JP2011004075A - ブレ補正装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、撮像素子を保持する可動部を支持球によって支持するブレ補正装置であって、支持球に働く磁力の影響を無くし、可動部の位置制御を容易かつ正確に行うことができるブレ補正装置を提供する。
【解決手段】本発明は、基台部と、撮像素子を保持する可動部と、前記可動部と前記基台部との間に配設され、前記可動部を前記基台部に対して移動可能に支持し、磁性を有する材料からなる支持球と、コイルと磁石とを具備し、電磁力によって前記可動部を前記基台部に対して相対的に移動させる駆動部と、磁性を有する材料からなり、前記支持球の転動範囲の外側を囲い、かつ前記光軸に直交する方向から見た場合に前記光軸方向について前記支持球の半分以上を覆うシールド部とを具備することを特徴とする。
【選択図】図10
【解決手段】本発明は、基台部と、撮像素子を保持する可動部と、前記可動部と前記基台部との間に配設され、前記可動部を前記基台部に対して移動可能に支持し、磁性を有する材料からなる支持球と、コイルと磁石とを具備し、電磁力によって前記可動部を前記基台部に対して相対的に移動させる駆動部と、磁性を有する材料からなり、前記支持球の転動範囲の外側を囲い、かつ前記光軸に直交する方向から見た場合に前記光軸方向について前記支持球の半分以上を覆うシールド部とを具備することを特徴とする。
【選択図】図10
Description
本発明は、撮像素子を保持する可動部を支持球によって支持し、磁石とコイルによって駆動力を発生する駆動部によって前記可動部を移動させるブレ補正装置に関する。
カメラ等の撮像装置において、光軸上に配設される撮像素子やレンズを当該撮像装置の移動に応じて移動させることで像のブレを軽減する、ブレ補正装置が知られている。ブレを補正する撮像装置として、例えば特開平10−319465号公報及び特開2007−72089号公報には、光軸に対して固定された固定部と、撮像素子やレンズを保持する可動部との間に複数の支持球を配設し、該支持球によって可動部を固定部に対して移動可能に支持する構成が開示されている。
特開平10−319465号公報及び特開2007−72089号公報に開示されているブレ補正装置は、磁石とコイルによって可動部を移動させる駆動力を発生する駆動部を具備している。
特開平10−319465号公報に開示されたブレ補正装置では、支持球は、いわゆるリテーナにより保持された状態で、可動部の移動に合わせて可動部と固定部との間で光軸に直交する方向に移動する。
また、特開2007−72089号公報に開示されたブレ補正装置では、支持球は、該支持球が隙間を有した状態で嵌め合わされる孔部によって、固定部に対して所定の位置に固定された状態で転動するように保持されている。
ブレ補正装置において可動部を支持球によって支持する場合、支持球には硬度や形状精度及びコストに優れる鋼球を用いることが好ましい。
例えば、特開平10−319465号公報に開示されているブレ補正装置のように、鋼球である支持球が可動部の移動に合わせて可動部と固定部との間で光軸に直交する方向に移動するように構成した場合、支持球には駆動部の磁石の磁力の影響によって磁石の方向へ引き寄せられる力が加わる。このため、可動部を磁石の方向へ引き寄せる力が発生する。磁力によって支持球に外力が加えられると、可動部の位置制御を行う際における目標位置と実際の位置との残差が大きくなってしまう。
また一般に、可動部を2軸方向に移動させるためには磁石を具備する駆動部は複数箇所に配設される。このため、鋼球である支持球には複数の方向からの磁石が働く。このため、可動部の位置によって残差に変動が生じ、可動部の位置制御がより複雑なものとなってしまう。
特開2007−72089号公報に開示されているブレ補正装置のように、支持球を所定の位置に固定した状態で転がるような構成であれば、支持球を鋼球とした場合であっても、位置制御に対する磁力による影響を排除することが可能である。しかし、支持球を所定の位置で転がるようにするため構成は、寸法精度が求められることや部品点数が増加することから高価なものとなってしまう。また、支持球と支持球が嵌め合わされる孔部との摩擦力が可動部の位置制御に影響を及ぼしてしまう。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、磁性を有する材料からなる支持球を用いた場合においても、簡易な構成で支持球に働く磁力の影響を軽減又は無くし、可動部の位置制御を容易かつ正確に行うことができるブレ補正装置を提供することを目的とする。
本発明のブレ補正装置は、撮像装置の光軸に対して直交する平面内で撮像素子を移動させることにより像の揺れを補正するブレ補正装置であって、基台部と、前記撮像素子を保持する可動部と、前記可動部と前記基台部との間に配設され、前記可動部を前記基台部上において前記光軸に対して直交する平面内で移動可能に支持し、磁性を有する材料からなる支持球と、前記基台部及び前記可動部の一方に配設されたコイルと前記基台部及び前記可動部の前記コイルが配設されていない方に配設された磁石とを具備し、電磁力によって前記可動部を前記基台部に対して相対的に移動させる駆動部と、磁性を有する材料からなり、前記支持球の転動範囲の外側を囲い、かつ前記光軸に直交する方向から見た場合に前記光軸方向について前記支持球の半分以上を覆うシールド部とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、磁性を有する材料からなる支持球を用いた場合においても、簡易な構成で支持球に働く磁力の影響を軽減又は無くし、可動部の位置制御を容易かつ正確に行うことができるブレ補正装置を提供することができる。
以下に、本発明の好ましい形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図においては、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各構成要素毎に縮尺を異ならせてあるものであり、本発明は、これらの図に記載された構成要素の数量、構成要素の形状、構成要素の大きさの比率、及び各構成要素の相対的な位置関係のみに限定されるものではない。
(第1の実施形態)
以下に、本発明の第1の実施形態を説明する。まず、本実施形態のブレを補正する撮像装置であるカメラ100の構成について、図1を用いて説明する。図1は、カメラ100の前面側を示す斜視図である。
以下に、本発明の第1の実施形態を説明する。まず、本実施形態のブレを補正する撮像装置であるカメラ100の構成について、図1を用いて説明する。図1は、カメラ100の前面側を示す斜視図である。
図1に示すように、カメラ100は、CCD等からなる撮像素子11を内部に具備して構成されたデジタルカメラであり、略箱型形状の筐体101の内部に組み付けられる各種の組立体や電気回路等の構成部材と、この筐体の表面上に配設され前記内部構成部材と電気的又は機械的に接続された各種の情報入出力部材等によって主に構成されている。
なお、以下の説明において、撮像素子11の受光面に直交する光軸Oに沿う方向をZ方向とし、光軸Oに直交する平面上において互いに直交する2つの方向をX方向及びY方向とする。該X方向及びY方向のうち、図1に示すようにカメラ100をいわゆる正立状態に構えた場合において、水平な方向をX方向とする。
また、Z方向について、カメラ100から被写体方向に向かう方向を前方、カメラ100から被写体とは反対方向に向かう方向を後方と称する。また、X方向について、カメラ100を正立状態に構えた場合の操作者側から見て右側を右方向、左側を左方向と称する。また、Y方向について、カメラ100を正立状態に構えた場合の鉛直上側を上方向とし、鉛直下側を下方向と称する。
本実施形態のカメラ100は、いわゆるレンズ交換式のデジタル一眼レフカメラであって、撮像素子11と、レンズマウント部102と、入力装置部103と、ファインダ部104とを具備して構成されている。
撮像素子11は、受光面に入射される光に応じた電気信号を所定のタイミングで出力するものであり、例えば一般にCCD(電荷結合素子)やCMOS(相補型金属酸化膜半導体)センサと称される形式、あるいはその他の各種の形式の撮像素子が適用され得る。
撮像素子11は、ブレ補正装置1を介して筐体101に対して所定の位置に配設されている。詳細は後述するが、ブレ補正装置1は、撮像時のカメラ100の移動量に応じて撮像素子11をX方向及びY方向に移動させることによって、撮像素子11の受光面上における被写体像のブレを軽減するためのものである。
レンズマウント部102は、雌ネジ部又はいわゆるバヨネット機構を有し、撮像素子11の受光面に直交する光軸O上に撮像レンズ110を着脱可能に固定するためのものである。また、入力装置部103は、操作者が操作指示情報をカメラ100へ入力するためのものであり、シャッターボタン、露出補正ボタン及びセルフタイマーボタン等のボタンスイッチや、撮影モード切替ダイヤル等のダイヤルスイッチ、及びタッチパネル装置等からなる。ファインダ部104は、操作者が撮影範囲の状態を光学像又は電子画像により観察するためのものであり、光学ファインダまたは電子ビューファインダからなる。
また、図示しないが、カメラ100の筐体101には、電源電池及び記録媒体を収容する収容室と、外部機器との間で情報の有線又は無線による入出力を行う入出力装置と、所定の軸上におけるカメラ100の移動量を検出するジャイロセンサ等からなる変位検出部とが配設されている。
次に、ブレ補正装置1の概略的な構成について、図2及び図3を用いて説明する。
図2は、ブレ補正装置の前面側(被写体に対向する側)を示す斜視図である。図3は、ブレ補正装置1の概略構成を示す分解斜視図であり、ブレ補正装置が、撮像素子駆動機構2及び中立保持機構3により主に構成されていることを示す図である。
本発明のブレ補正装置1は、図2に示すように、大別してそれぞれ異なる機能を有する撮像素子駆動機構2及び中立保持機構3の2つの機構部がZ方向に配列されて構成されている。
図3に示すように、撮像素子駆動機構2は、カメラ100の筐体101に固定される基台部28と、撮像素子11を保持し基台部28上に光軸Oに直交する平面上において移動可能に支持された可動部4と、該可動部4を基台部28に対して相対的に移動させる駆動部とを具備してなる。駆動部は、可動部4に基台部28に対してX方向に移動する力を与えるX方向駆動部5Xと、可動部4に基台部28に対してY方向に移動する力を与えるY方向駆動部5Yとを具備してなる。
中立保持機構3は、撮像素子駆動機構2の前面部に設けられたネジ穴49a及び49bに螺合するネジ48a及び49bにより、撮像素子駆動機構2の前方に固定されている。
中立保持機構3の構成及び動作は、詳しくは後述するものとするが、概略的には中立保持機構3は、撮像素子11を保持した可動部4の基台部28に対する移動を許容する開放状態と、可動部4をX方向駆動部5X及びY方向駆動部5Yによる駆動力を用いずに所定の位置に位置決めして固定する固定状態とを選択的に切換可能とする機構部である。
次に、撮像素子駆動機構2の構成について、図4から図8を用いて説明する。
図4は、撮像素子駆動機構2の分解斜視図であり、基台部28の構成と、撮像素子駆動機構2が該基台部28、可動部4及びヨーク31、32によって主に構成されていることを示す図である。
図4は、撮像素子駆動機構2の分解斜視図であり、基台部28の構成と、撮像素子駆動機構2が該基台部28、可動部4及びヨーク31、32によって主に構成されていることを示す図である。
図4に示すように、基台部28は、前方から見て略矩形状の鋼板からなる部材である。基台部28の前方から見た場合の中央部には、貫通孔である開口部28aが形成されている。
基台部28の前面上であって、開口部28aの周縁部の左方側には、磁石29が接着剤により固定されている。磁石29は、Y方向を長手方向とした細長の矩形状を有し、かつその前方側の表面の左方側の領域の磁極がS極、右方側の領域の磁極がN極となるように、X方向に沿っていわゆる異極着磁がなされている。
なお、上述したようにX方向に沿って異なる磁極が並ぶように配置されるものであれば、磁石29は、単体の部材で構成されていなくともよく、例えば複数の磁石を基台部28上に接触させて配置、又は複数の磁石を基台部28上に若干離した状態で配置したものであってもよい。
また、基台部28の前面上であって、開口部28aの周縁部の下方側には、磁石30a、30bが接着剤により固定されている。2つの磁石30a、30bは、X方向に配列されている。
磁石30aは、X方向を長手方向とした細長の矩形状を有し、かつその前方側の表面の上方側の領域の磁極がS極、下方側の領域の磁極がN極となるように、Y方向に沿っていわゆる異極着磁がなされている。
また、磁石30bは、X方向を長手方向とした細長の矩形状を有し、かつその前方側の表面の上方側の領域の磁極がN極、下方側の領域の磁極がS極となるように、Y方向に沿っていわゆる異極着磁がなされている。
なお、上述したようにY方向に沿って異なる磁極が並ぶように配置されるものであれば、磁石30a、30bは、単体の部材で構成されていなくともよく、例えば複数の磁石を基台部28上に接触させて配置、又は複数の磁石を基台部28上に若干離した状態で配置したものであってもよい。
また、基台部28の前面上であって、開口部28aの周縁部の3箇所には、ボール支持部200が配設されている。ボール支持部200は、詳しくは後述するが、可動部4を光軸Oに直交する平面内において移動可能に支持するためのものである。
ボール支持部200は、基台部28と可動部4との間に挟持され、所定の範囲内で転動可能な支持球201を具備してなる。すなわち、3箇所のボール支持部200は、基台部28に対して可動部4を、いわゆるボール支持によって支持するためのものである。可動部4の後方側には、基台部28に設けられた3箇所のボール支持部200に対向する位置に、支持球201と接触するステンレス板17が配設されている。
次に、可動部4の詳細な構成について、図5及び図6を用いて説明する。
図5は、可動部4の分解斜視図であり、可動部4の詳細な構成を説明するための図である。図6は、可動部4の後方側を示す斜視図である。
図5は、可動部4の分解斜視図であり、可動部4の詳細な構成を説明するための図である。図6は、可動部4の後方側を示す斜視図である。
図5に示すように、可動部4は、前方から見て略矩形状を有し、その中央に撮像素子11を保持する撮像素子保持部12と、前方から見て略L字状を有し、撮像素子保持部12の外周部の左方側及び下方側に延在するホルダ18とから構成されている。
撮像素子保持部12の撮像素子11のさらに前方には、ガラス板を圧電素子等の振動によって振動させることによりゴミを振るい落とすゴミ付着防止機構14が配設されている。
また、撮像素子保持部12の前面上には、撮像素子11を囲うように4本のピン15a〜15dが、Z方向に沿って前方に起立するように設けられている。なお、該4本のピン15a〜15dは、詳しくは後述する中立保持機構3と係合することにより、可動部4の基台部28に対する移動を固定するためのものである。
また、上述したように、撮像素子保持部12の後方側の面には、基台部28に設けられた3箇所のボール支持部200に対向する位置にステンレス板17が配設されている。このステンレス板17は、ボール支持部200の支持球201に接触する平面部を有する。なお、ボール支持部200の支持球201に接触する平面部は、所定の平面度や表面粗さ、及び耐摩耗性等を有して構成されるものであればよく、本実施形態のステンレス板以外に、他の金属や樹脂により構成されてもよい。また撮像素子保持部12の後方側の面には、磁石16が固定されている。
ホルダ18は、ガラス繊維入りのポリフェニレンサルファイド樹脂等により形成された平面視で略L字形状を有する平板状の部材であり、3つのネジ19及び接着剤によって前記撮像素子保持部12に固定されている。
ホルダ18には、ホルダ18の剛性を高めるために、磁性を有するSUS430等のステンレス板21a〜21dも接着されている。また、撮像素子保持部12には、下方に延出する舌片状の凸部20が設けられており、ホルダ18は、撮像素子保持部12に固定された状態において、該凸部20に係合する。このようにホルダ18を、撮像素子保持部12から延出する凸部20上に載せるかたちで係合させることによって、ホルダ18の剛性が高められる。なお、上述した可動部4を構成する撮像素子保持部12及びホルダ18は一体に形成されるものであってもよい。
可動部4が3箇所のボール支持部200を介して基台部28に支持された状態においては、可動部4に固定された磁石16と鋼製の基台部28との間、及びステンレス板21a〜21dと磁石30a、30bとの間に磁力による吸引力が働く。このため、カメラ100の姿勢がどのように変化しようとも、可動部4と基台部28とは、その間に支持球201を挟持した状態を保つことができる。
また、図6に示すように、可動部4の後方側の面上には、撮像素子11を駆動する回路等が設けられた回路基板13が固定されている。回路基板13は、フレキシブルプリント基板13aを介して撮像素子11に電気的に接続されている。また、図示しないが、回路基板13は、筐体101内に配設されたカメラ100のメイン制御基板に電気的に接続されている。
また、可動部4の基台部28に設けられた磁石29に対向する位置には、後方側の面上にXコイル23と、前方側の面上に磁力検出手段である一対のホール素子22e、22fとが配設されている。
Xコイル23は、光軸Oに平行な軸周りに巻線が巻回されたコイルであり、かつY方向を長手方向とした細長の矩形状を有する。すなわち、巻線が細長の矩形状に巻回されたXコイル23は、4辺のうちの長辺58a、58bがY方向に延在し、短辺58c、58dがX方向に延在するように可動部4のホルダ18に固定されている。
ホール素子22e、22fは可動部4の前方側からホルダ18に固定される。ホルダ18には、ホール素子22e、22fをそれぞれ収容し、Xコイル23の外側近傍に位置決めする凹部が設けられており、ホール素子22e、22fは該凹部内に固定される。
具体的には、一対のホール素子22e、22fは、可動部4に固定されたXコイル23の長辺58a、58bのそれぞれの中心の外側近傍に、接着剤により固定されている。
上記Xコイル23及びホール素子22e、22fは、ホルダ18の表面に貼り付けられた図示しないフレキシブルプリント基板に半田付けされ、該フレキシブルプリント基板を介して、カメラ100のメイン制御基板と電気的に接続されている。
また、可動部4の基台部28に設けられた磁石30a、30bにそれぞれ対向する位置には、後方側の面上にYコイル24a、24bと、前方側の面上に磁力検出手段である2組のホール素子22a及び22b、22c及び22dとが配設されている。
Yコイル24a及び24bは、光軸Oに平行な軸周りに巻線が巻回されたコイルであり、かつX方向を長手方向とした細長の矩形状を有する。すなわち、巻線が細長の矩形状に巻回されたYコイル24a、24bは、4辺のうちの長辺がX方向に延在し、短辺がY方向に延在するように可動部4のホルダ18に固定されている。
ホール素子22a〜22dは、可動部4の前方側からホルダ18に固定される。ホルダ18には、ホール素子22a〜22dをそれぞれ収容し、Yコイル24a、24bの外側近傍に位置決めする凹部が設けられており、ホール素子22a〜22dは該凹部内に固定される。
具体的には、2組の一対のホール素子22a及び22b、22c及び22dは、可動部4に固定されたYコイル24a、24bの長辺のそれぞれの中心の外側近傍に、接着剤により固定されている。
次に、図4に示す、基台部28に固定されたヨーク31及びヨーク32の構成について説明する。ヨーク31及びヨーク32は、可動部4とは離間して配設されている。
ヨーク31は、鋼製の板部材により構成されており、上記磁石29、Xコイル23及びホール素子22e、22fの前方側を覆うように基台部28に接着剤により固定されている。また、ヨーク32は、鋼製の板部材により構成されており、上記磁石30a、30b、Yコイル24a、24b及びホール素子22a〜22dの前方側を覆うように基台部28に接着剤により固定されている。
次に、撮像素子駆動機構2のX方向駆動部5X及びY方向駆動部5Yについて、図7及び図8を用いて説明する。
図7は、撮像素子駆動機構2を前方側から見た場合の、X方向駆動部5X及びY方向駆動部5Yを構成する部材の位置関係を説明するための図である。なお、図7は、可動部4の基台部28に対する位置を、X方向の可動範囲の略中心、及びY方向の可動範囲の略中心に位置決めした場合を示している。以下において、可動部4のX方向及びY方向の可動範囲の略中央に位置する箇所を、基準位置と称する。
また、図8は、図3のVIII-VIII断面図であり、X方向駆動部5Xにおける、磁石29に対する、上記Xコイル23の配置を断面により説明する図である。
まず、X方向駆動部5Xについて説明する。図7に示すように、可動部4を基準位置に位置決めした状態において、ホール素子22e、22f及びXコイル23は、磁石29の表面積内、すなわち磁石29の外形を光軸Oに直交する平面に投影した領域の範囲内に収まるように形状及び位置が決められている。
また、Xコイル23は、長辺58a、58bが、磁石29の長手方向に沿うように配置されており、また一対のホール素子22e、22fは、Xコイル23の長辺58a、58bの略中央の外側近傍にそれぞれ配置されている。
図8に示すように、Xコイル23は、鋼製の基台部28及び該基台部28に固定された鋼製のヨーク31に覆われた空間内であって、かつ基台部28に固定された磁石29に対向する領域において移動可能に配設されている。
以上のような構成のX方向駆動部5Xは、磁石29、ヨーク31及び基台部28によって形成される磁界中においてXコイル23に電流を流すことによって、基台部28に対して可動部4をX方向へ移動させようとする電磁力による駆動力を得る、一般にボイスコイルモータと称されるものである。また、本実施形態では、X方向駆動部5Xに設けられたホール素子22e、22fからの出力に基づいて、基台部28に対する可動部4のX方向の位置を算出することができる。
次に、Y方向駆動部5Yについて説明する。図7に示すように、可動部4を基準位置に位置決めした状態において、ホール素子22a、22b及びYコイル24aは、磁石30aの表面積内、すなわち磁石30aの外形を光軸Oに直交する平面に投影した領域の範囲内に収まるように形状及び位置が決められている。
また、Yコイル24aは、長辺が、磁石30aの長手方向に沿うように配置されており、また一対のホール素子22a、22bは、Yコイル24aの長辺の略中央の外側近傍にそれぞれ配置されている。
また、同様に、ホール素子22c、22d及びYコイル24bは、磁石30bの表面積内、すなわち磁石30bの外形を光軸Oに直交する平面に投影した領域の範囲内に収まるように形状及び位置が決められている。
Yコイル24bは、長辺が、磁石30bの長手方向に沿うように配置されており、また一対のホール素子22c、22dは、Yコイル24bの長辺の略中央の外側近傍にそれぞれ配置されている。
以上のような構成のY方向駆動部5Yは、磁石30a、30b、ヨーク32及び基台部28によって形成される磁界中においてYコイル24a、24bに電流を流すことによって、基台部28に対して可動部4をY方向へ移動させようとする電磁力による駆動力を得る、一般にボイスコイルモータと称されるものである。また、本実施形態では、Y方向駆動部5Yに設けられたホール素子22a〜22dからの出力に基づいて、基台部28に対する可動部4のY方向の位置を算出することができる。
なお、本実施形態においては、可動部4は、基台部28に対してボール支持部200の支持球201によって支持されていることから、X方向及びY方向への並進のみならず、光軸O周りに回動することが可能である。すなわち、Yコイル24a、24bに流す電流を独立して制御することによってYコイル24a、24bで発生する力に差を設け、可動部4をZ方向周りに回動させることができる。言い換えれば、Yコイル24a、24bの発生する力の和分で、可動部4及びそれに取り付けられた撮像素子11をY方向に動かし、Yコイル24a、24bの発生する力の差分で撮像素子11の光軸O周りの回動の制御を行うことができる。
なお、本実施形態では、可動部4において比較的重量を有するXコイル23及びYコイル24a、24bが、それぞれX方向及びY方向について一方側に偏って配設されているため、可動部4の重心が撮像素子11の中心よりも左方向及び下方向に所定量だけずれて存在している。
この撮像素子11の中心に対する重心のずれに対応して、本実施形態では、X方向に駆動するときの駆動点となるXコイル23のY方向の中心と、Y方向に駆動するときの駆動点となるYコイル24aと24bのX方向の中間点は、撮像素子11の中心ではなく、可動部4の重心と一致させられている。
すなわち、Xコイル23は撮像素子11の中心より下方向に所定量だけずれた位置に固定されている。また、Yコイル24a、24bの中間点は撮像素子11の中心より左方向に所定量だけずれた位置に固定されている。
以上のように、本実施形態のブレ補正装置1では、X方向駆動部5X及びY方向駆動部5Yによって、可動部4を光軸Oに直交する平面上において移動させることが可能である。
次に、ボール支持部200の詳細な構成について、図9及び図10を用いて説明する。
図9は、図4におけるボール支持部200の部分を拡大した図である。図10は、ボール支持部200の断面図である。
図9は、図4におけるボール支持部200の部分を拡大した図である。図10は、ボール支持部200の断面図である。
前述したように、本実施形態のボール支持部200は、3箇所における支持球201によるボール支持により、可動部4を基台部28に対して移動可能に支持するためのものである。ボール支持部200は、ボール受け部210、支持球201、ステンレス板202及びシールド部220により構成されている。
本実施形態の支持球201は、磁性を有する材料からなる球体であり、本実施形態では鉄からなるいわゆる鋼球である。図10に示すように、支持球201は、可動部4に固定されたステンレス板17の平面部と、基台部28に固定されたステンレス板202の平面部との間に挟持される。
ボール受け部210は、支持球201のX方向及びY方向の転動範囲を規制する壁部210bを有した凹形状部210aを具備してなる。本実施形態では図9に示すように、ボール受け部210は、円筒状の壁部を有する。
上述したステンレス板202は、ボール受け部210の凹形状部210aの底面に接着剤等により固定されている。なお、ステンレス板202は、前述したように所定の平面度や表面粗さ、及び耐摩耗性等を有して構成されるものであればよく、ステンレス板以外に、他の金属や樹脂により構成された平面部を有するものであってもよい。例えば、ボール受け部210の凹形状部210aの底面部を平面とすることにより、該底面部を支持球201に接触する平面部としてもよい。
また、ボール受け部210を構成する材料は特に限られるものではないが、ボール受け部210は、アルミニウム合金、真鍮又は樹脂等の磁性を持たない材料により構成されることがより好ましい。ボール受け部210を磁性を持たない材料により構成すれば、ボール受け部210が着磁することによる支持球201の動きへの影響を防止することができる。
また、ボール受け部210は、基台部28と一体に形成されるものであってもよい。また、ボール受け部210の凹形状部210aは、矩形状の凹部であってもよい。
そして、このボール受け部210の壁部210bの周囲には、鉄等の磁性を有する材料からなる壁状のシールド部220が配設されている。シールド部220は、ボール受け部210のX方向及びY方向に面する側面を覆う形状を有する。言い換えれば、シールド部220は、磁性を有する材料からなり、支持球201の転動範囲の外側を囲っている。
またシールド部220は、ボール支持部200を光軸Oに直交する方向から見た場合に、光軸Oに沿う方向について支持球201の半分以上を覆い隠す形状を有する。
本実施形態では、シールド部220は、ボール受け部210の壁部210bの外周に嵌合され、図10に示すように、基台部28から支持球201の中心よりも可動部4側に突出する高さを有する円筒形状を有する。
以上に説明した構成を有するボール支持部200では、磁性を有する材料からなる支持球201は、その転動範囲の外側を、磁性を有する材料からなるシールド部220により囲われている。
X方向駆動部5X及びY方向駆動部5Yの磁石29、30a、30bの磁力は、シールド部220によって遮蔽されるため、シールド部220の内側において転動する支持球201に働く磁力の影響を軽減又は無くすことができる。すなわち、可動部4のX方向駆動部5X及びY方向駆動部5Yによる位置制御に対する、支持球201に働く磁力に起因する悪影響を軽減又は無くすことができる。
また、シールド部220は、鉄等の磁性を有する材料からなる筒状の部材であることから、例えば鉄製のパイプを所定の長さに切断する等により簡易かつ安価に作成することが可能である。
以上のように、本実施形態のブレ補正装置1によれば、磁性を有する材料からなる支持球を用いた場合においても、簡易な構成で支持球に働く磁力の影響を軽減又は無くし、可動部の位置制御を容易かつ正確に行うことができる。
なお、上述した実施形態では、ボール支持部200のボール受け部210とシールド部220とは別の部材として構成されているが、ボール受け部210とシールド部220とは一体に形成されるものであってもよい。
具体的には、図11に示すように、ボール受け部210が鉄等の磁性を有する材料により構成されるものであって、かつボール受け部210の壁部210bが、光軸Oに直交する方向から見た場合に、光軸Oに沿う方向について支持球201の半分以上を覆い隠す高さを有するものであればよい。この場合、支持球201の転動範囲を規制する壁部210bが、支持球201に働く磁力の影響を軽減又は無くすシールド部220として作用する。ただし、前述したように、ボール受け部210を磁性を持たない材料によって構成し、シールド部220のみを磁性を有する材料によって構成することが好ましい。
以下に、中立保持機構3の詳細な構成を、図12及び図13を用いて説明する。
図12は、中立保持機構の前面側を示す斜視図である。図13は、中立保持機構を前方から見た正面図である。
図12は、中立保持機構の前面側を示す斜視図である。図13は、中立保持機構を前方から見た正面図である。
前述したように、中立保持機構3は、撮像素子11を保持した可動部4の基台部28に対する移動を許容する開放状態と、可動部4をX方向駆動部5X及びY方向駆動部5Yによる駆動力を用いずに所定の位置に位置決めして固定する固定状態とを選択的に切換可能とする機構部である。
図12及び図13に示すように、中立保持機構3は前方から見て略矩形状であり、中央部に開口部を有した枠状のベース部45と、前方から見て略円環形状を有しベース部45に対して光軸O周りに回動可能に支持された回動ワク37と、該回動ワク37を駆動する回動駆動部と、回動ワク37の回動に応じて可動部4の移動を規制する保持部と、を有して構成されている。
本実施形態では、一例として、ベース45はガラス繊維入りのポリフェニレンサルファイド樹脂製であり、回動ワク37はカーボン繊維入りのポリフェニレンサルファイド樹脂製である。
ベース45の前面上には、円環状の回動ワク37の外縁部に接して、回動ワク37をベース45の前面上に押さえ、かつ回動ワク37を光軸O周りに回動可能に支持する4個のツメ部46a〜46dが設けられている。
なお、図示していないが、ベース45の回動ワク37と接する面には、ベース45から前方突出する凸状部が形成されており、ベース45と回動ワク37とは該凸状部で接することで摺動抵抗が小さくなるようにされている。
回動ワク37をベース45に取り付ける際は、回動ワク37の外縁部の4箇所に設けた凹部39a〜39dの部分でツメ部46a〜46dを逃げて回動ワク37とベース45とを接触させ、その後に回動ワク37を回動させて回動ワク37の外縁部をツメ部46a〜46dに係合させる。
回動ワク37の外縁部には、外方向に向かって突出する舌片部44が形成されている。また、ベース部45に回動ワク37を支持した状態において、回動ワク37の舌片部44に当接することで回動ワク37の光軸O周りの回動角度を規制する一対のストッパ47a及び47bが、ベース45の前面上に凸設されている。
なお、ベース45の一方のストッパ47bはベース45と別体の部材からなり、回動ワク37を上記のようにツメ部46a〜46dに係るように取り付けた後に、ストッパ47bは、ベース45に設けられた穴部に嵌合され接着される。
次に、回動ワク37をベース45に対して回動させる構成及びその動作について図14から図16を用いて説明する。
図14は、中立保持機構3から回動ワク37を取り外した分解斜視図である。
図14は、中立保持機構3から回動ワク37を取り外した分解斜視図である。
図15は、回動ワク37を、前方から見て時計回り方向に回動させた状態を示す図であり、中立保持機構3の開放状態を説明する図である。図16は、回動ワク37を、前方から見て反時計回り方向に回動させた状態を示す図であり、中立保持機構3の固定状態を説明する図である。
なお、図15及び図16では、ベース45によって隠される部位を図示し、理解を容易なものとするために、ベース45は図示していない。
図14に示すように、回動ワク37の右側には、後方かつ右方に延出する凸部38が設けられ、該凸部38にはコイル36が接着されている。
コイル36は、コイル36の内側の穴部に勘合するように設けられた凸部により位置決めされている。コイル36のY方向両端に位置する2辺は、回動ワク37の回動中心を通る線に沿うように配置されており、非平行となっている。
また、カメラ100の筐体101に固定された基台部28の前面上の右方側には、鋼製のヨーク33が接着されている。さらに、ヨーク33の前方側には、上記回動ワク37に固定されたコイル36に対向する位置に、磁石34が接着されている。
磁石34のさらに前方側には、該磁石34及び該磁石34に対向して配置されるコイル36を覆うように鋼製のヨーク35が固定されている。すなわち、磁石34とヨーク35の間に、回動ワク37に固定されたコイル36が配設される。本実施形態においては、磁石34及びヨークコイル36により構成される、いわゆるボイスコイルモータにより、回動ワク37の回動が制御される。
また、ベース45の開口部の周辺部の4箇所には凸部51a〜51dが設けられ、該凸部51a〜51dにリン青銅製のバネ52a〜52dが固定されている。バネ52a〜52dには、アウトサート成形により、合成樹脂製で回動ワク37の内周面部に当接する凸部54a〜54dと、可動部4のピン15a〜15dの外側近傍に配設される保持部55a〜55dが形成されている。
回動ワク37、バネ52a〜52d、及び可動部4のピン15a〜15dの部分の詳細を、図15及び図16を参照して説明する。なお、以下の説明では、バネ52a、保持部55a及び可動部のピン15aに関連する箇所のみを説明し、他の3箇所の構成についてはこれと同等であるので省略するものとする。
回動ワク37の内周面部の、バネ52aの凸部54aに当接する部位は、前方から見た場合に時計回り方向に向かうにつれて、回動ワク37の回動中心から内周面部までの距離が徐々に小さくなるように傾斜が設けられている。
言い換えれば、回動ワク37を前方から見て光軸O周りに反時計周り方向に回動させた場合、回動ワク37の内周面部の、バネ52aの凸部54aに当接する部位は、回動に伴って徐々に回動中心に近づく。
本実施形態においては、図15に示すように、回動ワク37の舌片部44がストッパ47aに当接した場合、すなわち回動ワク37を前方から見て時計回りに回動限界まで回動させた場合、バネ52aの凸部54aは、回動ワク37の内周面部の中心までの距離が大きい大径部41aと接する。
また、図16に示すように、回動ワク37の舌片部44がストッパ47bに当接した場合、すなわち回動ワク37を前方から見て反時計回りに回動限界まで回動させた場合、バネ52aの凸部54aは、回動ワク37の内周面部の中心までの距離が大径部41aよりも小さい小径部43aと接する。
なお、図15及び図16に示したいずれの場合においても、凸部54aは、バネ52aの弾性により、回動ワク37の内周面部側に付勢されている。このため、凸部54aは、回動ワク37の内周面部の中心からの距離の変化に応じて移動する。
また、凸部54aと保持部55aは、バネ52aにより連結されていることから、保持部55aは凸部54aの動きに合せて略径方向に移動する。但し、バネ52aの弾性は凸部54aと保持部55aとの間にも働く。
また、ベース45の前面上において回動ワク37の左方の外側近傍には、凸部49が設けられており、該凸部49には、板バネであるロックバネ56が固定されている。ロックバネ56は、先端56bにおいて弾性力によって回動ワク37を右方向に付勢するように設けられている。
回動ワク37の外周面部には、図15に示すように、回動ワク37の舌片部44がストッパ47aに当接した状態において、ロックバネ56の先端56bと係り合う切り欠きである凹部40aが形成されている。
また、回動ワク37の外周面部には、図175示すように、回動ワク37の舌片部44がストッパ47bに当接した状態において、ロックバネ56の先端56bと係り合う切り欠きである凹部40bが形成されている。
次に、以上のように構成されたブレ補正装置1の中立保持機構3の動作を説明する。
本実施形態のブレ補正装置1を動作させない場合、例えばカメラ100の電源がOFF状態である場合や、カメラ100の再生動作時においては、中立保持機構3の回動ワク37は、図16の状態、すなわち、回動ワク37の舌片部44が、ベース45のストッパ47bに当接するまで回動した位置とされる。
このとき、回動ワク37の凹部40bにロックバネ56の先端56bが入り込み、回動ワク37は所定の大きさの力が加えられない限り回動しないようにロックされる。このロックにより、回動ワク37を駆動するためのコイル36に電流を流し続けなくとも、回動ワク37を固定することができる。
またこのとき、バネ52a〜52dの凸部52a〜52dは、回動ワク37の内周面部の小径部43a〜43dによって中心方向に押圧されるため、保持部55a〜55dは可動部4の4個のピン15a〜15dのそれぞれに接して、ピン15a〜15dを中心方向に付勢する。
これにより、可動部4はX方向及びY方向の移動が拘束され、可動部4に搭載された撮像素子11が可動範囲のほぼ中心(基準位置)に保持される。なお、保持部55a〜55dによる拘束は、バネ52a〜52dの弾性によって押される形で行われるため、保持部55a〜55dとピン15a〜15dの間に隙間が空いてガタが生じたり、保持部55a〜55dがピン15a〜15dに強く当たり変形してしまったりすることはない。
一方、カメラ100の撮影時にブレ補正装置1を動作させ、撮像素子11を移動させてブレを補正する場合は、回動ワク37を図15の状態、すなわち、回動ワク37の舌片部44が、ベース45のストッパ47aと当たるまで回動させる。
ここで、回動ワク37の駆動は、磁石34の磁界中に配設されたコイル36に電流を流すことで行われる。この動作原理は、撮像素子駆動機構2のX方向駆動部5X及びY方向駆動部5Yと同様であるため説明を省略する。
回動ワク37を駆動する力がロックバネ56による側面からの押圧力に打ち勝つと、回動ワク37は、凸部44がベース45の凸部47aに当たるまで回動する。ここで、回動ワク37の凹部40aにロックバネ56の先端56bが入り込み、回動ワク37は所定の大きさの力が加えられない限り回動しないようにロックされる。
よって、ブレ補正動作中において常にコイル36に電流を流す必要はなく、コイル36の電流は、移動のための時間に余裕を加えた時間だけ流し、その後0にするという形で制御すればよい。なお、図16の状態から図15の状態へ回動ワク37を回動させる場合は、逆向きの動作をすることになる。
回動ワク37が図15の位置へ移動した状態では、バネ52a〜52dの凸部52a〜52dは、回動ワク37の内周面部の大径部41a〜41dによって中心方向に押圧されるため、保持部55a〜55dは可動部4の4個のピン15a〜15dのそれぞれから所定の距離だけ中心から遠ざかる方向へ離間する。このため、可動部4は、このピン15a〜15dと保持部55a〜55dとの間に生じた隙間の分だけX方向及びY方向に移動可能となる。
また、このバネ52a〜52dは、衝撃の入力によって可動部4が端まで動いたときの衝撃を吸収する役割も有している。衝撃によって可動部4が移動可能範囲の端まで動いたときには、保持部55a〜55dに当たるため、バネ52a〜52dによって衝撃が吸収され、可動部4の破損を防ぐことができる。
(第2の実施形態)
以下に、図17を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。第2の実施形態は、上述した第1の実施形態に比してボール支持部の構成のみが異なる。以下ではこの相違点のみを説明するものとし、また、第1の実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜に省略するものとする。
以下に、図17を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。第2の実施形態は、上述した第1の実施形態に比してボール支持部の構成のみが異なる。以下ではこの相違点のみを説明するものとし、また、第1の実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜に省略するものとする。
本実施形態のボール支持部200bでは、ボール受け部210は、アルミニウム合金、真鍮又は樹脂等の磁性を持たない材料により構成されており、第1の実施形態と同様に、支持球201のX方向及びY方向の転動範囲を規制する壁部210bを有した凹形状部210aを具備してなる。また、ボール受け部210は、基台部28と接触する外周部が所定の厚さで拡径したフランジ部210cが設けられている。
そして、シールド部220は、磁性を有する材料からなる壁部210bの外周を囲う部材であって、かつ基台部28から離間するように前記フランジ部210cの上に配設されている。シールド部220は、第1の実施形態と同様に、ボール支持部200を光軸Oに直交する方向から見た場合に、光軸Oに沿う方向について支持球201の半分以上を覆い隠す形状を有する。
以上に説明した構成を有するボール支持部200では、シールド部220は、磁性を有する材料からなる基台部28から離間した状態で、支持球201の転動範囲の外周を囲っている。
このため、シールド部220は、第1の実施形態に比して着磁しにくい。したがって本実施形態によれば、シールド部220が着磁することによって、シールド部220が発する磁力が支持球201に及ぼす影響を軽減又は無くすことが可能となり、より正確かつ高速に可動部4の位置制御を行うことが可能となる。
なお、本実施形態では、シールド部220は壁部210bの外周に嵌合する形態としているが、図18に示すように、シールド部220と壁部210bとの間に隙間が設けられる構成であってもよい。このような構成であれば、シールド部220が着磁してしまった場合においても、シールド部220と支持球201との距離を大きくとることにより、シールド部220が発する磁力が支持球201に及ぼす影響を軽減又は無くすことが可能となる。
(第3の実施形態)
以下に、図19を参照して本発明の第3の実施形態を説明する。第3の実施形態は、上述した第1の実施形態に比してボール支持部の構成のみが異なる。以下ではこの相違点のみを説明するものとし、また、第1の実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜に省略するものとする。
以下に、図19を参照して本発明の第3の実施形態を説明する。第3の実施形態は、上述した第1の実施形態に比してボール支持部の構成のみが異なる。以下ではこの相違点のみを説明するものとし、また、第1の実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜に省略するものとする。
本実施形態のボール支持部200cでは、基台部28側に固定されたシールド部220の他に、可動部4側にも第2シールド部230が配設されている。第2シールド部230は、基台部28側に固定されたシールド部220のさらに外側を、可動部4の可動範囲に応じた隙間を空けた状態で囲う、磁性を有した材料からなる筒状の部材である。第2シールド部230は、光軸Oに直交する方向から見た場合に、シールド部230と重なるように可動部4から基台部28側へ突出している。
以上に説明した構成を有するボール支持部200cでは、支持球201は、その転動範囲の外側を、シールド部220及び第2シールド部230により2重に覆われている。このため、上述して実施形態に比して支持球201に働く磁力の影響をより確実に軽減又は無くすことができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うブレを補正する撮像装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
例えば、上述した本実施形態では、撮像素子を移動させて像のブレの補正を行っているが、レンズやプリズム等の光学素子を移動させてブレを補正する撮像装置のブレ補正装置にも本発明を適用可能であることは言うまでもない。
本発明は、上述の実施形態で説明したデジタルカメラの形態に限らず、撮影機能を備えた録音機器、携帯電話、PDA、パーソナルコンピューター、ゲーム機、デジタルメディアプレーヤー、テレビ、GPS、時計等の電子機器にも適用可能である。
1 ブレ補正装置、
2 撮像素子駆動機構、
3 中立保持機構、
4 可動部、
5X X方向駆動部、
5Y Y方向駆動部、
11 撮像素子、
12 撮像ワク、
13 撮像基板、
16 磁石、
17 ステンレス板、
23 Xコイル、
24a、24b Yコイル、
25a〜25c 支持球、
28 基台部、
29、30a、30b 磁石、
100 カメラ、
101 筐体、
200 ボール支持部、
201 支持球、
210 ボール受け部、
210a 凹形状部、
210b 壁部、
220 シールド部、
230 第2シールド部。
2 撮像素子駆動機構、
3 中立保持機構、
4 可動部、
5X X方向駆動部、
5Y Y方向駆動部、
11 撮像素子、
12 撮像ワク、
13 撮像基板、
16 磁石、
17 ステンレス板、
23 Xコイル、
24a、24b Yコイル、
25a〜25c 支持球、
28 基台部、
29、30a、30b 磁石、
100 カメラ、
101 筐体、
200 ボール支持部、
201 支持球、
210 ボール受け部、
210a 凹形状部、
210b 壁部、
220 シールド部、
230 第2シールド部。
Claims (6)
- 撮像装置の光軸に対して直交する平面内で撮像素子を移動させることにより像の揺れを補正するブレ補正装置であって、
基台部と、
前記撮像素子を保持する可動部と、
前記可動部と前記基台部との間に配設され、前記可動部を前記基台部上において前記光軸に対して直交する平面内で移動可能に支持し、磁性を有する材料からなる支持球と、
前記基台部及び前記可動部の一方に配設されたコイルと前記基台部及び前記可動部の前記コイルが配設されていない方に配設された磁石とを具備し、電磁力によって前記可動部を前記基台部に対して相対的に移動させる駆動部と、
磁性を有する材料からなり、前記支持球の転動範囲の外側を囲い、かつ前記光軸に直交する方向から見た場合に前記光軸方向について前記支持球の半分以上を覆うシールド部と
を具備することを特徴とするブレ補正装置。 - 前記基台部に配設され、前記支持球の転動範囲を規制する磁性を持たない材料からなる壁部を具備し、
前記シールド部は、前記壁部の周囲を囲うように配設されることを特徴とする請求項1に記載のブレ補正装置。 - 前記シールド部と前記壁部との間には、隙間が設けられることを特徴とする請求項2に記載のブレ補正装置。
- 前記基台部は、磁性を有する材料からなり、
前記シールド部は、前記基台部と離間した状態において前記壁部に固定されることを特徴とする請求項2又は3に記載のブレ補正装置。 - 前記シールド部は、前記支持球の転動範囲を規制する壁部と一体に形成されるものであって、前記基台部に配設されることを特徴とする請求項1に記載のブレ補正装置。
- 前記可動部に配設され、磁性を有する材料からなり、前記可動部の移動を許容するように前記シールド部の外側を所定の隙間を有して囲う第2シールド部を具備し、
前記シールド部及び前記第2シールド部は、前記光軸に直交する方向から見た場合に重なるように配設されることを特徴とする請求項2から5のいずれか一項に記載のブレ補正装置。
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