JP4453997B2 - 高強度珪酸カルシウム硬化体 - Google Patents
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Description
即ち、本発明は、
(1) 強度測定に用いた試料を乳鉢中で粉砕した後に、理学電気(株)製RINT 2000において、CuのKα線を用いて、測定条件を加速電圧40kV、加速電流200mA、受光スリット幅0.15mm、走査速度4°/分、サンプリング0.02°とする粉末X線回折におけるトバモライトの(220)面の回折ピーク強度Ibが、トバモライトの(220)面と(222)面の2本の回折ピークに挟まれた角度領域における回折強度の最低値Iaとの間に、Ib/Ia>3なる関係を持ち、嵩比重が0.2以上0.7未満である珪酸カルシウム硬化体であって、該硬化体を破断させて生じた面上において10mm四方に最大径200μmを越える気泡が20個以内であることを特徴とする珪酸カルシウム硬化体。
(2) 窒素吸着法で測定される比表面積が60m2/g以下であることを特徴とする(1)に記載の珪酸カルシウム硬化体。
(3) 粉末X線回折において観察されるトバモライトの回折線のうち、(220)面の回折ピーク強度I(220)に対する(002)面の回折ピーク強度I(002)の比〔I(002)/I(220)〕が、0.22以上であることを特徴とする(1)、又は(2)に記載の珪酸カルシウム硬化体。
(4) 水銀圧入法で測定される細孔のうち、細孔径が1.0μm以上の細孔が1vol%以上15vol%以下であることを特徴とする(1)〜(3)に記載の珪酸カルシウム硬化体。
(5) 珪酸質原料と石灰質原料と水を主成分とする原料を、CaO/SiO2モル比が1.2〜2.5の範囲になるように40℃以上で混合して得た一次原料と、珪酸質原料と石灰質原料の少なくとも一種、あるいは珪酸質原料と石灰質原料の少なくとも一種と水を主成分とする二次原料を、混合後のCaO/SiO2のモル比が0.6〜1.5、かつ全固体重量に対する水の重量比が1.0〜5.0、かつ珪酸質原料中の非晶質珪酸原料の割合が20重量%未満になるようにスラリー状態で混合し、得られたスラリーを40℃以上で予備硬化し、160℃以上でオートクレーブ養生することを特徴とする(1)〜(4)記載の珪酸カルシウム硬化体の製造方法。
に関する。
また、本発明は、これら珪酸カルシウム硬化体が、従来の軽量気泡コンクリートの高耐久性を維持したまま、それらの数倍の強度を発現し、かつ従来の軽量気泡コンクリートの欠点であった欠け易さを大幅に改善する一方、高い加工性をも有することを見出したこと、さらに従来の繊維補強珪酸カルシウム板に比べて高い圧縮強度と高耐久性を有することを見出したことに基づくものでもある。
第1図(B)は、比較例1に記載の方法で作成された珪酸カルシウム硬化体の粉末X線回折における、Ia、Ibの算出方法の説明図である。
第2図は、粉末X線回折における、実施例1に対するI(002)、I(220)の算出方法の説明図である。
第3図(A)は、実施例1の走査型電子顕微鏡写真である。
第3図(B)は、比較例1の走査型電子顕微鏡写真である。
第4図(A)は、実施例1の粉末X線の回折図形である。
第4図(B)は、比較例1の粉末X線の回折図形である。
第5図は、実施例1と比較例2の水銀圧入法による細孔分布曲線である。実線は実施例1、破線は比較例2をそれぞれ表している。
本発明の珪酸カルシウム硬化体は、好ましくはトバモライトを主成分とする。トバモライトは、軽量気泡コンクリート(ALC)などの組織中に通常見られる代表的な珪酸カルシウム水和物の1つであり、板状あるいは短冊状の粒子形態をとる。ここでトバモライトが主成分であるか否かは、珪酸カルシウム硬化体の破面の走査型電子顕微鏡観察と粉末X線観察を併用することにより判断できる。すなわち、粉末X線回折において、トバモライトの最強線(220)を越える他の回折ピークが存在しないことである。ただしトバモライトとともに、高結晶性の物質(結晶質シリカ等の酸化物、二水石膏、無水石膏等の硫酸塩あるいは炭酸塩等)が少量共存する場合、トバモライトが主成分であっても、共存する物質の高い結晶性のために、これらの物質の最強線がトバモライトの最強線を越えることがある。この様な場合、走査型電子顕微鏡観察下において、その構造が板状あるいは短冊状の粒子が主体であると判断できれば、例外として、トバモライトが主成分であるとする。ここで板状あるいは短冊状の粒子とは、1つの粒子を構成する面の中で最大の面積を持ち、かつ互いにほぼ平行な一組の面を少なくとも持つ粒子であり、その粒子の最大長さがこれら一組の面間の距離の5倍以上である粒子を言う。もちろん、ここで言う最大長さは二次元への投影長さである。これらトバモライトの粒子の大きさは特に規定はしないが、最大長さが数μm〜10μmであることが好ましい。
本発明の珪酸カルシウム硬化体は、珪酸質原料と石灰質原料と水を主成分とする原料を、CaO/SiO2モル比1.2〜2.5の範囲になるように混合して反応させて得た一次原料と、珪酸質原料と石灰質原料の少なくとも一種、あるいは珪酸質原料と石灰質原料の少なくとも一種と水を主成分とする二次原料を、混合後のCaO/SiO2のモル比が0.6〜1.5、かつ全固体重量に対する水の重量比が1.0〜5.0、かつ珪酸質原料中の非晶質珪酸原料の割合が20重量%未満になるようにスラリー状態で混合し、得られたスラリーを予備硬化し、オートクレーブ養生して得られる。
なお、本発明において予備硬化体は、一次原料と二次原料とを混合した後に硬化させて得られるオートクレーブ養生前のものをいう。
一方珪石、珪砂等は、通常粉末X線回折において、α−石英のシャープな回折ピークを呈することが多い。
一次原料と二次原料は、使用する珪酸質原料、石灰質原料及びその他の固体原料の総重量に対して使用する全ての水の重量比が1.0〜5.0になるように、スラリー状態で混合される。すなわち、(一次原料混合時に使用した水+二次原料混合時に追加する水)/(一次原料中の固体重量+二次原料中の固体重量)で表される重量比が、1.0〜5.0の範囲になることを意味する。この範囲以外では、本発明において規定される嵩比重が得られない。高強度で、かつ嵩比重の小さい珪酸カルシウム硬化体を得るためには、この値は1.5〜4.0の範囲が好ましい。
JIS R 5201のセメントの物理試験法における曲げ強さおよび圧縮強さの測定に準じて測定した。すなわち、曲げ強度測定に用いた供試体寸法は、40mm×40mm×160mmであり、スパン幅は100mmである。圧縮強度は曲げ試験で割れた半分の試料において、加圧面40mm×40mm、加圧面の距離40mmで最大荷重を測定した。ボード状試料の場合、接着剤を用いて2あるいは3枚張り合わせて、これらから立方体試料を切り出して測定用試料とした。この場合少なくとも直交する3方向の圧縮強度を測定してこれらを平均した。なお試験体の乾燥条件は、70℃の乾燥器中に硬化体を置き、硬化体の絶乾状態を基準とした含水量が、10±2%になった時点で室温に冷却した。
曲げ試験に用いたのと同じ寸法の硬化体を、105℃にて24時間乾燥させた時の重量と寸法から算出した。
[気泡径の観察]
オリンパス光学工業(株)製、実体顕微鏡(SZ)を用いて、曲げ強度試験後の試料破断面を40倍の倍率で観察し、10mm四方内に存在する最大径が200μm以上の気泡の個数を数えた。
硬化体を粉砕した後に分級して得た2〜4mm部分を、105℃にて24時間乾燥させて測定用試料とした。これら試料を、Micrometritics社製、Pore Sizer 9320を用いて細孔径分布を測定した。この時、水銀と硬化体の接触角は130度、水銀の表面張力は484dyn/cmとして計算を行った。細孔径が1μm以上の細孔の割合は、細孔径が6nmから360μmの範囲で測定された全細孔量を100%とした時の、1μm以上の細孔の体積分率であり、細孔径が0.1μm以上の細孔の割合は、細孔径が6nmから360μmの範囲で測定された全細孔量を100%とした時の、0.1μm以上の細孔の体積分率である。
水銀圧入法に用いたのと同様の処理を行った試料を、さらに真空下70℃で3時間乾燥させて測定用試料とした。これら試料をQuantachrome社製、Autosorb 1−MPを用いて比表面積の測定を行った。なお測定点は1試料につき6点とした。
[ブレーン比表面積の測定方法]
JIS R 5201のセメントの物理試験法における比表面積試験に準じて測定した。
強度測定に用いた試料を乳鉢中で粉砕した後に、理学電気(株)製RINT 2000において、CuのKα線を用いて測定した。測定条件は、加速電圧40kV、加速電流200mA、受光スリット幅0.15mm、走査速度4°/分、サンプリング0.02°である。なお回折線はグラファイトのモノクロメーターにより単色化されてカウントされた。2つのトバモライト回折線(220),(222)に挟まれた角度領域におけるバックグランドを含めた回折強度の最低値をIa、およびバックグランドを含めたトバモライト回折線(220)の最大強度をIbとする。なおこれら2つの回折線はそれぞれ29.0°、30.0°(2θ)付近に見られる回折線に対応する。第1図(A)、(B)に算出方法の模式図を示す。
試料および測定条件は、Ia、Ibの測定と同様に行った。ここでI(002)は、回折角6から9°(2θ)付近にかけて、バックグランドを直線近似して得られた真の回折強度である。同様にI(220)は、回折角20から40°(2θ)付近にかけて、バックグランドを直線近似して得られた真の回折強度である。なお、トバモライトの(002)回折線は、7.7°(2θ)付近に見られる回折線に対応する。第2図に算出方法の模式図を示す。
表面の状態を目視で観察して評価した。
[鋸引き性]
木工用鋸を用いて硬化体を切断し、切断しやすさ、切断面の状況から評価した。
長期耐久性の尺度として、促進炭酸化反応時の収縮率を測定した。供試体寸法を、20mm×40mm×160mmとし、相対湿度60%、温度20℃の恒温恒湿槽中にて平衡重量に達するまで乾燥した。これを朝日化学(株)社製、中性化試験槽BEO610W−6型中に置き、14日目と28日目に標点間距離(150mm)の変化を顕微鏡を用いて測定し、式1により収縮率を算出した。中性化試験条件は、相対湿度60%、温度20℃、炭酸ガス濃度10vol%とした。
収縮率(%)=〔(L0−L1)/L0〕×100 ・・・式1
L0:中性化試験開始時の標点間距離
L1:中性化試験開始後、14日目あるいは28日目の標点間距離
表1の一次原料に示す原料を表1に記載の配合比にて、攪拌機を用いて60℃にて混合を行った。混合したスラリーは60℃に4時間保持して反応させた。ここで実施例6および8のみ反応中攪拌を継続した。他は混合終了後、攪拌を止め静置して硬化させた。得られた一次原料の一部を採取した後、表1の二次原料に示す配合比にて、これらと二次原料粉体および水をスラリー下で混合した。ここで、硬化している一次原料は一旦解砕した後に二次原料と混合した。表1において、繊維種の略号は、MFC:ミクロフィブリル化セルロース、VP:バージンパルプ、RP:古紙パルプ、GF:耐アルカリ性ガラス繊維、である。ミクロフィブリル化セルロースとしては、ダイセル化学社製「セリッシュ、KY−100G」を使用した。得られたスラリーを型枠に流し込み、水分の蒸発を抑制した状態にて60℃で8〜15時間かけて予備硬化させた。これらを脱型してオートクレーブにて180℃で4時間、高温高圧養生を行った後に乾燥して珪酸カルシウム硬化体を得た。なおここで使用した結晶質珪酸原料の物性を表3に示した。これら得られた珪酸カルシウム硬化体の各種物性を表2に示した。これら珪酸カルシウム硬化体の破断面を走査型電子顕微鏡を用いて観察を行った結果、その構造は、いずれの硬化体においても、第3図(A)に代表されるほぼトバモライトの板状粒子と、少量の繊維状粒子から構成されていた。さらに粉末X線回折の結果、いずれの硬化体においても、最強線はトバモライトの(220)回折線と同定された。
さらに実施例2の試料について、促進炭酸化試験における収縮率を表4に示す。また、第5図には実施例1の水銀圧入法による細孔分布曲線を示した。
表1、3に示す原料を表1に記載の配合比にて、攪拌機を用いて60℃一次原料の混合を行った。混合したスラリーは、型枠に流し込んだ後、60℃に8時間保持して予備硬化させた。これらを脱型してオートクレーブにて180℃で4時間高温高圧養生を行った後乾燥して硬化体を得た。この硬化体の各種物性を表2に示した。なおここで珪酸質原料は、実施例1で使用した珪石粉砕粉を用いた。この硬化体の粉末X線回折の結果、第4図に見られる様に、トバモライトの(220)回折線よりも高いピークとして、石英の(101)回折線、およびCSHと推定される29.2°の回折線が観察された。また、硬化体の破面を走査型電子顕微鏡を用いて観察を行った結果、第3図(B)に見られる様に、トバモライトの板状結晶とCSHと推定される繊維状鉱物がほぼ同量程度混在する構造であった。また、第5図には水銀圧入法による細孔径分布曲線を示した。
市販のALCから無筋部分を採取して、各種物性を測定した。得られた結果を表2に示した。これらALCの破面を走査型電子顕微鏡を用いて観察を行った結果、粗大気泡周辺にトバモライトの短冊状粒子、その他の部分はトバモライトの板状粒子を主体とする構造であった。さらに粉末X線回折の結果、トバモライトの(220)回折線よりも高いピークとして、石英の(101)回折線のみが観察された。促進炭酸化試験における収縮率を表4に示す。
表1に示す一次原料中の珪酸質原料として、ブレーン比表面積11500cm2/gの活性白土(SiO2含有量79.8%)を用いた他は、実施例1と同様にして珪酸カルシウム硬化体を得た。この珪酸カルシウム硬化体の各種物性を表2に示した。この珪酸カルシウム硬化体の破面を走査型電子顕微鏡を用いて観察を行った結果、実施例1〜4とほぼ同様のトバモライトの板状結晶と、それとほぼ同量の繊維状粒子からなる構造が観察された。さらに粉末X線回折の結果、最強線はトバモライトの(220)回折線と同定された。促進炭酸化試験における収縮率を表4に示す。
生石灰0.74kgを2.60kgの70℃の温水で水和させて消石灰スラリーを得た。これを冷却して32℃のスラリーとした後に、珪藻土(325メッシュパス、SiO2含有量79.0%)0.20kg、冷水0.70kgを添加して混合した。この時の水/固体比は3.5であった。これらスラリーを88℃で2時間、ゲル化を行った。これを直ちに60℃まで冷却し、実施例1で使用した珪石粉砕粉を0.81kg、耐アルカリガラス繊維0.11kg、針葉樹バージンパルプ0.11kgを添加して、オムニミキサーにて2分間均一に混合した。この混合物を内寸法40mm×160mmの金型に投入し、12kgf/cm2の圧力で脱水成形した。この時、成形体の厚みは約20mmであった。これをオートクレーブにて飽和蒸気圧下180℃で8時間反応させ、その後105℃で24時間乾燥させて硬化体を得た。原料配合比を実施例1の記述にあわせて再計算した数値を表1に、得られた硬化体の各種物性を表2に示した。ここで圧縮強度は、20mm圧の板2枚をエポキシ系接着剤を用いて張り合わせ、これから一辺40mmの立方体試料を作成して圧縮強度用試料とした。この珪酸カルシウム硬化体の破面を走査型電子顕微鏡を用いて観察を行った結果、主としてパルプとガラス繊維から成る構造が観察され、板状の結晶はごく希にしか観察されなかった。さらに粉末X線回折の結果、最強線は石英の(101)回折線と同定された。促進炭酸化試験における収縮率を表4に示す。
比較例4にて使用した珪藻土0.4kg、消石灰(市販試薬、純度99%)0.32kgに、水2.16kgを加え混合攪拌しつつ90℃に加熱して3時間反応させてゲル状物質を得た。これに普通ポルトランドセメント0.2kg、実施例1にて使用の珪石粉砕粉0.2kg、針葉樹パルプ0.016kg加えて混合した。この混合物を型枠に流し込み、40℃にて8時間かけて予備硬化させた。これらを脱型してオートクレーブにて180℃で8時間、高温高圧養生を行った後に乾燥して珪酸カルシウム硬化体を得た。原料配合比を実施例1の記述にあわせて再計算した数値を表1に、得られた硬化体の各種物性を表2に示した。この珪酸カルシウム硬化体の破面を走査型電子顕微鏡を用いて観察を行った結果、不定形および短繊維状の粒子から構造が成り、板状結晶はごく希にしか観察されなかった。さらに粉末X線回折の結果、最強線は石英の(101)回折線と同定された。促進炭酸化試験における収縮率を表4に示す。
一次原料と二次原料の配合比を変えた以外は、すべて実施例1と同様の方法にて珪酸カルシウム硬化体を得た。この時の原料配合比を表1、各種物性値を表2に示す。この珪酸カルシウム硬化体の破面を走査型電子顕微鏡を用いて観察を行った結果、実施例1とほぼ同様のトバモライトの板状結晶と、それとほぼ同量の繊維状粒子からなる構造が観察された。さらに粉末X線回折の結果、最強線はトバモライトの(220)回折線と同定された。
表1に示す配合比にて、他はすべて実施例1と同様の方法にて型枠に鋳込んだ。60℃で8時間養生後に観察したところ、型枠深さの約1/5程度、予備硬化体表面に水のみの層が確認された。固体の部分のみを取り出し、実施例1と同様にオートクレーブを行ったところ、多数のひび割れが成形体上面に発生して強度測定は不可能であった。
厚み25mmの市販耐火被覆用ケイカル板について各種物性を測定した。測定された各種物性値を表2に示した。圧縮強度の測定は比較例4と同様の方法で行った。粉末X線回折を行ったところ、主成分はゾノトライトであった。
Claims (5)
- 強度測定に用いた試料を乳鉢中で粉砕した後に、理学電気(株)製RINT 2000において、CuのKα線を用いて、測定条件を加速電圧40kV、加速電流200mA、受光スリット幅0.15mm、走査速度4°/分、サンプリング0.02°とする粉末X線回折におけるトバモライトの(220)面の回折ピーク強度Ibが、トバモライトの(220)面と(222)面の2本の回折ピークに挟まれた角度領域における回折強度の最低値Iaとの間に、Ib/Ia>3なる関係を持ち、嵩比重が0.2以上0.7未満である珪酸カルシウム硬化体であって、該硬化体を破断させて生じた面上において10mm四方に最大径200μmを越える気泡が20個以内であることを特徴とする珪酸カルシウム硬化体。
- 窒素吸着法で測定される比表面積が60m2/g以下であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の珪酸カルシウム硬化体。
- 粉末X線回折において観察されるトバモライトの回折線のうち、(220)面の回折ピーク強度I(220)に対する(002)面の回折ピーク強度I(002)の比〔I(002)/I(220)〕が、0.22以上であることを特徴とする請求の範囲第1項、又は第2項に記載の珪酸カルシウム硬化体。
- 水銀圧入法で測定される細孔のうち、細孔径が1.0μm以上の細孔が1vol%以上15vol%以下であることを特徴とする請求の範囲第1項〜第3項のいずれか1項に記載の珪酸カルシウム硬化体。
- 珪酸質原料と石灰質原料と水を主成分とする原料を、CaO/SiO2モル比が1.2〜2.5の範囲になるように40℃以上で混合して得た一次原料と、珪酸質原料と石灰質原料の少なくとも一種、あるいは珪酸質原料と石灰質原料の少なくとも一種と水を主成分とする二次原料を、混合後のCaO/SiO2のモル比が0.6〜1.5、かつ全固体重量に対する水の重量比が1.0〜5.0、かつ珪酸質原料中の非晶質珪酸原料の割合が20重量%未満になるようにスラリー状態で混合し、得られたスラリーを40℃以上で予備硬化し、160℃以上でオートクレーブ養生することを特徴とする請求の範囲第1項〜第4項のいずれか1項に記載の珪酸カルシウム硬化体の製造方法。
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