少なくとも1本のガイド軸が第1の移動枠及び第2の移動枠を共通して案内するように構成したガイド機構によってガイド軸の数を削減し、装置全体の小型化を図ることができる像ぶれ補正装置、その像ぶれ補正装置を備えたレンズ鏡筒及び撮像装置を、簡単な構造によって実現した。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。図1〜図36は、本発明の実施の形態の例を説明するものである。即ち、図1は本発明の像ぶれ補正装置の第1の実施の例を示す斜視図、図2は平面図、図3は底面図、図4Aは正面図、図4Bは左側面図、図5Aは図2に示すD−D線部分の断面図、図5Bは同じくE−E線部分の断面図、図5Cは同じくF−F線部分の断面図、図6は分解斜視図、図7は構成部品を示す斜視図、図8は図7に示す第1の移動枠を固定基盤側から見た斜視図である。図9は駆動部の説明図、図10は第1の実施の例に係るガイド機構を適用した場合に得られるスペースを説明する説明図、図11A及び図11Bは第1の移動枠が基準位置にある状態の説明図、図12A及び図12Bは第1の移動枠が第1の方向の+側と第2の方向の+側に移動した状態の説明図、図13A及び図13Bは第1の移動枠が第1の方向の−側と第2の方向の−側に移動した状態の説明図である。図14は本発明の像ぶれ補正装置の第2の実施の例を示す平面図、図15は本発明の像ぶれ補正装置の第3の実施の例を示す断面図である。
図16は本発明の像ぶれ補正装置の第4の実施の例を示す斜視図、図17は平面図、図18Aは正面図、図18Bは左側面図、図19Aは図17に示すD−D線部分の断面図、図19Bは同じくE−E線部分の断面図、図19Cは同じくF−F線部分の断面図、図20は分解斜視図、図21は構成部品を示す斜視図である。図22は第4の実施の例に係るガイド機構を適用した場合に得られるスペースを説明する説明図、図23A及び図23Bは第1の移動枠が基準位置にある状態の説明図、図24A及び図24Bは第1の移動枠が第1の方向の+側と第2の方向の+側に移動した状態の説明図、図25A及び図25Bは移動枠が第1の方向の−側と第2の方向の−側に移動した状態の説明図である。図26は本発明の像ぶれ補正装置の第5の実施の例を示す断面図である。
図27〜図29は本発明のレンズ鏡筒の第1の実施の例を示すもので、図27は斜視図、図28Aは正面図、図28Bは左側面図、図29はレンズ系の配置を説明する説明図である。図30〜図33は本発明の撮像装置の第1の例を示すもので、図30は正面側から見た斜視図、図31はレンズカバーを移動させて対物レンズを露出した斜視図、図32は背面図、図33は平面図である。図34は本発明の像ぶれ補正装置の制御概念を説明するブロック図、図35は本発明に係る撮像装置の概略構成の第1の実施の例を示すブロック図、図36は同じく撮像装置の概略構成の第2の実施の例を示すブロック図である。
図1〜図13に示す本発明の像ぶれ補正装置の第1の実施の例は、ムービングマグネット方式の駆動機構を備えた像ぶれ補正装置1として構成したものである。この像ぶれ補正装置1は、図1〜図8に示すように、レンズ系の像ぶれを補正する補正レンズ2と、この補正レンズ2を保持する第1の移動枠3と、この第1の移動枠3をレンズ系の光軸と直交する第1の方向Yへ移動可能に支持する第2の移動枠4と、第2の移動枠4をレンズ系の光軸と直交する方向であって第1の方向Yとも直交する第2の方向Xに移動可能に支持する固定基盤5と、第1の移動枠3を第1の方向Yに移動させる第1の電動アクチュエータ6Aと第2の移動枠4を第2の方向Xに移動させる第2の電動アクチュエータ6Bからなる駆動部6と、少なくとも1本のガイド軸が第1の移動枠3及び第2の移動枠4を共通して案内するように構成したガイド機構7等から構成されている。
補正レンズ2は、後述するカメラ本体に手の震え等による揺れが生じたときに、そのときの像ぶれ量に対応してその位置を第1の方向Y及び/又は第2の方向X(通常は、第1の方向Yと第2の方向Xが合わさった方向)に移動させて像ぶれを補正するものである。補正レンズ2を保持する第1の移動枠3は、固定基盤5と第2の移動枠4との間に配置される。この第1の移動枠3は、リング状をなすレンズ固定部11と、これと一体に設けた一対のマグネット固定部12A,12Bを有している。
レンズ固定部11の中央部には嵌合穴13が設けられており、この嵌合穴13に補正レンズ2が嵌合され、接着剤等の固着手段によって固定されている。また、図8に示すように、レンズ固定部11の固定基盤5と対向する面には、制限突部15が設けられている。この制限突部15は、嵌合穴13の周囲を囲う円筒状(リング状)の筒体部をなしており、その内面が嵌合穴13の内周面として形成されている。図5Cに示すように、この制限突部15は、固定基盤5の後述する制限受部41に挿入され、所定範囲内で半径方向へ移動可能に係合される。
レンズ固定部11の側部には、第1の軸係合部16が設けられている。この第1の軸係合部16は、側方に突出する略コ字状の突部として形成され、レンズ固定部11の厚み方向に対向する一対の係合片16a,16bを有している。この第1の軸係合部16は、後述する第3のガイド軸38に摺動可能に係合される。
一対のマグネット固定部12A,12Bは、レンズ固定部11の半径方向外側であって互いに略90度回転変位した位置に設けられている。マグネット固定部12Bは、嵌合穴13を挟んで第1の軸係合部16と反対側に設けられており、これらマグネット固定部12Bと第1の軸係合部16を結ぶ方向が第2の方向Xとされている。即ち、レンズ固定部11において、第2の方向Xの+側の側部に第1の軸係合部16が設けられ、第2の方向Xの−側の側部にマグネット固定部12Bが連続されている。そして、マグネット固定部12Aと嵌合穴13を結ぶ方向が第1の方向Yとされ、マグネット固定部12Aは、レンズ固定部11において、第1の方向Yの−側の側部に連続されている。
マグネット固定部12Aには、マグネット用嵌合穴17が設けられている。マグネット用嵌合穴17は、長方形をなしており、2つの長辺が第2の方向Xに延在されている。このマグネット用嵌合穴17には、第1の電動アクチュエータ6Aの一部を構成する第1のマグネット21Aが接着剤や固定ねじ等の固着方法によって固定されている。
また、マグネット固定部12Bには、マグネット用嵌合穴18と、2つの軸受片19a,19bからなる第1の主軸受部19が設けられている。マグネット用嵌合穴18は、長方形をなしており、2つの長辺が第1の方向Yに延在されている。このマグネット用嵌合穴18には、第2の電動アクチュエータ6Bの一部を構成する第2のマグネット21Bが接着剤や固定ねじ等の固着方法によって固定されている。
第1の主軸受部19の2つの軸受片19a,19bは、マグネット固定部12Bの第2の移動枠4と対向する面から略垂直に突出されており、第1の方向Yに所定の間隔をあけて配置されている。2つの軸受片19a,19bには、第1の方向Yに貫通する軸受孔19cがそれぞれ設けられている。そして、各軸受孔19cには、後述する第1のガイド軸36がそれぞれ摺動自在に挿通され、且つ回動自在に支持されている。
第1のマグネット21A及び第2のマグネット21Bは、それぞれマグネット用嵌合穴17,18に見合った長方形の平板として同一形状に形成され、所定の方向に強さの等しい磁力が発生するように着磁されている。即ち、第1及び第2のマグネット21A,21Bは、平面方向を2等分するように極性を異ならせていると共に、その平面方向と直交する厚み方向をも2等分するように極性を異ならせて構成されている。
この実施の例では、図7に示すように、第1のマグネット21Aは、固定基盤5と対向する面(後述する第1のコイル22Aに近い側の面)において、補正レンズ2に近い側にN極が着磁され、補正レンズ2から離れた側にS極が着磁されている。そして、第1のマグネット21Aは、第2の移動枠4と対向する面において、補正レンズ2に近い側にS極が着磁され、補正レンズ2から離れた側にN極が着磁されている。
また、第2のマグネット21Bは、固定基盤5と対向する面(後述する第2のコイル22Bに近い側の面)において、補正レンズ2に近い側にN極が着磁され、補正レンズ2から離れた側にS極が着磁されている。そして、第2のマグネット21Bは、第2の移動枠4と対向する面において、補正レンズ2に近い側にS極が着磁され、補正レンズ2から離れた側にN極が着磁されている。なお、第1及び第2のマグネット21A,21Bの極性の配置は、この実施の例に限定されるものではなく、平面方向及び厚み方向で異なる極性を逆にして配置することもできる。
第2の移動枠4は、リング状をなす穴空き部材として形成されており、中央の貫通穴31には第1の移動枠3の嵌合穴13が対向される。第2の移動枠4において、第2の方向Xの+側の側部には、第2の軸係合部32が設けられている。この第2の軸係合部32は、第1の移動枠3の第1の軸係合部16と同様に、側方に突出する略コ字状の突部として形成され、第2の移動枠4の厚み方向に対向する一対の係合片32a,32bを有している。この第2の軸係合部32は、第1の軸係合部16と共に後述する第3のガイド軸38に摺動可能に係合される。
第2の移動枠4において、第2の方向Xの−側の側部には、2つの軸受片33a,33bからなる第2の主軸受部33が設けられている。第2の主軸受部33の2つの軸受片33a,33bは、第1の方向Yに所定の間隔をあけて配置され、側方へ突出されている。これら2つの軸受片33a,33bには、第1のガイド軸36が圧入固定によって両端支持されている。第2の主軸受部33に支持された第1のガイド軸36は、第1の方向Yに延在されている。
また、第2の移動枠4の第1の移動枠3と対向する面の反対側の面において、第1の方向Yの−側の端部には、2つの軸受片34a,34bからなる第3の主軸受部34が設けられている。第3の主軸受部34の2つの軸受片34a,34bは、第2の方向Xに所定の間隔をあけて配置されている。これら2つの軸受片34a,34bには、第2のガイド軸37が第2の方向Xに貫通されている。そして、第2のガイド軸37の中間部が2つの軸受片34a,34bに圧入固定されている。
固定基盤5は、第1及び第2の移動枠3,4の平面形状よりも大きい円形の板体からなっている。この固定基盤5は、第1の移動枠の嵌合穴13に対向する貫通穴として形成された制限受部41と、第1の電動アクチュエータ6Aの一部を構成する第1のコイル22Aが挿通されるコイル用挿通穴42と、第2の電動アクチュエータ6Bの一部を構成する第2のコイル22Bが挿通されるコイル用挿通穴43を有している。
固定基盤5の制限受部41は、全体として略八角形をなしている。この制限受部41は、互いに対向すると共に第1の方向Yに直交する平面とされた第1ストッパ面41a,41bと、互いに対向する対向すると共に第2の方向Xに直交する平面とされた第2ストッパ面41c,41dを有している。第1ストッパ面41a,41b及び第2ストッパ面41c,41dは、制限受部41の中心までの距離が同一に設定されている。これら4つのストッパ面41a〜41dに第1の移動枠3の制限突部15が当接することにより、第1の移動枠3のレンズ系の光軸と直交する方向への移動範囲が制限される。
なお、本発明に係る制限受部としては、例えば、上述した4つのストッパ面41a〜41dを有する四角形とすることもできる。また、本発明に係る制限受部としては、円形としてもよい。その場合、円形の制限受部の中心が、基準位置に位置する第1の移動枠3の中心に一致するように設定する。
コイル用挿通穴42は、第1の移動枠3に取り付けた第1のマグネット21Aに対応する位置に形成されている。また、コイル用挿通穴43は、第1の移動枠3に取り付けた第2のマグネット21Bに対応する位置に形成されている。これにより、コイル用挿通穴42に挿通された第1のコイル22Aが第1のマグネット21Aに対向され、コイル用挿通穴43に挿通された第2のコイル22Bが第2のマグネット21Bに対向される。
また、固定基盤5の第1の移動枠3に対向する面には、2つの軸受片45a,45bからなる副軸受部45と、2つの軸受片46a,46bからなる第4の主軸受部46が設けられている。副軸受部45の2つの軸受片45a,45bは、固定基盤5において、第2の方向Xの+側の端部に設けられており、第1の方向Yに所定の間隔をあけて配置されている。これら2つの軸受片45a,45bには、第3のガイド軸38が圧入固定によって両端支持されている。副軸受部45に支持された第3のガイド軸38は、第1の方向Yに延在されている。
第4の主軸受部46の2つの軸受片46a,46bは、固定基盤5において、第1の方向Yの−側の端部に設けられており、第2の方向Xに所定の間隔をあけて配置されている。2つの軸受片46a,46bには、第2の方向Xに貫通する軸受孔46cがそれぞれ設けられている。そして、各軸受孔46cには、第2の移動枠4の第3の主軸受部34に圧入固定された第2のガイド軸37の両端の突出部が摺動自在に挿通されて、回動自在に支持されている。
図3に示すように、固定基盤5の第1の移動枠3と対向する面の反対側の面には、配線板用凹部47が設けられている。この配線板用凹部47には、フレキシブル配線板48が嵌合され、接着剤や固定ねじ等の固着方法によって固定されている。
図7に示すように、フレキシブル配線板48は、第1のコイル搭載部48aと、第2のコイル搭載部48bと、両コイル搭載部48a,48bを連結する連結部48cを有している。第1のコイル搭載部48aには、第1のコイル22Aと、位置検出器の一具体例を示す第1のホール素子49Aが搭載されている。また、第2のコイル搭載部48bには、第2のコイル22Bと、位置検出器の一具体例を示す第2のホール素子49Bが搭載されている。
第1及び第2のコイル22A,22Bは、平面的に巻回された略楕円形をなす偏平コイルからなり、それぞれが1本のコイル線を巻回することによって形成されている。2つのコイル22A,22Bは、第1のコイル搭載部48a及び第2のコイル搭載部48bに設けた所定の配線パターンとそれぞれ電気的に接続されている。
図7に示すように、第1のコイル22Aにおいて、幅方向に対向する長辺側の2つの直線部分が、それぞれアクチュエータとして推力を発生する推力発生部23a,23bとなっている。同様に、第2のコイル22Bにおいて、幅方向に対向する長辺側の2つの直線部分が、それぞれアクチュエータとして推力を発生する推力発生部24a,24bとなっている。第1のコイル22Aは、推力発生部23a,23bが延在する方向を第1の方向Yと直交する方向に向けて配設されている。また、第2のコイル22Bは、推力発生部24a,24bが延在する方向を第2の方向Xと直交する方向に向けて配設されている。
像ぶれ補正装置1を組み立てた状態において、第1のコイル22Aは、固定基盤5のコイル用挿通穴42を挿通する。そして、第1のコイル22Aの推力発生部23aには、第1のマグネット21Aの一方の磁極部(この実施の例ではN極)が対向され、推力発生部23bには、第1のマグネット21Aの他方の磁極部(この実施の例ではS極)が対向される。同様に、像ぶれ補正装置1を組み立てた状態において、第2のコイル22Bは、固定基盤5のコイル用挿通穴43を挿通する。そして、第2のコイル22Bの推力発生部24aには、第2のマグネット21Bの一方の磁極部(この実施の例ではN極)が対向され、推力発生部24bには、第2のマグネット21Bの他方の磁極部(この実施の例ではS極)が対向される。
図9に示すように、第1のホール素子49Aは、その検出部が第1のマグネット21AのN極とS極との境界線(極境)と略重なる位置に配置されている。この第1のホール素子49Aは、第1のマグネット21Aの磁力を検出し、検出した磁力の強さに応じた検出信号を出力する。そして、第1のホール素子49Aからの検出信号に基づいて制御部が補正レンズ2の第1の方向Yの位置を算出する。
また、第2のホール素子49Bは、その検出部が第2のマグネット21BのN極とS極との境界線(極境)と略重なる位置に配置されている。この第2のホール素子49Bは、第2のマグネット21Bの磁力を検出し、検出した磁力の強さに応じた検出信号を出力する。そして、第2のホール素子49Bからの検出信号に基づいて制御部が補正レンズ2の第2の方向Xの位置を算出する。これにより、制御部は、補正レンズ2の第1の方向Yと第2の方向Xの位置情報を取得し、その位置情報に基づいて補正レンズ2の駆動制御を行うための所定の制御信号を出力する。
第1の移動枠3に取り付けた第1のマグネット21Aと、固定基盤5に取り付けた第1のコイル22Aにより、第1の電動アクチュエータ6Aが構成されている。この第1の電動アクチュエータ6Aは、第1の移動枠3を第1の方向Yに移動させる推力を発生する。また、第1の移動枠3に取り付けた第2のマグネット21Bと、固定基盤5に取り付けた第2のコイル22Bにより、第2の電動アクチュエータ6Bが構成されている。この第2の電動アクチュエータ6Bは、第1の移動枠3を介して第2の移動枠4を第2の方向Xに移動させる推力を発生する。
ここで、第1及び第2の電動アクチュエータ6A,6Bによって発生される推力について説明する。第1のコイル22Aに電流を流すと、第1のマグネット21Aの磁力が第1のコイル22Aと垂直をなす方向に作用しているため、フレミングの左手の法則により、第1の電動アクチュエータ6Aに第1の方向Yに向かう推力が発生する。この場合、第1のコイル22Aには推力の発生する直線部分からなる推力発生部23a,23bが2箇所あり、その2箇所では電流の流れる方向が逆方向となる。しかしながら、2つの推力発生部23a,23bに作用する第1のマグネット21Aの磁力の方向も逆方向となっているため、2つの推力発生部23a,23bにて発生する推力の方向は、同一方向となる。
同様に、第2のコイル22Bに電流を流すと、第2のマグネット21Bの磁力が第2のコイル22Bと垂直をなす方向に作用しているため、フレミングの左手の法則により、第2の電動アクチュエータ6Bに第2の方向Xに向かう推力が発生する。この場合も、第2のコイル22Bの2つの推力発生部24a,24bに作用する第2のマグネット21Bの磁力の方向が逆方向となっているため、電流の流れる方向が逆方向となる2つの推力発生部24a,24bにて発生する推力の方向は、同一方向となる。
ガイド機構7は、第1の移動枠3を第1の方向Yに案内する第1のガイド機構と、第2の移動枠4を介して第1の移動枠3を第2の方向Xに案内する第2のガイド機構からなっている。
第1のガイド機構は、第1の移動枠3の第1の主軸受部19及び第1の軸係合部16と、第2の移動枠4の第2の主軸受部33と、固定基盤5の副軸受部45と、第1の主軸とされる第1のガイド軸36と、副軸とされる第3のガイド軸38により構成されている。また、第2のガイド機構は、第2の移動枠4の第3の主軸受部34及び第2の軸係合部32と、固定基盤5の副軸受部45及び第4の主軸受部46と、第2の主軸とされる第2のガイド軸37と、副軸とされる第3のガイド軸38により構成されている。
本実施の形態に係るガイド機構7では、第3のガイド軸38が第1及び第2のガイド機構の共通の副軸として構成されている。即ち、第3のガイド軸38は、第1の移動枠3と第2の移動枠4を共通して案内するガイド軸となっている。そのため、従来は4本用いられていたガイド軸を1本削減することができる。したがって、図10に示すように、従来は4本目のガイド軸を配置するために確保していたスペース(ハッチング部分S1)を確保する必要がなく、装置の小型化を図ることができる。その結果、ハッチング部分S1で示すスペースに、レンズ鏡筒を構成する部材、例えば、シャッター、フォーカス、ズーム機構等を配置することができ、レンズ鏡筒及び撮像装置の小型に貢献することができる。
上述したような構成を有する像ぶれ補正装置1は、例えば、次のようにして組み立てることができる。まず、第1の移動枠3の嵌合穴13及び2つのマグネット嵌合用穴17,18に補正レンズ2及び2つのマグネット21A,21Bを嵌合させて接着剤等の固着方法によって固定する。これにより、第1の移動枠3と補正レンズ2と2つのマグネット21A,21Bが一体化された第1の移動枠組立体が構成される。
次に、第1の移動枠組立体の一面に第2の移動枠4を臨ませ、第1の移動枠3の第1の主軸受部19を第2の移動枠4の第2の主軸受部33の2つの軸受片33a,33b間に介在させる。そして、第1の主軸受部19の軸受片19a,19bに設けた軸受孔19cと2つの軸受片33a,33bの貫通穴に第1のガイド軸36を貫通させ、その両端を2つの軸受片33a,33bに圧入固定する。これにより、第1の移動枠3が第2の移動枠4に対して、特定された一方向である第1の方向Yへ移動可能に支持される。
次に、図7に示すように、フレキシブル配線板48の第1及び第2のコイル搭載部48a,48bの一面に第1及び第2のコイル22A,22Bと第1及び第2のホール素子49A,49Bをそれぞれ搭載する。これにより、フレキシブル配線板48と2つのコイル22A,22Bと2つのホール素子49A,49Bが一体化されたコイル組立体が構成される。
次に、コイル組立体のフレキシブル配線板48を、固定基盤5の配線板用凹部47に嵌合して接着剤や固定ねじ等の固着方法によって固定する。これにより、固定基盤5とコイル組立体が一体化された固定基盤組立体が構成される。このとき、図6に示すように、固定基盤5の2つのコイル用挿通穴42,43に2つのコイル22A,22Bと2つのホール素子49A,49Bが挿通される。この固定基盤組立体を構成するまでの工程は、第2の移動枠4に第1の移動枠3を移動可能に支持させるまでの工程の前に行ってもよい。
次に、固定基盤組立体に第2の移動枠4に支持された第1の移動枠4を臨ませ、第1の移動枠3の第1の軸係合部16と第2の移動枠4の第2の軸係合部32を、固定基盤5の副軸受部45に固定支持されている第3のガイド軸38に摺動自在に係合させる。このとき、第1の移動枠3の制限突部15が固定基盤5の制限受部41に挿入され、これにより、第1の移動枠3及び第2の移動枠4の移動範囲が制限される。
また、2つの軸係合部16,32を第3のガイド軸38に摺動自在に係合させると同時に、第2の移動枠4の第3の主軸受部34を固定基盤5の第4の主軸受部46の2つの軸受片46a,46b間に介在させる。そして、第4の主軸受部46の軸受片46a,46bに設けた軸受孔46cと第3の主軸受部34の2つの軸受片34a,34bの貫通穴に第2のガイド軸37を貫通させ、その中間部を2つの軸受片34a,34bに圧入固定する。このとき、第2のガイド軸37は、2つの軸受片34a,34bから同程度の長さを突出させる。これにより、第2の移動枠4が固定基盤5に対して、特定された一方向である第2の方向Xへ移動可能に支持され、像ぶれ補正装置1の組立作業が完了する。その結果、図1〜図5に示すような構成を有する像ぶれ補正装置1が得られる。
なお、第1の移動枠3と第2の移動枠4と固定基盤5との位置決めは、例えば、それぞれの部材に所定の位置決め穴を設け、それらの位置決め穴に基準ピンを挿入して位置決めするようにする。これにより、第1の移動枠3と第2の移動枠4との間、及び第2の移動枠4と固定基盤5との間を相対的に仮固定して、簡単且つ確実に位置合わせすることができる。
図11Aは、第1の移動枠3が基準位置にあって補正レンズ2の中心と制限受部41の中心が一致した状態を示す平面図、図11Bは同じく底面図である。図11Bに示すように、第1の移動枠3及び第2の移動枠4の移動範囲は、第1の移動枠3の制限突部15と固定基盤5の制限受部41との係合によって決定される。
第1の移動枠53が基準位置にある状態において、その第1の移動枠3が第1の方向Yの+側へ移動可能な距離は、制限受部41の第1ストッパ面41aから制限突部15の外面までの距離Lとなる。この距離Lは、図11Aに示す2つの軸係合部16,32の離間距離Mよりも小さく設定されている。これにより、第1の移動枠3を第1の方向Yの+側へ移動させた際に、第1の軸係合部16と第2の軸係合部32が干渉することを防止することができる。
このような構成を有する像ぶれ補正装置1の作用は、例えば、次のようなものである。この像ぶれ補正装置1の補正レンズ2の移動は、フレキシブル配線板48を介して第1及び第2の電動アクチュエータ6A,6Bの各コイル22A,22Bに対して適宜な値の駆動電流を選択的に又は同時に供給することによって実行される。
即ち、像ぶれ補正装置1の第1のコイル22A及び第2のコイル22Bは、フレキシブル配線板48を介して固定基盤5に固定されている。このとき、第1のコイル22Aの各推力発生部23a,23bは第2の方向Xに延在され、第2のコイル22Bの各推力発生部24a,24bは第1の方向Yに延在されている。また、第1の移動枠3に固定された第1のマグネット21Aが、第1のコイル22Aに対向して配置され、第2のマグネット21Bが、第2のコイル22Bに対向して配置されている。
その結果、第1のマグネット21Aによって形成される磁気回路の磁束が、第1のコイル22Aの各推力発生部23a,23bを略垂直に透過するように作用する。同様に、第2のマグネット21Bによって形成される磁気回路の磁束が、第2のコイル22Bの各推力発生部24a,24bを略垂直に透過するように作用する。そして、第2の移動枠4を介して固定基盤5に移動可能に支持された第1の移動枠3に各マグネット21A,21Bが固定されている。そのため、補正レンズ2は第1の移動枠3を介して第1の方向Y及び第2の方向Xを含む平面上のいずれの方向に対しても所定の範囲内、即ち、制限突部15と制限受部41によって制限される範囲内で移動することができる。
いま、第1の電動アクチュエータ6Aの第1のコイル22Aに電流を流すと、第1のコイル22Aの各推力発生部23a,23bが第2の方向Xに延在されているため、各推力発生部23a,23bにおいて電流が第2の方向Xに流れる。このとき、第1のマグネット21Aの磁束が各推力発生部23a,23bに対して略垂直をなす方向に作用しているため、フレミングの法則により、第1のマグネット21Aには第1の方向Yに向かう推力が作用する。これにより、第1のマグネット21Aが固定された第1の移動枠3が第1の方向Yに移動する。その結果、第1の移動枠3に保持された補正レンズ2が、第1のコイル22Aに流された電流の大きさに応じて、第1の方向Yに移動することになる。
同様に、第2の電動アクチュエータ6Bの第2のコイル22Bに電流を流すと、第2のコイル22Bの各推力発生部24a,24bが第1の方向Yに延在されているため、各推力発生部24a,24bにおいて電流が第1の方向Yに流れる。このとき、第2のマグネット21Bの磁束が各推力発生部24a,24bに対して略垂直をなす方向に作用しているため、フレミングの法則により、第2のマグネット21Bには第2の方向Xに向かう推力が作用する。これにより、第2のマグネット21Bが固定された第1の移動枠3が第2の移動枠4を介して第2の方向Xに移動する。その結果、第1の移動枠3に保持された補正レンズ2が、第2のコイル22Bに流された電流の大きさに応じて、第2の方向Xに移動することになる。
第1のコイル22Aと第2のコイル22Bに同時に電流を流すと、上述した第1のコイル22Aによる移動動作と第2のコイル22Bによる移動動作とが複合的に実行される。即ち、第1のコイル22Aに流れる電流の作用によって補正レンズ2が第1の方向Yに移動すると同時に、第2のコイル22Bに流れる電流の作用によって補正レンズ2が第2の方向Xに移動する。その結果、補正レンズ2が斜め方向に移動して、像ぶれを補正することになる。
図12Aは、第1の移動枠3を第1の方向Yの+側と第2の方向Xの+側へ移動させた状態を示す平面図、図12Bは同じく底面図である。第1の方向Yの+側と第2の方向Xの+側へ向かう推力が付与された第1の移動枠3は、第1のガイド軸36に沿って第1の方向Yの+側へ移動されると共に、第2のガイド軸37に沿って移動される第2の移動枠4を介して第2の方向Xの+側へ移動される。
その際、第1の移動枠3の第1の軸係合部16が、第3のガイド軸38に係合しながら第1の方向Yの+側と第2の方向Xの+側、即ち斜め方向へ摺動すると共に、第2の移動枠4の第2の軸係合部32が、ガイド軸38に係合しながら第2の方向Xの+側へ摺動する。そして、図12Aに示すように、第1の軸係合部16が第2の軸係合部32に接近する。
本実施の例では、第1の移動枠3が基準位置から第1の方向Yの+側へ移動可能な距離Lを、基準位置における2つの軸係合部16,32間の距離Mよりも小さく設定した(図11A及び図11Bを参照)。そのため、第1の移動枠3の第1の方向Yの+側への移動によって第1の軸係合部16が第2の軸係合部32に接近しても、両者が干渉することを防止することできる。
図13Aは、第1の移動枠3を第1の方向Yの−側と第2の方向Xの−側へ移動させた状態を示す平面図、図13Bは同じく底面図である。第1の方向Yの−側と第2の方向Xの−側へ向かう推力が付与された第1の移動枠3は、第1のガイド軸36に沿って第1の方向Yの−側へ移動されると共に、第2のガイド軸37に沿って移動される第2の移動枠4を介して第2の方向Xの−側へ移動される。
このとき、第1の移動枠3の第1の軸係合部16が、第3のガイド軸38に係合しながら第1の方向Yの−側と第2の方向Xの−側、即ち斜め方向へ摺動すると共に、第2の移動枠4の第2の軸係合部32が、ガイド軸38に係合しながら第2の方向Xの−側へ摺動する。その際、図13Aに示すように、第1の軸係合部16が第2の軸係合部32に対して離反するため、両者が干渉することは無い。
図14は、本発明の像ぶれ補正装置の第2の実施の例を示す像ぶれ補正装置1Aを説明する平面図である。この像ぶれ補正装置1Aは、上述した第1の実施の例を示す像ぶれ補正装置1と同様な構成を有しており、異なるところは、副軸受部45と第3のガイド軸38と2つの軸係合部16,32の配置のみである。そのため、ここでは、像ぶれ補正装置1と同一部分には同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
像ぶれ補正装置1Aに係る副軸受部45は、固定基盤5の第1の移動枠3と対向する面において、第1の方向Yの+側と第2の方向Xの+側との中間部分の端部に設けられている。そして、副軸受部45の2つの軸受片45a,45bは、第1の方向Y及び第2の方向Xに対して略45度をなす方向であって固定基盤5の半径方向に直交する方向に所定の間隔をあけて配置されている。
2つの軸受片45a,45bには、第3のガイド軸38が圧入固定によって両端支持されている。これにより、第3のガイド軸38は、補正レンズ2を挟んで第1のガイド軸36及び第2のガイド軸37の反対側に配置される。副軸受部45に支持された第3のガイド軸38は、第1の方向Y及び第2の方向Xに対して略45度をなす方向であって固定基盤5の半径方向に直交する方向に延在されている。
像ぶれ補正装置1Aに係る第1の軸係合部16は、第1の移動枠3において、第3のガイド軸38に対応する角部に設けられている。この第1の軸係合部16は、側方に突出する略コ字状の突部として形成され、レンズ固定部11の厚み方向に対向する一対の係合片を有している。また、像ぶれ補正装置1Aに係る第2の軸係合部32は、第2の移動枠4において、第3のガイド軸38に対応する角部に設けられている。この第2の軸係合部32は、第1の軸係合部16と同様に、側方に突出する略コ字状の突部として形成され、第2の移動枠4の厚み方向に対向する一対の係合片を有している。
補正レンズ2の中心と固定基盤5に設けた制限受部41の中心が一致した状態において、第1の軸係合部16と第2の軸係合部32は、第1の方向Yと第2の方向Xに所定の距離だけ離間されている。2つの軸係合部16,32の2方向に関する離間距離は、第1の移動枠3が第2の移動枠4に対して移動可能な距離Lより大きく設定されている。これにより、第1の移動枠3及び第2お移動枠4を第1の方向Y及び第2の方向Xへ移動させた際に、第1の軸係合部16と第2の軸係合部32が干渉することを防止することができる。
このような構成を有する像ぶれ補正装置1Aにおいても、第1の実施の例の像ぶれ補正装置1と同様な効果を得ることができる。即ち、第3のガイド軸38が第1の移動枠3と第2の移動枠4を共通して案内するガイド軸となっているため、従来は4本用いられていたガイド軸を1本削減することができる。これにより、従来は4本目のガイド軸を配置するために確保していたスペースを確保する必要がなく、像ぶれ補正装置の小型化を図ることができ、レンズ鏡筒及び撮像装置の小型に貢献することができる。
また、本実施の例では、補正レンズ2を挟んで第1のガイド軸36及び第2のガイド軸37の反対側に第3のガイド軸38を配置した。そのため、第1の主軸受部19と第1の軸係合部16との間の距離及び第4の主軸受部46と第2の軸係合部32との間の距離を共に長く確保することができる。これにより、第1のガイド軸36と2つの軸受片19a,19bとの間のクリアランス及び第3のガイド軸38と第1の軸係合部16との間のクリアランスによって生じる第1の移動枠3のガタ付き及びガタ付きにより発生する補正レンズ2の光軸の傾きを小さく抑えることができる。また、第2のガイド軸37と2つの軸受片46a,46bとの間のクリアランス及び第3のガイド軸38と第2の軸係合部32との間のクリアランスによって生じる第2の移動枠4のガタ付き及びガタ付きにより発生する補正レンズ2の光軸の傾きを小さく抑えることができる。その結果、補正レンズ2の傾きを小さくして高精度な像ぶれ補正を実現することができる。
図15は、本発明の像ぶれ補正装置の第3の実施の例を示す像ぶれ補正装置1Bを説明する断面図である。この像ぶれ補正装置1Bは、ムービングコイル方式の電動アクチュエータを備えて構成されている。即ち、像ぶれ補正装置1Bは、上述した第1の実施の例を示す像ぶれ補正装置1において、2つのマグネット21A,21Bを固定基盤5に配置し、2つのコイル22A,22Bを第1の移動枠3に配置したものである。その他の構成は、前記第1の実施の例に係る像ぶれ補正装置1と同様であるため、重複する説明は省略する。
このような構成を有する像ぶれ補正装置1Bにおいても、第3のガイド軸38が第1の移動枠3と第2の移動枠4を共通して案内するガイド軸となっているため、従来は4本用いられていたガイド軸を1本削減することができる。したがって、従来は4本目のガイド軸を配置するために確保していたスペースを確保する必要がなく、像ぶれ補正装置1Bの小型化を図ることができる。その結果、像ぶれ補正装置1Bを用いるレンズ鏡筒及び撮像装置の小型に貢献することができる。
図16〜図25は、本発明の像ぶれ補正装置の第4の実施の例を示すものである。この像ぶれ補正装置1Cは、第1の実施の例を示す像ぶれ補正装置1と同様な構成を有しており、異なるところは、第1の移動枠53と第2の移動枠54と固定基盤55とガイド機構57である。そのため、ここでは、像ぶれ補正装置1と同一部分には同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
像ぶれ補正装置1Cは、図16〜図21に示すように、補正レンズ2と、この補正レンズ2を保持する第1の移動枠53と、この第1の移動枠53をレンズ系の光軸と直交する第1の方向Yへ移動可能に支持する第2の移動枠54と、第2の移動枠4をレンズ系の光軸と直交する方向であって第1の方向Yとも直交する第2の方向Xに移動可能に支持する固定基盤55と、第1の電動アクチュエータ6Aと第2の電動アクチュエータ6Bからなる駆動部6と、少なくとも1本のガイド軸が第1の移動枠3及び第2の移動枠4を共通して案内するように構成したガイド機構57等から構成されている。
補正レンズ2を保持する第1の移動枠53が第1の実施の例に係る第1の移動枠3と異なるところは、軸係合部61のみである。そのため、ここでは、第1の移動枠3と同一部分には同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
第1の移動枠53の軸係合部61は、マグネット固定部12Aに設けられている。この軸係合部61は、マグネット固定部12Aの第2の移動枠54と対向する面から突出する略コ字状の突部として形成され、マグネット固定部12Aの厚み方向に対向する一対の係合片61a,61bを有している。これら係合片61a,61bのうち係合片61bは、マグネット固定部12Aの第2の移動枠54と対向する面に連続されている。この軸係合部61は、後述する第2のガイド軸67に摺動可能に係合される。
第2の移動枠54が第1の実施の例に係る第2の移動枠4と異なるところは、第3の主軸受部62のみである。また、第2の移動枠54には、第1の実施の例に係る第2の移動枠4に設けられた第2の軸係合部32が設けられていない。ここでは、第2の移動枠4と同一部分には同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
第3の主軸受部62は、第2の移動枠4の第1の移動枠3と対向する面の反対側の面において、第1の方向Yの−側の端部に設けられている。この第3の主軸受部62は、2つの軸受片62a,62bからなる。これら2つの軸受片62a,62bは、第2の方向Xに所定の間隔をあけて配置されている。2つの軸受片62a,62bには、第2の方向Xに貫通する軸受孔62cがそれぞれ設けられている。そして、各軸受孔62cには、後述する第2のガイド軸67がそれぞれ摺動自在に挿通され、且つ回動自在に支持されている。
また、第2の移動枠4に設けた第2の主軸受部33の2つの軸受片33a,33bには、第1のガイド軸66が圧入固定によって支持されている。第1のガイド軸66の一方の端部は、軸受片33aを貫通して所定の距離だけ突出する突出部66aとなっている。この第1のガイド軸66の突出部66aは、固定基盤55の後述する軸支持部64に摺動可能に係合される。
固定基盤55が第1の実施の例に係る固定基盤5と異なるところは、第4の主軸受部63と軸支持部64である。また、固定基盤55には、第1の実施の例に係る固定基盤5に設けられた副軸受部45及び第3のガイド軸38が設けられていない。ここでは、固定基盤5と同一部分には同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
第4の主軸受部63は、固定基盤55の第1の移動枠53に対向する面において、第1の方向Yの−側の端部に設けられている。この第4の主軸受部63は、2つの軸受片63a,63bからなる。これら2つの軸受片63a,63bは、第2の方向Xに所定の間隔をあけて配置されている。2つの軸受片63a,63bには、第2のガイド軸67が圧入固定によって両端支持されている。第4の主軸受部63に支持された第2のガイド軸67は、第2の方向Xに延在されている。
軸支持部64は、固定基盤55の第1の移動枠53に対向する面において、第1の方向Yの+側と第2の方向Xの−側との中間部分の端部に設けられている。この軸支持部64は、略コ字状の突部として形成され、固定基盤55の厚み方向に対向する一対の支持片64a,64bを有している。これら係合片64a,64bのうち係合片64bは、固定基盤55の第1の移動枠53に対向する面に連続されている。この軸支持部64は、一対の支持片64a,64bにより、第1のガイド軸66の突出部66aを摺動可能に支持する。
ガイド機構57は、第1の移動枠53を第1の方向Yに案内する第1のガイド機構と、第2の移動枠54を介して第1の移動枠53を第2の方向Xに案内する第2のガイド機構からなっている。
第1のガイド機構は、第1の移動枠53の第1の主軸受部19及び軸係合部61と、第2の移動枠54の第2の主軸受部33と、固定基盤5の第4の主軸受部63と、第1の主軸としての第1のガイド軸66と、第1の副軸としての第2のガイド軸67により構成されている。また、第2のガイド機構は、第2の移動枠54の第3の主軸受部62と、固定基盤5の第4の主軸受部63及び軸支持部64と、第2の主軸としての第2のガイド軸67と、第2の副軸としての第1のガイド軸66により構成されている。
本実施の例に係るガイド機構57では、第1のガイド軸66が第1の移動枠53を第1の方向Yへ案内する第1の主軸としての役割を有すると共に、第2の移動枠54を第2の方向Xへ案内する第2の副軸としての役割を有している。また、第2のガイド軸67は、第2の移動枠54を第2の方向Xへ案内する第2の主軸としての役割を有すると共に、第1の移動枠53を第1の方向Yへ案内する第1の副軸としての役割を有している。
即ち、第1のガイド軸66及び第2のガイド軸67は、それぞれ第1の移動枠53と第2の移動枠54を共通して案内するガイド軸となっている。そのため、従来は4本用いられていたガイド軸を2本削減することができる。したがって、図22に示すように、従来は3本目と4本目のガイド軸を配置するために確保していたスペース(ハッチング部分S2)を確保する必要がなく、装置の小型化を図ることができる。その結果、ハッチング部分S2で示すスペースに、レンズ鏡筒を構成する部材、例えば、シャッター、フォーカス、ズーム機構等を配置することができ、レンズ鏡筒及び撮像装置の小型に貢献することができる。
上述したような構成を有する像ぶれ補正装置1Cは、例えば、次のようにして組み立てることができる。まず、第1の移動枠53の嵌合穴13及び2つのマグネット嵌合用穴17,18に補正レンズ2及び2つのマグネット21A,21Bを嵌合させて接着剤等の固着方法によって固定する。これにより、第1の移動枠53と補正レンズ2と2つのマグネット21A,21Bが一体化された第1の移動枠組立体が構成される。
次に、第1の移動枠組立体の一面に第2の移動枠54を臨ませ、第1の移動枠53の第1の主軸受部19を第2の移動枠54の第2の主軸受部33の2つの軸受片33a,33b間に介在させる。そして、第1の主軸受部19の軸受片19a,19bに設けた軸受孔19cと2つの軸受片33a,33bの貫通穴に第1のガイド軸66を貫通させ、2つの軸受片33a,33bに圧入固定する。このとき、第1のガイド軸66の一方の端部である突出部66aを第1の主軸受部19の軸受片19aから突出させる。これにより、第1の移動枠53が第2の移動枠54に対して、特定された一方向である第1の方向Yへ移動可能に支持される。
次に、図21に示すように、フレキシブル配線板48の第1及び第2のコイル搭載部48a,48bの一面に第1及び第2のコイル22A,22Bと第1及び第2のホール素子49A,49Bをそれぞれ搭載する。これにより、フレキシブル配線板48と2つのコイル22A,22Bと2つのホール素子49A,49Bが一体化されたコイル組立体が構成される。
次に、コイル組立体のフレキシブル配線板48を、固定基盤55の配線板用凹部47に嵌合して接着剤や固定ねじ等の固着方法によって固定する。これにより、固定基盤55とコイル組立体が一体化された固定基盤組立体が構成される。このとき、図20に示すように、固定基盤55の2つのコイル用挿通穴42,43に2つのコイル22A,22Bと2つのホール素子49A,49Bが挿通される。この固定基盤組立体を構成するまでの工程は、第2の移動枠54に第1の移動枠53を移動可能に支持させるまでの工程の前に行ってもよい。
次に、固定基盤組立体に第2の移動枠54に支持された第1の移動枠54を臨ませ、第2の移動枠54に固定支持された第1のガイド軸66を、固定基盤55の軸支持部64に摺動自在に支持させる。このとき、第1の移動枠53の制限突部15が固定基盤55の制限受部41に挿入され、これにより、第1の移動枠53及び第2の移動枠54の移動範囲が制限される。
また、第1のガイド軸66を軸支持部64に摺動自在に支持させると同時に、第2の移動枠54の第3の主軸受部62を固定基盤55の第4の主軸受部63の2つの軸受片63a,63b間に介在させる。そして、第3の主軸受部62の軸受片62a,62bに設けた軸受孔62cと第4の主軸受部63の2つの軸受片63a,63bの貫通穴に第2のガイド軸67を貫通させ、その両端部を2つの軸受片63a,63bに圧入固定する。このとき、第1の移動枠3の軸係合部61が第2のガイド軸67に摺動自在に係合される。これにより、第2の移動枠54が固定基盤55に対して、特定された一方向である第2の方向Xへ移動可能に支持され、像ぶれ補正装置1の組立作業が完了する。その結果、図16〜図19に示すような構成を有する像ぶれ補正装置1Cが得られる。
本実施の例では、像ぶれ補正装置1Cを組み立てた状態において、第1の移動枠53の軸係合部61と第2の移動枠54の軸受片62bが、第2の方向Xに適当な間隔をあけて離間するように設定している。これにより、第1の移動枠53が第1の方向Yへ移動する際にその第1の移動枠53と第2の移動枠54との間に接触(干渉)が生じないようにしている。
図23Aは、第1の移動枠53が基準位置にあって補正レンズ2の中心と制限受部41の中心が一致した状態を示す平面図、図23Bは同じく底面図である。図23Bに示すように、第1の移動枠53及び第2の移動枠54の移動範囲は、第1の移動枠53の制限突部15と固定基盤55の制限受部41との係合によって決定される。
第1の移動枠53が基準位置にある状態において、その第1の移動枠53及び第2の移動枠54が第2の方向Xの+側へ移動可能な距離は、制限受部41の第2ストッパ面41cから制限突部15の外面までの距離Lとなる。この距離Lは、図23Aに示す軸係合部61から第4の主軸受部63の軸受片63bまでの距離Nよりも小さく設定されている。これにより、第2の移動枠54を介して第1の移動枠53を第2の方向Xの+側へ移動させる際に、軸係合部61と第4の主軸受部63の軸受片63bが干渉することを防止することできる。
図24Aは、第1の移動枠53を第1の方向Yの+側と第2の方向Xの+側へ移動させた状態を示す平面図、図24Bは同じく底面図である。第1の方向Yの+側と第2の方向Xの+側へ向かう推力が付与された第1の移動枠53は、第1のガイド軸66に沿って第1の方向Yの+側へ移動されると共に、第2のガイド軸67に沿って移動される第2の移動枠54を介して第2の方向Xの+側へ移動される。
その際、第1の移動枠53の軸係合部61が、第2のガイド軸67に係合しながら第1の方向Yの+側と第2の方向Xの+側、即ち斜め方向へ摺動すると共に、第2の移動枠54に支持固定された第1のガイド軸66が、軸支持部64に係合しながら第2の方向Xの+側へ摺動する。そして、図24Aに示すように、軸係合部61が第4の主軸受部63の軸受片63bに接近する。
本実施の例では、第1の移動枠53が基準位置から第2の方向Xの+側へ移動可能な距離Lを、基準位置における軸係合部61と軸受片63bとの間の距離Nよりも小さく設定した(図23A及び図23Bを参照)。そのため、第1の移動枠53の第2の方向Xの+側への移動によって軸係合部61が軸受片63bに接近しても、両者が干渉することを防止することできる。また、第2の移動枠54は、第1の移動枠53と共に第2の方向Xの+側へ移動するため、適当な間隔をあけて離間された軸係合部61と軸受片62bとの第2の方向Xに関する相対的な位置関係は変わらず、両者が干渉することは無い。
図25Aは、第1の移動枠3を第1の方向Yの−側第2の方向Xの−側へ移動させた状態を示す平面図、図25Bは同じく底面図である。第1の方向Yの−側と第2の方向Xの−側へ向かう推力が付与された第1の移動枠53は、第1のガイド軸66に沿って第1の方向Yの−側へ移動されると共に、第2のガイド軸67に沿って移動される第2の移動枠54を介して第2の方向Xの−側へ移動される。
その際、第1の移動枠53の軸係合部61が、第2のガイド軸67に係合しながら第1の方向Yの−側と第2の方向Xの−側、即ち斜め方向へ摺動すると共に、第2の移動枠54に支持固定された第1のガイド軸66が、軸支持部64に係合しながら第2の方向Xの−側へ摺動する。そして、図25Aに示すように、軸係合部61が第4の主軸受部63の軸受片63bに対して離反するため、軸係合部61と軸受片63bが干渉することは無い。
図26は、本発明の像ぶれ補正装置の第5の実施の例を示す像ぶれ補正装置1Dを説明する断面図である。この像ぶれ補正装置1Dは、ムービングコイル方式の電動アクチュエータを備えて構成されている。即ち、像ぶれ補正装置1Dは、上述した第4の実施の例を示す像ぶれ補正装置1Cにおいて、2つのマグネット21A,21Bを固定基盤55に配置し、2つのコイル22A,22Bを第1の移動枠53に配置したものである。その他の構成は、前記第4の実施の例に係る像ぶれ補正装置1Cと同様であるため、重複する説明は省略する。
このような構成を有する像ぶれ補正装置1Dにおいても、第1のガイド軸66及び第2のガイド軸67は、それぞれ第1の移動枠53と第2の移動枠54を共通して案内するガイド軸となっているため、従来は4本用いられていたガイド軸を2本削減することができる。したがって、従来は3本目と4本目のガイド軸を配置するために確保していたスペースを確保する必要がなく、像ぶれ補正装置1Dの小型化を図ることができる。その結果、像ぶれ補正装置1Dを用いるレンズ鏡筒及び撮像装置の小型に貢献することができる。
図27〜図29は、前述したような構成及び作用を有する像ぶれ補正装置1を備えた本発明のレンズ鏡筒の第1の実施の例を示すものである。このレンズ鏡筒80は、1つの光軸L上に複数のレンズを配置した5群レンズを有するレンズ系81と、このレンズ系81のレンズを固定又は移動可能に支持する鏡筒ケース82と、レンズ系81の光軸L上に配置されると共に鏡筒ケース82に固定された撮像素子(例えば、CCDやCMOS等)84と、鏡筒ケース82に装着されると共にレンズ系81の像ぶれを補正する像ぶれ補正装置1等を備えて構成されている。
図27及び図28A,28Bに示すように、レンズ鏡筒80のレンズ系81は、5組のレンズ群を同一光軸L上に配置した5群レンズ87〜91からなる折り曲げ式レンズとして構成されている。5群レンズ87〜91のうち、先端側に位置する1群レンズ87は、被写体に対向される対物レンズである第1のレンズ87Aと、この対物レンズ87Aの被写体と反対側に配置されたプリズム87Bと、このプリズム87Bに対向される第2のレンズ87Cによって構成されている。プリズム87Bは、断面形状が直角二等辺三角形をなす三角柱体からなり、90度回転変位した位置に隣り合う2つの面の一方に対物レンズ87Aが対向され、他方の面に第2のレンズ87Cが対向されている。
この1群レンズ87では、対物レンズ87Aを透過して一面からプリズム87Bに入射した光は、光軸Lに対して45度に傾斜した反射面で反射されて進行方向が90度折り曲げられる。次いで、折り曲げられた光は、他面から出射されて第2のレンズ87Cを透過する。そして、透過した光は、光軸Lに沿って2群レンズ88に向かって進行する。2群レンズ88は、第3のレンズ88Aと第4のレンズ88Bとの組み合わせからなり、光軸L上を移動可能に構成されている。2群レンズ88を透過した光は、3群レンズ89に入射される。
3群レンズ89は、レンズ鏡筒80の鏡筒ケース82に固定される第5のレンズからなっている。3群レンズ89の後方には、第6のレンズからなる4群レンズ90が配置されている。この4群レンズ90と3群レンズ89の間には、レンズ系81を通過する光の量を調整可能な絞り機構92が配置されている。4群レンズ90は、光軸L上を移動可能に構成されている。4群レンズ90の後方には、第7のレンズ91Aと補正レンズ2とからなる5群レンズ91が配置されている。5群レンズ91のうち、第7のレンズ91Aはレンズ鏡筒80の鏡筒ケース82に固定されている。また、この第7のレンズ91Aの後方に補正レンズ2が移動可能に配置されている。更に、補正レンズ2の後方に撮像素子84が配置されている。
2群レンズ88と4群レンズ90は、それぞれ別個独立に光軸Lに沿って光軸方向へ移動可能とされている。この2群レンズ88と4群レンズ90を所定方向へ移動させることにより、ズーム調整とフォーカス調整を行うことができる。即ち、ズーム時には、2群レンズ88と4群レンズ90をワイド(広角)からテレ(望遠)まで移動することによってズーム調整が実行される。また、フォーカス時には、4群レンズ90をワイド(広角)からテレ(望遠)まで移動することによってフォーカス調整を実行することができる。
撮像素子84は撮像素子用アダプタに固定されており、この撮像素子用アダプタを介してレンズ鏡筒80の鏡筒ケース82に取り付けられている。撮像素子84の一側には光学フィルタ94が配置されている。そして、この光学フィルタ94と第7のレンズ91Aとの間には、補正レンズ2を有する像ぶれ補正装置1が配設されている。
補正レンズ2は、通常の状態において、その光軸をレンズ系81の光軸Lと一致させるように取り付けられている。そして、カメラの振動等によって撮像素子84の結像面に像ぶれが生じたときに、像ぶれ補正装置1が補正レンズ2を光軸Lと直交する2方向(第1の方向Y及び第2の方向X)に移動させて結像面の像ぶれを補正するようにしている。
次に、像ぶれ補正装置1が装着されたレンズ鏡筒80のレンズ系81の動作を、図29を参照して説明する。レンズ系81の対物レンズ87Aを被写体に向けると、被写体からの光が対物レンズ87Aからレンズ系81内に入力される。このとき、対物レンズ87Aを透過した光はプリズム87Bで90度屈折される。その後、この屈折した光は、レンズ系81の光軸Lに沿って撮像素子84に向かって移動する。即ち、プリズム87Bで反射されて1群レンズ87の第2のレンズ87Cを出た光は、2群レンズ88,3群レンズ89,4群レンズ90を経て5群レンズ91の第7のレンズ91A及び補正レンズ2を透過する。そして、光学フィルタ94を経て撮像素子84の結像面に被写体に対応した画像が結像される。
この場合、撮影時において、レンズ鏡筒80に手ぶれや振動が生じていないときに、被写体からの光は、実線で示す光86Aのように、1群レンズ87〜5群レンズ91のそれぞれ中心部を光軸Lに沿って移動する。よって、撮像素子84の結像面において所定位置に像を結ぶことになる。そのため、かかる場合には、像ぶれを生ずることなく綺麗な画像を得ることができる。
一方、撮影時において、レンズ鏡筒80に手ぶれや振動が発生すると、被写体からの光は、一点鎖線で示す光86Bか又は破線で示す光86Cのように、傾いた状態で1群レンズ87に入力されることになる。そのような入射光86B,86Cは、1群レンズ87〜5群レンズ91のそれぞれにおいて、光軸Lからずれた状態で透過することになる。しかし、その手ぶれ等に応じて補正レンズ2を所定量移動させることにより、その手ぶれ等を補正することができる。これにより、撮像素子84の結像面において、所定位置に像を結ぶことができ、像ぶれを解消して綺麗な画像を得ることができる。
このレンズ鏡筒80の手ぶれや振動等の有無は、像ぶれ検出器によって検出するようにする。この像ぶれ検出器としては、例えば、ジャイロセンサを用いることができる。このジャイロセンサをレンズ鏡筒80と共にカメラに搭載する。そして、このジャイロセンサが、撮影者の手の震えや揺れ等によってレンズ鏡筒80に働く加速度、角速度、角加速度等を検出するようにする。このジャイロセンサで検出した加速度や角速度等の情報を制御装置に供給する。
そして、撮像素子84の結像面において所定位置に像を結ぶように、第1の電動アクチュエータ6A及び/又は第2の電動アクチュエータ6Bを駆動制御する。即ち、第1の方向Yの揺れに対しては、第1の電動アクチュエータ6Aを駆動制御し、移動枠3を第1の方向Yに移動させる。また、第2の方向Xの揺れに対しては、第2の電動アクチュエータ6Bを駆動制御し、移動枠3を第2の方向Xに移動させる。
本実施の例では、折り曲げ式レンズとして構成したレンズ鏡筒80に像ぶれ補正装置1を搭載したが、本発明に係るレンズ鏡筒としては、これに限定されるものではない。本発明に係るレンズ鏡筒としては、例えば、レンズ系の光軸を水平方向に向けた直動式レンズ鏡筒、この直動式レンズ鏡筒であって対物レンズ87A側が所定範囲内において進退移動可能とされた、いわゆる沈胴式レンズ鏡筒とすることもできる。
図30〜図33は、前述したような構成を有するレンズ鏡筒80を備えた撮像装置の第1の実施の例を示すデジタルスチルカメラ100を表したものである。このデジタルスチルカメラ100は、情報記録媒体として半導体記録メディアを使用している。そして、デジタルスチルカメラ100は、被写体からの光学的な画像を撮像素子(CCDやCMOS等)で電気的な信号に変換している。これにより、このデジタルスチルカメラ100は、撮像素子に得られた撮像情報を半導体記録メディアに記録したり、液晶ディスプレイ等の表示装置に表示したりすることができるようになっている。
このデジタルスチルカメラ100は、撮像装置本体の一具体例を示すカメラ本体101と、被写体の像を光として取り込んで撮像素子84に導くレンズ鏡筒80と、撮像素子84から出力される映像信号に基づいて画像を表示する液晶ディスプレイ等からなる表示装置102と、レンズ鏡筒80の動作や表示装置102の表示等を制御する制御装置と、図示しないバッテリー電源等を備えて構成されている。
図30等に示すように、カメラ本体101は、横長とされた偏平の筒体からなっている。このカメラ本体101は、前後方向に重ね合わされたフロントケース105及びリアケース106と、このフロントケース105とリアケース106とで形成された空間部を前後に仕切るメインフレーム107と、フロントケース105の前面である第1の主面に上下方向へスライド可能に取り付けられたレンズカバー108等によって構成されている。メインフレーム107の前面(第1の主面)には、レンズ鏡筒80の対物レンズ87Aが臨まれている。そして、その対物レンズ87Aがレンズカバー108によって開閉可能とされている。
対物レンズ87Aは、メインフレーム107の一側の上部に配置されている。そして、レンズ鏡筒80が、撮像素子84を下にして図27等に示す第2の光軸L2を上下方向に向けた状態でカメラ本体101に取り付けられている。更に、レンズ系81の図27等に示す第1の光軸L1が、カメラ本体101の厚さ方向である前後方向に延在されている。これにより、像ぶれ補正装置1のレンズ駆動部である第1の電動アクチュエータ6A及び第2の電動アクチュエータ6Bが、カメラ本体101内において、第2の光軸L2と直交する方向に配置されている。なお、メインフレーム107には、配線基板上に所定のマイクロコンピュータ、抵抗やコンデンサその他の電子部品等を搭載することによって形成された図示しない制御装置と、フラッシュ装置110等が取り付けられている。
制御装置はレンズ鏡筒80と横並びに配置されており、これらの上方にフラッシュ装置110が配置されている。フラッシュ装置110は、フロントケース105の前面に露出される発光部と、その発光部を駆動制御する駆動部と、駆動部に所定の電力を供給するコンデンサ等を備えて構成されている。このフラッシュ装置110の発光部と対物レンズ87Aを露出させるため、フロントケース105の対応する位置にはレンズ嵌合穴111aとフラッシュ嵌合穴111bが設けられている。そして、レンズ嵌合穴111aには化粧板96と共に対物レンズ87Aが嵌合され、フラッシュ嵌合穴111bにはフラッシュ装置110の発光部が嵌合されている。
更に、フロントケース105には、レンズカバー108に設けた複数の脚片が挿通される図示しない複数の開口穴が設けられている。レンズカバー108は、複数の脚片に抜け止め部を設けることによってフロントケース105からの脱落が防止されている。このレンズカバー108は、複数の開口穴によって上下方向への移動が可能とされていると共に、図示しないロック手段により上端部と下端部においてロック可能とされている。図30に示すように、レンズカバー108が上端部にあるときには、対物レンズ87Aが完全に閉じられている。これにより、対物レンズ87Aの保護が図られる。一方、図31に示すように、レンズカバー108を下端部に移動すると、対物レンズ87Aが完全に開かれると共に電源スイッチがオンに入力される。これにより、撮影が可能となるように構成されている。
図32に示すように、リアケース106には、表示装置102の表示面を露出させるための四角形の開口窓112が設けられている。開口窓112は、リアケース106の第2の主面である背面を大きく開口して設けられている。また、開口窓112の内側には、表示装置102が配置されている。表示装置102は、開口窓112に対応した大きさを有する液晶ディスプレイと、この液晶ディスプレイの内面に重ね合わされるバックライトの組み合わせからなる。表示装置102の液晶ディスプレイ側には図示しないシール枠を介して図示しない保護板が配置されている。そして、この保護板の周縁部が開口窓112の内面に接触されている。
更に、リアケース106には、各種の操作スイッチが設けられている。操作スイッチとしては、例えば、機能モード(静止画、動画、再生等)を選択するモード選択ツマミ115、ズーム操作を実行するズームボタン116、画面表示を行う画面表示ボタン117、各種メニューを選択するメニューボタン118、メニューを選択するカーソル等を移動させる方向キー119、画面サイズの切り換えや画面削除を行う画面ボタン121等を挙げることができ、これらが適当な位置に配置されている。リアケース106の表示装置102側の端部にはスピーカ用孔122が開口されている。また、スピーカ用孔122の内側にスピーカが内蔵されている。そして、これと反対側のリアケース106の端部に、ストラップ用の支持金具123が取り付けられている。
また、図33等に示すように、カメラ本体101の上面には、電源をオン・オフさせる電源ボタン125、撮影の開始や停止を実行する撮影ボタン126、手ぶれが生じたときに像ぶれ補正装置1を動作させて像ぶれ補正を実行する手ぶれ設定ボタン127等が設けられている。更に、カメラ本体101上面の略中央部にはマイクロホン用孔128が開口されていて、その内側にマイクロホンが内蔵されている。これら電源ボタン125と撮影ボタン126と手ぶれ設定ボタン127は、カメラ本体101に装着されるスイッチホルダ124に取り付けられている。更に、マイクロホン用孔128もスイッチホルダ124に開口されている。このスイッチホルダ124に内蔵マイクロホンが固定されている。そして、スイッチホルダ124は、その一部をフロントケース105とリアケース106とで挟み込むようにしてカメラ本体101に保持されている。
図34は、前述した像ぶれ補正装置1の制御概念を説明するブロック図である。制御部130は、像ぶれ補正演算部131とアナログサーボ部132と駆動回路部133と4つの増幅器(AMP)134A,134B,135A,135B等を備えて構成されている。像ぶれ補正演算部131には、第1の増幅器(AMP)134Aを介して第1のジャイロセンサ136Aが接続されている。更に、像ぶれ補正演算部131には、第2の増幅器(AMP)134Bを介して第2のジャイロセンサ136Bも接続されている。
第1のジャイロセンサ136Aは、カメラ本体101に付加された手ぶれ等による第1の方向Yの変位量を検出し、第2のジャイロセンサ136Bは、カメラ本体101に付加された手ぶれ等による第2の方向Xの変位量を検出するものである。この実施例では、2個のジャイロセンサを設けて第1の方向Yの変位量と第2の方向Xの変位量を個別に検出する例について説明したが、1個のジャイロセンサで第1の方向Y及び第2の方向Xの2方向の変位量を検出する構成としてもよいことは勿論である。
像ぶれ補正演算部131にはアナログサーボ部132が接続されている。アナログサーボ部132は、像ぶれ補正演算部131により算出された値をデジタル値からアナログ値に変換し、そのアナログ値に対応した制御信号を出力するものである。アナログサーボ部132には駆動回路部133が接続されている。駆動回路部133には、第3の増幅器(AMP)135Aを介して第1の位置検出器である第1のホール素子49Aが接続されている。また、この駆動回路部133には、第4の増幅器(AMP)135Bを介して第2の位置検出器である第2のホール素子49Bも接続されている。更に、駆動回路部133には、第1の電動アクチュエータ6Aの第1のコイル22Aと第2の電動アクチュエータ6Bの第2のコイル22Bがそれぞれ接続されている。
第1のホール素子49Aによって検出された移動枠3の第1の方向Yの変位量は、第3の増幅器135Aを介して駆動回路部133に入力される。また、第2のホール素子49Bによって検出された移動枠3の第2の方向Xの変位量は、第4の増幅器135Bを介して駆動回路部133に入力される。これらの入力信号とアナログサーボ部132からの制御信号に基づいて駆動回路部133では、像ぶれを補正するように補正レンズ2を移動させるために、第1のコイル22Aと第2のコイル22Bの一方又は両方に対して所定の電流を出力する。
図35は、前述したような構成及び作用を有する像ぶれ補正装置1を備えたデジタルスチルカメラ100の概略構成の第1の実施の例を示すブロック図である。このデジタルスチルカメラ100は、像ぶれ補正装置1を有するレンズ鏡筒80と、制御装置の中心的役割をなす制御部140と、制御部140を駆動するためのプログラムメモリやデータメモリその他のRAMやROM等を有する記憶装置141と、電源のオン・オフや撮影モードの選択或いは撮影等のための各種の指令信号等を入力する操作部142と、撮影された映像等を表示する表示装置102と、記憶容量を拡大する外部メモリ143等を備えて構成されている。
制御部140は、例えば、マイクロコンピュータ(CPU)を有する演算回路等を備えて構成されている。この制御部140には、記憶装置141と、操作部142と、アナログ信号処理部144と、デジタル信号処理部145と、2つのA/D変換器146,147と、D/A変換器148と、タイミングジェネレータ(TG)149とが接続されている。アナログ信号処理部144は、レンズ鏡筒80に取り付けられた撮像素子84に接続されている。そして、アナログ信号処理部144は、この撮像素子84から出力される撮影画像に対応したアナログ信号によって所定の信号処理を実行する。このアナログ信号処理部144は、第1のA/D変換器146に接続されている。そして、このA/D変換器146によってアナログ信号がデジタル信号に変換される。
第1のA/D変換器146には、デジタル信号処理部145が接続されている。そして、このデジタル信号処理部145は、第1のA/D変換器146から供給されたデジタル信号によって所定の信号処理を実行する。このデジタル信号処理部145には、表示装置102と外部メモリ143が接続されている。そして、デジタル信号処理部145の出力信号であるデジタル信号に基づいて、被写体に対応した画像が表示装置102に表示され、或いは外部メモリ143に記憶される。また、第2のA/D変換器147には、ぶれ検出部であるジャイロセンサ136が接続されている。このジャイロセンサ136によってカメラ本体101の振れや揺れ等が検出され、その検出結果に応じて像ぶれ補正が実行される。
D/A変換器148には、像ぶれ補正のためのサーボ演算部である駆動制御部152が接続されている。駆動制御部152は、補正レンズ2の位置に応じて像ぶれ補正装置1を駆動制御することにより像ぶれを補正するものである。駆動制御部152には、位置検出部である第1のホール素子49Aと第2のホール素子49Bが接続されている。第1のホール素子49Aと第2のホール素子49Bは、像ぶれ補正装置1の移動枠3の位置を検出することによって、補正レンズ2の位置を検出する。そして、タイミングジェネレータ(TG)149は、撮像素子84と接続されている。
かくして、被写体の像が、レンズ鏡筒80のレンズ系81に入力されて撮像素子84の結像面に結像される。すると、その画像信号が、アナログ信号として出力され、アナログ信号処理部144で所定の処理が実行された後、第1のA/D変換器146によってデジタル信号に変換される。第1のA/D変換器146からの出力は、デジタル信号処理部145で所定の処理が実行された後、被写体に対応した画像として表示装置102に表示され、或いは外部メモリに記憶情報として記憶される。
このような撮影状態において、像ぶれ補正装置1が動作状態にあるものとして、カメラ本体101に振れや揺れ等が生じると、ジャイロセンサ136が、その振れや揺れ等を検出し、その検出信号を制御部140に出力する。この検出信号を受けて制御部140では、所定の演算処理を実行する。そして、制御部140は、像ぶれ補正装置1の動作を制御する制御信号を駆動制御部152に出力する。駆動制御部152では、制御部140からの制御信号に基づいて所定の駆動信号を像ぶれ補正装置1に出力する。そして、像ぶれ補正装置1では、移動枠3を第1の方向Y及び/又は第2の方向Xに所定量だけ移動する。これにより、補正レンズ2の移動を介して像ぶれが解消され、綺麗な画像を得ることができる。
図36は、前述したような構成及び作用を有する像ぶれ補正装置1を備えたデジタルスチルカメラの概略構成の第2の実施の例を示すブロック図である。このデジタルスチルカメラ100Aは、像ぶれ補正装置1を有するレンズ鏡筒80と、制御装置の中心的役割をなす映像記録/再生回路部160と、映像記録/再生回路部160を駆動するためのプログラムメモリやデータメモリその他のRAMやROM等を有する内蔵メモリ161と、撮影された映像等を所定の信号に処理する映像信号処理部162と、撮影された映像等を表示する表示装置163と、記憶容量を拡大する外部メモリ164と、像ぶれ補正装置1を駆動制御する補正レンズ制御部165等を備えて構成されている。
映像記録/再生回路部160は、例えば、マイクロコンピュータ(CPU)を有する演算回路等を備えて構成されている。この映像記録/再生回路部160には、内蔵メモリ161と、映像信号処理部162と、補正レンズ制御部165と、モニタ駆動部166と、増幅器167と、3つのインタフェース(I/F)171,172,173とが接続されている。映像信号処理部162は、レンズ鏡筒80に取り付けられた撮像素子84に増幅器167を介して接続されている。そして、所定の映像信号に処理された信号が映像記録/再生回路部160に入力される。
表示装置163は、モニタ駆動部166を介して映像記録/再生回路部160に接続されている。また、第1のインタフェース(I/F)171には、コネクタ168が接続されている。このコネクタ168に外部メモリ164が、着脱自在に接続可能とされている。第2のインタフェース(I/F)172には、カメラ本体101に設けられた接続端子174が接続されている。
補正レンズ制御部165には、第3のインタフェース(I/F)173を介してぶれ検出部である加速度センサ175が接続されている。この加速度センサ175は、カメラ本体101に付加される振れや揺れ等による変位を加速度として検出するものである。また、この加速度センサ175は、ジャイロセンサを適用することができる。補正レンズ制御部165には、補正レンズ2を駆動制御する像ぶれ補正装置1のレンズ駆動部である第1の電動アクチュエータ6A及び第2の電動アクチュエータ6Bが接続されている。また、この補正レンズ制御部165には、その補正レンズ2の位置を検出する位置センサである2つのホール素子49A,49Bも接続されている。
かくして、被写体の像がレンズ鏡筒80のレンズ系81に入力されて撮像素子84の結像面に結像される。すると、その画像信号が、増幅器167を介して映像信号処理部162に入力される。この映像信号処理部162で所定の映像信号に処理された信号が、映像記録/再生回路部160に入力される。これにより、映像記録/再生回路部160から被写体の像に対応した信号がモニタ駆動部166、内蔵メモリ161若しくは外部メモリ164に出力される。その結果、モニタ駆動部166を介して表示装置163に被写体の像に対応した画像が表示され、或いは、必要により情報信号として内蔵メモリ161若しくは外部メモリ164に記録される。
このような撮影状態において、像ぶれ補正装置1が動作状態にあるものとして、カメラ本体101に振れや揺れ等が生じると、加速度センサ175がその振れや揺れ等を検出する。そして、その検出信号が、補正レンズ制御部165を介して映像記録/再生回路部160に出力される。これを受けて映像記録/再生回路部160では、所定の演算処理を実行する。そして、映像記録/再生回路部160は、像ぶれ補正装置1の動作を制御する制御信号を補正レンズ制御部165に出力する。補正レンズ制御部165では、映像記録/再生回路部160からの制御信号に基づいて所定の駆動信号を像ぶれ補正装置1に出力する。そして、像ぶれ補正装置1では、移動枠3を第1の方向Y及び/又は第2の方向Xに所定量だけ移動する。これにより、補正レンズ2の移動を介して像ぶれが解消され、綺麗な画像を得ることができる。
以上説明したように、本発明の像ぶれ補正装置、レンズ鏡筒及び撮像装置によれば、第3のガイド軸が第1の移動枠と第2の移動枠を共通して案内するガイド軸となるようにガイド機構を構成したため、ガイド軸の本数を削減することができる。その結果、像ぶれ補正装置の小型化を実現することができ、その像ぶれ補正装置を用いるレンズ鏡筒及び撮像装置の小型化に貢献することができる。しかも、部品点数を削減して装置の軽量化を図ることができと共に、組立工数を削減してコストダウンを図ることができる。
また、第3のガイド軸を固定基盤に固定支持する構成にしたため、従来の第1の方向と第2の方向でそれぞれ副ガイド軸を設けた場合に比べて、副ガイド軸と副ガイド軸受との間のクリアランスで発生するガタツキを、第1の移動枠の軸係合部と固定基板との間で1本分に低減することができる。これにより、もう1本分の副ガイド軸と副ガイド軸受間で発生していた寸法の積上げバラツキを低減することができ、光軸に対する第1の移動枠、即ち補正レンズの傾き精度、光軸方向の位置制度を向上させることができる。その結果、光学特性の劣化を抑えた高精度な像ぶれ補正を行うことができる。
また、補正レンズを挟んで第1のガイド軸及び第2のガイド軸の反対側に第3のガイド軸を配置する構成とした。そのため、第1のガイド軸及び第2のガイド軸と各軸受片との間のクリアランスや、第3のガイド軸と2つの軸係合部との間のクリアランスによって生じる第1及び第2の移動枠のガタツキを小さく抑えることができる。その結果、光軸に対する補正レンズの傾きを小さくして高精度な像ぶれ補正を実現することができる。
また、第4の実施例で説明した像ぶれ補正装置では、第1の実施例に係る第3のガイド軸も廃除し、第1のガイド軸及び第2のガイド軸がそれぞれ第1の移動枠と第2の移動枠を共通して案内するガイド軸となるようにガイド機構を構成した。そのため、従来の第1の方向の副ガイド軸と主ガイド軸間及び第2の方向の副ガイド軸と主ガイド軸間でそれぞれ発生していた平行度、光軸に対する位置制度を廃除することができる。これにより、光学特性の劣化を抑えた高精度な像ぶれ補正を行うことができる。また、第3のガイド軸も廃除したことにより、像ぶれ補正装置の小型化を実現することができ、その像ぶれ補正装置を用いるレンズ鏡筒及び撮像装置の小型化に貢献することができる。しかも、部品点数を削減して装置の軽量化を図ることができと共に、組立工数を削減してコストダウンを図ることができる。
本発明は、前述しかつ図面に示した実施の例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、前記実施の例においては、撮像装置としてデジタルスチルカメラを適用した例について説明したが、デジタルビデオカメラ、カメラ付きパーソナルコンピュータ、カメラ付き携帯電話その他の撮像装置にも適用できるものである。更に、レンズ鏡筒として5群レンズを用いた例について説明したが、4群レンズ以下であってもよく、また、6群レンズ以上のものに適用できることも勿論である。
1,1A,1B,1C,1D…像ぶれ補正装置、 2…補正レンズ、 3,53…第1の移動枠、 4,54…第2の移動枠、 5,55…固定基盤、 6A…第1の電動アクチュエータ、 6B…第2の電動アクチュエータ、 7,57…ガイド機構、 11…レンズ固定部、 12A,12B…マグネット固定部、 13…嵌合穴、 15…制限突部、 16…第1の軸係合部、 17,18…マグネット用嵌合穴、 19…第1の主軸受部、 21A…第2のマグネット、21B…第2のマグネット、 22A…第1のコイル、 22B…第2のコイル、 31…貫通穴、 32…第2の軸係合部、 33…第2の主軸受部、 34,62…第3の主軸受部、 36,66…第1のガイド軸、 37,67…第2のガイド軸、 38…第3のガイド軸、 41…制限受部、 42,43…コイル用挿通穴、 45…副軸受部、 46,63…第4の主軸受部、 48…フレキシブル配線板、 49A…第1のホール素子、 49B…第2のホール素子、 61…軸係合部、 64…軸支持部、 80…レンズ鏡筒、 100…デジタルスチルカメラ(撮像装置)、 Y…第1の方向、 X…第2の方向