JP4472462B2 - 拡幅シールド掘進機 - Google Patents

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Description

本願発明は、所定断面のトンネルから部分的に拡幅したトンネルを掘削できる拡幅シールド掘進機に関し、特に、道路トンネルの合流部や分岐部を形成する場合に好適な拡幅シールド掘進機に関する。
従来より、地下に、鉄道、電気通信、上下水道等のトンネルが設けられており、これらのトンネルを構築するためにシールド掘進機が多用されている。
一方、近年、地下にこのようなトンネルが構築された大都市等の地下を有効利用する方法として、より深い大深度地下空間の利用に関する技術開発が進められている。この大深度地下空間の利用としては、例えば、地下40−100m程度の大深度地下に公共性の高い道路や鉄道などを構築することが考えられている。
道路を例にすると、通常の道路を形成する場合には、円形断面を掘削できるシールド掘進機で円形トンネルが掘削され、この円形トンネルの下半部に道路が形成されている。また、複数の道路を幅方向に形成する場合、矩形トンネルや横長楕円トンネル等が掘削され、その下部が横方向に広い道路が形成されている。
この種の従来技術として、シールド本体の側部に着脱可能に取り付けることができるサブシールド部材を設け、このサブシールド部材をシールド本体に取り付けてカッタスポークの伸縮量を調整することにより、横幅の異なる横断面の地下交通路を掘削できるようにしたシールド掘進機がある(例えば、特許文献1参照。)。
また、他の従来技術として、前端部の第1カッタヘッドを有する第1掘進機と、この第1掘進機の本体内に内蔵された第2カッタヘッドを有する第2掘進機とを設け、この第2掘進機を出没手段で掘進方向と直交する方向に出没させて楕円断面形状等の拡幅掘削をするようにした拡大シールド掘進機がある(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、他の従来技術として、主カッタ機構を有する主掘削機本体と、その側方に設けた副カッタ機構を有する副掘削機本体とによって、地下鉄道などに使用する拡幅トンネルを掘削しようとしたトンネル掘削機がある(例えば、特許文献3参照。)。
特開平11−159277号公報(第2頁、図1,2) 特開2000−64769号公報(第2頁、図1,2) 特開2003−41883号公報(第2頁、図1)
ところで、前記した大深度地下においてトンネルの合流部や分岐部を構築する場合、従来から行われている方法としては、例えば、拡幅部分の地盤を改良した後に接合部分を掘削して拡幅するか、トンネルを構築した後に地上から開削して立坑を設け、この立坑内で拡幅する方法が一般的な方法である。
この地盤を改良する方法の場合には、多くの薬剤等が必要となり環境に悪影響を与えるおそれがあるとともに、改良が完了するまでに長期間を要するため、効率的なトンネル施工が難しい。しかも、この拡幅工事はシールド掘進機の外部での工事となり、大深度地下での水圧や土圧に耐え得るような地盤改良には非常に長期間を要してしまう。
また、立坑を設けて拡幅する方法の場合には、合流部や分岐部で広範囲の土地を長期間使用することは非常に困難であり、多くの場合が既設の構造物等によって確保することができない。
そのため、前記したように大深度地下に道路トンネルを構築する場合、そのランプ部や合流部は地上に構築するような方法も考えられている。しかし、ランプ部や合流部を地上に設けるためにはその土地が必要になるので、それらを設けるための場所が限られてしまうとともに、大深度地下と地上とを連結するトンネルを多く構築しなければならないため、費用の増大や工期の長期化を招いてしまう。
しかも、深度に比例して大きくなる水圧や土圧が作用している環境下で、前記した道路のランプ部のように異なる方向から合流又は異なる方向に分岐するようなトンネルを構築する場合に、その合流部や分岐部を地中で接合できるように拡幅して掘削することができるシールド掘進機に関する構成について具体的に示されたものもない。
なお、前記引用文献1は、サブシールド部材を取り付けた時にだけ横幅を拡大した断面を掘削するものであり、この引用文献では地中で拡幅するためのサブシールド部材を設けることはできず、地上からの立坑を設ける必要がある。
また、引用文献2は、第2掘進機が幅方向に突出するように構成されているが、第1掘進機で円形断面を掘削している時も常に土圧や水圧を受けながら掘進しているので、錆や掘削土砂の詰まり等によって拡幅時に突出させるのが困難になる。
さらに、引用文献3では、拡幅部を掘削することはできるが、道路トンネルのランプ部のように大きく方向が曲がるような円形トンネルから拡幅部を掘削したり、拡幅部を掘削した後に円形のトンネルを掘削することはできない。
そこで、本願発明は、大深度地下にトンネルを構築する場合でも、前記したようなトンネルの合流部や分岐部における複数のトンネルを接合する場合に好ましい形状のトンネルを形成できるトンネル掘削機を提供すること目的とする。
前記目的を達成するために、本願発明は、前部カッタヘッドを前面に備えた前部シールド機と、該前部シールド機の後部で前記前部カッタヘッドの掘削断面の外周部から掘進方向に直交する方向に突出して拡幅掘削する拡幅部カッタヘッドを突出可能に収納した拡幅部シールド機と、該拡幅部シールド機の後部で前記前部カッタヘッドの掘削断面にセグメントを組立てるエレクタを備えた後部シールド機とを設け、前記前部シールド機の後部に収納部ゲートを設けて前記拡幅部シールド機の外周をカバーするとともに、前記拡幅部シールド機に、前記前部シールド機のみを掘進させることによって前記収納部ゲートを前進させて前記拡幅部シールド機の外周を開放した後に該拡幅部シールド機の拡幅部カッタヘッドを掘進方向に直交する方向に突出させる突出機構と、該拡幅部カッタヘッドで掘削した土砂を排出する排泥機構とを具備させている。これにより、大深度地下であっても、所定断面のトンネルから掘進方向に直交する方向に拡幅部を形成した拡幅トンネルを連続的に掘削することができる。
また、前記拡幅シールド掘進機において、前記収納部ゲートとシールド機外周との間に、該収納部ゲートで拡幅部シールド機の外周をカバーした時にシール性を保つシール部材を設けるとともに、前記拡幅部シールド機と前記前部シールド機及び後部シールド機との間に、該拡幅部シールド機の拡幅部カッタヘッドを掘進方向に直交する方向に突出させる時にシール性を保つシール部材を設ければ、シール性を保ちながら拡幅部カッタヘッドを安定して突出させることができる。
さらに、これらの拡幅シールド掘進機において、前記前部カッタヘッドと拡幅部カッタヘッドとに余掘り機構を具備させ、該余り機構で前記拡幅部カッタヘッドの未掘削部を掘削できるように構成すれば、この余り機構で前部カッタヘッドと拡幅部カッタヘッドとの間での残しがないように安定して掘削することができる。
また、これらのいずれかの拡幅シールド掘進機において、前記拡幅部シールド機に設ける拡幅部カッタヘッドを、前記前部シールド機の外周部から異なる掘進方向に直交する方向に突出して拡幅断面を掘削する複数の拡幅部カッタヘッドで構成してもよい。
さらに、この拡幅シールド掘進機おいて、前記拡幅部シールド機に設ける拡幅部カッタヘッドを、前記前部シールド機の上下対称方向に突出するように構成すれば、上下対称形状の異形トンネルを形成することができる。
その上、これらのいずれかの拡幅シールド掘進機において、前記拡幅部シールド機に、該拡幅部シールド機の拡幅部カッタヘッドで掘削した異形断面部の全周にセグメントを組むことができる1台の多関節エレクタを設ければ、拡幅部も含めた周方向の全セグメントを1台のエレクタで安定して組むことができる。
さらに、これらのいずれかの拡幅シールド掘進機において、前記前部シールド機のテール部内周に収納ゲート連結材を切離し可能に設け、該収納ゲート連結材に前記収納部ゲートの前部を連結し、該収納ゲート連結材とともに収納部ゲートを前部シールド機から切り離し可能に構成すれば、拡幅トンネルを形成した後に収納部ゲートを容易に切り離して、前部シールド機のみで所定断面のトンネルを連続的に掘削することができる。
また、この拡幅シールド掘進機おいて、前記収納部ゲート連結材の外周に、前記前部シールド機のテール部内周に設ける前部テールシールを位置させ、該前部テールシールで収納部ゲート連結材の外周をシールした状態で前記前部シールド機が掘進できるように構成すれば、拡幅トンネルを形成した後に前部シールド機のみで所定断面のトンネルを掘削するときのシール性を安定して保つことができる。
本願発明は、以上説明したような手段により、前部シールド機で掘削するトンネルから拡幅部シールド機で掘削する拡幅トンネルへと連続的にトンネルを形成することができるので、大深度地下で任意断面形状の拡幅トンネルを形成することが可能となる。
以下、本願発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本願発明の一実施形態を示す拡幅シールド掘進機の縦断面図であり、図2は図1に示す拡幅シールド掘進機の下部を拡大した断面図、図3は図1に示す拡幅シールド掘進機の正面図、図4は図1に示すIV−IV断面図、図5は図4に示す断面位置における拡幅部シールド突出体の図面であり、(a) は収納した状態の断面図、(b) は突出させた状態の断面図である。図6は図5(b) に示す拡幅部シールド突出体のシール部を示す拡大断面図であり、(a) はA部拡大断面図、(b) はB部拡大断面図である。図7は図3に示す拡幅部カッタヘッド部分でのコピーカットの一例を示す正面図、図8(a) (b) は、図4に示す拡幅部シールド機の拡幅部カッタヘッドの他の例を示す正面図、図9は図5(b) に示す状態で掘削したトンネルにセグメントを組む拡幅部エレクタの正面図である。なお、この実施形態では、送泥管と排泥管を備えた泥水排土方式の排泥機構を具備した拡幅シールド掘進機を例に説明するが、土圧排土方式の場合にはスクリューコンベヤが設けられる。
図1,2に示すように、この実施形態の拡幅シールド掘進機1は、円形断面の前部シールド機2と拡幅部シールド機3と後部シールド機4とで構成されており、これらが掘進方向の前部から順に配置されている。これらのシールド機2,3,4を掘進方向に連結した状態で円形断面のトンネルを掘削することができるように構成されている。
前部シールド機2は、前部シールド本体5の前端に前部カッタヘッド6が設けられ、前部シールド本体5内に設けられたカッタ駆動機7(例えば、電動機)によって旋回駆動されている。この前部カッタヘッド6で掘削して前部チャンバ8内へ取り込んだ掘削土砂は、前部チャンバ8の上部に設けられた送泥管9から給泥して下部の排泥管10から排土するように構成されている。これらが排泥機構を構成している。また、前部シールド本体5内には、周囲に複数の前部推進ジャッキ11が設けられている。
この前部シールド機2の後部には前部エレクタ12が設けられている。この前部エレクタ12は、周囲に設けられた複数の支持ローラ13の内側で旋回するエレクタドラム14とともに旋回して全周のセグメント15を組立てるように構成されている。
さらに、前部シールド本体5の後部には前部テールシール16が設けられており、その内周側には収納ゲート連結材17が設けられている。この収納ゲート連結材17の前端は前部シールド本体5の後部に着脱可能に固定されている。収納ゲート連結材17の内側には、前記前部推進ジャッキ11の掘削反力を受ける前部反力受け18が設けられている。この前部反力受け18は、前部推進ジャッキ11の掘削反力を前記拡幅部シールド機3で受けることができるように、シールド中心に向けて円盤状に形成されている。この前部反力受け18の前部シールド機用後部壁面19で、拡幅部シールド機3に掘削反力を受けている。
このように前部シールド本体5の後部に設けた前部テールシール16の内周に収納部ゲート連結材17を設けることにより、後述するように収納部ゲート連結材17を切り離して前部シールド機2のみで掘進する時に、当初から前部テールシール16によって安定したシール性を発揮することができる。
また、前記後部シールド機4と拡幅部シールド機3とを通過してこの前部シールド機2にセグメント15を搬送するためのセグメント搬送ホイスト20が掘進方向(軸方向)に設けられている。このセグメント搬送ホイスト20は、後述するように、前部シールド機2のみを掘進させる時に拡幅部シールド機3との間に組むセグメント15を搬送するためのものである。
図3に示すように、前部カッタヘッド6には、放射状に配置された複数のカッタフレーム21と、このカッタフレーム21の外周部を連結するカッタリング22とが設けられている。これらのカッタフレーム21の側部には土砂取込み口23が設けられており、この土砂取込み口23の部分に多数のカッタビット24が設けられている。
また、複数のカッタフレーム21には、前記カッタリング22から半径方向に突出してトンネルを部分的に拡大掘削するための前部コピーカッタ25が設けられている。この前部コピーカッタ25が前部カッタヘッド6に設けられた余り機構である。
図1,2に示すように、前記拡幅部シールド機3は、この状態ではその外周をカバーする収納部ゲート26によって周囲が覆われている。この収納部ゲート26の前部は前記前部シールド機2の収納部ゲート連結材17に連結されており、これら収納部ゲート26と収納部ゲート連結材17とは一体的に構成されている。これにより、この収納部ゲート26の前部は前記前部シールド機2に設けられた収納部ゲート連結材17の外周に位置する前部テールシール16によってシールされている。
また、この収納部ゲート26の後部は前記後部シールド機4の前端部外周に位置し、この収納部ゲート26の内周に設けられたシール部材27によって後部シールド機4との間がシールされている。
このような収納部ゲート26を拡幅部シールド機3の外周に設けることにより、前部シールド機2と拡幅部シールド機3と後部シールド機4とで一体的に掘削する時に拡幅部シールド機3の周囲をカバーするとともに、シール16,27によって収納部ゲート26の前部と後部とから拡幅部シールド機3内に土砂や泥水が浸入するのを防止している。
図4に示すように、この拡幅部シールド機3は、その外周に設けられた収納部ゲート26の内側に拡幅部シールド本体28が設けられており、この拡幅部シールド本体28には、図示する上下に開口部29を備えた収納部30が設けられている。これらの開口部29は、収納部30に収納した拡幅部カッタヘッド31を有する拡幅部シールド突出体32を拡幅部シールド本体28の内部から突出させるための開口である。
この実施形態では、前記拡幅部シールド突出体32を拡幅部シールド本体28の中心から上下対称方向に突出させるように構成されており、図示する中心から左上向き約30°と左下向き約30°に向けて拡幅部シールド突出体32を突出させるように構成されている。
図1には図4の下側に示す拡幅部シールド突出体32を示している。この拡幅部シールド突出体32には、前記拡幅部カッタヘッド31を前部に設けた突出体本体33と、拡幅部カッタヘッド31を旋回させる拡幅部カッタ駆動機34(例えば、電動機)とが設けられている。また、この拡幅部カッタヘッド31で掘削して拡幅部チャンバ35内へ取り込んだ掘削土砂は、拡幅部チャンバ35の上部に設けられた送泥管36から給泥して下部の排泥管37から排土するように構成されている。
また、前記拡幅部シールド本体28内には、周囲に複数の拡幅部ジャッキ38が設けられている。この拡幅部推進ジャッキ38は、図1に示す状態では、拡幅部シールド突出体32の突出に支障のない範囲に設けられており、拡幅後、全数の推進ジャッキが取付けられる。この拡幅部推進ジャッキ38としては、後述するように、後部シールド機4による施工完了後、後部シールド機4の後部推進ジャッキを転用して全数をセットしてもよい。
この拡幅部推進ジャッキ38の後端は、拡幅部シールド本体28の後端部内側に設けられた拡幅部反力受け39に接している。図2に示すように、この拡幅部反力受け39と拡幅部シールド本体28との間には、拡幅部シールド機3での掘進時に用いる拡幅部テールシール40が設けられている。なお、拡幅部シールド突出体32と拡幅部シールド本体28との間のスライド部における拡幅部テールシール40は、拡幅部シールド突出体32を突出させて拡幅した後に取付けられる。
このように拡幅部テールシール40を拡幅部反力受け39の外周に設けることにより、後述するように後部シールド機4を残して拡幅部シールド機3を掘進させる時に、当初から拡幅部テールシール40によって安定したシール性を発揮することができる。
この拡幅部シールド機3の後部には、拡幅部エレクタ41が設けられている。この拡幅部エレクタ41は、図1に示す状態は分解された状態であり、拡幅部シールド突出体32を突出させて拡幅部カッタヘッド31で掘削する状態にした後に組立てられる。この拡幅部エレクタ41は、後述するように、拡幅部カッタヘッド31で掘削する異形断面の全周にセグメント42を組むことができる多関節式エレクタで構成されている。
図4に示すように、このような拡幅部シールド突出体32を開口部29から掘進方向に直交する方向に突出させる構成としては、拡幅部シールド突出体32がスライドするように拡幅部シールド突出体32の側面が平行な壁面に形成され、この壁面に沿って拡幅部シールド突出体32をスライドさせる突出ジャッキ43が拡幅部シールド本体28内に設けられている。
この突出ジャッキ43は、拡幅部シールド突出体32を掘削方向に直交する方向に突出させることができる力を有するものが用いられる。この例では、拡幅部シールド突出体32を段階的に所定ストロークで突出させるように、所定高さの支持台44を拡幅部シールド本体28との間に挿入して突出ジャッキ43で所定量ずつ突出させるように構成されている。
この突出ジャッキ43によれば、図5(a) に示すように、拡幅部カッタヘッド31の端部を拡幅部シールド機3の最外周よりも内側に収納した状態から、(b) に示すように、突出体本体32の外面が拡幅部シールド本体28の外面と滑らかに連続するような状態まで突出させることができる。
また、図4に示すように、この拡幅部シールド突出体32には、突出させる時に、この拡幅部シールド突出体32と前部シールド機2及び後部シールド機4との間で水密状態を保つ拡幅部シール45が設けられている。この拡幅部シール45は、拡幅部シールド突出体32の拡幅部シールド本体中心側に設けられており、拡幅部シールド突出体32を突出させるために収納部30内をスライドさせている時にシール性を保つように構成されている。この拡幅部シール45が接する前部シールド機2の後端壁面19と後部シールド機4の前端壁面46(図1)とは、拡幅部シール45が接した状態で摺動することができるような平滑面に形成されている。この拡幅部シール45によれば、図6(a),(b) に示すように、前記図5(b) に示すように拡幅部シールド突出体32を突出させた状態で、前部シールド機2と後部シールド機4との間でシール性を保つことができる。
さらに、前記拡幅部シールド突出体32とともに拡幅部シールド本体28から突出する拡幅部カッタヘッド31も、放射状に配置された複数のカッタフレーム47とこのカッタフレーム47の外周を連結するカッタリング48とから形成されている。これらのカッタフレーム47の側部には土砂取込み口49が設けられており、この土砂取込み口49の部分に複数のカッタビット50が設けられている。また、このカッタフレーム47にも、前記カッタリング48から半径方向に突出して部分的に拡大掘削するための拡幅部コピーカッタ51が設けられている。この拡幅部コピーカッタ51が拡幅部カッタヘッド31に設けられた余り機構である。
また、図7に示すように、前記拡幅部カッタヘッド31は拡幅部1箇所毎に1個の円形カッタヘッド31で回転掘削を行なっているので、1個の拡幅部カッタヘッド31で拡幅部シールド突出体32の前面を全て掘削することができない。そこで、図示するように、前部カッタヘッド6のコピーカッタ25によるコピーカットと、拡幅部カッタヘッド31のコピーカッタ51によるコピーカットとを組合わせることにより、これらによる掘削断面が拡幅部シールド突出体32の前面を掘削できるようにしている。
なお、この実施形態では、前部カッタヘッド6の左側上下から拡幅部カッタヘッド31を突出させてトンネルを掘削することにより、円形断面のトンネルから上下に部分的に拡幅させたD形断面のトンネルを掘削する例を示しているが、この掘削断面は一例であり、1箇所のみを拡幅部カッタヘッド31で掘削したトンネルや複数箇所で拡幅部カッタヘッド31を突出させて異形断面のトンネルを掘削してもよく、掘削断面はD形に限定されるものではない。
なお、これらの図では2機の拡幅部シールド突出体32を例に説明しているが、この拡幅部シールド突出体32は、2機以外に(例えば、1機,4機)とすることも可能であり、例えば、4機設けて前部シールド機2の上下左右の4角から拡幅部カッタヘッド31を突出させれば矩形断面を掘削することもできる。この場合、拡幅部シールド機3の前後軸方向に複数の拡幅部シールド突出体32をずらして設けることにより可能である。
さらに、図8に示すように、前記拡幅部カッタヘッドの他の例としては、(a) に示すように、前記拡幅部カッタヘッド31の側部に小径の拡幅部副カッタヘッド52を設け、拡幅部1箇所毎にこれら円形のカッタヘッド31,52を複数組合せて回転掘削を行なったり、(b) に示すように、拡幅部1箇所毎に扇形の揺動カッタヘッド53を設けて揺動掘削するようにしてもよい。この揺動カッタヘッド53は、1点鎖線で示す駆動モータ54を回転させることにより、リンク55で揺動カッタヘッド53を同一面内で揺動回転させて掘削するように構成されている。
なお、これらの例は一例であり、拡幅部1箇所毎に円形のカッタヘッドによる回転掘削と円形や扇形のカッタヘッドによる揺動回転掘削とを組合せても、他の形式であってもよく、拡幅部カッタヘッド31の形状や掘削形式は前記した例に限定されるものではない。
図9に示す拡幅部エレクタ41は、拡幅部シールド機3の拡幅部シールド突出体32を突出させた後に組立てられた状態の拡幅部エレクタ41を示している。図示するように、この拡幅部エレクタ41は、前記拡幅部カッタヘッド31を突出させて掘削した異形断面の全周にセグメント42を組むことができるような多関節エレクタで構成されている。この拡幅部エレクタ41は、拡幅部シールド本体28の周方向に設けられた複数の支持ローラ56の内側で旋回するエレクタドラム57とともに旋回して全周のセグメント42を組立てるように構成されている。
この拡幅部エレクタ41は、エレクタドラム57に軸支されたスイングアーム58と、このスイングアーム58を揺動させるブームジャッキ59と、スイングアーム58の先端に設けられたセグメント把持機60と、このセグメント把持機60の姿勢を制御する揺動フレーム61と、この揺動フレーム61を揺動させるスイングジャッキ62とから構成されている。このように構成された多関節の拡幅部エレクタ41によれば、前記したように拡幅部カッタヘッド31で掘削した断面がD形断面であったとしても、エレクタドラム57の旋回と、ブームジャッキ59とスイングジャッキ62とによるセグメント把持機60の姿勢制御によって、全周のセグメント42を順次組立てることができる。なお、図示する拡幅部エレクタ41は一例であり、異形断面の全周にセグメント42を組むことができるようなエレクタであれば、他の構成であってもよい。
図1,2に示すように、前記後部シールド機4は、後部シールド本体63の前部壁面46が前記拡幅部シールド機3の拡幅部反力受け39からの掘削反力を受けるとともに、前記したように拡幅部シール45が摺動する時にシール性を保つことができる平滑面に形成されている。
また、この前部壁面46の後部には、拡幅シールド掘進機1を全体で掘進させる時の掘削反力をセグメント64に取る後部推進ジャッキ65が周方向に複数本設けられている。
この後部推進ジャッキ65の内側には後部エレクタ66が設けられている。この後部エレクタ66も、周方向に設けられたリング状の内側に設けられた複数の支持ローラ67の内側で旋回するエレクタドラム68とともに旋回して全周のセグメント64を組むことができるように構成されている。この後部エレクタ66は、セグメントフィーダ69によって搬送されてきたセグメント64を把持し、周方向に旋回して所定位置に組込むように制御される。
この後部シールド本体63の後端部内側には、後部エレクタ66で組んだセグメント64の外周に接する後部テールシール70が設けられている。
このように、前部シールド機2、拡幅部シールド機3、後部シールド機4には各々推進ジャッキ11,38,65、エレクタ12,41,66、テールシール16,40,70等が装備されている。
図10は図1に示す拡幅シールド掘進機で拡幅部を掘削する前の状態を示す断面図であり、図11は図10に示す状態から拡幅部を掘削する工程を示す図面で、(a) は拡幅部を掘削する準備をする状態の断面図であり、(b) は拡幅部カッタヘッドを突出して拡幅部の掘削を開始した状態の断面図である。図12は図11に示す拡幅部を掘削する工程の次工程を示す図面で、(a) は図11(b) に示す状態から更に拡幅部カッタヘッドを突出させた状態の断面図であり、(b) は更に拡幅部カッタヘッドを突出させた状態の断面図である。図13は図12に示す拡幅部を掘削する工程の次工程を示す図面で、(a) は拡幅部カッタヘッドの突出が完了して拡幅部の掘削を開始する状態の断面図であり、(b) は拡幅部を掘削した後に円形トンネルを掘削する状態の断面図である。以下、これらの図面に基づいて、前述した拡幅シールド掘進機1によって拡幅トンネルを掘削する手順の一例を説明する。なお、以下の説明では全体的な動作を説明し、エレクタ等の各構成の詳細な動作は省略して説明する。また、前部シールド機2と拡幅部シールド機3と後部シールド機4とによる単円掘削時を第一ステップ、前部シールド機2と拡幅部シールド機3とによる拡幅掘削時を第二ステップ、前部シールド機2による単円掘削時を第三ステップとして説明する。
まず、図10に示すように、第一ステップの単円部掘進時には、前部シールド機2の前部カッタヘッド6で掘削し、後部シールド機4の後部推進ジャッキ65で前部シールド機2と拡幅部シールド機3と後部シールド機4とを一体的に掘進させる。この時には、前部シールド機2に設けられた排泥機構によって掘削土砂が排出される。また、この掘削区間におけるセグメント64の組立は、後部エレクタ66によって行われる。この第一ステップの単円部掘進時には、拡幅部シールド機3の外周は前部シールド機2に連結されている収納部ゲート26によってカバーされている。
そして、拡幅トンネルT2を形成する地点の所定距離手前に前部シールド機2が達したら、図11(a) に示すように、前部シールド機2の前部カッタヘッド6に設けられた前部コピーカッタ25を拡幅部となる箇所で突出させて拡幅余り部Cを事前にコピーカットする。この時、前部シールド機2の前部推進ジャッキ11を伸長させることによって前部シールド機2のみを掘進させることにより、この前部シールド本体5に固定された収納ゲート連結材17(図1,2)によって収納部ゲート26も一体的に前進させられるので、前部シールド機2の掘進とともに拡幅部シールド機3の外周をカバーしている収納部ゲート26が前進して開放させられる。この掘進量としては、収納部ゲート26を開状態にできるストローク分(例えば、10m程度)掘進させられる。
また、このように前部シールド機2のみを掘進させる時の反力は、前部反力受け18から拡幅部シールド機3と後部推進ジャッキ65とを介してセグメント64で受けられる。この時には、前部シールド機2に設けられた送泥管9,排泥管10からなる排泥機構(図1)によって掘削土砂が排出され、前部シールド機2の前部エレクタ12によって拡幅部シールド機3との間にセグメント15が組立てられる。
このようにして拡幅部シールド機3の周囲をカバーしている収納部ゲート26を開けることにより、拡幅部シールド機3の拡幅部シールド本体28の外側を開放して突出させることができる状態にする。
次に、図11(b) に示すように、収納部ゲート26が開放させられた部分から拡幅部シールド機3の拡幅部シールド突出体32を突出させる。この拡幅部シールド突出体32を突出させることにより、この拡幅部シールド突出体32の前部に設けられた拡幅部カッタヘッド31も突出させられる。この拡幅部カッタヘッド31の突出量としては、拡幅トンネルT2の拡幅量が大きい場合は、掘削する部分の地盤安定を考慮して、掘進しながら段階的に拡幅が進められる。
この段階的な拡幅としては、図12(a),(b) に示すように、前記図11(b) で所定量拡幅した後、拡幅部シールド突出体32をさらに所定量突出させることにより行われる。この段階的に拡幅する方法としては、前述した図4に示すように、所定ストロークの突出ジャッキ43によって支持台44を介して拡幅部カッタヘッド31を徐々に突出させればよい。この例では、前述した図5(a),(b) に示すように、拡幅部カッタヘッド31を収納部30の壁面に沿って平行に突出させるように、突出ジャッキ43の伸長量が制御される。なお、拡幅量が小さい場合には、一度に拡幅させてもよい。
また、この拡幅部シールド突出体32を突出させる時には、拡幅部シールド突出体32と前部シールド機2と後部シールド機4との間に設けられた拡幅部シール45によってシール性が保たれた状態で突出させられるので、拡幅部シールド本体28内は常圧の状態で作業することができる。
さらに、このように拡幅部シールド突出体32を突出させる時には、その突出部分が、前部シールド機2のコピーカッタ25のみか、拡幅部シールド機3のコピーカッタ51のみか、または両方のコピーカッタ25,51の組合せでコピーカットされる。
そして、図13(a) に示すように、拡幅部シールド突出体32を所定量突出させることが完了したら、その地点で拡幅部シールド突出体32と拡幅部シールド本体28とを溶接等により固定し、拡幅部シールド本体28を前部反力受け18にボルトや溶接等で固定して一体化する。
また、このように拡幅部シールド突出体32を突出させて拡幅部カッタヘッド31を所定位置固定した段階で、拡幅部シールド機用の内装部品の拡幅部エレクタ41や拡幅部推進ジャッキ38等が使用可能な状態に組立てられる。この拡幅部エレクタ41としては、拡幅トンネルT2を掘削する地点で撤去される後部シールド機4に設けられている後部エレクタ66が利用可能であれば転用してもよい。また、拡幅部推進ジャッキ38も、予め全数の拡幅部推進ジャッキ38を設けておくのではなく、前記したように一部の拡幅部推進ジャッキ38を設けておき、後部シールド機4で分解した後部推進ジャッキ65を拡幅部推進ジャッキ38として転用してもよい。その他、拡幅部カッタヘッド31等を突出させる時に使用したジャッキ等の仮説部品の撤去が行われ、拡幅部シールド機3が完成させられる。つまり、拡幅部カッタヘッド31が突出した状態で固定される。
このようにして拡幅部シールド機3を完成させた後、図13(b) に示すように、後部シールド機4を切り離し、この拡幅部シールド機3と前部シールド機2とを一体的に拡幅部シールド機3で掘進させて拡幅区間Lを掘削する。この掘削が第二ステップの拡幅掘削である。この掘進としては、前部シールド機2の前部カッタヘッド6と拡幅部シールド機3の拡幅部カッタヘッド31とで掘削し、拡幅部シールド機3の拡幅部推進ジャッキ38によって拡幅部反力受け39を介して後部シールド機4に掘削反力を取って前部シールド機2と拡幅部シールド機3とを同時に掘進させる。この時には、前部シールド機2に設けられた送泥管9,排泥管10からなる排泥機構と拡幅部シールド機3に設けられた送泥管36,排泥管37からなる排泥機構(図1)とによって掘削土砂が排出される。
また、この拡幅区間Lにおけるセグメント42の組立は、拡幅部シールド3に設けられた拡幅部エレクタ41によって行われる。
このようにして拡幅区間Lの掘進が完了した後は、前部シールド機2から収納部ゲート連結材17を切り離して、前部シールド機2と拡幅部シールド機3との連結を解除する。この時、前記収納部ゲート26は前部シールド機2のテール部に取付けた収納部ゲート連結材17と連結されているので、拡幅が完了した後に前部シールド機2のテール部から収納部ゲート連結材17を切り離すことによって拡幅部シールド機3の切り離しを容易に行って円形トンネルT3の掘削へと迅速に移行することができる。
そして、その後は、単体となった前部シールド機2単独で単円形トンネルT3を掘削する。この掘削が第三ステップの単円掘削である。この前部シールド機2は単独で掘進できるように前部推進ジャッキ11や前部エレクタ12等が予め備えられているので、前記拡幅部シールド機3で掘削した拡幅トンネルT2に連続して単円形トンネルT3を掘削することができる。この円形トンネルT3の掘削としては、前部シールド機2の前部カッタヘッド6で掘削し、前部推進ジャッキ11でセグメント15に掘削反力を取り、送泥管9,排泥管10からなる排泥機構で掘削土砂を排出して、前部エレクタ12でセグメント15を組立てて掘進する。
したがって、前記したように構成された拡幅シールド掘進機1によれば、単円形断面のトンネル掘進時には拡幅部カッタヘッド31を備えた拡幅部シールド突出体32は拡幅部シールド機3の内部に収納して外部を開放可能な収納部ゲート26でカバーしておき、拡幅トンネルT2を掘削する時に収納部ゲート26を開放した後、拡幅部シールド突出体32を突出させることで拡幅トンネルT2を構築することができるので、地盤改良などの土木工事を行うことなく、拡幅シールド掘進機1の内部で油圧ジャッキ等を操作することによって円形トンネルT1から拡幅トンネルT2へと連続したトンネルを構築することができる。
つまり、前記拡幅シールド掘進機1によれば、前部シールド機2と拡幅部シールド機3と後部シールド機4とを組合せた1台によって、円形トンネルT1を掘削し、拡幅部の前部で後部シールド機4を切り離して前部シールド機2と拡幅部シールド機3とによって拡幅部を有する拡幅トンネルT2とを掘進でき、さらに、拡幅部の掘削が完了すると、拡幅部シールド機3を切り離して前部シールド機2のみで円形トンネルT3を連続して掘削することができ、単円形トンネルT1〜拡幅トンネルT2〜単円形トンネルT3へと、断面が3段階で変化するトンネルを連続して掘削することができる。
しかも、拡幅部シールド突出体32は突出時に拡幅部シール45によってシールされた状態が保たれたまま突出されるので、拡幅シールド掘進機1の内部は大気圧下で拡幅させることができ、作業性よく行うことができる。
図14は図1に示す拡幅シールド掘進機で掘削する拡幅トンネル断面の一例を示す図面であり、(a) は正面図、(b) は模式的な斜視図である。この例は、直径の異なる拡幅シールド掘進機1,101によって本線道路(図の右側)とランプ部道路(図の左側)とを掘削し、これらを連結することにより一体化したランプ部の道路を形成する一例を示している。
図示するように、前述した拡幅シールド掘進機1によって、拡幅部カッタヘッド31を拡幅部シールド機3の内部に収納した状態では単円のトンネルを掘削し(図示する前部カッタヘッド6のみによる掘削)、ランプ部の手前から収納部ゲート26を開けて拡幅部カッタヘッド31を突出させて上下を部分的に拡幅させることにより、円形断面のトンネルから上下に部分的に拡幅させたD形断面の拡幅トンネルT2(図の右側)を掘削することができるので、ランプ部のトンネルを掘削する拡幅シールド掘進機101によってD形断面の垂直部が沿うように逆向きのD形断面の拡幅トンネルT2(図の左側)を沿うように掘削することにより、D形断面のトンネルが横方向に並設されたトンネルを掘削することができる。
そして、このように掘削された拡幅トンネルT2は、D形断面の垂直側を連結すると、図14(a) に一点鎖線で示すように、横長楕円形状のトンネルを形成することができるので、図14(b) に示すように、大深度地下における道路トンネルのランプ部でも強度的にも安定したトンネルを形成することができる。
なお、前述した実施形態では道路トンネルのランプ部を例に説明したが、このように構成された拡幅シールド掘進機1によれば、拡幅部シールド機3に設けられる拡幅部カッタヘッド31の形状や、この拡幅部カッタヘッド31を突出させる位置、個数等を設定することにより拡幅部の断面形状を任意に設定することができるので、例えば、道路のランプ個所の施工だけでなく、道路の待避所施工用や、上下線トンネルのトンネル間連絡部の施工等にも適用できる。つまり、拡幅前の掘削断面形状が円形や矩形であったとしても、これらの外板形状にとらわれずに拡幅部の断面形状を選定することが可能であるので、任意の拡幅断面の施工が可能である。
また、前述した実施形態では、送泥管9,36と排泥管10,37とを備えた泥水排土方式の排泥機構を例に説明したが、スクリュウコンベヤ排土方式等でも同様に構成することができ、排泥機構は他の方式であってもよい。
さらに、上述した実施形態は一例を示しており、本願発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本願発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
本願発明に係る拡幅シールド掘進機は、円形断面のトンネルから部分的に拡幅したトンネルを掘削するような場合に適用でき、拡幅部形状の設定によって複数のトンネルを合流させたり分岐させる地下トンネルのランプ部等を形成する場合に利用できる。
本願発明の一実施形態を示す拡幅シールド掘進機の縦断面図である。 図1に示す拡幅シールド掘進機の下部を拡大した断面図である。 図1に示す拡幅シールド掘進機の正面図である。 図1に示すIV−IV断面図である。 図4に示す断面位置における拡幅部シールド突出体の作動状態を示す図面であり、(a) は収納した状態の断面図、(b) は突出させた状態の断面図である。 図5(b) に示す拡幅部シールド突出体のシール部を示す拡大断面図であり、(a) はA部拡大断面図、(b) はB部拡大断面図である。 図3に示す拡幅部カッタヘッド部分でのコピーカットの一例を示す正面図である。 (a) (b) は、図4に示す拡幅部シールド機の拡幅部カッタヘッドの他の例を示す正面図である。 図5(b) に示す状態で掘削したトンネルにセグメントを組む拡幅部エレクタの正面図である。 図1に示す拡幅シールド掘進機で拡幅部を掘削する前の状態を示す断面図である。 図10に示す状態から拡幅部を掘削する工程を示す図面で、(a) は拡幅部を掘削する準備をする状態の断面図であり、(b) は拡幅部カッタヘッドを突出して拡幅部の掘削を開始した状態の断面図である。 図11に示す拡幅部を掘削する工程の次工程を示す図面で、(a) は図12(b) に示す状態から更に拡幅部カッタヘッドを突出させた状態の断面図であり、(b) は更に拡幅部カッタヘッドを突出させた状態の断面図である。 図12に示す拡幅部を掘削する工程の次工程を示す図面で、(a) は拡幅部カッタヘッドの突出が完了して拡幅部の掘削を開始する状態の断面図であり、(b) は拡幅部を掘削した後に円形トンネルを掘削する状態の断面図である。 図1に示す拡幅シールド掘進機で掘削する拡幅トンネル断面の一例を示す図面であり、(a) は正面図、(b) は模式的な斜視図である。
符号の説明
1…拡幅シールド掘進機
2…前部シールド機
3…拡幅部シールド機
4…後部シールド機
5…前部シールド本体
6…前部カッタヘッド
7…カッタ駆動機
8…前部チャンバ
9…送泥管
10…排泥管
11…前部推進ジャッキ
12…前部エレクタ
13…支持ローラ
14…エレクタドラム
15…セグメント
16…前部テールシール
17…収納ゲート連結材
18…前部反力受け
19…後部壁面(前部シールド機用)
20…セグメント搬送ホイスト
21…カッタフレーム
22…カッタリング
23…土砂取込み口
24…カッタビット
25…前部コピーカッタ
26…収納部ゲート
27…シール部材
28…拡幅部シールド本体
29…開口部
30…収納部
31…拡幅部カッタヘッド
32…拡幅部シールド突出体
33…突出体本体
34…拡幅部カッタ駆動機
35…拡幅部チャンバ
36…送泥管
37…排泥管
38…拡幅部推進ジャッキ
39…拡幅部反力受け
40…拡幅部テールシール
41…拡幅部エレクタ
42…拡幅部用セグメント
43…突出ジャッキ
44…支持台
45…拡幅部シール
46…前端壁面(後部シールド機用)
47…カッタフレーム
48…カッタリング
49…土砂取込み口
50…カッタビット
51…コピーカッタ
52…拡幅部副カッタヘッド
53…揺動カッタヘッド
54…駆動モータ
55…リンク
56…支持ローラ
57…エレクタドラム
58…スイングアーム
59…ブームジャッキ
60…セグメント把持機
61…揺動フレーム
62…スイングジャッキ
63…後部シールド本体
64…セグメント
65…後部推進ジャッキ
66…後部エレクタ
67…支持ローラ
68…エレクタドラム
69…セグメントフィーダ
70…後部テールシール
101…拡幅シールド掘進機
C…拡幅余り部
T1…円形トンネル
T2…拡幅トンネル
T3…円形トンネル

Claims (8)

  1. 前部カッタヘッドを前面に備えた前部シールド機と、該前部シールド機の後部で前記前部カッタヘッドの掘削断面の外周部から掘進方向に直交する方向に突出して拡幅掘削する拡幅部カッタヘッドを突出可能に収納した拡幅部シールド機と、該拡幅部シールド機の後部で前記前部カッタヘッドの掘削断面にセグメントを組立てるエレクタを備えた後部シールド機とを設け、前記前部シールド機の後部に収納部ゲートを設けて前記拡幅部シールド機の外周をカバーするとともに、前記拡幅部シールド機に、前記前部シールド機のみを掘進させることによって前記収納部ゲートを前進させて前記拡幅部シールド機の外周を開放した後に該拡幅部シールド機の拡幅部カッタヘッドを掘進方向に直交する方向に突出させる突出機構と、該拡幅部カッタヘッドで掘削した土砂を排出する排泥機構とを具備させた拡幅シールド掘進機。
  2. 請求項1記載の拡幅シールド掘進機において、
    前記収納部ゲートとシールド機外周との間に、該収納部ゲートで拡幅部シールド機の外周をカバーした時にシール性を保つシール部材を設けるとともに、前記拡幅部シールド機と前記前部シールド機及び後部シールド機との間に、該拡幅部シールド機の拡幅部カッタヘッドを掘進方向に直交する方向に突出させる時にシール性を保つ拡幅部シールを設けた拡幅シールド掘進機。
  3. 請求項1又は請求項2記載の拡幅シールド掘進機において、
    前記前部カッタヘッドと拡幅部カッタヘッドとに余掘り機構を具備させ、該余り機構で前記拡幅部カッタヘッドの未掘削部を掘削できるように構成した拡幅シールド掘進機。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の拡幅シールド掘進機において、
    前記拡幅部シールド機に設ける拡幅部カッタヘッドを、前記前部シールド機の外周部から異なる掘進方向に直交する方向に突出して拡幅断面を掘削する複数の拡幅部カッタヘッドで構成した拡幅シールド掘進機。
  5. 請求項4記載の拡幅シールド掘進機おいて、
    前記拡幅部シールド機に設ける拡幅部カッタヘッドを、前記前部シールド機の上下対称方向に突出するように構成した拡幅シールド掘進機。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の拡幅シールド掘進機において、
    前記拡幅部シールド機に、該拡幅部シールド機の拡幅部カッタヘッドで掘削した異形断面部の全周にセグメントを組むことができる1台の多関節エレクタを設けた拡幅シールド掘進機。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の拡幅シールド掘進機において、
    前記前部シールド機のテール部内周に収納ゲート連結材を切離し可能に設け、該収納ゲート連結材に前記収納部ゲートの前部を連結し、該収納ゲート連結材とともに収納部ゲートを前部シールド機から切り離し可能に構成した拡幅シールド掘進機。
  8. 請求項7記載の拡幅シールド掘進機おいて、
    前記収納部ゲート連結材の外周に、前記前部シールド機のテール部内周に設ける前部テールシールを位置させ、該前部テールシールで収納部ゲート連結材の外周をシールした状態で前記前部シールド機が掘進できるように構成した拡幅シールド掘進機。
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