JP4456949B2 - 熱可塑性樹脂組成物及び成形品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物及び成形品 Download PDF

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Description

本発明は、熱可塑性樹脂組成物に関する。更に詳しくは、高い衝撃特性を有し、真珠光沢、フローマーク、シルバーなどの外観不良を改善した熱可塑性樹脂組成物に関する。
更に、この熱可塑性樹脂組成物は、OA機器、情報・通信機器、家庭電化機器などの電気・電子機器や、自動車分野、建築分野などに利用可能である。
ポリカーボネート/ポリエステルアロイは、耐熱性、耐薬品性に優れており、特に自動車部品に多く用いられてきた。
近年では軽量化の観点から更なる部品の薄肉化が要求されており、材料の流動性向上が求められている。
ポリカーボネート/ポリエステルアロイであるポリカーボネート/ポリ乳酸アロイは、上記の特性だけでなく、ポリ乳酸が有する高流動性の特性からポリカーボネートの高流動化に有効である。
また、ポリ乳酸はその構造上、ポリカーボネートとアロイ化し燃焼させても有毒ガスの発生が少ないことが考えられ、環境面でも優れたポリカーボネートアロイが期待できる。
従来のポリカーボネート/ポリエステルアロイは、耐熱性、耐薬品性に優れているものの、流動性に乏しく、ポリカーボネートの高流動化には一般的にスチレン系樹脂とのアロイ化や可塑剤の添加などが行なわれている(例えば、特許文献1)。
また、真珠光沢を有し、流動性と熱的・機械的物性の優れたポリカーボネート/ポリ乳酸アロイが知られているが、その衝撃強度は改良の余地が残されている(例えば、特許文献2)。
ポリカーボネート/ポリエステルアロイは、一般的に耐衝撃性に乏しく、従来のアロイ化技術ではアイゾット衝撃強度は数kJ/m2程度でしかない。
従って、衝撃特性の要求される、特に自動車分野などでは更なる耐衝撃性の向上が必要である。
耐衝撃性の向上には、一般的にポリマーアロイの相溶性を向上させることによって、アロイの界面強度を上昇させることが知られている。
例えば、ポリカーボネート/ポリアミド・ポリエーテルブロック共重合体の相溶化剤としてビスフェノールA型エポキシ樹脂が用いられている(例えば、特許文献3)。
更に、ポリカーボネート/スチレン系樹脂組成物には、相溶化剤としてエポキシ変性スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)やテルペン−フェノール樹脂が用いられている(例えば、特許文献4)。
上記の系では、ポリカーボネートと副資材の界面状況を制御することにより、外観不良の改善や耐衝撃性の向上が報告されている。
また、ポリカーボネートアロイの耐衝撃性向上には、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(ABS)、耐衝撃ポリスチレン樹脂、コアシェルタイプグラフトゴム状弾性体などの添加も利用されている(例えば、特許文献5)。
しかしながら、上記いずれの系も、近年の傾向である薄肉化にともない要求される高流動化においては、流動性に欠けるため、新たなるポリカーボネート樹脂組成物の開発が求められている。
ポリカーボネートの高流動化において、ポリカーボネートよりも流動性に優れ、ポリカーボネートと親和性を有する成分の配合が考えられる。
ポリエステルであるポリ乳酸は、ポリカーボネートとの親和性に優れるもののその耐衝撃性の低さから、材料の適用範囲が限定されるため、例えば、自動車分野では、耐衝撃性の向上が必要となっている。
更に、ポリカーボネートとポリ乳酸は、成形温度において両樹脂を反応させる際、炭酸ガスが発生すること及び両樹脂の溶融粘度比の差から、成形体にシルバーの発生や真珠光沢・フローマークが発生する。
このような成形体の外観不良は、成形後の工程、例えば、塗装・メッキなどにおける成形体の使用範囲が制限され好ましくない。
特公平7−68445号公報 特開平7−109413号公報 特開平7−26131号公報 特開2000−143912号公報 特開2000−169692号公報
本発明は、芳香族ポリカーボネート樹脂/脂肪酸ポリエステルアロイの耐衝撃性を向上させ、シルバーの発生や真珠光沢・フローマークの発生等の外観不良の改善を目的とするものである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定の割合の芳香族ポリカーボネート樹脂と脂肪酸ポリエステルからなる樹脂混合物に、エポキシ樹脂及び/又はエポキシ変性熱可塑性樹脂、必要に応じて、エラストマーを所定の割合で添加した熱可塑性樹脂組成物により、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
1.(A)(a−1)芳香族ポリカーボネート樹脂10〜90質量%及び(a−2)ポリ乳酸及び/又は乳酸類と他のヒドロキシカルボン酸との共重合体90〜10質量%からなる樹脂混合物と、その100質量部当り、(B)エポキシ変性熱可塑性樹脂0.1〜10質量部を含むことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物、
2.(a−1)成分の芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量が10,000〜40,000の範囲である上記1に記載の熱可塑性樹脂組成物
.(B)成分のエポキシ変性熱可塑性樹脂が、ビスフェノール構造又はエステル構造を有することを特徴とする上記1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物、
.(A)成分100質量部当り、(C)エラストマー1〜20質量部を含む請求項1〜のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物、
.OA機器、情報・通信機器、自動車部品又は家庭電化機器用である上記1〜のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物、
.上記1〜のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物からなる成形体
に関するものである。
エポキシ樹脂及び/又はエポキシ変性熱可塑性樹脂を添加することによって、芳香族ポリカーボネート樹脂/脂肪酸ポリエステルアロイの耐衝撃性が向上し、シルバーの発生や真珠光沢・フローマークの発生等の外観不良がなくなる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物において、(A)成分における(a−1)成分の芳香族ポリカーボネート樹脂としては、特に制限はなく、種々の構造単位を有するポリカーボネート樹脂が挙げられる。
通常、二価フェノールとカーボネート前駆体との反応により製造される芳香族ポリカーボネート樹脂を用いることができる。
即ち、二価フェノールとカーボネート前駆体とを溶液法あるいは溶融法により反応させて製造したポリカーボネート樹脂が好適に用いられる。
この二価フェノールとしては、例えば、4,4'−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコールなどが挙げられる。
これら2価フエノールの中でも、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン類が好ましく、更に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを主原料としたものが特に好ましい。
また、カーボネート前駆体としては、カルボニルハライドやカルボニルエステル、ハロホルメートなどが挙げられる。
具体的には、ホスゲン、二価フェノールのジハロホルメート、ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどが挙げられる。
また、このポリカーボネート樹脂は、その重合体鎖の分子構造が直鎖構造であるもののほか、分岐構造を有していてもよい。
このような分岐構造を導入するための分岐剤としては、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、α,α',α"−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、フロログルシン、トリメリット酸、イサチンビス(o−クレゾール)などを用いることができる。
また、分子量調節剤として、フェノールやp−t−ブチルフェノール、p−t−オクチルフェノール、p−クミルフェノールなどを用いることができる。
更に、本発明に用いるポリカーボネート樹脂としては、上記の二価フェノールのみを用いて製造された単独重合体のほか、ポリカーボネート構造単位とポリオルガノシロキサン構造単位を有する共重合体、又はこれら単独重合体と共重合体からなる樹脂組成物であってもよい。
また、テレフタル酸などの二官能性カルボン酸やそのエステル形成誘導体などのエステル前駆体の存在下にポリカーボネートの重合反応を行うことによって得られるポリエステル−ポリカーボネート樹脂であってもよい。
更に、種々の構造単位を有するポリカーボネート樹脂を溶融混練して得られる樹脂組成物を用いることもできる。
尚、本発明における(a−1)成分の芳香族ポリカーボネート樹脂としては、その構造単位中に実質的にハロゲン原子が含まれないものが好適に用いられる。
そして、この(a−1)成分として用いる芳香族ポリカーボネート樹脂は、その粘度平均分子量が10,000〜100,000であるものが好ましい。
それは、この粘度平均分子量が10,000以上であると、得られる樹脂組成物の熱的性質や機械的性質が充分であり、又この粘度平均分子量が100,000以下であると、得られる樹脂組成物の成形加工性が上昇するからである。
この芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、より好ましくは10,000〜40,000であり、更に好ましくは12,000〜30,000である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物において、(A)成分における(a−2)成分の脂肪酸ポリエステルとしては、ポリ乳酸又は乳酸類とヒドロキシカルボン酸との共重合体を好ましく用いることができる。
ポリ乳酸は、通常ラクタイドと呼ばれる乳酸の環状二量体から開環重合により合成され、その製造方法は、米国特許第1,995,970号明細書、米国特許第2,362,511号明細書、米国特許第2,683,136号明細書等に開示されている。
また、乳酸とその他のヒドロキシカルボン酸の共重合体は、通常ラクタイドとヒドロキシカルボン酸の環状エステル中間体から開環重合により合成され、その製造方法は、米国特許第3,635,956号明細書、米国特許第3,797,499号明細書等に開示されている。
開環重合によらず、直接脱水重縮合により乳酸系樹脂を製造する場合には、乳酸類と必要に応じて、他のヒドロキシカルボン酸を、好ましくは有機溶媒、特に、フェニルエーテル系溶媒の存在下で共沸脱水縮合し、特に好ましくは、共沸により留出した溶媒から水を除き、実質的に無水の状態にした溶媒を反応系に戻す方法によって重合することにより、本発明に適した重合度の乳酸系樹脂が得られる。
原料の乳酸類としては、L−及びD−乳酸、又はその混合物、乳酸の二量体であるラクタイドのいずれも使用することができる。
また、乳酸類と併用できる他のヒドロキシカルボン酸類としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸などがあり、更にヒドロキシカルボン酸の環状エステル中間体、例えば、グリコール酸の二量体であるグリコライドや6−ヒドロキシカプロン酸の環状エステルであるε−カプロラクトンを使用することもできる。
乳酸系樹脂の製造に際し、適当な分子量調節剤、分岐剤、その他の改質剤などを添加することもできる。
また、乳酸類及び共重合体成分としてのヒドロキシカルボン酸類は、いずれも単独又は2種以上を使用することができ、更に得られた乳酸系樹脂を2種以上混合し使用してもよい。
本発明の(a−2)成分の脂肪酸ポリエステルとしては、ポリ乳酸が流動性と熱的・機械的物性の点で優れており、分子量の大きいものが好ましく、重量平均分子量3万以上のものが更に好ましい。
本発明の樹脂混合物において、(a−1)成分の芳香族ポリカーボネート樹脂と(a−2)成分の脂肪酸ポリエステルとの含有割合は、質量比で10:90〜90:10の範囲、好ましくは、30:70〜90:10の範囲である。
(a−1)成分と(a−2)成分との含有割合が上記範囲内であると、本発明の熱可塑性樹脂組成物は流動性がよく、難燃性も良好である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物において、(B)成分のエポキシ樹脂及び/又はエポキシ変性熱可塑性樹脂としては、分子内に2以上のエポキシ基を有する化合物が挙げられ、ハロゲンを含まないものが好ましい。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノール−A型エポキシ樹脂、ビスフェノール−S型エポキシ樹脂、ビスフェノール−F型エポキシ樹脂、フエノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、
脂環式エポキシ樹脂、異節環状型エポキシ樹脂、ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂、ポリグリシエステル型エポキシ樹脂、多官能性エポキシ樹脂などを挙げることができる。
エポキシ変性熱可塑性樹脂としては、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化スチレン−ブタジエン系共重合体、エポキシ化水素化スチレン−ブタジエン系共重合体、エポキシ化アクリロニトリル−スチレン樹脂、エポキシ化エチレン−メタクリレート共重合体などを挙げることができる。
エポキシ樹脂及び/又はエポキシ変性熱可塑性樹脂としては、エステル構造又はビスフェノール構造を有するものが好ましい。
これらは、単独で用いても、2種以上混合して用いることもできる。
(B)成分のエポキシ樹脂及び/又はエポキシ変性熱可塑性樹脂の添加量は、(A)成分の樹脂混合物100質量部に対して、0.1〜10質量部、好ましくは1〜5質量部である。
添加量が0.1質量部以上であると、シルバー発生及び真珠光沢抑制等の効果が高く、10質量部以下であると得られた成形品の衝撃強度などの物性が向上する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物において、(C)成分のエラストマーとしては、コア・シェルタイプのグラフトゴム状弾性体が好適に用いられる。
コア・シェルタイプのグラフトゴム状弾性体は、コア(芯)と、シェル(殻)から構成される2層構造を有している。
このコア部分は軟質なゴム状態であって、その表面のシェル部分は硬質な樹脂状態であり、ゴム状弾性体自体は粉末状(粒子状態)であるグラフトゴム状弾性体が好適に用いられる。
このコア・シェルタイプのグラフトゴム状弾性体は、本発明の熱可塑性樹脂組成物と溶融ブレンドした後も、その粒子状態は、大部分が元の形態を保っている。
従って、このグラフトゴム状弾性体は、本発明の熱可塑性樹脂組成物中に均一に分散して、表層剥離を起こすことが少ない。
コア・シェルタイプのグラフトゴム状弾性体は、例えば、アルキルアクリレートやアルキルメタクリレート、ジメチルシロキサンを主体とする単量体から得られる1種又は2種以上のゴム状重合体の存在下に、スチレンなどのビニル系単量体の1種又は2種以上を重合させて得られるものが好適に用いられる。
これらアルキルアクリレートやアルキルメタクリレートとしては、炭素数2〜10のアルキル基を有するもの、例えば、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルメタクリレートなどを用いて得られたものが好ましい。
アルキルアクリレートを主体とする単量体を用いて得られるエラストマーとしては、アルキルアクリレート70質量%以上と、これと共重合可能なビニル系単量体、例えば、メチルメタクリレート、アクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレンなどを30質量%以下の割合で反応させて得られる共重合体が好適に用いられる。
更に、ジビニルベンゼンや、エチレンジメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートなどの多官能性化合物により架橋化させたものであってもよい。
また、ゴム状重合体の存在下に、スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物や、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどのメタクリル酸エステルなどを重合又は共重合させて得られるものを用いてもよい。
更に、これら単量体と共に他のビニル系単量体、例えば、アクリロニトリルや、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル化合物などを共重合させて得られたものであってもよい。
これら重合体や共重合体は、塊状重合法や懸濁重合法、乳化重合法などの各種方法によって得られたものが用いられるが、それらの中でも、乳化重合法によって得られたものが特に好適に用いられる。
更に、このコア・シェルタイプのグラフトゴム状弾性体として、n−ブチルアクリレート60〜80質量%に、スチレンとメタクリル酸メチルを20〜40質量%の割合でグラフト共重合させたMAS樹脂弾性体が用いられる。
また、ポリシロキサンゴム成分5〜95質量%とポリ(メタ)アクリレートゴム成分5〜95質量%とが分離できないように相互に絡み合った構造を有する平均粒子径0.01〜1μm程度の複合ゴムに、少なくとも1種のビニル系単量体をグラフト共重合させて得られる複合ゴム系グラフト共重合体を用いることもできる。
これら種々の形態を有するコア・シェルタイプのグラフトゴム状弾性体は、市販品としては、ハイブレンB621(日本ゼオン社製)、KM−357P(呉羽化学工業社製)、メタブレンW529、メタブレンS2001、メタブレンC223(三菱レイヨン社製)などがある。
(C)成分のエラストマーの配合量は、(A)成分の樹脂混合物100質量部に対して、通常1〜20質量部、好ましくは5〜10質量部である。
配合量が上記範囲内であると、耐衝撃性が向上する。
また、本発明は、上記樹脂組成物からなる成形体をも提供する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、前記の(a−1)成分、(a−2)及び(B)成分、必要に応じて(C)成分と、更に必要に応じてその他の成分を配合し、混錬することによって得ることができる。
この配合、混錬は、通常用いられている方法、例えば、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、ドラムタンブラー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、コニーダ、多軸スクリュー押出機等を用いる方法により行うことができる。
尚、混錬に際しての加熱温度は、通常220〜300℃の範囲で選ばれる。
次に、本発明を実施例により、更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1〜2、比較例1〜4及び参考例1〜3
表1に示す割合で各成分を配合し、ベント式二軸押出成形機(機種名:TEM35、東芝機械社製)に供給し、240℃で溶融混練し、ペレット化した。
尚、すべての実施例及び比較例において、安定剤としてリン系酸化防止剤PEP36及びフェノール系酸化防止剤イルガノックス1076をそれぞれ0.1質量部配合した。
得られたペレットを、100℃で10時間乾燥した後、成形温度240℃、(金型温度40℃)で射出成形して試験片を得た。
得られた試験片を用いて性能を下記各種試験によって評価し、その結果を表1に示した。
用いた配合成分及び性能評価方法を次に示す。
〔配合成分〕
(a−1)成分:
(a):(PC−1);ポリカーボネート−ポリジメチルシロキサンビスフェノールAポリカーボネート(PC−PDMS)
(b):(PC−2);芳香族ポリカーボネート樹脂;FN1700A(出光石油化学社製、ビスフェノールAポリカーボネート、粘度平均分子量=17,500。分子末端はp−tert−ブチルフェノール残基)
(a−2)成分:
(PLA):ポリ乳酸;H100(三井化学製)
)成分:
エポキシ−1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂;エピクロン:AM−040−P(大日本インキ化学工業製)
エポキシ−2:エポキシ変性アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS);J−100(三菱レイヨン社製)
エポキシ−3:エポキシ変性エチレン−メタクリレート樹脂;ボンドファストE(住友化学工業製)
)成分:
エラストマー:アクリル/シリコーン系コアシェル構造エラストマー;メタブレンKS3406(三菱レイヨン社製)
(その他の成分)
(AS):アクリロニトリル−スチレン共重合体;MI=38g/10分(200℃、49N荷重)、特開平2002−244489号公報に従って製造した。比較例に使用した。
〔性能評価方法〕
(1)IZOD(アイゾット衝撃強度):
ASTM D256に準拠、試験片として肉厚3.18mmのものを用い、23℃及び−30℃において測定した。単位:kJ/m2
(2)面衝撃強度:
JIS K7211に準拠し、錘3.76kg、落下速度5m/秒、試験片厚み2mmのものを用い、23℃において測定した。
(3)成形品外観;100×100×2mmの角板を成形し、目視観察した。
シルバー、真珠光沢、フローマーク等の発生がないものを良とした。
Figure 0004456949
表1から、以下のことが判明した。
(1)実施例1〜2及び参考例1〜3
芳香族ポリカーボネート樹脂/ポリ乳酸からなる樹脂混合物に、(B)成分のエポキシ変性熱可塑性樹脂を添加することにより、面衝撃強度が向上し外観不良の発生がなくなった。
更に、(B)成分と(C)成分のエラストマーを併用することにより、衝撃強度と外観に優れた熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
(2)比較例1
(B)成分を添加しないと、アイゾット衝撃強度が低く、真珠光沢の外観不良が発生する。
(3)比較例2
エポキシ変性されていないアクリロニトリル・スチレン樹脂(AS)を用いても、耐衝撃性は向上せず、外観不良も改善されない。
(4)比較例3
(B)成分を10質量部より多く添加すると、成形品にシルバーが多量に発生する。
(5)比較例4
(a−2)成分のポリ乳酸の添加量が(A)成分中90質量%を超えると、(B)成分と(C)成分を併用しても衝撃強度が低い。

Claims (6)

  1. (A)(a−1)芳香族ポリカーボネート樹脂10〜90質量%及び(a−2)ポリ乳酸及び/又は乳酸類と他のヒドロキシカルボン酸との共重合体90〜10質量%からなる樹脂混合物と、その100質量部当り、(B)エポキシ変性熱可塑性樹脂0.1〜10質量部を含むことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. (a−1)成分の芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量が10,000〜40,000の範囲である請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物
  3. (B)成分のエポキシ変性熱可塑性樹脂が、ビスフェノール構造又はエステル構造を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. (A)成分100質量部当り、(C)エラストマー1〜20質量部を含む請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. OA機器、情報・通信機器、自動車部品又は家庭電化機器用である請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物からなる成形体。
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