JP4482180B2 - 塗布具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フェルトチップペン、ラインマーカ、ホワイトボートマーカや修正具等の塗布具に関するものであり、より詳細には弁を内蔵していて塗布部を押し込むことにより、弁を開放し、内部の液体を流出させる塗布具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ペン先に適量のインキを流出させるために、弁が内蔵された塗布具が知られている。図4は、従来技術の弁が内蔵された塗布具の断面図である。
【0003】
従来技術の塗布具100は、塗布具本体100がインキを溜めるインキ溜部102として機能し、塗布具本体100内に弁103が内蔵されたものである。塗布具100では、該塗布具本体100の先端部に保持されたペン先101を押し込むことにより、前記弁103が開放され、塗布具本体100内のインキが流出する。
【0004】
従来技術の塗布具100で採用する弁103は、弁座部材106と支持体107、弁体108及びバネ109によって構成される。そして弁103は、弁座部材106と支持体107が一体的に嵌合して弁室110を形成し、この弁室110に弁体108が内蔵されたものである。ここで従来技術で採用する弁室110は、枠体で囲まれた様な形状であり、密閉空間ではない。そのため弁室110には側面部分からインキが出入りする。また弁室110には弁座部材106によって構成される前部開口111と、支持体107に設けられた後部開口112が設けられている。弁体103は、全体形状が棒状であり中間に大径部が設けられている。弁体103は、大径部が弁室110内にあり、両端部がそれぞれ前後の開口111,112から突出している。また弁体103は、バネ109によって常に弁座部材106に向かって付勢されている。そのため弁体103によって前部開口111は常時閉塞されている。
【0005】
上記塗布具100を使用する場合には、紙等にペン先101を押しつけ、ペン先101を塗布具100の本体100内に数回押し込む。その結果弁体103は弁座部材106を離れ、インキ溜部102のインキがペン先101側に流れる。従来技術の塗布具100では、前記した様に弁室110は枠状であって密閉されていない。また弁室110の後方に設けられた後部開口112は、単なるガイド穴に過ぎず、弁としての機能はない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術の塗布具100は、弁103によってインキの流量が制限されるので、インキのぼたつきが少ない。しかしながら従来技術の塗布具100は、常時、弁103によってインキ溜部102が閉め切り状態となっている。そのため気温の上昇等により内部のガスが膨張し、インキ溜部102の内圧が上昇することがある。この様にインキ溜部102内が高圧となっている時にペン先101を押圧すると、弁103が開放されて内部のインキが吹き出す。そのため従来技術の塗布具100は、吹き出したインキによって塗布面を汚してしまうという問題がある。そこで本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、インキ溜部の中が高圧状態となってもインキが吹き出さない塗布具の開発を課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そして上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、液体溜部と塗布部を備え、両者の間に弁が介在された塗布具において、弁は弁体と弁室を有し、前記弁室には液体溜部と連通する溜部側開口と塗布部と連通する塗布部側開口が設けられていると共に、塗布部側開口には凸状に変形可能な円板状の弾性体が設けられ、弾性体には開口が設けられており、さらに前記弁室には前記弁体が配され、塗布部を押圧することにより弁体が移動して塗布部側開口と溜部側開口の双方を閉塞し、その後塗布部側開口を開放し、塗布部を押圧しない状態において弁体は塗布部側開口を閉塞する一方、溜部側開口は開放することを特徴とする塗布具である。
【0008】
本発明の塗布具で採用する弁は、常時において弁体が塗布部側開口を閉塞している。そのため筆記の際に液体が過度に流れ出ることがなく、インキ等のぼたつきはない。また本発明の塗布具では、弁体の溜部側開口から弁室内にインキ等が流れ込み、弁室内にインキ等が溜まる。そして塗布部を押すと塗布部と連動して弁体が移動し、塗布部側開口と溜部側開口の双方を閉塞する。従って、この段階で、塗布部は液体溜部と遮断される。そしてその後塗布部側開口を開放する。その結果、弁室内に溜まったインキ等が塗布部側に流れ込むが、本発明の塗布具では、弁体は塗布部側開口と溜部側開口の双方を閉塞し、その後一方の開口を開放するので、塗布部側開口が開く時には、常に溜部側開口は閉塞されている。そのためインキ等が流出する際には、塗布部側と液体溜部は遮断され、塗布部側は液体溜部の圧力の影響を受けない。従って液体溜部内が高圧であっても、インキ等が吹き出すことはない。
【0009】
【0010】
本発明の塗布具では、塗布部側開口及び溜部側開口の少なくとも一方に弾性体が設けられ、弾性体には開口が設けられている。従って本発明の塗布具では、弾性体の開口を弁体で閉塞することとなる。本発明の塗布具では、弁体をもって弾性体の開口を閉塞するものであるから、弾性体が変形することにより開口を閉塞した状態を維持したままで弁体が移動し得る。そのため弁体は塗布部側開口と溜部側開口の双方を閉塞し、一方の閉塞状態を維持したままで他方の開口を開放する構成を採用しやすい。
【0011】
請求項2に記載の発明は、塗布部側開口又はこれと接する弁体のいずれかのシール部に前記弾性体が配されていることを特徴とする請求項1に記載の塗布具である。
【0012】
本発明の塗布具では、塗布部側開口及び溜部側開口の開口側、あるいは弁体側のシール部に弾性体が配されている。従って本発明の塗布具では、弾性体が変形することにより開口を閉塞した状態を維持したままで弁体が移動し得る。そのため弁体は塗布部側開口と溜部側開口の双方を閉塞し、一方の閉塞状態を維持したままで他方の開口を開放する構成を採用しやすい。
【0013】
また請求項3に記載の発明は、液体溜部と塗布部を備え、両者の間に弁が介在された塗布具において、弁は弁体と弁室を有し、前記弁室には液体溜部と連通する溜部側開口と塗布部と連通する塗布部側開口が設けられていると共に前記弁体が配されていて弁体は溜部側開口と塗布部側開口を閉塞可能であり、塗布部側開口又はこれと接する弁体のいずれかのシール部に円板状の弾性体が配され、弾性体には開口が設けられており、塗布部を押圧することにより弁体が移動し、塗布部側のシール部に設けられた弾性体が変形することによって塗布部側開口の閉塞を維持しつつ他方の溜部側開口を閉塞し、その後塗布部側開口を開放し、塗布部を押圧しない状態において弁体はバネに押されて塗布部側のシール部に設けられた弾性体を凸状に変形して塗布部側開口を閉塞する一方、溜部側開口は開放することを特徴とする塗布具である。
【0014】
本発明の塗布具で採用する弁は、常時において弁体が塗布部側開口を閉塞している。そのため筆記の際に液体が過度に流れ出ることがなく、インキ等のぼたつきはない。また本発明の塗布具では、弁体の溜部側開口から弁室内にインキ等が流れ込み、弁室内にインキ等が溜まる。また本発明の塗布具では、塗布部側開口又はこれと接する弁体のいずれかのシール部、及び溜部側開口又はこれと接する弁体のいずれかのシール部に弾性体が配されており、常時において弁体は塗布部側のシール部に設けられた弾性体を変形して塗布部側開口を閉塞している。そして塗布部を押すと塗布部と連動して弁体が移動するが、本発明の塗布具では、前記した様に弾性体を変形して塗布部側を閉塞しているので、一定の移動範囲内では、塗布部側のシール部に設けられた弾性体が変形することによって塗布部側開口の閉塞状態を維持する。そのため塗布部側開口と溜部側開口の双方を閉塞する状態となる。従って、この段階で、塗布部は液体溜部と遮断される。そしてその後塗布部側開口を開放する。その結果、弁室内に溜まったインキ等が塗布部側に流れ込むが、本発明の塗布具では、弁体は塗布部側開口と溜部側開口の双方を閉塞し、その後一方の開口を開放するので、塗布部側開口が開く時には、常に溜部側開口は閉塞されている。そのためインキ等が流出する際には、塗布部側と液体溜部は遮断され、塗布部側は液体溜部の圧力の影響を受けない。従って液体溜部内が高圧であっても、インキ等が吹き出すことはない。
【0015】
また請求項4に記載の塗布具は、液体溜部と塗布部を備え、両者の間に弁が介在された塗布具において、弁は弁体と弁室を有し、前記弁室には液体溜部と連通する溜部側開口と塗布部と連通する塗布部側開口が設けられていると共に前記弁体が配されていて弁体は溜部側開口と塗布部側開口を閉塞可能であり、塗布部側開口又はこれと接する弁体のいずれかのシール部に円板状の弾性体が配され、弾性体には開口が設けられており、弁体は溜部側開口と塗布部側開口のシール部を同時に封鎖可能な大きさであり、弁体は塗布部側開口に向かって付勢されていて塗布部側のシール部に設けられた弾性体は付勢された弁体に押されて凸状に変形した状態で塗布部側開口を閉塞する一方、溜部側開口は開放され、塗布部を押圧することにより弁体が移動し、塗布部側のシール部に設けられた弾性体が変形することによって塗布部側開口の閉塞を維持しつつ他方の溜部側開口を閉塞し、その後塗布部側開口を開放することを特徴とする塗布具である。
【0016】
本発明の塗布具の作用は、前記した請求項3と略同様であり、塗布部側開口が開く時には、常に溜部側開口は閉塞され、インキ等が流出する際には、塗布部側と液体溜部は遮断され、液体溜部内が高圧であっても、インキ等が吹き出すことはない。また本発明の塗布具では、特に弁体は溜部側開口と塗布部側開口のシール部を同時に封鎖可能な大きさである。そして弁体は塗布部側開口に向かって付勢されていて塗布部側開口のシール部に設けられた弾性体は変形状態で弁体と接する一方、溜部側開口は開放されている。そのため弁体が溜部側に移動すると、塗布部側のシール部に設けられた弾性体が変形することによって塗布部側開口の閉塞を維持しつつ他方の溜部側開口を閉塞し、その後塗布部側開口を開放することとなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下にさらに本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態の塗布具の断面図である。図2は、図1の塗布具の部分拡大図であり、弁の動作を説明するものである。図3は、本発明の他の実施形態の塗布具の部分拡大図である。
【0018】
図1及び図2において、1は本発明の塗布具を示す。塗布具1は、容器2、先栓3、ペン先(塗布部)5、弁6及びキャップ7によって構成される。尚、容器2及び先栓3により塗布具本体4が構成されている。以下、各部材の構成について説明する。
【0019】
容器2は、インキ溜部(液体溜部)2aとして機能するものであり、端部が開口し、他端が閉塞した筒形状である。本実施形態で採用する容器2は、開放側がやや小径に作られ、さらに当該部分にはネジが設けられている。容器2は、アルミニウム、ステンレススチール、鋼材等を素材とした深絞り成形、押出成形、しごき成形や、合成樹脂を素材とした射出成形やブロー成形、あるいは、ガラスの吹き込み成形等によって成形される。
【0020】
先栓3は合成樹脂の射出成形等によって作られたものであり、外形は3段階に先細になった形状であり、内部は長手方向に連通する。内部の連通穴10は、容器2と同軸心状に設けられている。また先栓3の太い側の内部にはネジが設けられている。尚、貫通穴10には、ペン先5の中心を後記する弁体16の中心に一致させると共に、先栓3とペン先5との間に通気孔を確保するための複数の突条(図示省略)が設けられている。
【0021】
ペン先(塗布部)5は断面円形状を呈し且つその先端は、凸状の球面を有するチップからなる。チップの種類としては、特に限定されるものではないが、例えば、毛細現象によりインキを先端からにじみ出す繊維束チップや、軸方向に微小な貫通孔或いは貫通溝(図示省略)を有するチップ、ポーラス(焼結体)からなるチップが挙げられる。
【0022】
弁6は、容器2及び先栓3に内蔵され、外装部材11、内装部材12、後端側弾性体13、前端側弾性体15、弁体16及びバネ17によって構成されている。すなわち外装部材11は全体形状が筒状であり、先端部にフランジ20が設けられ、フランジ20の直近の部位の外径が容器2の開口部の内径に等しく、他の部位はやや細く作られている。外装部材11は、長手方向に連通している。すなわち外装部材11の大径側は開放されている。また外装部材11の小径側には、溜部側開口22が設けられている。溜部側開口22の内面にはリブ23が設けられている。溜部側開口22の周辺部分はシール部として機能する。外装部材11の内部に目を移すと、外装部材11の内部には、その中央近傍に段部19があり、当該段部を境として開放側の内径は大きく、溜部側開口22側はやや小径に作られている。
【0023】
内装部材12は、フランジ部25と筒状部26によって構成され、フランジ部25の外径は外装部材11の開放端の外径と等しく、筒状部26の外径は、外装部材11の開放側の内径に等しい。また筒状部26の長さは、外装部材11の開放側から段部19までの距離よりも2mmから5mm程度短い。
【0024】
弁体16は棒状であり、先端近傍が太くなっていて円錐部30が設けられている。また円錐部30の後方は、ほぼ均一な棒状部32が続き、段部31を境として後端部はやや細く作られている。また最後端部は尖っている。本実施形態の塗布具1において、弁体16の大きさは、特殊である。即ち、弁体16の円錐部30と段部31間の長さは、弁体16を組み立てた状態の時、溜部側開口22と塗布部側開口35のシール部を同時に封鎖可能な大きさである。
【0025】
後端側弾性体13は、ゴム又は樹脂を素材とする円板状であり、中央に開口33が設けられている。また前端側弾性体15も同様にゴム又は樹脂を素材とする円板状であり、中央に開口36が設けられている。
【0026】
次に弁6の組み立て構造を説明する。弁6では、外装部材11の内部に内装部材12が挿入されている。そして内装部材12の端部と外装部材11の段部19の間で前端側弾性体15の外周部分が挟み込まれ、当該部分に前端側弾性体15が固定されている。一方後端側弾性体13は、外装部材11の内部にあって溜部側開口22の近くに固定されている。また弁体16は、外装部材11の内部にあり、その大部分が前端側弾性体15と後端側弾性体13の間に位置する。すなわち本実施形態の塗布具1では、外装部材11の内部であって、前端側弾性体15と後端側弾性体13によって囲まれる部分が弁室35として機能する。また前端側弾性体15の開口が塗布部側開口36として機能し、その周辺部分はシール部として機能する。本実施形態の塗布具1では、従来技術と異なり弁室35は密閉状態となり得る。バネ17は、弁体16に外装され、弁体16の円錐部30を常時、前端側弾性体15に押圧している。常時においては、前端側弾性体15は弁体16に押されて捲れる様に先端側に凸状に変形している。
【0027】
本実施形態の塗布具1の全体的な組み立て構造は次の通りである。すなわち弁6は、容器2の開放端から容器の内部に挿入され、フランジ20が容器の端面に当接している。そして容器2の開放端には先栓3が取り付けられている。またペン先5は、先栓3の穴10に摺動可能に挿入され、先端部は先栓3から外に突出し、後端部は弁体16の先端と当接している。
【0028】
また先栓3の内部にはスポンジ等のインキ吸収体38が設けられている。さらに容器2の内部にはインキが内蔵され、攪拌用の球40が内蔵されている。
【0029】
次に、本実施形態の塗布具1の作用について説明する。本実施形態の塗布具1の、常時、すなわち筆記していない状態の時の様子は、図2(a)の様であり、弁体16はバネ17に押されて塗布部側開口36たる前端側弾性体15と当接している。この時、前記した様に前端側弾性体15は弁体16に押されて先端側に凸状に変形している。また前端側弾性体15は、バネ17の付勢力によって中央部分がペン先5側に突出している。ここで本実施形態で採用する弁体16は、円錐部30を持ち、前端側弾性体15と当接する部位の形状が円錐形であるため、前端側弾性体15の形状が凸形となっても、円錐部30は前端側弾性体15から離れず、液密性を維持する。従って常時、弁室35の塗布部側開口36は閉塞されている。そのためインキはペン先5側に流れない。
【0030】
一方、弁体16の後端側の段部31は、後部弾性体13を離れている。従って常時、弁室35の溜部側開口22は開放されている。そのためインキ溜部2aと弁室35は流通し、インキ溜部2a内のインキは弁室35に流れ込む。
【0031】
次に、筆記をするべくペン先5を紙等に押しつけるとペン先5の移動に伴って弁体16がインキ溜部2a側に移動する。そして図5(b)の様に弁体16の後端側の段部31が後部弾性体13と当接する。その結果弁室35の溜部側開口22が閉塞される。しかしながら、弁体16の段部31が後部弾性体13と当接した時点では、まだ前端側弾性体15の変形は完全に回復しておらず、弁体16の円錐部30は前端側弾性体15が変形することによって前端側弾性体15と当接した状態を維持している。その結果、当初弁室35は図2(a)の様に塗布部側開口36が閉塞され、溜部側開口22が開放されていたが、ペン先5の移動に応じて塗布部側開口36と溜部側開口22の双方が閉塞された状態となる。
【0032】
さらに続いてペン先5を押圧し、弁体16の移動が進むと、図2(c)の様に前端側弾性体15の変形が戻り、円錐部30が前端側弾性体15を離れて塗布部側開口36が開放される。そのため弁室35内に溜まっていたインキが塗布部側開口36から流れだし、ペン先5を潤す。一方、弁室35の溜部側については、弁体16の後端側の段部31が後部弾性体13を押し続け、溜部側開口22は、閉塞状態を維持している。即ち後部弾性体13は、弁体16によって押されて変形するものの、変形することによって溜部側開口22を閉塞する状態を維持している。そのためインキ溜部2aは、ペン先5側と遮断されている。従ってインキ溜部2a内の圧力が高くても、先栓3からインキが吹き出すことはない。
【0033】
以上説明した実施形態では、溜部側開口22を閉塞する弁及び塗布部側開口36を閉塞する弁として弾性体に円錐部30又は段部31を当接させたものを例示したが、他の構造の弁を採用することも可能である。図3は、溜部側開口22を閉塞する弁の構造を変形したものであり、溜部側開口22に設けられた弾性体15'の開口径を弁体16'の軸部分の外径と略一致させたものである。本実施形態の塗布具1'では、ペン先5の移動により、弁体16'が移動し、図3(b)の様に弁体16'の後端部分が弾性体15'の開口にはまり込んで、溜部側開口22を閉塞する。図3に示す塗布具1'の他の部位の説明は、前記した実施形態と同一であるから、同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
【0034】
以上の実施形態では、前端側弾性体15は弁体16に押されて図2の様に捲れる様に変形するものを例示した。図2の様に変形する弾性体は、変形量が大きく、本発明の塗布具に採用するものとして好適であるが、単に圧縮状に変形するものであっても良い。またバネ等のゴム以外の弾性体の弾性を活用するものであっても良い。
【0035】
また以上の実施形態では、溜部側開口22及び塗布部側開口36に弾性体を設け、弾性体が変形することを利用して溜部側開口22と塗布部側開口36の双方が閉塞されるタイミングを実現したが、開口側に代わって弁体側に弾性体を設けても同様の作用を発揮させることができる。
【0036】
【発明の効果】
請求項1,4,5に記載の塗布具は、特別の弁構造を採用し、常時において弁体は塗布部側開口を閉塞し、インキ等の流出を制限するが、塗布部を押すことにより弁体が移動し、塗布部側開口と溜部側開口の双方を閉塞した後に塗布部側開口を開放する。そのためインキ等が流出する際には、塗布部側と液体溜部は遮蔽され、塗布部側は液体溜部の圧力の影響を受けない。従って本発明の塗布具は、液体溜部内が高圧であっても、インキ等が吹き出すことはないという効果がある。
【0037】
また請求項2に記載の塗布具では、弁の一部に弾性体を採用することにより、開口を閉塞した状態を維持したままで弁体が移動し得る。そのため本発明によると、弁体が塗布部側開口と溜部側開口の双方を閉塞し、一方の閉塞状態を維持したままで他方の開口を開放する構成を採用しやすい。
【0038】
さらに請求項3に記載の塗布具では、本発明の塗布具では、塗布部側開口又はこれと接する弁体のいずれかのシール部、及び溜部側開口又はこれと接する弁体のいずれかのシール部に弾性体が配されているので、弾性体が変形することにより開口を閉塞した状態を維持したままで弁体が移動し得る。そのため弁体は塗布部側開口と溜部側開口の双方を閉塞し、一方の閉塞状態を維持したままで他方の開口を開放する構成を採用しやすい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の塗布具の断面図である。
【図2】 図1の塗布具の部分拡大図であり、弁の動作を説明するものである。
【図3】 本発明の他の実施形態の塗布具の部分拡大図である。
【図4】 従来技術の弁が内蔵された塗布具の断面図である。
【符号の説明】
1 塗布具
2 容器
2a インキ溜部(液体溜部)
3 先栓
5 ペン先(塗布部)
6 弁
11 外装部材
12 内装部材
13 後端側弾性体
15 前端側弾性体
16 弁体
17 バネ
22 溜部側開口
30 円錐部
31 段部
35 弁室
36 塗布部側開口

Claims (4)

  1. 液体溜部と塗布部を備え、両者の間に弁が介在された塗布具において、弁は弁体と弁室を有し、前記弁室には液体溜部と連通する溜部側開口と塗布部と連通する塗布部側開口が設けられていると共に、塗布部側開口には凸状に変形可能な円板状の弾性体が設けられ、弾性体には開口が設けられており、さらに前記弁室には前記弁体が配され、塗布部を押圧することにより弁体が移動して塗布部側開口と溜部側開口の双方を閉塞し、その後塗布部側開口を開放し、塗布部を押圧しない状態において弁体は塗布部側開口を閉塞する一方、溜部側開口は開放することを特徴とする塗布具。
  2. 塗布部側開口又はこれと接する弁体のいずれかのシール部に前記弾性体が配されていることを特徴とする請求項1に記載の塗布具。
  3. 液体溜部と塗布部を備え、両者の間に弁が介在された塗布具において、弁は弁体と弁室を有し、前記弁室には液体溜部と連通する溜部側開口と塗布部と連通する塗布部側開口が設けられていると共に前記弁体が配されていて弁体は溜部側開口と塗布部側開口を閉塞可能であり、塗布部側開口又はこれと接する弁体のいずれかのシール部に円板状の弾性体が配され、弾性体には開口が設けられており、塗布部を押圧することにより弁体が移動し、塗布部側のシール部に設けられた弾性体が変形することによって塗布部側開口の閉塞を維持しつつ他方の溜部側開口を閉塞し、その後塗布部側開口を開放し、塗布部を押圧しない状態において弁体はバネに押されて塗布部側のシール部に設けられた弾性体を凸状に変形して塗布部側開口を閉塞する一方、溜部側開口は開放することを特徴とする塗布具。
  4. 液体溜部と塗布部を備え、両者の間に弁が介在された塗布具において、弁は弁体と弁室を有し、前記弁室には液体溜部と連通する溜部側開口と塗布部と連通する塗布部側開口が設けられていると共に前記弁体が配されていて弁体は溜部側開口と塗布部側開口を閉塞可能であり、塗布部側開口又はこれと接する弁体のいずれかのシール部に円板状の弾性体が配され、弾性体には開口が設けられており、弁体は溜部側開口と塗布部側開口のシール部を同時に封鎖可能な大きさであり、弁体は塗布部側開口に向かって付勢されていて塗布部側のシール部に設けられた弾性体は付勢された弁体に押されて凸状に変形した状態で塗布部側開口を閉塞する一方、溜部側開口は開放され、塗布部を押圧することにより弁体が移動し、塗布部側のシール部に設けられた弾性体が変形することによって塗布部側開口の閉塞を維持しつつ他方の溜部側開口を閉塞し、その後塗布部側開口を開放することを特徴とする塗布具。
JP25846599A 1999-09-13 1999-09-13 塗布具 Expired - Fee Related JP4482180B2 (ja)

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