JP2007127791A - 像ぶれ補正装置、レンズ装置及び撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】像ぶれ補正装置において、装置全体を小型化すると共に、補正レンズ駆動手段の部品点数を低減する。
【解決手段】補正レンズ15を第1の方向にガイドする第1のガイド手段と、第2の方向にガイドする第2のガイド手段と、補正レンズを移動させる第1の電動アクチュエータび第2の電動アクチュエータと、前記第1及び第2の電動アクチュエータと電源側部材とを電気的に接続するフレキシブル配線板87とを設け、前記第1及び第2の電動アクチュエータは、コイル88a、88b、91と、マグネット67a、67bと、ヨーク66とからなり、前記コイル88a、88b、91は、マグネットの磁力の作用により各コイルの推力発生部が第1の方向と第2の方向とに向くよう交差させて互いに重ね合わせるように配置した。
【選択図】図13

Description

本発明は、撮影時の振動等によって発生する像ぶれを補正する像ぶれ補正装置、その像ぶれ補正装置を有するレンズ装置、及びそのレンズ装置を備えたデジタルスチルカメラ、ビデオカメラ等の撮像装置に関するものである。
近年、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置の性能向上には目覚しいものがあり、高画質、高性能の静止画や動画の撮影が、誰にでも簡単に行うことが可能になった。このような撮像装置の性能向上は、レンズ、CCD(固体撮像素子)、画像処理回路の高性能化によるところが大である。
しかしながら、いくらレンズやCCD等の高性能化を図っても、カメラ(撮像装置)を支える手に震えや揺れが生じると、せっかくの高解像度とされた画面にぶれが発生し、像がぶれて写ってしまうことになる。そのため、比較的高価な一部のカメラにおいては、撮影時の手ぶれ等によって発生する像ぶれを補正する像ぶれ補正装置が搭載されている。ところが、本来像ぶれ補正を必要とするカメラは、撮影を職業とするプロが使用するような高級機種ではなく、むしろ撮影経験の少ない大多数の公衆が使用する普及モデルにこそ必要とされるものである。
また、一般に、カメラ(撮像装置)には小型化、軽量化の要望が強く、軽くて持ち易いカメラが好まれている。ところが、従来の像ぶれ補正装置は比較的大きなものであったため、これをカメラ本体に搭載すると、カメラ全体が大きなものとなり、小型化、軽量化の要望に反する結果となる。しかも、従来の像ぶれ補正装置には多数の部品が必要とされており、部品点数の増加によるコストアップが大きいという問題があった。
従来の、この種の像ぶれ補正装置としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。特許文献1には、比較的低い周波数の振動を検出して、これを像ブレ防止の情報として像ブレ防止を図るカメラ等に配置される防振装置に関するものが記載されている。この特許文献1に記載された防振装置(以下、「第1の従来例」という。)は、「レンズ群を保持するレンズ鏡筒内に配置され、前記レンズ群の光軸を偏心させる補正光学機構と、前記レンズ鏡筒に加わる振動を検出する振動検知手段と、該振動検知手段よりの信号に基づいて前記補正光学機構を駆動し、防振を行う防振制御手段とを備えたカメラ用防振装置において、前記補正光学機構は、補正レンズと、該補正レンズを固定する固定枠と、該固定枠を前記レンズ群の光軸方向とは異なる第1の方向に移動可能に保持する第1の保持枠と、該第1の保持枠を前記光軸方向及び前記第1の方向とは夫々異なる第2の方向に移動可能に保持する、前記レンズ鏡筒に固定される第2の保持枠と、前記第1,第2の保持枠を夫々第1,第2の方向に移動させる、第1,第2のコイル、該第1,第2のコイルに対向する第1,第2の磁界発生部材より成る第1,第2の駆動手段と、前記固定枠、前記第1の保持枠の第1,第2の方向への移動量を検出する第1,第2の位置検出手段とを具備しており、前記第1,第2の磁界発生部材と前記第1,第2の位置検出手段のうち少なくとも一方を、前記レンズレンズ鏡筒に固定された、前記第2の保持枠を含む固定部材に設けた」ことを特徴としている。
このような構成を有する特許文献1に記載の防振装置によれば、「コストアップしたり、大スペースを必要とすることなしに、高周波振動まで応答させることが可能になる」という効果が期待される。
従来の像ぶれ補正装置の他の例としては、例えば、特許文献2に記載されているようなものもある。特許文献2には、カメラ等の機器に生じる1Hzないし12Hz程度の周波数の振動(手ブレ)を検出してこれを像ブレ抑制の情報として像ブレ防止を図るカメラの像ブレ抑制装置に関するものが記載されている。この特許文献2に記載されたカメラの像ぶれ抑制装置(以下、「第2の従来例」という。)は、「レンズ鏡筒に生じた振動の検出情報に基づいて、像面上の像ブレ抑制に必要な光軸偏心のための補正量を求め、レンズ鏡筒に対し径方向に移動できるように浮動的に支持された補正光学系を、上記補正量に従って移動制御するカメラの像ブレ抑制装置であって、上記補正光学系の浮動的な支持は、光軸に直角な面内に定められた第1の方向に関し補正光学系を移動可能に支持するがその他の方向の移動は拘束する第1の保持枠と、上記面内で第1の方向とは異なる第2の方向に関し第2の保持枠を移動可能に支持するがその他の方向の移動は拘束する第2の保持枠とを有し、この第2の保持枠はレンズ鏡筒に固定されている」ことを特徴としている。
このような構成を有する特許文献2に記載のカメラの像ブレ抑制装置によれば、「像ブレ抑制時のピントズレの問題がないという効果がある。また、補正光学機構が光軸方向に関してその寸法を小さくして構成できるので、カメラの小型化が実現できる」という効果が期待される。
また、従来の像ぶれ補正装置の更に他の例としては、例えば、特許文献3に記載されているようなものもある。特許文献3には、光学機器のレンズ駆動装置に関するものが記載されている。この特許文献3に記載されたレンズ駆動装置(以下、「第3の従来例」という。)は、「レンズを保持するレンズ収納部を前記レンズの光軸に垂直な平面内の第1の方向に駆動する第1の駆動手段と、前記平面内の前記第1の方向と直交する第2の方向に駆動する第2の駆動手段とを備えたレンズ駆動装置であって、前記第1の駆動手段と前記第2の駆動手段が前記レンズの光軸と平行な軸に沿って配列されている」ことを特徴としている。
このような構成を有する特許文献3に記載のレンズ駆動装置によれば、「像のぶれを補正するための補正レンズを駆動するレンズ駆動装置の小型化が図られる」という効果が期待される。
特開平3−186823号公報 特開平3−188430号公報 特開平10−311995号公報
しかしながら、前記第1及び第2の従来例においては、像ぶれ補正装置の補正レンズの光軸と直交する方向の面積が大きなものとなり、レンズ装置及び撮像装置全体の大型化を招くばかりでなく、部品点数の大幅な増加によって大きなコストアップを招くという問題があった。即ち、第1及び第2の従来例では、補正レンズを有する固定枠が略四角形に形成されていて、その固定枠の長手方向の両外側に一対のヨーシャフトが配置され、幅方向の両外側に一対のピッチシャフトが配置されている。更に、固定枠の長手方向の両端部にはそれぞれピッチコイルが取り付けられており、各ピッチコイルは、マグネットとヨークにより構成される第1の磁気回路内に置かれている。
一対のピッチシャフトは第1の保持枠にそれぞれ両端支持されており、この一対のピッチシャフトに対して固定枠がピッチ方向へ移動可能に支持されている。また、一対のヨーシャフトは第1の保持枠にそれぞれ両端支持されており、この一対のヨーシャフトに、第2の保持枠に固定された一対のハウジングがそれぞれ摺動自在に嵌合されている。更に、第1の保持枠の一対のヨーシャフトの外側には一対のヨーコイルが取り付けられており、各ヨーコイルは、マグネットとヨークにより構成される第2の磁気回路内に置かれている。
かくして、第1の磁気回路のピッチコイルに電流を流すことにより、補正レンズを有する固定枠が第1の保持枠に対してピッチ方向に駆動される。また、第2の磁気回路のヨーコイルに電流を流すことにより、補正レンズを有する固定枠が第1の保持枠と一体的に第2の保持枠に対してヨー方向に駆動される。
ところが、第1及び第2の従来例の場合には、補正レンズを第1の方向(例えば、ピッチ方向)に駆動するためのアクチュエータ及び補正レンズを第2の方向(例えば、ヨー方向)に駆動するためのアクチュエータのそれぞれにマグネットとヨークが必要とされていた。そのため、上述したような装置全体の大型化を招くと共に、部品点数の増大によるコストアップの問題が生じている。
また、前記第3の従来例においては、補正レンズを第1の方向に駆動するための第1のアクチュエータのコイルと、その補正レンズを第2の方向に駆動するための第2のアクチュエータのコイルが共に、補正レンズの光軸と平行する方向に展開するように巻回された偏平コイルによって構成されていた。そのため、第1のアクチュエータのためのマグネット及びヨークと、第2のアクチュエータのためのマグネット及びヨークとが個別に必要な構成となっている一方、1つのヨークが2つのアクチュエータのヨークを兼ねていた。
その結果、第1及び第2の2方向におけるマグネットの磁束密度を1つのヨークで満たす必要があることから、2方向のマグネットの磁束密度を共に飽和させることができる2倍の厚みを有するセンターヨークを所定位置に設置する必要がある。そのため、この第3の従来例の場合にも第1及び第2の従来例と同様に、像ぶれ補正装置の補正レンズの光軸と直交する方向の面積が大きなものとなり、レンズ装置及び撮像装置全体の大型化を招くと共に、部品点数の大幅な増加によって大きなコストアップを招くという問題があった。
また、前記第1、第2及び第3の従来例においては、補正レンズを有する保持枠が、互いに直交する第1の方向と第2の方向に移動可能に案内支持されており、その案内支持手段として、それぞれが2組で一対をなすシャフトと軸受部との組み合わせによって構成されていた。この場合、保持枠が移動するためには、シャフトと軸受部との間に適当な大きさの隙間が必ず必要であることから移動時にガタを生じることになり、そのガタによってスムースな動きが困難になるばかりでなく、補正レンズの位置が一定しないという問題があった。
解決しようとする問題点は、従来の像ぶれ補正装置では、第1の方向と第2の方向に補正レンズをガイド手段に沿って移動させる駆動手段が光軸方向から見て別々に設ける必要があった。そのため、装置全体が大型化されると共に、部品点数の増大によるコストアップを招く、という点である。
また、補正レンズを有する保持枠が、それぞれが2組で一対をなすシャフトと軸受部との組み合わせからなる支持手段によって案内支持されていたため、シャフトと軸受部との間に生じるガタによって保持枠をスムースに移動させることができないばかりでなく、補正レンズの位置が一定しない、という点である。
本発明の像ぶれ補正装置は、レンズ系の光軸と直交する方向に移動可能に支持された補正レンズと、その補正レンズを光軸と直交する第1の方向にガイドする第1のガイド手段と、補正レンズを光軸と直交する方向であって、第1の方向とも直交する第2の方向にガイドする第2のガイド手段と、補正レンズを第1のガイド手段に沿って移動させる第1の電動アクチュエータと、補正レンズを第2のガイド手段に沿って移動させる第2の電動アクチュエータと、第1の電動アクチュエータ及び第2の電動アクチュエータと電源又は電源に接続された電源側部材とを電気的に接続するフレキシブル配線板と、を設け、第1の電動アクチュエータ及び第2の電動アクチュエータは、2つのコイルと、2つのコイルに磁力を付与するマグネットと、そのマグネットを支持するヨークとからなり、2つのコイルは、マグネットの磁力の作用により各コイルの推力発生部が第1の方向と第2の方向とに向くよう交差させて互いに重ね合わせるように配置したことを最も主要な特徴とする。
本発明のレンズ装置は、同一光軸上に複数のレンズを配置したレンズ系と、複数のレンズを固定又は移動可能に支持するレンズ鏡筒と、レンズ系の像ぶれを補正する像ぶれ補正装置と、を備えたレンズ装置において、像ぶれ補正装置は、レンズ系の光軸と直交する方向に移動可能に支持された補正レンズと、その補正レンズを光軸と直交する第1の方向にガイドする第1のガイド手段と、補正レンズを光軸と直交する方向であって、第1の方向とも直交する第2の方向にガイドする第2のガイド手段と、補正レンズを第1のガイド手段に沿って移動させる第1の電動アクチュエータと、補正レンズを第2のガイド手段に沿って移動させる第2の電動アクチュエータと、第1の電動アクチュエータ及び第2の電動アクチュエータと電源又は電源に接続された電源側部材とを電気的に接続するフレキシブル配線板と、を設け、第1の電動アクチュエータ及び第2の電動アクチュエータは、2つのコイルと、2つのコイルに磁力を付与するマグネットと、そのマグネットを支持するヨークとからなり、2つのコイルは、マグネットの磁力の作用により各コイルの推力発生部が第1の方向と第2の方向とに向くよう交差させて互いに重ね合わせるように配置したことを特徴とする。
また、本発明の撮像装置は、同一光軸上に複数のレンズを配置すると共に、複数のレンズをレンズ鏡筒によって固定又は移動可能に支持したレンズ装置と、そのレンズ装置の像ぶれを補正する像ぶれ補正装置と、を備えた撮像装置において、像ぶれ補正装置は、レンズ系の光軸と直交する方向に移動可能に支持された補正レンズと、その補正レンズを光軸と直交する第1の方向にガイドする第1のガイド手段と、補正レンズを光軸と直交する方向であって、第1の方向とも直交する第2の方向にガイドする第2のガイド手段と、補正レンズを第1のガイド手段に沿って移動させる第1の電動アクチュエータと、補正レンズを第2のガイド手段に沿って移動させる第2の電動アクチュエータと、第1の電動アクチュエータ及び第2の電動アクチュエータと電源又は電源に接続された電源側部材とを電気的に接続するフレキシブル配線板と、を設け、第1の電動アクチュエータ及び第2の電動アクチュエータは、2つのコイルと、2つのコイルに磁力を付与するマグネットと、そのマグネットを支持するヨークとからなり、2つのコイルは、マグネットの磁力の作用により各コイルの推力発生部が第1の方向と第2の方向とに向くよう交差させて互いに重ね合わせるように配置したことを特徴とする。
本発明の像ぶれ補正装置、レンズ装置及び撮像装置によれば、補正レンズを第1の方向へ移動させる第1の電動アクチュエータが第1のコイルとマグネットとヨークとからなり、補正レンズを第2の方向へ移動させる第2の電動アクチュエータが第2のコイルとマグネットとヨークとからなっていて、1組のマグネットとヨークが2つの駆動手段のマグネットとヨークを兼ねている。そのため、部品点数の削減を図ることができると共に、装置の小型・軽量化を図ることができ、構造が比較的簡単でありながら高精度な像ぶれ補正を実現できる像ぶれ補正装置、レンズ装置及び撮像装置を提供することができる。
また、本発明の像ぶれ補正装置、レンズ装置及び撮像装置によれば、フレキシブル配線板をU字状に湾曲させて第1のガイド手段と固定基盤、又は鏡筒等の固定基盤が固定されている固定部の間に、反発力で光軸方向に付勢をかけるようにして補正レンズを光軸方向へ付勢する構成としたため、シャフトと軸受部との間に生じる隙間に起因するガタツキを無くすことができる。これにより、補正レンズを保持する移動枠をスムースに移動できると共に、常に補正レンズを一定の姿勢に保持することができ、補正レンズの姿勢変化による光学性能の劣化を防止することができる。更に、U字状に屈曲させる部分の両端又は一端を半円状にくびれさせ、他の部分よりも細くして柔軟性を持たせることにより、フレキシブル配線板の配線方向と直交する方向の第2の方向への第1のガイド手段の移動をフレキシブル(柔軟)に行うことができる。
2つのコイルとマグネットとヨークとで第1の駆動手段と第2の駆動手段を構成すると共に、2つのコイルの推力発生部を、補正レンズが移動する第1の方向とこれと直交する第2の方向とに向くよう交差させて互いに重ね合わせるように配置することにより、高精度な像ぶれ補正を実現できる像ぶれ補正装置、レンズ装置及び撮像装置を、簡単な構成によって実現した。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。図1〜図53は、本発明の実施の形態の例を説明するものである。即ち、図1は本発明のレンズ装置の第1の実施の例を正面側から見た斜視図、図2は背面側から見た斜視図、図3は正面図、図4は背面図、図5は左側面図、図6は右側面図、図7は平面図、図8は底面図、図9は図5のM−M線断面図、図10は図3のN−N線断面図、図11は分解斜視図、図12はレンズ系の説明図である。
図13は本発明の像ぶれ補正装置の第1の実施の例とその装置カバーを示す正面側から見た斜視図、図14は像ぶれ補正装置と装置カバーの組立斜視図、図15は像ぶれ補正装置と装置カバーの分解斜視図、図16は像ぶれ補正装置の分解斜視図、図17は同じく平面図、図18は同じく正面図、図19は同じく左側面図、図20はフレキシブル配線板の接続状態を示す平面図、図21は同じく正面図、図22は同じく左側面図、図23は電動アクチュエータの平面図、図24は同じく正面図、図25は同じく左側面図、図26はコイル組立体の分解斜視図、図27はコイル組立体の斜視図、図28はマグネットとヨークの分解斜視図、図29はフレキシブル配線板の反発力を説明する像ぶれ補正装置の正面図、図30は同じく左側面図である。
図31は像ぶれ補正装置に係るフレキシブル配線板の第1の接続状態を示す平面図、図32は同じく左側面図、図33は同じくフレキシブル配線板の第2の接続状態を示す平面図、図34は同じく正面図、図35は同じく左側面図、図36は同じくフレキシブル配線板の反発力を説明する正面図、図37は同じく左側面図である。図38は電動アクチュエータの取付状態の変形例を示す平面図、図39は像ぶれ補正装置の第2の実施の例を示す平面図、図40は電動アクチュエータの第2の実施の例を示す斜視図、図41は同じく平面図、図42は同じく正面図、図43は同じく左側面図、図44はコイル組立体の斜視図、図45はマグネットとヨークの斜視図である。
図46は本発明の撮像装置の第1の実施の例を示すデジタルスチルカメラの分解斜視図、図47はデジタルスチルカメラを正面側から見た斜視図、図48はレンズカバーを移動させて対物レンズを露出した斜視図、図49は同じく背面図、図50は同じく平面図、図51は本発明の像ぶれ補正装置の制御概念を説明するブロック図、図52は本発明に係る撮像装置の概略構成の第1の実施の例を示すブロック図、図53は同じく撮像装置の概略構成の第2の実施の例を示すブロック図である。
図1〜図11に示すように、本発明のレンズ装置の第1の実施の例を示すレンズ装置1は、同一の光軸L上に複数のレンズを配置した5群レンズを有するレンズ系2と、このレンズ系2のレンズを固定し又は移動可能に支持するレンズ鏡筒3と、レンズ系2の光軸L上に配置されると共にレンズ鏡筒3に固定された撮像手段の一具体例を示すCCD(固体撮像素子)4と、レンズ鏡筒3に装着されると共にレンズ系2の像ぶれを補正する像ぶれ補正装置5等を備えて構成されている。
レンズ装置1のレンズ系2は、図12に示すように、5組のレンズ群を同一光軸L上に配置した5群レンズ7〜11からなる折り曲げ式レンズとして構成されている。5群レンズ7〜11のうち、先端側に位置する1群レンズ7は、被写体に対向される対物レンズである第1のレンズ7Aと、この対物レンズ7Aの被写体と反対側に配置されたプリズム7Bと、このプリズム7Bに対向される第2のレンズ7Cとによって構成されている。プリズム7Bは、断面形状が直角二等辺三角形をなす三角柱体からなり、90度回転変位した位置に隣り合う2つの面の一方に対物レンズ7Aが対向され、他方の面に第2のレンズ7Cが対向されている。
この1群レンズ7では、対物レンズ7Aを透過して一面からプリズム7Bに入射した光は、光軸Lに対して45度に傾斜した反射面で反射されて進行方向が90度折り曲げられ、他面から出射されて第2のレンズ7Cを透過して、光軸Lに沿って2群レンズ8に向かって進行する。2群レンズ8は、第3のレンズ8Aと第4のレンズ8Bとの組み合わせからなり、光軸L上を移動可能に構成されている。2群レンズ8を透過した光は、3群レンズ9に入射される。
3群レンズ9は、レンズ鏡筒3に固定される第5のレンズからなっている。3群レンズ9の後方には、第6のレンズからなる4群レンズ10が配置されている。この4群レンズ10と3群レンズ9の間には、レンズ系2を通過する光の量を調整可能な絞り機構12が配置されている。4群レンズ10は、光軸L上を移動可能に構成されている。4群レンズ10の後方には、第7のレンズ11Aと後述する補正レンズ15とからなる5群レンズ11が配置されている。5群レンズ11のうち、第7のレンズ11Aはレンズ鏡筒3に固定されており、この第7のレンズ11Aの後方に補正レンズ15が移動可能に配置され、更に、補正レンズ15の後方にCCD4が配置されている。
2群レンズ8と4群レンズ10は、それぞれ別個独立に光軸Lに沿って光軸方向へ移動可能とされている。この2群レンズ8と4群レンズ10を所定方向へ移動させることにより、ズーム調整とフォーカス調整を行うことができる。即ち、ズーム時には、2群レンズ8と4群レンズ10をワイド(広角)からテレ(望遠)まで移動することによってズーム調整が実行される。また、フォーカス時には、4群レンズ10をワイド(広角)からテレ(望遠)まで移動することによってフォーカス調整を実行することができる。
CCD4はCCD用アダプタに固定されており、このCCD用アダプタを介してレンズ鏡筒3に取り付けられている。CCD4の前側には光学フィルタ14が配置されており、この光学フィルタ14と第7のレンズ11Aとの間に、補正レンズ15を有する像ぶれ補正装置5が配設されている。後に詳細に説明する像ぶれ補正装置5は、レンズ系2の振動等による撮影画像のぶれを補正するためのものである。補正レンズ15は、通常の状態では、その光軸をレンズ系2の光軸Lと一致させるように取り付けられている。そして、カメラ本体の振動等によってCCD4の結像面に像ぶれが生じたときに、像ぶれ補正装置5が補正レンズ15を光軸Lと直交する2方向(第1の方向X及び第2の方向Y)に移動させて結像面の像ぶれを補正するようにしている。
このような構成を有するレンズ系2を保持するレンズ鏡筒3は、図1〜図11に示すように、上下方向に重ね合わされて組立結合される上部鏡筒16と中間鏡筒17と下部鏡筒18とから構成されている。上部鏡筒16は、正面の上部に開口された開口窓19と、下面に開口された開口部を有する筐体からなる。開口窓19には1群レンズ7の対物レンズである第1のレンズ7Aが装着され、その前面に装着される化粧板21により、対物レンズ7Aが上部鏡筒16に取り付けられている。上部鏡筒16の内部には、対物レンズ7Aの背面に遮光板22を介して配置されたプリズム7Bと、このプリズム7Bの下面に配置された第2のレンズ7Cが固定されている。
この上部鏡筒16の内部には、レンズ鏡筒3の上下方向に延在されるレンズ系2の光軸Lと平行をなす上下方向へ移動可能に第1の移動保持枠23が支持されている。第1の移動保持枠23には、上下方向に貫通する貫通穴が設けられており、その貫通穴に2群レンズ8が固定されている。第1の移動保持枠23は、上部鏡筒16に取り付けられたズーム駆動機構24により、レンズ系2の光軸L方向へ所定範囲内で進退移動可能に構成されている。
ズーム駆動機構24は、ズーム用モータ25と、このズーム用モータ25の回転軸として設けられた送りねじ軸26と、この送りねじ軸26に係合される送りナット27等を備えて構成されている。ズーム用モータ25は、コ字状に形成された第1のブラケット28に固定されており、その一端に突出した送りねじ軸26の両端部が第1のブラケット28によって回動自在に両端支持されている。第1のブラケット28は、固着手段の一具体例を示す複数本(本実施例では2本)の固定ねじ29aによって上部鏡筒16に取り付けられている。
この第1のブラケット28の取付状態において、送りねじ軸26には送りナット27が摺動可能に係合されている。送りナット27は、そのねじ溝が延在する方向への移動を規制した状態で第1の移動保持枠23に保持されている。更に、第1の移動保持枠23には、光軸Lと平行をなす方向に2本のガイド軸31a,31bが摺動可能に貫通されている。両ガイド軸31a,31bの一端は上部鏡筒16に保持されており、他端は中間鏡筒17に保持されている。
かくして、ズーム用モータ25を駆動すると、送りねじ軸26の回転力が送りナット27を介して第1の移動保持枠23に伝達される。このとき、所定位置で回転駆動される送りねじ軸26に対して、その軸方向へ送りナット27が相対的に移動することになる。その結果、送りナット27と一体的に第1の移動保持枠23が移動することになり、これにより、ズーム用モータ25の回転方向に応じて2群レンズ8が、1群レンズ7に近づく方向と3群レンズ9に近づく方向とに選択的に移動される。このとき、2群レンズ8を保持する第1の移動保持枠23は、2本のガイド軸31a,31bによって光軸Lと平行する方向にガイドされているため、その光軸L上を精度よく移動することができる。
中間鏡筒17に固定保持された3群レンズ9の下方に配置された絞り機構12は、開口面積を調整自在とされた羽根部材32と、この羽根部材32を移動可能に支持する羽根押え板33と、羽根部材32を開閉動作させるステップモータ34等によって構成されている。ステップモータ34は、モータベース35を介して中間鏡筒17の上面側部に固定されている。下部鏡筒18の上に中間鏡筒17が重ね合わされ、中間鏡筒17の上に上部鏡筒16が重ね合わされていて、これら3つの鏡筒が、これらを上下方向に貫通する複数本(本実施例では3本)の固定ねじ29bにより締付固定され、一体的に組み立てられてレンズ鏡筒3が構成されている。
下部鏡筒18は、上面と側面と下面とに開口された筐体からなり、その内部には、レンズ系2の光軸Lと平行である上下方向へ移動可能に第2の移動保持枠36が支持されている。第2の移動保持枠36には、上下方向に貫通する貫通穴が設けられており、その貫通穴には4群レンズ10が固定されている。第2の移動保持枠36は、下部鏡筒18に取り付けられたフォーカス駆動機構37により、レンズ系2の光軸L方向へ所定範囲内で進退移動可能に構成されている。
フォーカス駆動機構37は、フォーカス用モータ38と、このフォーカス用モータ38の回転軸として設けられた送りねじ軸39と、この送りねじ軸39に係合される送りナット41等を備えて構成されている。フォーカス用モータ38は、コ字状に形成された第2のブラケット42に固定されており、その一端に突出した送りねじ軸39の両端部が第2のブラケット42によって回動自在に両端支持されている。第2のブラケット42は、固着手段である複数本(本実施例では2本)の固定ねじ29cによって下部鏡筒18に取り付けられている。
この第2のブラケット42の取付状態において、送りねじ軸39には送りナット41が摺動可能に係合されている。送りナット41は、そのねじ溝が延在する方向への移動を規制した状態で第2の移動保持枠36に保持されている。更に、第2の移動保持枠36には、光軸Lと平行をなす方向に2本のガイド軸43(図11では1本のみを示す。)が摺動可能に貫通されている。2本のガイド軸43の一端は中間鏡筒17に保持されており、他端は下部鏡筒18に保持されている。
かくして、フォーカス用モータ38を駆動すると、送りねじ軸39の回転力が送りナット41を介して第2の移動保持枠36に伝達される。このとき、所定位置で回転駆動される送りねじ軸39に対して、その軸方向へ送りナット41が相対的に移動することになる。その結果、送りナット41と一体的に第2の移動保持枠36が移動することになり、これにより、フォーカス用モータ38の回転方向に応じて4群レンズ10が、3群レンズ9に近づく方向と5群レンズ11に近づく方向とに選択的に移動される。このとき、4群レンズ10を保持する第2の移動保持枠36は、2本のガイド軸43によって光軸Lと平行する方向にガイドされているため、その光軸L上を精度よく移動することができる。
下部鏡筒18の下面に、CCD用アダプタ44を介してCCD4が取り付けられている。CCD用アダプタ44は、中央部に四角形の開口穴が設けられた板体からなり、その一面に、四角形の枠状に形成されたシールゴム45を介してCCD4が接着剤等の固着手段によって一体的に固着されている。CCD用アダプタ44の他方の面には、光学フィルタ14が重ね合わされた遮光板46が配置されており、これらがフィルタ押え板47で押えられて固定されている。そして、光学フィルタ14を内側に配置した状態で、CCD用アダプタ44が固定ねじ等の固着手段によって下部鏡筒18に取り付けられている。
この下部鏡筒18の側面に開口した開口部48には、像ぶれ補正装置5が着脱可能に装着されている。像ぶれ補正装置5は、図13〜図28に示すような構成を備えて構成されている。この像ぶれ補正装置5は、上述した補正レンズ15と、この補正レンズ15を支持する第1の移動枠51と、この第1の移動枠51をレンズ系2の光軸Lと直交する第1の方向Xへ移動可能に支持する第2の移動枠52と、この第2の移動枠52を光軸Lと直交する方向であって第1の方向Xとも直交する第2の方向Yへ移動可能に支持する固定基盤53と、第1の移動枠51を第1の方向Xへ移動させると共に第2の移動枠52を第2の方向Yへ移動させる駆動手段の一具体例を示す電動アクチュエータ54と、補正レンズ15の位置を検出する位置検出手段55等を備えて構成されている。
補正レンズ15は、後述するカメラ本体に手の震えや揺れが生じたときに、そのときの像ぶれ量に対応してその位置を第1の方向X及び/又は第2の方向Yに移動させて像ぶれを補正するものである。図15及び図16に示すように、補正レンズ15の外周縁には、一面側において周方向に延在された段部15aが設けられている。更に、補正レンズ15の外周縁には、直径方向に対応する2箇所に切欠きを設けることによって二面幅部15b,15bが形成されている。この補正レンズ15は、第1の移動枠51に固定されている。
図15〜図17等に示すように、第1の移動枠51は、補正レンズ15が嵌合されるリング状に形成されたレンズ固定部51aと、このレンズ固定部51aの一側に連続してクランク状に折り曲げ形成され且つコイル組立体93が固定されるコイル固定部51b等によって構成されている。レンズ固定部51aは、補正レンズ15の形状に対応した形状を有しており、補正レンズ15が嵌り合う嵌合穴58を有している。レンズ固定部51aの嵌合穴58の周縁には、補正レンズ15の段部15aと係合される段部が設けられている。更に、レンズ固定部51aは、補正レンズ15の二面幅部15bに対応した二面幅部51c,51cを有しており、その二面幅部51c,51cが対向する方向(第2の方向Y)と直交する方向(第1の方向X)の一側にヨーク固定部51bが連続されている。
レンズ固定部51aの二面幅部51c,51cの外側には、第1の主軸受部61と第1の副軸受部62が設けられている。第1の主軸受部61は、第1の方向Xに所定の間隔をあけて設けた2つの軸受片61a,61bを有しており、両軸受片61a,61bには第1の主ガイド軸63が第1の方向Xに貫通されている。第1の主ガイド軸63は、両軸受片61a,61bに圧入固定されていて、その両端部が軸受片61a,61bからそれぞれ外側に突出されている。第1の副軸受部62には、側方に開口された軸受溝64が設けられている。この軸受溝64には、第1の副ガイド軸65が摺動可能に係合される。
また、第1の移動枠51のコイル固定部51bには、補正レンズ15を第1の方向X及び第2の方向Yに移動する駆動手段の一具体例を示す電動アクチュエータ54の一部を構成するコイル組立体93が一体的に取り付けられている。コイル組立体93は、図26及び図27に示すように、薄い板状の磁性体を有する磁性板86と、この磁性板86の一面である上面に固定された偏平コイル88と、磁性板86の他面である下面に固定された筒状コイル91とからなり、磁性板86と筒状コイル91の間にはフレキシブル配線板87の一端が介在されている。磁性板86は、上面及び下面に所定の配線回路が印刷成形された配線基板からなり、フレキシブル配線板87の配線回路と電気的に接続されている。この磁性板86は、フレキシブル配線板87を補強する役割と、第1の移動枠51を支持する部分のガタツキを無くす役割を有している。
この磁性板86の上面に、平面的に巻回された偏平コイル88が搭載され、フレキシブル配線板87に設けた所定の配線パターンと電気的に接続されている。偏平コイル88は、楕円形をなす2つのコイル部88a,88bを横並びに配置した形状をなしている。2つのコイル部88a,88bは、その幅方向の長さは略同一であるが、長手方向の長さが異なるように形成されている。2つのコイル部88a,88bの長さを異ならせた理由は、長さの短いコイル部88bの外側にヨーク66の連結片66cを配置できるようにすることにより、偏平コイル88の平面側の面積を広く確保しつつ補正レンズ15に接近させて、電動アクチュエータ54全体の小型化を達成できるようにしたことによるものである。
2つのコイル部88a,88bは、1本のコイル線を巻回することによって形成されていると共に、幅方向に隣り合う長辺側の互いに真っ直ぐに延びた推力発生部89a,89bにおいて通電時には同じ方向へ電流が流れるように巻き方向が設定されている。この偏平コイル88は、2つのコイル部88a,88bの長手方向を第2の方向Yに向けた状態で各コイル部88a,88bが、接着剤による固着手段によって磁性板86に固定されている。
この磁性板86の下面に固定されたフレキシブル配線板87の下面には筒状コイル91が取り付けられており、その筒状コイル91の両端がフレキシブル配線板87に設けた所定の配線パターンと電気的に接続されている。筒状コイル91は、図26及び図27等に示すように、全体が長方形の筒体をなすよう中央部に長方形の空間部を設けると共に、積層方向に所定の厚みができるよう所定量を巻回することによって角筒状に形成されている。この筒状コイル91は、そのコイル線が延在する方向を第1の方向Xに向けた状態で推力発生部92が、接着剤による固着手段によってフレキシブル配線板87に固定されている。
筒状コイル91の中央の空間部には、ヨーク66の下部片66bと、これと一体に固着された下部マグネット67bが挿入される。ヨーク66は、図16及び図28等に示すように、所定間隔あけて平行に対向された上部片66a及び下部片66bと、上下両片66a,66b間を連結する連結片66cとからなる。連結片66cは、上下両片66a,66bの長手方向の一側に設けられており、これにより連結片66cの側方に、第1の移動枠51のヨーク固定部51bの一部を差し込むための切欠き66dを形成している。ヨーク66の切欠き66dは、コイル組立体93を補助レンズ15により近づけることを目的として設けたもので、この切欠き66dによって電動アクチュエータ54をより小型化させることが可能となった。
ヨーク66の上部片66aと下部片66bのそれぞれ内面には、これらと略同じ大きさを有する長方形をなす偏平のマグネット67a,67bが接着剤等の固着手段によって固定されている。これら上下に対向された2つのマグネット67a,67bとヨーク66とにより電動アクチュエータ54のための磁気回路が構成されている。即ち、1つのヨーク66と2つのマグネット67a,67bとからなる1組の磁気回路部材が、偏平コイル88による第1の電動アクチュエータ54Aのための磁気回路と、筒状コイル91による第2の電動アクチュエータ54Bのための磁気回路を兼用している。
更に、ヨーク66の上下両片66a,66bの各先端には、マグネット67a,67bが延在された方向に突出する突起部69a,69bが設けられている。これらの突起部69a,69bは、マグネット67a,67bの磁力をヨーク66側に積極的に逃がすことを主目的として設けたものである。即ち、マグネット67a,67bの磁力をヨーク66側に積極的に逃がすことにより、マグネット67a,67bの端部の磁界と中央部の磁界をより均一とする(均一化)ことが可能となり、位置検出における第1の方向Xと第2の方向Yとの相互干渉を小さくすることができる。また、各突起部69a,69bの内面には、マグネット67a,67bの互いに直交する方向に展開された2つの平面が接触し又は接近されている。これら突起部69a,69bの形状は、この実施例のように長方形若しくは正方形として形成することができるが、その他の形状、例えば、半円形、半楕円形、三角形その他の形状であってもよいことは勿論である。
かくして、第1の電動アクチュエータ54Aの2つのコイル部88a,88bに電流を流すと、マグネット67a,67bによる磁力が偏平コイル88と垂直をなす方向に作用しているため、フレミングの左手の法則により、第1の方向Xに向かう力がマグネット67a,67b側に作用することになる。また、第2の電動アクチュエータ54Bの筒状コイル91に電流を流すと、マグネット67a,67bによる磁力が推力発生部92と垂直をなす方向に作用しているため、フレミングの左手の法則により、第2の方向Yに向かう力がマグネット67a,67b側に作用することになる。
前記磁性板86とフレキシブル配線板87と偏平コイル88と筒状コイル91によってコイル組立体93が構成されている。このコイル組立体93とヨーク66と2つのマグネット67a,67bによって電動アクチュエータ54が構成されている。そして、2つのコイル部88a,88bからなる偏平コイル88とヨーク66及びマグネット67a,67bの組み合わせによって第1の電動アクチュエータ54Aが構成され、筒状コイル91とヨーク66及びマグネット67a,67bの組み合わせによって第2の電動アクチュエータ54Bが構成されている。なお、ヨーク66は、後述する固定基盤53のヨーク固定部53bに接着剤や固定ねじ等の固着手段によって固定されている。
図15及び図16に示すように、第2の移動枠52は、第1の移動枠51よりも少々幅広の偏平な板体からなる。第2の移動枠52は、第1の移動枠51の下に重ね合わせるように対向されて組み立てられる。第2の移動枠52の第1の移動枠51の嵌合穴58と対応する位置には、同程度の大きさを有する貫通穴68が設けられている。この第2の移動枠52の上面には、第1の移動枠51を第1の方向Xへ摺動可能に支持するための第2の軸受部が設けられている。
第2の軸受部は、第1の移動枠51に固定された第1の主ガイド軸63を摺動自在に支持する第2の主軸受部71と、第1の副ガイド軸65を固定支持する第2の副軸受部72とから構成されている。第2の主軸受部71は、第2の移動枠52に第1の移動枠51を重ね合わせた状態において、第1の主ガイド軸63の両端部を支持可能な位置に設けられている。即ち、第2の主軸受部71は、第1の主ガイド軸63の両端部を支持する2つの軸受片71a,71bからなり、第2の移動枠52の上面に上方へ突出するように設けられている。
第2の主軸受部71の2つの軸受片71a,71bは、第1の主軸受部61の第1の方向Xの長さに第1の移動枠51が第1の方向Xへ移動するために必要な長さを加えた距離だけ離間させて形成されている。2つの軸受片71a,71bには軸受孔がそれぞれ設けられており、それらの軸受孔に第1の主ガイド軸63の両端部がそれぞれ摺動可能に挿通されている。
また、第2の副軸受部72は、第2の移動枠52に第1の移動枠51を重ね合わせた状態において、第1の副軸受部62と対応する位置に設けられている。即ち、第2の副軸受部72は、第1の副ガイド軸65の両端部を支持する2つの軸受片72a,72bからなる。2つの軸受片72a,72bには軸受孔がそれぞれ設けられており、それらの軸受孔に第1の副ガイド軸65の両端部がそれぞれ圧入固定されている。この第1の副ガイド軸65が、第1の移動枠51の第1の副軸受部62に設けた軸受溝64に摺動自在に挿通されている。第1の副ガイド軸65と第1の主ガイド軸63とは、互いの軸心線が平行となるように設定されており、両ガイド軸63,65にガイドされて、第1の移動枠51が第1の方向Xに移動可能に構成されている。
第2の移動枠52の下面には、第2の移動枠52を第1の方向Xと直交する第2の方向Yへ摺動可能に支持するための第3の軸受部が設けられている。第3の軸受部は、第3の主軸受部75と第3の副軸受部76とから構成されている。第3の主軸受部75は、第2の移動枠52の第1の方向Xの一方の端部であって、第2の方向Yに所定間隔あけて設けた2つの2つの軸受片75a,75bからなり、第2の移動枠52の下面に下方へ突出するように設けられている。2つの軸受片75a,75bには軸受孔がそれぞれ設けられており、それらの軸受孔には第2の方向Yに延在された第2の主ガイド軸77の両端部がそれぞれ摺動可能に挿通されている。
また、第3の副軸受部76は、第2の移動枠52の第1の方向Xの他方の端部の略中央部に設けられている。この第3の副軸受部76には、側方に開口された軸受溝78が設けられている。この軸受溝78には、第1の方向Xと直交する第2の方向Yに延在された第2の副ガイド軸79が摺動可能に係合される。第2の主ガイド軸77及び第2の副ガイド軸79は、それぞれ固定基盤53に固定されている。この固定基盤53の上に重ね合わせるように対向されて第2の移動枠52が組み立てられる。
固定基盤53は、図15及び図16等に示すように、第2の移動枠52に対応した大きさを有する移動枠支持部53aと、この移動枠支持部53aに連続して一体に設けられたヨーク固定部53b等によって構成されている。固定基盤53の移動枠支持部53aは、第2の移動枠52と略同じ大きさを有する偏平の板体からなり、この移動枠支持部53aの第1の方向Xの一端にヨーク固定部53bが連続されている。移動枠支持部53aの第2の移動枠52の嵌合穴68と対応する位置には、同程度の大きさを有する貫通穴81が設けられている。この移動枠支持部53aの上面の第1の方向Xの両端部には、第2の移動枠52を第2の主及び副ガイド軸77,79を介して第2の方向Yへ摺動可能に支持する第4の軸受部が設けられている。
第4の軸受部は、第1の方向Xの一方に配置された第4の主軸受部82と第1の方向Xの他方に配置された第4の副軸受部83とから構成されている。第4の主軸受部82は、第2の方向Yへ適当な間隔をあけて設けた2つの軸受片82a,82bからなり、移動枠支持部53aの上面に上方へ突出するように設けられている。2つの軸受片82a,82bには軸受孔がそれぞれ設けられており、それらの軸受孔に第2の主ガイド軸77の軸方向中間部の2箇所がそれぞれ圧入されて固定されている。従って、第2の主ガイド軸77の両端部は、2つの軸受片82a,82bの外側にそれぞれ突出されている。
この第2の主ガイド軸77の両端の突出部に、第2の移動枠52に設けた第3の主軸受部75の2つの軸受片75a,75bの軸受孔がそれぞれ摺動可能に嵌合されている。2つの軸受片75a,75bの間隔は、2つの軸受片82a,82bの長さに第2の移動枠52が第2の方向Yへ移動するために必要な長さを加えた距離だけ離間させて形成されている。従って、固定基盤53の第4の主軸受部82に固定された第2の主ガイド軸77に対して第2の移動枠52の第3の主軸受部75は、2つの軸受片82a,82bのそれぞれ外側で移動可能に支持されている。
また、第4の副軸受部83は、第2の方向Yへ適当な間隔をあけて設けた2つの軸受片83a,83bからなり、移動枠支持部53aの上面に上方へ突出するように設けられている。2つの軸受片83a,83bには軸受孔がそれぞれ設けられており、それらの軸受孔に第2の副ガイド軸79がそれぞれ圧入され、その軸方向の両端部にて固定されて両端支持されている。この2つの軸受片83a,83b間において、第2の移動枠52に設けた第3の副軸受部76の軸受溝78が第2の副ガイド軸79に摺動可能に係合されている。従って、第3の副軸受部76は、2つの軸受片83a,83b間で第2の副ガイド軸79にガイドされて第2の方向Yへ所定距離だけ移動可能とされている。
固定基盤53のヨーク固定部53bは、上方に突出する支持部84を有する略四角形をなす偏平部分からなり、支持部84は第2の方向Yの一側に配置されている。この支持部84によってヨーク66の下部片66bが係合保持されている。これにより、ヨーク66は、上下部片66a,66b及び2つのマグネット67a,67bを光軸方向に対向させた状態で固定基盤53に固定されている。この場合、ヨーク66は、支持部84の挟持力で保持してもよく、また、固定ねじ等の固着手段を用いて締付固定してもよい。更に、固定基盤53の下面には、これをレンズ鏡筒3に固定するための取付ボス部53cが設けられている。
また、第1の移動枠51と第2の移動枠52と固定基盤53には、これらを組み立てた状態で嵌合穴58及び貫通穴68,81の中心を略一致させる位置に位置決め穴73A,73B,73Cが設けられている。これらの位置決め穴73A,73B,73Cは、像ぶれ補正装置5の組立時、第1の移動枠51と第2の移動枠52と固定基盤53を所定の位置関係に位置決めして組立工程の作業性の向上等を図ることを目的とするものである。
上述した第1の移動枠51の第1の主軸受部61及び第1の副軸受部62と第1の主ガイド軸63及び第1の副ガイド軸65と第2の主軸受部71及び第2の副軸受部72により、第1の移動枠51を介して補正レンズ15をレンズ装置1の光軸Lと直交する第1の方向Xにガイドする第1のガイド手段が構成されている。そして、第2の移動枠52の第3の主軸受部75及び第3の副軸受部76と第2の主ガイド軸77及び第2の副ガイド軸79と第4の主軸受部82及び第4の副軸受部83により、第2の移動枠52を介して補正レンズ15をレンズ装置1の光軸Lと直交する方向であって第1の方向Xとも直交する第2の方向Yにガイドする第2のガイド手段が構成されている。
このように、本実施例では、1つのヨーク66と2つのマグネット67a,67bからなる1組の磁気回路部材によって、第1の電動アクチュエータ54Aのための磁気回路と第2の電動アクチュエータ54Bのための磁気回路が兼用されている。そのため、駆動手段毎に磁気回路部材を設ける必要がないから、その分だけ部品点数の削減を図ることができると共に、装置全体の小型化を図ることができる。
また、図23〜図26に示すように、磁性板86の下面には、補正レンズ15の第1の方向X及び第2の方向Yの位置を検出する位置検出手段55と、周囲の温度を検出する温度検出手段96がそれぞれ取り付けられている。温度検出手段としては、例えば、サーミスタ96を適用することができる。このサーミスタ96は、コイル組立体93の周囲の温度を検出し、周囲温度が所定値以上に上昇したときに、手ぶれや振動等による像ぶれ補正に温度補正を加えるためのものである。
位置検出手段55は、第1の位置検出手段の一具体例を示す第1のホール素子94と、第2の位置検出手段の一具体例を示す第2のホール素子95とから構成されている。第1のホール素子94は、第1の移動枠51を介して補正レンズ15の第1の方向Xに関する位置を検出するものである。また、第2のホール素子95は、第2の移動枠52を介して補正レンズ15の第2の方向Yに関する位置を検出するものである。第1のホール素子94は筒状コイル91の一側に配置され、第2のホール素子95は筒状コイル91の他側に配置されている。第1のホール素子94及び第2のホール素子95は、所定位置において下部マグネット67bの磁力の強さを検出し、その磁力の強さに応じた検出信号を出力するものである。この2つのホール素子94,95からの検出信号に基づいて制御装置が、補正レンズ15の位置を演算して算出するようにしている。
上述したような構成を有する像ぶれ補正装置5は、例えば、次のようにして組み立てることができる。まず、図26及び図27に示すように、磁性板86の一面に偏平コイル88を固定すると共に、その反対側のフレキシブル配線板87が接続された面に筒状コイル91を固定する。これにより、磁性板86とフレキシブル配線板87と2つの偏平コイル88及び筒状コイル91が一体化されたコイル組立体93が構成される。
次に、ヨーク66の上部片66a及び下部片66bの内側に、それぞれマグネット67a,67bを配置して固定する。このヨーク66の下部片66b及びマグネット67bを、コイル組立体93の筒状コイル91の穴内に側方から挿入する。そして、下部マグネット67bを筒状コイル91の推力発生部92の下面に対向させると共に、偏平コイル88の上面に上部マグネット67aを対向させる。これにより、上下のマグネット67a,67bによって偏平コイル88の推力発生部89a,89bと筒状コイル91の推力発生部92が挟まれ、電動アクチュエータ54が構成される。この電動アクチュエータ54の磁性板(フレキ補強板)86を第1の移動枠51のコイル固定部53bに固定する。
次に、固定基盤53の移動枠支持部53aの上に第2の移動枠52を臨ませ、第3の主軸受部75の2つの軸受片75a,75b間に第4の主軸受部82の2つの軸受片82a,82bを介在させる。そして、第3の副軸受部76を第4の副軸受部83の2つの軸受片83a,83b間に介在させる。次に、第3の主軸受部75と第4の主軸受部82の4つの軸受片75a,75b,82a,82bの各軸受孔に第2の主ガイド軸77を貫通させる。この際、第2の主ガイド軸77は、第4の主軸受部82に対しては圧入して固定する一方、第3の主軸受部75に対しては摺動可能に構成する。
更に、第4の副軸受部83の2つの軸受片83a,83bの軸受孔と第3の副軸受部76の軸受溝78に第2の副ガイド軸79を貫通させる。この際、第2の副ガイド軸79は、第4の副軸受部83に対しては圧入して固定する一方、第3の副軸受部76に対しては摺動可能に構成する。これにより、第2の移動枠52が固定基盤53に対して、第2の方向Yへ所定距離、即ち、第3の主軸受部75の2つの軸受片75a,75bの内面間の距離から第4の主軸受部82の2つの軸受片82a,82bの外面間の距離を引いた長さだけ移動可能となっている。
次に、第2の移動枠52の上に第1の移動枠51のレンズ固定部51aを臨ませ、第1の主軸受部61の2つの軸受片61a,61bを第2の主軸受部71の2つの軸受片71a,71b間に介在させる。そして、第1の副軸受部62を第2の副軸受部72の2つの軸受片72a,72b間に介在させる。次に、第1の主軸受部61と第2の主軸受部71の4つの軸受片61a,61b,71a,71bの各軸受孔に第1の主ガイド軸63を貫通させる。この際、第1の主ガイド軸63は、第1の主軸受部61に対しては圧入して固定する一方、第2の主軸受部71に対しては摺動可能に構成する。
更に、第2の副軸受部72の2つの軸受片72a,72bの軸受孔と第1の副軸受部62の軸受溝64に第1の副ガイド軸65を貫通させる。この際、第1の副ガイド軸65は、第2の副軸受部72に対しては圧入して固定する一方、第1の副軸受部62に対しては摺動可能に構成する。これにより、第1の移動枠51が第2の移動枠52に対して、第1の方向Xへ所定距離、即ち、第2の主軸受部71の2つの軸受片71a,71bの内面間の距離から第1の主軸受部61の2つの軸受片61a,61bの外面間の距離を引いた長さだけ移動可能となっている。
次に、固定基盤53に、2つのマグネット67a,67bが固着されたヨーク66を取り付ける。このヨーク66の取付作業は、第1の移動枠51を第2の移動枠52に取り付ける前に、予め固定基盤53に取り付けておいてもよい。次いで、コイル組立体93を第1の移動枠51のコイル固定部51bに取り付ける。この際、筒状コイル91を側方から嵌め込んで、その穴内にヨーク66の下部片66bと下部マグネット67bを挿入する。そして、接着剤等の固着手段を用いて、コイル組立体93を第1の移動枠51のコイル固定部51bに固定する。これにより、像ぶれ補正装置5の組立作業が完了し、図16〜図28に示すような構成を有する像ぶれ補正装置5が得られる。
このような構成を有する像ぶれ補正装置5の作用は、次のようなものである。この像ぶれ補正装置5の補正レンズ15の移動は、フレキシブル配線板87を介して電動アクチュエータ54の扁平コイル88と筒状コイル91に対して適宜な値の駆動電流を選択的に又は同時に供給することによって実行される。
この像ぶれ補正装置5の扁平コイル88と筒状コイル91は、ユニット化されたコイル組立体93として第1の移動枠51に固定されている。このとき、扁平コイル88の推力発生部89a,89bは第2の方向Yに延在され、筒状コイル91の推力発生部92は第1の方向Xに延在されている。また、ヨーク66の両端に固定された2つのマグネット67a,67bが両コイル88,91の上下に配置されているため、このヨーク66と2つのマグネット67a,67bによって形成される磁気回路の磁束は、扁平コイル88の推力発生部89a,89bと筒状コイル91の推力発生部92を垂直に透過するように作用する。
また、像ぶれ補正装置5の補正レンズ15は、第1の移動枠51を有する第1のガイド手段によって第2の移動枠52に対して第1の方向Xへ移動可能に支持されている。更に、補正レンズ15は、第2の移動枠52を有する第2のガイド手段によって固定基盤53に対して第2の方向Yへ移動可能に支持されている。従って、補正レンズ15は、第1のガイド手段と第2のガイド手段の作用により、所定の範囲内において第1の方向X及び第2の方向Yのいずれの方向に対しても自由に移動することができる。
いま、扁平コイル88に電流を流すと、その推力発生部89a,89bが第2の方向Yに延在されているため、その推力発生部89a,89bにおいて電流は第2の方向Yに流れる。このとき、磁気回路の磁束が推力発生部89a,89bに対して垂直をなす上下方向に作用しているため、フレミングの法則により、マグネット67a,67b及びヨーク66には第1の方向Xに向かう力が作用する。これにより、ヨーク66等が固定された第1の移動枠51が第1の方向Xに移動する。その結果、第1の移動枠51に保持された補正レンズ15が、扁平コイル88に流された電流の大きさに応じて、第1のガイド手段にガイドされて第1の方向Xに移動することになる。
一方、筒状コイル91に電流を流すと、その推力発生部92が第1の方向Xに延在されているため、その推力発生部92において電流は第1の方向Xに流れる。このとき、磁気回路の磁束が推力発生部92に対して垂直をなす上下方向に作用しているため、フレミングの法則により、マグネット67a,67b及びヨーク66には第2の方向Yに向かう力が作用する。これにより、コイル組立体93等が固定された第1の移動枠51を介して第2の移動枠52が第2の方向Yに移動する。その結果、補正レンズ15は、筒状コイル91に流された電流の大きさに応じて、第1の移動枠51と共に第2の移動枠52が第2のガイド手段にガイドされて第2の方向Yに移動することになる。
また、扁平コイル88と筒状コイル91に同時に電流を流すと、上述した扁平コイル88による移動動作と筒状コイル91による移動動作とが複合的に実行される。即ち、扁平コイル88に流れる電流の作用によって補正レンズ15が第1の方向Xに移動すると同時に、筒状コイル91に流れる電流の作用によって補正レンズ15が第2の方向Yに移動する。その結果、補正レンズ15が斜め方向に移動して、レンズ系2の像ぶれを補正することになる。
上述したような構成を有する像ぶれ補正装置5には、図13〜図15に示すように、装置カバー98が着脱可能に装着されている。装置カバー98は、上面部98aと前面部98bと左右の側面部98c(一方の側面部は図に現れない。)を有し、背面と下面に開口された略直方体をなす筐体からなっている。上面部98aから前面部98bに連続する部分には、一端がコイル組立体93に接続されたフレキシブル配線板87が引き出される引出し口201が設けられている。
装置カバー98は、像ぶれ補正装置5の電動アクチュエータ54を覆って保護するものであり、固定基盤53のヨーク固定部53bに対して着脱可能に構成されている。そのため、装置カバー98には、上面部98aの背面側に連続されて下方に突出するように形成された複数(本実施例では2個)の取付ブラケット202,202と、前面部98bの下部に形成された複数(本実施例では2個)の取付穴203,203が設けられている。この取付穴203に対応して固定基盤53のヨーク固定部53bには、側方に突出する取付凸部204が同じ数だけ設けられている。
2個の取付凸部204に取付穴203をそれぞれ嵌合することにより、装置カバー98が固定基盤53に装着される。このとき、2個の取付ブラケット202,202が、例えば、レンズ鏡筒3の下部鏡筒18等に弾性的に係合するように構成する。これにより、固定ねじ等の固着手段を用いることなく、レンズ鏡筒3に対して装置カバー98自体の構造により着脱自在に取り付けることが可能となる。
また、装置カバー98の引出し口201には、引き出されたフレキシブル配線板87が持ち上げられるのを阻止するフレキ押え部205が設けられている。そして、引出し口201の上部の上面部98aの前部には、引き出されたフレキシブル配線板87の幅方向の両側を支持する一対の係止突起206a,206bが上方へ突出するように設けられている。そして、上面部98aの後部には、フレキシブル配線板87の一定の面積部分を支持する係止突辺207が設けられている。フレキシブル配線板87のこれより先の部分は、図示しないが、電源或いはその電源に接続される電源側の部材に電気的に接続される。
これらの係止突起206a,206b及び係止突辺207は、図14及び図20〜図22に示すようにして用いられる。即ち、一対の係止突起206a,206bは、引出し口201から出て適当な曲率半径により湾曲された湾曲部87aに連続する平面部87bの始端部を幅方向の両側において係止する。これにより、湾曲部87aに弾性を発生させ、その弾性力によって第1の移動枠51を第2の移動枠52側に付勢することができる。
このフレキシブル配線板87の湾曲部87aにより発生する付勢力Wがもたらす効果について、図29及び図30を参照して説明する。図29及び図30は、湾曲部87aに発生する付勢力Wと第1の移動枠51と第2の移動枠52と固定基盤53との関係を説明するためにこれらを模式的に現した説明図である。フレキシブル配線板87の一端が、レンズ鏡筒3に固定される装置カバー98に固定されているため、この装置カバー98が固定部分である。
そこで、湾曲部87aによってフレキシブル配線板87に付勢力Wが発生すると、その付勢力Wによって第1の移動枠51には、図29において、左側部分を下方に押し下げると共に、その反作用として右側部分を押し上げる力が作用する。これにより、第1の移動枠51に固定された第1の主ガイド軸63では、左突出部63aが下方に押し下げられ、右突出部63bが上方に押し上げられる。その結果、第1の主ガイド軸63の左突出部63aを支持する軸受片71aとの間では、そのはめあい誤差による隙間E1が上方にのみ片寄せられる。その一方、第1の主ガイド軸63の右突出部63bを支持する軸受片71bとの間では、そのはめあい誤差による隙間E1が下方にのみ片寄せられる。また、第1の移動枠51に設けた第1の副軸受部62では、図30において、下方に押し下げる力によって軸受溝64の上面が、第2の移動枠52に固定された第1の副ガイド軸65に上方から押し付けられ、その寸法誤差による隙間E2が下方にのみ片寄せられる。
これと同時に、第2の移動枠52には、図29及び図30において、左側部分を下方に押し下げると共に、その反作用として右側部分を押し上げる力が作用する。これにより、第2の移動枠52では、左側部分が下方に押し下げられ、右側部分が上方に押し上げられる。その結果、第4の主軸受部82と第2の主ガイド軸77との間では、両側の軸受部82a,82bにおいて、そのはめあい誤差による隙間F1がそれぞれ下方にのみ片寄せられる。その一方、第3の副軸受部76と第2の副ガイド軸79との間では、上方に押し上げる力によって軸受溝78の下面が、固定基盤53に固定された第2の副ガイド軸79に下方から押し付けられ、その寸法誤差による隙間F2が上方にのみ片寄せられる。
これにより、フレキシブル配線板87の湾曲部87aにより発生する付勢力Wに基づいて、固定基盤53に対する第2の移動枠52及び第1の移動枠51の姿勢を一定に保持することにより、補正レンズ15の姿勢を常に一定に維持することができる。しかも、その姿勢制御は、従来から必要とされているフレキシブル配線板87をそのまま使用するだけであって、その姿勢制御のために新たな部品や機構等を必要としないため、コストアップを招くことなく実行することができる。また、磁性板86をマグネット67bに近づけることで、磁性板86とマグネット67bとの磁力による吸引力が発生するが、この吸引力とフレキシブル配線板87の湾曲部87aで発生する付勢力Wとを合力することにより、付勢力Wをより強くすることができる。
図31及び図32は、フレキシブル配線板87の湾曲部87aにより発生する付勢力Wを変更可能な実施の例を示すものである。この実施例において、前記実施例と異なるところは、フレキシブル配線板87の形状のみであるため、ここではフレキシブル配線板87についてのみ説明し、同一部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。フレキシブル配線板87の湾曲部87bは、その幅方向の両側を円弧状に切欠くことによって他の部分よりも細く形成し、その剛性(強度)を他の部分よりも弱く設定している。このように構成することにより、湾曲部87bの剛性(強度)を、他の部分よりも弱い方へ任意に設定することが可能となる。
なお、フレキシブル配線板87の湾曲部87bの形状は、この実施例で示した円弧状に限定されるものではなく、例えば、三角形、四角形、半楕円形その他各種の形状を採用できるものである。また、湾曲部87bのための切欠きは、どちらか一辺にのみ設ける構成としてもよい。更に、フレキシブル配線板87の外縁に切欠きを設けるのではなく、その内側に円形、楕円形、菱形等の穴を開口し、これにより剛性(強度)を他の部分よりも低くして、湾曲部として構成することも可能である。
図33〜図35は、フレキシブル配線板87の湾曲部87aより先の部分を、装置カバー98に支持するのではなく、固定基盤53に支持する構成としたものである。そのため、固定基盤53のヨーク固定部53bの下面には、湾曲部87aより先の部分において、その幅方向の両側を支持する一対の係止突起206a,206bが下方へ突出するように設けられている。このような支持構造とすることによっても前記実施例と同様の効果を得ることができる。
このフレキシブル配線板87の湾曲部87aにより発生する付勢力Wがもたらす効果について、図36及び図37を参照して説明する。図36及び図37は、湾曲部87aに発生する付勢力Wと第1の移動枠51と第2の移動枠52と固定基盤53との関係を説明するためにこれらを模式的に現した説明図である。フレキシブル配線板87の一端が、レンズ鏡筒3に固定される固定基盤53に固定されているため、この固定基盤53が固定部分である。
そこで、湾曲部87aによってフレキシブル配線板87に付勢力Wが発生すると、その付勢力Wによって第1の移動枠51には、図36において、左側部分を上方に押し上げると共に、その反作用として右側部分を押し下げる力が作用する。これにより、第1の移動枠51に固定された第1の主ガイド軸63では、左突出部63aが上方に押し上げられ、右突出部63bが下方に押し下げられる。その結果、第1の主ガイド軸63の左突出部63aを支持する軸受片71aとの間では、そのはめあい誤差による隙間E1が下方にのみ片寄せられる。その一方、第1の主ガイド軸63の右突出部63bを支持する軸受片71bとの間では、そのはめあい誤差による隙間E1が上方にのみ片寄せられる。また、第1の移動枠51に設けた第1の副軸受部62では、図37において、上方に押し上げる力によって軸受溝64の下面が、第2の移動枠52に固定された第1の副ガイド軸65に下方から押し付けられ、その寸法誤差による隙間E2が上方にのみ片寄せられる。
これと同時に、第2の移動枠52には、図36及び図37において、左側部分を上方に押し上げると共に、その反作用として右側部分を押し下げる力が作用する。これにより、第2の移動枠52では、左側部分が上方に押し上げられ、右側部分が下方に押し下げられる。その結果、第4の主軸受部82と第2の主ガイド軸77との間では、両側の軸受部82a,82bにおいて、そのはめあい誤差による隙間F1がそれぞれ上方にのみ片寄せられる。その一方、第3の副軸受部76と第2の副ガイド軸79との間では、下方に押し下げる力によって軸受溝78の上面が、固定基盤53に固定された第2の副ガイド軸79に上方から押し付けられ、その寸法誤差による隙間F2が下方にのみ片寄せられる。
これにより、フレキシブル配線板87の湾曲部87aにより発生する付勢力Wに基づいて、固定基盤53に対する第2の移動枠52及び第1の移動枠51の姿勢を一定に保持することにより、補正レンズ15の姿勢を常に一定に維持することができる。しかも、その姿勢制御は、従来から必要とされているフレキシブル配線板87をそのまま使用するだけであって、その姿勢制御のために新たな部品や機構等を必要としないため、コストアップを招くことなく実行することができる。また、磁性板86をマグネット67bに近づけることで、磁性板86とマグネット67bとの磁力による吸引力が発生するが、この吸引力とフレキシブル配線板87の湾曲部87aで発生する付勢力Wとを合力することにより、付勢力Wをより強くすることができる。
図38は、電動アクチュエータ54の取付形態の他の実施例を示すものである。この実施例は、電動アクチュエータ54の取付角度を、前記実施例に比べて90度回転変位させて構成したもので、構成部品から見て異なるところは、コイル組立体93を支持する固定基盤53の支持部84の位置のみである。そのため、前記実施例と同一に同一の符号を付して重複した説明を省略する。
この実施例では、電動アクチュエータ54が第1の移動枠51に対して、90度回転変位した状態で取り付けられている。即ち、第1の移動枠51が移動する方向に推力発生部が延在するように、偏平コイル88が第1の移動枠51に取り付けられている。これに対応して、固定基盤53のヨーク固定部53bにおいても、第1の移動枠51が移動する方向に長手方向が延在するように、ヨーク66の上部片66a及び下部片66b並びに上下のマグネット67a,67bが配設されている。このような構成とすることによっても、前記実施例と同様の効果を得ることができる。
図39〜図45は、本発明の像ぶれ補正装置の更に他の実施例を示すものである。この実施例は、前記実施例における偏平コイル88の変形例を示すもので、2つのコイル部を同一のコイル部88a,88aで構成したものである。そして、ヨークを環状の部材で構成することにより、マグネット67a,67bの磁力強化を図るようにしたものである。この実施例に示す電動アクチュエータ54Aにおいて、前記実施例に示した電動アクチュエータ54と同一部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
電動アクチュエータ54Aの偏平コイル88の2つのコイル部88aは同一形状、構造をなす同じものであり、その偏平コイル88と筒状コイル91及び磁性板86との配置関係は同一である。また、ヨーク66Aは、同一形状を有する2個の分割片66A1,66A2の組み合せからなり、全体として長方形の枠体に形成されている。このヨーク66Aの一辺に筒状コイル91が巻回され、互いにチェーンのように連結されている。このような構成とすることによっても、前記実施例と同様の効果を得ることができる。特に、本実施例によれば、ヨーク66Aが環状に形成されているため、マグネット67a,67bによる磁気効率を高めることが容易にできるという利点がある。
このような構成及び作用を備えた像ぶれ補正装置5が、図1〜図11に示すように、レンズ装置1に取り付けられている。像ぶれ補正装置5は、レンズ鏡筒3の下部鏡筒18に設けた開口部48に側方から出し入れされ、下部鏡筒18に対して着脱可能に装着される。この場合、本発明の像ぶれ補正装置5は、1個の装置としてユニット化されて構成されているため、その着脱操作を極めて簡単且つ迅速に行うことができる。図11等に示す符号98は、像ぶれ補正装置5を覆うカバー部材である。このカバー部材98は、固定ねじ等の固着手段によってレンズ鏡筒3の下部鏡筒18に着脱可能に取り付けられる。
次に、像ぶれ補正装置5が装着されたレンズ装置1のレンズ系2の動作を、図12を参照して説明する。レンズ装置1の対物レンズ7Aを被写体に向けると、被写体からの光が対物レンズ7Aからレンズ系2内に入力される。このとき、対物レンズ7Aを透過した光はプリズム7Bで90度屈折され、その後、レンズ系2の光軸Lに沿ってCCD4に向かって移動する。即ち、プリズム7Bで反射されて1群レンズ7の第2のレンズ7Cを出た光は、2群レンズ8,3群レンズ9,4群レンズ10を経て5群レンズ11の第7のレンズ11A及び補正レンズ15を透過し、光学フィルタ14を経てCCD4の結像面に被写体に対応した画像が結像される。
この場合、撮影時において、レンズ装置1に手ぶれや振動が生じていないときには、被写体からの光は、実線で示す光6Aのように、1群レンズ〜5群レンズのそれぞれ中心部を光軸Lに沿って移動するため、CCD4の結像面において所定位置に像を結ぶことになり、像ぶれを生ずることなく綺麗な画像を得ることができる。
一方、撮影時において、レンズ装置1に手ぶれや振動が発生すると、被写体からの光は、一点鎖線で示す光6Bか又は破線で示す光6Cのように、傾いた状態で1群レンズに入力されることになる。そのような入射光6B,6Cは、1群レンズ〜5群レンズのそれぞれにおいて、光軸Lからずれた状態で透過することになるが、その手ぶれ等に応じて補正レンズ15を所定量移動させることにより、その手ぶれ等を補正することができる。これにより、CCD4の結像面において所定位置に像を結ぶことができ、像ぶれを解消して綺麗な画像を得ることができる。
このレンズ装置1の手ぶれや振動等の有無は、ぶれ検出手段によって検出する。このぶれ検出手段としては、例えば、ジャイロセンサを用いることができる。このジャイロセンサをレンズ装置1と共にカメラ本体に搭載し、撮影者の手の震えや揺れ等によってレンズ装置1に働く加速度、角速度、角加速度等を検出するようにする。このジャイロセンサで検出した加速度や角速度等の情報を制御装置に供給し、CCD4の結像面において所定位置に像を結ぶように、第1の方向Xの揺れに対しては第1の移動枠51を第1の方向Xに移動し、第2の方向Yの揺れに対しては第2の移動枠52を第2の方向Yに移動するようにアクチュエータ54を駆動制御する。
図46〜図50は、前述したような構成を有するレンズ装置1を備えた撮像装置の第1の実施の例を示すデジタルスチルカメラ100を現した図である。このデジタルスチルカメラ100は、情報記録媒体として半導体記録メディアを使用し、被写体からの光学的な画像をCCD(固体撮像素子)で電気的な信号に変換して、半導体記録メディアに記録したり、液晶ディスプレイ等の表示装置に表示できるようにしたものである。
このデジタルスチルカメラ100は、図46等に示すように、カメラ本体101と、被写体の像を光として取り込んで撮像手段としてのCCD4に導くレンズ装置1と、CCD4から出力される映像信号に基づいて画像を表示する液晶ディスプレイ等からなる表示装置102と、レンズ装置1の動作や液晶ディスプレイ102の表示等を制御する制御装置103と、図示しないバッテリー電源等を備えて構成されている。
カメラ本体101は、横長とされた偏平の筐体からなり、前後方向に重ね合わされたフロントケース105及びリアケース106と、このフロントケース105とリアケース106とで形成された空間部を前後に仕切るメインフレーム107と、フロントケース105の前面に上下方向へスライド可能に取り付けられたレンズカバー108等によって構成されている。メインフレーム107の前面の一側部には、CCD4を下にして光軸Lを上下方向に向けた状態でレンズ装置1が固定されている。更に、メインフレーム107には、配線基板上に所定のマイクロコンピュータ、抵抗やコンデンサその他の電子部品等を搭載することによって形成された制御装置103と、フラッシュ装置110等が取り付けられている。
制御装置103はレンズ装置1と横並びに配置されており、これらの上方にフラッシュ装置110が配置されている。フラッシュ装置110は、フロントケース105の前面に露出される発光部110aと、その発光部110aを駆動制御する駆動部110bと、駆動部110bに所定の電力を供給するコンデンサ110c等を備えて構成されている。このフラッシュ装置110の発光部110aとレンズ装置1の対物レンズ7Aを露出させるため、フロントケース105の対応する位置にはレンズ嵌合穴111aとフラッシュ嵌合穴111bとが設けられている。そして、レンズ嵌合穴111aには化粧板21と共に対物レンズ7Aが嵌合され、フラッシュ嵌合穴111bには発光部110aが嵌合されている。
更に、フロントケース105には、レンズカバー108に設けた複数の脚片が挿通される複数の開口穴111cが設けられている。レンズカバー108は、複数の脚片に抜け止め部を設けることによってフロントケース105からの脱落が防止されている。このレンズカバー108は、複数の開口穴112cによって上下方向への移動が可能とされていると共に、図示しないロック手段により上端部と下端部においてロック可能とされている。図14に示すように、レンズカバー108が上端部にあるときには、対物レンズ7Aが完全に閉じられ、これにより対物レンズ7Aの保護が図られる。一方、図15に示すように、レンズカバー108を下端部に移動すると、対物レンズ7Aが完全に開かれると共に電源スイッチがオンに入力され、これにより撮影が可能となるように構成されている。
図46及び図49に示すように、リアケース106には、表示装置102の表示面を露出させるための四角形の開口窓112が設けられている。開口窓112は、リアケース106の背面を大きく開口して設けられており、その内側に表示装置102が配置されている。表示装置102は、開口窓112に対応した大きさを有する液晶ディスプレイと、この液晶ディスプレイの内面に重ね合わされるバックライトの組み合わせからなる。表示装置102の液晶ディスプレイ側にはシール枠113を介して保護板114が配置されており、この保護板114の周縁部が開口窓112の内面に接触されている。
更に、リアケース106には、各種の操作スイッチが設けられている。操作スイッチとしては、機能モード(静止画、動画、再生等)を選択するモード選択ツマミ115、ズーム操作を実行するズームボタン116、画面表示を行う画面表示ボタン117、各種メニューを選択するメニューボタン118、メニューを選択するカーソル等を移動させる方向キー119、画面サイズを切り換えたり画面削除を行う画面ボタン121等が適当な位置に配置されている。そして、リアケース106の表示装置102側の端部にはスピーカ用孔122が開口されていて、その内側にスピーカが内蔵されており、これと反対側の端部にはストラップ用の支持金具123が取り付けられている。
また、図50等に示すように、カメラ本体101の上面には、電源をオン・オフさせる電源ボタン125、撮影の開始や停止を実行する撮影ボタン126、手ぶれが生じたときに像ぶれ補正装置5を動作させて像ぶれ補正を実行する手ぶれ設定ボタン127等が設けられている。更に、カメラ本体101上面の略中央部にはマイクロホン用孔128が開口されていて、その内側にマイクロホンが内蔵されている。
図51は、前述した像ぶれ補正装置5の制御概念を説明するブロック図である。制御部130は、像ぶれ補正演算部131とアナログサーボ部132と駆動回路部133と4つの増幅器(AMP)134A,134B,135A,135B等を備えて構成されている。像ぶれ補正演算部131には、第1の増幅器(AMP)134Aを介して第1のジャイロセンサ135が接続されていると共に、第2の増幅器(AMP)134Bを介して第2のジャイロセンサ136が接続されている。
第1のジャイロセンサ135は、カメラ本体101に付加された手ぶれ等による第1の方向Xの変位量を検出し、第2のジャイロセンサ136は、カメラ本体101に付加された手ぶれ等による第2の方向Yの変位量を検出するものである。この実施例では、2個のジャイロセンサを設けて第1の方向Xの変位量と第2の方向Yの変位量を個別に検出する例について説明したが、1個のジャイロセンサで第1の方向X及び第2の方向Yの2方向の変位量を検出する構成としてもよいことは勿論である。
像ぶれ補正演算部131にはアナログサーボ部132が接続されている。アナログサーボ部132は、像ぶれ補正演算部131により算出された値をデジタル値からアナログ値に変換し、そのアナログ値に対応した制御信号を出力するものである。アナログサーボ部132には駆動回路部133が接続されている。駆動回路部133には、第3の増幅器(AMP)135Aを介して第1の位置検出素子である第1のホール素子94が接続されると共に、第4の増幅器(AMP)135Bを介して第2の位置検出素子である第2のホール素子95が接続されている。更に、駆動回路部133には、第1の方向駆動コイルである偏平コイル88が接続されていると共に、第2の方向駆動コイルである筒状コイル91が接続されている。
第1のホール素子94によって検出された第1の移動枠51の第1の方向Xの変位量は、第3の増幅器135Aを介して駆動回路部133に入力される。また、第2のホール素子95によって検出された第2の移動枠52の第2の方向Yの変位量は、第4の増幅器135Bを介して駆動回路部133に入力される。これらの入力信号とアナログサーボ部132からの制御信号に基づいて駆動回路部133では、像ぶれを補正するように補正レンズ15を移動するため、偏平コイル88と筒状コイル91の一方又は両方に対して所定の制御信号を出力する。
図52は、前述したような構成及び作用を有する像ぶれ補正装置5を備えたデジタルスチルカメラ100の概略構成の第1の実施の例を示すブロック図である。このデジタルスチルカメラ100は、像ぶれ補正装置5を有するレンズ装置1と、制御装置の中心的役割をなす制御部140と、制御部140を駆動するためのプログラムメモリやデータメモリその他のRAMやROM等を有する記憶装置141と、電源のオン・オフや撮影モードの選択或いは撮影等のための各種の指令信号等を入力する操作部142と、撮影された映像等を表示する表示装置102と、記憶容量を拡大する外部メモリ143等を備えて構成されている。
制御部140は、例えば、マイクロコンピュータ(CPU)を有する演算回路等を備えて構成されている。この制御部140に、記憶装置141と操作部142とアナログ信号処理部144とデジタル信号処理部145と2つのA/D変換器146,147とD/A変換器148とタイミングジェネレータ(TG)149とが接続されている。アナログ信号処理部144は、レンズ装置1に取り付けられたCCD4に接続されており、CCD4から出力される撮影画像に対応したアナログ信号によって所定の信号処理を実行する。このアナログ信号処理部144は第1のA/D変換器146に接続されており、このA/D変換器146によって出力がデジタル信号に変換される。
第1のA/D変換器146にはデジタル信号処理部145が接続されており、第1のA/D変換器146から供給されたデジタル信号によって所定の信号処理を実行する。このデジタル信号処理部145には表示装置102と外部メモリ143が接続されており、その出力信号であるデジタル信号に基づいて、被写体に対応した画像が表示装置102に表示され、或いは外部メモリ143に記憶される。また、第2のA/D変換器147には、ぶれ検出部の具体例を示すジャイロセンサ151が接続されている。このジャイロセンサ151によってカメラ本体101の振れや揺れ等が検出され、その検出結果に応じて像ぶれ補正が実行される。
D/A変換器148には、像ぶれ補正のためのサーボ演算部である駆動制御部152が接続されている。駆動制御部152は、補正レンズ15の位置に応じて像ぶれ補正装置5を駆動制御することにより像ぶれを補正するものである。駆動制御部152には、像ぶれ補正装置5と、2つの移動枠51,52の位置を検出することによって補正レンズ15の位置を検出する位置検出部である第1の位置検出手段94と第2の位置検出手段95とが接続されている。なお、タイミングジェネレータ(TG)149はCCD4と接続されている。
かくして、被写体の像がレンズ装置1のレンズ系2に入力されてCCD4の結像面に結像されると、その画像信号がアナログ信号として出力され、アナログ信号処理部144で所定の処理が実行された後、第1のA/D変換器146によってデジタル信号に変換される。第1のA/D変換器146からの出力は、デジタル信号処理部145で所定の処理が実行された後、被写体に対応した画像として表示装置102に表示され、或いは外部メモリに記憶情報として記憶される。
このような撮影状態において、像ぶれ補正装置5が動作状態にあるものとして、カメラ本体101に振れや揺れ等が生じると、ジャイロセンサ151がその振れや揺れ等を検出し、その検出信号を制御部140に出力する。これを受けて制御部140では、所定の演算処理を実行して、像ぶれ補正装置5の動作を制御する制御信号を駆動制御部152に出力する。駆動制御部152では、制御部140からの制御信号に基づいて所定の駆動信号を像ぶれ補正装置5に出力し、第1の移動枠51を第1の方向Xに所定量だけ移動すると共に、第2の移動枠52を第2の方向Yに所定量だけ移動する。これにより、補正レンズ15の移動を介して像ぶれを解消し、綺麗な画像を得ることができる。
図53は、前述したような構成及び作用を有する像ぶれ補正装置5を備えたデジタルスチルカメラの概略構成の第2の実施の例を示すブロック図である。このデジタルスチルカメラ100Aは、像ぶれ補正装置5を有するレンズ装置1と、制御装置の中心的役割をなす映像記録/再生回路部160と、映像記録/再生回路部160を駆動するためのプログラムメモリやデータメモリその他のRAMやROM等を有する内蔵メモリ161と、撮影された映像等を所定の信号に処理する映像信号処理部162と、撮影された映像等を表示する表示装置163と、記憶容量を拡大する外部メモリ164と、像ぶれ補正装置5を駆動制御する補正レンズ制御部165等を備えて構成されている。
映像記録/再生回路部160は、例えば、マイクロコンピュータ(CPU)を有する演算回路等を備えて構成されている。この映像記録/再生回路部160に、内蔵メモリ161と映像信号処理部162と補正レンズ制御部165とモニタ駆動部166と増幅器167と3つのインタフェース(I/F)171,172,173とが接続されている。映像信号処理部162は、レンズ装置1に取り付けられたCCD4に増幅器167を介して接続されており、所定の映像信号に処理された信号が映像記録/再生回路部160に入力される。
表示装置163は、モニタ駆動部166を介して映像記録/再生回路部160に接続されている。また、第1のインタフェース(I/F)171にはコネクタ168が接続されており、このコネクタ168に外部メモリ164が着脱自在に接続可能とされている。第2のインタフェース(I/F)172には、カメラ本体101に設けられた接続端子174が接続されている。
補正レンズ制御部165には、第3のインタフェース(I/F)173を介してぶれ検出部である加速度センサ175が接続されている。この加速度センサ175は、カメラ本体101に付加される振れや揺れ等による変位を加速度として検出するもので、ジャイロセンサを適用することができる。補正レンズ制御部165には、補正レンズ15を駆動制御する像ぶれ補正装置5のレンズ駆動部が接続されていると共に、その補正レンズ15の位置を検出する2つの位置検出センサ94,95が接続されている。
かくして、被写体の像がレンズ装置1のレンズ系2に入力されてCCD4の結像面に結像されると、その画像信号が増幅器167を介して映像信号処理部162に入力される。この映像信号処理部162で所定の映像信号に処理された信号が映像記録/再生回路部160に入力される。これにより、映像記録/再生回路部160から被写体の像に対応した信号がモニタ駆動部166、内蔵メモリ161若しくは外部メモリ164に出力される。その結果、モニタ駆動部166を介して表示装置163に被写体の像に対応した画像が表示され、或いは、必要により情報信号として内蔵メモリ161若しくは外部メモリ164に記録される。
このような撮影状態において、像ぶれ補正装置5が動作状態にあるものとして、カメラ本体101に振れや揺れ等が生じると、加速度センサ175がその振れや揺れ等を検出し、その検出信号を補正レンズ制御部165を介して映像記録/再生回路部160に出力する。これを受けて映像記録/再生回路部160では、所定の演算処理を実行して、像ぶれ補正装置5の動作を制御する制御信号を補正レンズ制御部165に出力する。この補正レンズ制御部165では、映像記録/再生回路部160からの制御信号に基づいて所定の駆動信号を像ぶれ補正装置5に出力し、第1の移動枠51を第1の方向Xに所定量だけ移動すると共に、第2の移動枠52を第2の方向Yに所定量だけ移動する。これにより、補正レンズ15の移動を介して像ぶれを解消し、綺麗な画像を得ることができる。
以上説明したように、本発明の像ぶれ補正装置によれば、マグネットとヨークからなる1組の磁気回路部材によって、第1の駆動手段のための磁気回路と第2の駆動手段のための磁気回路とを兼用する構成としたため、部品点数を削減することができると共に装置自体の小型化、軽量化を図ることができる。その結果、本発明の像ぶれ補正装置が装着されるレンズ装置と、そのレンズ装置を備える撮像装置全体の小型化、軽量化を実現することができる。更に、磁気回路部材を構成するためのマグネットは、第1のガイド手段(第1の移動枠51)の位置を検出する第1の位置検出手段及び、第2のガイド手段(第2の移動枠52)の位置を検出する第2の位置検出手段のためのマグネットとしても兼用する構成としたため、更なる部品点数の削減を実現することができる。
また、第1及び第2の位置検出手段は、マグネットの位置から補正レンズの位置を検出する第1及び第2のホール素子を有し、これら第1及び第2のホール素子を1枚の基板に搭載する構成としたため、第1及び第2のホール素子を配置するスペースを小さくすることができ、像ぶれ補正装置の更なる小型化を実現することができる。更に、2つのコイルとこの2つのコイルに電力を供給するフレキシブル配線板等を備えたコイル組立体を第1の移動枠に固定し、ヨーク及びマグネットを固定基盤に固定する構成としたため、コイルに電流を流すことで発生する推力をヨーク及びマグネット側に作用させて補正レンズを移動させることができる。
これにより、フレキシブル配線板をU字状に屈曲させて第1のガイド手段と固定基盤、又は鏡筒等の固定基盤が固定されている固定部の間に光軸方向に反発力で付勢をかけることにより、補正レンズを光軸方向へ付勢する構成としたため、シャフトと軸受部との間に生じる隙間に起因するガタツキを無くすことができる。その結果、補正レンズを保持する移動枠をスムースに移動できると共に、常に補正レンズを一定の姿勢に保持することができ、補正レンズの姿勢変化による光学性能の劣化を防止することができる。
また、レンズ装置を折り曲げ式レンズとして構成し、対物レンズを透過した光を、プリズムで90度折り曲げてから像ぶれ補正装置の補正レンズ(第5群レンズ)に導くようにしているため、撮像装置が正姿勢の場合に補正レンズが地面と平行になり、補正レンズの移動方向である第1の方向及び第2の方向と重力が働く方向とが垂直に交わることになる。これにより、補正レンズを移動自在に保持する第1及び第2の移動枠が、重力によって第1の方向及び第2の方向に引っ張られることがなく、第1及び第2の移動枠を重力に反する方向に持ち上げて保持するために常に像ぶれ補正装置に通電する必要がない。その結果、撮像装置を正姿勢にして撮影する場合の消費電力を飛躍的に削減でき、撮像装置の使用時間を長くすることができる。しかも、補正レンズを移動させる推力を小さくすることができるため、第1及び第2の移動枠の自重分、即ち約1Gの手振れ加速度への許容が可能となり、より激しい手振れ等のカメラの振れにも対応することができる。
本発明は、前述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、前記実施例においては、撮像装置としてデジタルスチルカメラを適用した例について説明したが、デジタルビデオカメラ、カメラ付きパーソナルコンピュータ、カメラ付き携帯電話その他の撮像装置にも適用できるものである。
本発明のレンズ装置の第1の実施例を示すもので、正面側から見た斜視図である。 図1に示すレンズ装置を背面側から見た斜視図である。 図1に示すレンズ装置の正面図である。 図1に示すレンズ装置の背面図である。 図1に示すレンズ装置の左側面図である。 図1に示すレンズ装置の右側面図である。 図1に示すレンズ装置の平面図である。 図1に示すレンズ装置の底面図である。 図5に示すレンズ装置のM−M線部分の断面図である。 図3に示すレンズ装置のN−N線部分の断面図である。 図1に示すレンズ装置の分解斜視図である。 図1に示すレンズ装置のレンズ系を説明するための説明図である。 本発明の像ぶれ補正装置とその装置カバーの第1の実施の例を示すもので、正面側から見た斜視図である。 図13に示す像ぶれ補正装置に装置カバーを装着した状態の斜視図である。 図13に示す像ぶれ補正装置及び装置カバーを分解して示す斜視図である。 図13に示す像ぶれ補正装置を分解して示す斜視図である。 図13に示す像ぶれ補正装置の平面図である。 図13に示す像ぶれ補正装置の正面図である。 図13に示す像ぶれ補正装置の左側面図である。 図13の像ぶれ補正装置を示すもので、フレキシブル配線板を上方に湾曲させた状態の平面図である。 図13の像ぶれ補正装置を示すもので、フレキシブル配線板を上方に湾曲させた状態の正面図である。 図13の像ぶれ補正装置を示すもので、フレキシブル配線板を上方に湾曲させた状態の左側面図である。 図13に示す像ぶれ補正装置に係るコイル組立体の平面図である。 図13に示す像ぶれ補正装置に係るコイル組立体の正面図である。 図13に示す像ぶれ補正装置に係るコイル組立体の左側面図である。 図13に示す像ぶれ補正装置に係るコイル組立体の分解斜視図である。 図13に示す像ぶれ補正装置に係るコイル組立体の組立斜視図である。 図13に示す像ぶれ補正装置に係るヨークとマグネットの斜視図である。 図13に示す像ぶれ補正装置に対するフレキシブル配線板の付勢力の影響を模式的に説明する正面図である。 図13に示す像ぶれ補正装置に対するフレキシブル配線板の付勢力の影響を模式的に説明する左側面図である。 図20に示す像ぶれ補正装置に係るフレキシブル配線板の変形実施例の平面図である。 図20に示す像ぶれ補正装置に係るフレキシブル配線板の変形実施例の左側面図である。 図17の像ぶれ補正装置を示すもので、フレキシブル配線板を下方に湾曲させた状態の平面図である。 図17の像ぶれ補正装置を示すもので、フレキシブル配線板を下方に湾曲させた状態の正面図である。 図17の像ぶれ補正装置を示すもので、フレキシブル配線板を下方に湾曲させた状態の左側面図である。 図17に示す像ぶれ補正装置に対するフレキシブル配線板の付勢力の影響の他の例を模式的に説明する正面図である。 図17に示す像ぶれ補正装置に対するフレキシブル配線板の付勢力の影響の他の例を模式的に説明する左側面図である。 図17に示す像ぶれ補正装置に係る電動アクチュエータの配置構成の他の例の平面図である。 本発明の像ぶれ補正装置の第2の実施の例を示す平面図である。 図39に示す像ぶれ補正装置に係る電動アクチュエータの斜視図である。 図39に示す像ぶれ補正装置に係る電動アクチュエータの平面図である。 図39に示す像ぶれ補正装置に係る電動アクチュエータの正面図である。 図39に示す像ぶれ補正装置に係る電動アクチュエータの左側面図である。 図39に示す像ぶれ補正装置に係るコイル組立体の斜視図である。 図39に示す像ぶれ補正装置に係るヨークとマグネットの斜視図である。 本発明の撮像装置の第1の実施の例を示すもので、デジタルスチルカメラに適用した分解斜視図である。 本発明の撮像装置の第1の実施の例に係るデジタルスチルカメラを正面側から見たもので、レンズカバーで対物レンズを閉じた状態の斜視図である。 本発明の撮像装置の第1の実施の例に係るデジタルスチルカメラを正面側から見たもので、レンズカバーを開いて対物レンズを露出させた状態の斜視図である。 図14に示すデジタルスチルカメラの背面図である。 図14に示すデジタルスチルカメラの平面図である。 本発明の像ぶれ補正装置の制御概念を説明するためのブロック図である。 本発明に係る撮像装置の概略構成の第1の実施例を示すブロック図である。 本発明に係る撮像装置の概略構成の第2の実施例を示すブロック図である。
符号の説明
1…レンズ装置、 2…レンズ系、 3…レンズ鏡筒、 4…CCD(固体撮像素子)、 5…像ぶれ補正装置、 7…1群レンズ、 7A…対物レンズ(第1のレンズ)、 7B…プリズム、 7C…第2のレンズ、 8…2群レンズ、 8A…第3のレンズ、 8B…第4のレンズ、 9…3群レンズ(第5のレンズ)、 10…4群レンズ(第6のレンズ)、 11…5群レンズ、 11A…第7のレンズ、 15…補正レンズ(第8のレンズ)、 16…上部鏡筒、 17…中間鏡筒、 18…下部鏡筒、 51…第1の移動枠、 51a…レンズ固定部、 51b…ヨーク固定部、 52…第2の移動枠、 53…固定基盤、 53a…移動枠支持部、 53b…コイル固定部、 54…アクチュエータ、 55…位置検出手段、 58…嵌合穴、 61…第1の主軸受部、 61a,61b,71a,71b,72a,72b,75a,75b,82a,82b,83a,83b…軸受片、 62…第1の副軸受部、 63…第1の主ガイド軸、 64…軸受溝、 65…第1の副ガイド軸、 66…ヨーク、 66a…上部片、 66b…下部片、 66c…連結片、 66d…切欠き、 67a,67b…マグネット、 68…貫通穴、 71…第2の主軸受部、 72…第2の副軸受部、 75…第3の主軸受部、 76…第3の副軸受部、 77…第2の主ガイド軸、 78…軸受溝、 79…第2の副ガイド軸、 81…貫通穴、 82…第4の主軸受部、 83…第4の副軸受部、 85…コイル支持台、 85a…位置決め凸部、 86…フレキ補強板、 87…フレキシブル配線板、 88…偏平コイル、88a,88b…コイル部、 89a,89b,92…推力発生部、 91…筒状コイル、 93…コイル組立体、 94…第1のホール素子、 95…第2のホール素子、 96…サーミスタ

Claims (11)

  1. レンズ系の光軸と直交する方向に移動可能に支持された補正レンズと、
    前記補正レンズを前記光軸と直交する第1の方向にガイドする第1のガイド手段と、
    前記補正レンズを前記光軸と直交する方向であって、前記第1の方向とも直交する第2の方向にガイドする第2のガイド手段と、
    前記補正レンズを前記第1のガイド手段に沿って移動させる第1の電動アクチュエータと、
    前記補正レンズを前記第2のガイド手段に沿って移動させる第2の電動アクチュエータと、
    前記第1の電動アクチュエータ及び前記第2の電動アクチュエータと電源又は電源に接続された電源側部材とを電気的に接続するフレキシブル配線板と、を設け、
    前記第1の電動アクチュエータ及び前記第2の電動アクチュエータは、2つのコイルと、前記2つのコイルに磁力を付与するマグネットと、前記マグネットを支持するヨークとからなり、
    前記2つのコイルは、前記マグネットの磁力の作用により各コイルの推力発生部が前記第1の方向と前記第2の方向とに向くよう交差させて互いに重ね合わせるように配置したことを特徴とする像ぶれ補正装置。
  2. 前記2つのコイルは、平面的に巻回されると共に前記推力発生部となる直線部を有する偏平コイルと、積層方向に所定の厚みを有すると共に前記推力発生部となる直線部を有する筒状コイルとの組み合わせからなることを特徴とする請求項1記載の像ぶれ補正装置。
  3. 前記2つのコイルは、平面的に巻回されると共に前記推力発生部となる直線部を有する2つの偏平コイルの組み合わせからなることを特徴とする請求項1記載の像ぶれ補正装置。
  4. 前記マグネット及び前記ヨークは、前記第2のガイド手段を移動可能に支持する固定基盤に固定し、前記2つのコイルは、前記第1の電動アクチュエータと前記第2の電動アクチュエータとを兼用して前記第1のガイド手段に固定したことを特徴とする請求項1記載の像ぶれ補正装置。
  5. 前記2つのコイルの間に、前記マグネットの磁力により吸引される磁性体を介在させて設けたことを特徴とする請求項1記載の像ぶれ補正装置。
  6. 前記マグネットは、前記2つのコイルに磁力を付与して推進力を発生させる前記第1の電動アクチュエータ及び前記第2の電動アクチュエータのためのマグネットと、前記第1のガイド手段の位置を検出する第1の位置検出手段及び前記第2のガイド手段の位置を検出する第2の位置検出手段のためのマグネットを兼用したことを特徴とする請求項1記載の像ぶれ補正装置。
  7. 前記第1の位置検出手段及び前記第2の位置検出手段は、前記マグネットの位置から前記補正レンズの位置を検出する第1のホール素子及び第2のホール素子を有し、前記第1のホール素子及び前記第2のホール素子は1枚の基板に搭載したことを特徴とする請求項6記載の像ぶれ補正装置。
  8. 前記フレキシブル配線板は、前記第1の電動アクチュエータ及び前記第2の電動アクチュエータの近傍において長手方向に沿って略U字状に湾曲させることにより湾曲部の両側に連続する平面部間に当該フレキシブル配線板による反発力を生じさせるようにしたことを特徴とする請求項1記載の像ぶれ補正装置。
  9. 前記フレキシブル配線板の前記湾曲部は、前記長手方向と交差する幅方向の長さを他の部分よりも短くして前記反発力を低下させたことを特徴とする請求項8記載の像ぶれ補正装置。
  10. 同一光軸上に複数のレンズを配置したレンズ系と、
    前記複数のレンズを固定又は移動可能に支持するレンズ鏡筒と、
    前記レンズ系の像ぶれを補正する像ぶれ補正装置と、を備えたレンズ装置において、
    前記像ぶれ補正装置は、
    前記レンズ系の光軸と直交する方向に移動可能に支持された補正レンズと、
    前記補正レンズを前記光軸と直交する第1の方向にガイドする第1のガイド手段と、
    前記補正レンズを前記光軸と直交する方向であって、前記第1の方向とも直交する第2の方向にガイドする第2のガイド手段と、
    前記補正レンズを前記第1のガイド手段に沿って移動させる第1の電動アクチュエータと、
    前記補正レンズを前記第2のガイド手段に沿って移動させる第2の電動アクチュエータと、
    前記第1の電動アクチュエータ及び前記第2の電動アクチュエータと電源又は電源に接続された電源側部材とを電気的に接続するフレキシブル配線板と、を設け、
    前記第1の電動アクチュエータ及び前記第2の電動アクチュエータは、2つのコイルと、前記2つのコイルに磁力を付与するマグネットと、前記マグネットを支持するヨークとからなり、
    前記2つのコイルは、前記マグネットの磁力の作用により各コイルの推力発生部が前記第1の方向と前記第2の方向とに向くよう交差させて互いに重ね合わせるように配置したことを特徴とするレンズ装置。
  11. 同一光軸上に複数のレンズを配置すると共に、前記複数のレンズをレンズ鏡筒によって固定又は移動可能に支持したレンズ装置と、
    前記レンズ装置の像ぶれを補正する像ぶれ補正装置と、を備えた撮像装置において、
    前記像ぶれ補正装置は、
    前記レンズ系の光軸と直交する方向に移動可能に支持された補正レンズと、
    前記補正レンズを前記光軸と直交する第1の方向にガイドする第1のガイド手段と、
    前記補正レンズを前記光軸と直交する方向であって、前記第1の方向とも直交する第2の方向にガイドする第2のガイド手段と、
    前記補正レンズを前記第1のガイド手段に沿って移動させる第1の電動アクチュエータと、
    前記補正レンズを前記第2のガイド手段に沿って移動させる第2の電動アクチュエータと、
    前記第1の電動アクチュエータ及び前記第2の電動アクチュエータと電源又は電源に接続された電源側部材とを電気的に接続するフレキシブル配線板と、を設け、
    前記第1の電動アクチュエータ及び前記第2の電動アクチュエータは、2つのコイルと、前記2つのコイルに磁力を付与するマグネットと、前記マグネットを支持するヨークとからなり、
    前記2つのコイルは、前記マグネットの磁力の作用により各コイルの推力発生部が前記第1の方向と前記第2の方向とに向くよう交差させて互いに重ね合わせるように配置したことを特徴とする撮像装置。
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