JP3818075B2 - 内燃機関の吸気装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等に用いられる内燃機関の吸気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の一般的な内燃機関の吸気装置では、図10に示すように、各気筒の吸気ポート100が開口するシリンダヘッド101の側壁102に、複数の吸気ポート100にそれぞれ連通する複数の吸気ブランチ(又は吸気マニホールドの一部)103の一端が取り付けられており、この吸気ブランチ103の他端にコレクタ104が取り付けられている(特開平11−93786号公報参照)。なお、図10において、105はエアクリーナ,106はスロットル弁である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このため、コレクタ104が吸気ブランチ103の分だけシリンダヘッド101の側壁102から離間することとなり、コレクタ104の支持剛性を確保することが難しく、また、吸気装置の大型化や機関搭載性の低下を免れない。
【0004】
そこで、吸気ブランチ103を短くしてコレクタ104をシリンダヘッド101の側壁102に近接させることも考えられる。しかしながら、スロットル弁105により吸入空気量を調整する一般的なガソリン式内燃機関では、吸気ブランチ103の長さは吸気の動的効果と大きく関連しており、吸気ブランチ103を容易に短縮化できないというのが実状である。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、簡素な構造で支持剛性及び搭載性に優れた新規な内燃機関の吸気装置を提供することを一つの目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係る内燃機関の吸気装置では、複数の吸気ポートが開口するシリンダヘッドの側壁に取り付けられ、燃料噴射弁が取り付けられる取付部材の一部に、一つのコレクタの取付部を直接的に取り付け、このコレクタ内に、上記複数の吸気ポートにそれぞれ連通する複数の吸気ブランチを突出させ、各吸気ブランチは、上記コレクタに一体的に形成され、上記コレクタの取付部からコレクタ内部へ向かって筒状に延びる第1ブランチ構成部と、上記取付部材に一体的に形成され、上記第1ブランチ構成部と嵌合する筒状の第2ブランチ構成部と、により構成され、かつ、上記コレクタは、上記シリンダヘッドの側壁に略沿う機関上下方向寸法が、上記シリンダヘッドの側壁と略直交する機関幅方向寸法に比して長く設定された縦長の形状をなしている。
【0007】
このように、コレクタがシリンダヘッドの側壁又はその取付部材に直接的に取り付けられているため、例えば吸気ブランチの突出端部にコレクタを取り付ける場合に比して、コレクタの支持剛性が向上するとともに、コレクタへ作用する振動入力も低減される。また、コレクタがシリンダヘッドの側壁に近接配置されるとともに、吸気ブランチが実質的にコレクタ内に内蔵されることとなり、吸気装置がコンパクト化されるとともに、機関搭載性が向上する。
【0008】
このような請求項1の発明は、典型的には、吸気ブランチを短縮化するとともに、コレクタを大容量化することにより実現可能となる。そして、このような吸気ブランチの短縮化及びコレクタの大容量化は、例えば請求項7に係る発明のように、吸気弁のバルブリフト特性を変更可能な可変動弁装置と、この可変動弁装置を制御して吸入空気量を調整する制御手段と、を有する構成により実現可能である。つまり、従来は主としてスロットル弁により行っていた吸入空気量の調整を、吸気弁のバルブリフト特性(開閉時期やバルブリフト量)を可変制御することにより行うシステムとすることにより、吸気ブランチの短縮化とコレクタの大容量化とを達成できる。
【0009】
この点について更に考察すると、コレクタの容量が小さくなると全開出力が低下するため、出力性能の面ではコレクタ容量を大きくしたい。しかしながら、主にスロットル弁により吸入空気量の調整を行う従来構成では、コレクタ容量の増加に伴って吸気応答性が低下してしまう。例えば加速したいときにスロットル弁を開いても、スロットル弁の下流側に配置されるコレクタの容積が大きいと、吸気弁付近の圧力(吸気流量)が上昇するまでにかかる時間が長くなり、ひいては機関トルクが上昇するまでの時間も長くなってしまう。減速時も同様であり、コレクタ容量の増加に伴って、スロットル弁を閉じてからコレクタ内の圧力が低下するまでの時間が長くなり、例えば機関トルクが低下してエンジンブレーキが効くまでの時間が長くなってしまう。
【0010】
これに対し、コレクタよりも燃焼室に近い吸気弁のバルブリフト特性を変更することにより吸入空気量を調整する場合、コレクタ容量を大きくしても上述したような吸気応答性の低下を招くことはない。つまり、吸気応答性の低下を懸念することなく、コレクタ容量を十分に大きくできる。
【0011】
また、吸気ブランチの実質的な長さは、吸気の動的効果と大きく関連しているため、スロットル弁を用いた従来構成では、あまり短くできないのが現状である。これに対し、吸気弁のバルブリフト特性を変更することにより吸入空気量を調整する構成では、吸気ブランチを十分に短縮化しつつ、所望の吸気特性を確保することができる。例えば低回転域では、吸気弁の閉時期を下死点へ向けて遅角させることにより、充填効率を向上してトルク向上を図ることができる。中回転域では、吸気ブランチの短縮化による充填効率の低下を、吸気弁の閉時期を調整することや、吸気ブランチの短縮化に伴う静的通路抵抗の低減効果や、バルブオーバーラップによる掃気効果等により補うことができる。高回転域では、吸気ブランチの短縮化に伴う慣性過給効果によりトルク向上が可能となる。
【0012】
上記可変動弁装置は、典型的には請求項8に係る発明のように、吸気弁の作動角及びバルブリフト量を変更可能な作動角変更機構と、クランクシャフトに対する吸気弁の作動角の位相を変更可能な位相変更機構と、の少なくとも一方を有している。
【0013】
上記コレクタは、上記シリンダヘッドの側壁に略沿う上下方向寸法が、上記シリンダヘッドの側壁と略直交する幅方向寸法に比して長く設定されている。
【0014】
この場合、コレクタがシリンダヘッドの側壁に沿って長尺な形状となり、この側壁に略直交する機関幅方向へのコレクタの張出量が抑制されるため、更なるコンパクト化及び機関搭載性の向上を図ることができる。
【0015】
請求項2に係る発明では、上記コレクタへの吸気取入口が、気筒列方向で上記複数の吸気ブランチの略中央に配置されている。この場合、各気筒の吸気弁の開口部から吸気ブランチのブランチ開口部までの実質的な距離を吸気通路全長とすると、複数の気筒間での吸気通路全長のばらつきが抑制され、音振性能が向上する。
【0016】
請求項3に係る発明では、上記コレクタ内にエアクリーナが内蔵されている。この場合、エアクリーナをコレクタと別の位置に配置する必要がなく、更なるコンパクト化を図ることができる。
【0017】
請求項4に係る発明では、上記エアクリーナが、上記吸気ブランチの突出方向から外れた位置に配置されている。この場合、バルブオーバーラップ時等に仮に燃焼室内の燃焼ガスが吸気ポート内を逆流して吸気ブランチからコレクタ内へ吐出される場合にも、この燃焼ガスの直進方向つまり吸気ブランチの突出方向にエアクリーナが配置されていないため、この燃焼ガスによるエアクリーナの損傷や劣化を未然に回避することができる。
【0018】
請求項5に係る発明では、上記コレクタが、上記エアクリーナを挟んで着脱可能に固定されるコレクタ上部分割体及びコレクタ下部分割体を有し、上記エアクリーナが、上記コレクタ内に開口する上記吸気ブランチのブランチ開口部よりも上方に配置されている。この場合、コレクタ上部分割体をコレクタ下部分割体から取り外すことで、エアクリーナを容易に交換することができ、保守・整備時などでの作業性に優れている。
【0019】
請求項6に係る発明では、上記コレクタの下面が、このコレクタへの吸気取入口へ向かって下方へ傾斜している。この場合、コレクタ内に侵入する水等がコレクタの下面を伝ってコレクタの吸気取入口から外部へ速やかに排出されることとなり、コレクタの排水性が向上する。
【0020】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、コレクタがシリンダヘッドの側壁又はその取付部材に直接的に取り付けられているため、例えば吸気ブランチの突出端部にコレクタを取り付ける場合に比して、コレクタの支持剛性が向上するとともに、コレクタへ作用する振動入力も低減される。また、コレクタがシリンダヘッドの側壁に近接配置されるとともに、吸気ブランチが実質的にコレクタ内に内蔵されることとなり、吸気装置がコンパクト化されるとともに、機関搭載性が向上する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を4気筒ガソリン式内燃機関に適用した実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。先ず図9を参照して、全実施形態に共通する構成として、吸気弁1のバルブリフト特性(バルブタイミング及びバルブリフト量)を変更可能な可変動弁装置について説明する。この可変動弁装置は、吸気弁1の作動角及びバルブリフト量を変更可能な作動角変更機構10と、クランクシャフト(図示省略)に対する吸気弁の作動角の位相(例えば中心位相)を変更可能な位相変更機構20と、により構成されている。
【0022】
作動角変更機構10は、互いに平行に気筒列方向へ延びる駆動軸11及び制御軸12を有している。駆動軸11は、クランクシャフトから伝達される回転動力により軸周りに回転する。この駆動軸11には、吸気弁1のバルブリフタ2に接触可能な揺動カム13が回転自在に外嵌されているとともに、各気筒毎に偏心カム14が固定又は一体形成されている。この偏心カム14の外周面の軸心は駆動軸11の軸心に対して偏心しており、この偏心カム14の外周面にリング状の第1リンク15が回転自在に外嵌している。
【0023】
制御軸12には、各気筒毎に制御カム16が固定又は一体形成されている。この制御カム16の外周面の軸心は制御軸12の軸心に対して偏心しており、この制御カム16の外周面に、ロッカーアーム17の中央部が回転自在に外嵌している。このロッカーアーム17の一端部は第1リンク15の先端部と回転自在に連結されており、ロッカーアーム17の他端はロッド状の第2リンク18の一端部と回転自在に連結されている。この第2リンク18の他端は揺動カム13の先端部と回転自在に連結されている。
【0024】
従って、クランクシャフトの回転に連動して駆動軸11が軸周りに回転すると、偏心カム14に外嵌する第1リンク15がほぼ並進方向に作動し、この第1リンク15の並進運動がロッカーアーム17の揺動運動に変換されて、第2リンク18を介して揺動カム13が揺動する。この揺動する揺動カム13が吸気弁1のバルブリフタ2に当接してこれを押圧することにより、吸気弁1が図外のバルブスプリングの反力に抗して開閉駆動される。
【0025】
また、アクチュエータ19により制御軸12を回転駆動すると、ロッカーアーム17の揺動中心となる制御カム16の中心位置が変化して、このロッカーアーム17及びリンク15,18の姿勢が変化し、揺動カム13の揺動特性が変化する。これにより、吸気弁1の作動角及びバルブリフト量の双方が連続的に変更される。
【0026】
このような構成の作動角変更機構10は、吸気弁1を開閉駆動する揺動カム13が駆動軸11に同軸上に取り付けられているため、揺動カム13と駆動軸11との軸ズレ等を生じるおそれがなく、制御精度に優れていると共に、ロッカーアーム17や各リンク15,18を駆動軸11の周囲に集約させて、コンパクト化を図ることができ、機関搭載性に優れている。また、偏心カム14と第1リンク15との軸受部分や、制御カム16とロッカーアーム17との軸受部分のように、部材間の連結部分の多くが面接触となっているため、潤滑が行いやすく、耐久性,信頼性にも優れている。更に、この作動角変更機構10を、固定カム及びカムシャフトを備えた一般的な固定動弁系に適用する場合にも、これら固定カム及びカムシャフトの位置に揺動カム13及び駆動軸11を配置すれば良く、レイアウトの変更が非常に少なくて済むため、その適用が極めて容易である。
【0027】
位相変更機構20は、クランクシャフトに対する駆動軸11(固定動弁系の場合にはカムシャフト)の位相を変化させることにより、吸気弁のリフト作動角の中心位相を連続的に変更するもので、ベーンを用いたタイプ、ヘリカルスプラインを用いたタイプ等が公知であり、詳細な説明は省略する。
【0028】
制御手段としてのECU(エンジンコントロールユニット)4は、各種センサ等により検出される機関運転状態に基づいて、燃料噴射制御等の一般的なエンジン制御を行う他、作動角変更機構10のアクチュエータ19及び位相変更機構20(のアクチュエータ)の作動を制御して、吸気弁のバルブリフト特性を変更制御する。そして、このような吸気弁のバルブリフト特性の変更制御により、吸入空気量の調整を行うことができる。例えば、吸気弁の閉時期を下死点よりも進角させることにより吸入空気量を小さくでき、また吸気弁の作動角及びバルブリフト量を小さくすることによっても吸入空気量を減少させることができる。このため、吸入空気量を調整するためのスロットル弁を敢えて必要としない簡素な構造を実現できる。
【0029】
次に、第1実施形態に係る吸気装置について、図1〜4を参照して説明する。図1にも示すように、シリンダヘッド30の吸気側の側壁32には、気筒列を構成する複数(この実施形態では4つ)の気筒の吸気ポート34の一端が開口しており、これら複数の吸気ポート34のポート開口部35を覆うように、取付ブラケット36が側壁32に固定されている。そして、この取付ブラケット36に、一つのコレクタ38が直接的に取り付けられており、このコレクタ38内に、複数の吸気ポート34にそれぞれ連通する複数の吸気ブランチ40を突出させている。
【0030】
コレクタ38は、軽量な樹脂材料からなるコレクタ上部分割体42及びコレクタ下部分割体44の2部材により構成されており、両分割体42,44の間にはエアクリーナ46が介装されている。すなわち、図4に示すように、コレクタ上部分割体42とコレクタ下部分割体44の間にエアクリーナ46及びガスケット48を挟み込んだ状態で、例えばクリップ50により両分割体42,44が着脱可能に固定されている。なお、分割体42,44には、クリップ取付位置に適宜なクリップ係止部52が凹設されており、それ以外の部分では、図4の破線Hに示すように、上記の係止部52が形成されていない。
【0031】
このコレクタ38の大部分を構成するコレクタ下部分割体44は、例えば図3に示すように、一対の上側ボルト54により上側フランジ部55が取付ブラケット36へ締結固定されるとともに、一対の下側ボルト56により下側フランジ部57がシリンダヘッド30又はシリンダブロック31あるいはこれらの取付部材へ締結固定される。
【0032】
コレクタ上部分割体42には、図2に示すように、筒状の吸気取入口58が一体的に形成され、この吸気取入口58にはガスケット60を介して吸気取入管62が取り付けられている。この吸気取入管62には、圧力調整弁64が配設されている。この圧力調整弁64は、吸入空気量を調整するというよりは、むしろ機関に必要な最低限の吸入負圧を得るために設けられており、エンジン回転数,アクセル開度等の機関運転状態に応じて上記ECU4により駆動制御される。
【0033】
この圧力調整弁64へ大きなゴミ等が噛み込まないように、吸気取入管62の入口部には、上記のエアクリーナ46に比して濾過機能の低い(目が粗い)フィルタ66が取り付けられている。
【0034】
コレクタ下部分割体44は、図1に示すように、コレクタ38内部へ向かって筒状に延び、吸気ブランチ40の一部を構成する複数の第1ブランチ構成部68と、吸気ポート34へ燃料を噴射する燃料噴射弁70との干渉を回避するための凹部72と、取付ブラケット36に面接触状態で固定される取付プレート部74と、を有し、これらの各部68,72,74が一体的に形成されている。取付プレート部74は、取付剛性を確保するために他の部分に比して相対的に厚肉化されている。
【0035】
取付ブラケット36は、シリンダヘッド30と同様に剛性の高いアルミ合金等により形成されており、各吸気ブランチ40の一部を構成する筒状の第2ブランチ構成部76と、燃料噴射弁70の取付ボス部78と、シリンダヘッド30の側壁32とコレクタ下部分割体44の取付プレート部74との間に介装される取付プレート部80と、を有し、これら各部76,78,80が一体的に形成されている。この取付ブラケット36は、典型的には図3に示すように複数のボルト82によりシリンダヘッド30の側壁32に締結固定される。
【0036】
吸気ブランチ40は、吸気ポート34のポート開口部35からコレクタ38内に開口するベルマウス状のブランチ開口部84までの吸気通路を形成する筒状体を意味しており、この実施形態では、ガスケット86を介して嵌合する第1ブランチ構成部68と第2ブランチ構成部76とにより構成されている。
【0037】
このように本実施形態では、シリンダヘッド30の側壁32に取り付けられる取付ブラケット36にコレクタ38を直接的に取り付けているため、例えばシリンダヘッドから機関幅方向へ突出する吸気ブランチ(又は吸気マニホールド)の突出端部にコレクタを取り付ける場合に比して、コレクタ38の支持剛性が向上するとともに、コレクタ38へ作用する振動入力も低減される。また、コレクタ38がシリンダヘッド30の側壁32に近接配置されるとともに、吸気ブランチ40が実質的にコレクタ38内に内蔵されることとなるため、吸気装置がコンパクト化されるとともに、機関搭載性が向上する。
【0038】
このようなレイアウトを実現するためには、上述したように、吸気ブランチ40の短縮化とコレクタ38の大容量化とが要求され、これら吸気ブランチ40の短縮化とコレクタ38の大容量化とは、吸気弁1のバルブリフト特性を変更することにより吸入空気量を調整するシステムを用いることにより達成できる。つまり、図1〜4に示すような吸気装置のレイアウトは、吸入空気量を調整可能な可変動弁装置(図9参照)を用いることにより実現できる。
【0039】
また、図1に示すように、コレクタ38は、シリンダヘッド30の側壁32に略沿う機関上下方向(図1の上下方向)の寸法が、シリンダヘッド30の側壁32と略直交する機関幅方向(図1の左右方向)の寸法に比して長く設定されている。つまり、コレクタ38は、機関上下方向(シリンダ軸線方向)に沿う縦長の形状となっている。このため、機関幅方向へのコレクタ38の張出量が抑制されるとともに、シリンダヘッド30下方のデッドスペースを有効に使うことができ、コレクタ38の支持剛性及び機関搭載性が更に向上する。
【0040】
また、エアクリーナ46が着脱可能なコレクタ上部分割体42とコレクタ下部分割体44との間に介装されるとともに、コレクタ下部分割体44に吸気ブランチ40の一部(第1ブランチ構成部68)が形成され、この吸気ブランチ40のブランチ開口部84よりもエアクリーナ46が上方に配置されているため、コレクタ上部分割体42を取り外すことにより、コレクタ容積の大部分をなすコレクタ下部分割体44を機関から取り外すことなく、エアクリーナ46を容易に交換できるというメリットもある。
【0041】
ところで、燃費向上や出力向上を図るために、吸気弁と排気弁の双方が開弁するバルブオーバーラップが設定されている場合、吸気側へ燃焼ガスが逆流するおそれがある。この逆流した燃焼ガスがエアクリーナに直接的にかかると、エアクリーナの損傷や劣化を招くおそれがある。そこで本実施形態では、燃焼ガスが吐出される吸気ブランチ40の突出方向から外れた位置、具体的には突出方向に対して略直角上方に、エアクリーナ46を配置している。
【0042】
図5〜8は他の実施形態を示している。なお、以下に説明する実施形態において、第1実施形態と同じ(又は相当する)構成には同じ(又はA,Bを付記した)参照符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
【0043】
図5及び図6に示す第2実施形態では、コレクタ38Aを構成するコレクタ上部分割体42Aとコレクタ下部分割体44Aのうち、コレクタ上部分割体42Aがコレクタ容積の大部分を占めており、このコレクタ上部分割体42Aに、第1ブランチ構成部68A,凹部72A,及び取付プレート部74Aが形成されている。
【0044】
そして、コレクタ下部分割体44Aに、吸気取入管62が取り付けられる吸気取入口58Aが形成されており、この吸気取入口58Aへ連なるコレクタ下部分割体44Aの下面(コレクタ38Aの下面)75が、車両搭載状態で、図6に示すように吸気取入口58Aへ向けて下方へ傾斜している。つまり、コレクタ下部分割体44Aの下面75は、吸気取入口58Aへ向かうに従って低くなるように、基準水平面Gに対して所定の角度αで傾斜している。
【0045】
従って、雪や激しい雨等によりコレクタ38Aへ水(水分)等が混入しても、この水等は下方へ向けて傾斜するコレクタ下部分割体44Aの下面75を伝って速やかに外部へ排出されるため、コレクタ38A内に水等が溜まったままになることを確実に回避することができる。
【0046】
また、エアクリーナ46は、吸気ブランチ40の突出方向に対してほぼ直角下方に配置されているため、第1実施形態と同様、燃焼室からの燃焼ガスが吸気ブランチ40を経由してコレクタ38A内へ吐出される場合にも、この燃焼ガスがエアクリーナ46に直接的にかかるおそれがなく、燃焼ガスによるエアクリーナ46の損傷や劣化を未然に防止することができる。
【0047】
図7及び図8は第3実施形態を示している。コレクタ38Bへの吸気取入口58B(及び吸気取入管62B)の近傍では、各気筒から発せられる脈動により騒音を生じ易く、これら脈動のピークの間隔が複数の気筒間でそろうことが音振上望ましい。つまり、燃焼室を構成する吸気弁の開口部から吸気取入口58Bまでの実質的な距離を吸気通路全長とすると、複数の気筒間で吸気通路全長をできるたけ揃えたい。
【0048】
この実施形態では、コレクタ上部分割体42Bに、気筒列方向でブランチ開口部84Bの中央上部より延びる補助管部90が一体的に形成され、機関上方へ向けて湾曲しつつ延びる補助管部90の先端部に、吸気取入口58Bが形成されている。つまり、図8に示すように、コレクタ38Bへの吸気取入口58B及び吸気取入管62Bを、気筒列方向で複数の気筒の吸気ブランチ40B及びそのブランチ開口部84Bに対して略中央部に配置している。更に言えば、複数のブランチ開口部84Bは、気筒列方向(図8の左右方向)に沿って同一直線上に略等間隔毎に配置されており、これらブランチ開口部84Bの中央部の上方に、吸気取入口58B及び吸気取入管62Bを配置している。この結果、複数の気筒間での吸気通路全長のばらつきが抑制され、音振性能が向上する。
【0049】
特に本実施形態のように従来の一般的な吸気系に比して吸気ブランチ40Bを短縮化するとともにコレクタ38Bを大容量化している場合、吸気弁開口部からコレクタ38Bへの吸気取入口58Bまでの吸気通路全長の中で、コレクタ38B内での距離が占める割合が大きい。従って、このような吸気装置においては、上述したようにコレクタ38Bへの吸気取入口58Bを複数の気筒のブランチ開口部84Bの略中央部に配置することは、音振性能の面で極めて有効である。
【0050】
以上のように本発明を具体的な実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変形,変更を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る吸気装置を示す断面対応図。
【図2】図1のA−A線に沿う断面対応図。
【図3】コレクタ及び取付ブラケットの取付態様を示す概略構成図。
【図4】コレクタ上部分割体とコレクタ下部分割体との取付態様を示す説明図。
【図5】本発明の第2実施形態に係る吸気装置を示す断面対応図。
【図6】図5のB−B線に沿う断面対応図。
【図7】本発明の第3実施形態に係る吸気装置を示す断面対応図。
【図8】図7の吸気取入口の配置を示す断面対応図。
【図9】全実施形態に共通する可変動弁装置を示す斜視図。
【図10】従来例に係る内燃機関の吸気装置を示す断面図。
【符号の説明】
4…ECU4(制御手段)
10…作動角変更機構(可変動弁装置)
20…位相変更機構(可変動弁装置)
30…シリンダヘッド
32…側壁
34…吸気ポート
36…取付ブラケット(取付部材)
38…コレクタ
40…吸気ブランチ
46…エアクリーナ
Claims (8)
- 複数の吸気ポートが開口するシリンダヘッドの側壁に取り付けられ、燃料噴射弁が取り付けられる取付部材の一部に、一つのコレクタの取付部を直接的に取り付け、
このコレクタ内に、上記複数の吸気ポートにそれぞれ連通する複数の吸気ブランチを突出させ、各吸気ブランチは、上記コレクタに一体的に形成され、上記コレクタの取付部からコレクタ内部へ向かって筒状に延びる第1ブランチ構成部と、上記取付部材に一体的に形成され、上記第1ブランチ構成部と嵌合する筒状の第2ブランチ構成部と、により構成され、
かつ、上記コレクタは、上記シリンダヘッドの側壁に略沿う機関上下方向寸法が、上記シリンダヘッドの側壁と略直交する機関幅方向寸法に比して長く設定された縦長の形状をなしていることを特徴とする内燃機関の吸気装置。 - 上記コレクタへの吸気取入口が、気筒列方向で上記複数の吸気ブランチの略中央に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の吸気装置。
- 上記コレクタ内にエアクリーナが内蔵されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の吸気装置。
- 上記エアクリーナが、上記吸気ブランチの突出方向から外れた位置に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の吸気装置。
- 上記コレクタが、上記エアクリーナを挟んで着脱可能に固定されるコレクタ上部分割体及びコレクタ下部分割体を有し、
上記エアクリーナが、上記コレクタ内に開口する上記吸気ブランチのブランチ開口部よりも上方に配置されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の内燃機関の吸気装置。 - 上記コレクタの下面が、このコレクタへの吸気取入口へ向かって下方へ傾斜していることを特徴とする請求項3又は4に記載の内燃機関の吸気装置。
- 吸気弁のバルブリフト特性を変更可能な可変動弁装置と、この可変動弁装置を制御して吸入空気量を調整する制御手段と、を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の内燃機関の吸気装置。
- 上記可変動弁装置が、吸気弁の作動角及びバルブリフト量を変更可能な作動角変更機構と、クランクシャフトに対する吸気弁の作動角の位相を変更可能な位相変更機構と、の少なくとも一方を有することを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の吸気装置。
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