JP2017187694A - 駆動装置およびレンズユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便なレンズの位置制御により光学式手振れ補正およびオートフォーカス機能等を安定動作させる小型の光学モジュール。【解決手段】本発明の第1の態様においては、駆動対象物の移動方向に第1極および第2極が配列された磁石部と、磁石部に対向して設けられ、移動方向において磁石部を吸引する複数の吸引領域を有するヨーク部と、磁石部と対向して設けられたコイル部と、を備え、コイル部およびヨーク部、または磁石部が駆動対象物に固定される駆動装置およびレンズユニットを提供する。【選択図】図6

Description

本発明は、駆動装置およびレンズユニットに関する。
従来、デジタルカメラ、携帯電話、小型PC等に搭載されるレンズを有する光学モジュールは、当該レンズの位置をアクチュエータ等で移動させて制御し、光学式手振れ補正、および/またはオートフォーカス機能等を実行していた(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1 特開2014−160196号公報
このような光学モジュールは、レンズの外部に設けられたコイルに電流を流して磁場を発生させ、レンズに固定された磁石を吸引または離間させることで、レンズを移動させていた。しかしながら、このような光学モジュールを小型化させると、レンズの位置に応じて、レンズを移動させるのに必要な駆動力が変動し、レンズの位置制御が困難になっていた。したがって、簡便なレンズの位置制御で、光学式手振れ補正およびオートフォーカス機能等を安定動作できる小型の光学モジュールが望まれていた。
本発明の第1の態様においては、駆動対象物の移動方向に第1極および第2極が配列された磁石部と、磁石部に対向して設けられ、移動方向において磁石部を吸引する複数の吸引領域を有するヨーク部と、磁石部と対向して設けられたコイル部と、を備え、コイル部およびヨーク部、または磁石部が駆動対象物に固定される駆動装置およびレンズユニットを提供する。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
本実施形態に係るレンズユニット100の構成例を示す。 本実施形態に係るレンズ部120を駆動する駆動装置の構成例を示す。 本実施形態に係るレンズユニット100を小型にした場合の、レンズ部120を移動させる推力の一例を示す。 本実施形態に係るレンズユニット100を小型にした場合の、磁気センサ230が検出する磁場の一例を示す。 本実施形態に係る駆動装置300の構成例を斜視図で示す。 本実施形態に係る駆動装置300の構成例を示す。 本実施形態に係るレンズ部120が、磁石部310によるZ方向の力が略安定となる基準位置とは異なる位置に移動した例を示す。 本実施形態に係る駆動装置300がレンズ部120を移動させる推力の一例を示す。 本実施形態に係る磁気センサ350が検出する磁場の一例を示す。 本実施形態に係るヨーク部330、コイル部340、および磁気センサ350の第1構成例を示す。 本実施形態に係るヨーク部330、コイル部340、および磁気センサ350の第2構成例を示す。 本実施形態に係る駆動装置300の第1変形例を示す。 本実施形態に係る駆動装置300の第2変形例を示す。 本実施形態に係る駆動装置300の第3変形例を示す。 本実施形態に係るヨーク部330の第1変形例を示す。 本実施形態に係るヨーク部330の第2変形例を示す。 本実施形態に係るヨーク部330の第3変形例を示す。 本実施形態に係る駆動装置300の第4変形例を示す。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係るレンズユニット100の構成例を示す。レンズユニット100は、レンズを光軸方向に移動させる光学モジュールである。図1は、直交する3方向(X、Y、およびZ方向)のうち、Z方向にレンズを移動させる光学モジュールの例を示す。レンズユニット100は、ベース部110と、レンズ部120と、を備える。
ベース部110は、レンズ部120およびレンズ部120を駆動する駆動装置を収容する。ベース部110は、レンズ部120の光軸方向と略同一方向に貫通孔を有し、当該貫通孔内にレンズ部120を収容する。
レンズ部120は、駆動対象物であり、ベース部110に対して相対的に移動する。レンズ部120は、Z軸方向と略平行に移動する。レンズ部120は、ベース部110のXY平面と略平行な表面または裏面から、ベース部110の外部へと突出して移動してもよい。レンズ部120は、光学レンズ122を有する。
光学レンズ122は、外部から入力する光を屈折させて、集束または発散させる。光学レンズ122は、凸レンズまたは凹レンズでよく、ガラスまたはプラスチック等を含んで形成されてよい。図1は、光学レンズ122がXY平面に略平行に配置され、光軸がZ方向に略平行となる例を示す。光学レンズ122は、レンズ部120のZ方向の移動に伴って光軸方向と略平行に移動し、これにより、レンズユニット100のオートフォーカス動作等が実行される。このようなレンズ部120を駆動する駆動装置について次に説明する。
図2は、本実施形態に係るレンズ部120を駆動する駆動装置の構成例を示す。駆動装置は、ベース部110に収容され、レンズ部120を駆動する。図2は、レンズユニット100のベース部110を取り除いた、当該レンズユニット100の内部の構成例を示す。駆動装置は、磁石部と、ヨーク部210と、コイル部220と、磁気センサ230と、を備える。
磁石部は、レンズ部120に固定される。即ち、磁石部は、レンズ部120の移動に伴って光軸方向と略平行に移動する。図1は、磁石部が第1磁石140および第2磁石150を有する4極磁石の例を示す。第1磁石140は、第1極142および第2極144を含む。一例として、第1極142はN極であり、第2極144はS極である。第2磁石150は、第1極152および第2極154を含む。一例として、第1極152はN極であり、第2極154はS極である。即ち、磁石部は、駆動対象物であるレンズ部120の移動方向に第1極142および第2極154が配列される。磁石部は、永久磁石でよい。磁石部のこのような磁極配置(4極着磁磁石)は、コイルに電流を流した際に高い推力が得られることが知られている。
ヨーク部210は、磁石部に対向して設けられ、磁石部を吸引する。ヨーク部210は、ベース部110に固定されてよい。ヨーク部210は、鉄等を含み、磁石部からの磁束を集中させる。即ち、ヨーク部210は、レンズ部120の位置を予め定められた位置(基準位置)に保つように、磁石部を吸引する。図2は、ヨーク部210がX軸方向に延伸する板状に形成され、磁石部を吸引する1つの吸引領域として動作する例を示す。
コイル部220は、磁石部に対向して設けられる。コイル部220は、ベース部110に固定されてよい。コイル部220は、電流が流れることにより磁場を発生する。コイル部220は、通電されることに応じて、磁石部を離間または吸引するように磁場を発生する。即ち、コイル部220が磁場を発生することにより、磁石部はZ軸上において基準位置から離れるように移動する。磁石部の移動に伴ってレンズ部120も移動するので、コイル部220は、磁場の発生によって、レンズ部120を光軸方向に移動させることになる。
また、コイル部220は、発生させた磁場の大きさを維持することにより、基準位置から移動したレンズ部120の位置を維持させる。なお、レンズ部120の基準位置からの移動距離は、一例として、コイル部220が発生させた磁場の大きさに応じた位置となる。また、コイル部220は、発生させた磁場の大きさを低減させることで、レンズ部120を基準位置の方向に移動させてよい。また、コイル部220は、磁場の発生を停止することで、レンズ部120を基準位置に戻してよい。図2は、レンズ部120が基準位置に位置する例を示す。
また、コイル部220は、例えば、磁石部に対向する側において、磁石部の第1極142と同種の極(一例として、N極)を発生させて、レンズ部120を+Z方向に移動させる。この場合、コイル部220は、磁石部に対向する側において、磁石部の第2極154と同種の極(一例として、S極)を発生させて、レンズ部120を−Z方向に移動させる。即ち、コイル部220は、当該コイル部220に流れる電流の向きおよび電流値に応じて、レンズ部120をZ方向に移動させる推力を発生する。
磁気センサ230は、磁石部によって生じる磁場を検出する。磁気センサ230は、ベース部110に固定されてよい。この場合、磁気センサ230および磁石部の間の距離は、レンズ部120の移動に伴って変化するので、磁気センサ230が検出する磁場は、レンズ部120の移動に応じて変化することになる。即ち、磁気センサ230は、レンズ部120の位置に応じた磁場を検出する。磁気センサ230は、レンズ部120の一の方向の位置に応じた磁場情報を出力してよい。
以上のように、本実施形態に係る駆動装置は、コイル部220に流す電流量に応じて、レンズ部120の光軸方向の位置を制御できる。したがって、駆動装置の外部等に設けられる制御装置によって、当該電流量を制御することにより、レンズ部120の位置を制御できる。また、駆動装置は、レンズ部120の光軸方向の位置を磁気センサ230が検出するので、制御装置等は、当該検出位置を制御動作にフィードバックして、レンズ部120の位置精度を向上させることもできる。このような駆動装置は、磁石、コイル、およびヨーク等によって簡便に構成できるので、例えば、レンズユニット100を携帯電話等に内蔵できる程度に小型にすることもできる。
なお、携帯電話等の機器は、更に小型化、および薄型化等が望まれることがあり、レンズユニット100も対応してより小型化できることが望ましい。しかしながら、駆動装置を更に小型化すると、磁石部およびヨーク部210の大きさが小さくなってしまい、磁石部の位置に対する磁石部およびヨーク部210の間の吸引力の変動が大きくなる。即ち、レンズ部120を移動させる推力が、レンズ部120の位置によって大きく変動してしまう。
図3は、本実施形態に係るレンズユニット100を小型にした場合の、レンズ部120を移動させる推力の一例を示す。図3は、レンズ部120の位置に対する推力を示す例であり、横軸がレンズ部120の位置を、縦軸は推力を示す。なお、レンズ部120の基準位置を横軸の原点とする。
例えば、レンズ部120が基準位置から離間した位置に移動すると、Y方向において磁石部に対向するヨーク部210が無くなってしまい、磁石部から発生した磁束は基準位置側の方に位置するヨーク部210へと収束して、基準位置側に向かう抗力が増加する。したがって、コイル部220に流す電流を略同一の電流値にすると、レンズ部120の位置が基準位置から離間すればするほど、当該レンズ部120を移動させる推力が減少する傾向になってしまう。また、これにより当該レンズ部120の制御動作を対応して変化させなければならず、コントロールが難しくなる。
この場合、略同一の推力を保つには、レンズ部120の位置に応じてコイル部220に流れる電流を制御しなければならず、制御回路等は複雑になってしまう。また、レンズ部120の位置が基準位置から離間した場合、コイル部220に流す電流量を増加して推力を上昇させることになるので、駆動装置の消費電力が増大してしまう。
また、略同一の推力を保つべく、ヨーク部210の形状を大きく変更することが考えられるが、当該ヨーク部210の形状の変更は、レンズ部120の光軸方向(即ち、Z方向)への拡大であり、結果的にレンズユニット100のZ方向の大きさを増加させてしまうことになる。
また、磁石部の大きさが小型になると、当該磁石部が発生する磁場の線形性を保つことが困難になることがある。図4は、本実施形態に係るレンズユニット100を小型にした場合の、磁気センサ230が検出する磁場の一例を示す。
理想的には、レンズ部120が基準位置からZ方向に離間すると、磁気センサ230が検出する磁場の量は、レンズ部120の位置に応じてリニアに変化する。しかしながら、例えば、磁石部の大きさが小型になると、磁気センサ230が検出する磁場がリニアにならず、湾曲した形状になる。つまり、理想的な単調減少(または単調増加)と比較して、リニアリティが悪化することになる。このように、磁石部からの磁場のリニアリティが悪化すると、磁気センサ230によるレンズ部120の検出位置精度が低下することになる。
そこで、本実施形態に係る駆動装置は、レンズ部120を移動させる推力を略一定にさせ、また、磁気センサ230の検出磁場のリニアリティが低減することを防止しつつ、レンズユニット100を小型化させる。このような駆動装置について、次に説明する。
図5は、本実施形態に係る駆動装置300の構成例を斜視図で示す。また、図6は、本実施形態に係る駆動装置300の構成例を図5のYZ面をX軸側から見た図で示す。駆動装置300は、図1に示すベース部110に収容され、レンズ部120を駆動する。図5は、レンズユニット100のベース部110およびレンズ部120を取り除いた、当該レンズユニット100の内部の構成例を示す。また、図6は、レンズユニット100のベース部110を取り除いた、当該レンズユニット100の内部の構成例を示す。駆動装置300は、磁石部310と、ヨーク部330と、コイル部340と、磁気センサ350と、を備える。
磁石部310は、レンズ部120に固定され、レンズ部120の移動方向に第1極312および第2極314が配列される。図5に示す磁石部310は、レンズ部120の移動方向に第1極および第2極が配列された1つの磁石を有する例を示す。磁石部310は、第1極312および第2極314を有する2極磁石でよい。一例として、第1極312はN極であり、第2極314はS極である。磁石部310は、アルニコ、フェライト、ネオジウム、およびサマリウムコバルト等のうち少なくとも1つを含む永久磁石でよい。磁石部310のZ方向の大きさは、ヨーク部330のZ方向の大きさよりも小さく形成される。図5および図6に示す着磁方向の磁石は、ヨーク部330と比較してZ方向に小さい場合でも、磁場のリニアリティを高くすることができる。
ヨーク部330は、磁石部310に対向して設けられ、レンズ部120の移動方向において磁石部310を吸引する複数の吸引領域を有する。ヨーク部330は、レンズ部120の移動方向に並んだ複数のヨークを有してよい。図5は、ヨーク部330が第1ヨーク332および第2ヨーク334を有し、当該2つのヨークが磁石部310を吸引する2つの吸引領域となる例を示す。ヨーク部330は、鉄等の透磁率が比較的高い材料を含み、磁石部310からの磁束を集中させる。
コイル部340は、磁石部310と対向して設けられる。コイル部340は、電流が流れることにより磁場を発生する。コイル部340は、通電されることに応じて、磁石部を離間または吸引させるように磁場を発生する。コイル部340は、図2に示すコイル部220と同様に、磁場を発生させてレンズ部120を光軸方向に移動させる。
また、コイル部340は、例えば、磁石部310に対向する側において、磁石部の第1極312と同種の極(一例として、N極)を発生させて、レンズ部120を+Z方向に移動させる。この場合、コイル部340は、磁石部310に対向する側において、磁石部の第2極314と同種の極(一例として、S極)を発生させて、レンズ部120を−Z方向に移動させる。即ち、コイル部340は、当該コイル部340に流れる電流の向きおよび電流値に応じて、レンズ部120をZ方向に移動させる推力を発生する。
磁気センサ350は、磁石部310によって生じる磁場を検出する。磁気センサ350は、図2に示す磁気センサ230と同様に、レンズ部120の一の方向の位置に応じた磁場を検出する。即ち、磁気センサ350は、磁石部310の磁場を検知してレンズ部120のZ方向の位置を検出する。
以上のように、本実施形態に係る駆動装置300は、図2に示す駆動装置と同様に、コイル部340に流す電流量に応じて、レンズ部120を光軸方向に移動できる。したがって、外部の制御装置等により、駆動装置300は、レンズ部120の位置を制御することができる。また、駆動装置300は、磁気センサ350が検出するレンズ部120の光軸方向の検出位置を外部の制御装置等にフィードバックして、レンズ部120の位置精度を向上させることもできる。
ここで、コイル部340に流れる電流が0の場合、当該コイル部340は磁場を発生せず、磁石部310のZ方向の位置が、図6に示すように、第1ヨーク332および第2ヨーク334の略中間に位置する場合を考える。この場合、第1極312は第1ヨーク332に吸引され、第2極314は第2ヨーク334に吸引されるので、レンズ部120に加わるZ方向の力は、釣り合いが取れた略安定な状態となる。このようなレンズ部120の位置を、基準位置とする。本実施形態に係る駆動装置300は、レンズ部120の移動方向においてヨーク部330が複数の吸引領域を有することで、基準位置と同様に、磁石部310が発生させるZ方向の力が略安定となるレンズ部120の位置を有する。
図7は、本実施形態に係るレンズ部120が、磁石部310によるZ方向の力が略安定となる基準位置とは異なる位置に移動した例を示す。図7は、図6に示す本実施形態に係るレンズユニット100において、コイル部340が磁場を発生させて、レンズ部120が+Z方向に移動した例を示す。図7は、Z方向において、磁石部310の第1極312および第2極314の略中間に、第1ヨーク332が位置する例を示す。即ち、第1極312および第2極314は、略同一の力で第1ヨーク332に吸引されるので、第1極312および第2極314がZ方向に発生させるそれぞれの力は釣り合いが取れ、略安定な状態となる。そこで、図7に示すレンズ部120の位置を、第1準安定位置とする。
なお、磁石部310がZ方向に発生させる力は、コイル部340がレンズ部120を移動させる推力に対する抗力となるので、当該抗力が低減されることにより、コイル部340は、より小さい推力でレンズ部120の位置を維持することができる。図7は、磁石部310が、ヨーク部330の+Z方向側の吸引領域である第1ヨーク332に対向する位置に移動することで、効力が低減する例を示す。これに加えて、ヨーク部330は、−Z方向側にも吸引領域である第2ヨーク334を有するので、磁石部310が、当該第2ヨーク334に対向する位置に移動することで、効力を低減させることもできる。ここで、レンズ部120が第2ヨーク334に対向する位置を、第2準安定位置とする。
このように、駆動装置300は、磁石部310の効力が低減する複数の安定位置を有するので、レンズ部120の位置が基準位置から離間しても、当該レンズ部120を移動させる推力の変動を抑制することができる。図8は、本実施形態に係る駆動装置300がレンズ部120を移動させる推力の一例を示す。図8は、レンズ部120の位置に対する推力を示す例であり、横軸がレンズ部120の位置を、縦軸は推力を示す。
なお、レンズ部120の基準位置を横軸の原点とする。また、横軸において、レンズ部120の第1準安定位置をX1、第2準安定位置をX2とする。このような基準位置、第1準安定位置X1、および第2準安定位置X2において、磁石部310の効力は理想的には最小となるので、駆動装置300の推力は、当該3点においてピークを有することになる。したがって、駆動装置300は、図3に示す単一の吸引領域を有する駆動装置と比較して、レンズ部120の位置に対する推力を略一定に維持することができる。
このように、本実施形態に係る駆動装置300は、ヨーク部330が複数の吸引領域を有し、磁石部310を小型の2極磁石とすることにより、レンズ部120が基準位置から離間した位置に移動しても、磁石部310の2つの極に対応する吸引領域が、当該2つの極をバランス良く吸引できる。
図9は、本実施形態に係る磁気センサ350が検出する磁場の一例を示す。4極着磁磁石を使う方法に対して、2極着磁磁石を用いることにより、リニアリティが改善することがわかる。なお、4極着磁磁石は推力の面において好ましいが、これは、磁石の磁場がコイルのY方向に強い磁場を印加できるからである。しかしながら、図5から図7に示す2極着磁磁石は、Z軸方向に短くなることにより、磁気回路上コイルのY方向に強い磁場が印加することができる。この為、ヨーク部330と比較してZ方向に小さくなった2極着磁磁石は、推力の面でも有効な構造といえる。
即ち、駆動装置300は、磁気センサ350によるレンズ部120の検出位置精度が低下することを防止できる。このように、本実施形態に係る駆動装置300は、レンズ部120を移動させる推力を略一定に保ち、また、磁気センサ350の検出磁場のリニアリティを保ちつつ、レンズユニット100を小型化することができる。
図10は、本実施形態に係るヨーク部330、コイル部340、および磁気センサ350の第1構成例を示す。図10は、レンズユニット100のベース部110、レンズ部120、および磁石部310を取り除いた、駆動装置300の一部の構成例を示す。図10に示すヨーク部330、コイル部340、および磁気センサ350は、図5および図6に示された駆動装置300の動作と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。
図10に示すように、磁気センサ350は、コイル部340の周囲に固定されてよい。磁気センサ350は、一例として、X方向にコイル部340と並んで配置される。また、磁気センサ350は、コイル部340の中空部分に設けられてもよい。図11は、本実施形態に係るヨーク部330、コイル部340、および磁気センサ350の第2構成例を示す。第2構成例の磁気センサ350は、コイル部340の内部に配置された例を示す。
図12は、本実施形態に係る駆動装置300の第1変形例を示す。第1変形例の駆動装置300において、図5および図6に示された本実施形態に係る駆動装置300の動作と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。第1変形例の駆動装置300は、ヨーク部330が、第1ヨーク332および第2ヨーク334に加えて、第3ヨーク336を有する。また、第1本変形例の駆動装置300は、バックヨーク360を更に備える。
図12は、第2ヨーク334のZ方向の位置が、磁石部310の第1極312および第2極314の略中間に位置する例を示す。この場合、レンズ部120に加わるZ方向の力は、釣り合いが取れた略安定な状態となるので、当該レンズ部120の位置を基準位置とする。また、磁石部310のZ方向の位置が、第1ヨーク332に対向する、即ち、磁石部310の第1極312および第2極314の略中間に第1ヨーク332が位置する磁石位置に移動しても、略安定な状態となるので、当該磁石位置に対応するレンズ部120の位置は準安定位置となる。同様に、磁石部310が、第3ヨーク336に対向する磁石位置に移動しても、略安定な状態となるので、当該磁石位置に対応するレンズ部120の位置も準安定位置となる。
また、磁石部310のZ方向の位置が、第1ヨーク332および第2ヨーク334の中間に位置しても、略安定な状態となるので、当該磁石位置に対応するレンズ部120の位置も準安定位置となる。同様に、磁石部310のZ方向の位置が、第2ヨーク334および第3ヨーク336の中間に位置しても、略安定な状態となるので、当該磁石位置に対応するレンズ部120の位置も準安定位置となる。
以上のように、第1変形例の駆動装置300は、ヨーク部330の吸引領域を3つ有することにより、レンズ部120の安定位置を5つ形成することができる。したがって、第1変形例の駆動装置300は、レンズ部120を移動させる推力の変動を更に抑制することができる。図12に示す第1変形例の駆動装置300は、ヨーク部330が3つの吸引領域を有する例を説明したが、これに限定されることはなく、ヨーク部330は、4以上の吸引領域を有してもよい。
バックヨーク360は、磁石部310におけるコイル部340とは反対側に設けられる。バックヨーク360は、磁石部310およびレンズ部120の間に設けられ、磁石部310と共にレンズ部120に固定されてよい。バックヨーク360は、ヨーク部330と同種または略同一の材料を含んでよい。バックヨーク360は、磁石部310が発生する磁場のうちヨーク部330とは反対側の方向に漏れる磁場を着磁させ、磁石部310からの発生磁場を高くすることができる。バックヨーク360は、他の態様の駆動装置に設けられてもよい。
図13は、本実施形態に係る駆動装置300の第2変形例を示す。第2変形例の駆動装置300において、図5、図6、および図12に示された本実施形態に係る駆動装置300の動作と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。第2変形例の駆動装置300は、磁石部310が移動方向に並んで配列された第1磁石316および第2磁石320を有する。
第1磁石316は、コイル部340により近い第1極312と、コイル部340からより離れた第2極314とを有する。また、第2磁石320は、コイル部からより離れた第1極322と、コイル部340により近い第2極324とを有する。このように、磁石部310は、コイル部340に近い側において、レンズ部120の移動方向に第1極312および第2極324が配列された4極磁石であってもよい。
第2本変形例の駆動装置300においても、ヨーク部330が磁石部310からの磁場を吸引する複数の吸引領域を有するので、レンズ部120の複数の安定位置を形成することができる。例えば、図12に示すように、第1磁石316および第2磁石320のZ方向の位置が、第1ヨーク332および第2ヨーク334の略中間に位置する場合、レンズ部120に加わるZ方向の力は、釣り合いが取れた略安定な状態となる。
また、第1磁石316および第2磁石320のZ方向の位置が、第1ヨーク332に対向する、即ち、第1磁石316の第1極312および第2磁石320の第2極324の略中間に第1ヨーク332が位置する磁石位置に移動しても、略安定な状態となる。同様に、第1磁石316および第2磁石320のZ方向の位置が、第2ヨーク334に対向する磁石位置に移動しても、略安定な状態となる。したがって、第2変形例の駆動装置300は、レンズ部120を移動させる推力の変動、および、磁気センサ350の検出磁場のリニアリティの変動を抑制することができる。
図14は、本実施形態に係る駆動装置300の第3変形例を示す。第3変形例の駆動装置300において、図5および図6に示された本実施形態に係る駆動装置300の動作と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。第3変形例の駆動装置300は、ヨーク部330が、移動方向において磁石部310を間に挟んで対向する一対のヨークを有する。
一対のヨークは、一例として、第1ヨーク332および第2ヨーク334を有し、第1ヨーク332は、磁石部310の+Z方向側に、第2ヨーク334は、磁石部310の−Z方向側に、それぞれ配置される。この場合、レンズ部120のZ方向の位置に関わらず、第1ヨーク332は磁石部310の第1極312に対向し、第2ヨーク334は磁石部310の第2極314に対向することになる。
なお、第3変形例の駆動装置300は、第1ヨーク332および第2ヨーク334が磁石部310を挟んで対向することを説明した。これに代えて、駆動装置300は、第1ヨーク332および第2ヨーク334のうち一方のみを有してもよい。例えば、第1ヨーク332が磁石部310の第1極312に対向して設けられてよい。この場合、第2極314の第1ヨーク332とは反対側の面に、バックヨークが設けられてもよい。
これに代えて、駆動装置300は、第1ヨーク332および第2ヨーク334のうちの一方と、Y方向側のヨークと、を有してもよい。即ち、ヨーク部330は、移動方向において磁石部310と対向する第1ヨーク332と、移動方向とは垂直な方向において磁石部310と対向する第2ヨークと、を有してよい。この場合のY方向側の第2ヨークは、図11および図12で示したヨーク部330の一部または全部であってよい。
以上の本実施形態に係る駆動装置300は、複数の吸引領域を有するヨーク部330を備える例を説明した。例えば、図5から図14に示した駆動装置300は、ヨーク部330が別個独立なヨークを複数有する例を説明した。これに代えて、ヨーク部330は、複数の吸引領域を有する単独のヨークであってもよい。
図15は、本実施形態に係るヨーク部330の第1変形例を示す。第1変形例のヨーク部330は、第1ヨーク332および第2ヨーク334が一体に形成される。ここで、第1ヨーク332および第2ヨーク334は、それぞれ別個の吸引領域となる。即ち、ヨーク部330は、磁石部310に対向する範囲において、レンズ部120の移動方向における吸引領域の間にギャップ338を有する。
このように、第1変形例のヨーク部330は、板状のヨークにギャップ338が設けられて形成されてよい。また、第1ヨーク332および第2ヨーク334の両端がそれぞれ接続されて形成されてもよい。これに代えて、ヨーク部330は、第1ヨーク332および第2ヨーク334の一端同士または他端同士が接続された形状(アルファベットのCの字形状)であってもよい。また、ヨーク部330は、吸引領域となる第1ヨーク332および第2ヨーク334が磁石部310に向けて突出する突出部として形成されてもよい。この場合、ヨーク部330は、磁石部310に対向する範囲において、移動方向における複数の突出部の間にギャップ338を有することになる。
図16は、本実施形態に係るヨーク部330の第2変形例を示す。第2変形例のヨーク部330は、レンズ部120の移動方向における複数箇所に磁石部310側に向かって突出する突出部を有する。図16は、ヨーク部330が第1突出部404および第2突出部406を有する例を示す。第1突出部404は、図5および図6で説明した第1ヨーク332として動作してよく、第2突出部406は、第2ヨーク334として動作してよい。
第1突出部404および第2突出部406は、ヨーク部330の一部であってよく、一体となって形成されてよい。また、第1突出部404および第2突出部406の間には、図15で説明したギャップ338が形成されてもよい。また、ヨーク部330は、3以上の突出部を有してもよい。
図17は、本実施形態に係るヨーク部330の第3変形例を示す。第3変形例のヨーク部330は、磁石部310に対向するヨーク板402と、移動方向における複数箇所においてヨーク板402から磁石部310側に向かって突出する第1突出部404および第2突出部406と、を有する。ヨーク板402は、板状に形成されてよく、また、図15で説明したギャップ338が形成されてもよい。第1突出部404および第2突出部406は、磁石部310に突出する凸部を有してよい。この場合、第1突出部404および第2突出部406の凸部は、YZ面と略平行な断面形状の少なくとも一部が、三角形、四角形、多角形、半円、円または楕円の一部、および台形等のいずれかでよい。
第1突出部404は、図5および図6で説明した第1ヨーク332として動作してよく、第2突出部406は、第2ヨーク334として動作してよい。第1突出部404および第2突出部406は、ヨーク部330の一部であってよく、ヨーク板402と一体となって形成されてよい。
以上の本実施形態に係る駆動装置300は、複数の吸引領域を有するヨーク部330を備え、レンズ部120の安定位置を複数設けることを説明した。これに代えて、駆動装置300は、複数の磁石を有することで、レンズ部120の安定位置を複数設けてもよい。なお、この場合、ヨーク部330は、単独のヨークであってもよい。
図18は、本実施形態に係る駆動装置300の第4変形例を示す。第4変形例の駆動装置300において、図5および図6に示された本実施形態に係る駆動装置300の動作と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。第4変形例の駆動装置300は、磁石部310が複数の磁石を有し、レンズ部120の移動方向に第1極および第2極の組が複数配列される。図18は、磁石部310が第1磁石316および第2磁石320を有する例を示す。
第1磁石316は、レンズ部120の移動方向に第1極312および第2極314が配列される。また、第2磁石320は、第1磁石316と同様に、レンズ部120の移動方向に第1極322および第2極324が配列される。なお、駆動装置300は、磁石部310およびレンズ部120の間にバックヨーク360を備えてもよい。
ヨーク部330およびコイル部340は、このような磁石部310に対向して設けられる。なお、図18は、ヨーク部330が単一のヨークの例を示す。このように、ヨーク部330が単一であっても、磁石部310が複数の磁石を有するので、駆動装置300は、レンズ部120の複数の安定位置を設けることができる。
例えば、図18に示すように、ヨーク部330の位置が、Z方向において第1磁石316および第2磁石320の略中間に位置する場合、レンズ部120に加わるZ方向の力は、釣り合いが取れた略安定な状態となる。また、第1磁石316のZ方向の位置が、ヨーク部330に対向する、即ち、第1磁石316の第1極312および第2極314の略中間にヨーク部330が位置する磁石位置に移動しても、略安定な状態となる。同様に、第2磁石320のZ方向の位置が、ヨーク部330に対向する磁石位置に移動しても、略安定な状態となる。
したがって、第4変形例の駆動装置300は、レンズ部120の移動方向に第1極および第2極の組を有する複数の磁石を、当該移動方向に配列することにより、レンズ部120の複数の安定位置を有することができる。したがって、駆動装置300は、レンズ部120を移動させる推力の変動、および、磁気センサ350の検出磁場のリニアリティの変動を抑制することができる。なお、図18は、磁石部310が第1磁石316および第2磁石320の2つの磁石を有する例を説明したが、これに加えて、磁石部310は、更に多くの磁石を有してもよい。
以上の本実施形態に係る磁石部310は、駆動装置300の駆動対象物であるレンズ部120に固定される例を説明した。これに代えて、ヨーク部330およびコイル部340がレンズ部120に固定されてもよい。即ち、ヨーク部330およびコイル部340が、レンズ部120と共に移動し、磁石部310および磁気センサ350がベース部110に固定される。この場合においても、駆動装置300は、磁石部310および/またはヨーク部330を複数設けることにより、レンズ部120を移動させる推力の変動を抑制することができる。
また、本実施形態に係る駆動装置300は、駆動対象物としてレンズ部120を備える例を説明した。これに代えて、駆動装置300は、駆動対象物として、フィルタ、光源、ミラー、アクチュエータ、およびセンサ等を駆動してもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
100 レンズユニット、110 ベース部、120 レンズ部、122 光学レンズ、140 第1磁石、142 第1極、144 第2極、150 第2磁石、152 第1極、154 第2極、210 ヨーク部、220 コイル部、230 磁気センサ、300 駆動装置、310 磁石部、312 第1極、314 第2極、316 第1磁石、312 第1極、314 第2極、320 第2磁石、322 第1極、324 第2極、330 ヨーク部、332 第1ヨーク、334 第2ヨーク、336 第3ヨーク、338 ギャップ、340 コイル部、350 磁気センサ、360 バックヨーク、402 ヨーク板、404 第1突出部、406 第2突出部

Claims (15)

  1. 駆動対象物の移動方向に第1極および第2極が配列された磁石部と、
    前記磁石部に対向して設けられ、前記移動方向において前記磁石部を吸引する複数の吸引領域を有するヨーク部と、
    前記磁石部と対向して設けられたコイル部と、
    を備え、
    前記コイル部および前記ヨーク部、または前記磁石部が前記駆動対象物に固定される
    駆動装置。
  2. 前記ヨーク部は、前記移動方向に並んだ複数のヨークを有する請求項1に記載の駆動装置。
  3. 前記ヨーク部は、前記移動方向において前記磁石部を間に挟んで対向する一対のヨークを有する請求項1または2に記載の駆動装置。
  4. 前記ヨーク部は、
    前記移動方向において前記磁石部と対向する第1ヨークと、
    前記移動方向とは垂直な方向において前記磁石部と対向する第2ヨークと、
    を有する請求項1または2に記載の駆動装置。
  5. 前記ヨーク部は、前記移動方向における複数箇所に前記磁石部側に向かって突出する突出部を有する請求項1に記載の駆動装置。
  6. 前記ヨーク部は、前記磁石部に対向する範囲において、前記移動方向における複数の前記突出部の間にギャップを有する請求項5に記載の駆動装置。
  7. 前記ヨーク部は、
    前記磁石部に対向するヨーク板と、
    前記移動方向における複数箇所において前記ヨーク板から前記磁石部側に向かって突出する前記突出部と、
    を有する請求項5に記載の駆動装置。
  8. 前記磁石部における前記コイル部とは反対側に設けられたバックヨークを更に備える請求項1から7のいずれか一項に記載の駆動装置。
  9. 前記磁石部は、前記移動方向に第1極および第2極が配列された磁石を有する請求項1から8のいずれか一項に記載の駆動装置。
  10. 前記磁石部は、前記移動方向に並んで配列された第1磁石および第2磁石を有し、
    前記第1磁石は、前記コイル部により近い第1極と、前記コイル部からより離れた第2極とを有し、
    前記第2磁石は、前記コイル部により近い第2極と、前記コイル部からより離れた第1極とを有する
    請求項1から8のいずれか一項に記載の駆動装置。
  11. 前記磁石部によって生じる磁場を検出する磁気センサを更に備える請求項1から10のいずれか一項に記載の駆動装置。
  12. 前記磁気センサは、前記コイル部の中空部分に設けられる請求項11に記載の駆動装置。
  13. 駆動対象物の移動方向に第1極および第2極の組が複数配列された磁石部と、
    前記磁石部に対向して設けられたヨーク部およびコイル部と、
    を備え、
    前記ヨーク部および前記コイル部、または前記磁石部が前記駆動対象物に固定される
    駆動装置。
  14. 前記駆動対象物としてレンズ部を備える請求項1から13のいずれか一項に記載の駆動装置。
  15. 前記レンズ部と、
    請求項14に記載の駆動装置と、
    を備えるレンズユニット。
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