JP2009288332A - 撮像装置、姿勢判別装置、レンズ鏡筒装置、姿勢判別方法及びプログラム - Google Patents

撮像装置、姿勢判別装置、レンズ鏡筒装置、姿勢判別方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】レンズ系を構成する一のレンズ又は撮像素子の駆動力の変化を用いることによって撮影時等において、縦横どちらの姿勢で撮影したのかを判別する。
【解決手段】メモリ208に記憶された、光軸に一致する方向に付勢され、マグネットの磁界とコイルに流れる電流の作用によって発生する駆動力によって、レンズ系を構成する補正レンズ17を光軸と直交する方向に移動する補正レンズ17の移動量と駆動力の大きさとの関係を示す関係データに基づいて、補正レンズ17を備えたカメラ1の回転角度と駆動力の大きさとの関係を示す正弦波カーブに設定された駆動力の閾値をオフセットするステップと、カメラ1の姿勢を判別する判別時の駆動力が閾値との大小関係を判別するステップとを有する。
【選択図】図35

Description

本発明は、カメラ等の撮像時等の姿勢、例えばカメラを横にして撮っているか縦にして撮っているかを判別することができる撮像装置、姿勢判別装置、レンズ鏡筒装置、姿勢判別方法及びプログラムに関する。
従来、ディジタルスチルカメラ等の撮像装置には、どのような姿勢で撮影されているのかを検出するための姿勢検出の機能を備えたものがある。姿勢検出を行う際には、姿勢検出センサを使用して検出する方式、または、レンズの保持力を保持して検出する方式が挙げられる。特にレンズの保持力を検出する方式を用いる場合には、保持力を検出する対象が必要であり、検出対象となるレンズブロックの一つとして、補正レンズを備えた像ぶれ補正を行う像ぶれ補正部が用いられる。像ぶれ補正部の補正レンズに加わる主な力としては、補正レンズと補正レンズ駆動用に必要な信号処理を行う基板を接続するフレキシブル基板が撓むことによってレンズに加わる力や補正レンズに加わる重力等がある。重力については、ディジタルスチルカメラから見て垂直方向と水平方向に加わる力を検出する手段で検出することができる。
すなわち、ディジタルスチルカメラの姿勢を変えたときには、ディジタルスチルカメラから見た垂直方向と水平方向に加わる重力が角度に応じて変化するので、この保持する力を計測することによって、ディジタルスチルカメラがどれくらい傾けられたのかの姿勢を判別することができる。例えば、撮影するとき、カメラを縦にした状態で撮影したのか、横にした状態で撮影したのかを判別することができる。
また、像ぶれ補正部に用いられる補正レンズには、前述したフレキシブルプリント基板が撓むことによってレンズに加わる力や、重力や、レンズの光軸に対してレンズブロックを垂直に付勢するためのばね力や磁気吸引力が加わるレンズがある。このようなレンズに対しては、姿勢検出を行った例がない。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、レンズ系を構成する一のレンズ又は撮像素子の駆動力の変化を用いることによって撮影時等において、縦横どちらの姿勢で撮影したのか又は上下の姿勢を正確に判別することができる撮像装置、姿勢判別装置、レンズ鏡筒装置、姿勢判別方法及びプログラムを提供することを目的とする。
特開2007−212876号公報
本発明に係る撮像装置は、レンズ系を構成する一のレンズ又は撮像素子と、マグネットの磁界とコイルに流れる電流の作用によって駆動力を発生して、上記一のレンズ又は撮像素子を光軸方向又は光軸と直交する方向に移動する駆動部と、上記一のレンズ又は撮像素子を光軸に一致する方向に付勢する付勢部と、上記一のレンズ又は撮像素子の移動量と上記駆動力の大きさとの関係を示す関係データを記憶するメモリと、該撮像装置の回転角度と上記駆動力の大きさとの関係を示す正弦波カーブ又は該正弦波カーブに設定された上記駆動力の閾値の何れかを上記関係データに基づいてオフセットし、該撮像装置の姿勢を判別する判別時の駆動力と該正弦波カーブとの大小関係を判別する判別部とを備える。
また、本発明に係る姿勢判別装置は、光軸に一致する方向に付勢され、マグネットの磁界とコイルに流れる電流の作用によって発生する駆動力によって、レンズ系を構成する一のレンズ又は撮像素子を光軸方向又は光軸と直交する方向に移動する上記一のレンズ又は撮像素子の移動量と上記駆動力の大きさとの関係を示す関係データを記憶するメモリと、上記一のレンズ又は撮像素子を備えた撮像装置の回転角度と上記駆動力の大きさとの関係を示す正弦波カーブ又は該正弦波カーブに設定された上記駆動力の閾値の何れかを上記関係データに基づいてオフセットし、該撮像装置の姿勢を判別する判別時の駆動力と該正弦波カーブとの大小関係を判別する判別部とを備える。
更に、本発明に係るレンズ鏡筒装置は、レンズ系を構成する一のレンズと、マグネットの磁界とコイルに流れる電流の作用によって駆動力を発生して、上記一のレンズを光軸と直交する方向に移動する駆動部と、上記一のレンズを光軸に一致する方向に付勢する付勢部と、上記一のレンズの移動量と上記駆動力の大きさとの関係を示す関係データを記憶するメモリと、該レンズ鏡筒装置の回転角度と上記駆動力の大きさとの関係を示す正弦波カーブ又は該正弦波カーブに設定された上記駆動力の閾値の何れかを上記関係データに基づいてオフセットし、該レンズ鏡筒装置の姿勢を判別する判別時の駆動力と該正弦波カーブとの大小関係を判別する判別部とを備える。
更に、本発明に係る姿勢判別方法は、メモリに記憶された、光軸に一致する方向に付勢され、マグネットの磁界とコイルに流れる電流の作用によって発生する駆動力によって、レンズ系を構成する一のレンズ又は撮像素子を光軸方向又は光軸と直交する方向に移動する上記一のレンズ又は撮像素子の移動量と上記駆動力の大きさとの関係を示す関係データに基づいて、上記一のレンズ又は撮像素子を備えた撮像装置の回転角度と駆動力の大きさとの関係を示す正弦波カーブ又は該正弦波カーブに設定された駆動力の閾値をオフセットするステップと、上記撮像装置の姿勢を判別する判別時の駆動力が上記閾値との大小関係を判別するステップとを有する。
更に、上記姿勢判別方法を実行するコンピュータにより実行されるプログラムを提供することにある。
本発明によれば、メモリに記憶された、光軸に一致する方向に付勢され、マグネットの磁界とコイルに流れる電流の作用によって発生する駆動力によって、レンズ系を構成する一のレンズ又は撮像素子を光軸方向又は光軸と直交する方向に移動する上記一のレンズ又は撮像素子の移動量と上記駆動力の大きさとの関係を示す関係データに基づいて、上記一のレンズ又は撮像素子を備えた撮像装置の回転角度と駆動力の大きさとの関係を示す正弦波カーブ又は該正弦波カーブに設定された駆動力の閾値をオフセットするようにしたので、付勢部の付勢力を考慮した上で、駆動力を測定することができ、これにより、縦横等の装置の姿勢を正確に判別することができる。
以下、本発明が適用されたディジタルスチルカメラ1について図面を参照して説明する。なお、以下、ディジタルスチルカメラ1を単にカメラ1という。
(1) ディジタルスチルカメラの外観構成
図1乃至図3に示すように、本発明が適用されたカメラ1は、情報記録媒体として半導体記録メディアを使用し、被写体からの光学的な画像を撮像素子(CCD(Charge-Coupled Devices)、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等)で電気的な信号に変換して、半導体記録メディアに記録したり、液晶ディスプレイ等の表示装置に表示できるようにする。
このカメラ1は、横長とされた偏平のカメラ本体2を有している。このカメラ本体2の前面には、上側コーナ部に、レンズ部3が設けられている。このレンズ部3は、カメラ本体2の前面に、上下方向にスライド可能に取り付けられたレンズカバー4によって開閉され、撮影時、レンズカバー4が下方に下がることによってレンズ部3が外部に臨まされるようになっている。また、レンズ部3の近傍には、レンズ部3と共に、レンズカバー4によって開閉されるフラッシュ5が設けられている。
カメラ本体2の背面には、LCD、有機ELディスプレイ等でなる表示部6が設けられている。この表示部6には、撮像素子が取り込んでいる被写体を表示すると共に、撮像した画像データ等を表示する。
また、カメラ本体2の背面には、各種の操作スイッチが設けられている。操作スイッチとしては、機能モード(静止画、動画、再生等)を選択するモード選択ツマミ7a、ズーム操作を実行するズームボタン7b、画面表示を行う画面表示ボタン7c、各種メニューを選択するメニューボタン7d、メニューを選択するカーソル等を移動させる方向キー7e、画面サイズを切り換えたり画像削除を行う画面ボタン7f等が配置されている。
また、カメラ本体2の上面には、電源をオン・オフさせる電源ボタン7g、記録すなわち撮影の開始や停止を実行する記録ボタン7h、手ぶれが生じたときに像ぶれ補正を動作させて像ぶれ補正を実行する手ぶれ設定ボタン7i等が設けられている。
なお、カメラ本体2の内部は、鏡筒、バッテリ、マイク、スピーカ等の部品が内蔵されている。
(2) レンズ鏡筒の構成
図4に示すように、カメラ1のレンズ鏡筒10には、複数のレンズが保持されている。このレンズ鏡筒10が保持するレンズ系は、5組のレンズ群を同一光軸L上に配置した5群レンズ11〜15からなる折曲レンズ系であり、5群レンズ11〜15のうち、先端側に位置する1群レンズ11は、被写体に対向される対物レンズである第1のレンズ11aと、この対物レンズとなる第1のレンズ11aの被写体と反対側に配置されるプリズム11bと、このプリズム11bに対向される第2のレンズ11cとによって構成されている。プリズム11bは、断面形状が直角二等辺三角形をなす三角柱体からなり、90度回転変位した位置に隣り合う2つの面の一方に対物レンズとなる第1のレンズ11aが対向され、他方の面に第2のレンズ11cが対向されている。
この折曲レンズ系は、プリズム11bによって光軸Lが略90度に折り曲げられている。これにより、対物レンズである第1のレンズ11a側に第1の光軸L1が設定され、その第1の光軸L1と直交する方向(90度交差した方向)にある撮像素子18(結像)側に第2の光軸L2が設定される。
この1群レンズ11では、対物レンズである第1のレンズ11aを透過しプリズム11bに入射し、第1の光軸L1に対して45度に傾斜した反射面で反射されて進行方向を90度折り曲げられて出射され第2のレンズ11cを透過し、第2の光軸L2に沿って2群レンズ12に向かって進行する。2群レンズ12は、第3のレンズ12aと第4のレンズ12bとの組み合わせからなり、第2の光軸L2上をテレ及びワイド方向に移動する。この2群レンズ12を透過した光は、3群レンズ13に入射される。
3群レンズ13は、レンズ鏡筒10に固定される第5のレンズからなっている。3群レンズ13の後方には、第6のレンズからなる4群レンズ14が配置されている。この4群レンズ14と3群レンズ13の間には、レンズ系を通過する光の量を調整可能な絞り機構16が配置されている。4群レンズ14は、第2の光軸L2上を移動可能に構成されている。4群レンズ14の後方には、第7のレンズ15aと後述する補正レンズ17とからなる5群レンズ15が配置されている。5群レンズ15のうち第7のレンズ15aは、レンズ鏡筒に固定されており、この第7のレンズ15aの後方に補正レンズ17が移動可能に配置され、更に、補正レンズ17の後方に撮像素子18が配置されている。
2群レンズ12と4群レンズ14は、それぞれ別個独立に第2の光軸L2に沿ってテレ方向とワイド方向に移動する。この2群レンズ12と4群レンズ14は、テレ又はワイド方向に移動することによって、ズーム調整とフォーカス調整を行う。すなわち、ズーム時には、2群レンズ12と4群レンズ14をワイド(広角)からテレ(望遠)まで移動することによってズーム調整を行う。また、フォーカス時には、4群レンズ14をワイド(広角)からテレ(望遠)まで移動することによってフォーカス調整を実行する。
撮像素子18は、撮像素子用アダプタに固定されており、この撮像素子用アダプタを介してレンズ鏡筒に取り付けられている。撮像素子18の前側には、光学フィルタ19が配置されており、この光学フィルタ19と第7のレンズ15aとの間に、補正レンズ17を有する像ぶれ補正機構が配設されている。詳細は後述する像ぶれ補正機構は、レンズ系の振動等による撮影画像(像)のぶれを補正する。補正レンズ17は、通常の状態では、その光軸を第2の光軸L2と一致させるように取り付けられている。そして、カメラ本体2の振動等によって撮像素子18の結像面に像ぶれが生じたときに、像ぶれ補正機構が補正レンズ17を第2の光軸L2と直交する2方向(第1の方向X(ピッチ方向)及び第2の方向Y(ヨー方向))に移動させて結像面の像ぶれを補正する。
(3) 像ぶれ補正機構の構成
(3−1) 第1の実施例(ばね力で付勢する例)
図5〜図14に示す像ぶれ補正装置の第1の実施の例は、ムービングマグネット方式の駆動機構を備えた像ぶれ補正装置20として構成したものである。この像ぶれ補正装置20は、図5〜図11に示すように、レンズ系の像ぶれを補正するための補正レンズ17を保持する移動枠21と、移動枠21を補正レンズ17の光軸に直交する平面上で移動可能に支持する支持枠22と、移動枠21を支持枠22側に付勢する付勢部となる3つの引っ張りコイルばね23a,23b,23cと、移動枠21をレンズ系の光軸と直交する第1の方向Xに移動させる第1の駆動部24と、移動枠21をレンズ系の光軸と直交する方向であって第1の方向Xとも直交する第2の方向Yに移動させる第2の駆動部25と、移動枠21に設けられた制限受け部26と、支持枠22に設けられた制限凸部27と、移動枠21の第1の方向X(ピッチ方向)に関する位置を検出する位置検出器である第1のホール素子28aと、移動枠21の第2の方向Y(ヨー方向)に関する位置を検出する位置検出器である第2のホール素子28b等を備えている。
補正レンズ17は、後述するカメラ本体2に手の震え等による揺れが生じたときの像ぶれ量に対応してその位置を第1の方向X及び/又は第2の方向Yに移動させて像ぶれを補正する。この補正レンズ17は、移動枠21に固定されている。
図5乃至図8等に示すように、移動枠21は、略円形の板体からなるレンズ保持部31と、このレンズ保持部31と一体に設けた3つの移動枠側爪部32a,32b,32cと、レンズ保持部31と一体に設けた第1のマグネット固定部33a及び第2のマグネット固定部33b等を備えている。
レンズ保持部31の略中央部には、補正レンズ17が嵌合される嵌合穴34が設けられており、この嵌合穴34に補正レンズ17が接着剤等により固定されて一体に取り付けられている。移動枠21の支持枠22と対向される下面には、制限受け部26が設けられている。この制限受け部26は、嵌合穴34の内周面となっている。この制限受け部26ともなる嵌合穴34には、支持枠22の後述する制限凸部27が挿入され、所定範囲内で半径方向へ移動可能に係合される。
更に、移動枠21の支持枠22と対向される下面には、3つの球面突部35が設けられている。これら3つの球面突部35は、図15(A)に示すように、制限受け部26の周りに等間隔に配置されている。3つの球面突部35は、それぞれ先端に球面35aを有し、この球面35aが支持枠22の3つのガイド受け部36に点接触される。
3つの移動枠側爪部32a,32b,32cは、レンズ保持部31の側面に等間隔に設けられている。これら3つの移動枠側爪部32a,32b,32cは、それぞれレンズ保持部31の半径方向外側に突出されており、側面形状が上方に凸となる略L字状に形成されえている。3つの移動枠側爪部32a,32b,32cには、像ぶれ補正装置20を組み立てた状態において、3つの引っ張りコイルばね23a,23b,23cの一端がそれぞれ係合される。
第1のマグネット固定部33aは、レンズ保持部31の半径方向外側に設けられており、この第1のマグネット固定部33aと嵌合穴34を結ぶ方向が第1の方向X(ピッチ方向)とされている。第1のマグネット固定部33aは、第1の方向Xに突出される2つの突起片37,37を有している。また、第2のマグネット固定部33bは、第1のマグネット固定部33aから略90度の位置に設けられており、この第2のマグネット固定部33bと嵌合穴34を結ぶ方向が第2の方向Y(ヨー方向)とされている。第2のマグネット固定部33bは、第2の方向Yに突出される2つの突起片39,39を有している。
第1のマグネット固定部33aの突起片37,37間には、第1の駆動部24の一部を構成する第1のマグネット41と第1のバックヨーク42が接着剤や固定ねじ等によって固定されている。また、第2のマグネット固定部33bの突起片39,39間には、第2の駆動部25の一部を構成する第2のマグネット43と第2のバックヨーク44が接着剤や固定ねじ等の固着方法によって固定されている。
第1のマグネット41及び第2のマグネット43は、それぞれ四角形の平板状として同一形状に形成されていると共に、所定の方向に強さの等しい磁界が発生するように着磁されている。すなわち、第1のマグネット41及び第2のマグネット43は、平面方向を2等分するように極性を異ならせて着磁されていると共に、その平面方向と直交する厚み方向をも2等分するように極性を異ならせて着磁されている。
この実施例では、第1のマグネット41は、支持枠22と対向する面(第1のコイル45に近い側の面)において補正レンズ17に近い半径方向内側にN極が着磁され、補正レンズ17から離れた半径方向外側にS極が着磁されている。そして、第1のマグネット41の支持枠22と反対側の面(第1のコイル45から遠い側の面)では、補正レンズ17に近い半径方向内側にS極が着磁され、補正レンズ17から離れた半径方向外側にN極が着磁されている。
また、第2のマグネット43は、支持枠22と対向する面において補正レンズ17に近い半径方向内側にN極が着磁され、補正レンズ17から離れた半径方向外側にS極が着磁されている。そして、第2のマグネット43の支持枠22と反対側の面では、補正レンズ17に近い半径方向内側にS極が着磁され、補正レンズ17から離れた半径方向外側にN極が着磁されている。なお、第1及び第2のマグネット41,42の極性の配置は、この例に限定されるものではない。
図7等に示すように、第1のバックヨーク42及び第2のバックヨーク44は、それぞれ四角形の平板状として同一形状に形成され、平面の大きさが第1及び第2のマグネット41,43と同じ大きさに形成されている。第1のバックヨーク42は、第1のマグネット41の一面(支持枠22と反対側の面)に接着剤等の固着方法によって固定されている。また、第2のバックヨーク44は、第2のマグネット43の一面(支持枠22と反対側の面)にそれぞれ接着剤等によって固定されている。
支持枠22は、図9等に示すように、移動枠21よりも大きい円形の板体からなっている。この支持枠22は、中央部に設けた貫通孔46と、一面に突出するように設けた制限凸部27と、同じく一面に突出するように設けた3つの支持枠側爪部29a,29b,29cと、その一面に凹部を形成することによって設けた3つのガイド受け部36を有している。
支持枠22の制限凸部27は、貫通孔46の周囲を囲う筒体部であり、その開口穴27aが貫通孔46に連続して形成されている。この制限凸部27は、移動枠21に設けた制限受け部26よりも小さく形成されており、像ぶれ補正装置20を組み立てた状態において、その制限受け部26内に挿入される。この制限凸部27と制限受け部である嵌合穴34との間に形成された隙間の範囲内で移動枠21と支持枠22が、それぞれの平面方向へ相対的に移動する。そして、移動枠21に設けた制限受け部26の内周面が支持枠22に設けた制限凸部27の外周面に当接することにより、移動枠21のレンズ系の光軸と直交する方向への移動範囲が制限される。すなわち、支持枠22に設けた制限凸部27と移動枠21に設けた制限受け部26により、移動枠21の第1の方向X及び第2の方向Yへの移動を制限する動作制限機構47が構成されている。
3つの支持枠側爪部29a,29b,29cは、図9及び図10に示すように、移動枠21の3つの移動枠側爪部32a,32b,32cと対応させて周方向に等間隔に形成され、移動枠側爪部32a,32b,32cよりも半径方向外側となるように形成されている。これら3つの支持枠側爪部29a,29b,29cには、像ぶれ補正装置20を組み立てた状態において、一端が移動枠側爪部32a,32b,32cにそれぞれ係合された3つの引っ張りコイルばね23a,23b,23cのそれぞれの他端が係合される。
これにより、3つの引っ張りコイルばね23a,23b,23cは、補正レンズ17の光軸を中心に放射状に掛け渡され、それぞれ移動枠21を支持枠22側へ斜めに引っ張るようなばね力を発揮する。このため、移動枠21は、支持枠22側に付勢されると共に、補正レンズ17の光軸に直交する平面上において補正レンズ17の光軸を中心に、略120度の等角度間隔をなす3方向に引っ張られる。この状態において、移動枠21に保持された補正レンズ17の光軸は、支持枠22の貫通孔46の中心に略一致される。
3つのガイド受け部36は、それぞれ円形の凹部として形成されており、制限凸部27の周囲に等間隔に配置されている。これら3つのガイド受け部36には、潤滑油等の潤滑剤が塗布され、この潤滑剤を介して移動枠21に設けた球面突部35の球面35aが点接触される。このため、ガイド受け部36と球面突部35との間に生じる摩擦抵抗を小さくなり、第1及び第2の駆動部24,25の駆動力の損失を小さくして、小さな駆動力で移動枠21を移動させることができる。なお、ガイド受け部36及び球面突部35の数は、4つ以上でもよい。
また、移動ガイドの一具体例として球面突部35を例に説明したが、移動ガイドとしては、例えば、図15(B)に示すように、移動枠21に一体に設けられる摺動突部48を適用することもできる。
図15(B)に示すように、摺動突部48の先端には、水平方向に平行な平面をなす摺動面48aが形成されており、この摺動面48aがガイド受け部36に面接触される。そして、ガイド受け部36と摺動突部48の摺動面48aとの間には、潤滑剤を介在させる。これにより、ガイド受け部36と摺動面48aとの間に生じる摩擦抵抗を小さくすることができる。
また、本発明に係る移動ガイドとしては、例えば、図15(C)及び図15(D)に示すように、球体49を用いても良い。図15(C)に示すガイド受け部36aは、球体49の直径よりも大きい直径を有する円形の凹部として形成されており、これにより球体49を転動自在に保持している。また、図15(D)に示すガイド受け部36bは、球体49の直径と略同一の直径を有する円形の凹部として形成されており、これにより球体49を略一点で回転自在に保持している。このように構成することによっても、移動枠21及びガイド受け部36a,36bと球体49との間に生じる摩擦抵抗を小さくすることができる。
なお、球体49の材質としては、第1及び第2のマグネット41,43の磁界の影響を受けず、且つ、高い強度を有するものが好ましく、例えば、セラミックやステンレス鋼等を用いることができる。また、球体49には、磁界の影響を受ける構造用炭素鋼等の金属であってもよく、また、磁性体であると否にかかわらずエンジニアリングプラスチックを用いても良い。
支持枠22には、フレキシブル配線基板51が取り付け支持されている。フレキシブル配線基板51は、移動枠21の第1マグネット41に対向する第1のコイル搭載部52aと、移動枠21の第2マグネット43に対向する第2のコイル搭載部52bと、これらを連結する連結部52cを有している。第1のコイル搭載部52aには、第1の駆動部24の一部を構成する第1のコイル45が設けられ、第2のコイル搭載部52bには、第2の駆動部25の一部を構成する第2のコイル50が設けられている。
第1のコイル45及び第2のコイル50は、平面的に巻回された略楕円形をなす偏平コイルであり、それぞれが1本のコイル線を巻回することによって形成されている。第1のコイル45は、フレキシブル配線基板51の第1のコイル搭載部52aに設けた所定の配線パターンと電気的に接続されており、第2のコイル50は、第2のコイル搭載部52bに設けた所定の配線パターンと電気的に接続されている。
図11に示すように、2つのコイル45,50において、幅方向に対向する長辺側の2つの直線部分が、それぞれアクチュエータとして駆動力を発生する駆動力発生部53a,53b及び駆動力発生部54a,54bとなっている。第1のコイル45は、駆動力発生部53a,53bが延在する方向を第1の方向Xと直交する方向に向けて配設されている。そして、第2のコイル50は、駆動力発生部54a,54bが延在する方向を第2の方向Yと直交する方向に向けて配設されている。
像ぶれ補正装置20を組み立てた状態において、第1のコイル45の駆動力発生部53aには、第1のマグネット41の一方の磁極部(この実施の例ではS極)が対向される。そして、第1のコイル45の駆動力発生部53bには、第1のマグネット41の他方の磁極部(この実施の例ではN極)が対向される。また、第2のコイル50の駆動力発生部54aには、第2のマグネット43の一方の磁極部(この実施の例ではS極)が対向され、駆動力発生部54bには、第2のマグネット43の他方の磁極部(この実施の例ではN極)が対向される。
上述した第1のコイル45と、第1のマグネット41と、第1のバックヨーク42により、第1の駆動部24が構成されている。そして、第2のコイル50と、第2のマグネット43と、第2のバックヨーク44により、第2の駆動部25が構成されている。
このような配置構成において、第1のコイル45に駆動電流を供給すると、第1のマグネット41の磁界が第1のコイル45と垂直をなす方向に作用しているため、フレミングの左手の法則により、第1の駆動部24には第1の方向X(ピッチ方向)に向かう駆動力が発生する。また、第2のコイル50に駆動電流を供給すると、第2のマグネット43の磁界が第2のコイル50と垂直をなす方向に作用しているため、フレミングの左手の法則により、第2の駆動部25には第2の方向Y(ヨー方向)に向かう駆動力が発生する。
この場合、第1のコイル45(第2のコイル50の場合も同様)において、駆動力の発生する直線部分からなる駆動力発生部53a,53bが2箇所にあり、その2箇所では駆動電流の流れる方向が逆方向となる。しかしながら、2つの駆動力発生部53a,53bに作用する第1のマグネット41の磁界の方向も逆方向になっているため、2つの駆動力発生部53a,53bにて発生する駆動力の方向は、同一方向となる。これにより、両駆動力を合計した力が第1の駆動部24により発生される駆動力となって、移動枠21を第1の方向X(ピッチ方向)へ移動させる力として作用することになる(第2の駆動部25の場合も同様)。
像ぶれ補正装置20では、補正レンズ17の駆動制御を行うために、補正レンズ17の位置を検出する位置検出器として、2個のホール素子28a,28bが設けられている。2個のホール素子28a,28bは、第1のマグネット41と第2のマグネット43の磁界をそれぞれ検出し、その磁界の大きさに基づいて補正レンズ17の位置を算出する。
図13に示すように、第1のホール素子28aは、第1のコイル45の巻回部の空隙内に設けられ、フレキシブル配線基板51の第1のコイル搭載部52aに設けられている。この第1のホール素子28aの中心部は、第1のマグネット41のN極とS極の極境に設定されている。また、第2のホール素子28bは、第2のコイル50の巻回部の空隙内に設けられ、フレキシブル配線基板51の第2のコイル搭載部52bに設けられている。この第2のホール素子28bの中心部は、第2のマグネット43のN極とS極の極境に設定されている。
第1及び第2のホール素子28a,28bは、各マグネット41,43のN極、S極の磁界を検出し、その磁界の強さに応じた検出信号をそれぞれ出力する。そして、各ホール素子28a,28bからの検出信号に基づいて制御装置が、補正レンズ17の第1の方向Xと第2の方向Yの位置を演算して算出する。これにより、制御装置は、補正レンズ17の駆動制御を精度良く行なうことが可能となる。
図14(A)及び図14(B)は、第1及び第2のマグネット41,43の極境を横断する第1及び第2のホール素子28a,28bが、その位置によってマグネット41,43の磁界の強さを示したものである。以下、第1のホール素子28aを例に挙げて第1のマグネット41の磁界の検出について説明するが、第2のホール素子28bにおいても同様に第2のマグネット43の磁界の強さを検出する。
図14(A)に示すように、第1のマグネット41及び第1のバックヨーク42による磁束は、第1のマグネット41の下側にあるN極41a(第2のマグネット43の場合はN極43a)から飛び出して、第1のマグネット41の下側にあるS極41b(第2のマグネット43の場合はS極43b)に進む。そして、第1のマグネット41のN極41とS極41bの極境上では、磁束はどちらの方向にも進行しない。
第1のホール素子28aは、第1のマグネット41のN極41aからの磁束密度をプラス(+)の値として検出し、第1のマグネット41のS極41bに進行する磁束密度をマイナス(−)の値として検出する。また、第1のホール素子28aは、その中心部がN極41aとS極41bの極境に対向した状態において、磁束密度の値を0として検出する。
移動枠21が第1の方向Xに移動すると、第1のホール素子28aと第1のマグネット41が相対的に移動する。このとき、第1のホール素子28aがプラス(+)の磁束密度を検出すると、第1のホール素子28aは相対的にN極41a側に移動したことになる。これにより、制御装置は、移動枠21が図13に示すような第1の方向Xの+側に移動したと判断すると共に、検出した磁束密度の絶対値によって移動距離を算出する。また、第1のホール素子28aがマイナス(−)の磁束密度を検出すると、第1のホール素子28aは相対的にS極41b側に移動したことになる。これにより、制御装置は、移動枠21が第1の方向Xの−側に移動したと判断すると共に、検出した磁束密度の絶対値によって移動距離を算出する。
上述したような構成を有する像ぶれ補正装置20は、次のように組み立てられる。まず、第1及び第2のマグネット41,43に、それぞれ第1及び第2のバックヨーク42,44を接着剤等によって固定する。次に、各バックヨーク42,44が固定された第1及び第2のマグネット41,43を、それぞれ移動枠21の第1及び第2のマグネット固定部33a,33bに接着剤や固定ねじ等によって固定する。
続いて、第1及び第2のマグネット41,43等が固定された移動枠21の嵌合穴34に補正レンズ17を嵌合し、接着剤等により固定する。これにより、図9に示すような、補正レンズ17と、2つのマグネット41,43と、2つのバックヨーク42,44と、移動枠21が一体化された移動枠組立体が構成される。
次に、図11に示すように、フレキシブル配線基板51の2つのコイル搭載部52a,52bの上面には、第1及び第2のコイル45,50がそれぞれ設けられている。そして、第1及び第2のコイル45,50の開口から露出された第1及び第2のコイル搭載部52a,52bには、第1及び第2のホール素子28a,28bが実装される。これにより、フレキシブル配線基板51と、2つのコイル45,50と、2つホール素子28a,28bが一体化されたコイル組立体が構成される。次に、コイル組立体が支持枠22に固定される。これにより、コイル組立体と支持枠22が一体化された支持枠組立体が構成される。
次に、移動枠組立体の3つの移動枠側爪部32a,32b,32cには、3つの引っ張りコイルばね23a,23b,23cの一端が係合され、支持枠組立体の3つの支持枠側爪部29a,29b,29cには、3つの引っ張りコイルばね23a,23b,23cの他端が係合される。これにより、移動枠組立体が3つの球面突部35を介して支持枠組立体に付勢されると共に、支持枠組立体の略中心に位置するように付勢される。このとき、支持枠22の制限凸部27が、移動枠21に設けた制限受け部26に挿入される。これにより、移動枠組立体と、支持枠組立体が一体化され、像ぶれ補正装置20が組み立てられる。
像ぶれ補正装置20を組み立てた状態において、移動枠21と支持枠22は、3つの引っ張りコイルばね23a,23b,23cのばね力により、3つの球面突部35を介して密着される。このため、移動枠21はガタツキを生じることなく移動することができ、補正レンズ17の移動制御を極めて精度良く行うことができると共に、光学特性の劣化を最小限に抑えることができる。また、3つの引っ張りコイルばね23a,23b,23cは、補正レンズ17の光軸に直交する平面上において、その光軸を中心として略120度の等角度間隔をなす3方向に移動枠21を引っ張る。このため、移動枠21が第1の方向X及び第2の方向Yを含む平面上で回転することを防止することができ、移動枠21の直進性を向上させることができる。
ここで、補正レンズ17を保持する移動枠21に作用する力について、図16(A)乃至図16(C)を参照して説明する。図16(A)は、補正レンズ17の中心が光軸と一致した状態を示している。3つの引っ張りコイルばね23a,23b,23cは、補正レンズ17の光軸に直交する平面上において、その光軸を中心として略120度の等角度間隔をなす3方向に同じ力で移動枠21を引っ張っている(F1=F2=F3)。したがって、補正レンズ17は、レンズ中心が光軸上に位置した状態が保持されている。
そして、第2のコイル50に駆動電流を供給すると、第2のマグネット43の磁界が第2のコイル50と垂直をなす方向に作用しているため、フレミングの左手の法則により、第2の駆動部25には第2の方向Y(ヨー方向)に向かう駆動力が発生する。すると、図16(B)に示すように、光軸中心である点Oにおいては、引っ張りコイルばね23b,23cの力F2、F3は、増加し、引っ張りコイルばね23aの力F1は減少する。これらの引っ張りコイルばね23a,23b,23cによって作用する力F1、F2、F3の合力は、図16(B)に示すように、第2の方向の−Y方向、すなわち第2の駆動部25が発生する駆動力を抑制する方向に働く力F4が発生する。
これにより、移動枠21には、第2の駆動部25による駆動力から合力F4を引いた力が、第2の方向Yにおいて、駆動力の作用方向に作用する。この結果、第2の駆動部25による駆動力と合力F4を合成した力の向きは、移動枠21を移動させる方向である第2の方向Yと一致するため、移動枠21を第2の方向Yへ真っ直ぐ移動させることができ、移動枠21の直進性を向上させることができる。
同様に、第2のコイル50に上述とは逆に駆動電流を供給することにより、第2の駆動部25には第2の方向の−Y方向(ヨー方向)に向かう駆動力が発生する。すると、図16(C)に示すように、光軸中心である点Oにおいては、引っ張りコイルばね23a,23cの力F1、F3は、増加し、引っ張りコイルばね23bの力F2は減少する。これらの引っ張りコイルばね23a,23b,23cによって作用する力F1、F2、F3の合力は、図16(C)に示すように、第2の方向の+Y方向、すなわち第2の駆動部25が発生する駆動力を抑制する方向に働く力F4が発生する。
これにより、移動枠21には、第2の駆動部25による駆動力から合力F4を引いた力が、第2の方向Yにおいて、駆動力の作用方向に作用する。この結果、第2の駆動部25による駆動力と合力F4を合成した力の向きは、移動枠21を移動させる方向である第2の方向Yと一致するため、移動枠21を第2の方向Yへ真っ直ぐ移動させることができ、移動枠21の直進性を向上させることができる。
この場合、引っ張りコイルばね23a,23b,23cによって発生する合力は、引っ張りコイルばね23a,23b,23cの配置及びばね定数によって決定され、第2の駆動部25による駆動力の影響を受けないため、常に第2の駆動部25による駆動力と反対方向に働く。このため、駆動力の大きさによって移動枠21の移動方向が変化することはなく、移動枠21の移動方向を常に安定させることができる。
このような構成を有する像ぶれ補正装置20は次のように動作する。この像ぶれ補正装置20の補正レンズ17の移動は、フレキシブル配線基板51を介して第1及び第2の駆動部24,25の各コイル45,50に対して適宜な値の駆動電流を選択的に又は同時に供給することによって実行される。
すなわち、像ぶれ補正装置20の第1のコイル45及び第2のコイル50は、それぞれフレキシブル配線基板51を介して支持枠22に固定されている。このとき、第1のコイル45の各駆動力発生部53a,53bは第2の方向Yに延在され、第2のコイル50の各駆動力発生部54a,54bは第1の方向Xに延在されている。また、移動枠21に固定された第1のマグネット41が、それぞれ第1のコイル45の上方に位置され、第2のマグネット43が、それぞれ第2のコイル50の上方に位置されている。この結果、第1のマグネット41によって形成される磁気回路の磁束が、第1のコイル45の各駆動力発生部53a,53bを上下方向へ透過するように作用する。同様に、第2のマグネット43によって形成される磁気回路の磁束が、第2のコイル50の各駆動力発生部54a,54bを上下方向へ透過するように作用する。
そして、各コイル45,50が支持枠22に固定され、この支持枠22に移動可能に支持された移動枠21に各マグネット41,43が固定されている。このため、補正レンズ17は移動枠3を介して第1の方向X及び第2の方向Yを含む平面上のいずれの方向に対しても所定の範囲内、すなわち、制限凸部27と制限受け部26によって制限される範囲内で移動する。
いま、第1の駆動部24の第1のコイル45に駆動電流を供給すると、第1のコイル45の各駆動力発生部53a,53bが第2の方向Yに延在されているため、各駆動力発生部53a,53bにおいて駆動電流が第2の方向Yに流れる。このとき、第1のマグネット41の磁束が各駆動力発生部53a,53bに対して垂直をなす上下方向に作用しているため、フレミングの左手の法則により、第1のマグネット41には第1の方向Xに向かう駆動力が作用する。これにより、第1のマグネット41が固定された移動枠21が第1の方向Xに移動する。この結果、移動枠21に保持された補正レンズ17が、第1のコイル45に流された駆動電流の大きさに応じて、第1の方向Xに移動する。
同様に、第2の駆動部25の第2のコイル50に駆動電流を供給すると、第2のコイル50の各駆動力発生部54a,54bが第1の方向Xに延在されているため、各駆動力発生部54a,54bにおいて駆動電流が第1の方向Xに流れる。このとき、第2のマグネット43の磁束が各駆動力発生部54a,54bに対して垂直をなす上下方向に作用しているため、フレミングの左手の法則により、第2のマグネット43には第2の方向Yに向かう駆動力が作用する。これにより、第2のマグネット43が固定された移動枠21が第2の方向Yに移動する。その結果、移動枠21に保持された補正レンズ17が、第2のコイル50に流された駆動電流の大きさに応じて、第2の方向Yに移動する。
第1のコイル45と第2のコイル50に同時に駆動電流を供給すると、上述した第1のコイル45による移動動作と第2のコイル50による移動動作とが複合的に実行される。すなわち、第1のコイル45に流れる駆動電流の作用によって補正レンズ17が第1の方向Xに移動すると同時に、第2のコイル50に流れる駆動電流の作用によって補正レンズ17が第2の方向Yに移動する。この結果、補正レンズ17が斜め方向に移動して、像ぶれを補正することになる。
なお、この実施例において、第1及び第2のマグネット41,43と第1及び第2のコイル45,50を設ける位置は、逆であっても良く、移動枠21側に第1及び第2のコイル45,50を設け、支持枠22側に第1及び第2のマグネット41,43を設けても良い。この場合、移動枠21にフレキシブル配線基板51が設けられることになり、フレキシブル配線基板51が撓んだ際の弾性力が移動枠21を何れかの方向に付勢する付勢部となる。この際には、引っ張りコイルばね23a,23b,23cの付勢力を調整して、フレキシブル配線基板51の弾性力をキャンセルするようにすればよい。
(3−2) 第2の実施例(磁気吸引力で付勢する例)
図17〜図35に示す像ぶれ補正装置の第2の実施の例は、ムービングマグネット方式の駆動機構を備えた像ぶれ補正装置100として構成したものである。この像ぶれ補正装置100は、図17〜図24に示すように、レンズ系の像ぶれを補正するための補正レンズ17と、この補正レンズ17を保持する移動枠101と、この移動枠101を球面ガイドとなる3つの球体123を介して移動可能に支持する支持枠102と、移動枠101をレンズ系の光軸と直交する第1の方向Xに移動させる2つの第1の駆動部103a,103bと、移動枠101をレンズ系の光軸と直交する方向であって第1の方向Xとも直交する第2の方向Yに移動させる2つの第2の駆動部104a,104b等を備えている。
補正レンズ17は、後述するカメラ本体に手の震え等による揺れが生じたときの像ぶれ量に対応してその位置を第1の方向X及び/又は第2の方向Yに移動させて像ぶれを補正する。この補正レンズ17は、移動枠101に固定されている。
図21〜図24等に示すように、移動枠101は、適度な厚さを有する板体からなるレンズ固定部105と、このレンズ固定部105と一体に設けた一対の第1のマグネット固定部106a,106b及び一対の第2のマグネット固定部107a,107b等を備えている。レンズ固定部105の略中央部には、補正レンズ17が嵌合される嵌合穴108が設けられており、この嵌合穴108には、補正レンズ17が接着剤等により一体に取り付けられている。更に、移動枠101の支持枠102と対向される下面には、環状凸部109が設けられている。この環状凸部109は、嵌合穴108の周囲を囲うリング状の凸部に形成され、嵌合穴108に連続する開口穴109aを有している。この環状凸部109の開口穴109aには、支持枠102の後述する円筒部118が係合される。
一対の第1のマグネット固定部106a,106bは、レンズ固定部105の半径方向外側であって嵌合穴108を挟んで対称となる位置に設けられており、両マグネット固定部106a,106bを結ぶ方向が第1の方向X(ピッチ方向)とされている。これら一対の第1のマグネット固定部106a,106bは、それぞれ2つの突起片111,111を有している。これら2つの突起片111,111は、それぞれ第2の方向Y(ヨー方向)に所定の間隔をあけて設けられ、第1の方向Xに突出されている。
また、一対の第2のマグネット固定部107a,107bは、一対の第1のマグネット固定部106a,106bから略90度回転変位した位置に設けられている。そして、嵌合穴108を挟んで対称となる位置に設けられた両マグネット固定部107a,107bを結ぶ方向が、第2の方向Yとされている。これら一対の第2のマグネット固定部107a,107bは、それぞれ2つの突起片112,112を有している。これら2つの突起片112,112は、それぞれ第1の方向Xに所定の間隔をあけて設けられ、第2の方向Yに突出されている。
2つの第1のマグネット固定部106a,106bのうち、一方の第1のマグネット固定部106aの突起片111,111間には、第1の駆動部103aの一部を構成する第1のマグネット113aと第1のバックヨーク114aが接着剤や固定ねじ等によって固定されている。更に、他方の第1のマグネット固定部106bの突起片111,111間には、第1の駆動部103bの一部を構成する第1のマグネット113bと第1のバックヨーク114bが接着剤や固定ねじ等によって固定されている。
また、2つの第2のマグネット固定部107a,107bのうち、一方の第2のマグネット固定部107aの突起片112,112間には、第2の駆動部104aの一部を構成する第2のマグネット115aと第2のバックヨーク116aが接着剤や固定ねじ等によって固定されている。更に、他方の第2のマグネット固定部107bの突起片112,112間には、第2の駆動部7bの一部を構成する第2のマグネット115bと第2のバックヨーク116bが接着剤や固定ねじ等によって固定されている。
2つの第1のマグネット113a,113b及び2つの第2のマグネット115a,115bは、それぞれ四角形の平板状として同一形状に形成されていると共に、所定の方向に強さの等しい磁界が発生するように着磁されている。すなわち、2つの第1のマグネット113a,113b及び2つの第2のマグネット115a,115bは、平面方向を2等分するように極性を異ならせていると共に、その平面方向と直交する厚み方向をも2等分するように極性を異ならせて着磁されている。
この実施例では、図27(B)等に示すように、一方の第1のマグネット113aは、支持枠102と対向する面では、補正レンズ17に近い半径方向内側にN極が着磁され、補正レンズ17から離れた半径方向外側にS極が着磁されている。そして、第1のマグネット113aの支持枠102と反対側の面では、補正レンズ17に近い半径方向内側にS極が着磁され、補正レンズ17から離れた半径方向外側にN極が着磁されている。更に、他方の第1のマグネット113bは、支持枠102と対向する面では、補正レンズ17に近い半径方向内側にS極が着磁され、補正レンズ17から離れた半径方向外側にN極が着磁されている。そして、第1のマグネット113bの支持枠102と反対側の面では、補正レンズ17に近い半径方向内側にN極が着磁され、補正レンズ17から離れた半径方向外側にS極が着磁されている。
また、図27(C)等に示すように、一方の第2のマグネット115aは、支持枠102と対向する面では、補正レンズ17に近い半径方向内側にN極が着磁され、補正レンズ17から離れた半径方向外側にS極が着磁されている。そして、第2のマグネット115aの支持枠102と反対側の面では、補正レンズ17に近い半径方向内側にS極が着磁され、補正レンズ17から離れた半径方向外側にN極が着磁されている。更に、他方の第2のマグネット115bは、支持枠102と対向する面では、補正レンズ17に近い半径方向内側にS極が着磁され、補正レンズ17から離れた半径方向外側にN極が着磁されている。そして、第2のマグネット115bの支持枠102と反対側の面では、補正レンズ17に近い半径方向内側にN極が着磁され、補正レンズ17から離れた半径方向外側にS極が着磁されている。なお、第1及び第2のマグネット113a,113b,114a,114bの極性の配置は、これに限定されるものではない。
図23等に示すように、2つの第1のバックヨーク114a,114b及び2つの第2のバックヨーク116a,116bは、それぞれ四角形の平板状として同一形状に形成され、平面の大きさが第1及び第2のマグネット113a,113b,115a,115bと同じ大きさに形成されている。2つの第1のバックヨーク114a,114bは、2つのマグネット113a,113bの一面(支持枠102と反対側の面)にそれぞれ接着剤等によって固定されている。また、2つの第2のバックヨーク116a,116bは、2つのマグネット115a,115bの一面(支持枠102と反対側の面)にそれぞれ接着剤等によって固定されている。
支持枠102は、移動枠101よりも大きい略円形の板体からなっている。この支持枠102は、中央部に設けた貫通穴117と、一面に突出するように設けた円筒部118と、その一面に凹部を形成することによって設けた3つの球体保持部119と、同じく一面に凹部を形成することによって設けた2つの第1のヨーク用凹部121a,121b及び2つの第2のヨーク用凹部122a,122bを有している。
支持枠102の円筒部118は、貫通穴117の周囲を囲う円筒状(リング状)に形成されていて、その開口穴118aが貫通穴117に連続されている。この円筒部118は、移動枠101に設けた環状凸部109の開口穴109aよりも小さく設定されており、像ぶれ補正装置100を組み立てた状態において、その開口穴109a内に挿入される。そして、移動枠101に設けた環状凸部109の内周面が支持枠102に設けた円筒部118の外周面に当接することにより、移動枠101のレンズ系の光軸と直交する方向への移動範囲が規制される。
3つの球体保持部119は、それぞれ円形の凹部として形成されており、円筒部118の周囲に等間隔に配置されている。この球体保持部119の直径は、球体5の直径よりも大きく設定されている。更に、球体保持部119の深さは、球体5の半径と同等か或いはそれよりも大きく設定されていて、球体123が容易に乗り越えられないようになっている。この球体保持部119に保持される球体123を介して移動枠101が支持枠102に移動可能に支持されている。このように構成することにより、移動枠101と球体123の間及び球体保持部119と球体123の間に生じる摩擦抵抗を小さくすることができ、第1及び第2の駆動部103a,103b,104a,104bの駆動力の損失を小さくできると共に、小さな駆動力で移動枠101を移動させることができる。
本実施例では、移動枠101の安定性を確保するために球体保持部119及び球体123の数を3つとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明に係る球体及び球体保持部の数は4つ以上としてもよい。また、球体123の材質としては、第1及び第2のマグネット113a,113b,115a,115bの磁界の影響を受けず、且つ、高い強度を有するものが好ましく、例えば、セラミックやステンレス鋼等を挙げることができる。しかしながら、球体123は、磁界の影響を受ける構造用炭素鋼等の金属であってもよく、また、磁性体であるか否にかかわらずエンジニアリングプラスチックを用いることもできる。
本実施例では、図25(A)等に示すように、球体保持部119の直径を球体123の直径よりも大きく設定し、球体保持部119で球体123を転動自在に保持する構成としたが、これに限定されるものではない。本発明に係る球体保持部としては、例えば、図25(B)に示すように、球体123を所定の位置で回転自在に保持する球体保持部119aにしても良い。この球体保持部119aは、球体123の直径と略同一の直径を有する円形の凹部として形成されており、これにより球体123を略一点で回転自在に保持することができる。これにより、移動枠101及び球体保持部119aと球体123との間に生じる摩擦抵抗を小さくすることができ、各駆動部103a,103b,104a,104bの駆動力の損失を小さくして、小さな駆動力で移動枠101を移動させることができる。
本実施の例では、球面ガイドの一具体例として球体123を適用する構成としたが、これに限定されるものではない。本発明に係る球面ガイドとしては、例えば、図25(C)に示すように、支持枠102或いは移動枠101に一体に設けられる球面突部124を適用することもできる。球面突部124は、先端に球面部124aを有しており、この球面部124aが支持枠102或いは移動枠101に点接触される。このため、支持枠102或いは移動枠101と球面突部124との間に生じる摩擦抵抗を比較的小さくすることができる。
一対の第1のヨーク用凹部121a,121bは、移動枠101に取り付けた2つの第1のマグネット113a,113bに対応する位置に設けられている。すなわち、一対の第1のヨーク用凹部121a,121bは、貫通穴117を挟んで対称となる位置に設けられており、互いに第1の方向Xに対向されている。また、一対の第2のヨーク用凹部122a,122bは、移動枠101に取り付けた2つの第2のマグネット115a,115bに対応する位置に設けられている。すなわち、一対の第2のヨーク用凹部122a,122bは、一対の第1のヨーク用凹部121a,121bから略90度回転変位した位置に設けられており、貫通穴117を挟んで互いに第2の方向Yに対向されている。
一対の第1のヨーク用凹部121a,121bには、第1の駆動部103a,103bの一部を構成する第1の対向ヨーク125a,125bがそれぞれ接着剤や固定ねじ等によって固定されている。また、一対の第2のヨーク用凹部122a,122bには、第2の駆動部104a,104bの一部を構成する第2の対向ヨーク126a,126bがそれぞれ接着剤や固定ねじ等によって固定されている。
第1の対向ヨーク125a,125b及び第2の対向ヨーク126a,126bは、移動枠101に取り付けた第1のバックヨーク114a,114b及び第2のバックヨーク116a,116bと同一のものであり、四角形の平板として形成されている。これら第1及び第2の対向ヨーク125a,125b,126a,126bは、像ぶれ補正装置100の組み立て状態において、第1及び第2のマグネット113a,113b,115a,115bにそれぞれ対向される。そして、各対向ヨーク125a,125b,126a,126bは、各マグネット113a,113b,115a,115bの磁界によって引き寄せられ、移動枠101が3つの球体123を介して支持枠102に付勢される。すなわち、各対向ヨーク125a,125b,126a,126bと各マグネット113a,113b,115a,115bとが付勢部となり、上述した第1の実施例で説明した像ぶれ補正装置20の引っ張りコイルばね23a,23b,23cの代わりとなる。この結果、移動枠101は、磁気吸引力により、保持している補正レンズ17のレンズ中心が光軸に一致する方向に付勢されることになる。この像ぶれ補正装置100では、引っ張りコイルばね23a,23b,23cを用いないことから、像ぶれ補正装置20より構成の簡素化を図ることができる。
支持枠102に固定された第1及び第2の対向ヨーク125a,125b,126a,126bには、フレキシブル配線基板127が取り付けられている。フレキシブル配線基板127は、第1の対向ヨーク125a,125bに対応する第1のコイル搭載部127a,127bと、第2の対向ヨーク126a,126bに対応する第2のコイル搭載部127c,127dと、これらを連結する複数の連結部127eとを有している。
第1のコイル搭載部127a,127bは、支持枠102に固定された第1の対向ヨーク125a,125bと重なり合うように設けられ、それぞれ接着剤等によって固定されている。また、第2のコイル搭載部127c,127dは、支持枠102に固定された第2の対向ヨーク126a,126bと重なり合うように設けられ、それぞれ接着剤等によって固定されている。フレキシブル配線基板127の第1のコイル搭載部127a,127bには、第1の駆動部103a,103bの一部を構成する2つの第1のコイル128a,128bがそれぞれ設けられ、接着剤等によって固定されている。また、第2のコイル搭載部127c,127dには、第2の駆動部104a,104bの一部を構成する2つの第2のコイル129a,129bがそれぞれ設けられ、接着剤等によって固定されている。
第1のコイル128a,128b及び第2のコイル129a,129bは、平面的に巻回された略楕円形をなす偏平コイルからなり、それぞれが1本のコイル線を巻回することによって形成されている。各コイル128a,128b,129a,129bは、フレキシブル配線基板127の第1及び第2のコイル搭載部127a,127b,127c,127dに設けられた所定の配線パターンとそれぞれ電気的に接続されている。
図23に示すように、4つのコイル128a,128b,129a,129bにおいて、幅方向に対向する長辺側の2つの直線部分が、それぞれアクチュエータとして駆動力を発生する駆動力発生部131a,131b及び駆動力発生部132a,132bとなっている。第1のコイル128a,128bは、それぞれの駆動力発生部131a,131bが延在する方向を第1の方向Xと直交する方向に向けて配設されている。そして、第2のコイル129a,129bは、それぞれの駆動力発生部132a,132bが延在する方向を第2の方向Yと直交する方向に向けて配設されている。
像ぶれ補正装置100を組み立てた状態において、2つの第1のコイル128a,128bの各駆動力発生部131a,131aには、第1のマグネット113a,113bの一方の磁極部(この実施の例ではS極)が対向される。そして、第1のコイル128a,128bの各駆動力発生部131b,131bには、第1のマグネット113a,113bの他方の磁極部(この実施の例ではN極)が対向される。また、第2のコイル129a,129bの各駆動力発生部132a,132aには、第2のマグネット115a,115bの一方の磁極部(この実施の例ではS極)が対向され、各駆動力発生部132b,132bには、第2のマグネット115a,115bの他方の磁極部(この実施の例ではN極)が対向される。
第1の駆動部103aは、上述した第1のコイル128aと第1のマグネット113aと第1のバックヨーク114aと第1の対向ヨーク125aとにより構成されている。また、第1の駆動部103bは、第1のコイル128aと第1のマグネット113bと第1のバックヨーク114bと第1の対向ヨーク125bとにより構成されている。
また、第2の駆動部104aは、第2のコイル129aと第2のマグネット115aと第2のバックヨーク116aと第2の対向ヨーク126aとにより構成されている。また、第2の駆動部104bは、第2のコイル129bと第2のマグネット115bと第2のバックヨーク116bと第2の対向ヨーク126bとにより構成されている。
図18等に示すように、2つの第1の駆動部103a,103b及び2つの第2の駆動部104a,104bは、それぞれ補正レンズ17を中心として対称をなす位置に配置されている。そして、2つの第1の駆動部103a,103bは、第1の方向Xに対向されており、2つの第2の駆動部104a,104bは、第2の方向Yに対向されている。また、第1及び第2の駆動部103a,103b,104a,104bは、補正レンズ2の中心Eからのそれぞれの距離が等しくなるように設定されている。
このような配置構成において、第1のコイル128a,128bに駆動電流を供給すると、第1のマグネット113a,113bの磁界が各コイル128a,128bと垂直をなす方向に作用しているため、フレミングの左手の法則により、2つの第1の駆動部103a,103bには第1の方向Xに向かう駆動力が発生する。また、第2のコイル129a,129bに駆動電流を供給すると、第2のマグネット115a,115bの磁界が各コイル129a,129bと垂直をなす方向に作用しているため、フレミングの左手の法則により、2つの第2の駆動部104a,104bには第2の方向Yに向かう駆動力が発生する。
この場合、第1のコイル128a(その他のコイル128b,129a,129bの場合も同様)において、駆動力の発生する直線部分からなる駆動力発生部131a,131bが2箇所あり、これら2箇所では、駆動電流の流れる方向が逆方向となる。しかしながら、2つの駆動力発生部131a,131bに作用する第1のマグネット113aの磁界の方向も逆方向になっているため、2つの駆動力発生部131a,131bにて発生する駆動力の方向は、同一方向となる。これにより、両駆動力を合計した力が第1の駆動部103aの駆動力となって、移動枠101を第1の方向Xへ移動させる力として作用することになる(その他の駆動部103b,104a,104bの場合も同様)。
上述したような構成を有する像ぶれ補正装置100は、次のように組み立てられる。まず、第1及び第2のマグネット113a,113b,115a,115bには、第1及び第2のバックヨーク114a,114b,116a,116bが接着剤等によりそれぞれ固定される。次に、各バックヨーク114a,114b,116a,116bが固定された第1及び第2のマグネット113a,113b,115a,115bは、移動枠101の第1及び第2のマグネット固定部106a,106b,107a,107bに接着剤や固定ねじ等よってそれぞれ固定される。
続いて、第1及び第2のマグネット113a,113b,115a,115b等が固定された移動枠101の嵌合穴108に補正レンズ17を嵌合し、接着剤等により固定する。これにより、図21に示すような、補正レンズ17と、4つのマグネット113a,113b,115a,115bと、4つのバックヨーク114a,114b,116a,116bと、移動枠101が一体化された移動枠組立体が構成される。
次に、図23等に示すように、第1及び第2のコイル128a,128b,129a,129bがフレキシブル配線基板127の4つのコイル搭載部127a,127b,127c,127dの上面に設けられる。そして、第1及び第2のコイル128a,129aの開口から露出された第1及び第2のコイル搭載部127a,127cには、第1及び第2のホール素子133,134が実装される。これにより、フレキシブル配線基板127と、4つのコイル128a,128b,129a,129bと2つホール素子133,134とが一体化されたコイル組立体が構成される。
次に、支持枠102の第1及び第2のヨーク用凹部121a,121b,122a,122bには、第1及び第2の対向ヨーク125a,125b,126a,126bが接着剤や固定ねじ等によってそれぞれ固定される。そして、支持枠102に取り付けた各対向ヨーク125a,125b,126a,126bには、コイル組立体の各コイル搭載部127a,127b,127c,127dが搭載され固定される。これにより、コイル組立体と支持枠102と4つの対向ヨーク125a,125b,126a,126bが一体化された支持枠組立体が構成される。
次に、支持枠組立体の3つの球体保持部119には、3つの球体123がそれぞれ載置される。そして、支持枠組立体と移動枠組立体とは、支持枠組立体の各コイル128a,128b,129a,129bに、移動枠組立体の各マグネット113a,113b,115a,115bをそれぞれ対向させて重ね合わされる。これにより、支持枠102の円筒部118が、移動枠101に設けた環状凸部109の開口穴109aに挿入される。そして、移動枠組立体の各マグネット113a,113b,115a,115bが、それぞれの磁界によって支持枠組立体の各対向ヨーク125a,125b,126a,126bに引き寄せられ、移動枠組立体が3つの球体123を介して支持枠組立体に付勢される。
このとき、4つのマグネット113a,113b,115a,115bの磁界が、支持枠組立体に対して均等に作用するため、円筒部118の中心が環状凸部109の開口穴109aの中心に自動的に一致され、同心状態に組み立てられる。これにより、移動枠組立体と、3つの球体123と支持枠組立体とが一体化され、像ぶれ補正装置100が組み立てられる。
像ぶれ補正装置100を組み立てた状態において、移動枠101は、各マグネット113a,113b,115a,115bの磁界によって支持枠102側に付勢され、3つの球体123を介して支持枠102に移動可能に支持されている。これにより、移動枠101と支持枠102は、3つの球体123を介して密着されるため、ガタツキを生じることなく移動枠101を移動することができ、補正レンズ17の移動制御を極めて精度良く行うことができると共に、光学特性の劣化を最小限に抑えることができる。
このような構成を有する像ぶれ補正装置100は、次のように動作する。この像ぶれ補正装置100の補正レンズ17の移動は、フレキシブル配線基板127を介して第1及び第2の駆動部103a,103b,104a,104bの各コイル128a,128b,129a,129bに対して適宜な値の駆動電流を選択的に又は同時に供給することによって実行される。
すなわち、像ぶれ補正装置100の第1のコイル128a,128b及び第2のコイル129a,129bは、フレキシブル配線基板127を介して支持枠102の第1の対向ヨーク125a,125b及び第2の対向ヨーク126a,126bにそれぞれ固定されている。このとき、第1のコイル128a,128bの各駆動力発生部131a,131bは第2の方向Yに延在され、第2のコイル129a,129bの各駆動力発生部132a,132bは第1の方向Xに延在されている。また、移動枠101に固定された第1のマグネット113a,113bが、それぞれ第1のコイル128a,128bの上方に配置され、第2のマグネット115a,115bが、それぞれ第2のコイル128a,128bの上方に配置されている。
この結果、第1の対向ヨーク125a,125bと第1のマグネット113a,113b等によって形成されるそれぞれの磁気回路の磁束が、第1のコイル128a,128bの各駆動力発生部131a,131bを上下方向へ透過するように作用する。同様に、第2の対向ヨーク126a,126bと第2のマグネット115a,115b等によって形成されるそれぞれの磁気回路の磁束が、第2のコイル129a,129bの各駆動力発生部132a,132bを上下方向へ透過するように作用する。
そして、各コイル128a,128b,129a,129bが支持枠102に固定され、この支持枠102に移動可能に支持された移動枠101に各マグネット113a,113b,115a,115bが固定されている。このため、補正レンズ17は移動枠101を介して第1の方向X及び第2の方向Yを含む平面上のいずれの方向に対しても所定の範囲内で移動することができる。
いま、第1の駆動部103a,103bの第1のコイル128a,128bにそれぞれ駆動電流を供給すると、第1のコイル128a,128bにおいて、各駆動力発生部131a,131bが第2の方向Yに延在されているため、各駆動力発生部131a,131bにおいて駆動電流が第2の方向Yに流れる。このとき、第1の磁気回路の磁束が、各駆動力発生部131a,131bに対して垂直をなす上下方向に作用しているため、フレミングの左手の法則により、第1のマグネット113a,113bには第1の方向Xに向かう駆動力が作用する。これにより、第1のマグネット113a,113bが固定された移動枠101が第1の方向Xに移動する。この結果、移動枠101に保持された補正レンズ17が、第1のコイル128a,128bに供給された駆動電流の大きさに応じて、第1の方向Xに移動することになる。
このときの移動枠101に作用する力について、第1の駆動部103aによる駆動力を例に挙げて説明する。図26(A)及び図26(B)は、第1の駆動部103aの駆動力によって移動枠101に作用する力を説明するものである。ここで、図26(A)に示すように、第1の駆動部103aの第1のマグネット113aの中心を点Oとし、第2の駆動部104aの第2のマグネット115aの中心を点Pとして、第2の駆動部104bの第2のマグネット115bの中心を点Qとする。
第1の駆動部103aの第1のコイル128aに駆動電流を供給することにより、フレミングの左手の法則に基づいて、駆動力Foが点Oに発生したものとする。このとき、第2の駆動部104a,104bの第2のマグネット115a,115bが、その磁界によりそれぞれ第2の対向ヨーク126a,126bに引き寄せられているため、移動枠101には、第1の駆動部による駆動力Foに対向してこれを抑制する方向に働く力、すなわち、反力Fpと反力Fqが発生する。
反力Fpは、点Pから点Oに向かう方向にその向きを有し、その力の大きさは、第2のマグネット115aの磁界の大きさに比例している。また、反力Fqは、点Qから点Oに向かう方向にその向きを有し、その力の大きさは、第2のマグネット115bの磁界の大きさに比例している。そして、第2のマグネット115a,115bの磁界の大きさが等しいことから、反力Fpと反力Fqの力の大きさ(ベクトルの長さ)は等しくなっている。
また、第2のマグネット115a,115bは、補正レンズ17を挟んで対称な位置に配置されていると共に、第2のマグネット115aから第1のマグネット113aまでの距離と、第2のマグネット115bから第1のマグネット113aまでの距離とが等しくなっている。このため、点Pと点O間を結ぶ線と点Oから第1の方向Xに伸びる線とが作る角度θaと、点Qと点O間を結ぶ線と点Oから第1の方向Xに伸びる線とが作る角度θbが等しくなる。
これにより、反力Fpと反力Fqを合成した合成反力Frの力の向きは、第1の方向X上ではあるが、第1の駆動部103aによる駆動力Foと反対方向に作用する。これにより、移動枠101には、駆動力Foから合成反力Frを引いた力(Fo−Fr)が、第1の方向Xにおいて、駆動力Foの作用方向に作用する。この結果、駆動力Foと合成反力Frを合成した力の向きは移動枠101を移動させる方向である第1の方向Xと一致するため、移動枠101を第1の方向Xへ真っ直ぐ移動させることができ、移動枠101の直進性を向上させることができる。
この場合、反力Fpと反力Fqは、それぞれ第2のマグネット115a,115bの配置及び磁界によって決定され、第1の駆動部103aによる駆動力Foの影響を受けないため、合成反力Frは、常に駆動力Foと反対方向を向く。このため、駆動力Foの大きさによって移動枠101の移動方向が変化することはなく、移動枠101の移動方向を常に安定させることができる。
また、第1の駆動部103bを駆動させた場合や、2つの第1の駆動部103a,103bを一緒に駆動させた場合であっても、合成反力Frは常に一定であるため、移動枠101の直進性を向上させることができ、移動枠101を第1の方向Xに安定して移動させることができる。なお、第2の駆動部104a,104bにおいても、その作用は同様である。すなわち、第2の駆動部104a,104bを駆動させて、移動枠101を第2の方向Yに移動させる場合には、第1のマグネット113a,113bの磁界によって反力が発生し、その合成反力は、第2の駆動部104a,104bによって発生する駆動力と反対方向を向く。このため、移動枠101の直進性を向上させることができ、移動枠101を第2の方向Yに安定して移動させることができる。
第1のコイル128a,128bと第2のコイル129a,129bに同時に駆動電流を供給すると、上述した第1のコイル128a,128bによる移動動作と第2のコイル129a,129bによる移動動作とが複合的に実行される。すなわち、第1のコイル128a,128bに供給される駆動電流の作用によって補正レンズ17が第1の方向Xに移動すると同時に、第2のコイル129a,129bに供給される駆動電流の作用によって補正レンズ17が第2の方向Yに移動する。この結果、補正レンズ17が斜め方向に移動して、像ぶれを補正することになる。
図27(A)〜図27(C)は、第1の駆動部103a,6Bと第2の駆動部104a,104bを共に駆動させていない状態を示している。この状態において、移動枠101は、各マグネット113a,113b,115a,115bの磁界によって、補正レンズ17の光軸が支持枠102の貫通穴117の中心に一致した基準位置に付勢されている。そして、移動枠101が基準位置にあるとき、補正レンズ17の光軸は、後述するレンズ系の光軸Lに一致される。
この移動枠101の基準位置において、移動枠101に設けた環状凸部109の中心が支持枠102に設けた円筒部118の中心に一致して、両者が同心円上に位置されている。このため、移動枠3の基準位置において、円筒部118の外壁から環状凸部109の内壁までの距離が360度全て等しくなり、距離tとなる。これにより、移動枠101の基準位置からの移動範囲を、360°全て同じ距離tにすることができる。この結果、図28〜図31に示すように、移動枠101を何れの方向に移動させても、駆動力(ベクトル)Fに一致する線上で環状凸部109を円筒部118に当接させることができ、移動枠101が環状凸部109に沿って回転することを防止することができる。
像ぶれ補正装置100では、補正レンズ17の駆動制御を行うため、その補正レンズ17の位置を検出する位置検出器として、2個のホール素子133,134が設けられている。そして、2個のホール素子133,134は、第1のマグネット113aと第2のマグネット115aの磁界を検出し、その磁界の大きさに基づいて補正レンズ17の位置を算出する。
図32に示すように、第1のホール素子133は、第1のコイル128aの巻回部の空隙内に配置され、フレキシブル配線基板127の第1のコイル搭載部127aに搭載されている。この第1のホール素子133の中心部は、第1のマグネット113aのN極とS極の極境に設定されている。また、第2のホール素子134は、第2のコイル129aの巻回部の空隙内に配置され、フレキシブル配線基板127の第2のコイル搭載部127cに搭載されている。この第2のホール素子134の中心部は、第2のマグネット115aのN極とS極の極境に設定されている。
図33は、第1のホール素子133及び第2のホール素子134の配置の第2の実施例を示すものである。図33に示すように、第1のホール素子133は、第1のコイル128aの外側に配置され、フレキシブル配線基板127の第1のコイル搭載部127aに搭載されている。また、第2のホール素子134は、第2のコイル129aの外側に配置され、フレキシブル配線基板127の第2のコイル搭載部127cに搭載されている。そして、第1のホール素子133の中心部は、第1のマグネット113aのN極とS極の極境に設定され、第2のホール素子134の中心部は、第2のマグネット115aのN極とS極の極境に設定されている。
第1及び第2のホール素子133,134は、各マグネット113a,115aのN極、S極の磁界を検出し、その磁界の強さに応じた検出信号をそれぞれ出力する。そして、各ホール素子133,134からの検出信号に基づいて制御装置が、補正レンズ17の第1の方向Xと第2の方向Yの位置を演算して算出する。これにより、制御装置は、補正レンズ17の駆動制御を精度良く行なうことが可能となる。
図34(A)及び図34(B)は、第1及び第2のマグネット113a,115aの極境を横断する第1及び第2のホール素子133,134が、その位置によってマグネット113a,115aから受ける磁界の強さを示したものである。以下、第1のホール素子133を例に挙げて第1のマグネット113aの磁界の検出について説明するが、第2のホール素子134においても同様に第2のマグネット115aの磁界の強さを検出する。
図34(A)に示すように、第1のマグネット113a、第1のバックヨーク114a及び第1の対向ヨーク125aによる磁束は、第1のマグネット113aの下側にあるN極113c(第2のマグネット115aの場合はN極115c)から、対向する第1の対向ヨーク125aに進行し、第1の対向ヨーク125a内を通って対向する第1のマグネット113aの下側にあるS極113e(第2のマグネット113aの場合はS極115e)に進行する。そして、第1のマグネット113aのN極113cとS極113eの極境上では、磁束はどちらの方向にも進行しない。
第1のホール素子133は、第1のマグネット113aのN極113cから第1の対向ヨーク125aに進行する磁束の磁束密度をプラス(+)の値として検出し、第1の対向ヨーク125aから第1のマグネット113aのS極113eに進行する磁束の磁束密度をマイナス(−)の値として検出する。また、第1のホール素子133は、その中心部がN極113cとS極21bの極境に対向した状態において、磁束密度の値を0として検出する。
移動枠101が第1の方向Xに移動すると、第1のホール素子133と第1のマグネット113aが相対的に移動する。このとき、第1のホール素子133がプラス(+)の磁束密度を検出すると、第1のホール素子133は相対的にN極113c側に移動したことになる。これにより、制御装置は、移動枠101が図28に示すような第1の方向Xの一方(+)に移動したと判断すると共に、検出した磁束密度の絶対値によって移動距離を算出する。また、第1のホール素子133がマイナス(−)の磁束密度を検出すると、第1のホール素子133は相対的にS極113e側に移動したことになる。これにより、制御装置は、移動枠101が図30に示すような第1の方向Xの他方(−)に移動したと判断すると共に、検出した磁束密度の絶対値によって移動距離を算出する。
(4) カメラの回路構成
図35は、上述したような像ぶれ補正装置20,100を備えたカメラ1のブロック図である。このカメラ1は、撮像素子18で受講した光信号を電気信号に変換して生成された電気信号に基づいて、静止画像データを生成する画像処理部201を有する。この画像処理部201は、撮像素子18より入力された電気信号に対して、CDS(Correlated Double Sampling)処理により、S/N(Signal/Noise)比を良好に保つようにサンプルホールドを行い、さらにAGC(Auto Gain Control)処理により利得を制御し、A/D変換を行ってデジタルの撮像データを生成する。そして、画像処理部201は、生成された撮像データに対してAWB(Auto White Balance)処理、AF(Auto Focus)処理、AE(Auto Exposure)処理等のカメラ信号処理を行う。そして、画像処理部201は、入力されたデータが静止画の画像データであるとき、カメラ信号処理が施された画像データに対して、JPEG(Joint Photographic Coding Experts Group)方式等の所定の静止画像データフォーマットで圧縮符号化処理を行うと共に、静止画像の符号化データを伸長復号化処理する。また、画像処理部201は、入力されたデータが動画データあるとき、カメラ信号処理が施された動画データに対して、MPEG(Moving Picture Experts Group)2やMPEG4等の所定の動画像データフォーマットで圧縮符号化処理を行う。また、動画像の符号化データを伸長復号化処理する。
そして、画像処理部201は、カメラ1に設けられたLCDパネル、有機ELパネル等でなる画像表示部202に出力し、画像表示部202に表示する。この画像表示部202は、横長の矩形をなす表示パネルである。このカメラ1では、撮像時、カメラ本体2を横向きで撮像を行ったか、縦向きで撮像を行ったかの判別を行い、この判別結果を、記憶部203に保存する画像データ又は動画データに関連付けて保存する。画像表示部202は、横向きで撮像を行った画像データ又は動画データを表示するとき、画像データ又は動画データを横向きに表示する。また、画像表示部202は、縦向きで撮像を行った画像データ又は動画データを表示するとき、画像データ又は動画データを縦向きに表示する。
また、画像処理部201は、画像データや動画データを保存するとき、保存するデータを、装置本体に内蔵されたハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等の半導体メモリ等や光ディスク、メモリカードと言ったリムーバル記録媒体等の記憶部203に出力し、記憶部203に保存する。
また、カメラ1には、上述した像ぶれ補正装置20,100を制御する像ぶれ補正制御部204が設けられている。像ぶれ補正制御部204は、像ぶれ補正装置20の第1及び第2のコイル45,50や像ぶれ補正装置100の第1及び第2のコイル128a,128b,129a,129bに接続されている。
また、像ぶれ補正装置20の位置検出センサとなる第1及び第2のホール素子28a,28bは、第1及び第2のマグネット41,43の磁界を検出し、像ぶれ補正装置100の第1及び第2のホール素子133,134は、第1及び第2のマグネット113a,113b,115a,115bの磁界を検出する。位置検出素センサである第1及び第2のホール素子28a,28b,133,134は、A/Dコンバータ205でアナログ信号をディジタル信号に変換して、この位置検出信号を、像ぶれ補正制御部204に出力する。
また、カメラ1は、カメラ本体2の手ぶれ等による第1の方向や第2の方向の変位量を検出するブレ検出センサとなるジャイロセンサ206が設けられている。
像ぶれ補正制御部204は、第1及び第2のホール素子28a,28b,133,134からの位置検出信号やジャイロセンサ206からの第1の方向や第2の方向の変位量のデータに基づいて、像ぶれ補正のためのサーボ演算を行って、第1及び第2のコイル45,50,128a,128b,129a,129bに、像ぶれ補正装置20,100を構成する補正レンズ17を駆動する駆動力に応じた駆動電流を供給する。
撮影状態において、像ぶれ補正装置20,100は、動作状態にあり、カメラ本体2に振れや揺れ等が生じると、ジャイロセンサ206がその振れや揺れ等を検出し、その検出信号を像ぶれ補正制御部204に出力すると共に、第1及び第2のホール素子28a,28b,133,134が位置検出信号を像ぶれ補正制御部204に出力することによって、サーボ制御がされ、補正レンズ17が移動し、像ぶれが解消され、綺麗な画像を得ることができる。
(5) カメラの姿勢判別
ところで、このカメラ1には、縦横どちらの姿勢で撮影したのかを判別し、カメラ1を縦にして撮像したとき、画像表示部202に縦に画像データを表示する機能が設けられている。この機能を実現するため、カメラ1には、補正レンズ17の移動量と第1及び第2のコイル45,50,128a,128b,129a,129bに供給される駆動電流、すなわち駆動力との関係を測定する駆動力測定部207と、駆動力測定部207で測定した駆動力と補正レンズの移動量との関係データを記憶するメモリ208と、カメラ1の縦横を判別する判別部209とが設けられている。
上述した像ぶれ補正装置20,100では、図36に示すように、撮像時でなくても、該装置20,100が起動している状態で、カメラ1を重力に対して垂直な方向、すなわちカメラ1を水平なヨー方向に固定した場合、駆動力測定部207は、補正レンズ17のヨー方向の駆動力、すなわち補正レンズ17の中心を光軸に一致させる保持力を測定し、この測定データを、A/Dコンバータ205を介して判別部209に入力する。また、第1及び第2のホール素子28a,28b,133,134は、位置検出信号をA/Dコンバータ205を介して判別部209に入力する。判別部209では、かくして得られた駆動力の測定データと位置検出信号を用いてカメラ1の姿勢が縦の状態なのか、横の状態なのかを判別する。
以下、カメラ1の縦横判別の方法について具体的に説明する。
上述したように、上述した像ぶれ補正装置20は、付勢部となる引っ張りコイルばね23a,23b,23cを有しており、更に、第1及び第2のコイル45,50に給電するフレキシブル配線基板51が設けられており、このフレキシブル配線基板51の弾性力が加わり、この弾性力をキャンセルするように、第1及び第2の駆動部24,25の第1及び第2のコイル45,50に駆動電流を供給し、駆動力を発生している。
また、上述した像ぶれ補正装置100においても、付勢部となる対向ヨーク125a,125b,126a,126bと各マグネット113a,113b,115a,115bとの磁気吸引力に加え、第1及び第2のコイル128a,128b,129a,129bに給電するフレキシブル配線基板127の弾性力が加わり、この弾性力をキャンセルするように、第1及び第2の駆動部103a,103b,104a,104bの第1及び第2のコイル128a,128b,129a,129bに駆動電流を供給し、駆動力を発生している。
すなわち、像ぶれ補正装置20,100の何れにおいても、補正レンズ17の中心を光軸に一致させるための駆動力は、引っ張りコイルばねのばね力や磁気吸引力に加え、フレキシブル配線基板51,127の弾性力が加わり、補正レンズ17の中心からの移動量と補正レンズ17の駆動力とが、移動量が増えるほど駆動力が大きくなる比例的な関係を有する。
いま、像ぶれ補正装置20,100は、カメラ1のある姿勢、例えば水平に置かれた場合における補正レンズ17の光軸中心からの移動量と駆動力との関係を、駆動力測定部207で測定し、例えば、工場出荷時において、測定した関係データをメモリ208に格納する。例えば、像ぶれ補正装置20,100では、図37に示すように、補正レンズ17の移動量とそのときの駆動力とを複数点(少なくとも2点以上の多数の点)測定し、これらの測定点を直線近似した値をメモリ208に記憶しておく。
なお、像ぶれ補正装置20,100の何れにおいても、図37に示すように、補正レンズ17の移動量が0のときであっても、フレキシブル配線基板51,127等の影響により、駆動力が発生している。
図36及び図38に示すように、カメラ1を重力に対して垂直な方向、すなわちカメラ1を水平に置いた場合を0度の状態であるとする。また、0度の状態から反時計周りに回転すると回転角度はプラス(+)方向に回転することとし、0度の状態から時計周りに回転させると回転角度はマイナス(−)方向に回転することとする。
カメラ1を0度の状態からプラス又はマイナスの方向に回転させた場合、補正レンズ17には、重力がかかるため、傾いた状態では補正レンズ17を保持するのに補正レンズ17に加わる重力を支える力が必要になる。なお、0度の状態では、補正レンズ17は、レンズ面が水平の状態にあるため、重力は加わっていない。
そして、図38に示すように、カメラ1を水平の0度の状態から或る角度θだけ回転させる。そうすると、カメラ1を或る角度θ回転させた状態において、補正レンズ17に加わる重力をカメラ1と水平なヨー方向にかかる力とカメラ1と垂直なピッチ方向にかかる力に分解して考えると、補正レンズ17には、レンズ中心と光軸とが一致するように保持するため、ピッチ方向、ヨー方向それぞれにかかる重力を支える力が必要であり、これらを支える力が補正レンズ17の駆動力となる。
なお、図38では、像ぶれ補正装置20,100では、上述のように、補正レンズ17のレンズ面が水平の状態にあるため、ピッチ方向の重力は無視することができるが、ここでは、説明の便宜上ピッチ方向の重力を記載している。
例えば、補正レンズ17の質量をmとし、重力加速度をgとすると、カメラ1を回転させた場合に、カメラ1と水平な向きの補正レンズ17の駆動力Fyは以下のようになる。
Fy=mg×sinθ ・・・(式1)
よって、或る角度θ回転させたときに補正レンズ17のヨー方向を支えるために必要な駆動力は、一般的には、図39のように正弦波カーブを描く。つまり、ヨー方向にかかっている力を測定する手段があれば、カメラ1の姿勢を求めることが可能となる。
補正レンズ17の位置がある場所に固定された状態でカメラを回転させたときの補正レンズ17の駆動力の分布は、図40のような正弦波カーブになる。すなわち、予めメモリ208に記憶された図37に示すような移動量と駆動力との関係に基づいて、判別部209は、図40のいずれかの正弦波カーブを選択する。例えば、補正レンズ17の移動量がL(d=L)のとき、正弦波カーブは、図41のように、d=0のときからd=Lまで移動する。また、図42に示すように、正弦波カーブは、補正レンズ17の移動量がL(d=−L)のとき、d=0のときからd=−Lまで移動する。
すなわち、図37に示すように、ある角度に回転させたままの状態でも補正レンズ17の位置が変化すると、補正レンズ17の位置に応じて駆動力が変化するため、その駆動力の分だけ正弦波カーブの駆動力がオフセットされる(図40乃至図42参照)。
例えば補正レンズ17の位置が中心にある場合について、カメラ1の回転角に対する補正レンズ17の駆動力は図43のような分布になる。カメラ1の姿勢について、図43のように補正レンズ17の位置が中心に位置する(d=0)の場合、判別部209は、駆動力Pが第1の閾値P1より大きいと、縦1の状態だと判別し、駆動力Pが第2の閾値P2以上第1の閾値P1以下であると、横の状態だと判別し、駆動力が第2の閾値P2より小さいと、縦2の状態であると判別する。そして、画像表示部202は、この判別結果に従って、画像データを縦又は横向きに表示する。
なお、メモリ208に予め格納される、水平に置かれた場合における補正レンズ17の光軸中心からの移動量と駆動力との関係は、上述のように、補正レンズ17の移動量とそのときの駆動力とを複数点測定し、これらの測定点を直線近似することに限らず、補正レンズ17の2点における移動量とそのときの駆動力とを測定し、線形補間するようにしてもよい。具体的には、図44に示すように、カメラ1がある姿勢、例えば水平に置かれた場合における補正レンズ17の光軸中心から+Lだけ移動した位置での駆動力を測定し、補正レンズ17の光軸中心から−Lだけ移動した位置での駆動力を測定し、測定された2点を以下の式に基づいて、線形補間する。
P=(P1−P2)(d−L)/2L+P1 ・・・(式2)
但し、dは、補正レンズ17の光軸中心からの移動量、Pは、駆動力を示し、移動量Lにおける駆動力がP1、移動量−Lにおける駆動力がP2を示す。
このように、補正レンズ17の2地点における光軸中心からの移動量とそのときの駆動力を測定し、線形補間した関係データを、例えば工場出荷時においてメモリ208に予め格納するようにしてもよい。
上述のメモリ208に工場出荷時等に予め格納される関係データは、図45に示すフローチャートに基づいて求められる。まず、ステップS11において、判別部209は、カメラ1を正姿勢、すなわち水平に置かれた状態にしたまま、第1及び第2のコイル45,50,128a,128b,129a,129bに駆動電流を供給し、位置検出センサである第1及び第2のホール素子28a,28b,133,134からの位置検出信号に基づいて、補正レンズ17を第1の所定位置(光軸中心からLの位置)に移動する。そして、ステップS12において、判別部209は、第1の所定位置での駆動力を、駆動力測定部207において測定し、その値をメモリ208に格納する。
次に、ステップS13において、判別部209は、カメラ1を正姿勢、すなわち水平に置かれた状態にしたまま、第1及び第2のコイル45,50,128a,128b,129a,129bに駆動電流を供給し、位置検出センサである第1及び第2のホール素子28a,28b,133,134からの位置検出信号に基づいて、補正レンズ17を第2の所定位置(光軸中心から−Lの位置)に移動する。そして、ステップS14において、判別部209は、第2の所定位置での駆動力を、駆動力測定部207において測定し、その値をメモリ208に格納する。
このようにして、判別部209は、第1及び第2の所定位置の2地点における補正レンズ17の光軸中心からの移動量と駆動力との関係を測定することができる。判別部209は、測定された値を、上述の式2に代入することで、線形補間することができ、この移動量と駆動力との関係データをメモリ208に格納することができる。なお、図37の場合は、補正レンズ17を多くの位置に移動させて、それぞれの位置で駆動力を測定し、メモリ208に格納するようにすれば良い。
次に、上述の移動量と駆動力との関係データを用いて、補正レンズ17がどの位置にいてもカメラ1の縦横の姿勢を判別するための手順について、図46のフローチャートを用いて説明をする。
まず、ステップS21において、判別部209は、補正レンズ17の現在位置を位置検出センサである第1及び第2のホール素子28a,28b,133,134によって検出し、ステップS22において、現在の位置検出信号をメモリ208に保存する。
次に、ステップS23において、判別部209は、メモリ208に予め保存されている移動量と駆動力との関係データ、すなわち図45で算出しメモリ208に格納している関係データに基づいて、メモリ208に保存されている補正レンズ17の現在位置における駆動力を算出し、ステップS24において、メモリ208に保存する。
ステップS25において、判別部209は、予めメモリ208に保存されているカメラ1の補正レンズ17の位置が中心に位置する状態で縦1(カメラ1を後から見て右側が上になる場合)と判別するための駆動力に関する第1の閾値に対して、図45で算出されるメモリ208に保存されている補正レンズ17の現在位置における補正レンズ17の駆動力を加算する。そして、判別部209は、加算した駆動力を補正レンズ17の現在位置での縦1と判別するための新たな駆動力の第1の閾値としてメモリ208に保存する。すなわち、このステップS25では、第1の閾値を、図45で算出されるメモリ208に保存されている補正レンズ17の現在位置における補正レンズ17の駆動力分だけオフセットする。
ステップS26において、判別部209は、予めメモリ208に保存されているカメラ1の補正レンズ17の位置が中心に位置する状態で縦2(カメラ1を後から見て左側が上になる場合)と判別するための駆動力に関する第2の閾値に対して、図45で算出されるメモリ208に保存されている補正レンズ17の現在位置における補正レンズ17の駆動力を加算する。そして、判別部209は、加算した駆動力を補正レンズ17の現在位置での縦2と判別するための新たな駆動力の第2の閾値としてメモリ208に保存する。すなわち、このステップS25では、第2の閾値を、図45で算出されるメモリ208に保存されている補正レンズ17の現在位置における補正レンズ17の駆動力分だけオフセットする。
なお、第2の閾値は、図41乃至図43に示すように、第1の閾値から、判別部209がカメラ1姿勢を横と判別する駆動力の幅分を減算して算出するようにしても良い。
以上のようにして、カメラ1では、カメラ1固有の特徴に応じて、駆動力をオフセットすることができ、設定された第1の閾値及び第2の閾値の大小関係を判別することによって、カメラ1の縦横の姿勢判別をすることができる。
すなわち、判別部209は、ステップS27において、現在の駆動力が縦1の状態を判断する第1の閾値を越えているかどうかを判断し、超えているとき、ステップS28において、カメラ1が縦1の状態、すなわちカメラ1を後から見て右側が上になった状態であると判別する。
また、現在の駆動力が第1の閾値を超えていないとき、判別部209は、ステップS29において、現在の駆動力が縦2の状態を判断する第2の閾値を越えているかどうかを判断し、超えていないとき、ステップS30において、カメラ1が縦2の状態、すなわちカメラ1を後から見て左側が上になった状態であると判別する。
また、現在の駆動力が第2の閾値を超えているとき、判別部209は、ステップS31において、横の状態にあると判別する。
通常、このカメラ1の縦横の姿勢判別は、撮像時の直前に行う。そして、カメラ1では、縦横の判別結果を撮像した画像データと共に、記憶部203に関連付けて保存する。これにより、画像表示部202は、横向きで撮像を行った画像データを表示するとき、画像データを横向きに表示することができる。また、画像表示部202は、縦向きで撮像を行った画像データ又は動画データを表示するとき、画像データを縦向きに表示することができる。
以上のようなカメラ1の姿勢判別の方法によれば、像ぶれ補正装置20の付勢部となる引っ張りコイルばね23a,23b,23cのばね力やフレキシブル配線基板51のたわみにより発生する弾性力によって、駆動力の測定値がばらつくことを防止することができ、カメラ1の正確な姿勢判別をすることができる。また、補正レンズ17を光軸に常に付勢することも両立できる。また、像ぶれ補正装置100の付勢部となる対向ヨーク125a,125b,126a,126bと各マグネット113a,113b,115a,115bとの磁気吸引力やフレキシブル配線基板127のたわみにより発生する弾性力によって、駆動力の測定値がばらつくことを防止することができ、カメラ1の正確な姿勢判別をすることができる。また、補正レンズ17を光軸に常に付勢することも両立できる。
なお、カメラ1の姿勢判別の方法に関し、図46では、第1及び第2の閾値を現在位置における補正レンズ17の駆動力を加算し、オフセットするようにしたが、本発明は、これに限らず、第1及び第2の閾値を固定し、現在位置における補正レンズ17の駆動力に応じて、図40に示す正弦波カーブをオフセットするようにしてもよい。
(6) 像ぶれ補正装置の変形例(撮像素子に像ぶれ補正装置を設けた場合)
上述した像ぶれ補正装置20,100は、レンズ鏡筒10内に設けたが、本発明では、撮像素子18を像ぶれ補正装置で保持するようにしても良い。
この場合、図47及び図48に示すように、CCD、CMOSセンサ等の撮像素子18を保持する像ぶれ補正装置300は、撮像素子18が搭載されY方向に移動する載置ステージ301と、X方向に移動する可動枠であり載置ステージ301がY方向に移動するためのY方向ステージ302と、カメラ本体に固定されるY方向ステージ302がX方向に移動するためのX方向ステージ303とを備えている。
X方向ステージ303は、中央領域に光軸方向に貫通した穴を有する枠体であり、カメラの筐体等に固定される。このX方向ステージ303には、X方向に一対のガイド軸304a,304bがY方向に間隔を開けて延在されている。X方向ステージ303には、4個のマグネット305a,305b,305c,305dが配設されている。4個のマグネット305a〜305dは二個一対とされている。一対のマグネット305a,305bは、X−Y平面内でY方向に間隔を開けて平行に配設されている。また、一対のマグネット305c,305dは、X−Y平面内でX方向に間隔を開けて配設されている。
また、X方向ステージ303の底部には、マグネット305a〜305dそれぞれに対応して、板状のヨーク305e,305f,305g,305hが設けられている。なお、ヨーク305e〜305hは、マグネット305a〜305dに対向する所定の位置に配置されていればよい。
Y方向ステージ302は、中央領域に光軸方向に貫通した穴を有する矩形の枠体であり、Y方向に一対のガイド軸306a,306bがX方向に間隔を開けて延在されている。このY方向ステージ302には、X方向に間隔を開けて対向する二個一対の軸受けガイド307a,307a',307b,307b'がY方向に間隔を開けて形成されている。各一対の軸受けガイド(307a,307a')、(307b,307b')は、X方向ステージ303の一対のガイド軸304a,304bにそれぞれ摺接し、Y方向ステージ302をX方向に移動可能に支持している。
載置ステージ301は、X方向に張り出した一対のコイル取付部308a,308bとY方向に張り出した一対のコイル取付部308c,308dとを有する。撮像素子18は、載置ステージ301の中央に固定されている。載置ステージ301には、ガイド部として、撮像素子18の撮像面と同じ側にY方向に間隔を開けて対向する二個一対の軸受けガイド(符号を略す)がX方向に間隔を開けて形成され、各一対の軸受けガイドは、Y方向ステージ302の一対のガイド軸306a,306bに摺接し、載置ステージ15を全体としてX−Y方向に可動可能に支持している。このため、X方向ステージ303及びY方向ステージ302は、載置ステージ301をX−Y平面に沿って移動可能に保持する。
また、撮像素子18には、撮像面と反対側の面に保護板309が貼り付けられている。
一対のコイル取付部308a,308bには、それぞれ偏平のコイル体311a,311bが貼り付けられている。コイル体311a,311bは直列接続されている。一対のコイル取付部308c、308dには、それぞれ偏平のコイル体312a,312bが貼り付けられている。コイル体312a,312bも同様に直列接続されている。
各コイル体311a,311bは、それぞれ各マグネット305c,305dに対向するように臨まされている。各コイル体312a,312bは、それぞれマグネット305a,305bに対向するように臨まされている。一対のコイル体311a,311bは、X方向に撮像素子18を可動させるのに用いられ、一対のコイル体312a,312bはY方向に撮像素子18を可動させるのに用いられる。
すなわち、ヨーク305eとマグネット305aとコイル体312aの組合せと、ヨーク305fとマグネット305bとコイル体312bの組合せは、Y方向の駆動部となっている。また、ヨーク305gとマグネット305cとコイル体311aの組合せと、ヨーク305hとマグネット305dとコイル体311bの組合せは、X方向の駆動部となっている。
また、位置検出素子には、ホール素子が用いられ、一対のコイル取付部308a,308bの一方のコイル取付部308bには、ホール素子313aが設けられ、同様に一対のコイル取付部308c,308dの一方のコイル取付部308dには、ホール素子313bが設けられている。
像振れ補正装置300には、搭載したカメラ側に振れ検出手段が設けられており、載置ステージ15のX方向とY方向の位置はそれぞれX位置センサであるホール素子313a、Y位置センサであるホール素子313bにより検出されるとともに、制御回路によりカメラの振れによる撮像素子18上の像振れを打ち消すように撮像素子18の位置が所定の位置に移動制御される。
図47は、X方向ステージ303、Y方向ステージ302、載置ステージ301が下から順に適正に配置された状態を示している。ここで、ヨーク305e,305fは、それぞれマグネット305a,305bのコイル体312a,312bに対向する面とは反対側の面に固着されている。また、ヨーク305e,305fは、それぞれマグネット305マグネット305a,305bのコイル体311a,311bに対向する面とは反対側の面に固着されている。
この像ぶれ補正装置300において、コイル体311a,311b,312a,312b上には、コイル体311a,311b,312a,312bと対向するマグネット305a,305b,305c,305dによって磁気吸引される対向ヨーク314a,314b,315a,315bが配設されている。すなわち、各対向ヨーク314a,314b,315a,315bと各マグネット305a,305b,305c,305dとが付勢部となり、上述した第1の実施例で説明した像ぶれ補正装置20の引っ張りコイルばね23a,23b,23cの代わりとなる。撮像素子18を保持した載置ステージ301は、磁気吸引力により、保持している撮像素子18の中心が光軸に一致する方向に付勢されることになる。
(7)その他の変形例
(7−1) 沈胴型カメラの場合
以上像ぶれ補正装置20,100,300が用いられたカメラ1は、図4に示すように、光路が90度折曲する折曲レンズ系であったが、本発明は、光軸が直線状で、光軸に沿って複数のレンズと撮像素子が並んだ例えば沈胴型のディジタルスチルカメラに適用することもできる。この場合、上述した像ぶれ補正装置20,100,300は、補正レンズ17のレンズ面が光軸に対して直交するように配設されることになり、図49に示すように、カメラ1を重力に対して垂直な方向、すなわちカメラ1を水平に置いた場合を0度の状態においても、重力が加わり、この重力を支える力が必要となる。また、カメラ1を0度の状態からプラス又はマイナスの方向に回転させた場合においても、補正レンズ17には、重力がかかるため、傾いた状態では補正レンズ17を保持するのに補正レンズ17に加わる重力を支える力が必要になる。したがって、図37に示すように、補正レンズ17の移動量が0のときであっても、フレキシブル配線基板51,127等の影響に、重力の影響が加わり、駆動力が発生することになる。
なお、以上の点を除いて、姿勢判別方法は、上記(5)で説明したカメラの姿勢判別と同様であるため、詳細は省略する。
沈胴型のディジタルスチルカメラにおいては、水平撮影時に、補正レンズ17に加わる重力分やフレキシブル配線基板51,127の撓みによる弾性力等を、像ぶれ補正装置20で言えば引っ張りコイルばね23a,23b,23c、像ぶれ補正装置100で言えば対向ヨーク125a,125b,126a,126bと各マグネット113a,113b,115a,115bとの磁気吸引力でキャンセルするようにして消費電力を少なくした場合であっても、縦横の姿勢判別を行うことができる。
(7−2) 上下方向の姿勢判別
以上の例では、カメラの縦横判別を行うため、補正レンズ17や撮像素子18のヨー方向の移動量と駆動力の関係を用いてカメラ1の縦横の姿勢判別を行ったが、本発明では、補正レンズ17や撮像素子18のピッチ方向の移動量と駆動力の関係を用いてカメラ1の上下の姿勢判別を行うようにしても良い。この場合、判別部209は、例えばカメラ1が上又は下を向いていることを判別したとき、画像表示部202に警告表示を行い、ユーザが誤って空や地面を撮像してしまうことを防止することができる。
また、カメラ1の上下の姿勢判別を行う場合には、ズーム調整とフォーカス調整を行うためのフォーカスレンズやズームレンズ、すなわち図4に示す2群レンズ12と4群レンズ14を第2の光軸L2方向に移動させる駆動機構を用いて行っても良い。この場合、フォーカスレンズやズームレンズは、レンズホルダに、第2の光軸L2方向に沿って移動するように支持されている。そして、これらのレンズは、マグネットの磁界とコイルに流れる電流の作用によって駆動力を発生して、光軸方向に移動する駆動部によって移動される。そして、フォーカスレンズやズームレンズの移動量と駆動力の関係を用いてカメラ1の上下の姿勢判別を行うようにしても良い。
(7−3) まとめ
以上、図4に示すような光路が90度折曲する折曲レンズ系のカメラと沈胴型のカメラを説明したが、それぞれのカメラのタイプで、補正レンズ17や撮像素子18に加わる重力をまとめると、図50のようになる。すなわち、折曲レンズ系のカメラでは、補正レンズ17のレンズ面又は撮像素子18の受光面が水平の状態にあるため、重力は加わっていない。したがって、補正レンズ17や撮像素子18に加わる重力は、標準横置き撮影のとき、0Gである。そして、折曲レンズ系のカメラにおいて、補正レンズ17又は撮像素子18には、右上縦撮影のとき、ヨー方向に1Gが加わり、左上撮影のとき、ヨー方向に−1Gが加わることになる。また、折曲レンズ系のカメラにおいて、補正レンズ17又は撮像素子18には、下向き撮影のとき、ピッチ方向に1Gが加わり、上向き撮影のとき、ピッチ方向に−1Gが加わることになる。
また、沈胴型のカメラでは、補正レンズ17のレンズ面や撮像素子18の受光面が光軸に対して直交するように配設されることになり、補正レンズ17や撮像素子18に加わる重力は、標準横置き撮影のとき、ピッチ方向に1Gが加わる。そして、沈胴型のカメラにおいて、補正レンズ17又は撮像素子18には、右上縦撮影のとき、ヨー方向に1Gが加わり、左上撮影のとき、ヨー方向に−1Gが加わることになる。
(7−4)その他の変形例
また、以上の例では、ディジタルスチルカメラを例に説明したが、本発明は、ディジタルビデオカメラにも適用することができ、更には、銀塩のスチルカメラに適用することもできる。
また、上述した姿勢判別の部品である像ぶれ補正装置やメモリ208、判別部209、駆動力測定部207等の各回路は、カメラ本体に対して交換可能なレンズ鏡筒装置に設けるようにしても良い。
また、以上説明したカメラ1の縦横の姿勢判別や上下の姿勢判別は、これを実現するソフトウェアをカメラ本体に内蔵される制御メモリ等にインストールし、マイクロコンピュータ等の制御部で以上のような機能を実現するようにしても良い。
本発明が適用されたディジタルスチルカメラを正面から見た斜視図であり、レンズカバーが閉められた状態を示す。 本発明が適用されたディジタルスチルカメラを正面から見た斜視図であり、レンズカバーが開けられた状態を示す。 本発明が適用されたディジタルスチルカメラの背面図である。 鏡筒に内蔵されるレンズ系を示す側面図である。 像ぶれ補正装置の第1の実施例を示す斜視図である。 像ぶれ補正装置の第1の実施例を示す平面図である。 (A)は像ぶれ補正装置の第1の実施例を示す正面図、(B)は本発明の像ぶれ補正装置の第1の実施例を示す右側面図である。 (A)は図6に示す像ぶれ補正装置のA−A線部分の断面図、図4Bは図6に示す像ぶれ補正装置のB−B線部分の断面図である。 像ぶれ補正装置の第1の実施例の分解斜視図である。 像ぶれ補正装置の第1の実施例を分解した状態を正面から見た説明図である。 像ぶれ補正装置の第1の実施例を構成部品単位に分解した分解斜視図である。 図11に示す移動枠の下面を上方に向けた状態の斜視図である。 像ぶれ補正装置の第1の実施例の2つの位置検出器の配置を示す支持枠の平面図である。 像ぶれ補正装置に係るマグネットに対するホール素子の位置と磁束密度との関係を示すもので、(A)は概略構成を示す図であり、(B)はホール素子とマグネット間における移動距離と磁束密度の関係を示す図である。 像ぶれ補正装置に係る移動ガイド及びそのガイド受け部を示す図であり、(A)は移動ガイドの第1の実施例である先端に球面を有する球面突部を示し、(B)は移動ガイドの先端に摺動面を有する摺動突部を示し、(C)は移動ガイドの球体とその球体の直径よりも十分に大きな直径を有する円形凹部からなるガイド受け部を示し、(D)は球体とその球体の直径と略同一の直径を有する円形凹部からなるガイド受け部を示す。 像ぶれ補正装置の移動枠に作用する力を説明する図であり、(A)は補正レンズの中心と光軸とが一致した状態を示し、(B)は、−Y方向に補正レンズが移動した状態を示し、(C)は、+Y方向に補正レンズが移動した状態を示す。 像ぶれ補正装置の第2の実施例を示すもので、ムービングマグネット方式の像ぶれ補正装置の斜視図である。 像ぶれ補正装置の第2の実施例を示す平面図である。 像ぶれ補正装置の第2の実施例を示す正面図である。 図18に示す像ぶれ補正装置のA−A線部分の断面図である。 像ぶれ補正装置の第2の実施例を分解して示す分解斜視図である。 像ぶれ補正装置の第2の実施例を分解した状態を正面から見た図である。 像ぶれ補正装置の第2の実施の例を構成部品単位に分解した分解斜視図である。 図22に示す移動枠を下方から見た斜視図である。 像ぶれ補正装置に係る球面ガイド及びその保持部を示す図であり、(A)は球面ガイドの球体とその球体の直径よりも十分に大きな直径を有する円形凹部からなる保持部を示し、(B)は球体とその球体の直径と略同一の直径を有する円形凹部からなる保持部を示し、(C)は球面ガイドの先端に球面を有する球面柱体を示す。 像ぶれ補正装置の移動枠に作用する力を説明する図であり、(A)は像ぶれ補正装置の第2の実施例の平面図、(B)は第1の駆動部を駆動させて移動枠を第1の方向に移動させた状態において作用するそれぞれの力をベクトルで表した図である。 (A)は移動枠が基準位置にある状態を示す平面図、(B)は(A)に示すB−B線部分の断面図、(C)は(A)に示すC−C線部分の断面図である。 図27の状態から移動枠が第1の方向の一方(+)へ移動した状態を示すもので、(A)は平面図、(B)はB−B線部分の断面図である。 図27の状態から移動枠が第1の方向の他方(−)へ移動した状態を示すもので、(A)は平面図、(B)はB−B線部分の断面図である。 図27の状態から移動枠が第1の方向の一方(+)へ移動した状態を示すもので、(A)は平面図、(B)はC−C線部分の断面図である。 図27の状態から移動枠が第1の方向の他方(−)へ移動した状態を示すもので、(A)は平面図、(B)はC−C線部分の断面図である。 像ぶれ補正装置の第2の実施例に係る2つの位置検出器の配置例を示す図である。 像ぶれ補正装置の第2の実施例に係る2つの位置検出器の他の配置例を示す図である。 像ぶれ補正装置に係るマグネットに対するホール素子の位置と磁束密度との関係を示すもので、(A)は概略構成を示す説明図、(B)はホール素子とマグネット間における移動距離と磁束密度の関係を示す図である。 カメラ装置のブロック図である。 カメラの姿勢と像ぶれ補正装置の関係を示す図である。 補正レンズの移動量と駆動力との関係を示す図である。 カメラの姿勢と補正レンズに加わる重力との関係を示す図である。 カメラの回転角度と駆動力との関係を示す図である。 カメラの回転角度に応じたカメラの回転角度と駆動力との関係を示す図である。 d=Lのときの正弦波カーブと姿勢判別をするための第1及び第2の閾値との関係を示す図である。 d=−Lのときの正弦波カーブと姿勢判別をするための第1及び第2の閾値との関係を示す図である。 d=0のときの正弦波カーブと姿勢判別をするための第1及び第2の閾値との関係を示す図である。 補正レンズの移動量と駆動力との関係を示す図である。 補正レンズの移動量と駆動力との関係データを求める際のフローチャートである。 カメラの縦横判別をするときのフローチャートである。 撮像素子側に設けられた像ぶれ補正装置の斜視図である。 撮像素子側に設けられた像ぶれ補正装置の断面図である。 光軸が直線状で、光軸に沿って複数のレンズと撮像素子が設けられたカメラにおいて、カメラの姿勢と補正レンズに加わる重力との関係を示す図である。 光路が90度折曲する折曲レンズ系のカメラと沈胴型のカメラのそれぞれのカメラのタイプで、補正レンズや撮像素子18に加わる重力をまとめた図である。
符号の説明
1 (ディジタルスチル)カメラ、2 カメラ本体、3 レンズ部、10 レンズ鏡筒、11 1群レンズ、12 2群レンズ、13 3群レンズ、14 4群レンズ、15 5群レンズ、16 絞り機構、17 補正レンズ、18 撮像素子、19 光学フィルタ、21 移動枠、22 支持枠、23a−23c 引っ張りコイルばね、24 第1の駆動部、25 第2の駆動部、27 制限凸部、27a 開口穴、28a,28b ホール素子、29a,29b,29c 支持枠側爪部、31 レンズ保持部、32 制限凸部、32a,32b,32c 移動枠側爪部、33a 第1のマグネット固定部、33b 第2のマグネット固定部、34 嵌合穴、35 球面突部、37 突起片、39 突起片、41 第1のマグネット、42 第1のバックヨーク、43 第2のマグネット、45 第1のコイル、46 貫通孔、47 動作制限機構、48 摺動突部、49 球体、50 第2のコイル、51 フレキシブル配線基板、100 像ぶれ補正装置、101 移動枠、102 支持枠、103a,103b 第1の駆動部、104a,104b 第2の駆動部、105 レンズ固定部、106a,106b 第1のマグネット固定部、107a,107b 第2のマグネット固定部、108 嵌合穴、109 環状凸部、109a 開口穴、111,112 突起片、113a,113b 第1のマグネット、114a,114b 第1のバックヨーク、115a,115b 第2のマグネット、116a,116b 第2のバックヨーク、117 貫通穴、118 円筒部、118a 開口穴、119 球体保持部、121a,121b 第1のヨーク用凹部、122a,122b 第2のヨーク用凹部、123 球体、124 球面突部、124a 球面部、125a,125b 第1の対向ヨーク、126a,126b 第2の対向ヨーク、127 フレキシブル配線基板、128a,128b 第1のコイル、129a,129b 第2のコイル、133,134 ホール素子、201 画像処理部、202 画像表示部、202 画像表示部、203 記憶部、204 像ぶれ補正制御部、205 A/Dコンバータ、206 ジャイロセンサ、207 駆動力測定部、208 メモリ、209 判別部、300 像ぶれ補正装置、301 載置ステージ、302 Y方向ステージ、303 X方向ステージ、304a,304b ガイド軸、305a−305d マグネット、306e−305h ヨーク、306a,306b ガイド軸、307a,307b 軸受けガイド、308a−308d コイル取付部、309 保護板、311a,311b,312a,312b コイル体、313a,313b ホール素子,314a,314b,315a,315b 対向ヨーク

Claims (12)

  1. レンズ系を構成する一のレンズ又は撮像素子と、
    マグネットの磁界とコイルに流れる電流の作用によって駆動力を発生して、上記一のレンズ又は撮像素子を光軸方向又は光軸と直交する方向に移動する駆動部と、
    上記一のレンズ又は撮像素子を光軸に一致する方向に付勢する付勢部と、
    上記一のレンズ又は撮像素子の移動量と上記駆動力の大きさとの関係を示す関係データを記憶するメモリと、
    該撮像装置の回転角度と上記駆動力の大きさとの関係を示す正弦波カーブ又は該正弦波カーブに設定された上記駆動力の閾値の何れかを上記関係データに基づいてオフセットし、該撮像装置の姿勢を判別する判別時の駆動力と該正弦波カーブとの大小関係を判別する判別部と
    を備える撮像装置。
  2. 更に、上記駆動部によって上記一のレンズ又は撮像素子を移動して、少なくとも2点の上記一のレンズ又は撮像素子の移動量に対する上記駆動力の大きさの関係を測定して、上記関係データを生成し、上記メモリに記憶する測定部を備える請求項1記載の撮像装置。
  3. 上記閾値には、一方向に回転されたときに用いられる第1の閾値と、上記一方向と反対の他方向に回転されたときに用いられる第2の閾値とがある請求項2記載の撮像装置。
  4. 上記一のレンズは、像ぶれ補正機構に用いられる補正レンズである請求項1記載の撮像装置。
  5. 上記移動方向は、ヨー方向であり、上記判別部は、該撮像装置の縦横方向の姿勢を判別する請求項4記載の撮像装置。
  6. 上記移動方向は、ピッチ方向であり、上記判別部は、該撮像装置の上下方向の姿勢を判別する請求項4記載の撮像装置。
  7. 上記一のレンズは、フォーカスレンズである請求項1記載の撮像装置。
  8. 上記撮像素子は、像ぶれ補正機構に支持されている請求項1記載の撮像装置。
  9. 光軸に一致する方向に付勢され、マグネットの磁界とコイルに流れる電流の作用によって発生する駆動力によって、レンズ系を構成する一のレンズ又は撮像素子を光軸方向又は光軸と直交する方向に移動する上記一のレンズ又は撮像素子の移動量と上記駆動力の大きさとの関係を示す関係データを記憶するメモリと、
    上記一のレンズ又は撮像素子を備えた撮像装置の回転角度と上記駆動力の大きさとの関係を示す正弦波カーブ又は該正弦波カーブに設定された上記駆動力の閾値の何れかを上記関係データに基づいてオフセットし、該撮像装置の姿勢を判別する判別時の駆動力と該正弦波カーブとの大小関係を判別する判別部と
    を備える姿勢判別装置。
  10. レンズ系を構成する一のレンズと、
    マグネットの磁界とコイルに流れる電流の作用によって駆動力を発生して、上記一のレンズを光軸と直交する方向に移動する駆動部と、
    上記一のレンズを光軸に一致する方向に付勢する付勢部と、
    上記一のレンズの移動量と上記駆動力の大きさとの関係を示す関係データを記憶するメモリと、
    該レンズ鏡筒装置の回転角度と上記駆動力の大きさとの関係を示す正弦波カーブ又は該正弦波カーブに設定された上記駆動力の閾値の何れかを上記関係データに基づいてオフセットし、該レンズ鏡筒装置の姿勢を判別する判別時の駆動力と該正弦波カーブとの大小関係を判別する判別部と
    を備えるレンズ鏡筒装置。
  11. メモリに記憶された、光軸に一致する方向に付勢され、マグネットの磁界とコイルに流れる電流の作用によって発生する駆動力によって、レンズ系を構成する一のレンズ又は撮像素子を光軸方向又は光軸と直交する方向に移動する上記一のレンズ又は撮像素子の移動量と上記駆動力の大きさとの関係を示す関係データに基づいて、上記一のレンズ又は撮像素子を備えた撮像装置の回転角度と駆動力の大きさとの関係を示す正弦波カーブ又は該正弦波カーブに設定された駆動力の閾値をオフセットするステップと、
    上記撮像装置の姿勢を判別する判別時の駆動力が上記閾値との大小関係を判別するステップと
    を有する撮像装置の姿勢判別方法。
  12. メモリに記憶された、光軸に一致する方向に付勢され、マグネットの磁界とコイルに流れる電流の作用によって発生する駆動力によって、レンズ系を構成する一のレンズ又は撮像素子を光軸方向又は光軸と直交する方向に移動する上記一のレンズ又は撮像素子の移動量と上記駆動力の大きさとの関係を示す関係データに基づいて、上記一のレンズ又は撮像素子を備えた撮像装置の回転角度と駆動力の大きさとの関係を示す正弦波カーブ又は該正弦波カーブに設定された駆動力の閾値をオフセットするステップと、
    上記撮像装置の姿勢を判別する判別時の駆動力が上記閾値との大小関係を判別するステップと
    をコンピュータに実行させる撮像装置の姿勢判別プログラム。
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