JP4905329B2 - 内燃機関のノッキング判定装置およびノッキング判定方法 - Google Patents

内燃機関のノッキング判定装置およびノッキング判定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4905329B2
JP4905329B2 JP2007298398A JP2007298398A JP4905329B2 JP 4905329 B2 JP4905329 B2 JP 4905329B2 JP 2007298398 A JP2007298398 A JP 2007298398A JP 2007298398 A JP2007298398 A JP 2007298398A JP 4905329 B2 JP4905329 B2 JP 4905329B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
waveform
integrated value
intensity
knocking
difference
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007298398A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009121408A (ja
Inventor
理人 金子
博人 田中
聡 渡▲邉▼
紀仁 花井
靖広 山迫
健次 千田
哲 枡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2007298398A priority Critical patent/JP4905329B2/ja
Publication of JP2009121408A publication Critical patent/JP2009121408A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4905329B2 publication Critical patent/JP4905329B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

本発明は、内燃機関のノッキング判定装置およびノッキング判定方法に関し、特に、内燃機関の振動の波形に基づいてノッキングが発生したか否かを判定する技術に関する。
従来より、内燃機関において発生するノッキング(ノック)を検出する様々な方法が提案されている。たとえば、内燃機関の振動の強度がしきい値よりも高いとノッキングが発生したと判定する技術がある。ところが、ノッキングが発生していなくても、たとえば吸気バルブや排気バルブが閉じる際に発生する振動などのノイズの強度がしきい値よりも高い場合がある。この場合、ノッキングが発生していないにもかかわらず、ノッキングが発生したと誤判定し得る。そこで、振動が発生するクランク角や減衰率など、強度以外の特性も考慮するために振動の波形に基づいてノッキングの有無を判定する技術が提案されている。
特開2003−21032号公報(特許文献1)に記載の内燃機関のノック制御装置は、内燃機関のノッキングを検出するためのノックセンサと、ノックセンサにより検出される出力信号を統計処理する統計処理部と、統計処理部による処理結果に基づいてノッキングの発生を判定する第1の仮判定部と、ノックセンサにより検出される出力信号の波形形状に基づいてノッキングの発生を判定する第2の仮判定部と、第1の仮判定部によるノック仮判定と第2の仮判定部によるノック仮判定との結果に基づいて最終的にノッキングの発生を判定する最終ノック判定部とを含む。第2の仮判定部は、ノックセンサにより出力される出力信号が所定値以上となる判定期間と、判定期間中に検出される出力信号の最大値とに基づいてノックの発生を仮判定する。最終ノック判定部は、第1の仮判定部と第2の仮判定部との両方がノッキングが発生したと判定したときに最終的にノッキングが発生したと判定する。
特開2003−21032号公報
しかしながら、特開2003−21032号公報に記載のノック制御装置のように、ノックセンサにより出力される出力信号が所定値以上となる判定期間と、判定期間中に検出される出力信号の最大値とに基づいてノッキングの発生を仮判定すると、内燃機関においてノッキングとは異なる要因により大きな強度の振動が定常的に発生した場合に誤判定し得る。たとえば、吸気バルブが閉じる際に発生する振動が定常的に検出された場合、常にノッキングが発生していると誤判定され得る。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ノッキングの有無を精度よく判定することができる内燃機関のノッキング判定装置およびノッキング判定方法を提供することである。
第1の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置は、クランク角を検出するための手段と、内燃機関の振動の強度を検出するための手段と、検出された強度に基づいて、クランク角についての予め定められた領域における振動の波形を検出するための手段と、波形における振動の強度を積算した積算値を算出するための算出手段と、点火サイクル間での積算値の差を算出するための手段と、点火サイクル間での積算値の差が予め定められた差よりも小さいか否かを判定するための判定手段と、点火サイクル間での積算値の差が予め定められた差よりも小さい場合、ノッキングが発生していないと判定するための手段と、点火サイクル間での積算値の差が予め定められた差以上である場合、ノッキングが発生したと判定するためのノッキング判定手段とを備える。第5の発明に係る内燃機関のノッキング判定方法は、第1の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置と同様の要件を備える。
この構成によると、クランク角および内燃機関の振動の強度が検出される。検出された強度に基づいて、クランク角についての予め定められた領域における振動の波形が検出される。この波形における振動の強度を積算した積算値が算出される。ノッキングが発生すると、点火サイクル間での積算値の差が大きくなる。ノッキングは、突発的に発生するからである。したがって、点火サイクル間での積算値の差が予め定められた差以上である場合、ノッキングが発生したと判定される。一方、点火サイクル間での積算値の差が予め定められた差よりも小さい場合、ノッキングが発生した可能性は小さい。この場合、ノッキングが発生していないと判定される。これにより、ノッキングとは異なる要因により大きな強度の振動が定常的に発生した場合、たとえば、吸気バルブが閉じる際に発生する振動が定常的に検出された場合に、ノッキングが発生していないと正しく判定することができる。そのため、ノッキングの有無を精度よく判定することができる内燃機関のノッキング判定装置もしくはノッキング判定方法を提供することができる。
第2の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置においては、第1の発明の構成に加え、ノッキング判定手段は、点火サイクル間での積算値の差が予め定められた差以上であり、かつ積算値が判定値よりも大きい場合、ノッキングが発生したと判定するための手段を含む。点火サイクル間での積算値の差が予め定められた差よりも小さい場合、波形における強度が小さくなるように波形を補正するための補正手段と、補正された波形における振動の強度を積算した積算値を算出するための手段と、補正された波形の積算値に応じて判定値を設定するための手段とをさらに備える。第6の発明に係る内燃機関のノッキング判定方法は、第2の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置と同様の要件を備える。
この構成によると、点火サイクル間での積算値の差が予め定められた差以上であり、かつ積算値が判定値よりも大きい場合、ノッキングが発生したと判定される。これにより、ノッキングの有無をより精度よく判定することができる。点火サイクル間での積算値の差が予め定められた差よりも小さい場合、波形における強度が小さくなるように波形が補正される。これにより、ノッキングとは異なる要因による振動の強度、たとえば、吸気バルブが閉じる際に発生する振動の強度の影響を、検出された波形において小さくすることができる。そのため、内燃機関において定常的に発生し、かつ強度が小さい振動の波形を得ることができる。この波形における振動の強度を積算した積算値に応じて判定値が設定される。これにより、内燃機関において定常的に発生し、かつ強度が小さい振動に基づいた判定値を得ることができる。この判定値と積算値とを比較することにより、ノッキングの有無を精度よく判定することができる。
第3の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置においては、第2の発明の構成に加え、補正手段は、波形において強度が小さくなるように、かつ各クランク角における強度が正値になるように、波形を補正するための手段を含む。第7の発明に係る内燃機関のノッキング判定方法は、第3の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置と同様の要件を備える。
この構成によると、波形において強度が小さくなるように、かつ各クランク角における強度が正値になるように、波形が補正される。これにより、内燃機関の駆動により必然的に発生する振動の強度を残すように波形を補正することができる。
第4の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置においては、第1〜3のいずれかの発明の構成に加え、算出手段は、波形における振動の強度を予め定められた領域分積算した第1の積算値を算出するための手段を含む。ノッキング判定装置は、予め定められた領域を複数に分割した領域毎に波形における振動の強度を積算した第2の積算値を算出するための手段と、第2の積算値の点火サイクル間の変化量を検出するための手段と、第2の積算値の変化量がより大きい領域を予め定められた数だけ特定するための手段と、特定された領域を基準にして定められる探索領域内で、隣接するクランク角における強度に比べて大きい強度を有するクランク角を特定するための手段と、内燃機関の振動の波形の基準として定められる波形モデルにおいて強度が最大になるタイミングを、特定されたクランク角に一致させた状態で、波形モデルの形状および検出された波形の形状の差が小さいほど大きくなるように係数を算出するための手段とをさらに備える。判定手段は、係数が予め定められた係数よりも大きい場合、点火サイクル間での第1の積算値の差が予め定められた差よりも小さいか否かを判定するための手段を含む。第8の発明に係る内燃機関のノッキング判定方法は、第4の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置と同様の要件を備える。
この構成によると、波形における振動の強度を予め定められた領域分積算した第1の積算値が算出される。第1の積算値の他、予め定められた領域を複数に分割した領域毎に波形における振動の強度を積算した第2の積算値が算出される。ノッキングが発生した場合、点火サイクル間での第2の積算値の変化量が大きくなり得る。そこで、予め定められた領域を複数に分割した領域のうち、第2の積算値の変化量がより大きい領域が予め定められた数だけ特定される。これにより、ノッキングが発生した可能性がある領域を特定することができる。特定された領域を基準にして定められる探索領域内で、隣接するクランク角における強度に比べて大きい強度を有するクランク角が特定される。内燃機関の振動の波形の基準として定められる波形モデルにおいて強度が最大になるタイミングを、特定されたクランク角に一致させた状態で、波形モデルの形状および検出された波形の形状の差が小さいほど大きくなるように係数が算出される。これにより、検出された波形の形状がノッキングによる波形の形状に類似しているか否かを係数を用いて判定することができる。係数が大きい場合、ノッキングが発生した可能性がある。しかしながら、係数を用いた場合であっても、ノッキングによる波形の形状とノッキングとは異なる要因による波形の形状とを区別し難い運転状態がある。そこで、係数が予め定められた係数よりも大きい場合、突発的に発生するノッキングによる振動の波形であるか、ノッキングとは異なる要因により定常的に発生する振動の波形であるかを判定するために、点火サイクル間での第1の積算値の差が予め定められた差よりも小さいか否かが判定される。これにより、ノッキングの有無を精度よく判定することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、本発明の実施の形態に係るノッキング判定装置を搭載した車両のエンジン100について説明する。このエンジン100には複数の気筒が設けられる。本実施の形態に係るノッキング判定装置は、たとえばエンジンECU(Electronic Control Unit)200が実行するプログラムにより実現される。なお、エンジンECU200により実行されるプログラムをCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)などの記録媒体に記録して市場に流通させてもよい。
エンジン100は、エアクリーナ102から吸入された空気とインジェクタ104から噴射される燃料との混合気を、燃焼室内で点火プラグ106により点火して燃焼させる内燃機関である。点火時期は、出力トルクが最大になるMBT(Minimum advance for Best Torque)になるように制御されるが、ノッキングが発生した場合など、エンジン100の運転状態に応じて遅角されたり、進角されたりする。
混合気が燃焼すると、燃焼圧によりピストン108が押し下げられ、クランクシャフト110が回転する。燃焼後の混合気(排気ガス)は、三元触媒112により浄化された後、車外に排出される。エンジン100に吸入される空気の量は、スロットルバルブ114により調整される。吸気バルブ116が開いた際に燃焼室に混合気が導入される。排気バルブ118が開いた際に燃焼室から排気ガスが排出される。
エンジン100は、エンジンECU200により制御される。エンジンECU200には、ノックセンサ300と、水温センサ302と、タイミングロータ304に対向して設けられたクランクポジションセンサ306と、スロットル開度センサ308と、車速センサ310と、イグニッションスイッチ312と、エアフローメータ314とが接続されている。
ノックセンサ300は、エンジン100のシリンダブロックに設けられる。ノックセンサ300は、圧電素子により構成されている。ノックセンサ300は、エンジン100の振動により電圧を発生する。電圧の大きさは、振動の大きさと対応した大きさとなる。ノックセンサ300は、電圧を表わす信号をエンジンECU200に送信する。水温センサ302は、エンジン100のウォータージャケット内の冷却水の温度を検出し、検出結果を表わす信号を、エンジンECU200に送信する。
タイミングロータ304は、クランクシャフト110に設けられており、クランクシャフト110と共に回転する。タイミングロータ304の外周には、予め定められた間隔で複数の突起が設けられている。クランクポジションセンサ306は、タイミングロータ304の突起に対向して設けられている。タイミングロータ304が回転すると、タイミングロータ304の突起と、クランクポジションセンサ306とのエアギャップが変化するため、クランクポジションセンサ306のコイル部を通過する磁束が増減し、コイル部に起電力が発生する。クランクポジションセンサ306は、起電力を表わす信号を、エンジンECU200に送信する。エンジンECU200は、クランクポジションセンサ306から送信された信号に基づいて、クランク角およびクランクシャフト110の回転数を検出する。
スロットル開度センサ308は、スロットル開度を検出し、検出結果を表わす信号をエンジンECU200に送信する。車速センサ310は、車輪(図示せず)の回転数を検出し、検出結果を表わす信号をエンジンECU200に送信する。エンジンECU200は、車輪の回転数から、車速を算出する。イグニッションスイッチ312は、エンジン100を始動させる際に、運転者によりオン操作される。エアフローメータ314は、エンジン100に吸入される空気量を検出し、検出結果を表わす信号をエンジンECU200に送信する。
エンジンECU200は、電源である補機バッテリ320から供給された電力により作動する。エンジンECU200は、各センサおよびイグニッションスイッチ312から送信された信号、ROM(Read Only Memory)202に記憶されたマップおよびプログラムに基づいて演算処理を行ない、エンジン100が所望の運転状態となるように、機器類を制御する。
本実施の形態において、エンジンECU200は、ノックセンサ300から送信された信号およびクランク角に基づいて、予め定められたノック検出ゲート(予め定められた第1クランク角から予め定められた第2クランク角までの区間)におけるエンジン100の振動の波形(以下、振動波形と記載する)を検出し、検出された振動波形に基づいて、エンジン100にノッキングが発生したか否かを判定する。本実施の形態におけるノック検出ゲートは、燃焼行程において上死点(0度)から90度までである。なお、ノック検出ゲートはこれに限らない。
ノッキングが発生した場合、図2に示すように、エンジン100には、周波数帯A〜Cに含まれるの周波数の振動が発生する。そこで、本実施の形態においては、周波数帯A〜Cを含む広域の周波数帯Dにおける振動が検出される。
図3に示すように、エンジンECU200は、A/D(アナログ/デジタル)変換部400と、バンドパスフィルタ410と、積算部420とを含む。
A/D変換部400は、アナログ信号をデジタル信号に変換する。バンドパスフィルタ410は、ノックセンサ300から送信された信号のうち、周波数帯Dの信号のみを通過させる。すなわち、バンドパスフィルタ410により、ノックセンサ300が検出した振動から、周波数帯Dの振動のみが抽出される。
積算部420は、バンドパスフィルタ410により選別された信号、すなわち振動の強度を、クランク角度で5度分づつ積算した積算値(以下、5度積算値とも記載する)を算出する。5度積算値の算出は、周波数帯ごとに行なわれる。これにより、図4に示すように、周波数帯Dの振動波形が検出される。
本実施の形態においては、振動波形の形状に基づいて算出される相関係数Kおよび振動波形の強度に基づいて算出されるノック強度Nを用いて、ノッキングが発生したか否かが1点火毎に判定される。たとえば、相関係数Kがしきい値K(1)以上であり、かつノック強度Nが判定値VJ以上であると、ノッキングが発生したと判定される。
図5に示すように、判定値VJは、エンジン回転数NEと吸入空気量KLとをパラメータとした運転状態により区分される領域毎に、マップとして記憶される。本実施の形態においては、低回転(NE<NE(1))、中回転(NE(1)≦NE<NE(2))、高回転(NE(2)≦NE)、低負荷(KL<KL(1))、中負荷(KL(1)≦KL<KL(2))、高負荷(KL(2)≦KL)で区分することにより、気筒毎に9つの領域が設けられる。なお、領域の数はこれに限らない。また、エンジン回転数NEおよび吸入空気量KL以外のパラメータを用いて領域を区分するようにしてもよい。
エンジン100もしくは車両の出荷時において、ROM202に記憶される判定値VJ(出荷時における判定値VJの初期値)には、予め実験などにより定められる値が用いられる。ところが、ノックセンサ300の出力値のばらつきや劣化などにより、エンジン100で同じ振動が生じた場合であっても、検出される強度が変化し得る。この場合、判定値VJを補正し、実際に検出される強度に応じた判定値VJを用いてノッキングが発生したか否かを判定する必要がある。そこで、本実施の形態においては、予め定められた点火サイクル毎、たとえば200点火サイクル毎に、判定値VJが補正される。
図6を参照して、エンジンECU200の機能について説明する。なお、以下に説明する機能はソフトウェアにより実現するようにしてもよく、ハードウェアにより実現するようにしてもよい。
エンジンECU200は、クランク角検出部500と、強度検出部502と、波形検出部504と、15度積算値算出部510と、第1変化量算出部512と、領域特定部514と、クランク角特定部516と、相関係数算出部518と、90度積算値算出部520と、算出部600と、判定部602と、フィードバック補正部700とを備える。
クランク角検出部500は、クランクポジションセンサ306から送信された信号に基づいて、クランク角を検出する。
強度検出部502は、ノックセンサ300から送信された信号に基づいて、ノック検出ゲートにおける振動の強度を検出する。振動の強度は、クランク角に対応させて検出される。また、振動の強度は、ノックセンサ300の出力電圧値で表される。なお、ノックセンサ300の出力電圧値と対応した値で振動の強度を表してもよい。
波形検出部504は、振動の強度をクランク角で5度分づつ積算することにより、ノック検出ゲートにおける振動波形を検出する。
15度積算値算出部510は、図7に示すように、ノック検出ゲートを6等分した領域ごとに、クランク角で15度分だけ強度(3つの5度積算値)を積算した15度積算値を算出する。15度積算値は、複数の点火サイクルごとに算出される。なお、領域の数は6つに限らず、その他、複数であればいくつでもよい。
第1変化量算出部512は、ノック検出ゲートを6等分した領域ごとに、点火サイクル間の15度積算値の変化量ΔV(1)〜ΔV(6)を算出する。今回の点火サイクルの15度積算値と前回(1つ前)の点火サイクルの15度積算値との差より、図7において斜線で示す15度積算値の変化量ΔV(1)〜ΔV(6)が算出される。すなわち、今回の点火サイクルの15度積算値lpkknkから前回の点火サイクルの15度積算値lpkknkを減算することにより変化量が算出される。
なお、5度積算値の点火サイクル間での変化量を検出するようにしてもよい。クランク角で1度ごとに強度の変化量を検出するようにしてもよい。また、今回の点火サイクルの15度積算値と、指数平滑法と呼ばれる平滑化手法を用いて過去の15度積算値から算出される演算値、すなわち15度積算値が平滑化された演算値との差より、15度積算値の変化量ΔV(1)〜ΔV(6)を検出するようにしてもよい。
演算値(平滑化された15度積算値)VNは、下記の式(1)を用いて算出される。下記の式(1)において、VN(i)は、今回の点火サイクルにおいて算出される演算値VNを示す。VN(i−1)は、前回の点火サイクルにおいて算出された演算値VNを示す。V15(i−1)は、前回の点火サイクルにおける15度積算値を示す。Zは定数である。
VN(i)=VN(i−1)+Z×(V15(i−1)−VN(i−1))…(1)
演算値VNは、複数のクランク角の領域ごとに算出される。
領域特定部514は、6つの領域のうち、15度積算値の変化量がより大きいクランク角の領域を特定する。本実施の形態においては、15度積算値の変化量がより大きい領域が2つ特定される。
クランク角特定部516は、図8に示すように、特定された領域と同じ領域に定められた探索領域内において、隣接するクランク角の強度に比べて大きく、かつそのような強度の中で最大の強度のクランク角を特定する。すなわち、強度がピークになるクランク角が特定される。なお、図9に示すように、15度積算値の変化量がより大きい領域として特定された領域を含み、かつ特定された領域よりも広い領域を探索領域として定めるようにしてもよい。
相関係数算出部518は、振動波形がノック波形モデルに類似する度合を表わす(振動波形の形状とノック波形モデルの形状との差を表わす)相関係数Kを算出する。図10に示すように、強度がピークになるクランク角以降のクランク角の範囲において、検出された振動波形とノック波形モデルとを比較することにより、相関係数Kが算出される。
ノック波形モデルは、ノッキングが発生した場合のエンジン100の振動波形の基準として定められる。本実施の形態において、ノック波形モデルの強度は、振動波形と比較する度に設定される。より具体的には、ノック波形モデルにおける強度の最大値が、振動波形において、隣接する強度に比べて大きい強度(強度のピーク値)と同じになるように設定される。
一方、最大値以外の強度は、エンジン回転数NEおよびエンジン100の負荷に応じて設定される。より具体的には、隣接するクランク角における強度の減衰率が、エンジン回転数NEおよびエンジン100の負荷をパラメータに有するマップに従って設定される。
たとえば、25%の減衰率で、クランク角で20度分の強度を設定する場合、図11に示すように、25%ずつ強度が減少する。なお、ノック波形モデルの強度を設定する方法はこれに限らない。
振動波形における強度とノック波形モデルにおける強度との差の絶対値(ズレ量)をクランク角ごと(5度ごと)に算出することにより、相関係数Kが算出される。なお、5度以外のクランク角ごとに振動波形における強度とノック波形モデルにおける強度との差の絶対値を算出するようにしてもよい。
振動波形における強度とノック波形モデルにおける強度とのクランク角ごとの差の絶対値をΔS(I)(Iは自然数)とおく。図12において斜線で示すように、ノック波形モデルの振動の強度を合計した値、すなわち、ノック波形モデルの面積をSとおく。相関係数Kは、下記の式(2)を用いて算出される。
K=(S−ΣΔS(I))/S・・・(2)
ΣΔS(I)は、ΔS(I)の総和である。なお、相関係数Kの算出方法はこれに限らない。
90度積算値算出部520は、図13において斜線で示すように、振動波形における強度(5度積算値)を合計した90度積算値lpkknkを算出する。
算出部600は、90度積算値lpkknkを用いて、ノック強度Nを算出する。エンジン100にノッキングが発生していない状態におけるエンジン100の振動の強度を表わす値をBGL(Back Ground Level)と表わす。ノック強度Nは、下記の式(3)を用いて算出される。
N=lpkknk/BGL・・・(3)
なお、ノック強度Nの算出方法はこれに限らない。ノック強度Nを算出する際、90度積算値lpkknkの対数変換値が用いられる。BGLは、各90度積算値lpkknkが検出された頻度(回数、確率ともいう)を表わす頻度分布において、標準偏差σと係数(たとえば「1」)との積を、中央値VMEDから減算した値として算出される。なお、BGLの算出方法はこれに限らず、BGLをROM202に記憶しておくようにしてもよい。また、頻度分布を作成する際、90度積算値lpkknkの対数変換値が用いられる。
判定部602は、相関係数Kおよびノック強度Nを用いて、ノッキングが発生したか否かが1点火毎に判定する。相関係数Kがしきい値K(1)以上であり、かつノック強度Nが判定値VJ以上であると、ノッキングが発生したと判定される。もしそうでないと、ノッキングが発生していないと判定される。
フィードバック補正部700は、相関係数判定部702と、第1ノッキング判定部704と、第2変化量算出部706と、変化量判定部708と、第2ノッキング判定部710と、波形補正部712と、90度積算値算出部714と、頻度分布作成部716と、90度積算値判定部718と、第3ノッキング判定部720と、補正部722とを備える。
相関係数判定部702は、相関係数Kがしきい値K(2)以上であるか否かを判定する。たとえば、しきい値K(2)は、前述したしきい値K(1)よりも小さい値である。
第1ノッキング判定部704は、相関係数Kがしきい値K(2)以上である場合、ノッキングが発生した可能性があると判定する。一方、相関係数Kがしきい値K(2)よりも小さい場合、第1ノッキング判定部704は、振動波形に、ノッキングとは異なる要因により発生する振動(ノイズ)のみが含まれると判定する。すなわち、ノッキングが発生していないと判定される。
第2変化量算出部706は、相関係数Kがしきい値K(2)以上である場合、点火サイクル間の90度積算値lpkknkの変化量を算出する。今回の点火サイクルの90度積算値lpkknkと前回(1つ前)の点火サイクルの90度積算値lpkknkとの差より、90度積算値lpkknkの変化量が算出される。すなわち、今回の点火サイクルの90度積算値lpkknkから前回の点火サイクルの90度積算値lpkknkを減算することにより変化量が算出される。
変化量判定部708は、90度積算値lpkknkの変化量がしきい値Δknk以上であるか否かを判定する。しきい値Δknkは、たとえば、90度積算値lpkknkの変化量の頻度分布における標準偏差と係数との積である。なお、しきい値デルタknkはこれに限らない。
第2ノッキング判定部710は、90度積算値lpkknkの変化量がしきい値Δknk以上である場合、ノッキングが発生した可能性があると判定する。一方、90度積算値lpkknkの変化量がしきい値Δknkより小さい場合、第2ノッキング判定部710は、振動波形に、ノッキングとは異なる要因により発生する振動(ノイズ)のみが含まれると判定する。すなわち、ノッキングが発生していないと判定される。
波形補正部712は、90度積算値lpkknkの変化量がしきい値Δknkより小さい場合、振動波形における強度が小さくなるように、振動波形を補正する。図14に示すように、検出された振動波形において、隣接するクランク角の強度に比べて大きく、かつそのような強度の中で最大の強度のクランク角の前後X度の範囲で、振動波形が補正される。
なお、各クランク角における強度が正値になるように振動波形を補正するようにしてもよい。すなわち、補正後の強度が下限値以上になるように補正を制限してもよい。たとえば、隣接するクランク角の強度に比べて大きく、かつそのような強度の中で最大の強度(強度のピーク)の3分の1が下限値に定められる。振動波形における強度の最小値と正の係数との積を下限値に定めるようにしてもよい。なお、下限値はこれに限らない。
図15に示すように、吸気バルブ116もしくは排気バルブ118が閉じるクランク角の前後Y度の範囲内にいて、隣接するクランク角の強度に比べて大きく、かつそのような強度の中で最大の強度のクランク角を基準にして、振動波形を補正するようにしてもよい。
90度積算値算出部714は、補正された振動波形の90度積算値lpkknkを算出する。
頻度分布作成部716は、図16に示すように、各点火サイクルにおいて算出された90度積算値lpkknkの頻度分布を作成する。振動波形が補正された場合には、補正前の振動波形の90度積算値lpkknkの代わりに、補正後の振動波形の90度積算値lpkknkが用いられる。頻度分布を作成する際には、90度積算値lpkknkの対数変換値が用いられる。
頻度分布においては、図16に示すように、90度積算値lpkknkの中央値VMEDおよび標準偏差σが算出される。本実施の形態においては、複数(たとえば200サイクル)の90度積算値lpkknkに基づいて算出される中央値および標準偏差と近似した中央値VMEDおよび標準偏差σが、以下の算出方法により1点火サイクルごとに算出される。
今回算出された90度積算値lpkknkが前回算出された中央値VMEDよりも大きい場合、前回算出された中央値VMEDに予め定められた値C(1)を加算した値が、今回の中央値VMEDとして算出される。逆に、今回算出された90度積算値lpkknkが前回算出された中央値VMEDよりも小さい場合、前回算出された中央値VMEDから予め定められた値C(2)(たとえばC(2)はC(1)と同じ値)を減算した値が、今回の中央値VMEDとして算出される。
今回算出された90度積算値lpkknkが、前回算出された中央値VMEDよりも小さく、かつ前回算出された中央値VMEDから前回算出された標準偏差σを減算した値よりも大きい場合、前回算出された標準偏差σから予め定められた値C(3)を2倍した値を減算した値が、今回の標準偏差σとして算出される。逆に、今回算出された90度積算値lpkknkが、前回算出された中央値VMEDよりも大きい場合、または前回算出された中央値VMEDから前回算出された標準偏差σを減算した値よりも小さい場合、前回算出された標準偏差σに予め定められた値C(4)(たとえばC(4)はC(3)と同じ値)を加算した値が、今回の標準偏差σとして算出される。なお、中央値VMEDおよび標準偏差σの算出方法はこれに限定されない。また、中央値VMEDおよび標準偏差σの初期値は、予め設定された値であってもよいし、「0」であってもよい。
中央値VMEDおよび標準偏差σを用いて、ノック判定レベルVKDが算出される。図16に示すように、中央値VMEDに係数U(Uは定数で、たとえばU=3)と標準偏差σとの積を加算した値が、ノック判定レベルVKDとなる。なお、ノック判定レベルVKDの算出方法はこれに限らない。
係数Uは、実験などより得られたデータや知見から求められた係数である。U=3とした場合のノック判定レベルVKDよりも大きい90度積算値lpkknkが、実際にノッキングが発生した点火サイクルにおける90度積算値lpkknkと略一致する。なお、係数Uに「3」以外の値を用いるようにしてもよい。
90度積算値判定部718は、各点火サイクルにおいて算出された90度積算値lpkknkがノック判定レベルVKD以上であるか否かを判定する。
第3ノッキング判定部720は、ノック判定レベルVKD以上の90度積算値lpkknkが得られた点火サイクルにおいて、ノッキングが発生したと判定する。ノック判定レベルVKDよりも大きい90度積算値lpkknkの割合(頻度)は、ノック占有率KCとしてカウントされる。たとえば、200点火サイクル分の90積算値lpkknkのうち、ノック判定レベルVKDよりも大きい90度積算値lpkknkの割合(頻度)が、ノック占有率KCとしてカウントされる。
また、第3ノッキング判定部720は、ノック判定レベルVKDよりも小さい90度積算値lpkknkが得られた点火サイクルにおいて、ノッキングが発生していないと判定する。すなわち、振動波形にはノイズのみが含まれると判定される。
補正部722は、ノック占有率KCがしきい値KC(0)以上である場合、予め定められた補正量A(1)だけ小さくなるように、判定値VJを補正する。また、補正部722は、ノック占有率KCがしきい値KC(0)よりも小さい場合、予め定められた補正量A(2)だけ大きくなるように判定値VJを補正する。
図17および図18を参照して、エンジンECU200が実行するプログラムの制御構造について説明する。なお、以下に説明するプログラムは、予め定められた周期で(たとえば1点火サイクル毎に)繰り返し実行される。
ステップ(以下、ステップをSと略す)100にて、エンジンECU200は、クランクポジションセンサ306から送信された信号に基づいて、クランク角を検出する。S102にて、エンジンECU200は、ノックセンサ300から送信された信号に基づいて、クランク角に対応させて、エンジン100の振動の強度を検出する。
S104にて、エンジンECU200は、ノックセンサ300の出力電圧値(振動の強度を表わす値)を、クランク角で5度ごとに(5度分だけ)積算した5度積算値を算出することにより、エンジン100の振動波形を検出する。
S106にて、エンジンECU200は、ノック検出ゲートを6等分した領域ごとに15度積算値を算出する。S108にて、エンジンECU200は、ノック検出ゲートを6等分した領域ごとに、点火サイクル間の15度積算値の変化量ΔV(1)〜ΔV(6)を算出する。
S110にて、エンジンECU200は、6つの領域のうち、15度積算値の変化量がより大きいクランク角の領域を2つ特定する。S112にて、エンジンECU200は、探索領域内において、隣接するクランク角の強度に比べて大きく、かつそのような強度の中で最大の強度のクランク角を特定する。すなわち、強度がピークになるクランク角が特定される。
S114にて、エンジンECU200は、相関係数Kを算出する。S116にて、エンジンECU200は、90度積算値lpkknkを算出する。S118にて、エンジンECU200は、ノック強度Nを算出する。
S120にて、エンジンECU200は、相関係数Kがしきい値K(1)以上であり、かつノック強度Nが判定値VJ以上であるかを判定する。相関係数Kがしきい値K(1)以上であり、かつノック強度Nが判定値VJ以上であると(S120にてYES)、処理はS122に移される。もしそうでないと(S120にてNO)、処理はS126に移される。
S122にて、エンジンECU200は、エンジン100にノッキングが発生したと判定する。S124にて、エンジンECU200は、点火時期を遅角する。S126にて、エンジンECU200は、エンジン100にノッキングが発生していないと判定する。S128にて、エンジンECU200は、点火時期を進角する。
図18を参照して、S200にて、エンジンECU200は、相関係数Kがしきい値K(2)以上であるか否かを判定する。相関係数Kがしきい値K(2)以上であると(S200にてYES)、処理はS202に移される。もしそうでないと(S200にてNO)、処理はS204に移される。
S202にて、エンジンECU200は、ノッキングが発生した可能性があると判定する。S204にて、エンジンECU200は、振動波形にノイズのみが含まれると判定する。すなわち、ノッキングが発生していないと判定される。
S206にて、エンジンECU200は、振動波形における強度が小さくなるように補正する。たとえば、15度積算値の変化量がより大きい領域として特定された領域における15度積算値が前回の点火サイクルにおいて算出された15度積算値と同じ値にされる。
S208にて、エンジンECU200は、補正された振動波形の90度積算値lpkknkを算出する。
S210にて、エンジンECU200は、点火サイクル間の90度積算値lpkknkの変化量を算出する。S212にて、エンジンECU200は、90度積算値lpkknkの変化量がしきい値Δknk以上であるか否かを判定する。90度積算値lpkknkの変化量がしきい値Δknk以上であると(S212にてYES)、処理はS214に移される。もしそうでないと(S212にてNO)、処理はS216に移される。
S214にて、エンジンECU200は、ノッキングが発生した可能性があると判定する。S216にて、エンジンECU200は、振動波形にノイズのみが含まれると判定する。すなわち、ノッキングが発生していないと判定される。
S220にて、エンジンECU200は、算出された90度積算値lpkknkがノック判定レベルVKD以上であるか否かを判定する。90度積算値lpkknkがノック判定レベルVKD以上であると(S220にてYES)、処理はS222に移される。もしそうでないと(S220にてNO)、処理はS226に移される。
S222にて、エンジンECU200は、ノッキングが発生したと判定する。S224にて、エンジンECU200は、ノック占有率KCを予め定められた増大量だけ大きくする。S226にて、エンジンECU200は、振動波形にノイズのみが含まれると判定する。すなわち、ノッキングが発生していないと判定される。
S228にて、エンジンECU200は、判定値VJを補正する。たとえば200点火サイクル毎に、判定値VJが補正される。すなわち、前回判定値VJが補正された後の点火サイクルが200未満である場合、S228を実行せずに、処理はS240に移される。
ノック占有率KCがしきい値KC(0)以上である場合、予め定められた補正量A(1)だけ小さくなるように、判定値VJが補正される。ノック占有率KCがしきい値KC(0)よりも小さい場合、予め定められた補正量A(2)だけ大きくなるように判定値VJが補正される。
S230にて、エンジンECU200は、振動波形における強度が小さくなるように、振動波形を補正する。S232にて、エンジンECU200は、補正された振動波形の90度積算値lpkknkを算出する。
S240にて、エンジンECU200は、90度積算値lpkknkの頻度分布を作成(更新)する。すなわち、中央値VMED、標準偏差σおよびノック判定レベルVKDが設定(更新)される。その後、処理はS100に戻される。
なお、S100〜S240の処理を行なう順序は、図17および図18に示す順序に限らない。S100〜S240の処理を、図17および図18に示す順序とは異なる順序で実行するようにしてもよい。たとえば、S214の後にS118〜S128の処理を行なうようにしてもよい。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態におけるエンジンECU200の動作について説明する。
エンジン100の運転中、クランクポジションセンサ306から送信された信号に基づいて、クランク角が検出される(S100)。ノックセンサ300から送信された信号に基づいて、クランク角に対応させて、エンジン100の振動の強度が検出される(S102)。ノックセンサ300の出力電圧値をクランク角で5度ごとに積算した5度積算値を算出することにより、エンジン100の振動波形が検出される(S104)。
さらに、ノック検出ゲートを6等分した領域ごとに15度積算値が算出される(S106)。この15度積算値の点火サイクル間の変化量が、ノック検出ゲートを6等分した領域ごとに算出される(S108)。
一般的に、ノッキングは突発的に発生する。したがって、ノッキングが発生した場合、15度積算値の変化量が大きくなる。この特性を利用して、ノッキングが発生したと考えられるクランク角を特定するために、6つの領域のうち、検出された15度積算値の変化量がより大きいクランク角の領域が2つ特定される(S110)。さらに、探索領域内において、隣接するクランク角の強度に比べて大きく、かつそのような強度の中で最大の強度のクランク角が特定される(S112)。
このクランク角における振動がノッキングに起因して発生した振動であるかを、波形の形状に基づいて判定するため、ノック波形モデルを用いて相関係数Kが算出される(S114)。さらに、ノッキングに起因して発生した振動が振動波形に含まれるか否かを強度に基づいて判定するため、90度積算値lpkknkが算出される(S116)。90度積算値lpkknkをBGLで除算することにより、ノック強度Nが算出される(S118)。
相関係数Kがしきい値K(1)以上であり、かつノック強度Nが判定値VJ以上である場合(S120にてYES)、検出された波形の形状がノッキングによる波形の形状に類似しており、かつ振動の強度が大きいといえる。すなわち、ノッキングが発生した可能性が非常に高いといえる。この場合、エンジン100にノッキングが発生したと判定される(S122)。ノッキングを抑制するために、点火時期が遅角される(S124)。
一方、相関係数Kがしきい値K(1)よりも小さい場合、またはノック強度Nが判定値VJよりも小さい場合、エンジン100にノッキングが発生していないと判定される(S126)。この場合、点火時期が進角される(S128)。
ところで、エンジン100もしくは車両の出荷時において、ROM202に記憶される判定値VJ(出荷時における判定値VJの初期値)には、予め実験などにより定められる値が用いられる。ところが、ノックセンサ300の出力値のばらつきや劣化などにより、エンジン100で同じ振動が生じた場合であっても、検出される強度が変化し得る。この場合、判定値VJを補正し、実際に検出される強度に応じた判定値VJを用いてノッキングが発生したか否かを判定する必要がある。
そこで、本実施の形態においては、90度積算値lpkknkの頻度分布を用いて判定値VJが補正される。ところで、検出される振動波形には、吸気バルブ116が閉じる際に発生する振動等のノイズが含まれ得る。ノイズの強度と、ノッキングに起因する振動の強度との差は小さい場合がある。したがって、ノイズを振動波形から取り除く必要がある。
検出された振動波形にノイズが含まれるか否かを判定するために、相関係数Kがしきい値K(2)以上であるか否かが判定される(S200)。相関係数Kがしきい値K(2)以上であると(S200にてYES)、ノッキングが発生した可能性があると判定される(S202)。
その後、点火サイクル間の90度積算値lpkknkの変化量が算出される(S210)。ノッキングは突発的に発生する。したがって、90度積算値lpkknkの変化量がしきい値Δknk以上であると(S212にてYES)、ノッキングが発生した可能性があると判定される(S214)。
この場合、算出された90度積算値lpkknkがノック判定レベルVKD以上であるか否かが判定される(S220)。90度積算値lpkknkがノック判定レベルVKD以上であると(S220にてYES)、ノッキングが発生したと判定される(S222)。また、ノック占有率KCが予め定められた増大量だけ大きくされる(S224)。90度積算値lpkknkがノック判定レベルVKDより小さいと(S220にてNO)、振動波形にノイズのみが含まれると判定される(S226)。その後、ノック占有率KCがしきい値KC(0)以上であるか否かに応じて、判定値VJが補正される(S228)。
さらに、算出された90度積算値lpkknkを用いて、90度積算値lpkknkの頻度分布が作成される(S240)。その結果、中央値VMED、標準偏差σおよびノック判定レベルVKDが設定される。
一方、相関係数Kがしきい値K(2)より小さいと(S200にてNO)、振動波形にノイズのみが含まれると判定される(S204)。すなわち、ノッキングが発生していないと判定される。
この場合、振動波形に含まれるノイズを除去するために、振動波形における強度が小さくなるように補正される(S206)。本実施の形態においては、15度積算値の変化量がより大きい領域として特定された領域における15度積算値が前回の点火サイクルにおいて算出された15度積算値と同じ値にされる。振動波形を補正した後、補正された振動波形の90度積算値lpkknkが算出される(S208)。
この90度積算値lpkknkを用いて、90度積算値lpkknkの頻度分布が作成される(S240)。その結果、中央値VMED、標準偏差σおよびノック判定レベルVKDが設定される。
これにより、突発的に発生したノイズを検出された振動波形から除去した90度積算値lpkknkに基づいて、ノック判定レベルVKDを設定することができる。そのため、ノック判定レベルVKDの設定時におけるノイズの影響を小さくすることができる。その結果、変動量が小さいノック判定レベルVKDを得ることができる。
ところで、15度積算値の変化量に基づいてノック波形モデルと比較するクランク角を決定しているため、振動波形に定常的に含まれるノイズを検出し難い。また、たとえば、エンジン回転数が小さい場合には、ノッキングに起因する振動の波形とノイズの波形とが類似し得る。そのため、相関係数Kを用いても、ノッキングに起因する振動とノイズとを区別し難い場合がある。そこで、本実施の形態においては、90度積算値lpkknkの変化量に基づいて、定常的に発生するノイズを検出する。
相関係数Kがしきい値K(2)以上であっても(S200にてYES)、90度積算値lpkknkの変化量がしきい値Δknkより小さいと(S212にてNO)、ノッキングが発生した可能性が低いといえる。
この場合、検出された振動波形には、定常的に発生するノイズが含まれるといえる。よって、振動波形にノイズのみが含まれると判定される(S216)。すなわち、ノッキングが発生していないと判定される。
その後、振動波形における強度が小さくなるように、振動波形が補正される(S230)。本実施の形態においては、前述した図14に示すように、強度のピークの前後X度の範囲で、振動波形が補正される。
振動波形が補正された後、補正された振動波形の90度積算値lpkknkが算出される(S232)。この90度積算値lpkknkを用いて、90度積算値lpkknkの頻度分布が作成される(S240)。その結果、中央値VMED、標準偏差σおよびノック判定レベルVKDが設定される。
これにより、定常的に発生するノイズを検出された振動波形から除去した90度積算値lpkknkに基づいて、ノック判定レベルVKDを設定することができる。そのため、ノック判定レベルVKDの設定時におけるノイズの影響を小さくすることができる。その結果、ノイズに起因する変動量が小さいノック判定レベルVKDを得ることができる。
以上のように、本実施の形態に係るノッキング判定装置によれば、点火サイクル間の90度積算値lpkknkの変化量がしきい値Δknk以上であると、ノッキングが発生したと判定される。点火サイクル間の90度積算値の変化量がしきい値Δknkより小さいと、ノッキングが発生していないと判定される。これにより、ノッキングとは異なる要因により大きな強度の振動が定常的に発生した場合、たとえば、吸気バルブが閉じる際に発生する振動が定常的に検出された場合に、ノッキングが発生していないと正しく判定することができる。そのため、ノッキングの有無を精度よく判定することができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
エンジンを示す概略構成図である。 ノッキング時にエンジンで発生する振動の周波数帯を示す図である。 エンジンECUを示す制御ブロック図である。 エンジンの振動波形を示す図である。 判定値VJを定めたマップを示す図である。 エンジンECUの機能ブロック図である。 15度積算値の変化量を示す図である。 探索領域を示す図(その1)である。 探索領域を示す図(その2)である。 振動波形とノック波形モデルとを比較した図である。 ノック波形モデルを示す図である。 ノック波形モデルの面積Sを示す図である。 90度積算値lpkknkを示す図である。 補正前後の振動波形を示す図(その1)である。 補正前後の振動波形を示す図(その2)である。 90度積算値の頻度分布を示す図である。 エンジンECUが実行するプログラムの制御構造を示す図(その1)である。 エンジンECUが実行するプログラムの制御構造を示す図(その2)である。
符号の説明
100 エンジン、104 インジェクタ、106 点火プラグ、110 クランクシャフト、116 吸気バルブ、118 排気バルブ、200 エンジンECU、202 ROM、300 ノックセンサ、302 水温センサ、304 タイミングロータ、306 クランクポジションセンサ、308 スロットル開度センサ、310 車速センサ、312 イグニッションスイッチ、314 エアフローメータ、320 補機バッテリ、400 A/D変換部、410 バンドパスフィルタ、420 積算部、500 クランク角検出部、502 強度検出部、504 波形検出部、510 15度積算値算出部、512 第1変化量算出部、514 領域特定部、516 クランク角特定部、518 相関係数算出部、520 90度積算値算出部、600 算出部、602 判定部、700 フィードバック補正部、702 相関係数判定部、704 ノッキング判定部、706 第2変化量算出部、708 変化量判定部、710 ノッキング判定部、712 波形補正部、714 90度積算値算出部、716 頻度分布作成部、718 90度積算値判定部、720 ノッキング判定部、722 補正部。

Claims (6)

  1. クランク角を検出するための手段と、
    内燃機関の振動の強度を検出するための手段と、
    検出された強度に基づいて、クランク角についての予め定められた領域における振動の波形を検出するための手段と、
    前記波形における振動の強度を前記予め定められた領域分積算した第1の積算値を算出するための算出手段と、
    前記予め定められた領域を複数に分割した領域毎に前記波形における振動の強度を積算した第2の積算値を算出するための手段と、
    前記第2の積算値の点火サイクル間の変化量を検出するための手段と、
    前記第2の積算値の変化量がより大きい領域を予め定められた数だけ特定するための手段と、
    特定された領域を基準にして定められる探索領域内で、隣接するクランク角における強度に比べて大きい強度を有するクランク角を特定するための手段と、
    前記内燃機関の振動の波形の基準として定められる波形モデルにおいて強度が最大になるタイミングを、前記特定されたクランク角に一致させた状態で、前記波形モデルの形状および前記検出された波形の形状の差が小さいほど大きくなるように係数を算出するための手段と、
    点火サイクル間での前記第1の積算値の差を算出するための手段と、
    前記係数が予め定められた係数よりも大きい場合、点火サイクル間での前記第1の積算値の差が予め定められた差よりも小さいか否かを判定するための判定手段と、
    点火サイクル間での前記第1の積算値の差が前記予め定められた差よりも小さい場合、ノッキングが発生していないと判定するための手段と、
    点火サイクル間での前記第1の積算値の差が前記予め定められた差以上である場合、ノッキングが発生したと判定するためのノッキング判定手段とを備える、内燃機関のノッキング判定装置。
  2. 前記ノッキング判定手段は、点火サイクル間での前記第1積算値の差が前記予め定められた差以上であり、かつ前記第1の積算値が判定値よりも大きい場合、ノッキングが発生したと判定するための手段を含み、
    点火サイクル間での前記第1の積算値の差が前記予め定められた差よりも小さい場合、前記波形における強度が小さくなるように前記波形を補正するための補正手段と、
    補正された波形における振動の強度を積算した積算値を算出するための手段と、
    補正された波形の積算値に応じて前記判定値を設定するための手段とをさらに備える、請求項1に記載の内燃機関のノッキング判定装置。
  3. 前記補正手段は、前記波形において強度が小さくなるように、かつ各クランク角における強度が正値になるように、前記波形を補正するための手段を含む、請求項2に記載の内燃機関のノッキング判定装置。
  4. クランク角を検出するステップと、
    内燃機関の振動の強度を検出するステップと、
    検出された強度に基づいて、クランク角についての予め定められた領域における振動の波形を検出するステップと、
    前記波形における振動の強度を前記予め定められた領域分積算した第1の積算値を算出するステップと、
    前記予め定められた領域を複数に分割した領域毎に前記波形における振動の強度を積算した第2の積算値を算出するステップと、
    前記第2の積算値の点火サイクル間の変化量を検出するステップと、
    前記第2の積算値の変化量がより大きい領域を予め定められた数だけ特定するステップと、
    特定された領域を基準にして定められる探索領域内で、隣接するクランク角における強度に比べて大きい強度を有するクランク角を特定するステップと、
    前記内燃機関の振動の波形の基準として定められる波形モデルにおいて強度が最大になるタイミングを、前記特定されたクランク角に一致させた状態で、前記波形モデルの形状および前記検出された波形の形状の差が小さいほど大きくなるように係数を算出するステップと、
    点火サイクル間での前記第1の積算値の差を算出するステップと、
    前記係数が予め定められた係数よりも大きい場合、点火サイクル間での前記第1の積算値の差が予め定められた差よりも小さいか否かを判定するステップと、
    点火サイクル間での前記第1の積算値の差が前記予め定められた差よりも小さい場合、ノッキングが発生していないと判定するステップと、
    点火サイクル間での前記第1の積算値の差が前記予め定められた差以上である場合、ノッキングが発生したと判定するステップとを備える、内燃機関のノッキング判定方法。
  5. ノッキングが発生したと判定するステップは、点火サイクル間での前記第1の積算値の差が前記予め定められた差以上であり、かつ前記第1の積算値が判定値よりも大きい場合、ノッキングが発生したと判定するステップを含み、
    点火サイクル間での前記第1の積算値の差が前記予め定められた差よりも小さい場合、前記波形における強度が小さくなるように前記波形を補正するステップと、
    補正された波形における振動の強度を積算した積算値を算出するステップと、
    補正された波形の積算値に応じて判定値を設定するステップとをさらに備える、請求項に記載の内燃機関のノッキング判定方法。
  6. 前記波形を補正するステップは、前記波形において強度が小さくなるように、かつ各クランク角における強度が正値になるように、前記波形を補正するステップを含む、請求項に記載の内燃機関のノッキング判定方法。
JP2007298398A 2007-11-16 2007-11-16 内燃機関のノッキング判定装置およびノッキング判定方法 Expired - Fee Related JP4905329B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007298398A JP4905329B2 (ja) 2007-11-16 2007-11-16 内燃機関のノッキング判定装置およびノッキング判定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007298398A JP4905329B2 (ja) 2007-11-16 2007-11-16 内燃機関のノッキング判定装置およびノッキング判定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009121408A JP2009121408A (ja) 2009-06-04
JP4905329B2 true JP4905329B2 (ja) 2012-03-28

Family

ID=40813812

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007298398A Expired - Fee Related JP4905329B2 (ja) 2007-11-16 2007-11-16 内燃機関のノッキング判定装置およびノッキング判定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4905329B2 (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2596436B2 (ja) * 1987-12-29 1997-04-02 三菱自動車工業株式会社 ガソリンエンジンのノッキング検出方法
JP2509376B2 (ja) * 1990-08-21 1996-06-19 三菱電機株式会社 内燃機関用ノック制御方法
JP4465928B2 (ja) * 2001-07-04 2010-05-26 株式会社デンソー 内燃機関のノック制御装置
JP2006307711A (ja) * 2005-04-27 2006-11-09 Toyota Motor Corp 内燃機関のノッキング判定装置
JP4532348B2 (ja) * 2005-06-06 2010-08-25 株式会社日本自動車部品総合研究所 内燃機関のノッキング制御装置
JP2006348764A (ja) * 2005-06-13 2006-12-28 Toyota Motor Corp 内燃機関のノッキング判定装置
JP4589238B2 (ja) * 2006-01-10 2010-12-01 トヨタ自動車株式会社 内燃機関のノッキング判定装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009121408A (ja) 2009-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4491427B2 (ja) 内燃機関の点火時期制御装置
JP4390792B2 (ja) 内燃機関のノッキング判定装置、ノッキング判定方法、その方法を実現するプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体
JP4404811B2 (ja) ノッキング状態判定装置
JP4980956B2 (ja) 内燃機関の点火時期制御装置
JP4342520B2 (ja) 内燃機関の点火時期制御装置
JP4997026B2 (ja) 内燃機関のノッキング判定装置、ノッキング判定方法およびその方法をコンピュータに実現させるプログラムならびにそのプログラムを記録した記録媒体
JP2007255212A (ja) 内燃機関の点火時期制御装置
JP4680248B2 (ja) 内燃機関の点火時期制御装置および点火時期制御方法
JP4180090B2 (ja) 内燃機関のノッキング判定装置
JP4597167B2 (ja) 内燃機関のノッキング判定装置
JP4357501B2 (ja) 内燃機関のノッキング判定装置
JP2009024641A (ja) 内燃機関のノッキング判定装置、ノッキング判定方法およびその方法をコンピュータで実現されるプログラムならびにそのプログラムを記録した記録媒体
JP5034910B2 (ja) 内燃機関のノッキング判定装置およびノッキング判定方法
JP4905329B2 (ja) 内燃機関のノッキング判定装置およびノッキング判定方法
JP4799530B2 (ja) 内燃機関のノッキング判定装置およびノッキング判定方法
JP4919939B2 (ja) 内燃機関の点火時期制御装置および点火時期制御方法
JP4992049B2 (ja) 内燃機関の点火時期制御装置
JP4992688B2 (ja) 内燃機関の点火時期制御装置および点火時期制御方法
JP4745198B2 (ja) 内燃機関のノッキング判定装置、判定方法、その方法を実現するプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体
JP4867826B2 (ja) 内燃機関のノッキング判定装置
JP4744482B2 (ja) 内燃機関のノッキング判定装置
JP4952554B2 (ja) 内燃機関の点火時期制御装置および点火時期制御方法
JP2009144616A (ja) 内燃機関の点火時期制御装置および点火時期制御方法
JP2009121276A (ja) 内燃機関の点火時期制御装置および点火時期制御方法
JP2009138564A (ja) 内燃機関の点火時期制御装置および点火時期制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100621

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20100706

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100706

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110829

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110906

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111021

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111213

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111226

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150120

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4905329

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150120

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees