JP4467825B2 - 給紙装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像形成装置に用いられる給紙カセット、給紙トレイなどの給紙装置に関し、特に、用紙のセット性の向上と給紙コロの交換性の向上を図ることができる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
昨今のプリンタ、ファクシミリ、複写機、印刷機等の画像形成装置は、ますます小型軽量化、低コスト化が進んでいる。さらに、低コスト化に伴い、広く一般の人にも使用できるように操作性の向上も求められている。
【0003】
例えば、A3サイズの用紙を収納できる画像形成装置の給紙カセットでは、その内壁をA3サイズとすることで、A3サイズセット時のサイドフェンスやエンドフェンスの操作を省くと同時に、小型軽量化も実現している。
【0004】
また、ペーパージャム発生時に、「ドアを開いて隙間に手を入れて用紙を取り出す」、「搬送中で停止した用紙が、給紙カセットが抜かれることで破れてしまい、一層取り出しずらくなる」、といった現象を避けるために、給紙カセットに給紙コロを備え、ペーパージャム除去の操作性を上げたりしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した給紙カセットには、用紙をセットしずらいという不具合がある。即ち、給紙カセットにおける用紙搬送方向先端部には給紙コロが設けてあり、給紙カセットの上方から用紙束を水平に下降させて給紙カセットにセットしようとすると、給紙コロが邪魔する。そのため、用紙先端を屈曲させないと所定位置にセットできないということになり、セット性が悪いという問題があっった。
【0006】
また、給紙コロはその表面がゴム部材で構成されており、磨耗により寿命に達すると取り替えなければならない。しかし、給紙コロは、1本のコロ軸で給紙カセットの軸受けに軸支固定されており、不慣れな場合、取り替え作業に時間が掛かるという問題があった。
【0007】
本発明は、用紙のセット性と給紙コロの交換性を向上させることのできる給紙装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、有底枠体状のカセットと、カセットの先端部幅方向両端に形成された軸支片にコロ軸が支持される給紙コロとを有する給紙装置において、コロ軸が複数の中空のコロ軸片で構成され、かつコロ軸片の中空部には、これらのコロ軸片が互いに引き寄せられる方向に付勢されるスプリングが設けられていることを特徴とする給紙装置に関する。
【0009】
また請求項2記載の発明は、有底枠体状のカセットと、カセットの先端部幅方向両端に形成された軸支片にコロ軸が支持される給紙コロとを有する給紙装置において、軸支片の一方にはコロ軸が揺動するための逃げ溝が形成され、軸支片の他方にはコロ軸との間に間隙を設けるための遊嵌溝が形成されていることを特徴とする給紙装置に関する。
【0011】
請求項1記載の発明では、給紙コロを引っ張るとスプリングが伸び、隣接するコロ軸片同士が離れるので、給紙コロを容易に持ち上げる(退避させる)ことができる。
【0012】
請求項2記載の発明では、コロ軸が一方の軸支点を中心に揺動するので、給紙コロを容易に移動させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1は画像形成装置としてのプリンタの概略構成図である。
画像形成装置1はその内底部に給紙装置を備える。給紙装置は有底枠体状のカセット2と底板3と給紙コロ4を備える構成となっている。底板3はその先端部(給紙方向先端部)がスプリング5により給紙コロ4に付勢されるようになっている。
【0015】
給紙装置の上方にはレジストローラ6がある。また、感光体7の周囲には、感光体7の表面に帯電処理を行う帯電装置8、画像情報を感光体7表面にレーザ光で照射する露光装置9、感光体7の表面に露光された静電潜像を可視化する現像装置10、感光体7上で現像されたトナー像を用紙に転写する転写装置11、転写後、感光体7表面に残留するトナーを除去回収するクリーニング装置12等がそれぞれ配置されている。
【0016】
また、トナー像を得た用紙上のトナーを定着処理する定着装置13が、上記画像形成のための電子写真プロセス装置の下流(用紙の搬送経路での下流)に配置されている。さらに定着装置13の下流側には、排紙装置14、排紙部15が配置されている。そして排紙部15には、大サイズの用紙を収納可能なように延長トレイ16が設けられている。
【0017】
次にその動作を説明する。
カセット2には未使用の用紙が収納されており、回動可能に支持された底板3が最上の用紙を給紙コロ4に押し付けるように、スプリング5が底板3を下方から加圧する。給紙コロ4の左回転(反時計回り)により、最上紙はカセット2から送り出され、レジストローラ6へ搬送される。レジストローラ6は用紙の搬送を一時止め、感光体7表面のトナー像と用紙の先端との位置関係が所定の位置になるようにタイミングを取って回転が開始するように制御されている。
【0018】
感光体7上には上記の電子写真プロセス装置によりトナー像が形成される。このトナー像が転写装置11によって用紙上に転写される。そして定着装置13でトナー像が定着された用紙は排紙装置14によって排紙部15に排紙収納される。
【0019】
図2は給紙装置の斜視図であり、(a)は全体図、(b)はその一部拡大図である。
給紙装置は、カセット2及び前述した底板3とスプリング5、給紙コロ4の他に、用紙幅方向のずれを規制する一対のサイドフェンス17と用紙の長さ方向のずれを規制するエンドフェンス18からなる。
【0020】
A3の用紙をセットする際は、カセット2の内壁がA3の用紙サイズと同等であるため、サイドフェンス17とエンドフェンス18は不要となる。また、給紙コロ4は、図示しない駆動装置から回転運動が伝達されるコロ軸19をその中心に有することで回転するものである。コロ軸19は、前後(装置の手前側及び奥側)の軸受け20を介してカセット2先端で幅方向端部に起立して設けた軸支片21に保持されている。
【0021】
図3はコロ軸の一例を示す斜視図である。
同図(a)に示すように、コロ軸19は、給紙コロ4を保持する中央のコロ軸片19aとその両側のコロ軸片19b、さらにその外側のコロ軸片19cからなっており、コロ軸片19cの両端がそれぞれ軸支片21に軸支されている。
【0022】
また、両端をカセット2、またはコロ軸片19cに固定されたスプリング22が各コロ軸片19a、19b、19cの中空部を貫通して設けられており、自然状態ではコロ軸片19a、19b、19cが一本の軸となるようにその強さを設定されている。
【0023】
給紙コロ4を矢印A方向に引っ張ると、スプリング22が伸び、隣接するコロ軸片19aと19b、また19bと19cが離れるので、給紙コロ4を容易に持ち上げることができる。給紙コロ4を離すと、スプリング22の縮む力で、各コロ軸片19a、19b、19cは元の一本の状態に戻る。各コロ軸片19a、19b、19cの連結部分は、回転運動を伝達する都合上、図3(b)に示すように互いにかみ合う構造とする。
【0024】
図4はコロ軸揺動機構の一例を示す斜視図である。
後側の軸支片21aには、軸支溝21a−1の他、その上部に遊嵌溝21a−2が連続して形成されている。また前側の軸支片21bには、軸支溝21b−1の他、水平方向に延びる逃げ溝21b−2が連続して形成されている。
【0025】
通常は両軸受け20a、20bがそれぞれ軸支溝21a−1、21b−1に嵌合されているが、コロ軸19を揺動させる場合、後側の軸受け20aを遊嵌溝21a−2に移動すると、遊嵌溝21a−2と軸受け20a間にガタが生じるので、その状態で前側の軸受け20bを逃げ溝21b−2内で自由に移動させることができる。
【0026】
即ち、コロ軸19は後側の軸支片21aを支点として前側の軸支片21bの逃げ溝21b−2内で矢印B方向に移動することができるので、給紙コロ4を移動させることができる。
【0027】
図5はコロ軸取り外し機構の一例を示す斜視図である。
この例では、後側の軸支片21aに開放部21a−3を設け、前側の軸支片21bにも同様に開放部21b−3を設けている。そのためコロ軸19をこの開放部21a−3、21b−3から矢印C方向に容易に取り外して給紙コロ4を移動させることができる。
【0028】
図6は給紙コロへの作用力を説明するための図である。
給紙コロ4とコロ軸19は左回転し、用紙を右上方向に送り出す。そのため、反作用で給紙コロ4、コロ軸19には左下方向(矢印D方向)へ行こうとする力が加わる。従って、図4、図5のような構成であっても、軸受け20が外れたり、給紙動作に不具合が発生したりすることはない。
【0029】
図7は用紙のセット性が向上する様子を示す説明図である。
前述のように給紙コロ4を所定の位置(実線位置)から外部(破線位置)に移動させる(退避させる)ことができ、用紙束Pをカセット2の上方からカセット2内にセットする際、給紙コロ4が邪魔にならないので、用紙をくぐらせたり屈曲させたりすることなく、真上からのセットが可能になる。即ち、容易に用紙をセットすることが可能となる。
【0030】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、給紙コロを引っ張るとスプリングが伸び、隣接するコロ軸片同士が離れるので、給紙コロを容易に持ち上げる(退避させる)ことができる。従って、給紙コロが邪魔にならないので、用紙をくぐらせたり屈曲させたりすることなく、真上からのセットが可能になる。即ち、容易に用紙をセットすることが可能となる。
【0031】
請求項2記載の発明によれば、コロ軸が一方の軸支点を中心に揺動するので、給紙コロを容易に移動させることができる。従って、給紙コロが邪魔にならないので、用紙をくぐらせたり屈曲させたりすることなく、真上からのセットが可能になる。即ち、容易に用紙をセットすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置としてのプリンタの概略構成図である。
【図2】給紙装置の斜視図である。
【図3】コロ軸の一例を示す斜視図である。
【図4】コロ軸揺動機構の一例を示す斜視図である。
【図5】コロ軸取り外し機構の一例を示す斜視図である。
【図6】給紙コロへの作用力を説明するための図である。
【図7】用紙のセット性が向上する様子を説明するための図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
2 カセット
3 底板
4 給紙コロ
5 スプリング
17 サイドフェンス
18 エンドフェンス
19 コロ軸
19a、19b、19c コロ軸片
20(20a、20b) 軸受け
21(21a、21b) 軸支片
21a−1、21b−1 軸支溝
21a−2 遊嵌溝
21b−2 逃げ溝
21a−3、21b−3 開放部
22 スプリング

Claims (2)

  1. 有底枠体状のカセットと、カセットの先端部幅方向両端に形成された軸支片にコロ軸が支持される給紙コロとを有する給紙装置において、コロ軸が複数の中空のコロ軸片で構成され、かつコロ軸片の中空部には、これらのコロ軸片が互いに引き寄せられる方向に付勢されるスプリングが設けられていることを特徴とする給紙装置。
  2. 有底枠体状のカセットと、カセットの先端部幅方向両端に形成された軸支片にコロ軸が支持される給紙コロとを有する給紙装置において、軸支片の一方にはコロ軸が揺動するための逃げ溝が形成され、軸支片の他方にはコロ軸との間に間隙を設けるための遊嵌溝が形成されていることを特徴とする給紙装置。
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