JP2001354876A - 活性エネルギー線硬化性組成物および硬化被膜 - Google Patents

活性エネルギー線硬化性組成物および硬化被膜

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JP2001354876A
JP2001354876A JP2000181145A JP2000181145A JP2001354876A JP 2001354876 A JP2001354876 A JP 2001354876A JP 2000181145 A JP2000181145 A JP 2000181145A JP 2000181145 A JP2000181145 A JP 2000181145A JP 2001354876 A JP2001354876 A JP 2001354876A
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mass
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energy ray
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Juichi Fujimoto
寿一 藤本
Hiroshi Fukushima
洋 福島
Yasushi Hayama
康司 葉山
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐エッチング性およびアルカリ溶解性に優れた
硬化被膜を形成可能な、貯蔵安定性に優れた活性エネル
ギー線硬化性組成物を得る。 【解決手段】 (a)分子中に少なくとも1個のカルボ
キシル基及び少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基
を持つ化合物20〜70質量%、(b)上記(a)成分
以外のエチレン性不飽和化合物20〜70質量%、およ
び(c)光重合開始剤0.01〜10質量%を含む組成
物100質量部に対して、チオール基を含まないラジカ
ル重合連鎖移動剤(d)が0.01〜10質量部添加さ
れた活性エネルギー線硬化性組成物、およびその硬化被
膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シャドウマスクや
アパーチャグリルをはじめとする微細な凹凸を有する基
材表面に、紫外線照射により、優れた耐エッチング性、
及び高性能なアルカリ溶解性を有する架橋硬化塗膜を形
成し、エッチングレジスト用として利用され得る組成物
に関するものであり、特に、シャドウマスク及びまたは
アパーチャグリル製造時の二次エッチング工程における
裏止め材用樹脂組成物として有用なアルカリ可溶性保護
被膜を形成する組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プリント配線板や半導体素子等の電子材
料には、一般に精密で繊細な高度の加工技術が必要とさ
れ、その製造ラインにおけるエッチング工程は、近年紫
外線露光法により、レジストパターンを形成する方法が
主流となっている。半導体素子寸法の微細化、加工精度
の向上等の要求に対応して、エッチングレジストも、高
感度(光による化学反応の応答効率)、高解像度(特に
エッチング時の低膨潤性)などの性能が特に要求されて
いる。中でも基材が精密で微細な凹凸を有するシャドウ
マスクやアパーチャグリルの場合、基材に追従し、表面
平滑性が良好で気泡が発生することなく被覆可能なエッ
チングレジスト材が求められている。
【0003】シャドウマスクとは、カラーCRTの画面
内側約1cmの位置に取り付けられている厚さ約0.1
5mmの鋼板で、電子ビームを対応する蛍光体に照射さ
せるための多数の微細な穴を有している。この微細な穴
の形成には、一般に鋼板の表裏両面の対応する位置両面
からエッチングを行い貫通させる方法が取られている。
【0004】このシャドウマスクの製造工程について、
その一例を図1を用いて説明する。まず、鋼板などの基
材()の表裏両面に感光性樹脂(1次レジスト)を塗
布し、パターン化したフォトマスクを通して該塗布面に
活性光線を露光し、非感光部の1次レジストを現像処理
により除去する()。ついで、塩化第二鉄等を含むエ
ッチング液により、の状態の基材を表裏両面から1次
エッチングを行い、穴が貫通する手前でエッチングを中
断する()。の状態の基材片側に、UV硬化型の2
次レジストを塗布、硬化してなるマスキングをした後
()、2次エッチングを行う。2次エッチングは、塩
化第二鉄等を含むエッチング液により、2次レジストで
マスキングをしていない側よりエッチングを進行させ、
2次レジスト側まで到達した時点でエッチングを中断す
る()。最後に、アルカリ処理により、1次レジスト
及び2次レジストを除去し()、シャドウマスクが完
成する。アパーチャグリルでは必要とされる穴の形状が
細長く、最終的な形状は簾状の鋼板となるが、その製造
工程は基本的にはシャドウマスクと同様である。
【0005】このような方法のシャドウマスクやアパー
チャグリルの製造に使用する2次レジストには、特公平
4−82002号公報、特許第2592733号公報等
で提案されているような1個のカルボキシル基と1個の
(メタ)アクリロイル基を有する化合物を用いることが
有効である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、昨今のシャ
ドウマスクやアパーチャグリルの製造ラインにおいて
は、その生産性向上のためにラインスピードを速くする
傾向にあり、エッチング速度を速めるためにエッチング
液のスプレー圧力を上げる傾向にある。そのため、レジ
スト膜には大きな応力がかかってしまい、該膜に亀裂が
入る、脱落する等による歩留まり低下が課題となってい
る。さらに、スピードアップのため、アルカリ溶解時間
も短縮しなければならないと言う課題もあった。従来技
術においては、2次レジストの被膜強度を高めるとアル
カリ溶解性が低下し、アルカリ溶解性を高めると被膜強
度が低下するという相反する関係にあり、この相反する
性能を満足する組成物が求められていた。
【0007】耐エッチング性を低下させずに、アルカリ
溶解性を向上する方法として、特公平4−82002号
公報、特許第2592733号公報等において、連鎖移
動剤を配合する方法が開示されているが、これらの公報
で開示されるチオール系連鎖移動剤を配合した組成物で
は、(メタ)アクリロイル基の二重結合とチオールの間
で、エン・チオール反応が貯蔵中に発生するため、硬化
性組成物に粘度上昇やゲル化が起こるという貯蔵安定性
に課題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、本発明の
課題であるエッチング時の膜の脱落原因について検討し
た結果、硬化被膜の強度が低い場合に亀裂が入る頻度が
高いことを見出し、強度向上のための組成検討を貯蔵安
定性の検討とともに行った。その結果、非チオール系ラ
ジカル重合連鎖移動剤を配合した、特に2次レジスト材
として有用な前記(a)成分〜(d)成分からなる活性
エネルギー線硬化性組成物を見出した。また、引っ張り
破断強度が10MPa以上である該組成物を用いた硬化
被膜を形成すれば、耐エッチング性とアルカリ溶解性の
両者に優れ、なおかつ高速な製造ラインにおいても、亀
裂が入り脱落することもない、アルカリ溶解性保護被膜
が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、(a)分子中に少な
くとも1個のカルボキシル基及び少なくとも2個の(メ
タ)アクリロイル基を持つ化合物20〜70質量%、
(b)上記(a)成分以外のエチレン性不飽和化合物2
0〜70質量%、および(c)光重合開始剤0.01〜
10質量%を含む組成物100質量部に対して、チオー
ル基を含まないラジカル重合連鎖移動剤(d)が0.0
1〜10質量部添加された活性エネルギー線硬化性組成
物、および該組成物を硬化させて得た、引っ張り破断強
度が10MPa以上である保護被膜にある。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、各成分について詳細に説明
する。なお、本発明において「(メタ)アクリル酸」は
「アクリル酸またはメタクリル酸」を、「(メタ)アク
リロイル基」は「アクリロイル基またはメタクリルロイ
ル基」を、「(メタ)アクリレート」は「メタクリレー
トまたはアクリレート」をそれぞれ意味する。
【0011】本発明の活性エネルギー線硬化性組成物に
おける(a)成分は、分子内に少なくとも1個のカルボ
キシル基および少なくとも2個の(メタ)アクリロイル
基を有する化合物である。この(a)成分は、従来にな
い高性能なアルカリ溶解性を有し、かつ同時に良好な耐
エッチング性、引っ張り強度を発現させる成分である。
【0012】(a)成分の具体例としては、例えば、二
塩基酸無水物と、分子内に1個の水酸基と少なくとも2
個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加させ
た生成物、および、分子内に少なくとも2個の酸無水物
基を有する化合物と、分子内に1個の水酸基と少なくと
も1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加
させた生成物が挙げられる。
【0013】前者の二塩基酸無水物と、分子内に1個の
水酸基と少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基を有
する化合物を付加させた生成物の具体例としては、例え
ば、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサ
ヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル
酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸等
の二塩基酸無水物に、トリメチロールプロパンジ(メ
タ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレー
ト、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等
を付加させた化合物類が挙げられる。さらには無水トリ
メリット酸に前記(メタ)アクリレートを付加した化合
物類も使用可能である。
【0014】後者の分子内に少なくとも2個の酸無水物
基を有する化合物と、分子内に1個の水酸基と少なくと
も1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加
させた生成物の具体例としては、例えば、無水ピロメリ
ット酸、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテ
ート、グリセリンビス(アンヒドロトリメリテート)モ
ノアセテート、グリセリントリス(アンヒドロトリメリ
テート)モノアセテート等の多塩基酸無水物類に、2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)ア
クリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)
アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
ート類や、これらのエチレンオキシド付加物、プロピレ
ンオキシド付加物、カプロラクトン付加物等を付加させ
た化合物類や、トリメチロールプロパンジ(メタ)アク
リレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ジトリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエ
リスリトールペンタ(メタ)アクリレート等を付加させ
た化合物類が挙げられる。
【0015】本発明の活性エネルギー線硬化性組成物に
おいて、(a)成分は、(a)〜(c)成分の合計量1
00質量%中、20〜70質量%の範囲で配合すればよ
く、特に好ましくは30〜65質量%の範囲である。
(a)成分の配合量が20質量%より少ない場合には、
これから得られる硬化被膜のアルカリ溶解性が低下する
傾向にある。また、70質量%を超える場合には、これ
から得られる硬化被膜の耐エッチング性が低下する傾向
にある。
【0016】本発明の活性エネルギー線硬化性組成物に
おける(b)成分は、前記(a)成分以外のエチレン性
不飽和化合物であり、良好な硬化性を与える成分であ
る。
【0017】(b)成分の具体例としては、例えば、N
−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−
ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、
アジピン酸ジビニル等のビニルエステルモノマー類;エ
チルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニ
ルエーテル類; アクリルアミド、N−メチロールアク
リルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−
ブトキシメチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリ
ルアミド、アクリロイルモルホリン、メチレンビスアク
リルアミド等のアクリルアミド類;(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル
酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メ
タ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)
アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、
(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)
アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸
2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒド
ロキシブチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メ
タ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリ
ル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ベンジ
ル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アク
リル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸トリシク
ロデカン、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリ
ル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸イソボル
ニル、(メタ)アクリル酸フェニル、ジ(メタ)アクリ
ル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチ
レングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリエチレング
リコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコ
ール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、
ジ(メタ)アクリル酸1,3−ブチレングリコール、ジ
(メタ)アクリル酸1,4−ブタンジオール、ジ(メ
タ)アクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジ(メタ)
アクリル酸1,9−ノナンジオール、ジ(メタ)アクリ
ル酸ネオペンチルグリコール、ヒドロキシピバリン酸ネ
オペンチルグリコールジ(メタ)アクリル酸エステル、
ジ(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、ジ(メ
タ)アクリル酸ジプロピレングリコール、ジ(メタ)ア
クリル酸トリプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリ
ル酸テトラプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル
酸ポリプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポ
リテトラメチレングリコール、ポリエトキシレーテッド
ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエトキ
シレーテッドビスフェノールFジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エ
ステル、エトキシレーテッドトリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリル酸エステル、プロポキシレーテッド
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステ
ル、グリセリントリ(メタ)アクリル酸エステル、エト
キシレーテッドグリセリントリ(メタ)アクリル酸エス
テル、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレー
ト、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリル
酸エステル、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリ
ル酸エステル、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)ア
クリル酸エステル、ジペンタエリスリトールペンタ(メ
タ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールヘキ
サ(メタ)アクリル酸エステル等の(メタ)アクリル酸
エステル類;
【0018】フタル酸、アジピン酸等の多塩基酸、エチ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘ
キサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリテトラ
メチレングリコール等の多価アルコールおよび(メタ)
アクリル酸またはその誘導体との反応で得られるポリエ
ステル(メタ)アクリレート類;ヘキサメチレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジ
イソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キ
シリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシ
アネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、ナ
フタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネ
ート等のイソシアネート化合物類と、ポリエチレングリ
コール、プリプロピレングリコール、ポリテトラメチレ
ングリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド
付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加
物、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオー
ル等のポリオール化合物と、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト等の水酸基を持つ(メタ)アクリレート類とを反応さ
せたウレタンジ(メタ)アクリレート類;
【0019】ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシ
アネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、ナ
フタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネ
ート等のイソシアネート化合物の多量体に、2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、4―ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレートやそれらのカプロラクトン付加体等の
水酸基を有する(メタ)アクリレートを付加したウレタ
ンポリ(メタ)アクリレート類;フェノールノボラック
型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノール
F型エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル化合物に(メ
タ)アクリル酸またはその誘導体を反応させたエポキシ
ポリ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
【0020】さらに、二塩基酸無水物に2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、4―ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレートやそれらのカプロラクトン付加体等の水酸
基を有する(メタ)アクリレートを付加した化合物類
や、(メタ)アクリル酸をカプロラクトンで変性した化
合物類、リン酸とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
ートの付加反応生成物類、リン酸とカプロラクトン変性
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの付加反応生
成物類も使用可能である。
【0021】また、下記一般式[1]で表されるアクリ
ル酸多量体エステル化合物類(b1)
【数2】
【0022】(式中、pは1〜10の整数、qは2〜6
の整数、rは0〜5の整数であり、Rは炭素数2から1
5の分岐、環状または直鎖型炭化水素基、または芳香環
を有する炭化水素基で該構造中にエステル構造を含んで
いてもよい)も使用可能である。これらは、1種単独ま
たは2種以上を併用して用いることができる。
【0023】これらのうち、優れた耐エッチング性とア
ルカリ溶解性を付与することができるという点から、前
記化合物類(b1)が好ましく、(b)成分中に前記化
合物類(b1)を少なくとも40質量%含むことが特に
好ましい。
【0024】この前記化合物類(b1)の具体例として
は、例えば、1,4−ブタンジオールジアクリルダイマ
ー酸エステル、1,6−ヘキサンジオールジアクリルダ
イマー酸エステル、ネオペンチルグリコールジアクリル
ダイマー酸エステル、ジエチレングリコールジアクリル
ダイマー酸エステル、テトラエチレングリコールジアク
リルダイマー酸エステル、トリプロピレングリコールジ
アクリルダイマー酸エステル、ポリオキシエチレンビス
フェノールAジアクリルダイマー酸エステル、トリメチ
ロールプロパントリアクリルダイマー酸エステル、グリ
セロールトリアクリルダイマー酸エステル、ペンタエリ
スリトールトリアクリルダイマー酸エステル、ペンタエ
リスリトールテトラアクリルダイマー酸エステル、ジト
リメチロールプロパンテトラアクリルダイマー酸エステ
ル、ジペンタエリスリトールペンタアクリルダイマー酸
エステル、ジペンタエリスリトールヘキサアクリルダイ
マー酸エステルである。
【0025】上記した中でも、硬化性が良好であること
から、トリメチロールプロパントリアクリルダイマー酸
エステル、グリセロールトリアクリルダイマー酸エステ
ル、ペンタエリスリトールトリアクリルダイマー酸エス
テル、ペンタエリスリトールテトラアクリルダイマー酸
エステル、ジトリメチロールプロパンテトラアクリルダ
イマー酸エステルが特に好ましい。
【0026】本発明の活性エネルギー線硬化性組成物に
おいて、(b)成分は、(a)〜(c)成分の合計量1
00質量%中、20〜70質量%の範囲で配合すればよ
く、特に好ましくは30〜70質量%の範囲である。
(b)成分の配合量が20質量%より少ない場合には、
該組成物の硬化性が低下する傾向にあり、また得られる
硬化被膜の耐エッチング性が低下する傾向にある。ま
た、70質量%を超える場合には、これから得られる硬
化塗膜のアルカリ溶解性が低下する傾向にある。
【0027】本発明の活性エネルギー線硬化性組成物に
おいては、実用的な紫外線硬化性を付与するために、光
重合開始剤(c)を必須成分とする。
【0028】(c)成分の具体例としては、例えば、ベ
ンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾ
フェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メ
チルオルソベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベン
ゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルア
ントラキノンや、2,4−ジエチルチオキサントン、イ
ソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサ
ントン等のチオキサントン類;ジエトキシアセトフェノ
ン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパ
ン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロ
キシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2
−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1
−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4
−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン
類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエー
テル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイ
ソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類;2,4,
6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサ
イド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,
4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビ
ス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホ
スフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド
類、メチルベンゾイルホルメート、1,7−ビスアクリ
ジニルヘプタン、9−フェニルアクリジン等が挙げられ
る。これらの光重合開始剤は、1種または2種以上の併
用が可能である。
【0029】本発明の活性エネルギー線硬化性組成物に
おいて、(c)成分は、(a)〜(c)成分合計量10
0質量%中、0.01〜10質量%の範囲で配合すれば
よく、特に好ましくは0.1〜8質量%の範囲である。
(c)成分の配合量が0.01質量%より少ない場合に
は、工業的に生産するため必要な硬化速度が得られない
傾向にあり、また、10質量%を超える場合には、得ら
れた硬化被膜をエッチングレジストとして利用する際
に、硬化被膜中の光重合開始剤残査がエッチング液に溶
出し、製品歩留まりに悪影響を与える傾向にある。
【0030】さらに、本発明の活性エネルギー線硬化性
組成物には、(d)成分として、チオール基を含まない
ラジカル重合連鎖移動剤を必須成分として用いるが、こ
れが本発明における大きな特徴である。具体的には、こ
の(d)成分を配合することにより、硬化させて得られ
る重合体の分子量を抑制し、かつ得られた硬化塗膜のア
ルカリ溶解時間を短縮することを可能にした点に特徴が
ある。特公平4−82002号公報や特許第25927
33号公報等で開示されるチオール系連鎖移動剤では、
本発明における(a)成分や(b)成分に含まれる二重
結合とチオールとの間で、エン・チオール反応が発生す
るため、組成物の貯蔵安定性が不良となりゲル化を招く
傾向にあり好ましくないことを、本発明者らは見いだし
た。
【0031】(d)成分の具体例としては、例えば、α
−メチルスチレンダイマー、ターピノーレン、四臭化炭
素、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリブチル
ホスフィン等が挙げられる。
【0032】これらのうち、好ましくはα−メチルスチ
レンダイマーおよびターピノーレンであり、特に好まし
くは低臭気性の観点からα−メチルスチレンダイマーで
ある。
【0033】本発明の活性エネルギー線硬化性組成物に
おいて、(d)成分は、(a)〜(c)成分合計量10
0質量部に対して、0.01〜10質量部の範囲で配合
することが好ましく、特に好ましくは0.1〜5質量部
の範囲である。(d)成分の配合量が0.01質量部よ
り少ない場合には、アルカリ溶解時間を短縮することが
できない傾向にあり、また10質量部を超える場合に
は、該組成物の硬化性が低下し、硬化塗膜に十分な引っ
張り破断強度を付与できない傾向にある。
【0034】なお、本発明の活性エネルギー線硬化性組
成物には、必要に応じて、エタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタ
ノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4
−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ
安息香酸アミル、4−ジメチルアミノアセトフェノン
等、公知の光増感剤を添加することもできる。
【0035】また、本発明の活性エネルギー線硬化性組
成物には、必要に応じてレベリング剤、スリップ剤、可
塑剤、消泡剤、はじき防止剤、湿潤剤、沈降防止剤、だ
れ防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、重合
禁止剤、充填剤、キレート剤、カップリング剤等の各種
添加剤を含有させることができる。
【0036】本発明にの活性エネルギー線硬化性組成物
には、塗工時の表面平滑性を向上させる目的で、レベリ
ング剤を添加することが好ましく、例えば、公知のシリ
コーン系レベリング剤、フッ素系レベリング剤等が使用
可能である。特に本発明の活性エネルギー線硬化性組成
物を、シャドウマスクやアパーチャグリル用途に使用す
る場合には、製品にフッ素残査が残るおそれのないシリ
コーン系レベリング剤が好ましい。
【0037】シリコーン系レベリング剤の具体例として
は、例えば、日本ユニカー社製のL7604、L72
0;東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のSH28
PA;信越化学社製のKF351、KF354A、KF
355A、KP341;等が挙げられる。
【0038】本発明において、レベリング剤を使用する
場合には、(a)〜(c)成分の合計量100質量部に
対して、0.01〜5質量部の範囲、好ましくは0.1
〜1質量部の範囲で添加することができる。0.01質
量部より少ない場合には、平滑な硬化塗膜が得にくい傾
向にあり、5質量部を超える場合には、組成物の塗工時
に気泡が発生すると消泡しにくい傾向にある。
【0039】本発明の活性エネルギー線硬化性組成物
は、活性エネルギー線単独、または活性エネルギー線お
よび熱との組み合わせで硬化させることができる。本発
明の活性エネルギー線硬化性組成物は、各種基材に適用
可能なものであるが、特にシャドウマスク及び又はアパ
ーチャグリル等の2次レジストにおいて好適に用いるこ
とができる。その他、プリント配線板、リードフレーム
及びTABテープ等のエッチングレジストとして利用可
能であり、さらには、塗料、成型材料または注型材料と
しても適用できるものである。
【0040】次に、本発明の硬化被膜について、以下説
明する。本発明の硬化被膜は、(a)分子中に少なくと
も1個のカルボキシル基及び少なくとも2個の(メタ)
アクリロイル基を持つ化合物20〜70質量%、(b)
上記(a)成分以外のエチレン性不飽和化合物20〜7
0質量%、および(c)光重合開始剤0.01〜10質
量%を含む組成物100質量部に対して、チオール基を
含まないラジカル重合連鎖移動剤(d)が0.01〜1
0質量部添加された活性エネルギー線硬化性組成物を硬
化させて得た、引っ張り破断強度が10MPa以上のも
のである。
【0041】なお、本発明において「引っ張り破断強
度」とは、シャドウマスクやアパチャーグリル等を製造
する際に用いるエッチング工程におけるエッチング液の
通常温度領域における硬化塗膜の引っ張り破断強度を意
味するが、特に好ましくは、60℃〜100℃における
硬化塗膜の引っ張り破断強度を意味する。このように引
っ張り破断強度が10MPa以上とすれば、エッチング
時の硬化塗膜の脱落を抑制することができる。本発明の
硬化被膜は、前記(a)成分〜(d)成分からなる組成
物の硬化塗膜の引っ張り破断強度が10MPa以上であ
ればよいが、さらに好ましくは15MPa以上である。
【0042】本発明の硬化被膜を形成できる基材として
は、例えば、ガラス板、鉄板、ブリキ板、トタン板、ア
ルミ板、亜鉛鋼板等の無機物、木材、紙、プラスチッ
ク、有機塗料塗膜等の有機物等が挙げられるが、特に限
定されるものではない。特に、シャドウマスクやアパチ
ャーグリルを製造するには、アンバー合金、純鉄等、シ
ャドウマスク用やアパチャーグリル用として公知の基材
を使用すればよい。
【0043】前記組成物の基材への塗布方法としては、
例えば、スプレーコート法、カーテンフローコート法、
ロールコート法、バーコート法、ディッピングコート
法、スピンコート法、グラビアコート法、スクリーンコ
ート法等が挙げられるが、特に限定されるものではな
い。また、塗布量としては、硬化塗膜の膜厚が1〜50
0μmの範囲、好ましくは5〜300μmの範囲に塗布
すればよい。
【0044】基材に塗布された被膜を硬化させる手段と
しては、X線、紫外線、可視光線等の活性エネルギー線
を照射する公知の方法を用いることができるが、特に紫
外線を用いることが好ましい。
【0045】紫外線の発光源としては、実用的、経済性
の面から紫外線ランプが一般的に用いられている。具体
的には、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧
水銀灯、キセノンランプ、ガリウムランプ、メタルハラ
イドランプ等が挙げられる。
【0046】また、本発明に使用する前記組成物の露光
時の雰囲気は、空気、窒素、あるいはアルゴン等の不活
性ガス中のいずれでもよい。
【0047】本発明の硬化被膜を形成する条件として
は、好ましくは少なくとも波長400nm以下の活性エ
ネルギー線を一部使用すること、特に好ましくは波長4
00nm以下の活性エネルギー線を単独で使用すること
にある。波長400nmを超える波長領域のみから構成
される光を塗膜硬化時に使用する場合には、大気中にお
ける硬化性が低い傾向にあり、高速ラインによる工業的
なエッチングレジスト用保護被膜等の製造実施が困難と
なる傾向にある。
【0048】硬化塗膜の引っ張り破断強度が10MPa
より低い場合には、シャドウマスクやアパチャーグリル
等の製造ラインにおいて、ラインスピードを速くするた
めに、エッチング液のスプレー圧力を上げると、エッチ
ングの際に硬化被膜に亀裂が入る、脱落する、エッチン
グ不要の部位までエッチングが進行する等といった不都
合が生じる傾向にある。また、脱落した硬化被膜が本来
エッチングが必要な部位に付着してしまうと、その部分
のエッチングが遅れてしまい、精密なエッチングができ
ず、エッチング欠陥が発生しやすい傾向にある。
【0049】60℃〜100℃における引っ張り破断強
度が10MPa以上の硬化被膜を効率よく得るには、前
記組成物の塗膜の活性エネルギー線による硬化条件を、
活性エネルギー線として紫外線を選択し、その照射条件
を、320〜390nmモニターにおけるピーク照度が
100mw/cm以上の条件で、積算光量300mj
/cm以上のエネルギー量とすることが好ましく、ピ
ーク照度200mw/cm以上の条件で積算光量50
0mj/cm以上のエネルギー量とすることがさらに
好ましい。
【0050】また、本発明の硬化被膜の引っ張り破断伸
度は特に限定されるものではないが、60℃〜100℃
における引っ張り破断伸度を3%以上、特に5%以上と
することが好ましい。この前記温度範囲における引っ張
り破断伸度が3%より低い硬化被膜を、シャドウマスク
用やアパチャーグリル用の保護被膜として使用すると、
その製造工程上、基材を屈曲させる場合に、該保護被膜
に亀裂が入る傾向にある。
【0051】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、本実施例における評価方法は、以下の通りで
ある。
【0052】〈破断強度Aおよび破断伸度Aの測定〉:
雰囲気温度70℃での測定 引っ張り強度測定用サンプルの作成 得られた組成物を室温バーコーターにて、膜厚50μm
となるようにガラス基板上に塗装し、高圧水銀灯を用い
て、320〜390nmモニターでピーク照度350m
w/cm、積算光量600mj/cmの紫外線照射
条件で硬化させた。得られた硬化塗膜を有するガラス基
板サンプルについて、幅15mm、長さ50mmの短冊
状にカッターで切り込みを入れ、ガラス基板から硬化塗
膜部分を剥離して引っ張り強度測定用サンプルを得た。
【0053】引っ張り強度の試験方法 (株)オリエンテック社製テンシロン万能試験機RTC
−1250Aを用いて、サンプルホルダーに試料を取り
付け、雰囲気温度70℃で3分間保持した後、ロードセ
ル定格1kN、クロスヘッドスピード20mm/min
の条件で引っ張り強度試験を実施し、破断強度Aおよび
破断伸度Aを測定した。
【0054】〈破断強度Bおよび破断伸度Bの測定〉:
雰囲気温度90℃での測定雰囲気温度を90℃とする以
外は、前記〈破断強度Aおよび破断伸度Aの測定〉と同
様に引っ張り試験を実施し、破断強度Bおよび破断伸度
Bを測定した。
【0055】〈耐エッチング性〉厚さ0.15mm鋼板
の両面に、カゼイン系感光性樹脂膜(1次レジスト)で
両面位置合わせした同形状のネガパターンを形成し、1
次エッチングにより、幅5mm、長さ20mmの貫通し
ていない矩形穴(凹部)を100個有する基材を準備し
た。その基板の片面に、該カゼイン系感光性樹脂膜上に
各実施例で調製した組成物を硬化膜厚が20μmとなる
ように全面バーコーターで塗布し、高圧水銀灯を用い
て、320〜390nmモニターでピーク照度350m
w/cm、積算光量600mj/cmの紫外線照射
条件で前記組成物を硬化させ、各実施例で調製した組成
物の硬化塗膜を有するサンプルを作成した。このサンプ
ルについて、エッチング液として濃度43%のFeCl
3水溶液を使用し、温度90℃、スプレー圧3.5kg
/cmの条件で20分間、耐エッチング性の試験を行
った。耐エッチング性の試験終了後、サンプルの水洗を
行い、乾燥した後、目視にて硬化塗膜の観察を行った。
【0056】なお、耐エッチング性の判定基準は、以下
の通りである。 A:100個の矩形穴(凹部)全てについて、破れ、亀
裂、脱落はなし。 B:100個の矩形穴(凹部)中、1〜19個に破れ、
亀裂または脱落が発生。 C:100個の矩形穴(凹部)中、20個〜79個以上
に破れ、亀裂または脱落が発生。 D:100個の矩形穴(凹部)中、80個以上に破れ、
亀裂または脱落が発生。
【0057】〈アルカリ溶解性〉各実施例で調製した組
成物を、室温バーコーターにて、硬化膜厚25μmとな
るように鋼板上に塗布し、高圧水銀灯を用いて、320
〜390nmモニターでピーク照度350mw/c
、積算光量600mj/cmの紫外線照射条件で
硬化させた。その後、75℃、20%水酸化ナトリウム
水溶液に浸漬し、被膜が完全に溶解する時間を測定し
た。
【0058】なお、アルカリ溶解性の判定基準は以下の
通りである。 A:良好(90秒以下) B:不十分(90〜110秒) C:不良(110秒以上)
【0059】〈貯蔵安定性〉各実施例で調製した組成物
をサンプルビンに入れて密封し、40℃で2週間保存し
た。その後、各組成物についてB型粘度を測定し、以下
の基準に従い評価した。 A:初期粘度と変化無し B:初期粘度から10%以下の範囲で粘度上昇 C:初期粘度から10〜50%の範囲で粘度上昇 D:初期粘度から50%以上の範囲で粘度上昇 E:ゲル化発生
【0060】[合成例1((a)−1の合成)]攪拌装
置、温度計、コンデンサーを取り付けた2Lフラスコ中
に、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテー
ト)590.4g、2−ヒドロキシエチルアクリレート
381.2g、反応触媒としてジエチルアミノエチルメ
タクリレート9.6g、重合禁止剤として、ヒドロキノ
ンモノメチルエーテル0.48gを仕込んだ。次に、攪
拌しながら徐々に昇温し、95℃に到達したところで2
時間保持した後、冷却を行い、化合物(a)−1を得た。
【0061】[実施例1]化合物(a)−1を30質量
部、1,4−ブタンジオールジアクリルダイマー酸エス
テル40質量部、ポリエチレングリコールジアクリレー
ト10質量部、アクリロイルモルホリン15質量部、光
重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェ
ニルケトン(チバスペシャリティーケミカルズ社製、イ
ルガキュア184)5質量部、α−メチルスチレンダイ
マーを1質量部、日本ユニカー社製レベリング剤L−7
20を0.2質量部、それぞれ配合し、全体が均一にな
るまで室温で攪拌して、活性エネルギー線硬化性組成物
を得た。
【0062】この組成物について、前記方法で各評価を
行ったところ、引っ張り強度試験については、破断強度
Aは20MPa、破断伸度Aは10%であった。また、
破断強度Bは15MPa、破断伸度Bは20%であっ
た。また、耐エッチング性については、100個の矩形
穴(凹部)には、いずれも硬化塗膜が残っており、耐エ
ッチング性が十分良好(判定:A)であることを確認で
きた。アルカリ溶解性は、70秒であり良好(判定:
A)であった。貯蔵安定性については、貯蔵後の粘度変
化は無く、良好な貯蔵安定性(判定:A)を示した。
【0063】[実施例2〜3、比較例1〜5]表1に示
した各成分を使用する以外は、実施例1と同様にして配
合を行い、活性エネルギー線硬化性組成物を調製した。
それぞれ得られた組成物を、実施例1と同様にして硬化
塗膜を形成し、該硬化塗膜の評価を行った。その評価結
果は表1に示した。
【0064】
【表1】
【0065】なお、表1中の記号/略称は、それぞれ以
下の化合物を意味する。 (a)−1:合成例1で得られた化合物 (a)−2:大阪有機化学工業(株)社製ビスコート#2
480(テトラヒドロ無水フタル酸とペンタエリスリト
ールトリアクリレートの付加反応生成物) 化合物(A):大阪有機化学工業(株)社製ビスコート
#2000(無水フタル酸と2−ヒドロキシエチルアク
リレートの付加反応生成物) (b1)−1:1,4−ブタンジオールジアクリルダイマ
ー酸エステル (b1)−2:トリメチロールプロパントリアクリルダイ
マー酸エステル (b1)−3:ペンタエリスリトールテトラアクリルダイ
マー酸エステル (b)−1:ポリエチレングリコールジアクリレート (b)−2:アクリロイルモルホリン (b)−3:共栄社化学(株)社製HOA−MS(無水コ
ハク酸と2−ヒドロキシエチルアクリレートの付加反応
生成物)イルカ゛キュア 184:1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニル
ケトン MSD:日本油脂(株)社製ノフマーMSD(α−メチ
ルスチレンダイマー) 化合物(D):2−メルカプトプロピオン酸 レベリング剤:L−720(日本ユニカー(株)社製)
【0066】以下、比較例について説明する。比較例1
は、本発明で用いる化合物(a)の代わりに、化合物
(A)を使用した例であるが、この場合、破断強度Aお
よびB、そして破断伸度AおよびBの数値が低くなり、
かつ耐エッチング性が多少劣った。
【0067】比較例2は、本発明で用いる化合物(a)
の使用量が少ないため、アルカリ溶解性が不良であっ
た。
【0068】比較例3は、本発明で用いる化合物(a)
の使用量が多いため、耐エッチング性が不良であった。
【0069】比較例4は、本発明で用いる化合物(b)
を使用しなかったため、アルカリ溶解性が不良であっ
た。比較例5は、本発明で用いる化合物(d)の代わり
に、チオール系連鎖移動剤を使用した例であり、この場
合貯蔵安定性が不良となる。
【0070】
【発明の効果】本発明の活性エネルギー線硬化性組成物
は、貯蔵安定性に優れるものであり、かつ、高温領域に
おいても優れた強伸度特性を有し、さらに、耐エッチン
グ性及びアルカリ溶解性に優れた硬化塗膜を形成しうる
ものであり、高速製造ラインにも十分に対応できること
から、特に、エッチング工程における裏止め材用樹脂組
成物として産業上の利用性は大である。また、本発明の
硬化被膜は、特に、シャドウマスク、アパーチャグリ
ル、プリント配線板、リードフレーム、TABテープ、
メタルマスク等を製造する際に必要な性能を満足するも
のであり、アルカリ可溶性保護被膜として有用である。
【0071】
【図面の簡単な説明】
【図1】シャドウマスクの製造工程を、断面図で示した
模式図である。
【0072】
【符号の説明】
1:基材 2:一次レジスト 3:二次レジスト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 220/00 C08F 220/00 220/26 220/26 226/00 226/00 230/02 230/02 290/06 290/06 G03F 7/004 501 G03F 7/004 501 7/027 502 7/027 502 Fターム(参考) 2H025 AA00 AA04 AB15 AB16 AB17 AC01 AD01 BC14 BC34 BC43 CC20 FA17 4J011 NA12 NA13 NA27 NA28 NB04 QA02 QA03 QA06 QA08 QA12 QA13 QA17 QA18 QA19 QA22 QA23 QA24 QA33 QA35 QA37 QA38 QA39 QA42 QA45 QA46 QB14 QB16 QB20 QB22 QB24 SA02 SA14 SA16 SA19 SA22 SA24 SA25 SA28 SA29 SA34 SA38 SA54 SA58 SA61 SA63 SA64 SA78 SA83 SA84 UA01 UA04 UA06 VA01 WA01 4J027 AB10 AB15 AB18 AB23 AB24 AC03 AC04 AC06 AE02 AE03 AG03 AG04 AG09 AG14 AG23 AG24 AG27 AG28 AG33 BA07 BA19 BA23 BA24 BA27 CB10 CC04 CC05 CC08 CD10 4J038 FA092 FA111 FA112 FA152 FA162 FA172 FA181 FA252 FA262 FA272 FA282 GA01 GA03 GA07 JA10 JA33 JA34 JB03 JC26 KA03 KA04 NA04 PA17 PB09 PC02 PC03 PC06 PC08 PC10 4J100 AE04Q AE09Q AG63Q AJ02Q AL03Q AL04Q AL05Q AL08Q AL09Q AL10Q AL11Q AL62Q AL63Q AL66P AL66Q AL67P AL67Q AM15Q AM17Q AM21Q AM24Q AN04Q AQ06Q AQ08Q BA02P BA02Q BA03Q BA04Q BA05Q BA06Q BA08P BA08Q BA13Q BA14Q BA15P BA15Q BA16P BA16Q BA21Q BA31Q BA39Q BA65Q BC04P BC04Q BC08Q BC12Q BC23P BC43P BC43Q BC45Q BC53Q BC75Q CA04 FA03 FA04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)分子中に少なくとも1個のカルボキ
    シル基及び少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基を
    持つ化合物20〜70質量%、(b)上記(a)成分以
    外のエチレン性不飽和化合物20〜70質量%、および
    (c)光重合開始剤0.01〜10質量%を含む組成物
    100質量部に対して、チオール基を含まないラジカル
    重合連鎖移動剤(d)が0.01〜10質量部添加され
    た活性エネルギー線硬化性組成物。
  2. 【請求項2】(b)成分として、下記一般式[1]で表
    されるアクリル酸多量体エステル化合物類(b1)を含
    むことを特徴とする、請求項1記載の活性エネルギー線
    硬化性組成物。 【数1】 (式中、pは1〜10の整数、qは2〜6の整数、rは
    0〜5の整数、Rは炭素数2から15の分岐、環状、ま
    たは直鎖型炭化水素基、または芳香環を有する炭化水素
    基で該構造中にエステル構造を含んでいてもよい。)
  3. 【請求項3】(a)分子中に少なくとも1個のカルボキ
    シル基及び少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基を
    持つ化合物20〜70質量%、(b)上記(a)成分以
    外のエチレン性不飽和化合物20〜70質量%、および
    (c)光重合開始剤0.01〜10質量%を含む組成物
    100質量部に対して、チオール基を含まないラジカル
    重合連鎖移動剤(d)が0.01〜10質量部添加され
    た活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させて得た、引
    っ張り破断強度が10MPa以上である硬化被膜。
  4. 【請求項4】シャドウマスク用および/またはアパチャ
    ーグリル製造用のいずれかのアルカリ可溶性保護被膜で
    あることを特徴とする請求項3記載の硬化被膜。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010053177A (ja) * 2008-08-26 2010-03-11 Nisshin Steel Co Ltd エッチングレジスト用インクジェットインキ組成物
JP2014162864A (ja) * 2013-02-26 2014-09-08 Mitsubishi Rayon Co Ltd 活性エネルギー線硬化性組成物、積層体及びその製造方法

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