JP4444977B2 - 光ピックアップ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光ディスクなどの光情報記録媒体に対して情報の記録、再生又は消去等の処理を行う光学式情報処理装置において、その基幹部品である光学式ヘッド装置に使用される再生/記録信号及び各種サーボ信号の検出機能を有する光ピックアップ装置に関する。
CD(Compact Disc)及びDVD(Digital Versatile Disc)等の光情報記録媒体(光ディスク)からの記録の読み出しは、半導体レーザ装置等の光源から出射された光ビームを、対物レンズを用いて光ディスクの記録トラック上に集光し、光ディスクからの反射光を光検出器で電気信号に変換することにより行う。高速回転する光ディスクに対して、所望の記録トラックに正確に光ビームを集光するために、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号の検出を行い、光ディスクの面ぶれ及び偏芯等にあわせて対物レンズの位置制御を行う。
トラッキングエラー信号の代表的な検出方法として、差動プッシュプル(DPP)方式が知られている。DPP方式は、光ビームをメインビームと+1次回折光及び−1次回折光との3本に分岐し、分割した各ビームを光ディスク上において所定のピッチで隣り合うように設けられた3つの案内溝に集光する。各ビームの反射光を検出して演算することにより得られる各プッシュプル信号の位相は、メインビームと+1次回折光及び−1次回折光とでは互いに180度ずれている。このため、各プッシュプル信号を演算処理することにより、各プッシュプル信号に含まれるオフセット成分だけを選択的に打ち消しあわせ、良好なトラッキングエラー信号を検出することができる。このため、特に、DVD記録用光ピックアップにおいてDPP方式が広く使用されている(例えば特許文献1を参照。)。
現在普及している光ディスクには種々の規格が存在し、光ディスクの規格により案内溝のピッチが異なっている。例えば、追記型のDVD−R(Recordable)及び書き換え型のDVD−RW(Disk ReWritable)等の案内溝のピッチは0.74μmであり、書き換え型のDVD−RAM(Random Access Memory)等の案内溝ピッチは1.23μmである。これら規格の異なる2種類以上の光ディスクに対しても、1台の装置で記録及び再生を可能にする光ピックアップが要求されている。このような要求に対して、以下のような光ピックアップ装置が提案されている(例えば、特許文献2を参照。)。
特許文献2に開示された光ピックアップ装置は、光ビームを分岐する特殊回折格子が3つの領域に分割されており、各領域に周期的に設けられた格子溝の位相を順次90度ずつずらせている。このような特殊回折格子を用いるインライン型DPP方式と呼ばれるトラッキング誤差検出方式により、案内溝のピッチが異なる複数の光情報記録媒体に対して安定したトラッキング誤差検出を行うことが可能となる。
特公平4−34212号公報 特開2004−145915号公報
しかしながら、前記従来のインライン型DPP方式を用いた従来の光ピックアップ装置には、次のような問題が生じる。
図11は、従来の光ピックアップ装置により光情報記録媒体の上に光ビームを集光した集光スポットを表している。+1次回折光に対応する集光スポット101は、光情報記録媒体の半径方向Xに対して右側において強度が大きくなり、左側において強度が小さくなる。これに対して、−1次回折光に対応する集光スポット102は右側において強度が小さくなり、左側において強度が大きくなる。これは以下のように説明できる。
図12に示すように、従来のインライン型DPP方式で用いられる特殊回折格子は、中央部領域120における格子溝120aに対して、領域119における格子溝119aの位相は90度進んでおり、領域121における格子溝121aの位相は90度遅れている。従って、中央部領域120を透過した+1次回折光の位相に対して、領域119を透過した+1次回折光の位相は90度進み、領域121を透過した+1次回折光の位相は90度遅れる。一方、−1次回折光については、格子溝の位相と回折光の位相の関係が逆転する。すなわち、中央部領域120を透過した−1次回折光の位相に対して、領域119を透過した−1次回折光の位相は90度遅れ、領域121を透過した−1次回折光の位相は90度進む。
このため、+1次回折光は位相が遅れる領域121側に強度分布がかたより、光情報記録媒体上における+1次回折光に対応する集光スポット101は右側の強度が大きく、左側の強度が小さくなる。逆に、−1次回折光は位相が遅れる領域119側に強度分布がかたより、−1次回折光に対応する集光スポット102は右側の強度が小さくなり、左側の強度が大きくなる。
このように、+1次回折光に対応する集光スポット101と−1次回折光に対応する集光スポット102とにおいて集光スポットの強度分布が左右非対称となると、メインビームに対応する集光スポット100からの反射光を検出したプッシュプル信号と、集光スポット101及び集光スポット102からの反射光を検出したプッシュプル信号との位相が180度からずれてしまう。このため、各集光スポットを同一の案内溝上に形成できなくなり、インライン型DPP方式による安定したトラッキング誤差信号検出を行うことができなくなる。
本発明は前記従来の問題を解決し、インライン型DPP方式の利点を保持したまま、案内溝のピッチが異なる複数の光情報記録媒体に対して安定したトラッキング誤差検出を行う光ピックアップ装置を実現できるようにすることを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は光ピックアップ装置を、互いに位相が異なる3つの領域に分割され且つ中央の領域が互いに位相が異なる複数のサブブロックに分割された回折格子を備える構成とする。
具体的に、本発明に係る第1の光ピックアップ装置は、光情報記録媒体に対する情報の記録並びに光情報記録媒体に記録された情報の読み出し及び消去を行う光ピックアップ装置を対象とし、光源と、光源から出射された出射光ビームを少なくとも3本の光ビームに分岐する回折格子と、各光ビームを、それぞれ集光して光情報記録媒体の記録面上に、それぞれ独立した集光スポットとして照射する対物レンズと、各集光スポットとして照射された各光ビームが光情報記録媒体において反射された反射光を受光する光検出器とを備え、回折格子は、光情報記録媒体のトラックの接線方向に対して平行な第1方向に延びる第1の分割線及び第2の分割線により、互いに位相が異なる周期構造を有する第1の領域、第2の領域及び第3の領域に分割されており、第2の領域は、第1の領域と第3の領域との間に配置され、且つ、第1方向に延びる第3の分割線と第1方向と交差する第2方向に延びる第4の分割線とにより第1のサブブロック、第2のサブブロック、第3のサブブロック及び第4のサブブロックに分割されており、第1のサブブロックと第2のサブブロックと及び第3のサブブロックと第4のサブブロックとは、それぞれ第2方向に隣接して配置され、第1のサブブロックと第3のサブブロックと及び第2のサブブロックと第4のサブブロックとは、それぞれ第1方向に隣接して配置され、第1のサブブロックと第4のサブブロックと及び第2のサブブロックと第3のサブブロックとは、それぞれ周期構造の位相が互いに等しく、第1のサブブロック及び第4のサブブロックと第2のサブブロック及び第3のサブブロックとは、周期構造の位相が略180度異なり、第1の領域と第2の領域の各サブブロックとは、周期構造の位相が略90度異なり、第1の領域と第3の領域とは、周期構造の位相が略180度異なることを特徴とする。
第1の光ピックアップ装置によれば第1のサブブロック及び第4のサブブロックにおける周期構造の位相は、第2のサブブロック及び第3のサブブロックにおける周期構造の位相と略180度異なる。このため、第1のサブブロック及び第4のサブブロックを透過した回折光と第2のサブブロック及び第3のサブブロックを透過した回折光とは互いに打ち消しあう。従って、光情報記録媒体の記録面上におけるサブビームの集光スポットは、中央部において強度が小さくなる。また、第1の領域における周期構造の位相は、第1のサブブロック及び第4のサブブロックにおける周期構造の位相と略90度異なり、第1の領域における周期構造の位相は、第3の領域における周期構造の位相と略180度異なる。このため、トラックの接線方向を軸として集光スポットの左側においても右側においても、位相が90度進んだ光と位相が90度遅れた光とが等しく存在する。従って、集光スポットの強度分布は左右対称となるので、集光スポットからの反射光を検出したプッシュプル信号の位相のずれを低減できる。その結果、集光スポットを同一の案内溝上に形成することが可能となり、インライン型DPP方式による安定したトラッキング誤差信号検出を行う光ピックアップを実現できる。
第1の光ピックアップ装置において、第1の分割線と第3の分割線との間隔と、第2の分割線と第3の分割線との間隔とは実質的に等しいことが好ましい。
第1の光ピックアップ装置において、第1のサブブロックの面積と、第2のサブブロックの面積と、第3のサブブロックの面積と、第4のサブブロックの面積とは実質的に等しいことが好ましい。
第1の光ピックアップ装置において、光源から出射された出射光ビームの中心は、回折格子における第3の分割線と第4の分割線との交点に配置されていることが好ましい。また、光源は複数であり、光源のうちの少なくとも1つから出射された出射光ビームの中心が、回折格子における第3の分割線と第4の分割線との交点に配置されていてもよい。さらに、光源は第1の光源及び第2の光源を含み、第1の光源から出射された出射光ビームの中心と第2の光源から出射された出射光ビームの中心とを結ぶ直線が、第3の分割線と交差してもよい。
本発明に係る第2の光ピックアップ装置は、光情報記録媒体に対する情報の記録並びに光情報記録媒体に記録された情報の読み出し及び消去を行う光ピックアップ装置を対象とし、光源と、光源から出射された出射光ビームを少なくとも3本の光ビームに分岐する回折格子と、各光ビームを、それぞれ集光して光情報記録媒体の記録面上に、それぞれ独立した集光スポットとして照射する対物レンズと、各集光スポットとして照射された各光ビームが光情報記録媒体において反射された反射光を受光する光検出器とを備え、回折格子は、光情報記録媒体のトラックの接線方向に対して平行な第1方向に延びる第1の分割線及び第2の分割線により、それぞれが互いに位相が異なる周期構造を有する第1の領域、第2の領域及び第3の領域に分割されており、第2の領域は、第1の領域と第3の領域との間に配置され、且つ、第1方向に延びる少なくとも2本の第3の分割線により、少なくとも2つの第1のサブブロックと少なくとも1つの第2のサブブロックとに分割されており、第1のサブブロックと第2のサブブロックとは、交互に配置され且つ周期構造の位相が略180度異なり、第1の領域と第2の領域の各サブブロックとは、周期構造の位相が略90度異なり、第1の領域と第3の領域とは、周期構造の位相が略180度異なることを特徴とする。
第2の光ピックアップ装置によれば、第2の領域が、第1の方向に延びる少なくとも2本の第3の分割線により、少なくとも2つの第1のサブブロックと少なくとも1つの第2のサブブロックとに分割されている。このため、第1のサブブロックを透過する光ビームの面積と第2のサブブロックを通過する光ビームの面積との差を小さくすることができ、それぞれを通過する光量の差を抑制することができる。従って、回折格子における光源から出射された光ビームの中心の位置に関係なく、良好な特性を得ることが可能となる。
第2の光ピックアップ装置において、第1のサブブロックの第2方向の長さと第2のサブブロックの第2方向の長さとは、実質的に等しいことが好ましい。
第2の光ピックアップ装置において、第1のサブブロックの数と第2のサブブロックの数とは等しいことが好ましい。
第2の光ピックアップ装置において、光源から出射された出射光ビームの中心は、回折格子の第2領域内に配置されていることが好ましい。また、光源は複数であり、光源のうちの少なくとも1つから出射された出射光ビームの中心は、回折格子における第2の領域内に配置されていてもよい。さらに、光源は第1の光源と第2の光源を含み、第1の光源から出射される出射光ビームの中心は、回折格子における第1領域内又は第1の分割線上に配置され、第2の光源から出射された出射光ビームの中心は、回折格子における第3の領域内又は第2の分割線上に配置されていてもよい。
第1及び第2の光ピックアップ装置において、少なくとも3本の光ビームは、0次回折光、+1次回折光及び−1次回折光を含むことが好ましい。
第1及び第2の光ピックアップ装置において、光情報記録媒体の記録面上には複数の案内溝が周期的に配置されており、各光ビームは、複数の案内溝のうちの一の案内溝に集光することが好ましい。
第1及び第2の光ピックアップ装置において、光検出器からの出力信号に基づいて、差動プッシュプル法によりトラッキング誤差信号を検出する演算処理回路をさらに備えていることが好ましい。
第1及び第2の光ピックアップ装置において、光検出器は、各反射光にそれぞれ対応する少なくとも3つの受光素子を有し、各受光素子は、それぞれ複数の受光領域に分割されていることが好ましい。
本発明に係る光ピックアップ装置によれば、インライン型DPP方式の利点を保持したまま、案内溝のピッチが異なる複数の光情報記録媒体に対して安定したトラッキング誤差検出を行う光ピックアップ装置を実現できる。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。図1は第1の実施形態に係る光ピックアップ装置の概略の構成を示している。
図1に示すように本実施形態の光ピックアップ装置は、光情報記録媒体51への情報の記録及び光情報記録媒体51に記録された情報の再生を行うための光ビーム31を出射する半導体レーザ素子等の光源11と、光ビーム31を少なくとも0次回折光のメインビーム、+1次回折光のサブビーム及び−1次回折光のサブビーム(いずれも図示省略)に回折分岐する回折格子12と、光ビーム31を光情報記録媒体51に導くハーフミラー15と、光ビーム31が光情報記録媒体51において反射された反射光を受光する光検出器16を搭載した集積回路基板17とを備えている。
ハーフミラー15と光情報記録媒体51との間には、コリメートレンズ18と対物レンズ19とが設けられている。光源11から出射された光ビーム31は、回折格子12によって少なくとも0次光、+1次回折光及び−1次回折光の3本の光ビームに回折分岐された後、ハーフミラー15により反射され、その後、コリメートレンズ18を通過して対物レンズ19に達する。回折格子12によって回折分岐された0次光、+1次回折光及び−1次回折光は、対物レンズ19によって各々独立に光情報記録媒体51の記録面上に集光されて3個の集光スポットを形成する。
図2は、図1に示す光ピックアップ装置における光検出器16を搭載した集積回路基板17の回路構成を示している。図2に示すように、集積回路基板17は、受光素子21A、受光素子21B及び受光素子21Cと、受光素子からの信号を演算する演算処理回路23とを有している。回折格子12によって光ビーム31から分岐されたメインビーム31a並びに2つのサブビーム31b及びサブビーム31cはそれぞれ、受光素子21A、受光素子21B及び受光素子21Cによって受光される。受光素子21A、受光素子21B及び受光素子21Cは、それぞれ複数の受光領域に分割されている。
受光素子21A、受光素子21B及び受光素子21Cにより検出された信号は、演算処理回路23に入力される。演算処理回路23は、受光素子21A、受光素子21B及び受光素子21Cからの信号をそれぞれ受ける減算器24、減算器25及び減算器26と、減算器24、減算器25及び減算器26を受ける加算器27、増幅器28及び減算器29とを有している。減算器24、減算器25及び減算器26は、受光素子21A、受光素子21B及び受光素子21Cからの信号をそれぞれ受けてプッシュプル信号MPP、SPP1及びSPP2を出力する。演算処理回路23のうち加算器27、増幅器28及び減算器29については後述する。
なお、図2は各受光素子が2つの受光領域に2分割されている場合の回路構成を示しているが、各受光素子は3つ以上の受光領域に分割されていてもよい。また、図2において、各受光素子における各ビームの形状を模式的に円形状に表しているが、ビーム形状はこれに限定されるものではない。
本実施形態の光ピックアップ装置は、光ビーム31を回折する回折格子12、特に、その周期構造に特徴を有する。図3は、回折格子12の周期構造つまり格子パターンを示している。
図3に示すように回折格子12の格子面は、光情報記録媒体51の案内溝が延びる方向(以下、Y方向という。)つまり、光情報記録媒体51のトラックの接線方向と実質的に平行な方向に延びる第1の分割線D1及び第2の分割線D2によって第1の領域12A、第2の領域12B及び第3の領域12Cの3つの領域に区画されている。すなわち、第1の領域12Aと第2の領域12Bとは第1の分割線D1を挟んで隣接し、第2の領域12Bと第3の領域12Cとは第2の分割線D2を挟んで隣接している。なお、この場合において平行な方向とは、回折格子と光情報記録媒体との間に設けられた光学系を考慮した平行方向を意味する。
また、第2の領域12Bは、Y方向に延びる第3の分割線D3と、Y方向と交差する方向つまり光情報記録媒体51の半径方向(以下、X方向という。)と実質的に平行な方向に延びる第4の分割線D4とによって、第1のサブブロック13A、第2のサブブロック13B、第3のサブブロック13C及び第4のサブブロック13Dの4つサブブロックに分割されている。
なお、第1のサブブロック13A、第2のサブブロック13B、第3のサブブロック13C及び第4のサブブロック13DのX方向の長さは特に限定されないが、互いに等しいことが好ましい。また、第1のサブブロック13A、第2のサブブロック13B、第3のサブブロック13C及び第4のサブブロック13Dの面積は特に限定されないが、互いに等しいことが好ましい。第1のサブブロック13A〜第4のサブブロック13Dの面積を等しくすることにより、第3の分割線D3と第4の分割線D4との交点は実質的に第2の領域12Bの中心に位置する。このようにすることにより、光源から出射された光ビームL1の中心を第3の分割線D3と第4の分割線D4との交点に配置したときに、第1の領域12A及び第2の領域12Bをそれぞれ通過する光の面積が互いに等しくなると共に、第1のサブブロック13A〜第4のサブブロック13Dをそれぞれ通過する光の面積が互いに等しくなり、光情報記録媒体51上の記録面上における集光スポットの対象性が向上するという利点がある。
この場合において、第1のサブブロック13A、第2のサブブロック13B、第3のサブブロック13C及び第4のサブブロック13DのX方向の長さ又は面積は±10%程度の誤差を含んでいても実質的に等しく、同一とみなすことができる。本発明において長さ及び面積等が実質的に等しいという場合には、±10%程度の誤差を含んでいることを意味する。
図3に示すように、第1の領域12A、第2の領域12B、第3の領域12Cには、それぞれX方向に沿って格子溝12aが周期的に設けられている。格子溝12aの周期構造の位相は、第1の領域12A、第2の領域12B及び第3の領域12Cにおいて互いに異なっている。具体的には、第1の領域12Aと第3の領域12Cとは位相が180度異なっており、第1の領域12Aと第2の領域12Bの各サブブロックとは、位相が90度異なっている。
また、第2の領域12Bにおいて、対角に配置されたサブブロック同士の位相は互いに等しく、X方向及びY方向に隣接して配置されたサブブロック同士の位相は互いに異なっている。具体的には、第1のサブブロック13Aと第4のサブブロック13Dと及び第2のサブブロック13Bと第3のサブブロック13Cとはそれぞれ互いに位相が等しく、第1のサブブロック13A及び第4のサブブロック13Dと、第2のサブブロック13B及び第3のサブブロック13Cとは互いに位相が異なっている。
具体的には、第2の領域12Bのうち第1のサブブロック13A及び第4のサブブロック13Dの周期構造の位相と、第2のサブブロック13B及び第3のサブブロック13Cの周期構造の位相とは、実質的に180度ずれている。すなわち、第2のサブブロック13B及び第3のサブブロック13Cにおける格子溝12aの配置周期は、第1のサブブロック13A及び第4のサブブロック13Dにおける格子溝12aの配置周期を基準として2分の1周期だけY方向にずれている。
また、第1の領域12Aの周期構造の位相は、第1のサブブロック13A及び第4のサブブロック13Dの周期構造の位相に対して実質的に90度進み(+90度ずれている。)、第2のサブブロック13B及び第3のサブブロック13Cの周期構造の位相に対して実質的に90度遅れている(−90度ずれている。)。すなわち、第1の領域12Aにおける格子溝12aの配置周期は、第1のサブブロック13Aと第4のサブブロック13Dにおける格子溝12aの配置周期を基準として4分の1周期だけ+Y方向にずれており、第2のサブブロック13Bと第3のサブブロック13Dにおける格子溝12aの配置周期を基準として4分の1周期だけ−Y方向にずれている。
一方、第3の領域12Cの周期構造の位相は、第1の領域12Aの周期構造の位相と実質的に180度ずれている。従って、第3の領域12Cの周期構造の位相は、第1のサブブロック13Aと第4のサブブロック13Dに形成されている周期構造の位相に対して実質的に90度遅れ、第2のサブブロック13B及び第3のサブブロック13Cの周期構造の位相に対して実質的に90度進んでいる。すなわち、第3の領域12Cにおける格子溝12aの配置周期は、第1のサブブロック13Aと第4のサブブロック13Dにおける格子溝12aの配置周期を基準として4分の1周期だけ−Y方向にずれている。また、第2のサブブロック13Bと第3のサブブロック13Dにおける格子溝12aの配置周期を基準として4分の1周期だけ+Y方向にずれている。
なお、第1の領域12Aの位相は、第1のサブブロック13A及び第4のサブブロック13Dの位相と、第2のサブブロック13B及び第3のサブブロック13Cの位相とに対してそれぞれ実質的に90度ずれていればよい。従って、第1の領域12Aの位相が、第1のサブブロック13A及び第4のサブブロック13Dの位相に対して実質的に90度遅れ、第2のサブブロック13B及び第3のサブブロック13Cの位相に対して実質的に90度進んでいてもよい。
また、各領域における周期構造の位相のずれは、正確に90度又は180度である必要はない。光情報記録媒体51の記録面上における集光スポットが、後で述べるような形状となればよいため、±10度程度の誤差を含んでいてもよい。
光源11から出射された光ビーム31の中心(発光点中心)L1は、図3に示すように、装置の組み立て精度の範囲内で第3の分割線D3と第4の分割線D4との交点上に配置することが好ましい。
以下に、第1の実施形態の光ピックアップ装置により、案内溝の周期が異なる光情報記録媒体に対して安定してトラッキング誤差検出ができる理由を説明する。
図4は、回折格子12によって生成された光ビームのメインビーム31a並びに2つのサブビーム31b及びサブビーム31cの光情報記録媒体51の記録面上における集光スポットの形状を示している。なお、図4においてもX方向は光情報記録媒体の半径方向を示しY方向は案内溝が延びる方向を示す。
回折格子12に入射した光ビーム31は、第1の領域12A、第2の領域12B及び第3の領域12Cにそれぞれ形成された周期構造によって所定の位相差を有するサブビームに分岐され、光情報記録媒体51に導かれる。
回折格子12の第2の領域12Bにおける第1のサブブロック13A及び第4のサブブロック13Dと第2のサブブロック13B及び第3のサブブロック13Cとは回折格子の位相が180度異なる。このため、第1のサブブロック13A及び第4のサブブロック13Dを透過した回折光と第2のサブブロック13B及び第3のサブブロック13Cを透過した回折光とは互いに打ち消しあい、図4に示すサブビーム31b及びサブビーム31cの光情報記録媒体51の記録面上における集光スポットは、中央部において強度が小さくなる。この場合、サブビーム31b及びサブビーム31cの集光スポットの中央部の強度を小さくできればよく、第1のサブブロック13A及び第4のサブブロック13Dと第2のサブブロック13B及び第3のサブブロック13Cとの位相のずれは180度に対して±10度程度の誤差を含んでいても問題ない。
また、第1の領域12Aの回折格子の位相は、第2の領域12Bの第1のサブブロック13A及び第4のサブブロック13Dに対して90度進んでおり、第2のサブブロック13B及び第3のサブブロック13Cに対して90度遅れている。また、第3の領域12Cの回折格子の位相は、第2のサブブロック13B及び第3のサブブロック13Cに対して90度進んでおり、第1のサブブロック13A及び第4のサブブロック13Dに対して90度遅れている。従って、第1の領域12Aを透過した+1次回折光の位相は、第1のサブブロック13A及び第4のサブブロック13Dを透過した+1次回折光の位相に対して90度進み、第2のサブブロック13B及び第3のサブブロック13Cを透過した+1次回折光の位相に対して90度遅れる。
一方、第3の領域12Cを透過した+1次回折光の位相は、第2のサブブロック13B及び第3のサブブロック13Cを透過した+1次回折光の位相に対して90度進み、第1のサブブロック13A及び第4のサブブロック13Dを透過した+1次回折光の位相に対して90度遅れる。−1次回折光については逆の現象が生じる。
従って、集光スポットのY方向を軸として左側においても右側においても、位相が90度進んだ光と位相が90度遅れた光とが等しく存在するため、集光スポットの強度分布はY方向を軸として左右対称となる。この場合においても、第1の領域12Aと第2の領域12Bとの位相のずれ及び第2の領域12Bと第3の領域12Cとの位相のずれはそれぞれ90度に対して±10度程度の誤差を含んでいても問題ない。
図4に示すように、光情報記録媒体51の記録面上には複数の案内溝51aが周期的に配置されている。また、図4に示すように、光ビーム31のメインビーム31a、サブビーム31b及びサブビーム31cがそれぞれ対物レンズ19によって集光された集光スポットは同一の案内溝51aに配置される。
各集光スポットにおいてメインビーム31a、サブビーム31b及びサブビーム31cはそれぞれ反射され、各集光スポットに対応する反射光は、光検出器16に設けられた受光素子21A、受光素子21B及び受光素子21Cによってそれぞれ受光される。受光素子21A、受光素子21B及び受光素子21Cは、メインビーム31aに対応するプッシュプル信号MPP、サブビーム31bに対応するプッシュプル信号SPP1及びサブビーム31cに対応するプッシュプル信号SPP2を出力する。
対物レンズ19のラジアルシフト(光情報記録媒体の半径方向のシフト)及び光情報記録媒体51の傾きに起因するMPP、SPP1及びSPP2のオフセット成分は、対物レンズ19のラジアルシフト又は光情報記録媒体51の傾きのそれぞれについて同じ側(同相)に発生する。従って、対物レンズ19のラジアルシフト及び光情報記録媒体51の傾きに起因するオフセットをキャンセルした作動プッシュプル(DPP)信号は、図2に示す加算器27、増幅器28及び減算器29を用いて、式(1)に示すような演算処理を行うことにより検出することができる。
DPP = MPP − k×(SPP1 + SPP2) ・・・ (式1)
但しkは増幅器28の増幅率である。
図5は、プッシュプル信号MPP、プッシュプル信号SPP1、プッシュプル信号SPP2及び式(1)に基づいて求めたDPP信号の出力波形を示している。図5において縦軸は信号強度を示し、横軸は集光スポットの光情報記録媒体51における相対的な位置を示している。図5に示すように、SPP1及びSPP2の位相はMPPの位相に対して正確に180度ずれている。また、式(1)に基づいて求めたDPP信号は、適正値となっているため、各集光スポットを同一の案内溝上に形成できる。
図2に示すように、加算器27の入力側は減算器25及び減算器26の出力と接続され、増幅器28の入力は加算器27の出力と接続されている。減算器29の入力は減算器24及び増幅器28の出力と接続されている。これにより、式(1)に示す演算を行うことができる。なお、(式1)の係数kは、光情報記録媒体51から反射されるメインビーム31a、サブビーム31b及びサブビーム31cの光強度の違いを補正するためのものである。メインビーム31aとサブビーム31bとサブビーム31cとの光強度の比がa:b:bの場合には、係数kはa/2bとすればよい。すなわち、係数kは、光情報記録媒体51に応じて決められる定数である。なお、信号処理回路は、従来構成のものを利用してもよい。
なお、本実施形態は光源が1つの場合を示したが、光源は複数あってもよい。この場合には、図6に示すように、少なくとも1つの光源から出射された光ビームの中心を、第3の分割線D3と第4の分割線D4との交点上に配置することが好ましい。
なお、図7に示すように、複数存在する光源のうちの、第1の光源から出射された光ビームL1の中心と、第2の光源から出射された光ビームL2の中心とを結ぶ直線が、第3の分割線D3と交差するように配置してもよい。この場合、第3の光源から出射された光ビームの中心L3の位置は特に限定されない。また、第3の光源はなくてもよい。
また、本実施形態において第3の分割線は一本であるが、第1のサブブロック13Aと第3のサブブロック13CとのX方向の幅が異なり、第1のサブブロック13Aと第2のサブブロックとを分割する第3の分割線と、第3のサブブロック13Cと第4のサブブロック13Dとを分割する第3の分割線とが別々であってもよい。また、第1のサブブロック13Aと第2のサブブロック13BとのY方向の長さが異なり、第1のサブブロック13Aと第3のサブブロック13Cとを分割する第4の分割線と、第2のサブブロック13Bと第4のサブブロック14Dとを分割する第4の分割線とが別々であってもよい。
(第2の実施形態)
以下に、本発明の第2の実施形態について図面を参照して説明する。図8は第2の実施形態に係る光ピックアップ装置に用いる回折格子12を示している。図8において図3と同一の構成要素には同一の符号を附すことにより説明を省略する。
図8に示すように本実施形態の回折格子12の格子面は、Y方向に延びる第1の分割線D1及び第2の分割線D2によって、互いに位相が異なる第1の領域12A、第2の領域12B及び第3の領域12Cの3つの領域に区画されている。すなわち、第1の領域12Aと第2の領域12Bとは第1の分割線D1を挟んで隣接し、第2の領域12Bと第3の領域12Cとは第2の分割線D2を挟んで隣接している。
第2の領域はY方向に延びる第3の分割線によって互いに分割された第1のサブブロック13Aと第2のサブブロック13Bとを含んでいる。第1のサブブロック13Aと第2のサブブロック13Bとは位相が実質的に180度ずれており、第1の領域12A側から順次交互に設けられている。また、第1の領域12Aの位相は、第1のサブブロック13Aの位相に対して実質的に90度進んでおり、第2のサブブロック13Bの位相に対して実質的に90度遅れている。一方、第1の領域12Aの位相と第3の領域12Cの位相とは実質的に180度ずれている。従って、第3の領域12Cの位相は、第1のサブブロック13Aの位相に対して実質的に90度遅れており、第2のサブブロック13Bの位相に対して実質的に90度進んでいる。
なお、第1の領域12Aの位相は、第1のサブブロック13Aの位相及び第2のサブブロック13Bの位相に対してそれぞれ実質的に90度ずれていればよい。従って、第1の領域12Aの位相が、第1のサブブロック13Aの位相に対して実質的に90度遅れ、第2のサブブロック13Bの位相に対して実質的に90度進んでいてもよい。
このような構成とすることにより、第1のサブブロック13Aを透過する光ビーム31の面積と第2のサブブロック13Bを通過する光ビーム31の面積との差、つまりそれぞれを通過する光量の差を抑制することができる。従って、回折格子12のY方向の位置、すなわち光源11から出射された光ビームの中心の位置に関係なく、良好な特性を得ることが可能となる。
なお、図8においては、第3の分割線D3a、第3の分割線D3b及び第3の分割線D3cが設けられ、2つの第1のサブブロック13Aと2つの第2のサブブロック13Bが設けられた例を示している。しかし、少なくとも2つの第1のサブブロック13Aと少なくとも1つの第2のサブブロック13Bとが設けられていればよい。但し、第1のサブブロック13Aの数と第2のサブブロック数とを等しくした方が、第1のサブブロック13Aを通過する光の面積と第2のサブブロック13Bとを通過する光の面積とが互いに等しくなり対称性が向上するため好ましい。
図8においては、第1のサブブロック13Aと第2のサブブロック13BとのX方向の長さをそれぞれ実質的に等しくしているが、異なる長さとしてもよい。但し、第1のサブブロック13AのX方向の長さの総和と第2のサブブロック13BのX方向の長さの総和とは実質的に等しくすることが好ましい。
また、図8は、光源11から出射された光ビーム31の中心L1が、第3の分割線D3b上に配置された例を示した。しかし、これに限定されるものではなく、光源11から出射された光ビーム31の中心は第2の領域12B内に配置されていればよい。
なお、第2の実施形態は光源が1つの場合について示したが、光源が複数存在していてもよい。この場合には、図9に示すように、少なくとも1つの光源から出射される光ビームの中心を、第2の領域12B内に配置することが好ましい。
また、図10に示すように、複数の光源のうちの、第1の光源から出射された光ビームの中心L1を第1の領域12A内に配置し、第2の光源から出射された光ビームの中心L2を、第3の領域12C内に配置してもよい。この場合、第3の光源から出射された光ビームの中心L3の位置は特に限定されない。また、第3の光源はなくてもよい。
第1及び第2の実施形態において光情報記録媒体51は、特に限定されるものではなくDVD−ROM、DVD−RAM、DVD−R、DVD−RW等を含むDVD及びCD−ROM、CD−R、CD−RW等を含むCDを用いることができる。また、光ビーム31の波長は光情報記録媒体51応じて決めればよく、DVD及びCDの場合には約650nmから約780nmとすればよい。また、DVDについては、DVD−R等の案内溝ピッチが0.74μmのもの及びDVD−RAM等の案内溝ピッチが1.23μmのもののいずれの場合であっても、安定したトラッキング誤差信号検出を行うことが可能である。
また、各実施形態において、回折格子12を図1に示す光学系における光源11とハーフミラー15との間に配置した場合について説明したが、これに代えて、回折格子12を例えばハーフミラー15とコリメートレンズ18との間に配置してもよい。また、図1に示す光学系に代えて、光源と光検出器とが一体化した光学系(例えばハーフミラーを用いない光学系)を用い、光源とコリメートレンズとの間に回折格子を配置してもよい。
また、各実施形態において、回折格子12の各領域に設けた格子溝をいずれも光情報記録媒体の半径方向であるX方向に沿って形成したが、これに代えて、格子溝をX方向に対して斜め方向に設けてもよい。
以上のように、各実施形態に係る光ピックアップ装置は、案内溝のピッチの異なる各種光情報記録媒体へ対応することを可能にするものであって、より安定した記録・再生を実現するトラッキング誤差信号検出が達成される。すなわち、各実施形態に係る光ピックアップ装置は、DVD系及びCD系の記録装置及び再生装置において小型化、簡素化、低コスト化及び高効率化等を実現することができる。また、光ディスクなどの光情報記録媒体に情報の記録、再生及び消去等の処理を行う光学式情報処理装置において、その基幹部品である光学式ヘッド装置に使用される再生信号、記録信号及び各種サーボ信号等の検出機能を有する光ピックアップ装置として、各実施形態に係る光ピックアップ装置は非常に有用である。
本発明の光ピックアップ装置は、インライン型DPP方式の利点を保持したまま、案内溝のピッチが異なる複数の光情報記録媒体に対して安定したトラッキング誤差検出を行う光ピックアップ装置を実現でき、光情報記録媒体に対する情報の記録及び光情報記録媒体に記録された情報の再生又は消去等の処理を行う光学式情報処理装置に用いる光ピックアップ装置等として有用である。
本発明の第1の実施形態に係る光ピックアップ装置を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る光ピックアップ装置の光検出器を示す回路図である。 本発明の第1の実施形態に係る光ピックアップ装置の回折格子を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る光ピックアップ装置によって光情報記録媒体の記録面上に形成された集光スポットの形状を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る光ピックアップ装置によって得られる信号の波形を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態に係る光ピックアップ装置の回折格子と光ビームの中心との位置関係の一例を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る光ピックアップ装置の回折格子と光ビームの中心との位置関係の一例を示す平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る光ピックアップ装置の回折格子を示す平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る光ピックアップ装置の回折格子と光ビームの中心との位置関係の一例を示す平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る光ピックアップ装置の回折格子と光ビームの中心との位置関係の一例を示す平面図である。 従来例に係る光ピックアップ装置によって光情報記録媒体の記録面上に形成された集光スポットの形状を示す平面図である。 従来例に係る光ピックアップ装置の回折格子を示す平面図である。
符号の説明
11 光源
12 回折格子
12A 第1の領域
12B 第2の領域
12C 第3の領域
12a 格子溝
13A 第1のサブブロック
13B 第2のサブブロック
13C 第3のサブブロック
13D 第4のサブブロック
15 ハーフミラー
16 光検出器
17 集積回路基板
18 コリメートレンズ
19 対物レンズ
21A 受光素子
21B 受光素子
21C 受光素子
23 演算処理回路
24 減算器
25 減算器
26 減算器
27 加算器
28 増幅器
29 減算器
31 光ビーム
31a メインビーム
31b サブビーム
31c サブビーム
51 光情報記録媒体
51a 案内溝

Claims (12)

  1. 光情報記録媒体に対する情報の記録並びに前記光情報記録媒体に記録された情報の読み出し及び消去を行う光ピックアップ装置であって、
    光源と、
    前記光源から出射された出射光ビームを少なくとも3本の光ビームに分岐する回折格子と、
    前記各光ビームを、それぞれ集光して前記光情報記録媒体の記録面上に、それぞれ独立した集光スポットとして照射する対物レンズと、
    前記各集光スポットとして照射された前記各光ビームが前記光情報記録媒体において反射された反射光を受光する光検出器とを備え、
    前記回折格子は、前記光情報記録媒体のトラックの接線方向に対して平行な第1方向に延びる第1の分割線及び第2の分割線により、互いに位相が異なる周期構造を有する第1の領域、第2の領域及び第3の領域に分割されており、
    前記第2の領域は、前記第1の領域と前記第3の領域との間に配置され、且つ、前記第1方向に延びる第3の分割線と前記第1方向と交差する第2方向に延びる第4の分割線とにより第1のサブブロック、第2のサブブロック、第3のサブブロック及び第4のサブブロックに分割されており、
    前記第1のサブブロックと前記第2のサブブロックと及び前記第3のサブブロックと前記第4のサブブロックとは、それぞれ前記第2方向に隣接して配置され、
    前記第1のサブブロックと前記第3のサブブロックと及び前記第2のサブブロックと前記第4のサブブロックとは、それぞれ前記第1方向に隣接して配置され、
    前記第1のサブブロックと前記第4のサブブロックと及び前記第2のサブブロックと前記第3のサブブロックとは、それぞれ前記周期構造の位相が互いに等しく、
    前記第1のサブブロック及び第4のサブブロックと前記第2のサブブロック及び第3のサブブロックとは、前記周期構造の位相が略180度異なり、
    前記第1の領域と前記第2の領域の各サブブロックとは、前記周期構造の位相が略90度異なり、
    前記第1の領域と前記第3の領域とは、前記周期構造の位相が略180度異なることを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 前記第1の分割線と前記第3の分割線との間隔と、前記第2の分割線と前記第3の分割線との間隔とは実質的に等しいことを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  3. 前記第1のサブブロックの面積と、前記第2のサブブロックの面積と、前記第3のサブブロックの面積と、前記第4のサブブロックの面積とは実質的に等しいことを特徴とする請求項1又は2に記載の光ピックアップ装置。
  4. 前記光源から出射された出射光ビームの中心は、前記回折格子における前記第3の分割線と前記第4の分割線との交点に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  5. 光情報記録媒体に対する情報の記録並びに前記光情報記録媒体に記録された情報の読み出し及び消去を行う光ピックアップ装置であって、
    光源と、
    前記光源から出射された出射光ビームを少なくとも3本の光ビームに分岐する回折格子と、
    前記各光ビームを、それぞれ集光して前記光情報記録媒体の記録面上に、それぞれ独立した集光スポットとして照射する対物レンズと、
    前記各集光スポットとして照射された前記各光ビームが前記光情報記録媒体において反射された反射光を受光する光検出器とを備え、
    前記回折格子は、前記光情報記録媒体のトラックの接線方向に対して平行な第1方向に延びる第1の分割線及び第2の分割線により、それぞれが互いに位相が異なる周期構造を有する第1の領域、第2の領域及び第3の領域に分割されており、
    前記第2の領域は、前記第1の領域と前記第3の領域との間に配置され、且つ、前記第1方向に延びる少なくとも2本の第3の分割線により、少なくとも2つの第1のサブブロックと少なくとも1つの第2のサブブロックとに分割されており、
    前記第1のサブブロックと前記第2のサブブロックとは、交互に配置され且つ前記周期構造の位相が略180度異なり、
    前記第1の領域と前記第2の領域の各サブブロックとは、前記周期構造の位相が略90度異なり、
    前記第1の領域と前記第3の領域とは、前記周期構造の位相が略180度異なることを特徴とする光ピックアップ装置。
  6. 前記第1のサブブロックの前記第2方向の長さと前記第2のサブブロックの前記第2方向の長さとは、実質的に等しいことを特徴とする請求項に記載の光ピックアップ装置。
  7. 前記第1のサブブロックの数と前記第2のサブブロックの数とは等しいことを特徴とする請求項又はに記載の光ピックアップ装置。
  8. 前記光源から出射された出射光ビームの中心は、前記回折格子の前記第2領域内に配置されていることを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  9. 前記少なくとも3本の光ビームは、0次回折光、+1次回折光及び−1次回折光を含むことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  10. 前記光情報記録媒体の記録面上には複数の案内溝が周期的に配置されており、
    前記各光ビームは、前記複数の案内溝のうちの一の案内溝に集光することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  11. 前記光検出器からの出力信号に基づいて、差動プッシュプル法によりトラッキング誤差信号を検出する演算処理回路をさらに備えていることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  12. 前記光検出器は、前記各反射光にそれぞれ対応する少なくとも3つの受光素子を有し、
    前記各受光素子は、それぞれ複数の受光領域に分割されていることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
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