JP3186823B2 - 水性インク用記録材 - Google Patents
水性インク用記録材Info
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Description
されるオーバーヘッドプロジェクターなどに用いて好適
な水性インク用記録材に関する。
が少なく高速記録が可能でカラー化が容易である等の理
由で近年急速に普及している。インクとしては、安全性
や記録適性の面から水性インクが使用されている。ま
た、記録材としては、普通紙のほかインク吸収性を改善
した記録材が使用されている。
録材として、紙、プラスチックフィルム、ガラス板など
の支持体上に、ポリビニルアルコールやポリビニルピロ
リドンなどの水溶性樹脂からなるインク受容層を設けた
記録材が知られている(例えば、特開昭55−1467
86号公報、特開昭59−174381号公報参照)。
この種の記録材は、水性インクの吸収性及び定着性が良
好であるが、インク受容層の耐水性が悪く、水がかかっ
たりするとインク受容層が剥がれ易いという欠点があ
る。
ために、インク受容層として、ポリビニルピロリドンの
ような水溶性樹脂と、ポリビニルブチラールのような耐
水性の皮膜を形成する樹脂或いはスチレン−無水マレイ
ン酸共重合物のナトリウム塩のような耐水化された水溶
性樹脂との混合物を用いることが提案されている(例え
ば、特開昭57−102391号、特開昭58−893
19号公報参照)。しかし、このようなインク受容層
は、両者の樹脂の相溶性が良好でなくインク受容層の透
明性が劣る。そのため、ポリエステルフィルムのような
透明な支持体を用いて作られる透明な記録材、例えばオ
ーバーヘッドプロジェクター用などの記録材には適用で
きないという欠点がある。
良好で、且つ透明なインク受容層として、ポリビニルフ
ェニルアセトアセタールなどの耐水性のポリビニルアセ
タール樹脂を用いることが提案されている(例えば、特
開昭63−221077号公報参照)。このようなイン
ク受容層を、ポリエステルフィルムのような透明な支持
体上に設けた記録材は、透明性が良くオーバーヘッドプ
ロジェクター用などの記録材に使用することができる。
ルフィルムのような水性インクを吸着しにくい支持体上
に、耐水性のポリビニルアセタール樹脂からなるインク
受容層を設けたインクジェット記録材は、単位面積当た
りのインクの付着量が少ない時には良好な性能を発揮す
るが、多数のインクドッドが重なり合う場合、つまり単
位面積当たりのインクの付着量が多い時には、インク受
容層がインクを充分に吸収しきれない。
インクが溜まり、インクのにじみが発生したり、インク
受容層が支持体から剥がれるという問題がある。このよ
うな問題は、インクジェット方式で記録する場合に限ら
ず、ペン方式などで記録する場合にも発生する。また、
ポリエステルフィルムのような水性インクを吸着しにく
い支持体を使用する場合に限らず、紙を支持体とする場
合にも発生することがある。
で、その目的とするところは、単位面積当たりのインク
の付着量が多い時でも、インクのにじみがなく、インク
の吸収性、定着性及び耐水性が良好で、且つ透明性の良
好なインク受容層を形成し得る水性インク用記録材を提
供することにある。
記録材は、支持体上に少なくとも二層からなるインク受
容層が設けられ、最外層のインク受容層が、ポリビニル
アルコールを芳香族系アルデヒドでアセタール化したも
ので、アセタール化度5〜20モル%の耐水性のポリビ
ニルアセタール樹脂からなり、その下側層のインク受容
層が水溶性樹脂からなり、それにより上記の目的が達成
される。
エステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチル
メタクリレート、酢酸セルローズ、ポリエチレン、ポリ
カーボネート等のプラスチックフィルムもしくはシー
ト、紙、ガラス板等が用いられる。これ等の支持体の中
から、用途により適当なものが選定される。
リビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールに芳
香族系アルデヒドを縮合反応させてアセタール化するこ
とにより得ることができる。このアセタール化は、酸触
媒の存在下で水媒体を用いる沈澱法やアルコール等の溶
媒を用いる溶解法など公知の方法が採用される。なお、
原料としてポリ酢酸ビニル樹脂を用い、ケン化とアセタ
ール化とを並行的に行ってポリビニルアセタール樹脂を
得ることもできる。
般に平均重合度が200〜4500、好ましくは500
〜4500のものが用いられる。平均重合度が200未
満ではポリビニルアルコールの合成が困難であり、逆に
平均重合度が4500を越えると溶液粘度が高くなり過
ぎて、この用途における実用性が低下する。この平均重
合度は高いほうがインクの定着性及び耐水性が良くな
る。
は、一般に75〜99.8モル%のものが用いられる。
ケン化度が75モル%未満では反応の際の溶解性が充分
でなく、逆に99.8モル%を越えるとポリビニルアル
コールの合成が困難となる。このケン化度は低いほうが
インクの定着性が良くなる。
香族系アルデヒドとしては、ベンズアルデヒド、2−メ
チルベンズアルデヒド、3−メチルベンズアルデヒド、
4−メチルベンズアルデヒド、その他のアルキル置換ベ
ンズアルデヒド、クロルベンズアルデヒド、その他のハ
ロゲン置換ベンズアルデヒド等の芳香族アルデヒド;芳
香族環にヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、シア
ノ基等の置換基を持った芳香族系アルデヒド;ナフトア
ルデヒド、アントラアルデヒド等の縮合芳香環を持った
芳香族系アルデヒド等が挙げられる。このような芳香族
系アルデヒドを用いると、特に、インクの定着性、耐水
性、透明性の良好な樹脂が得られる。
アセタール樹脂のアセタール化度は、一般に2〜40モ
ル%、好ましくは3〜30モル%、さらに好ましくは5
〜20モル%である。アセタール化度が低すぎると、イ
ンクの定着性は良いが耐水性が悪くなり、逆にアセター
ル化度が高すぎると、耐水性は良いがインクの定着性が
悪くなる。
としては、ポリビニルアルコール及びその誘導体、デン
プン、カゼイン、アラビアゴム、ポリアクリルアミド、
カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ソーダ、
アルギン酸ソーダ、ポリビニルピロリドン等が挙げられ
る。特に、ポリビニルアルコール及びその誘導体が好ま
しい。この誘導体としては、−COOM、−SO3 M、
−OSO3 M、−PO(OM)2、(但し、Mは、水素、
リチウム、ナトリウム、カリウムを示す)、三級アミ
ン、四級アンモニウム塩、ベタインからなる群より選ば
れる少なくとも一つの親水性基用のユニットを有する変
成ポリビニルアルコール等がある。
しくはアニオン系の顔料又は染料を用いる場合が多く、
例えばカチオン系の顔料又は染料を含む水性インクは、
アニオン系の変成ポリビニルアルコールと強く結びつく
ため、インクの吸着性に優れるからである。同様に、ア
ニオン系の顔料又は染料を用いる場合は、カチオン系の
変成ポリビニルアルコールを用いると、インクの吸着性
に優れる。また、最外層のポリビニルアセタール樹脂と
の密着性の点からもポリビニルアルコール及びその誘導
体が好ましい。
ンク受容層(下側層)と耐水性のポリビニルアセタール
樹脂からなるインク受容層(最外層)とを設ける方法と
しては、それぞれの樹脂溶液をロールコーター法、ブレ
ードコーター法など公知の方法で支持体上に塗布した
後、乾燥させる方法が採用される。
に乾燥重量で0.5〜15g/m2程度が塗工される。
0.5g/m2 未満ではインク受容層としての効果が望
めず、逆に15g/m2 を越えると単位面積当たりのイ
ンクの付着量が多い時(例えば、多数のインクドットが
重なった時)と、単位面積当たりのインクの付着量が少
ない時(例えば、一回のインクドットの時)とでインク
の浸透度合いが異なり、印字や画像に濃淡が現れる。
るインク受容層は、一般に乾燥重量で0.5〜15g/
m2 程度が塗工される。0.5g/m2 未満ではインク
受理層としての効果が望めず、逆に15g/m2 を越え
るとインクが下側の水溶性樹脂からなるインク受容層ま
で到達しにくくなる。
インク受容層に用いられる樹脂には、この発明の目的達
成を妨げない範囲内で公知の各種添加剤を配合させるこ
とができる。このような添加剤としては、インクの吸着
性能を改善するためのグリセリン、エチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、界面活性剤、紫外線吸収
剤、顔料分散剤、消泡剤、防腐剤、pH調整剤、シリ
カ、タルク、クレー、アルミナ等の充填剤等がある。
接着性を改善するために、支持体をコロナ放電等により
酸化処理したり、支持体に接着性の樹脂層を設けてもよ
い。こうして、この発明の水性インク用記録材が得られ
る。
インクは、慣用の水性インクであって、例えば、特開昭
47−12105号公報、特開昭49−89534号公
報、特開昭49−97620号公報、特開昭50−10
2407号公報、特開昭50−143602号公報に記
載されているように、水溶性染料、水、その他水混和性
有機溶剤、湿潤剤、染料可溶化剤、防黴剤等からなるも
のである。
ルを芳香族系アルデヒドでアセタール化したもので、ア
セタール化度5〜20モル%の耐水性のポリビニルアセ
タール樹脂からなり、その下側層のインク受容層が水溶
性樹脂からなるので、このような記録材を使用し水性イ
ンクで記録すると、単位面積当たりのインク使用量が少
ないときは、最外層のインク受容層でインクが吸収され
る。また、単位面積当たりのインク使用量が多いとき
は、最外層と下側層の両方のインク受容層でインクが吸
収されるので、支持体と下側層との間にインクが滞留す
ることがない。それゆえ、インクのにじみが防止され
る。
インク受容層とは良好に接着し、最外層のインク受容層
が耐水性であるので、水に濡れても最外層のインク受容
層で水が防げるので、両方のインク受容層の剥がれが防
止される。また、透明性の良好なインク受容層を形成す
ることができる。
れ、これに重合度1700、ケン化度88.0モル%の
ポリビニルアルコール350gを加え加温して完全に溶
解させた。この水溶液を20℃に冷却し、これに濃度3
5重量%の塩酸触媒170gとフェニルアセトアルデヒ
ド77gを加えた後、液温を10℃まで下げ5時間保っ
て反応させて、スポンジ状の反応沈澱物のスラリーを得
た。
未反応のアルデヒドを除去した後、乾燥して粉末状のポ
リビニルフェニルアセトアセタール樹脂を得た。この樹
脂のアセタール化度は14モル%であった。この樹脂
を、水:メタノール:ブタノールが重量比で1:1:1
の混合溶剤に溶解して、濃度10重量%のポリビニルフ
ェニルアセトアセタール樹脂溶液を調製した。
コールを水に溶解して、濃度10重量%のポリビニルア
ルコール溶液を調製した。
の片面に、上記のポリビニルアルコール溶液を塗布し乾
燥して、乾燥重量が2g/m2 の下側層のインク受容層
を形成した。このインク受容層は透明であった。次い
で、この下側層のインク受容層に、上記のポリビニルフ
ェニルアセトアセタール樹脂溶液を塗布し乾燥して、乾
燥重量が2g/m2 の最外層のインク受容層を形成し
た。このインク受容層も透明であった。こうして、透明
性の良好な水性インク用記録材を作成した。
を使用し、上記の記録材に、黒色染料(Snmilight Blac
k G Conk. C.I 35255 :住友化学社製):水:ジエチレ
ングリコールが、重量比で2:70:30の水性インク
を同一箇所に5ドット噴射して画像を記録した。記録さ
れた画像の耐水性及びにじみを、次の方法で評価した。
その結果を表1に示す。
これを引き上げた直後の画像部の状態を観察し、次の通
り評価した。 優 : 浸漬する前の常態と変わらない。 良 : 膨潤しているが乾燥すれば元の状態に戻る。 可 : インクが一部溶出し受容層は膨潤している。 不良: 受容層が溶解し流れ出る。
ドット噴射して記録し、インク噴射1時間後の画像部の
大きさ(画像部周辺のぼけの度合い)を、インク噴射直
後の大きさと比較観察し、次の通り評価した。 ◎ : 周辺にぼけが全くない。 ○ : 周辺が僅かにぼける。 × : 周辺のぼけが大きい。
透明性を目視により、次の通り評価した。 ◎ : 非常に透明である。 ○ : 僅かに曇っている。 × : 全体的に曇っている。
更した。それ以外は実施例1と同様に行った。その結果
をまとめて表1〜表2に示す。なお、下側層の樹脂は、
ポリビニルアルコール(重合度1700、ケン化度88
モル%)、ポリビニルピロリドン(平均分子量3万)、
ポリアクリルアミド(平均分子量4万)を使用した。
な樹脂を使用した。それ以外は実施例1と同様に行っ
た。その結果をまとめて表3に示す。なお、下側層の樹
脂は、ポリビニルアルコール(重合度1700、ケン化
度88モル%)、ポリビニルピロリドン(平均分子量3
万)、ポリアクリルアミド(平均分子量4万)、ポリア
クリル酸ソーダ(平均分子量2.5万)、メチルセルロ
ース(信越化学社製)、ポリビニルフェニルアセトアセ
タール樹脂(実施例1と同じ樹脂)、ポリビニルピロリ
ドン(平均分子量3万)70重量%とポリビニルブチラ
ール樹脂(ブチラール化度65モル%)30重量%との
混合物を使用した。
録材は、支持体上に少なくとも二層からなるインク受容
層が設けられ、最外層のインク受容層が、ポリビニルア
ルコールを芳香族系アルデヒドでアセタール化したもの
で、アセタール化度5〜20モル%の耐水性のポリビニ
ルアセタール樹脂からなり、その下側層のインク受容層
が水溶性樹脂からなるので、耐水性が良好で、単位面積
当たりのインク付着量が多い時でも、インクのにじみが
なく、しかも透明性な良好な記録材を得ることができ
る。
ゼット方式をはじめペン方式などで記録するオーバーヘ
ッドプロジェクター用の透明な記録材として好適で、そ
の他スライド用、液晶等のカラーディスプレイに用いる
カラーモザイクフィルター用の透明な記録材にも好まし
い。なお、この発明の記録材は、紙を支持材とする端末
プリンター用の記録材、X−Yプロッタ−用の記録材に
も使用することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 支持体上に少なくとも二層からなるイン
ク受容層が設けられ、最外層のインク受容層が、ポリビ
ニルアルコールを芳香族系アルデヒドでアセタール化し
たもので、アセタール化度5〜20モル%の耐水性のポ
リビニルアセタール樹脂からなり、その下側層のインク
受容層が水溶性樹脂からなる水性インク用記録材。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP06205292A JP3186823B2 (ja) | 1992-03-18 | 1992-03-18 | 水性インク用記録材 |
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ID=13188999
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06205292A Expired - Lifetime JP3186823B2 (ja) | 1992-03-18 | 1992-03-18 | 水性インク用記録材 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US7650065B2 (en) | 2005-07-11 | 2010-01-19 | Sony Corporation | Image stabilizer, lens apparatus and imager apparatus |
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US7822331B2 (en) | 2007-08-28 | 2010-10-26 | Sony Corporation | Image blur correction device, lens barrel and imaging apparatus |
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JPH09323477A (ja) * | 1996-04-04 | 1997-12-16 | Canon Inc | 記録媒体、インクジェット記録方法、印字物及び画像形成方法 |
CN100354145C (zh) * | 2005-07-27 | 2007-12-12 | 上海浮托光电科技发展有限公司 | 一种环保型可打印层合证卡面膜及其制备方法和应用 |
-
1992
- 1992-03-18 JP JP06205292A patent/JP3186823B2/ja not_active Expired - Lifetime
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US7822331B2 (en) | 2007-08-28 | 2010-10-26 | Sony Corporation | Image blur correction device, lens barrel and imaging apparatus |
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JPH05262028A (ja) | 1993-10-12 |
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