JP4488652B2 - 風呂蓋保持具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴室の壁面に取り付けられ、この壁面に立て掛けられた風呂蓋を、前倒れしないように保持するための風呂蓋保持具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の風呂蓋保持具としては、実公平7−19354号に示されるものがあった。
【0003】
この風呂蓋保持具は、図6に示すように、略楕円形に形成された基板11の表面の片側に、略円筒形のフック12を取り付け、表面の他方側に、中心が筒体13aで構成されたレバー状の蓋受け体13を、スペーサー14を介在させて回転可能に取り付けたものであり、その回動中心となる支持軸15には、蓋受け体13をスペーサー14に圧接する方向に付勢するばね16を設け、スペーサー14と蓋受け体13の対向面には、互いに係脱して蓋受け体14を所定回動位置で係止するための係合部13b,14aを設けている。
【0004】
また、フック12とスペーサ−14、およびこのフック12とスペーサ−14が取り付けられる基板11の所定位置には、それぞれねじ孔12a,14b,11a,11bが設けられ、このねじ孔12a,14b,11a,11bを貫通したねじ17で、基板11が浴室の壁面(図示せず)に固定されるようになっている。なお、蓋受け体13の底部には、スペーサー14をねじ止めできるように、ねじ17の頭部が貫通する挿通孔13cが設けられている。
【0005】
したがって、このようにして浴室の壁面に固定された風呂蓋保持具は、風呂蓋(図示せず)をこの風呂蓋保持具の下側の壁面に立て掛け、レバー状の蓋受け体13を回動させれば、この蓋受け体13で風呂蓋を前倒れしないように係止保持できるものである。
【0006】
なお、基板11の他方側に取り付けられたフック12は、タオルやボディブラシなどの引っ掛け具として使用されるものである。
【0007】
また、フック12と蓋受け体13の上部開口12A,13Aには、爪付カバー18a,18bが係脱可能に取り付けられるようになっており、この爪付カバー18a,18bで、取付用のねじ17や、蓋受け体13の回動中心となる支持軸15などを、外部から見えないように隠蔽するようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の風呂蓋保持具は、浴室の壁面にねじ止めされるようになっていたので、基板とスペーサーにねじ孔を設けると共に、蓋受け体の中心を中空の筒体としなくてはならなかった。そのため、取付後、筒体の上部開口を塞ぐために、この開口に係脱可能に取り付けられる爪付カバーも必要とした。
【0009】
さらにこの風呂蓋保持具は、蓋受け体を支持軸に沿った方向に移動させることにより、係合部の係脱を行うようにしていたので、基板との間に係合部が設けられたスペーサーを設けると共に、ばねで蓋受け体をスペーサー側に付勢しなくてはならなかった。
【0010】
従って、構成が複雑で部品点数が多く、その組み立てや取り付けにも手間を要するという問題点があった。また、蓋受け体の回動中心となる支持軸に、蓋受け体をスペーサー方向に押圧するばねを取り付けているので、このばねの付勢力が支持軸を緩める方向に作用し、使用に伴って、支持軸が緩んだり、外れたりするおそれがあるという問題点があった。
【0011】
本発明は、上記従来の風呂蓋保持具が有していた問題点の解決を課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明のうち、請求項1記載の発明は、浴室の壁面に取り付けられ、この壁面に立て掛けられた風呂蓋を、前倒れ不可に係止するための風呂蓋保持具を、表面に嵌合凹所を有する円柱状の突部が突設された基板と、内周壁の所定位置に段部を有する係合凹所が裏面に設けられたレバー部材と、周囲に出没可能な弾性突部が設けられた略環状のばね部材とで構成した。そして、基板の突部に、ばね部材を介在させて、レバー部材を回動可能に取り付け、レバー部材の回動に伴って、嵌合凹所で位置決めされたばね部材の弾性突部が、係合凹所の段部と係脱し、該レバー部材を間欠的に位置決め保持するようにした。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成中、ばね部材を、可撓性を有する合成樹脂で一体成形されたものと、限定したことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示した実施の形態に基づき詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の風呂蓋保持具の分解斜視図である。図示したように、本発明の風呂蓋保持具は、主として基板1と、ばね部材2と、レバー部材3とで構成されている。
【0016】
基板1は、楕円形の基部1aの表面(図1において上面側)の中央部分に、略円柱状の突部1bを突設したものであり、突部1bの上面には、中心にねじ孔1dが設けられた六角形状の嵌合凹所1cを設けている。また、基部1aの裏面側(図1において下面側)の左右両側には、磁石5を接着や嵌合などの適宜、手段で取り付けている。
【0017】
ばね部材2は、図3に示すように周壁2aが六角形状の略環状に、可撓性を有する合成樹脂で形成されたものであり、その周壁2aの中央部分には、出没可能な一対の弾性突部2bと、半円弧状の一対のガイド2cを、外方に突出するように一体成形している。なお、このばね部材2の周壁2aの外寸は、上記基板1の嵌合凹所1cの内寸とほぼ等しく設定されている。
【0018】
レバー部材3は、略楕円形の板状のものであり、裏面(図1において下側)の片側(偏心した位置)に係合凹所3aを設けている。この係合凹所3aは、図2に示すように、内周壁31の四個所に凹みによる段部32が設けられたものであり、その中心には、ねじ止め用のボス3bを下向き(図2において紙面の手前側)に突設している。なお、この係合凹所3aの最小内径は、上記ばね部材2の周壁2aの最大外径とほぼ等しく設定されている。
【0019】
上記部材で構成される本発明の風呂蓋保持具は、図1に示すように、基板1の突部1bに設けられた嵌合凹所1cに、ばね部材2をその周壁2aの下端を嵌め込むことにより取り付け、次いで、その上側に、ばね部材2が係合凹所3a内に入り込むようにレバー部材3を被せ、基板1の裏側(図1において下側)からレバー部材3のボス3bにねじ4を締め付けることにより、組み立てられ、このことで、基板1にレバー部材3が回動可能に取り付けられるようになっている。
【0020】
この風呂蓋保持具は、基板1の裏面に磁石5が取り付けられているので、図5に示すように琺瑯パネルなどの金属パネルで構成された浴室壁面Wの任意の位置に取り付けることができ、壁面が合成樹脂パネルであっても、裏側に金属のフレームなどの構造体があれば、同様に磁石5の吸着力で取り付けることができる。
【0021】
そして、この風呂蓋保持具の下側の壁面Wに風呂蓋10を立て掛け、レバー部材3を回動させるように左右何れかの方向にひねると、係合凹所3aの段部32と係合し、該レバー部材3の自由回動を阻止していたばね部材2の弾性突部2bが、この段部32に連続した係合凹所3aの内周壁31とせりあって、その突出付勢力に抗して内方に押し込まれる。なお、この時、ばね部材2は、その下端が基板1の嵌合凹所1cに嵌合しているので、レバー部材3と供回りすることはない。よって、レバー部材3が回動を開始し、やがて、ばね部材2の弾性突部2bが、係合凹所3aの隣り合った段部32の位置で、その弾性復元力により外方に突出し、この段部32に係合する。
【0022】
なお、この時、ばね部材2に設けられたガイド2cは、嵌合凹所1cの外側の端縁上に位置し、かつ、係合凹所3aの内周壁31に摺接することにより、ばね部材2の不規則な変形やがたつきを防止し、その回動操作が円滑に行えるようにしている。
【0023】
以上のことにより、レバー部材3は、図4並びに図5に示すように、その一端を下方に突出させた状態でクリック感を伴って停止し、この下方に突出した部分が、図5に示すように壁面Wに立て掛けられた風呂蓋10の上端の前側(図5において左側)に位置することにより、風呂蓋10の前倒れを防止するように機能するものである。
【0024】
また、風呂蓋10を使用する際は、このレバー部材3を、弾性突部2bの突出付勢力に抗して左右何れかの方向に回し、基板1の下方に突出している部分を上方に移動させれば良く、このことで風呂蓋10は、容易に前方に取り出すことができる。
【0025】
以上のように、本発明の風呂蓋保持具では、レバー部材3が所定回動位置でクリック感を伴って停止し、その状態が保持されるので、浴室の壁面Wに立て掛けた風呂蓋10を、容易に前倒れしないように保持することができると共に、使用する際には、容易にこの風呂蓋10を取り出すことができる。また、レバー部材3は、基板1に回動可能に取り付けられているので、このレバー部材3をその先端が上向きに突出した状態で停止させれば、ここにタオルなどを引っ掛けて、引っ掛け部として使用することも可能である。
【0026】
以上のようにして本発明の風呂蓋保持具は、使用されるものである。
【0027】
なお、図示した実施の形態では、ばね部材2として周壁2aが六角形状のものを例示したが、このばね部材2は、周囲に出没可能な弾性突部が設けられた略環状のものであれば良く、例えば、四角形や八角形、あるいは十二角形などであっても良い。なお、その場合、基板1に設けられる嵌合凹所1cもそれに応じた形状とする。
【0028】
また、上記の実施の形態では、ばね部材2として可撓性を有する合成樹脂で一体成形したものを例示したが、このばね部材2は、中心に回動中心となるボス3bが挿入可能で、その周囲に出没可能な弾性突部2bが設けられたものであれば良く、同様の構成であれば、金属で形成されたものであっても良い。また、同様に機能すれば、周壁2aに設ける弾性突部2bの数も任意であり、レバー部材3の回動操作時に、ばね部材2が、がたついたり、撓んだりしなければ、その外側のガイド2cも、必ずしも設ける必要はない。
【0029】
また、上記では、基板1の裏側に取り付けられた磁石5で浴室の壁面Wに取り付けられるようにしたものを例示したが、本発明の風呂蓋保持具は、ねじ止め以外の手段で浴室の壁面に不動に固定されれば良く、例えば、吸盤による吸着や接着などの手段で取り付けられるようになっていても良い。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のうち、請求項1記載の発明は、浴室の壁面に取り付けられる風呂蓋保持具を、基板と、ばね部材と、レバー部材とで構成したので、従来のものに比し、構成が簡単で、部品点数も少なく、その組立てにも手間を要さない。よって、コスト低廉に製造できると共に、故障などの不具合も生じ難くなるという効果がある。また、浴室の壁面に接着や吸着などの手段で取り付けられるようになっているので、その取り付けの手間を要さず、かつ、従来のようにねじで壁面を傷つけるおそれもない。さらに、ねじ止め作業用の開口などを設ける必要がなくなると共に、この開口をキャップなどで塞ぐ必要もなく、この面からも一層の構成の簡素化と、コストダウンがはかられる。
【0031】
請求項2記載の発明は、ばね部材を可撓性を有する合成樹脂で一体成形したので、この種のばね部材を組立てや加工の手間なく、簡単、かつコスト低廉に製造でき、また、浴室内の使用において錆るおそれがなく、長年にわたってその機能が維持できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る風呂蓋保持具の実施形態を示した分解斜視図である。
【図2】レバー部材の要部の裏面図である。
【図3】ばね部材の正面図である。
【図4】風呂蓋保持具の正面透視図である。
【図5】風呂蓋保持具の使用状態断面図である。
【図6】従来の風呂蓋保持具の分解斜視図である。
【符号の説明】
1 基板
1a 基部
1b 突部
1c 嵌合凹所
1d ねじ孔
2 ばね部材
2a 周壁
2b 弾性突部
2c ガイド
3 レバー部材
3a 係合凹所
3b ボス
31 内周壁
32 段部
4 ねじ
W 壁面
10 風呂蓋
Claims (2)
- 浴室の壁面に取り付けられ、この壁面に立て掛けられた風呂蓋を、前倒れ不可に係止するための風呂蓋保持具であって、
表面に嵌合凹所を有する円柱状の突部が突設された基板と、
内周壁の所定位置に段部を有する係合凹所が裏面に設けられたレバー部材と、
周囲に出没可能な弾性突部が設けられた略環状のばね部材とを具備し、
基板の突部に、ばね部材を介在させて、レバー部材が回動可能に取り付けられ、レバー部材の回動に伴って、嵌合凹所で位置決めされたばね部材の弾性突部が、係合凹所の段部と係脱し、該レバー部材を間欠的に位置決め保持するようになされたことを特徴とする風呂蓋保持具。 - 上記ばね部材は、可撓性を有する合成樹脂で一体成形されたものであることを特徴とする請求項1記載の風呂蓋保持具。
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- 2001-05-24 JP JP2001155145A patent/JP4488652B2/ja not_active Expired - Fee Related
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