JP4450944B2 - パーフルオロカーボンの回収方法及び分解方法 - Google Patents

パーフルオロカーボンの回収方法及び分解方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はパーフルオロカーボンの回収方法及び分解方法に関する。さらに詳細には半導体製造工程から排出される排ガスに含まれる二重結合を有するパーフルオロカーボンを回収する方法及び分解する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造工業においては、ドライエッチング装置のエッチングガスやCVD装置のチャンバークリーニングガス等として、CF、C等のパーフルオロカーボンが使用されている。これらのパーフルオロカーボンは非常に安定な化合物であり地球温暖化に対する影響が大きいため、大気に放出した場合の環境への悪影響が懸念されている。従って、半導体製造工程から排出される排ガスに含まれるこれらのパーフルオロカーボンは、回収するかあるいは分解して大気に放出することが好ましい。
【0003】
また、CF、C等のパーフルオロカーボンの代替として、エッチング特性が優れているC、C等の二重結合を有するパーフルオロカーボンの使用も検討されている。二重結合を有するパーフルオロカーボンは、地球温暖化に対する影響がCF、C等の二重結合を有しないパーフルオロカーボンと比較して小さいが、無視できるほどに小さいものではない。また、二重結合を有するパーフルオロカーボンは毒性が高く、大気にそのまま放出した場合は人体及び環境に悪影響を与えるので、半導体製造工程で使用した後は、回収するかあるいは分解する必要がある。
【0004】
従来から使用されているCF、C等の二重結合を有しないパーフルオロカーボンを、エッチングガスやチャンバークリーニングガス等として用いた後の排ガスは、通常、窒素、アルゴン、ヘリウム等のキャリアガスを主成分とし、前記パーフルオロカーボンの他、F、SiF等の酸性ガスが含まれることが多い。また、排ガスに含まれるこれらのパーフルオロカーボンの濃度は、通常10〜5000ppm程度である。このように排ガスに含まれるパーフルオロカーボンの濃度が比較的低いため、これらの処理には、ランニングコストがより安い分解が多く試みられてきた。
【0005】
従来から、パーフルオロカーボンを回収する方法としては、例えば、▲1▼ポリ4−メチルペンテン−1あるいはポリスルホンを主体とする高分子から成る気体分離膜に弗素化合物を含む気体混合物を接触させて、弗素化合物以外の気体成分を透過させることにより弗素化合物を分離濃縮する方法(特開平10−263376号公報)、▲2▼排ガスに含まれる弗化物以外の不純物をあらかじめ除去した後、弗化物を比表面積1100〜1400m、細孔容積0.65〜0.99cc/gの活性炭に吸着させて排ガスから分離回収する方法(特開2000−15056号公報)等が開発されている。
【0006】
また、パーフルオロカーボンを分解する方法としては、例えば、▲3▼パーフルオロカーボンの気体を、炭素質固体材料とアルカリ土類金属化合物とから成る反応剤に、300℃以上の温度でかつ20vol%以下の気体酸素の存在下で接触させる方法(特開平10−15349号公報)、▲4▼ガス状の含弗素化合物を、4A族、5A族、6A族、7A族、8族、1B族、及び3B族から選ばれる少なくとも一種の金属が担体に担持された触媒の存在下で、分子状酸素及び水と接触させる方法(特開平10−286439号公報)、▲5▼酸素及び水共存下において、300〜1000℃に加熱された、アルミナ系触媒と含シリカ混合材とを混合して成る触媒層を通過させる方法(特開2000−15060号公報)等が開発されている。
【0007】
CF、C等の二重結合を有しないパーフルオロカーボンの処理方法については、上述のように種々の回収方法または分解方法が提案されている。しかしながら、いまだ満足すべき処理技術に達していない。また、C、C等の二重結合を有するパーフルオロカーボンの処理方法については、現在まで検討が行なわれておらず、上述CF、C等の処理方法の応用の可能性も明らかではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、CF、C等の二重結合を有しないパーフルオロカーボンの処理において、前記▲1▼の回収方法では、気体分離膜がつまるために連続的な処理を行なうことができないほか、分離濃縮後の弗素化合物の濃縮率が不充分であるという不都合があった。また、▲2▼の回収方法においては、活性炭への吸着率が不充分であるという不都合があった。
また、▲3▼、▲4▼、▲5▼の分解方法においても、半導体製造工程から排出される排ガスに含まれるパーフルオロカーボンをほぼ100%分解するためには1000℃近い温度に加熱することが必要であり、またパーフルオロカーボンの濃度が低いので、分解処理のエネルギー効率が悪く、パーフルオロカーボンの処理量に対する分解装置の負荷等の割合が大きいという不都合があった。
【0009】
さらに、従来のいずれの回収方法または分解方法においても、パーフルオロカーボンを処理するための大がかりな装置や配管が必要であり、排ガス処理ラインが複雑な構成とならないような方法が望まれていた。
従って、本発明が解決しようとする課題は、パーフルオロカーボンを含む排ガスから効率よくパーフルオロカーボンを回収することが可能なパーフルオロカーボンの回収方法、及びパーフルオロカーボンの分解処理の際のエネルギー効率が高く、分解装置の負荷を小さくすることが可能なパーフルオロカーボンの分解方法、さらに排ガス処理ラインを簡単な構成とすることが可能なパーフルオロカーボンの回収方法及び分解方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これらの課題を解決すべく鋭意検討した結果、ゼオライト、シリカゲル、金属酸化物等の吸着剤が、選択的に二重結合を有するパーフルオロカーボンを吸着し、また容易にこのパーフルオロカーボンを吸着剤から脱着させることも可能であることを見い出し本発明のパーフルオロカーボンの回収方法に到達した。
また、本発明者らは、排ガスに含まれる低濃度の二重結合を有するパーフルオロカーボンを、一旦吸着剤に吸着させて排ガスから分離し、次に脱着させて濃縮された状態にした後、分解装置に導入することにより、分解処理の際のエネルギー効率が向上し、分解装置の負荷を小さくすることが可能であることを見い出し本発明のパーフルオロカーボンの分解方法に到達した。
【0011】
さらに、本発明者らは、排ガス処理ラインおいて、排ガスに含まれる二重結合を有するパーフルオロカーボンを、可搬式の吸着筒に充填された吸着剤に吸着させた後、この吸着筒を排ガス処理ラインから切り離し、排ガス処理ラインとは別に設けられた回収装置または分解装置に装着して、回収または分解する方法をとることにより、半導体製造ラインに付帯する排ガス処理ラインを簡単な構成とすることが可能であることを見い出し本発明に到達した。
【0012】
すなわち本発明は、二重結合を有するパーフルオロカーボンを含む排ガスを、あらかじめ酸性ガス浄化剤と接触させて酸性ガスを除去した後、ゼオライト、シリカゲル、及び金属酸化物から選ばれる1種の吸着剤と接触させて、該パーフルオロカーボンを該吸着剤に吸着させることにより、該排ガスから該パーフルオロカーボンを分離し、次に該パーフルオロカーボンを該吸着剤から脱着させて回収することを特徴とするパーフルオロカーボンの回収方法である。
【0013】
また、本発明は、半導体製造工程の排ガス処理ラインにおいて、二重結合を有するパーフルオロカーボンを含む排ガスを、あらかじめ酸性ガス浄化剤と接触させて酸性ガスを除去した後、可搬式の吸着筒に充填された、ゼオライト、シリカゲル、及び金属酸化物から選ばれる1種の吸着剤と接触させて、該パーフルオロカーボンを該吸着剤に吸着させることにより、該排ガスから該パーフルオロカーボンを分離した後、該吸着筒を該排ガス処理ラインから切り離して該排ガス処理ラインとは別に設けられた回収装置に装着し、次に該パーフルオロカーボンを該吸着筒の吸着剤から脱着させて回収することを特徴とするパーフルオロカーボンの回収方法でもある。
【0014】
また、本発明は、二重結合を有するパーフルオロカーボンを含む排ガスを、あらかじめ酸性ガス浄化剤と接触させて酸性ガスを除去した後、ゼオライト、シリカゲル、及び金属酸化物から選ばれる1種の吸着剤と接触させて、該パーフルオロカーボンを該吸着剤に吸着させることにより、該排ガスから該パーフルオロカーボンを分離し、次に該パーフルオロカーボンを該吸着剤から脱着させて、燃焼、加熱、または加熱するとともに分解触媒と接触させることにより、該パーフルオロカーボンを分解することを特徴とするパーフルオロカーボンの分解方法でもある。
【0015】
さらに、本発明は、半導体製造工程の排ガス処理ラインにおいて、二重結合を有するパーフルオロカーボンを含む排ガスを、あらかじめ酸性ガス浄化剤と接触させて酸性ガスを除去した後、可搬式の吸着筒に充填された、ゼオライト、シリカゲル、及び金属酸化物から選ばれる1種の吸着剤と接触させて、該パーフルオロカーボンを該吸着剤に吸着させることにより、該排ガスから該パーフルオロカーボンを分離した後、該吸着筒を該排ガス処理ラインから切り離して該排ガス処理ラインとは別に設けられた分解装置に装着し、次に該パーフルオロカーボンを該吸着剤から脱着させて、燃焼、加熱、または加熱するとともに分解触媒と接触させることにより、該パーフルオロカーボンを分解することを特徴とするパーフルオロカーボンの分解方法でもある。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明のパーフルオロカーボンの回収方法及び分解方法は、窒素、アルゴン、ヘリウム等のガス中に、C、C等の二重結合を有するパーフルオロカーボンの一種以上を含有する排ガスの回収及び分解に適用される。
本発明のパーフルオロカーボンの回収方法は、二重結合を有するパーフルオロカーボンを含む排ガスを、ゼオライト等の吸着剤と接触させてこれらのパーフルオロカーボンを吸着剤に吸着させることにより、排ガスからパーフルオロカーボンを分離し、次にこれらのパーフルオロカーボンを加熱等により吸着剤から脱着させて回収する方法である。
【0017】
また、本発明のパーフルオロカーボンの分解方法は、二重結合を有するパーフルオロカーボンを含む排ガスを、ゼオライト等の吸着剤と接触させてこれらのパーフルオロカーボンを吸着剤に吸着させることにより、排ガスからパーフルオロカーボンを分離し、次にこれらのパーフルオロカーボンを加熱等により吸着剤から脱着させ、さらに燃焼、加熱、または加熱するとともに分解触媒と接触させることによりパーフルオロカーボンを分解する方法である。
【0018】
さらに、本発明のパーフルオロカーボンの回収方法及び分解方法は、半導体製造工程の排ガス処理ラインにおいて、可搬式の吸着筒を用いて、前記のように排ガスに含まれる二重結合を有するパーフルオロカーボンを吸着剤に吸着させることにより、排ガスからパーフルオロカーボンを分離した後、この可搬式の吸着筒を排ガス処理ラインから切り離して、排ガス処理ラインとは別に設けられた回収装置または分解装置に装着し、パーフルオロカーボンを回収または分解する方法でもある。
【0019】
本発明において、回収及び分解の対象である二重結合を有するパーフルオロカーボンは、C、C、C10、C、C等、アルケンあるいはシクロアルケンの水素原子が全て弗素原子で置換されたパーフルオロカーボンである。
また、本発明においては、二重結合を有するパーフルオロカーボンとともに酸性ガスを含むガスも回収及び分解の対象ガスとされる。すなわち、二重結合を有するパーフルオロカーボンが、ドライエッチング装置のエッチングガスやCVD装置のチャンバークリーニングガスとして使用された場合、排ガス中にはパーフルオロカーボンとともにF、SiF等の酸性ガスが含まれることが多い。
【0020】
本発明において、排ガスがこれらの酸性ガスを含む場合は、酸性ガスによっては吸着剤と反応を起こす虞があるので、二重結合を有するパーフルオロカーボンを吸着剤に吸着させる前に、あらかじめ排ガスを酸性ガス浄化剤と接触させて酸性ガスを除去しておく必要がある。本発明に使用可能な酸性ガス浄化剤としては、従来から公知のものを使用することができるが、例えば、水酸化ストロンチウム及び酸化鉄を主成分とする組成物から成る浄化剤(特開平7−308538号公報)や、酸化銅(II)及び酸化マンガン(IV)を主成分とする金属酸化物に蟻酸ナトリウムを添着せしめて成る浄化剤(特開平9−234337号公報)を挙げることができる。
【0021】
本発明のパーフルオロカーボンの回収方法及び分解方法に用いられる吸着剤としては、ゼオライト、シリカゲルや、アルミナ、マグネシア、チタニア等の金属酸化物を使用することができる。ゼオライト、シリカゲル、金属酸化物の中ではゼオライトが好ましく、さらに二重結合を有するパーフルオロカーボンの吸着性が優れている点で、細孔径が4〜10Åの合成ゼオライトを用いることが好ましい。このような合成ゼオライトとしては、例えば、モレキュラーシーブ4A、5A、13X(米国、ユニオンカーバイド社製)等の市販のものを使用することができる。
【0022】
本発明における二重結合を有するパーフルオロカーボンの吸着は、通常はゼオライト等の吸着剤が充填された吸着筒に、二重結合を有するパーフルオロカーボンを含む排ガスを流すことによって行なわれる。本発明に使用される吸着筒としては、従来から使用されているものを用いることができるが、二重結合を有するパーフルオロカーボンを吸着させた後に排ガス処理ラインから切り離し、排ガス処理ラインとは別に設けられた回収装置または分解装置に装着して、回収または分解することができる可搬式のものも用いることもできる。尚、本発明における可搬式の吸着筒は、排ガス処理ラインから切り離すための特別な構成を有する吸着筒に限定されることがなく、容易に排ガス処理ラインから切り離すことができ、安全に移動させることが可能な吸着筒であれば本発明に含まれるものである。また、可搬式の吸着筒は、ヒーターが取り付けられたものであっても取り付けられていないものであってもよい。
【0023】
吸着筒に充填される吸着剤の充填長は実用上50〜1000mm程度である。充填長が50mmより短い場合は、二重結合を有するパーフルオロカーボンの吸着率が低下し、充填長が1000mmより長い場合は、圧力損失が大きくなる不都合を生じる。吸着筒を流れる排ガスの空筒線速度は、排ガスに含まれる二重結合を有するパーフルオロカーボンの濃度や吸着剤等によって異なり一概に限定はできないが、通常は100cm/sec以下、好ましくは30cm/sec以下である。また、二重結合を有するパーフルオロカーボンを吸着剤に吸着させる際の圧力は、通常は0.05〜0.5MPa(abs)であり、温度は、通常は0〜70℃である。
【0024】
二重結合を有するパーフルオロカーボンの脱着は、通常は少量のキャリアガスを流通させながら、吸着筒の加熱、吸着筒内の減圧、あるいはその両方を施すことにより行なわれる。キャリアガスは、通常は窒素、アルゴン、ヘリウム等である。加熱温度、圧力は二重結合を有するパーフルオロカーボンの種類等によって異なるが、圧力は、通常は0.001〜0.05MPa(abs)であり、温度は、通常は50〜350℃である。吸着剤から脱着した二重結合を有するパーフルオロカーボンは、従来の技術により分離精製した後、そのまま再利用することも可能であり、気体の状態あるいは液化して貯蔵することも可能である。
【0025】
また、本発明においては、前述のように二重結合を有するパーフルオロカーボンを吸着剤から脱着した後、空気あるいは酸素を含むガスを添加し、分解装置で燃焼、加熱、または加熱するとともに分解触媒と接触させることにより分解して大気に放出することもできる。尚、二重結合を有するパーフルオロカーボンを分解する際は、分解装置の負荷を小さくするために、二重結合を有するパーフルオロカーボンの濃度が1000ppm以上となるように空気あるいは酸素を含むガスを添加して効率よく分解することが好ましい。
【0026】
本発明において、二重結合を有するパーフルオロカーボンの分解は、従来から公知の方法により行なうことができる。例えば、脱着した二重結合を有するパーフルオロカーボンを含むガスを、メタン、プロパン等を用いた焼却炉の火炎中に導入して450℃以上の温度で燃焼させる方法、二重結合を有するパーフルオロカーボンに、空気または酸素、あるいは空気または酸素とともに水分を含む混合ガスを添加して、650℃以上の温度で加熱する方法、前述の従来技術▲3▼、▲4▼、▲5▼の分解方法を利用することができる。
【0027】
次に、本発明のパーフルオロカーボンの回収方法及び分解方法を図1〜図3に基いて説明するが、本発明がこれらにより限定されるものではない。
【0028】
図1は、本発明のパーフルオロカーボンの回収方法を実施するための排ガス処理ラインの一例を示す構成図である。図1において、二重結合を有するパーフルオロカーボンを含む排ガスは、半導体製造装置からパーフルオロカーボン排出ライン1、ポンプ2を経て、酸性ガス浄化剤が充填された酸性ガス浄化筒3に導入される。浄化筒3で酸性ガスが除去された排ガスは、次に吸着剤が充填された吸着筒4に導入され、排ガス中の二重結合を有するパーフルオロカーボンが吸着剤に吸着される。その後、排ガスはバルブ14を経て、排ガスライン6に導かれる。
【0029】
半導体製造終了後、または半導体製造装置のクリーニング終了後は、バルブ12、14を閉にするとともにバルブ13を開にして、ガス流路をコールドトラップ9側に切り換える。次に真空ポンプ8を稼動させながら、吸着筒4を加熱するとともにキャリアガス供給ライン11から少量のキャリアガスを供給することにより二重結合を有するパーフルオロカーボンを脱着させ、バルブ13、真空ポンプ8を経由させて、コールドトラップ9に二重結合を有するパーフルオロカーボンを回収することができる。
【0030】
尚、図1の浄化筒及び吸着筒を、図2のように各々2筒ずつ並列に配置して、浄化筒は一方の浄化筒を使用している間に他方の浄化筒を新たなものと交換して交互に使用し、吸着筒は一方の吸着筒で吸着を行なっている間に他方の吸着筒で脱着を行なうことにより長時間連続して回収処理を行なうこともできる。
【0031】
図2は、本発明のパーフルオロカーボンの分解方法を実施するための排ガス処理ラインの一例を示す構成図である。この分解装置においては、浄化筒及び吸着筒が各々2筒ずつ並列に配置されており、長時間連続して分解を行なうことが可能である。図2において、酸性ガス及び二重結合を有するパーフルオロカーボンを含む排ガスは、図1の排ガス処理ラインと同様に、半導体製造装置からパーフルオロカーボン排出ライン1、ポンプ2、バルブ9を経て、酸性ガス浄化剤が充填された酸性ガス浄化筒3aに導入される。浄化筒3aで酸性ガスが除去された排ガスは、バルブ20a、22aを経て、吸着剤が充填された吸着筒4aに導入され、排ガス中の二重結合を有するパーフルオロカーボンが吸着剤に吸着される。その後、排ガスは排ガスライン6に導かれる。
【0032】
吸着筒4aの吸着剤が、二重結合を有するパーフルオロカーボンを吸着し飽和状態近傍に達した時点で、ガスの流路が吸着筒4aから吸着筒4b側に切り換えられ、引き続いて吸着筒4bで吸着処理が行なわれる。次に、二重結合を有するパーフルオロカーボンの分解を行なう際には、バルブ21aを開にし、吸着筒4aを加熱するとともにバルブ23aを開にして空気供給ライン12から空気を供給し、二重結合を有するパーフルオロカーボンを吸着剤から脱着させて、あらかじめ所定の温度に昇温した分解筒10に導入して分解する。二重結合を有するパーフルオロカーボンの分解終了後は、吸着筒4aが常温に戻されるとともにバルブ21a、バルブ23aが閉にされ、次の切り換えに備えられる。
【0033】
本発明のパーフルオロカーボンの分解方法においては、空気の流量、吸着筒4aまたは4bの加熱温度等を調整することにより、分解筒10に導入されるガス中の二重結合を有するパーフルオロカーボンを高い濃度にすることができるので、分解処理の際のエネルギー効率を向上させて、分解筒10の熱量負荷を小さくすることが可能である。尚、浄化筒及び吸着筒を、図1のように各々1筒ずつ直列に配置して使用することもできる。
【0034】
図3は、本発明のパーフルオロカーボンの回収方法及び分解方法において、可搬式の吸着筒を使用して二重結合を有するパーフルオロカーボンの吸着を行ない、吸着終了後、この可搬式の吸着筒を排ガス処理ラインから切り離して、排ガス処理ラインとは別の装置で回収または分解を行なう場合における排ガス処理ラインの一例を示す構成図である。図3において、5a及び5bは排ガス処理ラインから容易に切り離すことができるように設定されている可搬式の吸着筒である。
【0035】
図3において、酸性ガス及び二重結合を有するパーフルオロカーボンを含む排ガスは、図1及び図2の排ガス処理ラインと同様に、半導体製造装置からパーフルオロカーボン排出ライン1、ポンプ2を経て、酸性ガス浄化剤が充填された酸性ガス浄化筒3aに導入される。浄化筒3aで酸性ガスが除去された排ガスは、次に吸着剤が充填された可搬式の吸着筒5aに導入され、排ガス中の二重結合を有するパーフルオロカーボンが吸着剤に吸着される。その後、排ガスは排ガスライン6に導かれる。
【0036】
可搬式の吸着筒5aの吸着剤が二重結合を有するパーフルオロカーボンを吸着し飽和状態近傍に達した時点で、排ガスの流路が可搬式の吸着筒5aから可搬式の吸着筒5b側に切り換えられる。このようにして二重結合を有するパーフルオロカーボンの吸着は引続き可搬式の吸着筒5bで行なわれる。次に可搬式の吸着筒5aが排ガス処理ラインから切り離されるとともに、可搬式の吸着筒5aに替えて新たな可搬式の吸着筒が備えられる。前記可搬式の吸着筒5aに吸着された二重結合を有するパーフルオロカーボンは、半導体製造ラインに付帯して設けられた排ガス処理ラインとは別に設けられた装置により回収または分解される。
【0037】
本発明の回収方法及び分解方法においては、このように二重結合を有するパーフルオロカーボンの回収または分解を、半導体製造ラインに付帯して設けられた排ガス処理ラインで行なわない方法をとることができるので、半導体製造ラインに付帯して設けられた排ガス処理ラインを簡単な構成とすることも可能である。尚、浄化筒及び吸着筒を、図1のように各々1筒ずつ直列に配置して使用することもできる。
【0038】
【実施例】
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明がこれらにより限定されるものではない。
【0039】
実施例1
(回収試験の準備)
内径40mm、長さ200mmの石英ガラス製の酸性ガス浄化筒、内径40mm、長さ200mmの石英ガラス製の吸着筒、コールドトラップ等から成る図1のような排ガス処理ラインを製作した。
酸性ガス浄化剤として、二酸化マンガン、酸化銅、及び酸化カリウムから成る市販のホプカライト(日産ガードラー(株)製、直径1.5mm、長さ3〜10mmの押し出し成型品)100重量部に対して、ギ酸ナトリウムを無水物として、26.4重量部担持させた浄化剤を調製したものを用いた。また、吸着剤としては、直径1.6mm、長さ3〜10mmのモレキュラーシーブ5A(米国、ユニオンカーバイド社製、ゼオライト)を用いた。
【0040】
酸性ガス浄化剤125.7mlを酸性ガス浄化筒に充填し、吸着剤62.8mlを吸着筒に充填した後、この吸着筒を250℃で加熱するとともに、窒素ガスをパーフルオロカーボン排出ライン1から酸性ガス浄化筒3、吸着筒4、排ガスライン6へ2L/minの流量で3時間にわたり通気し、その後、吸着筒を常温まで冷却した。また、窒素ガスをバルブ13、コールドトラップ9側にも流通させて窒素ガスで置換した後、ガスの流通ラインを吸着筒4、排ガスライン6側に切り換えた。
【0041】
(吸着剤によるパーフルオロカーボン吸着量の測定)
次に、乾燥窒素中にC500ppm、F1000ppm、SiF500ppmを含有するガスを、20℃、常圧下、2.0L/minの流量で、パーフルオロカーボン排出ライン1から流通させるとともに、浄化筒の出口ガスの一部を30分毎にサンプリングし、Fについてガス検知管(検知下限2.5ppm)を用いて、SiFについてFT−IR(検知下限1ppm)を用いて検知を行なった。また、吸着筒の出口ガスの一部も30分毎にサンプリングし、CついてFT−IR(検知下限0.5ppm)を用いて検知を行なった。その結果、Cを含有するガスを流通させてから12.5時間経過後に吸着剤が飽和状態になり、Cを検出したのでガスの供給を中止した。以上の測定より、吸着剤1L当たりのCの吸着量を計算した結果を表1に示す。尚、この間、浄化筒の出口ガスからF及びSiFは検出されなかった。
【0042】
の吸着終了後、バルブ12、14を閉にするとともにバルブ13、16,18を開とした。次に真空ポンプ8を稼動させながら、吸着筒4を150℃で加熱するとともにキャリアガス供給ライン11から窒素を2L/minの流量で供給することによりCを脱着させて、コールドトラップ9にCを回収した。その後、窒素ガスをパーフルオロカーボン排出ライン1、酸性ガス浄化筒3、吸着筒4、排ガスライン6側に流通させるとともに吸着筒4を常温まで冷却した。
【0043】
(パーフルオロカーボンの回収率の測定)
次に再度、乾燥窒素中にC500ppm、F1000ppm、SiF500ppmを含有するガスを、20℃、常圧下、2.0L/minの流量で、10時間にわたりパーフルオロカーボン排出ライン1から酸性ガス浄化筒3、吸着筒4、排ガスライン6へ流通させてCを吸着剤に吸着させた。この間、浄化筒の出口ガスの一部を30分の間隔でサンプリングし、F及びSiFについて検知を行なったが、両者共検出されなかった。Cの吸着終了後、バルブ12、14を閉にするとともにバルブ13、16,18を開とした。
【0044】
次に真空ポンプ8を稼動させながら、吸着筒4を150℃で加熱するとともにキャリアガス供給ライン11から窒素を2L/minの流量で供給することによりCを脱着させて、コールドトラップ9にCを回収した。2回目の回収処理について、コールドトラップ9に回収されたCの回収率を測定した結果を表1に示す。尚、表1の回収率はすべて、パーフルオロカーボン排出ライン1から流通させたCの流量を基準とするものである。
【0045】
実施例2
実施例1における吸着剤を球状のシリカゲルに替えたほかは実施例1と同様にしてパーフルオロカーボンの回収試験を行なった。その結果、Cを含有するガスを流通させてから3.5時間経過後に吸着剤が飽和状態になった。また、2回目のCの吸着は3時間行ない回収率を測定した。シリカゲルによるCの吸着量及びCの回収率を測定した結果を表1に示す。尚、回収試験中に浄化筒出口ガスからF、SiFは検出されなかった。
【0046】
実施例3
実施例1における吸着剤を球状のアルミナに替えたほかは実施例1と同様にしてパーフルオロカーボンの回収試験を行なった。その結果、Cを含有するガスを流通させてから5時間経過後に吸着剤が飽和状態になった。また、2回目のCの吸着は4時間行ない回収率を測定した。アルミナによるCの吸着量及びCの回収率を測定した結果を表1に示す。尚、回収試験中に浄化筒出口ガスからF、SiFは検出されなかった。
【0047】
(分解試験の準備)
実施例4
浄化筒、吸着筒、分解筒等から成る図2のような排ガス処理ラインを製作した。浄化筒及び吸着筒は実施例1で用いたものと同様の浄化筒及び吸着筒であり、分解筒は内径40mmのSUS316L製で、加熱によりパーフルオロカーボンを分解することが可能な構成となっているものを使用した。
また、酸性ガス浄化剤及び吸着剤としては、実施例1で用いたものと同様の浄化剤及び吸着剤を用いた。
【0048】
酸性ガス浄化剤125.7mlを各々の酸性ガス浄化筒に充填し、吸着剤62.8mlを各々の吸着筒に充填した後、吸着筒4aを250℃で加熱するとともに、窒素ガスをパーフルオロカーボン排出ライン1から酸性ガス浄化筒3a、吸着筒4a、排ガスライン6へ2L/minの流量で3時間にわたり通気し、その後、吸着筒を常温まで冷却した。また、吸着筒4bも同様に加熱するとともに窒素ガスを浄化筒3bを経由させて通気し、その後、常温まで冷却した。
【0049】
(パーフルオロカーボンの分解)
次に、乾燥窒素中にC500ppm、F1000ppm、SiF500ppmを含有するガスを、20℃、常圧下、2.0L/minの流量で、10時間にわたりパーフルオロカーボン排出ライン1から酸性ガス浄化筒3a、吸着筒4a、排ガスライン6へ流通させてCを吸着剤に吸着させた。
その後、ガスの流路を吸着筒4aから吸着筒4b側に切り換えた。次に吸着筒4aを150℃で加熱するとともにバルブ21a、23aを開にして空気供給ライン12から空気を6.9L/minの流量で供給し、Cを吸着剤から脱着させて、分解筒9に導入して750℃で分解した。
【0050】
の分解処理を行なっている間、吸着筒4aの上部出口ガスの一部を30分毎にサンプリングしてCの検知を行ない、Cが検出されなくなった時点でCの分解試験を終了とした。また、分解筒の出口ガスについてもサンプリングしてCの検知を行なったが、Cは検出されなかった。Cの分解に要した電力使用量及び時間(Cの脱着開始から分解試験を終了するまでの時間)を表2に示す。
【0051】
実施例5
実施例4における分解筒を内径が20mmの小型の分解筒に変えたほかは実施例4と同様にしてパーフルオロカーボンの分解試験を行なった。Cの分解に要した電力使用量及び時間を表2に示す。この間、分解筒の出口ガスについてもサンプリングしてCの検知を行なったがCは検出されなかった。
【0052】
実施例6
(パーフルオロカーボンの吸着)
浄化筒及び可搬式の吸着筒等から成る図3のような排ガス処理ラインを製作した。浄化筒は実施例1で用いたものと同じ浄化筒を用いた。また、可搬式の吸着筒も容易に排ガス処理ラインから切り離すことができる構造であること以外は実施例1で用いたものと同じものを使用した。また、酸性ガス浄化剤及び吸着剤も、実施例1で用いたものと同じ浄化剤及び吸着剤を用いた。
【0053】
酸性ガス浄化剤125.7mlを各々の酸性ガス浄化筒に充填し、吸着剤62.8mlを各々の可搬式の吸着筒に充填した後、可搬式の吸着筒5aを250℃で加熱するとともに、窒素ガスをパーフルオロカーボン排出ライン1から酸性ガス浄化筒3a、可搬式の吸着筒5a、排ガスライン6へ2L/minの流量で3時間にわたり通気し、その後、可搬式の吸着筒を常温まで冷却した。また、可搬式の吸着筒5bも同様に加熱するとともに窒素ガスを浄化筒3bを経由させて通気し、その後、常温まで冷却した。
【0054】
次に、乾燥窒素中にC500ppm、F1000ppm、SiF500ppmを含有するガスを、20℃、常圧下、2.0L/minの流量で、10時間にわたりパーフルオロカーボン排出ライン1から酸性ガス浄化筒3a、可搬式の吸着筒5a、排ガスライン6へ流通させてCを吸着剤に吸着させた。この間、実施例1と同様に浄化筒及び可搬式の吸着筒の出口ガスの一部をサンプリングし、浄化筒の出口におけるF、SiFの検知及び可搬式の吸着筒の出口におけるCの検知を行なったが、これらはいずれも検出されなかった。
【0055】
その後、ガスの流路を浄化筒3aから浄化筒3b側に、可搬式の吸着筒5aから可搬式の吸着筒5b側に切り換えて、引続きF、SiFの浄化及びCの吸着を10時間にわたり行ないCの吸着処理を終了した。次に流通ラインに窒素ガスを流した後、可搬式の吸着筒5a及び5bを排ガス処理ラインから切り離して以下のように排ガス処理ラインとは別に設けられた回収装置及び分解装置に接続して回収処理及び分解処理を行なった。
【0056】
(パーフルオロカーボンの回収及び分解)
前記可搬式の吸着筒5aの入口側をキャリアガス供給ラインに接続し、出口側を実施例1で用いたものと同様の真空ポンプとコールドトラップ等から成る回収装置に接続した後、実施例1と同様にしてCをコールドトラップに回収した。Cの回収率を測定した結果を表1に示す。また、前記可搬式の吸着筒5bの入口側を空気供給ラインに接続し、出口側を実施例4で用いたものと同様の分解筒に接続した後、実施例4と同様にしてCを分解した。Cの分解に要した電力使用量及び時間を表2に示す。また、この間、分解筒の出口ガスについてもサンプリングしてCの検知を行なったがCは検出されなかった。
【0057】
比較例1
実施例1における流通ガスを、乾燥窒素中にCF500ppm、F1000ppm、SiF500ppmを含有するガスに変えたほかは実施例1と同様にしてパーフルオロカーボンの回収試験を試みた。しかし、CF吸着の開始直後に、吸着筒出口ガスからCFが検出されたので回収試験を中止した。
【0058】
比較例2
比較例1における吸着剤を実施例2で用いたシリカゲルと同様のシリカゲルに替えたほかは比較例1と同様にしてCFの回収試験を試みた。しかし、比較例1と同様にCF吸着の開始直後に、吸着筒出口ガスからCFが検出されたので回収試験を中止した。
【0059】
比較例3
比較例1における吸着剤を実施例3で用いたアルミナと同様のアルミナに変えたほかは比較例1と同様にしてCFの回収試験を試みた。しかし、比較例1と同様にCF吸着の開始直後に、吸着筒出口ガスからCFが検出されたので回収試験を中止した。
【0060】
比較例4
図2において、吸着筒がなく、酸性ガス浄化筒と分解筒の間で空気を添加することができる排ガス処理ラインを製作した。浄化筒及び分解筒は実施例4で用いたものと同様のものを用いた。また、酸性ガス浄化剤も実施例4で用いたものと同じものを用い、125.7mlを各々の酸性ガス浄化筒に充填した。
【0061】
次に、乾燥窒素中にC500ppm、F1000ppm、SiF500ppmを含有するガスを20℃、常圧下、2.0L/minの流量で、実施例4と同様に10時間にわたり流通させるとともに、分解筒の前で空気を添加してCの濃度以外は実施例4と同様の条件でCの分解試験を行なった。Cの分解に要した電力使用量を表2に示す。この間、分解筒の出口ガスについてもサンプリングしてCの検知を行なったがCは検出されなかった。
【0062】
比較例5
比較例4における分解筒を実施例5で用いたものと同じ小型の分解筒に替えたほかは比較例4と同様にして分解試験を試みた。しかし、Cの分解率が悪く、分解試験開始直後から分解筒の出口においてCが検出されたため分解試験を中止した。
【0063】
本発明のパーフルオロカーボンの回収方法は、実施例1〜3及び比較例1〜3の通り、効率よくパーフルオロカーボンを回収できる。また、本発明のパーフルオロカーボンの分解方法は、実施例4及び比較例4の通り、従来の分解方法に比べて分解処理の際のエネルギー効率が高く、分解装置の負荷を小さくすることが可能であり、また実施例5及び比較例5の通り、分解装置を小型化することもできる。
【0064】
【表1】
Figure 0004450944
【0065】
【表2】
Figure 0004450944
【0066】
【発明の効果】
本発明のパーフルオロカーボンの回収方法により、排ガスから効率よくパーフルオロカーボンを回収することが可能となった。
また、本発明のパーフルオロカーボンの分解方法により、パーフルオロカーボンの分解処理の際のエネルギー効率が高く、分解装置の負荷を小さくすることが可能となった。
さらに、本発明のパーフルオロカーボンの回収方法及び分解方法により、排ガス処理ラインを簡単な構成とすることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパーフルオロカーボンの回収方法を実施するための排ガス処理ラインの一例を示す構成図
【図2】本発明のパーフルオロカーボンの分解方法を実施するための排ガス処理ラインの一例を示す構成図
【図3】本発明のパーフルオロカーボンの回収方法及び分解方法を実施するための排ガス処理ラインの一例を示す構成図
【符号の説明】
1 パーフルオロカーボン排出ライン
2 ポンプ
3、3a、3b 浄化筒
4、4a、4b 吸着筒
5a、5b 可搬式の吸着筒
6、7 排ガスライン
8 真空ポンプ
9 コールドトラップ
10 分解筒
11 キャリアガス供給ライン
12 空気供給ライン
13〜18 バルブ
19a〜28a バルブ
19b〜28b バルブ

Claims (4)

  1. 二重結合を有するパーフルオロカーボンを含む排ガスを、あらかじめ酸性ガス浄化剤と接触させて酸性ガスを除去した後、ゼオライト、シリカゲル、及び金属酸化物から選ばれる1種の吸着剤と接触させて、該パーフルオロカーボンを該吸着剤に吸着させることにより、該排ガスから該パーフルオロカーボンを分離し、次に該パーフルオロカーボンを該吸着剤から脱着させて回収することを特徴とするパーフルオロカーボンの回収方法。
  2. 半導体製造工程の排ガス処理ラインにおいて、二重結合を有するパーフルオロカーボンを含む排ガスを、あらかじめ酸性ガス浄化剤と接触させて酸性ガスを除去した後、可搬式の吸着筒に充填された、ゼオライト、シリカゲル、及び金属酸化物から選ばれる1種の吸着剤と接触させて、該パーフルオロカーボンを該吸着剤に吸着させることにより、該排ガスから該パーフルオロカーボンを分離した後、該吸着筒を該排ガス処理ラインから切り離して該排ガス処理ラインとは別に設けられた回収装置に装着し、次に該パーフルオロカーボンを該吸着筒の吸着剤から脱着させて回収することを特徴とするパーフルオロカーボンの回収方法。
  3. 二重結合を有するパーフルオロカーボンを含む排ガスを、あらかじめ酸性ガス浄化剤と接触させて酸性ガスを除去した後、ゼオライト、シリカゲル、及び金属酸化物から選ばれる1種の吸着剤と接触させて、該パーフルオロカーボンを該吸着剤に吸着させることにより、該排ガスから該パーフルオロカーボンを分離し、次に該パーフルオロカーボンを該吸着剤から脱着させて、燃焼、加熱、または加熱するとともに分解触媒と接触させることにより、該パーフルオロカーボンを分解することを特徴とするパーフルオロカーボンの分解方法。
  4. 半導体製造工程の排ガス処理ラインにおいて、二重結合を有するパーフルオロカーボンを含む排ガスを、あらかじめ酸性ガス浄化剤と接触させて酸性ガスを除去した後、可搬式の吸着筒に充填された、ゼオライト、シリカゲル、及び金属酸化物から選ばれる1種の吸着剤と接触させて、該パーフルオロカーボンを該吸着剤に吸着させることにより、該排ガスから該パーフルオロカーボンを分離した後、該吸着筒を該排ガス処理ラインから切り離して該排ガス処理ラインとは別に設けられた分解装置に装着し、次に該パーフルオロカーボンを該吸着剤から脱着させて、燃焼、加熱、または加熱するとともに分解触媒と接触させることにより、該パーフルオロカーボンを分解することを特徴とするパーフルオロカーボンの分解方法。
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