JP4465129B2 - ブラシレスモータの駆動装置と駆動方法 - Google Patents

ブラシレスモータの駆動装置と駆動方法 Download PDF

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    • H02P2209/07Trapezoidal waveform

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブラシレスモータの駆動システムにおいて、ロータの磁極位置の検出を、ホール素子等の位置検出手段を用いずに、ステータの巻線に発生する誘起電圧によって位置検出を行うセンサレス駆動方式に関し、特に、無通電相の端子電圧とインバータの母線に印加されているDC電圧からインバータ還流電流期間を判断し、インバータ還流電流期間終了後の端子電圧とブラシレスモ−タの特性から予め導出される端子電圧波形とを比較することにより、ロータの磁極位置を確定するブラシレスモータのセンサレス駆動装置および駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ブラシレスモータの駆動制御は、ロータの磁極位置と通電すべき巻線とを関係付けて転流を行う必要があり、ブラシレスモータの出力トルクは、ロータの有する磁石による磁束とステータの有する巻線に流れる電流による磁束との相互作用によって発生している。このため、ブラシレスモータの駆動は、ロータの磁極から発生する磁束が最大となる付近に存在する巻線に電流を流すことによりトルクを発生させてブラシレスモータを回転制御する必要がある。また、ブラシレスモータの駆動制御は、ロータの磁極位置に従って、電流を流すべき相を時々刻々に切替えていくことにより行われるが、この相の切替えである転流の時刻が磁束最大位置よりも大幅にずれた場合、発生するトルクが減少し、最悪の場合、ブラシレスモータは脱調し停止に至ることになる。
【0003】
従って、ブラシレスモータの駆動制御は、何らかの手段によってロータの磁極位置を検出して、これにより制御を行う必要がある。中でも、ロータの磁極位置の検出を、ホール素子等の位置検出手段を用いずに、ステータの巻線に発生する誘起電圧によって位置検出を行うセンサレス駆動方式が従来から提案されている。この種のセンサレス駆動によるロータの磁極位置検出方法に関する従来のシステム構成の一例を図23と図24を参照して以下に説明する。
【0004】
図23に示す従来のシステム構成において、1は交流電源、2はコンバータ、3はインバータ、5はブラシレスモータ、6はステータ、7はロータ、8は制御部、9はドライブ回路、16は基準電圧生成手段、17u,17v,17wはコンパレータである。ブラシレスモータ5は、中性点を中心にY結線された3つの相巻線6u、6v、6wが取付けられたステータ6と、磁石が装着されたロータ7とを備える。U相巻線6uの非結線端にU相端子11u、V相巻線6vの非結線端にV相端子11v、W相巻線6wの非結線端にW相端子11wが接続されている。
【0005】
交流電源1から出力されるAC電圧は、コンバータ2によってDC電圧(Vdc)に変換されてインバータ3に供給される。インバータ3は、一対のスイッチング素子が電流の上流側と下流側の関係に直列接続されたU相用、V相用、W相用の3つの直列回路を有し、これら3つの直列回路にコンバータ2から出力されるDC電圧(Vdc)が印加される。U相用の直列回路は、上流側スイッチング素子であるトランジスタ12uと下流側スイッチング素子であるトランジスタ13uを備え、同様に、V相用の直列回路は、上流側スイッチング素子であるトランジスタ12vと下流側スイッチング素子であるトランジスタ13vを備え、また、W相用の直列回路は、上流側スイッチング素子であるトランジスタ12wと下流側スイッチング素子であるトランジスタ13wを備える。さらに、フリーホイールダイオード14u,14v,14wと15u,15v,15wが、それぞれ上流側と下流側の各トランジスタと並列に接続される。
【0006】
インバータ3におけるトランジスタ12uと13uの相互接続点、トランジスタ12vと13vの相互接続点、トランジスタ12wと13wの相互接続点に、ブラシレスモータ5の端子11u,11v,11wがそれぞれ接続される。インバータ3は、各トランジスタのオン・オフにより、ブラシレスモータ5の相巻線6u,6v,6wに順次に通電するが、各相とも一対のトランジスタが上流側および下流側ともオフになる無通電期間を有し、この期間では以下に述べるロータ7の磁極位置の検出を行う。
【0007】
コンパレ−タ17u,17v,17wでは、無通電期間内にブラシレスモータ5の端子11u,11v,11wに発生する端子電圧(誘起電圧)と基準電圧生成手段16からの基準電圧(例えば、DC電圧値Vdcの1/2等)とが比較され、図24に示すように、この比較結果である交点で変化する信号を位置検出信号として制御部8に出力する。制御部8は、ブラシレスモータ5の相巻線6u,6v,6wに順次に通電するための制御信号(U+,V+,W+,U−,V−,W−)を位置検出信号の変化点を基準として生成し、ドライブ回路9に出力する。このようにして、ブラシレスモータ5の回転制御を行っている。
【0008】
従来のセンサレス駆動の他の例として、例えば日本国特許第2786863号公報に記載されたものがある。これは、ブラシレスモータの無通電相の端子電圧を直接サンプリングして検出するA/Dコンバータを備え、このサンプリング値の2点を用いて誘起電圧の傾きを求め、この傾きとDC電圧値の1/2との交点を基準として、その結果から転流を行うというものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成では、無通電期間中に誘起電圧と基準電圧の交点が存在しなければならず、このことがブラシレスモータ駆動の制御の際に、通電期間等に関して制限される原因となっていた。具体的には、通電期間を120°未満に抑える必要があり、120°以上とする広角通電を難しくしていた。
【0010】
また、特許第2786863号公報に記載された構成では、原理的に無通電相の端子電圧を常に2点以上検出しなければならず、ブラシレスモータの回転数が高速になり、2点以上の端子電圧が検出できなくなった場合、誘起電圧の傾きが算出できないため、転流時刻を決定できず、ブラシレスモータが停止するという問題があった。
【0011】
本発明の目的は、上記課題を解決するとともに、ロータの磁極位置を正確に検出することができ、低速回転域から高速回転域まで良好にブラシレスモータの駆動が可能な駆動制御を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のブラシレスモータ駆動装置は、複数相の巻線を有するステータと複数極の磁石を有するロータを備えたブラシレスモータに対し、前記ロータの磁極位置を検出し、前記検出された磁極位置に応じて前記ステータの巻線への通電をインバータによって順次に切替えるブラシレスモータの駆動装置であって、前記インバータの母線に印加されているDC電圧を検出するDC電圧検出手段と、前記ステータの巻線のうち、無通電相の端子電圧を検出する端子電圧検出手段と、前記端子電圧検出手段により検出された端子電圧をA/D変換するA/D変換手段と、前記検出された端子電圧と前記DC電圧からインバータ還流電流期間を判断する還流電流期間判定手段と、ブラシレスモータの特性から予め導出される端子電圧波形データを記憶する記憶部と、前記インバータ還流電流期間終了後の前記端子電圧を前記A/D変換手段によりA/D変換した値と、ブラシレスモータの特性から予め導出される上記端子電圧波形とを援用して、前記ロータの磁極位置を確定する磁極位置検出手段と、を有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明のブラシレスモータ駆動方法は、複数相の巻線を有するステータと複数極の磁石を有するロータを備えたブラシレスモータに対し、前記ロータの磁極位置を検出し、前記検出された磁極位置に応じて前記ステータの巻線への通電をインバータによって順次に切替えるブラシレスモータの駆動方法であって、前記インバータの母線に印加されているDC電圧を検出する工程と、前記ステータの巻線のうち、無通電相の端子電圧を検出する工程と、前記検出された端子電圧をA/D変換する工程と、前記検出された端子電圧と前記DC電圧からインバータ還流電流期間を判断する工程と、前記インバータ還流電流期間終了後の前記端子電圧を前記A/D変換した値と、ブラシレスモータの特性から予め導出される端子電圧波形とを援用して、前記ロータの磁極位置を確定する工程と、を有することを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、例えばDC電圧値の1/2などの基準電圧とDC電圧との交点を求めることなく、ロータの磁極位置を検出することができ、低速回転域から高速回転域まで良好な運転制御が可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、添付の図面において同様の構成要素については同一の参照番号で示すものとする。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るシステム構成を示すブロック図である。図1において、1は交流電源、2はコンバータ、3はインバータ、4はDC電圧検出手段、5はブラシレスモータ、6はステータ、7はロータ、8は制御部、9はドライブ回路、10はA/D変換器である。ブラシレスモータ5は、中性点を中心にY結線された3つの相巻線6u、6v、6wが取付けられたステータ6と、磁石が装着されたロータ7とを備える。U相巻線6uの非結線端にU相端子11u、V相巻線6vの非結線端にV相端子11v、W相巻線6wの非結線端にW相端子11wがそれぞれ接続されている。
【0017】
交流電源1から出力されるAC電圧は、コンバータ2によってDC電圧に変換され、インバータ3に供給される。インバータ3は、一対のスイッチング素子が電流の上流側と下流側の関係に直列接続された3つの直列回路を、それぞれU相用、V相用、W相用として有する。これら直列回路にコンバータ2から出力されるDC電圧が印加される。U相用の直列回路は、上流側スイッチング素子であるトランジスタ12uと下流側スイッチング素子であるトランジスタ13uを備え、同様に、V相用の直列回路は、上流側スイッチング素子であるトランジスタ12vと下流側スイッチング素子であるトランジスタ13vを備え、また、W相用の直列回路は、上流側スイッチング素子であるトランジスタ12wと下流側スイッチング素子であるトランジスタ13wを備える。さらに、フリーホイールダイオード14u,14v,14wと15u,15v,15wが、それぞれ上流側と下流側の各トランジスタと並列に接続されている。
【0018】
インバータ3において、U相用の直列回路のトランジスタ12uと13uの相互接続点、V相用の直列回路のトランジスタ12vと13vの相互接続点、W相用の直列回路のトランジスタ12wと13wの相互接続点に、ブラシレスモータ5の端子11u,11v,11wがそれぞれ接続される。インバータ3は、各トランジスタのオン・オフにより、ブラシレスモータ5の相巻線6u,6v,6wに順次に通電する働きをする。
【0019】
DC電圧検出手段4はインバータ3の入力側に配置され、DC電圧検出手段4によって検出されたDC電圧は、インバータ3及びA/D変換器10に入力される。また、A/D変換器10には、ブラシレスモータ5の端子11u,11v,11wからの端子(誘起)電圧も入力されてサンプリングされる。
【0020】
制御部8では、A/D変換器10で得られるDC電圧検出手段4からのDC電圧とブラシレスモータ5からの端子電圧の情報から、インバータ3におけるトランジスタのスイッチング動作を制御する信号(U+,V+,W+,U−,V−,W−)を生成し、ドライブ回路9に出力する。これらのスイッチング動作制御信号に基づいて、ドライブ回路9により、インバータ3におけるトランジスタのスイッチング動作が行われる。
【0021】
ここで、制御部8は、ブラシレスモータ5からの無通電相の端子電圧を検出する端子電圧検出部81と、この検出された端子電圧とインバータの母線に印加されているDC電圧とを比較することによりインバータ還流電流期間を判断する還流電流期間判定部82と、主にロータ7内の磁石によってステータ6の巻線に誘起され、ブラシレスモータ側から発生する端子電圧波形データを記憶する記憶部83を有する。この誘起電圧波形はブラシレスモータの特性から予め導出される端子電圧波形となり、後述する磁極位置を検出する際に用いられ、これを記億部83にテーブル化したデータなどで記憶されている。また、制御部8は、インバータ還流電流期間終了後の端子電圧とブラシレスモータの特性から予め導出される端子電圧波形とを援用して、ロータの磁極位置を確定する磁極位置検出部84を有する。制御部8とA/D変換器10はワンチップのマイクロコンピュータで構成可能であり、各制御機能の詳細については後述する。
【0022】
次に、上記構成のモータ駆動システムにおいて、ステータ6の相巻線6u,6v,6wが理想的な転流タイミングで通電制御され、ロータ7が一定速度で回転しているものとして、その動作状態を以下に説明する。
【0023】
図2は、本実施の形態の制御部8から出力され、インバータ3におけるトランジスタのスイッチング動作を制御する信号U+,V+,W+,U−,V−,W−を示す。スイッチング動作制御信号は一般に120°通電駆動といわれるものであり、また、巻線端子電圧の通電率を制御するいわゆるPWM制御を実現する。図2において、U+で示す信号は、U相用のトランジスタ12uを制御する信号であり、U−で示す信号は、U相用のトランジスタ13uを制御する信号である。他のV相、W相に関しても同様であり、各信号はアクティブハイとしている。
【0024】
図3は、図2に示す制御信号でブラシレスモータ5を駆動したときのU相端子11uの端子電圧波形を示す。この端子電圧波形は、ブラシレスモータを回転させるために印加する駆動電圧と、ブラシレスモータ側から発生する電圧とが混在したものである。このブラシレスモータ側から発生する電圧は、回転速度や通電電流などによって変化し、ロータ7の磁極位置の検出に際し有効な情報となる。図2に示すような120°通電駆動では、ブラシレスモータ側から発生する電圧は、図3に示す期間Tsで得られる。
【0025】
さらに、期間Tsにおいて、転流時にフリーホイールダイオード14u,15uに電流が流れる期間(インバータ還流電流期間)Tfでは、DC電圧または0電圧に固定され、また、インバータ3はPWM制御によるチョッピングが行われているため、例えば、電気角300〜360°期間では、トランジスタ12wがオンしてW−V相が通電している期間のみ有効な情報として活用できる。
【0026】
そこで、本実施の形態1において、磁極位置検出のための有効な情報となり得るブラシレスモータ側から発生する電圧を取得する方法について、図4を用いて説明する。
【0027】
図4はトランジスタのスイッチング動作を制御する信号パターンが図2における期間▲5▼から▲6▼、即ち、W−U相の通電からW−V相の通電に切替わったときのトランジスタ12w,13u,13vの動作状態と、U相端子11uの電圧波形である。通電が切替わった後、A/D変換器10によってDC電圧とU相の端子電圧をトランジスタ12wがオンしている期間内にサンプリングする。サンプリングされた端子電圧(図中×印)とDC電圧を比較し、同等であればフリーホイールダイオード14uに電流が流れているインバータ還流電流期間であることが分かる(図中P1〜P3)。トランジスタ12wがオンするごとにサンプリングと電圧比較を行ない、端子電圧がDC電圧より十分小さい値(P4)であったならば、インバータ還流電流期間が終わり、ブラシレスモータ側から発生する電圧と判断できる。
【0028】
図5は、トランジスタのスイッチング動作を制御する信号パターンが、図2における期間▲2▼から▲3▼、即ち、U−W相の通電からV−W相の通電に切替わったときのトランジスタ12u,12v,13wの動作状態と、U相端子11uの電圧波形である。通電が期間▲2▼から▲3▼に切替わった後、A/D変換器10によってDC電圧とU相の端子電圧をトランジスタ13wがオンしている期間内にサンプリングする。サンプリングされた端子電圧(図中×印)とゼロ電位を比較し、同等であればフリーホイールダイオード15uに電流が流れているインバータ還流電流期間であることが分かる(図中P5〜P7)。トランジスタ13wがオンするごとにサンプリングと電圧比較を行ない、端子電圧がゼロ電位より十分大きな値(P8)であったならば、インバータ還流電流期間が終わり、ブラシレスモータ側から発生する電圧と判断できる。
【0029】
サンプリングした端子電圧が、ブラシレスモータ側から発生する電圧と判断できたならば、その値からロータ7の磁極位置を検出することができる。ブラシレスモータ側から発生する電圧から磁極位置を検出する方法を以下に説明する。
【0030】
ブラシレスモータ側から発生する電圧は、主にロータ7内の磁石によってステータ6の巻線に誘起される電圧、いわゆる誘起電圧である。この誘起電圧波形は、ブラシレスモータの巻線の巻数や、磁石の材料などの仕様が決まればおのずと決まるものであり、図6に示すように、概ね正弦波状関数で表すことができ、3000rpmの誘起電圧波形(破線18aで示す)、6000rpmの誘起電圧波形(実線18bで示す)のようにブラシレスモータ回転数によってその振幅が変化する。この波形が、磁極位置を検出する際に用いるブラシレスモータの特性から予め導出される端子電圧波形となり、これを制御部8内の記億部83にテーブル化したデータなどで記憶しておく。
【0031】
これによって、例えば図1に示すようなシステムにおいて、インバータ3に供給されるDC電圧が240Vでブラシレスモータが回転したとすれば、信号パターンが期間▲3▼で回転数が3000rpmの時、誘起電圧が110Vであるならば磁極位置は電気角にて165°であると判断できる。また、信号パターンが期間▲6▼で回転数が6000rpmの時、誘起電圧が90Vであるならば、磁極位置は電気角にて305°であると判断できる。
【0032】
このようにブラシレスモータ回転数を把握しておけば誘起電圧から磁極位置が検出できることになる。即ち、実施の形態1において、制御部8でブラシレスモータ側から発生する電圧から磁極位置を検出し、検出された位置情報からブラシレスモータ回転数の算出を行い、算出されたブラシレスモータ回転数を再度磁極位置検出に用いるといった制御ループを構成すれば駆動が可能である。
【0033】
なお、誘起電圧波形を図6に示すような正弦波状として説明したが、ロータ7内の磁石の着磁などによっては、誘起電圧波形を図7に示すような台形波状のものにするなど、駆動させるブラシレスモータの特性に合わせた波形を磁極位置の検出の際に用いるのが望ましい。
【0034】
本実施の形態によれば、ブラシレスモータが高速回転で駆動され、図8に示すように、無通電期間の端子電圧波形においてインバータ還流電流期間が長くなり、誘起電圧のゼロクロスポイント(DC電圧値の1/2との交点)が隠されたものとなったとしても、A/D変換器によって端子電圧を1点(図中×印)サンプリングできれば磁極位置が判断できる。
【0035】
また、本実施の形態において、インバータ3におけるトランジスタのスイッチング動作を制御する信号の他の例を図9に示す。同図に示したスイッチング動作制御信号は、各相の通電角を広げ、電気角にて150°の通電期間を有し、無通電期間を30°としている。ここで、スイッチング動作制御信号と誘起電圧(U相を代表)の関係は図10に示す通りである。
【0036】
図11は、トランジスタのスイッチング動作を制御する信号パターンが期間10(○印内の10として図示)から12(○印内の12として図示)にかけて切替わった時のU相の端子電圧波形を示す。120°通電駆動の時と比べて通電期間が短くなっているため、誘起電圧を検出できる期間も短くなり、図9及び図10からもわかるように、信号パターン11(○印内の11として図示)では誘起電圧のゼロクロスポイントが現れる以前にスイッチング動作が開始していることになる。このような場合でも、A/D変換器によって端子電圧を1点サンプリングできれば磁極位置が判断できることから、通電角を広げた駆動が可能であることが分かる。
【0037】
このように、通電角が広げられれば、図12に示すように、各相に流れる電流において、120°通電駆動時の電流波形(破線20aで示す)と比較して、なだらかな立ち上げ及び立ち下げの電流波形(実線20bで示す)が実現できる。この電流波形の改善によってブラシレスモータ駆動の低騒音化および低振動化が可能となる。
【0038】
なお、本実施の形態では通電角を120°と150°とした場合について説明したが、本実施の形態を適用し、A/D変換器によって端子電圧を1点でもサンプリングできれば、通電角は約180°付近まで広げることも可能であり、電流波形を正弦波状に近づけた略正弦波駆動も実現でき、更なるブラシレスモータ駆動の低騒音化および低振動化が図れる。
【0039】
(実施の形態2)
実施の形態1では、ブラシレスモータ側から発生する電圧は、主にロータ7内の磁石によって誘起される誘起電圧であることを前提に説明したが、本実施の形態2では、ブラシレスモータが突極性を持つIPMモータにおいて厳密な磁極位置検出を行う必要がある場合を考慮して、ブラシレスモータの特性から予め導出される端子電圧波形を、誘起電圧波形とステータ6に取り付けた巻線の相互インダクタンスによって生じる電圧との合成波形とした。
【0040】
図13はIPMモータの1相当たりの有効インダクタンスを表すものであり、ロータ7に磁石が埋め込まれたIPMモータでは、特に振幅Lasが大きくなり、無通電期間の端子電圧において、この影響が無視できなくなる。IPMモータのモデルの電圧方程式から無通電期間における、例えば、U相端子電圧を導出すると、下記に示す式(A)となる。
Vu=[(Vv+Vw)+3Las{cos(2θ−2π/3)・p(iv)+cos(2θ+2π/3)・p(iw)}−6ω・Las{sin(2θ−2π/3)・iv+sin(2θ+2π/3)・iw}+3φu]/2 ...(A)
【0041】
式(A)において、第2および第3項は相互インダクタンスによって生じる電圧であり、第1および第4項は相互インダクタンスによって生じる電圧を含まない誘起電圧を表している。ここで、VvおよびVwは中性点から見た各端子電圧であり、ivおよびiwは中性点に流れる方向を正とする相電流、φuは中性点から見た磁石による誘起電圧、ωは回転速度、pは微分演算子(d/dt)である。
【0042】
また、図14は、相電流がないときの誘起電圧波形21aと、相電流が流れた時の誘起電圧波形21bとの比較を示すものである。誘起電圧波形は、相電流が大きくなるにつれて、電気角に対して前へ進んだ波形になることがシミュレーション等によって証明されている。このことを考慮しなければ、同じ誘起電圧値をサンプリングしても相電流が大きい場合、磁極位置を遅れ側に検出してしまい、最適な通電タイミングによる駆動が行われないことになる。
【0043】
式(A)から、特にIPMモータの場合、無通電期間におけるブラシレスモータ側から発生する電圧に、相互インダクタンスによって生じる電圧分を加味したほうが正確な磁極位置検出ができることは明らかであり、そのためには図14および式(A)の第2及び第3項から分かるように、無通電期間におけるブラシレスモータ側から発生する電圧が回転速度と相電流によって変化するため、回転駆動中のこれらの値に応じて磁極位置の検出の演算を行う必要がある。尚、図1に示すシステム構成では相電流を検出する手段は設けられていないが、これは、インバータ3の母線に印加されているDC電圧と、PWM制御によるチョッピングの通電率(デューティ)と、各相巻線に対する通電期間が、それぞれ相電流と比例関係にあるため、相電流検出手段を備えなくても前述した3つの値でもって代用することができる。
【0044】
(実施の形態3)
本実施の形態3では、前記実施の形態1または2における制御部8をインバータ制御用マイコンにて具現化し、図15は、このインバータ制御用マイコン内でのタイマ構成と、出力されるインバータ制御信号との関係を示したものである。インバータ3におけるトランジスタのスイッチング動作を制御する信号は、図9に示したような150°通電駆動を実現するもので、ブラシレスモータが回転中に発生する誘起電圧に合わせて通電される相が切替わるように構成されている。
【0045】
第1のタイマは、PWM信号のキャリア周波数毎にアップダウンカウントを繰り返し、図16に示すようなキャリア周波数決定値に到達すると、アップカウントからダウンカウントへ移行し、通電率決定値に到達するとPWM信号を反転させる。この種のタイマは、一般に、インバータ制御用マイコンには標準装備されている。
【0046】
第2のタイマは、ブラシレスモータの回転数に基づいて電気角で30°毎にカウントクリアされる。第2のタイマのカウント値がクリアされてから電気角で30°に相当する値までカウントされると、通電される相が切替わるようにU+からW−までの信号を制御し、カウントクリアしている。
【0047】
PWM信号のキャリア周波数を一定にし、通電率を変化させることによってブラシレスモータの回転数を制御するような駆動装置の場合、言うまでもなくPWM信号のキャリア周期と、通電される相を切替える転流タイミングとは非同期である。ブラシレスモータを安定駆動させるためには、転流タイミングで確実に通電相を切替える必要があり、図15に示すように、PWM信号の出力がキャリア周期の途中であっても変化させなければならない。
【0048】
これを実現するために、PWM信号のキャリア周波数と通電率を決める第1のタイマと、通電される相を切替える転流タイミングを計測する第2のタイマとを備える構成によって、本発明の第1および第2の実施形態が適用されるブラシレスモータの安定駆動が図れる。
【0049】
図17は上述の制御方法にさらに第3のタイマを追加した制御方法を示すタイミングチャートである。第3のタイマは、第1のタイマに同期してカウントアップされ、その機能について図18を用いて以下に説明する。
【0050】
図18において、PWM信号が第1のタイマに同期して変化するのは前述の通りである。第1および第2の実施形態では、ブラシレスモータ側から発生する電圧を端子電圧からサンプリングしてロータ7の磁極位置の検出に利用しているが、このブラシレスモータ側から発生する電圧は、PWM信号とずれたタイミングで現れる。これは、インバータ3におけるトランジスタのスイッチング動作の遅れや、端子電圧検出回路の時定数の影響によるものである。
【0051】
従って、ブラシレスモータ側から発生する電圧をサンプリングする際は、このタイミングのずれを考慮した上で行わなければならない。例えば、第1のタイマのキャリア周波数決定値をα、第1のタイマの通電率決定値をβ、タイミングのずれをγとすると、第3のタイマのカウント値が(β+γ)から(α+β+γ)までの期間において、端子電圧をサンプリングすればよいことになる。
【0052】
一般的なインバータ制御用マイコンでは、第1のタイマのカウント値が通電率決定値に達したときに、割込みなどのイベントを発生することはできるが、上述したタイミングのずれを加味した時点で割込みなどのイベントを発生させることはできない。従って、ブラシレスモータ側から発生する電圧を端子電圧からサンプリングすべき期間を正確に計測するのに第3のタイマを用い、カウント値が端子電圧サンプリング許可期間開始タイミングや終了タイミングに到達した時点で割込みイベントを発生させ、サンプリング動作のコントロールを行い、誤検出を防止している。
【0053】
ここで、図18を用いた説明に関しては、図15マタハ図17において信号パターンが奇数(▲1▼、▲3▼、▲5▼、…)で表される期間中においてのみ当てはまる。
次に、図15または図17において、PWM信号がアクティブ期間に信号パターンが偶数から奇数(例えば▲2▼から▲3▼)に移行した際の制御について、図19を用いて説明する。
【0054】
まず、図中のIは通電率決定値(β)にずれ(γ)を加算したタイミングである。この時点で信号パターンが偶数なのか奇数かを判断し、もし偶数であるならば無通電相がない期間として端子電圧のサンプリング動作は開始しない。
【0055】
次に、転流タイミングを計測する第2のタイマのカウント値が、転流タイミングに到達した時点IIで、信号パターンは奇数となる。このとき、PWM信号がアクティブ期間か判断し、アクティブ期間であれば、IIの時点における第3のタイマのカウント値(T)を記憶しておく。そして、第3のタイマのカウント値が(T+γ)になった時点IIIから、端子電圧のサンプリングを開始し、(α+β+γ)で表されるIVのタイミングで終了する。
【0056】
逆に、図15または図17において、PWM信号がアクティブ期間に信号パターンが奇数から偶数(例えば▲1▼から▲2▼)に移行した際の制御については、図20の通りである。端子電圧のサンプリングは、第3のタイマのカウント値が(β+γ)になった時点Iから、第2のタイマによる転流が行われた時点IIの第3のタイマのカウント値(T)にずれ(γ)を加算したタイミングIIIまで行われる。
【0057】
本実施の形態によれば、第1または第2の実施形態の制御部8をインバータ制御用マイコンにて具現化したことで、安価で容易に、高精度の端子電圧サンプリング制御を実現できる。
【0058】
(実施の形態4)
本実施の形態4では、第3の実施形態で用いた第2のタイマで計測される通電相を切替える転流タイミングを、可変としている。以下に述べる説明では、第2のタイマで計測される通電相を切替える転流タイミングを、ブラシレスモータが回転中に発生する誘起電圧に対し、図21に示すように全体的に早める、いわゆる進角制御について述べる。
【0059】
図21は、通電相を切替える転流タイミングにおいて、図17に示すものより電気角にて15°早めた状態を示したものである。一般に、ブラシレスモータの駆動中におけるモータ効率の最高点は、回転数が速くなったり相電流が大きくなるにつれ、回転中に発生する誘起電圧に対して通電相を切替える転流タイミングを早めた時点に存在するため、このような転流タイミングを早める進角制御(以後、早める量を進角値という)が用いられる。
【0060】
本実施の形態では、相電流を検出する手段が設けられていないため、インバータ3の母線に印加されているDC電圧と、PWM制御によるチョッピングの通電率(デューティ)と、各相巻線に対する通電期間でもって相電流の代用を行ない、これにブラシレスモータの回転数を加えた4パラメータによって、進角値を決定し、ブラシレスモータを常に最高効率点で駆動させることができる。なお、上記4パラメータのいずれかを用いることでシステム構築してもよい。
【0061】
ここで、ロータの磁極位置を確定するために用いた端子電圧値が所定の範囲内に収まるように、進角値を制限した場合について、図22を用いて以下に説明する。
【0062】
図22の(a)の状態では、無通電時の端子電圧波形からTbemfの期間において磁極位置検出のための有効な情報となり得るブラシレスモータ側から発生する電圧が現れている。この状態であれば電気角に対する電圧値の変化(端子電圧の傾き)が大きいため、角度誤差の少ない位置演算が可能である。
【0063】
これに対し、図22の(b)に示す状態まで進角値を大きくすると、磁極位置検出のための有効な情報となり得るブラシレスモータ側から発生する電圧の電気角に対する電圧値の変化が少なく、たとえ第3の実施形態で述べたような構成で端子電圧を正確にサンプリングしたとしても、電圧値から磁極位置に変換する際に大きな角度誤差を生じてしまう。
【0064】
このような状態を防ぐために、磁極位置検出のための有効な情報となり得るブラシレスモータ側から発生する電圧をサンプリングする毎に、その値が、図22(a)に示すth1からth2の所定の範囲内にあるか確認しながら、例えば、もしth1よりも小さければ進角値を少なくするといった制限を加えることとし、これによって磁極位置検出精度の向上が図れる。
【0065】
(実施の形態5)
本実施の形態5では、第1乃至第4の実施の形態に示したモータ駆動システムをエアコンなどの冷凍装置のコンプレッサモータ駆動システムに適用した。本実施の形態によれば、コンプレッサモータに流れる電流波形を正弦波状に近づける改善により、冷凍装置の低騒音化および低振動化を実現することができた。また、より精度の高い磁極位置検出は、コンプレッサモータの最高効率ポイントでの駆動を可能にし、ひいては冷凍装置の高効率化に大きく寄与することができた。また、A/D変換器の端子電圧サンプリングは、コンプレッサモータの回転数の高速化を可能にし、短時間に目標温度に到達する冷凍装置が実現できた。
【0066】
【発明の効果】
以上から明らかなように、本発明の第1の態様によれば、端子電圧とDC電圧からインバータ還流電流期間を判断し、インバータ還流電流期間終了後の前記端子電圧とブラシレスモータの特性から予め導出される端子電圧波形とを援用し、ロータの磁極位置を確定することを特徴とした駆動方法を実現し、これによれば、以下に述べる効果を奏する。
【0067】
まず、無通電期間の端子電圧波形においてインバータ還流電流期間が長くなり、誘起電圧のゼロクロスポイントが隠れるような場合であっても、インバータ還流電流期間後にサンプリングした端子電圧から磁極位置が検出できるため、所望の転流タイミングで通電相を切替えることができ、ブラシレスモータを最高効率にて駆動させたり、回転領域をより高速側に広げたりすることができる。
【0068】
また、端子電圧を1点サンプリングできれば磁極位置が検出できるので、誘起電圧のゼロクロスポイントが現れる以前にスイッチング動作の開始が可能であり、通電角を広げることができ、ブラシレスモータ駆動の低騒音化、低振動化が図れる。
【0069】
本発明の第2の態様によれば、ブラシレスモータの特性から予め導出される端子電圧波形は、ロータ内の磁石による誘起電圧波形と、巻線の相互インダクタンスにより発生する電圧波形との合成波形とすることにより、特に、突極性を持つIPMモータにおいて厳密な磁極位置の検出が可能となる。
【0070】
更に、本発明の第3の態様によれば、相電流とブラシレスモータの回転数によって変化する相互インダクタンスにより発生する電圧波形を求める際に、相電流をインバータの各相巻線に対する通電率などに代用して算出されるため、電流センサ等を用いない安価なシステムを構築することができる。
【0071】
本発明の第4の態様によれば、PWM信号のキャリア周波数と通電率を決める第1のタイマと、ステータの巻線への通電を順次に切替えるタイミングを計測する第2のタイマとによって構成され、インバータを制御するPWM信号を出力する制御部を具備することにより、特に、ブラシレスモータが高速回転時においてもキャリア周波数に関係なく、所望の転流タイミングで確実に通電相を切替えることができ、安定駆動を維持することができる。
【0072】
本発明の第5の態様によれば、前記制御部に、無通電相の端子電圧の検出タイミングを計測するPWM信号に同期した第3のタイマを追加することにより、インバータにおけるトランジスタのスイッチング動作の遅れや、端子電圧検出回路の時定数の影響を受けない厳密な磁極位置検出ができる。
【0073】
本発明の第6の態様によれば、磁極位置検出に用いる端子電圧値を監視しながら所定の範囲内に収まるように転流タイミングの可変範囲に制限を設けたため、端子電圧値から磁極位置への変換演算に生じる誤差を極力低減し、脱調のないブラシレスモータの安定駆動が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るシステム構成を示すブロック図
【図2】 図1のシステムにおいて、120°通電駆動したときのインバータのスイッチング動作制御信号を示すチャート図
【図3】 図1のシステムにおいて、120°通電駆動したときのU相の端子電圧波形図
【図4】 図1のシステムにおいて、120°通電駆動し、W−U相の通電からW−V相の通電に切替わったときの波形図
【図5】 図1のシステムにおいて、120°通電駆動し、U−W相の通電からV−W相の通電に切替わったときの波形図
【図6】 誘起電圧が正弦波状であるブラシレスモータが、120°通電駆動されるときの電気角と誘起電圧波形の関係図
【図7】 誘起電圧が台形波状であるブラシレスモータが、120°通電駆動されるときの電気角と誘起電圧波形の関係図
【図8】 ブラシレスモータが高速回転したときの端子電圧波形図
【図9】 図1のシステムにおいて、150°通電駆動したときのインバータのスイッチング動作制御信号を示すチャート図
【図10】 誘起電圧が正弦波状であるブラシレスモータが、150°通電駆動されるときの電気角と誘起電圧波形の関係図
【図11】 ブラシレスモータが150°通電駆動したときの端子電圧波形図
【図12】 120°通電駆動と150°通電駆動したときの相電流波形図
【図13】 IPMモータのインダクタンス特性図
【図14】 相電流による誘起電圧の違いを示す波形図
【図15】 図1のシステムにおいて、150°通電駆動したときのインバータのスイッチング動作制御信号と制御部のタイマ動作を示すチャート図
【図16】 図15における第1のタイマとPWM信号との関係図
【図17】 図1のシステムにおいて、150°通電駆動したときのインバータのスイッチング動作制御信号と制御部のタイマ動作を示すチャート図
【図18】 図17における、第1のタイマと第3のタイマと端子電圧波形との関係図
【図19】 図17における、第1のタイマと第2のタイマと第3のタイマとの関係図
【図20】 図17における、第1のタイマと第2のタイマと第3のタイマとの関係図
【図21】 図17において、15°進角制御した時のチャート図
【図22】 (a)、(b)は進角値違いによる端子電圧波形の比較図
【図23】 従来のシステム構成を示すブロック図
【図24】 従来のシステム構成における、無通電期間の端子電圧と位置検出信号の波形図
【符号の説明】
3 インバータ
4 DC電圧検出手段
5 ブラシレスモータ
6 ステータ
7 ロータ
8 制御部
9 ドライブ回路
11u U相端子
11v V相端子
11w W相端子
16 基準電圧生成手段
18a 3000rpmの正弦波状の誘起電圧波形
18b 6000rpmの正弦波状の誘起電圧波形
19a 3000rpmの台形波状の誘起電圧波形
19b 6000rpmの台形波状の誘起電圧波形

Claims (17)

  1. 複数相の巻線を有するステータと複数極の磁石を有するロータを備えたブラシレスモータに対し、前記ロータの磁極位置を検出し、前記検出された磁極位置に応じて前記ステータの巻線への通電をインバータによって順次に切替えるブラシレスモータの駆動装置であって、
    前記インバータの母線に印加されているDC電圧を検出するDC電圧検出手段と、
    前記ステータの巻線のうち、無通電相の端子電圧を検出する端子電圧検出手段と、
    前記端子電圧検出手段により検出された端子電圧をA/D変換するA/D変換手段と、
    前記検出された端子電圧と前記DC電圧からインバータ還流電流期間を判断する還流電流期間判定手段と、
    ブラシレスモータの特性から予め導出される端子電圧波形データを記憶する記憶部と、
    前記インバータ還流電流期間終了後の前記端子電圧を前記A/D変換手段によりA/D変換した値と、ブラシレスモータの特性から予め導出される上記端子電圧波形とを援用して、前記ロータの磁極位置を確定する磁極位置検出手段と、を有することを特徴とするブラシレスモータの駆動装置。
  2. 前記ブラシレスモータの特性から予め導出される端子電圧波形は、前記ロータ内の磁石による誘起電圧波形とすることを特徴とする請求項1記載のブラシレスモータの駆動装置。
  3. 前記ブラシレスモータの特性から予め導出される端子電圧波形は、前記ロータ内の磁石による誘起電圧波形と前記巻線の相互インダクタンスにより発生する電圧波形との合成波形とすることを特徴とする請求項1記載のブラシレスモータの駆動装置。
  4. 前記ロータ内の磁石による誘起電圧波形は正弦波状関数とした請求項2または請求項3記載のブラシレスモータの駆動装置。
  5. 前記ロータ内の磁石による誘起電圧波形は、ブラシレスモータの回転数に応じて算出される請求項2または請求項3記載のブラシレスモータの駆動装置。
  6. 前記巻線の相互インダクタンスにより発生する電圧波形は、前記インバータの母線に印加されているDC電圧と、各相巻線に対する通電率と通電期間と、前記ブラシレスモータの回転数とに応じて算出されることを特徴とする請求項3記載のブラシレスモータの駆動装置。
  7. 前記インバータを制御するPWM信号を出力する制御部を具備し、該制御部は、前記PWM信号のキャリア周波数と通電率を決定する第1のタイマと、前記ステータの巻線への通電を順次切替えるタイミングを計測する第2のタイマとを有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のブラシレスモータの駆動装置。
  8. 前記インバータを制御するPWM信号を出力する制御部を具備し、該制御部は、前記PWM信号のキャリア周波数と通電率を決定する第1のタイマと、前記ステータの巻線への通電を順次切替えるタイミングを計測する第2のタイマと、無通電相の端子電圧の検出タイミングを計測する前記PWM信号に同期した第3のタイマとを有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のブラシレスモータの駆動装置。
  9. 前記ステータの巻線への通電を順次切替えるタイミングは、前記インバータの母線に印加されているDC電圧と、各相巻線に対する通電率と通電期間と、前記ブラシレスモータの回転数のうち、少なくとも1つのパラメータに応じて可変であることを特徴とする請求項7または請求項8記載のブラシレスモータの駆動装置。
  10. 前記ロータの磁極位置を確定するための端子電圧が所定範囲内に収まるように、前期ステータの巻線への通電を順次切替えるタイミングの可変とされる範囲に制限を設けたことを特徴とする請求項9記載のブラシレスモータの駆動装置。
  11. 前記請求項1〜10のいずれか1項に記載のブラシレスモータの駆動装置を用いたことを特徴とする冷凍装置。
  12. 複数相の巻線を有するステータと複数極の磁石を有するロータを備えたブラシレスモータに対し、前記ロータの磁極位置を検出し、前記検出された磁極位置に応じて前記ステータの巻線への通電をインバータによって順次に切替えるブラシレスモータの駆動方法であって、
    前記インバータの母線に印加されているDC電圧を検出する工程と、
    前記ステータの巻線のうち、無通電相の端子電圧を検出する工程と、
    前記検出された端子電圧をA/D変換する工程と、
    前記検出された端子電圧と前記DC電圧からインバータ還流電流期間を判断する工程と、
    前記インバータ還流電流期間終了後の前記端子電圧を前記A/D変換した値と、ブラシレスモータの特性から予め導出される端子電圧波形とを援用して、前記ロータの磁極位置を確定する工程と、を有することを特徴とするブラシレスモータの駆動方法。
  13. 前記ブラシレスモータの特性から予め導出される端子電圧波形は、前記ロータ内の磁石による誘起電圧波形とすることを特徴とする請求項12記載のブラシレスモータの駆動方法。
  14. 前記ブラシレスモータの特性から予め導出される端子電圧波形は、前記ロータ内の磁石による誘起電圧波形と前記巻線の相互インダクタンスにより発生する電圧波形との合成波形とすることを特徴とする請求項12記載のブラシレスモータの駆動方法。
  15. 前記ロータ内の磁石による誘起電圧波形は正弦波状関数とした請求項13または請求項14記載のブラシレスモータの駆動方法。
  16. 前記ロータ内の磁石による誘起電圧波形は、ブラシレスモータの回転数に応じて算出される請求項13または請求項14記載のブラシレスモータの駆動方法。
  17. 前記巻線の相互インダクタンスにより発生する電圧波形は、前記インバータの母線に印加されているDC電圧と、各相巻線に対する通電率と通電期間と、前記ブラシレスモータの回転数とに応じて算出されることを特徴とする請求項14記載のブラシレスモータの駆動方法。
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