JP4480224B2 - 印刷装置およびその制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録素子に通電する時間によって階調表現する印刷装置に関し、特に印刷時の瞬間電力を低減させることのできる印刷装置およびその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、記録素子に通電する時間によって階調表現する印刷装置、例えばサーマルプリンタは、印画ヘッドの個々の発熱素子(記録素子)に通電する時間を変化させることで、印画の濃度階調を実現している。例えば、濃度の低い画素を記録する場合には通電時間は短く、濃度の高い画素を記録する場合には通電時間は長い。
【0003】
図2にN個の発熱素子を1ラインに配置したサーマルヘッドにより1ライン分の印刷を行う際の、発熱素子への通電タイミングの例を示す。図2においては、濃度階調は0(最低濃度)〜255(最高濃度)の256階調である。単位時間tuの期間だけ発熱素子に所定の直流電圧が印加されると、紙などの印刷媒体には、1階調分に相当する濃度で画素が記録される。そこで、濃度d(d=0〜255)の画素を記録する際には、d・tuの時間、対応する記録素子に通電される。また、1ラインの画素すべてが1以上の濃度を有する場合には、記録開始から少なくともtuの期間は、N個すべての発熱素子に通電される。そのため、サーマルヘッドに電力を供給する電源の容量は、ヘッドに配置された全発熱素子に通電される際の消費電力でその容量の最大格を決めなくてはならない。
【0004】
発熱素子に印加される電圧をV、発熱素子の抵抗をr、ヘッドに配置された発熱素子の数をN、n番目(n=1〜N)の素子で記録される画素の濃度をdn(dn=0〜dmax)、濃度の1階調に対応する通電時間をtu、1ラインの記録時間をT(=tu×dmax)とすると、消費電力Pは次の式で与えられる。
【0005】
P=Σn=0 Ndn・(tu/T)・(V2/r)
=Σn=0 Ndn・(1/dmax)・(V2/r)
最大消費電力Pmaxは、n=1〜Nについてdn=dmaxの場合であり、Pmaxは次のようになる。
【0006】
Pmax=N・(V2/r)
このように、最大消費電力はヘッドに配置された記録素子の数およびその抵抗値と印加電圧によって決定され、上述したサーマルプリンタは、Pmaxを電源容量の最大定格とする電源を用意していた。
【0007】
また、ヘッドにおける消費電力の最大値を抑制するために、ヘッドを2つの素子群に分割し、半分ずつ交互に通電することで最大消費電力を半減させたプリンタもあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した最大消費電力は1ラインすべての画素が最大濃度の場合、いわゆるベタ黒の画像を印刷する場合に消費される電力であって、一般に実際の画像では、ベタ黒の領域は頻繁に現れることはなく、電源が容量の最大定格まで使用されることはあまりない。それにもかかわらず、ベタ黒も印画できなくてはならないために、プリンタに備えられた電源は大きなものとなっていた。
【0009】
また、ヘッドを2つの素子群に分割し、半分ずつ交互に通電することで最大消費電力を半減させたプリンタでは、最大消費電力が半減するために電源容量の最大定格も半分にできるものの、印刷速度も半減してしまうという問題があった。
【0010】
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、従来のヘッドを利用しながら最大消費電力を低く抑え、必要とされる電源を小型化することができ、しかも印刷速度も画像によっては低下させることがない印刷装置およびその制御方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明の印刷装置は次のような構成から成る。
【0012】
通電時間に応じた濃度の画素を記録する記録素子列を配置したヘッド部と、
前記記録素子列により並列に記録すべき画素群に所定濃度以上の画素が所定数以上含まれていることを判定する判定手段と、
前記判定手段により所定濃度以上の画素が所定数以上含まれていると判定された場合、前記記録素子列を複数のグループに分割して各グループ毎に互いに通電期間が重複しないように各画素の濃度に応じて通電し、
前記判定手段により所定濃度以上の画素が所定数以上含まれていないと判定された場合、前記所定濃度以上の画素については対応する記録素子に画素濃度に応じた期間通電するとともに、前記所定濃度未満の画素については、前記所定濃度以上の画素に対応する記録素子と合わせた記録素子数が前記各グループに含まれる記録素子数を超えないような画素群に分割し、分割された画素群毎に各画素濃度に応じて前記記録素子に通電する記録制御手段とを備える。
【0013】
さらに好ましくは前記所定濃度は最高濃度の略3分の1の濃度であり、前記所定数は前記ヘッド部に配置された記録素子数の略4分の1であり、前記記録制御手段は、前記判定手段により所定濃度以上の画素が所定数以上含まれていると判定された場合、前記記録素子列を略2等分して各グループ毎に互いに通電期間が重複しないように各画素の濃度に応じて通電し、前記判定手段により所定濃度以上の画素が所定数以上含まれていないと判定された場合、前記所定濃度以上の画素については対応する記録素子に画素濃度に応じた期間通電するとともに、前記所定濃度未満の画素については、前記所定濃度以上の画素に対応する記録素子と合わせた記録素子数が前記ヘッド部に配置された記録素子数の2分の1を超えないような画素群に分割し、分割された画素群毎に各画素濃度に応じて前記記録素子に通電する。
【0014】
さらに好ましくは、前記記録素子は、通電時間に応じた熱量を発生する発熱素子である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の好適な実施形態について、添付の図面を参照して述べる。
【0016】
<概要>
まず、本実施形態におけるサーマルプリンタによる印刷制御方式の概要を説明する。この方式では、従来技術の欄において説明した最大消費電力Pmax=N・(V2/r)を、N個の発熱素子を有する従来のサーマルヘッドを用いつつ電源容量の最大定格を半減させることができる。そのために、本方式では、1ラインの印刷の前において、その中に含まれる所定の濃度を超える画素数をカウントし、それが1ライン全体の4分の1(=N/4)を超えない場合には下記の第1の手順で印刷し、越える場合には第2の方式で手順する。なお、本実施形態では所定の濃度は86とする。また、印刷は0〜255の256階調で行うものとし、最大濃度の画素を印刷するための素子への通電時間をT、1階調の濃度表現のための通電期間をtu=T/255とし、このtuをセグメントと呼ぶことにする。階調表現は、この通電期間tuを単位として、表現する濃度階調に応じたセグメント数に対応する時間だけ発熱素子に通電することで実現される。例えば濃度が255の画素を記録するためには、255セグメントの間、その画素に対応する発熱素子に通電される。
【0017】
(第1の手順)
図3は、第1の手順における発熱素子に対する通電のタイミングを示す図である。図3において、1ラインの記録するのに必要な時間(周期)はTであり、ヘッドに配置された発熱素子の数はN個である。また、1周期は255のセグメントに分割され、1セグメントに相当する期間発熱素子に通電すると、1階調分に相当する濃度で画素が媒体上に形成される。
【0018】
この第1の手順では、ヘッドに含まれる発熱素子は、濃度値が86以上の画素を記録する発熱素子(第0のグループと呼ぶ)と、それ以外の発熱素子とに分割され、さらに、後者の発熱素子は、N/4個の素子を含む第1および第2のグループと、残りの素子を含む第3のグループに分割される。第1〜第3の各グループの発熱素子は互いに重複しないタイミングで通電される。すなわち、1ラインの印刷の開始から第i番目のセグメントをtui(i=1〜255)と表し、グループの番号をjと表すと、濃度d(d=1〜85)の画素を記録するためには、グループjに属する発熱素子に対して、第3(k-1)+j(k=1〜d)番目のセグメントにおいて、すなわちtu3(k-1)+j(k=1〜d)において通電する。
【0019】
図3においては、例えば第1のグループは、ヘッドに配置された素子列のうち、記録する画素の濃度が85以下の素子を、先頭からN/4個集めたグループである。このグループは、tu1,tu4,…というように、tu1から始めて、通電期間が記録する濃度に対応する期間に達するまで、2セグメントの休止を挟みつつ通電される。第2のグループは、記録する画素の濃度が85以下の素子を、第1のグループの直後の素子からN/4個集めたグループである。このグループは、tu2,tu5,…というように、tu2から始めて、2セグメントおきに通電される。第3のグループは、記録する画素の濃度が85以下の残った素子を、第1および第2のグループの直後の素子からN/4個集めたグループである。このグループは、tu3,tu6,…というように、tu3から始めて、2セグメントおきに通電される。
【0020】
このように、第1〜第3グループに属する発熱素子は、1ライン分の記録時間T内で、T/(3tu)階調の濃度を有する画素まで記録できる。本例ではT/tu=255なので、濃度階調値が0から255/3=85までの画素を時間Tで記録できる。第1〜第3グループに属する素子により記録する画素は濃度階調値が85以下であると定義してあるため、これらグループに属する発熱素子に対応する画素はすべて時間T内に印刷できる。
【0021】
一方、濃度階調値が86以上の画素を記録する第0グループの発熱素子により濃度dの画素を記録するためには、tu1〜tudの各セグメントにおいて対応する発熱素子に通電し、tud+1〜tu255の期間、通電を停止する。こうして、第0グループの発熱素子に対応する画素もまた、時間T内に本来の濃度で印刷できる。
【0022】
以上のように制御することで、同時に通電され得る発熱素子は、第1〜第3グループの内のいずれかのグループに属する素子と、第0のグループの素子とに限られる。第1および第2グループの素子はそれぞれN/4であり、第0グループはN/4個以下であるから、第1グループと第0グループ、あるいは第2グループと第0グループの素子の数を合わせても、それぞれせいぜいN/2個に過ぎない。また、第3グループと第0グループとに属する素子数の和はN−N/2=N/2個である。したがって、この第1の手順によれば、濃度階調値85を超える画素の数が1ライン全体の4分の1(=N/4)を超えないという条件を満たせば、同時に通電される発熱素子の数はN/2を越えることはなく、しかも時間T内で1ラインの印刷を完了できる。
【0023】
(第2の手順)
図4は、第2の手順における発熱素子に対する通電のタイミングを示す図である。
【0024】
濃度階調値85を超える画素の数が1ライン全体の4分の1(=N/4)を超える場合には、偶数番目の発熱素子のグループと、奇数番目の発熱素子のグループに2分して奇数番目のセグメントでは奇数番目の発熱素子に通電し、偶数番目のセグメントでは偶数番目のセグメントに通電する。このように各グループの発熱素子に対して時間tuずつ、交互に画素濃度に応じて通電する。この場合、各グループの各素子に対して、最大の通算通電時間がTとなるように通電するため、1ラインの記録のために時間2Tが必要とされる。
【0025】
この第2の手順によれば、階調値がいくらであっても、同時に通電する素子数はN/2に抑えられる。
【0026】
以上のように、第1の手順と第2の手順を条件に応じて切り替えることで、同時に通電する素子数をN/2にすることで、N個の素子に同時に通電する場合に比べて、最大消費電力を2分の1に減らし、電源の小型化を実現できる。
【0027】
しかも、第1の手順を実行するための条件を満たすラインであれば時間T内で1ラインの記録を完了でき、最大消費電力の抑制による印画速度への低下の度合いを小さくすることができる。
【0028】
<プリンタの構成>
図8に本実施形態に係るサーマルプリンタの外観斜視図を示す。
【0029】
図8において、記録用紙Sは不図示の給紙ローラにより用紙トレイから搬送路に供給される。搬送路上の用紙Sは、ステッピングモータである第3モータM3から駆動力を得ることで、ラインサーマルヘッド7への画像信号に同期するようにして排出方向に送るとともに、ラインサーマルヘッド7の発熱部に対する当接力を同時に確保するようにしたプラテンローラ26上を搬送されつつ、ラインサーマルヘッド7により記録リボンRから色剤が転写され1ラインずつ画像形成される。画像Pが印画された用紙Sは、モータM2により駆動される搬送ローラ24とアイドルローラ25とにより搬送されてプリンタから排出される。
【0030】
一方、記録リボンRは、ベース上に移送方向に互いに異なる複数色の少なくともY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)を含む各色領域が順次繰り返し配置されており、巻き取り軸体4に巻回されてスプールに保持され、モータM4で駆動される巻き取り軸5によって巻き取られる。
【0031】
サーマルヘッド7には、発熱素子7aが1ライン分配置されている。各発熱素子は、図1に示すシフトレジスタ7d,ラッチ回路7c,駆動回路7bを介して、画像処理回路2によって処理された画像の各画素に応じた画素信号が、ヘッド制御回路3から印加される。
【0032】
このようにして、記録リボンRを巻き取りつつ、サーマルヘッドによって各色成分の濃度に応じた時間だけ記録リボンRを加熱し、色材を昇華させて用紙Sに転写し、画像を形成する。
【0033】
<サーマルヘッド駆動制御回路の説明>
図1に、本実施形態におけるサーマルプリンタのサーマルヘッド駆動制御回路のブロック図を示す。
【0034】
サーマルヘッド7aは、1ラインの発熱素子がN個から成り、サーマルヘッド7aは、発熱素子を駆動するドライバ回路7b、発熱素子のON/OFFを記憶するラッチ回路7c、発熱素子分のシリアルデータをパラレルに変換するシフトレジスタ7d、1ラインデータを記憶し、ヘッドの印画のタイミングを制御するヘッド制御回路3、印画画像を形成し印画全体を制御する画像処理回路2により制御される。
【0035】
印画は、画像処理回路2により形成された画像データを、1ライン分ずつヘッド制御回路3に送ると同時に用紙の送りをすることにより行なわれる。なお1画素分の画像データは8ビットよりなり、256階調を表現できる。
【0036】
1ライン分の印画データを受け取ったヘッド制御回路3は、図5乃至図7に説明する手順にしたがって、1ライン分の画像データを、各発熱素子のON/OFFデータData_INとしてクロック信号Clockと共にシフトレジスタに直列に転送する。シフトレジスタ7dには、1ライン分のON/OFFデータが並列化されて格納される。
【0037】
1ラインの全てのデータがシフトレジスタ7dに転送されると、ヘッド制御回路3よりラッチ信号Latchがラッチ回路7cに出力される。ラッチ信号の入力に同期して、ラッチ回路7cは、シフトレジスタ7dに格納されている1ライン分の各発熱素子のON/OFFデータをラッチし、駆動回路7bにそのデータを出力する。ここでヘッド制御回路3よりストローブ信号StrobeをONにすることにより、発熱素子はON/OFFデータに応じて駆動される。
【0038】
<印刷制御手順>
図5に、ヘッド制御回路3により1画面を印画するための手順を示す。
【0039】
まず、1ラインの画像データを画像処理装置2から受信して所定のメモリに格納するなどして設定し(ステップS501)、その画像データに基づいて1ライン分の印画制御を実行する(ステップS502)。そして用紙Sの搬送タイミングであれば(ステップS503−YES)、用紙を1ライン分送り(ステップS504)、全ラインの印画を終えたか判定して(ステップS505)、残りラインがあればステップS501から繰り返す。
【0040】
図6および7に、1ライン印画の手順を示す。図6は前述した第1の手順を実現するためのその制御フローチャート、図7は第2の手順を実現するためのフローチャートである。まず、説明において用いる記号を定義しておく。
【0041】
N:サーマルヘッド7に配置された発熱素子の数
n:1ライン中で注目画素(あるいは発熱素子)の位置を示すカウンタ
階調:1ラインの記録において、注目セグメント番号または注目階調を示すカウンタ
出力の回数:1ライン中の85以下の階調値を有する画素のカウンタ
Even/Odd:注目しているのが、奇数番目の素子か偶数番目の素子かを示すフラグ
なお、Nはヘッドによって決まる定数であり、n,階調,出力の回数,Even/Oddは変数である。nはヘッドに配置された発熱素子を、ヘッドの一端から他端へと昇順で示している。また、変数「階調」は手順1においては注目セグメントを示し、手順2においては注目階調を示す。以下、図6および図7を参照してヘッド制御回路による印刷制御手順を説明する。
【0042】
(手順1)
図6において、1ラインの印画が開始されると、まず、記録しようとする1ライン中に含まれる階調値が86以上の画素の数がN/4以下であるか判定する(ステップS601)。N/4以下でなければ、図7に示す手順2に分岐する。N/4以下であれば、ステップS602以降によって手順1が実行される。ここで、ステップS603〜S616のループ内では、ひとつの注目セグメントにおける制御が行われ、ステップS604〜S614のループ内では注目素子に対する制御が行われる。
【0043】
まず、ステップS602において階調を1に初期化する。次に、出力の回数を0に、nを1に初期化する(ステップS603)。
【0044】
そして、n番目の画素の階調値が86未満であるか判定し(ステップS604)、86以上であれば、この素子は第0グループに属する素子であると判断される。
【0045】
第0グループの場合には、その時点での「階調」の値、すなわち注目セグメント番号が、n番目の画素の値、すなわち注目画素の階調値以下であるか判定する(ステップS618)。注目セグメント番号が注目画素の階調値以下であれば、そのセグメントにおいて注目発熱素子に通電するために、注目発熱素子のON/OFFデータData_INに1をセットし、クロック信号を出力してシフトレジスタに対して出力する(ステップS619)。一方、注目セグメント番号が注目画素の階調値を越えていれば、そのセグメントにおいて注目発熱素子に通電しないために、注目発熱素子のON/OFFデータData_INに0をセットし、クロック信号を出力してシフトレジスタに対して出力する(ステップS620)。この後、ステップS613へと分岐する。
【0046】
第0グループではない場合には、変数「出力の回数」の値がN/4以下であるか、すなわち、注目画素が、第1のグループに属する画素であるか判定する(ステップS605)。第1のグループであれば、階調/3のあまりが1であるか、すなわち、注目セグメントが第1グループの素子に通電してよいセグメントであるか判定する(ステップS606)。
【0047】
通電してよいセグメントであれば、その時点での「階調/3」の値、すなわち注目セグメント番号の3分の1が、n番目の画素の値、すなわち注目画素の階調値以下であるか判定する(ステップS610)。これは、第1乃至3グループの素子は、2セグメントおきに1セグメントずつ通電されるために、記録される階調は注目セグメント番号の3分の1となるためである。
【0048】
注目セグメント番号の3分の1が注目画素の階調値以下であれば、そのセグメントにおいて注目発熱素子に通電するために、注目発熱素子のON/OFFデータData_INに1をセットし、クロック信号を出力してシフトレジスタに対して出力する(ステップS611)。一方、注目セグメント番号が注目画素の階調値を越えていれば、そのセグメントにおいて注目発熱素子に通電しないために、注目発熱素子のON/OFFデータData_INに0をセットし、クロック信号を出力してシフトレジスタに対して出力する(ステップS621)。
【0049】
以上のようにして、注目セグメントにおける注目素子についてON/OFFデータの出力を終えたなら、nに1加算して注目素子を次に進め(ステップS613)、1ライン分の全素子について処理を終えたか、nとNとを比較して判定する(ステップS614)。終えていなければステップS604から次の素子について処理を繰り返す。
【0050】
一方、終えていれば、1ライン分のON/OFFデータがシフトレジスタ7dに格納されたために、ラッチ信号Latchを出力してシフトレジスタ7dのデータをラッチ回路7cにラッチさせ、ストローブ信号StrobeをONにしてラッチされたデータを駆動回路7bに対して出力させる。この状態で、1階調時間、すなわち1セグメント分の時間(tu)待機して発熱素子に通電させる。こうして注目セグメントの画像形成処理を終えたなら、変数「階調」に1加算して注目セグメントを次に移す(ステップS615)。
【0051】
次に、「階調」が255を越えているか、すなわち1ライン分の画像形成を終了したか判定し(ステップS617)、終了していなければステップS603に分岐して次のセグメントについて処理を繰り返し、終了していればストローブ信号をOFFにして1ラインの画像形成を終了する。
【0052】
(手順2)
ステップS601において、階調値86以上の画素の数がN/4以上のラインであると判定されたなら、ステップS701から手順2が実行される。
【0053】
まず「階調」すなわち注目階調を1で初期化し(ステップS701)、Even/Oddを奇数に初期化し(ステップS702)、nを1に初期化する(ステップS703)。
【0054】
次に、nの奇数偶数の別が、Even/Oddの値と一致しているか判定する(ステップS704)。すなわち、注目素子が、注目セグメントで通電してもよい素子か否かが判定される。
【0055】
一致していれば、通電してもよい素子であるので、「階調」の値と注目画素の濃度とを比較して、注目階調値が注目画素の濃度以下であることを判定する(ステップS705)。
【0056】
注目階調値が注目画素の濃度以下であれば、その階調に対応するセグメントで発熱素子に通電するために、ON/OFFデータData_INを1にして、クロック信号Clockを出力する(ステップS706)。そうでなければ、ON/OFFデータData_INを0にして、クロック信号Clockを出力する(ステップS707)。
【0057】
そしてnに1加算して注目画素を次に進め(ステップS708)、1ライン分の奇数あるいは偶数番目の画素についての処理を終えたか判定する(ステップS709)。終えていなければ、次の画素に対してステップS704から繰り返す。
【0058】
1ライン分終えたなら、ラッチ信号Latchを出力してシフトレジスタ7dのデータをラッチ回路7cにラッチさせ、ストローブ信号StrobeをONにしてラッチされたデータを駆動回路7bに対して出力させる。この状態で、1階調時間、すなわち1セグメント分の時間(tu)待機して、奇数あるいは偶数番目の発熱素子に、画素の濃度に応じて通電させる(ステップS710)。
【0059】
それが終わると、Even/Oddの値が奇数であるか判定し、奇数であれば次に偶数番目の素子について処理するために、Even/Oddの値を偶数にセットし(ステップS712)、偶数番目の素子について、ステップS703から繰り返す。
【0060】
Even/Oddの値が奇数を示していなければ、注目ラインについては、奇数番目の素子・偶数番目の素子ともに処理を終えているので、「階調」に1加算して注目階調値を次に進め(ステップS713)、1ラインの画像形成を終えたかステップS714で判定する。終えていなければステップS702から、注目階調を次に移して繰り返し、終えていればストローブ信号Srobeをオフにして1ラインの画像形成を終了する。
【0061】
以上のようにして、図1および図8に示したサーマルプリンタにより、瞬間最大消費電力を従来の半分に抑えることができる。また、消費電力の低減に伴い印刷に要する時間が無条件に増大することを防止できる。
【0062】
[変形例1]
なお、上述の実施形態おいて、手順1と手順2の閾値濃度を86としているが、86から170までの値で良い。この場合、閾値が86より1増える毎に、手順に1による印画時間を3階調時間(3tu)だけのばせば良い。閾値を171以上にすると、印刷に要する時間がT+(171−86)×3tu=T+255tu=2Tとなって、手順1を実行する意味がなくなってしまう。
【0063】
[変形例2]
また、手順2においては、素子を偶数と奇数とにグループ分けしているが、略2等分するのであればどのようにグループ分けしてもかまわない。
【0064】
[変形例3]
上述した実施の形態では、255階調の画像を従来比2分の1の最大瞬間消費電力で印刷するプリンタが示されているが、同時に通電される素子の数を限定することで、所望の比で最大消費電力を抑制できる。すなわち、上述した実施形態では、同時に通電される素子数を全素子の2分の1に抑えたが、これを3分の1や3分の2といった、所望の量に抑えることで、最大消費電力を3分の1や3分の2に抑制できる。
【0065】
このためには、手順1においては、ヘッドに配置されたN個の素子を、全セグメントにおいて通電できる素子のグループと、排他的に通電する複数のグループとに分割する。分割に際しては、全セグメントにおいて通電される素子の数と、排他的に通電されるグループそれぞれの素子の数との和がN・Rとなるようにする。ただし電力の抑制率をRとする。
【0066】
また、手順2においては、1セグメントに通電する素子数をN・Rまで抑制し、(T/tu)/Rのセグメントで1ラインを形成する。
【0067】
このようにして、瞬間最大消費電力を抑制し、電源を小型化することが可能となる。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、従来の印刷用ヘッドを利用しながら瞬間最大消費電力を低く抑え、必要とされる電源を小型化することができ、しかも消費電力の低減に伴って印刷に要する時間が無条件に増大することを防止した印刷装置およびその制御方法を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】サーマルヘッド駆動制御回路のブロック図である。
【図2】従来のヘッド駆動タイミングを示す図である。
【図3】実施形態における手順1のヘッド駆動タイミングを示す図である。
【図4】実施形態における手順2のヘッド駆動タイミングを示す図である。
【図5】ヘッド制御回路による印刷制御手順のフローチャートである。
【図6】ヘッド制御回路による印刷制御手順のフローチャートである。
【図7】ヘッド制御回路による印刷制御手順のフローチャートである。
【図8】実施形態のサーマルプリンタの外観斜視図である。
Claims (5)
- 通電時間に応じた濃度の画素を記録する記録素子列を配置したヘッド部と、
前記記録素子列により並列に記録すべき画素群に所定濃度以上の画素が所定数以上含まれていることを判定する判定手段と、
前記判定手段により所定濃度以上の画素が所定数以上含まれていると判定された場合、前記記録素子列を複数のグループに分割して各グループ毎に互いに通電期間が重複しないように各画素の濃度に応じて通電し、
前記判定手段により所定濃度以上の画素が所定数以上含まれていないと判定された場合、前記所定濃度以上の画素については対応する記録素子に画素濃度に応じた期間通電するとともに、前記所定濃度未満の画素については、前記所定濃度以上の画素に対応する記録素子と合わせた記録素子数が前記各グループに含まれる記録素子数を超えないような画素群に分割し、分割された画素群毎に各画素濃度に応じて前記記録素子に通電する記録制御手段と
を備えることを特徴とする印刷装置。 - 前記所定濃度は最高濃度の略3分の1の濃度であり、前記所定数は前記ヘッド部に配置された記録素子数の略4分の1であり、前記記録制御手段は、前記判定手段により所定濃度以上の画素が所定数以上含まれていると判定された場合、前記記録素子列を略2等分して各グループ毎に互いに通電期間が重複しないように各画素の濃度に応じて通電し、前記判定手段により所定濃度以上の画素が所定数以上含まれていないと判定された場合、前記所定濃度以上の画素については対応する記録素子に画素濃度に応じた期間通電するとともに、前記所定濃度未満の画素については、前記所定濃度以上の画素に対応する記録素子と合わせた記録素子数が前記ヘッド部に配置された記録素子数の2分の1を超えないような画素群に分割し、分割された画素群毎に各画素濃度に応じて前記記録素子に通電することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
- 前記記録素子は、通電時間に応じた熱量を発生する発熱素子であることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷装置。
- ヘッド部に配置した記録素子列に画素濃度に応じた時間通電して画像を印刷する印刷装置の制御方法であって、
前記記録素子列により並列に記録すべき画素群に所定濃度以上の画素が所定数以上含まれていることを判定し、
所定濃度以上の画素が所定数以上含まれていると判定された場合、前記記録素子列を複数のグループに分割して各グループ毎に互いに通電期間が重複しないように各画素の濃度に応じて通電し、
所定濃度以上の画素が所定数以上含まれていないと判定された場合、前記所定濃度以上の画素については対応する記録素子に画素濃度に応じた期間通電するとともに、前記所定濃度未満の画素については、前記所定濃度以上の画素に対応する記録素子と合わせた記録素子数が前記各グループに含まれる記録素子数を超えないような画素群に分割し、分割された画素群毎に各画素濃度に応じて前記記録素子に通電することを特徴とする印刷装置の制御方法。 - 前記所定濃度は最高濃度の略3分の1の濃度であり、前記所定数は前記ヘッド部に配置された記録素子数の略4分の1であり、所定濃度以上の画素が所定数以上含まれていると判定された場合、前記記録素子列を略2等分して各グループ毎に互いに通電期間が重複しないように各画素の濃度に応じて通電し、所定濃度以上の画素が所定数以上含まれていないと判定された場合、前記所定濃度以上の画素については対応する記録素子に画素濃度に応じた期間通電するとともに、前記所定濃度未満の画素については、前記所定濃度以上の画素に対応する記録素子と合わせた記録素子数が前記ヘッド部に配置された記録素子数の2分の1を超えないような画素群に分割し、分割された画素群毎に各画素濃度に応じて前記記録素子に通電することを特徴とする請求項4に記載の印刷装置の制御方法。
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