JP4200286B2 - 画像形成装置及び印字制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速印字から低速印字に印字速度を切り替えたとき切替時の印字ずれで画質が低下するのを防止する画像形成装置及び印字制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、サーマルプリンタにおいては、多数の発熱体を備えたラインサーマルヘッドを駆動するときに、所定数の発熱体毎に複数ブロックに区分けし、その複数ブロックをさらに第1グループと第2グループに大別して、印字される1ラインの印字データのドット数を検出し、検出したドット数が規定数に満たない場合、ラインサーマルヘッド上の第1グループ及び第2グループの発熱体を同時に駆動することによって高速印字を行ない、一方、検出したドット数が規定数を超えている場合、ラインサーマルヘッド上の第1グループと第2グループの発熱体をシリアルに駆動することによって、時間をかけて低速印字を行なっている。これは、ラインサーマルヘッドを用いたサーマルプリンタ、例えば家庭向けファクシミリ装置では、装置の低価格化や小型化を実現するために、ラインサーマルヘッド上の全発熱体に対して一度に電流を流せるほどの容量を確保するのではなく、複数グループに分割した発熱体に一度に電流を流せる分の容量のみを確保するように設計するのが一般的であるためである。
【0003】
すなわち、印字される1ラインの印字データのドット数が規定数より少ない場合は、この印字データによって同時に駆動される発熱体の数が少なく、駆動される全発熱体に流れる電流が電源容量以内であるので、印字速度を重視した高速印字を行なうことができる。これに対して、印字される1ラインの印字データのドット数が規定数を超えている場合は、この印字データによって発熱体を同時に駆動しようとすると、駆動される全発熱体の数が多くなるため電源容量を越えて電流を流そうとするため、電源がシャットダウンする或いは破壊するという不具合が生じる。そこで、この印字データによって第1グループのラインサーマルヘッドと第2グループのラインサーマルヘッドとを分けてシリアルに駆動(低速印字)し、同時に駆動する発熱体の数を半分に制限し、電源がシャットダウンする或いは破壊するという不具合を防いでいた。
【0004】
ところで、特許文献1で提案されているようなサーマルプリンタは、電池電源を備え、高速印字から低速印字に切り換えたとき、あるいは低速印字から高速印字に切り換えたとき、急激な印字速度の変化で利用者に違和感を生じるのを防止するために、ドット数が規定数を跨いで変化する1ラインの印字データを検出したとき、第1及び第2グループのラインヘッドを、1ラインの印字データの印字時までに印字速度を段階的に変化させるように駆動するものである。このサーマルプリンタは、電池電源の消耗を抑え且つ印字速度の切替えにより利用者が受ける違和感を防止することに対して有用である。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−180027号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述の特許文献1にて提案されているサーマルプリンタでは、電池電源の消耗を抑え且つ印字速度の切替えにより利用者が受ける違和感を防止することに対しては有用であるが、印字速度の切替り時に生じる印字ずれによる印字画質低下について考慮されていなかった。
【0007】
また、家庭向けファクシミリ装置等の従来のサーマルプリンタでは、印字される1ラインの印字データのドット数を検出し、検出したドット数が規定数に満たない場合、第1グループ及び第2グループのラインサーマルヘッドを同時に駆動することによって高速印字を行ない、検出したドット数が規定数を超えている場合、第1グループのラインサーマルヘッドと第2グループのラインサーマルヘッドとをシリアルに駆動して低速印字を行なって、電源がシャットダウンする或いは破壊するという不具合を防いでいた。
【0008】
しかし、従来のサーマルプリンタは印字速度制御を行うため、高速印字から低速印字に切り換えるときに、また低速印字から高速印字に切り換えるときに急激な印字速度の変化で切替時の印字ずれが発生していた。すなわち、高速印字から低速印字に切り換えたとき、サーマルヘッドの発熱時間と紙送り用搬送モータの回転タイミング(記録紙の移動タイミング)とのミスマッチのために、印字の発色が十分でないラインが白い線となって残り画質を低下させた。図7(a)は従来のサーマルプリンタで発生する白い筋の第1の説明図、図7(b)は(a)の白い筋に続く時点の第2の説明図、図7(c)は(b)の白い筋に続く時点の第3の説明図である。
【0009】
図7(a)で示す▲1▼は第1グループと第2グループのラインサーマルヘッドに同時印加する高速印字の印字結果であり、▲2▼は第1グループの印字から第2グループの印字ラインサーマルヘッドにシリアルに印加する低速印字の印字結果である。この第1グループから第2グループによる印字に移行するとき、切替時の印字ずれで白い筋が発生していることが分かる。さらに高速印字と低速印字を繰返す場合、図7(b)の▲3▼で示す高速印字の後、▲4▼の低速印字の後半に白い筋が発生し、これは図7(c)の▲5▼の高速印字、▲6▼の低速印字で繰返され、ここでは白い筋が3本形成されていることが分かる。
【0010】
このため、(特許文献1)のサーマルプリンタはドット数が規定数を跨いで変化する1ラインの印字データを検出したとき、印字までに印字速度を段階的に変化させることで違和感を解消する。しかし、ドット数が数ラインで激しく繰返して変化する頻度は希であり、ヘッド駆動信号の各周期を徐々に変化させるための制御構成にするのは費用対効果の点で課題を有していた。
【0011】
そして、サーマルプリンタを搭載したファクシミリ装置等の画像形成装置、特に感熱印字方式や熱転写印字方式にて印字を行うファクシミリ装置等においては、家庭内やSOHOに設置される場合が多いが、このようなケースでは、簡易的なコピー機として使用される頻度が高く、文字原稿のコピーをとることが多い。このような場合、印字速度が速いことはユーザーにとってメリットがあり、画質は見たとき違和感を生じない程度であればあまり問題とならない。従って、筋を目立たなくするためだけで(特許文献1)のようなシステムを採用するのは少し過剰といえ、画像形成装置全体の価格を押し上げることになってしまう。しかし、発色しなかった白い筋が何本も残ると、希だとはいってもさすがに画質の悪さが目に付くことになる。
【0012】
そこで本発明は、高速低速2段の印字速度制御することができ、必要十分な画質を確保でき、安価な画像形成装置を提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明は、高速低速2段の印字速度制御することができ、きわめて簡単且つ必要十分な画質を確保できる印字制御方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、転送された印字データに基づいて発熱により印字するサーマルヘッドと、該印字データをメモリするバッファメモリ部と、バッファメモリ部からサーマルヘッドに印字データが転送されるとき1ライン単位でドット数をカウントするカウント処理部と、記録媒体を搬送する記録紙搬送モータと、カウント処理部が所定の閾値以下のドット数をカウントしたときにはサーマルヘッドに1ラインの画像データを一括して1ライン分紙送りを行う毎に印字する高速印字を行わせ、該閾値を越えたドット数をカウントしたときにはサーマルヘッドに1ラインの画像データを2分割して1/2ライン分紙送りを行う毎に印字する低速印字をさせる制御部を備えた画像形成装置であって、カウント処理部が、1回または2回以上連続して閾値より多いドット数をカウントしたときは、制御部に対して1ライン2分割の速度に固定して印字させるためのリクエストを発行し、制御部が印字速度制御を1ライン2分割の低速印字に固定するとともに、低速印字に固定した後は、カウント処理部が閾値以下のドット数をカウントしたときであっても、サーマルヘッドに1ラインの画像データを2分割して印字するように構成したものである。
【0015】
これにより、高速低速2段の印字速度制御することができ、必要十分な画質を確保でき、安価な画像形成装置を提供することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
上記課題を解決するためになされた請求項1の発明は、転送された印字データに基づいて発熱により印字するサーマルヘッドと、該印字データをメモリするバッファメモリ部と、バッファメモリ部からサーマルヘッドに印字データが転送されるとき1ライン単位でドット数をカウントするカウント処理部と、記録媒体を搬送する記録紙搬送モータと、カウント処理部が所定の閾値以下のドット数をカウントしたときにはサーマルヘッドに1ラインの画像データを一括して1ライン分紙送りを行う毎に印字する高速印字を行わせ、該閾値を越えたドット数をカウントしたときにはサーマルヘッドに1ラインの画像データを2分割して1/2ライン分紙送りを行う毎に印字する低速印字をさせる制御部を備えた画像形成装置であって、カウント処理部が、1回または2回以上連続して閾値より多いドット数をカウントしたときは、制御部に対して1ライン2分割の速度に固定して印字させるためのリクエストを発行し、制御部が印字速度制御を1ライン2分割の低速印字に固定することを特徴とする画像形成装置であって、カウント処理部が、1回または2回以上連続して閾値を越えたドット数をカウントしたときは、1ライン2分割の速度に固定して印字させるためのリクエストを発行し、制御部が該リクエストにより印字速度制御を1ライン2分割の低速印字に固定するとともに、低速印字に固定した後は、カウント処理部が閾値以下のドット数をカウントしたときであっても、サーマルヘッドに1ラインの画像データを2分割して印字することを特徴とする画像形成装置であり、通常は高速印字を行いながら、ドット数が閾値を越える状況が1回または2回以上連続して起こった場合には、以後十分発色させて筋を消すため低速印字に固定することができ、きわめて容易に筋を消し、最小限の筋だけで全体として筋を目立たなくすることができる。
【0017】
請求項2の発明は、制御部が印字速度制御を1ライン2分割の低速印字に固定した後、カウント処理部が複数回連続して閾値より少ないドット数をカウントしたときは、制御部が1ライン2分割の速度に固定した印字速度制御を解除し、1ライン単位で高速印字することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置であり、ドット数が閾値を越える状況が1回または2回以上連続して起こった場合には、以後十分発色させて筋を消すため一旦低速印字に固定し、その後ドット数と閾値を比較して、連続して複数回閾値以下になったときには、低速印字に固定していた印字速度制御を再度高速印字に切り替えることができ、希望に応じた画質を確保しながら、高速の印字速度にすることができる。
【0018】
請求項3の発明は、サーマルヘッドに転送する1ライン単位の印字データが所定の閾値以下のドット数の場合には、サーマルヘッドに1ライン一括して1ライン分紙送りを行う毎に印字する速度で高速印字を行わせ、1ライン単位の印字データが該閾値を越えたドット数の場合にはサーマルヘッドに1ライン2分割して1/2ライン分紙送りを行う毎に印字する速度で低速印字をさせる印字制御方法であって、1回または2回以上連続して閾値を越えたときは、印字速度制御を1ライン2分割の低速印字に固定するとともに、低速印字に固定した後は、1ライン単位の印字データが閾値以下のドット数の場合であっても、サーマルヘッドに1ライン2分割して印字することを特徴とする印字制御方法であり、通常は高速印字を行いながら、ドット数が閾値を越える事態が1回または2回以上連続して起こった場合には、以後十分発色させて筋を消すため低速印字に固定することができ、きわめて容易に筋を消し、最小限の筋だけで全体として筋を目立たなくすることができる。
【0019】
請求項4の発明は、印字速度制御を1ライン2分割の低速印字に固定した後、複数回連続して閾値以下のドット数をカウントしたときは、1ライン2分割の速度に固定した印字速度制御を解除し、1ライン一括の速度で高速印字することを特徴とする請求項3記載の印字制御方法であり、ドット数が閾値を越える状況が1回または2回以上連続して起こった場合には、以後十分発色させて筋を消すため一旦低速印字に固定し、その後ドット数と閾値を比較して、連続して複数回閾値以下になった時には、低速印字に固定していた印字速度制御を再度高速印字に切り替えることができ、希望に応じた画質を確保しながら、高速の印字速度にすることができる。
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図6を用いて説明する。
【0021】
(実施の形態1)
以下実施の形態1の画像形成装置であるファクシミリ装置とその印字制御方法について説明する。図1(a)は本発明の実施の形態1における感熱記録紙を記録媒体とする画像形成装置の全体構成図、図1(b)は本発明の実施の形態1における感熱記録紙を記録媒体とする画像形成装置の全体構成図、図2は本発明の実施の形態1におけるサーマルプリンタの構成図、図3は本発明の実施の形態1における印字制御方法のフローチャート、図4(a)は本発明の実施の形態1における画像形成装置で発生する白い筋の第1の説明図、図4(b)は(a)の白い筋に続く時点の第2の説明図、図4(c)は(b)の白い筋に続く時点の第3の説明図である。
【0022】
図1(a)において、1は感熱記録紙を記録媒体とするファクシミリ装置(本発明の画像形成装置)、2はファクシミリ受信した画像データまたはコピーした画像データを印字する印字部、3はファクシミリ送信原稿またはコピー原稿を読み取る原稿読み取り部である。4は感熱記録紙、5はファクシミリ受信した画像データまたはコピーの画像データを印字するためのサーマルヘッド、6は感熱記録紙ロール部、7はプラテン、8は原稿読み取り部3の挿入口から送られた原稿の濃淡を光信号で検知して電気信号に変換するスキャナ、9はパルスモータで構成された紙送りのための紙送りモータ部(本発明の記録紙搬送モータ)である。
【0023】
図1(a)に示すように、感熱記録紙4はロールの形態で供給され、感熱記録紙ロール部6にセットして使用される。印字するときには搬送ローラで感熱記録紙の一端を引っ張り、感熱記録紙ロール部6から感熱記録紙通過経路に引出し、プラテン7で送りながらサーマルヘッド5で印字する。ファクシミリ装置1は実施の形態1においては4ppmの高速印字と2ppmの低速印字が可能である。
【0024】
図1(b)、図2において、10はファクシミリ装置1の全体システムを制御する主制御部、11はファクシミリ通信の入出力制御を行う通信インタフェース、12は主制御部10が読み出して機能するためのプログラムや送受信画像データを一時記憶する記憶部、13はサーマルヘッド5や紙送りモータ部9を動作させファクシミリ装置1内部とのインタフェースとなる制御部、14は印字データのドット数をカウントするカウント処理部である。
【0025】
実施の形態1のサーマルプリンタのカウント処理部14は、黒率判定のための閾値となる規定数のドットと比較する比較回路を有しており、カウントしたドット数がこの閾値より大きくなると、ドットの全数との比率(黒率)が規定値より上がる。そこで、カウント処理部14は低速印字に切り換える旨の、また閾値より小さい場合には高速印字を行う旨のリクエストを制御部13に発行する。この閾値としては、例えばサーマルヘッド5上の発熱抵抗18の総数の50%が適当である。そして、カウント処理部14は、制御部13に対してのリクエストと同時に紙送りモータ部9にもリクエストを通知し、印字速度制御に伴って発生する切替時の印字ずれを避けるために紙送りモータ部9の制御を行う。なお、カウント処理部14ではカウントだけを行い、このカウント数を制御部13と紙送りモータ部9に通知し、制御部13と紙送りモータ部9で閾値との比較を行うのでもよい。
【0026】
図2に示すように、15はシフトレジスタで、制御部13より入力されるクロック信号に同期して出力されるデータ信号を1ライン分メモリするためのものである。16はラッチレジスタで、制御部13より出力されるラッチ信号により、シフトレジスタ15より入力されたデータ信号をラッチして保持するためのものである。17はAND回路とスイッチング素子から構成されるドライバ、18は発熱抵抗であり、ドライバ17は発熱抵抗18をそれぞれ駆動する。ドライバ17と発熱抵抗18からなる発熱回路はそれぞれ複数個(図示しない)ずつで4つのブロックA,B,C,Dに分割されている。ブロックA,BとブロックC,Dに分けて速度制御を行う。ドライバ17はAND回路でストローブ信号が一方の端子に入力され、発熱抵抗18の駆動を制御する。19は紙送りモータ部9を構成するモータ駆動部、20は紙送りモータ回路である。紙送りモータ回路20は1パルスごとに1/4ラインピッチ角ずつ回転させることができるパルスモータの励磁部である。21は外部から制御部13に転送された印字データをライン単位でメモリできるバッファメモリ部である。
【0027】
制御部13は、ファクシミリ装置1がコピー画像データ等のデータ信号をクロック信号に同期してシフトレジスタ15に転送する。この1ライン分のデータ信号の転送が終了すると、制御部13はラッチ信号を出力して、シフトレジスタ15のデータ信号をラッチレジスタ16に記憶させる。同時に、一定パルス幅Tのストローブ信号STB1を出力する。このストローブ信号STB1の出力が終了すると、同じパルス幅Tのストローブ信号STB2を出力する。以下同様に、ストローブ信号STB3、STB4を順次出力する。そして、一ライン分の記録が終了する前に新しい1ラインのデータ信号を、シフトレジスタ16に転送する。このようにして、ライン単位に、感熱記録紙4に画像が印字される。
【0028】
ところで実施の形態1においては、カウント処理部14が印字データのドット数が閾値を越えたとき、制御部13と紙送りモータ部9のモータ駆動部19にカウント結果に基づいてリクエストを発行する。この通知によって制御部13とモータ駆動部19は印字速度切替時の印字ずれを目立たなくする処理を行う。すなわち、ファクシミリ装置1においては、概ね印字速度が重要であり、画質に対する許容度には比較的個人差がある。そこで実施の形態1においては、ファクシミリ装置1にふさわしい印字ずれ対策として、基本的に高速印字を行うこととし、発色の悪い筋が1本あるいは数本現れるような事態になったときに低速印字に固定する。そしてこの状態になったとき制御部13は低速印字に固定する旨のフラグをONにする。また実施の形態1においては、カウント処理部14が高速印字から低速印字に切り替える必要性を判定するため、印字切替条件(カウントしたドット数が閾値を越えるという条件)が1回またはn回(n≧2)連続して発生したことを検出し、判定している。これにより、ファクシミリ装置1として好適な印字速度制御を実現できる。
【0029】
そこで、図3に基づいて実施の形態1における印字制御方法について説明する。図3において、制御部13が印字データを取得すると(step1)、印字を終える場合はここで終了し、印字を継続する場合は、印字速度制御が固定されているか否かをチェックする(step2)。すなわち印字速度制御を固定した旨のフラグがONしているか否かをチェックする。固定されていない場合には、印字切替条件を満たしているか否かが確認される(step3)。すなわち、今回の印字データのドットのカウントでドット数が閾値を越えたか否かが判定される。
【0030】
ドット数がこれより大きい場合、印字速度制御が1ライン2分割印字(低速印字)に固定されて(step4)、step10へ進んで実行される。ドット数が小さい場合には、1ライン一括印字(高速印字)を行うためのリクエストを制御部13に対して発行する(step5)。これを受けて制御部13はデータ信号を1ライン分シフトレジスタ15に転送し、クロック信号によってラッチレジスタ16に転送し、発熱回路の4つのブロックA,B,C,Dを発熱させる。次いで、モータ制御部19に紙送りのためのモータ励磁リクエストを発行する。step5において1ライン一括印字(高速印字)のリクエストを発行すると、これに続けて1/4ラインピッチ角回転のモータ励磁リクエストを発行し(step6)、さらに2つ目の1/4ラインピッチ角回転のモータ励磁リクエストを発行し(step7)、続けて3つ目の1/4ラインピッチ角回転のモータ励磁リクエスト(step8)、さらに4つ目の1/4ラインピッチ角回転のモータ励磁リクエストを発行する(step9)。これによってプラテン7が1ライン分回転し、1ライン印字される。このstep1〜step3、step5〜step9のステップは5msで繰返される。
【0031】
step2において印字速度が低速に固定されて継続して実行されている場合、またstep4において印字速度制御が固定された場合には、1ライン2分割印字(高速印字)を行うためのリクエストを発行する(step10)。ブロックA,Bが発熱して印字する。1/4ラインピッチ角回転のモータ励磁リクエストを発行し(step11)、さらに2つ目の1/4ラインピッチ角回転のモータ励磁リクエストを発行する(step12)。
【0032】
次いで、残り半分のラインを印字するために、1ライン2分割印字のリクエストを再度発行する(step13)。これによりブロックC,Dが発熱して印字する。さらに1/4ラインピッチ角回転のモータ励磁リクエストを発行し(step14)、続けて2つ目の1/4ラインピッチ角回転のモータ励磁リクエストを発行する(step15)。step1〜step3、step9〜step14のステップは10msで繰返される。
【0033】
図4は実施の形態1の画像形成装置と印字制御方法によって印字切替条件が1回または2回以上連続して充足されたときに低速印字に切り替えられた状態を示している。このように実施の形態1の画像形成装置と印字制御方法は、通常は十分な印字速度を確保しながら、印字切替条件が1回または2回以上連続して充足されたときには、それ以降印字速度を低下させ、十分発色させて筋を消すことができる。従って、印字速度制御としては低速印字に固定するだけであり、きわめて容易に筋発生を抑え、目立たなくすることができ、個人の許容範囲に応じた画質を実現でき、ファクシミリ装置に好適な印字制御方法を実現することができる。
【0034】
(実施の形態2)
実施の形態1の画像形成装置と印字制御方法は、印字切替条件が満たされた場合に低速印字に切り替えて固定したが、実施の形態2は、固定後一定幅を印字する間に印字切替条件が満たされない場合、再度印字切替制御を始めて印字時間の短縮を図るものである。図5は本発明の実施の形態2における印字制御方法のフローチャート、図6(a)は本発明の実施の形態2における画像形成装置で発生する白い筋の第1の説明図、図6(b)は(a)の白い筋に続く時点の第2の説明図、図6(c)は(b)の白い筋に続く時点の第3の説明図である。実施の形態2の画像形成装置は実施の形態1と基本的に同一であり、図1(a)(b)、図2は実施の形態2においても参照する。
【0035】
実施の形態2においては、図1(b)、図2に示すカウント処理部14は1ライン分のデータ信号を制御部13から取得する。データ信号が取得され印字を継続する場合は、低速印字に固定したときセットされるフラグがONしているか否かを参照し、フラグがONであれば印字切替条件のチェックを行う。印字切替条件が充足されていれば(ドット数が閾値を越えている場合)、そのまま低速印字を行い、不充足の場合は後述の不充足の回数のチェックが行われる。フラグがOFFの場合、印字切替条件がチェックされ、今回のチェックで充足回数がn回になった場合には、印字速度制御を低速印字に固定する。
【0036】
今回低速印字に固定された場合と、フラグがONで印字切替条件が不充足の場合に、不充足の回数がm回連続しているか否かがチェックされ、m回以上不充足が連続している場合は、印字に対する固定制御を解除する。m回より少ない回数のときはm回を満たすまで低速印字を続ける。
【0037】
次に、図5に基づいて実施の形態2における印字制御方法について説明する。図5において、制御部13が印字データを取得すると(step21)、印字を終える場合はここで終了し、印字を継続する場合は、印字を継続する場合は、印字速度制御が固定されているか否かをチェックする(step22)。step22で固定されていない場合には、今回のカウントで印字切替条件が充足されたか否か、すなわちドット数が閾値より大きかったか否かをチェックし(step23)、印字切替条件が充足された場合にはそれがn回連続して充足しているか否かがチェックされる(step24)。n回連続して充足された場合は印字速度制御を1ライン2分割印字(低速印字)に固定してstep27に進む。n回継続していない場合にはstep34に進む。
【0038】
step22で印字速度が固定されている場合、今回のカウントで印字切替条件が充足されたか否かをチェックし(step26)、印字切替条件が充足されなかった場合、step25で1ライン2分割印字(低速印字)に固定された場合とともに、印字切替条件がm回連続して不充足、すなわちドット数がm回連続して閾値より小さかったか否かがチェックされる(step27)。このときm回連続して不充足の場合であれば、印字速度制御を1ライン2分割印字(低速印字)に固定していたのを解除し(step28)、step23で印字切替条件を満たさなかった場合とともに、step29へ進んで1ライン一括印字(高速印字)を行う。
【0039】
またstep27において、m回連続して不充足ではない場合には、step26で印字切替条件が充足された場合とともにstep34に進んで1ライン2分割印字(低速印字)を行う。
【0040】
step29では、1ライン印字(高速印字)を行うためのリクエストを発行する。これを受け、制御部13はデータ信号を1ライン分シフトレジスタ15に転送し、クロック信号によってラッチレジスタ16に転送し、発熱回路の4つのブロックA,B,C,Dを発熱させる。次いで、モータ制御部19に紙送りのためのモータ励磁リクエストを発行する。1/4ラインピッチ角回転のモータ励磁リクエストを発行し(step30)、さらに2つ目の1/4ラインピッチ角回転のモータ励磁リクエストを発行し(step31)、続けて3つ目の1/4ラインピッチ角回転のモータ励磁リクエスト(step32)、さらに4つ目の1/4ラインピッチ角回転のモータ励磁リクエストを発行する(step33)。これによってプラテン7が1ライン分回転し、1ライン印字される。このstep21〜step31のステップは5msで繰返される。
【0041】
次いで、step34では、1ライン2分割印字(低速印字)を行うためのリクエストを発行する。これによりブロックA,Bが発熱して印字する。その後、1/4ラインピッチ角回転のモータ励磁リクエストを発行し(step35)、さらに2つ目の1/4ラインピッチ角回転のモータ励磁リクエストを発行する(step36)。
【0042】
次いで、残り半分のラインを印字するために、1ライン2分割印字のリクエストを再度発行する(step37)。これによりブロックC,Dが発熱して印字する。1/4ラインピッチ角回転のモータ励磁リクエストを発行し(step38)、さらに2つ目の1/4ラインピッチ角回転のモータ励磁リクエストを発行する(step39)。step21〜step27、step34〜step39のステップは10msで繰返される。
【0043】
図6は実施の形態1の画像形成装置と印字制御方法によって印字切替条件が1回充足されたときに低速印字に切り替えて固定し、印字切替条件の不充足が2回続いたら高速印字に切り替えたものである。このように実施の形態2の画像形成装置と印字制御方法は、印字切替条件が1回または2回以上連続して充足されたときには、それ以降十分発色させて白い筋を消すため一旦低速印字に固定し、その後印字切替条件をチェックして、印字切替条件が連続して複数回不充足になったときには、低速印字に固定していた状態を再度高速印字に切り替えることができ、きわめて容易に白い筋の発生を抑え、個人の許容範囲に応じた画質を確保しながら、十分な印字速度を確保できる。
【0044】
【発明の効果】
本発明の画像形成装置と印字制御方法によれば、ドット数が閾値を越える状況が1回または2回以上連続して起こった場合には、以後十分発色させて筋を消すため低速印字に固定することができ、きわめて容易に筋を消し、最小限の筋だけで全体として筋を目立たなくすることができる。
【0045】
また、ドット数が閾値を越える状況が1回または2回以上連続して起こった場合には、以後十分発色させて筋を消すため一旦低速印字に固定し、その後ドット数と閾値を比較して、連続して複数回閾値以下になったときには、低速印字に固定していた印字速度制御を再度高速印字に切り替えることができ、希望に応じた画質を確保しながら、高速の印字速度にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の実施の形態1における感熱記録紙を記録媒体とする画像形成装置の全体構成図
(b)本発明の実施の形態1における感熱記録紙を記録媒体とする画像形成装置の全体構成図
【図2】本発明の実施の形態1におけるサーマルプリンタの構成図
【図3】本発明の実施の形態1における印字制御方法のフローチャート
【図4】(a)本発明の実施の形態1における画像形成装置で発生する白い筋の第1の説明図
(b)(a)の白い筋に続く時点の第2の説明図
(c)(b)の白い筋に続く時点の第3の説明図
【図5】本発明の実施の形態2における印字制御方法のフローチャート
【図6】(a)本発明の実施の形態2における画像形成装置で発生する白い筋の第1の説明図
(b)(a)の白い筋に続く時点の第2の説明図
(c)(b)の白い筋に続く時点の第3の説明図
【図7】(a)従来のサーマルプリンタで発生する白い筋の第1の説明図
(b)(a)の白い筋に続く時点の第2の説明図
(c)(a)の白い筋に続く時点の第3の説明図
【符号の説明】
1 ファクシミリ装置
2 印字部
3 原稿読み取り部
4 感熱記録紙
5 サーマルヘッド
6 感熱記録紙ロール部
7 プラテン
8 スキャナ
9 紙送りモータ部
10 主制御部
11 通信インタフェース
12 記憶部
13 制御部
14 カウント処理部
15 シフトレジスタ
16 ラッチレジスタ
17 ドライバ
18 発熱抵抗
19 モータ駆動部
20 紙送りモータ回路
21 バッファメモリ部
Claims (4)
- 転送された印字データに基づいて発熱により印字するサーマルヘッドと、該印字データをメモリするバッファメモリ部と、前記バッファメモリ部から前記サーマルヘッドに印字データが転送されるとき1ライン単位でドット数をカウントするカウント処理部と、記録媒体を搬送する記録紙搬送モータと、前記カウント処理部が所定の閾値以下のドット数をカウントしたときには前記サーマルヘッドに1ラインの画像データを一括して1ライン分紙送りを行う毎に印字する高速印字を行わせ、該閾値を越えたドット数をカウントしたときには前記サーマルヘッドに1ラインの画像データを2分割して1/2ライン分紙送りを行う毎に印字する低速印字をさせる制御部を備えた画像形成装置であって、
前記カウント処理部が、1回または2回以上連続して閾値より多いドット数をカウントしたときは、前記制御部に対して1ライン2分割の速度に固定して印字させるためのリクエストを発行し、前記制御部が印字速度制御を1ライン2分割の低速印字に固定するとともに、低速印字に固定した後は、前記カウント処理部が閾値以下のドット数をカウントしたときであっても、前記サーマルヘッドに1ラインの画像データを2分割して印字することを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御部が印字速度制御を1ライン2分割の低速印字に固定した後、前記カウント処理部が複数回連続して閾値より少ないドット数をカウントしたときは、前記制御部が1ライン2分割の速度に固定した印字速度制御を解除し、1ライン単位で高速印字することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- サーマルヘッドに転送する1ライン単位の印字データが所定の閾値以下のドット数の場合には、前記サーマルヘッドに1ライン一括して1ライン分紙送りを行う毎に印字する速度で高速印字を行わせ、1ライン単位の印字データが該閾値を越えたドット数の場合には前記サーマルヘッドに1ライン2分割して1/2ライン分紙送りを行う毎に印字する速度で低速印字をさせる印字制御方法であって、1回または2回以上連続して閾値を越えたときは、印字速度制御を1ライン2分割の低速印字に固定するとともに、低速印字に固定した後は、1ライン単位の印字データが閾値以下のドット数の場合であっても、前記サーマルヘッドに1ライン2分割して印字することを特徴とする印字制御方法。
- 印字速度制御を1ライン2分割の低速印字に固定した後、複数回連続して閾値以下のドット数をカウントしたときは、1ライン2分割の速度に固定した印字速度制御を解除し、1ライン一括の速度で高速印字することを特徴とする請求項3記載の印字制御方法。
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