JP4456282B2 - エンジンの弁腕ケース - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリンダヘッドの上方を覆うエンジンの弁腕ケースの構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からエンジンには、シリンダヘッドの上方に配設される弁腕ケースにより弁腕室が構成されており、例えば吸気弁及び排気弁をそれぞれ2弁具備する4弁式のエンジンの場合、該弁腕室内に、弁腕や燃料噴射弁、及びプッシュロッドの上端部や吸排気弁の上端部等を収納していた。燃料噴射弁には、外部から弁腕ケースの側面を通じて弁腕室内に侵入する燃料配管が接続され、燃料噴射弁へ高圧燃料を供給している。燃料配管は、弁腕ケース内部に配置される内部配管と、弁腕ケース外部に配置される外部配管とで構成されていた。弁腕ケース側面には管継手が螺挿され、該内部配管及び外部配管は、それぞれ該管継手に接続されていた。また、各気筒毎に設けられる燃料噴射弁には、余剰燃料油を回収するための燃料戻し管が接続されており、該燃料戻し管は、弁腕ケースに螺挿される管継手を介して弁腕室外部へ導かれていた。また、弁腕室内に配設される弁腕軸、及び燃料噴射弁をシリンダヘッドに取付固定する取付部材は、それぞれシリンダヘッド上面に固設される支持部材により支持されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記燃料配管は、内部配管及び外部配管を、弁腕ケース側面に螺挿される管継手に接続して連結することで構成され、前記燃料戻し管は弁腕ケースに螺挿される管継手を介して弁腕室外部へ導かれていたので、該燃料配管及び燃料戻し管を構成するために、弁腕ケースに螺子溝加工を施すとともに、管継手が必要となるため、加工工数及び部品点数が増加する原因となっていた。また、前記弁腕軸及び燃料噴射弁の取付部材は、弁腕ケースとは別個に設けられシリンダヘッド上面に固設された支持部材によりそれぞれ支持されていたので、部品点数が増加することとなっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
請求項1においては、シリンダヘッド(1)の上方に配置され、弁腕(14)及び燃料噴射弁(17)を収納する弁腕ケース(2)において、該弁腕ケース(2)を、上部弁腕ケース(2b)と、下部弁腕ケース(2a)とに分割して構成し、該下部弁腕ケース(2a)を、上部弁腕ケース(2b)を介して、固定ナット(32)によりシリンダヘッド(1)に取付け、該下部弁腕ケース(2a)の側面に、前記燃料噴射弁(17)へ燃料油を供給する燃料配管(21)を貫通させる挿通孔(2d)を穿設し、該挿通孔(2d)には、高圧シール部材(22)を嵌装し、該高圧シール部材(22)に燃料配管(21)を貫通させ、該下部弁腕ケース(2a)の挿通孔(2d)の部分に、該高圧シール部材(22)を挿通した状態で、挿通孔(2d)の内周と、高圧シール部材(22)の外周との間に間隙を形成する為の切欠部(2f)を形成したものである。
【0006】
請求項2においては、請求項1記載のエンジンの弁腕ケースにおいて、前記燃料噴射弁(17)からの余剰燃料を戻すための燃料戻し管(23)を貫通させる燃料戻し口(2g)を弁腕ケース(2)の側面に穿設し、該燃料戻し口(2g)において、該燃料戻し管(23)を外部戻し管(24)と接続して貫通させ、該燃料戻し管(23)は鋼管により構成し、該外部戻し管(24)はゴムや樹脂等の弾性を有するホース状部材により構成し、該燃料戻し口(2g)を貫通する燃料戻し管(23)と、燃料戻し口(2g)との間に外部戻し管(24)を圧縮状態で介装して接続し、該外部戻し管(24)はホース状部材であると共に、該燃料戻し管(23)と燃料戻し口(2g)との間隙をシールするシール部材として兼用させたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を説明する。
【0008】
図1は本発明の弁腕室を示す側面断面図、図2は同じく平面図、図3は弁腕の取付部を示す平面、図4は燃料噴射弁押えを示す斜視図である。
【0009】
図5は高圧シール部材が嵌装される挿通孔の切欠部を示す側面図、図6は燃料戻し管の下部弁腕ケースの貫通部を示す側面断面図である。
【0010】
本発明の弁腕ケース及び該弁腕ケースにより構成される弁腕室について説明する。図1、図2に示すように、エンジンのシリンダヘッド1の上方には弁腕ケース2が配設され、弁腕室5が構成されている。弁腕ケース2は、上部弁腕ケース2bと下部弁腕ケース2aとに分割して形成されている。
【0011】
本実施例におけるエンジンは、例えば3気筒に構成されており、各気筒毎に2つの吸気弁16a・16a及び2つの排気弁16b・16bが設けられる所謂4弁式のエンジンである。また、エンジンはOHV式に構成され、弁腕室5内には、前記吸気弁16a・16a及び2つの排気弁16b・16bの上端部、プッシュロッド13の上端部、弁腕14、及び燃料噴射弁17等が配設されている。弁腕14は弁腕室5内に設けられる弁腕軸11により揺動自在に支持されている。
【0012】
弁腕14は、吸気弁16a・16a毎、及び排気弁16b・16b毎に1つ設けられ、上下摺動するプッシュロッド13により弁腕14が揺動して、吸気弁16a・16a、及び排気弁16b・16bを、それぞれ開閉するように構成されている。
【0013】
平面視における、吸気弁16a・16a及び排気弁16b・16bの配置位置の略中央には燃料噴射弁17が配設されており、該燃料噴射弁17は、燃料噴射弁押え15により上方から押さえられて、その上下方向の配設位置を固定されている。燃料噴射弁押え15は、弁腕軸11により支持され、吸気弁16a・16a用の弁腕14と排気弁16b・16b用の弁腕14との間に配置されている。
【0014】
弁腕軸11は、下部弁腕ケース2aの側面に形成される弁腕軸支持部2eにより、その両端部を支持されるとともに、弁腕室5内におけるシリンダヘッド1の上面に固設される弁腕軸支持部材7により、その途中部を支持されている。そして、下部弁腕ケース2aをシリンダヘッド1に組み付ける際には、弁腕14、燃料噴射弁押え14、及び弁腕軸支持部材7が嵌装された弁腕軸11を、前もって弁腕軸支持部2eにより支持して該下部弁腕ケース2aに組み付けたアッセンブリ状態で、シリンダヘッド1に組み付けるようにしている。
【0015】
このように、下部弁腕ケース2aの側面に弁腕軸支持部2eを形成することで、該下部弁腕ケース2aを、弁腕14、燃料噴射弁押え14、及び弁腕軸支持部材7が嵌装される弁腕軸11を組み付けたアッセンブリ状態でシリンダヘッド1に組み付けることができることとなり、組立工程の削減及び組立性の向上を図ることができる。加えて、シリンダヘッド1に固設される弁腕軸支持部材7の数を減らすことができ、部品点数の減少を図ることもできる。
【0016】
図3には、弁腕14・14の弁腕軸11への取付部を示しており、吸気弁16a・16aを開閉する弁腕14及び排気弁16b・16bを開閉する弁腕14は、各気筒毎に配置される弁腕軸支持部材7・7の間に配設されている。該吸気弁16a・16a用の弁腕14と排気弁16b・16b用の弁腕14との間には、燃料噴射弁押さえ15が配設されている。また、弁腕軸支持部材7と各弁腕14との間には、弁腕軸11に嵌装されるウェーブワッシャ等の付勢部材35が介装されており、該付勢部材35により弁腕14が燃料噴射弁押さえ15側へ付勢され、該燃料噴射弁押さえ15に当接している。
【0017】
即ち、弁腕軸支持部材7・7間の寸法dxを、吸気弁16a・16a用の弁腕14の幅寸法、排気弁16b・16b用の弁腕14の幅寸法、及び燃料噴射弁押さえ15の幅寸法dpを加えた値よりも、若干大きく余裕を持たせて構成して、弁腕14や燃料噴射弁押さえ15の組付性を向上させている。そして、弁腕軸支持部材7と弁腕14との間隙を埋めて弁腕14のブレを抑えるために、付勢部材35をスペーサー的に介装している。また、弁腕軸11に組み付けられた吸気弁16a・16a用の弁腕14と排気弁16b・16b用の弁腕14との間の間隔は、吸気弁16aと排気弁16bとの間の寸法daに合わせて構成されている。
【0018】
このように、燃料噴射弁押え15は、該燃料噴射弁押え15の支持部材としても作用する弁腕軸11を介して、下部弁腕ケース2aに支持されているので、別個に燃料噴射弁押え15の支持部材を弁腕室5内に設ける必要がなく、部品点数の削減及び燃料噴射弁押え15の配置スペースの減少を図ることができる。また、弁腕軸11にて支持するように構成した燃料噴射弁押え15は、図4に示すように、薄板状部材の両端部を屈曲して支持部15aを形成するとともに、平面部15bに燃料噴射弁17を押圧する弁押え用孔15c、及び燃料噴射弁押え15を固定するための固定用孔15dを、形成しただけの簡単な構成とすることができるので、板金部材により形成することが可能であり、低コスト化を図ることができる。
【0019】
弁腕室5内に配置される燃料噴射弁17には、外部から弁腕室5内に侵入する燃料配管21が接続され、高圧燃料が供給されている。燃料配管21は、弁腕室5内部に配設される内部配管21a、弁腕室5外部に配設される外部配管21b、及び該内部配管21aと外部配管21bとを接続する高圧シール部材22により構成されている。下部弁腕ケース2aの側面には挿通孔2dが形成され、該挿通孔2dを燃料配管21が貫通している。該挿通孔2dの部分には、前記高圧シール部材22が位置して、該挿通孔2dに抜脱自在に嵌装されている。
【0020】
このように、下部弁腕ケース2aの側面に、燃料配管21が貫通する挿通孔2dを形成することで、該下部弁腕ケース2aの側面部分に外部配管21bと内部配管21aとを接続するための管継手を螺装する必要がなく、下部弁腕ケース2aに組み付けを行う部品点数を削減することができる。また、下部弁腕ケース2aに螺子加工を行う必要がないので、該下部弁腕ケース2aが簡単な形状となり加工工数を削減することができる。さらに、燃料配管21は、外部配管21bと内部配管21aとを高圧シール部材22によりシール接続して構成しており、該燃料配管21単独でシールされているので、燃料漏れに対する信頼性を向上させることができる。
【0021】
また、図1、図5に示すように、高圧シール部材22が嵌装される挿通孔2dの外部側端の周縁部には、切欠部2fを形成している。弁腕室5内のメンテナンス等を行う際には、高圧シール部材22を挿通孔2dから取り外すことがあるが、挿通孔2dに高圧シール部材22を嵌装した状態では、挿通孔2dの外部側端と高圧シール部材22とが密着した状態となっているため、そのままでは該高圧シール部材22を取り外す作業が行いにくく作業性が悪くなる。従って、本下部弁腕ケース2aにおいては、挿通孔2dの外部側端の周縁部に切欠部2fを形成し、高圧シール部材22を取り外すときに、該切欠部2fへ工具を差し込んでこじる等して、高圧シール部材22を挿通孔2dから若干抜き出すといったような前作業を行うことができるようにして、作業性の向上を図っている。
【0022】
また、前記軸支持部材7には、上方からボルト部材31が螺挿されており、該ボルト部材31の上部は弁腕軸支持部材7の上方に突出している。弁腕軸支持部材7は、例えば、各気筒間毎に配置されている。前記上部弁腕ケース2bにおける、弁腕軸支持部材7の配設位置に対応する箇所には固定用孔2cが形成され、該固定用孔2cには上部弁腕ケース2bの上方から固定用ナット32が挿入されている。該固定用ナット32は前記ボルト部材31の上部に螺嵌されている。
【0023】
そして、ボルト部材31に螺挿される固定用ナット32を締め付けることで、固定用孔2cの周縁部に係止する該固定用ナット32のつば部32aが、上部弁腕ケース2bを下方に押圧し、これにより、該上部弁腕ケース2b及び上部弁腕ケース2bの下方に配置される下部弁腕ケース2aがシリンダヘッド1に取付固定されている。即ち、弁腕軸支持部材7に螺挿されるボルト部材31に固定用ナット32を締結することで、該固定用ナット32により下方押圧される上部弁腕ケース2bを介して、下部弁腕ケース2aがシリンダヘッド1に取付固定されている。
【0024】
また、図2に示すように、各気筒の燃料噴射弁17は、燃料戻し管23により互いに接続されており、余分な燃料油を該燃料戻し管23を通じて燃料タンク側へ戻すように構成している。図6に示すように、該燃料戻し管23は、下部弁腕ケース2aの側面に形成される燃料戻し口2gを通じて弁腕室5外部へ案内されている。
【0025】
燃料戻し口2gにおいて、燃料戻し管23は外部戻し管24と接続されており、該外部戻し管24を介して燃料戻し口2gを貫通している。燃料戻し管23は鋼管等により構成され、外部戻し管24はゴムや樹脂等の弾性を有するホース状部材により構成されている。即ち、燃料戻し口2gを貫通する燃料戻し管23と該燃料戻し口2gとの間に外部戻し管24が圧縮状態で介装されて、該外部戻し管24と燃料戻し管23とが接続されるとともに、該燃料戻し管23と燃料戻し口2gとの間隙をシールしている。
【0026】
このように、燃料戻し管23と燃料戻し口2g部分にて接続される外部戻し管24は、燃料戻し管23からの余剰燃料油を弁腕室5外部へ案内するホース部材であるとともに、燃料戻し管23と燃料戻し口2gとの間隙をシールするシール部材としても機能している。そして、燃料戻し管23及び外部戻し管24といった余剰燃料油を戻すための配管は、燃料戻し口2gを通じて下部弁腕ケース2aの側面を貫通することとなっている。尚、燃料戻し口2g部分における燃料戻し管23の外周には環状突起23a・23aを、外部戻し管24との接続の抜け止めとして形成している。
【0027】
このように、燃料噴射弁17からの余剰燃料を戻すための燃料戻し管23及び外部戻し管24を、シール部材としても機能する外部戻し管24を介して、下部弁腕ケース2aの側面を貫通させることで、燃料戻し管23からの余剰燃料油を外部へ導くために、該下部弁腕ケース2aの側面部分に管継手を螺装する必要がなく、下部弁腕ケース2aに組み付けを行う部品点数を削減することができる。また、下部弁腕ケース2aに螺子加工を行う必要がないので、該下部弁腕ケース2aが簡単な形状となり加工工数を削減することができる。さらに、燃料戻し管23と接続される外部戻し管24は、シール部材も兼ねているので、該燃料戻し管23と外部戻し管24との接続部からの燃料漏れに対する信頼性を向上させることができる。
【0028】
さらに、前記弁腕ケースに弁腕軸を支持する弁腕軸支持部を形成したので、該弁腕ケースを、弁腕、燃料噴射弁押え、及び弁腕軸支持部材等の構成部材が嵌装される弁腕軸を組み付けたアッセンブリ状態でシリンダヘッドに組み付けることができることとなり、組立工程の削減及び組立性の向上を図ることができる。加えて、シリンダヘッドに固設される弁腕軸支持部材の数を減らすことができ、部品点数の減少を図ることもできる。
【0029】
さらに、前記弁腕ケースに、燃料噴射弁のシリンダヘッドへの取付部材を支持するための支持部を形成したので、別個に燃料噴射弁押えの支持部材を弁腕室内に設ける必要がなく、部品点数の削減及び燃料噴射弁押えの配置スペースの減少を図ることができる。また、弁腕軸にて支持するように構成した燃料噴射弁押えは、簡単な構成とすることができるので、板金部材により形成することが可能であり、低コスト化を図ることができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。
請求項1記載の如く、シリンダヘッド(1)の上方に配置され、弁腕(14)及び燃料噴射弁(17)を収納する弁腕ケース(2)において、該弁腕ケース(2)を、上部弁腕ケース(2b)と、下部弁腕ケース(2a)とに分割して構成し、該下部弁腕ケース(2a)を、上部弁腕ケース(2b)を介して、固定ナット(32)によりシリンダヘッド(1)に取付け、該下部弁腕ケース(2a)の側面に、前記燃料噴射弁(17)へ燃料油を供給する燃料配管(21)を貫通させる挿通孔(2d)を穿設したので、弁腕ケースの側面部分等に弁腕室外部の燃料配管と弁腕室内部の燃料配管とを接続するための管継手を螺装する必要がなく、弁腕ケースに組み付けを行う部品点数を削減することができる。
また、弁腕ケースに螺子加工を行う必要がないので、該弁腕ケースが簡単な形状となり加工工数を削減することができる。
さらに、燃料配管は、外部の燃料配管と内部の燃料配管とを高圧シール部材によりシール接続して構成することで、該燃料配管単独でその接続部をシールするように構成することができるので、燃料漏れに対する信頼性を向上させることができる。
【0031】
また、前記下部弁腕ケース(2a)の燃料配管(21)の貫通部である挿通孔(2d)には、高圧シール部材(22)を嵌装して、該高圧シール部材(22)に燃料配管(21)を貫通させ、該下部弁腕ケース(2a)の挿通孔(2d)の部分に、該高圧シール部材(22)を挿通した状態で、挿通孔(2d)の内周と、高圧シール部材(22)の外周との間に間隙を形成する為の切欠部(2f)を形成したので、該シール部材を取り外すときに、該切欠部へ工具を差し込んでこじる等して、燃料配管貫通部に嵌装されるシール部材を、該燃料配管貫通部から若干抜き出すといったような前作業を行うことができるようにして、作業性の向上を図ることができる。
【0032】
請求項2記載の如く、請求項1記載のエンジンの弁腕ケースにおいて、前記燃料噴射弁(17)からの余剰燃料を戻すための燃料戻し管(23)を貫通させる燃料戻し口(2g)を弁腕ケース(2)の側面に穿設し、該燃料戻し口(2g)において、該燃料戻し管(23)を外部戻し管(24)と接続して貫通させ、該燃料戻し管(23)は鋼管により構成し、該外部戻し管(24)はゴムや樹脂等の弾性を有するホース状部材により構成し、該燃料戻し口(2g)を貫通する燃料戻し管(23)と、燃料戻し口(2g)との間に外部戻し管(24)を圧縮状態で介装して接続し、該外部戻し管(24)はホース状部材であると共に、該燃料戻し管(23)と燃料戻し口(2g)との間隙をシールするシール部材として兼用させたので、燃料戻し管からの余剰燃料油を外部へ導くために、該弁腕ケースの側面部分に管継手を螺装する必要がなく、弁腕ケースに組み付けを行う部品点数を削減することができる。
また、弁腕ケースに螺子加工を行う必要がないので、該弁腕ケースが簡単な形状となり加工工数を削減することができる。
さらに、燃料戻し管をシール部材を介して弁腕ケースに貫通させることで、該燃料戻し管の接続部からの燃料漏れに対する信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の弁腕室を示す側面断面図である。
【図2】 同じく平面図である。
【図3】 弁腕の取付部を示す平面図である。
【図4】 燃料噴射弁押えを示す斜視図である。
【図5】 高圧シール部材が嵌装される挿通孔の切欠部を示す側面図である。
【図6】 燃料戻し管の下部弁腕ケースの貫通部を示す側面断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダヘッド
2 弁腕ケース
2a 下部弁腕ケース
2d 挿通孔
2e 弁腕軸支持部
2f 切欠部
5 弁腕室
7 弁腕軸支持部材
11 弁腕軸
14 弁腕
15 燃料噴射弁押さえ
17 燃料噴射弁
22 高圧シール部材
23 燃料戻し管
24 外部戻し管

Claims (2)

  1. シリンダヘッド(1)の上方に配置され、弁腕(14)及び燃料噴射弁(17)を収納する弁腕ケース(2)において、該弁腕ケース(2)を、上部弁腕ケース(2b)と、下部弁腕ケース(2a)とに分割して構成し、該下部弁腕ケース(2a)を、上部弁腕ケース(2b)を介して、固定ナット(32)によりシリンダヘッド(1)に取付け、該下部弁腕ケース(2a)の側面に、前記燃料噴射弁(17)へ燃料油を供給する燃料配管(21)を貫通させる挿通孔(2d)を穿設し、該挿通孔(2d)には、高圧シール部材(22)を嵌装し、該高圧シール部材(22)に燃料配管(21)を貫通させ、該下部弁腕ケース(2a)の挿通孔(2d)の部分に、該高圧シール部材(22)を挿通した状態で、挿通孔(2d)の内周と、高圧シール部材(22)の外周との間に間隙を形成する為の切欠部(2f)を形成したことを特徴とするエンジンの弁腕ケース。
  2. 請求項1記載のエンジンの弁腕ケースにおいて、前記燃料噴射弁(17)からの余剰燃料を戻すための燃料戻し管(23)を貫通させる燃料戻し口(2g)を弁腕ケース(2)の側面に穿設し、該燃料戻し口(2g)において、該燃料戻し管(23)を外部戻し管(24)と接続して貫通させ、該燃料戻し管(23)は鋼管により構成し、該外部戻し管(24)はゴムや樹脂等の弾性を有するホース状部材により構成し、該燃料戻し口(2g)を貫通する燃料戻し管(23)と、燃料戻し口(2g)との間に外部戻し管(24)を圧縮状態で介装して接続し、該外部戻し管(24)はホース状部材であると共に、該燃料戻し管(23)と燃料戻し口(2g)との間隙をシールするシール部材として兼用させたことを特徴とするエンジンの弁腕ケース。
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