JP4474021B2 - 差動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、差動制限機能を備えた差動装置に関し、特に、一対の出力側回転部材と、放射状に延びる複数の案内孔を有して両出力側回転部材間に配置される保持部材と、各案内孔にそれぞれ個別に収容されて前記両出力側回転部材間に配置されるとともに前記両出力側回転部材に設けられたカム溝に係合される複数の転動体とを備える差動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、かかる差動装置は、たとえば特許第2980532号公報等で既に知られており、このものでは、一対の出力側回転部材が、保持部材に相対回転不能に連結されるケース体内に収容され、両出力側回転部材の相互に離反する側への移動をケース体で規制するようにしており、入力側回転部材であるケース体に動力が入力される構成となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上記従来のもののように、一対の出力側回転部材の外面に接触し得るケース体内に両出力側回転部材、保持部材および各転動体を収容するようにした構造では、差動装置の大型化および重量増加を招くだけなく、コストが増大し、しかもケース体で覆われることにより摺動部へのオイル供給が難しい。
【0004】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、両出力側回転部材の相互離反を規制するのにケース体を不要とし、コンパクト化、重量低減および低コスト化を可能とするとともに摺動部へのオイルの供給を容易とした差動装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、同一軸線まわりの相対回転を可能とした一対の出力側回転部材と、入力側回転部材とともに回転することを可能として両出力側回転部材間に配置されるとともに放射状に延びる複数の案内孔が設けられる保持部材と、前記各案内孔にそれぞれ個別に収容されて前記両出力側回転部材間に配置される複数の転動体とを備え、前記両出力側回転部材には、前記各転動体を係合させて各出力側回転部材の周方向に連続するカム溝が、両出力側回転部材に回転差が生じたときには前記各転動体を各案内孔に沿って往復移動させる形状でそれぞれ設けられる差動装置において、前記両出力側回転部材は、前記保持部材を相互間に挟んで同軸に配置されるとともに前記カム溝が設けられる円板部と、それらの円板部の中央部に基端を同軸に連ならせて相互に反対側に延びる円筒部と、各円筒部の中間部内面に設けられる係合鍔部とをそれぞれ一体に備え、前記両出力側回転部材の相互に離反する側への軸方向移動を規制するようにして前記両出力側回転部材と同軸に配置される規制軸の両端部が、前記両係合鍔部に軸方向外方側から係合されて前記両円筒部の先端よりも内方に配置されることを特徴とする。
【0006】
このような構成によれば、両出力側回転部材と同軸に配置される規制軸により、一対の出力側回転部材の相互離反が規制されるので、両出力側回転部材を覆うようにして従来設けられていたケース体が不要となる。したがって差動装置のコンパクト化、重量低減および低コスト化が可能となり、摺動部が覆われない構成とすることを可能として、摺動部へのオイルの供給を容易とすることができる。しかも両出力側回転部材がそれぞれ備える円筒部の先端部に、駆動輪に連なる駆動軸を連結することを可能とし、両円筒部を従来の差動装置の出力軸と同様に利用することができ、従来の差動装置に対する取付け互換性を得ることができる。
【0007】
また請求項2記載の発明は、同一軸線まわりの相対回転を可能とした一対の出力側回転部材と、入力側回転部材とともに回転することを可能として両出力側回転部材間に配置されるとともに放射状に延びる複数の案内孔が設けられる保持部材と、前記各案内孔にそれぞれ個別に収容されて前記両出力側回転部材間に配置される複数の転動体とを備え、前記両出力側回転部材には、前記各転動体を係合させて各出力側回転部材の周方向に連続するカム溝が、両出力側回転部材に回転差が生じたときには前記各転動体を各案内孔に沿って往復移動させる形状でそれぞれ設けられる差動装置において、前記両出力側回転部材の一方の中央部には、当該両出力側回転部材の相互に離反する側への軸方向移動を規制するようにして前記両出力側回転部材の他方に相対回転を可能として挿通、支持される規制軸の一端が一体にかつ同軸に連設され、他方の前記出力側回転部材は、前記保持部材を前記一方の出力側回転部材との間に挟む円板部と、前記規制軸を挿通させるようにして前記円板部に基端を同軸に連ならせる円筒部と、該円筒部の中間部内面に設けられる係合鍔部とを一体に備え、前記規制軸の他端部が、前記係合鍔部に軸方向外方側から係合されて前記円筒部の先端よりも内方に配置されることを特徴とする。
【0008】
かかる構成によれば、一方の出力側回転部材に同軸にかつ一体に連設されて他方の出力回転部材に相対回転可能に挿通される規制軸により、一対の出力側回転部材の相互離反が規制されるので、両出力側回転部材を覆うようにして従来設けられていたケース体が不要となる。したがって差動装置のコンパクト化、重量低減および低コスト化が可能となり、摺動部が覆われない構成とすることを可能として、摺動部へのオイルの供給を容易とすることができ、しかも部品点数を低減することができる。
【0009】
さらに請求項3記載の発明は、上記請求項2記載の発明の構成に加えて、前記一方の出力側回転部材は、前記他方の出力側回転部材の前記円板部との間に前記保持部材を挟む円板部を一体に備え、前記一方の出力側回転部材の前記円板部の中央部と、前記保持部材の中央部との間に皿ばねが介装されることを特徴とし、かかる構成によれば、両出力側回転部材および保持部材が軸方向にがたつくことを防止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0011】
図1〜図5は本発明の第1実施例を示すものであり、図1は差動装置の横断面図、図2は図1の2−2線断面図、図3は図1の3−3線断面図、図4は図1の4−4線断面図、図5は案内孔、転動体およびカム溝の相対配置を示す図である。
【0012】
先ず図1において、この差動装置は、第1および第2出力側回転部材12A,13Aと、両出力側回転部材12A,13A間に配置される円板状の保持部材14Aと、該保持部材14Aで保持されて前記両出力側回転部材12A,13A間に配置される複数の転動体としてのボール15,15…とを備える。
【0013】
第1出力側回転部材12Aはデファレンシャルキャリア16に回転自在に支承され、第1出力側回転部材12Aと同軸に配置される第2出力側回転部材13Aは、第1出力側回転部材12Aとの相対回転を可能としてしてキャリアカバー17に支承され、デファレンシャルキャリア16およびキャリアカバー17は複数のボルト18…で相互に締結される。
【0014】
図2および図3を併せて参照して、第1および第2出力側回転部材12A,13Aは、保持部材14Aを相互間に挟んで同軸に配置される円板部19,22と、それらの円板部19,22の中央部に基端を同軸に連ならせて相互に反対側に延びる円筒部20,23と、各円筒部20,23の中間部内面に設けられる係合鍔部21,24とをそれぞれ一体に備え、円筒部20,23の先端側外面と、デファレンシャルキャリア16およびキャリアカバー17との間にボールベアリング25,26が介装される。
【0015】
図4をさらに併せて参照して、第1および第2出力側回転部材12A,13Aの円板部19,22間に配置されて円板状に形成される保持部材14Aには、放射状に延びる複数の案内孔27,27…が設けられ、それらの案内孔27,27…に、ボール15,15…がそれぞれ収容される。
【0016】
保持部材14Aは入力側回転部材28とともに回転するものであり、この入力側回転部材28は、この実施例では保持部材14Aの外周に一体に形成されるベベルギヤであるが、スパーギヤであってもよく、また保持部材14Aの外周に取付けられるものであってもよい。
【0017】
前記入力側回転部材28には、図示しないエンジンからの動力が伝達されるギヤ29が噛合されており、このギヤ29は、デファレンシャルキャリア16にボールベアリング30を介して回転自在に支承される。
【0018】
前記両円板部19,22の保持部材14A側の面には、それらの円板部19,22の周方向に連続するカム溝31,32が設けられており、前記保持部材14Aで保持された各ボール15,15…がカム溝31,32にそれぞれ係合される。
【0019】
前記カム溝31,32は、第1および第2両出力側回転部材12A,13Aに回転差が生じたときには前記各ボール15,15を各案内孔27,27…に沿って往復移動させる形状で前記各円板部19,22に設けられる。
【0020】
カム溝31は、図2で示すように、エンジンからの動力伝達に応じて保持部材14Aが回転する回転方向48に沿って、ボール15,15…を各案内孔27,27…の内方側から外方側に向って移動させる第1の案内区間31aと、ボール15,15…を各案内孔27,27…の外方側から内方側に向って移動させる第2の案内区間31bとが、円板部19の周方向に交互に連なるように形成される。一方、カム溝32は、図3で示すように、前記回転方向48に沿って、ボール15,15…を各案内孔27,27…の内方側から外方側に向って移動させる第1の案内区間32aと、ボール15,15…を各案内孔27,27…の外方側から内方側に向って移動させる第2の案内区間32bとが、円板部22の周方向に交互に連なるように形成される。
【0021】
しかもカム溝31における第1の区間31aが第2の区間31bよりも円板部19の周方向に沿って長く設定されるのに対し、カム溝32における第1の区間32aは第2の区間32bよりも円板部22の周方向に沿って短く設定されている。これにより、各ボール15…を反転させる位置が、両カム溝31,32では周方向に相互にずれることになる。すなわち図5で示すように、ボール15…を外方側で反転させる位置が両カム溝31,32で一致した状態になったときには、両カム溝31,32においてボール15…を内方側で反転させる位置は相互にずれた位置となり、またボール15…を内方側で反転させる位置が両カム溝31,32で一致した状態になったときには、両カム溝31,32においてボール15…を外方側で反転させる位置は相互にずれた位置となり、全てのボール15,15…が同時に反転位置に達しないように両カム溝31,32が形成されている。
【0022】
第1および第2出力側回転部材12A,13Aには、それらの回転部材12A,13Aと同軸である規制軸33Aの両端部が支承され、前記両出力側回転部材12A,13Aの相互に離反する側への移動が前記規制軸33Aで規制される。
【0023】
前記規制軸33Aは、前記両出力側回転部材12A,13Aの円板部19,22および前記保持部材14Aを同軸に貫通するものであり、該規制軸33Aの両端部は、前記両出力側回転部材12A,13Aの円筒部20,23に設けられた前記係合鍔部21,24に軸方向外方側から係合されて前記両円筒部20,23の先端よりも内方に配置される。
【0024】
規制軸33Aは、第2出力側回転部材13A側から第2出力側回転部材13Aの円筒部23および円板部22、保持部材14A、ならびに第1出力側回転部材12Aの円板部19および円筒部20に挿通されるものであり、規制軸33Aの一端に装着された2つ割りのコッタ34が、スラストワッシャ35を介して係合鍔部21に軸方向外方側から係合され、規制軸33Aの他端に一体に設けられた規制鍔36がスラストワッシャ37を介して係合鍔部24に軸方向外方側から係合される。
【0025】
保持部材14Aの中央部には、円筒状のスリーブ38がスプライン39を介して結合されており、前記規制軸33Aは、該スリーブ38を同軸に貫通する。しかもスリーブ38および第1出力側回転部材12A間には円筒状の軸受部材40,41が介装され、スリーブ38および第2出力側回転部材13A間には円筒状の軸受部材42が介装される。したがって保持部材14Aは、両出力側回転部材12A,13Aに回転自在に支承されることになる。
【0026】
第1および第2出力側回転部材12A,13Aの円筒部20,23において前記規制軸33Aの両端部よりも外方には、スプライン43,44を介して左右駆動輪(図示せず)の駆動軸45,46が結合されており、第1および第2出力側回転部材12A,13Aから出力される駆動力は、円筒部20,23から前記駆動軸45,46に伝達される。
【0027】
第1出力側回転部材12Aにおける円板部19の中央部および保持部材14Aの中央部間には皿ばね47が介装されており、この皿ばね47が発揮するばね力により、第1および第2出力側回転部材12A,13Aおよび保持部材14Aが軸方向にがたつくことが防止される。
【0028】
次にこの第1実施例の作用について説明すると、入力側回転部材28とともに回転する保持部材14Aの回転動力は、保持部材14Aに保持されているボール15,15…を介して第1および第2出力側回転部材12A,13Aのカム溝31,32に伝達され、第1および第2出力側回転部材12A,13Aが、入力側回転部材28とともに回転することになる。
【0029】
ここで車両の旋回等で左右輪に回転差が生じた場合を想定すると、第1および第2出力側回転部材12A,13Aの回転差が生じることにより、各ボール15,15…が転動して各案内孔27,27…内を往復移動することになり、それにより左右の駆動輪間での回転差が許容される。この際、カム溝31,32には各ボール15,15…からの軸方向反力が作用し、第1および第2出力側回転部材12A,13Aが、スラストワッシャ35,37を介して規制軸33Aの両端部で受けられることになり、規制軸33Aの両端部と第1および第2出力側回転部材12A,13Aとの間で生じる摩擦力による回転抵抗が生じ、これが差動制限力となる。
【0030】
このような差動装置において、第1および第2出力側回転部材12A,13Aの相互に離反する側への軸方向移動を規制する規制軸33Aが、その軸方向両端部を第1および第2出力側回転部材12A,13Aで支承されて両出力側回転部材12A,13Aと同軸に配置されるので、第1および第2出力側回転部材12A,13Aを覆うようにして従来設けられていたケース体が不要となる。したがって差動装置のコンパクト化、重量低減および低コスト化が可能となり、差動装置内の摺動部が覆われない構成とすることを可能として、摺動部へのオイルの供給を容易とすることができる。
【0031】
また第1および第2出力側回転部材12A,13Aは、カム溝31,32をそれぞれ有するとともに保持部材14Aを相互間に挟んで同軸に配置される円板部19,22と、それらの円板部19,22の中央部に基端を同軸に連ならせて相互に反対側に延びる円筒部20,23と、各円筒部22,23の中間部内面に設けられる係合鍔部21,24とをそれぞれ一体に備え、保持部材14Aおよび両円板部19,22を同軸に貫通する規制軸33Aの両端部が、両係合鍔部21,24に軸方向外方側から係合されて前記両円筒部20,22の先端よりも内方に配置されている。
【0032】
したがって両円筒部20,23の先端部に駆動軸45,46を連結することが可能となり、両円筒部20,23を従来の差動装置の出力軸と同様に利用することができ、従来の差動装置に対する取付け互換性を得ることができる。
【0033】
図6は本発明の第2実施例を示すものであり、この差動装置は、第1および第2出力側回転部材12B,13Bと、両出力側回転部材12B,13B間に配置される保持部材14Bと、該保持部材14Bで保持されて前記両出力側回転部材12B,13B間に配置される複数のボール15,15…とを備える。
【0034】
第1および第2出力側回転部材12B,13Bは、保持部材14Bを相互間に挟んで同軸に配置される円板部49,52と、それらの円板部49,52の中央部に基端を同軸に連ならせて相互に反対側に延びる円筒部50,53と、各円筒部50,53の中間部内面に設けられる係合鍔部51,54とをそれぞれ一体に備える。
【0035】
保持部材14Bは、第1および第2出力側回転部材12B,13Bの円板部49,52間に配置されて円板状に形成される保持部材主部55と、該保持部材主部55の中央部両面に基端が同軸にかつ一体に連設される一対の円筒状の支持筒部56,57とを備え、保持部材主部55の外周に入力側回転部材28が一体に設けられ、放射状に延びる複数の案内孔27,27…が保持部材主部55に設けられる。それらの案内孔27,27…にはボール15,15…がそれぞれ収容され、第1および第2出力側回転部材12B,13Bの前記両円板部49,52に設けられたカム溝31,32に、各ボール15,15…がそれぞれ係合される。また前記両支持筒部56,57は、第1および第2出力側回転部材12B,13Bの係合鍔部51,54間で円筒部50,53内に挿入される。
【0036】
しかも支持筒部56,57および円筒部50,53間には円筒状の軸受部材58,59が介装されており、保持部材14Bは、両出力側回転部材12B,13Bに回転自在に支承されることになる。
【0037】
第1および第2出力側回転部材12B,13Bには、それらの回転部材12B,13Bと同軸である規制軸33Bの両端部が支承され、前記両出力側回転部材12B,13Bの相互に離反する側への移動が前記規制軸33Bで規制される。
【0038】
規制軸33Bは、前記両出力側回転部材12B,13Bの円板部49,52および前記保持部材14Bを同軸に貫通するものであり、該規制軸33Bの両端部は、前記両出力側回転部材12A,13Aの円筒部50,53に設けられた前記係合鍔部51,54に軸方向外方側から係合されて前記両円筒部50,53の先端よりも内方に配置される。
【0039】
規制軸33Bは、第2出力側回転部材13B側から第2出力側回転部材13Bの円筒部53および円板部52、保持部材14B、ならびに第1出力側回転部材12Bの円板部49および円筒部50に挿通されるものであり、規制軸33Bの一端に装着された2つ割りのコッタ60が、スラストワッシャ61を介して係合鍔部51に軸方向外方側から係合され、規制軸33Bの他端に一体に設けられた規制鍔62がスラストワッシャ63を介して係合鍔部54に軸方向外方側から係合される。
【0040】
第1および第2出力側回転部材12B,13Bの円筒部50,53において前記規制軸33Bの両端部よりも外方側の内面には、左右駆動輪の駆動軸を結合するためのスプライン溝64,65が刻設される。
【0041】
また第1出力側回転部材12Bにおける円板部49の中央部および保持部材14Bの中央部間には皿ばね47が介装される。
【0042】
この第2実施例によっても、第1および第2出力側回転部材12B,13Bを覆うようにして従来設けられていたケース体が不要であり、差動装置のコンパクト化、重量低減および低コスト化が可能となり、差動装置内の摺動部が覆われない構成とすることを可能として、摺動部へのオイルの供給を容易とすることができる。また第1および第2出力側回転部材12B,13Bが備える円筒部50,53の先端部に駆動軸を連結することが可能であり、従来の差動装置に対する取付け互換性を得ることができる。
【0043】
図7は本発明の第3実施例を示すものであり、この差動装置は、第1および第2出力側回転部材12C,13Cと、両出力側回転部材12C,13C間に配置される円板状の保持部材14Cと、該保持部材14Cで保持されて前記両出力側回転部材12C,13C間に配置される複数のボール15,15…とを備える。
【0044】
第1および第2出力側回転部材12C,13Cは、保持部材14Cを相互間に挟んで同軸に配置される円板部66,68と、それらの円板部66,68の中央部に基端を同軸に連ならせて相互に反対側に延びる円筒部67,69とを備え、円筒部67は円板部66側を閉じた有底円筒状に形成され、両端を開放した円筒部69の中間部内面には半径方向内方に張出す係合鍔部70が一体に設けられる。
【0045】
保持部材14Cは、その中央部に透孔71を有して円板状に形成されるものでり、該保持部材14Cの外周に入力側回転部材28が一体に設けられ、放射状に延びる複数の案内孔27,27…が保持部材14Cに設けられる。それらの案内孔27,27…にはボール15,15…がそれぞれ収容され、第1および第2出力側回転部材12C,13Cの前記両円板部66,68に設けられたカム溝31,32に、各ボール15,15…がそれぞれ係合される。
【0046】
第1出力側回転部材12Cの中央部には、規制軸33Cの一端が一体にかつ同軸に連設されており、この規制軸33Cは、円筒部69との間に円筒状の軸受部材72を介在させて第2出力側回転部材13Cに挿通され、前記係合鍔部70に軸方向外方側から係合する止め輪73が、前記規制軸33Cの他端部に装着される。すなわち第1出力側回転部材12Cに一端が一体にかつ同軸に連設される規制軸33Cの他端部は、第2出力側回転部材13Cに相対回転を可能として挿通、支持されるとともに第2出力側回転部材13Cに軸方向外方側から係合される。
【0047】
第1出力側回転部材12Cにおける円筒部67の内面には駆動軸を結合するためのスプライン溝74が刻設され、第2出力側回転部材13Cの円筒部69において前記規制軸33Cの他端よりも外方側の内面には、駆動軸を結合するためのスプライン溝75が刻設される。
【0048】
また第1出力側回転部材12Cにおける円板部66の中央部および保持部材14Cの中央部間には皿ばね47が介装される。
【0049】
この第3実施例によれば、上記第1および第2実施例と同様の効果を奏することができるだけでなく、規制軸33Cを第2出力側回転部材12Cと一体化することで、部品点数を低減することができる。
【0050】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0051】
たとえば保持部材の中央部両面から同軸に突出するようにして規制軸を保持部材に一体に設けることも可能であり、これによっても部品点数の低減に寄与することができる。
【0052】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、両出力側回転部材を覆うようにして従来設けられていたケース体を不要とし、差動装置のコンパクト化、重量低減および低コスト化を図ることが可能となり、摺動部へのオイルの供給を容易とすることができる。しかも両出力側回転部材がそれぞれ備える円筒部の先端部に、駆動輪に連なる駆動軸を連結することを可能とし、両円筒部を従来の差動装置の出力軸と同様に利用することができ、従来の差動装置に対する取付け互換性を得ることができる。
【0053】
また請求項2記載の発明によれば、両出力側回転部材を覆うようにして従来設けられていたケース体を不要とし、差動装置のコンパクト化、重量低減および低コスト化を図ることが可能となり、摺動部へのオイルの供給を容易とすることができ、しかも部品点数を低減することができる。
【0054】
さらに請求項3記載の発明によれば、両出力側回転部材および保持部材が軸方向にがたつくことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の差動装置の横断面図である。
【図2】 図1の2−2線断面図である。
【図3】 図1の3−3線断面図である。
【図4】 図1の4−4線断面図である。
【図5】 案内孔、転動体およびカム溝の相対配置を示す図である。
【図6】 第2実施例の差動装置の横断面図である。
【図7】 第3実施例の差動装置の横断面図である。
【符号の説明】
12A,12B,12C,13A,13B,13C・・・出力側回転部材
14A,14B,14C・・・保持部材
15・・・転動体としてのボール
19,22,49,52,66,68・・・円板部
20,23,50,53,69・・・円筒部
21,24,51,54,70・・・係合鍔部
27・・・案内孔
28・・・入力側回転部材
31,32・・・カム溝
33A,33B,33C・・・規制軸
47・・・皿ばね
Claims (3)
- 同一軸線まわりの相対回転を可能とした一対の出力側回転部材(12A,13A;12B,13B)と、入力側回転部材(28)とともに回転することを可能として両出力側回転部材(12A,13A;12B,13B)間に配置されるとともに放射状に延びる複数の案内孔(27)が設けられる保持部材(14A,14B)と、前記各案内孔(27)にそれぞれ個別に収容されて前記両出力側回転部材(12A,13A;12B,13B)間に配置される複数の転動体(15)とを備え、前記両出力側回転部材(12A,13A;12B,13B)には、前記各転動体(15)を係合させて各出力側回転部材(12A,13A;12B,13B)の周方向に連続するカム溝(31,32)が、両出力側回転部材(12A,13A;12B,13B)に回転差が生じたときには前記各転動体(15)を各案内孔(27)に沿って往復移動させる形状でそれぞれ設けられる差動装置において、前記両出力側回転部材(12A,13A;12B,13B)は、前記保持部材(14A,14B)を相互間に挟んで同軸に配置されるとともに前記カム溝(31,32)が設けられる円板部(19,22;49,52)と、それらの円板部(19,22;49,52)の中央部に基端を同軸に連ならせて相互に反対側に延びる円筒部(20,23;50,53)と、各円筒部(20,23;50,53)の中間部内面に設けられる係合鍔部(21,24;51,54)とをそれぞれ一体に備え、前記両出力側回転部材(12A,13A;12B,13B)の相互に離反する側への軸方向移動を規制するようにして前記両出力側回転部材(12A,13A;12B,13B)と同軸に配置される規制軸(33A,33B)の両端部が、前記両係合鍔部(21,24;51,54)に軸方向外方側から係合されて前記両円筒部(20,23;50,53)の先端よりも内方に配置されることを特徴とする差動装置。
- 同一軸線まわりの相対回転を可能とした一対の出力側回転部材(12C,13C)と、入力側回転部材(28)とともに回転することを可能として両出力側回転部材(12C,13C)間に配置されるとともに放射状に延びる複数の案内孔(27)が設けられる保持部材(14C)と、前記各案内孔(27)にそれぞれ個別に収容されて前記両出力側回転部材(12C,13C)間に配置される複数の転動体(15)とを備え、前記両出力側回転部材(12C,13C)には、前記各転動体(15)を係合させて各出力側回転部材(12C,13C)の周方向に連続するカム溝(31,32)が、両出力側回転部材(12C,13C)に回転差が生じたときには前記各転動体(15)を各案内孔(27)に沿って往復移動させる形状でそれぞれ設けられる差動装置において、前記両出力側回転部材(12C,13C)の一方(12C)の中央部には、当該両出力側回転部材(12C,13C)の相互に離反する側への軸方向移動を規制するようにして前記両出力側回転部材(12C,13C)の他方(13C)に相対回転を可能として挿通、支持される規制軸(33C)の一端が一体にかつ同軸に連設され、他方の前記出力側回転部材(13C)は、前記保持部材(14C)を前記一方の出力側回転部材(12C)との間に挟む円板部(68)と、前記規制軸(33C)を挿通させるようにして前記円板部(68)に基端を同軸に連ならせる円筒部(69)と、該円筒部(69)の中間部内面に設けられる係合鍔部(70)とを一体に備え、前記規制軸(33C)の他端部が、前記係合鍔部(70)に軸方向外方側から係合されて前記円筒部(69)の先端よりも内方に配置されることを特徴とする差動装置。
- 前記一方の出力側回転部材(12C)は、前記他方の出力側回転部材(13C)の前記円板部(68)との間に前記保持部材(14C)を挟む円板部(66)を一体に備え、前記一方の出力側回転部材(12C)の前記円板部(68)の中央部と、前記保持部材(14C)の中央部との間に皿ばね(47)が介装されることを特徴とする請求項2記載の差動装置。
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