JP2007212876A - 像ぶれ補正装置、レンズ装置及び撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コイルとマグネットを有する駆動手段で移動枠を第1及び第2の方向に移動可能とし、補正レンズの光軸をレンズ系の光軸と一致させるように制御して像ぶれを補正可能とする。
【解決手段】コイル57,58及びマグネット37A,37Bの一方を第1の移動枠21に固定し、他方を固定基盤23に固定し、電動アクチュエータ24,25は第1のコイル57と第2のコイル58とマグネット37A,37Bを有し、第1のコイル及び第2のコイルは、マグネットの磁力の作用により各コイルの推進力発生部から発生する推進力が第1の方向X及び第2の方向Yに向くようにそれぞれ配置し、固定基盤23の第1及び第2のコイルの近傍に、マグネットの磁力により吸引され又は反発する磁性部材61,62を設けた。
【選択図】図1
【解決手段】コイル57,58及びマグネット37A,37Bの一方を第1の移動枠21に固定し、他方を固定基盤23に固定し、電動アクチュエータ24,25は第1のコイル57と第2のコイル58とマグネット37A,37Bを有し、第1のコイル及び第2のコイルは、マグネットの磁力の作用により各コイルの推進力発生部から発生する推進力が第1の方向X及び第2の方向Yに向くようにそれぞれ配置し、固定基盤23の第1及び第2のコイルの近傍に、マグネットの磁力により吸引され又は反発する磁性部材61,62を設けた。
【選択図】図1
Description
本発明は、撮影時の振動等によって発生する像ぶれを補正する像ぶれ補正装置、その像ぶれ補正装置を有するレンズ装置、及び、そのレンズ装置を備えたデジタルスチルカメラ、ビデオカメラ等の撮像装置に関するものである。
近年、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置の性能向上には目覚しいものがあり、高画質、高性能の静止画や動画の撮影が、誰にでも簡単に行うことが可能になった。このような撮像装置の性能向上は、レンズ、CCD(固体撮像素子)、画像処理回路の高性能化によるところが大である。
しかしながら、いくらレンズやCCD等の高性能化を図っても、カメラ(撮像装置)を支える手に震えや揺れが生じると、せっかくの高解像度とされた画面にぶれが発生し、像がぶれて写ってしまうことになる。そのため、比較的高価な一部のカメラにおいては、撮影時の手ぶれ等によって発生する像ぶれを補正する像ぶれ補正装置が搭載されている。ところが、本来像ぶれ補正を必要とするカメラは、撮影を職業とするプロが使用するような高級機種ではなく、むしろ撮影経験の少ない大多数の公衆が使用する普及モデルにこそ必要とされるものである。
また、一般に、カメラ(撮像装置)には小型化、軽量化の要望が強く、軽くて持ち易いカメラが好まれている。ところが、従来の像ぶれ補正装置は比較的大きなものであったため、これをカメラ本体に搭載すると、カメラ全体が大きなものとなり、小型化、軽量化の要望に反する結果となる。しかも、従来の像ぶれ補正装置には多数の部品が必要とされており、部品点数の増加によるコストアップが大きいという問題があった。
従来の、この種の像ぶれ補正装置の第1の例としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。特許文献1には、比較的低い周波数の振動を検出して、これを像ブレ防止の情報として像ブレ防止を図るカメラ等に配置される防振装置に関するものが記載されている。この特許文献1に記載された防振装置(以下、「第1の従来例」という。)は、「レンズ群を保持するレンズ鏡筒内に配置され、前記レンズ群の光軸を偏心させる補正光学機構と、前記レンズ鏡筒に加わる振動を検出する振動検知手段と、該振動検知手段よりの信号に基づいて前記補正光学機構を駆動し、防振を行う防振制御手段とを備えたカメラ用防振装置において、前記補正光学機構は、補正レンズと、該補正レンズを固定する固定枠と、該固定枠を前記レンズ群の光軸方向とは異なる第1の方向に移動可能に保持する第1の保持枠と、該第1の保持枠を前記光軸方向及び前記第1の方向とは夫々異なる第2の方向に移動可能に保持する、前記レンズ鏡筒に固定される第2の保持枠と、前記第1,第2の保持枠を夫々第1,第2の方向に移動させる、第1,第2のコイル、該第1,第2のコイルに対向する第1,第2の磁界発生部材より成る第1,第2の駆動手段と、前記固定枠、前記第1の保持枠の第1,第2の方向への移動量を検出する第1,第2の位置検出手段とを具備しており、前記第1,第2の磁界発生部材と前記第1,第2の位置検出手段のうち少なくとも一方を、前記レンズ鏡筒に固定された、前記第2の保持枠を含む固定部材に設けた」ことを特徴としている。
このような構成を有する特許文献1に記載の防振装置によれば、「コストアップしたり、大スペースを必要とすることなしに、高周波振動まで応答させることが可能になる(発明の効果の欄を参照)」という効果が期待される。
また、従来の像ぶれ補正装置の第2の例としては、例えば、特許文献2に記載されているようなものもある。特許文献2には、光学機器に用いる像ブレ補正装置およびそれを用いたレンズ鏡筒に関するものが記載されている。この特許文献2に記載された像ブレ補正装置(以下、「第2の従来例」という。)は、「撮影レンズの一部を光軸に対して垂直面内に移動させて像ブレ補正を行う像ブレ補正装置において、補正レンズを保持するレンズ保持枠と、前記レンズ保持枠を光軸に対して垂直平面内を第1の方向への移動を案内する第1の案内手段と、前記レンズ保持枠を第1の方向に対して直交する第2の方向への移動を案内する第2の案内手段と、前記レンズ保持枠を第1の方向に駆動する第1の駆動手段と、第2の方向に駆動する第2の駆動手段と、前記補正レンズの位置を検出する位置検出手段とを有し、前記第1の案内手段と前記第2の駆動手段の一部もしくは前記第2の案内手段と前記第1の駆動手段の一部を光軸方向から見て重なり合う位置に配設した」ことを特徴としている。
このような構成を有する特許文献2に記載の像ブレ補正装置によれば、「補正レンズを移動させるためのガイドシャフトと駆動するためのコイルもしくはマグネットを、ピッチの移動手段とヨーの駆動手段、あるいはヨーの移動手段とピッチの駆動手段を、光軸方向から見て、重なるように配置することで、補正装置の幅及び高さを小さくできる(段落[0032]を参照)」等の効果が期待される。
特開平3−186823号公報
特開2000−258813号公報
しかしながら、前記第1及び第2の従来例においては、補正レンズを有する保持枠が、互いに直交する第1の方向と第2の方向に移動可能に案内支持されており、その案内支持手段として、それぞれが2組で一対をなすシャフトと軸受部との組み合わせによって構成されていた。この場合、保持枠が移動するためには、シャフトと軸受部との間に適当な大きさの隙間が必ず必要であることから移動時にガタを生じ、そのガタによってスムースな動きが困難になるばかりでなく、補正レンズの位置が一定しないという問題があった。
また、補正レンズの光軸を水平方向に向けて像ぶれ補正装置を使用する場合、即ち、レンズ系の光軸を水平方向に向けたレンズ装置が前記像ぶれ補正装置を有する撮像装置においては、補正レンズを保持する保持枠が、重力の作用する方向に移動方向を設定した状態で使用されるため、常にコイルに通電して移動枠を所定の高さ位置に保持しておく必要があった。そのため、電力の消費量が多くなり、バッテリーの電力消耗量が多いばかりでなく、アクチュエータ等の発熱によって装置内部の温度が上昇するという問題もあった。
解決しようとする問題点は、従来の像ぶれ補正装置では、補正レンズを有する保持枠が、それぞれが2組で一対をなすシャフトと軸受部との組み合わせからなる支持手段によって案内支持されていたため、シャフトと軸受部との間に生じるガタによって保持枠をスムースに移動させることができないばかりでなく、補正レンズの位置が一定しない、という点である。また、移動枠の移動方向を重力の方向と一致させて使用する場合には、重力によって移動枠が滑り落ちるのを防止し、コイルに常に通電して移動枠を所定の位置に保持しておく必要があるため、バッテリーの消費量が多くなるばかりでなく、発熱によって装置内の温度が上昇する、という点である。
本発明の像ぶれ補正装置は、相対的に移動可能とされたコイルとマグネットを有する駆動手段を備え、駆動手段により移動枠に保持された補正レンズを、レンズ系の光軸と直交する第1の方向及び第1の方向と直交する方向であって光軸とも直交する第2の方向に移動可能とし、補正レンズの光軸をレンズ系の光軸と一致させるように制御することにより像ぶれを補正可能とした像ぶれ補正装置であって、コイル及びマグネットの一方を移動枠に固定すると共に他方を移動枠を移動可能に支持する支持枠に固定し、駆動手段は、補正レンズを第1の方向に移動させる第1のコイルと、補正レンズを第2の方向に移動させる第2のコイルと、第1のコイル及び第2のコイルに磁力を付与するマグネットと、を有し、第1のコイル及び第2のコイルは、マグネットの磁力の作用により各コイルの推進力発生部から発生する推進力が第1の方向及び第2の方向に向くようにそれぞれ配置し、第1のコイル及び第2のコイルが固定される移動枠又は支持枠の第1のコイル及び第2のコイルの近傍に、マグネットに対して吸引され又は反発する磁性部材を設けたことを最も主要な特徴とする。
本発明のレンズ装置は、相対的に移動可能とされたコイルとマグネットを有する駆動手段を設け、この駆動手段により移動枠に保持された補正レンズを、レンズ系の光軸と直交する第1の方向及び第1の方向と直交する方向であって光軸とも直交する第2の方向に移動可能とし、補正レンズの光軸をレンズ系の光軸と一致させるように制御することにより像ぶれを補正可能とした像ぶれ補正装置を備えたレンズ装置であって、像ぶれ補正装置は、コイル及びマグネットの一方を移動枠に固定すると共に他方を移動枠を移動可能に支持する支持枠に固定し、駆動手段は、補正レンズを第1の方向に移動させる第1のコイルと、補正レンズを第2の方向に移動させる第2のコイルと、第1のコイル及び第2のコイルに磁力を付与するマグネットと、を有し、第1のコイル及び第2のコイルは、マグネットの磁力の作用により各コイルの推進力発生部から発生する推進力が第1の方向及び第2の方向に向くようにそれぞれ配置し、第1のコイル及び第2のコイルが固定される移動枠又は支持枠の第1のコイル及び第2のコイルの近傍に、マグネットに対して吸引され又は反発する磁性部材を設けたことを特徴とする。
また、本発明の撮像装置は、相対的に移動可能とされたコイルとマグネットを有する駆動手段を設け、駆動手段により移動枠に保持された補正レンズを、レンズ系の光軸と直交する第1の方向及び第1の方向と直交する方向であって光軸とも直交する第2の方向に移動可能とし、補正レンズの光軸をレンズ系の光軸と一致させるように制御することにより像ぶれを補正可能とした像ぶれ補正装置を有するレンズ装置を備えた撮像装置であって、像ぶれ補正装置は、コイル及びマグネットの一方を移動枠に固定すると共に他方を移動枠を移動可能に支持する支持枠に固定し、駆動手段は、補正レンズを第1の方向に移動させる第1のコイルと、補正レンズを第2の方向に移動させる第2のコイルと、第1のコイル及び第2のコイルに磁力を付与するマグネットと、を有し、第1のコイル及び第2のコイルは、マグネットの磁力の作用により各コイルの推進力発生部から発生する推進力が第1の方向及び前記第2の方向に向くようにそれぞれ配置し、第1のコイル及び第2のコイルが固定される移動枠又は支持枠の第1のコイル及び第2のコイルの近傍に、マグネットに対して吸引され又は反発する磁性部材を設けたことを特徴とする。
本発明の像ぶれ補正装置、レンズ装置及び撮像装置によれば、支持枠又は移動枠の第1のコイル及び第2のコイルの近傍に、マグネットに対して吸引され又は反発する磁性部材を設ける構成としたため、マグネットの磁力で磁性部材を引付け又は押圧して補正レンズをある方向へ付勢することができる。その結果、シャフトと軸受部との間に生じる隙間に起因するガタツキを無くすことができ、これにより、補正レンズを保持する移動枠をスムースに移動できると共に、常に補正レンズを一定の姿勢に保持することができ、補正レンズの姿勢変化による光学性能の劣化等を防止することができる。
第1のコイル及び第2のコイルが固定される移動枠又は支持枠に、第1のコイル及び第2のコイルの近傍に配置されると共にマグネットの磁力により吸引され又は反発する磁性部材を設けることにより、マグネットの磁力で磁性部材を引付け又は押圧して補正レンズをある方向へ付勢し、シャフトと軸受部との間に生じる隙間に起因するガタツキを無くして、補正レンズの姿勢変化による光学性能の劣化等を防止すると共に、補正レンズを保持する移動枠をスムースに移動できる像ぶれ補正装置、その像ぶれ補正装置を有するレンズ装置及び、そのレンズ装置を備えた撮像装置を、簡単な構造によって実現した。
以下、本発明の実施の形態を、添付した図面を参照して説明する。図1〜図35は、本発明の実施の形態の例を説明するものである。即ち、図1〜図7は、本発明の像ぶれ補正装置の第1の実施の例に係るムービングマグネット方式の駆動手段を備えた像ぶれ補正装置を示すもので、図1は分解斜視図、図2は組立斜視図、図3は平面図、図4A,B,Cは正面図,背面図及び左側面図、図5A,B,Cは図4Aの要部拡大説明図及び変形例説明図、図6A,Bは図3のP−P線断面図及びQ−Q線断面図、図7A,Bは変形例の図6A,Bに対応した断面図である。図8〜図9は、ムービングマグネット方式の駆動手段を備えた本発明の像ぶれ補正装置の第2の実施の例を示すもので、図8A,Bは平面図及び正面図、図9A,B,Cは図8Aの要部拡大説明図及び変形例説明図である。
図10〜図11は、ムービングマグネット方式の駆動手段を備えた本発明の像ぶれ補正装置の第3の実施の例を示すもので、図10A,Bは平面図及び正面図、図11A,B,Cは図10Aの要部拡大説明図及び変形例説明図である。図12〜図13は、ムービングマグネット方式の駆動手段を備えた本発明の像ぶれ補正装置の第4の実施の例を示すもので、図12A,Bは平面図及び正面図、図13A,B,Cは図12Aの要部拡大説明図及び変形例説明図である。図14は、ムービングマグネット方式の駆動手段を備えた本発明の像ぶれ補正装置の第5の実施の例を示すもので、図14A,B,Cは平面図、正面図及び要部拡大説明図である。
図15〜図21は、本発明の像ぶれ補正装置の第6の実施の例に係るムービングコイル方式の駆動手段を備えた像ぶれ補正装置を示すもので、図15は分解斜視図、図16は組立斜視図、図17は平面図、図18A,B,Cは正面図,背面図及び左側面図、図19A,B,Cは図18Aの要部拡大説明図及び変形例説明図、図20A,Bは図17のR−R線断面図及びS−S線断面図、図21A,Bは変形例の図20A,Bに対応した断面図である。図22〜図23は、ムービングコイル方式の駆動手段を備えた本発明の像ぶれ補正装置の第7の実施の例を示すもので、図22A,Bは平面図及び正面図、図23A,B,Cは図22Aの要部拡大説明図及び変形例説明図である。
図24〜図25は、ムービングコイル方式の駆動手段を備えた本発明の像ぶれ補正装置の第8の実施の例を示すもので、図24A,Bは平面図及び正面図、図25A,B,Cは図24Aの要部拡大説明図及び変形例説明図、図26〜図27は、ムービングコイル方式の駆動手段を備えた本発明の像ぶれ補正装置の第9の実施の例を示すもので、図26A,Bは平面図及び正面図、図27A,B,Cは図26Aの要部拡大説明図及び変形例説明図である。図28は、ムービングコイル方式の駆動手段を備えた本発明の像ぶれ補正装置の第10の実施の例を示すもので、図28A,B,Cは平面図、正面図及び要部拡大説明図である。
図29は本発明のレンズ装置の第1の実施の例のレンズ系を示す説明図、図30A,Bは同じくレンズ装置の側面側から見た説明図及び正面側から見た説明図である。図31は本発明の撮像装置の第1の例を示すデジタルスチルカメラを正面側から見た斜視図、図32は同じくデジタルスチルカメラを背面側から見た斜視図である。図33は本発明の像ぶれ補正装置の制御概念を説明するブロック図、図34は本発明に係る撮像装置の概略構成の第1の実施の例を示すブロック図、図35は同じく撮像装置の概略構成の第2の実施の例を示すブロック図である。
まず、本発明のレンズ装置について説明する。図29〜図30に示すように、本発明のレンズ装置の第1の実施の例を示すレンズ装置1は、同一の光軸L上に複数のレンズを配置した5群レンズを有するレンズ系2と、このレンズ系2のレンズを固定し又は移動可能に支持するレンズ鏡筒3と、レンズ系2の光軸L上に配置されると共にレンズ鏡筒3に固定された撮像手段の一具体例を示すCCD(固体撮像素子)4と、レンズ鏡筒3に装着されると共にレンズ系2の像ぶれを補正する像ぶれ補正装置5等を備えて構成されている。
レンズ装置1のレンズ系2は、図29等に示すように、5組のレンズ群を同一光軸L上に配置した5群レンズ7〜11からなる折り曲げ式レンズとして構成されている。5群レンズ7〜11のうち、先端側に位置する1群レンズ7は、被写体に対向される対物レンズである第1のレンズ7Aと、この対物レンズ7Aの被写体と反対側に配置されたプリズム7Bと、このプリズム7Bに対向される第2のレンズ7Cとによって構成されている。プリズム7Bは、断面形状が直角二等辺三角形をなす三角柱体からなり、90度回転変位した位置に隣り合う2つの面の一方に対物レンズ7Aが対向され、他方の面に第2のレンズ7Cが対向されている。
この1群レンズ7では、対物レンズ7Aを透過して一面からプリズム7Bに入射した光は、光軸Lに対して45度に傾斜した反射面で反射されて進行方向が90度折り曲げられ、他面から出射されて第2のレンズ7Cを透過して、光軸Lに沿って2群レンズ8に向かって進行する。2群レンズ8は、第3のレンズ8Aと第4のレンズ8Bとの組み合わせからなり、光軸L上を移動可能に構成されている。2群レンズ8を透過した光は、3群レンズ9に入射される。
3群レンズ9は、レンズ鏡筒3に固定される第5のレンズからなっている。3群レンズ9の後方には、第6のレンズからなる4群レンズ10が配置されている。この4群レンズ10と3群レンズ9の間には、レンズ系2を通過する光の量を調整可能な絞り機構12が配置されている。4群レンズ10は、光軸L上を移動可能に構成されている。4群レンズ10の後方には、第7のレンズ11Aと後述する補正レンズ15とからなる5群レンズ11が配置されている。5群レンズ11のうち、第7のレンズ11Aはレンズ鏡筒3に固定されており、この第7のレンズ11Aの後方に補正レンズ15が移動可能に配置され、更に、補正レンズ15の後方にCCD4が配置されている。
2群レンズ8と4群レンズ10は、それぞれ別個独立に光軸Lに沿って光軸方向へ移動可能とされている。この2群レンズ8と4群レンズ10を所定方向へ移動させることにより、ズーム調整とフォーカス調整を行うことができる。即ち、ズーム時には、2群レンズ8と4群レンズ10をワイド(広角)からテレ(望遠)まで移動することによってズーム調整が実行される。また、フォーカス時には、4群レンズ10をワイド(広角)からテレ(望遠)まで移動することによってフォーカス調整を実行することができる。
CCD4はCCD用アダプタに固定されており、このCCD用アダプタを介してレンズ鏡筒3に取り付けられている。CCD4の前側には光学フィルタ14が配置されており、この光学フィルタ14と第7のレンズ11Aとの間に、補正レンズ15を有する像ぶれ補正装置5が配設されている。後に詳細に説明する像ぶれ補正装置5は、レンズ系2の振動等による撮影画像のぶれを補正レンズ15で補正するものである。補正レンズ15は、通常の状態では、その光軸をレンズ系2の光軸Lと一致させるように取り付けられている。そして、カメラの振動等によってCCD4の結像面に像ぶれが生じたときに、像ぶれ補正装置5が補正レンズ15を光軸Lと直交する2方向(第1の方向X及び第2の方向Y)に移動させて結像面の像ぶれを補正するようにしている。
図1〜図7には、本発明の像ぶれ補正装置の第1の実施の例を示している。この第1の実施例は、ムービングマグネット方式の駆動手段を備えた像ぶれ補正装置5として構成したものである。そして、図8〜図14において、ムービングマグネット方式の駆動手段を備えた第2〜第5の実施の例に係る像ぶれ補正装置5A〜5Dを示している。
第1の実施の例として説明する像ぶれ補正装置5は、図1〜図6に示すような構成を備えて構成されている。この像ぶれ補正装置5は、上述した補正レンズ15と、この補正レンズ15を支持する第1の移動枠21と、この第1の移動枠21をレンズ系2の光軸Lと直交する第1の方向Xへ移動可能に支持する第2の移動枠22と、この第2の移動枠22を光軸Lと直交する方向であって第1の方向Xとも直交する第2の方向Yへ移動可能に支持する支持枠の第1の具体例を示す固定基盤23と、第1の移動枠21を第1の方向Xへ移動させる第1の電動アクチュエータ24と、第2の移動枠22を第2の方向Yへ移動させる第2の電動アクチュエータ25と、補正レンズ15の位置を検出する2つのホール素子26,27等を備えて構成されている。
補正レンズ15は、後述するカメラに手の震えや揺れが生じたときに、そのときの像ぶれ量に対応してその位置を第1の方向X及び/又は第2の方向Yに移動させて像ぶれを補正するものである。この補正レンズ15を保持する第1の移動枠21は、リング状をなすレンズ固定部21aと、これと一体に設けた2つのヨーク固定部21b,21cを有している。レンズ固定部21aの中央部には嵌合穴28が設けられており、この嵌合穴28に補正レンズ15が嵌合され、接着剤等の固着手段によって固定されている。また、2つのヨーク固定部21b,21cは、レンズ固定部21aの半径方向外側であって互いに略90度回転変位した位置に設けられている。
第1の移動枠21の第2のヨーク固定部21cは第1の主軸受部31とされている。そして、第1の移動枠21の、第1の主軸受部31と補正レンズ15を挟んで反対側に第1の副軸受部32が設けられている。第1の主軸受部31には第1の主ガイド軸33が水平方向に貫通されており、その軸方向の中間部において第1の主ガイド軸33が第1の主軸受部31に圧入固定されている。また、第1の副軸受部32には、側方に開口された第1の軸受溝34が設けられており、その軸受溝34に第1の副ガイド軸35が摺動自在に係合されている。
第1のヨーク固定部21bと第2のヨーク固定部21cには、磁気回路を形成する第1のヨーク36Aと第2のヨーク36Bがそれぞれ一体的に固定されている。第1のヨーク36A及び第2のヨーク36Bは同一のものであって、それぞれコ字状に形成されている。各ヨーク36A,36Bは、互いに対向するように配置された2片36a,36bと、両片36a,36bをつなぐ連結片36cを有している。このヨーク36A,36Bの、各連結片36cを各ヨーク固定部21b,21cに接着剤等の固着手段で固定することにより、2片を上部片36a及び下部片36bとして上下方向に対向させて第1の移動枠21にそれぞれ取り付けられている。
第1及び第2のヨーク36A,36Bの上部片36a及び下部片36bは、それぞれ矩形とされており、各上部片36aの内面に、長方形の板体からなる第1のマグネット37A及び第2の37Bが接着剤等の固着手段によって一体的に固定されている。2つのマグネット37A,37Bは、幅方向に極性が異なる構成とされており、その幅方向の略中央部において極境界線MA1,MA2によりN極とS極に2分割されている。この実施例では、第1のマグネット37A及び第2のマグネット37Bは、それぞれ補正レンズ15に近い内側にN極が設定され、補正レンズ15から離れる外側にS極が設定されている。しかしながら、第1及び第2のマグネット37A,37Bの極性の配置は、この実施例とは逆に、内側をS極としてもよく、また、2つのマグネット37A,37B間においてN極とS極が逆側となるように配置してもよいことは勿論である。
なお、第1及び第2のマグネット37A,37Bは、第1及び第2のヨーク36A,36Bの上部片36a及び下部片36bの両片に対応させて設け、各片36a,36bの内面にそれぞれ固定する構成としてもよい。しかしながら、この実施例のように上部片36a(下部片36bであってもよい。)のみに固定して設ける構成とすることにより、像ぶれ補正装置5全体の薄型化を図ることができる。
第2の移動枠22は、平面形状がリング状をなす穴空き部材として形成されており、中央の貫通穴38には第1の移動枠21の嵌合穴28が対向される。第2の移動枠22の一の直径方向の一方には、2つの軸受片41a,41bを有する第2の主軸受部41が上方へ突出するように設けられている。2つの軸受片41a,41bの先部には、側方に貫通する軸受穴41cがそれぞれ設けられている。そして、各軸受穴41cには、第1の移動枠21に固定された第1の主ガイド軸33の両端の突出部がそれぞれ摺動自在に挿通され、且つ回動自在に支持されている。
また、第2の移動枠22の第2の主軸受部41と反対側には、2つの軸受片42a,42bを有する第2の副軸受部42が上方へ突出するように設けられている。2つの軸受片42a,42bには、第1の副ガイド軸35が両端支持されている。この第2の副軸受部42に支持された第1の副ガイド軸35が延在する方向が、この実施例では第2の方向Yとされている。この第2の方向Yと直交する方向において、第2の移動枠22の一側に第3の主軸受部45が設けられ、貫通穴38を挟んでその反対側に第3の副軸受部46が設けられている。第3の主軸受部45には第2の主ガイド軸47が貫通されていて、その中間部において第2の主ガイド軸47が第3の主軸受部45に圧入固定されている。また、第3の副軸受部46には、側方に開口された第2の軸受溝48が設けられており、その第2の軸受溝48には第2の副ガイド軸49が摺動自在に係合されている。
固定基盤23は、第1の移動枠21の形状に対応した形状とされていて、リング状をなすベース部23aと、これと一体に設けた2つのコイル支持部23b,23cを有している。2つのコイル支持部23b,23cは、ベース部23aの半径方向外側であって略90度回転変位した位置に設けられている。ベース部23aの中央部には貫通穴51が設けられている。この貫通穴51は、第1の移動枠21の嵌合穴28及び第2の移動枠22の貫通穴38と略同心となるように配置されている。
固定基盤23の2つのコイル支持部23b,23cは、それぞれベース部23aの接線方向に所定の間隔をあけて上方へ突出するように設けた2つの支持片52a,52b及び53a,53bを有し、第1の支持片52a,52bに第4の主軸受部52が設けられている。この第4の主軸受部52の各支持片52a,52bには軸受穴52cがそれぞれ設けられている。第1の支持片52a,52bの各軸受穴52cには、第2の移動枠22に固定された第2の主ガイド軸47の両端の突出部がそれぞれ摺動自在に挿通されており、これにより第2の主ガイド軸47が固定基盤23に回動自在に支持されている。
更に、固定基盤23のベース部23aの、貫通穴51を挟んで第1のコイル支持部23bと反対側の側縁部には、2つの軸受片54a,54bを有する第4の副軸受部54が設けられている。第4の副軸受部54の2つの軸受片54a,54bには、第2の副ガイド軸49の両端部が固定されて両端支持されている。この実施例では、第1の主ガイド軸33と第1の副ガイド軸35の軸方向が第1の方向Xとされ、これらと直交する方向に延在された第2の主ガイド軸47と第2の副ガイド軸49の軸方向が第2の方向Yとされている。
第1の移動枠21の第1のヨーク固定部21bに固定された第1のヨーク36Aの下部片36bと第1のマグネット37Aとの間に、第1の補強板55Aとフレキシブル配線板56の第1のコイル載置部56aと第1のコイル57が無接触状態で介在されている。そして、第2のヨーク固定部21cに固定された第2のヨーク36Bの下部片36bと第2のマグネット37Bとの間に、第2の補強板55Bとフレキシブル配線板56の第2のコイル載置部56bと第2のコイル58が無接触状態で介在されている。第1の補強板55A及び第2の補強板55Bは、フレキシブル配線板56の強度を補強する役割を有するもので、薄い板体として形成されている。この補強板55A,55Bの材質としては、例えば、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)やPOM(ポリアセタール)等のエンジニアリングプラスチックが好適であるが、金属の板体を用いることもできる。
第1の補強板55Aは、固定基盤23の第1のコイル支持部23bの2つの支持片52a,52b間に架け渡され、接着剤等の固着手段によって固定されている。また、第2の補強板55Bは、固定基盤23の第2のコイル支持部23cの2つの支持片53a,53b間に架け渡され、接着剤等の固着手段によって固定されている。第1の補強板55Aにはフレキシブル配線板56の第1のコイル載置部56aが載置されており、この第1のコイル載置部56aに第1のコイル57が搭載されている。また、第2の補強板55Bにはフレキシブル配線板56の第2のコイル載置部56bが載置されており、この第2のコイル載置部56bに第2のコイル58が搭載されている。
フレキシブル配線板56は、2つの補強板55A,55Bと略同様の大きさを有する第1のコイル搭載部56aと第2のコイル搭載部56bを有しており、両コイル搭載部56a,56bは連結部56cにより連結されて一体に構成されている。2つのコイル搭載部56a,56bは、固定基盤23の2つのコイル支持部23b,23cに固定された2つの補強板55A,55Bと重なり合うように配置されている。第1のコイル搭載部56aには第1のコイル57が実装され、第2のコイル搭載部56bには第2のコイル58が実装されて、それぞれ接着剤による固着手段により固定されている。
第1のコイル57及び第2のコイル58は、平面的に巻回された略小判形(略長方形と見ることもできる。)をなす偏平コイルからなる。これら第1のコイル57及び第2のコイル58は、フレキシブル配線板56の各コイル搭載部56a,56bの上面に設けた所定の配線パターンとそれぞれ電気的に接続されている。更に、第1のコイル57及び第2のコイル58は、それぞれが1本のコイル線を巻回することによって形成されている。そして、各コイル57,58において、幅方向に対向する長辺側の2つの直線部分が、それぞれ電動アクチュエータとして推進力を発生する推進力発生部57a,57b及び推進力発生部58a,58bとなっている。
第1のコイル57は、その推進力発生部57a,57bが延在する方向を第1の方向Xと直交する方向に向けて配設されている。また、第2のコイル58は、その推進力発生部58a,58bが延在する方向を第2の方向Yと直交する方向に向けて配設されている。組立後、第1のコイル57の内側に位置する推進力発生部57aには第1のマグネット37Aの極境界線MA1で仕切られた内側の磁極部(この実施例ではN極)が対向されている。そして、第1のコイル57の外側の推進力発生部57bには第1のマグネット37Aの極境界線MA1で仕切られた外側の磁極部(この実施例ではS極)が対向されている。また、第2のコイル58の内側の推進力発生部58aには第2のマグネット37Bの極境界線MA2で仕切られた内側の磁極部(この実施例ではS極)が対向され、外側の推進力発生部58bには第2のマグネット37Bの極境界線MA2で仕切られた外側の磁極部(この実施例ではN極)が対向されている。
即ち、第1のコイル57の長径(辺)方向に延在する中心線(第1のコイル57を短径方向に2分割する分割線)を、第1のマグネット37Aを幅方向へ2分割するよう長手方向に延在する極境界線MA1と平行にして、その平面方向において中心線(分割線)が極境界線MA1と略重なり合うように一致させる構成としている。同様に、第2のコイル58の長径(辺)方向に延在する中心線(第2のコイル58を短径方向に2分割する分割線)を、第2のマグネット37Bを幅方向へ2分割するよう長手方向に延在する極境界線MA2と平行にして、その平面方向において中心線(分割線)が極境界線MA2と略重なり合うように一致させる構成としている。
更に、図1、図3及び図5A〜Cに示すように、第1のコイル57及び第2のコイル58のコイル巻き回し領域の内側に形成された空間部59A,59B内に、磁性部材がそれぞれ個別に配置されている。図5Aに示す磁性部材61,62は、第1の実施の例を示すもので、鉄や鋼等の磁性金属によって形成された磁性体である。また、図5B及びCに示す磁性部材61A,62A及び61B,62Bは、第2の実施の例を示すもので、マグネットにより形成された磁性体である。このマグネット製の磁性体(姿勢制御用マグネット)61A,62A及び61B,62Bは、ヨーク36A,36Bに固定したマグネット(駆動用マグネット)37A,37Bと同様の構成を有しており、幅方向に極性が異なるように着磁されていて、その幅方向の略中央部において極境界線MB1,MB2によりN極とS極に2分割されている。
これらの磁性体61,62、61A,62A及び61B,62Bは、第1のコイル57及び第2のコイル58の各空間部59A,59B内に挿入可能な大きさの直方体となっている。更に、各磁性体61,62、61A,62A及び61B,62Bは、その幅方向を略2分割する中心線(仮想線)MB0及び極境界線MB1,MB2が、駆動用マグネット37A,37Bの極境界線MA1,MA2並びに第1及び第2のコイル57,58の中心線(仮想線)とそれぞれ略重なり合うように略一致させて略対称に配置されている。図5Bと図5Cが異なるところは、マグネット製磁性体61A,62A及び61B,62Bの極性を入れ替えたもので、その他の構成は同一である。
即ち、図5Bは、駆動用マグネット37A,37Bの磁極(N極及びS極)に対して、その極性と反対の極性が対向するように姿勢制御用マグネット61A(62A)を配置している。この場合には、2つのマグネット37A(37B)及び61A(62A)間には、互いを引き合うように吸引作用が発生し、固定側のマグネットに対して可動側のマグネットが引付けられるように付勢される。これに対して、図5Cは、駆動用マグネットの磁極(N極及びS極)に対して、その極性と同一の極性が対向するように姿勢制御用マグネット61B(62B)を配置している。この場合には、2つのマグネット37A(37B)及び61B(62B)間には、互いを離反させるように反発作用が発生し、固定側のマグネットに対して可動側のマグネットが遠ざかるように付勢される。
これらの場合において、図5Aに示す鋼等の磁性体61,62の場合には、その磁性体61,62を平面方向へ略2分割する中心線MB0が、平面方向から見てマグネット37A,37Bの極境界線MA1,MA2と略一致するよう対称形状となるように配置することが必要である。マグネット37A,37BのN極とS極の磁力線の強さを磁性体61,62に対して均一に作用させ、磁性体61,62の全面を略等しい力で吸引するようにするためである。また、図5B及びCに示すマグネット製の磁性体61A,62A及び61B,62Bの場合には、姿勢制御用マグネット61A,62A及び61B,62Bの極境界線MB1,MB2が、平面方向から見て駆動用マグネット37A,37Bの極境界線MA1,MA2と略一致するように配置することが必要である。それぞれのマグネット37A,37B及び61A,62A(61B,62B)の極性を対称方向で略均一に作用させ、互いの吸引力又は反発力が、全体として略等しく作用するようにするためである。
これらの磁性体61,62、61A,62A、61B,62Bと駆動用マグネット37A,37Bの間には、図5A〜Cに示すように、2種類の形態の磁気回路が形成される。即ち、磁力線GL1によって形成される第1の磁気回路と、磁力線GL2によって形成される第2の磁気回路である。
第1の磁気回路の磁力線GL1は、図5A〜Cに示すように、コイル57(又は58)の作用を介して、補正レンズ15をある方向に移動させるための推進力を発生させるものである。第1の磁力線GL1は、マグネット37A(又は37B)のN極から出て、コイル57(又は58)の第1の推進力発生部57a(又は58a)とフレキシブル配線板56a(又は56b)と補強板55A(又は55B)を順に透過してヨーク36A(又は36B)の下部片36bに到達する。この第1の磁力線GL1は、下部片36bから戻り方向に出て、補強板55A(又は55B)とフレキシブル配線板56a(又は56b)とコイル57(又は58)の第2の推進力発生部57b(又は58b)を透過してマグネット37A(又は37B)のS極に戻る磁気回路を形成する。
これに対して、第2の磁気回路の磁力線GL2は、磁性体61,62(61A,62A又は61B,62B)を吸引し又は反発して、補正レンズ15を保持する第1の移動枠21をある方向へ付勢するための力を発生させるものである。第2の磁力線GL2は、図5Aに示す鋼等の磁性体61,62の場合には、マグネット37A(又は37B)のN極から出て磁性体61(又は62)に向かい、その磁性体を透過して反対側から戻り方向に出て、マグネット37A(又は37B)のS極に戻る磁気回路を形成する。また、図5B,Cに示すマグネット製の磁性体61A,62Aの場合には、マグネット37A(又は37B)のN極から出てマグネット61A(又は62A)のS極に向かい、これに隣合うN極から戻り方向に出て、マグネット37A(又は37B)のS極に戻る磁気回路を形成する。
この第2の磁気回路において、図5Aに示す回路構成の場合、マグネット37A(又は37B)のN極及びS極に対して磁性体61(又は62)が対称に配置されて対向しているため、マグネット37A(又は37B)の磁力が磁性体61(又は62)を吸引するように作用する。その結果、磁性体61(又は62)との間に作用する吸引力により、その磁性体61(又は62)が固定された補強板55A(又は55B)を有する固定基盤23に対して、マグネット37A(又は37B)が固定された第1の移動枠21が引付けられるように近づく方向に付勢される。
図5Bに示す回路構成の場合、駆動用マグネット37A(又は37B)のN極にはマグネットの磁性体61A(又は62A)のS極が対向しているため、マグネット37A(又は37B)と磁性体61A(又は62A)の磁力は、互いに引き合うように作用する。その結果、マグネット37A(又は37B)が、補強板55A(又は55B)に固定されている磁性体61A(又は62A)に対して近づく方向に付勢される。これに対して、図5Cに示す回路構成の場合、駆動用マグネット37A(又は37B)のN極にはマグネットの磁性体61B(又は62B)のN極が対向しているため、マグネット37A(又は37B)と磁性体61B(又は62B)の磁力は、互いに反発し合うように作用する。その結果、マグネット37A(又は37B)が、補強板55A(又は55B)に固定されている磁性体61B(又は62B)から離れる方向に付勢される。
このようなマグネット37A(又は37B)及び磁性体61(又は62)、61A(又は62A)、61B(又は62B)の働きにより、第1の移動枠21と第2の移動枠22との間及び第2の移動枠22と固定基盤23との間を連結するガイド軸とその軸受部との間に生じる隙間に起因するガタツキを無くすことができる。その結果、補正レンズ15を保持する第1の移動枠21と、この第1の移動枠21を支持する第2の移動枠22を、第1の方向X又は第2の方向Yにスムースに移動することができる。しかも、補正レンズ15を常に一定の姿勢に維持することができるため、補正レンズ15の姿勢変化による光学性能の劣化を防止することができる。
上述した第1のコイル57と第1のマグネット37Aと第1のヨーク36Aにより、第1の移動枠21を介して補正レンズ15を第1の方向Xに移動させる第1の駆動手段である第1の電動アクチュエータ24が構成されている。そして、第1の移動枠21の第1の主軸受部31及び第1の副軸受部32と第1の主ガイド軸33及び第1の副ガイド軸35と第2の主軸受部41及び第2の副軸受部42により、第1の移動枠21を介して補正レンズ15を光学系2の光軸Lと直交する第1の方向Xにガイドする第1のガイド手段が構成されている。
また、第2のコイル58と第2のマグネット37Bと第2のヨーク36Bにより、第2の移動枠22を介して補正レンズ15を第2の方向Yに移動させる第2の駆動手段である第2の電動アクチュエータ25が構成されている。そして、第2の移動枠22の第3の主軸受部45及び第3の副軸受部46と第2の主ガイド軸47及び第2の副ガイド軸49と第4の主軸受部52及び第4の副軸受部54により、第2の移動枠22を介して補正レンズ15をレンズ系2の光軸Lと直交する方向であって第1の方向Xとも直交する第2の方向Yにガイドする第2のガイド手段が構成されている。
かくして、第1のコイル57(又は第2のコイル58)に電流を流すと、第1のマグネット37A(又は第2のマグネット37B)による磁力が、その推進力発生部57a,57b(又は推進力発生部58a,58b)に対して垂直をなす方向に作用しているため、フレミングの左手の法則により、第1の電動アクチュエータ24(又は第2の電動アクチュエータ25)には第1の方向X(又は第2の方向Y)に向かう推進力が発生する。
この場合、第1のコイル57(又は第2のコイル58)において、推進力の発生する直線部分からなる推進力発生部57a,57b(又は推進力発生部58a,58b)が2箇所にあり、その2箇所では電流の流れる方向が逆方向となるが、その推進力発生部57a,57b(又は推進力発生部58a,58b)に作用する第1のマグネット37Aの磁力の方向も逆方向になっている。そのため、2つの推進力発生部57a,57b(又は推進力発生部58a,58b)において発生する推進力の方向は、コイル全体として見た場合には同一方向となり、両推進力を合計した力が第1の電動アクチュエータ24(又は第2の電動アクチュエータ25)の推進力となって、補正レンズ15を所定の方向である第1の方向X(又は第2の方向Y)へ移動させる力として作用する。
なお、第2の主軸受部41の2つの軸受片41a,41bは、第1の主軸受部31の第1の方向Xの長さに第1の移動枠21が第1の方向Xへ移動するために必要な長さを加えた距離だけ離間させて形成されている。これにより、第1の移動枠21は、2つの軸受片41a,41b間の距離から第1の主軸受部31の長さを引いた距離だけ第1の方向Xへ移動することができる。また、第4の主軸受部52の2つの支持片52a,52bは、第3の主軸受部45の第2の方向Yの長さに第2の移動枠22が第2の方向Yへ移動するために必要な長さを加えた距離だけ離間させて形成されている。これにより、第2の移動枠22は、2つの軸受片52a,52b間の距離から第3の主軸受部45の長さを引いた距離だけ第2の方向Yへ移動することができる。
また、この実施例では、固定基盤23の2つの支持片52a,52b(及び支持片53a,53b)に補強板55A(及び55B)を固定すると共に、その補強板55A(及び55B)に磁性体61(及び62)、61A(又は62A)及び61B(又は62B)を固定し、駆動用マグネット37A(及び37B)の磁力で磁性体61(及び62)、61A(又は62A)及び61B(又は62B)を吸引し又は押圧して、補正レンズ15を光軸方向へ付勢する構成とした。そのため、第1のガイド手段及び第2のガイド手段におけるガイド軸と軸受部との間に生じる隙間に起因するガタツキ、即ち、第1の移動枠21と第2の移動枠22との間に発生するガタツキや、第2の移動枠22と固定基盤23との間に発生するガタツキを共に無くすることができる。これにより、補正レンズ15を保持する第1の移動枠21や第2の移動枠22をスムースに移動できると共に、常に補正レンズ15を一定の姿勢に維持できるため、補正レンズ15の姿勢変化による光学性能の劣化を防止することができる。しかも、補正レンズ15の移動制御を極めて精度良く、且つスムースに行うことができる。以上、ガイド軸と軸受部のガタツキを無くした状態を、図6及び図7に示す。
更に、補正レンズ15の光軸を中心として、駆動用マグネット37A,37Bの極境界線MA1,MA2と磁性体61(及び62)の中心線MB0並びに磁性体である姿勢制御用マグネット61A,62A(61B,62B)の極境界線MB1,MB2がそれぞれ延在する方向を第1の方向X及び第2の方向Yと直交する方向に設定すると共に、極境界線MA1,MA2と中心線MB0又は極境界線MB1,MB2を略一致させるように配置する構成としたため、マグネット37A(又は37B)と磁性体61(及び62)、61A,62A(61B,62B)との間に作用する吸引力又は反発力によって第1の移動枠21を、補正レンズ15の光軸をレンズ系2の光軸Lと一致させるように付勢して、常に光軸センタに維持することができる。
これにより、この像ぶれ補正装置5をレンズ系2の光軸Lが水平方向に設定されるレンズ装置に使用するために、第1の方向X(又は第2の方向Y)を重力方向に設定する使用状態においても、コイルに通電することなく、マグネット37A(又は37B)と磁性体61(及び62)、61A,62A(61B,62B)間に作用する磁力だけで第1の移動枠21を所定位置に保持することができる。そのため、電力の消費量を軽減してバッテリーの電力消費を抑制できると共に、電力消費による発熱を抑制して装置内部の温度上昇を防ぐことができる。
なお、補正レンズ15を駆動制御するためには、その補正レンズ15の位置を検出する位置検出手段を設けることが好ましい。そのための位置検出手段としては、例えば、第1及び第2のマグネット37A,37Bの磁力をそれぞれ検出する2つのホール素子を用いることができる。この位置検出手段としてのホール素子を有する実施の例については、他の実施例として後に詳細に説明する。
上述したような構成を有する像ぶれ補正装置5は、例えば、次のようにして組み立てることができる。まず、図1及び図2に示すように、固定基盤23の第1及び第2のコイル支持部23b,23cの上面に第1及び第2の補強板55A,55Bをそれぞれ固定する。次に、第1及び第2の補強板55A,55Bの上に、上面に第1及び第2のコイル57,58がそれぞれ実装されたフレキシブル配線板56の第1及び第2のコイル載置部56a,56bを搭載し、接着剤等の固着手段を用いてそれぞれ固定する。
次に、固定基盤23のベース部23aの上に第2の移動枠22を臨ませ、第2の移動枠22の第3の副軸受部46に設けた第2の軸受溝48を、第4の副軸受部54の2つの軸受片54a,54b間に固定支持されている第2の副ガイド軸49に摺動自在に係合させる。これと共に、第2の移動枠22の第3の主軸受部45を第4の主軸受部52の2つの軸受片52a,52b間に介在させる。そして、2つの軸受片52a,52bに設けた軸受孔52cと第3の主軸受部45の貫通穴に第2の主ガイド軸47を貫通させ、その両端の突出部を2つの軸受片52a,52bで回動自在且つ軸方向へ移動可能に支持する。これにより、第2の移動枠22が固定基盤23に対して、特定された一方向である第2の方向Yへ所定距離、即ち、第4の主軸受部52の2つの支持片52a,52bの内面間の距離から第3の主軸受部45の長さを引いた分だけ移動可能に支持される。
次に、マグネット37A、37Bがそれぞれ固定されている第1及び第2のヨーク36A、36Bを第1の移動枠21に固定する。このヨーク36A、36Bに対するマグネット37A、37Bの固定作業は、第1の移動枠21にヨーク36A、36Bを固定した後であってもよい。
次いで、第2の移動枠22の上に第1の移動枠21を臨ませ、第1の移動枠21の第1の副軸受部32に設けた第1の軸受溝34を、第2の副軸受部42の2つの軸受片42a,42b間に固定支持されている第1の副ガイド軸35に摺動自在に係合させる。次に、第1の移動枠21の第1の主軸受部31を第2の主軸受部41の2つの軸受片41a,41b間に介在させる。そして、2つの軸受片41a,41bに設けた軸受孔41cと第1の主軸受部31の貫通穴に第1の主ガイド軸33を貫通させ、その両端の突出部を2つの軸受片41a,41bで回動自在且つ軸方向へ移動可能に支持する。これにより、第1の移動枠21が第2の移動枠22に対して、第2の方向Yと直交する第1の方向Xへ所定距離、即ち、第2の主軸受部41の2つの軸受片41a,41bの内面間の距離から第1の主軸受部31の長さを引いた分だけ移動可能に支持される。
この場合、第1の主ガイド軸33は、第1の主軸受部31の両端から同程度の長さを突出させる。そして、第1の主軸受部31によって第1の主ガイド軸33の略中央部を圧入等によって固定支持する。同様に、第2の主ガイド軸47は、第3の主軸受部45の両端から同程度の長さを突出させる。そして、第3の主軸受部45によって第2の主ガイド軸47の略中央部を圧入等によって固定支持する。これにより、像ぶれ補正装置5の組立作業が完了し、図2〜図4A〜Cに示すような構成を有する像ぶれ補正装置5が得られる。
なお、第1の移動枠21と第2の移動枠22と固定基盤23との間の位置決めは、例えば、それぞれの部材に所定の位置決め穴を設け、それらの位置決め穴に基準ピンを挿入して位置決めするようにする。これにより、第1の移動枠21と第2の移動枠22との間、及び第2の移動枠22と固定基盤23との間を相対的に仮固定して、簡単且つ確実に位置合わせすることができる。
このような構成を有する像ぶれ補正装置5の作用は、例えば、次のようなものである。この像ぶれ補正装置5の補正レンズ15の移動は、フレキシブル配線板56を介して第1の電動アクチュエータ24の第1のコイル57及び第2の電動アクチュエータ25の第2のコイル58に対して適宜な値の駆動電流を選択的に又は同時に供給することによって実行される。
即ち、像ぶれ補正装置5の第1のコイル57及び第2のコイル58は、それぞれ補強板55A,55Bとフレキシブル配線板56の第1及び第2の載置部56a,56bを介して固定基盤23のコイル支持部23b,23cに固定されている。このとき、第1のコイル57の2つの推進力発生部57a,57bは第2の方向Yに延在され、第2のコイル58の2つの推進力発生部58a,58bは第1の方向Xに延在されている。また、第1の移動枠21に固定されている2つのヨーク36A,36Bの各上部片36aに固定された2つの駆動用マグネット37A,37Bが、第1及び第2のコイル57,58の上方にそれぞれ対向するように配置されている。
その結果、第1のヨーク36Aと第1のマグネット37Aによって形成される第1の組の磁気回路の磁束が、第1のコイル57の推進力発生部57a,57bを上下方向へ透過するように作用する。同様に、第2のヨーク36Bと第2のマグネット37Bによって形成される第2の組の磁気回路の磁束が、第2のコイル58の推進力発生部58a,58bを上下方向へ透過するように作用する。このとき、第1及び第2のコイル57,58が固定基盤23に固定されている一方、第1及び第2のヨーク36A,36Bと第1及び第2のマグネット37A,37Bが補正レンズ15を保持する第1の移動枠21に固定されていて、その第1の移動枠21が、第2の移動枠22を介して所定範囲内で第1の方向X及び第2の方向Yへ移動可能に支持されている。
これにより、補正レンズ15は、第1のガイド手段と第2のガイド手段の作用を介して、所定の範囲内において、第1の方向X及び第2の方向Yのいずれの方向に対しても自由に移動することができる。しかも、2つの駆動用マグネット37A,37Bが、その磁力によって2つの磁性体61,62、61A,62A又は61B,62Bに引き付けられ(又は反発され)ている。そのため、第1の移動枠21と第2の移動枠22との間のガタ(隙間)及び第2の移動枠22と固定基盤23との間のガタ(隙間)を吸収することができ、それぞれの連結部においてガタツキの無い状態にすることができる。その結果、補正レンズ15の移動制御を極めて精度良く、しかもスムースに行うことができる。
このような構成を有する像ぶれ補正装置5において、第1のコイル57(第2のコイル58の場合も、その作用は同様である。)に電流を流すと、その推進力発生部57a,57b(又は58a,58b)が第2の方向Y(又は第1の方向X)に延在されているため、その推進力発生部57a,57b(又は58a,58b)において電流は第2の方向Yに流れる。このとき、第1の磁気回路の磁束は、推進力発生部57a,57b(又は58a,58b)に対して垂直をなす上下方向に作用しているため、フレミングの法則により、第1のマグネット37A(第2のコイル58の場合は第2のマグネット37B)及び第1のヨーク36A(第2のコイル58の場合は第2のヨーク36B)には第1の方向X(第2のコイル58の場合は第2の方向Y)に向かう推進力が発生する。
これにより、第1のヨーク36Aが固定されている第1の移動枠21が第1の方向Xに移動する。その結果、第1の移動枠21に保持されている補正レンズ15が、第1のコイル57に流された電流の大きさに応じて、第1のガイド手段にガイドされて第1の方向Xに移動することになる。
また、第1のコイル57と第2のコイル58に同時に電流を流すと、上述した第1のコイル57による移動動作と第2のコイル58による移動動作とが複合的に実行される。即ち、第1のコイル57に流れる電流の作用によって補正レンズ15が第1の方向Xに移動すると同時に、第2のコイル58に流れる電流の作用によって補正レンズ15が第2の方向Yに移動する。その結果、補正レンズ15が斜め方向に移動して、レンズ系2の像ぶれを補正することになる。
図7A,Bは、図1〜図6に示した実施の例の変形例を示すもので、前記実施例におけるマグネット37A,37Bの位置とコイル57,58の位置を上下に入れ替えたものである。即ち、2つのマグネット37A,37Bは、第1の移動枠21に固定されているヨーク36A,36Bの下部片36bの上面にそれぞれ固定されている。これに対応して、各マグネット37A,37Bの上方にコイル57,58が配置されている。各コイル57,58は、フレキシブル配線板56の2つの載置部56a,56bにそれぞれ実装されていて、所定の配線パターンと電気的に接続されている。2つの載置部56a,56bは補強板55A,55Bの下面にそれぞれ固定されており、その補強板55A,55Bは、固定基盤23の第1及び第2のコイル支持部23b,23cの上面にそれぞれ固定されている。
更に、各コイル57,58の空間部59A,59B内には、それぞれ磁性体61,62が配置されている。各磁性体61,62は、接着剤等の固着手段によってフレキシブル配線板56の2つの載置部56a,56bにそれぞれ実装されている。他の構成は、前記実施例と同様である。
このように構成することによっても、前記実施例と同様の効果を得ることができる。この実施例において、上下方向に対向されたマグネット37A,37Bと磁性体61,62間に作用する磁力が、マグネット37A,37Bが磁性体61,62を吸引する方向に作用する場合には、図7A,Bに示すように、補正レンズ15を保持する第1の移動枠21とこれを支持する第2の移動枠22は、固定基盤23に対して離れる方向(図7A,Bにおいて上方向)に付勢される。これにより、第1の移動枠21と第2の移動枠22を連結する第1の主ガイド軸33と第2の主軸受部41との間及び、第1の副ガイド軸35と第1の副軸受部32との間では、それぞれ互いの下面側で接触することになり、その連結部における隙間が上面側に移動する。その結果、これらの連結部におけるガタツキを無くし、固定基盤23に対する第1の移動枠21と第2の移動枠22の姿勢を、高い位置において一定の状態に維持することができる。
このような効果は、マグネット37A,37Bの磁力が磁性体61,62を離反させる方向に作用する場合も同様である。即ち、マグネット37A,37Bの磁力が磁性体61,62を離反させる方向に作用すると、補正レンズ15を保持する第1の移動枠21とこれを支持する第2の移動枠22は、固定基盤23に対して近づく方向に付勢される。これにより、第1の移動枠21と第2の移動枠22を連結する第1の主ガイド軸33と第2の主軸受部41との間及び、第1の副ガイド軸35と第1の副軸受部32との間では、それぞれ互いの上面側で接触することになり、その連結部における隙間が下面側に移動する。その結果、これらの連結部におけるガタツキを無くし、固定基盤23に対する第1の移動枠21と第2の移動枠22の姿勢を、低い位置において一定の状態に維持することができる。
図8乃至図14は、本発明のムービングマグネット方式の電動アクチュエータを有する像ぶれ補正装置の他の実施の例を示すものである。これらの実施例において、前記実施例と異なる部分は、主に、補正レンズ15の姿勢を制御する磁性体の配置やその形状等に関する点であるため、前記実施例と同一部分には同一の符号を付して、異なる部分についてのみ説明する。
図8〜図9に示す、本発明の第2の実施例に係る像ぶれ補正装置5Aは、補正レンズ15の姿勢を制御する磁性体63,64,63A,64A、63B,64Bを、第1のコイル57及び第2のコイル58の外側に配置したものである。2つの鋼等の磁性体63,64又はマグネット製の磁性体63A,64A、63B,64Bは、円形のコイン形をなしている。更に、マグネット製の磁性体63A,64A、63B,64Bは、その体積を略2分割するように一の直径方向に延在された極境界線MB1,MB2によってN極とS極に分けられている。
2つの磁性体63,64は、図9Aに示すように、その体積を略2分割するように一の直径方向に延在された中心線MB0が、平面方向から見てマグネット37A,37Bの極性を分ける極境界線MA1,MA2と略重なり合う位置に配置する。また、マグネットからなる2つの磁性体63A,64A及び63B,64Bは、上下方向に対向されたマグネット37A,37Bに対して、図9Bに示すように、その極性と反対の極性を対向させるように配置してもよく、また、図9Cに示すように、その極性と同一の極性を対向させるように配置してもよい。このとき、各磁性体63A,64A及び63B,64Bの極境界線MB1,MB2は、平面から見て各マグネット37A,37Bの極境界線MA1,MA2と略重なり合うように配置する。
このように、各コイル57,58の外側の一側に磁性体63,64、63A,64A、63B,64Bを配置した場合においても、図9A〜Cに示すように、マグネット37A,37Bからは2種類の磁気回路を形成する磁力線GL1,GL2が発生する。これらの磁力線GL1,GL2によって形成される2種類の磁気回路は、図5A〜Cに示した実施例の場合と同様である。
即ち、第1の磁気回路の磁力線GL1は、コイル57(又は58)を介して、補正レンズ15をある方向に移動するための推進力を発生させるもので、マグネット37A(又は37B)のN極から出て、コイル57(又は58)の第1の推進力発生部57a(又は58a)とフレキシブル配線板56a(又は56b)と補強板55A(又は55B)を順に透過する。そして、ヨーク36A(又は36B)の下部片36bから戻り方向に出て、補強板55A(又は55B)とフレキシブル配線板56a(又は56b)とコイル57(又は58)の第2の推進力発生部57b(又は58b)を透過し、マグネット37A(又は37B)のS極に戻る磁気回路を形成する。
これに対して、第2の磁気回路の磁力線GL2は、磁性体63,64,63A,64A、63B,64Bを吸引し又は押圧して、補正レンズ15を保持する第1の移動枠21をある方向へ付勢するための力を発生させるものである。マグネット37A(又は37B)のN極から出た磁力線は、図9Aに示す磁性体63,64の場合には、その磁性体63,64を透過して、マグネット37A(又は37B)のS極に戻る磁気回路を形成する。図9Bに示す磁性体63A,64Aの場合には、マグネット37A(又は37B)のN極から出た磁力線は、磁性体63A(又は64A)のS極に向かい、これに隣合うN極から戻り方向に出て、マグネット37A(又は37B)のS極に戻る磁気回路を形成する。また、図9Cに示す磁性体63B,64Bの場合には、マグネット37A(又は37B)のN極から出た磁力線は、磁性体63B(又は64B)の反対側に位置するS極に向かい、これに隣合うN極から戻り方向に出てクロス方向に向かい、マグネット37A(又は37B)のS極に戻る磁気回路を形成する。
この第2の磁気回路において、図9Aに示す回路構成の場合、マグネット37A(又は37B)のN極及びS極に対して磁性体63(又は64)が対称に配置されて対向しているため、マグネット37A(又は37B)の磁力が磁性体63(又は64)を吸引するように作用する。その結果、磁性体63(又は64)との間に作用する吸引力により、その磁性体63(又は64)が固定された補強板55A(又は55B)を有する固定基盤23に対して、マグネット37A(又は37B)が固定された第1の移動枠21が引付けられるように近づく方向に付勢される。
また、図9Bに示す回路構成の場合、姿勢制御用マグネット37A(又は37B)のN極にはマグネットである磁性体63A(又は64A)のS極が対向しているため、2つのマグネット37A(又は37B)及び63A(又は64A)の磁力は、互いに引き合うように作用する。その結果、マグネット37A(又は37B)が磁性体63A(又は64A)に対して近づく方向に付勢される。これに対して、図9Cに示す回路構成の場合、マグネット37A(又は37B)のN極には磁性体63B(又は64B)のN極が対向しているため、2つのマグネット37A(又は37B)及び63B(又は64B)の磁力は、互いに反発し合うように作用する。その結果、マグネット37A(又は37B)が磁性体63B(又は64B)から離れる方向に付勢される。
これらマグネット37A(又は37B)及び磁性体63,64,63A,64A、63B,64Bの働きにより、第1の移動枠21と第2の移動枠22との間及び第2の移動枠22と固定基盤23との間を連結するガイド軸とその軸受部との間に生じる隙間に起因するガタツキを無くすことができる。その結果、補正レンズ15を保持する第1の移動枠21と、この第1の移動枠21を支持する第2の移動枠22を、第1の方向X又は第2の方向Yにスムースに移動することができる。しかも、補正レンズ15を常に一定の姿勢に維持することができるため、補正レンズ15の姿勢変化による光学性能の劣化を防止することができる。
更に、この実施例のように、コイル57(又は58)の外側において極境界線MA1,MA2方向の一側に磁性体63,64,63A,64A、63B,64Bを配置する場合には、大型の磁性板やマグネットを用いることができるため、強い磁力を発生させることができる。そのため、この実施例の場合には、補正レンズ15の姿勢制御を、より強い力で確実に行うことができる。
図10〜図11に示す、本発明の第3の実施例に係る像ぶれ補正装置5Bは、磁性部材である磁性体を4つ設け、4つの磁性体65,66(又は65A,66A、65B,66B)によって補正レンズ15の姿勢を制御するように構成したものである。1個のコイル57(又は58)に対して、2つの磁性体65,66(又は65A,66A、65B,66B)がそれぞれ配置されている。磁性体65,66,65A,66A、65B,66Bは、略四角形の薄い板体をなしている。更に、鉄や鋼等の磁性部材によって形成された磁性体65,66は、図11Aに示すように、その体積を略2分割するように直線状に延在する中心線(仮想線)MB0を有している。また、図11B及びCに示すように、マグネットによって形成された磁性体65A,66A、65B,66Bは、その体積を略2分割するように直線状に延在する極境界線MB1,MB2によってN極とS極に分けられている。
磁性体65,66,65A,66A、65B,66Bは、コイル57(又は58)の長手方向の両外側に配置されている。それぞれの磁性体65,66,65A,66A、65B,66Bは、それらの中心線MB0又は極境界線MB1,MB2を、平面から見て各マグネット37A,37Bの極境界線MA1,MA2と略一致させるように配置されている。このとき、マグネット製の磁性体65A,66A(又は65B,66B)の磁極は、上下方向に対向されたマグネット37A,37Bに対して、図9Bに示すように、その極性と反対の極性を対向させるように配置してもよく、また、図9Cに示すように、その極性と同一の極性を対向させるように配置してもよい。
このように、2つの磁性体65,66(又は65A,66A、65B,66B)でコイル57(又は58)を挟むように、各コイル57,58の両外側に磁性体65,66(又は65A,66A、65B,66B)を配置した構成とすることによっても、前記第1及び第2の実施例と同様の効果を得ることができる。特に、この実施例の場合には、コイル57,58の両側に2つの同じ磁性体65,66(又は65A,66A、65B,66B)を配置しているため、各電動アクチュエータ24,25においてマグネットによる吸引力(又は反発力)のバランスを取ることができ、従って、第1の方向X及び第2の方向Yへの移動をスムースに行うことができる。
図12〜図13に示す、本発明の第4の実施例に係る像ぶれ補正装置5Cは、第1の移動枠21を介して補正レンズ15の移動方向と移動量を検出する位置検出手段を設けると共に、その位置検出手段と同じ位置に姿勢制御用の磁性部材である磁性体67,68(又は67A,68A、67B,68B)を設ける構成としたものである。磁性体67,68(又は67A,68A、67B,68B)は、図8A〜Cで示す磁性体63,64(又は63A,64A、63B,64B)と略同様の位置に配置されており、その中心線MB0及び極境界線MB1(又はMB2)が、平面から見てマグネット37A(又は37B)の極境界線MA1(又はMA2)と略重なり合うように構成されている。
このとき、マグネット製の磁性体67A,68A(又は67B,68B)は、上下方向に対向されたマグネット37A,37Bに対して、図13Bに示すように、その極性と反対の極性を対向させるように配置してもよく、また、図13Cに示すように、その極性と同一の極性を対向させるように配置してもよいことは勿論である。
磁性体67,68,67A,68A、67B,68Bは、フレキシブル配線板56の2つの載置部56a,56bに実装されているホール素子26,27の上面に、接着剤等の固着手段により固定されて一体的に構成されている。ホール素子26,27は、第1及び第2の移動枠21,22を介して補正レンズ15の位置を検出するための位置検出手段の一具体例を示すもので、単独のマグネット37A,37B又はこれにマグネット67A,68A、67B,68Bを加えた磁力を検出することによって補正レンズ15の位置を検出するように構成している。
この実施例で示す2個のホール素子26,27は、マグネット37A及び37Bの極境界線MA1,MA2を中心として、そこからN極側又はS極側に移動した位置における磁力を検出している。これにより、その検出位置を特定し、その位置検出を2箇所で行うことにより、第1及び第2の移動枠21,22を介して補正レンズ15の位置を検出するようにしている。
第1のホール素子26は、固定基盤23の第1のコイル支持部23bに固定されている第1の補強板55Aに載置されているフレキシブル配線板56の第1の載置部56aの上面に実装され、第2のホール素子27は、固定基盤23の第2のコイル支持部23cに固定されている第2の補強板55Bに載置されているフレキシブル配線板56の第2の載置部56bの上面に実装されている。このとき、各ホール素子26,27の上面の検出部は、その中心部が各マグネット37A,37Bの極境界線MA1,MA2と略一致するように構成されている。
このように配置された2つのホール素子26,27で2つのマグネット37A,37BのN極、S極の磁力を検出することにより、第1の移動枠21と第2の移動枠22の位置を介して補正レンズ15の位置を検出することができる。このホール素子26,27からの検出信号に基づいて制御装置が、補正レンズ15の位置を演算して算出することにより、補正レンズ15の駆動制御を精度良く行なうことが可能となる。
また、図示しないが、温度検出手段を設けて電動アクチュエータ24,25の周囲温度を検出し、その周囲温度が所定値以上に上昇したときに、手ぶれや振動等による像ぶれ補正に温度補正を加えるように構成することが好ましい。このように温度制御を加えることにより、補正レンズ15に関するより精度の高い位置制御を行うことが可能となる。そのための温度検出手段としては、例えば、サーミスタを用いることができる。このサーミスタは、例えば、2つのコイル57,58の近傍において、フレキシブル配線板56に搭載して使用することができる。
このような構成とすることによっても、前記実施例と同様の効果を得ることができる。この実施例の場合には、ホール素子と磁性体を用いることにより、簡単な構成でありながら補正レンズの位置を簡単且つ確実に検出することができる。特に、ホール素子26,27の感磁素子と平行するモールドパッケージ面の、マグネット37A,37Bと反対側の面に磁性部材である磁性体67,68,67A,68A,67B,68Bを重ね合わせ、ホール素子26,27と対向ヨークの間に磁性体67,68,67A,68A,67B,68Bを介在させる構成としたため、ホール素子26,27の検出効率を大きく向上させることができる。
図13A,B及びCに示す実施例の場合には、マグネット37A,37Bとヨーク36A,36Bで形成される磁場だけではなく、これに磁性体67,68,67A,68A、67B,68Bによって形成される磁場を加えることができるため、ホール素子26,27の出力を大きくして、アンプ倍率を小さくすることができる。その結果、無用なノイズの増幅を最小限に抑え、位置検出精度の悪化を防止することができる。
図14に示す、本発明の第5の実施例に係る像ぶれ補正装置5Dは、前記実施例における補強板55A,55Bの体積を大きくすると共に磁性材料により形成して磁性部材69A,69Bとして構成し、この磁性部材69A,69Bで対向ヨークの機能を兼用させたものである。ヨーク36C,36Dは、上部片36aと連結片36cからなり、両片の端部を連続することによってL字状に形成されている。このヨーク36C,36Dの各上部片36aの下面に、前記実施例と同様の形状及び構成を有するマグネット37A,37Bが固定されている。このマグネット37A,37Bの下面に対向するように、その下方に第1及び第2のコイル57,58がそれぞれ配置されている。
2つのコイル57,58は、フレキシブル配線板56の第1及び第2の載置部56a,56bにそれぞれ実装されていて、第1及び第2の載置部56a,56bが第1及び第2の磁性部材69A,69Bに搭載されている。第1及び第2の磁性部材69A,69Bは、マグネットの磁力によって吸引される鉄、KS鋼等の磁性体によって形成されており、ヨーク36C,36Dの一部をなす対向ヨークを兼用するために必要とされる体積を有している。各磁性部材69A,69Bは、固定基盤23の第1及び第2のコイル支持部23b,23cの上部間に水平方向へ架け渡すように設けられ、固定基盤23と一体的に構成されている。
更に、第1及び第2の磁性部材69A,69Bは、第1及び第2のコイル57,58の推進力発生部57a,57b及び58a,58bに対応する大きさとされている。そして、各磁性部材69A,69Bの幅方向の一側に各コイル57,58の第1の推進力発生部57a,58aがその長辺に沿って対向され、幅方向の他側に第2の推進力発生部57b,58bがその長辺に沿って対向されている。更に、磁性部材69A,69Bは、図14B,Cに示すように、その体積を幅方向に略2分割するように長手方向に直線状に延在する中心線(仮想線)MB3を有している。この磁性部材69A,69Bの中心線MB0が、平面から見てマグネット37A(又は37B)の極境界線MA1(又はMA2)と略重なり合うように構成されている。その他の構成は、前記実施例と同様である。
この第5の実施例として示す磁気回路の磁力線GL1は、コイル57,58の作用を介して補正レンズ15を第1又は第2の方向X,Yに移動するための推進力を発生させると共に、磁性部材69A,69Bを吸引して補正レンズ15を付勢するための付勢力を発生させる。その磁力線GL1は、マグネット37A(又は37B)のN極から出て、コイル57(又は58)の第1の推進力発生部57a(又は58a)とフレキシブル配線板56a(又は56b)を透過し、磁性部材69A(又は69B)に到達する。そして、磁性部材69A(又は69B)から出て、フレキシブル配線板56a(又は56b)とコイル57(又は58)の第2の推進力発生部57b(又は58b)を透過し、マグネット37A(又は37B)のS極に戻る磁気回路を形成する。
このような構成を有する第5の実施例に係る像ぶれ補正装置5Dによっても、前記実施例と同様の効果を得ることができる。特に、この実施例の場合には、磁性部材69A,69Bが対向ヨークを兼用しているため、構造の簡素化を図ることができる。なお、この実施例では、ヨーク36C,36Dを上部片36aと連結片36cで形成し、その上部片36aにマグネット37A,37Bを固定する構成としたが、ヨーク36C,36Dを下部片36bと連結片36cで形成し、その下部片36bにマグネット37A,37Bを固定する構成とすることもできる。
図15〜図21には、本発明の像ぶれ補正装置の第6の実施の例を示している。この第6の実施例は、ムービングコイル方式の駆動手段を備えた像ぶれ補正装置6として構成したものである。そして、図22〜図28において、ムービングコイル方式の駆動手段を備えた第7〜第10の実施の例に係る像ぶれ補正装置6A〜6Dを示している。なお、本発明の像ぶれ補正装置の第6〜第10の実施の例を示す図15〜図28において、前述した本発明の像ぶれ補正装置の第1〜第5の実施の例を示す図1〜図14と同一部分には同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
本発明の第6の実施の例として説明する像ぶれ補正装置6は、図15〜図21に示すような構成を備えて構成されている。この像ぶれ補正装置6は、前記実施例で示した像ぶれ補正装置5のうち、2つのマグネット37A,37Bと2つのコイル57,58を入れ替えることにより駆動手段をムービングコイル方式として構成したものである。そのため、像ぶれ補正装置5と構成部品を比較すると、第1の移動枠21Aと固定基盤23Aのみが異なっており、その他の構成部品は、同一又は略同一である。
即ち、像ぶれ補正装置6は、前述した補正レンズ15と、この補正レンズ15を支持する第1の移動枠21Aと、この第1の移動枠21Aをレンズ系2の光軸Lと直交する第1の方向Xへ移動可能に支持する第2の移動枠22と、この第2の移動枠22を光軸Lと直交する方向であって第1の方向Xとも直交する第2の方向Yへ移動可能に支持する固定基盤23Aと、第1の移動枠21Aを第1の方向Xへ移動させる第1の電動アクチュエータ24と、第2の移動枠22を第2の方向Yへ移動させる第2の電動アクチュエータ25と、補正レンズ15の位置を検出する2つのホール素子26,27等を備えて構成されている。そのため、第1の移動枠21Aと固定基盤23Aについて、詳細に説明する。
第1の移動枠21Aは、リング状をなすレンズ固定部21aと、これと一体に設けた2つのコイル固定部21d,21eを有している。2つのコイル固定部21d,21eは、レンズ固定部21aの半径方向外側であって略90度回転変位した位置に設けられている。レンズ固定部21aの中央部には嵌合穴28が設けられており、この嵌合穴28に補正レンズ15が嵌合されて固定されている。
第1のコイル固定部21dには、第1の補強板55Aを介してフレキシブル配線板56の第1のコイル載置部56aが載置されている。また、第2のコイル固定部21eには、第2の補強板55Bを介してフレキシブル配線板56の第2のコイル載置部56bが載置されている。そして、これらの第1及び第2のコイル載置部56a,56bに第1及び第2のコイル57,58が搭載され、各コイル57,58が各コイル載置部56a,56bの配線パターンと電気的に接続されている。なお、第2の移動枠22の構成は、前記実施例と同様である。
固定基盤23Aは、その外観形状は前記固定基盤23と略同様の構成となっているが、第1及び第2のヨーク36C,36Dを固定するために、その支持部の形状が若干異なっている。即ち、固定基盤23Aの2つのヨーク支持部23d,23eの上面には、各ヨーク36C,36Dの下部片36bが嵌合される嵌合溝72がそれぞれ設けられている。この嵌合溝72に下部片36bを嵌合することにより、接着剤等の固着手段によってヨーク36C,36Dが固定基盤23Aに固定されている。各ヨーク36C,36Dの基本的な形態に変更はないが、軽量化のために連結部36cには大きな開口穴73が設けられている。その他の構成は、図1〜図4に示した像ぶれ補正装置5と同様である。
この第6の実施例に係る像ぶれ補正装置6においても前記第1の実施例と同様に、第1の主ガイド軸33及び第1の副ガイド軸35の軸方向が第1の方向Xとされ、これらと直交する方向に延在された第2の主ガイド軸47及び第2の副ガイド軸49の軸方向が第2の方向Yとされている。なお、この実施例においても、第1の方向と第2の方向が逆であってもよいことは勿論である。
また、固定基盤23Aに固定された第1のヨーク36Cの下部片36bと第1のマグネット37Aとの間に、第1の移動枠21Aの第1のコイル固定部21dに固定された第1の補強板55Aと第1のコイル載置部56aと第1のコイル57が無接触状態で介在されている。更に、固定基盤23Aに固定された第2のヨーク36Dの下部片36bと第2のマグネット37Bとの間に、第1の移動枠21Aの第2のコイル固定部21eに固定された第2の補強板55Bと第2のコイル載置部56bと第2のコイル58が無接触状態で介在されている。そして、各コイル57,58の空間部59A,59B内に磁性部材である鉄や鋼等の磁性体61,62又はマグネットの磁性体61A,62A(又は61B,62B)が収納されている。
これらの磁性体61,62、61A,62A、61B,62Bは、対応するマグネット37A,37Bに対して、図19Aに示すように、鉄や鋼等の磁性部材によって形成された磁性体61,62は、その体積を略2分割するように直線状に延在する中心線(仮想線)MB0を有している。また、図19B及びCに示すように、マグネットによって形成された磁性体61A,62A、61B,62Bは、その体積を略2分割するように直線状に延在する極境界線MB1,MB2によってN極とS極に分けられている。
磁性体61,62は、図19Aに示すように、その中心線(仮想線)MB0を、各マグネット37A,37Bの極境界線MA1,MA2と略重なり合うように配置する。更に、各マグネット37A,37Bの磁極に対して、図19Bに示すように、磁性体61A,62Aの極性が反対となるように対向させて配置してもよく、また、図19Cに示すように、磁性体61A,62Aの極性が同一となるように対向させて配置してもよい。
このとき、各マグネット61A,62A(又は61B,62B)の極境界線MB1(又はMB2)は、平面から見て各マグネット37A,37Bの極境界線MA1,MA2と略重なり合うように配置する。このようにコイル57(又は58)の空間部59A(又は59B)内にマグネット61(又は62)を配置した場合には、マグネット37A(又は37B)からは、図19A〜Cに示すように、2種類の磁気回路を形成する磁力線GL1,GL2が発生する。
第1の磁気回路の磁力線GL1は、前記実施例と同様に、図19A〜Cに示すいずれの場合においても、マグネット37A(又は37B)のN極から出て、コイル57(又は58)の第1の推進力発生部57a(又は58a)とフレキシブル配線板56a(又は56b)と補強板55A(又は55B)と第1の移動枠21Aのコイル固定部21d,21eを順に透過してヨーク36C(又は36D)の下部片36bに到達する。更に、第1の磁力線GL1は、下部片36bから戻り方向に出て、コイル固定部21d,21eと補強板55A(又は55B)とフレキシブル配線板56a(又は56b)とコイル57(又は58)の第2の推進力発生部57b(又は58b)を透過してマグネット37A(又は37B)のS極に戻る磁気回路を形成する。
これに対して、第2の磁気回路の磁力線GL2は、前記実施例と同様に、図19Aに示す鋼等の磁性体61,62の場合には、マグネット37A(又は37B)のN極から出て磁性体61(又は62)に向かい、その磁性体を透過して反対側から戻り方向に出て、マグネット37A(又は37B)のS極に戻る磁気回路を形成する。また、図19Bに示すマグネット製の磁性体61A,62Aの場合には、マグネット37A(又は37B)のN極から出てマグネット61A(又は62A)のS極に向かい、これに隣合うN極から戻り方向に出て、マグネット37A(又は37B)のS極に戻る磁気回路を形成する。
これらの磁性体61,62,61A,62A,61B,62B及びマグネット37A,37Bの働きにより、前記実施例と同様に、第1の移動枠21Aと第2の移動枠22との間及び第2の移動枠22と固定基盤23Aとの間を連結するガイド軸とその軸受部との間に生じる隙間に起因するガタツキを無くすことができる。その結果、補正レンズ15を保持する第1の移動枠21Aと、この第1の移動枠21Aを支持する第2の移動枠22を、第1の方向X又は第2の方向Yにスムースに移動することができる。しかも、補正レンズ15を常に一定の姿勢に維持することができるため、補正レンズ15の姿勢変化による光学性能の劣化を防止することができる。
上述した第1のコイル57と第1のマグネット37Aと第1のヨーク36Cにより、第1の移動枠21Aを介して補正レンズ15を第1の方向Xに移動させる第1の駆動手段である第1の電動アクチュエータ24が構成されている。また、第2のコイル58と第2のマグネット37Bと第2のヨーク36Dにより、第2の移動枠22を介して補正レンズ15を第2の方向Yに移動させる第2の駆動手段である第2の電動アクチュエータ25が構成されている。
この電動アクチュエータ24,25の動作は前記実施例と同様であり、第1のコイル57(又は第2のコイル58)に電流を流すと、第1のマグネット37A(又は第2のマグネット37B)による磁力が、その推進力発生部57a,57b(又は推進力発生部58a,58b)に対して垂直をなす方向に作用しているため、フレミングの左手の法則により、第1の電動アクチュエータ24(又は第2の電動アクチュエータ25)には第1の方向X(又は第2の方向Y)に向かう推進力が発生する。
この実施例では、固定基盤23Aのヨーク支持部23d,23eにヨーク36C,36Dを固定する一方、第1の移動枠21Aのコイル固定部21d,21eに第1及び第2のコイル57,58と第1及び第2のマグネット61,62を固定し、2つのマグネット37A,37Bと磁性体61,62の磁力により、補強板55A,55Bとコイル固定部21d,21eを介して第1の移動枠21Aを吸引し又は押圧して、補正レンズ15を光軸方向へ付勢する構成とした。そのため、第1のガイド手段及び第2のガイド手段におけるガイド軸と軸受部との間に生じる隙間に起因するガタツキ、即ち、第1の移動枠21Aと第2の移動枠22との間に発生するガタツキや、第2の移動枠22と固定基盤23Aとの間に発生するガタツキを共に無くすることができる。これにより、補正レンズ15を保持する第1の移動枠21Aや第2の移動枠22をスムースに、且つ精度良く移動できると共に、常に補正レンズ15を一定の姿勢に維持できるため、補正レンズ15の姿勢変化による光学性能の劣化を防止することができる。以上、ガイド軸と軸受部のガタツキを無くした状態を、図20及び図21に示す。
上述したような構成を有する像ぶれ補正装置6は、例えば、次のようにして組み立てることができる。まず、図15及び図16に示すように、固定基盤23Aの第1及び第2のヨーク支持部23d,23eの上面に第1及び第2のヨーク36C,36Dをそれぞれ固定する。このとき、各ヨーク36C,36Dの下部片36bを各ヨーク支持部23d,23eの上面に設けた嵌合溝72に嵌合し、その上方に上部片36aに固定したマグネット37A,37Bを配置して、接着剤等の固着手段を用いて一体的に固定する。
次に、固定基盤23Aのベース部23aの上に第2の移動枠22を臨ませ、第2の移動枠22の第3の副軸受部46に設けた第2の軸受溝48を、第4の副軸受部54の2つの軸受片54a,54b間に固定支持されている第2の副ガイド軸49に摺動自在に係合させる。これと共に、第2の移動枠22の第3の主軸受部45を第4の主軸受部52の2つの軸受片52a,52b間に介在させる。そして、2つの軸受片52a,52bに設けた軸受孔52cと第3の主軸受部45の貫通穴に第2の主ガイド軸47を貫通させ、その両端の突出部を2つの軸受片52a,52bで回動自在且つ軸方向へ移動可能に支持する。これにより、第2の移動枠22が固定基盤23Aに対して、特定された一方向である第2の方向Yへ所定距離、即ち、第4の主軸受部52の2つの支持片52a,52bの内面間の距離から第3の主軸受部45の長さを引いた分だけ移動可能に支持される。
次に、第1の移動枠21Aのコイル固定部21d,21eに第1及び第2の補強板55A,55Bを搭載し、これを接着剤等の固着手段を用いてそれぞれ固定する。更に、第1及び第2の補強板55A,55Bに、予め第1及び第2のコイル57,58が実装されたフレキシブル配線板56の第1及び第2のコイル載置部56a,56bを搭載し、これを接着剤等の固着手段を用いてそれぞれ固定する。このコイル固定部21d,21eに対するコイル57,58の固定作業は、第1の移動枠21にフレキシブル配線板56を固定した後であってもよい。
次いで、第2の移動枠22の上に第1の移動枠21Aを臨ませ、第1の移動枠21Aの第1の副軸受部32に設けた第1の軸受溝34を、第2の副軸受部42の2つの軸受片42a,42b間に固定支持されている第1の副ガイド軸35に摺動自在に係合させる。次に、第1の移動枠21Aの第1の主軸受部31を第2の主軸受部41の2つの軸受片41a,41b間に介在させる。そして、2つの軸受片41a,41bに設けた軸受孔41cと第1の主軸受部31の貫通穴に第1の主ガイド軸33を貫通させ、その両端の突出部を2つの軸受片41a,41bで回動自在且つ軸方向へ移動可能に支持する。これにより、第1の移動枠21Aが第2の移動枠22に対して、第2の方向Yと直交する第1の方向Xへ所定距離、即ち、第2の主軸受部41の2つの軸受片41a,41bの内面間の距離から第1の主軸受部31の長さを引いた分だけ移動可能に支持される。
この場合、第1の主ガイド軸33は、第1の主軸受部31の両端から同程度の長さを突出させる。そして、第1の主軸受部31によって第1の主ガイド軸33の略中央部を圧入等によって固定支持する。同様に、第2の主ガイド軸47は、第3の主軸受部45の両端から同程度の長さを突出させる。そして、第3の主軸受部45によって第2の主ガイド軸47の略中央部を圧入等によって固定支持する。これにより、像ぶれ補正装置6の組立作業が完了し、図16〜図18A〜Cに示すような構成を有する像ぶれ補正装置6が得られる。
なお、第1の移動枠21Aと第2の移動枠22と固定基盤23Aとの間の位置決めは、前記実施例と同様であり、例えば、それぞれの部材に所定の位置決め穴を設け、それらの位置決め穴に基準ピンを挿入して位置決めするようにする。これにより、第1の移動枠21Aと第2の移動枠22との間、及び第2の移動枠22と固定基盤23Aとの間を相対的に仮固定して、簡単且つ確実に位置合わせすることができる。
このような構成を有する像ぶれ補正装置6の作用は、前記実施例と同様である。即ち、像ぶれ補正装置6の補正レンズ15の移動は、フレキシブル配線板56を介して第1の電動アクチュエータ24の第1のコイル57及び第2の電動アクチュエータ25の第2のコイル58に対して適宜な値の駆動電流を選択的に又は同時に供給することによって実行される。
図21A,Bは、図15〜図20に示した実施の例の変形例を示すもので、前記実施例におけるマグネット37A,37Bの位置とコイル57,58の位置を上下に入れ替えたものである。即ち、第1の移動枠21Aの第1及び第2のコイル固定部21d,21eの下面に、補強板55A,55Bとフレキシブル配線板56を介して第1及び第2のコイル57,58がそれぞれ固定されている。これに対応して、各コイル57,58の下面に、ヨーク36A,36Bの下部片36bの上面に固定された第1及び第2のマグネット37A,37Bが対向されている。そして、各コイル57,58の空間部59A,59B内にマグネット61,62がそれぞれ収納されている。その他の構成は、前記実施例と同様である。このように構成することによっても、前記実施例と同様の効果を得ることができる。
図22〜図23に示す、本発明の第7の実施例に係る像ぶれ補正装置6Aは、前述した本発明の第2の実施例に係る像ぶれ補正装置5Aに対応するもので、補正レンズ15の姿勢を制御する磁性体63,64,63A,64A,63B,64Bを、第1のコイル57及び第2のコイル58の外側に配置したものである。磁性体63,64(又は63A,64A,63B,64B)も同様のものである。即ち、磁性体63,64,63A,64A,63B,64Bは円形のコイン形をなしていて、その体積を略2分割するように直径方向に延在する中心線MB0を有し、又は極境界線MB1,MB2によってN極とS極に分けられている。その他の構成及び作用は、本発明の第6の実施例に係る像ぶれ補正装置6に適用した場合と同様である。
図24〜図25に示す、本発明の第8の実施例に係る像ぶれ補正装置6Bは、前述した本発明の第3の実施例に係る像ぶれ補正装置5Bに対応するもので、磁性部材である磁性体65,66,65A,66A,65B,66Bによって補正レンズ15の姿勢を制御するように構成したものである。磁性体65,66(又は65A,66A,65B,66B)も同様のものであり、略四角形の薄い板体をなしていて、その体積を略2分割するように直線状に延在する中心線MB0を有し、又は極境界線MB1,MB2によってN極とS極に分けられている。その他の構成及び作用は、前記実施例と同様である。
図26〜図27に示す、本発明の第9の実施例に係る像ぶれ補正装置6Cは、前述した本発明の第4の実施例に係る像ぶれ補正装置5Cに対応するもので、第1の移動枠21Aを介して補正レンズ15の移動方向と移動量を検出する位置検出手段を設けると共に、その位置検出手段と同じ位置に姿勢制御用の磁性部材である磁性体67,68,67A,68A,67B,68Bを設ける構成としたものである。磁性体67,68(又は67A,68A,67B,68B)は、図8A〜Cで示すマグネット64A(又は64B)と略同様の位置に配置されており、その中心線MB0又は極境界線MB1(又はMB2)が、平面から見てマグネット37A(又は37B)の極境界線MA1(又はMA2)と略一致するように構成されている。その他の構成及び作用は、前記実施例と同様である。
図28に示す、本発明の第10の実施例に係る像ぶれ補正装置6Dは、前述した本発明の第5の実施例に係る像ぶれ補正装置5Dに対応するもので、前記実施例における補強板55A,55Bの体積を大きくして磁性部材69A,69Bとして構成し、この磁性部材69A,69Bで対向ヨークの機能を兼用させる構成としたものである。ヨーク36C,36Dは、マグネット37A,37Bと略同程度の大きさを有する平板状の板体からなり、固定基盤23Aの第1及び第2のヨーク支持部23d,23eに固定されている。各ヨーク36C,36Dは水平方向に展開されていて、その上面に各マグネット37A,37Bがそれぞれ搭載され、接着剤等の固着手段によって固定されている。
第1及び第2のコイル57,58は、第1の移動枠21Aの第1及び第2のコイル固定部21d,21eの下面にフレキシブル配線板56を介して固定されている。フレキシブル配線板56は、コイル固定部21d,21eの下面に設けた凹部を覆うように取り付けられており、その凹部内に対向ヨークの機能を兼ねる第1及び第2の磁性部材69A,69Bが収納されている。この第1及び第2の磁性部材69A,69Bの下面に所定の隙間をあけて、第1及び第2のマグネット37A,37Bがそれぞれ対向されている。その他の構成は、前記実施例と同様であり、この実施例においても同様の効果を得ることができる。なお、磁性部材69A,69Bについては、鉄や鋼等の磁性体に替えて、前述したような構成を有するマグネットを用いることができることは勿論である。
前述したような構成及び作用を備えた像ぶれ補正装置5,5A〜5D及び6,6A〜6Dが、図30A,Bに示すように、レンズ鏡筒3に装着されてレンズ装置1が構成されている。このレンズ装置1は、1群レンズ7にプリズム7Bを設けて光路を90度折り曲げた、いわゆる折曲げレンズと称されるものである。このレンズ装置1を用いることにより、例えば、図31及び図32に示すような外観を有する撮像装置が構成される。
次に、像ぶれ補正装置5(又は6)が装着されたレンズ装置1のレンズ系2の動作を、図29を参照して説明する。レンズ系2の対物レンズ7Aを被写体に向けると、被写体からの光が対物レンズ7Aからレンズ系2内に入力される。このとき、対物レンズ7Aを透過した光はプリズム7Bで90度屈折され、その後、レンズ系2の光軸Lに沿ってCCD4に向かって移動する。即ち、プリズム7Bで反射されて1群レンズ7の第2のレンズ7Cを出た光は、2群レンズ8,3群レンズ9,4群レンズ10を経て5群レンズ11の第7のレンズ11A及び補正レンズ15を透過し、光学フィルタ14を経てCCD4の結像面に被写体に対応した画像が結像される。
この場合、撮影時において、レンズ装置1に手ぶれや振動が生じていないときには、被写体からの光は、実線で示す光6Aのように、1群レンズ7〜5群レンズ11のそれぞれ中心部を光軸Lに沿って移動するため、CCD4の結像面において所定位置に像を結ぶことになる。そのため、かかる場合には像ぶれを生ずることなく綺麗な画像を得ることができる。
一方、撮影時において、レンズ装置1に手ぶれや振動が発生すると、被写体からの光は、一点鎖線で示す光6Bか又は破線で示す光6Cのように、傾いた状態で1群レンズ7に入力されることになる。そのような入射光6B,6Cは、1群レンズ〜5群レンズのそれぞれにおいて、光軸Lからずれた状態で透過することになるが、その手ぶれ等に応じて補正レンズ15を所定量移動させることにより、その手ぶれ等を補正することができる。これにより、CCD4の結像面において所定位置に像を結ぶことができ、像ぶれを解消して綺麗な画像を得ることができる。
このレンズ装置1の手ぶれや振動等の有無は、像ぶれ検出手段によって検出するようにする。この像ぶれ検出手段としては、例えば、ジャイロセンサを用いることができる。このジャイロセンサをレンズ装置1と共にカメラに搭載し、撮影者の手の震えや揺れ等によってレンズ装置1に働く加速度、角速度、角加速度等を検出するようにする。このジャイロセンサで検出した加速度や角速度等の情報を制御装置に供給し、CCD4の結像面において所定位置に像を結ぶように、第1の方向Xの揺れに対しては第1の移動枠21(21A)を第1の方向Xに移動し、第2の方向Yの揺れに対しては第2の移動枠22を第2の方向Yに移動するように第1及び第2の電動アクチュエータ24,25を駆動制御する。
図31及び図32に示す撮像装置は、本発明に係る撮像装置の第1の実施の例を示すデジタルスチルカメラ100を現した図である。このデジタルスチルカメラ100は、情報記録媒体として半導体記録メディアを使用し、被写体からの光学的な画像をCCD(固体撮像素子)で電気的な信号に変換して、半導体記録メディアに記録したり、液晶ディスプレイ等の平面表示パネルからなる表示装置に表示できるようにしたものである。
このデジタルスチルカメラ100は、図31等に示すように、横長とされた筐体からなるカメラ本体101と、このカメラ本体101に回動可能に支持されたカメラ部102とから構成されている。カメラ部102には、被写体の像を光として取り込んで撮像手段としてのCCD4に導くレンズ装置1が設けられ、また、装置本体101には、CCD4から出力される映像信号に基づいて画像を表示する液晶ディスプレイ等の表示装置103と、レンズ装置1の動作や表示装置103の表示等を制御する制御装置104と、図示しないバッテリー電源等が設けられている。
カメラ本体101の長手方向である横方向の両端には、上方へ突出する第1及び第2の支柱部105,106が設けられており、両支柱部105,106の内側にカメラ部102を収納するためのレンズ系収納部107が形成されている。更に、装置本体101の第1の支柱部105側の側面の下部には、バッテリー収納部とメモリ収納部が側方へ開口するように設けられている。これらバッテリー収納部等は、装置本体101に回動自在に支持された開閉蓋108によって開閉自在とされている。バッテリー収納部には、例えばリチウム2次電池のようなバッテリー電源が着脱可能に収納される。また、メモリ収納部には、半導体メモリ(例えば、メモリスティック等)の外部記憶装置が着脱可能に収納される。
装置本体101の第1の支柱部105の上面には、撮影用のシャッタボタン110が設けられている。第1の支柱部105の側面の上部には、モード選択ダイヤル111と電源スイッチ112が配置されている。モード選択ダイヤル111はリング状をなしており、その穴内に電源スイッチ112が押圧操作可能に収納されている。モード選択ダイヤル111は、例えば、静止画を撮影するモードと、動画を撮影するモードと、撮影した画像を再生したり記録するモード等を選択的に切り換えることができる回転スイッチである。また、電源スイッチ112は、バッテリー電源等によって供給される電力をオン・オフ切り換えるスイッチである。
図32に示すように、装置本体101の背面には、表示手段である平面表示パネル(LCD)103と、コントロールボタン114と、ズームボタン115と、方向選択手段である操作スティック116と、オート水平ボタン117等が配置されている。平面表示パネル103は、カメラ部102から供給される画像信号に基づいて被写体に対応した被写体画像を表示するもので、カメラ本体101の背面の第2の支柱部106側に配置されている。
コントロールボタン114は、カメラ本体101内に内蔵された記憶装置等に記憶されているメニューの内容を選択するもので、平面表示パネル103の横に配置されている。これらに関連してコントロールボタン114の下部には、平面表示パネル103の表示をオン・オフ切り換える表示切換ボタン118と、メニューの表示内容を切り換えるメニュー切換ボタン119が配置されている。ズームボタン115は、撮影時及び再生時において、被写体に対応する画像を連続して拡大したり縮小したりするもので、第1の支柱部105の基部に配置されている。このズームボタン115の上側に操作スティック116とオート水平ボタン117が横並びに配置されている。
カメラ本体101のレンズ系収納部107内に収納されていて、その状態で第1及び第2の支柱部105,106間に両端支持されている。即ち、レンズ鏡筒3には、筒軸方向の両端からそれぞれ外側へ突出する筒軸部が設けられている。これらの筒軸部を第1及び第2の支柱部105,106の各軸受でそれぞれ回動自在に支持することにより、カメラ部102がカメラ本体101に回動自在に支持されている。このカメラ部102は、レンズ系収納部107の大きさ及び形状に見合う大きさ及び形状を有する筐体からなるレンズ鏡筒3と、このレンズ鏡筒3内に収納されたレンズ系2等から構成されている。
更に、レンズ鏡筒3は、レンズ装置1の対物レンズ7Aが配置される前面側が膨出されていて、その反対側は円弧状の曲面とされている。このレンズ鏡筒3の厚みはカメラ本体101の厚みと略同一とされており、装置本体101にレンズ鏡筒3を装着した状態において、全体が略フラットな面となるように構成されている。このとき、レンズ鏡筒3の膨出側である前面は、装置本体101のレンズ系収納部107に対応する形状とされている。これにより、カメラ部102を回動させると、その前面が装置本体101の表面から突出した状態となり、その突出状態で所定角度(例えば300度)回動可能とされている。このレンズ鏡筒3の前面には、レンズ装置1の対物レンズ7Aが配置され、背面にファインダ121が設けられている。更に、レンズ鏡筒3の前面には、フラッシュ装置の発光部122等が設けられている。
このカメラ部102は、カメラ本体101に内蔵された鏡筒回動手段によって電動で回動可能とされている。このような鏡筒回動手段としては、例えば、電動モータと、その動力を伝達するギア列等によって構成することができる。なお、装置本体101には、重力の方向を感知する重力感知手段を内蔵して設けることが好ましい。この重力感知手段としては、例えば、加速度センサやジャイロセンサその他の装置であって、重力の方向を機械的な方法で検出することができる各種のものを適用することができる。この重力感知手段で重力の方向を検出し、その検出信号に基づきカメラ部102の姿勢を制御することにより、重力方向に対してカメラ部102を、常に所定の方向に向けておくことができる。
図33は、前述した像ぶれ補正装置5(6)の制御概念を説明するブロック図である。制御部130は、像ぶれ補正演算部131とアナログサーボ部132と駆動回路部133と4つの増幅器(AMP)134A,134B,135A,135B等を備えて構成されている。像ぶれ補正演算部131には、第1の増幅器(AMP)134Aを介して第1のジャイロセンサ136が接続されていると共に、第2の増幅器(AMP)134Bを介して第2のジャイロセンサ137が接続されている。
第1のジャイロセンサ136は、カメラ本体101に付加された手ぶれ等による第1の方向Xの変位量を検出し、第2のジャイロセンサ137は、カメラ本体101に付加された手ぶれ等による第2の方向Yの変位量を検出するものである。この実施例では、2個のジャイロセンサを設けて第1の方向Xの変位量と第2の方向Yの変位量を個別に検出する例について説明したが、1個のジャイロセンサで第1の方向X及び第2の方向Yの2方向の変位量を検出する構成としてもよいことは勿論である。
像ぶれ補正演算部131にはアナログサーボ部132が接続されている。アナログサーボ部132は、像ぶれ補正演算部131により算出された値をデジタル値からアナログ値に変換し、そのアナログ値に対応した制御信号を出力するものである。アナログサーボ部132には駆動回路部133が接続されている。駆動回路部133には、第3の増幅器(AMP)135Aを介して第1の位置検出手段である第1のホール素子26が接続されると共に、第4の増幅器(AMP)135Bを介して第2の位置検出手段である第2のホール素子27が接続されている。更に、駆動回路部133には、第1の方向駆動コイルである第1のコイル57が接続されていると共に、第2の方向駆動コイルである第2のコイル58が接続されている。
第1のホール素子26によって検出された第1の移動枠21(21A)の第1の方向Xの変位量は、第3の増幅器135Aを介して駆動回路部133に入力される。また、第2のホール素子27によって検出された第2の移動枠22の第2の方向Yの変位量は、第4の増幅器135Bを介して駆動回路部133に入力される。これらの入力信号とアナログサーボ部132からの制御信号に基づいて駆動回路部133では、像ぶれを補正するように補正レンズ15を移動するため、第1のコイル57と第2のコイル58の一方又は両方に対して所定の制御信号を出力する。
図34は、前述したような構成及び作用を有する像ぶれ補正装置5(又は6)を備えたデジタルスチルカメラ100の概略構成の第1の実施の例を示すブロック図である。このデジタルスチルカメラ100は、像ぶれ補正装置5(又は6)を有するレンズ装置1と、制御装置の中心的役割をなす制御部140と、制御部140を駆動するためのプログラムメモリやデータメモリその他のRAMやROM等を有する記憶装置141と、電源のオン・オフや撮影モードの選択或いは撮影等のための各種の指令信号等を入力する操作部142と、撮影された映像等を表示する表示装置103と、記憶容量を拡大する外部メモリ143等を備えて構成されている。
制御部140は、例えば、マイクロコンピュータ(CPU)を有する演算回路等を備えて構成されている。この制御部140に、記憶装置141と操作部142とアナログ信号処理部144とデジタル信号処理部145と2つのA/D変換器146,147とD/A変換器148とタイミングジェネレータ(TG)149とが接続されている。アナログ信号処理部144は、レンズ装置1に取り付けられたCCD4に接続されており、CCD4から出力される撮影画像に対応したアナログ信号によって所定の信号処理を実行する。このアナログ信号処理部144は第1のA/D変換器146に接続されており、このA/D変換器146によって出力がデジタル信号に変換される。
第1のA/D変換器146にはデジタル信号処理部145が接続されており、第1のA/D変換器146から供給されたデジタル信号によって所定の信号処理を実行する。このデジタル信号処理部145には表示装置103と外部メモリ143が接続されており、その出力信号であるデジタル信号に基づいて、被写体に対応した画像が表示装置103に表示され、或いは外部メモリ143に記憶される。また、第2のA/D変換器147には、像ぶれ検出部の具体例を示すジャイロセンサ151が接続されている。このジャイロセンサ151によってデジタルスチルカメラ100の振れや揺れ等が検出され、その検出結果に応じて像ぶれ補正が実行される。
D/A変換器148には、像ぶれ補正のためのサーボ演算部である駆動制御部152が接続されている。駆動制御部152は、補正レンズ15の位置に応じて像ぶれ補正装置5(6)を駆動制御することにより像ぶれを補正するものである。駆動制御部152には、像ぶれ補正装置5(6)と、2つの移動枠21,22の位置を検出することによって補正レンズ15の位置を検出する位置検出部である第1の位置検出手段26と第2の位置検出手段27が接続されている。なお、タイミングジェネレータ(TG)149はCCD4と接続されている。
かくして、被写体の像がレンズ装置1のレンズ系2に入力されてCCD4の結像面に結像されると、その画像信号がアナログ信号として出力され、アナログ信号処理部144で所定の処理が実行された後、第1のA/D変換器146によってデジタル信号に変換される。第1のA/D変換器146からの出力は、デジタル信号処理部145で所定の処理が実行された後、被写体に対応した画像として表示装置103に表示され、或いは外部メモリ143に記憶情報として記憶される。
このような撮影状態において、像ぶれ補正装置5(又は6)が動作状態にあるものとして、デジタルスチルカメラ100に振れや揺れ等が生じると、ジャイロセンサ151がその振れや揺れ等を検出し、その検出信号を制御部140に出力する。これを受けて制御部140では、所定の演算処理を実行して、像ぶれ補正装置5(又は6)の動作を制御する制御信号を駆動制御部152に出力する。駆動制御部152では、制御部140からの制御信号に基づいて所定の駆動信号を像ぶれ補正装置5(又は6)に出力し、第1の移動枠21を第1の方向Xに所定量だけ移動すると共に、第2の移動枠22を第2の方向Yに所定量だけ移動する。これにより、補正レンズ15の移動を介して像ぶれを解消し、綺麗な画像を得ることができる。
図35は、前述したような構成及び作用を有する像ぶれ補正装置5(又は6)を備えたデジタルスチルカメラの概略構成の第2の実施の例を示すブロック図である。このデジタルスチルカメラ100Aは、像ぶれ補正装置5(又は6)を有するレンズ装置1と、制御装置の中心的役割をなす映像記録/再生回路部160と、映像記録/再生回路部160を駆動するためのプログラムメモリやデータメモリその他のRAMやROM等を有する内蔵メモリ161と、撮影された映像等を所定の信号に処理する映像信号処理部162と、撮影された映像等を表示する表示装置103Aと、記憶容量を拡大する外部メモリ164と、像ぶれ補正装置5を駆動制御する補正レンズ制御部165等を備えて構成されている。
映像記録/再生回路部160は、例えば、マイクロコンピュータ(CPU)を有する演算回路等を備えて構成されている。この映像記録/再生回路部160に、内蔵メモリ161と映像信号処理部162と補正レンズ制御部165とモニタ駆動部166と増幅器167と3つのインタフェース(I/F)171,172,173とが接続されている。映像信号処理部162は、レンズ装置1に取り付けられたCCD4に増幅器167を介して接続されており、所定の映像信号に処理された信号が映像記録/再生回路部160に入力される。
表示装置103Aは、モニタ駆動部166を介して映像記録/再生回路部160に接続されている。また、第1のインタフェース(I/F)171にはコネクタ168が接続されており、このコネクタ168に外部メモリ164が着脱自在に接続可能とされている。第2のインタフェース(I/F)172には、カメラ本体101Aに設けられた接続端子174が接続されている。
補正レンズ制御部165には、第3のインタフェース(I/F)173を介して像ぶれ検出部である加速度センサ175が接続されている。この加速度センサ175は、カメラ本体101Aに付加される振れや揺れ等による変位を加速度として検出するもので、ジャイロセンサを適用することができる。補正レンズ制御部165には、補正レンズ15を駆動制御する像ぶれ補正装置5(又は6)のレンズ駆動部200が接続されていると共に、その補正レンズ15の位置を検出する2つの位置検出センサ26,27が接続されている。
かくして、被写体の像がレンズ装置1のレンズ系2に入力されてCCD4の結像面に結像されると、その画像信号が増幅器167を介して映像信号処理部162に入力される。この映像信号処理部162で所定の映像信号に処理された信号が映像記録/再生回路部160に入力される。これにより、映像記録/再生回路部160から被写体の像に対応した信号がモニタ駆動部166、内蔵メモリ161若しくは外部メモリ164に出力される。その結果、モニタ駆動部166を介して表示装置103Aに被写体の像に対応した画像が表示され、或いは、必要により情報信号として内蔵メモリ161若しくは外部メモリ164に記録される。
このような撮影状態において、像ぶれ補正装置5(又は6)が動作状態にあるものとして、カメラ本体101Aに振れや揺れ等が生じると、加速度センサ175がその振れや揺れ等を検出し、その検出信号を補正レンズ制御部165を介して映像記録/再生回路部160に出力する。これを受けて映像記録/再生回路部160では、所定の演算処理を実行して、像ぶれ補正装置5(又は6)の動作を制御する制御信号を補正レンズ制御部165に出力する。この補正レンズ制御部165では、映像記録/再生回路部160からの制御信号に基づいて所定の駆動信号を像ぶれ補正装置5(又は6)に出力し、第1の移動枠21を第1の方向Xに所定量だけ移動すると共に、第2の移動枠22を第2の方向Yに所定量だけ移動する。これにより、補正レンズ15の移動を介して像ぶれを解消し、綺麗な画像を得ることができる。
以上説明したように、本発明の像ぶれ補正装置、レンズ装置及び撮像装置によれば、駆動手段が第1及び第2のコイルとマグネットを有し、その第1及び第2のコイルを、第1及び第2の推進力発生部により発生する推進力の方向を第1及び第2の方向に向けて移動枠又は支持枠に固定すると共に、マグネットの磁力により吸引される磁性部材を第1及び第2のコイルの近傍に配置する構成とした。そのため、ガイド軸と軸受部との間に生じる隙間に起因するガタツキを無くすことができ、これにより、補正レンズを保持する移動枠をスムースに移動できると共に、常に補正レンズを一定の姿勢に維持することができ、補正レンズの姿勢変化による光学性能の劣化を防止することができる。
また、移動枠が光軸センタにある状態で、磁性部材をマグネットに対向させると共に第1及び第2のコイルの推進力発生部の方向を第1及び第2の方向に設定したことにより、重力によって移動枠が重力方向へ滑り落ちる姿勢で使用する場合にも、マグネットの磁力で移動枠の移動を阻止し、その移動枠を所定位置に維持することができる。そのため、常にコイルに通電して移動枠を所定位置に維持しておく必要が無いから、電力の無駄な消費によるバッテリーの電力消費を抑制できると共に、通電による発熱を抑えて装置内部の温度上昇を抑制することができる。
更に、移動枠の位置検出をホール素子で行う場合に、磁性部材をホール素子の対向ヨーク側に重ね合せるように設けることにより、マグネットと対向ヨークで形成される磁場ばかりでなく、磁性部材とマグネットによる磁場を加えることができるため、ホール素子の出力を大きくすることができ、これにより、アンプ倍率を小さくして、無用なノイズの増幅を最小限に抑え、位置検出精度の悪化を防止することができる。
本発明は、前述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、前記実施例においては、撮像装置としてデジタルスチルカメラを適用した例について説明したが、デジタルビデオカメラは勿論のこと、カメラ付きパーソナルコンピュータ、カメラ付き携帯電話その他各種の撮像装置に適用できるものである。更に、レンズ装置1として5群レンズを用いた例について説明したが、4群レンズ以下であってもよく、また、6群レンズ以上のものに適用できることも勿論である。
1…レンズ装置、 2…レンズ系、 3…レンズ鏡筒、 4…CCD(撮像手段)、 5,5A,5B,5C,5D,6,6A,6B,6C,6D…像ぶれ補正装置、 7…1群レンズ、 7A…対物レンズ(第1のレンズ)、 8…2群レンズ、 11…5群レンズ、 15…補正レンズ、 21,21A…第1の移動枠、 21a…レンズ固定部、 21b、21c…ヨーク固定部、 21d、21e…コイル固定部、 22…第2の移動枠、 23,23A…固定基盤(支持枠)、 23a…ベース部、 23b,23c…コイル支持部、 23d,23e…ヨーク支持部、 24…第1の電動アクチュエータ(第1の駆動手段)、 25…第2の電動アクチュエータ(第2の駆動手段)、 26,27…ホール素子(位置検出手段)、 31…第1の主軸受部、 63…第1の副軸受部、 33…第1の主ガイド軸、 34…第1の軸受溝、 35…第1の副ガイド軸、 36A,36B…第1のヨーク、 36C,36D…第2のヨーク、 37A,37B…マグネット、 41…第2の主軸受部、 42…第2の副軸受部、 45…第3の主軸受部、 46…第3の副軸受部、 47…第2の主ガイド軸、 48…第2の軸受溝、 49…第2の副ガイド軸、 52…第4の主軸受部、 54…第4の副軸受部、 55A,55B…磁性板、 56…フレキシブル配線板、 57…第1のコイル(偏平コイル)、 57a,57b…推進力発生部、 58…第2のコイル(筒状コイル)、 61,62,64A,64B,65A,65B,66A,66B,67A,67B…マグネット(磁性部材)、 69A,69B…磁性部材、 100…デジタルスチルカメラ(撮像装置)、 101…カメラ本体、 X…第1の方向、 Y…第2の方向、 MA1,MA2…極境界線、 GL1,GL2…磁力線
Claims (7)
- 相対的に移動可能とされたコイルとマグネットを有する駆動手段を備え、
前記駆動手段により移動枠に保持された補正レンズを、レンズ系の光軸と直交する第1の方向及び当該第1の方向と直交する方向であって前記光軸とも直交する第2の方向に移動可能とし、前記補正レンズの光軸を前記レンズ系の光軸と一致させるように制御することにより像ぶれを補正可能とした像ぶれ補正装置であって、
前記コイル及び前記マグネットの一方を前記移動枠に固定すると共に他方を前記移動枠を移動可能に支持する支持枠に固定し、
前記駆動手段は、前記補正レンズを前記第1の方向に移動させる第1のコイルと、前記補正レンズを前記第2の方向に移動させる第2のコイルと、前記第1のコイル及び前記第2のコイルに磁力を付与するマグネットと、を有し、
前記第1のコイル及び前記第2のコイルは、前記マグネットの磁力の作用により各コイルの推進力発生部から発生する推進力が前記第1の方向及び前記第2の方向に向くようにそれぞれ配置し、
前記第1のコイル及び前記第2のコイルが固定される前記移動枠又は前記支持枠の当該第1のコイル及び第2のコイルの近傍に、前記マグネットに対して吸引され又は反発する磁性部材を設けたことを特徴とする像ぶれ補正装置。 - 前記マグネットは、N極とS極を平面方向に分割させて着磁した着磁パターンを有し、且つ、前記N極とS極の極境界線が略直線状に延在されたマグネットからなり、
前記磁性部材は、前記マグネットの磁力により吸引される鉄、鋼等の磁性体からなる金属材料、又は、鉄、鋼等の磁性体の粉末若しくは箔片等の磁性材料を含有した合成樹脂材料からなり、
前記マグネットの前記極境界線上に前記磁性部材を略対称に配置したことを特徴とする請求項1記載の像ぶれ補正装置。 - 前記マグネットは、N極とS極を平面方向に分割させて着磁した着磁パターンを有し、且つ、前記N極とS極の極境界線が略直線状に延在された駆動用マグネットからなり、
前記磁性部材は、N極とS極を平面方向に分割させて着磁した着磁パターンを有し、且つ、前記N極とS極の極境界線が略直線状に延在された姿勢制御用マグネットからなり、
前記駆動用マグネットの前記極境界線上に前記姿勢制御用マグネットの前記極境界線を略一致させて配置したことを特徴とする請求項1記載の像ぶれ補正装置。 - 前記第1のコイル及び前記第2のコイルは、平面的に巻回して略小判形又は略長方形とすることにより推進力を発生する第1の直線部と第2の直線部を設けた偏平コイルからなり、
前記第1のコイルの前記2つの直線部が延在する方向を前記第1の方向と直交する方向に配置すると共に前記第2のコイルの前記2つの直線部が延在する方向を前記第2の方向と直交する方向に配置し、
前記第1のコイル及び前記第2のコイルの、前記第1の直線部に前記マグネットの一方の極を臨ませると共に、前記第2の直線部に前記マグネットの他方の極を臨ませて前記第1のコイル及び前記第2のコイルに前記マグネットをそれぞれ対向させて配置したことを特徴とする請求項1記載の像ぶれ補正装置。 - 前記マグネットの磁力を検出することにより前記補正レンズの位置を検出するホール素子を、前記移動枠又は前記支持枠の前記第1のコイル及び前記第2のコイルの近傍において、その検出部を前記極境界線上に略一致させて設け、
前記ホール素子の上に前記磁性部材を配置したことを特徴とする請求項1記載の像ぶれ補正装置。 - 相対的に移動可能とされたコイルとマグネットを有する駆動手段を設け、
前記駆動手段により移動枠に保持された補正レンズを、レンズ系の光軸と直交する第1の方向及び当該第1の方向と直交する方向であって前記光軸とも直交する第2の方向に移動可能とし、前記補正レンズの光軸を前記レンズ系の光軸と一致させるように制御することにより像ぶれを補正可能とした像ぶれ補正装置を備えたレンズ装置であって、
前記像ぶれ補正装置は、
前記コイル及び前記マグネットの一方を前記移動枠に固定すると共に他方を前記移動枠を移動可能に支持する支持枠に固定し、
前記駆動手段は、前記補正レンズを前記第1の方向に移動させる第1のコイルと、前記補正レンズを前記第2の方向に移動させる第2のコイルと、前記第1のコイル及び前記第2のコイルに磁力を付与するマグネットと、を有し、
前記第1のコイル及び前記第2のコイルは、前記マグネットの磁力の作用により各コイルの推進力発生部から発生する推進力が前記第1の方向及び前記第2の方向に向くようにそれぞれ配置し、
前記第1のコイル及び前記第2のコイルが固定される前記移動枠又は前記支持枠の当該第1のコイル及び第2のコイルの近傍に、前記マグネットに対して吸引され又は反発する磁性部材を設けたことを特徴とするレンズ装置。 - 相対的に移動可能とされたコイルとマグネットを有する駆動手段を設け、
前記駆動手段により移動枠に保持された補正レンズを、レンズ系の光軸と直交する第1の方向及び当該第1の方向と直交する方向であって前記光軸とも直交する第2の方向に移動可能とし、前記補正レンズの光軸を前記レンズ系の光軸と一致させるように制御することにより像ぶれを補正可能とした像ぶれ補正装置を有するレンズ装置を備えた撮像装置であって、
前記像ぶれ補正装置は、
前記コイル及び前記マグネットの一方を前記移動枠に固定すると共に他方を前記移動枠を移動可能に支持する支持枠に固定し、
前記駆動手段は、前記補正レンズを前記第1の方向に移動させる第1のコイルと、前記補正レンズを前記第2の方向に移動させる第2のコイルと、前記第1のコイル及び前記第2のコイルに磁力を付与するマグネットと、を有し、
前記第1のコイル及び前記第2のコイルは、前記マグネットの磁力の作用により各コイルの推進力発生部から発生する推進力が前記第1の方向及び前記第2の方向に向くようにそれぞれ配置し、
前記第1のコイル及び前記第2のコイルが固定される前記移動枠又は前記支持枠の当該第1のコイル及び第2のコイルの近傍に、前記マグネットに対して吸引され又は反発する磁性部材を設けたことを特徴とする撮像装置。
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