上記後側気筒は、左右方向に並置される複数の気筒を有し、上記Vバンク内に位置するように配置された各気筒毎のスロットル弁を備え、該各スロットル弁の開度をスロットル部材の人為操作によるスロットル操作量に基づいて駆動モータにより制御するようにしたV型エンジンのスロットル制御装置において、
上記左右方向に並置される前側気筒の各スロットル弁を支持し、左右方向に延びる前側弁軸と、上記左右方向に並置される後側気筒の各スロットル弁を支持し、左右方向に延びる後側弁軸とを有し、
上記駆動モータの回転軸は、上記前側弁軸と上記後側弁軸とを含む平面に対して平行に配置され、
上記駆動モータの少なくとも一部は、左右方向において、前側気筒及び後側気筒の左側に位置する気筒のスロットル弁の左端と右側に位置する気筒のスロットル弁の右端との間に位置し、かつ、
平面視において、上記駆動モータの前端と後端とは、上記前側気筒の各スロットル弁の上記前側弁軸の軸線と上記後側気筒の各スロットル弁の上記後側弁軸の軸線との間に位置する
ことを特徴とする自動二輪車におけるV型エンジンのスロットル制御装置。 - 請求項1において、上記スロットル弁が左側に配置された気筒,右側に配置された気筒毎に独立した駆動モータにより制御されていることを特徴とする自動二輪車におけるV型エンジンのスロットル制御装置。
- 請求項1又は2において、上記駆動モータのハウジングが、スロットルボディに一体的に取付けられていることを特徴とする自動二輪車におけるV型エンジンのスロットル制御装置。
- 請求項1又は2において、上記駆動モータのハウジングが、燃料噴射弁に燃料を供給する燃料供給管に一体的に取付けられていることを特徴とする自動二輪車におけるV型エンジンのスロットル制御装置。
- 請求項1又は2において、上記駆動モータのハウジングが、シリンダヘッドに弾性部材を介在させて直接取付けられていることを特徴とする自動二輪車におけるV型エンジンのスロットル制御装置。
- 請求項1ないし5の何れかにおいて、上記駆動モータのハウジグに、吸気負圧を取り出すためのエア通路が形成されていることを特徴とする自動二輪車におけるV型エンジンのスロットル制御装置。
- 請求項1において、上記駆動モータの回転を上記前側弁軸又は後側弁軸に伝達する伝達機構を備え、該伝達機構は、上記前側弁軸又は後側弁軸の、左側に位置する気筒のスロットル弁と右側に位置する気筒のスロットル弁との間の部分に連結されている
ことを特徴とする自動二輪車におけるV型エンジンのスロットル制御装置。
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