JP4446415B2 - 非水二次電池用負極、その製造方法および前記負極を用いた非水二次電池 - Google Patents
非水二次電池用負極、その製造方法および前記負極を用いた非水二次電池 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水二次電池用負極、その製造方法および前記負極を用いた非水二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、負極に金属リチウムを用いた非水二次電池では、充電時に生成するデンドライト状リチウムによる内部短絡の発生が二次電池化への大きな障害となっていた。また、リチウム電池などの非水二次電池に対しては、電解質の溶媒として有機溶媒を用いている関係もあって、厳しい安定性が要求されているが、負極に金属リチウムやリチウム合金を用いた電池系では、前記のようなデンドライト状リチウムによる内部短絡の発生により、安全性の確保が非常に困難な状態にあった。
【0003】
そのため、層状化合物のインターカレーション反応を利用した新しいタイプの電極活物質が注目を集めており、活性炭や黒鉛などの炭素材料を負極活物質として用いることが提案されている。この炭素材料を負極活物質として用いた負極は、上記のような金属リチウムやリチウム合金を用いた負極とは製造方法が異なり、炭素材料を結着剤と混合し溶剤でペースト状にした負極合剤含有ペーストを導電性基材上に塗布し、乾燥して負極合剤層を形成する工程を経て製造される。つまり、前記乾燥により負極合剤含有ペースト中の溶剤などの揮発性成分が除去されて、導電性基材上に負極合剤の層が形成され、その工程を経て負極が製造される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の炭素材料はその層間にリチウムイオンがインターカレートすることにより充電される機構になっていることから、高容量化のためにはリチウムイオンがインターカレートする量をできる限り多くすることが望ましい。
【0005】
しかしながら、黒鉛構造の炭素材料の場合、理論的には炭素原子6個に対してリチウムが最大1個の割合で存在するのが上限であるため、それ以上にリチウムイオンがインタカレートする量を増やすことができず、そのため、単位体積当りにリチウムイオンをインターカレートできる量の多い炭素材料や、黒鉛の場合よりも炭素原子の割合が少ない状態でリチウムが存在できる炭素材料が要望されている。
【0006】
一方、最近、炭素の同素体である中空円筒状のカーボンナノチューブと呼ばれる特殊な炭素材料が見出されている。このカーボンナノチューブは筒部分が通常6員環で形成された炭素のシートが中空部を中心に単層から数十層巻かれた構造を有し、その両端部は閉口または開口されているが、このカーボンナノチューブは黒鉛に比べて多くのリチウムイオンのインターカレートができ、また、チューブ内にリチウムイオンがインターカレートした際、黒鉛の場合よりも少ない炭素原子でリチウムが存在でき、負極活物質に適する新規な炭素材料として期待されている。
【0007】
しかしながら、上記カーボンナノチューブを負極活物質として用い、結着剤と混合して溶剤でペースト状にした負極合剤含有ペーストを導電性基材上に塗布し、乾燥して負極合剤層を形成する工程を経て負極を製造したところ、黒鉛を負極活物質として用いた負極よりも単位体積当りの容量が小さくなり、カーボンナノチューブの有する特性を有効に発揮させることができないことが判明した。
【0008】
本発明は、上記のような問題点を解決し、カーボンナノチューブの特性を有効に発揮させ、高容量の非水二次電池用負極および非水二次電池を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、カーボンナノチューブを負極活物質として用い、少なくとも上記カーボンナノチューブと結着剤とを含む負極合剤含有ペーストを導電性基材の少なくとも一部に塗布し、乾燥して形成された負極合剤層を有する非水二次電池用負極であって、上記カーボンナノチューブに外径が30nm以下のものを用い、上記負極合剤層に負極活物質として含まれる全炭素材料中の上記カーボンナノチューブの含有量を50体積%以上とし、上記負極合剤層を120〜150℃に加圧成形することによって、その充填密度を1.5g/cm3以上にした非水二次電池用負極とすることにより、上記課題を解決したものである。
【0010】
本発明者が上記構成からなる本発明を完成するにいたった経過および上記構成によって高容量が得られるようになる理由について詳細に説明すると次の通りである。
【0011】
まず、本発明者は、前記のように、カーボンナノチューブを通常の炭素材料を用いた場合と同様に結着剤と混合して溶剤でペースト状にした負極合剤含有ペーストを導電性基材の少なくとも一部に塗布し、乾燥して負極合剤層を形成する工程を経て負極を製造し、その容量密度を調べたところ、黒鉛を負極活物質として用いて製造した負極と容量密度が変わらないかむしろ劣っていることが判明した。
【0012】
この原因について、検討したところ、カーボンナノチューブを負極活物質として用いた負極は負極合剤の充填密度が黒鉛を負極活物質として用いた負極に比べて小さく、そのため、容量密度が黒鉛を負極活物質として用いた場合より小さくなったものと考えられる。これを詳しく説明すると、カーボンナノチューブは、前記のように6員環を有し、黒鉛構造を有する炭素材料の1種であるが、結晶性は黒鉛と乱層構造の炭素材料との中間に位置していて、そのチューブの中心は中空構造になっており、その中空の最内径は数nmとなっている。カーボンナノチューブのこのような構造は負極としたときに内部に空間が生まれやすく、他の炭素材料(つまり、カーボンナノチューブ以外の炭素材料)を負極活物質として用いた非水二次電池用負極の作製時に負極合剤の充填密度を向上させるために行っている加圧成形処理では低密度の負極しか得られず、そのため体積当りの容量密度が低下するものと考えられる。実際、上記のようにカーボンナノチューブを負極活物質として用いて負極を製造し、その負極合剤の充填密度を測定したところ、負極合剤の充填密度は1g/cm3 程度にしかならないのに対し、同様の条件で黒鉛を負極活物質として用いて製造した負極の負極合剤の充填密度は1.5g/cm3 程度もあり、カーボンナノチューブを負極活物質として用いて製造した負極における負極合剤の充填密度は、黒鉛を負極活物質として用いた負極における負極合剤の充填密度に比べて、小さかった。
【0013】
そのため、本発明者は、黒鉛を用いた場合とほぼ同等の充填密度にまで向上させるため、加圧成形時の圧力を高くする検討を行ったが、圧力を高くしても負極合剤の充填性はそれほど向上せず、充填密度は思ったほどには高くならなかった。これは、負極合剤の充填性を向上させるためには負極合剤中に含まれている炭素材料が動く必要があるのに対し、通常の条件下では、カーボンナノチューブは圧力によっては動きにくいためであると考えられる。
【0014】
上記検討結果から、本発明者は、負極合剤層を結着剤の軟化点以上の温度、特に120℃以上に上昇させて加圧成形することによって、動きにくいカーボンナノチューブの微粒子を空孔部がなくなるように再配列することにより、黒鉛を負極活物質として用いた場合よりも負極合剤の充填密度を高め得ることを見出した。しかも、黒鉛を負極活物質として用いた負極では120℃での加圧成形では負極合剤の充填密度の向上が室温の場合に比べて10数%にすぎないのに対し、カーボンナノチューブを負極活物質として用いた場合は実に50%以上の向上効果があることが判明した。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の負極は、前記のように、少なくともカーボンナノチューブと結着剤とを含む負極合剤含有ペーストを導電性基材の少なくとも一部に塗布し、乾燥して負極合剤層を形成し、その負極合剤層を120〜150℃で加圧成形して負極合剤の充填密度を1.5g/cm3 以上にすることによって製造されるが、その加圧成形時の温度が120℃より低い場合は、負極に使用されている結着剤の軟化点以下になるため、負極合剤中の成分が動きにくくなり、負極合剤の充填密度を1.5g/cm3 以上に向上させることができず、一方、加圧成形時の温度が150℃より高い場合は、ポリフッ化ビニリデンなどの結着剤の結晶化が進み、負極の柔軟性が低下するとともに、負極合剤の充填密度が低くなる。
【0016】
本発明において用いるカーボンナノチューブとしては、酸化処理により少なくとも一方の端部に開口部を有するものが好ましく、両端部が開口したカーボンナノチューブがより好ましい。このような開口部を有するカーボンナノチューブは硫酸または硝酸などによる酸処理により得られることが知られている。前記開口部の形状としては、リチウムイオンのインターカレートを円滑にするために、傾斜形状が好ましい。また、カーボンナノチューブの構造としては、単一のチューブのみからなる単層構造よりも、同心円筒状のチューブが多層構造になっていることが好ましい。カーボンナノチューブが上記のような多層構造を有することにより、中心のチューブ以外にも多層構造を構成するチューブ間にリチウムイオンがインターカレートすることができ、容量を向上させることができる。また、カーボンナノチューブ中心の中空部の内径は1nm以上が好ましく、2nm以上がより好ましく、また、10nm以下が好ましく、4nm以下がより好ましい。その中空部の内径が1nm以上であることによりリチウムイオンのインターカレーションをより円滑にし、10nm以下であることにより加圧成形時における負極合剤の圧縮が容易になり、負極合剤の充填密度を向上させやすくなる。そして、カーボンナノチューブの外径は30nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましく、また、5nm以上が好ましく、10nm以上がより好ましい。カーボンナノチューブの外径が5nm以上であることにより内部のリチウムイオンの移動をスムーズに行わせ、30nm以下であることにより黒鉛との差を保ち、カーボンナノチューブの特性をより適正に発揮させる。
【0017】
また、本発明において用いるカーボンナノチューブのX線広角回折による(002)面の面間隔d002 は、0.345nm以下が好ましく、0.340nm以下がより好ましく、0.338nm以下がさらに好ましい。カーボンナノチューブのX線広角回折による(002)面の面間隔d002 が0.345nm以下であることによりカーボンナノチューブが高い結晶性を持つようになり、リチウムイオンのインターカレーションする侵入サイトが増加し、高容量化がより達成しやすくなる。
【0018】
また、本発明において結着剤としては、従来から炭素材料を負極活物質とする負極の製造にあたって結着剤として用いられているものを使用することができ、その代表的なものとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化エチレン、ゴム系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマーなどが挙げられるが、それらの中でもポリフッ化ビニリデンが高温での安定性の点から特に好ましい。
【0019】
また、本発明の負極には、その負極活物質としてカーボンナノチューブとそれ以外の炭素材料を併用してもよい。その場合、全炭素材料(つまり、カーボンナノチューブとそれ以外の炭素材料とを合わせたもの)中のカーボンナノチューブの含有量としては50体積(vol)%以上であることが好ましい。すなわち、カーボンナノチューブの含有量が50体積%より少ない場合は、カーボンナノチューブの特性が現れにくくなり、カーボンナノチューブ以外の炭素材料の特性が現れ、高温で加圧成形しても負極合剤の充填密度を充分に高くすることができなくなる。これは120〜150℃という高温での加圧成形による負極合剤の充填密度の向上がカーボンナノチューブの有する性質に基づいているからである。なお、全炭素材料中のカーボンナノチューブの含有量は透過型電子顕微鏡により測定することができる。本明細書においては、カーボンナノチューブを負極活物質と呼んでいるが、本明細書において、この負極活物質とは、リチウムイオンをインターカレーション・脱インターカレーションさせることができる機能を有している物質という意味である。
【0020】
本発明において用いる負極合剤含有ペーストは、少なくともカーボンナノチューブと結着剤とを含むものであればよく、この負極合剤含有ペーストには、それらのほかに、カーボンナノチューブ以外の炭素材料(例えば黒鉛化質炭素など)を含んでいてもよいし、また、金属窒化物、金属酸化物やSi、Snなどの金属合金などを含んでいてもよい。特にカーボンナノチューブとそれ以外の炭素材料とが併用された場合、とりわけカーボンナノチューブと黒鉛とが併用された場合、電子伝導性の向上により負極の単位体積当りの容量が向上するので好ましい。そして、この負極合剤含有ペーストは、例えば、少なくともカーボンナノチューブを含む炭素材料と結着剤とを混合して調製した負極合剤を溶剤でペースト状にするか、あるいは結着剤をあらかじめ溶剤に溶解させておき、その結着剤含有溶液を少なくともカーボンナノチューブと混合することによって、調製される。ただし、負極合剤含有ペーストの調製方法は上記例示のもののみに限られることはなく、他の方法によってもよい。溶剤としては、種々のものを用い得るが、特にN−メチル−2−ピロリドンなどが好適に用いられ、また、導電性基材としては、例えば、銅、ニッケル、アルミニウム、ステンレス鋼などの箔、エキスパンドメタル、パンチングメタル、網などを用い得るが、特に銅箔が好適に用いられる。
【0021】
上記のようにして製造される負極は、負極合剤の充填密度を黒鉛を用いた場合と同程度にするためにも、負極合剤の充填密度を1.5g/cm3 以上にする必要があり、1.6g/cm3 以上にすることが好ましく、1.7g/cm3 以上にすることがより好ましい。この負極合剤の充填密度が大きくなると、理論的には容量が高くなるものの、あまりにも負極合剤の充填密度が大きくなりすぎると電解液(液状電解質)が浸透しにくくなる傾向があるので、2g/cm3 以下が好ましく、1.8g/cm3 以下がより好ましい。
【0022】
上記負極合剤の充填密度の向上は、導電性基材の少なくとも一部に形成された負極合剤層を120〜150℃で加圧成形することによって行われるが、そのような高温下での加圧成形によりカーボンナノチューブが空間部がなくなるように再配列した状態になって圧縮され、それによって、負極合剤の充填密度が向上する。
【0023】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はそのような実施例に例示のものに限定されることはない。
【0024】
実施例1
グラファイト電極を630Torrのヘリウム雰囲気中で95A電流密度、28〜30Vでアーク放電することにより得られたカーボンナノチューブを硫酸と硝酸とのモル比1:9の混合液中で120℃で2時間処理することによって両端部が傾斜形状に開口したカーボンナノチューブ〔内径4nm、外径20nmで、(002)面の面間隔d002 =0.341nm〕を得た。この酸処理で得られたカーボンナノチューブを負極活物質として用い、ポリフッ化ビニリデンを結着剤として用い、上記カーボンナノチューブ90重量部とポリフッ化ビニリデン10重部とを混合して負極合剤を調製し、その負極合剤をN−メチル−2−ピロリドンに分散させて負極合剤含有ペーストを調製し、得られた負極合剤含有ペーストを厚さ10μmの銅箔からなる導電性基材の両面に塗布し、乾燥して負極合剤層を形成した後、カレンダーロールを用いて上記負極合剤層を120℃で30kg/cm2 の圧力で加圧成形して負極を製造した。この負極における負極合剤の充填密度を、負極の重さと厚みを測定し、それから導電性基材(銅箔)の重さと厚みを除き、残りの部分の重さと厚みから計算によって求めたところ、1.76g/cm3 であった。
【0025】
実施例2
グラファイト電極を630Torrのヘリウム雰囲気中で380A電流密度、28−30Vでアーク放電することにより得られたカーボンナノチューブを実施例1と同様の硫酸と硝酸との混合液中で120℃で2時間処理することによって少なくとも一方が傾斜形状に開口されたカーボンナノチューブ〔内径6nm、外径28nmで、(002)面の面間隔d002 =0.339nm〕を得た。この酸処理で得られたカーボンナノチューブを負極活物質として用いた以外は、実施例1と同様に負極合剤含有ペーストを調製し、得られた負極合剤含有ペーストを実施例1と同様の厚さ10μmの銅箔からなる導電性基材に実施例1と同様に塗布し、乾燥して負極合剤層を形成した後、カレンダーロールを用いて上記負極合剤層を150℃で30kg/cm2 の圧力で加圧成形して負極を製造した。この負極における負極合剤の充填密度を実施例1と同様に測定したところ、1.64g/cm3 であった。
【0026】
実施例3
実施例1で用いたものと同様のカーボンナノチューブ80重量部と鱗片状黒鉛10重量部とポリフッ化ビニリデン10重量部とを混合して負極合剤を調製し、その負極合剤をN−メチル−2−ピロリドンに分散させて負極合剤含有ペーストを調製し、得られた負極合剤含有ペーストを用いた以外は、実施例1と同様にして負極を製造した。この実施例3において負極合剤層の加圧成形時の温度はもちろん実施例1と同様に120℃である。この実施例3の負極における負極合剤の充填密度を実施例1と同様に測定したところ、1.75g/cm3 であった。
【0027】
比較例1
実施例1の負極の製造において、カーボンナノチューブに代えて人造黒鉛を用いた以外は、実施例1と同様にして負極を製造した。この比較例1において負極合剤層の加圧成形時の温度はもちろん実施例1と同様に120℃である。この比較例1の負極における負極合剤の充填密度を実施例1と同様に測定したところ、1.74g/cm3 であった。
【0028】
比較例2
実施例1の負極の製造において、加圧成形時の温度を25℃に変更した以外は、実施例1と同様に負極を製造した。この負極における負極合剤の充填密度を実施例1と同様に測定したところ、1.15g/cm3 であった。
【0029】
比較例3
実施例2の負極の製造において、加圧成形時の温度を25℃に変更した以外は実施例2と同様に負極を製造した。この負極における負極合剤の充填密度を実施例1と同様に測定したところ、0.83g/cm3 であった。
【0030】
比較例4
実施例3の負極の製造において、加圧成形時の温度を25℃に変更した以外は、実施例1と同様に負極を製造した。この負極における負極合剤の充填密度を実施例1と同様に測定したところ、1.22g/cm3 であった。
【0031】
比較例5
実施例1の負極の製造において、加圧成形時の温度を80℃に変えた以外は、実施例1と同様にして負極を製造した。この負極における負極合剤の充填密度を実施例1と同様に測定したところ、1.25g/cm3 であった。
【0032】
比較例6
実施例1の負極の作製において、180℃で加圧成形した以外は、実施例1と同様にして負極を製造した。この負極における負極合剤の充填密度を実施例1と同様に測定したところ、1.23g/cm3 であった。
【0033】
以上のようにして製造した実施例1〜3および比較例1〜6の負極を用い、対極および参照極にリチウム箔を用いてモデルセルを組立て、25℃で0V対Li/Li+まで充電した後、0.5mA/cm2 の電流密度で1.5Vまで放電させたときの放電容量を測定し、その放電容量に基づき負極の単位体積当りの容量密度を求めた。その結果を加圧成形時の温度、加圧成形後の負極合剤の充填密度とともに表1に示す。なお、上記の負極の単位体積当りの容量密度は、正確に表現すると、負極の負極合剤部分の単位体積当りの容量密度であるが、一般には負極の容量密度と呼ばれていることから、本明細書においても同様に表現している。
【0034】
【表1】
【0035】
表1に示すように、実施例1〜3の負極は、比較例1〜6の負極に比べて、容量密度が大きく、高容量が得られることが明らかであった。すなわち、カーボンナノチューブを負極活物質として用い120〜150℃で加圧成形した実施例1〜2の負極やカーボンナノチューブと黒鉛を併用して120℃で加圧成形した実施例3の負極は、黒鉛のみを負極活物質として用いた比較例1の負極に比べて、容量密度が高く、また、カーボンナノチューブを用いていても、加圧成形時の温度が120〜150℃の範囲外で加圧成形した比較例2〜6の負極に比べて、負極合剤の充填密度が大きく、高容量が得られることが明らかであった。比較例1〜6の負極についてさらに説明すると、比較例1の負極は、黒鉛を負極活物質として用いているので加圧成形後の負極合剤の充填密度は高くなるが(黒鉛の場合は25℃で加圧成形した場合でも負極合剤の充填密度は1.50g/cm3 になる)、容量密度は実施例1〜3の負極に比べて小さく、比較例2〜5の負極は、カーボンナノチューブを負極活物質として用いているものの、加圧成形時の温度が低いため、負極合剤の充填密度が高くならず、得られた負極の容量密度も小さかった。また、比較例6の負極も、カーボンナノチューブを負極活物質として用いているものの、加圧成形時の温度が高すぎるため、負極合剤の充填密度が高くならず、容量密度も大きくならなかった。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、容量密度が大きく、高容量の非水二次電池用負極を提供することができた。また、その負極を用いることによって高容量の非水二次電池を提供することができる。
Claims (9)
- 少なくともカーボンナノチューブと結着剤を含む負極合剤含有ペーストを導電性基材の少なくとも一部に塗布し、乾燥して形成された負極合剤層を有する非水二次電池用負極であって、
前記カーボンナノチューブは、外径が30nm以下であり、
前記負極合剤層に負極活物質として含まれる全炭素材料中の前記カーボンナノチューブの含有量が50体積%以上であり、
前記負極合剤層は、120〜150℃で加圧成形することによって充填密度を1.5g/cm3以上にしたものであることを特徴とする非水二次電池用負極。 - 前記負極合剤層に黒鉛を含むことを特徴とする請求項1記載の非水二次電池用負極。
- 前記カーボンナノチューブのX線広角回折による(002)面の面間隔d002が0.342nm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の非水二次電池用負極。
- 少なくともカーボンナノチューブと結着剤を含む負極合剤含有ペーストを導電性基材の少なくとも一部に塗布し、乾燥して形成された負極合剤層を有する非水二次電池用負極の製造方法であって、
前記カーボンナノチューブの外径を30nm以下とし、
前記負極合剤層に負極活物質として含まれる全炭素材料中の前記カーボンナノチューブの含有量を50体積%以上とし、
前記負極合剤層を120〜150℃で加圧成形することによって、充填密度を1.5g/cm3以上にすることを特徴とする非水二次電池用負極の製造方法。 - 前記負極合剤層に黒鉛を含むことを特徴とする請求項4記載の非水二次電池用負極。
- 前記カーボンナノチューブのX線広角回折による(002)面の面間隔d002が0.342nm以下であることを特徴とする請求項4または5記載の非水二次電池用負極の製造方法。
- 請求項1、2または3記載の負極を用いたことを特徴とする非水二次電池。
- 少なくともカーボンナノチューブと結着剤を含む負極合剤含有ペーストを導電性基材の少なくとも一部に塗布し、乾燥して形成された負極合剤層を有する非水二次電池用負極を用いた非水二次電池であって、
前記負極合剤層に負極活物質として含まれる全炭素材料中に、外径が30nm以下のカーボンナノチューブを50体積%以上含有し、
前記負極合剤層は、120〜150℃で加圧成形することによって充填密度を1.5g/cm3以上にしたものであることを特徴とする非水二次電池。 - 前記負極合剤層に黒鉛を含むことを特徴とする請求項8記載の非水二次電池。
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