JP2008122530A - 像ぶれ補正装置、レンズ鏡筒及び撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】先行技術の像ぶれ補正装置では、移動枠の移動方向と直交する電動アクチュエータのマグネットの磁力によって移動枠の移動に反する力(反力)が発生するため、移動枠の直進性が乱れると共に、移動方向が安定しないという課題がある。
【解決手段】補正レンズ2を保持する移動枠3と、少なくとも3つ球体5を介して移動枠3を移動可能に支持する支持枠4と、移動枠3を第1の方向Xに移動させると共に補正レンズ2を中心として対称をなす位置に配置される2つの第1の電動アクチュエータ6A,6Bと、移動枠3を第2の方向Yに移動させると共に補正レンズ2を中心として対称をなす位置に配置される2つの第2の電動アクチュエータ7A,7Bと、を備えて像ぶれ補正装置1を構成した。そして、第1及び第2の電動アクチュエータ6A,6B,7A,7Bの各マグネット21A,21B,22A,22Bの磁力により移動枠3を支持枠4側に付勢した。
【選択図】図1

Description

本発明は、撮影時の振動等によって発生する像ぶれを補正する像ぶれ補正装置、その像ぶれ補正装置を有するレンズ鏡筒、及びそのレンズ鏡筒を備えたデジタルスチルカメラ、ビデオカメラ等の撮像装置に関するものである。
近年、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置の性能向上には目覚しいものがあり、高画質、高性能の静止画や動画の撮影が、誰にでも簡単に行うことが可能になった。このような撮像装置の性能向上は、レンズ、撮像素子(CCD、CMOS等)、画像処理回路の高性能化によるところが大である。
しかしながら、いくらレンズや撮像素子等の高性能化を図っても、カメラ(撮像装置)を支える手に震えや揺れが生じると、せっかくの高解像度とされた画面にぶれが発生し、像がぶれて写ってしまうことになる。そのため、比較的高価な一部のカメラにおいては、撮影時の手ぶれ等によって発生する像ぶれを補正する像ぶれ補正装置が搭載されている。ところが、本来像ぶれ補正を必要とするカメラは、撮影を職業とするプロが使用するような高級機種ではなく、むしろ撮影経験の少ない大多数の公衆が使用する普及モデルにこそ必要とされるものである。
また、一般に、カメラ(撮像装置)には小型化、軽量化の要望が強く、軽くて持ち易いカメラが好まれている。ところが、従来の像ぶれ補正装置は比較的大きなものであった。そのため、この従来の像ぶれ補正装置をカメラ本体に搭載すると、カメラ全体が大きなものとなり、小型化、軽量化の要望に反する結果となる。しかも、従来の像ぶれ補正装置には多数の部品が必要とされており、部品点数の増加によるコストアップが大きいという問題があった。
従来の像ぶれ補正装置の例としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。特許文献1にはステージ板を直交する2方向に直線移動させるステージ装置、及びこのステージ装置を利用したカメラの手振れ補正装置に関するものが記載されている。この特許文献1に記載されたカメラの手振れ補正装置は、「ステージ装置を利用したカメラの手振れ補正装置であって、上記ステージ装置を内蔵するカメラと、上記Y方向移動部材の前面に固定された、カメラ光学系の結像面に撮像面を有する撮像素子と、上記カメラの振動を検出する振動検出センサと、該振動検出センサが検出した振動情報に基づいて、上記Xアクチュエータまたは上記Yアクチュエータを、手振れを補正するように駆動させる制御手段と、を備える」ことを特徴としている。
そして、このカメラの手振れ補正装置に利用したステージ装置は、「固定支持基板と、該固定支持基板上に、X方向案内手段を介して、特定のX方向にのみ移動可能として支持されたX方向移動部材と、該X方向移動部材上に、Y方向案内手段を介して、上記X方向移動部材と平行で上記X方向と直交するY方向にのみ移動可能として支持されたY方向移動部材と、を備えたステージ装置において、上記X方向移動部材に、仮想三角形の各頂点部分に位置させてそれぞれ貫通孔からなるボール回転支持孔を形成し、各ボール回転支持孔に、上記固定支持基板及びY方向移動部材に接触するボールを全方向に回転可能に嵌合した」ことを特徴としている。
この特許文献1に記載された発明によれば、「X方向移動部材とY方向移動部材が固定支持基板に対してがたつかないので、ステージ装置は常に円滑に動作する(段落番号[0017]参照)」という効果が期待される。
特開2006−108956号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたカメラの手振れ補正装置では、固定支持基盤上に、X方向のみに移動するX方向移動部材を設け、このX方向移動部材上にY方向のみに移動するY方向移動部材を設けている。そして、X方向移動部材に回転可能に支持されているボールを介し、固定支持基盤の上に2つの移動部材をやぐら状に組み立てて、三層構造としている。その結果、像ぶれ補正装置の厚さが厚くなり、レンズ鏡筒及び撮像装置全体の大型化を招いていると共に、部品点数が増加し、コストアップを招いているという問題があった。
このような問題点に鑑みるとき、移動枠をX方向及びY方向のいずれにも移動可能とすると共に、この移動枠を、球体を介して支持枠で移動可能に支持する。そして、移動枠を第1の方向に移動させる第1の電動アクチュエータと、その移動枠を第2の方向に移動させる第2の電動アクチュエータを設ける構成とする。これにより、1つの移動枠を無くして、像ぶれ補正装置全体の小型化、軽量化を図ることが可能となる。そして、移動枠を移動させるための第1及び第2の電動アクチュエータに用いられているマグネットを利用し、そのマグネットの磁力で移動枠を支持枠側に付勢することにより、移動枠と支持枠の関連性を一定に保持して移動枠を第1の方向及び第2の方向へ動作させることが可能となる。
しかしながら、このような移動枠と支持枠と球体と2つの電動アクチュエータを備えた二層構造の像ぶれ補正装置では、移動枠を、例えば、第1の電動アクチュエータを駆動して第1の方向へ移動させようとすると、第1の方向と直交する方向に配置された第2の電動アクチュエータのマグネットの磁力により、移動枠の移動を抑制する方向に働く反力が発生する。その結果、第1の電動アクチュエータによる移動の直進性が害されてしまい、移動枠を真っ直ぐ移動させることができないという問題が生じる。
このような問題点を、図38A〜図38Cを参照して詳しく説明する。図38Aは、球体を用いた先行技術に係る像ぶれ補正装置の平面図である。この像ぶれ補正装置300は、中心部に補正レンズ304を具えた移動枠303と、この移動枠303を図に現れない球体を介して移動可能に支持する支持枠302と、補正レンズ304を第1の方向Xへ移動させる第1の電動アクチュエータ305Aと、補正レンズ304を第2の方向Yへ移動させる第2の電動アクチュエータ305Bを備えて構成されている。
第1の電動アクチュエータ305Aは、像ぶれ補正装置300の中心に配置されている補正レンズ304の第1の方向Xの一方(+)に配置されている。第2の電動アクチュエータ305Bは、像ぶれ補正装置300の補正レンズ304の第1の方向Xと直交する第2の方向Yの一方(−)に配置されている。第1の電動アクチュエータ305Aはマグネット308aとコイル313aと図示しない対向ヨークを有し、第2の電動アクチュエータ305Bはマグネット308bとコイル313b及び図示しない対向ヨークを有している。
第1の電動アクチュエータ305Aのマグネット308aは、移動枠303の第1の方向Xの一方(+)に固定され、第2の電動アクチュエータ305Bのマグネット308bは移動枠303の第2の方向Yの一方(−)に固定されている。第1の電動アクチュエータ305Aのコイル313aは、マグネット308aと対向され、第2の電動アクチュエータ305Bのコイル313bは、マグネット308bと対向されていて、これらのコイル313a,313bがフレキシブル配線板316を介して支持枠302に固定されている。そして、第1及び第2の電動アクチュエータ305A,305Bのマグネット308a,308bの磁力により引っ張られて、移動枠303が球体を介して支持枠302側に付勢されている。
次に、上述したような構成を有する像ぶれ補正装置300の電動アクチュエータを駆動させて、移動枠を移動させるときの力の関係について、図38B及び図38Cを参照して説明する。ここで、第1の電動アクチュエータ305Aのマグネット308aの中心を点Oとし、第2の電動アクチュエータ305Bのマグネット308bの中心を点Pとする。
いま、図38Bに示すように、第1の電動アクチュエータ305Aを駆動することにより、フレミングの左手の法則に基づいて、推力Foが点Oに発生したものとする。この推力Foのベクトルの方向は、第1の方向Xに向いている。このとき、第2の電動アクチュエータ305Bのマグネット308bの磁力により、移動枠303には、その移動の妨げとなる反力Fpが発生する。そのため、この反力Fpの作用により、点Oには、推力Foと反力Fp(反力Fpを平行移動させた反力Fp´)とを合成した合力Raが、第1の方向Xに対して角度θ11だけ傾いた方向に働く。これにより、移動枠303の点Oでは、第1の方向Xに真っ直ぐに進むことができなくなり、移動枠303の直進性が害されることになる。
また、図38Cに示すように、第1の電動アクチュエータ305Aを駆動することにより、点Oに前述した推力Foの力よりも大きい力である推力Foが発生したものとする(Fo>Fo)。この推力Foのベクトルの方向は、推力Foと同様に、第1の方向Xに向いている。このとき、図38Bと同様に、第2の電動アクチュエータ305Bのマグネット308bの磁力により、移動枠303には、その移動の妨げとなる反力Fpが発生する。そのため、この反力Fpの作用により、点Oには、推力Foと反力Fp(反力Fpを平行移動させた反力Fp´)を合成した合力Raが、第1の方向Xに対して角度θ12だけ傾いた方向に働く。
ここで、図38Bでは、点Oに合力Raが第1の方向Xに対して角度θ11傾いた方向に働くのに対して、図38Cでは、点Oに合力Raよりも大きい力の合力Ra(Ra>Ra1)が第1の方向Xに対して角度θ12傾いた方向に働いている(θ12>θ11)。即ち、点Oに発生する推力Foの大きさによって、点Oに働く合力Raのベクトルの大きさと方向が変化し、移動枠303の移動方向が安定しないことになる。
解決しようとする問題点は、従来の像ぶれ補正装置では、第1の方向に移動する第1の移動枠と、第2の方向に移動する第2の移動枠と、これらを支持する支持枠とをやぐら状に組立てて三層構造としていたため、像ぶれ補正装置の厚さが厚くなり、レンズ鏡筒及び撮像装置全体の大型化を招くと共に、使用される部品点数が増加し、コストアップを招くことになる、という点である。
この問題の解決手段として、1つの移動枠をX方向及びY方向のいずれかにも移動可能とすると共に、この移動枠を、球体を介して支持枠で移動可能に支持し、移動枠を移動させるための第1及び第2の電動アクチュエータに用いられているマグネットを利用し、そのマグネットの磁力で移動枠を支持枠側に付勢させる像ぶれ補正装置が考えられる。しかしながら、そのように構成すると、移動枠を、例えば、第1の電動アクチュエータを駆動して第1の方向へ移動させようとすると、第1の方向と直交する方向に配置された第2の電動アクチュエータのマグネットの磁力により、移動枠の移動を抑制する方向に働く反力が発生する。そのため、第1の電動アクチュエータによる移動の直進性が害されてしまい、移動枠を真っ直ぐ移動させることができないという不十分な点が生ずる。
本発明の像ぶれ補正装置は、補正レンズと、補正レンズを保持する移動枠と、移動枠を少なくとも3つの球面ガイドを介して移動可能に支持する支持枠と、移動枠をレンズ系の光軸に直交する第1の方向に移動させると共に、補正レンズを中心として対称をなす位置に配置される2つの第1の電動アクチュエータと、移動枠をレンズ系の光軸に直交する方向であって第1の方向とも直交する第2の方向に移動させると共に、補正レンズを中心として対称をなす位置に配置される2つの第2の電動アクチュエータと、を備えている。そして、2つの第1の電動アクチュエータ及び2つの第2の電動アクチュエータは、それぞれ相対的に移動可能とされたコイルとマグネットを有し、そのマグネットの磁力により移動枠を支持枠側に付勢したことを最も主要な特徴とする。
本発明のレンズ鏡筒は、レンズ系が収納された筒体と、レンズ系の像ぶれを補正するための補正レンズを有する像ぶれ補正装置と、を備えたレンズ鏡筒である。このレンズ鏡筒の像ぶれ補正装置は、補正レンズと、補正レンズを保持する移動枠と、移動枠を少なくとも3つの球面ガイドを介して移動可能に支持する支持枠と、移動枠をレンズ系の光軸に直交する第1の方向に移動させると共に、補正レンズを中心として対称をなす位置に配置される2つの第1の電動アクチュエータと、移動枠をレンズ系の光軸に直交する方向であって第1の方向とも直交する第2の方向に移動させると共に、補正レンズを中心として対称をなす位置に配置される2つの第2の電動アクチュエータと、を備えている。そして、2つの第1の電動アクチュエータ及び2つの第2の電動アクチュエータは、それぞれ相対的に移動可能とされたコイルとマグネットを有し、そのマグネットの磁力により移動枠を支持枠側に付勢したことを特徴とする。
また、本発明の撮像装置は、レンズ系が収納された筒体と、レンズ系の光軸と直交する方向に補正レンズを移動させてレンズ系の像ぶれを補正する像ぶれ補正装置と、を有するレンズ鏡筒を備えた撮像装置である。この撮像装置に係る像ぶれ補正装置は、補正レンズと、補正レンズを保持する移動枠と、移動枠を少なくとも3つの球面ガイドを介して移動可能に支持する支持枠と、移動枠をレンズ系の光軸に直交する第1の方向に移動させると共に、補正レンズを中心として対称をなす位置に配置される2つの第1の電動アクチュエータと、移動枠をレンズ系の光軸に直交する方向であって第1の方向とも直交する第2の方向に移動させると共に、補正レンズを中心として対称をなす位置に配置される2つの第2の電動アクチュエータと、を備えている。そして、2つの第1の電動アクチュエータ及び2つの第2の電動アクチュエータは、それぞれ相対的に移動可能とされたコイルとマグネットを有し、そのマグネットの磁力により移動枠を支持枠側に付勢したことを特徴とする。
本発明の像ぶれ補正装置、レンズ鏡筒及び撮像装置によれば、小さな駆動力で補正レンズを容易に移動することができ、装置全体の小型化を実現することができる。更に、移動枠の移動方向の安定性と移動枠の直進性の向上を図ることができる。
それぞれ補正レンズを中心として対称に配置した2つの第1の電動アクチュエータ及び2つの第2の電動アクチュエータの各マグネットの磁力によって移動枠を支持枠側に付勢したことにより、装置全体の小型化を実現することができると共に、移動枠の移動方向の安定性及び直進性の向上を図ることができる像ぶれ補正装置、レンズ鏡筒及び撮像装置を、簡単な構造によって実現した。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。図1〜図37は、本発明の実施の形態の例を説明するものである。即ち、図1は本発明の像ぶれ補正装置の第1の実施の例を示す斜視図、図2は平面図、図3は正面図、図4は図1に示すA−A線部分の断面図、図5は分解斜視図、図6は図5に示す状態を正面から見た説明図である。図7は構成部品を示す斜視図、図8は図7に示す移動枠を底面側から見た斜視図、図9A〜図9Cは球面ガイドの例を説明する説明図である。図10A及び図10Bは移動枠を移動させた際に作用する力を説明する説明図、図11A〜図11Cは移動枠が基準位置にある状態を説明する説明図である。図12A及び図12Bは移動枠が第1の方向の一方(+)に移動した状態を説明する説明図、図13A及び図13Bは移動枠が第1の方向の他方(−)に移動した状態を説明する説明図である。図14A及び図14Bは移動枠が第2の方向の一方(+)に移動した状態を説明する説明図、図15A及び図15Bは移動枠が第2の方向の他方(−)に移動した状態を説明する説明図である。図16は本発明の像ぶれ補正装置の第1の実施の例に係る2つのホール素子の配置を示す説明図、図17は2つのホール素子の配置のその他の例を示す説明図、図18は、マグネットに対するホール素子の位置と磁束密度との関係を示す説明図である。
図19は本発明の像ぶれ補正装置に係る4つのホール素子の配置の第1の実施の例を説明する説明図、図20A及び図20Bは図16に示すホール素子の配置による補正レンズの位置検出を説明する説明図、図21A及び図21Bは本発明の像ぶれ補正装置に係る4つのホール素子の配置の第2の実施の例に係る補正レンズの位置検出を説明する説明図、図22A及び図22Bはホール素子が検出する位置検出の誤差を説明するグラフ、図23は本発明の像ぶれ補正装置に係る4つのホール素子の配置の第2の実施の例を示す説明図である。図24は本発明の像ぶれ補正装置の第2の実施の例を説明する説明図、図25は本発明の像ぶれ補正装置の第3の実施の例を説明する説明図、図26は本発明の像ぶれ補正装置の第4の実施の例を説明する説明図、図27は本発明の像ぶれ補正装置の第5の実施の例を説明する説明図である。
図28〜図30は本発明のレンズ鏡筒の第1の実施の例を示すもので、図28は斜視図、図29Aは正面図、図29Bは左側面図、図30はレンズ系の配置を説明する説明図である。図31〜図34は本発明の撮像装置の第1の実施の例を示すもので、図31は正面側から見た斜視図、図32はレンズカバーを移動させて対物レンズを露出した斜視図、図33は背面図、図34は平面図である。図35は本発明の像ぶれ補正装置の制御概念を説明するブロック図、図36は本発明に係る撮像装置の概略構成の第1の実施の例を示すブロック図、図37は同じく撮像装置の概略構成の第2の実施の例を示すブロック図である。
図1〜図18に示す本発明の像ぶれ補正装置の第1の実施の例は、ムービングマグネット方式の駆動機構を備えた像ぶれ補正装置1として構成したものである。この像ぶれ補正装置1は、図1〜図7に示すように、レンズ系の像ぶれを補正するための補正レンズ2と、この補正レンズ2を保持する移動枠3と、この移動枠3を球面ガイドの一具体例を示す3つの球体5を介して移動可能に支持する支持枠4と、移動枠3をレンズ系の光軸と直交する第1の方向Xに移動させる2つの第1の電動アクチュエータ6A,6Bと、移動枠3をレンズ系の光軸と直交する方向であって第1の方向Xとも直交する第2の方向Yに移動させる2つの第2の電動アクチュエータ7A,7B等を備えて構成されている。
補正レンズ2は、後述するカメラ本体に手の震え等による揺れが生じたときに、そのときの像ぶれ量に対応してその位置を第1の方向X及び/又は第2の方向Yに移動させて像ぶれを補正するものである。この補正レンズ2は、移動枠3に固定されている。
図5〜図8等に示すように、移動枠3は、適度な厚さを有する板体からなるレンズ固定部11と、このレンズ固定部11と一体に設けた一対の第1のマグネット固定部12A,12B及び一対の第2のマグネット固定部13A,13B等を備えて構成されている。レンズ固定部11の略中央部には、補正レンズ2が嵌合される嵌合穴15が設けられており、この嵌合穴15に補正レンズ2が接着剤等の固着手段により固定されて一体に取り付けられている。更に、移動枠3の支持枠4と対向される下面には、環状凸部16が設けられている。この環状凸部16は、嵌合穴15の周囲を囲うリング状の凸部に形成されていて、嵌合穴15に連続する開口穴16aを有している。この環状凸部16の開口穴16aには、支持枠4の後述する円筒部32が係合される。
一対の第1のマグネット固定部12A,12Bは、レンズ固定部11の半径方向外側であって嵌合穴15を挟んで対称となる位置に設けられており、両マグネット固定部12A,12Bを結ぶ方向が第1の方向Xとされている。これら一対の第1のマグネット固定部12A,12Bは、それぞれ2つの突起片18,18を有している。これら2つの突起片18,18は、それぞれ第2の方向Yに所定の間隔をあけて設けられ、第1の方向Xに突出されている。
また、一対の第2のマグネット固定部13A,13Bは、一対の第1のマグネット固定部12A,12Bから略90度回転変位した位置に配置されている。そして、嵌合穴15を挟んで対称となる位置に設けられた両マグネット固定部13A,13Bを結ぶ方向が、第2の方向Yとされている。これら一対の第2のマグネット固定部13A,13Bは、それぞれ2つの突起片19,19を有している。これら2つの突起片19,19は、それぞれ第1の方向Xに所定の間隔をあけて設けられ、第2の方向Yに突出されている。
2つの第1のマグネット固定部12A,12Bのうち、一方の第1のマグネット固定部12Aの突起片18,18間には、第1の電動アクチュエータ6Aの一部を構成する第1のマグネット21Aと第1のバックヨーク23Aが接着剤や固定ねじ等の固着方法によって固定されている。更に、他方の第1のマグネット固定部12Bの突起片18,18間には、第1の電動アクチュエータ6Bの一部を構成する第1のマグネット21Bと第1のバックヨーク23Bが接着剤や固定ねじ等の固着方法によって固定されている。
また、2つの第2のマグネット固定部13A,13Bのうち、一方の第2のマグネット固定部13Aの突起片19,19間には、第2の電動アクチュエータ7Aの一部を構成する第2のマグネット22Aと第2のバックヨーク24Aが接着剤や固定ねじ等の固着方法によって固定されている。更に、他方の第2のマグネット固定部13Bの突起片19,19間には、第2の電動アクチュエータ7Bの一部を構成する第2のマグネット22Bと第2のバックヨーク24Bが接着剤や固定ねじ等の固着方法によって固定されている。
2つの第1のマグネット21A,21B及び2つの第2のマグネット22A,22Bは、それぞれ四角形の平板状として同一形状に形成されていると共に、所定の方向に強さの等しい磁力が発生するように着磁されている。即ち、2つの第1のマグネット21A,21B及び2つの第2のマグネット22A,22Bは、平面方向を2等分するように極性を異ならせていると共に、その平面方向と直交する厚み方向をも2等分するように極性を異ならせて構成されている。
この実施例では、図11B等に示すように、一方の第1のマグネット21Aは、支持枠4と対向する面では、補正レンズ2に近い半径方向内側にN極が着磁され、補正レンズ2から離れた半径方向外側にS極が着磁されている。そして、第1のマグネット21Aの支持枠4と反対側の面では、補正レンズ2に近い半径方向内側にS極が着磁され、補正レンズ2から離れた半径方向外側にN極が着磁されている。更に、他方の第1のマグネット21Bは、支持枠4と対向する面では、補正レンズ2に近い半径方向内側にS極が着磁され、補正レンズ2から離れた半径方向外側にN極が着磁されている。そして、第1のマグネット21Bの支持枠4と反対側の面では、補正レンズ2に近い半径方向内側にN極が着磁され、補正レンズ2から離れた半径方向外側にS極が着磁されている。
また、図11C等に示すように、一方の第2のマグネット22Aは、支持枠4と対向する面では、補正レンズ2に近い半径方向内側にN極が着磁され、補正レンズ2から離れた半径方向外側にS極が着磁されている。そして、第2のマグネット22Aの支持枠4と反対側の面では、補正レンズ2に近い半径方向内側にS極が着磁され、補正レンズ2から離れた半径方向外側にN極が着磁されている。更に、他方の第2のマグネット22Bは、支持枠4と対向する面では、補正レンズ2に近い半径方向内側にS極が着磁され、補正レンズ2から離れた半径方向外側にN極が着磁されている。そして、第2のマグネット22Bの支持枠4と反対側の面では、補正レンズ2に近い半径方向内側にN極が着磁され、補正レンズ2から離れた半径方向外側にS極が着磁されている。しかしながら、第1及び第2のマグネット21A,21B,22A,22Bの極性の配置は、この実施例に限定されるものではなく、平面方向及び厚み方向で異なる極性を逆にして配置することもできる。
図7等に示すように、2つの第1のバックヨーク23A,23B及び2つの第2のバックヨーク24A,24Bは、それぞれ四角形の平板状として同一形状に形成され、平面の大きさが第1及び第2のマグネット21A,21B,22A,22Bと同じ大きさに設定されている。2つの第1のバックヨーク23A,23Bは、2つのマグネット21A,21Bの一面(支持枠4と反対側の面)にそれぞれ接着剤等の固着方法によって固定されている。また、2つの第2のバックヨーク24A,24Bは、2つのマグネット22A,22Bの一面(支持枠4と反対側の面)にそれぞれ接着剤等の固着方法によって固定されている。
支持枠4は、移動枠3よりも大きい略円形の板体からなっている。この支持枠4は、中央部に設けた貫通穴31と、一面に突出するように設けた円筒部32と、その一面に凹部を形成することによって設けた3つの球体保持部33と、同じく一面に凹部を形成することによって設けた2つの第1のヨーク用凹部34A,34B及び2つの第2のヨーク用凹部35A,35Bを有している。
支持枠4の円筒部32は、貫通穴31の周囲を囲う円筒状(リング状)に形成されていて、その開口穴32aが貫通穴31に連続されている。この円筒部32は、移動枠3に設けた環状凸部16の開口穴16aよりも小さく設定されており、像ぶれ補正装置1を組み立てた状態において、その開口穴16a内に挿入される。そして、移動枠3に設けた環状凸部16の内周面が支持枠4に設けた円筒部32の外周面に当接することにより、移動枠3のレンズ系の光軸と直交する方向への移動範囲が規制される。
3つの球体保持部33は、それぞれ円形の凹部として形成されており、円筒部32の周囲に等間隔に配置されている。この球体保持部33の直径は、球体5の直径よりも大きく設定されている。更に、球体保持部33の深さは、球体5の半径と同等か或いはそれよりも大きく設定されていて、球体5が容易に乗り越えられないようになっている。この球体保持部33に保持される球体5を介して移動枠3が支持枠4に移動可能に支持されている。このように構成することにより、移動枠3と球体5の間及び球体保持部33と球体5の間に生じる摩擦抵抗を小さくすることができ、第1及び第2の電動アクチュエータ6A,6B,7A,7Bの駆動力のロスを小さくできると共に、小さな推力で移動枠3を移動させることができる。
本実施例では、移動枠3の安定性を確保するために球体保持部33及び球体5の数を3つとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明に係る球体及び球体保持部の数は4つ以上としてもよい。また、球体5の材質としては、第1及び第2のマグネット21A,21B,22A,22Bの磁力の影響を受けず、且つ、高い強度を有するものが好ましく、例えば、セラミックやステンレス鋼等を挙げることができる。しかしながら、球体5は、磁力の影響を受ける構造用炭素鋼等の金属であってもよく、また、磁性体であると否にかかわらずエンジニアリングプラスチックを用いることもできる。
本実施例では、図9A等に示すように、球体保持部33の直径を球体5の直径よりも大きく設定し、球体保持部33で球体5を転動自在に保持する構成としたが、これに限定されるものではない。本発明に係る球体保持部としては、例えば、図9Bに示すように、球体5を所定の位置で回転自在に保持する球体保持部33aを適用することもできる。この球体保持部33aは、球体5の直径と略同一の直径を有する円形の凹部として形成されており、これにより球体5を略一点で回転自在に保持している。このように構成することによっても、移動枠3及び球体保持部33aと球体5との間に生じる摩擦抵抗を小さくすることができ、各電動アクチュエータ6A,6B,7A,7Bの駆動力のロスを小さくして、小さな駆動力(推力)で移動枠3を移動させることができる。
本実施の例では、球面ガイドの一具体例として球体5を適用する構成としたが、これに限定されるものではない。本発明に係る球面ガイドとしては、例えば、図9Cに示すように、支持枠4或いは移動枠3に一体に設けられる球面突部9を適用することもできる。球面突部9は、先端に球面部9aを有しており、この球面部9aが支持枠4或いは移動枠3に点接触される。そのため、支持枠4或いは移動枠3と球面突部9との間に生じる摩擦抵抗を比較的小さくすることができ、各電動アクチュエータ6A,6B,7A,7Bの駆動力のロスを小さくして、小さな駆動力(推力)で移動枠3を移動させることができる。
一対の第1のヨーク用凹部34A,34Bは、移動枠3に取り付けた2つの第1のマグネット21A,21Bに対応する位置に設けられている。即ち、一対の第1のヨーク用凹部34A,34Bは、貫通穴31を挟んで対称となる位置に設けられており、互いに第1の方向Xに対向されている。また、一対の第2のヨーク用凹部35A,35Bは、移動枠3に取り付けた2つの第2のマグネット22A,22Bに対応する位置に設けられている。即ち、一対の第2のヨーク用凹部35A,35Bは、一対の第1のヨーク用凹部34A,34Bから略90度回転変位した位置に設けられており、貫通穴31を挟んで互いに第2の方向Yに対向されている。
一対の第1のヨーク用凹部34A,34Bには、第1の電動アクチュエータ6A,6Bの一部を構成する第1の対向ヨーク25A,25Bがそれぞれ接着剤や固定ねじ等の固着方法によって固定されている。また、一対の第2のヨーク用凹部35A,35Bには、第2の電動アクチュエータ7A,7Bの一部を構成する第2の対向ヨーク26A,26Bがそれぞれ接着剤や固定ねじ等の固着方法によって固定されている。
第1の対向ヨーク25A,25B及び第2の対向ヨーク26A,26Bは、移動枠3に取り付けた第1のバックヨーク23A,23B及び第2のバックヨーク24A,24Bと同一のものであり、四角形の平板として形成されている。これら第1及び第2の対向ヨーク25A,25B,26A,26Bは、像ぶれ補正装置1の組み立て状態において、第1及び第2のマグネット21A,21B,22A,22Bにそれぞれ対向される。そして、各対向ヨーク25A,25B,26A,26Bに、各マグネット21A,21B,22A,22Bがその磁力によって引き寄せられることにより、移動枠3が3つの球体5を介して支持枠4に付勢される。
支持枠4に固定された第1及び第2の対向ヨーク25A,25B,26A,26Bには、フレキシブル配線板29が載置されている。フレキシブル配線板29は、第1の対向ヨーク25A,25Bに対応する第1のコイル搭載部29a,29bと、第2の対向ヨーク26A,26Bに対応する第2のコイル搭載部29c,29dと、これらを連結する複数の連結部29eを有している。
第1のコイル搭載部29a,29bは、支持枠4に固定された第1の対向ヨーク25A,25Bと重なり合うように配置され、それぞれ接着剤等の固着方法によって固定されている。また、第2のコイル搭載部29c,29dは、支持枠4に固定された第2の対向ヨーク26A,26Bと重なり合うように配置され、それぞれ接着剤等の固着方法によって固定されている。フレキシブル配線板29の第1のコイル搭載部29a,29bには、第1の電動アクチュエータ6A,6Bの一部を構成する2つの第1のコイル27A,27Bがそれぞれ搭載され、接着剤等の固着方法によって固定されている。また、第2のコイル搭載部29c,29dには、第2の電動アクチュエータ7A,7Bの一部を構成する2つの第2のコイル28A,28Bがそれぞれ搭載され、接着剤等の固着方法によって固定されている。
第1のコイル27A,27B及び第2のコイル28A,28Bは、平面的に巻回された略楕円形をなす偏平コイルからなり、それぞれが1本のコイル線を巻回することによって形成されている。各コイル27A,27B,28A,28Bは、フレキシブル配線板29の第1及び第2のコイル搭載部29a,29b,29c,29dに設けた所定の配線パターンとそれぞれ電気的に接続されている。
図7に示すように、4つのコイル27A,27B,28A,28Bにおいて、幅方向に対向する長辺側の2つの直線部分が、それぞれアクチュエータとして推力を発生する推力発生部27a,27b及び推力発生部28a,28bとなっている。第1のコイル27A,27Bは、それぞれの推力発生部27a,27bが延在する方向を第1の方向Xと直交する方向に向けて配設されている。そして、第2のコイル28A,28Bは、それぞれの推力発生部28a,28bが延在する方向を第2の方向Yと直交する方向に向けて配設されている。
像ぶれ補正装置1を組み立てた状態において、2つの第1のコイル27A,27Bの各推力発生部27a,27aには、第1のマグネット21A,21Bの一方の磁極部(この実施の例ではS極)が対向される。そして、第1のコイル27A,27Bの各推力発生部27b,27bには、第1のマグネット21A,21Bの他方の磁極部(この実施の例ではN極)が対向される。また、第2のコイル28A,28Bの各推力発生部28a,28aには、第2のマグネット22A,22Bの一方の磁極部(この実施の例ではS極)が対向され、各推力発生部28b,28bには、第2のマグネット22A,22Bの他方の磁極部(この実施の例ではN極)が対向される。
上述した第1のコイル27Aと、第1のマグネット21Aと、第1のバックヨーク23Aと、第1の対向ヨーク25Aにより、第1の電動アクチュエータ6Aが構成されている。そして、第1のコイル27Bと、第1のマグネット21Bと、第1のバックヨーク23Bと、第1の対向ヨーク25Bにより、第1の電動アクチュエータ6Bが構成されている。
また、第2のコイル28Aと、第2のマグネット22Aと、第2のバックヨーク24Aと、第2の対向ヨーク26Aにより、第2の電動アクチュエータ7Aが構成されている。そして、第2のコイル28Bと、第2のマグネット22Bと、第2のバックヨーク24Bと、第2の対向ヨーク26Bにより、第2の電動アクチュエータ7Bが構成されている。
図2等に示すように、2つの第1の電動アクチュエータ6A,6B及び2つの第2の電動アクチュエータ7A,7Bは、それぞれ補正レンズ2を中心として対称をなす位置に配置されている。そして、2つの第1の電動アクチュエータ6A,6Bは、第1の方向Xに対向されており、2つの第2の電動アクチュエータ7A,7Bは、第2の方向Yに対向されている。また、第1及び第2の電動アクチュエータ6A,6B,7A,7Bは、補正レンズ2の中心Eからのそれぞれの距離が等しくなるように設定されている。
このような配置構成において、第1のコイル27A,27Bに電流を流すと、第1のマグネット21A,21Bの磁力が各コイル27A,27Bと垂直をなす方向に作用しているため、フレミングの左手の法則により、2つの第1の電動アクチュエータ6A,6Bには第1の方向Xに向かう推力が発生する。また、第2のコイル28A,28Bに電流を流すと、第2のマグネット22A,22Bの磁力が各コイル28A,28Bと垂直をなす方向に作用しているため、フレミングの左手の法則により、2つの第2の電動アクチュエータ7A,7Bには第2の方向Yに向かう推力が発生する。
この場合、第1のコイル27A(その他のコイル27B,28A,28Bの場合も同様)において、推力の発生する直線部分からなる推力発生部27a,27bが2箇所にあり、その2箇所では電流の流れる方向が逆方向となる。しかしながら、2つの推力発生部27a,27bに作用する第1のマグネット21Aの磁力の方向も逆方向になっているため、2つの推力発生部27a,27bにて発生する推力の方向は、同一方向となる。これにより、両推力を合計した力が第1の電動アクチュエータ6Aの推力となって、移動枠3を第1の方向Xへ移動させる力として作用することになる(その他の電動アクチュエータ6B,7A,7Bの場合も同様)。
上述したような構成を有する像ぶれ補正装置1は、例えば、次のようにして組み立てることができる。まず、第1及び第2のマグネット21A,21B,22A,22Bに、第1及び第2のバックヨーク23A,23B,24A,24Bを接着剤等の固着方法によりそれぞれ固定する。次に、各バックヨーク23A,23B,24A,24Bが固定された第1及び第2のマグネット21A,21B,22A,22Bを、移動枠3の第1及び第2のマグネット固定部12A,12B,13A,13Bに接着剤や固定ねじ等の固着方法によってそれぞれ固定する。
続いて、第1及び第2のマグネット21A,21B,22A,22B等が固定された移動枠3の嵌合穴15に補正レンズ2を嵌合し、接着剤等の固着方法により固定する。これにより、図5に示すような、補正レンズ2と、4つのマグネット21A,21B,22A,22Bと、4つのバックヨーク23A,23B,24A,24Bと、移動枠3が一体化された移動枠組立体が構成される。
次に、図7等に示すように、フレキシブル配線板29の4つのコイル搭載部29a,29b,29c,29dの上面に、第1及び第2のコイル27A,27B,28A,28Bをそれぞれ搭載する。そして、第1及び第2のコイル27A,28Aの開口から露出された第1及び第2のコイル搭載部29a,29cに第1及び第2のホール素子41,42を搭載する。これにより、フレキシブル配線板29と、4つのコイル27A,27B,28A,28Bと、2つホール素子41,42が一体化されたコイル組立体が構成される。
次に、支持枠4の第1及び第2のヨーク用凹部34A,34B,35A,35Bに、第1及び第2の対向ヨーク25A,25B,26A,26Bを接着剤や固定ねじ等の固着方法によってそれぞれ固定する。そして、支持枠4に取り付けた各対向ヨーク25A,25B,26A,26Bに、コイル組立体の各コイル搭載部29a,29b,29c,29dを搭載して固定する。これにより、コイル組立体と、支持枠4と、4つの対向ヨーク25A,25B,26A,26Bが一体化された支持枠組立体が構成される。
次に、支持枠組立体の3つの球体保持部33に、3つの球体5をそれぞれ載置する。そして、支持枠組立体の各コイル27A,27B,28A,28Bに、移動枠組立体の各マグネット21A,21B,22A,22Bをそれぞれ対向させ、支持枠組立体と移動枠組立体を重ね合わせる。これにより、支持枠4の円筒部32が、移動枠3に設けた環状凸部16の開口穴16aに挿入される。そして、移動枠組立体の各マグネット21A,21B,22A,22Bが、それぞれの磁力によって支持枠組立体の各対向ヨーク25A,25B,26A,26Bに引き寄せられ、移動枠組立体が3つの球体5を介して支持枠組立体に付勢される。
このとき、4つのマグネット21A,21B,22A,22Bの磁力が、支持枠組立体に対して均等に作用するため、円筒部32の中心が環状凸部16の開口穴16aの中心に自動的に一致され、同心状態に組み立てられる。これにより、移動枠組立体と、3つの球体5と、支持枠組立体が一体化され、像ぶれ補正装置1が組み立てられる。
像ぶれ補正装置1を組み立てた状態において、移動枠3は、各マグネット21A,21B,22A,22Bの磁力によって支持枠4側に付勢され、3つの球体5を介して支持枠4に移動可能に支持されている。これにより、移動枠3と支持枠4は、3つの球体5を介して密着されるため、ガタツキを生じることなく移動枠3を移動することができ、補正レンズ2の移動制御を極めて精度良く行うことができると共に、光学特性の劣化を最小限に抑えることができる。
このような構成を有する像ぶれ補正装置1の作用は、例えば、次のようなものである。この像ぶれ補正装置1の補正レンズ2の移動は、フレキシブル配線板29を介して第1及び第2の電動アクチュエータ6A,6B,7A,7Bの各コイル27A,27B,28A,28Bに対して適宜な値の駆動電流を選択的に又は同時に供給することによって実行される。
即ち、像ぶれ補正装置1の第1のコイル27A,27B及び第2のコイル28A,28Bは、フレキシブル配線板29を介して支持枠4の第1の対向ヨーク25A,25B及び第2の対向ヨーク26A,26Bにそれぞれ固定されている。このとき、第1のコイル27A,27Bの各推力発生部27a,27bは第2の方向Yに延在され、第2のコイル28A,28Bの各推力発生部28a,28bは第1の方向Xに延在されている。また、移動枠3に固定された第1のマグネット21A,21Bが、それぞれ第1のコイル27A,27Bの上方に配置され、第2のマグネット22A,22Bが、それぞれ第2のコイル28A,28Bの上方に配置されている。
その結果、第1の対向ヨーク25A,25Bと第1のマグネット21A,21B等によって形成されるそれぞれの磁気回路の磁束が、第1のコイル27A,27Bの各推力発生部27a,27bを上下方向へ透過するように作用する。同様に、第2の対向ヨーク26A,26Bと第2のマグネット22A,22B等によって形成されるそれぞれの磁気回路の磁束が、第2のコイル28A,28Bの各推力発生部28a,28bを上下方向へ透過するように作用する。
そして、各コイル27A,27B,28A,28Bが支持枠4に固定され、この支持枠4に移動可能に支持された移動枠3に各マグネット21A,21B,22A,22Bが固定されている。そのため、補正レンズ2は移動枠3を介して第1の方向X及び第2の方向Yを含む平面上のいずれの方向に対しても所定の範囲内で移動することができる。
いま、第1の電動アクチュエータ6A,6Bの第1のコイル27A,27Bにそれぞれ電流を流すと、第1のコイル27A,27Bにおいて、各推力発生部27a,27bが第2の方向Yに延在されているため、各推力発生部27a,27bにおいて電流が第2の方向Yに流れる。このとき、第1の磁気回路の磁束が、各推力発生部27a,27bに対して垂直をなす上下方向に作用しているため、フレミングの法則により、第1のマグネット21A,21Bには第1の方向Xに向かう推力が作用する。これにより、第1のマグネット21A,21Bが固定された移動枠3が第1の方向Xに移動する。その結果、移動枠3に保持された補正レンズ2が、第1のコイル27A,27Bに流された電流の大きさに応じて、第1の方向Xに移動することになる。
このときの移動枠3に作用する力について、第1の電動アクチュエータ6Aによる推力を例に挙げて説明する。図10A及び図10Bは、第1の電動アクチュエータ6Aの推力によって移動枠3に作用する力を説明するものである。ここで、図10Aに示すように、第1の電動アクチュエータ6Aの第1のマグネット21Aの中心を点Oとし、第2の電動アクチュエータ7Aの第2のマグネット22Aの中心を点Pとして、第2の電動アクチュエータ7Bの第2のマグネット22Bの中心を点Qとする。
いま、第1の電動アクチュエータ6Aの第1のコイル27Aに電流を流すことにより、フレミングの左手の法則に基づいて、推力Foが点Oに発生したものとする。このとき、第2の電動アクチュエータ7A,7Bの第2のマグネット22A,22Bが、その磁力によりそれぞれ第2の対向ヨーク26A,26Bに引き寄せられているため、移動枠3には、第1の電動アクチュエータによる推力Foに対向してこれを抑制する方向に働く力、即ち、反力Fpと反力Fqが発生する。
反力Fpは、点Pから点Oに向かう方向にその向きを有し、その力の大きさは、第2のマグネット22Aの磁力の大きさに比例している。また、反力Fqは、点Qから点Oに向かう方向にその向きを有し、その力の大きさは、第2のマグネット22Bの磁力の大きさに比例している。そして、第2のマグネット22A,22Bの磁力の大きさが等しいことから、反力Fpと反力Fqの力の大きさ(ベクトルの長さ)は等しくなっている。
また、第2のマグネット22A,22Bは、補正レンズ2を挟んで対称な位置に配置されていると共に、第2のマグネット22Aから第1のマグネット21Aまでの距離と、第2のマグネット22Bから第1のマグネット21Aまでの距離が等しくなっている。そのため、点Pと点O間を結ぶ線と点Oから第1の方向Xに伸びる線とが作る角度θaと、点Qと点O間を結ぶ線と点Oから第1の方向Xに伸びる線とが作る角度θbが等しくなる。
これにより、反力Fpと反力Fqを合成した合成反力Frの力の向きは、第1の方向X上ではあるが、第1の電動アクチュエータ6Aによる推力Foと反対方向に作用する。これにより、移動枠3には、推力Foから合成反力Frを引いた力(Fo−Fr)が、第1の方向Xにおいて、推力Foの作用方向に作用する。その結果、推力Foと合成反力Frを合成した力の向きは移動枠3を移動させる方向である第1の方向Xと一致するため、移動枠3を第1の方向Xへ真っ直ぐ移動させることができ、移動枠3の直進性を向上させることができる。
この場合、反力Fpと反力Fqは、それぞれ第2のマグネット22A,22Bの配置及び磁力によって決定され、第1の電動アクチュエータ6Aによる推力Foの影響を受けないため、合成反力Frは、常に推力Foと反対方向を向く。そのため、推力Foの大きさによって移動枠3の移動方向が変化することはなく、移動枠3の移動方向を常に安定させることができる。
また、第1の電動アクチュエータ6Bを駆動させた場合や、2つの第1の電動アクチュエータ6A,6Bを一緒に駆動させた場合であっても、合成反力Frは常に一定であるため、移動枠3の直進性を向上させることができ、移動枠3を第1の方向Xに安定して移動させることができる。なお、第2の電動アクチュエータ7A,7Bにおいても、その作用は同様である。即ち、第2の電動アクチュエータ7A,7Bを駆動させて、移動枠3を第2の方向Yに移動させる場合には、第1のマグネット21A,21Bの磁力によって反力が発生し、その合成反力は、第2の電動アクチュエータ7A,7Bによって発生する推力と反対方向を向く。そのため、移動枠3の直進性を向上させることができ、移動枠3を第2の方向Yに安定して移動させることができる。
第1のコイル27A,27Bと第2のコイル28A,28Bに同時に電流を流すと、上述した第1のコイル27A,27Bによる移動動作と第2のコイル28A,28Bによる移動動作とが複合的に実行される。即ち、第1のコイル27A,27Bに流れる電流の作用によって補正レンズ2が第1の方向Xに移動すると同時に、第2のコイル28A,28Bに流れる電流の作用によって補正レンズ2が第2の方向Yに移動する。その結果、補正レンズ2が斜め方向に移動して、像ぶれを補正することになる。
図11A〜図11Cは、第1の電動アクチュエータ6A,6Bと第2の電動アクチュエータ7A,7Bを共に駆動させていない状態を示している。この状態において、移動枠3は、各マグネット21A,21B,22A,22Bの磁力によって、補正レンズ2の光軸が支持枠4の貫通穴31の中心に一致した基準位置に付勢されている。そして、移動枠3が基準位置にあるとき、補正レンズ2の光軸は、後述するレンズ系の光軸Lに一致される。
この移動枠3の基準位置において、移動枠3に設けた環状凸部16の中心が支持枠4に設けた円筒部32の中心に一致して、両者が同心円上に位置されている。そのため、移動枠3の基準位置において、円筒部32の外壁から環状凸部16の内壁までの距離が360度全て等しくなり、距離tとなる。これにより、移動枠3の基準位置からの移動範囲を、360°全て同じ距離tにすることができる。その結果、図12〜図15に示すように、移動枠3を何れの方向に移動させても、推力(ベクトル)Fに一致する線上で環状凸部16を円筒部32に当接させることができ、移動枠3が環状凸部16に沿って回転することを防止することができる。
補正レンズ2の駆動制御を行うためには、その補正レンズ2の位置を検出する位置検出器を設けることが好ましい。本実施の例では、図16等に示すように、位置検出器として、2個のホール素子41,42を設けている。そして、2個のホール素子41,42で第1のマグネット21Aと第2のマグネット22Aの磁力を検出し、その磁力の大きさに基づいて補正レンズ2の位置を算出するように構成している。
図16に示すように、第1のホール素子41は、第1のコイル27Aの巻回部の空隙内に配置され、フレキシブル配線板29の第1のコイル搭載部29aに搭載されている。この第1のホール素子41の中心部は、第1のマグネット21AのN極とS極の極境に設定されている。また、第2のホール素子42は、第2のコイル28Aの巻回部の空隙内に配置され、フレキシブル配線板29の第2のコイル搭載部29cに搭載されている。この第2のホール素子42の中心部は、第2のマグネット22AのN極とS極の極境に設定されている。
図17は、第1のホール素子41及び第2のホール素子42の配置の第2の実施例を示すものである。図17に示すように、第1のホール素子41は、第1のコイル27Aの外側に配置され、フレキシブル配線板29の第1のコイル搭載部29aに搭載されている。また、第2のホール素子42は、第2のコイル28Aの外側に配置され、フレキシブル配線板29の第2のコイル搭載部29cに搭載されている。そして、第1のホール素子41の中心部は、第1のマグネット21AのN極とS極の極境に設定され、第2のホール素子42の中心部は、第2のマグネット22AのN極とS極の極境に設定されている。
第1及び第2のホール素子41,42は、各マグネット21A,22AのN極、S極の磁力を検出し、その磁力の強さに応じた検出信号をそれぞれ出力する。そして、各ホール素子41,42からの検出信号に基づいて制御装置が、補正レンズ2の第1の方向Xと第2の方向Yの位置を演算して算出する。これにより、制御装置は、補正レンズ2の駆動制御を精度良く行なうことが可能となる。
図18A及び図18Bは、第1及び第2のマグネット21A,22Aの極境を横断する第1及び第2のホール素子41,42が、その位置によってマグネット21A,22Aから受ける磁力の強さを示したものである。以下、第1のホール素子41を例に挙げて第1のマグネット21Aの磁力の検出について説明するが、第2のホール素子42においても同様に第2のマグネット22Aの磁力の強さを検出するものである。
図18Aに示すように、第1のマグネット21A、第1のバックヨーク23A及び第1の対向ヨーク25Aによる磁束は、第1のマグネット21Aの下側にあるN極21a(第2のマグネット22Aの場合はN極22a)から、対向する第1の対向ヨーク25Aに進行し、第1の対向ヨーク25A内を通って対向する第1のマグネット21Aの下側にあるS極21b(第2のマグネット21Aの場合はS極22b)に進行する。そして、第1のマグネット21AのN極21aとS極21bの極境上では、磁束はどちらの方向にも進行しない。
第1のホール素子41は、第1のマグネット21AのN極21aから第1の対向ヨーク25Aに進行する磁束の磁束密度をプラス(+)の値として検出し、第1の対向ヨーク25Aから第1のマグネット21AのS極21bに進行する磁束の磁束密度をマイナス(−)の値として検出する。また、第1のホール素子41は、その中心部がN極21aとS極21bの極境に対向した状態において、磁束密度の値を0として検出する。
いま、移動枠3が第1の方向Xに移動すると、第1のホール素子41と第1のマグネット21Aが相対的に移動する。このとき、第1のホール素子41がプラス(+)の磁束密度を検出すると、第1のホール素子41は相対的にN極21a側に移動したことになる。これにより、制御装置は、移動枠3が図12に示すような第1の方向Xの一方(+)に移動したと判断すると共に、検出した磁束密度の絶対値によって移動距離を算出する。また、第1のホール素子41がマイナス(−)の磁束密度を検出すると、第1のホール素子41は相対的にS極21b側に移動したことになる。これにより、制御装置は、移動枠3が図13に示すような第1の方向Xの他方(−)に移動したと判断すると共に、検出した磁束密度の絶対値によって移動距離を算出する。
図19は、第1の実施の例の像ぶれ補正装置に係る4つの位置検出器の配置の第1の実施の例を示す像ぶれ補正装置1Aを説明する説明図である。この像ぶれ補正装置1Aが第1の実施の例を示す像ぶれ補正装置1と異なるところは、第1及び第2のホール素子をそれぞれ2つずつ設ける構成にしたことである。この実施の例の構成のうち第1の実施の例の像ぶれ補正装置1と共通する部分には同一符号を付して重複した説明を省略する。
図19に示すように、像ぶれ補正装置1Aの第1のホール素子41A,41Bは、それぞれ第1のコイル27A,27Bの巻回部の空隙内に配置され、フレキシブル配線板29の第1のコイル搭載部29a,29bに搭載されている。これら第1のホール素子41A,41Bは、補正レンズ2の中心Eを中心として対称な位置に配置されており、各中心部が第1のマグネット21A,21Bの下側の極境に対向されている。
また、像ぶれ補正装置1Aの第2のホール素子42A,42Bは、それぞれ第1のコイル28A,28Bの巻回部の空隙内に配置され、フレキシブル配線板29の第2のコイル搭載部29c,29dに搭載されている。これら第2のホール素子42A,42Bも第1のホール素子41A,41Bと同様に、補正レンズ2の中心Eを中心として対称な位置に配置されており、各中心部が第2のマグネット22A,22Bの下側の極境に対向されている。
ここで、第1及び第2のホール素子を第1の電動アクチュエータと第2の電動アクチュエータに1つずつ合計2個設けた場合の位置検出について、図20A及び図20Bを参照して説明する。図20Aは、第1のホール素子41と第2のホール素子42を備えた第1の実施の例の像ぶれ補正装置1を模式的に表した説明図である。いま、外的付加や各マグネット21A,21B,22A,22Bの磁力の誤差等により、移動枠3が基準位置から補正レンズ2の中心Eを中心に回転したとする。この場合、補正レンズ2は、その中心Eを中心として回転しただけであって基準位置から移動していない。
ところが、図20Bに示すように、移動枠3の回転により第1及び第2のホール素子41,42と第1及び第2のマグネット21A,22Aが相対的に回転変位され、第1及び第2のホール素子41,42がそれぞれマグネット21A,22AのN極側に変位する。そのため、図22Aに示すように、第1のホール素子41の出力は、移動枠3が基準位置にあるときの第1のホール素子41の出力(M)にプラスの磁束密度(m)が加わって、出力(M+m)となる。
同様に、第2のホール素子42の出力は、移動枠3が回転する前の第2のホール素子42の出力(M)にプラスの磁束密度(m)が加わって、出力(M+m)となる。即ち、第1のホール素子41は、補正レンズ2が基準位置から第1の方向Xに誤差n1だけ移動した位置に対応した値の検出信号を出力し、第2のホール素子42は、補正レンズ2が基準位置から第2の方向Yに誤差n2だけ移動した位置に対応した値の検出信号を出力する。
これにより、この状態の像ぶれ補正装置1では、移動枠3が回転した場合の位置検出において、第1の方向Xに誤差n1及び第2の方向Yに誤差n2が生じることになり、高精度な像ぶれ補正を行うことが困難になる。なお、図20Bに示すように、補正レンズ2の中心Eから各マグネット21A,21B,22A,22Bのそれぞれの極境までの距離をHとし、移動枠3の回転角をθxとすると、誤差n1及び誤差n2は、次式により算出される。
誤差n1=H×1/cosθx−H
誤差n2=H×1/cosθx−H
次に、第1のホール素子及び第2のホール素子をそれぞれ2つずつ設けた本発明の第2の実施の例について、図21A及び図21Bを参照して説明する。図21Aは、第2の実施の例の像ぶれ補正装置1Aを模式的に表した説明図である。4つのホール素子41A,41B,42A,42Bは、4つのコイル27A,27B,28A,28Bの巻回部の空隙内にそれぞれ配置されている。いま、補正レンズ2の中心Eがレンズ系の光軸に一致しており、その状態で移動枠3が回転したとする。この場合、補正レンズ2は、その中心Eを中心として回転しただけであって基準位置から移動していない。
ところが、図21Bに示すように、移動枠3の回転により第1及び第2のホール素子41A,41B,42A,42Bと第1及び第2のマグネット21A,21B,22A,22Bがそれぞれ相対的に回転変位される。即ち、2つのホール素子41A,42AがN極側に変位し、残りの2つのホール素子41B,42BがS極側に変位する。
そのため、第1のホール素子41Aの出力は、図22Aに示すように、移動枠3が基準位置にあるときの第1のホール素子41Aの出力(M)にプラスの磁束密度(m)が加わって、出力(M+m)となる。これに対し、第1のホール素子41Aと対をなす第1のホール素子41Bの出力は、図22Bに示すように、移動枠3が基準位置にあるときの第1のホール素子41Bの出力(M)にマイナスの磁束密度(−m)が加わって、出力(M−m)となる。
また、第2のホール素子42Aの出力は、移動枠3が基準位置にあるときの第2のホール素子42Aの出力(M)にプラスの磁束密度(m)が加わって、出力(M+m)となる。これに対し、第2のホール素子42Aと対をなす第2のホール素子42Bの出力は、移動枠3が基準位置にあるときの第2のホール素子42Bの出力(M)にマイナスの磁束密度(−m)が加わって、出力(M−m)となる。
即ち、移動枠3が補正レンズ2を中心に回転した場合、各ホール素子41A,41B,42A,42Bのそれぞれの出力は以下のようになる。
第1のホール素子41Aの出力=M+m
第1のホール素子41Bの出力=M−m
第2のホール素子42Aの出力=M+m
第2のホール素子42Bの出力=M−m
そして、制御装置は、補正レンズ2の第1の方向Xに関する位置情報を次式により得られる合成出力から算出する。
合成出力=第1のホール素子41Aの出力+第1のホール素子41Bの出力/2
=((M+m)+(M−m))/2
=2M/2
=M
上記のように、2つの第1のホール素子41A,41Bの合成出力がMとなるため、制御装置は、補正レンズ2の位置を基準位置から第1の方向Xに移動していない位置として算出することができる。
また、制御装置は、補正レンズ2の第2の方向Yに関する位置情報を、次式により得られる合成出力から算出する。
合成出力=第2のホール素子42Aの出力+第2のホール素子42Bの出力/2
=((M+m)+(M−m))/2
=2M/2
=M
上記のように、2つの第2のホール素子42A,42Bの合成出力がMとなるため、制御装置は、補正レンズ2の位置を基準位置から第2の方向Yに移動していない位置として算出することができる。
なお、移動枠3が基準位置以外の場所で回転した場合においても、2つの第1のホール素子41A,41Bの合成出力及び2つの第2のホール素子42A,42Bの合成出力から補正レンズ2の第1の方向X及び第2の方向Yに関する位置検出を行うことで、補正レンズ2の位置を正確に検出することができる。このように、像ぶれ補正装置1Aでは、図21Bに示す移動枠3が回転した場合に生じる位置検出の誤差n1及び誤差n2を解消して、補正レンズ2の位置を正確に検出することができ、高精度な像ぶれ補正を行うことができる。
図23は、第1の実施の例の像ぶれ補正装置に係る4つの位置検出器の配置の第2の実施の例を示すものである。図23に示すように、像ぶれ補正装置1Aの2つの第1のホール素子41A,41Bは、それぞれ第1のコイル27A,27Bの外側に設けられ、フレキシブル配線板29の2つの第1のコイル搭載部29a,29bに搭載されている。これら第1のホール素子41A,41Bは、補正レンズ2の中心Eを中心として対称な位置に配置されており、各中心部が第1のマグネット21A,21Bの下側の極境に対向されている。
像ぶれ補正装置1Aの2つの第2のホール素子42A,42Bは、それぞれ第2のコイル28A,28Bの外側に設けられ、フレキシブル配線板29の2つの第2のコイル搭載部29c,29dに搭載されている。これら第2のホール素子42A,42Bも第1のホール素子41A,41Bと同様に、補正レンズ2の中心Eを中心として対称な位置に配置されており、各中心部が第2のマグネット22A,22Bの下側に設けられた極境に対向されている。このように4つのホール素子41A,41B,42A,42Bを略90度の等角度間隔で配置することにより、移動枠3が回転した場合に生じる位置検出の誤差n1及び誤差n2を解消することができる。これにより、補正レンズ2の位置を正確に検出することができ、高精度な像ぶれ補正を行うことができる。
図24は、本発明の像ぶれ補正装置の第2の実施の例を示す像ぶれ補正装置1Bを説明する断面図である。この像ぶれ補正装置1Bは、ムービングコイル方式の電動アクチュエータを備えて構成されている。即ち、像ぶれ補正装置1Bは、上述した第1の実施の例を示す像ぶれ補正装置1のうち、第1及び第2のマグネット21A,21B,22A,22Bと、4つの対向ヨーク25A,25B,26A,26B及び4つのコイル27A,27B,28A,28Bとを逆に配置し、支持枠4に4つのマグネット21A,21B,22A,22Bを配置し、移動枠3に4つのコイル27A,27B,28A,28Bを配置したものである。
この像ぶれ補正装置1Bでは、支持枠4に固定された4つのマグネット21A,21B,22A,22Bの磁力によって、移動枠3に固定された対向ヨーク25A,25B,26A,26Bが引き寄せられることにより、移動枠3が支持枠4側に付勢されている。このような構成を有する像ぶれ補正装置1Bによっても、移動枠3に直進性を持たせて当該移動枠3を第1の方向X及び第2の方向Yを含む平面と平行に移動させることができる。そして、第1の実施の例に係る像ぶれ補正装置1と同様の効果を得ることができる。
図25は、本発明の像ぶれ補正装置の第3の実施の例を示す像ぶれ補正装置1Cを説明する説明図である。この像ぶれ補正装置1Cが第1の実施の例と異なるところは、第1の電動アクチュエータ6A,6Bと、第2の電動アクチュエータ7A,7Bの配置のみである。そのため、像ぶれ補正装置1と同一部分には同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
図25に示すように、像ぶれ補正装置1Cは、移動枠3Cと、この移動枠3Cの略中央部に保持される補正レンズ2と、移動枠3Cをレンズ系の光軸と直交する第1の方向Xに移動させる2つの第1の電動アクチュエータ6A,6Bと、移動枠3Cをレンズ系の光軸と直交する方向であって第1の方向Xとも直交する第2の方向Yに移動させる2つの第2の電動アクチュエータ7A,7Bと、図示しない支持枠及びその支持枠と移動枠3Cの間に介在される3つの球面ガイド(球体)等を備えて構成されている。
2つの第1の電動アクチュエータ6A,6Bは、補正レンズ2を中心として対称をなす位置に配置されていて、第1の方向X及び第2の方向Yに対してはそれぞれ略45度変位した位置に対向されている。また、2つの第2の電動アクチュエータ7A,7Bは、補正レンズ2を中心として対称をなす位置に配置されていて、2つの第1の電動アクチュエータ6A,6Bが対向する方向と直交する方向に対向されている。そして、第1及び第2の電動アクチュエータ6A,6B,7A,7Bは、補正レンズ2の中心Eからのそれぞれの距離が等しくなるように設定されている。
このような構成を有する像ぶれ補正装置1Cにおいて、第1の電動アクチュエータ6A,6Bを駆動させて移動枠3Cを第1の方向Xに移動させる場合には、第2の電動アクチュエータ7A,7Bの図示しないマグネットの磁力によって反力が発生する。この合成反力は、第1の実施の例で示した像ぶれ補正装置1と同様に、第1の電動アクチュエータ6A,6Bによって発生する推力と反対方向を向くため、移動枠3Cの直進性を向上させることができ、移動枠3Cを第1の方向Xに安定して移動させることができる。
また、第2の電動アクチュエータ7A,7Bを駆動させて、移動枠3Cを第2の方向Yに移動させる場合には、第1の電動アクチュエータ6A,6Bの図示しないマグネットの磁力によって反力が発生する。この合成反力は、第2の電動アクチュエータ7A,7Bによって発生する推力と反対方向を向くため、移動枠3Cの直進性を向上させることができ、移動枠3Cを第2の方向Yに安定して移動させることができる。
図26は、本発明の像ぶれ補正装置の第4の実施の例を示す像ぶれ補正装置1Dを説明する説明図である。この像ぶれ補正装置1Dが第1の実施の例と異なるところは、第4の実施の例と同様に、第1の電動アクチュエータ6A,6Bと、第2の電動アクチュエータ7A,7Bの配置のみである。そのため、像ぶれ補正装置1と同一部分には同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
図26に示すように、像ぶれ補正装置1Dは、移動枠3Dと、この移動枠3Dの略中央部に保持される補正レンズ2と、移動枠3Dをレンズ系の光軸と直交する第1の方向Xに移動させる2つの第1の電動アクチュエータ6A,6Bと、移動枠3Cをレンズ系の光軸と直交する方向であって第1の方向Xとも直交する第2の方向Yに移動させる2つの第2の電動アクチュエータ7A,7Bと、図示しない支持枠及びその支持枠と移動枠3Dの間に介在される3つの球面ガイド(球体)等を備えて構成されている。
2つの第1の電動アクチュエータ6A,6Bは、補正レンズ2を中心として対称をなす位置に配置されていて、第1の方向Xに対向されている。また、2つの第2の電動アクチュエータ7A,7Bは、補正レンズ2を中心として対称をなす位置に配置されていて、2つの第1の電動アクチュエータ6A,6Bが対向する方向に適当な角度αで交わる方向に対向されている。そして、第1及び第2の電動アクチュエータ6A,6B,7A,7Bは、補正レンズ2の中心Eからのそれぞれの距離が等しくなるように設定されている。
また、第1及び第2の電動アクチュエータ6A,6B,7A,7Bの図示しない各マグネットの磁力の大きさが適宜の値に調整されている。これにより、第2の電動アクチュエータ7A,7Bの各マグネットによる合成反力が、第1の電動アクチュエータ6A,6Bによって発生される推力と反対方向を向く。また、第1の電動アクチュエータ6A,6Bの各マグネットによる合成反力が、第2の電動アクチュエータ7A,7Bによって発生される推力と反対方向を向く。その結果、移動枠3Dの直進性を向上させることができ、移動枠3Dを第1の方向X及び第2の方向Yに安定して移動させることができる。
図27は、本発明の像ぶれ補正装置の第5の実施の例を示す像ぶれ補正装置1Eを説明する説明図である。この像ぶれ補正装置1Eが第1の実施の例と異なるところは、第1の電動アクチュエータ6A,6Bを第2の方向Yに対向させ、第2の電動アクチュエータ7A,7Bを第1の方向Xに対向させて配置した点である。そのため、像ぶれ補正装置1と同一部分には同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
図27に示すように、像ぶれ補正装置1Eでは、移動枠3を第1の方向Xに移動させる2つの第1の電動アクチュエータ6A,6Bが、補正レンズ2を中心として対称をなす位置に配置されていて、第2の方向Yに対向されている。また、移動枠3を第2の方向Yに移動させる2つの第2の電動アクチュエータ7A,7Bは、補正レンズ2を中心として対称をなす位置に配置されていて、第1の方向Xに対向されている。
このような構成を有する像ぶれ補正装置1Eにおいても、移動枠の移動を抑制する方向に働く合成反力が第1の電動アクチュエータ6A,6B及び/又は第2の電動アクチュエータ7A,7Bの推力と反対方向に向く。そのため、移動枠3の直進性を向上させることができ、移動枠3を第1の方向X及び第2の方向Yに安定して移動させることができる。
図28〜図30は、前述したような構成及び作用を有する像ぶれ補正装置1を備えた本発明のレンズ鏡筒の第1の実施の例を示すものである。このレンズ鏡筒50は、1つの光軸L上に複数のレンズを配置した5群レンズを有するレンズ系51と、このレンズ系51のレンズを固定又は移動可能に支持する筒体52と、レンズ系51の光軸L上に配置されると共に筒体52に固定された撮像素子(例えば、CCDやCMOS等)54と、筒体52に装着されると共にレンズ系51の像ぶれを補正する像ぶれ補正装置1等を備えて構成されている。
図28及び図29A,Bに示すように、レンズ鏡筒50のレンズ系51は、5組のレンズ群を同一光軸L上に配置した5群レンズ57〜61からなる折り曲げ式レンズとして構成されている。5群レンズ57〜61のうち、先端側に位置する1群レンズ57は、被写体に対向される対物レンズである第1のレンズ57Aと、この対物レンズ57Aの被写体と反対側に配置されたプリズム57Bと、このプリズム57Bに対向される第2のレンズ57Cとによって構成されている。プリズム57Bは、断面形状が直角二等辺三角形をなす三角柱体からなり、90度回転変位した位置に隣り合う2つの面の一方に対物レンズ57Aが対向され、他方の面に第2のレンズ57Cが対向されている。
この1群レンズ57では、対物レンズ57Aを透過して一面からプリズム57Bに入射した光は、光軸Lに対して45度に傾斜した反射面で反射されて進行方向が90度折り曲げられる。次いで、折り曲げられた光は、他面から出射されて第2のレンズ57Cを透過する。そして、透過した光は、光軸Lに沿って2群レンズ58に向かって進行する。2群レンズ58は、第3のレンズ58Aと第4のレンズ58Bとの組み合わせからなり、光軸L上を移動可能に構成されている。2群レンズ58を透過した光は、3群レンズ59に入射される。
3群レンズ59は、レンズ鏡筒50の筒体52に固定される第5のレンズからなっている。3群レンズ59の後方には、第6のレンズからなる4群レンズ60が配置されている。この4群レンズ60と3群レンズ59の間には、レンズ系51を通過する光の量を調整可能な絞り機構62が配置されている。4群レンズ60は、光軸L上を移動可能に構成されている。4群レンズ60の後方には、第7のレンズ61Aと補正レンズ2とからなる5群レンズ61が配置されている。5群レンズ61のうち、第7のレンズ61Aはレンズ鏡筒50の筒体52に固定されている。また、この第7のレンズ61Aの後方に補正レンズ2が移動可能に配置されている。更に、補正レンズ2の後方に撮像素子54が配置されている。
2群レンズ58と4群レンズ60は、それぞれ別個独立に光軸Lに沿って光軸方向へ移動可能とされている。この2群レンズ58と4群レンズ60を所定方向へ移動させることにより、ズーム調整とフォーカス調整を行うことができる。即ち、ズーム時には、2群レンズ58と4群レンズ60をワイド(広角)からテレ(望遠)まで移動することによってズーム調整が実行される。また、フォーカス時には、4群レンズ60をワイド(広角)からテレ(望遠)まで移動することによってフォーカス調整を実行することができる。
撮像素子54は撮像素子用アダプタに固定されており、この撮像素子用アダプタを介してレンズ鏡筒50の筒体52に取り付けられている。撮像素子54の一側には光学フィルタ64が配置されている。そして、この光学フィルタ64と第7のレンズ61Aとの間には、補正レンズ2を有する像ぶれ補正装置1が配設されている。
補正レンズ2は、通常の状態において、その光軸をレンズ系51の光軸Lと一致させるように取り付けられている。そして、カメラの振動等によって撮像素子54の結像面に像ぶれが生じたときに、像ぶれ補正装置1が補正レンズ2を光軸Lと直交する2方向(第1の方向X及び第2の方向Y)に移動させて結像面の像ぶれを補正するようにしている。
次に、像ぶれ補正装置1が装着されたレンズ鏡筒50のレンズ系51の動作を、図30を参照して説明する。レンズ系51の対物レンズ57Aを被写体に向けると、被写体からの光が対物レンズ57Aからレンズ系51内に入力される。このとき、対物レンズ57Aを透過した光はプリズム57Bで90度屈折される。その後、この屈折した光は、レンズ系51の光軸Lに沿って撮像素子54に向かって移動する。即ち、プリズム57Bで反射されて1群レンズ57の第2のレンズ57Cを出た光は、2群レンズ58,3群レンズ59,4群レンズ60を経て5群レンズ61の第7のレンズ61A及び補正レンズ2を透過する。そして、光学フィルタ64を経て撮像素子54の結像面に被写体に対応した画像が結像される。
この場合、撮影時において、レンズ鏡筒50に手ぶれや振動が生じていないときに、被写体からの光は、実線で示す光56Aのように、1群レンズ57〜5群レンズ61のそれぞれ中心部を光軸Lに沿って移動する。よって、撮像素子54の結像面において所定位置に像を結ぶことになる。そのため、かかる場合には、像ぶれを生ずることなく綺麗な画像を得ることができる。
一方、撮影時において、レンズ鏡筒50に手ぶれや振動が発生すると、被写体からの光は、一点鎖線で示す光56Bか又は破線で示す光56Cのように、傾いた状態で1群レンズ57に入力されることになる。そのような入射光56B,56Cは、1群レンズ〜5群レンズのそれぞれにおいて、光軸Lからずれた状態で透過することになる。しかし、その手ぶれ等に応じて補正レンズ2を所定量移動させることにより、その手ぶれ等を補正することができる。これにより、撮像素子54の結像面において、所定位置に像を結ぶことができ、像ぶれを解消して綺麗な画像を得ることができる。
このレンズ鏡筒50の手ぶれや振動等の有無は、像ぶれ検出器によって検出するようにする。この像ぶれ検出器としては、例えば、ジャイロセンサを用いることができる。このジャイロセンサをレンズ鏡筒50と共にカメラに搭載する。そして、このジャイロセンサが、撮影者の手の震えや揺れ等によってレンズ鏡筒50に働く加速度、角速度、角加速度等を検出するようにする。このジャイロセンサで検出した加速度や角速度等の情報を制御装置に供給する。
そして、撮像素子54の結像面において所定位置に像を結ぶように、第1の電動アクチュエータ6A,6B及び/又は第2の電動アクチュエータ7A,7Bを駆動制御する。即ち、第1の方向Xの揺れに対しては、第1の電動アクチュエータ6A,6Bを駆動制御し、移動枠3を第1の方向Xに移動させる。また、第2の方向Yの揺れに対しては、第2の電動アクチュエータ7A,7Bを駆動制御し、移動枠3を第2の方向Yに移動させる。
本実施の例では、折り曲げ式レンズとして構成したレンズ鏡筒50に像ぶれ補正装置1を搭載したが、本発明に係る像ぶれ補正装置1は、レンズ系の光軸を水平方向に向けた直動式レンズ鏡筒に搭載することもできる。この場合、像ぶれ補正装置1の移動枠3は、各マグネット21A,21B,22A,22Bの磁力により常に基準位置に付勢されるため、移動枠3を重力に反する方向に持ち上げて保持することができる。その結果、常に電動アクチュエータに通電して移動枠3を持ち上げる推力を発生させる必要がなく、消費電力を飛躍的に削減することができる。
図31〜図34は、前述したような構成を有するレンズ鏡筒50を備えた撮像装置の第1の実施の例を示すデジタルスチルカメラ100を表したものである。このデジタルスチルカメラ100は、情報記録媒体として半導体記録メディアを使用している。そして、デジタルスチルカメラ100は、被写体からの光学的な画像を撮像素子(CCDやCMOS等)で電気的な信号に変換している。これにより、このデジタルスチルカメラ100は、撮像素子に得られた撮像情報を半導体記録メディアに記録したり、液晶ディスプレイ等の表示装置に表示したりすることができるようになっている。
このデジタルスチルカメラ100は、撮像装置本体の一具体例を示すカメラ本体101と、被写体の像を光として取り込んで撮像素子54に導くレンズ鏡筒50と、撮像素子54から出力される映像信号に基づいて画像を表示する液晶ディスプレイ等からなる表示装置102と、レンズ鏡筒50の動作や表示装置102の表示等を制御する制御装置と、図示しないバッテリー電源等を備えて構成されている。
図31等に示すように、カメラ本体101は、横長とされた偏平の筒体からなっている。このカメラ本体101は、前後方向に重ね合わされたフロントケース105及びリアケース106と、このフロントケース105とリアケース106とで形成された空間部を前後に仕切るメインフレーム107と、フロントケース105の前面である第1の主面に上下方向へスライド可能に取り付けられたレンズカバー108等によって構成されている。メインフレーム107の前面(第1の主面)には、レンズ鏡筒50の対物レンズ57Aが臨まれている。そして、その対物レンズ57Aがレンズカバー108によって開閉可能とされている。
対物レンズ57Aは、メインフレーム107の一側の上部に配置されている。そして、レンズ鏡筒50が、撮像素子54を下にして図28等に示す第2の光軸L2を上下方向に向けた状態でカメラ本体101に取り付けられている。更に、レンズ系51の図28等に示す第1の光軸L1が、カメラ本体101の厚さ方向である前後方向に延在されている。これにより、像ぶれ補正装置1のレンズ駆動部である第1の電動アクチュエータ6A,6B及び第2の電動アクチュエータ7A,7Bが、カメラ本体101内において、第2の光軸L2と直交する方向に配置されている。なお、メインフレーム107には、配線基板上に所定のマイクロコンピュータ、抵抗やコンデンサその他の電子部品等を搭載することによって形成された図示しない制御装置と、フラッシュ装置110等が取り付けられている。
制御装置はレンズ鏡筒50と横並びに配置されており、これらの上方にフラッシュ装置110が配置されている。フラッシュ装置110は、フロントケース105の前面に露出される発光部と、その発光部を駆動制御する駆動部と、駆動部に所定の電力を供給するコンデンサ等を備えて構成されている。このフラッシュ装置110の発光部と対物レンズ57Aを露出させるため、フロントケース105の対応する位置にはレンズ嵌合穴111aとフラッシュ嵌合穴111bが設けられている。そして、レンズ嵌合穴111aには化粧板66と共に対物レンズ57Aが嵌合され、フラッシュ嵌合穴111bにはフラッシュ装置110の発光部が嵌合されている。
更に、フロントケース105には、レンズカバー108に設けた複数の脚片が挿通される図示しない複数の開口穴が設けられている。レンズカバー108は、複数の脚片に抜け止め部を設けることによってフロントケース105からの脱落が防止されている。このレンズカバー108は、複数の開口穴によって上下方向への移動が可能とされていると共に、図示しないロック手段により上端部と下端部においてロック可能とされている。図31に示すように、レンズカバー108が上端部にあるときには、対物レンズ57Aが完全に閉じられている。これにより、対物レンズ57Aの保護が図られる。一方、図32に示すように、レンズカバー108を下端部に移動すると、対物レンズ57Aが完全に開かれると共に電源スイッチがオンに入力される。これにより、撮影が可能となるように構成されている。
図33に示すように、リアケース106には、表示装置102の表示面を露出させるための四角形の開口窓112が設けられている。開口窓112は、リアケース106の第2の主面である背面を大きく開口して設けられている。また、開口窓112の内側には、表示装置102が配置されている。表示装置102は、開口窓112に対応した大きさを有する液晶ディスプレイと、この液晶ディスプレイの内面に重ね合わされるバックライトの組み合わせからなる。表示装置102の液晶ディスプレイ側には図示しないシール枠を介して図示しない保護板が配置されている。そして、この保護板の周縁部が開口窓112の内面に接触されている。
更に、リアケース106には、各種の操作スイッチが設けられている。操作スイッチとしては、例えば、機能モード(静止画、動画、再生等)を選択するモード選択ツマミ115、ズーム操作を実行するズームボタン116、画面表示を行う画面表示ボタン117、各種メニューを選択するメニューボタン118、メニューを選択するカーソル等を移動させる方向キー119、画面サイズの切り換えや画面削除を行う画面ボタン121等を挙げることができ、これらが適当な位置に配置されている。リアケース106の表示装置102側の端部にはスピーカ用孔122が開口されている。また、スピーカ用孔122の内側にスピーカが内蔵されている。そして、これと反対側のリアケース106の端部に、ストラップ用の支持金具123が取り付けられている。
また、図34等に示すように、カメラ本体101の上面には、電源をオン・オフさせる電源ボタン125、撮影の開始や停止を実行する撮影ボタン126、手ぶれが生じたときに像ぶれ補正装置1を動作させて像ぶれ補正を実行する手ぶれ設定ボタン127等が設けられている。更に、カメラ本体101上面の略中央部にはマイクロホン用孔128が開口されていて、その内側にマイクロホンが内蔵されている。これら電源ボタン125と撮影ボタン126と手ぶれ設定ボタン127は、カメラ本体101に装着されるスイッチホルダ124に取り付けられている。更に、マイクロホン用孔128もスイッチホルダ124に開口されている。このスイッチホルダ124に内蔵マイクロホンが固定されている。そして、スイッチホルダ124は、その一部をフロントケース105とリアケース106とで挟み込むようにしてカメラ本体101に保持されている。
図35は、前述した像ぶれ補正装置1の制御概念を説明するブロック図である。制御部130は、像ぶれ補正演算部131とアナログサーボ部132と駆動回路部133と4つの増幅器(AMP)134A,134B,135A,135B等を備えて構成されている。像ぶれ補正演算部131には、第1の増幅器(AMP)134Aを介して第1のジャイロセンサ136aが接続されている。更に、像ぶれ補正演算部131には、第2の増幅器(AMP)134Bを介して第2のジャイロセンサ136bも接続されている。
第1のジャイロセンサ136aは、カメラ本体101に付加された手ぶれ等による第1の方向Xの変位量を検出し、第2のジャイロセンサ136bは、カメラ本体101に付加された手ぶれ等による第2の方向Yの変位量を検出するものである。この実施例では、2個のジャイロセンサを設けて第1の方向Xの変位量と第2の方向Yの変位量を個別に検出する例について説明したが、1個のジャイロセンサで第1の方向X及び第2の方向Yの2方向の変位量を検出する構成としてもよいことは勿論である。
像ぶれ補正演算部131にはアナログサーボ部132が接続されている。アナログサーボ部132は、像ぶれ補正演算部131により算出された値をデジタル値からアナログ値に変換し、そのアナログ値に対応した制御信号を出力するものである。アナログサーボ部132には駆動回路部133が接続されている。駆動回路部133には、第3の増幅器(AMP)135Aを介して第1の位置検出器である第1のホール素子41が接続されている。また、この駆動回路部133には、第4の増幅器(AMP)135Bを介して第2の位置検出器である第2のホール素子42も接続されている。更に、駆動回路部133には、第1の電動アクチュエータ6A,6Bの第1のコイル27A,27Bと第2の電動アクチュエータ7A,7Bの第2のコイル28A,28Bがそれぞれ接続されている。
第1のホール素子41によって検出された移動枠3の第1の方向Xの変位量は、第3の増幅器135Aを介して駆動回路部133に入力される。また、第2のホール素子42によって検出された移動枠3の第2の方向Yの変位量は、第4の増幅器135Bを介して駆動回路部133に入力される。これらの入力信号とアナログサーボ部132からの制御信号に基づいて駆動回路部133では、像ぶれを補正するように補正レンズ2を移動させるために、第1のコイル27A,27Bと第2のコイル28A,28Bの一方又は両方に対して所定の電流を出力する。
図36は、前述したような構成及び作用を有する像ぶれ補正装置1を備えたデジタルスチルカメラ100の概略構成の第1の実施の例を示すブロック図である。このデジタルスチルカメラ100は、像ぶれ補正装置1を有するレンズ鏡筒50と、制御装置の中心的役割をなす制御部140と、制御部140を駆動するためのプログラムメモリやデータメモリその他のRAMやROM等を有する記憶装置141と、電源のオン・オフや撮影モードの選択或いは撮影等のための各種の指令信号等を入力する操作部142と、撮影された映像等を表示する表示装置102と、記憶容量を拡大する外部メモリ143等を備えて構成されている。
制御部140は、例えば、マイクロコンピュータ(CPU)を有する演算回路等を備えて構成されている。この制御部140には、記憶装置141と、操作部142と、アナログ信号処理部144と、デジタル信号処理部145と、2つのA/D変換器146,147と、D/A変換器148と、タイミングジェネレータ(TG)149とが接続されている。アナログ信号処理部144は、レンズ鏡筒50に取り付けられた撮像素子54に接続されている。そして、アナログ信号処理部144は、この撮像素子54から出力される撮影画像に対応したアナログ信号によって所定の信号処理を実行する。このアナログ信号処理部144は、第1のA/D変換器146に接続されている。そして、このA/D変換器146によってアナログ信号がデジタル信号に変換される。
第1のA/D変換器146には、デジタル信号処理部145が接続されている。そして、このデジタル信号処理部145は、第1のA/D変換器146から供給されたデジタル信号によって所定の信号処理を実行する。このデジタル信号処理部145には、表示装置102と外部メモリ143が接続されている。そして、デジタル信号処理部145の出力信号であるデジタル信号に基づいて、被写体に対応した画像が表示装置102に表示され、或いは外部メモリ143に記憶される。また、第2のA/D変換器147には、ぶれ検出部であるジャイロセンサ136が接続されている。このジャイロセンサ136によってカメラ本体101の振れや揺れ等が検出され、その検出結果に応じて像ぶれ補正が実行される。
D/A変換器148には、像ぶれ補正のためのサーボ演算部である駆動制御部152が接続されている。駆動制御部152は、補正レンズ2の位置に応じて像ぶれ補正装置1を駆動制御することにより像ぶれを補正するものである。駆動制御部152には、位置検出部である第1のホール素子41と第2のホール素子42が接続されている。第1のホール素子41と第2のホール素子42は、像ぶれ補正装置1の移動枠3の位置を検出することによって、補正レンズ2の位置を検出する。そして、タイミングジェネレータ(TG)149は、撮像素子54と接続されている。
かくして、被写体の像が、レンズ鏡筒50のレンズ系51に入力されて撮像素子54の結像面に結像される。すると、その画像信号が、アナログ信号として出力され、アナログ信号処理部144で所定の処理が実行された後、第1のA/D変換器146によってデジタル信号に変換される。第1のA/D変換器146からの出力は、デジタル信号処理部145で所定の処理が実行された後、被写体に対応した画像として表示装置102に表示され、或いは外部メモリに記憶情報として記憶される。
このような撮影状態において、像ぶれ補正装置1が動作状態にあるものとして、カメラ本体101に振れや揺れ等が生じると、ジャイロセンサ136が、その振れや揺れ等を検出し、その検出信号を制御部140に出力する。この検出信号を受けて制御部140では、所定の演算処理を実行する。そして、制御部140は、像ぶれ補正装置1の動作を制御する制御信号を駆動制御部152に出力する。駆動制御部152では、制御部140からの制御信号に基づいて所定の駆動信号を像ぶれ補正装置1に出力する。そして、像ぶれ補正装置1では、移動枠3を第1の方向X及び/又は第2の方向Yに所定量だけ移動する。これにより、補正レンズ2の移動を介して像ぶれが解消され、綺麗な画像を得ることができる。
図37は、前述したような構成及び作用を有する像ぶれ補正装置1を備えたデジタルスチルカメラの概略構成の第2の実施の例を示すブロック図である。このデジタルスチルカメラ100Aは、像ぶれ補正装置1を有するレンズ鏡筒50と、制御装置の中心的役割をなす映像記録/再生回路部160と、映像記録/再生回路部160を駆動するためのプログラムメモリやデータメモリその他のRAMやROM等を有する内蔵メモリ161と、撮影された映像等を所定の信号に処理する映像信号処理部162と、撮影された映像等を表示する表示装置163と、記憶容量を拡大する外部メモリ164と、像ぶれ補正装置1を駆動制御する補正レンズ制御部165等を備えて構成されている。
映像記録/再生回路部160は、例えば、マイクロコンピュータ(CPU)を有する演算回路等を備えて構成されている。この映像記録/再生回路部160には、内蔵メモリ161と、映像信号処理部162と、補正レンズ制御部165と、モニタ駆動部166と、増幅器167と、3つのインタフェース(I/F)171,172,173とが接続されている。映像信号処理部162は、レンズ鏡筒50に取り付けられた撮像素子54に増幅器167を介して接続されている。そして、所定の映像信号に処理された信号が映像記録/再生回路部160に入力される。
表示装置163は、モニタ駆動部166を介して映像記録/再生回路部160に接続されている。また、第1のインタフェース(I/F)171には、コネクタ168が接続されている。このコネクタ168に外部メモリ164が、着脱自在に接続可能とされている。第2のインタフェース(I/F)172には、カメラ本体101に設けられた接続端子174が接続されている。
補正レンズ制御部165には、第3のインタフェース(I/F)173を介してぶれ検出部である加速度センサ175が接続されている。この加速度センサ175は、カメラ本体101に付加される振れや揺れ等による変位を加速度として検出するものである。また、この加速度センサ175は、ジャイロセンサを適用することができる。補正レンズ制御部165には、補正レンズ2を駆動制御する像ぶれ補正装置1のレンズ駆動部である第1の電動アクチュエータ6A,6B及び第2の電動アクチュエータ7A,7Bが接続されている。また、この補正レンズ制御部165には、その補正レンズ2の位置を検出する位置センサである2つのホール素子41,42も接続されている。
かくして、被写体の像がレンズ鏡筒50のレンズ系51に入力されて撮像素子54の結像面に結像される。すると、その画像信号が、増幅器167を介して映像信号処理部162に入力される。この映像信号処理部162で所定の映像信号に処理された信号が、映像記録/再生回路部160に入力される。これにより、映像記録/再生回路部160から被写体の像に対応した信号がモニタ駆動部166、内蔵メモリ161若しくは外部メモリ164に出力される。その結果、モニタ駆動部166を介して表示装置163に被写体の像に対応した画像が表示され、或いは、必要により情報信号として内蔵メモリ161若しくは外部メモリ164に記録される。
このような撮影状態において、像ぶれ補正装置1が動作状態にあるものとして、カメラ本体101に振れや揺れ等が生じると、加速度センサ175がその振れや揺れ等を検出する。そして、その検出信号が、補正レンズ制御部165を介して映像記録/再生回路部160に出力される。これを受けて映像記録/再生回路部160では、所定の演算処理を実行する。そして、映像記録/再生回路部160は、像ぶれ補正装置1の動作を制御する制御信号を補正レンズ制御部165に出力する。補正レンズ制御部165では、映像記録/再生回路部160からの制御信号に基づいて所定の駆動信号を像ぶれ補正装置1に出力する。そして、像ぶれ補正装置1では、移動枠3を第1の方向X及び/又は第2の方向Yに所定量だけ移動する。これにより、補正レンズ2の移動を介して像ぶれが解消され、綺麗な画像を得ることができる。
以上説明したように、本発明の像ぶれ補正装置によれば、2つの第1の電動アクチュエータ及び2つの第2の電動アクチュエータを、それぞれ補正レンズを中心として対称な位置に配置し、第1及び第2の電動アクチュエータの各マグネットの磁力により移動枠を支持枠側に付勢した。そのため、各マグネットの磁力による反力が相互干渉して移動枠の移動方向に対する直進性を妨げる抵抗力を相殺し、極めて直進性の良い高精度の像ぶれ補正を実現することができる。
また、支持枠は、3つの球面ガイドを介して移動枠を第1の方向及び第2の方向を含む平面上で移動可能に支持するため、装置自体の小型化を実現することができると共に、部品点数の削減を図ることができる。しかも、移動枠が移動される際の摩擦抵抗を極めて小さくすることができる。その結果、第1及び第2の電動アクチュエータによって発生させる推力を小さくすることができ、消費電力を軽減することができる。また、移動枠と支持枠は、球面ガイドを介して密着されるため、移動枠にガタツキが生じる心配がなく、補正レンズの移動制御を極めて精度良く行うことができると共に、光学特性の劣化を最小限に抑えることができる。
更に、移動枠の基準位置において、支持枠の円筒部と移動枠の環状凸部の開口穴が同心円状に配置されるため、移動枠3の移動範囲を、360°の全範囲に亘って全て同じ距離に設定することができる。その結果、移動枠を何れの方向に移動させても、移動枠に作用される推力の方向(ベクトル)に一致した線上で環状凸部の開口穴を円筒部に係合させることができ、移動枠が規制片に沿って回転することを防止することができる。
また、補正レンズの第1の方向に関する位置情報を検出する2つの第1のホール素子と、補正レンズの第2の方向に関する位置情報を検出する2つの第2のホール素子を、それぞれ補正レンズを中心として対称な位置に配置したことにより、移動枠が回転した場合に生じる位置情報の誤差を解消することができる。その結果、補正レンズの位置を正確に検出することができ、目標位置までの移動誤差を小さくして高精度な像ぶれ補正を行うことができる。
本発明は、前述しかつ図面に示した実施の例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、前記実施の例においては、撮像装置としてデジタルスチルカメラを適用した例について説明したが、デジタルビデオカメラ、カメラ付きパーソナルコンピュータ、カメラ付き携帯電話その他の撮像装置にも適用できるものである。更に、レンズ鏡筒として5群レンズを用いた例について説明したが、4群レンズ以下であってもよく、また、6群レンズ以上のものに適用できることも勿論である。
本発明の像ぶれ補正装置の第1の実施の例を示すもので、ムービングマグネット方式の電動アクチュエータを備えた像ぶれ補正装置の斜視図である。 本発明の像ぶれ補正装置の第1の実施の例を示す平面図である。 本発明の像ぶれ補正装置の第1の実施の例を示す正面図である。 図2に示す像ぶれ補正装置のA−A線部分の断面図である。 本発明の像ぶれ補正装置の第1の実施の例を分解して示す分解斜視図である。 本発明の像ぶれ補正装置の第1の実施の例を分解した状態を正面から見た説明図である。 本発明の像ぶれ補正装置の第1の実施の例を構成部品単位に分解した分解斜視図である。 図7に示す移動枠を下方から見た斜視図である。 本発明の像ぶれ補正装置に係る球面ガイド及びその保持部を示すもので、図9Aは球面ガイドの第1の実施の例である球体とその球体の直径よりも十分に大きな直径を有する円形凹部からなる保持部の説明図、図9Bは球体とその球体の直径と略同一の直径を有する円形凹部からなる保持部の説明図、図9Cは球面ガイドの第2の実施の例である先端に球面を有する球面柱体の説明図である。 本発明の像ぶれ補正装置の移動枠に作用する力を説明するもので、図10Aは像ぶれ補正装置の第1の実施の例の平面図、図10Bは第1の電動アクチュエータを駆動させて移動枠を第1の方向に移動させた状態において作用するそれぞれの力をベクトルで表した説明図である。 図11Aは移動枠が基準位置にある状態を示す平面図、図11Bは図11Aに示すB−B線部分の断面図、図11Cは図11Aに示すC−C線部分の断面図である。 図11の状態から移動枠が第1の方向の一方(+)へ移動した状態を示すもので、図12Aは平面図、図12BはB−B線部分の断面図である。 図11の状態から移動枠が第1の方向の他方(−)へ移動した状態を示すもので、図13Aは平面図、図13BはB−B線部分の断面図である。 図11の状態から移動枠が第1の方向の一方(+)へ移動した状態を示すもので、図14Aは平面図、図14BはC−C線部分の断面図である。 図11の状態から移動枠が第1の方向の他方(−)へ移動した状態を示すもので、図15Aは平面図、図15BはC−C線部分の断面図である。 本発明の像ぶれ補正装置の第1の実施の例に係る2つの位置検出器の配置の第1の実施の例を示す説明図である。 本発明の像ぶれ補正装置の第1の実施の例に係る2つの位置検出器の配置の第2の実施の例を示す説明図である。 本発明の像ぶれ補正装置に係るマグネットに対するホール素子の位置と磁束密度との関係を示すもので、図18Aは概略構成を示す説明図、図18Bはホール素子とマグネット間における移動距離と磁束密度の関係を示すグラフである。 本発明の像ぶれ補正装置の第1の実施の例に係る4つの位置検出器の配置の第1の実施の例を示す説明図である。 図16に示すホール素子の配置による補正レンズの位置検出を説明するもので、図20Aは移動枠が基準位置から回転した状態を表す説明図、図20Bは図20Aのホール素子の検出誤差を説明する説明図である。 図19に示す像ぶれ補正装置の補正レンズの位置検出を説明するもので、図21Aは移動枠が基準位置から回転した状態を表す説明図、図21Bは図21Aのホール素子の検出誤差を説明する説明図である。 図20B及び図21Bに示す状態で生じるホール素子の検出誤差を説明するもので、図22Aはホール素子がN極側に位置したときの検出誤差を説明するグラフ、図22Bはホール素子がS極側に位置したときの検出誤差を説明するグラフである。 本発明の像ぶれ補正装置の第1の実施の例に係る4つの位置検出器の配置の第2の実施の例を示す説明図である。 本発明の像ぶれ補正装置の第2の実施の例を示すもので、ムービングコイル方式の電動アクチュエータを備えた像ぶれ補正装置の断面図である。 本発明の像ぶれ補正装置の第3の実施の例を説明する説明図である。 本発明の像ぶれ補正装置の第4の実施の例を説明する説明図である。 本発明の像ぶれ補正装置の第5の実施の例を説明する説明図である。 本発明のレンズ鏡筒の第1の実施の例を示す斜視図である。 本発明のレンズ鏡筒の第1の実施の例を示すもので、図29Aは正面図、図29Bは左側面図である。 本発明のレンズ鏡筒の第1の実施の例に係るレンズ系の構成を説明する説明図である。 本発明の撮像装置の第1の実施の例を正面側から見たもので、レンズカバーで対物レンズを閉じた状態の斜視図である。 本発明の撮像装置の第1の実施の例を正面側から見たもので、レンズカバーを開いて対物レンズを露出させた状態の斜視図である。 本発明の撮像装置の第1の実施の例を示す背面図である。 本発明の撮像装置の第1の実施の例を示す平面図である。 本発明の像ぶれ補正装置の制御概念を説明するためのブロック図である。 本発明の撮像装置の概略構成の第1の実施の例を示すブロック図である。 本発明の撮像装置の概略構成の第2の実施の例を示すブロック図である。 先行技術の像ぶれ補正装置を示すもので、図38Aは平面図、図38Bは第1の電動アクチュエータを駆動させて移動枠を第1の方向に移動させた状態において作用するそれぞれの力をベクトルで表した説明図、図38Cは図38Bよりも第1の電動アクチュエータから発生した推力が大きい状態の力の関係を説明する説明図である。
符号の説明
1,1A,1B,1C,1D,1E…像ぶれ補正装置、 2…補正レンズ、 3,3C,3D…移動枠、 4…支持枠、 5…球体(球面ガイド)、 6A,6B…第1の電動アクチュエータ、 7A,7B…第2の電動アクチュエータ、 11…レンズ固定部、 12A,12B…第1のマグネット固定部、 13A,13B…第2のマグネット固定部、 16…環状凸部、 16a…開口穴、 18,19…突起片、 21A,21B…第1のマグネット、 22A,22B…第2のマグネット、 23A,23B…第1のバックヨーク、 24A,24B…第2のバックヨーク、 25A,25B…第1の対向ヨーク、 26A,26B…第2の対向ヨーク、 27A,27B…第1のコイル、 28A,28B…第2のコイル、 31…貫通穴、 32…円筒部、 33,33a…球体保持部、 41,41A,41B…第1のホール素子、 42,42A,42B…第2のホール素子、 50…レンズ鏡筒、 100…デジタルスチルカメラ(撮像装置)、 L,L1,L2…光軸、 X…第1の方向、 Y…第2の方向、Fo…推力、Fp,Fq…反力、 Fr…合成反力

Claims (12)

  1. レンズ系の像ぶれを補正する補正レンズと、
    前記補正レンズを保持する移動枠と、
    前記移動枠に接触する球面部を有する少なくとも3つの球面ガイドを介して当該移動枠を移動可能に支持する支持枠と、
    前記移動枠を前記レンズ系の光軸に直交する第1の方向に移動させると共に、前記補正レンズを中心として対称をなす位置に配置される2つの第1の電動アクチュエータと、
    前記移動枠を前記レンズ系の光軸に直交する方向であって前記第1の方向とも直交する第2の方向に移動させると共に、前記補正レンズを中心として対称をなす位置に配置される2つの第2の電動アクチュエータと、を備え、
    前記2つの第1の電動アクチュエータ及び前記2つの第2の電動アクチュエータは、それぞれ相対的に移動可能とされたコイルとマグネットを有し、当該マグネットの磁力により前記移動枠を前記支持枠側に付勢したことを特徴とする像ぶれ補正装置。
  2. 前記球面ガイドは、前記移動枠と前記支持枠の間で転動自在な球体であることを特徴とする請求項1記載の像ぶれ補正装置。
  3. 前記2つの第1の電動アクチュエータが対向される方向と、前記2つの第2の電動アクチュエータが対向される方向を直交させたことを特徴とする請求項1記載の像ぶれ補正装置。
  4. 前記2つの第1の電動アクチュエータを前記第1の方向及び前記第2の方向の一方の方向に対向させ、前記2つの第2電動アクチュエータを前記第1の方向及び前記第2の方向の他方の方向に対向させたことを特徴とする請求項3記載の像ぶれ補正装置。
  5. 前記2つの第1の電動アクチュエータ間の距離と前記2つの第2の電動アクチュエータ間の距離を略等しくすると共に、前記第1の電動アクチュエータの前記マグネットの磁力と前記第2の電動アクチュエータの前記マグネットの磁力を略等しくしたことを特徴とする請求項3記載の像ぶれ補正装置。
  6. 前記2つの第1の電動アクチュエータ及び前記2つの第2の電動アクチュエータの各マグネットの磁力により、前記補正レンズの中心を前記レンズ系の光軸に一致させるように前記移動枠を前記支持枠側に付勢することを特徴とする請求項1に記載の像ぶれ補正装置。
  7. 前記支持枠及び前記移動枠の一方に、相対的な移動を規制するための突起部を設けると共に、前記支持枠及び前記移動枠の他方に、前記補正レンズの中心が前記レンズ系の光軸に一致する基準位置から360度の範囲に亘って前記突起部が半径方向外側へ等しい距離だけ相対的に移動するのを許容する当該突起部が係合される凹部を設けたことを特徴とする請求項1記載の像ぶれ補正装置。
  8. 前記突起部は、前記支持枠又は前記移動枠に設けた円筒部又は円柱部であると共に、前記凹部は円形の穴であり、
    前記基準位置において、前記突起部の外周面が前記穴の内面と同心となっていることを特徴とする請求項7記載の像ぶれ補正装置。
  9. 前記2の第1の電動アクチュエータの2つのマグネット及び前記2つの第2の電動アクチュエータの2つのマグネットのうちいずれか1つのマグネットの磁力により前記補正レンズの前記第1の方向に関する位置情報を検出してその検出信号を出力する第1のホール素子と、
    前記2の第1の電動アクチュエータの2つのマグネット及び前記2つの第2の電動アクチュエータの2つのマグネットのうちいずれか1つのマグネットの磁力により前記補正レンズの前記第2の方向に関する位置情報を検出してその検出信号を出力する第2のホール素子と、を設けたことを特徴とする請求項1記載の像ぶれ補正装置。
  10. 前記第1のホール素子は、前記2つの第1の電動アクチュエータの2つのマグネットにそれぞれ対応させて2つ設けると共に、前記第2のホール素子は、前記2つの第2の電動アクチュエータの2つのマグネットにそれぞれ対応させて2つ設け、
    2つの第1のホール素子及び2つの第2のホール素子を、前記補正レンズを中心としてそれぞれ対称となる位置に配置したことを特徴とする請求項9記載の像ぶれ補正装置。
  11. レンズ系が収納された筒体と、
    前記レンズ系の像ぶれを補正するための補正レンズを有する像ぶれ補正装置と、を備えたレンズ鏡筒であって、
    前記像ぶれ補正装置は、
    前記補正レンズを保持する移動枠と、
    前記移動枠に接触する球面部を有する少なくとも3つの球面ガイドを介して当該移動枠を移動可能に支持する支持枠と、
    前記移動枠を前記レンズ系の光軸に直交する第1の方向に移動させると共に、前記補正レンズを中心として対称をなす位置に配置される2つの第1の電動アクチュエータと、
    前記移動枠を前記レンズ系の光軸に直交する方向であって前記第1の方向とも直交する第2の方向に移動させると共に、前記補正レンズを中心として対称をなす位置に配置される2つの第2の電動アクチュエータと、を備え、
    前記2つの第1の電動アクチュエータ及び前記2つの第2の電動アクチュエータは、それぞれ相対的に移動可能とされたコイルとマグネットを有し、前記マグネットの磁力により前記移動枠を前記支持枠側に付勢したことを特徴とするレンズ鏡筒。
  12. レンズ系が収納された筒体と、前記レンズ系の光軸と直交する方向に補正レンズを移動させて前記レンズ系の像ぶれを補正する像ぶれ補正装置と、を有するレンズ鏡筒を備えた撮像装置であって、
    前記像ぶれ補正装置は、
    前記補正レンズを保持する移動枠と、
    前記移動枠に接触する球面部を有する少なくとも3つの球面ガイドを介して当該移動枠を移動可能に支持する支持枠と、
    前記移動枠を前記レンズ系の光軸に直交する第1の方向に移動させると共に、前記補正レンズを中心として対称をなす位置に配置される2つの第1の電動アクチュエータと、
    前記移動枠を前記レンズ系の光軸に直交する方向であって前記第1の方向とも直交する第2の方向に移動させると共に、前記補正レンズを中心として対称をなす位置に配置される2つの第2の電動アクチュエータと、を備え、
    前記2つの第1の電動アクチュエータ及び前記2つの第2の電動アクチュエータは、それぞれ相対的に移動可能とされたコイルとマグネットを有し、前記マグネットの磁力により前記移動枠を前記支持枠側に付勢したことを特徴とする撮像装置。
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