JP3867240B2 - 扉錠の台座取付装置 - Google Patents

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健一 藤田
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、扉錠を施錠・解錠する錠操作部材を回転自在に支承する台座を扉体に取付ける扉錠の台座取付装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ラッチを有した錠本体と、このラッチを施錠位置と解錠位置に移動するレバーハンドルと、このレバーハンドルを回転自在に支承する台座を備えた扉錠が知られている。
この扉錠は、その錠本体を扉体の内部に取付け、扉体の表面に台座を取付け、その台座でハンドルを回転自在に支承する。
前述の台座を扉体に取付ける装置が特開平9−250258号公報に開示されている。
【0003】
前述の台座取付装置は、一方の台座に軸挿入孔を有する嵌合突体を設け、他方の台座に嵌着軸を設け、その軸挿入孔と嵌着軸を嵌合することで扉体の両側面に一方の台座と他方の台座を取付ける。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来の台座取付装置は、ビスを用いずに台座を取付けできるので、その台座の取付けが容易である。
しかし、軸挿入孔と嵌着軸の嵌合部でのみ一方の台座と他方の台座を結合しているので、その結合力が弱い。
このために、レバーハンドルを繰り返し何回も回転操作することで台座がガタついたり、扉体の側面から浮き上がったりすることがあり、耐久性に劣る。
【0005】
本発明は、前述の課題に鑑みなされたもので、その目的は、台座の取付けが容易であると共に、耐久性に優れた扉錠の台座取付装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、扉体1の内部に取付けた扉錠を施錠・解錠する錠操作部材6を回転自在に支承する支承孔11と、扉体1の孔を挿通する引寄せ用突起16と、扉体1の孔を挿通する結合用突起13を有し、扉体1の一側面1aに取付ける一側台座10と、
前記錠操作部材6を回転自在に支承する孔と、前記引寄せ用突起16の先端部が挿通して突出する引寄せ用孔25と、前記結合用突起13が嵌合する結合用孔27を有し、扉体1の他側面1bに取付ける他側台座20と、
前記他側台座20に設けられ引寄せ用突起16の先端部に接することでくさび作用により引寄せ用突起16を他側台座20側に引寄せるくさび部品34を備えたことを特徴とする扉錠の台座取付装置である。
【0009】
の発明は、第の発明において、他側台座20は、扉体1の他側面1bに取付ける台座ベース21と、この台座ベース21を覆う台座カバー体22から成り、
前記台座ベース21は、支承孔23と引寄せ用孔25と結合用孔27を有すると共に、くさび部品34が設けられ、
前記台座カバー体22は、支承孔23と対向した孔を有する扉錠の台座取付装置である。
【0010】
の発明は、第の発明において、台座カバー体22は、くさび部品34と接することでくさび部品34を引寄せ位置に移動するくさび部品移動部46を有する扉錠の台座取付装置である。
【0011】
の発明は、第の発明において、台座カバー体22は、引寄せ位置のくさび部品34を引寄せ位置に保持するくさび部品押え部52を有する扉錠の台座取付装置である。
【0012】
の発明は、第1〜第いずれか1つの発明において、引寄せ用突起16を、長さ調整自在とした扉錠の台座取付装置である。
【0013】
【作 用】
第1の発明によれば、一側台座10の引寄せ用突起16を扉体1の孔を挿通して他側台座20の引寄せ用孔25に挿通して先端部を突出させ、その突出した先端部にくさび部品34を接して引寄せ用突起16を引寄せることで、一側台座10と他側台座20に互いに引き合う力が作用し、一側台座10が扉体1の一側面1a、他側台座20が扉体1の他側面1bにしっかりと取付けられる。
したがって、ビスを用いずに一側台座10と他側台座20を容易に取付けできる。しかも、錠操作部材6を繰り返し何回も操作しても一側台座10、他側台座20がガタついたり、扉体1の一側面1a、他側面1bから浮き上がったりすることがなく、耐久性に優れる。
【0014】
また、結合用突起13と結合用孔27の嵌合部分で一側台座10と他側台座20を結合するから、一側台座10と他側台座20をより強固に取付けできる。
【0016】
の発明によれば、一側台座10と台座ベース21を、結合用突起13と結合用孔27の嵌合及びくさび部品34のくさび作用で扉体1の一側面1a、他側面1bに強固に取付け、その後に台座カバー体22を取付けて台座ベース21、くさび部品34を覆うことができる。
したがって、一側台座10と台座ベース21の取付けが容易であると共に、外観の見栄えが良い。
【0017】
の発明によれば、台座カバー体22を取付けることでくさび部品34が引寄せ位置に移動するので、くさび部品34を引寄せ位置に移動する操作が不要である。
したがって、一側台座10、他側台座20の取付け作業がより一層容易である。
【0018】
の発明によれば、台座カバー体22でくさび部品34を引寄せ位置に保持するので、そのくさび部品34は引寄せ用突起16の先端部から離れる方向に移動しない。
したがって、振動なとによってくさび部品34が引寄せ用突起16から脱落することがない。
【0019】
の発明によれば、引寄せ用突起16の長さを変えることで厚さの異なる扉体1に取付けできる。
例えば、厚い扉体1の場合には引寄せ用突起16を長く、薄い扉体1の場合には引寄せ用突起16を短かくすることで、一側台座10と他側台座20をくさび作用による引き合う力を利用してしっかりと取付けできる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1に示すように、扉体1には複数の孔、例えば操作軸挿通孔2、ロック軸挿通孔3及び一対の結合用挿通孔4、1つの引寄せ用挿通孔5が、一側面1aと他側面1bに貫通してそれぞれ形成してある。
前記一対の結合用挿通孔4は操作軸挿通孔2の左右両側に位置し、かつ操作軸挿通孔2の左右両側部と連続している。連続せずにそれぞれ独立した孔でも良い。
前記引寄せ用挿通孔5はロック軸挿通孔3の上側に位置し、かつロック軸挿通孔3の上部と連続している。なお、連続せずに独立した孔でも良い。
これらの孔は、扉体1に形成した図示しない扉錠取付用の凹部を貫通している。
【0021】
前記扉体1の内部、例えば前記凹部には図示しない扉錠が取付けてある。
この扉錠のラッチを扉体1の端面1cから出没して施錠、解錠する錠操作部材6は、一側レバーハンドル7と他側レバーハンドル8で、それらは操作軸9に連結される。レバーハンドルに限ることはなく丸い握手でも良い。
扉体1の一側面1aに取付ける一側台座10で一側レバーハンドル7が回転自在に支承される。
扉体1の他側面1bに取付ける他側台座20で他側レバーハンドル8が回転自在に支承される。
操作軸9は扉体1の操作軸挿通孔2に挿通し、その操作軸9の両端部に一側レバーハンドル7と他側レバーハンドル8がそれぞれ連結される。
【0022】
前記扉体1の一側面1aに取付ける一側台座10は、図1と図2に示すように略縦長の矩形皿形状で、支承孔11とロック軸支承孔12を上下方向に離隔して有する。支承孔11に一側レバーハンドル7が回転自在に支承され、その支承孔11が下で、ロック軸支承孔12が上である。
前記一側台座10の裏面における支承孔11の左右両側位置に一対の結合用突起13が設けてある。
この結合用突起13は一側台座10の裏面と一体である突起14と、この突起14の軸孔14aに嵌合したスプリングピン15で形成される。
前記一側台座10の裏面におけるロック軸支承孔12の上方位置に引寄せ用突起16が設けてある。
前記引寄せ用突起16は一側台座10の裏面と一体である突起17にビス18を螺合してある。
前記一側台座10は金属製、例えばアルミダイキャスト製である。スプリングピン15、ビス18は鉄系金属製である。
前記一対の結合用突起13と引寄せ用突起16は略二等辺三角形の各角部に位置する。
【0023】
前記ロック軸支承孔12にロック軸19の一端部が図2に示すように回転自在に支承してある。例えば、ロック軸19は角軸19aとフランジ付きの回転筒19bを有し、その回転筒19bがロック軸支承孔12に回転自在に嵌合され、角軸19aがピン19cで連結してある。
【0024】
前記扉体1の他側面1bに取付ける他側台座20は、台座ベース21と化粧用の台座カバー体22より成る。
前記台座ベース21は、図1と図3に示すように略縦長の矩形板状で、支承孔23とロック操作部材支承孔24と引寄せ用孔25を上下方向に離隔して有する。支承孔23が最も下で、引寄せ用孔25が最も上である。この支承孔23に他側レバーハンドル8が回転自在に支承される。
【0025】
前記台座ベース21における支承孔23の左右両側位置に一対の突起26が一体的に設けてある。
この突起26は結合用孔27を有する。
前記台座ベース21の引寄せ用孔25の周辺部にくさび部品取付用の凹陥部28が形成してある。この凹陥部28は台座ベース21の上端面21aまで連続している。
前記台座ベース21の上下左右両側部に被係合部、例えば被係合穴29がそれぞれ形成してある。
前記台座ベース21の下端面21bに突出片30が下向きに一体的に設けてある。
前記支承孔23の周縁部に筒体31が一体的に設けてある。
この台座ベース21は樹脂製である。
【0026】
前記ロック操作部材支承孔24には図3に示すように、ロック操作部材、例えば摘み32の円形突部32aが回転自在に嵌合してある。
摘み32の軸心には連結穴33が形成され、この連結穴33にロック軸19(角軸19a)が嵌合される。
【0027】
前記凹陥部28にはくさび部品34が上下方向に移動自在に取付けられる。
前記くさび部品34は図4に示すように、くさび部35と操作部36を有すると共に、くさび部35に引寄せ用突起挿通部37が形成してある。
例えば、縦板38と、その下部寄り幅方向中間部を打ち出し加工して形成した斜面38aを有する縦片38bでくさび部35とし、前記縦板38の上部寄りを鉤形状に曲げ加工した部分を操作部36とし、前記縦片38bに下端面に開口した長穴38cを形成して引寄せ用突起挿通部37とする。
【0028】
前記台座カバー体22は、図1と図5、図6、図7に示すように略縦長矩形状の表面板40と、その各辺部と一体的に連続した矩形枠形状の周面板41で、前記台座ベース21が嵌まり込む形状・大きさの略皿形状である。この台座カバー体22は金属製、例えばアルミダイキャスト製である。
前記表面板40には第1孔42と第2孔43が上下方向に離隔して形成してある。第1孔42が下で、第2孔43が上である。
前記表面板40の裏面における第1孔42の下方位置と第2孔43の上方位置に係合部材44がそれぞれ取付けてある。
この係合部材44は一対の係合片45を有し、その係合片45が前記被係合穴29に係合する。例えば、板ばねをコ字形状に折り曲げて一対の係合片45を有するものとしてある。
前記表面板40の裏面における上端部分にくさび部品移動部46が設けてある。例えば、一対のリブ47を一体的に設け、そのリブ47の端面を斜面47aとしてある。
【0029】
前記第2孔43には樹脂カラー48が嵌合して取付けてある。
前記摘み32は、図9に示すように樹脂カラー48に嵌合して表面板40よりも外方に突出する。
これによって、摘み32は樹脂カラー48に沿って回転するので、摘み32が金属製の表面板40の第2孔43の周縁部に接触することがなく、回転操作時に摘み32に傷がつくことがない。
また、台座カバー体22を台座ベース21から取り外しする際に樹脂カラー48が摘み32に接触し、金属製の表面板40の第2孔43周縁部は摘み32に接触しないので、摘み32を傷をつけることがない。
【0030】
前記樹脂カラー48は暗所で発光する材料、例えば蛍光又は蓄光顔料を保有した樹脂であっても良い。
これによって、夜間等周囲が暗い場合に樹脂カラー48が発光し、摘み32の位置が判り易い。
【0031】
前記周面板41の下部41aに切欠部49が形成してある。
この切欠部49は図9に示すように台座ベース21の突出片30と相対向し、この切欠部49と突出片30との間に工具挿入用の空間部50を形成する。
このようであるから、前述の空間部50に、図9に仮想線で示すようにマイナスドライバーなどの尖端形状の工具51を挿入し、突出片30を支点としてこじることで台座カバー体22を簡単に取り外しできる。
しかも、工具51が突出片30に接触し、工具51は扉体1の他側面1bには接触しないので、台座カバー体22を取り外しする時に扉体1の他側面1bに傷をつけることがない。
【0032】
次に、台座の取付け手順を説明する。
一側台座10にロック軸19を取付ける。
台座ベース21に摘み32を取付ける。
扉体1の他側面1b側から台座ベース21の一対の突起26を扉体1の一対の結合用挿通孔4に挿入すると共に、扉体1の一側面1a側から一側台座10の一対の結合用突起13を扉体1の一対の結合用挿通孔4に挿入し、図8に示すように、その一対の結合用突起13(スプリングピン15)を一対の突起26の結合用孔27に嵌合することで、一側台座10を扉体1の一側面1a、台座ベース21を扉体1の他側面1bにしっかりと押しつけて取付ける。
【0033】
これにより、引寄せ用突起16の先端部(ビス18の頭部18a)が引寄せ用孔25を貫通し、凹陥部28に突出する。
ロック軸19の角軸19aの他端部が摘み32の連結穴33に嵌合し、摘み32とロック軸19が連結される。
【0034】
台座ベース21の凹陥部28にくさび部品34を取付け、長穴38cの下方部分をビス18の軸部18bと対向させると共に、縦片38bの斜面38aをビス18の頭部18aに当接する。つまり、台座ベース21とビス18の頭部18aとの間にくさび部品34を設ける。
この状態では、くさび部品34は図8に実線で示す上方位置である。
なお、くさび部品34は台座ベース21にあらかじめ上下動自在で、かつ上方位置に保持して取付けても良い。また、くさび部品34は横方向に移動自在としても良い。この場合にはくさび部品移動部46を横向きとする。
【0035】
この後に、台座カバー体22を図8に矢印aで示すように台座ベース21に向けて移動し、その係合部材44(係合片45)を台座ベース21の被係合穴29に係合すると共に、筒体31と第1孔42を嵌合し、周面板41を扉体1の他側面1bに押しつけて取付け、図9に示すように、この台座カバー体22で台座ベース21を覆う。
この時、台座カバー体22のくさび部品移動部46(リブ47の斜面47a)がくさび部品34の操作部36に押しつけられるので、くさび部品34に下向きの力が作用する。
【0036】
くさび部品34は、そのくさび部35(縦板38bの斜面38a)がビス18の頭部18aに沿って下方に移動して縦板38bがビス18の頭部18aに接した引寄せ位置となるので、くさび作用でビス18(引寄せ用突起16)を台座ベース21側に引寄せる。よって、一側台座10と台座ベース21が互いに引きつけ合う。つまり、くさび作用で互いに引きつけ合う力が生じる。
これによって、一側台座10が扉体1の一側面1a、他側台座20(台座ベース21)が扉体1の他側面1bにしっかりと取付けられる。
【0037】
また、レバーハンドルを回転自在に支承する支承孔11,23の左右両側方位置で結合用突起13と結合用孔27が嵌合し、その支承孔11,23よりも上方位置において、引寄せ用突起16とくさび部品34で引寄せされるので、略二等辺三角形の底辺の両側方と頂点の3点で一側台座10と他側台座20(台座ベース21)が結合、引寄せされる。
よって、レバーハンドルを回転した時に一側台座10、他側台座20に作用する回転力でガタついたり、浮き上がることを確実に防止できる。
【0038】
次に、扉体1の厚さが異なる場合について説明する。
図9に示す扉体1の厚さHよりも薄い扉体の場合にはビス18を締込んで突起17からの突出長さ(つまり、引寄せ用突起16の長さ)を短かくし、そのビス18の頭部18aが台座ベース21の引寄せ用孔25からの突出寸法を図9に示す場合と同様とする。
図9に示す扉体1の厚さHよりも厚い扉体の場合にはビス18を弛めて突起17からの突出長さ(つまり、引寄せ用突起16の長さ)を長くし、そのビス18の頭部18aが台座ベース21の引寄せ用孔25からの突出寸法を図9に示す場合と同様とする。
これによって、くさび部品34を共通として厚さの異なる扉体に一側台座10、他側台座20を取付けできる。
【0039】
次に、他の実施の形態を説明する。
図10に示すように、台座カバー体22をくさび部品移動部を備えていない形状とする。
この場合には、図10に仮想線で示す上方位置のくさび部品34を、台座カバー体22を取付ける以前に、手で押し込んだり、ハンマー、ドライバーなどを用いて下方に移動して図10に実線で示す引寄せ位置とする。
【0040】
図11と図12に示すように、台座カバー体22の表面板40の裏面における上端部分に、くさび部品押え部52、例えば一対の突起53が設けてある。
台座カバー体22を台座ベース21に取付けると、図12に示すように前記突起53の突出端面53aが台座ベース21の表面と相対向し、突起53の下面53bが引寄せ位置のくさび部品34の上部、例えば操作部36に当接し、くさび部品34が引寄せ用突起16の先端部と離れる方向、例えば上方に移動しないように押さえる。
【0041】
よって、台座カバー体22を取付けることでくさび部品34を引寄せ位置に保持し、振動などでくさび部品34が上方に移動して引寄せ用突起16から脱落することがない。
また、突起53の下面53bがくさび部品34の操作部36に当接するので、その当接部分で台座カバー体22を位置決めできる。
【0042】
図13に示すように、台座ベース21と台座カバー体22をあらかじめ連結、又は一体として他側台座20とする。
つまり、台座ベース21を樹脂製としたのは製造、加工を容易とすることもあるが、主な目的は突起26を樹脂として結合用突起13(スプリングピン15)が嵌合用孔27に嵌合し易くするためである。
このことを考慮しなければ、台座ベース21と台座カバー体22を金属製として一体成形することが可能である。
この場合には、突起26の結合用孔27に樹脂カラーを嵌合して結合用突起13(スプリングピン15)が嵌合し易くすることも可能である。
【0043】
台座カバー体22の周面板41の一部、例えば上部41bにくさび部品操作用の開口部54を形成する。
この場合には、他側台座20を扉体1の他側面1bに前述のようにして取付けした後に、開口部54からくさび部品34を挿入して取付けても良いし、図13に実線で示すようにくさび部品34をあらかじめ取付けておいても良い。
いずれの場合でも、開口部54からドライバーなどの工具を入れてくさび部品34を仮想線で示す下方位置まで移動して引寄せ位置とする。
【0044】
前記くさび部品34は前述の形状に限ることはなく、任意の形状とすることができる。
例えば、図14(a),(b),(c)に示すように、板ばねを折り曲げて裏面縦板60、上横板61、円孤形状の表面縦板62を有する形状とし、その表面縦板62に長穴63を形成する。
裏面縦板60と表面縦板62がくさび部35で、上横板61が操作部36で、長穴63が引寄せ用突起挿通部37である。
【0045】
図15(a),(b),(c)に示すように、板材をプレス成形して縦片64と横片65で略鉤形状で、縦片64に長穴66を有すると共に、その長穴66の周縁部分し打ち出し突部67を有する形状とする。
縦片64と打ち出し突部67がくさび部35で、横片65が操作部36で、長穴66が引寄せ用突起挿通部37である。
【0046】
図16(a),(b),(c)に示すように、厚肉の縦片68と厚肉の横片69で略鉤形状で、縦片68に長穴70を有すると共に、下部に斜面68aを有する樹脂成形品とする。
前記縦片68がくさび部35で、横片65が操作部36で、長穴70が引寄せ用突起挿通部37である。
【0047】
前記引寄せ用突起16は、図17(a)に示すように、先端部に大径部16aを有する一体形状でも良い。
この場合には大径部16aにくさび部品34のくさび部35の表面が接する。また、図17(b)に示すように、先端部に小径部16bを有する一体形状でも良い。
この場合には、くさび部品34の引寄せ用突起挿通部37が小径部16bに挿通し、くさび部35の表面が小径部16bと大径部との段差部16cに接する。前述の一体形状の引寄せ用突起16の場合には、長手方向中間部で二分割し、雄ねじと雌ねじを形成して螺合することで、長さ調整自在とする。
【0048】
以上の実施の形態では、2本の結合用突起13と1本の引寄せ用突起16を設けたが、結合用突起13の本数と引寄せ用突起16の本数は任意である。
また、複数の引寄せ用突起、例えば3本の引寄せ用突起16のみとし、その各引寄せ用突起16にくさび部品34をそれぞれ押しつけて一側台座10と他側台座20を引き付け合って取付けても良い。
この場合には、3つのくさび部品34を1体として1度の押し込み操作で3本の引寄せ用突起16を同時に引き付けるようにしても良い。
【0049】
例えば、図18に示すように中間縦片71と長尺な両側横片72と両側縦向片73で略門型のくさび本体74とし、中間縦片71と両側縦向片73の下部寄りをくさび部35とすると共に、引寄せ用突起挿通部37をそれぞれ形成する。
前記中間縦片71の上部に操作部36を形成する。
このようにすれば、操作部36を押し下げることで3つのくさび部35が同時に下方に移動して引寄せ位置となる。
【0050】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、一側台座10の引寄せ用突起16を扉体1の孔を挿通して他側台座20の引寄せ用孔25に挿通して先端部を突出させ、その突出した先端部にくさび部品34を接して引寄せ用突起16を引寄せることで、一側台座10と他側台座20に互いに引き合う力が作用し、一側台座10が扉体1の一側面1a、他側台座20が扉体1の他側面1bにしっかりと取付けられる。したがって、ビスを用いずに一側台座10と他側台座20を容易に取付けできる。しかも、錠操作部材6を繰り返し何回も操作しても一側台座10、他側台座20がガタついたり、扉体1の一側面1a、他側面1bから浮き上がったりすることがなく、耐久性に優れる。
【0051】
また、結合用突起13と結合用孔27の嵌合部分で一側台座10と他側台座20を結合するから、一側台座10と他側台座20をより強固に取付けできる。
【0053】
請求項に係る発明によれば、一側台座10と台座ベース21を、結合用突起13と結合用孔27の嵌合及びくさび部品34のくさび作用で扉体1の一側面1a、他側面1bに強固に取付け、その後に台座カバー体22を取付けて台座ベース21、くさび部品34を覆うことができる。
したがって、一側台座10と台座ベース21の取付けが容易であると共に、外観の見栄えが良い。
【0054】
請求項に係る発明によれば、台座カバー体22を取付けることでくさび部品34が引寄せ位置に移動するので、くさび部品34を引寄せ位置に移動する操作が不要である。
したがって、一側台座10、他側台座20の取付けがより一層容易である。
【0055】
請求項に係る発明によれば、台座カバー体22でくさび部品34を引寄せ位置に保持するので、そのくさび部品34は引寄せ用突起16の先端部から離れる方向に移動しない。
したがって、振動なとによってくさび部品34が引寄せ用突起16から脱落することがない。
【0056】
請求項に係る発明によれば、引寄せ用突起16の長さを変えることで厚さの異なる扉体1に取付けできる。
例えば、厚い扉体1の場合には引寄せ用突起16を長く、薄い扉体1の場合には引寄せ用突起16を短かくすることで、一側台座10と他側台座20をくさび作用による引き合う力を利用してしっかりと取付けできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】扉体と台座とレバーハンドルの分解斜視図である。
【図2】一側台座のロック軸取付け状態の断面図である。
【図3】台座ベースの摘み、くさび部品取付け状態の一部破断側面図である。
【図4】台座ベースの上部とくさび部品の斜視図である。
【図5】台座カバー体の背面図である。
【図6】図5のA−A断面図である。
【図7】図5のB−B断面図である。
【図8】一側台座と台座ベースの取付け状態の断面図である。
【図9】一側台座、他側台座を取付けした状態の断面図である。
【図10】第2の実施の形態を示す取付け状態の断面図である。
【図11】第3の実施の形態を示す台座カバー体の断面図である。
【図12】取付け状態の断面図である。
【図13】第4の実施の形態を示す取付け状態の断面図である。
【図14】くさび部品の第2の実施の形態を示す説明図である。
【図15】くさび部品の第3の実施の形態を示す説明図である。
【図16】くさび部品の第4の実施の形態を示す説明図である。
【図17】引寄せ用突起の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図18】3つのくさび部品を1体とした例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…扉体、1a…一側面、1b…他側面、10…一側台座、11…支承孔、12…ロック軸支承孔、13…結合用突起、16…引寄せ用突起、18…ビス、18a…頭部、20…他側台座、21…台座ベース、22…台座カバー体、23…支承孔、24…ロック操作部材支承孔、25…引寄せ用孔、27…結合用孔、34…くさび部品、46…くさび部品移動部、52…くさび部品押え部。

Claims (5)

  1. 扉体1の内部に取付けた扉錠を施錠・解錠する錠操作部材6を回転自在に支承する支承孔11と、扉体1の孔を挿通する引寄せ用突起16と、扉体1の孔を挿通する結合用突起13を有し、扉体1の一側面1aに取付ける一側台座10と、
    前記錠操作部材6を回転自在に支承する孔と、前記引寄せ用突起16の先端部が挿通して突出する引寄せ用孔25と、前記結合用突起13が嵌合する結合用孔27を有し、扉体1の他側面1bに取付ける他側台座20と、
    前記他側台座20に設けられ引寄せ用突起16の先端部に接することでくさび作用により引寄せ用突起16を他側台座20側に引寄せるくさび部品34を備えたことを特徴とする扉錠の台座取付装置。
  2. 他側台座20は、扉体1の他側面1bに取付ける台座ベース21と、この台座ベース21を覆う台座カバー体22から成り、
    前記台座ベース21は、支承孔23と引寄せ用孔25と結合用孔27を有すると共に、くさび部品34が設けられ、
    前記台座カバー体22は、支承孔23と対向した孔を有する請求項記載の扉錠の台座取付装置。
  3. 台座カバー体22は、くさび部品34と接することでくさび部品34を引寄せ位置に移動するくさび部品移動部46を有する請求項記載の扉錠の台座取付装置。
  4. 台座カバー体22は、引寄せ位置のくさび部品34を引寄せ位置に保持するくさび部品押え部52を有する請求項記載の扉錠の台座取付装置。
  5. 引寄せ用突起16を、長さ調整自在とした請求項1〜いずれか1項記載の扉錠の台座取付装置。
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