JP5339489B1 - 断面馬蹄形又は幌形の地下空間に対応した密閉型掘進機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 大規模な施工ヤードを必要とせず、工期短縮が図られ、地山の緩みを最小限に抑えながら、永久構造物として又は美観上でも最適な馬蹄形又は幌形に掘進できる低コストの掘進機を提供する。
【解決手段】 上部がアーチ状で下部が矩形状の断面馬蹄形又は幌形の外殻1の前部に排土口4aを備えた馬蹄形又は幌形の隔壁4を取り付け、その隔壁4の前方上部に地山をアーチ状に掘削する回転カッター7を取り付け、その回転カッター7の下方且つやや後方の位置に自転する回転体8cを設け、その回転体8cに複数の偏心カッター8を取り付けて自転公転によって地山を矩形状に掘削できるようにし、その偏心カッター8及び回転カッター7を回転させる駆動手段を設け、隔壁4の排土口4aから機内に取り込まれた土砂を後方へ搬送する排土装置10を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、地山を断面馬蹄形又は幌形に掘削できる密閉型掘進機に関する。
断面馬蹄形又は幌形の空間を構築するための従来技術としては、開削工法、自由断面シールド工法、パイプルーフ工法、全断面地盤改良工法(開放型又は刃口推進型)がある(特許文献1〜3参照)。
開削工法は、地表面から両側に土留めを行って、掘削後に二次製品を埋設する施工法や、現地で現場打ちコンクリートを構築する施工法である。開削を行うためには、先行して土留め工を施工する必要がある。土留め工の種類としては、地表面から地中連続壁や柱列式連続杭を施工する削孔式がある。その他は、鋼矢板土留め工法のように左右に鋼矢板を打ち込み、その後地表面から掘削機で掘削を行う工法がある。
自由断面シールド工法は、頂部に円形セグメントを、下部に矩形セグメントを使用し、シールド掘進機の後部にエレクターを装備してセグメントを組み立てる方法である。シールド掘進機の形状には様々な構造があり、半機械式開放型、ロードヘッド方式、円形・ドラム組合せ方式、スイングドラムカッター方式、偏心多軸方式(DPLEX工法)、未掘削隅部のオーガ掘削機能の付加方式等がある。
パイプルーフ工法は、躯体の外殻に水平土留めとしてパイプルーフ工法を先受けし、その後鋼管パイプで囲まれた内部を開放型で掘削して残土搬出する方法である。都市部における地下再開発には、埋設支障物件の多さや事前の詳細な計画が行われにくい(地下埋設調査の後に断面決定)地下空間の構築に多用される。一般的には計画断面の外側に円形の鋼管を配置して(角型鋼管の場合もある)、推進工法で事前に水平・鉛直の土留工として先受けし、鋼管同士は縦断的に溶接継ぎ手、断面的にはTH継ぎ手やAH継ぎ手等の鋼管継ぎ手を用いて連結させる。工事の手順は、事前に発進立坑を構築し、その後パイプルーフ工法で水平に鋼管先受けを行い、門型や全方位で水平土留め工を終了した後に内部の掘削と鋼製支保工の同時施工を行う。掘削や内部支保工が完了した段階で内部に型枠工を施し、鉄筋や鉄骨のコンクリートで巻立てを行う。
全断面地盤改良工法は、馬蹄形の外周部を中心に地盤強度や止水性向上のために影響範囲に対して地盤改良や薬液注入を事前に施して地山の自立や止水性の確保を図り、その後パイプルーフの内部に馬蹄形鋼製支保工を順次設置しながら人力施工や半機械式施工で内部掘削を行う方法である。基本的には刃口推進工法やNATM工法での施工であり、地盤強度を向上させ、掘削途上での地下水の浸水を防止するために薬液注入工法や高圧噴射工法で改良を行う。
ところで、前記開削工法では以下の問題があった。
・周辺環境に対して、直接又は間接的な影響(振動、騒音、近接構造物、地下埋設物等)が少なく、大規模な施工ヤードが確保されていることが必要となる。
・掘削最深部分は地盤が開放され、地盤性状によってはボイリングやヒービングが発生し、後に構造物自体の沈下、埋め戻しによる地表面沈下、コンクリート打ち継目の漏水、函体コンクリート目地部の漏水が発生する可能性がある。
・基本的には都市部での採用には問題が多い。
自由断面シールド工法では以下の問題があった。
・シールド掘進機が非常に高価である。
・施工ヤードが非常に大きくなる。
・一次覆工で終了するために、施工開始から終了までは急速施工が可能となるが、工事着工までのシールド掘進機の製作には最低10ヶ月以上必要となる。
・短距離での施工には過大な仮設備が必要なためコスト的には採用が難しく、一般的には施工延長が500m以上がシールド工法採用の条件となる。
パイプルーフ工法では以下の問題があった。
・鋼管を1本づつ施工するため、施工期間が長くかかる。
・鋼管等の使用により高価となる。
・パイプルーフ工が終了した後に内部掘削や内部支保工を設置するが、その段階で縦列的な鋼管のたわみが生じ、地盤沈下が発生しやすくなる。
全断面地盤改良工法では以下の問題があった。
・施工中の削孔水の処理、攪拌された汚泥の処理が必要となる。
・施工後の地下水汚染の問題が発生する。
・施工箇所の既設埋設物の調査に慎重さが必要である。
・注入中に既設地下埋設物への影響が発生する。
・地盤の隆起や空隙率の大きな地盤では薬液やセメント系注入材の逸走が生じ、地盤の広範囲に影響を与える危険性がある。
特開2006−118152号公報 特開2001−254591号公報 特開2010−90607号公報
本発明が解決しようとする第1の課題は、従来のこれらの問題点を解消し、大規模な施工ヤードを必要とせず、工期短縮が図られ、地山の緩みを最小限に抑えながら、永久構造物として又は美観上でも最適な断面馬蹄形又は幌形に掘進できる低コストの掘進機を提供することにある。
かかる課題を解決した本発明の構成は、
1) 掘進機の後部に複数の推進管を接続して元押し、地山を掘進しながら掘削された土砂を機内に取り込んで後方へ排出し、推進管の追加と元押しを繰り返して地中に管路を構築する推進工法に用いられる密閉型掘進機において、前記掘進機は、上部がアーチ状で下部が矩形状の断面馬蹄形又は幌形の外殻を有し、その外殻の前部に排土口を備えた馬蹄形又は幌形の隔壁を取り付け、その隔壁の前方上部に地山をアーチ状に掘削する回転カッターを取り付け、その回転カッターの下方且つやや後方の位置に自転する回転体を設け、その回転体に複数の偏心カッターを取り付けて自転公転によって地山を矩形状に掘削できるようにし、その偏心カッター及び回転カッターを回転させる駆動手段を設け、隔壁の排土口から機内に取り込まれた土砂を後方へ搬送する排土装置を設け、上部のアーチ部分を回転カッターで先行して掘削し、下部の矩形部分を偏心カッターで追従して矩形に掘削する2段式のベンチカット工法で地山の安定を図るようにしたことを特徴とする、断面馬蹄形又は幌形の地下空間に対応した密閉型掘進機
2) 排土口を隔壁の下部に1箇所形成し、その排土口に排土装置を取り付けた、前記1)記載の断面馬蹄形又は幌形の地下空間に対応した密閉型掘進機
3) 駆動手段を1体のモーターと外歯及び内歯を備えた中間駆動ギヤで構成し、その中間駆動ギヤの内歯とモーターのピニオンギヤを噛み合わせ、回転カッターに駆動伝達ギヤを設けて中間駆動ギヤの外歯と噛み合わせ、各偏心カッターの軸端を中間駆動ギヤに対して軸支し、各偏心カッターに駆動伝達ギヤを設けて固定の円形のラックと噛み合わせた、前記1)又は2)記載の断面馬蹄形又は幌形の地下空間に対応した密閉型掘進機
4) 外殻を前管と後管で構成し、その前管と後管の接続箇所にパッキンを装備した断面円形状の外筒と内筒を形成して回転可能に接続し、外筒を回転させて掘進機の姿勢を調整するローリング修正ジャッキを内筒に設けた、前記1)〜3)いずれか記載の断面馬蹄形又は幌形の地下空間に対応した密閉型掘進機
5) 後管の頂部の壁面に差込ピンを前方へ突設し、前管の頂部の壁面にローリング制限長孔を開口して前記差込ピンを差し込み、ローリング時に差込ピンとローリング制限長孔が接触してローリング量を制限できるようにした、前記4)記載の断面馬蹄形又は幌形の地下空間に対応した密閉型掘進機
6) 前管の後端に断面馬蹄形又は幌形の中間フードを形成し、前管と後管の外形状が連続するようにした、前記4)又は5)記載の断面馬蹄形又は幌形の地下空間に対応した密閉型掘進機
7) 中間フードの外縁部に沿って土砂の侵入を防止するブラシを設けた、前記6)記載の断面馬蹄形又は幌形の地下空間に対応した密閉型掘進機
8) 自沈防止のために外殻の前端下部に横長の支圧板スタビライザーを後端で枢支し、その支圧板スタビライザーを枢支点回りに回動させて傾きを変化させる角度調整ジャッキを設けた、前記1)〜7)いずれか記載の断面馬蹄形又は幌形の地下空間に対応した密閉型掘進機
にある。
本発明の前記1)記載の構成によれば、以下の効果を奏する。
・非開削(立坑から発進して到達まで横孔を形成する)であるから、大規模な施工ヤードを必要とせず、周辺環境に与える影響が少ない。
・掘進地盤の止水性・自立性を保つための地山の改良範囲が限定・削減され、且つ一次覆工で施工が完了するから、工期の短縮を図ることができる。
・密閉型であるから、土砂の取込制御が可能となり、地山の緩みを最小限に抑えることができる。
・駆動部の転用が可能で汎用性に優れ、シールド掘進機と比較して製作費用が安価に且つ短期間で製作できる。
本発明の前記2)記載の構成によれば、回転カッターが掘削した土砂と偏心カッターが掘削した土砂が下方に流動化して、下部の排土口から取り込まれて排土装置で排出されるから、排土量管理が1箇所で容易に行える。
本発明の前記3)記載の構成によれば、回転カッターは、モーターの駆動力がピニオンギヤ・中間駆動ギヤの外歯・駆動伝達ギヤに伝達して回転する。偏心カッターは、モーターの駆動力がピニオンギヤ・中間駆動ギヤの内歯に伝達して中間駆動ギヤの回転によって回転体とともに公転し、且つ各駆動伝達ギヤとラックの噛み合いによって自転する。したがって、1体のモーターで回転カッターと偏心カッターを駆動できる。
本発明の前記4)記載の構成によれば、前管と後管の接続部分が断面円形であるから、外殻が断面馬蹄形又は幌形でありながら簡易な構造でローリングさせて掘進機の姿勢を調整することができる。
本発明の前記5)記載の構成によれば、掘進中に前管が大きくローリングしようとしても、差込ピンとローリング制限長孔が接触して係止し、ローリング量をローリング制限長孔の長さの範囲に制限できる。
本発明の前記6)記載の構成によれば、中間フードによって前管と後管の間への土砂の侵入が防止され、しかも前管と後管の外形状が連続する断面馬蹄形又は幌形となっているから、掘進中の地盤の緩みや摩擦抵抗が軽減されて円滑に掘進できる。
本発明の前記7)記載の構成によれば、ブラシによって中間フードと後管との間の隙間が閉塞され、ローリング時の摩擦抵抗を小さくしつつ、土砂の侵入をより確実に防止できる。
本発明の前記8)記載の構成によれば、軟弱地盤では掘進機の沈み込みが生じると、フード下部の角度調整ジャッキで支圧板スタビライザーをやや上向きに傾け、土砂に乗り上げさせることで自沈を防止できる。
実施例の掘進機の正面図である。 実施例の掘進機の断面図である。 図2のA−A線断面図である。 実施例の掘削ラインを示す説明図である。 実施例のローリングを示す説明図である。
以下、本発明を実施するための形態を実施例と図面に基づいて具体的に説明する。
図1〜3に示すように、外殻1は上部がアーチ状で下部が矩形状の断面馬蹄形又は幌形で、前管1aと後管1bで構成され、中心よりやや下方の対向位置に断面円形状の外筒1cと内筒1dを形成し、その内筒1dを外筒1cに水密状に挿入している。内筒1dの左右位置には開口1eを形成し、外筒1cの内面の左右には突起1fを開口1eの位置に突設し、内筒1dの左右内面にローリング修正ジャッキ2を取り付けて左右の突起1fを相対的に押圧できるようにしている。後管1bの頂部の壁面には差込ピン1gを前方へ突設し、前管1aの頂部の壁面にはローリング制限長孔1hを開口して前記差込ピン1gを差し込んでいる。前管1aの後端には断面馬蹄形又は幌形の中間フード1iを設けて箱状に形成し、前管1aと後管1bの外形状が連続するようにしている。その中間フード1iの外縁部に沿って土砂の侵入を防止するブラシ1jを取り付けている。また、前管1aは前後に分割し、方向修正ジャッキ3で屈曲可能に連結している。
外殻1の前管1aには排土口4aが下部に開口された馬蹄形又は幌形の隔壁4を取り付け、その隔壁4の後面に減速機付きのモーター5(駆動手段)を取り付けている。モーター5の出力軸にはピニオンギヤ5aを軸着し、そのピニオンギヤ5aに中間駆動ギヤ6を噛み合わせている。中間駆動ギヤ6は、内歯6aと外歯6bを備えた大径の環状で、その内歯6aをピニオンギヤ5aに噛み合わせている。
回転カッター7は十字状の4本アーム(掘削地盤によっては6本アームや8本アーム又は円盤状の場合もある)で、その回転軸7aを隔壁4のアーチの半径中心位置に貫通し、前方へやや張り出した位置に軸支している。回転軸7aには駆動伝達ギヤ7bを軸着し、その駆動伝達ギヤ7bを中間駆動ギヤ6の外歯6bと噛み合わせている。
偏心カッター8は長辺部分と短辺部分を有する略楕円状で、回転軸8aを中間位置から長辺方向にずれた位置に設け、その回転軸8aに駆動伝達ギヤ8bを軸着している。隔壁4の下部には環状に開口して環状の回転体8cを配置し、その回転体8cの内側の隔壁4にラック4bを形成している。その回転体8cに3体の偏心カッター8を等間隔に且つ回転カッター7と干渉しないようにやや後方位置に軸支し、その各駆動伝達ギヤ8bをラック4bに噛み合わせるとともに、回転軸8aの軸端を中間駆動ギヤ6に軸支している。
外殻1の前管1aの前端下部には、横長の支圧板スタビライザー9を後端で回動可能に枢支し、その支圧板スタビライザー9の後方位置に角度調整ジャッキ9aを取り付け、その角度調整ジャッキ9aの伸縮によって支圧板スタビライザー9の傾斜角度を調整できるようにしている。
排土装置10は、モーター10aで回転して土砂を後方へ搬送する排土スクリュー10bと、流路の内径を拡縮して排土圧を調整する排土圧調整バルブ10cと、搬送された土砂を排出するスライドゲート10dを備え、隔壁4の排土口4aに接続して機内に設置している。排土装置10の後方には貯泥槽と排土管を設置している(図示は省略)。
本実施例では、外殻1の後管1bの後端に断面馬蹄形又は幌形のコンクリート製の推進管11を複数接続してモーター5を始動し、推進管11の最後尾を元押して回転カッター7と偏心カッター8で地山を掘削する。回転カッター7が掘削した土砂と偏心カッター8が掘削した土砂は下方に流動化し、下部の排土口4aから取り込まれて排土装置10で排出される。よって、排土装置10のオペレーターが1人で済み、排土量管理が1箇所で容易に行えるようになっている。このようにして、推進管11の追加と元押しを繰り返しながら地中を掘進して断面馬蹄形又は幌形の管路が構築される。
掘進中は、ローリング制御のため前管1aと後管1bの間が中間フード1iで遮蔽され、土砂の侵入が防止される。しかも、前管1aと後管1bが中間フード1iによって連続する馬蹄形又は幌形となっているから、掘進中の地盤の緩みや摩擦抵抗が軽減されて円滑に掘進できる。特に、中間フード1iに備えたブラシ1jによって、中間フード1iと後管1bとの間の隙間が閉塞されているから、ローリング時の摩擦抵抗を小さくしつつ、土砂の侵入をより確実に防止できるようになっている。
回転カッター7は、モーター5の駆動力がピニオンギヤ5a・中間駆動ギヤ6の外歯6b・駆動伝達ギヤ7bに伝達して回転し、上部のアーチ部分を掘削する(図4の掘削ラインA)。偏心カッター8は、モーター5の駆動力がピニオンギヤ5a・中間駆動ギヤ6の内歯6aに伝達して中間駆動ギヤ6の回転によって回転体8cとともに公転し、且つ各駆動伝達ギヤ8bと隔壁4のラック4bの噛み合いによって自転し、全体が矩形状の軌跡を描くように自転公転して下部の矩形部分を掘削する(図4の掘削ラインB)。側方から断面を見れば、上部半断面が先行して掘削され、下部の矩形断面が追従する2段式のミニベンチカット工法となっている。このように、1体のモーター5で回転カッター7と偏心カッター8が駆動され、この2系統によって地山が断面馬蹄形又は幌形に同時に且つ連続的に掘削される。
掘進中において、方向修正ジャッキ3を伸縮させると、前管1aの途中が屈曲して外殻1の向きが変化し、掘進方向を修正することができる。また、図5に示すように、左右いずれか一方のローリング修正ジャッキ2を伸張(反対側のローリング修正ジャッキ2は収縮)させると、突起1fが押圧されて上方へ移行(反対側の突起1fは下降)し、前管1aがローリングして掘進機の姿勢を調整することができる。このとき、前管1aが大きくローリングしようとしても、差込ピン1gとローリング制限長孔1hが接触して係止し、ローリング量をローリング制限長孔1hの長さの範囲(回転角度で2〜3°)に制限できる。
また、支圧板スタビライザー9は平時は水平に保持し、掘進機の沈み込みが生じると、角度調整ジャッキ9aを収縮させて支圧板スタビライザー9をやや上向きに傾け、土砂に乗り上げさせることで自沈を防止することができる。
都市地下の沖積層(軟弱な堆積地盤)では、地山の自立を目的とした地盤改良が必要となり、工費、工期とも増加するのが前提であるが、本実施例の掘進機を採用した場合は改良ゾーンが限定・削減され、一般的には立坑坑口部(発進・到達)に限定される。また、一次覆工で施工が完了するため、経済性や工期において従来技術の施工法より優位となる。
矩形推進工法が横断地下道に採用される背景としては、以下の通りと考えられる。
・地表面に近いところで既存の地下埋設物が輻輳しているエリアが多い(切り廻りが不可能)。
・できるだけ土被りが浅く、地表面に近い箇所に地下道を埋設する必要がある(高齢化社会のため急傾斜スロープや階段は不可)。
・円形では未掘削箇所を残す(工費増大)。
・内部インバート工(足元の平面仕上げ)や両側壁の二次施工が必要となる。
これらのことはボックス型が一次覆工で工事を短期間で終了できる優位さから、円形不採用の一番の理由となっている。
また、地表面に近いところに地下通路を埋設する理由は以下の通りである。
・地表から進入する取付け通路の勾配をできるだけ緩くする必要がある(歩行者や車椅子の走行を安全にする)。
・勾配がついた取付け通路の延長をできるだけ短くする必要がある(施工範囲の省力化)。
・現状共用中の歩道者スペースの制限や近接建築物の障害にならないためには、歩行空間の施工範囲を極力短くする必要も考えられる。
以上のように、円形で地下通路を構築する場合と矩形で推進を行う場合では、ボックス型が優位になることは明白であるが、ある程度の土被りを有し、地下2階以深の建築物や地下構造物に地下通路を接続するには、土圧が大きくなり将来的な構造物として、あるいは美観としても馬蹄形又は幌形が優位となり、頂部にアーチ作用が発生しずらいボックス型の採用には多少陰りが出てくる。本発明の技術は、前記のような条件下で採用されやすい地下通路の構築のために有用である。
1 外殻
1a 前管
1b 後管
1c 外筒
1d 内筒
1e 開口
1f 突起
1g 差込ピン
1h ローリング制限長孔
1i 中間フード
1j ブラシ
2 ローリング修正ジャッキ
3 方向修正ジャッキ
4 隔壁
4a 排土口
4b ラック
5 モーター(駆動手段)
5a ピニオンギヤ
6 中間駆動ギヤ
6a 内歯
6b 外歯
7 回転カッター
7a 回転軸
7b 駆動伝達ギヤ
8 偏心カッター
8a 回転軸
8b 駆動伝達ギヤ
8c 回転体
9 支圧板スタビライザー
9a 角度調整ジャッキ
10 排土装置
10a モーター
10b 排土スクリュー
10c 排土圧調整バルブ
10d スライドゲート
11 推進管
A 回転カッターの掘削ライン
B 偏心カッターの掘削ライン

Claims (8)

  1. 掘進機の後部に複数の推進管を接続して元押し、地山を掘進しながら掘削された土砂を機内に取り込んで後方へ排出し、推進管の追加と元押しを繰り返して地中に管路を構築する推進工法に用いられる密閉型掘進機において、前記掘進機は、上部がアーチ状で下部が矩形状の断面馬蹄形又は幌形の外殻を有し、その外殻の前部に排土口を備えた馬蹄形又は幌形の隔壁を取り付け、その隔壁の前方上部に地山をアーチ状に掘削する回転カッターを取り付け、その回転カッターの下方且つやや後方の位置に自転する回転体を設け、その回転体に複数の偏心カッターを取り付けて自転公転によって地山を矩形状に掘削できるようにし、その偏心カッター及び回転カッターを回転させる駆動手段を設け、隔壁の排土口から機内に取り込まれた土砂を後方へ搬送する排土装置を設け、上部のアーチ部分を回転カッターで先行して掘削し、下部の矩形部分を偏心カッターで追従して矩形に掘削する2段式のベンチカット工法で地山の安定を図るようにしたことを特徴とする、断面馬蹄形又は幌形の地下空間に対応した密閉型掘進機。
  2. 排土口を隔壁の下部に1箇所形成し、その排土口に排土装置を取り付けた、請求項1記載の断面馬蹄形又は幌形の地下空間に対応した密閉型掘進機。
  3. 駆動手段を1体のモーターと外歯及び内歯を備えた中間駆動ギヤで構成し、その中間駆動ギヤの内歯とモーターのピニオンギヤを噛み合わせ、回転カッターに駆動伝達ギヤを設けて中間駆動ギヤの外歯と噛み合わせ、各偏心カッターの軸端を中間駆動ギヤに対して軸支し、各偏心カッターに駆動伝達ギヤを設けて固定の円形のラックと噛み合わせた、請求項1又は2記載の断面馬蹄形又は幌形の地下空間に対応した密閉型掘進機。
  4. 外殻を前管と後管で構成し、その前管と後管の接続箇所にパッキンを装備した断面円形状の外筒と内筒を形成して回転可能に接続し、外筒を回転させて掘進機の姿勢を調整するローリング修正ジャッキを内筒に設けた、請求項1〜3いずれか記載の断面馬蹄形又は幌形の地下空間に対応した密閉型掘進機。
  5. 後管の頂部の壁面に差込ピンを前方へ突設し、前管の頂部の壁面にローリング制限長孔を開口して前記差込ピンを差し込み、ローリング時に差込ピンとローリング制限長孔が接触してローリング量を制限できるようにした、請求項4記載の断面馬蹄形又は幌形の地下空間に対応した密閉型掘進機。
  6. 前管の後端に断面馬蹄形又は幌形の中間フードを形成し、前管と後管の外形状が連続するようにした、請求項4又は5記載の断面馬蹄形又は幌形の地下空間に対応した密閉型掘進機。
  7. 中間フードの外縁部に沿って土砂の侵入を防止するブラシを設けた、請求項6記載の断面馬蹄形又は幌形の地下空間に対応した密閉型掘進機。
  8. 自沈防止のために外殻の前端下部に横長の支圧板スタビライザーを後端で枢支し、その支圧板スタビライザーを枢支点回りに回動させて傾きを変化させる角度調整ジャッキを設けた、請求項1〜7いずれか記載の断面馬蹄形又は幌形の地下空間に対応した密閉型掘進機。
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