JP4453777B2 - 画質改善装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、映像信号のエッジ(輪郭)を補正することによって画質を改善する画質改善装置及び方法に関する。
従来から、映像信号の画質改善の一手法として、映像信号のエッジにシュート成分を付加してエッジを急峻にし、映像の鮮鋭感を向上させるエンハンス処理が行われている。このエンハンス処理を行うエンハンサは、数タップから十数タップの比較的タップ長の短いハイパスフィルタを用いて映像信号の高域成分を抽出し、抽出した高域成分に基づいてシュート成分を生成して映像信号に付加するものである。従来のエンハンサ(画質改善装置)は、一例として特許文献1に記載されている。
ここではハイパスフィルタによって高域成分を抽出するとしたが、実際には中域を含めた中高域成分が抽出されて映像信号の中高域成分が強調される場合がある。ハイパスフィルタの通過域のピーク周波数を中域側にずらした場合には中高域成分が強調される。また、高域成分の強調の効果を高めるためにゲインを上げた場合には、高域成分に付随して中域成分が抽出されて、結果として中高域成分が強調される。以下、従来のエンハンサは、映像信号の中域成分を含めて高域成分を強調する場合であっても高域成分を強調するとして説明する。
特開平5−344385号公報
上記のようなハイパスフィルタを用いた従来のエンハンサによれば、映像信号の高域成分を強調して、画質を改善することができる。しかしながら、近年、画像表示装置は画面の大型化に伴ってさらなる画質改善が求められており、従来のエンハンサとは異なる画質改善効果としてコントラスト感を向上させることができる画質改善装置及び方法が求められた。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、コントラスト感を向上させることができる画質改善装置及び方法を提供することを目的とする。また、鮮鋭感とコントラスト感の双方を向上させることができる画質改善装置及び方法を提供することを目的とする。
本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、第1の遮断周波数を有し、入力された映像信号の低周波成分信号を抽出する第1のローパスフィルタ(2)と、前記入力された映像信号より前記低周波成分信号を減算して、第1の高周波成分信号を抽出する減算器(3)と、前記第1の遮断周波数よりも高い第2の遮断周波数を有し、前記第1の高周波成分信号における低域側の信号である低域側高周波成分信号を抽出する第2のローパスフィルタ(5)と、前記低域側高周波成分信号に第1のゲインを乗算して、第1の補正成分信号を生成する第1の乗算器(6)と、前記入力された映像信号より第2の高周波成分信号を抽出するハイパスフィルタ(9)と、前記第2の高周波成分信号に第2のゲインを乗算して、第2の補正成分信号を生成する第2の乗算器(11)と、前記入力された映像信号に前記第1及び第2の補正成分信号を加算する加算器(7)とを備えることを特徴とする画質改善装置を提供する
また、本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、入力された映像信号より第1の高周波成分信号を抽出するハイパスフィルタ(9)と、前記第1の高周波成分信号に第1のゲインを乗算して、第1の補正成分信号を生成する第1の乗算器(11)と、前記入力された映像信号に前記第1の補正成分信号を加算する第1の加算器(13)と、第1の遮断周波数を有し、前記加算器より出力された映像信号の低周波成分信号を抽出する第1のローパスフィルタ(2)と、前記加算器より出力された映像信号より前記低周波成分信号を減算して、第2の高周波成分信号を抽出する減算器(3)と、前記第1の遮断周波数よりも高い第2の遮断周波数を有し、前記第2の高周波成分信号における低域側の信号である低域側高周波成分信号を抽出する第2のローパスフィルタ(5)と、前記低域側高周波成分信号に第2のゲインを乗算して、第2の補正成分信号を生成する第2の乗算器(6)と、前記第1の加算器より出力された映像信号に前記第2の補正成分信号を加算する第2の加算器(7)とを備えることを特徴とする画質改善装置を提供する。
さらに、本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、第1の遮断周波数を有し、入力された映像信号の低周波成分信号を抽出する第1のローパスフィルタ(2)と、前記入力された映像信号より前記低周波成分信号を減算して、第1の高周波成分信号を抽出する減算器(3)と、前記第1の遮断周波数よりも高い第2の遮断周波数を有し、前記第1の高周波成分信号における低域側の信号である低域側高周波成分信号を抽出する第2のローパスフィルタ(5)と、前記低域側高周波成分信号に第1のゲインを乗算して、第1の補正成分信号を生成する第1の乗算器(6)と、前記入力された映像信号に前記第1の補正成分信号を加算する第1の加算器(7)と、前記第1の加算器より出力された映像信号より第2の高周波成分信号を抽出するハイパスフィルタ(9)と、前記第2の高周波成分信号に第2のゲインを乗算して、第2の補正成分信号を生成する第2の乗算器(11)と、前記第1の加算器より出力された映像信号に前記第2の補正成分信号を加算する第2の加算器(13)とを備えることを特徴とする画質改善装置を提供する。
本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、第1の遮断周波数を有する第1のローパスフィルタによって映像信号の低周波成分信号を抽出する第1のステップと、前記映像信号より前記低周波成分信号を減算して、高周波成分信号を抽出する第2のステップと、前記第1の遮断周波数よりも高い第2の遮断周波数を有する第2のローパスフィルタによって前記高周波成分信号における低域側の信号である低域側高周波成分信号を抽出する第3のステップと、前記低域側高周波成分信号に所定のゲインを乗算して、第1の補正成分信号を生成する第4のステップと、前記映像信号に前記第1の補正成分信号を加算して、前記映像信号の帯域における前記低域側高周波成分信号の帯域成分が強調された補正映像信号を出力する第5のステップと、前記映像信号の帯域における高域成分を強調するための第2の補正成分信号を生成する第6のステップとを含み、前記第5のステップは、前記映像信号に前記第1及び第2の補正成分信号の双方を加算して、前記低域側高周波成分信号の帯域成分及び前記高域成分が強調された補正映像信号を出力することを特徴とする画質改善方法を提供する。
また、本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、第1の遮断周波数を有する第1のローパスフィルタによって映像信号の低周波成分信号を抽出する第1のステップと、前記映像信号より前記低周波成分信号を減算して、高周波成分信号を抽出する第2のステップと、前記第1の遮断周波数よりも高い第2の遮断周波数を有する第2のローパスフィルタによって前記高周波成分信号における低域側の信号である低域側高周波成分信号を抽出する第3のステップと、前記低域側高周波成分信号に所定のゲインを乗算して、第1の補正成分信号を生成する第4のステップと、前記映像信号に前記第1の補正成分信号を加算して、前記映像信号の帯域における前記低域側高周波成分信号の帯域成分が強調された補正映像信号を出力する第5のステップと、前記映像信号の帯域における高域成分を強調するための第2の補正成分信号を生成する第6のステップと、前記映像信号に前記第2の補正成分信号を加算して、前記映像信号の帯域における前記高域成分が強調された補正映像信号を出力する第7のステップとを含み、前記第1〜第5のステップを、前記第6及び第7のステップの後段で行うことを特徴とする記載の画質改善方法を提供する。
さらに、本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、第1の遮断周波数を有する第1のローパスフィルタによって映像信号の低周波成分信号を抽出する第1のステップと、前記映像信号より前記低周波成分信号を減算して、高周波成分信号を抽出する第2のステップと、前記第1の遮断周波数よりも高い第2の遮断周波数を有する第2のローパスフィルタによって前記高周波成分信号における低域側の信号である低域側高周波成分信号を抽出する第3のステップと、前記低域側高周波成分信号に所定のゲインを乗算して、第1の補正成分信号を生成する第4のステップと、前記映像信号に前記第1の補正成分信号を加算して、前記映像信号の帯域における前記低域側高周波成分信号の帯域成分が強調された補正映像信号を出力する第5のステップと、前記映像信号の帯域における高域成分を強調するための第2の補正成分信号を生成する第6のステップと、前記映像信号に前記第2の補正成分信号を加算して、前記映像信号の帯域における前記高域成分が強調された補正映像信号を出力する第7のステップとを含み、前記第1〜第5のステップを、前記第6及び第7のステップの前段で行うことを特徴とする画質改善方法を提供する。
以上の構成において、第1のローパスフィルタはガウシアンフィルタであることが好ましい。
また、低域側高周波成分信号または(第1,第2の)高周波成分信号の値を所定の制限特性で制限することが好ましい。
本発明の画質改善装置及び方法によれば、コントラスト感を向上させることができる。また、鮮鋭感とコントラスト感の双方を向上させることができる。
以下、本発明の画質改善装置及び方法の各実施形態について、添付図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
図1は本発明の画質改善装置の第1実施形態を示すブロック図である。第1実施形態の画質改善装置101の構成及び動作について、図2に示す各フィルタの周波数特性及び図3に示す波形図を参照しながら説明する。図1において、映像信号a0は遅延器1及びガウシアンフィルタ2に入力される。映像信号a0は輝度信号でも色信号でもよい。ガウシアンフィルタとは、ガウス関数を利用して極めて低い周波数成分を抽出するローパスフィルタのことである。ガウシアンフィルタ2の周波数特性FGは図2に示すように、極めて低い遮断周波数を有する。ガウシアンフィルタ2の代わりに、極めて低い遮断周波数を有し、タップ長の長いローパスフィルタを用いてもよい。
遅延器1は、入力された映像信号a0を、ガウシアンフィルタ2における処理に要する時間だけ遅延させて映像信号aとする。ガウシアンフィルタ2は入力された映像信号a0より低周波成分信号bを抽出する。図3(A)に実線にて示すように映像信号aがエッジ信号の場合、低周波成分信号bは図3(A)に破線にて示す波形となる。図2において、低周波成分信号bの帯域は周波数特性FGで制限された帯域となる。減算器3は、映像信号aから低周波成分信号bを減算して、図3(B)に示す高周波成分信号cを出力する。減算器3は全帯域の映像信号aから低周波成分信号bを減算するので、高周波成分信号cの帯域は図2に示す通りとなる。
減算器3より出力された高周波成分信号cはローパスフィルタ5に入力される。ローパスフィルタ5の周波数特性FLは図2に示す通りであり、ローパスフィルタ5の遮断周波数はガウシアンフィルタ2の遮断周波数よりも高い。ローパスフィルタ5の出力信号dは、高周波成分信号cにおける低域側の信号を周波数特性FLによって抽出した信号であり、図3(C)に示す波形となる。出力信号dを低域側高周波成分信号と称することとする。低域側高周波成分信号dは乗算器6に入力される。乗算器6は低域側高周波成分信号dにゲインG1を乗算して、図3(D)に示す補正成分信号eを生成する。ゲインG1は第1実施形態の画質改善装置101による画質改善効果を調整するためのものであり、通常は0を超える1未満の正数である。
遅延器4は、遅延器1より出力された映像信号aをローパスフィルタ5及び乗算器6における処理に要する時間だけさらに遅延させて、映像信号fとする。加算器7には、遅延器4より出力された映像信号fと乗算器6より出力された補正成分信号eとが入力される。映像信号fの波形は図3(A)に示すように映像信号aの波形と同じである。加算器7は、映像信号fに補正成分信号eを加算することによって図3(E)に実線にて示す補正映像信号gを出力する。
第1実施形態の画質改善装置101によれば、従来のエンハンサによって強調する高域成分よりも低域成分(低域側高周波成分信号dの帯域成分)を強調することができるので、エッジの周辺に比較的幅の広いシュート成分が付加されることになる。すると、人が知覚する信号レベルの差が実際の信号レベルの差よりも大きくなり、コントラスト感を向上させることができる。従って、第1実施形態の画質改善装置101によれば、人が知覚するコントラスト感の向上という従来のエンハンサとは異なる画質改善効果を得ることができる。
<第2実施形態>
図4は本発明の画質改善装置の第2実施形態を示すブロック図である。図4に示す第2実施形態の画質改善装置102において、図1に示す第1実施形態の画質改善装置101と同一部分には同一符号を付し、その説明を適宜省略することとする。図4において、ローパスフィルタ5より出力された低域側高周波成分信号dはリミッタ8に入力される。リミッタ8は低域側高周波成分信号dを後述する特性に基づいて制限して低域側高周波成分信号d’として出力する。乗算器6は低域側高周波成分信号d’にゲインG1を乗算して補正成分信号e2を出力する。加算器7は、映像信号fに補正成分信号e2を加算して補正映像信号g2を出力する。
ここで、リミッタ8の制限特性の例について説明する。図5はリミッタ8の制限特性の第1の例である。図5に示す制限特性は、正または負の入力信号(即ち、低域側高周波成分信号d)がしきい値Th1,−Th1までの値であれば入力信号の値をそのまま出力させ、しきい値Th1を超えて値2Th1までの範囲であれば入力信号の値を減衰させ、しきい値−Th1を超えて値−2Th1までの範囲であれば入力信号の値を増幅させ、値2Th1,−2Th1を超えたら0にホールドさせる特性である。この例ではしきい値Th1から値2Th1までの減衰の傾き、しきい値−Th1から値−2Th1までの増幅の傾きを−1としているが、傾きの絶対値を1より小さくしてもよい。
図6はリミッタ8の制限特性の第2の例である。入力信号がしきい値Th2,−Th2では入力信号の値をそのまま出力させ、しきい値Th2を超えてしきい値Th3までの範囲及びしきい値−Th2超えてしきい値−Th3までの範囲では値Th2,−Th2にホールドさせ、しきい値Th3超えて値Th4までの範囲では入力信号の値を減衰させ、しきい値−Th3を超えて値−Th4までの範囲では入力信号の値を増幅させ、値Th4,−Th4超えたら0にホールドさせる特性である。この図6に示す制限特性は、図5の制限特性の出力信号の値を値Th2,−Th2で制限することによって、正及び負方向で三角形状の特性を台形状の特性としたものである。
図7はリミッタ8の制限特性の第3の例である。図7に示す制限特性は、入力信号がしきい値Th5,−Th5までは入力信号の値をそのまま出力させ、しきい値Th5,−Th5を超えたら値Th5,−Th5にホールドさせる特性である。図8はリミッタ8の制限特性の第4の例である。図8に示す制限特性は、入力信号がしきい値Th6,−Th6までは入力信号の値をそのまま出力させ、しきい値Th6を超えたら、0を超える1未満の傾きで入力信号の値を減衰させ、しきい値−Th6を超えたら、0を超える1未満の傾きで入力信号の値を増幅させる特性である。なお、図5〜図8におけるそれぞれのしきい値はローパスフィルタ5より出力される低域側高周波成分信号dの大きさに応じて適宜に設定すればよい。
第2実施形態の画質改善装置102によれば、リミッタ8を設けているので、映像信号a0におけるエッジ部の信号レベルの差が大きい場合に、低域側高周波成分信号dに含まれている不必要な高周波成分を抑制することができ、第1実施形態の画質改善装置101よりも画質改善効果を向上させることが可能である。ローパスフィルタ5で十分なタップ長を確保できない場合には、リミッタ8を設けることが好ましい。なお、図5〜図8の制限特性の中では、図7,図8の制限特性が好ましい。
<第3実施形態>
図9は本発明の画質改善装置の第3実施形態を示すブロック図である。図9に示す第3実施形態の画質改善装置103において、図4に示す第2実施形態の画質改善装置102と実質的に同一部分には同一符号を付し、その説明を適宜省略することとする。第3実施形態の画質改善装置103は第2実施形態の画質改善装置102におけるローパスフィルタ5とリミッタ8との順序を入れ替えたものである。図9において、減算器3より出力された高周波成分信号cはリミッタ8に入力される。リミッタ8は高周波成分信号cを上述した図5〜図8のいずれかの制限特性に基づいて制限して高周波成分信号c’として出力する。
ローパスフィルタ5は入力された高周波成分信号c’における低域側の信号を周波数特性FLによって抽出して、低域側高周波成分信号d3を出力する。乗算器6は低域側高周波成分信号d3にゲインG1を乗算して補正成分信号e3を出力する。加算器7は、映像信号fに補正成分信号e3を加算して補正映像信号g3を出力する。
図10は、画質改善装置103においてリミッタ8の制限特性を図7とした場合の各信号波形を示している。図10(B)に示すように、高周波成分信号cの振幅はしきい値Th5,−Th5で制限されるので、高周波成分信号c’は実線にて示す波形となる。そして、ローパスフィルタ5より出力される低域側高周波成分信号d3は図10(C)に示す通りとなり、乗算器6より出力される補正成分信号e3は図10(D)に示す通りとなる。加算器7より出力される補正映像信号g3は図10(E)に実線にて示す通りとなる。
第3実施形態の画質改善装置103でも、第2実施形態の画質改善装置102と同様の効果を得ることができる。
<第4実施形態>
図11は本発明の画質改善装置の第4実施形態を示すブロック図である。図11に示す第4実施形態の画質改善装置104において、図4に示す第2実施形態の画質改善装置102と実質的に同一部分には同一符号を付し、その説明を適宜省略することとする。図11に示すように、第4実施形態の画質改善装置104は、映像信号の低域成分を強調するための低域画質改善部104Lと、映像信号の高域成分を強調するための高域画質改善部104Hとを並列に設けたものである。ここでは、高域画質改善部104Hは高域成分を強調するとしているが、映像信号の中域成分を含めて高域成分を強調する場合も含むものとする。
図11において、低域画質改善部104Lは第2実施形態の画質改善装置102と同等の構成である。ハイパスフィルタ9とリミッタ10と乗算器11と、低域画質改善部104Lの一部でもある加算器7は、高域画質改善部104Hを構成している。この高域画質改善部104Hは一般的なエンハンサと同等の構成である。低域画質改善部104Lに入力される映像信号は、並列的にハイパスフィルタ9にも入力される。ハイパスフィルタ9の周波数特性FHは図2に示す通りであり、ハイパスフィルタ9は映像信号の高域成分を抽出して、高周波成分信号hをリミッタ10に供給する。リミッタ10の制限特性はリミッタ8のそれと同様であり、入力された高周波成分信号hを制限して高周波成分信号h’として出力する。乗算器11は高周波成分信号h’にゲインG2を乗算して、高域の補正成分信号i4を生成する。
加算器7は、遅延器4より出力された映像信号fに乗算器6より出力された低域の補正成分信号e2と高域の補正成分信号i4とを加算して、補正映像信号g4を出力する。
この第4実施形態の画質改善装置104によれば、低域画質改善部104Lによって低域成分を強調することができるので、コントラスト感を向上させることができ、併せて、高域画質改善部104Hによって高域成分を強調することができるので、鮮鋭感を向上させることができる。従って、第4実施形態の画質改善装置104によれば、従来のエンハンサと比較して、さらに高い画質改善効果を得ることができる。ここでは低域画質改善部104Lを第2実施形態の画質改善装置102と同等の構成としたが、第3実施形態の画質改善装置103と同等の構成としてもよい。また、場合によってはリミッタ8,10を削除してもよい。
<第5実施形態>
図12は本発明の画質改善装置の第5実施形態を示すブロック図である。図12に示す第5実施形態の画質改善装置105において、図4に示す第2実施形態の画質改善装置102及び第4実施形態の画質改善装置104と実質的に同一部分には同一符号を付し、その説明を適宜省略することとする。図12に示すように、第5実施形態の画質改善装置105は、映像信号の高域成分(または中高域成分)を強調するための高域画質改善部105Hと映像信号の低域成分を強調するための低域画質改善部105Lとをこの順で直列に設けたものである。高域画質改善部105Hは、ハイパスフィルタ9,リミッタ10,乗算器11,遅延器12,加算器13を備える。低域画質改善部105Lは画質改善装置102と同等の構成である。
図12において、映像信号a0は遅延器12及びハイパスフィルタ9に入力される。ハイパスフィルタ9は映像信号a0の高域成分を抽出して、高周波成分信号h5をリミッタ10に供給する。リミッタ10は、入力された高周波成分信号h5を制限して高周波成分信号h5’として出力する。乗算器11は高周波成分信号h5’にゲインG2を乗算して、高域の補正成分信号i5を生成する。ゲインG2は0を超える正数であり、1を超える場合もある。遅延器12は、入力された映像信号a0をハイパスフィルタ9とリミッタ10と乗算器11における処理に要する時間だけ遅延させて映像信号j5とする。加算器13は、映像信号j5に補正成分信号i5を加算して高域成分が強調された映像信号k5を出力する。
この高域成分が強調された映像信号k5は低域画質改善部105Lに入力される。遅延器1は映像信号k5を遅延させて映像信号a5とし、遅延器4は映像信号a5を遅延させて映像信号f5とする。ガウシアンフィルタ2は映像信号k5から低周波成分信号b5を抽出し、減算器3は高周波成分信号c5を出力する。ローパスフィルタ5は高周波成分信号c5から低域側高周波成分信号d5を抽出する。リミッタ8は低域側高周波成分信号d5を制限して低域側高周波成分信号d5’とする。乗算器6は低域側高周波成分信号d5’にゲインG1を乗算して補正成分信号e5を生成する。加算器7は、映像信号f5に補正成分信号e5を加算して、高域成分及び低域成分の双方が強調された映像信号g5を出力する。
この第5実施形態の画質改善装置105によれば、第4実施形態の画質改善装置104と同様の効果を得ることができる。ここでも低域画質改善部105Lを第2実施形態の画質改善装置102と同等の構成としたが、第3実施形態の画質改善装置103と同等の構成としてもよい。また、場合によってはリミッタ8,10を削除してもよい。
<第6実施形態>
図13は本発明の画質改善装置の第6実施形態を示すブロック図である。図13に示す第6実施形態の画質改善装置105において、図4に示す第2実施形態の画質改善装置102及び第5実施形態の画質改善装置105と実質的に同一部分には同一符号を付し、その説明を適宜省略することとする。図13に示すように、第6実施形態の画質改善装置106は、映像信号の低域成分を強調するための低域画質改善部106Lと映像信号の高域成分(または中高域成分)を強調するための高域画質改善部106Hとをこの順で直列に設けたものである。
図13において、低域画質改善部106Lの加算器7より出力された低域成分が強調された補正映像信号gは高域画質改善部106Hに入力される。遅延器12は、入力された映像信号gをハイパスフィルタ9とリミッタ10と乗算器11における処理に要する時間だけ遅延させて映像信号j6とする。ハイパスフィルタ9は映像信号gの高域成分を抽出して、高周波成分信号h6をリミッタ10に供給する。リミッタ10は、入力された高周波成分信号h6を制限して高周波成分信号h6’として出力する。乗算器11は高周波成分信号h6’にゲインG2を乗算して、高域の補正成分信号i6を生成する。加算器13は、映像信号j6に補正成分信号i6を加算して低域成分及び高域成分の双方が強調された映像信号k6を出力する。
この第6実施形態の画質改善装置106によれば、第4実施形態の画質改善装置104や第5実施形態の画質改善装置105と同様の効果を得ることができる。ここでも低域画質改善部106Lを第2実施形態の画質改善装置102と同等の構成としたが、第3実施形態の画質改善装置103と同等の構成としてもよい。また、場合によってはリミッタ8,10を削除してもよい。
本発明は以上説明した本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。本発明はハードウェアで構成してもよく、ソフトウェアで構成してもよい。また、両者を混在させて構成してもよい。
本発明の第1実施形態を示すブロック図である。 各実施形態で用いる各フィルタの周波数特性を示す図である。 第1実施形態を説明するための波形図である。 本発明の第2実施形態を示すブロック図である。 各実施形態で用いるリミッタの制限特性の第1の例を示す図である。 各実施形態で用いるリミッタの制限特性の第2の例を示す図である。 各実施形態で用いるリミッタの制限特性の第3の例を示す図である。 各実施形態で用いるリミッタの制限特性の第4の例を示す図である。 本発明の第3実施形態を示すブロック図である。 第3実施形態を説明するための波形図である。 本発明の第4実施形態を示すブロック図である。 本発明の第5実施形態を示すブロック図である。 本発明の第6実施形態を示すブロック図である。
符号の説明
1,4,12 遅延器
2 ガウシアンフィルタ
3 減算器
5 ローパスフィルタ
6,11 乗算器
7,13 加算器
8,10 リミッタ
9 ハイパスフィルタ
101〜 106 画質改善装置
104L,105L,106L 低域画質改善部
104H,105H,106H 高域画質改善部

Claims (16)

  1. 第1の遮断周波数を有し、入力された映像信号の低周波成分信号を抽出する第1のローパスフィルタと、
    前記入力された映像信号より前記低周波成分信号を減算して、第1の高周波成分信号を抽出する減算器と、
    前記第1の遮断周波数よりも高い第2の遮断周波数を有し、前記第1の高周波成分信号における低域側の信号である低域側高周波成分信号を抽出する第2のローパスフィルタと、
    前記低域側高周波成分信号に第1のゲインを乗算して、第1の補正成分信号を生成する第1の乗算器と、
    前記入力された映像信号より第2の高周波成分信号を抽出するハイパスフィルタと、
    前記第2の高周波成分信号に第2のゲインを乗算して、第2の補正成分信号を生成する第2の乗算器と、
    前記入力された映像信号に前記第1及び第2の補正成分信号を加算する加算器と
    を備えることを特徴とする画質改善装置。
  2. 入力された映像信号より第1の高周波成分信号を抽出するハイパスフィルタと、
    前記第1の高周波成分信号に第1のゲインを乗算して、第1の補正成分信号を生成する第1の乗算器と、
    前記入力された映像信号に前記第1の補正成分信号を加算する第1の加算器と、
    第1の遮断周波数を有し、前記加算器より出力された映像信号の低周波成分信号を抽出する第1のローパスフィルタと、
    前記加算器より出力された映像信号より前記低周波成分信号を減算して、第2の高周波成分信号を抽出する減算器と、
    前記第1の遮断周波数よりも高い第2の遮断周波数を有し、前記第2の高周波成分信号における低域側の信号である低域側高周波成分信号を抽出する第2のローパスフィルタと、
    前記低域側高周波成分信号に第2のゲインを乗算して、第2の補正成分信号を生成する第2の乗算器と、
    前記第1の加算器より出力された映像信号に前記第2の補正成分信号を加算する第2の加算器と
    を備えることを特徴とする画質改善装置。
  3. 第1の遮断周波数を有し、入力された映像信号の低周波成分信号を抽出する第1のローパスフィルタと、
    前記入力された映像信号より前記低周波成分信号を減算して、第1の高周波成分信号を抽出する減算器と、
    前記第1の遮断周波数よりも高い第2の遮断周波数を有し、前記第1の高周波成分信号における低域側の信号である低域側高周波成分信号を抽出する第2のローパスフィルタと、
    前記低域側高周波成分信号に第1のゲインを乗算して、第1の補正成分信号を生成する第1の乗算器と、
    前記入力された映像信号に前記第1の補正成分信号を加算する第1の加算器と、
    前記第1の加算器より出力された映像信号より第2の高周波成分信号を抽出するハイパスフィルタと、
    前記第2の高周波成分信号に第2のゲインを乗算して、第2の補正成分信号を生成する第2の乗算器と、
    前記第1の加算器より出力された映像信号に前記第2の補正成分信号を加算する第2の加算器と
    を備えることを特徴とする画質改善装置。
  4. 前記第1のローパスフィルタはガウシアンフィルタであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画質改善装置。
  5. 前記第2のローパスフィルタの後段に、前記低域側高周波成分信号の値を所定の制限特性で制限して前記第1の乗算器に供給する第1のリミッタを備えることを特徴とする請求項1または3に記載の画質改善装置。
  6. 前記第2のローパスフィルタの後段に、前記低域側高周波成分信号の値を所定の制限特性で制限して前記第2の乗算器に供給する第1のリミッタを備えることを特徴とする請求項2記載の画質改善装置。
  7. 前記減算器の後段に、前記第1の高周波成分信号の値を所定の制限特性で制限して前記第2のローパスフィルタに供給する第1のリミッタを備えることを特徴とする請求項1または3に記載の画質改善装置。
  8. 前記減算器の後段に、前記第2の高周波成分信号の値を所定の制限特性で制限して前記第2のローパスフィルタに供給する第1のリミッタを備えることを特徴とする請求項2記載の画質改善装置。
  9. 前記ハイパスフィルタの後段に、前記第2の高周波成分信号の値を所定の制限特性で制限して前記第2の乗算器に供給する第2のリミッタを備えることを特徴とする請求項1または3に記載の画質改善装置。
  10. 前記ハイパスフィルタの後段に、前記第1の高周波成分信号の値を所定の制限特性で制限して前記第1の乗算器に供給する第2のリミッタを備えることを特徴とする請求項2記載の画質改善装置。
  11. 第1の遮断周波数を有する第1のローパスフィルタによって映像信号の低周波成分信号を抽出する第1のステップと、
    前記映像信号より前記低周波成分信号を減算して、高周波成分信号を抽出する第2のステップと、
    前記第1の遮断周波数よりも高い第2の遮断周波数を有する第2のローパスフィルタによって前記高周波成分信号における低域側の信号である低域側高周波成分信号を抽出する第3のステップと、
    前記低域側高周波成分信号に所定のゲインを乗算して、第1の補正成分信号を生成する第4のステップと、
    前記映像信号に前記第1の補正成分信号を加算して、前記映像信号の帯域における前記低域側高周波成分信号の帯域成分が強調された補正映像信号を出力する第5のステップと、
    前記映像信号の帯域における高域成分を強調するための第2の補正成分信号を生成する第6のステップと
    を含み、
    前記第5のステップは、前記映像信号に前記第1及び第2の補正成分信号の双方を加算して、前記低域側高周波成分信号の帯域成分及び前記高域成分が強調された補正映像信号を出力することを特徴とする画質改善方法。
  12. 第1の遮断周波数を有する第1のローパスフィルタによって映像信号の低周波成分信号を抽出する第1のステップと、
    前記映像信号より前記低周波成分信号を減算して、高周波成分信号を抽出する第2のステップと、
    前記第1の遮断周波数よりも高い第2の遮断周波数を有する第2のローパスフィルタによって前記高周波成分信号における低域側の信号である低域側高周波成分信号を抽出する第3のステップと、
    前記低域側高周波成分信号に所定のゲインを乗算して、第1の補正成分信号を生成する第4のステップと、
    前記映像信号に前記第1の補正成分信号を加算して、前記映像信号の帯域における前記低域側高周波成分信号の帯域成分が強調された補正映像信号を出力する第5のステップと、
    前記映像信号の帯域における高域成分を強調するための第2の補正成分信号を生成する第6のステップと、
    前記映像信号に前記第2の補正成分信号を加算して、前記映像信号の帯域における前記高域成分が強調された補正映像信号を出力する第7のステップと
    を含み、
    前記第1〜第5のステップを、前記第6及び第7のステップの後段で行うことを特徴とする記載の画質改善方法。
  13. 第1の遮断周波数を有する第1のローパスフィルタによって映像信号の低周波成分信号を抽出する第1のステップと、
    前記映像信号より前記低周波成分信号を減算して、高周波成分信号を抽出する第2のステップと、
    前記第1の遮断周波数よりも高い第2の遮断周波数を有する第2のローパスフィルタによって前記高周波成分信号における低域側の信号である低域側高周波成分信号を抽出する第3のステップと、
    前記低域側高周波成分信号に所定のゲインを乗算して、第1の補正成分信号を生成する第4のステップと、
    前記映像信号に前記第1の補正成分信号を加算して、前記映像信号の帯域における前記低域側高周波成分信号の帯域成分が強調された補正映像信号を出力する第5のステップと、
    前記映像信号の帯域における高域成分を強調するための第2の補正成分信号を生成する第6のステップと、
    前記映像信号に前記第2の補正成分信号を加算して、前記映像信号の帯域における前記高域成分が強調された補正映像信号を出力する第7のステップと
    を含み、
    前記第1〜第5のステップを、前記第6及び第7のステップの前段で行うことを特徴とする画質改善方法。
  14. 前記第1のローパスフィルタはガウシアンフィルタであることを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載の画質改善方法。
  15. 前記低域側高周波成分信号または前記高周波成分信号の値を所定の制限特性で制限する第7のステップを含むことを特徴とする請求項11記載の画質改善方法。
  16. 前記低域側高周波成分信号または前記高周波成分信号の値を所定の制限特性で制限する第8のステップを含むことを特徴とする請求項12または13に記載の画質改善方法。
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