JP4459751B2 - サンドブラスト用感光性樹脂組成物およびこれを用いたサンドブラスト用感光性ドライフィルム - Google Patents

サンドブラスト用感光性樹脂組成物およびこれを用いたサンドブラスト用感光性ドライフィルム Download PDF

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本発明は、サンドブラスト用感光性樹脂組成物およびこれを用いたサンドブラスト用感光性ドライフィルムに関し、特にドライフィルムとしたときに優れた現像性および解像性を有するとともに、耐サンドブラスト性に優れたレジストパターンが得られるサンドブラスト用感光性樹脂組成物に関する。
従来より、ガラス、セラミックス等の被加工体を選択的に掘削する場合、被加工体上にマスク材としてパターニングされた感光性樹脂層を設けた後、この感光性樹脂層上に研磨剤を吹き付けて露出した非マスク部を選択的に掘削するサンドブラスト処理方法が知られており、プラズマディスプレイの各セルを仕切るリブ(隔壁)の形成や、金属パターンとセラミック、蛍光体等の絶縁パターンとが混在する回路基板のパターン形成等に利用されている。
サンドブラスト処理に用いるマスク材を形成するために感光性のドライフィルムが用いられている。この感光性ドライフィルムは、可剥離性の支持フィルム上に感光性樹脂組成物を塗布し、この塗膜を生乾燥することによって感光性樹脂層を形成し、その上に可剥離性の保護フィルムを積層した3層構造のフィルムである。その使用にあたっては、感光性樹脂層から保護フィルムを剥離し、被加工体の上に露出した感光性樹脂層を重ねた後、支持フィルム上から圧力を加えることにより、被加工体上に感光性樹脂層を圧着させる。その後、支持フィルムの上から露光し、支持フィルムを剥離後に現像処理することにより、サンドブラスト処理におけるマスク材となるレジストパターンを形成する。
ところで、近年、フォトリソグラフィー、サンドブラスト技術の進歩に伴い、プラズマディスプレイにおいても、より微細なパターンの隔壁形成が要望されるようになった。
このような微細な隔壁パターンを歩留まり良く製造するため、光重合性化合物としてウレタンオリゴマー化合物を含有するタイプの感光性樹脂組成物が数多く報告されている。例えば、カルボキシ変性ウレタン(メタ)アクリレート化合物とアルカリ可溶高分子化合物と光重合開始剤とを含有する感光性樹脂組成物(下記特許文献1参照)、カルボキシル基を有する熱可塑性重合体とエチレン性不飽和基含有重合性化合物と光重合開始剤と、さらにウレタンアクリレートオリゴマを含有する感光性樹脂組成物(下記特許文献2参照)、特定のカルボキシ基含有アクリルウレタン系樹脂と特定セグメント部を有するアクリルウレタン系樹脂を併用し、かつ光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物(下記特許文献3参照)、および特定のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと特定のアクリル系重合体と光重合開始剤とを含有する感光性樹脂組成物(下記特許文献4参照)が開示されている。
特開平8−54734号公報 特開平10−69851号公報 特開平11−181042号公報 特開2002−148802号公報
しかしながら、上述した特許文献1〜4の感光性樹脂組成物においては、ウレタンオリゴマー化合物は架橋性が悪いため耐現像性および解像性の向上という点で欠点を有し、ウレタンオリゴマー化合物は高価であるため原材料価格の上昇につながり、またドライフィルム作成時の乾燥性が悪く乾燥時間が長くなるなどの問題点が指摘されていた。
したがって、以上のようなウレタンオリゴマー化合物を含有した感光性樹脂組成物の光硬化時の低い架橋密度による現像性の不足、不十分な細線密着性および解像性、高価格という問題点を解決し、さらに耐サンドブラスト性を向上させることが求められていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、サンドブラスト用感光性樹脂組成物およびこれを用いたサンドブラスト用感光性ドライフィルム、特にドライフィルムとしたときに優れた現像性および解像性を有するとともに、耐サンドブラスト性に優れたレジストパターンが得られるサンドブラスト用感光性樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため、特定のアルカリ可溶性高分子化合物について鋭意研究をすすめたところ、酢酸ビニルから誘導される構成単位を特定の含有率で含有するアルカリ可溶性高分子化合物はそれ自体が柔軟性および耐サンドブラスト性を有しており、このため感光性樹脂組成物に含有される光重合性化合物として、必ずしもウレタンオリゴマー化合物を用いる必要がないことを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明のサンドブラスト用感光性樹脂組成物は、(A)アルカリ可溶性高分子化合物と、(B)光重合性化合物と、(C)光重合開始剤とを含有してなるサンドブラスト用感光性樹脂組成物において、
前記アルカリ可溶性高分子化合物が、少なくとも、下記一般式(1)
Figure 0004459751
で表される酢酸ビニルから誘導される構成単位(a1)と、アルカリ可溶性構成単位(a2)とを含む共重合体であり、
前記(A)成分中における前記構成単位(a1)の含有率が50重量%以上であることを特徴とする。
前記アルカリ可溶性構成単位(a2)としては、少なくとも1種類の下記一般式(2)
Figure 0004459751
(式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Rは水素原子またはアルキル基を示す。)で表される(メタ)アクリル酸から誘導される構成単位からなることが好ましい。
前記(B)成分としては、その構造中に少なくとも下記一般式(3)
Figure 0004459751
で表される構造単位を含む光重合性化合物を含有することが好ましい。また、カルボキシ変性ウレタン(メタ)アクリレートを含有することが好ましい。
本発明のサンドブラスト用感光性ドライフィルムは、支持フィルム上に少なくとも以上のような感光性樹脂組成物層を有することを特徴とする。この感光性樹脂組成物層上に保護層として保護フィルムを被覆することができる。
本発明のサンドブラスト用感光性樹脂組成物により、現像性、解像性、および耐サンドブラスト性に優れた感光性樹脂層を形成することができる。本発明のサンドブラスト用感光性樹脂組成物を用いて形成した感光性樹脂層は、現像性、解像性、および耐サンドブラスト性に優れるため、サンドブラスト処理に用いるマスク材として好適に使用することができる。
また、本発明のサンドブラスト用感光性ドライフィルムは、両面を容易に剥離可能な離型フィルムにより保護されて、貯蔵、搬送、および取り扱いが容易とされる。
本発明のサンドブラスト用感光性ドライフィルムは、予め製造しておき、使用期限はあるものの所定期間を貯蔵しておくことができるので、サンドブラスト処理を行うに際し、即座に使用することができ、サンドブラスト処理工程を効率化することができる。
以下に、本発明の実施形態について、下記の順に説明する。
〔I〕感光性樹脂組成物
(A)アルカリ可溶高分子化合物
(B)光重合性化合物
(C)光重合開始剤
(D)その他の成分
(E)配合比
〔II〕感光性ドライフィルム
〔I〕感光性樹脂組成物
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)アルカリ可溶性高分子化合物と、(B)光重合性化合物と、(C)光重合開始剤とを含有してなる感光性樹脂組成物であり、前記アルカリ可溶性高分子化合物が、少なくとも、下記一般式(1)で表される酢酸ビニルから誘導される構成単位(a1)と、アルカリ可溶性構成単位(a2)とを含む共重合体であることを特徴とする。
Figure 0004459751
前記アルカリ可溶性高分子化合物が、前記酢酸ビニルから誘導される構成単位(a1)を含有するため、このアルカリ可溶性高分子化合物自体が柔軟性および耐サンドブラスト性を有する。このため、前記(B)光重合性化合物としては、必ずしもウレタンオリゴマー化合物である必要がないため、前述のとおり、本発明の感光性樹脂組成物は現像性、解像性および耐サンドブラスト性に優れた感光性樹脂層を形成することができる。また、ウレタンオリゴマー化合物を配合せず、または前記(B)光重合性化合物の一部として用いることにより、高価なウレタンオリゴマー化合物の配合量を減じることができるため、本発明の感光性樹脂組成物の価格を低廉化することができる。さらに、ウレタンオリゴマーを含有する感光性樹脂組成物のドライフィルム製造時の乾燥性の悪さを改善することができる。
(A)アルカリ可溶高分子化合物
前記アルカリ可溶性高分子化合物としては、前記アルカリ可溶性構成単位(a2)を含めば、各種の構成単位を用いて様々な組み合わせとすることができる。
前記構成単位(a2)は現像時にアルカリによって可溶化するカルボキシル基やフェノール性水酸基などの酸性基含有構成単位であり、例えば、(メタ)アクリル酸から誘導される構成単位やヒドロキシスチレンから構成単位などを挙げることができる。また、これらの酸性基を含有するアクリルウレタン系構成単位を用いることにより、耐サンドブラスト性を高めることもできる。
前記構成単位(a2)としては、下記一般式(2)で表される(メタ)アクリル酸から誘導される構成単位からなることが、耐現像性および解像性の点から好ましい。前記(メタ)アクリル酸から誘導される構成単位は、さらに、2種類以上の(メタ)アクリル酸から誘導される構成単位から構成することもできる。
Figure 0004459751
上記一般式(2)中、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2は水素原子または有機基を示す。R2おける前記有機基としては、メチル基、2−ヒドロキシメチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基、プロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、イソデシル基、ラウリル基、トリデシル基、ステアリル基、2−エチルヘキシル基、ベンジル基、エチレングリコールモノメチルエーテル基、エチレングリコールモノエチルエーテル基、グリセロール基、ジペンタエリトリトール基、ジメチルアミノエチル基、テトラヒドロフルフリル基、カルビトール基、ε−カプロラクトン変性テトラフルフリル基、ジエチレングリコールエトキシル基などを挙げることができる。これらの中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの低級アルキル基が好ましい。
前記構成単位(a2)における(メタ)アクリル酸から誘導される構成単位に用いるメタ)アクリル酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、2−ヒドロキシメチルアクリレート、2−ヒドロキシメチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、エチレングリコールモノメチルエーテルアクリレート、エチレングリコールモノメチルエーテルメタクリレート、エチレングリコールモノエチルエーテルアクリレート、エチレングリコールモノエチルエーテルメタクリレート、グリセロールアクリレート、グリセロールメタクリレート、ジペンタエリトリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリトリトールペンタアクリレート、アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、アクリル酸カルビトール、メタクリル酸カルビトール、ε−カプロラクトン変性テトラフルフリルアクリレート、ε−カプロラクトン変性テトラフルフリルメタクリレート、ジエチレングリコールエトキシルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソデシルメタクリレート、オクチルアクリレート、オクチルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、トリデシルアクリレート、トリデシルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート等を挙げることができる。これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレートが好ましい。
前記(A)アルカリ可溶高分子化合物は、以上のような構成単位(a1)に誘導される酢酸ビニルモノマー、構成単位(a2)に誘導される(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸エステルのモノマーを共重合により合成したものである。
これら複数のモノマーの重合については、ランダムに重合したものであってもよく、ブロック重合、グラフト重合したものでもよい。
前記(A)アルカリ可溶高分子化合物としては、例えば、メタクリル酸と酢酸ビニルのように1種類の(メタ)アクリル酸またはそのエステルと酢酸ビニルとを共重合しして合成した2成分系のアルカリ可溶高分子化合物、メタクリル酸とメタクリル酸メチルと酢酸ビニルのように2種類の(メタ)アクリル酸またはそのエステルと酢酸ビニルとを共重合して合成した3成分系のアルカリ可溶高分子化合物、さらに多くの構成単位をもつ4成分系以上のアルカリ可溶高分子化合物を挙げることができる。
好ましいモノマーの選択としては、アクリル酸またはメタクリル酸/メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレートまたはエチルメタクリレートの組み合わせが好ましい。
前記(A)アルカリ可溶高分子化合物として、組成は不明であるものの、アルカリ可溶性成分以外は、約90%が酢酸ビニルで構成されるデンカASR CH−09、デンカASR CL−13などを挙げることができる。
前記(A)成分中における前記構成単位(a1)の含有率は50重量%以上であることが好ましい。含有率が50%未満であると、耐サンドブラスト性が低下する。
前記(A)アルカリ可溶高分子化合物の酸価としては、10〜250mgKOH/gであることが好ましい。酸価が10mgKOH/g未満になると、現像時に現像不良を起こすことがあり、酸価が250mgKOH/gを超えると、柔軟性がなくなったり耐現像性に劣るため好ましくない。
(B)光重合性化合物
本発明の感光性樹脂組成物においては、前記(A)アルカリ可溶性高分子化合物を用いることにより、(B)光重合性化合物として、必ずしもウレタンオリゴマー化合物を用いる必要がなく、架橋性能に優れる光重合性化合物を用いることができる。また、ウレタンオリゴマー化合物を前記光重合性化合物の一部として併用することにより、ウレタンオリゴマー化合物の架橋性の悪さが表出することなく、耐サンドブラスト性を向上させることができる。この併用により、セラミックやガラスなどのハードな加工において好適な、磨耗が少なく強靭なレジスト膜を形成することができる。また、必要により、これらの光重合性化合物以外の他の光重合性単量体を添加することによって露光感度を向上させ、現像時の膜減りや膨潤を防ぐことができる。
前記の架橋性能に優れる光重合性化合物としては、構造中に下記一般式(3)で表される構造単位を含む光重合性化合物を挙げることができる。このような光重合性化合物は、アルカリ可溶性高分子化合物の現像性低下作用を抑制する効果と、耐サンドブラスト性の低下を抑えながらレジストの露光後の架橋密度を向上させる効果がある。
Figure 0004459751
前記光重合性化合物は、構造中に上記一般式(3)で表される構造単位を10以上40以下の範囲で含有することが好ましい。構造中に含まれる一般式(3)で表される構造単位の合計数が10未満であると、耐サンドブラスト性の低下が大きくなり、サンドブラスト処理時にレジストパターンの欠けが発生する場合があるので、好ましくない。一方、構造中に含まれる上記一般式(3)で表される構造単位の合計数が40を超えると、硬化性及び耐現像性が低下し、現像時に微細パターンによたりが発生したり剥がれてしまう場合があるので、好ましくない。
構造中に上記一般式(3)で表される構造単位を含む光重合性化合物は、その分子末端に重合性置換基を有する。光重合性化合物の分子末端の重合性置換基は、エチレン性不飽和基であることが好ましく、特にアクリレート基またはメタレート基であることが好ましい。
構造中に上記一般式(3)で表される構造単位を含む光重合性化合物としては、例えば、下記一般式(4)および一般式(5)を例示することができる。
Figure 0004459751
上記一般式(4)において、R3、R4は、ぞれぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表す。また、nは10以上40以下の整数を示す。
Figure 0004459751
上記一般式(5)において、R5、R6は、ぞれぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表す。式中、Aは、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、あるいはこれらの置換基を2個以上結合してなる炭化水素基である。また、pおよびqは、p+qが10以上40以下となるよう選択された正の整数である。
前記光重合性化合物としては、例えば、構造中に含まれる上記一般式(3)で表される構造単位の合計数が10〜40の範囲である2,2−ビス〔4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシポリエトキシ)フェニル〕プロパン、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アリロキシポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、ECH変性ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記光重合性化合物としては、ウレタンオリゴマー化合物を含有することもできる。ウレタンオリゴマー化合物としては、カルボキシ変性ウレタン(メタ)アクリレート化合物を挙げることができる。
このカルボキシ変性ウレタン(メタ)アクリレート化合物は、最初に、ポリイソシアネート化合物と、カルボキシル基を有するジオール化合物とを両末端に−NCO基(イソシアネート基)が残るように反応させ、次いでこの反応物の末端−NCO基に、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート化合物を反応させることによって得ることができる。なお、ポリイソシアネート化合物とジオール化合物との反応に際しては、反応物の両末端に−NCO基を残すためにポリイソシアネート化合物を過剰とする。
このカルボキシ変性ウレタン(メタ)アクリレート化合物のより詳細な取得法は、上記特許文献4の[0009]〜[0015]に記載されている。
前記カルボキシ変性ウレタン(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、UT−9510EA(日本合成化学株式会社製 紫光:重量平均分子量約2万、酸価40、ガラス転移点 63℃、溶剤として酢酸エチル30%含有)、UT−1790(日本合成化学株式会社製 紫光:重量平均分子量約1万、酸価28、ガラス転移点 7℃、溶剤として酢酸エチル30%含有)、UT−1777(日本合成化学株式会社製 紫光:重量平均分子量約8千、酸価57、ガラス転移点 90℃、溶剤として酢酸エチル30%含有)、KRM7222(ダイセル化学株式会社製:重量平均分子量約1万、酸化22.5、ガラス転移点 45℃、溶剤として酢酸エチル20%含有)などを挙げることができる。
前記(B)成分における他の光重合性単量体としては、上記の(メタ)アクリル酸エステル、エチレン性不飽和カルボン酸、他の共重合可能なモノマーとして例示するモノマーも使用できるが、好ましくは重合可能なエチレン性不飽和結合を2個以上有するモノマー(以下、「多官能性モノマー」という。)がよい。前記多官能性モノマーとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール等のアルキレングリコールのジアクリレート又はジメタクリレート類、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の3価の多価アルコールのポリアクリレート又はポリメタクリレート類やそれらのジカルボン酸変性物などが挙げられ、具体的にはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシエチル−β′−アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシヒバリン酸変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリアクリレート、トリメチロールプロパントリプロポキシトリアクリレート、1,6−ヘキサメチルジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロポキシペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、(ポリ)エトキシペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリン(ポリ)プロポキシ(メタ)アクリレート、グリセリン(ポリ)エトキシ(メタ)アクリレート、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、2,2′−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2′−ビス(4−(メタ)アクリロキシペンタエトキシフェニル)プロパン、2,2′−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−(メタ)アクロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、フタル酸誘導体のハーフ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、アルキルフェノールポリエトキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノールテトラエトキシアクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(C)光重合開始剤
本発明の感光性樹脂組成物における光重合開始剤としては、従来公知のもの、例えば、ベンゾイン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、トリアジン化合物、アクリジン化合物、フェニルグリオキシレート、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、ジベンゾスパロン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパノン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、ジアセチル、アントラキノン、ナフトキノン、トリフェニルフォスフィン、2−メチルアントラキノン等のアントラキノン誘導体、3,3−ジメチル−4−メトキシ−ベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノンなどのアセトフェノン誘導体、ベンゾインプロピルエーテルなどのベンゾインアルキルエーテル誘導体、ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン誘導体、ミヒラーズケトン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体などのヘキサアリールビスイミダゾール系化合物、9−フェニルアクリジン等のアクリジン誘導体、ジメチルベンジルケタール等のベンジル誘導体、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、トリブロモメチルフェニルスルホン等のスルホン誘導体、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドなどを挙げられ、これらの1種類又は2種類以上が用いられる。これらの中でも、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体などのヘキサアリールビスイミダゾール系化合物が好ましい。
(D)その他の成分
本発明では上記成分の他に粘度調整などの目的のために必要に応じて、アルコール類、ケトン類、酢酸エステル類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルエステル類、石油系溶剤などの希釈用の有機溶剤を適宜加えることができる。
具体的には、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ベンジルアルコール、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、2−メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、4−メトキシブチルアセテート、2−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−エチル−3−メトキシブチルアセテート、2−エトキシブチルアセテート、4−エトキシブチルアセテート、4−プロポキシブチルアセテート、2−メトキシペンチルアセテート、3−メトキシペンチルアセテート、4−メトキシペンチルアセテート、2−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、4−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、メチルラクテート、エチルラクケート、メチルアセテート、エチルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、プロピレンブリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、メチルブチレート、エチルブチレート、プロピルブチレート、テトラヒドロフラン等のほか、「スワゾール」(丸善石油化学株式会社製)、「ソルベッツ」(東燃石油化学株式会社製)等の製品名で入手可能な石油系溶剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、そのほか着色染料、密着性付与剤、可塑剤、酸化防止剤、熱重合禁止剤、表面張力改質剤、安定剤、連鎖移動剤、消泡剤、難燃剤などの添加剤を適宜添加することができる。
(E)配合比
本発明の感光性樹脂組成物における前記(A)成分であるアルカリ可溶高分子化合物と(B)成分である光重合性化合物との配合重量比は、アルカリ可溶高分子化合物の固形部100質量部に対して、光重合性化合物10〜900質量部、好ましくは20〜800質量部、より好ましくは30〜700質量部の範囲である。アルカリ可溶高分子化合物固形分100質量部に対し、光重合性化合物が10重量部未満になると硬化が不足してパターンが出ないという不都合が生じ、逆に900重量部を超えると、フィルム状とした時に形成能に欠けコールドフロー等の問題点を生ずるため好ましくない。
また、光重合開始剤は、アルカリ可溶高分子化合物固形分100重量部中に、0.1〜20重量部の範囲で含有させることが好ましい。
また、構造中に一般式(3)で表される構造単位を含む光重合性化合物は、アルカリ可溶性高分子化合物100質量部に対し、10〜200重量部の範囲で配合することが好ましい。10重量部未満だと、硬化が不足してパターンが出ないという不都合が生じる。また、200重量部超だと、親水性が増し、現像マージンの低下という不都合が生じる。
以上述べてきたような本発明の感光性樹脂組成物は用途に応じて、液状のまま被加工体の上に塗布して感光性樹脂層を形成する方法、スクリーン印刷法によって感光性樹脂層を形成する方法、前もって可撓性フィルム上に感光性樹脂組成物層を形成、乾燥しておき、このフィルム(感光性ドライフィルム)を被加工体に貼り付けて使用する方法(ドライフィルム法)のいずれの方法も用いることができる。これらの方法を用いれば、電子部品等の精密な位置合わせを必要とする場合、あらかじめ形成された樹脂パターンを転写する必要がないため、正確な位置に樹脂パターンを形成することができ精度の高い掘削が実現できる。
〔II〕感光性ドライフィルム
次に本発明の感光性ドライフィルムについて説明する。本発明の感光性ドライフィルムは、支持フィルム上に少なくとも本発明の感光性樹脂組成物層を設けたものである。その使用にあたっては、感光性樹脂組成物層上にさらに保護フィルムが被覆されている場合には、感光性樹脂組成物層から保護フィルムを剥離し、被加工体の上に露出した感光性樹脂組成物層を重ねた後、感光性樹脂組成物層から支持フィルムを剥離することによって、被加工体上に感光性樹脂組成物層を容易に設けることができる。
本発明のドライフィルムを使用することにより、被加工体の上に直接感光性樹脂組成物を塗布して感光性樹脂組成物層を形成する場合と比較して、膜厚均一性および表面平滑性の良好な層を形成することができる。
本発明の感光性ドライフィルムの製造に使用する支持フィルムとしては、支持フィルム上に製膜された感光性樹脂組成物層を支持フィルムから容易に剥離することができ、各層をガラス等の被処理面上に転写できる離型フィルムであれば特に限定なく使用でき、例えば膜厚15〜125μmのポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂フィルムからなる可撓性フィルムが挙げられる。前記支持フィルムには必要に応じて、転写が容易となるように離型処理されていることが好ましい。
支持フィルム上に感光性樹脂組成物層を形成するに際しては、本発明の感光性樹脂組成物を調整し、アプリケーター、バーコーター、ワイヤーバーコーター、ロールコーター、カーテンフローコーターなどを用いて、支持フィルム上に乾燥膜厚が10〜100μmとなるよう本発明の感光性樹脂組成物を塗布する。特にロールコーターが膜厚の均一性に優れ、かつ厚さの厚い膜が効率よく形成できるため好ましい。
感光性樹脂組成物層を形成するに際し、本発明の感光性樹脂組成物を直接支持フィルム上に塗布してもよいが、予め支持フィルム上に水溶性樹脂層を形成しておき、この水溶性樹脂層の上に本発明の感光性樹脂組成物を塗布して感光性樹脂組成物層を形成することもできる。ここで、水溶性樹脂層は感光性樹脂の酸素減感作用を防止するとともに、露光時に密着されるマスク(パターン)の粘着を防止するものでもある。水溶性樹脂層は、ポリビニルアルコールまたは部分ケン化ポリ酢酸ビニルの水溶性ポリマーの5〜20重量%水溶液をバーコーター、ロールコーター、カーテンフローコーター等を用いて乾燥膜厚1〜10μmとなるように塗布、乾燥することにより形成される。この水溶性樹脂層の形成の際に上記水溶性ポリマー水溶液中にエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどを添加すると水溶性樹脂層の可撓性が増すとともに、可撓性フィルムとの離型性が向上するので好ましい。
このような水溶性樹脂層の厚さが1μm未満となると酸素減感による露光不良を生じる場合があり、10μmを越えると解像性が悪くなる傾向がある。水溶液の調整に際しては、液の粘度、消泡等を考慮して溶媒、例えばメタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、アセトン等あるいは市販の水性消泡剤等を加えてもよい。
この保護フィルムとしては、シリコーンをコーティングまたは焼き付けした厚さ15〜125μm程度のポリエチレンテレフタレートフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリエチレンフィルムなどが好適である。
次に本発明の感光性ドライフィルムの使用方法について説明する。まず、ドライフィルムから保護フィルムを剥離し、被加工体の上に露出した感光性樹脂組成物層を重ねて、支持フィルム上から加熱ローラを移動させることにより、感光性樹脂組成物層を被加工体の表面に熱圧着させる。感光性樹脂組成物層には、前記アルカリ可溶高分子化合物が含有されているため、被加工体との密着性は極めて良好となる。
被加工体がガラス基板の場合、熱圧着は、ガラス基板の表面温度を80〜140℃に加熱し、ロール圧1〜5kg/cm2、移動速度0.1〜10.0m/分の範囲で行うのがよい。前記ガラス基板は予熱されていてもよく、予熱温度としては例えば40〜100℃の範囲が選択される。
感光性ドライフィルムから剥離した保護フィルムは、順次巻き取りローラでロール状に巻き取って保存すれば再利用が可能である。
次いで、所定のマスクパターンを備えるマスクを密着させ、しかる後、この上から低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、アーク灯、キセノンランプ等を用いて紫外線を露光させる。また、紫外線の他にエキシマレーザ、X線、電子線等を照射することもできる。本発明に係る感光性樹脂組成物を用いると、被加工体との密着性がよく、耐サンドブラスト性が高く、高感度でありまた作業性もよい。この露光処理後、マスクと支持フィルムを取り去り、現像を行う。
この現像に用いる現像剤としては、汎用のアルカリ現像液を用いることができる。現像液に用いるアルカリ成分の例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、ピロリン酸塩、ベンジルアミン、ブチルアミン等の第1級アミン、ジメチルアミン、ジベンジルアミン、ジエタノールアミン等の第2級アミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の第3級アミン、モルホリン、ピペラジン、ピリジン等の環状アミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のポリアミン、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルベンジルアンモニウムヒドロキシド等のアンモニウムヒドロキシド類、トリメチルスルホニウムヒドロキシド、ジエチルメチルスルホニウムヒドロキシド、ジメチルベンジルスルホニウムヒドロキシド等のスルホニウムヒドロキシド類、その他コリン、ケイ酸塩含有緩衝液等が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物は現像性に優れるため、微細なパターンであっても良好なレジストパターンを得ることができる。
ついで、得られたレジストパターンをマスク材としてサンドブラスト処理を行う。サンドブラストに用いるブラスト材としては、公知の種々のものが用いられ、例えば、SiC、SiO2、ガラス、Al23、ZrO等の2〜100μm程度の微粒子が用いられる。
サンドブラスト処理をした後、レジストパターンをアルカリ水溶液で剥離させることによりパターン状に掘削された製品が完成する。なお、レジストパターンをアルカリ水溶液で剥離させる代わりに樹脂層を焼失させることも可能である。
本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成されたレジストパターンは優れた耐サンドブラスト性を有するため、当該レジストパターンをマスク材として用いることによりサンドブラスト時の掘削精度を高めることができる。
以下、実施例に基づき、本発明についてさらに詳細に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
<感光性樹脂組成物用の溶液および化合物の調製>
感光性樹脂組成物を調製するため、下記組成の溶液および化合物を調製した。
1.アルカリ可溶性高分子化合物(A)溶液の調製
以下のように、アルカリ可溶性高分子化合物溶液1〜5を調整した。
(アルカリ可溶性高分子化合物溶液1)
デンカASR CH−09(電気化学工業株式会社製、重量平均分子量:約90,000、酸価:55mgKOH/g)の40%メチルエチルケトン(以下、「MEK」という。)溶液を調製した。
(アルカリ可溶性高分子化合物溶液2)
デンカASR CL−13(電気化学工業株式会社製、重量平均分子量:約140,000、酸価:35mgKOH/g)の40%MEK溶液を調製した。
(アルカリ可溶性高分子化合物溶液3)
メタクリル酸/酢酸ビニルの共重合割合が質量基準で10/90である共重合体(重量平均分子量:80,000、酸価:60mgKOH/g)の40%MEK溶液を調製した。
(アルカリ可溶性高分子化合物溶液4)
メタクリル酸/メタクリル酸メチル/酢酸ビニルの共重合割合が質量基準で10/30/60である共重合体(重量平均分子量:80,000、酸価:190mgKOH/g)の40%MEK溶液を調製した。
(アルカリ可溶性高分子化合物溶液5)
メタクリル酸/メタクリル酸メチル/メタクリル酸ブチル/酢酸ビニルの共重合割合が質量基準で10/22/28/40である共重合体(重量平均分子量:80,000、酸価:140mgKOH/g)の40%MEK溶液を調製した。
2.(メタ)アクリル系共重合体溶液の調製
メタクリル酸/メタクリル酸メチル/メタクリル酸ブチルの共重合割合が質量基準で35/20/45である(メタ)アクリル系共重合体(重量平均分子量:70,000、酸価:190mgKOH/g)の40%MEK溶液を調製した。
3.光重合性化合物(B)
(光重合性化合物1)
2,2−ビス〔4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル〕プロパン(p+q=30、新中村化学株式会社製、製品名:NKエステルBPE1300)を用いた。
(光重合性化合物2)
ポリエチレングリコールジアクリレート(m=14、新中村化学株式会社製、製品名:NKエステルA−600)を用いた。
(光重合性化合物3)
カルボキシル変性ウレタンアクリレート(ダイセル化学株式会社製、製品名:KRM7222、重量平均分子量:約10,000、溶剤として酢酸エチル20%含有)を用いた。
4.光重合開始剤(C)
ヘキサアリールビスイミダゾール系化合物:2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体を用いた。
5.その他の成分(D)
染料としてダイヤモンドグリーン(保土ヶ谷化学株式会社製)を用いた。
<実施例1〜6、比較例1〜3、および参考例1
以上のようなアルカリ可溶性高分子化合物(A)溶液、(メタ)アクリル系共重合体溶液、光重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)、およびその他の成分(D)について表1に示した重量部を混合撹拌し、本発明の感光性樹脂組成物(実施例1〜)および感光性樹脂組成物(比較例1〜3、参考例1)を調製した。
得られた感光性樹脂組成物(実施例1〜6、比較例1〜3、および参考例1)を乾燥後の膜厚が40μmとなるように、25μm厚のポリエチレンテレフタラートフィルム(PETフィルム)上にアプリケーターを用いて塗布、乾燥して感光性組成物層を形成した。次いで、前記感光性組成物層の上に23μmのポリエチレンフィルムを気泡が残らないようにゴムローラーで圧着してサンドブラスト用感光性フィルムを作成した。
この感光性フィルムのポリエチレンフィルムを剥がし、表出した感光性組成物層を80℃に加熱したガラス面にゴムローラーを用いてラミネートし、試験用パターンマスクを密着させた後、超高圧水銀灯により150mJ/cm2の照射量で紫外線露光を行った。ポリエチレンテレフタラートフィルム(PETフィルム)を剥がし、続いてNaCO、1%水溶液を用いて1.0×10Pa(1.0kgf/cm2)の噴射圧で30秒間のスプレー現像を行い、レジストパターンを形成した。
得られたレジストパターンにおける耐現像性を最小のレジストライン密着(μm)により、以下の3種の基準で評価し、その評価結果を表1に示した。
<耐現像性の評価基準>
A:40μm以下
B:40〜50μm
C:50μm以上
次に耐サンドブラスト性を評価するため、SUS系研磨剤#800研磨剤を使用して、ノズル距離80mm、ブラスト圧1.0×10Pa(1.0kgf/cm2)でサンドブラストして感光性組成物層が磨耗して消失するまでの時間を測定した。測定結果を以下の4種の基準で評価し、その評価結果を表1に示した。
<耐サンドブラスト性の評価基準>
A+:120秒以上
A:90〜120秒
B:60〜90秒
C:60秒以下
Figure 0004459751
表1の評価結果のように、本発明の感光性樹脂組成物(実施例1,2,5および6)は、光重合性化合物3(カルボキシル変性ウレタン(メタ)アクリレート)を含有しなくても耐現像性とともに耐サンドブラスト性にも優れることが明らかとなった。一方、酢酸ビニルから誘導される構成単位を含まない共重合体を含有する感光性樹脂組成物は、光重合性化合物3(カルボキシル変性ウレタン(メタ)アクリレート)を含有しないと耐サンドブラスト性が低下した(比較例1)。また、光重合性化合物として、一部に光重合性化合物3(カルボキシル変性ウレタン(メタ)アクリレート)を含有する本発明の感光性樹脂組成物は、耐サンドブラスト性に極めて優れ、酢酸ビニルから誘導される構成単位を含むアルカリ可溶性高分子化合物の含有率を上げると耐現像性も向上した(実施例3,4)。一方、酢酸ビニルから誘導される構成単位を含まない共重合体を含有する感光性樹脂組成物は、光重合性化合物3(カルボキシル変性ウレタン(メタ)アクリレート)の含有率を上げても耐サンドブラスト性に変化はなく、耐現像性が低下した(比較例2および3)。
以上のように、本発明にかかるサンドブラスト用感光性樹脂組成物は、ドライフィルムとしたときに優れた現像性および解像性を有するとともに、耐サンドブラスト性に優れたレジストパターンが得られるため、サンドブラスト処理を行なうに際してマスク材として好適に使用することができる。本発明のサンドブラスト用感光性樹脂組成物およびサンドブラスト用感光性ドライフィルムは、プラズマディスプレイパネルにおけるリブの形成等に好適に利用することができる。

Claims (5)

  1. (A)アルカリ可溶性高分子化合物と、(B)光重合性化合物と、(C)光重合開始剤とを含有してなるサンドブラスト用感光性樹脂組成物において、
    前記アルカリ可溶性高分子化合物が、少なくとも、下記一般式(1)
    Figure 0004459751
    で表される酢酸ビニルから誘導される構成単位(a1)と、アルカリ可溶性構成単位(a2)とを含む共重合体であり、
    前記(A)成分中における前記構成単位(a1)の含有率が50重量%以上であることを特徴とするサンドブラスト用感光性樹脂組成物。
  2. 前記アルカリ可溶性構成単位(a2)が、少なくとも1種類の下記一般式(2)
    Figure 0004459751
    (式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Rは水素原子またはアルキル基を示す。)で表される(メタ)アクリル酸から誘導される構成単位からなることを特徴とする請求項1に記載のサンドブラスト用感光性樹脂組成物。
  3. 前記(B)成分として、その構造中に少なくとも下記一般式(3)
    Figure 0004459751
    で表される構造単位を含む光重合性化合物を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のサンドブラスト用感光性樹脂組成物。
  4. 前記(B)成分として、カルボキシ変性ウレタン(メタ)アクリレートを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のサンドブラスト用感光性樹脂組成物。
  5. 支持フィルム上に少なくとも請求項1〜4のいずれか1項に記載のサンドブラスト用感光性樹脂組成物から形成された感光性樹脂組成物層を有することを特徴とするサンドブラスト用感光性ドライフィルム。
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