JP7431687B2 - 家型断面形状に掘削する推進装置 - Google Patents
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Description
又、アーチ型カルバート形状(馬蹄形等)は頂部の空間を利用して、前述のインフラ管や設備等を配管し、生活インフラ空間として利用する場合もある。その場合、アーチ型では下部の矩形断面の上に半円形の断面を乗せる形状となる。
1) 掘進機本体の外殻が通過できる削孔形状に地山を掘削するカッター部を前記掘進機本体の前方に設けた掘進機と、前記掘進機に後続して同掘進機の前記カッター部で掘削された削孔を通過できる複数のコンクリート函体と、同コンクリート函体の最尾のコンクリート函体の管端を所定地中位置から元押して前記掘進機と後続する複数のコンクリート函体を前方へ押し推める元押装置とからなる推進工法の推進装置であって、
前記掘進機の外殻の外形状が下方の矩形部の上辺上に三角形の屋根部を有する家型形状であり、前記掘進機の前記カッター部が前記掘進機本体の下方の前記矩形部の横巾を菱型の長い対角線として且つその横巾の中央の上方と下方に菱型の頂点がくる菱型形状に地山を先行して上方部を掘削する前上方カッター部と、同前上方カッター部の後方下方位置で前記掘進機本体の外殻の前記屋根部を除いた下方の前記矩形部の形状に地山を掘削し且つ掘削して発生する石片・礫又は土砂を排土口から取り込んでコンクリート函体内を通して排出する排土装置を備えた後下方カッター部とから構成され、前上方カッター部が前上方の地山を屋根状に掘削し、後下方カッター部が後下方の地山を矩形状に掘削して排土処理することで、前記カッター部が掘削する重ね合せた掘削断面形状が家型形状となることを特徴とする、家型断面形状に掘削する推進装置
2) 前記前上方カッター部の構造は、前記掘進機本体の外殻の下方の矩形部の上辺位置の高さにある水平副軸まわりに回動する上公転盤と、同上公転盤の前記水平副軸の軸心から同一径上で前記菱型の形状の内側となる位置に水平方向に突設させた複数の上自転軸と、複数の掘削ビットを取付けてその板の中間位置から端方向に偏寄した位置で前記上自転軸それぞれに所定の位相角をもって軸着した上カッター板と、更に前記上公転盤を前記水平副軸まわりに回動させる副モータと、前記上公転盤の回動力の一部を前記上自転軸までその自転動力として動力伝達させる上ギヤ機構とを有し、
前記副モータによって前記上公転盤を公転させるとともに前記上ギヤ機構により前記各上自転軸に軸着した複数の前記上カッター板を所定の位相差をもって自転させることで公転と自転する前記上カッター板によって前記菱型形状の内側を均一に掘削できるようにした、前記1)記載の家型断面形状に掘削する推進装置
3) 前記後下方カッター部の構造は、前記掘進機本体の外殻の下方の前記矩形部の内側の中心の高さにある水平主軸まわりに回動する下公転盤と、同下公転盤の前記水平主軸の軸心から同一径上で且つ前記矩形部内の位置に水平方向に突設させた複数の下自転軸と、複数の掘削ビットを取付けてその板の中央位置から端方向に偏寄した位置で前記下自転軸に所定の位相角をもって軸着した下カッター板と、更に前記下公転盤を前記水平主軸まわりに回動させる主モータと、前記下公転盤の回動力の一部を前記下自転軸までその自転動力として動力伝達させる下ギヤ機構とを有し、
前記主モータによって下公転盤を公転させるとともに前記下ギヤ機構により前記下自転軸に軸着した下カッター板を所定の位相差をもって自転させることで公転と自転する前記下カッター板によって矩形部の形状の内側を均一に掘削できるようにした、前記1)又は2)記載の家型断面形状に掘削する推進装置
4) 前記コンクリート函体が、コンクリートによって家型形状に一体成型されたものである、前記1)~3)いずれか記載の家型断面形状に掘削する推進装置
5) コンクリート函体が、上下に分割された形状のコンクリート製上ブロックとコンクリート製下ブロックに分割されて製造され、しかもその上下の分割位置が左右コンクリート側面で高さが異なる位置で分割された形状とし、前記上ブロック及び下ブロックを運送して掘削現場にて上ブロックと下ブロックとを分割面で突き合わせて、連結部材を使用して洩水なく水密に且つ強度も強固に連結接合して家型形状のコンクリート函体としたものであり、
しかも、前記掘進機で削孔された空間に縦列に挿入されるコンクリート函体は、その挿入される前後コンクリート函体の接合面の高さが交互に変化するような向きで挿入し、上下ブロックに分けて運送し、現場で連結して一体化することで大型コンクリート函体の使用を容易にし、しかも構築途中で各コンクリート函体に作用する推進力及び地山からの圧力に耐久性ある構造にできる、前記1)~3)いずれか記載の家型断面形状に掘削する推進装置
にある。
他方、後下方カッター部は掘進機本体の外殻の矩形部分を掘削し、発生した石・割石・礫・土砂・泥を排出する。
よって、前上方カッター部の菱型掘削と後下方カッター部の矩形状の掘削とは、菱型の下半分だけ矩形状の掘削と掘削が重なるが、掘削最終外形状は菱型と矩形とを重ね合せた家型となる。
同時に、後下方カッター部は掘進機の外殻の矩形部の前方の地山を矩形形状に掘削し、この掘削で発生した礫・割石・石・土砂も排出口から取り込まれ、推進管内部を経て後方へ移送されて排出させる。
この下自転軸に下カッター板が軸着されるが、下カッター板の軸着位置はカッター板の中間位置でなく、一方の端に近くなった中間位置から端方向に偏寄した位置で軸着されている。
明細書の実施例及び図面に使用する用語と符号について以下説明する。
Gは図1~17に示す実施例の家型断面形状に掘削する推進装置である。
1は実施例の掘進機、Cは同掘進機の先頭に設けたカッター部、C1は同カッター部の前上方カッター部、C11は同前上方カッター部の上公転盤、C111は同上公転盤C11を構成する前上公転盤、C112は同上公転盤C11を構成する後上公転盤、C113は前記の前上公転盤C111と後上公転盤C112とを連結して一体化して上公転盤C11とする連結軸、C114は後上公転盤C112の外周近くに設けた円環部、C115は同円環部の内周に設けた内歯歯車、C12は上公転盤C11を回転自在に保持する水平副軸となる中央固定筒、C13は同中央固定筒の中央外周に設けた太陽歯車、C15は前記内歯歯車C115と噛合する公転用モータC16の出力歯車、C17は前記上公転盤C11に設けた水平回転軸C171に軸着されて前記太陽歯車C13と噛合した遊星歯車、C18は上公転盤C11に水平に突出するように設けた上自転軸、C181は同上自転軸に軸着されて近接した2個の前記遊星歯車C17と噛合して上自転軸C18を回動させる自転歯車、C19は上自転軸C18に軸着された上カッター板、C191は同上カッター板に取付けられた複数の掘削ビットである。
イ.発進立坑40より、坑口部(エントランス)に掘進機1を挿入し、掘進機1のカッター部Cを回転させながら元押装置30によって押圧を加えることで、切羽内圧力の上昇とともに排土管51中の排土バルブ512によって適正な切羽圧力(地山を崩壊させない最低限の加圧力)を維持させながら排土を行い、調圧を前提として元押装置30(油圧ジャッキ31)を用いて前方に押し込む。
ハ.上部の前上方カッター部C1をまず掘削作動しながら押し込む。下部の後下方カッター部C2が切羽に接触する(参考として前上方カッター部C1より後下方カッター部C2は1.2m程度後方に設置)段階から上下全駆動して、家型掘削断面の同時掘削となる。
ニ.このように、家型(屋根型,三角形,山型,五角形)全断面を前方上部と後方下部に分割し、同時掘削しながら掘進機1の先導胴管を押し込む。
ホ.一定の区間(参考として先導体の3.5m程度)を掘進後、後続胴管を架台上に据付後、掘進機本体10を組み立てる。
ヘ.掘進機1全体を掘進した後に、上ブロック20aと下ブロック20bとを連結したNo.1の家型コンクリート函体20を架台上に据付け、掘進機後続胴管のテールとコンクリート函体20前方挿入部を緊結する。
ト.緊結完了後、No.1コンクリート函体20の掘進を開始する。
チ.No.1コンクリート函体20の押し込み後、左右逆にして接合面の高さをNo.1のものと異なるようにしたNo.2コンクリート函体20を架台上に吊下し、前方と後方のコンクリート函体20と緊結して、No.2コンクリート函体20の掘進を開始する。以上の工程を繰り返しながら、掘進と同時覆工を行いながら地下空間を構築する。前後のコンクリート函体20の接合面20cの位置を異なるようにして、押圧力・地山からの土圧に耐え易くしている。
リ.掘削されて切羽から発生する流動体の土砂は、No.1コンクリート函体20内に設置された推進管内排土貯留槽50から吸引方式(真空搬送式か圧送ポンプ方式)で函体内連接された排土管51を通して坑外まで搬送され、地上の排土コンテナタンク53を介して地上排土貯留槽54内に集積される。
しかも、図15,16,17のカッター板の掘削ビットの軌跡図から分るように、家型断面に余掘り部を最小限にして且つ未掘削部がない全断面掘削可能とした。
1 掘進機
10 掘進機本体
11 掘進機本体の外殻
12 外殻の下方の矩形部
13 外殻の屋根部
20 コンクリート函体
20a 上ブロック
20b 下ブロック
20c 分割面(接合面)
20d 連結部材
30 元押装置
31 油圧ジャッキ
40 発進立坑
50 推進管内排土貯留槽
51 排土管
511 スクリューコンベヤ
512 排土バルブ
513 排土口
52 地上吸泥排土装置
53 排土コンテナタンク
54 排土貯留槽
C カッター部
C1 前上方カッター部
C11 上公転盤
C111 前上公転盤
C112 後上公転盤
C113 連結軸
C114 円環部
C115 内歯歯車
C12 水平副軸(中央固定筒)
C13 太陽歯車
C15 出力歯車
C16 公転用モータ
C17 遊星歯車
C171 水平回転軸
C18 上自転軸
C181 自転歯車
C19 上カッター板
C191 掘削ビット
C2 後下方カッター部
C21 下公転盤
C211 前下公転盤
C212 後下公転盤
C213 連結軸
C214 円環部
C215 内歯歯車
C22 水平主軸(排土管)
C23 太陽歯車
C25 出力歯車
C26 公転用モータ
C27 遊星歯車
C271 水平回転軸
C28 下自転軸
C281 自転歯車
C29 下カッター板
C291 掘削ビット
GD1 上ギヤ機構
GD2 下ギヤ機構
Claims (5)
- 掘進機本体の外殻が通過できる削孔形状に地山を掘削するカッター部を前記掘進機本体の前方に設けた掘進機と、前記掘進機に後続して同掘進機の前記カッター部で掘削された削孔を通過できる複数のコンクリート函体と、同コンクリート函体の最尾のコンクリート函体の管端を所定地中位置から元押して前記掘進機と後続する複数のコンクリート函体を前方へ押し推める元押装置とからなる推進工法の推進装置であって、
前記掘進機の外殻の外形状が下方の矩形部の上辺上に三角形の屋根部を有する家型形状であり、前記掘進機の前記カッター部が前記掘進機本体の下方の前記矩形部の横巾を菱型の長い対角線として且つその横巾の中央の上方と下方に菱型の頂点がくる菱型形状に地山を先行して上方部を掘削する前上方カッター部と、同前上方カッター部の後方下方位置で前記掘進機本体の外殻の前記屋根部を除いた下方の前記矩形部の形状に地山を掘削し且つ掘削して発生する石片・礫又は土砂を排土口から取り込んでコンクリート函体内を通して排出する排土装置を備えた後下方カッター部とから構成され、前上方カッター部が前上方の地山を屋根状に掘削し、後下方カッター部が後下方の地山を矩形状に掘削して排土処理することで、前記カッター部が掘削する重ね合せた掘削断面形状が家型形状となることを特徴とする、家型断面形状に掘削する推進装置。 - 前記前上方カッター部の構造は、前記掘進機本体の外殻の下方の矩形部の上辺位置の高さにある水平副軸まわりに回動する上公転盤と、同上公転盤の前記水平副軸の軸心から同一径上で前記菱型の形状の内側となる位置に水平方向に突設させた複数の上自転軸と、複数の掘削ビットを取付けてその板の中間位置から端方向に偏寄した位置で前記上自転軸それぞれに所定の位相角をもって軸着した上カッター板と、更に前記上公転盤を前記水平副軸まわりに回動させる副モータと、前記上公転盤の回動力の一部を前記上自転軸までその自転動力として動力伝達させる上ギヤ機構とを有し、
前記副モータによって前記上公転盤を公転させるとともに前記上ギヤ機構により前記各上自転軸に軸着した複数の前記上カッター板を所定の位相差をもって自転させることで公転と自転する前記上カッター板によって前記菱型形状の内側を均一に掘削できるようにした、請求項1記載の家型断面形状に掘削する推進装置。 - 前記後下方カッター部の構造は、前記掘進機本体の外殻の下方の前記矩形部の内側の中心の高さにある水平主軸まわりに回動する下公転盤と、同下公転盤の前記水平主軸の軸心から同一径上で且つ前記矩形部内の位置に水平方向に突設させた複数の下自転軸と、複数の掘削ビットを取付けてその板の中央位置から端方向に偏寄した位置で前記下自転軸に所定の位相角をもって軸着した下カッター板と、更に前記下公転盤を前記水平主軸まわりに回動させる主モータと、前記下公転盤の回動力の一部を前記下自転軸までその自転動力として動力伝達させる下ギヤ機構とを有し、
前記主モータによって下公転盤を公転させるとともに前記下ギヤ機構により前記下自転軸に軸着した下カッター板を所定の位相差をもって自転させることで公転と自転する前記下カッター板によって矩形部の形状の内側を均一に掘削できるようにした、請求項1又は2記載の家型断面形状に掘削する推進装置。 - 前記コンクリート函体が、コンクリートによって家型形状に一体成型されたものである、請求項1~3いずれか記載の家型断面形状に掘削する推進装置。
- コンクリート函体が、上下に分割された形状のコンクリート製上ブロックとコンクリート製下ブロックに分割されて製造され、しかもその上下の分割位置が左右コンクリート側面で高さが異なる位置で分割された形状とし、前記上ブロック及び下ブロックを運送して掘削現場にて上ブロックと下ブロックとを分割面で突き合わせて、連結部材を使用して洩水なく水密に且つ強度も強固に連結接合して家型形状のコンクリート函体としたものであり、
しかも、前記掘進機で削孔された空間に縦列に挿入されるコンクリート函体は、その挿入される前後コンクリート函体の接合面の高さが交互に変化するような向きで挿入し、上下ブロックに分けて運送し、現場で連結して一体化することで大型コンクリート函体の使用を容易にし、しかも構築途中で各コンクリート函体に作用する推進力及び地山からの圧力に耐久性ある構造にできる、請求項1~3いずれか記載の家型断面形状に掘削する推進装置。
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