JP4480573B2 - 硬化性組成物及びその硬化物 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体素子の表面コート膜(いわゆるパッシベーション膜)やプリント配線基板、及び多層プリント配線板の層間絶縁材料などに好適に用いることができる硬化性組成物(熱硬化性組成物、光硬化性組成物及び光硬化性・熱硬化性組成物)及びその硬化物、並びにそれに用いるポリイミド樹脂(多分岐ポリイミド樹脂及び感光性ポリイミド樹脂、特にアルカリ可溶性の感光性ポリイミド樹脂)に関する。
一般に、ポリイミド樹脂や感光性ポリイミド樹脂は有機溶剤に対する溶解性が低いためワニス状にして塗布することが難しい。そのため、ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸を含有する組成物を塗布し、加熱によりイミド化を行なう手法が広く用いられている。また、感光性ポリイミド樹脂の場合、ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸に感光性基を導入した樹脂を含有する組成物を塗布し、乾燥皮膜に対して適当なフォトマスクを介した活性エネルギー線を照射して露光部を光硬化し、未露光部を現像液にて除去する手法が一般的である(例えば、特開平2−50161、特開平4−252227など)。
しかしながら、ポリアミック酸やポリアミック酸に感光性基を導入した樹脂のイミド化には200℃以上の高温を必要とし、基板部品等に対して熱によるダメージを与えるため、かかる手法により製造されるポリイミド樹脂や感光性ポリイミド樹脂の適用範囲は制限されていた。これに対し、溶剤可溶型のポリイミド樹脂が種々報告されているが(例えば、特開平9−100350など)、このようなポリイミド樹脂は耐溶剤性の点で問題があると共に、パターン形成時の現像液が有機溶剤であるため、作業環境や安全衛生面で好ましいものではない。
一方、多分岐構造の高分子であるデンドリティック高分子は、構成単位の化学構造や分岐の状態などから、分子量のわりに粘度が小さく、多くの末端を有するため機能化し易いといった特徴をもっている。また、従来の線状を基本とする高分子とは根本的に異なる構造の高分子であるため、線状高分子にはない優れた特性を引き出せる期待があり、近年、高分子産業において注目を集めている。
このデンドリティック高分子は、その構造から、下記式(1)で表わされるデンドリマーと、下記式(2)で表わされるハイパーブランチポリマーの2種類がある。
Figure 0004480573
デンドリマーは、前記式(1)で示されるように、明確な構造と単一の分子量を有しており、化学構造は同じでも、種々の分子量をもつ化合物の混合物である高分子とは異なるものである。また、最外核部が分子量の増加と共に密になってくるのがデンドリマーの特徴である。
デンドリマーの合成法には、Divergent法とConvergent法がある。Divergent法は、中心にある核分子から外側に向かってビルディングブロックの保護−脱保護を行ない反応させる方法である。一方、Convergent法は、デンドリマーのサブユニットであるデンドロンを外側から合成し、最後に核分子とカップリング反応を行なう方法である。
一方、ハイパーブランチポリマーは、基本的にAB型モノマーの自己縮合により合成され、デンドリマーと比較すれば、はるかに容易に合成することができ、構造の規制、分子量分布についてはデンドリマーほど精密ではないため、分子量や分岐度の異なる化合物の混合物であり、いわゆる高分子として取り扱うことができる。
前記のように、デンドリマーの合成は煩雑であるため、大量合成を考えると実用的でない。それに対して、ハイパーブランチポリマーは、モノマーの分子設計により、比較的簡単に合成できるという利点があり、工業的生産においては有利である。
このような点に着目して、特開2002−80597には、1分子中に2個のアミノ基と2個のカルボキシル基もしくエステル基を有するモノマーを自己縮合させ、必要に応じてイミド化させて多分岐ポリイミド樹脂を製造する方法が開示されているが、製造に多段階の工程が必要であり、簡単に製造することができないという問題がある。また、モノマー自体が自己縮合性を有するため、保存安定性が悪く、モノマーの保管中にゲル化してしまうという問題もある。
特開平2−50161号公報 特開平4−252227号公報 特開平9−100350号公報 特開2002−80597号公報
前記したように、ハイパーブランチポリマーは、モノマーの分子設計により、比較的簡単に合成できるという利点があり、工業的生産においては有利であるが、簡便に製造できる方法は未だ開発されておらず、また、熱硬化性や光硬化性、アルカリ現像性などの機能性基を導入した例は未だ報告されていないのが現状である。
従って、本発明の目的は、熱硬化性及び/又は光硬化性、あるいはアルカリ現像性などの機能性基を導入した多分岐ポリイミド樹脂を用いた硬化性組成物(熱硬化性組成物、光硬化性組成物又は光硬化性・熱硬化性組成物)及びその硬化物を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記硬化性組成物に好適に用いることができ、熱硬化性の官能基を有し、しかも比較的簡単に製造できる多分岐ポリイミド樹脂を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、上記硬化性組成物に好適に用いることができ、感光性と現像性を有するように機能化され、しかも比較的簡単に製造できる感光性ポリイミド樹脂を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明によれば、多分岐ポリイミド樹脂を用いた硬化性組成物及びその硬化物が提供される。
その基本的な態様によれば、後述するような1分子中に少なくとも3個の1級アミノ基を有するアミン化合物(i)と四塩基酸無水物(ii)との反応により得られ、末端にカルボキシル基を有する多分岐ポリイミド樹脂(A−1)、1分子中に2つ以上のエポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する多官能エポキシ化合物(B−1)及び/又は多官能オキセタン化合物(B−2)である熱硬化性成分(B)、及び硬化触媒(C)を含有することを特徴とする硬化性組成物が提供され、さらに、該硬化性組成物を加熱により硬化させて得られる硬化物が提供される。
本発明の硬化性組成物は、ポリイミドが本来有している優れた特性をそのまま発揮でき、熱硬化及び/又は光硬化させることにより、密着性、機械的強度、はんだ耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性、耐電蝕性などの諸特性に優れた硬化物が得られる。
記硬化性組成物(熱硬化性組成物、光硬化性組成物又は光硬化性・熱硬化性組成物)に好適に用いることができる多分岐ポリイミド樹脂の基本的な態様によれば、1分子中に少なくとも3個の1級アミノ基を有するアミン化合物(i)と四塩基酸無水物(ii)との反応により得られ、末端にカルボキシル基を有することを特徴としている
上記多分岐ポリイミド樹脂は、少なくとも3官能アミン化合物と四塩基酸無水物の反応により比較的簡単に製造することができ、またこれらをモノマー成分として用いていることにより、モノマー自体の保存安定性に優れ、従来の自己縮合性モノマーを用いた場合の保管中のゲル化などの問題を生じることもない。
他の態様によれば、末端にカルボキシル基を有する多分岐ポリイミド樹脂(A)に対して、1分子中に少なくとも1つの不飽和二重結合と上記カルボキシル基と反応する基を併せ持つ化合物(b)を反応させて得られたものであることを特徴とする感光性ポリイミド樹脂(A−2)を用いることもできる。この感光性ポリイミド樹脂の製造に用いる前記多分岐ポリイミド樹脂(A)は、末端にカルボキシル基を有するものであればよく、特定の多分岐ポリイミド樹脂に限定されるものではないが、前記した1分子中に少なくとも3つの1級アミノ基を有するアミン化合物(i)と四塩基酸無水物(ii)との反応により得られた多分岐ポリイミド樹脂(A−1)が好ましい。
好適な態様においては、前記感光性ポリイミド樹脂(A−2)のアルコール性水酸基に対して二塩基酸無水物(c)を反応させ、カルボキシル基を導入してなるアルカリ可溶性の感光性ポリイミド樹脂(A−2’)である
上記感光性ポリイミド樹脂は、末端にカルボキシル基を有する多分岐ポリイミド樹脂(A)に対して、1分子中に少なくとも1つの不飽和二重結合と上記カルボキシル基と反応する基を併せ持つ化合物(b)を反応させて得られたものである点に第一の特徴があり(感光性ポリイミド樹脂(A−2))、また、得られた感光性ポリイミド樹脂のアルコール性水酸基に対して二塩基酸無水物(c)を反応させ、カルボキシル基を導入してアルカリ可溶性にした点に第二の特徴があり(感光性ポリイミド樹脂(A−2’))、いずれも比較的簡単に製造でき、また、用いるモノマーも保存安定性に優れ、従来の自己縮合性モノマーのように保管中にゲル化してしまうという問題を生ずることもない。
合成例1で得られた多分岐ポリイミド樹脂のH−NMRスペクトルである。 合成例3で得られた多分岐ポリイミド樹脂のIRスペクトルである。 合成例5で得られた感光性ポリイミド樹脂のH−NMRスペクトルである。 合成例7で得られた感光性ポリイミド樹脂のIRスペクトルである。 合成例9で得られたアルカリ可溶性の感光性ポリイミド樹脂のH−NMRスペクトルである。 合成例10で得られたアルカリ可溶性の感光性ポリイミド樹脂のIRスペクトルである。
本発明の硬化性組成物に好適に用いることができる多分岐ポリイミド樹脂(A−1)は、従来のポリイミド樹脂の製造の際に使用される2官能アミンに代えて、1分子中に少なくとも3個の1級アミノ基を有するアミン化合物(i)を用い、これを四塩基酸無水物(ii)と反応させることによって、多段階の工程を経ることなく多分岐ポリイミド樹脂を得ることを特徴としている。また、モノマー成分として上記アミン化合物(i)と四塩基酸無水物(ii)を用いることにより、それぞれ別個に保存することができ、モノマー自体の保存安定性に優れ、前記したような従来の自己縮合性モノマーを用いた場合の保管中のゲル化などの問題を生じることもない。
本発明の多分岐ポリイミド樹脂の製造に用いられる上記アミン化合物(i)としては、1分子中に3個以上の1級アミノ基を有する化合物であれば、いかなるものも使用可能である。具体的には、トリス(2−アミノエチル)アミン、トリス(2−アミノプロピル)アミン、トリス(3−アミノプロピル)アミン、1,3,5−トリアミノベンゼン、1,3,5−シクロヘキサントリアミン、トリス(4−アミノフェニル)メタン、トリス(4−アミノフェニル)エタン、1,1,1−トリス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)エタン、3,5,3′−トリアミノジフェニルメタン、3,5,4′−トリアミノジフェニルメタン、3,5,4′−トリアミノビフェニルなどの1分子中に3個の1級アミノ基を有する3官能アミンを好適に用いることができる。
また、より分岐の度合いを高めることを目的として、1分子中に4個のアミノ基を有する4官能アミンなどを併用することも可能である。
また、より一層の溶解性を向上させる必要があれば、2官能アミンを併用し、ポリイミド共重合体とすることも可能である。2官能アミンとしては、1分子中に2つの1級アミノ基を有する化合物であればいかなるものも使用可能であるが、芳香族ジアミン、脂環式ジアミン等が耐熱性を向上できることからより好ましい。具体的には、4,4′−(又は3,4′−、3,3′−、2,4′−もしくは2,2′−)ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−(又は3,4′−、3,3′−、2,4′−もしくは2,2′−)ジアミノジフェニルメタン、4,4′−(又は3,4′−、3,3′−、2,4′−もしくは2,2′−)ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−(又は3,4′−、3,3′−、2,4′−もしくは2,2′−)ジアミノジフェニルスルフィド、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、p −キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、o−トリジン、o−トリジンスルホン、4,4′−メチレン−ビス−(2,6−ジエチルアニリン)、4,4′−メチレン−ビス−(2,6−ジイソプロピルアニリン)、2,4−ジアミノメシチレン、1,5−ジアミノナフタレン、4,4′−ベンゾフェノンジアミン、ビス−[4−(4′−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス−[4−(4′−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、ビス[4−(3′−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,3−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン等が挙げられ、これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の多分岐ポリイミド樹脂の製造に用いられる四塩基酸無水物(ii)としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、2,2′,3,3′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,5,8−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,6,7−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5 ,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−テトラクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−テトラクロロナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2′,3,3′−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3″,4,4″−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2″,3,3″−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3″,4″−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−プロパン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ペリレン−2,3,8,9−テトラカルボン酸二無水物、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ペリレン−4,5,10,11−テトラカルボン酸二無水物、ペリレン−5,6,11,12−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,2,7,8−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,2,6,7−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,2,9,10−テトラカルボン酸二無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物及びその水素添加物;シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタ−7−エン−2−エキソ,3−エキソ,5−エキソ,6−エキソテトラカルボン酸2,3:5,6−二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−エキソ,3−エキソ,5−エキソ,6−エキソテトラカルボン酸2,3:5,6−二無水物などの脂環式酸無水物;ピラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物などの複素環誘導体などが挙げられる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも、ピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、及びこれらの組み合わせは、良好な低熱膨張性、耐クラック性、解像性などを実現する上で、特に好ましい。
本発明の多分岐ポリイミド樹脂は公知の手法により合成可能であるが、重合時の塩形成を抑制するために塩化リチウム、臭化リチウムなどの無機塩を添加してもよい。重合時に使用する有機溶媒は、原料及び生成する多分岐ポリイミド樹脂を溶解するものであればいかなるものも使用可能であるが、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルイミダゾリジノンなどのアミド系溶媒を用いることが好ましい。また、共沸脱水によりイミド化を促進させる目的で、トルエン、キシレンなどの溶媒を添加することも可能である。
前記アミン化合物(i)と四塩基酸無水物(ii)との反応比は、アミン化合物の1級アミノ基のモル数をx、酸無水物の官能基のモル数をyとすると、官能基比で0.3≦x/y<1の範囲内にあることが望ましく、好ましくは0.5≦x/y<1の範囲であり、より好ましくは0.7≦x/y<1の範囲である。上記官能基比が0.3未満であると、生成する多分岐ポリイミド樹脂の分子量が著しく低下するため好ましくない。一方、1.0を超えると、未反応の四塩基酸無水物が反応系内に残存するため好ましくない。
反応温度は、室温から200℃の範囲内で行なうことが可能であるが、反応の進行に伴い生成するアミン塩を溶解し、かつ脱水閉環によるイミド化を促進するために100℃以上の温度で行なうことが望ましい。より好ましい反応温度は、120〜160℃の範囲内である。200℃を越えた高温で反応を行なうと、ゲル化などの現象が起こり易くなるので好ましくない。
前記反応についてより具体的に説明すると、例えばトリス(2−アミノエチル)アミンと3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を反応させれば、以下のような反応式(3)に従って多分岐ポリイミド樹脂を比較的簡単に合成することができる。
Figure 0004480573
このような方法により得られる多分岐ポリイミド樹脂は、末端に多数のカルボキシル基を有するため、該カルボキシル基を利用した熱硬化反応が可能である。さらに、得られた多分岐ポリイミド樹脂は末端に多数のカルボキシル基を有するため、その後の変性反応を容易に行なうことができ、不飽和二重結合を有する重合性基を導入することができる。
重合性基の導入方法としては、前記したような多分岐ポリイミド樹脂(A)の末端カルボキシル基に、1分子中に少なくとも1つの不飽和二重結合とカルボキシル基と反応する基(例えば、エポキシ基、オキセタニル基、イソシアネート基、アミノ基等)を併せ持つ化合物(b)を付加反応させる方法が好適である。
1分子中に少なくとも1つの不飽和二重結合とカルボキシル基と反応する基を併せ持つ化合物(b)としては、例えば、1分子中に少なくとも不飽和二重結合とエポキシ基を併せ持つ化合物を好適に用いることができ、具体的にはグリシジル(メタ)アクリレート類、下記式(4)〜(10)で表わされる脂環式エポキシ基を有する(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
Figure 0004480573
例えば、前記反応式(3)に従って合成された多分岐ポリイミド樹脂にグリシジルメタクリレートを反応させれば、下記反応式(11)に従って不飽和二重結合が導入される。
Figure 0004480573
また、別の重合性基導入方法としては、オキセタン(メタ)アクリレートとカルボン酸との付加反応を利用する方法、及び、下記反応式(12)で示されるようなイソシアネート基含有(メタ)アクリレートとカルボン酸との反応を利用してもよい。
Figure 0004480573
次に、前記アルカリ可溶性の感光性ポリイミド樹脂(A−2’)は、前記方法で得られた感光性ポリイミド樹脂(A−2)のアルコール性水酸基に対して二塩基酸無水物(c)を反応させ、カルボキシル基を導入してアルカリ可溶性にしたものである。
二塩基酸無水物(c)の具体的な例としては、無水フタル酸、無水コハク酸、オクテニル無水フタル酸、ペンタドデセニル無水コハク酸、無水マレイン酸、無水テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、トリメリット酸などが挙げられる。
二塩基酸無水物(c)の使用量は、感光性ポリイミド樹脂(A−2)中の水酸基1モルに対して、0.1〜1.0モル当量の範囲が好ましい。二塩基酸無水物の使用量が0.1モル未満の場合は、カルボキシル基の導入が不充分となり、アルカリ現像性が発現しない。一方、1.0モル以上では、未反応の二塩基酸無水物が系内に残存し、耐熱性などの物性を低下させる恐れがあるので好ましくない。反応を促進する触媒としては、四級アンモニウム塩類、三級ホスフィン類などの公知慣用のものが使用可能である。反応温度は、60〜120℃の範囲が好ましく、反応時間は添加した二塩基酸無水物が完全に消費されるまでが望ましく、おおむね5〜24時間の範囲である。
前記の方法により得られた多分岐ポリイミド樹脂(A−1)に対して、熱硬化性成分(B)及び硬化触媒もしくは硬化促進剤(C)を添加することにより得られる本発明の硬化性組成物は、熱硬化可能であり、得られる硬化物は、ポリイミドが本来有している耐熱性などの特性に優れると共に、耐溶剤性等の耐薬品性にも優れている。
また、前記のようにして得られた感光性ポリイミド樹脂(A−2)及び/又はアルカリ可溶性の感光性ポリイミド樹脂(A−2’)は、光重合開始剤(D)及び多官能モノマー(E)と混合することで光硬化性組成物となり、さらに、熱硬化性成分(B)を添加することで熱硬化性を付与することが可能となり、耐熱性の向上が達成できる。
多分岐ポリイミド樹脂(A−1)、感光性ポリイミド樹脂(A−2)及び/又はアルカリ可溶性の感光性ポリイミド樹脂(A−2’)の使用量には制限が無い。
熱硬化性成分(B)としては、カルボキシル基と反応可能な官能基を1分子中に2つ以上有するものであれば、いかなる化合物も使用可能であるが、具体的には1分子中に2つ以上のエポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する多官能エポキシ化合物(B−1)及び/又は多官能オキセタン化合物(B−2)等の環状エーテル類が挙げられる。
多官能エポキシ化合物(B−1)としては、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂(例えばフェノール、クレゾール、ハロゲン化フェノール、アルキルフェノールなどのフェノール類とホルムアルデヒドとを酸触媒下で反応させて得られるノボラック類に、エピクロルヒドリン及び/又はメチルエピクロルヒドリンを反応させて得られるものであり、市販品としては日本化薬(株)製のEOCN−103、EOCN−104S、EOCN−1020、EOCN−1027、EPPN −201、BREN−S;ダウ・ケミカル社製のDEN−431、DEN−439;大日本インキ化学工業(株)製のN−730、N−770、N−865、N−665、N−673、N−695、VH−4150等)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テトラブロムビスフェノールAなどのビスフェノール類にエピクロルヒドリン及び/又はメチルエピクロルヒドリンを反応させて得られるものや、ビスフェノールAのグリシジルエーテルと前記ビスフェノール類の縮合物にエピクロルヒドリン及び/又はメチルエピクロルヒドリンを反応させて得られるもの等であり、市販品としては、ジャパンエポキシレジン(株)製のエピコート1004、エピコート1002;ダウ・ケミカル社製のDER−330、DER−337等)、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(例えば、トリスフェノールメタン、トリスクレゾールメタン等とエピクロルヒドリン及び/又はメチルエピクロルヒドリンを反応させて得られるものであり、市販品としては日本化薬(株)製のEPPN−501、EPPN−502等)、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、ビフェニルグリシジルエーテル、その他脂環式エポキシ樹脂、アミノ基含有エポキシ樹脂、共重合型エポキシ樹脂、カルド型エポキシ樹脂、カリックスアレーン型エポキシ樹脂など公知慣用のエポキシ樹脂を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
多官能オキセタン化合物(B−2)としては、多官能フェノール化合物とオキセタンクロライドの反応生成物が挙げられる。例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型、ビフェニル型、カルド型等の2官能オキセタン化合物、トリスフェノールメタン型、トリスクレゾールメタン型などの3官能オキセタン化合物、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、カリックスアレーン型などの多官能オキセタン化合物などが挙げられる。
さらには、1分子中に2つ以上の水酸基と置換反応可能な官能基(例えばアルキルハライドなど)を有する化合物とオキセタンアルコールとの反応生成物が挙げられる。例えば、キシリレンジオキセタン(キシリレンジブロミドとオキセタンアルコールとの反応生成物)、ビフェニルジオキセタン(4,4′−ビス(クロロメチル)ビフェニルとオキセタンアルコールとの反応生成物)等が挙げられる。
熱硬化性成分(B)の使用量は、多分岐ポリイミド樹脂(A−1)又は感光性ポリイミド樹脂(A−2、A−2’)中のカルボキシル基1化学当量に対して、エポキシ基及び/又はオキセタニル基の官能基が0.1〜4.0モル当量の範囲が好ましく、0.5〜2.5モル当量の範囲がさらに好ましい。
本発明の硬化性組成物に使用する硬化触媒もしくは硬化促進剤(C)としては、三級アミン、三級アミン塩、四級オニウム塩、三級ホスフィン、クラウンエーテル錯体、ホスホニウムイリドなどが挙げられ、これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
三級アミンとしては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン)、DBN(1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン)、DABCO(1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン)、ピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジンなどが挙げられる。また、イミダゾール類もこの範疇に含まれる。
三級アミン塩としては、例えば、サンアプロ(株)製のU−CATシリーズなどが挙げられる。
四級オニウム塩としては、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、アルソニウム塩、スチボニウム塩、オキソニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、スタンノニウム塩、ヨードニウム塩等が挙げられる。特に好ましいものは、アンモニウム塩及びホスホニウム塩である。アンモニウム塩の具体例としては、テトラn−ブチルアンモニウムクロライド(TBAC)、テトラn−ブチルアンモニウムブロミド(TBAB)、テトラn−ブチルアンモニウムアイオダイド(TBAI)等のテトラn−ブチルアンモニウムハライドや、テトラn−ブチルアンモニウムアセテート(TBAAc)などが挙げられる。ホスホニウム塩の具体例としては、テトラn−ブチルホスホニウムクロライド(TBPC)、テトラn−ブチルホスホニウムブロミド(TBPB)、テトラn−ブチルホスホニウムアイオダイド(TBBI)等のテトラn−ブチルホスホニウムハライド、テトラフェニルホスホニウムクロライド(TPPC)、テトラフェニルホスホニウムブロミド(TPPB)、テトラフェニルホスホニウムアイオダイド(TPPI)等のテトラフェニルホスホニウムハライドや、エチルトリフェニルホスホニウムブロミド(ETPPB)、エチルトリフェニルホスホニウムアセテート(ETPPAc)などが挙げられる。
三級ホスフィンとしては、炭素数1〜12のアルキル基、又はアリール基を有する、三価の有機リン化合物であればよい。具体例としては、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどが挙げられる。
さらに、三級アミン又は三級ホスフィンと、カルボン酸あるいは酸性の強いフェノールとの付加反応により形成される四級オニウム塩も反応促進剤として使用可能である。これらは、反応系に添加する前に四級塩を形成するか、もしくはそれぞれを別に添加して反応系中で四級塩形成を行なわせるいずれの方法でもよい。具体的には、トリブチルアミンと酢酸より得られるトリブチルアミン酢酸塩、トリフェニルホスフィンと酢酸より形成されるトリフェニルホスフィン酢酸塩などが挙げられる。
また、クラウンエーテル錯体の具体例としては、12−クラウン−4、15−クラウン−5、18−クラウン−6、ジベンゾ18−クラウン−6、21−クラウン−7、24−クラウン−8等のクラウンエーテル類と、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウムなどのアルカリ金属塩との錯体が挙げられる。
ホスホニウムイリドとしては、ホスホニウム塩と塩基との反応により得られる化合物であれば公知のものが使用可能であるが、取扱いの容易さから安定性の高いものの方が好ましい。具体的な例としては、(ホルミルメチレン)トリフェニルホスフィン、(アセチルメチレン)トリフェニルホスフィン、(ピバロイルメチレン)トリフェニルホスフィン、(ベンゾイルメチレン)トリフェニルホスフィン、(p−メトキシベンゾイルメチレン)トリフェニルホスフィン、(p−メチルベンゾイルメチレン)トリフェニルホスフィン、(p−ニトロベンゾイルメチレン)トリフェニルホスフィン、(ナフトイル)トリフェニルホスフィン、(メトキシカルボニル)トリフェニルホスフィン、(ジアセチルメチレン)トリフェニルホスフィン、(アセチルシアノ)トリフェニルホスフィン、(ジシアノメチレン)トリフェニルホスフィンなどが挙げられる。
これら硬化触媒もしくは硬化促進剤(C)の使用量は、熱硬化性成分(B)の環状エーテル基1モルに対して約0.1〜25モル%の割合であることが望ましく、さらに好ましくは0.5〜20モル%の割合であり、より好ましくは1〜15モル%の割合である。硬化触媒の使用量が環状エーテル基に対して0.1モル%よりも少ない割合の場合、実用的な速度で熱硬化反応が進行し難く、一方、25モル%を超えて多量に存在しても顕著な反応促進効果は見られないため、経済性の点で好ましくない。
本発明の光硬化性組成物及び光硬化性・熱硬化性組成物に用いる光重合開始剤(D)としては、活性エネルギー線の照射によりラジカルを発生する化合物であれば、いかなる物も使用可能である。具体的な例としては、ベンゾインやベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)アセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)ベンゾフェノン、3,3´,4,4´−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;2−メチルチオ−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オンや2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアミノアセトフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルホスフィンオキシド等のアルキルホスフィン類;9−フェニルアクリジン等のアクリジン類などが挙げられる。
これらの活性エネルギー線の照射によりラジカルを発生する光重合開始剤(D)は、1種又は2種以上の混合物として使用することが可能であり、その配合量は、前記感光性ポリイミド樹脂(A−2及び/又はA−2’)100質量部に対して0.1〜30質量部の範囲とすることが好ましい。0.1質量部より少ない場合は活性エネルギー線の照射を行なっても硬化しないか、もしくは照射時間を増やす必要があり、適切な塗膜物性が得られなくなる。一方、30質量部を超えて多量に添加しても、光硬化性に変化はなく、経済的に好ましくない。
本発明の光硬化性組成物及び光硬化性・熱硬化性組成物においては、活性エネルギー線による硬化を促進させるために、促進剤又は増感剤を前記光重合開始剤(D)と併用してもよい。併用しうる促進剤又は増感剤としては、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート等の3級アミン類;β−チオジグリコール等のチオエーテル類;(ケト)クマリン、チオキサンテン等の増感色素類、及びシアニン、ローダミン、サフラニン、マラカイトグリーン、メチレンブルー等の色素のアルキルホウ酸塩などが挙げられる。これらの増感剤は、それぞれ単独でもしくは2種類以上を組み合わせて使用してもよい。その使用量は、前記感光性ポリイミド樹脂(A−2及び/又はA−2’)100質量部に対し、0.1〜30質量部の割合が好ましい。
多官能モノマー(E)としては、1分子中に少なくとも2つ以上の重合性不飽和基を有する化合物であればいかなるものも使用可能である。具体的には、多価アルコールと、α,β−不飽和カルボン酸とを縮合して得られる化合物(例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(ジアクリレート又はジメタクリレートの意味、以下同様)、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,2−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ(1,2−プロピレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、トリ(1,2−プロピレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、テトラ(1,2−プロピレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等)、スチレン、ジビニルベンゼン、4−ビニルトルエン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1,3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらを用いる場合は、前記感光性ポリイミド樹脂(A−2及び/又はA−2’)100重量部に対し、1〜100重量部の割合で配合することが好ましく、3〜50重量部の範囲がさらに好ましい。1〜100重量部の範囲を逸脱すると、目的とする効果が低下する傾向があり、また、現像性に好ましくない影響をおよぼす傾向がある。
本発明の光硬化性組成物は、更なる耐熱性、耐溶剤性の付与を目的として、熱硬化性成分(B)を添加することも可能であり、それによって光硬化性・熱硬化性組成物となる。熱硬化性成分としては、カルボキシル基と反応可能な官能基を1分子中に2つ以上有するものであれば、いかなる化合物も使用可能であるが、好適には前記した1分子中に2つ以上のエポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する多官能エポキシ化合物(B−1)及び/又は多官能オキセタン化合物(B−2)等の環状エーテル類が用いられる。
本発明の硬化性組成物には、さらに必要に応じて硫酸バリウム、シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウムなどの公知慣用の充填剤、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、カーボンブラックなどの公知慣用の着色顔料、消泡剤、密着付与剤、レベリング剤などの各種添加剤を加えてもよい。
このようにして得られた硬化性組成物は、希釈剤の添加により粘度を調整した後、スクリーン印刷法、カーテンコーティング法、ロールコーティング法、ディップコーティング法、スピンコーティング法などの適宜の塗布方法により基材に塗布し、例えば約60〜120℃の温度で仮乾燥することで組成物中に含まれる有機溶剤を除去し、塗膜を形成する。ドライフィルムの形態にある場合には、そのままラミネートすればよい。
その後、熱硬化性組成物の場合には、さらに熱硬化性成分との反応を行なうために約120〜200℃の温度で加熱して熱硬化させることにより、密着性、機械的強度、はんだ耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性、耐電蝕性などの諸特性に優れた硬化皮膜が形成できる。
一方、光硬化性組成物及び光硬化性・熱硬化性組成物の場合には、活性エネルギー線を照射することにより、速やかに硬化する。
また、光硬化性成分としてカルボキシル基を有するアルカリ可溶性の感光性ポリイミド樹脂(A−2’)を含有する組成物の場合、所定の露光パターンを形成したフォトマスクを通して選択的に活性エネルギー線により露光し、未露光部をアルカリ水溶液により現像してレジストパターンを形成できる。
さらに、熱硬化性成分を含有する光硬化性・熱硬化性組成物の場合、上記露光・現像後に約140〜200℃の温度で加熱して熱硬化させることにより、密着性、機械的強度、はんだ耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性、耐電蝕性などの諸特性に優れた硬化皮膜が形成できる。またさらには、熱硬化前又は後にポストUV硬化を行なうことにより、諸特性をさらに向上させることができる。
上記現像に用いるアルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウム、アンモニア、有機アミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキシドなどの水溶液が使用できる。現像液中のアルカリの濃度は概ね0.1〜5wt%であればよい。現像方式はディップ現像、パドル現像、スプレー現像などの公知の方法を用いることができる。
前記光硬化性組成物及び光硬化性・熱硬化性組成物を硬化させるための照射光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプなどが適当である。また、レーザー光線なども露光用活性光源として利用できる。その他、電子線、α線、β線、γ線、X線、中性子線なども利用可能である。
以下に実施例を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
まず、多分岐ポリイミド樹脂及びそれを含有する熱硬化性組成物に関する実施例を示す。
合成例
攪拌器、還流冷却管、及び温度計を備え付けた300mLフラスコにベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物9.66g、N−メチルピロリドン150mLを仕込み、攪拌しながら室温にて溶解した。この溶液に、トリス(2−アミノエチル)アミン2.19gをN−メチルピロリドン100mLに溶解した溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、反応液を140℃に昇温し、9時間攪拌した。次いで、室温まで冷却し、反応混合物をメタノールに注入して激しく攪拌することで対応する多分岐ポリイミド樹脂を析出させた。ろ別、洗浄、乾燥後のポリマーは9.72gであった。GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)にて分子量を測定したところ、重量平均分子量は5800、分子量分布2.3であった。赤外スペクトルよりイミド基に起因する吸収が1720cm−1に観察されたことから、目的とする多分岐ポリイミド樹脂が得られたと判断した。図1に得られた多分岐ポリイミド樹脂のH−NMRスペクトルを示す。
応用実施例1
前記合成例1で得られた多分岐ポリイミド樹脂9.73g、エピコート828(ジャパンエポキシレジン社製エポキシ樹脂)2.93g、2PHZ(四国化成工業社製イミダゾール誘導体)0.46gをジメチルアセトアミド38.9gに溶解した。この溶液を銅張り積層板に塗布し、80℃のオーブン中で20分間乾燥した。得られた乾燥塗膜を150℃にて60分間熱硬化させた。得られた硬化塗膜は、ジメチルアセトアミドに不溶の強固なものであった。
合成例
前記合成例1において、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物に代えてビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物9.31gを用いた以外は、合成例1と同様の方法にて行ない、多分岐ポリイミド樹脂を9.36g得た。
応用実施例2
前記合成例2で得られた多分岐ポリイミド樹脂9.30g、エピコート828(ジャパンエポキシレジン社製エポキシ樹脂)2.93g、2PHZ(四国化成工業社製イミダゾール誘導体)0.46gをジメチルアセトアミド35gに溶解した。この溶液を銅張り積層板に塗布し、80℃のオーブン中で20分間乾燥した。得られた乾燥塗膜を150℃にて60分間熱硬化させた。得られた硬化塗膜は、ジメチルアセトアミドに不溶の強固なものであった。
合成例
50mLのフラスコにビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−スルホン二無水物0.357g、N−メチルピロリドン10mLを仕込み、攪拌しながら室温にて溶解させた。この溶液に、トリス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)エタン0.289gをN−メチルピロリドン10mLに溶解させた溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに室温で2時間撹拌した。この反応液に、無水酢酸3.0gとピリジン1.0gを加え、再び室温で3時間撹拌した。この反応液を60℃に昇温し、5時間攪拌した。次いで室温まで冷却し、反応混合物をメタノールに注いで固体を析出させ、これを回収、乾燥することで対応する多分岐ポリイミド樹脂を得た。収量は0.65gであった。GPCにより分子量を測定したところ、数平均分子量は45000であった。赤外スペクトルによりイミド基に起因する吸収が1781cm−1、カルボキシル基に起因する吸収が3484cm−1に観測されたことから、目的とする多分岐ポリイミド樹脂が得られたと判断した。図2に得られた多分岐ポリイミド樹脂のIRスペクトルを示す。
応用実施例3
前記合成例3で得られた多分岐ポリイミド樹脂9.05g、エピコート828(ジャパンエポキシレジン社製エポキシ樹脂)2.93g、2PHZ(四国化成工業社製イミダゾール誘導体)0.46をジメチルアセトアミド38.9gに溶解させた。この溶液を銅張り積層板に塗布し、80℃のオーブン中で20分間乾燥させた。得られた乾燥塗膜を150℃で60分間熱硬化させた。得られた硬化塗膜は、ジメチルアセトアミドに不溶の強固なものであった。
合成例
前記合成例3において、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−スルホン二無水物に代えて、4,4´−(4,4´−イソプロピリデンジフェノキシ)二無水フタル酸0.52gを用いた以外は、合成例3と同様の方法で行い、多分岐ポリイミド樹脂0.82gを得た。
応用実施例4
前記合成例4で得られた多分岐ポリイミド樹脂8.75g、エピコート828(ジャパンエポキシレジン社製エポキシ樹脂)2.93g、2PHZ(四国化成工業社製イミダゾール誘導体)0.46をジメチルアセトアミド35gに溶解させた。この溶液を銅張り積層板に塗布し、80℃のオーブン中で20分間乾燥させた。得られた乾燥塗膜を150℃で60分間熱硬化させた。得られた硬化塗膜は、ジメチルアセトアミドに不溶の強固なものであった。
次に、感光性ポリイミド樹脂及びそれを含有する光硬化性組成物に関する実施例を示す。
合成例
攪拌器、還流冷却管、及び温度計を備え付けた300mLフラスコにベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物9.66g、N−メチルピロリドン250mLを仕込み、攪拌しながら室温にて溶解した。この溶液に、トリス(2−アミノエチル)アミン2.19gを1時間かけて滴下した。滴下終了後、反応液を140℃に昇温し、9時間攪拌した。次いで、室温まで冷却し、グリシジルメタクリレート2.13g、メトキノン0.1g、及びトリフェニルホスフィン0.1gを加え、100℃に昇温した後、6時間攪拌した。反応混合物をメタノールに注入し、激しく攪拌することで対応するポリイミド樹脂を析出させた。ろ別、洗浄、乾燥後のポリマーは9.7gであった。GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)にて分子量を測定したところ、重量平均分子量は6000であった。赤外スペクトルよりイミド基に起因する吸収とメタクリロイル基に起因する吸収が、それぞれ1720cm−1、810cm−1に観察されたことから、目的とする感光性ポリイミド樹脂が得られたと判断した。図3に得られた感光性ポリイミド樹脂のH−NMRスペクトルを示す。
応用実施例5
前記合成例5で得られた感光性ポリイミド樹脂10g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2g、イルガキュア907(チバスペシャルティーケミカルズ社製)1gをジメチルアセトアミド80gに溶解した。この溶液を銅張り積層板に塗布し、80℃のオーブン中で20分間乾燥した。得られた乾燥塗膜にUVコンベアにて2J/cmの紫外線を照射し、光硬化させた。得られた硬化塗膜は、ジメチルアセトアミドに不溶の強固なものであった。
合成例
前記合成例5において、グリシジルメタクリレートに代えてサイクロマーM100(ダイセル化学工業社製)2.94gを用いた以外は合成例5と同様の方法にて行ない、感光性ポリイミド樹脂を10g得た。
応用実施例6
前記合成例6で得られた感光性ポリイミド樹脂10g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2g、イルガキュア907 1gをジメチルアセトアミド80gに溶解した。この溶液を銅張り積層板に塗布し、80℃のオーブン中で20分間乾燥した。得られた乾燥塗膜にUVコンベアにて2J/cmの紫外線を照射し、光硬化させた。得られた硬化塗膜は、ジメチルアセトアミドに不溶の強固なものであった。
合成例
撹拌機、還流冷却管、及び温度計を装備した50mLフラスコにビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−スルホン二無水物0.357g、N−メチルピロリドン10mLを仕込み、攪拌しながら室温にて溶解させた。この溶液に、トリス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)エタン0.289gをN−メチルピロリドン10mLに溶解させた溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに室温で2時間撹拌した。この反応液に、無水酢酸3.0gとピリジン1.0gを加え、再び室温で3時間撹拌した。この反応液を60℃に昇温し、5時間攪拌した。次いで室温まで冷却し、グリシジルメタクリレート0.42g、メトキノン0.01g、及びテトラブチルアンモニウムブロミド0.02gを加え、80℃で24時間撹拌した。反応混合物をメタノールに注いで固体を析出させ、これを回収して洗浄、乾燥させることで目的とする感光性ポリイミド樹脂を得た。収量は0.55gであった。GPCにより分子量を測定したところ、数平均分子量は38000であった。赤外スペクトルによりイミド基に起因する吸収が1781cm−1、メタクリロイル基に起因する吸収が1650cm−1に観測されたことから、目的とする多分岐ポリイミド樹脂が得られたと判断した。図4に得られた感光性ポリイミド樹脂のIRスペクトルを示す。
応用実施例7
前記合成例7で得られた感光性ポリイミド樹脂10g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2g、イルガキュア907(チバスペシャリティーケミカルズ社製)1gをジメチルアセトアミド80gに溶解させた。この溶液を銅張り積層板に塗布し、80℃のオーブン中で20分間乾燥させた。得られた乾燥塗膜にUVコンベアにて2J/cmの紫外線を照射し、光硬化させた。得られた硬化塗膜は、ジメチルアセトアミドに不溶の強固なものであった。
合成例
前記合成例7において、グリシジルメタクリレート代えて、サイクロマーM100(ダイセル化学社製)0.60gを用いた以外は、合成例7と同様の方法で行い、感光性ポリイミド樹脂0.57gを得た。
応用実施例8
前記合成例8で得られた感光性ポリイミド樹脂10g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2g、イルガキュア907(チバスペシャリティーケミカルズ社製)1gをジメチルアセトアミド80gに溶解させた。この溶液を銅張り積層板に塗布し、80℃のオーブン中で20分間乾燥させた。得られた乾燥塗膜にUVコンベアにて2J/cmの紫外線を照射し、光硬化させた。得られた硬化塗膜は、ジメチルアセトアミドに不溶の強固なものであった。
次に、アルカリ可溶性の感光性ポリイミド樹脂及びそれを含有する光硬化性・熱硬化性組成物に関する実施例を示す。
合成例
攪拌器、還流冷却管、及び温度計を備え付けた300mLフラスコにベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物9.66g、N−メチルピロリドン250mLを仕込み、攪拌しながら室温にて溶解した。この溶液に、トリス(2−アミノエチル)アミン2.19gを1時間かけて滴下した。滴下終了後、反応液を140℃に昇温し、9時間攪拌した。次いで、室温まで冷却し、グリシジルメタクリレート2.13g、メトキノン0.1g、及びトリフェニルホスフィン0.1gを加え、100℃に昇温した後、6時間攪拌した。さらに、テトラヒドロ無水フタル酸2.28gを加え、80℃にて8時間攪拌した。反応混合物をメタノールに注入し、激しく攪拌することで対応するアルカリ可溶性の感光性ポリイミド樹脂を析出させた。ろ別、洗浄、乾燥後のポリマーは13gであった。GPCにて分子量を測定したところ、重量平均分子量は13000であった。赤外スペクトルよりイミド基に起因する吸収とメタクリロイル基に起因する吸収が、それぞれ1720cm−1、810cm−1に観察され、さらにカルボキシル基に起因する幅広の吸収が3500〜3000cm−1に観察されたことから、目的とするアルカリ可溶性の感光性ポリイミド樹脂が得られたと判断した。図5に得られたアルカリ可溶性の感光性ポリイミド樹脂のH−NMRスペクトルを示す。
応用実施例9
前記合成例9で得られた感光性ポリイミド樹脂10g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2g、イルガキュア907 1g、エピコート828(ジャパンエポキシレジン社製エポキシ樹脂)3g、及び2PHZ(四国化成工業社製イミダゾール誘導体)0.5gをジメチルアセトアミド80gに溶解した。この溶液を銅張り積層板に塗布し、80℃のオーブン中で20分間乾燥した。得られた乾燥塗膜にフォトマスクを介して紫外線を1000mJ/cm照射し、その後、2.38%TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキシド)水溶液に浸漬して2分間超音波照射し、未露光部を溶解除去することで、ネガ型の画像を形成した。さらに150℃にて60分間熱硬化反応を行なうことにより、種々の有機溶媒に不溶な強固な皮膜が形成できた。
合成例10
撹拌機、還流冷却管、及び温度計を装備した50mLフラスコに前記合成例9で得られた感光性ポリイミド樹脂0.36g、テトラヒドロ無水フタル酸0.45g、トリフェニルホスフィン0.02g、メトキノン0.01g、及びN−メチルピロリドン15mLを仕込み、攪拌しながら50℃で24時間撹拌した。反応混合物をメタノールに注いで固体を析出させ、これを回収して洗浄、乾燥させることで目的とするアルカリ可溶の感光性ポリイミド樹脂を得た。収量は0.40gであった。GPCにより分子量を測定したところ、数平均分子量は42000であった。赤外スペクトルによりカルボキシル基に起因する吸収が3439cm−1、イミド基に起因する吸収が1781cm−1、メタクリロイル基に起因する吸収が1681cm−1に観測されたことから、目的とするアルカリ可溶の感光性ポリイミド樹脂が得られたと判断した。図6に得られた感光性ポリイミド樹脂のIRスペクトルを示す。
応用実施例10
前記合成例10で得られたアルカリ可溶の感光性ポリイミド樹脂10g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2g、イルガキュア907 1g、エピコート828(ジャパンエポキシレジン社製エポキシ樹脂)3g、及び2PHZ(四国化成工業社製イミダゾール誘導体)0.5gをジメチルアセトアミド80gに溶解させた。この溶液を銅張り積層板に塗布し、80℃のオーブン中で20分間乾燥させた。得られた乾燥塗膜にフォトマスクを介して紫外線を1000mJ/cm照射し、その後、2.38%TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)水溶液に浸漬して2分間超音波照射し、未露光部を溶解除去することで、ネガ型の画像を形成させた。さらに150℃で60分間熱硬化反応を行うことにより、種々の有機溶媒に不溶の強固な皮膜が形成できた。
以上説明したように、本発明の多分岐ポリイミド樹脂(A−1)や感光性ポリイミド樹脂(A−2)、アルカリ可溶性の感光性ポリイミド樹脂(A−2’)は、いずれも比較的簡単に製造でき、また、用いるモノマーも保存安定性に優れ、従来の自己縮合性モノマーのように保管中にゲル化してしまうという問題を生ずることもなく、工業的生産において極めて有利である。
従って、このような多分岐ポリイミド樹脂(A−1)や感光性ポリイミド樹脂(A−2)、アルカリ可溶性の感光性ポリイミド樹脂(A−2’)を含有する熱硬化性組成物、光硬化性組成物及び光硬化性・熱硬化性組成物は、ポリイミドが本来有している優れた特性をそのまま発揮でき、熱硬化及び/又は光硬化させることにより、密着性、機械的強度、はんだ耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性、耐電蝕性などの諸特性に優れた硬化物が得られる。従って、半導体素子の表面コート膜(いわゆるパッシベーション膜)やプリント配線基板材料、及び多層プリント配線板の層間絶縁材料などに好適に用いることができる。

Claims (3)

  1. 1分子中に少なくとも3個の1級アミノ基を有するアミン化合物(i)と四塩基酸無水物(ii)との反応により得られ、末端にカルボキシル基を有する多分岐ポリイミド樹脂(A−1)、1分子中に2つ以上のエポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する多官能エポキシ化合物(B−1)及び/又は多官能オキセタン化合物(B−2)である熱硬化性成分(B)、及び硬化触媒(C)を含有することを特徴とする硬化性組成物。
  2. 前記硬化触媒(C)が、三級アミン、三級アミン塩、四級オニウム塩、三級ホスフィン、クラウンエーテル錯体、及びホスホニウムイリドよりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物である請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の硬化性組成物を加熱により硬化させて得られる硬化物。
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