JP2001354730A - 紫外線硬化型樹脂組成物およびそれを用いたシャドウマスクの製造方法 - Google Patents

紫外線硬化型樹脂組成物およびそれを用いたシャドウマスクの製造方法

Info

Publication number
JP2001354730A
JP2001354730A JP2000181288A JP2000181288A JP2001354730A JP 2001354730 A JP2001354730 A JP 2001354730A JP 2000181288 A JP2000181288 A JP 2000181288A JP 2000181288 A JP2000181288 A JP 2000181288A JP 2001354730 A JP2001354730 A JP 2001354730A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
curable resin
ultraviolet
shadow mask
meth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000181288A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Tatezawa
雅博 立沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2000181288A priority Critical patent/JP2001354730A/ja
Publication of JP2001354730A publication Critical patent/JP2001354730A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸性高温水溶液中でも、エステル結合が加水
分解し難い重合性化合物を含有する紫外線硬化型樹脂組
成物、および効率的にエッチングでき且つ高品質のシャ
ドウマスクを製造できるシャドウマスクの製造方法を提
供する。 【解決手段】 下記の化学式1で表される光重合性化合
物と、多官能モノマーと、重合開始剤とを少なくとも含
有する紫外線硬化型樹脂組成物によって、上記課題を解
決する。この化学式1において、nは0〜3、R′、
R″はHまたはメチル基である。また、本発明のシャド
ウマスク1の製造方法は、この紫外線硬化型樹脂組成物
を用いてバックコート膜8を形成することにより、上記
課題を解決する。このとき、70〜100℃の酸性高温
溶液で二次エッチングを行ってた後においても、被エッ
チング部に異物の析出がみられない。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線硬化型樹脂
組成物およびそれを用いたシャドウマスクの製造方法に
関し、更に詳しくは、酸性高温エッチング液中におい
て、エステル結合が加水分解し難い光重合性化合物を有
する紫外線硬化型樹脂組成物であって、シャドウマスク
のバックコート膜、リードフレームその他材料のエッチ
ングパターン形成に使用される硬化膜のように、金属板
を腐食してエッチングパターンを形成するために好適に
使用することができる組成物、およびそれを用いたシャ
ドウマスクの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シャドウマスクは、カラーテレビ用ブラ
ウン管内の電子銃から放射された電子を、決められた発
光体に衝突させる機能を有するものであり、そのシャド
ウマスクの種類に応じ、エッチングにより微小な孔、ス
ロットまたはスリット(以下、これらを便宜上「孔」と
いう。)が多数設けられた金属薄板である。この微小な
孔の形成は、金属薄板の表裏両面の対応する位置に、大
きさの異なる半球状、角状、スロット状またはスリット
状の多数の微小凹部をそれぞれ設け、対応する凹部の底
部同士を連通させることにより行われる。
【0003】シャドウマスクの製造工程としては、先
ず、鉄合金等からなる金属薄板の表裏両面に感光性樹脂
塗膜を塗布・形成し(感光性樹脂塗膜の形成工程)、そ
の後所定の露光パターンを有するネガフィルムを金属薄
板に密着させ、露光して感光性樹脂塗膜の露光部を硬化
させ(写真焼付工程)、現像処理により感光性樹脂塗膜
の非感光部を除去する(非感光部の除去工程)。次い
で、塩化第二鉄水溶液等のエッチング液により一次エッ
チングを行い、片面または表裏両面から互いに貫通しな
い微小凹部を形成(一次エッチング工程)した後、片面
のみにバックコート膜用の紫外線硬化型樹脂組成物を塗
布して金属薄板片面上の微小凹部を埋め、加熱および/
または紫外線を照射することにより上記紫外線硬化型樹
脂組成物を硬化させてバックコート膜を形成する(バッ
クコート工程)。このようにして片面を保護した後、再
びエッチング液により他面上の微小凹部を対象とする二
次エッチングを行い、一次エッチングで形成された片面
上の微小凹部と他面上の微小凹部とをその底部において
連通させてから(二次エッチング工程)、上述した感光
性樹脂塗膜とバックコート膜とをアルカリ水溶液で溶解
することにより除去し(溶解除去工程)、シャドウマス
クが製造される。
【0004】シャドウマスクの製造方法において、従来
のバックコート膜用の紫外線硬化型樹脂組成物(以下
「硬化型樹脂組成物」という。)は、エッチングによっ
て微小な孔を均一に開けるための重要な役割を担うもの
であり、一般的に、一個の酸基と一個のアクリロイル基
またはメタクリロイル基とを有する光重合性化合物と、
多官能モノマーと、重合開始剤とを有している。この硬
化型樹脂組成物には、均一な大きさの孔を開けることが
できる品質向上に関する性質や、効率的な生産を可能に
させる製造の効率化に関する性質が要求される。品質向
上に関するものとしては、第一次エッチングで形成され
た微小凹部の隅々まで充填できること、アルカリ水溶液
で残さず溶解できること等がある。また、製造の効率化
に関するものとしては、アルカリ水溶液に溶解し易いこ
と、金属薄板上にロール法、スプレー法その他の方式に
より塗布し易いこと、紫外線や熱風乾燥等により安全且
つ容易に硬化させ易いこと等がある。硬化型樹脂組成物
に関する検討は、従来より盛んに行われており、例え
ば、特開平10−306124号公報、特開平10−3
07390号公報、特開平5−100423、特開平3
−272538号公報、特公昭62−15082号公報
等がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の硬化型
樹脂組成物を用いてバックコート膜を形成した後の二次
エッチング工程において、エッチング液の温度を約70
℃以上に上げてエッチング速度を向上させようとする
と、被エッチング部である微小凹部に異物が付着してい
るのが観察される。このような異物は、付着部分のエッ
チングを妨げるので、シャドウマスクに孔ムラを生じさ
せるという問題がある。そのため、異物の付着を起こす
ことなくエッチングできる上限温度は通常70℃程度で
あり、エッチング温度を上昇させて二次エッチング工程
の効率化を図りつつ、高品質のシャドウマスクを製造す
ることは困難であった。
【0006】こうした問題を解決すべく研究した結果、
異物の成分がバックコート膜の成分と一致することか
ら、エッチング温度の上昇によって、バックコート膜か
ら異物の成分が溶出して被エッチング部に付着し、その
後の環境温度の低下により、その成分が析出して異物と
なったものと推察された。この点についてさらに研究し
た結果、下記化学式2に表すような一般的な光重合性化
合物である単官能モノマーがバックコート膜中に含有さ
れていると、その単官能モノマーは、およそ70〜90
℃程度の酸性水溶液中でエステル結合の加水分解を起こ
してフタル酸を生成し、そのフタル酸が被エッチング部
に付着し、その後の環境温度の低下によりフタル酸が異
物として析出することが明らかになった。
【0007】
【化3】
【0008】本発明は、こうした研究結果を基にして、
上記問題を解決すべくなされたものであって、酸性高温
エッチング溶液中でもエステル結合が加水分解し難い光
重合性化合物を含有し、高品質のシャドウマスクやリー
ドフレームのように、金属板を腐食してエッチングパタ
ーンを形成するものに使用される硬化膜として好適に用
いられる紫外線硬化型樹脂組成物を提供すると共に、そ
れを用いたシャドウマスクの製造方法を提供する。
【0009】
【課題が解決するための手段】請求項1の紫外線硬化型
樹脂組成物は、下記の化学式1で表される光重合性化合
物と、多官能モノマーと、重合開始剤とを少なくとも含
有することに特徴を有する。下記の化学式1において、
nは0〜3、R′、R″はHまたはメチル基である。
【0010】
【化4】
【0011】この発明によれば、上記化学式1で表され
る光重合性化合物は、少なくとも100℃以下の酸性高
温水溶液中でエステル結合が加水分解し難い性質を有す
るので、この光重合性化合物を含有した紫外線硬化型樹
脂組成物からなる硬化膜がそうした酸性高温水溶液中に
曝されても、その硬化膜を構成する光重合性化合物成分
中のエステル結合は加水分解し難い。たとえ、光重合性
化合物成分の一部のエステル結合が僅かに加水分解し、
モノマーとして溶出したとしても、溶出したモノマー
は、アクリル酸またはメタクリル酸からなる液体モノマ
ーであるので、その後の環境温度の低下によっても異物
として析出することはない。
【0012】さらに、本発明の紫外線硬化型樹脂組成物
は、低粘度成分である上記付加型の光重合性化合物を主
要な硬化性成分として採用するので、組成物全体の粘度
を極めて容易に低くすることができ、無溶剤型の樹脂組
成物とすることができる。そのため、そうした樹脂組成
物を、被塗布材料の隅々にまで十分に充填することがで
きる。また、その末端に酸基を有するので、硬化後の膜
は、アルカリ溶解性にも優れている。また、この紫外線
硬化型樹脂組成物は、多官能モノマーを含有しているの
で、その官能基が光重合反応することによって、光重合
性化合物と共に三次元網目構造を形成し、高強度の硬化
膜を形成することができる。
【0013】請求項2の発明は、請求項1に記載の紫外
線硬化型樹脂組成物において、前記紫外線硬化型樹脂組
成物の粘度が、24℃において100〜600センチポ
アズ(cP)であり、40℃において10〜200セン
チポアズ(cP)であることに特徴を有する。
【0014】こうした範囲の粘度を有する本発明の樹脂
組成物は、容易に無溶剤型のものとすることができると
共に、被塗布材料の隅々にまで十分に充填することがで
きる。
【0015】請求項3の発明は、請求項1または請求項
2に記載の紫外線硬化型樹脂組成物において、前記光重
合性化合物中のエステル結合が加水分解されてなるモノ
マーは、アクリル酸またはメタクリル酸からなる液体モ
ノマーであることに特徴を有する。
【0016】この発明によれば、光重合性化合物中のエ
ステル結合が加水分解されてなるモノマーは、アクリル
酸またはメタクリル酸からなる液体モノマーであるの
で、その後の環境温度の低下によっても、依然として液
体モノマーのままであり、異物として析出することはな
い。
【0017】請求項4のシャドウマスクの製造方法は、
金属薄板両面への感光性樹脂塗膜の形成工程、当該感光
性樹脂塗膜の露光部の写真焼き付け工程、当該感光性樹
脂塗膜の非感光部の除去工程、一次エッチング工程、一
次エッチングした金属薄板の片面にバックコート膜を形
成するバックコート工程、二次エッチング工程、および
前記感光性樹脂塗膜と前記バックコート膜とをアルカリ
処理によって除去する工程、を順次経るシャドウマスク
の製造方法において、前記バックコート工程が、下記の
化学式1で表される光重合性化合物と、多官能モノマー
と、重合開始剤とを少なくとも含有する紫外線硬化型樹
脂組成物の塗布工程を含むことに特徴を有する。下記の
化学式1において、nは0〜3、R′、R″はHまたは
メチル基である。
【0018】
【化5】
【0019】この発明によれば、上記化学式1で表され
る光重合性化合物は、少なくとも100℃以下の酸性高
温水溶液中でエステル結合が加水分解し難い性質を有す
るので、この光重合性化合物を含有した紫外線硬化型樹
脂組成物からなるバックコート膜が二次エッチング工程
で酸性高温のエッチング溶液中に曝されても、そのバッ
クコート膜を構成する光重合化合物成分中のエステル結
合は加水分解し難い。たとえ、光重合性化合物成分の一
部のエステル結合が僅かに加水分解し、モノマーとして
溶出したとしても、溶出したモノマーは、アクリル酸ま
たはメタクリル酸からなる液体モノマーであるので、そ
の後の環境温度の低下によっても異物として析出するこ
とはない。
【0020】こうした紫外線硬化型樹脂組成物をバック
コート工程で使用することにより、二次エッチング工程
において、エッチング液の温度を上げてエッチング速度
を高くすることができるので、エッチング処理とシャド
ウマスクの製造を効率的に行うことができる。さらに、
この紫外線硬化型樹脂組成物は、上記の付加型の光重合
性化合物を主要な硬化性成分として採用するので粘度が
低く、無溶剤型の樹脂組成物とすることができると共
に、一次エッチングした金属薄板の片面の隅々にまで十
分に充填することができる。また、その末端に酸基を有
するので、硬化後のバックコート膜を、アルカリ処理に
よって容易に除去することができる。また、この紫外線
硬化型樹脂組成物は、多官能モノマーを含有しているの
で、その官能基が光重合することによって光重合性化合
物と共に三次元網目構造を形成し、高強度のバックコー
ト膜を形成することができる。
【0021】請求項5の発明は、請求項4に記載のシャ
ドウマスクの製造方法において、前記紫外線硬化型樹脂
組成物の粘度が、24℃において100〜600センチ
ポアズ(cP)であり、40℃において10〜200セ
ンチポアズ(cP)であることに特徴を有する。
【0022】こうした範囲の粘度を有する本発明の樹脂
組成物は、容易に無溶剤型のものとすることができると
共に、被塗布材料の隅々にまで十分に充填することがで
きる。
【0023】請求項6の発明は、請求項4または請求項
5に記載のシャドウマスクの製造方法において、前記エ
ッチング工程が、70〜100℃の温度の酸性エッチン
グ水溶液でなされることに特徴を有する。
【0024】この発明によれば、70〜100℃の温度
の酸性エッチング水溶液でエッチングを行っても、バッ
クコート膜中の光重合性化合物成分は、その成分中のエ
ステル結合が加水分解することによって溶出し難く、被
エッチング部に異物の析出が起こらない。そのため、エ
ッチング速度を上げて、エッチング処理とシャドウマス
クの製造をより効率的に行うことができる。
【0025】請求項7の発明は、請求項4乃至請求項6
に記載のシャドウマスクの製造方法において、前記紫外
線硬化型樹脂組成物の塗布工程で、当該紫外線硬化型樹
脂組成物を硬化膜厚で1〜60μmとなるように塗布す
ることに特徴を有する。
【0026】この発明によれば、紫外線硬化型樹脂組成
物を硬化膜厚で1〜60μmとなるように薄く塗布する
ので、薄いバックコート膜が形成される。こうしたバッ
クコート膜は、その後の溶解除去工程で、短時間で効率
的に溶解除去される。また、形成されたバックコート膜
は、多官能モノマーの作用によって三次元網目構造の強
化膜となっているので、膜を薄くすることができて低コ
スト化が可能になると共に、薄い膜にした場合であって
も搬送等の作業によっても剥離や亀裂等が発生すること
がなく、その後の二次エッチング工程を安定して行うこ
とができ、品質の安定したシャドウマスクを製造するこ
とができる。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の紫外線硬化型樹脂組成物
およびそれを用いたシャドウマスクの製造方法について
説明する。なお、特に断りのない限り、以下において
「%」は質量%を意味し、「部」は質量部を意味する。
【0028】先ず、紫外線硬化型樹脂組成物の構成成分
について説明する。
【0029】本発明の紫外線硬化型樹脂組成物(以下
「硬化型樹脂組成物」という。)は、主に、シャドウマ
スクの製造工程中のバックコート膜の形成工程で使用さ
れる組成物であって、上記の化学式1で表される光重合
性化合物と、多官能モノマーと、重合開始剤とを少なく
とも含有するものである。
【0030】本発明は、その硬化型樹脂組成物を構成す
る成分が、少なくとも100℃以下の酸性高温水溶液中
でエステル結合が加水分解し難い性質を有すること、お
よび/または、100℃以下の酸性高温水溶液中でエス
テル結合が加水分解した場合であっても加水分解後の成
分が異物として析出し難い性質を有するものであるこ
と、を特徴とするものである。そして、この硬化型樹脂
組成物からなる硬化膜がそうした酸性高温水溶液中に曝
されても、その硬化膜を構成する成分に起因した異物が
析出しないことに特徴を有する。
【0031】(1)光重合性化合物 光重合性化合物は、上記の化学式1で表されるオリゴマ
ーであって、アクリロイル基またはメタクリロイル基
(以下、これらを総称するときは「(メタ)アクリロイ
ル基」という。)と、酸基とを少なくとも有している。
そして、その化学式1において、nは0〜3、R′、
R″はHまたはメチル基である。こうした光重合性化合
物は、硬化型樹脂組成物の主要な必須成分であり、紫外
線の照射によって起こるラジカル反応によって重合し、
硬化膜(シャドウマスクの製造プロセスのパックコート
工程で使用される場合には、バックコート膜)を形成す
る硬化性成分である。
【0032】(メタ)アクリロイル基は、ラジカル重合
反応を担う反応基であり、この反応基によるラジカル重
合反応は、後述する重合開始剤によって誘起される。ま
た、酸基は、形成された硬化膜を容易にアルカリ溶解さ
せる作用を有するものであり、通常はカルボキシル基で
あるが、カルボキシル基から誘導される置換基等であっ
てもよい。
【0033】光重合性化合物の合成は、後述の化学反応
式に示すように、アクリル酸モノマーおよび/またはメ
タクリル酸モノマーを、酸触媒の下で付加反応させるこ
とによって行われる。この付加反応によって、アクリル
酸モノマーおよび/またはメタクリル酸モノマーは、化
学式1のnが0〜3、好ましくはnが1〜2の範囲から
なるオリゴマーとなる。このオリゴマーは、ダイマー成
分(n=1)とトリマー成分(n=2)が大部分(具体
的には、全体の60%程度)を占めるものであり、モノ
マー成分(n=0)やテトラマー成分(n=3)は通常
少ない。
【0034】アクリル酸モノマーを原料モノマーとして
付加反応させる場合には、アクリル酸のダイマー、トリ
マー、テトラマー等のオリゴマーが得られ、メタクリル
酸モノマーを原料モノマーとして付加反応させる場合に
は、メタクリル酸のダイマー、トリマー、テトラマー等
のオリゴマーが得られる。また、アクリル酸モノマーと
メタクリル酸モノマーの混合物を原料モノマーとして付
加反応させる場合には、アクリル酸オリゴマー、メタク
リル酸オリゴマー、または化学式1のR′、R″がHま
たはメチル基となったオリゴマーが得られる。
【0035】こうして生成された化学式1に表される光
重合性化合物は、少なくとも100℃以下の酸性高温水
溶液中でその化合物中のエステル結合が加水分解し難い
性質を有しているので、通常の水溶液の使用温度範囲内
(約100℃以下)では、その化合物中のエステル結合
が加水分解し難い。
【0036】このとき、その光重合性化合物成分中のエ
ステル結合が加水分解して元の原料モノマーまたは元の
原料モノマー由来物質に戻ることがたとえあったとして
も、加水分解後の原料モノマー(付加反応しないまま存
在する原料モノマーも含む。)または原料モノマー由来
物質は、アクリル酸および/またはメタクリル酸からな
る液体モノマーであるので、その後の環境温度の低下に
よっても異物として析出することはない。また、水分子
を含有し且つ100℃を超える任意の加水分解温度の環
境下で、上記の加水分解が起こったとしても、上記同様
に異物として析出することはない。
【0037】さらに、このとき、その環境が酸触媒を含
有する雰囲気であれば、下記の化学反応式に示すよう
に、アクリル酸および/またはメタクリル酸からなるモ
ノマーは、酸触媒下でオリゴマーを生成する方向に反応
が進むこととなる。
【0038】下記の化学反応式は、こうした付加反応と
加水分解反応を示す反応式である。
【0039】
【化6】
【0040】光重合性化合物は、n=0〜3のオリゴマ
ーであるので、粘度が低い液状の成分となる。そのた
め、この光重合性化合物を主要な硬化性成分として含有
する硬化型樹脂組成物は、無溶剤型の低粘度のものに容
易に調製することができ、被塗布材料の隅々にまで十分
に充填することができる。そうした樹脂組成物の粘度範
囲としては、24℃において100〜600センチポア
ズ(cP=cps。mPa・sに同じ。)または40℃
において10〜200センチポアズ(cP)、であるこ
とが好ましい。本発明の硬化型樹脂組成物は、上記の光
重合性化合物がその化学構造に基づいた低い粘度を有し
ているので、後述する多官能モノマーや重合開始剤を添
加することによっても、容易に上記範囲の低い粘度とす
ることができる。こうした範囲の粘度を有する本発明の
硬化型樹脂組成物は、容易に無溶剤型のものとすること
ができると共に、被塗布材料の隅々にまで十分に充填す
ることができる。粘度が24℃で100センチポアズ
(cP)未満または40℃で10センチポアズ(cP)
未満では、塗れ性が低下して、いわゆるハジキが生じる
ことがある。一方、粘度が24℃で600センチポアズ
(cP)を超え、または40℃で200センチポアズ
(cP)を超えると、泡が混入し易く、目詰め不良を生
じることがある。
【0041】なお、粘度を24℃で測定した値で規定し
たのは、その温度が硬化型樹脂組成物を塗布等する通常
の環境温度(室温)であるからであり、40℃で測定し
た値でも規定したのは、その温度が硬化型樹脂組成物を
塗布等し易くするために加温する一般的な温度であるか
らである。したがって、上記の温度で当該粘度の範囲内
にあるものは、本発明の硬化型樹脂組成物の技術的範囲
に含まれる。なお、さらに好ましい硬化型樹脂組成物
は、24℃において100〜600センチポアズ(c
P)且つ40℃において10〜200センチポアズ(c
P)、である。
【0042】粘度測定は、JIS K7117の粘度試
験方法に規定されたSB型粘度計またはそれに準拠した
粘度計で測定した値で評価した。そのときに使用したス
ピンドルの番号はSB1号であり、スピンドル回転数は
12min-1である。
【0043】光重合性化合物を有する硬化型樹脂組成物
は、シャドウマスク、リードフレーム等のような、金属
板を腐食してエッチングパターンを形成するものに使用
される硬化膜用の樹脂組成物として好ましく使用するこ
とができる。特に、シャドウマスクのバックコート膜用
の硬化型樹脂組成物として用いると、形成されたバック
コート膜は、二次エッチング工程で酸性高温のエッチン
グ水溶液中に曝されても、光重合性化合物成分中のエス
テル結合が加水分解し難く、従来のような異物析出の原
因となることはない。また、硬化型樹脂組成物が低粘度
組成物であることから、シャドウマスクの製造プロセス
中の金属薄板の微小孔部の隅々まで十分にその組成物を
充填できる。さらに、工業上極めて重要な点として、こ
の光重合性化合物は、安価であり、コストメリットに優
れているという利点がある。
【0044】(2)多官能モノマー 多官能モノマーは、(メタ)アクリロイル基を2個以上
有するモノマーであり、上述の光重合性化合物と共に硬
化膜を構成し、塗膜構造を3次元網目構造にして強固な
膜とすること、および、酸性高温エッチングにおける耐
エッチング性を付与することを目的に配合される成分で
ある。
【0045】なお、本発明において、この多官能モノマ
ーは、上述の光重合性化合物と同様に、少なくとも10
0℃以下の酸性高温水溶液中でエステル結合が加水分解
し難い性質を有すること、および/または、100℃以
下の酸性高温水溶液中でエステル結合が加水分解した場
合であっても加水分解後の成分が異物として析出し難い
性質を有するものであること、を満たし、その制限の下
で選択され、使用される。
【0046】多官能モノマーとしては、例えば、イソシ
アヌル酸のアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)ア
クリレートまたはトリ(メタ)アクリレート(東亞合成
株式会社製のアロニックスM−215、M−315)等
を挙げることができる。好ましくは、イソシアヌル酸の
アルキレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレー
トであり、上述の光重合性化合物100部に対して10
〜50部配合することが好ましい。このとき、10部未
満では、膜強度が低下することがあり、50部を超える
と、剥膜性が低下することがある。
【0047】さらに、他の多官能モノマーとしては、ポ
リオールポリ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリ
(メタ)アクリレートおよびエポキシ(メタ)アクリレ
ート等が挙げられる。
【0048】ポリオールポリ(メタ)アクリレート
は、多価アルコールと(メタ)アクリル酸との反応物で
ある。具体的な化合物としては、ブタンジオールジ(メ
タ)アクリレート、ペンタンジオールジ(メタ)アクリ
レート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネ
オペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ノナン
ジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ
メタノールジ(メタ)アクリレート及びヒドロキシピバ
リン酸とネオペンチルグリコールのエステル化ジオール
のジ(メタ)アクリレート等のジオールのジ(メタ)ア
クリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート及びポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アク
リレート等のポリエーテルグリコールの(メタ)アクリ
レート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリ又はペンタ(メタ)ア
クリレート、ジトリメチロールプロパントリ又はテトラ
(メタ)アクリレート、及びジペンタエリスリトールペ
ンタ又はヘキサ(メタ)アクリレート等のポリオールの
ポリ(メタ)アクリレートを挙げることができる。又、
多価アルコールにエチレンオキシド及びプロピレンオキ
シド等のアルキレンオキサイドを付加させた化合物と
(メタ)アクリル酸との反応物を挙げることもできる。
具体的な化合物としては、ヘキサンジオールのアルキレ
ンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ネオペ
ンチルグリコールのアルキレンオキサイド付加物のジ
(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのアルキレン
オキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェ
ノールFのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)ア
クリレート、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサ
イド付加物のジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノ
ールFのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アク
リレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサ
イド付加物のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールのアルキレンオキサイド付加物のトリ又はテト
ラ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノー
ルのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレ
ート等が使用できる。
【0049】ポリエステルポリ(メタ)アクリレート
は、ポリエステル型の多価アルコールと(メタ)アクリ
ル酸との反応物である。ポリエステル型の多価アルコー
ルとしては、例えば、コハク酸、マレイン酸、アジピン
酸、セバシン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘ
キサヒドロフタル酸及びトリメリット酸等の多塩基酸、
並びにその無水物と、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリ
コール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペ
ンタンジオール、ヘキサンジオール、ノナンジオール、
トリメチロールプロパン、グリセリン及びペンタエリス
リトール等を反応させたポリエステルアルコールが挙げ
られる。
【0050】エポキシ(メタ)アクリレートは、分子
中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物のエ
ポキシ基と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる
化合物である。例えば、ビスフェノールAのジエポキ
シ、フェノールノボラックの多価エポキシ、クレゾール
ノボラックの多価エポキシ等の化合物が挙げられる。
【0051】ポリ(メタ)アクリレートとしては、上
述したもの以外にも、リン酸等の酸に末端水酸基を有す
る(メタ)アクリレートを反応させて得られるリン酸ポ
リ(メタ)アクリレート等も挙げられる。その配合量
は、光重合性化合物100部に対して20〜30部であ
る。
【0052】(3)重合開始剤 重合開始剤は、上述の光重合性化合物の有する(メタ)
アクリロイル基に作用して、ラジカル重合反応を誘起す
る。こうした重合開始剤は、紫外線のエネルギーを効率
よく吸収して励起状態となり、(イ)開裂してラジカル
を発生させたり、(ロ)水素引き抜き反応を起こすこと
によってラジカルを発生させたり、(ハ)硬化型樹脂組
成物中の(メタ)アクリロイル基との間で起こる電子移
動反応によってラジカルを発生させたりして、上述の光
重合性化合物の有する(メタ)アクリロイル基に基づい
たラジカル重合反応を誘起する。ラジカル重合反応後の
重合開始剤は、上述の光重合性化合物や多官能モノマー
等と共に硬化膜の一部を構成する。
【0053】重合開始剤は、一般的な重合開始剤を使用
することができるが、上述のように硬化膜の一部を構成
することから、本発明においては、上述の光重合性化合
物と同様に、少なくとも100℃以下の酸性高温水溶液
中でその化合物成分中のエステル結合が加水分解し難い
性質を有すること、および/または、100℃以下の酸
性高温水溶液中でその化合物成分中のエステル結合が加
水分解した場合であっても加水分解後の成分が異物とし
て析出し難い性質を有するものであること、を満たし、
その制限の下で選択され、使用される。さらに、そうし
た重合開始剤は、配合後の硬化型樹脂組成物の熱安定性
や貯蔵安定性を考慮して選定されることが望ましい。
【0054】このような重合開始剤としては、下記に示
すようなアセトフェノン系、ベンゾインエーテル系、ベ
ンゾフェノン系、チオキサントン系、アシルフォスフィ
ンオキサイド系の各種のものを使用でき、それらの一種
または二種以上を任意の割合で混合することができる。
例えば、アセトフェノン系としては、2−メチル−
(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノ−
1−プロパノン(チバガイギー製イルガキュアー90
7)、ベンジルジメチルケタール(チバガイギー製イル
ガキュアー651)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフ
ェニルケトン(チバガイギー社製イルガキュア18
4)、ジエトキシアセトフェノン(ファーストケミカル
製ファーストキュアーDEAP)、2−ヒドロキシ−2
−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(チバガイ
ギー製ダロキュアー1173)、4−(2−ヒドロキシ
エトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)
ケトン(チバガイギー製イルガキュアー2959)及び
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフ
ォリノフェニル)−ブタノン(チバガイギー製イルガキ
ュアー369)等が挙げられる。ベンゾインエーテル
系としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、
ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエ
ーテル及びベンゾインイソブチルエーテル等が挙げられ
る。ベンゾフェノン系としては、ベンゾフェノン、o
−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェ
ノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサル
ファイド及び2,4,6−トリメチルベンゾフェノン等
が挙げられる。チオキサントン系としては、2−イソ
プロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサン
トン、2,4−ジクロロチオキサントン及び1−クロロ
−4−プロポキシチオキサントン等が挙げられる。ア
シルフォスフィンオキサイド系としては、2,4,6−
トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイ
ド及びビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,
4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等
が挙げられる。その他にも、1−ヒドロキシシクロヘ
キシルフェニルケトン及びカンファーキノン等、ベンジ
ルジメチルケタール等のケタール類などのモノマーを例
示できる。
【0055】重合開始剤の配合割合は、光重合性化合物
100部に対して、5〜10部である。5部未満では重
合の開始を促進する効果が不十分になり、10部を超え
ると硬化性成分が相対的に減少するので硬化膜特性が低
下することがある。
【0056】(4)他の配合材料 本発明の硬化型樹脂組成物は、上述した本発明の目的・
効果を顕著に阻害しない範囲内であることを条件に、下
記の単官能アクリルモノマー、一酸基単官能モノマー、
増感剤、レベリング剤、連鎖移動剤、溶媒、その他の配
合材料を必要に応じて適当量含有し、または、含有させ
ることができる。こうした各種の成分は、硬化型樹脂組
成物からなる硬化膜中の成分が、少なくとも100℃以
下の酸性高温水溶液中でその成分中のエステル結合が加
水分解し難い性質を有すること、および/または、10
0℃以下の酸性高温水溶液中でその成分中のエステル結
合が加水分解した場合であっても加水分解後の成分が異
物として析出し難い性質を有するものであること、を満
たし、その制限の下で選択され、使用される。
【0057】単官能アクリルモノマー 単官能アクリルモノマーは、分子中に(メタ)アクリロ
イル基を1個有する(メタ)アクリレートであり、硬化
型樹脂組成物の粘度および硬化膜のアルカリ溶解・剥離
性を調整する目的で任意に配合することができる。
【0058】単官能アクリルモノマーとしては、従来よ
り知られている種々のものを使用できる。例えば、メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)ア
クリレートおよび2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ
ート等のアルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレートおよびヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレート;(メタ)アクリルアミド、ジアセトン
(メタ)アクリルアミドおよびジメチル(メタ)アクリ
ルアミド等の(メタ)アクリルアミド;ポリエチレング
リコールおよびポリプロピレングリコール等のポリアル
キレングリコールモノアルキル(炭素数が1〜9)エー
テルのモノ(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレートおよびポリプロピレング
リコールモノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート;フェノールのエ
チレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加物の
モノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのエチレ
ンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加物のモノ
(メタ)アクリレートおよびp−クミルフェノールのエ
チレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加物の
モノ(メタ)アクリレート等のフェノールアルキレンオ
キサイド付加物のモノ(メタ)アクリレート;ベンジル
(メタ)アクリレート;(メタ)アクリロイルモルフォ
リン;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート;
N−ビニルピロリドン;イソボルニル(メタ)アクリレ
ート等を挙げることができ、これらの1種または2種以
上を配合して使用することができる。
【0059】一酸基単官能モノマーは、その酸基によ
って硬化膜のアルカリ溶解性・剥離性を向上させたり、
膜の強度の向上や柔軟性を調製する目的で任意に配合さ
れる成分であり、一分子中に一個の酸基と一個の(メ
タ)アクリロイル基とを持つ従来タイプの紫外線硬化型
の光重合性化合物である。この一酸基単官能モノマー
は、下記のように、その成分中のエステル結合が加水分
解して析出物となるフタル酸成分を含むものであるの
で、一酸基単官能モノマーを添加することによって得ら
れる効果と、フタル酸に起因した析出物による影響とを
考慮して、その配合量が設定される。
【0060】一酸基単官能モノマーとしては、分子中に
一個のヒドロキシル基および一個の(メタ)アクリロイ
ル基を有する単量体と二塩基酸無水物とのモノエステル
化合物を用いることができる。例えば、(メタ)アクリ
ロイルオキシエチルモノフタレート、(メタ)アクリロ
イルオキシプロピルモノフタレート、(メタ)アクリロ
イルオキシブチルモノフタレート、(メタ)アクリロイ
ルオキシエチルモノテトラヒドロフタレート、(メタ)
アクリロイルオキシプロピルモノテトラヒドロフタレー
ト、(メタ)アクリロイルオキシブチルモノテトラヒド
ロフタレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルモノ
ヘキサヒドロフタレート、(メタ)アクリロイルオキシ
プロピルモノヘキサヒドロフタレート、(メタ)アクリ
ロイルオキシブチルモノヘキサヒドロフタレート、(メ
タ)アクリロイルオキシエチルモノサクシネート、(メ
タ)アクリロイルオキシプロピルモノサクシネート、
(メタ)アクリロイルオキシブチルサクシネート、(メ
タ)アクリロイルオキシエチルマレート等を挙げること
ができ、上記化合物の一種または二種以上を任意の割合
で混合して使用することができる。
【0061】増感剤は、通常、重合開始剤と同時に配
合されるものであり、好ましい増感剤としては、トリエ
タノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソ
プロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチ
ル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチル
アミノ安息香酸イソアミル、4,4−ジメチルアミノベ
ンゾフェノン及び4,4−ジエチルアミノベンゾフェノ
ン等が挙げられる。
【0062】レベリング剤は、硬化型樹脂組成物の微
小凹部への充填性、硬化膜の表面平滑性、組成物の消泡
性および表面張力を調整する成分である。一般的な消泡
剤、表面平滑剤、湿潤分散剤等を用いることにより、十
分に目的を達成できる。レベリング剤としては、一般の
界面活性剤が使用でき、例えば、フロラードFC−43
0(住友スリーエム(株)製)、メガファックF−17
7(大日本インキ化学工業(株)製)およびメガファッ
クF−179(大日本インキ化学工業(株)製)等のノ
ニオン系のフッ素化アルキルエステルや、NUCシリコ
ーンL7002(日本ユニカー(株)製)およびFZ−
2165(日本ユニカー(株)製)等のシリコーン系化
合物を挙げることができる。
【0063】連鎖移動剤は、硬化膜にアルカリ溶解・
剥離性およびパターン形成性を付与する目的で配合され
る成分である。連鎖移動剤としては、従来より知られて
いる種々の化合物を使用できるが、モノチオール化合物
が好ましい。モノチオール化合物としては、オクチルメ
ルカプタン、ノニルメルカプタン、デシルメルカプタ
ン、ドデシルメルカプタンおよびセチルメルカプタン等
のメルカプタン、モノチオエチレングリコールおよびα
−モノチオグリセリン等の水酸基置換メルカプタン類、
メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトプロピオン
酸、チオ乳酸およびチオリンゴ酸等のメルカプトカルボ
ン酸等が挙げられる。
【0064】溶媒 本発明においては、光重合性化合物が液体状のオリゴマ
ーであるので、その硬化型樹脂組成物を容易に無溶剤型
とすることができることも本発明が発揮する有益な効果
の一つであるが、実際の使用に際しては、硬化型樹脂組
成物の粘度をさらに下げるために、水や有機溶剤を適宜
配合して実施に供することも可能である。有機溶剤とし
ては、メタノール、エタノール、ブタノールおよびイソ
プロピルアルコール等のアルコール、ブチルセロソル
ブ、メチルセロソルブおよびエチルセロソルブ等のセロ
ソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソル
ブアセテートおよびブチルセロソルブアセテートのセロ
ソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテル、トルエン、並びにキシレン等が挙げられる。
【0065】その他の材料 上記以外の配合材料として、硬化時のひずみの緩和を目
的として、分子量が1000〜100000のポリマー
や、硬化性成分に不溶な粒子状の充填剤を添加すること
も可能である。また、着色顔料、非反応性樹脂等、従来
より、紫外線硬化型樹脂組成物に実用上配合されている
各種の材料を任意に配合することができる。
【0066】以上(1)〜(4)において硬化型樹脂組
成物の構成成分について説明したが、本発明においては
光重合性化合物として化学式1に表す化合物を主成分と
して使用するので、多官能モノマーや重合開始剤等を配
合してなる硬化型樹脂組成物を、粘度が低い流動性に優
れた組成物に容易に調製することができる。そのため、
硬化型樹脂組成物を、無溶剤型のものにすることがで
き、被塗布材料の隅々にまで十分に充填することができ
る。
【0067】硬化型樹脂組成物を塗布する方法として
は、ロールコート法、スプレーコート法、フローコート
法、ディップコート法、マイクログラビア法等の通常の
塗布方法を用いることができる。硬化型樹脂組成物を室
温以上の温度(例えば、40℃)に加温することによっ
て、その組成物の粘度をさらに低下させることができ、
微小凹部への充填性をより向上させることも可能であ
る。こうした硬化型樹脂組成物は、通常の方法により、
高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンラン
プ等で紫外線を照射して硬化させることができる。
【0068】本発明の硬化型樹脂組成物をシャドウマス
ク製造プロセスのバックコート工程に適用すると、バッ
クコート膜を強固且つムラなく形成することができるの
で、シャドウマスク製造プロセス中の搬送や取り扱いに
よってもバックコート膜にクラックや剥離が生じにくい
という利点があると共に、精度よくエッチング処理する
ことができ、高精度且つ高品質なシャドウマスクを製造
できる。また、シャドウマスクの金属薄板の補強材とし
ての役割を担うこともできる。 (5)シャドウマスクの製造方法 図1は、本発明のシャドウマスクの製造方法の一例を示
す工程図である。
【0069】シャドウマスク1は、予めアルカリ脱脂や
水洗が行われたアンバー材(Fe−36質量%Ni合
金)等の金属薄板2を基材として使用し、最初に、その
金属薄板2の両面に感光性樹脂塗膜を形成する(感光性
樹脂塗膜の形成工程)。感光性樹脂塗膜は、金属薄板2
上に所定の厚さで塗布・乾燥されて形成される。感光性
樹脂としては、通常、カゼインや変性PVA(ポリビニ
ルアルコール)と重クロム酸塩とからなる樹脂組成物等
が用いられ、その塗布方法としては、ディピング法やキ
スコータ法等が用いられる。
【0070】次に、感光性樹脂塗膜3を所定のパターン
に写真焼付する(写真焼付工程)。写真焼付は、金属薄
板2の両面に形成された感光性樹脂塗膜3に、シャドウ
マスクの電子銃側の小孔に対応するパターンが形成され
たフォトマスクと、シャドウマスクの蛍光面側の大孔に
対応するパターンが形成されたフォトマスクとからなる
一対のフォトマスクを密着し、紫外線等を照射し、その
照射によって各フォトマスクのパターン通りに硬化させ
て行われる。
【0071】次に、感光性樹脂塗膜3の非感光部を除去
する(非感光部の除去工程)。紫外線が照射されない非
感光部は、所定の現像液によって現像処理し、容易に除
去することができる。その後、乾燥、硬膜処理(ベーキ
ング)を行なって、図1(a)に示すように、上述した
一対のフォトマスクのパターンに対応するレジストパタ
ーンが形成される。
【0072】次に、塩化第二鉄水溶液等の酸性エッチン
グ溶液によって一次エッチングを行う(一次エッチング
工程)。一次エッチング工程は、図1(b)に示すよう
に、金属薄板2の表裏両面に互いに貫通しない微小凹部
6、7を形成する工程であり、(i)小孔側と大孔側の
両側から同時にエッチングする方法、(ii)先ず、一
方の表面にエッチング抵抗材や保護フィルム等を設けて
他方の表面をエッチングし、次いで、エッチングした面
にエッチング抵抗材や保護フィルム等を設けてもう一方
の面をエッチングする方法、等によって行うことができ
る。エッチング液としては、塩化第二鉄水溶液に代表さ
れるような酸性のエッチング溶液が用いられる。エッチ
ング後は、通常、アルカリ中和処理、水洗によって洗浄
される。
【0073】次に、一方の微小凹部6にバックコート膜
8を形成する(バックコート工程)。バックコート工程
は、図1(c)に示すように、一方の微小凹部6を充填
するバックコート膜8を形成することによって、最終的
に製造されるシャドウマスク1の孔をムラなく且つ精度
良く形成するために行われる。通常、図1(c)に示す
ように、小孔側の微小凹部6に、上述した本発明の硬化
型樹脂組成物を塗布し、その隅々まで十分に充填し、そ
の後紫外線を照射して硬化させ、バックコート膜8を形
成する。
【0074】次に、バックコート膜8が形成されていな
い側の微小凹部7を再びエッチングする(二次エッチン
グ工程)。二次エッチングは、図1(d)に示すよう
に、バックコート膜8が形成されていない大孔側の微小
凹部7を、第一エッチングと同じ塩化第二鉄水溶液から
なるエッチング液でエッチングすることによって拡大
し、バックコート膜8が形成された小孔側の微小凹部6
に貫通(連通)させる工程である。エッチング後は、第
一エッチングの場合と同様に、アルカリ中和処理、水洗
によって洗浄される。
【0075】最後に、バックコート膜8と感光性樹脂塗
膜3とを溶解除去する(溶解除去工程)。溶解除去には
水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液が用いら
れ、図1(e)に示すように、溶解除去によって所定の
孔を有するシャドウマスク1が製造される。製造された
シャドウマスク1は、開孔径(小孔と大孔との連通部分
の開孔径)を、一次エッチング時の小孔側のエッチング
量の調整によって制御できるので、高精細且つ高品質と
なる。
【0076】本発明のシャドウマスクの製造方法の特徴
は、バックコート工程中の硬化型樹脂組成物の塗布工程
において、上述した本発明の硬化型樹脂組成物、すなわ
ち、上述の化学式1で表される光重合性化合物と多官能
モノマーと重合開始剤とを少なくとも含有する硬化型樹
脂組成物を用いたことにある。本発明においては、この
硬化型樹脂組成物を構成する成分が、少なくとも100
℃以下の酸性高温水溶液中でその成分中のエステル結合
が加水分解し難い性質を有すること、および/または、
100℃以下の酸性高温水溶液中でその成分中のエステ
ル結合が加水分解した場合であっても加水分解後の成分
が異物として析出し難い性質を有するものであること、
を特徴とする。従って、この硬化型樹脂組成物を用いて
バックコート膜8を形成すると、その後の二次エッチン
グ工程において、エッチング液の温度を70〜100
℃、好ましくは80〜100℃の酸性高温としても、被
エッチング部である微小凹部7に、従来のような異物の
析出や付着が起こらない。そのため、従来よりもエッチ
ング温度を高くしてエッチング速度を上げることができ
るので、二次エッチングの工程効率とシャドウマスクの
製造効率を向上させることができる。異物の析出や付着
が起こらない原因は、硬化型樹脂組成物において既に説
明したとおりである。
【0077】得られたバックコート膜は、硬化型樹脂組
成物に含有させる多官能モノマーを任意に選定すること
によって、3次元網目構造で形成される。こうした構造
を有するバックコート膜は高い強度で均一に形成される
ので、搬送等の作業によっても剥離や亀裂等が発生する
ことがなく、その後の二次エッチング工程を安定して行
って品質の安定したシャドウマスクを製造することがで
きる。さらに、シャドウマスクの補強材としての役割を
果たすこともできる。また、強化されたバックコート膜
は、乾燥膜厚で1〜60μm好ましくは10〜25μm
という薄い厚さで形成しても、十分にバックコート膜と
しての機能およびシャドウマスクの補強材としての機能
を発揮できる。バックコート膜を薄くすることは、組成
物を構成する材料コストの低減に有利であると共に、そ
の後のアルカリ水溶液による溶解除去を短時間で行うこ
とができるので極めて有効である。
【0078】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて、本発明
をより具体的に説明する。なお、特に断りのない限り、
以下において「%」は質量%を意味し、「部」は質量部
を意味する。
【0079】(実施例1)光重合性化合物として下記の
化学式3で表されるアロニックスM−5600(商品
名、n=1.4(平均値)、東亞合成株式会社製)60
部、多官能モノマーとして下記の化学式4で表されるア
ロニックスM−450(商品名、東亞合成株式会社製)
35部、重合開始剤として下記の化学式5に表されるI
rgacure184(商品名、チバ・スペシャルティ
・ケミカルズ株式会社製)5部、を溶解・混合し、実施
例1の硬化型樹脂組成物を調製した。
【0080】
【化7】
【0081】
【化8】
【0082】
【化9】
【0083】(比較例1)光重合性化合物として下記化
学式2で表されるビスコート#2100(商品名、大阪
有機化学株式会社製)65部、多官能モノマーとして下
記化学式6で表されるM−315(商品名、新中村化学
株式会社製)30部、重合開始剤として実施例1と同じ
上記化学式5で表されるIrgacure184(商品
名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)5
部、を溶解・混合し、比較例1の硬化型樹脂組成物を調
製した。
【0084】
【化10】
【0085】
【化11】
【0086】(90℃エッチング析出性試験)実施例1
および比較例1の各硬化型樹脂組成物を、硬化後の膜厚
が30μmになるようにアンバー合金薄板上に塗布し
た。その塗膜に対して、240Wの高圧水銀ランプを用
いて1000mJ/cm2 の紫外線を照射し、塗膜表面
のタックがないことをもって塗膜の硬化を確認し、照射
を終了した。
【0087】得られた硬化膜から50g採取し、45°
Be(ボーメ)のFeCl2 水溶液:500gと、HC
l(36%):2.8gとからなるエッチング液に投入
し、エアーバブリングしながら90℃、4時間加熱還流
処理を行った。処理後の硬化膜をろ過により取り除き、
そのろ液を室温で15時間放置した。放置後のろ液を1
μmフィルターでろ過し、析出物の有無を観察し、析出
物が得られた場合にはその析出物を乾燥して質量を測定
した。90℃エッチング析出性試験の評価基準として
は、◎:析出無し、×:析出あり、とし、実測値と共に
その結果を表1に示した。
【0088】(アルカリ溶解・剥離性試験)アンバー合
金薄板上にカゼインレジスト系感光性樹脂塗膜を形成
し、その後写真焼付工程、非感光部の除去工程を経てネ
ガパターンを形成した。次いで、一次エッチング工程に
より微小凹部を多数有する試験用薄板を作製した。その
試験用薄板の片面に、実施例1および比較例1の各硬化
型樹脂組成物を塗布し、その後紫外線照射によって硬化
させ、バックコート膜を形成した。
【0089】各硬化型樹脂組成物からなるバックコート
膜が形成された試験試料を、90℃の20%水酸化ナト
リウム水溶液中に投入し、バックコート膜が試験用薄板
から完全に剥がれる時間を測定した。アルカリ溶解・剥
離性試験の評価基準としては、◎:1分未満、○:1分
以上〜2分未満、△:2分以上〜3分未満、×:3分以
上、とし、実測値と共にその結果を表1に示した。
【0090】(粘度測定)JIS K7117に準拠し
たビスメトロン粘度計(VDA−L SB型粘度計、芝
浦システム株式会社製)を用いて各硬化型樹脂組成物の
粘度を測定した。測定に際しては、硬化型樹脂組成物を
ビーカーに入れ、そこにSB1号のスピンドルを浸漬さ
せて、12min-1の回転数で回転させ、その摩擦によ
って粘度を測定した。加熱時(40℃)は、ウオーター
バスを用いた。
【0091】(結果)
【表1】
【0092】析出性試験結果については、実施例1の硬
化型樹脂組成物を用いた場合は析出物が認められなかっ
たが、比較例1の硬化型樹脂組成物を用いた場合は346m
gの析出物が認められた。
【0093】アルカリ溶解・剥離性については、実施例
1の硬化型樹脂組成物を用いた場合は短時間で剥離した
が、比較例1の硬化型樹脂組成物を用いた場合は長時間
を要した。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の紫外線硬
化型樹脂組成物によれば、この紫外線硬化型樹脂組成物
からなる硬化膜は、酸性高温水溶液中に曝されてもその
構成成分中のエステル結合が加水分解し難いので、加水
分解した成分が溶出し難く、たとえ僅かに溶出した場合
であっても異物として析出することがない。さらに、こ
の紫外線硬化型樹脂組成物の主成分である光重合性化合
物は、粘度が低く、無溶剤型の低粘度の樹脂組成物とす
ることが容易にできると共に、充填すべき部位の隅々に
まで十分に塗布することができるという優れた効果を有
している。
【0095】本発明のシャドウマスクの製造方法によれ
ば、こうした組成物をバックコート膜形成用の樹脂組成
物として適用することにより、シャドウマスク製造プロ
セスの酸エッチング工程において、エッチング液の温度
を上げてエッチング速度を高くすることができる。その
結果、精度のよいエッチングと高品質なシャドウマスク
の製造を効率的に行うことができる。さらに、高強度の
バックコート膜を形成できるので、搬送等の作業によっ
ても剥離や亀裂等が発生することがなく、その後の二次
エッチング工程の安定化とシャドウマスクの品質安定化
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシャドウマスクの製造方法の一例を示
す工程図である。
【符号の説明】
1 シャドウマスク 2 金属薄板 3 感光性樹脂塗膜 4 小孔側 5 大孔側 6、7 微小凹部 8 バックコート膜
フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA03 AA09 AB14 AB17 AC01 AD01 BC34 BC42 BC63 BC83 BC85 BJ00 BJ06 CA00 FA39 FA40 2H096 AA27 AA30 BA05 EA02 HA18 HA30 4J011 AA05 QA03 QA06 QA07 QA08 QA12 QA13 QA15 QA22 QA23 QA24 QA27 QA34 QA39 QA42 QB03 QB13 QB14 QB16 QB20 QB22 SA05 SA06 SA22 SA23 SA24 SA26 SA32 SA34 SA54 SA64 SA84 UA01 VA01 WA01 4J027 AA02 AB06 AB15 AB16 AB17 AB18 AB19 AB23 AB24 AB25 AB26 AC03 AC04 AC06 AE02 AE03 AE07 BA07 BA08 BA10 BA13 BA14 BA15 BA19 BA21 BA23 BA25 BA26 BA27 BA28 BA29 CA31 CA32 CB10 CC05 CD10 4J100 AL08P AL62Q AL63Q AL66Q AL67Q BA02Q BA08Q BA11Q BA15P BA16P BA21Q BC02Q BC75Q CA04 JA37 JA38

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の化学式1で表される光重合性化合
    物と、多官能モノマーと、重合開始剤とを少なくとも含
    有することを特徴とする紫外線硬化型樹脂組成物。化学
    式1において、nは0〜3、R′、R″はHまたはメチ
    ル基である。 【化1】
  2. 【請求項2】 前記紫外線硬化型樹脂組成物の粘度が、
    24℃において100〜600センチポアズ(cP)で
    あり、40℃において10〜200センチポアズ(c
    P)であることを特徴とする請求項1に記載の紫外線硬
    化型樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記光重合性化合物中のエステル結合が
    加水分解されてなるモノマーは、アクリル酸またはメタ
    クリル酸からなる液体モノマーであることを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の紫外線硬化型樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 金属薄板両面への感光性樹脂塗膜の形成
    工程、当該感光性樹脂塗膜の露光部の写真焼き付け工
    程、当該感光性樹脂塗膜の非感光部の除去工程、一次エ
    ッチング工程、一次エッチングした金属薄板の片面にバ
    ックコート膜を形成するバックコート工程、二次エッチ
    ング工程、および前記感光性樹脂塗膜と前記バックコー
    ト膜とをアルカリ処理によって除去する工程、を順次経
    るシャドウマスクの製造方法において、前記バックコー
    ト工程が、下記の化学式1で表される光重合性化合物
    と、多官能モノマーと、重合開始剤とを少なくとも含有
    する紫外線硬化型樹脂組成物の塗布工程を含むことを特
    徴とするシャドウマスクの製造方法。化学式1におい
    て、nは0〜3、R′、R″はHまたはメチル基であ
    る。 【化2】
  5. 【請求項5】 前記紫外線硬化型樹脂組成物の粘度が、
    24℃において100〜600センチポアズ(cP)で
    あり、40℃において10〜200センチポアズ(c
    P)であることを特徴とする請求項4に記載のシャドウ
    マスクの製造方法。
  6. 【請求項6】 エッチング工程が、70〜100℃の温
    度の酸性エッチング水溶液でなされることを特徴とする
    請求項4または請求項5に記載のシャドウマスクの製造
    方法。
  7. 【請求項7】 前記紫外線硬化型樹脂組成物の塗布工程
    において、当該紫外線硬化型樹脂組成物を硬化膜厚で1
    〜60μmとなるように塗布することを特徴とする請求
    項4乃至請求項6に記載のシャドウマスクの製造方法。
JP2000181288A 2000-06-16 2000-06-16 紫外線硬化型樹脂組成物およびそれを用いたシャドウマスクの製造方法 Pending JP2001354730A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000181288A JP2001354730A (ja) 2000-06-16 2000-06-16 紫外線硬化型樹脂組成物およびそれを用いたシャドウマスクの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000181288A JP2001354730A (ja) 2000-06-16 2000-06-16 紫外線硬化型樹脂組成物およびそれを用いたシャドウマスクの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001354730A true JP2001354730A (ja) 2001-12-25

Family

ID=18682241

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000181288A Pending JP2001354730A (ja) 2000-06-16 2000-06-16 紫外線硬化型樹脂組成物およびそれを用いたシャドウマスクの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001354730A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002214810A (ja) * 2001-01-23 2002-07-31 Mitsubishi Chemicals Corp 電子写真感光体、電荷輸送層用塗布液及び電子写真感光体の製造方法
WO2005008338A1 (ja) * 2003-07-17 2005-01-27 Hitachi Chemical Co., Ltd. ネガ型感光性樹脂組成物及びネガ型感光性エレメント
JP2006036982A (ja) * 2004-07-28 2006-02-09 Sumitomo Seika Chem Co Ltd カルボキシル基含有水溶性重合体の製造方法
JP2008019314A (ja) * 2006-07-11 2008-01-31 Yokohama Rubber Co Ltd:The 紫外線硬化型コート剤組成物

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002214810A (ja) * 2001-01-23 2002-07-31 Mitsubishi Chemicals Corp 電子写真感光体、電荷輸送層用塗布液及び電子写真感光体の製造方法
WO2005008338A1 (ja) * 2003-07-17 2005-01-27 Hitachi Chemical Co., Ltd. ネガ型感光性樹脂組成物及びネガ型感光性エレメント
JP2006036982A (ja) * 2004-07-28 2006-02-09 Sumitomo Seika Chem Co Ltd カルボキシル基含有水溶性重合体の製造方法
JP4759236B2 (ja) * 2004-07-28 2011-08-31 住友精化株式会社 カルボキシル基含有水溶性重合体の製造方法
JP2008019314A (ja) * 2006-07-11 2008-01-31 Yokohama Rubber Co Ltd:The 紫外線硬化型コート剤組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4689568B2 (ja) ガラスエッチング用紫外線硬化型レジスト組成物及びガラスエッチング処理方法
CN1693991A (zh) 光致抗蚀剂树脂组合物
KR100663962B1 (ko) 자외선 경화성 수지 조성물
CN1800978A (zh) 感光组合物、含该组合物的感光浆组合物及隔板形成方法
JP2001354730A (ja) 紫外線硬化型樹脂組成物およびそれを用いたシャドウマスクの製造方法
JPH07333846A (ja) 感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性フィルム
JP3403511B2 (ja) レジストパターン及びエッチングパターンの製造方法
JP2003221420A (ja) 活性エネルギー線硬化性組成物および硬化被膜
JPH04153276A (ja) ネガ型感光性電着塗料樹脂組成物及びこれを用いた電着塗装浴
JP4459751B2 (ja) サンドブラスト用感光性樹脂組成物およびこれを用いたサンドブラスト用感光性ドライフィルム
JPS62160440A (ja) 液状感光性樹脂組成物
JPH10306124A (ja) 紫外線硬化性樹脂組成物
JP2003021899A (ja) エッチングレジスト用硬化型組成物
JPH0643644A (ja) ネガ型感光性電着塗料樹脂組成物、これを用いた電着塗装浴及びレジストパターンの製造法
JP3509653B2 (ja) 硬化型組成物
JP2000256585A (ja) シャドウマスク製造時の裏止め材用硬化性組成物
JPH0616978A (ja) ネガ型感光性電着塗料樹脂組成物、これを用いた電着塗装浴及びレジストパターンの製造法
JP2678761B2 (ja) 画像形成方法
JP2001279131A (ja) バックコート用紫外線硬化型樹脂組成物およびそれを用いたシャドウマスクの製造方法
JP2001354876A (ja) 活性エネルギー線硬化性組成物および硬化被膜
JP2000256425A (ja) シャドウマスク製造時の裏止め材用硬化性組成物
JP2003021900A (ja) エッチングレジスト用硬化型組成物
JP2024038567A (ja) エッチング用感光性樹脂組成物およびエッチング方法
JP2001125264A (ja) 硬化型組成物
JP2023120948A (ja) 剥離方法