JP4465928B2 - 内燃機関のノック制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノックセンサの出力を統計処理することによるノック判定と、ノックセンサの出力波形形状に基づいて実施するノック判定とを備える内燃機関のノック制御装置に係る。
【0002】
【従来技術】
一般的に、ノックコントロールシステムとは、つぎのような技術である。まず、エンジンの振動を検出するノックセンサからの電気的信号(以下、ノックセンサ出力信号と称する。)が、ある定められたレベルを(以下、ノック判定レベルと称する。)を越えた場合にノックが発生したものと判定する。このノックの判定結果によりノックが発生したと判定されると、点火時期を遅角してノックの発生を抑制し、ノックが発生していないと判定されると、点火時期を進角させて、点火時期を制御する。このとき、上述のように制御される点火時期は、所謂ノック限界付近に制御されるため、エンジンの燃費、出力特性を最大限に引き出すことができる。
【0003】
このようなノックコントロールシステムにおいては、内燃機関に発生するノックを精度良く検出することが、点火時期をノック限界付近に精度良く制御する上で重要な役割を果たす。このノックを検出する手法としては、従来より特公平6−60621号公報に開示される技術が知られており、また、我々が出願した特願2000−36462号の技術がある。
【0004】
特公平6−60621号公報に開示される技術では、ノックセンサからの出力値を統計処理することによりノックを判定するための判定値を補正し、この判定値に基づいて内燃機関の運転中に発生するノックを検出している。
【0005】
より詳細には、内燃機関の運転中にノックセンサから出力される出力値のなかで、内燃機関の1燃焼サイクル毎の最大値を検出し、検出した最大値Vを気筒毎に多数個サンプリングして最大値の度数分布を得る。そして、この最大値の母集団を対数変換する。このとき、ノックが発生している場合とノックが発生していない場合との2つに分類して対数変換されたそれぞれの分布を図5に示す。図5中の(a)はノックが発生していないときの分布である。すなわち、この図5中の(a)が1本の直線で表されることは、この分布が一つの正規分布に従っていることを意味する。また、図5中の(b)はある変曲点Pで傾きが変わっており、図5中の(b)が正規分布ではなく、ノック発生時特有の分布であることを示す。
【0006】
そして、この特性を利用して、ノックが何%の確率で発生しているかを判定し、ノックの発生確率に応じてノックを判定するための判定値を設定する。内燃機関に発生するノックの判定では、このようにして得られる判定値に基づいてノックが発生したか否かを判定する。すなわち、この特公平6−60621号公報に示される技術では、運転状態によって変化するノックセンサの出力値に応じて、適宜判定値が設定されるのである。
【0007】
また、特願2000−036462号に示されるノックを検出するための技術では、ノックセンサにより出力される出力信号から得られる波形形状から、ノック特有の波形形状を検出した場合にノックを検出している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特公平6−60621号公報に開示される技術では、ノックセンサの出力信号が、統計処理により設定される判定値を越えたものをノックであると判定しているので、判定値の設定が困難である。すなわち、判定値を出力値の変曲点付近に設定した場合、出力信号にノイズが重畳することでノックが発生していないにも係らず、ノックが発生したと誤判定する虞がある。
【0009】
また、特願2000−036462号に示される技術では、センサ出力が小さい領域では、複数のノイズが重なり合うことによりセンサ出力信号の波形形状がノックに似た波形形状を示すことによりノックが発生したと誤判定する虞がある。
【0010】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、内燃機関に発生するノックを精度良く検出することができる内燃機関のノック制御装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明によれば、内燃機関のノックを検出するためのノックセンサと、ノックセンサにより検出される出力信号を統計処理する統計処理手段と、統計処理手段による処理結果に基づいてノックの発生を判定する第1の仮判定手段と、ノックセンサにより検出される出力信号の波形形状に基づいてノックの発生を判定する第2の仮判定手段とを備え、第1の仮判定手段によるノック仮判定と第2の仮判定手段によるノック仮判定との結果に基づいて最終的にノックの発生を判定する最終ノック判定手段と、最終ノック判定手段による最終的なノック発生の判定結果に基づいて点火時期を制御する点火時期制御手段とを備える。更に、ノックセンサにより出力される出力信号の最大値を検出する第2の最大値検出手段と、ノックセンサにより出力される出力信号の波形形状が、第2の所定値以上となる期間を前記波形形状を判定する判定期間とする判定期間設定手段とを備え、第2の仮判定手段は、前記判定期間設定手段による判定期間と、最大値検出手段により前記判定期間中に検出される出力信号の最大値との比に基づいてノックの発生を仮判定する。
【0012】
これにより、従来技術の統計処理を用いたノック判定や波形形状を用いたノック判定のみを用いたノック発生の判定では、ノックの誤検出をしていた出力信号に対しても精度良くノックの発生を判定することができる。
【0013】
ところで、ノック判定を請求項1の発明に開示する如く、2つのノック仮判定により行なう場合には、ノック判定のための演算負荷が大きくなることが予想される。そこで、請求項2の発明のように、最終ノック判定手段は、第1のノック仮判定手段によってノックが発生したと仮判定された場合に、第2の仮判定手段によりノック仮判定を実施する。
【0014】
これにより、第1のノック仮判定手段がノックであるとの仮判定を行なった場合にのみ、第2のノック仮判定を実施するので、ノックを精度良く判定することと共に、演算負荷が大きくなることも防止される。
【0015】
また、請求項3の発明のように、最終ノック判定手段は、第1の仮判定手段によるノック仮判定結果と、第2の仮判定手段によるノックか理論空然比判定結果とが両方ともノックであると仮判定した場合に、最終的にノックが発生したと判定する。
【0016】
これにより、第1の仮判定手段ではノイズをノックであると誤検出し易い出力信号であっても、第2の仮判定手段では、ノックとノイズを精度良く判定することができ、第2の仮判定手段ではノイズをノックであると誤検出し易い出力信号であっても第1の仮判定手段ではノイズとノックとを精度良く判定することができるので、精度良くノックを検出することができる。
【0021】
また、請求項の発明では、内燃機関のノックを検出するためのノックセンサと、前記ノックセンサにより検出される出力信号の波形形状に基づいてノックの発生を判定する第2の仮判定手段と、ノックセンサにより検出される出力信号の周波数分析を行う周波数分析手段と、周波数分析手段による出力信号の分析結果に基づいてノックの発生を判定する第3の仮判定手段と、第2の仮判定手段に基づいた判定結果と、第3の仮判定手段に基づいた判定結果とに基づいて最終的にノックの発生を判定する最終ノック判定手段と、最終ノック判定手段による最終的なノック発生の判定結果に基づいて点火時期を制御する点火時期制御手段とを備える。更に、ノックセンサにより出力される出力信号の最大値を検出する第2の最大値検出手段と、ノックセンサにより出力される出力信号の波形形状が、第2の所定値以上となる期間を前記波形形状を判定する判定期間とする判定期間設定手段とを備え、第2の仮判定手段は、前記判定期間設定手段による判定期間と、最大値検出手段により前記判定期間中に検出される出力信号の最大値との比に基づいてノックの発生を仮判定する。
【0022】
これにより、従来技術の統計処理を用いたノック判定や波形形状を用いたノック判定のみを用いたノック発生の判定では、ノックの誤検出をしていた出力信号に対しても精度良くノックの発生を判定することができる。
【0023】
さらに、請求項の発明によれば、内燃機関のノックを検出するためのノックセンサと、ノックセンサにより検出される出力信号を統計処理する統計処理手段と、統計処理手段を用いてノックの発生を判定する第1の仮判定手段と、前記ノックセンサにより検出される出力信号の波形形状に基づいてノックの発生を判定する第2の仮判定手段と、ノックセンサにより検出される出力信号の周波数分析を行う周波数分析手段と、周波数分析手段による出力信号の分析結果に基づいてノックの発生を判定する第3の仮判定手段と、第1の仮判定に基づいた判定結果と、第2の仮判定手段に基づいた判定結果と、第3の仮判定手段に基づいた判定結果とうち少なくともいずれか2つ以上の判定結果に基づいて最終的にノックの発生を判定する最終ノック判定手段と、最終ノック判定手段による最終的なノック発生の判定結果に基づいて点火時期を制御する点火時期制御手段とを備える。更に、ノックセンサにより出力される出力信号の最大値を検出する第2の最大値検出手段と、ノックセンサにより出力される出力信号の波形形状が、第2の所定値以上となる期間を前記波形形状を判定する判定期間とする判定期間設定手段とを備え、第2の仮判定手段は、前記判定期間設定手段による判定期間と、最大値検出手段により前記判定期間中に検出される出力信号の最大値との比に基づいてノックの発生を仮判定する。
【0024】
これにより、従来技術の統計処理を用いたノック判定や波形形状を用いたノック判定のみを用いたノック発生の判定では、ノックの誤検出をしていた出力信号に対しても精度良くノックの発生を判定することができる。
【0025】
請求項の発明によれば、最終ノック判定手段は、第1の仮判定手段による仮判定結果と、第2の仮判定手段および/または第3の仮判定手段によるノック仮判定結果とがノックが発生したと判定したときに最終的にノックが発生したと判定する。
【0026】
これにより、第1の仮判定手段ではノイズをノックであると誤検出し易い出力信号であっても、第2の仮判定手段および/または第3の仮判定手段では、ノックとノイズを精度良く判定することができ、第3の仮判定手段ではノイズをノックであると誤検出し易い出力信号であっても第1の仮判定手段ではノイズとノックとを精度良く判定することができるので、精度良くノックを検出することができる。
【0027】
請求項の発明によれば、ノックセンサによる所定区間の出力信号における最大値を検出する第1の最大値検出手段と、最大値検出手段により検出された複数個の最大値を対数変換することにより得られる分布形状に基づいて第1の判定値を設定する第1の仮判定値設定手段とを備え、第1の仮判定手段は、第1の仮判定値設定手段により設定される判定値と前記ノックセンサにより検出される出力信号とに基づいてノックの発生を仮判定する。
【0028】
これにより、ノックセンサからの出力信号の最大値Vが、統計処理により設定された判定値付近である場合に、この最大値Vが統計処理を用いた仮判定にてノックであると判定されても、この出力信号の最大値Vは、統計処理を用いた仮判定の判定値以上であるためセンサ出力領域としては小さな領域の信号ではない。すなわち、たとえば、波形形状プログラムによるノック仮判定によって精度良くノック信号なのかノイズ信号なのかを判定できるセンサ出力の領域であるので、統計処理プログラムのみではノックなのかノイズなのか判定することが困難な出力信号に対しても精度良くノックの発生を判定することができる。
【0029】
逆に、波形形状を用いたノック仮判定において、ノックセンサ6からの出力信号が小さい場合でも、統計処理を用いたノック仮判定により、統計処理によって設定される判定値を越えないとノックであるとは判定されないため、波形形状を用いたノック判定のみでは誤判定しやすいノック信号の小さな領域であってもノックが発生していないにも係らずノックであると誤判定することが防止できる。
【0031】
請求項の発明によれば、ノックセンサにより出力される出力信号を所定時間毎にA−D変換しs時系列に蓄積するA−D変換手段と、A−D変換手段に所定ポイントのA−D変換値が蓄積される毎に繰り返して周波数分析を実行する周波数分析手段と、周波数分析手段により複数回実行された周波数分析を加算する加算手段とを備え、第3の仮判定手段は、前記加算手段の結果からノックとノイズを分離してノックの発生を仮判定する。
【0032】
【実施の形態】
<第1の実施の形態>
本発明を具体化した本実施の形態について、以下に図面を用いて説明する。図1は本発明の概略構成図である。図1において、1は4気筒4サイクルエンジン、2はエアクリーナ、3はエンジンの吸入空気量を検出し、検出した吸入空気量に応じた信号を出力するエアフローメータ、4はスロットル バルブ、5はエンジンの基準クランク角度位置(たとえば上死点)を検出するための基準角センサ5Aと、エンジンの一定クランク角度毎に出力信号を発生するクランク角センサ5Bを内蔵したディストリビュータである。6はエンジンのノック現象に対応したエンジンブロックの振動を圧電素子式(ピエゾ素子式)、電磁式(マグネット、コイル)等によって検出するためのノックセンサである。9はエンジンの冷却水温に応じた信号を発生する水温センサ、12はスロットルバルブ4が全閉状態であるときに信号を出すための全閉スイッチ(アイドルスイッチ)、13はスロットルバルブ4がほぼ全開状態であるときに信号を出力するための全開スイッチ(パワースイッチ)、14は排気ガスの空燃比(A/F)が理論空燃比に比べて濃い(リッチ)か薄い(リーン)かに応じて出力信号を発生するO2センサである。
【0033】
8は前記各センサ及び各スイッチからの入出力信号状態に応じてエンジンの点火時期や空燃比等を制御するためのエンジンコントロールユニット(以下、ECUと称する)、10はECU8から出力される点火時期制御信号を受けてイグニションコイルへの通電遮断を行うイグナイタ及びイグニションコイルである。イグニションコイルで発生した高電圧はディストリビュータ5の配電部を通して適切な時期に所定の気筒の点火プラグに印加される。11はECU8で決定された燃料噴射時間(τ)に基づいて吸気マニホルドに燃料を噴射するためのインジェクタである。
【0034】
次にECU8の詳細構成および動作を図2にしたがって説明する。図2において、6はエンジン1のシリンダブロックに取り付けられ、エンジン1に発生する振動波形信号を検出し電気信号に変換する振動ピックアップとしてのノックセンサであり、このノックセンサ6としては広周波数帯域の振動波形信号を検出するための非共振型センサが用いられる。ノックセンサ6からの信号、折り返し雑音防止用として20KHz以上の周波数成分を除去するためのローパスフィルタ(Low Pass Filter:低周波数帯域通過フィルタ;以下、LPFと称する)21、ノック信号と関係のない1KHz以下の周波数成分を除去するためのハイパスフィルタ(High Pass Filter:高周波数帯域通過フィルタ;以下、HPFと称する)22を介してゲイン切替器23に入力される。
【0035】
ゲイン切替器23は入力された信号を適切な大きさに調整する16ビットA/D変換器相当の広いダイナミックレンジを有する。ゲイン切替器23からの信号は高速乗算処理可能なディジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor;以下、DSPと称する)30に入力される。このDSP30は、A/D(アナログ−ディジタル)変換器31及びパラレルI/O(以下、PiOと称する)32,33を備え、ゲイン切替器23に対するゲイン切替信号によるゲイン選定と後述のマイクロコンピュータ40との通信を行なうものである。
【0036】
マイクロコンピュータ40からエンジンのクランクシャフト(図示略)の基準信号として#1気筒判別信号がDSP30に入力され、DSP30から後述のようにノック発生の有無が判定されたノック判定信号が、マイクロコンピュータ40に入力される。なお、#1気筒以外の他の気筒についてはカウンタを用いて算出される。この他、マイクロコンピュータ40にはエンジン1の、クランク角センサ(図示略)、エアフロメータ3、水温センサ9等からの各種センサ信号のうちディジタル信号はそのまま、アナログ信号はA/D変換器41を介してディジタル信号に変換されて、それぞれ入力される。これらの入力信号に基づいてマイクロコンピュータ40にて点火時期、燃料噴射量等が演算され、ノック判定信号に応じた補正が実行される。
【0037】
ここで、マイクロコンピュータ40は、周知の各種演算処理を実行する中央処理装置としてのCPU、制御プログラムを格納したROM、各種データを格納するRAM、B/U(バックアップ)RAM、入出力回路およびそれらを接続するバスライン等からなる論理演算回路として構成される。
【0038】
以下、このような構成において行われる本実施の形態のノック検出方法を図面を用いて詳述する。まず、図13のフローチャートは、ノックを最終的に判定するためのメインのルーチンである。この最終判定では、後述する統計処理を用いたノック仮判定と、ノックの波形形状からノック判定を行なうノック仮判定とに基づいて最終ノック判定を行なう。
【0039】
まず、ステップS1000では、統計処理でノック仮判定が行なわれたか否かが判定される。そして、行われていなければそのまま本ルーチンを終了する。一方、統計処理を用いたノック仮判定が行われていれば、ステップS1100へ進み、波形形状を用いたノック仮判定が行なわれたか否かが判定される。ここで、仮判定が行なわれていなければ、そのまま本ルーチンを終了する。一方、波形形状を用いたノック仮判定が行なわれていれば、ステップS1300へ進む。
【0040】
ステップS1200では、これら後述する2つのノック仮判定が行われたことを受けて、2つのノック仮判定の結果に基づいて最終的なノック判定を行なう。ノックの最終的な判定手法としては、統計処理でのノック仮判定結果と、波形形状を用いたノック仮判定結果とが、両者ともノックであると判定されたときのみ内燃機関にノックが発生していると判定する。そして、この最終的なノック判定結果に基づいてステップS1300では、点火時期演算を実施する。この点火時期の演算は、図29のフローチャートに示される。
【0041】
まず、図29のステップS1301では、エンジン回転速度Neと内燃機関の負荷として例えば吸入空気量とから基本点火時期をマップ等を用いることにより演算する。そして、ステップS1302では、遅角量演算を行う。この遅角量の演算は、図13のステップS1200にて行われた最終的なノック判定の結果に基づいて行う。すなわち、最終的なノック判定結果がノックが発生したと判定された場合にのみ、遅角量を演算する。この遅角量の演算は、従来より知られる方法でよく、たとえば、運転状態に応じた所定遅角量をマップにより演算する方法で良い。遅角量の演算が行われると、つぎに、ステップS1303にて、最終的な点火時期を算出する。最終的なノック判定結果によりノックが発生であるときには、点火時期は、ノック判定の結果を反映した点火時期が設定され、ノックが発生していないと判定されるときには、ノックによる点火遅角が行われない点火時期が設定される。
【0042】
つぎに、統計処理を用いた仮判定と、波形形状を用いた仮判定との各ノック仮判定について、詳述する。まず、統計処理を用いた仮判定のプログラムについて説明する。
【0043】
[統計処理プログラム]
最初に統計処理を用いたノック仮判定の原理について説明する。本プログラムは、大きく分けて次の2つの部分より成立っている。第1は、ノック信号の情報により、ノック判定レベルを適正値に補正するための基本的なアルゴリズムの提示である。すなわち、ノックセンサの1サイクル毎の最大値を対数変換し、これを多数サンプリングして得られた分布形状から現在のノック判定レベルの適否を判断し、望ましい方向へノック判定レベルを補正するという基本的なアルゴリズムの提供である。
【0044】
第2は、この基本的なアルゴリズムを利用し、それをより簡単に、より低コストで実現するための実際的な方法及び装置の提供である。すなわち、基本的なアルゴリズムから引き出された結論に基づくことで、センサ信号を必ずしも対数変換する必要はなく、掛算および割算によってこのアルゴリズムを置換することができ、従って処理をより簡単化することができる。しかも、この第2の項目の中には、多数のRAM容量(データの一時記憶場所)を使用せずにセンサ信号の多サイクル分布形状を知り得る方法が含まれている。
【0045】
まず、本発明の技術的論拠について説明する。一般に、定常運転状態におけるエンジン燃焼時のノックセンサ出力信号の所定区間における最大値(ピーク値)Vを気筒別に多数個サンプリングしてできる度数分布は図3のようになる。この分布を上側確率を縦軸とした累積分布に書き直したものが図4である。
【0046】
この累積分布をさらに図4のように書き直すことにより、最大値Vの分布が持つ特有の性質について次に説明する。
【0047】
図5において、縦軸はノックセンサ出力信号の最大値Vを対数変換した値Log(V)である。同図横軸は正規分布表により、累積分布の上側%点(上側確率がその%値となる点)を正規分布における偏差と標準偏差の比uに対応させたものである。
【0048】
すなわち、横軸uは次式で定義される。
Figure 0004465928
【0049】
ここで、x=Log(V)
μ=Log(V50)(すなわちLog(V)の平均値)
σ=σ(x)(すなわちLog(V)の標準偏差)
この定義式(1)を図5に対応させると、図5の直線の傾きがσに相当し、u=0におけるLog(V)の値(V50は、上側確率が50%の点)がμに相当する。図3のような累積分布を図4の座標に従って書き直すには、例えば(上側)5%点のデータがV5であったとすれば正規分布表よりu=1.6を求め、(1.6、Log(Vs))という点をプロットするという作業を各%点について行えばよい。
【0050】
図5中(a)、(b)はそれぞれノックが全く発生していない時及びノックがある頻度で発生している時のLog(V)の分布を示すものである。(a)が1本の直線で表されることは、この分布が一つの正規分布に従っていることを意味する。また、(b)はある変曲点Pで傾きが変わっており、この分布が異なる2つの正規分布よりなっていることがわかる。
【0051】
また、(b)において変曲点Pより左側の直線の傾きは(a)の傾きとほとんど変わらず、右側の直線の傾きは(a)の傾きより2倍程度大きい。そして、変曲点Pはノックの発生頻度が大きいほど図の左側へ移る。これらのことから(a)及び(b)の変曲点Pより左側の分布はノックが発生していない正常燃焼時特有の分布であり、(b)の変曲点Pより右側の分布はノック発生時特有の分布であると考えられる。
【0052】
これら2つの傾きは後者の方が前者より2倍程度大きいので、毎点火ノックが発生しているような状態では、分布が後者の傾きを持つ正規分布になると考えられるが、その分布をノックが発生していない時の分布と誤認することはない。
【0053】
以上のような理由によりノックセンサ出力信号の最大値Vを対数変換した値Log(V)の分布からノックの発生状態を判断することができる。こうして、確かにLog(V)よりノックの発生状態を判断することはできるのであるが、対数変換器のような高価な装置を必要としたり、また、Log(V)の分布を把握するのに長い時間と多数のRAMを要するので、さらに工夫する必要がある。
【0054】
そこで、前述したLog(V)の分布形状の特性を利用してノック判定レベルを補正するための簡単な方法として次のような方法を用いる。まず、ノックがまったく発生していない時の分布は上述のごとく図6(a)のようになる。ここで、例えば分布の10%点、50%点、90%点の値をそれぞれV10、V50、V90とすると、Log(V10)−Log(V50)=Log(V50)−Log(V90)なる関係式が成り立つ。この式は次のように変換することができる。
【0055】
V10/V50=V50/V90 …(2)
また、ノックは発生しているが、その頻度が小さい時には図6(b)のようになり、(2)式は成り立つ。しかし、ノックが頻繁に発生している時の分布は図6(c)のようになり、
V10/V50>V50/V90 …(3)
となる。すなわち、言い換えればV10、V50、V90の関係が(2)式のようであればノックの発生頻度は小さすぎると判断し、逆に(3)式のようであればノックの発生頻度が大きすぎると判断することができる。
【0056】
次にV10、V50、V90の簡単な求め方について説明する。例えば今回とりこまれた最大値Vに対して、V>V10ならばΔV10を設定値としてV10=V10+9×ΔV10、V<V10ならばV10=V10−1×ΔV10というようにV10の変化量の比を9倍にすることにより、V10は分布の上位10%点に一致するような値となる。すなわち、もし、V10が今、実際に上位10%点の値であれば、V>V10なる確率は0.1であり、V<V10なる確率は0.9であるので、とりこまれるVに対してV10の変化量の期待値は9×0.1−1×0.9=0となり、今の値に安定する。また、V10が今上位10%点の値より小さく、例えば上位20%点の値であったならば、V>V10なる確率は0.2であり、V<V10なる確率は0.8であるので、V10の変化量の期待値は1.8−0.8=1となり、V10は大きくなる方向へ変化し上位10%点の値に落ち着く。同様にV10が今上位10%点の値より大きな時はV10の変化量の期待値は負となり、小さくなる方向へ変化し上位10%点の値に落ち着く。
【0057】
また、V50についてはV>V50の場合とV<V50の場合の変化量の比を1倍にすればよく、V90については1/9倍にすればよい。この方法を使えば分布の任意の%点の値を簡単に求めることができる。また、それぞれの変化量は一定の値とするよりもノックセンサ出力に応じた値である方がよい。例えばV50は次のようにして求めてもよい。ΔV50をVとV50の差の平均とし、随時、ΔV50=(3×ΔV50+|V−V50|)/4と求め、V>V50ならばV50=V50+ΔV50/4、V<V50ならばV50=V50−ΔV50/4とする。
【0058】
このようにして求められたV10、V50、V90について、例えば128サイクルごとにV10/V50とV50/V90の値を算出して、その大小関係によりノックの発生状態を判断してノック判定レベルを補正すれば、正確なノック判定レベルを作成することができる。また、ノックの発生頻度が小さい場合のV10とV50の比はエンジン条件、エンジン機種が変わってもあまり変わらないので、V10とV50の比がある所定値(例えば、ノックが発生していない時のV10とV50の比より少しだけ大きな値)になるようにノック判定レベルを補正する方法も有効である。
【0059】
また、Log(V)の分布形状の特性を利用してノック判定レベルを補正するために、次のような方法も有効である。この方法は、例えば最大値Vの分布の中央値V50を求め、ある定数をK0として、VがV>K0×V50なる確率とV<V50/K0なる確率がノックが発生している時と発生していない時とでは異なることを利用した方法である。
【0060】
ノックがまったく発生していない時及びノックの発生頻度が小さい時のLOG(V)の分布はそれぞれ図7(a)、(b)のようになる。このような状態ではV50/K0<V<K0×V50の範囲内でLog(V)の分布の直線性が保たれているためV>K0×V50なる確率とV<V50/K0なる確率は等しい。同図の例ではともに2%である。
【0061】
逆にノックが頻繁に発生している時のLog(V)の分布は同図(c)のようになり、V>K0×V50なる確率はV<V50/K0なる確率より大きくなる。同図の例ではそれぞれ16%、2%である。すなわち、V>K0×V50なる確率とV<V50/K0なる確率によりノックの発生状態を判断することができるわけである。また、ノックが発生していない時にV>K0×V50なる頻度はエンジン条件、エンジン機種によりあまり変わらないので、この頻度がある所定値(ノックが発生していない時にV>K0×V50となる頻度より少しだけ大きな値)になるようにノック判定レベルを補正する方法も有効である。
【0062】
さらに以上に述べた方法において、ノック判定レベルを、Vの分布のある%点の値に四則演算を施して、例えば、K×V50として作成してもよい。
【0063】
以上、統計処理による仮ノック判定の目的、根拠及び基本原理を説明したので、次にこの統計処理によるノック判定方法を実現するためプログラムを説明する。
【0064】
図8のフローチャートを例としてノック仮判定及びノック判定レベルの補正について説明する。まず、エンジンが起動し点火時期演算の割り込みが行われると、割り込みがスタートされる。まず、ステップS100では、ノックセンサ出力信号の所定区間内における前述の最大値Vが気筒別に読み込まれ、ステップS300へ進む。ステップS300では、最大値Vの分布の前記%点が算出される。ステップS300の処理内容は後に詳細に説明する。
【0065】
次に、ステップS400でエンジンの状態がノックコントロールを行う状態であるか否かをエンジンの負荷等から判断し、NOの場合はそのまま本ルーチンを終了する。ステップS400にて、YESと判断された場合はステップS500へ進み、気筒別のノック判定レベルVrefを、例えば前述のように、
Vref=K×V50
なる演算式より求める。ステップS600で最大値V>Vrefならばノックが発生したものと仮判定して、ノックフラグを“H”にセットする。そして、ステップS900へ進みノック判定レベルの補正が行われて本ルーチンを終了する。このステップS900の処理内容は後に詳細に説明する。
【0066】
以上、本発明を実施するためのノック判定及びノック判定レベルの補正の全体的な流れを説明したので、次に図9、10のフローチャートにより、ノックセンサからの出力値Vの分布の%点を算出するステップS300及びノック判定レベルを補正するステップS900について説明する。
【0067】
図9に示したフローチャートは、Vの分布の10%点、50%点、90%点という3つの%点の値の比の関係より、ノック判定レベルを補正する方法であり、図8のステップS300のサブルーチンである。また、同様に図10は図8のステップS900のサブルーチンとなっている。
【0068】
まず、図9のフローチャートにてステップS301で今回読み込まれたノックセンサからの出力信号の最大値Vと出力信号Vの分布の10%点の値を求めるためのV10(気筒別にRAMに格納されている)とについて、V>V10の判断を行い、YESの場合はステップS302へ進み、前述のようにV10=V10+9×V10とし、NOの場合はステップS303へ進み、V10=V10−ΔV10とする。こうすることによりV10は分布の上位10%点の値に落ち着く。次にステップS304へ進み、V>V50を判定しYESの場合はステップS305へ進み、V50=V50+ΔV50とし、NOの場合はステップS306へ進み、V50=V50−ΔV50とする。
【0069】
こうすることによりV50は分布の中央値に落ち着く。次にステップS307へ進み、V>V90の判定を行いYESの場合はステップS308へ進み、V90=V90+ΔV90とし、NOの場合はステップS309へ進み、V90=V90−9×ΔV90とする。こうすることによりV90は分布の上位90%点に落ち着く。このようなステップで分布の%点の値が求められる。
【0070】
次に、図8のフローチャートのステップS900の処理のサブルーチンとして、図10のフローチャートについて説明する。まず、ステップS901にてエンジン回転速度Ne、エンジン負荷Q/Neの変動により、エンジンが定常運転状態であるか否かを判定する。ここで、NOと判定される場合はステップS906へ進む。ステップS901においてYESと判定される場合はステップS902へ進み、各気筒の燃焼サイクルをカウントするカウンタNに対して、N=N+1としてサイクル数をカウントする。ステップS903では、運転状態として定常状態が所定のサイクル数Noだけ続いたか否かを判定する。ここで、YESと判定されると、ステップS904へ進み、V10/V50>V50/V90の判断を行う。一方、NOと判定される場合は、図8のフローチャートに戻りそのままルーチンを終了する。
【0071】
ステップS904でYESと判断された場合は、ステップS905へ進み、ノック判定レベルを設定値ΔVに対しVref=Vref−ΔVとし、NOと判断された場合はステップX−15へ進み、Vref=Vref+A×ΔVとする。ここで、Aには1より大きな値を設定しておく。
【0072】
このようにノック判定レベルVrefを小さくなる方向へ補正する量ΔVより大きくなる方向へ補正する量A×ΔVを大きくする理由は、ノックの発生頻度が小さい時はステップS904においてYESと判断される確率とNOと判断される確率が等しくなるが、そのような場合にノック判定レベルが大きくなる方向へ補正されるようにするためである。こうしてノック判定レベルを補正して、ステップS906へ進み、前記カウント値Nを0にして、本ルーチンを終了する。
【0073】
以上、詳細に述べたように統計処理を用いた仮ノック判定プログラムでは、統計処理によってノックを判定するためのノック判定値を設定し、このノック判定値を越える出力値が検出されるとノックであると仮判定する。すなわち、ノックと判定される出力値は常に判定値以上の出力値であるために、出力信号の小さな領域にて得られる出力信号をノックであると仮判定することがない。
【0074】
[波形形状プログラム]
つぎに、波形形状によってノックの仮判定を行なうためのプログラムについて以下に詳述する。
【0075】
まず、ノックセンサ6からの振動波形信号に対してDSP30による積分・微分にて得られる3つの信号形状のそれぞれの特徴について、図11のタイムチャートを用いて説明する。ここで、図11(a)はノック信号Sknock、図11(b)は機械ノイズ信号SFnoise、図11(c)は電気ノイズ信号SEnoiseを示す。
【0076】
図11(a)に示すノック信号Sknockは、エンジン1の燃焼室内の燃料の自己着火により発生する。このため、ノック信号Sknockは信号初期に大きな出力が現れたのち燃焼室内の圧力共振により徐々に減衰するという特徴を有する。すなわち、ノック信号Snockでは、所定の信号有無判定レベルSthを越える比較的長い発生期間SDに対して大きなピーク値SPが早めのピーク発生時間SPTにて現れている。なお、信号有無判定レベルSthによって信号の発生期間SDの長さが決まるのではなく、信号形状が分かれば良いのであるから信号有無判定レベルSthの学習精度はそれほど良くなくてもよい。
【0077】
また、図11(b)に示す機械ノイズ信号SFnoiseは、エンジン1の個々の部品間の摩擦、すなわちフリクションノイズにより発生する。つまり、回転体では摩擦圧力が徐々に増加し、徐々に減衰するために、機械ノイズ信号SFnoiseも同様に遷移するという特徴を有する。すなわち、摩擦による機械ノイズ信号SFnoiseでは、所定の信号有無判定レベルを越える発生期間SDに対して小さなピーク値SPが発生期間SDの中央付近となるピーク発生時間SPTにて現れる。
【0078】
さらに、図11(c)に示す電気ノイズ信号SEnoiseは、電気負荷のオン/オフにより瞬時に発生する。このため電気ノイズ信号SEnoiseは信号立ち上がり及び立ち下がりにて、その勾配が急峻であるという特徴を有する。すなわち、電気ノイズ信号SEnoiseでは、所定の信号有無判定レベルSthを越える短い発生期間SDに対して大きなピーク値SPが短いピーク発生時間SPTにて現れる。なお、打音による機械ノイズ信号SSnoiseは電気ノイズ信号SEnoiseと同様な信号形状を有する。
【0079】
以上のように、ノック信号とノイズ信号とは上述のような特性の波形形状をそれぞれ示す。以下では、DSP30により実施される前述の波形形状の特性を利用した波形形状プログラムを図12のフローチャートを参照して詳細に説明する。なお、このノック発生の仮判定ルーチンはマイクロコンピュータ30からの基準位置信号および#1気筒判別信号に基づくエンジン1の1燃焼サイクル毎にDSP30にて繰り返し実行される。
【0080】
図12において、ステップS1001では、ノックセンサ6からの振動波形信号に対して得られた信号形状におけるピーク値SPと発生期間SDとの比(SP/SD)がノック判定のため予め設定された所定値K1(下限値)と所定値K2d(上限値)との範囲内にあるかが判定される。すなわち、ステップS1001の判定処理では、ノックセンサ6からの振動波形信号が図11に示す3つの波形形状のうちの何れの波形形状であるかが判定されるのである。ステップS1001の判定条件が成立、すなわち、K1<(SP/SD)<K2の不等式が成立するときには発生期間SDに対するピーク値SPが図10(a)に示すノック信号Sknockに特有の関係にあるといしてステップS1002へ進む。そして、ステップS1002では、ノック発生ありとして波形形状プログラム用のノック仮判定フラグが「1」にセットされて本ルーチンを終了する。
【0081】
一方、ステップS1001の判定条件が成立せず、すなわち、K1<(SP/SD)<K2の不等式が成立しないときにはステップS1003に進む。ステップS1003では、ノック発生なしとして前述の仮判定フラグに「0」をセットして本ルーチンを終了する。ここで、(SP/SD)≦K1の不等式が成立するのは、ピーク値SPが小さく発生期間SDが長いときであり、図11(c)に示す電気ノイズ信号SEnoise、または打音による機械ノイズ信号SSnoiseであると分かる。
【0082】
以上のように本実施の形態では、統計処理プログラムによるノック仮判定と、波形形状プログラムによるノック仮判定とを用いて、それぞれの仮判定にてノックが発生したと判定されるた場合にのみ、最終的にノックが発生したと判定する。このように判定することで、統計処理プログラムや波形形状プログラムのみを用いたノック判定ではノックの誤検出をしていた出力信号に対しても精度良くノックの発生を判定することができる。
【0083】
つまり、ノックセンサ6からの出力信号の最大値Vが、統計処理により設定された判定値付近である場合に、この最大値Vが統計処理プログラムの仮判定にてノックであると判定されても、この出力信号の最大値Vは、統計処理プログラムの判定値以上であるためセンサ出力領域としては小さな領域の信号ではない。すなわち、波形形状プログラムによるノック仮判定によって精度良くノック信号なのかノイズ信号なのかを判定できるセンサ出力の領域であるので、統計処理プログラムのみではノックなのかノイズなのか判定することが困難な出力信号に対しても精度良くノックの発生を判定することができる。
【0084】
逆に、波形形状プログラムによるノック仮判定において、ノックセンサ6からの出力信号が小さい場合でも、統計処理プログラムによるノック仮判定により、統計処理によって設定される判定値を越えないとノックであるとは判定されないため、波形形状プログラムでは誤判定しやすいノック信号の小さな領域であってもノックが発生していないにも係らずノックであると誤判定することが防止できる。
【0085】
なお、本実施の形態では統計処理プログラムと波形形状プログラムとの両仮判定を同時に行なっているが、例えば、統計処理プログラムの仮判定にてノックが発生したときのみ波形形状プログラムによってノック判定を行なっても良い。また、同様に、波形形状プログラムにてノックであると判定された場合にのみ、統計処理プログラムを起動させてノック判定を行なっても良い。
【0086】
以上のように、本実施の形態では、ノックセンサからの出力信号の最大値Vが、統計処理により設定された判定値付近である場合に、この最大値Vが統計処理を用いた仮判定にてノックであると判定されても、この出力信号の最大値Vは、統計処理を用いた仮判定の判定値以上であるためセンサ出力領域としては小さな領域の信号ではない。すなわち、たとえば、波形形状プログラムによるノック仮判定によって精度良くノック信号なのかノイズ信号なのかを判定できるセンサ出力の領域であるので、統計処理プログラムのみではノックなのかノイズなのか判定することが困難な出力信号に対しても精度良くノックの発生を判定することができる。
【0087】
逆に、波形形状を用いたノック仮判定において、ノックセンサ6からの出力信号が小さい場合でも、統計処理を用いたノック仮判定により、統計処理によって設定される判定値を越えないとノックであるとは判定されないため、波形形状を用いたノック判定のみでは誤判定しやすいノック信号の小さな領域であってもノックが発生していないにも係らずノックであると誤判定することが防止できる。
【0088】
本実施の形態において、統計処理手段は図9のフローチャートに、第1の仮判定手段は統計処理プログラムに、最終ノック判定手段は図13のフローチャートに、点火時期制御手段は図29のフローチャートに、それぞれ相当し機能する。
【0089】
<第2の実施の形態>
第1の実施の形態では、統計処理プログラムの仮判定と波形形状プログラムの仮判定とからノックの発生を判定した。本実施の形態では、統計処理プログラムの仮判定と後述する周波数解析プログラム(以下、FFTプログラムと称する)の仮判定とからノック発生を判定する。以下に、本実施の形態のノック判定を図14のメインルーチンを用いて説明する。
【0090】
まず、ステップS1000は統計処理プログラムでの仮ノック判定が行なわれたか否かが判定される。ここで統計処理プログラムについては、第1の実施の形態にて詳述したので説明を省略する。そして、仮ノック判定が行なわれていないと判定されるとステップS1300へ進み、点火時期演算処理を実施して本ルーチンを終了する。一方、ステップS1000にて統計処理プログラムによる仮ノック判定が行なわれていると判定されると、ステップS2002へ進む。
【0091】
ステップS2002では、後述するFFTプログラムによるノック仮判定が実施されたか否かが判定される。このFFTプログラムによるノック仮判定が行なわれていなければ、ステップS1300を経由して本ルーチンを終了する。一方、FFTプログラムによるノック仮判定が行なわれていれば、ステップS2003に進み、最終ノック判定を行う。最終ノック判定としては、統計処理プログラムによる仮判定と、FFTプログラムによる仮判定とがノックであると判定された場合にのみ最終的な判定としてノックが発生しているとする。そして、ステップS1300にてこの結果を点火時期制御に反映して本ルーチンを終了する。
【0092】
つぎに、前述のFFTプログラムによる仮ノック判定について図面を用いて説明する。
【0093】
[FFTプログラム]
まず始めにFFT(高速フーリエ変換による周波数分析)を用いてノック判定を行なうための物理的論拠を説明するために、ノック現象について説明する。ノックはシリンダ内の未燃焼ガスが燃焼ガスにより圧縮され自己着火し急速に燃焼することによってシリンダ内で共鳴する現象をいう。このノックを微少レベルで制御すればエンジンを破損することなく燃費を向上させることができる。特開平3−47449号の実施例に開示されている様に前述した共鳴はエンジンのボア径と音速で決まる固有周波数を持ち、シリンダ径方向の次数をn,周方向の次数をmとしたときの共鳴振動モードをPnmとすると、例えば図15(b)の様な周波数にノック成分が出ると予測される。
【0094】
しかし、実際のエンジンでノック発生周波数を分析してみると必ずしも図15(b)に示された周波数にノック成分が発生するとは限らない。図15(a)は図示しないエンジンブロックに取り付けたノックセンサからの信号の1点火分のノック発生時とノックなしの時の周波数分析結果を示したものである。ρ10とρ20に対応する振動モードは図15(b)から予想される値と一致するが、ρ01,ρ30はそれぞれ14.6KHz,16.0KHzに予想されるにも係わらず15.5KHz,16.5KHzにノック成分が発生している。ρ10,ρ20モードも別の点火サイクルでは同様にばらつくので点火毎にノック発生周波を検索することが必要である。
【0095】
次にノック判定方法について説明する。エンジンの燃焼実験から下記の知見が得られた。すなわち、ブロックに取付けられた振動センサでは各ノック発生周波数の出力がノック発生毎に異なるのである。このため各ノック発生周波数毎にノック検出しきい値を定めてノック判定するのが望ましい。
【0096】
次に、第1の実施の形態の図2の構成において特にDSP30の動作を図16のタイミングチャートにて説明する。図16のAは基準位置信号を示すものでその信号の立下りが各気筒のATDC−10°CAであり、それにより図16の時刻t1よりaの期間で基準位置割込み処理が実行される。図16のBはノック判定区間を示し、図16のb,cは時刻t2,t3より実行される後述する図17のタイマー1割込処理の期間を示している。図17のdは時刻t2より実行される後述する図18のタイマー2割込み処理の期間を示している。図16のeはメインルーチンで実行されるFFT等の処理期間を示している。
【0097】
まず、図16の時刻t1の基準位置信号の立ち下がりで基準位置割込み処理aが実行されてタイマー1にノック判定区間の開始時刻がfで示すようにセットされる。その結果、時刻t2の判定区間開始時刻になるとタイマー1割込み処理bが実行される。これにより、タイマー2にノック判定区間の終了時刻がgで示すように再セットされると共に、タイマー2割込み処理dが実行されてノック信号のA−D変換を開始する。この処理はタイマー2割込みを用いて20μsecに1回行われる。
【0098】
FFTはその原理上2n個の所定数のデータしか扱えない。従って、ここでは27=128個を単位としてFFTを行う。A−D変換された値は時系列に蓄積され、その数が128個に達すると図16のeのFFT1区間にて、区間AD1でA−D変換したノック信号データをFFTする。同時にA−D変換は区間AD2,AD3に続く。各区間AD1,AD2,AD3の区切は各区間AD1,AD2でのA−D変換データ数が128個である区切であるところのものであり、ノック判定区間中それらのA−D変換動作は同一かつ連続的に実行され、各A−D変換データが時系列に蓄積される。区間AD2でも同様にデータ数が128に達したら区間FFT2で2回目のFFTを行う。この2回目のFFT結果は1回目の結果に加算する。
【0099】
そしてノック判定区間が終了すると、メインルーチンにてFFT終了後に、1回のノック判定区間における各FFTの加算結果に基づいて点火1回毎にノック発生周波数を検索してノック強度を判定し、その結果をマイクロコンピュータ40に送る。なお、ノック判定区間は128ポイントのA−D変換終了と同時に終わらないのが普通であり、通常は図16の区間AD3の様に途中でA−D変換を打切る。この場合、残りのA−D変換ポイント部分はA−D変換入力が0であったと想定して128ポイントのFFTを実行する。
【0100】
また、前回のFFTが終了していないうちにノック検出区間が終了した時は前回のFFT終了を待って、次のFFTを実行する。以上の様に複数回のFFTの結果を加算する構成にすることで、ノック判定区間を自由に設定することができる。合わせて低回転時は全区間を1回のFFTで周波数分析するよりも少ない計算量で周波数を分析できる。
【0101】
図17〜図25はDSP30のプログラムの流れを示すフローチャートである。次に、図16の時刻t1において基準位置での角度割込により図18のステップS2040で示す基準位置割込プログラムが開始される。ここで、基準位置とはエンジンのクランク角度で各気筒の上死点前(BTDC)10°CAを示し、マイクロコンピュータ40内のCPUから送られてくる。まず、ステップS2050で気筒判別し、今回点火する気筒からノックセンサまでの距離に応じた値を出力する。この信号もマイクロコンピュータ40内のCPUから送られて来る信号で、♯1気筒の時のみ1となっており、他の気筒はカウンタを用いて算出する。ステップS2060は回転速度計算部分で、前回の基準信号から今回の基準信号までに要した時間を基に計算する。ステップS2070は前処理として入力ゲインの設定,フェイル判定とタイマ設定などを行う。ステップS2080で予めエンジン回転数に応じて設定してあるクランク角度まで待つためにタイマー1をセットする。ここで、通常ノックが発生するのは略上死点後(ATDC)15°CA〜ATDC70°CA程度なので、ステップS2080では少し前のATDC10°CA程度の値に対応する時刻をセットする。
【0102】
そして、ステップS2080で設定された時刻(図16のt2)になると図17のステップS2090で示すタイマー1割込みプログラムが開始される。まず、ステップS2091では後述するノック判定終了フラグが1であることによりノック判定区間開始であると判断してステップS2092へ進み、ノック判定区間終了フラグを0にする。次にステップS2093へ進んでタイマー1にATDC70°CA程度の値に対応する時刻を再セットした後ステップS2094へ進んでA−D変換を開始させるためのタイマー2をセットして起動させる。その後ステップS2095へ進んでメインルーチンを起動させる。
【0103】
また、タイマー1の再セット時刻(図16のt3)になると再度図17のステップS2090で示すタイマー1割込プログラムが開始される。今度は、ステップS2091ではノック判定終了フラグが0であることによりノック判定終了区間であると判断してステップS2096へ進み、ノック判定区間終了フラグを1にした後、ステップS2097へ進んでタイマー2の作動を停止させてA−D変換を終了させる。
【0104】
次に、図19に示すタイマー2割込ステップS2097について説明する。このタイマー2割込みは20μsec毎に実行される。まず、ステップS2099でA−D変換器41によるノック信号のA−D変換を開始させた後ステップS100へ進んでA−D変換器31によりA−D変換された値をDSP30に取込んだ後、ステップS2101へ進んで、この取込んだA−D変換値をDSP30中の図示せぬRAMに時系列に格納して蓄積する。
【0105】
図20は図19のステップS2070の前処理を示すもので、まず、ステップS2071で、入力信号が適切な大きさになるようにゲイン切替器23のゲインを調整する。次にステップS2072へ進んで、ノックセンサ6のフェイルを判定する。このフェイル判定方法としては、図21に示すごとく、ステップS2721にて図22にて詳述するPALLの値を気筒別に1/16なましした値と所定値とを比較し、この1/16なまし値が所定値より小さいときにはステップS2722へ進んでセンサフェイル出力をマイクロコンピュータ40のCPUへ供給する。
【0106】
図23は図17のステップS2094により起動されるメインルーチンを示すもので、まずステップS2102でFFTを用いたノック仮判定区間終了フラグが1か判断し、ノック仮判定区間終了フラグが1でないときにはステップS2103へ進んで、128ポイントのA−D変換が終了したか判断し、終了していないときにはステップS2102へ戻り、終了したときにはステップS2104へ進んでFFTを実行すると共に、その結果を前回までの加算結果に加算する。
【0107】
次に、ステップS2102でノック判定区間終了フラグが1のときにはステップS2105へ進んでその時点でA−D変換中の128に満たない部分の値を所定値=0にした後、ステップS2106へ進んでFFTを実行すると共に、その結果を前回までの加算結果に加算する。
【0108】
そして、次のステップS2107で1回のノック判定区間における各FFTの加算結果に基づいて点火1回毎のノック発生周波数の検索などの後処理を実行した後、ステップS2108で点火1回ごとにノック強度判定を行う。
【0109】
図24は図23のステップS2107をより詳細に示すもので、1回のノック判定区間における各FFTの加算結果に基づいて得られた図15(a)に対応する周波数−スペクトル強度特性から、ステップS3101〜S3105にて各ノッキング周波数ρ10,ρ20,ρ01,ρ30,ρ11モードにおける各ピーク値検索と各出力計算をそれぞれ実行することにより、点火毎に各ノック発生周波数が検索されてそれら各ノッキング発生周波数に応じた出力が計算される。次のステップS3106でノック信号の電力総和を計算する。
【0110】
図25により図24のステップS3101をより詳細に説明する。なお、図24のステップS3102〜S3105も図25と基本的に同じである。図15(a)の特性の要部に対応する各FFTの加算結果を簡略化して図26に示し、この特性を代表してピーク値検索(ノック発生周波数の検索)とその出力計算の仕方を説明する。まず、ステップS2131にてρ10モードにおける下限周波数fL を図示しないROMから読み込み、次のステップS2132でρ10モードにおける上限周波数fuを同様に読み込む。ここで、上下限周波数fL,fuは共鳴振動モード(ノック発生周波数)ρ10として予想される値に所定の余裕を見込んで予め設定されている値である。
【0111】
次のステップS2133で上下限周波数fL,fu内でのスペクトル強度の最大値fMAXを求めた後、ステップM134でfMAX±1172Hzにおけるスペクトル強度の総和P10を求める。次に、ステップS1135で、スペクトル強度の総和P10を正規化した値MD10を求める。すなわち、該当気筒からノックセンサ6までの距離と総和したデータ個数とを乗算した値でスペクトル強度の総和P10を除算して正規化した値MD10を求める。
【0112】
図22により図24のステップS3106をより詳細に説明する。ステップS2141で1回のノック判定区間における各FFTの加算結果に基づいて得られた図15(a)に対応する周波数−スペクトル強度特性から5〜20KHzの全スペクトル強度の和PALLを求める。
【0113】
図27は図23のノック判定ステップS2108をより詳細に示すもので、まず、ステップS2151で割込みを禁止した後ステップS2152で中間層出力NMOUTnを次式により計算する。
【0114】
NMOUTn=CYL×WCYLHn+TRPM×WRPMHn+PALL×WALLHn+MD10×W10Hn+MD20×W20Hn+MD01×W01Hn+MD30×W30Hn+MD11×W11Hn+WOFFHn
ここで、CYLは気筒間差と呼ばれるもので、気筒ごとの全スペクトル強度の和PALLを3/4なまし処理したものの逆数で、TRPMはマイクロコンピュータ40内のCPUから入力される基準位置信号の周期を示す値である。また、PALLは5KHz〜20KHzの間のノックセンサ6の振動エネルギーの総和値であり、MD10,MD20,MD01,MD30,MD11はそれぞれのシリンダ内部にノッキングが原因で生じた圧力波の固有振動の近傍の総和値であり、それぞれ気筒間差、及び振動解析の際入力したデータの数で除算し正規化したものである。WCYLHn,WRPMHn,WALLHn,W10Hn,W20Hn,W01Hn,W30Hn,W11Hn,W0FFHnはそれぞれシナプス結合係数と呼ばれる重み係数である。(ただしここでnは中間ニューロンの数であり、例では0〜9,A〜Fの16個の値を取るもので、はじめに0に初期化されている。
【0115】
NMOUTnは数式1により得られた結果であり、この16ビットのデータの上位8ビットは次のステップS2153で図28に示すごときシグモイド関数f(χ)=1/(1+exp(−χ))の関数テーブルによりテーブルルックアップされ、中間ニューロンの出力Hnを得る。
【0116】
次のステップS2154で中間ニューロンの数n=16か判別し、中間ニューロンの数nに達していない時にはステップS2152に戻り、中間ニューロンの数nと等しくなるとステップS2155へ進む。
【0117】
この様にして得られたn=16個の中間層出力H0〜HFに対してステップS2155にて次式に示す様な重み係数WH0〜WHFが対応され、中間層と同様の演算を行うことで、出力層ニューロンの出力NNOUTを得る。
【0118】
NNOUT=H0×WH0+H1×WH1+H2×WH2+H3×WH3+H4×WH4+H5×WH5+H6×WH6+H7×WH7+H8×WH8+H9×WH9+HA×WHA+HB×WHB+HC×WHC+HD×WHD+HE×WHE+HF×WHF
この出力NNOUTを次のステップS2156で図28に示すごとき関数テーブルによりテーブルルックアップしてノック強度に応じた16ビットの出力を求め、次のステップM157でそのうち上位2ビットを出力する処理を施し、ノック強度に応じた判定結果KNKを得る。
【0119】
ここで前述の各重み係数は、一般に知られた、例えばバックプロパゲーション法等により、学習して得るもので、これにより与えられた学習データに基づいて未知の入力群に対する出力KNKを得るものである。そして、次のステップM158で割込みを許可する。
【0120】
なお、上述した実施例においては、図23のノック判定ステップS2108でニューラルネットを用いてノック強度判定を行ったが、ファジィ推論を用いてノック強度判定を行うこともできる。
【0121】
本実施の形態において、周波数分析手段は図27のフローチャートに、第3の仮判定手段は図23のフローチャートに、最終ノック判定手段は図14のフローチャートのステップS2003に、それぞれ相当し機能する。
【0122】
(その他の実施例1)
第1の実施の形態では、統計処理プログラムを用いたノック仮判定と、波形形状プログラムを用いたノック仮判定とを備え、この2つのノック仮判定に基づいて最終的なノック判定を実施した。また、第2の実施の形態では、統計処理プログラムを用いたノック仮判定と、周波数解析プログラムを用いたノック仮判定とを備え、この2つのノック仮判定に基づいて最終的なノック判定を実施した。
【0123】
本実施例では、周波数プログラムを用いたノック仮判定と、波形形状プログラムを用いたノック仮判定とを備え、この2つのノック仮判定に基づいて最終的なノック判定を行なうものである。図30のフローチャートを用いて以下に説明する。まず、ステップS2002にて、FFTプログラムを用いたノック仮判定が行われたか否かを判定する。ここで、ノック仮判定が行われていない場合には、ステップS1300にて通常の点火時期設定処理を行って本ルーチンを終了する。
【0124】
一方、FFTプログラムを用いたノック仮判定が行われていれば、ステップS1100へ進み、波形形状プログラムを用いたノック仮判定が行われたか否かを判定する。ノック仮判定が行われていなければ、ステップS1300を経由して本ルーチンを終了する。また、ステップS1100にて波形形状プログラムを用いたノック仮判定が行われていると判定されると、ステップS4000へ進む。ステップS4000では、FFTプログラムを用いたノック仮判定結果と、波形形状プログラムを用いたノック仮判定結果とが両方ともにノックであると場合に、最終的にノックが発生したとの判定を行う。そして、ステップS1300にて、ノックが発生している場合には、点火時期遅角を行い。他方、ノックが発生していない場合には、通常の点火時期を設定して本ルーチンを終了する。
【0125】
なお、本実施例では、FFTプログラムを用いたノック仮判定結果と、波形形状プログラムを用いたノック仮判定結果とから最終的なノック判定を行っているが、FFTプログラムを用いたノック仮判定結果が、ノックであると判定した場合にのみ、波形形状プログラムを用いたノック仮判定を行うようにしても良い。
【0126】
本実施例において、最終ノック判定手段は図30のフローチャートのステップS4000に相当し、機能する。
【0127】
(その他の実施例2)
本実施例では、統計処理プログラムを用いたノック仮判定、FFTプログラムを用いたノック仮判定、波形形状プログラムを用いたノック仮判定とを備え、この3つの仮判定結果に基づいて最終的なノック判定を行うものである。以下に、図31のフローチャートを用いて説明する。
【0128】
まず、ステップS1000では、統計処理プログラムを用いたノック仮判定が行われたか否かが判定される。ノック仮判定が行われていなければステップS1300を経由して本ルーチンを終了する。一方、ステップS1000にて統計処理プログラムを用いたノック仮判定が行われていれば、ステップS2002へ進み、FFTプログラムを用いたノック仮判定が行われたか否かが判定される。ここで、ノック仮判定が行われていなければ、ステップS1300を経由して本ルーチンを終了する。また、ステップS2002にてFFTプログラムを用いたノック仮判定が行われていると判定されると、ステップS1100へ進み、波形形状プログラムを用いたノック仮判定が行われたか否かが判定される。ノック仮判定が行われていなければ、ステップS1300を経由して本ルーチンを終了する。一方、ノック仮判定が行われていると判定されると、ステップS5000へ進む。
【0129】
ステップS5000では、統計処理プログラムを用いたノック仮判定と、FFTプログラムを用いたノック仮判定と、波形形状プログラムを用いたノック仮判定とのそれぞれの仮判定結果に基づいて、最終的なノック判定を行う。最終的なノックの判定は、3つのノック仮判定結果がすべてノックの発生であるとなった場合にのみ最終的にノックが発生したと判定しても良い。
【0130】
また、3つのうちの2つの仮判定がノックであると判定した場合に、最終的にノックが発生したと判定しても良い。このとき、少なくとも統計処理プログラムによるノック仮判定結果がノックであると判定していることが好ましい。この理由は、ノックセンサからの出力信号の最大値Vが、統計処理により設定された判定値付近である場合に、この最大値Vが統計処理を用いた仮判定にてノックであると判定されても、この出力信号の最大値Vは、統計処理を用いた仮判定の判定値以上であるためセンサ出力領域としては小さな領域の信号ではない。すなわち、たとえば、波形形状プログラム若しくはFFTプログラムによるノック仮判定によって精度良くノック信号なのかノイズ信号なのかを判定できるセンサ出力の領域であるので、統計処理プログラムのみではノックなのかノイズなのか判定することが困難な出力信号に対しても精度良くノックの発生を判定することができる。
【0131】
逆に、波形形状プログラム、若しくはFFTプログラムを用いたノック仮判定において、ノックセンサ6からの出力信号が小さい場合でも、統計処理を用いたノック仮判定により、統計処理によって設定される判定値を越えないとノックであるとは判定されないため、波形形状を用いたノック判定のみでは誤判定しやすいノック信号の小さな領域であってもノックが発生していないにも係らずノックであると誤判定することが防止できる。
【0132】
なお、本実施例では、3つの仮判定が全て行われた場合にのみ最終的なノック判定を実施しているが、たとえば、統計処理プログラムを用いたノック仮判定結果がノックが発生したと判定した場合にのみ、FFTプログラムを用いたノック仮判定を実施するようにしても良い。更に、このFFTプログラムを用いたノック仮判定結果がノックが発生したと判定した場合に波形形状プログラムを用いたノック仮判定を実施するようにしても良い。
【0133】
本実施例において、最終ノック判定手段は図31のフローチャートのステップS5000に相当し、機能する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概略構成図である。
【図2】本発明のECUの概略構成図である。
【図3】ノックセンサからの出力最大値の度数分布図である。
【図4】ノックセンサからの出力最大値の累積度数分布図である。
【図5】正規分布における偏差と標準偏差の比uとLog(V)の関係を示す図である。
【図6】統計処理プログラムによるノック仮判定の原理を説明する図である。
【図7】統計処理プログラムによるノック仮判定の原理を説明する図である。
【図8】統計処理プログラムによるノック仮判定とノック判定値の設定を示す図である。
【図9】図8のステップS300の分布の%点算出処理のサブルーチン。
【図10】図8のステップS900のノック判定レベルの補正処理のサブルーチンである。
【図11】DSPに入力される振動波形信号が処理された各信号のそれぞれの特徴を示す説明図である。
【図12】波形形状プログラムによるノック仮判定のフローチャートである。
【図13】第1の実施の形態におけるノック判定のメインのフローチャートである。
【図14】第2の実施の形態におけるノック判定のメインのフローチャートである。
【図15】(a)はノックセンサ信号の周波数−スペクトル強度特性図、(b)はエンジンのノック発生周波数分析図である。
【図16】第2の実施の形態の周波数分析プログラムのタイミングチャートである。
【図17】第2の実施の形態の周波数分析プログラムにおけるタイマー1割り込みのフローチャートである。
【図18】第2の実施の形態の周波数分析プログラムにおける基準位置割り込みのフローチャートである。
【図19】第2の実施の形態の周波数分析プログラムにおけるタイマー2割り込みのフローチャートである。
【図20】第2の実施の形態の周波数分析プログラムにおける前処理のフローチャートである。
【図21】第2の実施の形態の周波数分析プログラムにおけるセンサフェール判定のフローチャートである。
【図22】第2の実施の形態の周波数分析プログラムにおける電力総和計算のフローチャートである。
【図23】第2の実施の形態の周波数分析プログラムにおけるメインルーチンのフローチャートである。
【図24】第2の実施の形態の周波数分析プログラムにおける後処理のフローチャートである。
【図25】第2の実施の形態の周波数分析プログラムにおけるρ10モードピーク値検索のフローチャートである。
【図26】第2の実施の形態の周波数分析プログラムにおけるピーク値検索の作動説明に供する特性図である。
【図27】第2の実施の形態の周波数分析プログラムにおけるノック仮判定のフローチャートである。
【図28】第2の実施の形態の周波数分析プログラムにおける関数テーブルサーチ特性図である。
【図29】第1の実施の形態の点火時期演算処理を示すフローチャートである。
【図30】その他の実施例1のノック判定のフローチャートである。
【図31】その他の実施例2のノック判定のフローチャートである。
【符号の説明】
1…エンジン、
2…エアクリーナ、
3…エアフロメータ、
4…スロットル弁、
5…ディストリビュータ、
6…ノックセンサ、
8…ECU、
11…インジェクタ。

Claims (8)

  1. 内燃機関のノックを検出するためのノックセンサと、
    前記ノックセンサにより検出される出力信号を統計処理する統計処理手段と、
    前記統計処理手段による処理結果に基づいてノックの発生を判定する第1の仮判定手段と、
    前記ノックセンサにより出力される出力信号の最大値を検出する第2の最大値検出手段と、
    前記ノックセンサにより出力される出力信号が、第2の所定値以上となる期間を前記波形形状を判定する判定期間とする判定期間設定手段とを備え、
    前記判定期間設定手段による判定期間と、前記最大値検出手段により前記判定期間中に検出される出力信号の最大値との比に基づいてノックの発生を判定する第2の仮判定手段とを備え、
    前記第1の仮判定手段によるノック仮判定と前記第2の仮判定手段によるノック仮判定との結果に基づいて最終的にノックの発生を判定する最終ノック判定手段と、
    前記最終ノック判定手段による最終的なノック発生の判定結果に基づいて点火時期を制御する点火時期制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関のノック制御装置。
  2. 前記最終ノック判定手段は、前記第1の仮判定手段によってノックが発生したと仮判定された場合に、前記第2の仮判定手段によりノック仮判定を実施することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のノック制御装置。
  3. 前記最終ノック判定手段は、前記第1の仮判定手段と前記第2の仮判定手段との両方がノックが発生したと判定したときに最終的にノックが発生したと判定することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか一方に記載の内燃機関のノック制御装置。
  4. 内燃機関のノックを検出するためのノックセンサと、
    前記ノックセンサにより出力される出力信号の最大値を検出する第2の最大値検出手段と、
    前記ノックセンサにより出力される出力信号が、第2の所定値以上となる期間を前記波形形状を判定する判定期間とする判定期間設定手段とを備え、
    前記判定期間設定手段による判定期間と、前記最大値検出手段により前記判定期間中に検出される出力信号の最大値との比に基づいてノックの発生を判定する第2の仮判定手段と、
    前記ノックセンサにより検出される出力信号の周波数分析を行う周波数分析手段と、
    前記周波数分析手段による出力信号の分析結果に基づいてノックの発生を判定する第3の仮判定手段と
    前記第2の仮判定手段に基づいた判定結果と、前記第3の仮判定手段に基づいた判定結果とに基づいて最終的にノックの発生を判定する最終ノック判定手段と、
    前記最終ノック判定手段による最終的なノック発生の判定結果に基づいて点火時期を制御する点火時期制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関のノック制御装置。
  5. 内燃機関のノックを検出するためのノックセンサと、
    前記ノックセンサにより検出される出力信号を統計処理する統計処理手段と、
    前記統計処理手段を用いてノックの発生を判定する第1の仮判定手段と、
    前記ノックセンサにより出力される出力信号の最大値を検出する第2の最大値検出手段と、
    前記ノックセンサにより出力される出力信号が、第2の所定値以上となる期間を前記波形形状を判定する判定期間とする判定期間設定手段とを備え、
    前記判定期間設定手段による判定期間と、前記最大値検出手段により前記判定期間中に検出される出力信号の最大値との比に基づいてノックの発生を判定する第2の仮判定手段と、
    前記ノックセンサにより検出される出力信号の周波数分析を行う周波数分析手段と、
    前記周波数分析手段による出力信号の分析結果に基づいてノックの発生を判定する第3の仮判定手段と、
    前記第1の仮判定に基づいた判定結果と、前記第2の仮判定手段に基づいた判定結果と、前記第3の仮判定手段に基づいた判定結果とのうち少なくともいずれか2つ以上の判定結果に基づいて最終的にノックの発生を判定する最終ノック判定手段と、
    前記最終ノック判定手段による最終的なノック発生の判定結果に基づいて点火時期を制御する点火時期制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関のノック制御装置。
  6. 前記最終ノック判定手段は、前記第1の仮判定手段による仮判定結果と、前記第2の仮判定手段および/または前記第3の仮判定手段によるノック仮判定結果とがノックが発生したと判定したときに最終的にノックが発生したと判定することを特徴とする請求項5に記載の内燃機関のノック制御装置。
  7. 前記ノックセンサによる所定区間の出力信号における最大値を検出する第1の最大値検出手段と、
    前記最大値検出手段により検出された複数個の最大値を対数変換することにより得られる分布形状に基づいて第1の判定値を設定する第1の仮判定値設定手段とを備え、
    前記第1の仮判定手段は、前記第1の仮判定値設定手段により設定される判定値と前記ノックセンサにより検出される出力信号とに基づいてノックの発生を仮判定することを特徴とする請求項1乃至請求項3または請求項5または請求項6のいずれか一つに記載の内燃機関のノック制御装置。
  8. 前記ノックセンサにより出力される出力信号を所定時間毎にA−D変換して時系列に蓄積するA−D変換手段と、
    前記A−D変換手段に所定ポイントのA−D変換値が蓄積される毎に繰り返して周波数分析を実行する周波数分析手段と、
    前記周波数分析手段により複数回実行された周波数分析を加算する加算手段とを備え、
    前記第3の仮判定手段は、前記加算手段の結果からノックとノイズを分離してノックの発生を仮判定することを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか一つに記載の内燃機関のノック制御装置。
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