JP3753791B2 - 筆記具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、筆記具に関するものであり、特に液状のインキをインキ溜内に内蔵した筆記具に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
フリーインキ式筆記具と称される液状のインキをインキ溜め内に内蔵し、樹脂、金属、フェルト等のチップからインキを漏出させる筆記具は、インキの特質上発色が鮮やかであり、広く普及している。
【0003】
ところで、フリーインキ式筆記具は、液状のインキをそのまま、すなわち中綿等にしみ込ませることなく、直接インキ溜め内に内蔵するものであるため、中綿を有する筆記具に比べて、筆記時に適度な量のインキを導き出すことが困難である。
そこでフリーインキ式筆記具では、インキのかすれや、ぼたつきを無くすために、各種の工夫が成されている。
【0004】
従来技術の筆記具の一例を挙げると、インキ溜めとチップ部材の間に、バルブ栓を介在させ、チップ部材から多量のインキが漏出された際には、インキの漏出によってバルブ栓の周囲が減圧され、その負圧によってバルブ栓が開いてインキがチップ部材に供給されるものがある。
また他の例としては、インキ溜部の先端に弁を有し、チップを押圧することにより、この弁を開放し、チップ部材にインキを供給するものがある(特開平4−119897号、特開平4−332697号他)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来技術の筆記具は、いずれも相当の工夫が凝らされたものであり、商品として、実用化されているものの、まだまだ改良の余地を残すものである。
すなわち前述した従来技術の内、前者のバルブ栓を有する構成では、インキのぼたつきは少ないものの、逆にインキの供給に円滑性を欠くと言う不満がある。バルブ栓を使用する構成は、インキの流出によって負圧を発生させるものであるため、負圧発生のために相当量のインキの流出がなければバルブ栓は開かず、チップ部材にインキは供給されない。そのためこの機構は、インキの消費量の少ない細字用の筆記具には採用が困難である。
また後者のチップを押して弁を開放させる機構は、一般に弁を開放させるのに要するチップのストロークが大きく、インキを供給させるために、一々筆記を中断してチップの押圧動作を行う必要がある。
【0006】
そこで本発明は、従来技術の筆記具に改良を加え、インキの供給が円滑であり、且つ連続した筆記が可能である、筆記具の提供を課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そして上記した目的を達成するための本発明は、インキを内蔵するインキ溜めと、チップ部材を有し、インキ溜め内のインキがチップ部材に導かれて筆記される筆記具において、インキ溜め内には、該インキ溜め内において摺動可能な閉塞材および/又は逆流防止剤が配され、インキ溜め内のインキは、当該閉塞材および/又は逆流防止剤によって密封され、インキ溜めの先端部には弁が設けられ、該弁は、先端に開口を有する弁室内に球が配され、該球が付勢手段によって開口側に押圧され、弁のさらに先端側にチップ部材が設けられ、チップ部材の後端側は、弁内の球と当接しており、前記チップ部材は、先栓内に配され、該先栓の内面には環状の突起が設けられ、チップ部材は前記環状の突起に当接した状態で先栓内を摺動可能であることを特徴とする筆記具である。
【0008】
本発明の筆記具では、不使用時には、弁室内の球が付勢手段によって弁室の開口に向かって押圧されている。従って不使用時には、インキ溜めは弁によって封止されており、インキの供給は無い。また筆記時にチップ部材の先端を紙等に押し当てると、チップ部材の後端が弁の球を直接押し、弁室の開口を開く。本発明では、弁室の開口を閉塞する部材として、球を使用しているので、閉塞する部材の姿勢がどの様なものであっても、弁室の開口を完全に塞ぐことができ、また逆に僅かに球を押し上げることによって、インキを供給する隙間を確保することができる。そのため本発明の筆記具は、筆記時の筆圧によって球を押し上げ、インキをチップ部材に供給させることができる。
【0009】
上記した発明に改良を加えた発明は、インキを内蔵するインキ溜めと、チップ部材を有し、インキ溜め内のインキがチップ部材に導かれて筆記される筆記具において、インキ溜め内には、該インキ溜め内において摺動可能な閉塞材および/又は逆流防止剤が配され、インキ溜め内のインキは、当該閉塞材および/又は逆流防止剤によって密封され、インキ溜めの先端部には弁が設けられ、該弁は、先端に開口を有する弁室内に球が配され、該球が付勢手段によって開口側に押圧され、弁のさらに先端側にチップ部材が摺動可能に設けられ、チップ部材の後端側は、弁内の球と当接しており、前記チップ部材は、先栓内に配され、チップ部材の周囲にはインキ吸蔵体が配されていることを特徴とする筆記具である。
【0010】
また他の改良発明は、インキを内蔵するインキ溜めと、チップ部材を有し、インキ溜め内のインキがチップ部材に導かれて筆記される筆記具において、インキ溜め内には、該インキ溜め内において摺動可能な閉塞材および/又は逆流防止剤が配され、インキ溜め内のインキは、当該閉塞材および/又は逆流防止剤によって密封され、インキ溜めの先端部には弁が設けられ、該弁は、先端に開口を有する弁室内に球が配され、該球が付勢手段によって開口側に押圧され、弁のさらに先端側にチップ部材が摺動可能に設けられ、チップ部材の後端側は、弁内の球と当接しており、インキ溜めの先端に先栓が設けられ、チップ部材は、該先栓によって保持され、先栓はインキ溜めから取り外しが可能であり、弁の球は回転可能であって、先栓を取り外して球から直接インキを転写可能であることを特徴とする筆記具である。
【0011】
本発明の筆記具では、先栓を取り外すことによって、弁の球を露出させることができる。そして球を直接紙等に押し当てて、文字等を筆記することができる。従って本発明では、チップによる筆記と球による筆記を行うことができる。
【0012】
また上記した発明に改良を加えたもう一つの発明は、チップ部材は、チップ本体の後端にチップ保護部材が装着されてなり、チップ保護部材の後端部が弁内の球と当接していることを特徴とする。
【0013】
上記した改良は、チップ部材のインキ流通経路が痛むことを防ぐものである。すなわち、一般的に筆記具で採用される樹脂製チップは、内部に微細な連通路がある。そしてこの連通路は、チップの両端で開放されており、インキは一方の端部から他方の端部に流れてインキが導き出される。ところが、チップ本体で直接球を押す構成とすると、チップ本体の端部が痛み、流通路の開口が目詰まりしてしまう。そこで本発明は、チップ本体の後端にチップ保護部材を設け、チップ保護部材で球を押す構成として、チップ本体の目詰まりを防止している。
【0014】
また、チップ部材は、先栓内に配され、チップ部材は先栓内を気密状態を保持して摺動可能であることを特徴とする。
本発明によると、インキ溜め側への空気の侵入が無いので、インキの流れが円滑であるばかりでなく、雰囲気温度の上昇によるインキの吹き出しは無い。
【0015】
チップ部材は、チップ本体の後端にチップ保護部材が装着されてなり、チップ保護部材の後端部が弁内の球と当接しており、チップ部材は、先栓内に配され、チップ部材は先栓内を気密状態を保持して摺動可能であることを特徴とする筆記具である。
【0016】
さらに、チップ部材は、先栓内に配され、チップ部材の周囲にはインキ吸蔵体が配されていることを特徴とする筆記具である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下さらに本発明の具体的実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態の筆記具の断面図であり、(a)は、筆記具の不使用時の状態を示し、(b)は、使用時の状態を示し、(c)は、(a)の弁室のA−A断面図を示し(d)は、(a)の弁室のB−B断面図を示す。図2は、本発明の第2の実施形態を示す筆記具の断面図である。図3は、本発明の第3の実施形態を示す筆記具の要部の断面図である。図4は、本発明の第3の実施形態を示す筆記具の要部の分解斜視図である。図5は、本発明の第4の実施形態を示す筆記具の要部の断面図である。図6は、本発明の第5の実施形態を示す筆記具の斜視図である。
【0018】
図1において、1は、本発明の第1の実施形態の筆記具を示す。本実施形態の筆記具1は、インキ溜め2、先栓3、チップ部材5、弁6、尾栓7および閉塞材8によって構成される。
順次説明すると、インキ溜め2は、ポリプロピレン等の樹脂または、アルミニューム等の金属によって作られた筒体である。インキ溜め2の外形形状は、筒状であり、先端側、すなわち先栓3側がやや細く作られている。またインキ溜め2は、内部にインキを溜置くことができるように中空になっている。インキ溜め2の先端は、インキの流出量を制限するために、内部の中空部分は狭く作られている。
【0019】
先栓3は、インキ溜め2と同様の材料で作られたものであり、後端側は筒状であって、先端部分はテーパ状に小さく成形されている。先栓3の内部は中空であり、先端部分には穴が設けられている。先栓3の内径は、筒状の部位については、前記したインキ溜め2の先端部分の外形に等しい。また先栓3の外形は、前述のインキ溜め2の先端以外の部位のそれに等しい。そして先栓3は、インキ溜め2の先端の細く作られた部位に挿入されており、容易に着脱することができる。
【0020】
弁6は、弁室10内に球11が内蔵されたものである。弁室10は、樹脂の射出成形、または金属を素材とする切削加工によって作られ、構造は、ちょうどボールペンの先端部分と同様である。すなわち弁室10の内部には空間が設けられており、当該空間の先端はテーパ状をしている。そしてその先端部分には開口13が設けられている。この開口13の直径は、球11の直径の50%から95%程度である。
【0021】
また弁室10の後端側には、矢溝状の溝15が設けられている。さらに弁室10の後端部には、貫通穴16が設けられている。
弁室10の内容積は、球11が僅かに移動できる程度である。より具体的には、球11が先端の開口13に挟まった状態から、後端側の溝15に当接する状態までの球11の移動量は、0.1mmから1mm程度であり、より好ましくは、0.2mmから0.4mm程度となる様に設計されている。また弁室10の内容積は、球11が回転可能である様に設計されている。
【0022】
弁室10内の球11は、樹脂製であっても良いが、通常のボールペンに採用される様な金属製であることが望ましい。
【0023】
球の直径は、0.3mmから2.0mm程度であり、より好ましくは、0.5mmから1.0mm程度である。
弁6は、内部に球11が配置された状態で、インキ溜め2の先端部分に装着されている。また弁室10の後端部の貫通穴16には、付勢部材17が内蔵されている。付勢部材17は、ナイロンテグスや、ワイヤーハリス等の細い線材が利用されている。付勢部材17は、一端がインキ溜め2の図示しない係止部と係合し、他端は弁室10内の球11と当接している。従って弁6の球11は、弁室10の開口13に押しつけられ、球11の一部は当該開口13から露出している。
【0024】
チップ部材5は、公知の樹脂または繊維、あるいは金属を素材とし、インキを毛細管現象等によって滲出するものである。
チップ部材5は、すべて単一の素材によって構成されたものであってもよいが、樹脂製チップと、繊維束による中継部材を接合したものであっても良い。また所謂筆ペンタイプのチップであっても良い。
チップ部材5は、図1に示した様に、先栓3の穴によって保持されている。そしてチップ部材5は、先栓3に対して僅かに摺動可能である。またチップ部材5の先端部分は、文字等を書くことができるように先栓3の穴から出ており、チップ部材5の後端部は、前記した弁6の球11に当接している。
【0025】
一方、インキ溜め2の内部には、水性等のインキが内蔵されている。またインキ溜め2内には、閉塞材8が内蔵されている。閉塞材8は、ゴム又は樹脂で作られたものである。閉塞材8の素材としては、ゴムがより望ましい。図1の実施形態で採用する閉塞材8の断面形状は、中心部が先栓側に凸形状をしている。閉塞材8は、インキの境界部分にあり、インキは当該閉塞材8によって密封されている。閉塞材8は、インキの消費に応じて、先栓3側に摺動する。
【0026】
インキ溜め2の後部には、尾栓7によって蓋がなされている。尾栓7には、内部が負圧になることを防止するために、空気穴20が設けられている。
【0027】
次に、本実施形態の筆記具1の作用について説明する。本実施形態の筆記具1は、不使用時には、図1(a)の様な状態であり、弁6では、付勢手段17によって球11が弁室10の開口に押しつけられ、弁室の開口13は閉じている。そのためインキ溜め2からのインキの供給は無く、インキがぼたつくことは無い。
【0028】
筆記時には、図1(b)の様な状態となり、筆圧によってチップ部材5が押され、その力によって球11が矢溝15側に移動して弁室10の開口13が開く。なお、本実施形態では、球11の移動しろは、0.1mmから1mm程度であり、また移動に要する力は、100g以下程度であるため、使用者にはチップが移動したと言う感触はほとんど無い。さらに弁6は、筆圧によって開くものであるから、筆記の際には、常時開いており、従来の様に筆記を中断してチップを強く押すといった動作は不要である。
【0029】
また本実施形態の筆記具1は、ボールペンとしても使用することができる。すなわち、ボールペンとして使用する際には、先栓3を外し、弁10を露出させる。弁10は、前記したように、開口13を球11が塞ぐ構成であり、開口13から球11の一部が露出している。また球11は、弁室10内で回転可能である。そのため球11を直接押し当てると、通常のボールペンの様に、球11のインキを紙等に転写することができる。
【0030】
図2に示した筆記具30は、本発明の第2実施形態を示すものである。筆記具30は、インキ溜め31と先栓32部分が一体に作られており、従って先栓32を取り外すことは出来ない。筆記具30では、インキ溜め31の先端側が内外径ともに小さく作られており、この内部に別途成形した弁33が挿入されている。弁33は、弁室内に球35が内蔵されたものであって、弁室の開口を球35によって封止するものであるが、先の実施形態と相違する点は、本実施形態では、付勢手段34にコイルバネが採用されている点である。
【0031】
また本実施形態では、先栓32部分の内部にウレタン綿36(インキ吸蔵体)が内蔵されている。ウレタン綿36は、チップ部材38の過剰なインキを吸収するとともに、チップ部材38のインキが不足した場合、ウレタン綿36からチップ部材38にインキを補充する働きをする。
本実施形態の筆記具30においても、チップ部材38は先栓32の穴によって保持され、後端が弁33の球35と当接している点は、先の実施形態と同一である。またインキ溜め31内には、ゴム弾性体の閉塞材39が配され、インキの消費にともなって、インキ溜め31内を摺動する。
【0032】
図3に示した第3の変形例の筆記具50は、図2の変形例に比べてチップ部材51の構成と、先栓52の内部形状が異なるものである。
筆記具50の他の構成部材、すなわちインキ溜め31、弁33、球35、付勢手段34、ウレタン綿36は、先の実施形態と同一である。
【0033】
第3の実施形態の筆記具50では、チップ部材51は、樹脂製のチップ本体55の後端にチップ保護部材56が装着されている。
チップ保護部材56は、樹脂の射出成形または金属によって作られたものであり、図4の様に、筒状をしている。そしてチップ保護部材56の一方の端部は開放され、他端には底57が設けられている。またチップ保護部材56の底57には、インキ流通孔58が設けられている。
【0034】
先栓52の内面には、環状の突起59が設けられている。
チップ部材51が先栓52内に内蔵された状態では、チップ部材51のチップ保護部材56の底57が、弁33の球35と当接している。そのため本実施形態では、チップ部材51が痛むことは無く、インキの流れはいつまでも円滑である。
またチップ部材51が先栓52内に内蔵された状態では、チップ保護部材56の側面は、先栓52内に設けられた環状の突起59と当接し、チップ部材51は、環状の突起59と当接した状態で先栓52内を摺動可能である。
本実施形態では、突起59を境として内外の気密が保持されるので、インキ溜31内に空気が侵入することは無い。
【0035】
第3の実施形態では、環状の突起59を先栓52の内側に設けたが、環状の突起は他の部位に設けても、インキ溜31内への空気の侵入を阻止することはできる。
図5は、環状の突起60をチップ保護部材61の内周面に設け、環状の突起60をチップ本体55に当接させて、気密性を保持した例を示すものである。
図5の実施形態では、環状の突起60をチップ保護部材61の内周面だけに設けたが、もちろんチップ保護部材61の内周面に加えて先栓52の内周にも設けても良い。
【0036】
図6に示した変形例は、より実用設計に近い態様を表すものである。図6に示した筆記具40は、インキ溜め41、先栓42およびキャップ43によって構成される。そしてこれらは、図6(b)の様に一体化されると共に、図6(a)の様に容易に取り外しが可能である。
【0037】
インキ溜め41は、ポリエチレン樹脂で作られた円筒体であり、先端部分は、2段階に細く作られている。インキ溜め41内には、先の実施形態と同様に水性インキが内蔵されており、またインキは図示しない閉塞材によって密閉されている。
インキ溜め41の先端の開口には、弁45が挿入されている。弁45は、金属の切削加工によって作られたものであり、ボールペンのペン先チップと同様の形状をしている。即ち球収納室(図示せず)内に球46が内蔵され、球46の一部が開口から露出している。
弁45が通常のボールペンチップと異なる点は、球46の遊びが大きく、球46は、0.2mmから0.4mm程度内側に後退可能である。また球収納室の開口の内面の仕上げが精密であり、球46が当接することによって、液密性が図られる。また弁45の内部には、テグス状の付勢部材が内蔵されている(図示せず)。
【0038】
先栓42は、貫通した筒状であり、先端に行く程細く作られている。そして先栓42には、筆ペンタイプのチップ部材48が配されている。チップ部材48の後端は、先栓42をインキ溜め41に装着した際には、前記した弁体45の球46と当接する。
本実施形態の筆記具40を筆ペンとして使用する場合には、キャップ43を外してチップ部材48によって筆記する。またボールペンとしての使用を希望する場合には、先栓42を外して球46を紙等に押し当てて使用する。
【0039】
以上の実施形態では、インキ溜め2,31内に、ゴム等の閉塞材8、39を配置したものを例示したが、閉塞材8、39に代わって、ポリブテン等の逆流防止剤を充填する構成としても良い。
【0040】
【発明の効果】
本発明の筆記具は、不使用時には、弁室内の球が付勢手段によって弁室の開口に向かって押圧されているのでインキの供給は無く、インキのぼたつきは無い。また筆記時にチップ部材の先端を紙等に押し当てると、筆記時の筆圧によって球を押し上げ、インキを円滑にチップ部材に供給させることができる。従って本発明の筆記具は、インキのぼたつきが無く、またインキをチップに供給するために筆記を中止するといった動作が不要である。
【0041】
また本発明の筆記具は、一つの筆記具によって、フェルト等のペン先による筆記の他、ボールペンとしても使用することができる効果がある。
【0042】
加えて、本発明では、チップの痛みが少なく、長期に渡って使用可能であるという効果がある。
【0043】
さらに本発明では、雰囲気温度の上昇によるインキの吹き出しが防止される効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態の筆記具の断面図であり、(a)は、筆記具の不使用時の状態を示し、(b)は、使用時の状態を示し、(c)は、(a)の弁室のA−A断面図を示し(d)は、(a)の弁室のB−B断面図を示す。
【図2】 本発明の第2の実施形態を示す筆記具の断面図である。
【図3】 本発明の第3の実施形態を示す筆記具の要部の断面図である。
【図4】 本発明の第3の実施形態を示す筆記具の要部の分解斜視図である。
【図5】 本発明の第4の実施形態を示す筆記具の要部の断面図である。
【図6】 本発明の第5の実施形態を示す筆記具の斜視図である。
【符号の説明】
1,30,40,50 筆記具
2,31,41 インキ溜
3,32,43,52 先栓
5,28,48 チップ部材
6,33,45 弁
8,39 閉塞材
11,35,46 球
36 ウレタン綿(インキ吸蔵体)
55 チップ保護部材
59 環状の突起
60 環状の突起
Claims (8)
- インキを内蔵するインキ溜めと、チップ部材を有し、インキ溜め内のインキがチップ部材に導かれて筆記される筆記具において、インキ溜め内には、該インキ溜め内において摺動可能な閉塞材および/又は逆流防止剤が配され、インキ溜め内のインキは、当該閉塞材および/又は逆流防止剤によって密封され、インキ溜めの先端部には弁が設けられ、該弁は、先端に開口を有する弁室内に球が配され、該球が付勢手段によって開口側に押圧され、弁のさらに先端側にチップ部材が設けられ、チップ部材の後端側は、弁内の球と当接しており、前記チップ部材は、先栓内に配され、該先栓の内面には環状の突起が設けられ、チップ部材は前記環状の突起に当接した状態で先栓内を摺動可能であることを特徴とする筆記具。
- インキを内蔵するインキ溜めと、チップ部材を有し、インキ溜め内のインキがチップ部材に導かれて筆記される筆記具において、インキ溜め内には、該インキ溜め内において摺動可能な閉塞材および/又は逆流防止剤が配され、インキ溜め内のインキは、当該閉塞材および/又は逆流防止剤によって密封され、インキ溜めの先端部には弁が設けられ、該弁は、先端に開口を有する弁室内に球が配され、該球が付勢手段によって開口側に押圧され、弁のさらに先端側にチップ部材が摺動可能に設けられ、チップ部材の後端側は、弁内の球と当接しており、前記チップ部材は、先栓内に配され、チップ部材の周囲にはインキ吸蔵体が配されていることを特徴とする筆記具。
- インキを内蔵するインキ溜めと、チップ部材を有し、インキ溜め内のインキがチップ部材に導かれて筆記される筆記具において、インキ溜め内には、該インキ溜め内において摺動可能な閉塞材および/又は逆流防止剤が配され、インキ溜め内のインキは、当該閉塞材および/又は逆流防止剤によって密封され、インキ溜めの先端部には弁が設けられ、該弁は、先端に開口を有する弁室内に球が配され、該球が付勢手段によって開口側に押圧され、弁のさらに先端側にチップ部材が摺動可能に設けられ、チップ部材の後端側は、弁内の球と当接しており、インキ溜めの先端に先栓が設けられ、チップ部材は、該先栓によって保持され、先栓はインキ溜めから取り外しが可能であり、弁の球は回転可能であって、先栓を取り外して球から直接インキを転写可能であることを特徴とする筆記具。
- チップ部材は、先栓内に配され、該先栓の内面には環状の突起が設けられ、チップ部材は前記環状の突起に当接した状態で先栓内を摺動可能であることを特徴とする請求項2又は3に記載の筆記具。
- チップ部材は、チップ本体の後端にチップ保護部材が装着されてなり、チップ保護部材の後端部が弁内の球と当接していることを特徴とする請求項1乃至4に記載の筆記具。
- チップ部材は、先栓内に配され、チップ部材は先栓内を気密状態を保持して摺動可能であることを特徴とする請求項1乃至5に記載の筆記具。
- チップ部材は、チップ本体の後端にチップ保護部材が装着されてなり、チップ保護部材の後端部が弁内の球と当接しており、チップ部材は、先栓内に配され、チップ部材は先栓内を気密状態を保持して摺動可能であることを特徴とする請求項4に記載の筆記具。
- チップ部材は、先栓内に配され、チップ部材の周囲にはインキ吸蔵体が配されていることを特徴とする請求項3乃至7に記載の筆記具。
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