本発明は、複数種類の光ディスク等の各メディアに記録されたデータを再生させることや、複数種類の光ディスク等の各メディアにデータを記録させることが可能な光ピックアップ装置および光ディスク装置に関するものである。
図16〜図23は、従来の光ピックアップ装置および光ディスク装置に関するものである。
光ピックアップ装置を備える光ディスク装置が用いられて、光ディスクに光学的な信号の読出しが行われたり、光ディスクに光学的な信号の書込みが行われたりされる。光ディスクの所定のトラック上に正しく集光スポットが照射されるために、光ピックアップ装置を備える光ディスク装置内において、所望のトラックに対する集光スポットのずれを示すトラッキング誤差が検知され、このトラッキング誤差に基づいて、対物レンズの位置が調整されてトラッキング制御が行われる。光ピックアップ装置におけるトラッキングとは、光ディスクの半径方向の振れに追従して、目標のトラック上に常に集光スポットを存在させる動作を意味する。また、トラッキング誤差検出方法として、例えば、3ビームによるDPP法(Differential Push-Pull Method)が挙げられる。
光ディスクなどのメディアとして、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)(登録商標)等が挙げられる。メディアとは、情報を記録して媒介するもの等を意味する。また、DVDとして、例えば、DVD−R(Recordable),DVD−RW(Re-Writable),DVD−RAM(Random Access Memory)等が挙げられる。DVD−RまたはDVD−RWのトラックピッチは、略0.74μm(ミクロン)とされている。また、DVD−RAM(Version2.0,2.1)のトラックピッチは、略0.615μmとされている。このように、DVD−RまたはDVD−RWと、DVD−RAMとでは、トラックピッチが異なる。
トラッキング誤差検出方法がDPP法の光ピックアップ装置および光ディスク装置において、所定のトラックピッチの光ディスクが使用されたときには、図16の如く、先行サブ・プッシュプル信号(先行Sub−PP)と、後行サブ・プッシュプル信号(後行Sub−PP)とに「位相差」は生じない。先行サブ・プッシュプル信号(先行Sub−PP)と、後行サブ・プッシュプル信号(後行Sub−PP)とに「位相差」が生じたときに、この「位相差」は、例えば、トラッキングエラー位相差(TE位相差)と呼ばれる。
例えば、TE位相差量と、光ディスクの偏芯量とが共に小さいときには、図17に示す波形のトラッキングエラー信号(TE信号)が測定される。図17に示す波形のTE信号が測定された場合には、光ピックアップ装置のトラッキング誤差検出が行われているときに、光ディスクに対する記録/再生性能に悪影響が及ぼされることなく、略安定したトラッキングサーボ機能が働く。
トラッキング誤差検出方法がDPP法の光ピックアップ装置および光ディスク装置において、所定のトラックピッチ以外の光ディスクが使用されたときには、図18の如く、先行サブ・プッシュプル信号(先行Sub−PP)と、後行サブ・プッシュプル信号(後行Sub−PP)とに「位相差」が発生する。すなわち、先行サブ・プッシュプル信号(先行Sub−PP)と、後行サブ・プッシュプル信号(後行Sub−PP)とに、TE位相差が発生する。
TE位相差が生じると、TE信号の振幅レベルおよび信号品質が劣化され、光ディスクに対する記録/再生性能に影響が及ぼされる可能性がある。光ディスクの偏芯量が大きい場合には、この影響が顕著となって、トラッキングサーボの動作が不安定となり、光ピックアップ装置の基本動作に悪影響が及ぼされる虞がある。
例えば、TE位相差量が大きく、光ディスクの偏芯量が著しいときには、図19に示す波形のTE信号が測定される。図19に示される如く、TE信号波形に例えば著しい括れ部が生じた場合、光ディスクの偏芯などにより、TE信号レベル著しく低下する状況となり、最悪の場合には、トラッキングサーボが破綻することも考えられる。従って、TE位相差量は、できる限り小さく抑えることが望ましい。
近年、トラックピッチの異なる複数種類の光ディスクのデータ記録/再生が可能とされた光ピックアップ装置または光ディスク装置が求められつつある。これに対応するために、例えば、トラックピッチに依存されない方法で、トラッキング誤差が検出されて、トラッキングの制御が行われることが可能とされたものが提案された。
例えば、対物レンズの並進や情報記録媒体の傾きによって発生するオフセットを抑圧できると共に、情報記録媒体のトラック間隔が変化してもトラッキング誤差信号の振幅を最大に保つことができ、且つ、光学系が簡素な光ヘッドのトラッキング誤差検出装置が提案された(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に記載の光ヘッドのトラッキング誤差検出装置には、図20に示す回折格子80に類似したものが紹介されている。回折格子80には、レーザダイオードから出射されるレーザ光の一部にπラジアンの位相シフトを発生させる位相シフト領域81,82が設けられている(図21)。回折格子80(図20)は、略長方形状の第一領域81と、第一領域81に隣接する略長方形状の第二領域82との2つの領域81,82に分けられている。各領域81,82内で所定の周期構造が構成されている。
また、例えば、新しいトラッキングエラー信号検出方式(インラインDPP方式)の利点を保持したまま、インラインDPP方式における最大の問題点であるトラッキングエラー信号視野特性劣化の問題を改善し、ディスクのトラックピッチの違いや対物レンズのトラッキング方向変位への依存が少なく、トラックピッチが異なる複数種類の光ディスクに対して常にトラッキングオフセットが良好に除去された実用的なトラッキングエラー信号を検出することができる光ピックアップおよびそれを用いた光学的情報記録装置または再生装置が提案された(例えば、特許文献2参照。)。
視野特性とは、ディスクに対する対物レンズのトラッキング方向変位に伴うトラッキングエラー信号の劣化度合いの特性とされている。
特許文献2に記載の光ピックアップおよびそれを用いた光学的情報記録装置または再生装置には、図22に示す回折格子90に類似したものが紹介されている。回折格子90には、レーザダイオードから出射されるレーザ光の一部にπラジアンの位相シフトを発生させる位相シフト領域91,93が設けられている(図23)。回折格子90(図22)は、略長方形状の第一領域91と、第一領域91に隣接する幅狭状の第二領域92と、第二領域92に隣接する略長方形状の第三領域93との3つの領域91,92,93に分けられている。各領域91,92,93内で所定の周期構造が構成されている。
特開平9−81942号公報(第1,3頁、第1−7図)
特開2004−145915号公報(第5−6頁、第1,7−22図)
しかしながら、上記従来の回折格子80(図20)を備えた光ピックアップ装置および光ディスク装置や、上記従来の回折格子90(図22)を備えた光ピックアップ装置および光ディスク装置にあっては、必ずしも満足した性能を発揮できるものとされていなかった。
光ピックアップ装置のトラッキング特性は、視野特性が重要な特性とされる。しかしながら、視野特性と、トラッキングエラー位相差特性とは、性能上、トレードオフの関係にある。トレードオフとは、複数の条件が同時に満たされることのできないような係わり合いを意味する。
従来の三分割型の回折格子90(図22)を備えた光ピックアップ装置において、視野特性もしくはトラッキングエラー位相差特性を変更可能な部分は、三分割型回折格子90の中央分割部90mの幅90wのみである。そのため、光ディスク装置のドライブ側のものに必要とされる視野特性およびトラッキングエラー位相差特性が共に満足されるということは、必ずしも実現されなかった。
また、三分割型回折格子90は、図22の如く、回折格子90が平面視されたときに、回折格子90を等分割させる境界線が無い。例えば、回折格子を等分割させる境界線は、光ピックアップ装置のハウジングに回折格子を精度よく位置決め調整させつつ固定させるための位置決め用中心線として用いられる。回折格子90に位置決め用中心線が設けられていない場合、光軸調整用カメラ(図示せず)によって、回折格子90を精度よく光ピックアップ装置のハウジングに装備させることは難しかった。回折格子90が精度よく光ピックアップ装置のハウジングに備えられていない場合、光ディスクに精度よく集光スポットが照射形成されないことが懸念される。
近年、DVD−R,DVD−RW,DVD−RAM等のトラックピッチの異なる複数種類の光ディスクに対して不具合なく対応可能とされるために、トラッキング制御が行われ易い単一の高度な光ピックアップ装置や、トラッキング制御が行われ易い単一の高度な光ピックアップ装置を備えた光ディスク装置が、市場から要求されている。
例えば、トラックピッチが異なる複数種類の光ディスクのデータ記録/再生時に、対物レンズの変位に伴うトラッキングエラー信号の振幅を劣化させない光ピックアップ装置や、トラッキングエラー信号にオフセットを残留させない光ピックアップ装置が、市場から要求されている。
また、例えば、光ピックアップ装置が用いられる部位において、最適な特性が発揮される光ピックアップ装置が市場から要求されている。例えば、ノート型もしくはラップトップ型パーソナルコンピュータ用の光ディスク装置に用いられる光ピックアップ装置においては、小さい対物レンズが用いられる。
パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer )について説明すると、ノート型PCもしくはラップトップ型PCは、軽量化、軽薄化が要求されることから、スリム型ドライブが装備された光ディスク装置を備えた構造とされる。ノート型PCもしくはラップトップ型PCは、ディスプレイと、PC本体とが、一体構造のものとされ、PC本体に対し、ディスプレイが折りたたまれることで、薄型サイズのものとなる。ノート型PCは、例えば、このものが平面視されたときに略A4判もしくはこれ以下の大きさの汎用PCとされ、例えばブック型PCとも呼ばれる。ノート型PCもしくはラップトップ型PCは、コンパクトなものとされて容易に持運び可能なものとされている。
ノート型PCもしくはラップトップ型PCが小型、軽薄化されることにより、光ディスク装置は、小型、軽薄化される。また、光ディスク装置が小型、軽薄化されることにより、光ピックアップ装置は、小型、軽薄化される。また、光ピックアップ装置が小型、軽薄化されることにより、光ピックアップ装置に装備される対物レンズは、小型、軽薄化される。小さい対物レンズは、視野特性の点で不利とされているので、小さい対物レンズは、主に視野特性が重要視される。従って、小さい対物レンズが装備された光ピックアップ装置は、設計上、主に視野特性が重要視される。
また、例えば、デスクトップ型PC用の光ディスク装置に用いられる光ピックアップ装置は、視野特性が重要とされると共に、視野特性よりも、サブ・プッシュプル信号振幅レベル特性(Sub−PP振幅レベル特性)や、トラッキングエラー位相差特性(TE位相差特性)が主に重要視されることがある。デスクトップコンピュータは、卓上型のコンピュータとされ、机の上で使用可能なコンピュータとされているが、容易に持運びができないタイプのものとされている。
デスクトップ型PC用の光ディスク装置に用いられる光ピックアップ装置は、対物レンズが大きいことから、視野特性が考慮されつつ、視野特性よりも、Sub−PP振幅レベル特性や、TE位相差特性が、設計上、主に重要視される傾向にある。このように、光ピックアップ装置が装備される光ディスク装置の仕様などに対応して、最適な特性が発揮され易い光ピックアップ装置が要求されている。
本発明は、上記した問題点を解決することにある。本発明は、上記した点に鑑み、トラッキング制御が行われ易い光ピックアップ装置および光ディスク装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る光ピックアップ装置は、光を少なくとも三本の各光束に分岐させる回折格子を備え、三本の各該光束を集光させてメディアの信号面に各々独立した少なくとも三個の集光スポットを照射させる光ピックアップ装置において、前記回折格子は、第一領域と、該第一領域に隣接する第二領域と、該第二領域に隣接する第三領域と、該第三領域に隣接する第四領域との少なくとも四つに分けられ、該第一領域の周期構造に対し、該第二領域の周期構造は、異なる位相を有する周期構造とされ、該第二領域の周期構造に対し、該第三領域の周期構造は、3〜180度の異なる位相を有する周期構造とされ、該第三領域の周期構造に対し、該第四領域の周期構造は、異なる位相を有する周期構造とされ、該第一領域の周期構造に対し、該第四領域の周期構造は、略180度異なる位相を有する周期構造とされ、該第二領域の周期構造に対する該第三領域の周期構造の位相差は、該第一領域の周期構造に対する該第二領域の周期構造の位相差及び該第三領域の周期構造に対する該第四領域の周期構造の位相差と異なることを特徴とする。
上記構成により、メディアの信号面に対する光ピックアップ装置のトラッキングは、良好に行われ易くなる。メディアとは、情報を記録して媒介するものや情報を記録して伝達するものを意味する。また、光ピックアップ装置におけるトラッキングとは、メディアの半径方向の振れに追従して、目標のトラック上に常に集光スポットを存在させる動作を意味する。回折格子が四つの領域に分けられて構成されることにより、メディアの信号面に、各々独立した少なくとも三個の集光スポットが照射される。メディアの信号面に、少なくとも三個の集光スポットが各々独立して照射されるので、トラックピッチが異なる複数種類のメディアの記録/再生時に、トラッキングエラー信号が劣化するということは回避され易くなる。従って、トラッキング制御が行われ易い光ピックアップ装置の提供が可能となる。
また、メディアの信号面に形成される集光スポットは、より精度の高い集光スポットとして形成され易くなる。回折格子を構成する第二領域の周期構造に対し、回折格子を構成する第三領域の周期構造は、3〜180度の異なる位相を有する周期構造とされているので、回折格子の第二領域と、第二領域に隣接する回折格子の第三領域との境界部が略明確化される。第二領域の周期構造に対し、第三領域の周期構造が3度未満の異なる位相を有する周期構造とされた場合、第二領域と、第三領域との境界部が明確化されない。第二領域の周期構造に対し、第三領域の周期構造が180度の異なる位相を有する周期構造とされたときに、第二領域と、第三領域との境界部は、最も明確化される。
また、回折格子における第一領域と、第二領域と、第三領域と、第四領域とが区別化されると共に、回折格子おける第一領域と、第四領域との位相差が明確化される。回折格子の第一領域の周期構造に対し、回折格子の第四領域の周期構造が、略180度異なる位相を有する周期構造とされているので、メディアの信号面に少なくとも三個の各集光スポットが良好に形成される。メディアの信号面に良好に形成された少なくとも三個の各集光スポットにより、トラックピッチが異なる複数種類のメディアの記録/再生時に、トラッキングエラー信号が劣化するということは回避され易くなる。
請求項2に係る光ピックアップ装置は、請求項1に記載の光ピックアップ装置において、前記回折格子は、前記第一領域および該第一領域に隣接する前記第二領域を備える一方の領域部と、前記第三領域および該第三領域に隣接する前記第四領域を備える他方の領域部とを有し、該第二領域と、該第二領域に隣接する該第三領域との境界部により、該回折格子は、該一方の領域部と、該他方の領域部とに二等分されたことを特徴とする。
上記構成により、メディアの信号面に形成される集光スポットは、精度のよい集光スポットとして形成される。回折格子の第二領域と、第二領域に隣接する第三領域との境界部によって、第一領域および第一領域に隣接する第二領域を備える一方の領域部と、第三領域および第三領域に隣接する第四領域を備える他方の領域部とに回折格子が二等分されるので、光ピックアップ装置に回折格子が装備されるときに、回折格子に当てられる光は、回折格子の一方の領域部と、回折格子の他方の領域部とに、略二等分された状態に当てられ易くなる。回折格子の一方の領域部と、回折格子の他方の領域部とに、光が略二等分とされた状態に当てられ易くなることにより、回折格子は、光ピックアップ装置に精度よく備えられ易くなる。従って、メディアの信号面に精度よく集光スポットが形成され易くなる。これに伴って、メディアの信号面に対する光ピックアップ装置のトラッキングは、精度よく行われ易くなる。
請求項3に係る光ピックアップ装置は、請求項1又は2に記載の光ピックアップ装置において、前記第一領域の周期構造に対する前記第二領域の周期構造の位相差と、前記第三領域の周期構造に対する前記第四領域の周期構造の位相差とは、略同一とされたことを特徴とする。
請求項4に係る光ピックアップ装置は、請求項1〜3の何れか1項に記載の光ピックアップ装置において、前記第一領域の周期構造に対し、前記第二領域の周期構造は、30〜180度の異なる位相を有する周期構造とされ、前記第三領域の周期構造に対し、前記第四領域の周期構造は、30〜180度の異なる位相を有する周期構造とされたことを特徴とする。
請求項5に係る光ピックアップ装置は、請求項1〜4の何れか1項に記載の光ピックアップ装置において、前記第一領域および前記第四領域の間に、前記第二領域および前記第三領域が配置され、該第一領域の周期構造に対し、該第二領域の周期構造は、30〜180度の異なる位相を有する周期構造とされ、該第二領域の周期構造に対し、該第三領域の周期構造は、3〜180度の異なる位相を有する周期構造とされ、該第三領域の周期構造に対し、該第四領域の周期構造は、30〜180度の異なる位相を有する周期構造とされたことを特徴とする。
上記構成により、回折格子における第一領域と、第二領域と、第三領域と、第四領域とが、略明確に区別化される。回折格子を構成する第一領域の周期構造に対し、回折格子を構成する第二領域の周期構造は、30〜180度の異なる位相を有する周期構造とされているので、回折格子の第一領域と、回折格子の第二領域とが明確に区別化される。また、回折格子を構成する第二領域の周期構造に対し、回折格子を構成する第三領域の周期構造は、3〜180度の異なる位相を有する周期構造とされているので、回折格子の第二領域と、回折格子の第三領域とが略区別化される。また、回折格子を構成する第三領域の周期構造に対し、回折格子を構成する第四領域の周期構造は、30〜180度の異なる位相を有する周期構造とされているので、回折格子の第三領域と、回折格子の第四領域とが明確に区別化される。回折格子が四つの領域に分けられて区別化されることにより、メディアの信号面に、各々独立した少なくとも三個の集光スポットが照射される。メディアの信号面に、少なくとも三個の集光スポットが各々独立して照射されるので、メディアの信号面に対する光ピックアップ装置のトラッキングは、行われ易くなる。また、各領域の周期構造の位相が、定められた数値の範囲内に適宜設定されることにより、回折格子の設計自由度が向上すると共に、光ピックアップ装置の設計自由度も向上する。従って、使用される部位に対応して最適な特性が発揮され易い光ピックアップ装置が構成される。
請求項6に係る光ピックアップ装置は、請求項1〜5の何れか1項に記載の光ピックアップ装置において、前記回折格子は略矩形板状に形成され、縦長の前記第一領域と、縦長の前記第二領域と、縦長の前記第三領域と、縦長の前記第四領域とが横並びに配列された状態で、該回折格子が平面視されたときに、該回折格子の一領域の位相に対し、該一領域の右側に隣接する他領域の位相が略右上がり階段状にずらされた場合に、該他領域の該位相は、プラス側にずらされたものと定められ、該回折格子の該一領域の該位相に対し、該一領域の右側に隣接する該他領域の該位相が略右下がり階段状にずらされた場合に、該他領域の該位相は、マイナス側にずらされたものと定められ、該回折格子が平面視されたときに、該第一領域の周期構造に対し、該第一領域の右側に隣接する該第二領域の周期構造は、プラス側にずらされた位相を有する周期構造とされ、該第二領域の周期構造に対し、該第二領域の右側に隣接する該第三領域の周期構造は、プラス側にずらされた位相を有する周期構造とされ、該第三領域の周期構造に対し、該第三領域の右側に隣接する該第四領域の周期構造は、プラス側にずらされた位相を有する周期構造とされたことを特徴とする。
上記構成により、サブ・プッシュプル信号振幅レベルが増加され、サブ・プッシュプル信号振幅レベル特性が向上され易くなる。サブ・プッシュプル信号振幅レベルが減少され、サブ・プッシュプル信号振幅レベル特性が低下するということは回避される。メディアの信号面に照射される少なくとも三個の集光スポットは、メインスポットと、メインスポットを挟む一対のサブスポットとを含むものとされている。メインスポットと、サブスポットとに関連した信号振幅レベルとされるサブ・プッシュプル信号振幅レベルは、下記(1)式に基づいて定められる。
また、トラッキングエラー位相差量が減少され、トラッキングエラー位相差特性が向上され易くなる。トラッキングエラー位相差量が増加され、トラッキングエラー位相差特性が低下するということは回避される。
請求項7に係る光ピックアップ装置は、請求項1〜5の何れか1項に記載の光ピックアップ装置において、前記回折格子は略矩形板状に形成され、縦長の前記第一領域と、縦長の前記第二領域と、縦長の前記第三領域と、縦長の前記第四領域とが横並びに配列された状態で、該回折格子が平面視されたときに、該回折格子の一領域の位相に対し、該一領域の右側に隣接する他領域の位相が略右上がり階段状にずらされた場合に、該他領域の該位相は、プラス側にずらされたものと定められ、該回折格子の該一領域の該位相に対し、該一領域の右側に隣接する該他領域の該位相が略右下がり階段状にずらされた場合に、該他領域の該位相は、マイナス側にずらされたものと定められ、該回折格子が平面視されたときに、該第一領域の周期構造に対し、該第一領域の右側に隣接する該第二領域の周期構造は、マイナス側にずらされた位相を有する周期構造とされ、該第二領域の周期構造に対し、該第二領域の右側に隣接する該第三領域の周期構造は、マイナス側にずらされた位相を有する周期構造とされ、該第三領域の周期構造に対し、該第三領域の右側に隣接する該第四領域の周期構造は、マイナス側にずらされた位相を有する周期構造とされたことを特徴とする。
上記構成により、サブ・プッシュプル信号振幅レベルが増加され、サブ・プッシュプル信号振幅レベル特性が向上され易くなる。サブ・プッシュプル信号振幅レベルが減少され、サブ・プッシュプル信号振幅レベル特性が低下するということは回避される。また、トラッキングエラー位相差量が減少され、トラッキングエラー位相差特性が向上され易くなる。トラッキングエラー位相差量が増加され、トラッキングエラー位相差特性が低下するということは回避される。
請求項8に係る光ピックアップ装置は、請求項1〜7の何れか1項に記載の光ピックアップ装置において、前記第一領域および前記第四領域の間に、前記第二領域および前記第三領域が配置され、該第一領域の周期構造に対し、該第二領域の周期構造は、略75度異なる位相を有する周期構造とされ、該第二領域の周期構造に対し、該第三領域の周期構造は、略30度異なる位相を有する周期構造とされ、該第三領域の周期構造に対し、該第四領域の周期構造は、略75度異なる位相を有する周期構造とされたことを特徴とする。
上記構成により、サブ・プッシュプル信号振幅レベルが増加され、サブ・プッシュプル信号振幅レベル特性が向上する。サブ・プッシュプル信号振幅レベルが減少され、サブ・プッシュプル信号振幅レベル特性が低下するということは回避される。この光ピックアップ装置のサブ・プッシュプル信号振幅レベル特性は、従来の三つの位相領域に分けられた回折格子を備える光ピックアップ装置の信号振幅レベル特性よりも向上する。また、トラッキングエラー位相差量が減少され、トラッキングエラー位相差特性が向上する。トラッキングエラー位相差量が増加され、トラッキングエラー位相差特性が低下するということ
は回避される。この光ピックアップ装置のトラッキングエラー位相差特性は、従来の三つの位相領域に分けられた回折格子を備える光ピックアップ装置のトラッキングエラー位相差特性よりも向上する。
請求項9に係る光ピックアップ装置は、請求項1〜5の何れか1項に記載の光ピックアップ装置において、前記回折格子は略矩形板状に形成され、縦長の前記第一領域と、縦長の前記第二領域と、縦長の前記第三領域と、縦長の前記第四領域とが横並びに配列された状態で、該回折格子が平面視されたときに、該回折格子の一領域の位相に対し、該一領域の右側に隣接する他領域の位相が略右上がり階段状にずらされた場合に、該他領域の該位相は、プラス側にずらされたものと定められ、該回折格子の該一領域の該位相に対し、該一領域の右側に隣接する該他領域の該位相が略右下がり階段状にずらされた場合に、該他領域の該位相は、マイナス側にずらされたものと定められ、該回折格子が平面視されたときに、該第一領域の周期構造に対し、該第一領域の右側に隣接する該第二領域の周期構造は、プラス側にずらされた位相を有する周期構造とされ、該第二領域の周期構造に対し、該第二領域の右側に隣接する該第三領域の周期構造は、マイナス側にずらされた位相を有する周期構造とされ、該第三領域の周期構造に対し、該第三領域の右側に隣接する該第四領域の周期構造は、プラス側にずらされた位相を有する周期構造とされたことを特徴とする。
上記構成により、トラッキングエラー振幅レベルが増加され、視野特性が向上され易くなる。トラッキングエラー振幅レベルが減少され、視野特性が低下するということは回避される。
請求項10に係る光ピックアップ装置は、請求項1〜5の何れか1項に記載の光ピックアップ装置において、前記回折格子は略矩形板状に形成され、縦長の前記第一領域と、縦長の前記第二領域と、縦長の前記第三領域と、縦長の前記第四領域とが横並びに配列された状態で、該回折格子が平面視されたときに、該回折格子の一領域の位相に対し、該一領域の右側に隣接する他領域の位相が略右上がり階段状にずらされた場合に、該他領域の該位相は、プラス側にずらされたものと定められ、該回折格子の該一領域の該位相に対し、該一領域の右側に隣接する該他領域の該位相が略右下がり階段状にずらされた場合に、該他領域の該位相は、マイナス側にずらされたものと定められ、該回折格子が平面視されたときに、該第一領域の周期構造に対し、該第一領域の右側に隣接する該第二領域の周期構造は、マイナス側にずらされた位相を有する周期構造とされ、該第二領域の周期構造に対し、該第二領域の右側に隣接する該第三領域の周期構造は、プラス側にずらされた位相を有する周期構造とされ、該第三領域の周期構造に対し、該第三領域の右側に隣接する該第四領域の周期構造は、マイナス側にずらされた位相を有する周期構造とされたことを特徴とする。
上記構成により、トラッキングエラー振幅レベルが増加され、視野特性が向上され易くなる。トラッキングエラー振幅レベルが減少され、視野特性が低下するということは回避される。
請求項11に係る光ピックアップ装置は、請求項1〜5,9,10の何れか1項に記載の光ピックアップ装置において、前記第一領域および前記第四領域の間に、前記第二領域および前記第三領域が配置され、該第一領域の周期構造に対し、該第二領域の周期構造は、略105度異なる位相を有する周期構造とされ、該第二領域の周期構造に対し、該第三領域の周期構造は、略30度異なる位相を有する周期構造とされ、該第三領域の周期構造に対し、該第四領域の周期構造は、略105度異なる位相を有する周期構造とされたことを特徴とする。
上記構成により、トラッキングエラー振幅レベルが増加され、視野特性が向上する。トラッキングエラー振幅レベルが減少され、視野特性が低下するということは回避される。この光ピックアップ装置の視野特性は、従来の三つの位相領域に分けられた回折格子を備える光ピックアップ装置の視野特性よりも向上する。
請求項12に係る光ピックアップ装置は、請求項1〜5,9,10の何れか1項に記載の光ピックアップ装置において、前記第一領域および前記第四領域の間に、前記第二領域および前記第三領域が配置され、該第一領域の周期構造に対し、該第二領域の周期構造は、略120度異なる位相を有する周期構造とされ、該第二領域の周期構造に対し、該第三領域の周期構造は、略60度異なる位相を有する周期構造とされ、該第三領域の周期構造に対し、該第四領域の周期構造は、略120度異なる位相を有する周期構造とされたことを特徴とする。
上記構成により、トラッキングエラー振幅レベルが増加され、視野特性が大幅に向上する。トラッキングエラー振幅レベルが減少され、視野特性が低下するということは回避される。この光ピックアップ装置の視野特性は、従来の三つの位相領域に分けられた回折格子を備える光ピックアップ装置の視野特性よりも、大幅に向上する。
請求項13に係る光ピックアップ装置は、請求項1〜12の何れか1項に記載の光ピックアップ装置において、三本の前記各光束を集光して前記メディアの前記信号面に各々独立した少なくとも三個の前記集光スポットを照射させる対物レンズを備え、前記第一領域および前記第四領域の間に、前記第二領域および前記第三領域が配置され、該第二領域と該第三領域とが合わせられた領域が前記回折格子の中央部とされ、該対物レンズの瞳面部を通過する前記光の直径に対し、該中央部の幅は、16〜28%とされたことを特徴とする。
上記構成により、トラックピッチが異なる複数種類のメディアの記録/再生時に、対物レンズの変位に伴ってトラッキングエラー信号が劣化するということは回避され易くなる。対物レンズの瞳面部を通過する光の直径に対し、回折格子の中央部の幅が16%未満に設定された場合、トラッキングエラー振幅レベルが減少され、視野特性が低下され易くなる。また、対物レンズの瞳面部を通過する光の直径に対し、回折格子の中央部の幅が28%を超えて設定された場合、サブ・プッシュプル信号振幅レベルが減少され、サブ・プッシュプル信号振幅レベル特性が低下され易くなる。また、対物レンズの瞳面部を通過する光の直径に対し、回折格子の中央部の幅が28%を超えて設定された場合、トラッキングエラー位相差量が増加され、トラッキングエラー位相差特性が低下され易くなる。対物レンズの瞳面部を通過する光の直径に対し、回折格子の中央部の幅が16〜28%に設定されることにより、トラッキングエラー振幅レベルと、サブ・プッシュプル信号振幅レベルと、トラッキングエラー位相差量とが適度な値に設定され易くなる。例えば、対物レンズの瞳面部を通過する光の直径に対し、回折格子の中央部の幅が略20%に設定されることにより、トラッキングエラー振幅レベルと、サブ・プッシュプル信号振幅レベルと、トラッキングエラー位相差量とが最適な値に設定され易くなる。トラッキングエラー振幅レベルと、サブ・プッシュプル信号振幅レベルと、トラッキングエラー位相差量とが適度な値に設定されるので、光ピックアップ装置のトラッキング制御が行われ易くなる。
請求項14に係る光ピックアップ装置は、請求項1〜13の何れか1項に記載の光ピックアップ装置において、前記第二領域または前記第三領域の幅は、10〜100μmとされたことを特徴とする。
上記構成により、メディアの信号面に対する光ピックアップ装置のトラッキングは、良好に行われ易くなる。トラックピッチが異なる複数種類のメディアの記録/再生時に、トラッキングエラー信号が劣化するということは回避され易くなる。回折格子の第二領域または第三領域の幅が10μm未満の狭い幅とされた場合や、回折格子の第二領域または第三領域の幅が100μmを超える広い幅とされた場合には、トラッキングエラー信号が劣化され、メディアの信号面に対する光ピックアップ装置のトラッキングが正確に行われ難くなる。例えば、回折格子の第二領域または第三領域の幅が30〜80μm程度に設定されることにより、トラッキングエラー信号の劣化は回避され易くなる。従って、メディアの信号面に対する光ピックアップ装置のトラッキングは、正確に行われ易くなる。
請求項15に係る光ピックアップ装置は、請求項1〜14の何れか1項に記載の光ピックアップ装置において、三本の前記各光束を集光して前記メディアの前記信号面に各々独立した少なくとも三個の前記集光スポットを照射させる対物レンズと、該メディアにおける三個の各該集光スポットの反射光を受光する光検出器とを備えることを特徴とする。
上記構成により、メディアの信号面に対する光ピックアップ装置のトラッキングは、精度よく行われる。トラックピッチが異なる複数種類のメディアの記録/再生時に、対物レンズの変位に伴って、トラッキングエラー信号の振幅が劣化することや、トラッキングエラー信号にオフセットが残留するということは回避され易くなる。
請求項16に係る光ディスク装置は、請求項1〜15の何れか1項に記載の光ピックアップ装置を備えることを特徴とする。
上記構成により、各メディアからのデータの読出しや、各メディアに対するデータの書込みは、光ピックアップ装置を備える光ディスク装置にて正常に行われる。光ディスク装置に各メディアが挿入されて、トラックピッチが異なる複数種類のメディアのデータが読み出されたり、又は、トラックピッチが異なる複数種類のメディアにデータが書き込まれたりされるときに、トラッキングエラー信号が劣化するということは回避され易くなる。従って、トラッキング制御が行われ易い光ピックアップ装置を備えた光ディスク装置の提供が可能となる。
以上の如く、請求項1に記載の発明によれば、メディアの信号面に対する光ピックアップ装置のトラッキングは、良好に行われ易くなる。回折格子が四つの領域に分けられて構成されることにより、メディアの信号面に、各々独立した少なくとも三個の集光スポットが照射される。メディアの信号面に、少なくとも三個の集光スポットが各々独立して照射されるので、トラックピッチが異なる複数種類のメディアの記録/再生時に、トラッキングエラー信号(TE信号)が劣化するということは回避され易くなる。従って、トラッキング制御が行われ易い光ピックアップ装置を提供することができる。
また、メディアの信号面に形成される集光スポットを、より精度の高い集光スポットとして形成させ易くすることができる。回折格子を構成する第二領域の周期構造に対し、回折格子を構成する第三領域の周期構造は、3〜180度の異なる位相を有する周期構造とされているので、回折格子の第二領域と、第二領域に隣接する回折格子の第三領域との境界部が略明確化される。第二領域の周期構造に対し、第三領域の周期構造が3度未満の異なる位相を有する周期構造とされた場合、第二領域と、第三領域との境界部が明確化されない。第二領域の周期構造に対し、第三領域の周期構造が180度の異なる位相を有する周期構造とされたときに、第二領域と、第三領域との境界部は、最も明確化される。
また、回折格子における第一領域と、第二領域と、第三領域と、第四領域とを区別化させることができると共に、回折格子おける第一領域と、第四領域との位相差を明確化させることができる。回折格子の第一領域の周期構造に対し、回折格子の第四領域の周期構造が、略180度異なる位相を有する周期構造とされているので、メディアの信号面に少なくとも三個の各集光スポットが良好に形成される。メディアの信号面に良好に形成された少なくとも三個の各集光スポットにより、トラックピッチが異なる複数種類のメディアの記録/再生時に、TE信号が劣化するということは回避され易くなる。
請求項2に記載の発明によれば、メディアの信号面に形成される集光スポットは、精度のよい集光スポットとして形成される。回折格子の第二領域と、第二領域に隣接する第三領域との境界部によって、第一領域および第一領域に隣接する第二領域を備える一方の領域部と、第三領域および第三領域に隣接する第四領域を備える他方の領域部とに回折格子が二等分されるので、光ピックアップ装置に回折格子が装備されるときに、回折格子に当てられる光は、回折格子の一方の領域部と、回折格子の他方の領域部とに、略二等分された状態に当てられ易くなる。回折格子の一方の領域部と、回折格子の他方の領域部とに、光が略二等分とされた状態に当てられ易くなることにより、回折格子は、光ピックアップ装置に精度よく備えられ易くなる。従って、メディアの信号面に精度よく集光スポットが形成され易くなる。これに伴って、メディアの信号面に対する光ピックアップ装置のトラッキングを、精度よく行わせることができる。
請求項5に記載の発明によれば、回折格子における第一領域と、第二領域と、第三領域と、第四領域とを、略明確に区別化させることができる。回折格子を構成する第一領域の周期構造に対し、回折格子を構成する第二領域の周期構造は、30〜180度の異なる位相を有する周期構造とされているので、回折格子の第一領域と、回折格子の第二領域とが明確に区別化される。また、回折格子を構成する第二領域の周期構造に対し、回折格子を構成する第三領域の周期構造は、3〜180度の異なる位相を有する周期構造とされているので、回折格子の第二領域と、回折格子の第三領域とが略区別化される。また、回折格子を構成する第三領域の周期構造に対し、回折格子を構成する第四領域の周期構造は、30〜180度の異なる位相を有する周期構造とされているので、回折格子の第三領域と、回折格子の第四領域とが明確に区別化される。回折格子が四つの領域に分けられて区別化されることにより、メディアの信号面に、各々独立した少なくとも三個の集光スポットが照射される。メディアの信号面に、少なくとも三個の集光スポットが各々独立して照射されるので、メディアの信号面に対する光ピックアップ装置のトラッキングは、行われ易くなる。また、各領域の周期構造の位相が、定められた数値の範囲内に適宜設定されることにより、回折格子の設計自由度が向上すると共に、光ピックアップ装置の設計自由度も向上する。従って、使用される部位に対応して最適な特性が発揮され易い光ピックアップ装置を構成させることができる。
請求項6に記載の発明によれば、サブ・プッシュプル信号振幅レベル(Sub−PP振幅レベル)が増加され、サブ・プッシュプル信号振幅レベル特性(Sub−PP振幅レベル特性)が向上され易くなる。Sub−PP振幅レベルが減少され、Sub−PP振幅レベル特性が低下するということを回避させることができる。また、トラッキングエラー位相差量(TE位相差量)が減少され、トラッキングエラー位相差特性(TE位相差特性)が向上され易くなる。TE位相差量が増加され、TE位相差特性が低下するということを回避させることができる。
請求項7に記載の発明によれば、Sub−PP振幅レベルが増加され、Sub−PP振幅レベル特性が向上され易くなる。Sub−PP振幅レベルが減少され、Sub−PP振幅レベル特性が低下するということを回避させることができる。また、TE位相差量が減少され、TE位相差特性が向上され易くなる。TE位相差量が増加され、TE位相差特性が低下するということを回避させることができる。
請求項8に記載の発明によれば、Sub−PP振幅レベルが増加され、Sub−PP振幅レベル特性が向上する。Sub−PP振幅レベルが減少され、Sub−PP振幅レベル特性が低下するということを回避させることができる。この光ピックアップ装置のSub−PP振幅レベル特性は、従来の三つの位相領域に分けられた回折格子を備える光ピックアップ装置の信号振幅レベル特性よりも向上する。また、TE位相差量が減少され、TE位相差特性が向上する。TE位相差量が増加され、TE位相差特性が低下するということを回避させることができる。この光ピックアップ装置のTE位相差特性は、従来の三つの位相領域に分けられた回折格子を備える光ピックアップ装置のTE位相差特性よりも向上する。
請求項9に記載の発明によれば、トラッキングエラー振幅レベル(TE振幅レベル)が増加され、視野特性が向上され易くなる。TE振幅レベルが減少され、視野特性が低下するということを回避させることができる。
請求項10に記載の発明によれば、TE振幅レベルが増加され、視野特性が向上され易くなる。TE振幅レベルが減少され、視野特性が低下するということを回避させることができる。
請求項11に記載の発明によれば、TE振幅レベルが増加され、視野特性が向上する。TE振幅レベルが減少され、視野特性が低下するということを回避させることができる。この光ピックアップ装置の視野特性は、従来の三つの位相領域に分けられた回折格子を備える光ピックアップ装置の視野特性よりも向上する。
請求項12に記載の発明によれば、TE振幅レベルが増加され、視野特性が大幅に向上する。TE振幅レベルが減少され、視野特性が低下するということを回避させることができる。この光ピックアップ装置の視野特性は、従来の三つの位相領域に分けられた回折格子を備える光ピックアップ装置の視野特性よりも、大幅に向上する。
請求項13に記載の発明によれば、トラックピッチが異なる複数種類のメディアの記録/再生時に、対物レンズの変位に伴ってTE信号が劣化するということを回避させ易くすることができる。対物レンズの瞳面部を通過する光の直径に対し、回折格子の中央部の幅が16%未満に設定された場合、TE振幅レベルが減少され、視野特性が低下され易くなる。また、対物レンズの瞳面部を通過する光の直径に対し、回折格子の中央部の幅が28%を超えて設定された場合、Sub−PP振幅レベルが減少され、Sub−PP振幅レベル特性が低下され易くなる。また、対物レンズの瞳面部を通過する光の直径に対し、回折格子の中央部の幅が28%を超えて設定された場合、TE位相差量が増加され、TE位相差特性が低下され易くなる。対物レンズの瞳面部を通過する光の直径に対し、回折格子の中央部の幅が16〜28%に設定されることにより、TE振幅レベルと、Sub−PP振幅レベルと、TE位相差量とが適度な値に設定され易くなる。例えば、対物レンズの瞳面部を通過する光の直径に対し、回折格子の中央部の幅が略20%に設定されることにより、TE振幅レベルと、Sub−PP振幅レベルと、TE位相差量とを、最適な値に設定させ易くすることができる。TE振幅レベルと、Sub−PP振幅レベルと、TE位相差量とを適度な値に設定することにより、光ピックアップ装置のトラッキング制御が行われ易くなる。
請求項14に記載の発明によれば、メディアの信号面に対する光ピックアップ装置のトラッキングを、良好に行わせ易くすることができる。トラックピッチが異なる複数種類のメディアの記録/再生時に、TE信号が劣化するということを回避させ易くすることができる。回折格子の第二領域または第三領域の幅が10μm未満の狭い幅とされた場合や、回折格子の第二領域または第三領域の幅が100μmを超える広い幅とされた場合には、TE信号が劣化され、メディアの信号面に対する光ピックアップ装置のトラッキングが正確に行われ難くなる。例えば、回折格子の第二領域または第三領域の幅が30〜80μm程度に設定されることにより、TE信号の劣化を回避させ易くすることができる。従って、メディアの信号面に対する光ピックアップ装置のトラッキングを、正確に行わせ易くすることができる。
請求項15に記載の発明によれば、メディアの信号面に対する光ピックアップ装置のトラッキングを、精度よく行わせることができる。トラックピッチが異なる複数種類のメディアの記録/再生時に、対物レンズの変位に伴って、TE信号の振幅が劣化することや、TE信号にオフセットが残留するということを回避させ易くすることができる。
請求項16に記載の発明によれば、各メディアからのデータの読出しや、各メディアに対するデータの書込みは、光ピックアップ装置を備える光ディスク装置にて正常に行われる。光ディスク装置に各メディアが挿入されて、トラックピッチが異なる複数種類のメディアのデータが読み出されたり、又は、トラックピッチが異なる複数種類のメディアにデータが書き込まれたりされるときに、TE信号が劣化するということを、回避させ易くすることができる。従って、トラッキング制御が行われ易い光ピックアップ装置を備えた光ディスク装置の提供が可能となる。
以下に本発明に係る光ピックアップ装置および光ディスク装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る光ピックアップ装置および光ディスク装置の第一実施形態を示す説明図、図2は、光ディスクなどのメディア上における各集光スポット示す説明図、図3は、光ピックアップ装置に装備された光検出器および演算部を示す説明図、図4は、対物レンズシフト量とトラッキングエラー振幅レベルとの関係を示す説明図、図5は、光ピックアップ装置に装備される回折格子の第一実施形態を示す概略平面図である。
図1の如く、この光ピックアップ装置100は、レーザ光/レーザ(LASER:light amplification by stimulated emission of radiation)を出射する発光素子1いわゆるレーザダイオード1を備えるものとされている。光ピックアップ(optical pickup)または光ピックアップ装置(optical pickup unit)は、「OPU」と略称される。また、レーザダイオード(laser diode)は、「LD」と略称される。また、このOPU100は、LD1から出射された1本のレーザ光束を少なくとも3本の各光束に分岐させる平面視略矩形の回折格子10を備えるものとされている。回折格子は、「grating 」と呼ばれる。
また、このOPU100は、レーザ光を透過させたり、レーザ光を反射/屈折させたりするビームスプリッタ2を備えるものとされている。ビームスプリッタ(beam splitter)は、BSと略称される。また、このOPU100は、拡散光を平行光とさせたり、平行光を拡散光とさせたりするコリメータレンズ3を備えるものとされている。コリメータレンズ(collimator lens)は、「CL」と略称される。また、このOPU100は、3本の光束を集光して光ディスクDの信号面Da上に各々独立した少なくとも3個の集光スポットSa,Sb,Sm(図2,図3)を照射させる対物レンズ4(図1)を備えるものとされている。対物レンズ(objective lens)は、「OBL」と略称される。
このOPU100は、OBL4によって、3本の各光束を個別に集光させて光ディスクDの信号面Daに各々独立した少なくとも3個の集光スポットSa,Sb,Sm(図2,
図3)を照射させるものとされている。光ディスクDの信号面Daに小さいスポットSc,Sdも照射されるが、小さい各スポットSc,Sdは、光ディスクDの信号などに対して無関係なものとされる。各スポットSa,Sb,Sc,Sd,Smが分かり易くされるために、各スポットSa,Sb,Sc,Sd,Smの形状/大きさは、便宜上、示されたものとされている。
また、このOPU100(図1)は、光ディスクDの信号面Daに対するOBL4のフォーカシング制御を行わせるために、光検出器6に照射される光に非点収差を発生させるセンサーレンズ5を備えるものとされている。フォーカスとは、焦点やピントを意味する。また、フォーカシングとは、焦点を合わせることや、焦点が合わせられることを意味する。また、光検出器(photo detector/photo diode IC)は、「PD」または「PDIC」と略称される。このOPU100は、光ディスクD上における3個の集光スポットSa,Sb,Sm(図2,図3)の反射光を各々二つ以上に分けられた受光面部6A,6B,6C,6D,6E,6F(図3)で受光するPD6(図1)を備えるものとされている。
また、このOPU100は、PD6にて生成された信号の演算を行う演算部7を備えるものとされている。また、このOPU100は、演算部7にて生成された信号に基づいて、OBL4をトラッキング方向Xもしくはフォーカシング方向Zに駆動させたりOBL4をチルト駆動させたりする対物レンズ駆動部8を備えるものとされている。
ディスクDが回動されることにより、ディスクD(図2,図3)の信号面Da上のトラックTに略沿って、各集光スポットSa,Sb,SmがディスクDに対して相対的に移動する。このときに、OPU100(図1)からディスクDにレーザ光が照射されて形成されたメインスポットSm(図2,図3)が、ディスクDの信号面Da上のトラックTに形成された各ピットPを追従する。これにより、ディスクDに記録されたデータ/情報が、OPU100(図1)によって読み出される。
また、OPU100からディスクDの信号面Da上のトラックT(図2,図3)にメインビームが照射され、トラックTに各ピットPが形成されることにより、ディスクDにデータ/情報が記録される。各集光スポットSa,Sb,Smは、光ディスクDのトラック方向Yまたはピット方向Yいわゆるタンジェンシャル方向Yに略沿って移動する。なお、この明細書における「X」、「Y」、「Z」の方向の定義は、便宜上の定義とされる。
図1に示すOPU100において、LD1から出射されるレーザ光は、回折格子10により回折されて0次回折光のメインビームおよび±1次回折光の各サブビームの3ビームとされたのちに、BS2を透過し、CL3により平行光に変換されてOBL4に入射される。このOBL4に入射されるレーザ光は、OBL4により集束されてディスクDの信号層Da上に照射される。メインビームとなる回折光の0次ビームにより記録信号の書込みおよび読取りが行われる。
ディスクDの信号層Da上に照射されたレーザ光は反射され、OBL4およびCL3を介してBS2に戻され、BS2により反射されてセンサーレンズ5を介してPD6に受光される。PD6で生成された信号は、演算部7に送られて計算が行われ、演算部7にて生成された信号が対物レンズ駆動部8に送られる。対物レンズ駆動部8に電気信号が流されることにより、OBL4が動かされる。
回折格子10に対し、光ディスクラジアル方向XにOBL4が移動されるときの対物レンズシフト量は、図4の如く、略±0.3mmとされる。すなわち、対物レンズシフト量は、略−300μm〜+300μmとされている。OPU100(図1)や光ディスク装置200の設計/仕様などにより、例えば、対物レンズシフト量(図4)は、略±0.2
5mmとされてもよい。すなわち、対物レンズシフト量は、略−250μm〜+250μmとされていてもよい。
OPU100(図1)におけるトラッキングエラー振幅レベルいわゆるTE振幅レベル(図4)は、例えば、略40%〜100%、好ましくは、略60%〜100%、より好ましくは、略70〜100%とされる。なお、図4において、TE振幅レベルが100%を超えているものは、例えばTE振幅レベルが検出されるときの測定誤差とされる。
OPU100のTE振幅レベルは、100%とされることが理想とされる。例えば、OPU100のTE振幅レベルが略40%未満とされた場合、OPU100のトラッキングエラー視野特性いわゆるTE視野特性が低下され、光ディスクDに対するOPU100のOBL4のトラッキングは、正確に行われ難くなる。トラッキングエラー視野特性とは、例えば、光ディスクDに対しOBL4がトラッキング方向Xに沿って変位されたときのトラッキングエラー信号の劣化度合いを示す特性とされている。
例えば、OPU100のTE振幅レベルが略60%以上とされていれば、OPU100のTE視野特性の低下は回避され易くなり、光ディスクDに対するOPU100のOBL4のトラッキングは、正確に行われ易くなる。また、例えば、OPU100のTE振幅レベルが略70%以上とされることにより、OPU100のTE視野特性の低下は回避され、光ディスクDに対するOPU100のOBL4のトラッキングは、正確に行われる。
光ディスクDに対するOPU100のOBL4のトラッキングが正確に行われるために、対物レンズシフト量は、略−0.3mmから+0.3mmまでの略0.6mm以内とされる。対物レンズシフト量が略−0.3mmから略+0.3mmまでの略0.6mm以内とされることにより、OPU100のTE視野特性の低下が抑えられ易くなる。
また、OPU100や光ディスク装置200の設計/仕様などにより、例えば、対物レンズシフト量は、略−0.25mmから略+0.25mmまでの略0.5mm以内とされることが好ましい。対物レンズシフト量が略−0.25mmから略+0.25mmまでの略0.5mm以内とされることにより、OPU100のTE視野特性の低下が抑えられる。
光ディスク装置200(図1)に内装されたOPU100が用いられて、光ディスクDにおける情報などのデータの再生または記録が行われる。光ディスクとして、例えば、CD系列の光ディスクや、DVD系列の光ディスクなどが挙げられる。「CD」は、「Compact Disc」(商標)の略称である。また、「DVD」は「Digital Versatile Disc」(登録商標)の略称である。
光ディスクなどのメディアについて詳しく説明する。メディア(media )とは、情報を記録して媒介するものや情報を記録して伝達するものを意味する。光ディスクとして、例えば、「CD−ROM」,「DVD−ROM」などのデータ読出し専用の光ディスクや、「CD−R」,「DVD−R」,「DVD+R」などのデータ追記型の光ディスクや、「CD−RW」,「DVD−RW」,「DVD+RW」(登録商標),「DVD−RAM」,「HD DVD」(登録商標),「Blu-ray Disc」(商標)などのデータ書込み/消去やデータ書換え可能なタイプの光ディスクなどが挙げられる。
「CD−ROM」もしくは「DVD−ROM」の「ROM」は、「Read Only Memory」の略称である。「CD−ROM」もしくは「DVD−ROM」は、データ/情報読出し専用のものである。また、「CD−R」または「DVD−R」もしくは「DVD+R」の「R」は、「Recordable」の略称である。「CD−R」または「DVD−R」もしくは「D
VD+R」は、データ/情報の書込みが可能なものである。また、「CD−RW」または「DVD−RW」もしくは「DVD+RW」の「RW」は、「Re-Writable」の略称である。「CD−RW」または「DVD−RW」もしくは「DVD+RW」は、データ/情報の書換えが可能なものである。また、「DVD−RAM」は「Digital Versatile Disc Random Access Memory」の略称である。「DVD−RAM」は、データ/情報の読み書き/消去が可能なものである。
また、「HD DVD」は「High Definition DVD」の略称である。「HD DVD」は、従来のDVD系列のものと互換性をもたせ、且つ、従来のDVD系列のディスクよりも記憶容量の大きいものである。従来のCDには、赤外レーザが用いられていた。また、従来のDVDには、赤色レーザが用いられていた。しかしながら、「HD DVD」の光ディスクに記録されたデータ/情報が読み出されるときには、青紫色レーザが用いられる。また、「Blu-ray」とは、従来の信号の読み書きに用いられていた赤色のレーザに対し、高密度記録が実現されるために採用された青紫色のレーザを意味する。
また、光ディスクとして、例えばディスク両面に信号面が設けられ、データ書込み/消去やデータ書換えが可能とされた光ディスク等も挙げられる。また、光ディスクとして、例えば二層の信号面が設けられ、データ書込み/消去やデータ書換えが可能とされた光ディスク等も挙げられる。また、例えば三層の信号面が設けられ、データ書込み/消去やデータ書換えが可能とされた「HD−DVD」用光ディスク等も挙げられる。また、例えば四層の信号面が設けられ、データ書込み/消去やデータ書換えが可能とされた「Blu-ray Disc」用光ディスク等も挙げられる。
OPU100は、前記各種光ディスクに記録されたデータを再生させたり、前記書込み可能もしくは書換え可能な各種光ディスクにデータを記録させたりするときに用いられる。OPU100は、CD系の光ディスクや、DVD系の光ディスク等に対応する。このOPU100は、複数の光ディスクに対応可能なものとされている。光ディスクDとして、例えば、DVD−RAMが用いられた。
光ディスクDの信号面Daの内周部Dn側から外周部Do側にかけて略螺旋状のトラックT(図2,図3)が形成されている。トラックTに多くのピットPが形成されている。先行サブスポットSaおよび後行サブスポットSbにより、メインスポットSmは、トラックT上の各ピットPを略正確に追跡する。このOPU100(図1)のトラッキング誤差検出法は、位相シフト型回折格子が用いられ3ビームによるインラインDPP法に基づいて行われる。
図5の如く、回折格子10に、LD1(図1)から出射されるレーザ光の一部にπラジアンの位相シフトを発生させる位相シフト領域11,14(図5)が設けられている。回折格子10は、略長方形状の第一領域11と、第一領域11に隣接する略線状の第二領域12と、第二領域12に隣接する略線状の第三領域13と、第三領域13に隣接する略長方形状の第四領域14との少なくとも4つの領域11,12,13,14に分けられている。各領域11,12,13,14内で所定の周期構造が構成されている。
図5に示す回折格子10において、第二領域12の位相状態と、第三領域13の位相状態とが分かり易くされるために、便宜上、第二領域12および第三領域13は、ある程度の幅をもたせて描かれている。実際には、回折格子10の第二領域12および回折格子10の第三領域13は、例えば幅10wが20〜200μm(ミクロン)程度の細い線形状とされる。また、回折格子10を構成する各領域11,12,13,14の周期構造は、微細な凹凸状の繰返し周期構造とされている。また、回折格子10は、例えば略3〜10mm角の縦横寸法をした厚み略0.3〜3mmのガラス板とされている。
図5に示す回折格子10がOPU100に装備されていれば、光ディスクDの信号面Daに対するOPU100のトラッキングは、良好に行われ易くなる。OPU100におけるトラッキングとは、光ディスクDの半径方向の振れに追従して、目標のトラックT上に常に集光スポットSa,Sb,Smを存在させる動作を意味する。詳しく説明すると、トラッキングとは、光を用いて、光ディスクDの信号面Daに設けられた微小なピット(穴、凹み)や、グルーブ(溝)、ウォブル(蛇行)などを追跡観測し、略螺旋状に描かれた軌道の位置を定めることを意味する。
回折格子10が4つの領域11,12,13,14に分けられて構成されることにより、光ディスクDの信号面Daに、各々独立した少なくとも3個の集光スポットSa,Sb,Sm(図2,図3)が照射される。光ディスクDの信号面Daに、少なくとも3個の集光スポットSa,Sb,Smが各々独立して照射されるので、トラックピッチTpが異なる複数種類の光ディスクDにデータ記録が行われるときや、トラックピッチTpが異なる複数種類の光ディスクDのデータ再生が行われるときに、例えばOBL4(図1)の変位に伴って、トラッキングエラー信号が劣化するということは回避され易くなる。従って、トラッキング制御が行われ易い単一のOPU100の提供が可能となる。
図5の如く、回折格子10は、第一領域11および第一領域11に隣接する第二領域12を備える略長方形状の一方の領域部18と、第三領域13および第三領域13に隣接する第四領域14を備える略長方形状の他方の領域部19とを有するものとされる。回折格子10の第一領域11の幅11wと、第四領域14の幅14wとは、略等しい幅とされている。また、回折格子10の第二領域12の幅12wと、第三領域13の幅13wとは、略等しい幅とされている。回折格子10の第二領域12と、この第二領域12に隣接する回折格子10の第三領域13との境界線部16により、回折格子10は、回折格子10を構成する一方の領域部18と、回折格子10を構成する他方の領域部19とに二等分される。
これにより、光ディスクDの信号面Daに形成される集光スポットSa,Sb,Smは、精度のよい集光スポットSa,Sb,Smとして形成される。回折格子10の第二領域12と、第二領域12に隣接する第三領域13との境界線部16によって、第一領域11および第一領域11に隣接する第二領域12を備える一方の領域部18と、第三領域13および第三領域13に隣接する第四領域14を備える他方の領域部19とに回折格子10が二等分されるので、OPU100のハウジング(図示せず)に回折格子10が装備されるときに、LD1から出射され回折格子10に当てられたレーザ光は、例えば光軸調整用カメラ(図示せず)などにより、容易に光軸調整される。LD1から出射され回折格子10に当てられたのちにOBL4を透過したレーザ光は、例えば光軸調整用カメラなどが用いられて観察可能とされる。
従来の三分割型回折格子90(図22)にあっては、回折格子90を平面視したときに、回折格子90を等分割させる位置決め用境界線が設けられていなかった。回折格子90に位置決め用中心線として用いられる境界線が設けられていないことにより、レーザ光の中心を回折格子90の中心に合わせつつレーザ光を回折格子90に照射させ、光軸調整用カメラによって、回折格子90を精度よく光ピックアップ装置のハウジングに装備させることは難しかった。
しかしながら、図5に示す四分割型回折格子10においては、回折格子10の略中央を二等分させて、略長方形状の一方の領域部18と、略長方形状の他方の領域部19とを構成させる境界線部16が回折格子10に設けられているので、光軸調整用カメラなどが用いられて、レーザ光の光軸調整が行われるときに、レーザ光は、回折格子10を構成する
略長方形状の一方の領域部18と、回折格子10を構成する略長方形状の他方の領域部19とに、略二等分された状態に当てられ易くなる。
回折格子10を構成する略長方形状の一方の領域部18と、回折格子10を構成する略長方形状の他方の領域部19とに、レーザ光が略二等分とされた状態に当てられ易くなることにより、回折格子10は、OPU100のハウジングに精度よく位置決め調整されつつ備えられ易くなる。従って、光ディスクDの信号面Daに精度よく集光スポットSa,Sb,Smが形成され易くなる。これに伴って、光ディスクDの信号面Daに対するOPU100のトラッキングは、精度よく行われ易くなる。
回折格子10の第二領域12の周期構造に対し、回折格子10の第三領域13の周期構造は、3〜180度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされる。
これにより、光ディスクDの信号面Daに形成される集光スポットSa,Sb,Smは、より精度の高い集光スポットSa,Sb,Smとして形成され易くなる。回折格子10を構成する第二領域12の周期構造に対し、回折格子10を構成する第三領域13の周期構造は、3〜180度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされているので、回折格子10の第二領域12と、第二領域12に隣接する回折格子10の第三領域13との境界線部16が略明確化される。
第二領域12の周期構造に対し、第三領域13の周期構造が3度未満の異なる位相を有する周期構造とされた場合、第二領域12と、第三領域13との境界線部16が明確化されない。第二領域12の周期構造に対し、第三領域13の周期構造が180度の異なる位相を有する周期構造とされたときに、第二領域12と、第三領域13との境界線部16は、最も明確化される。第二領域12の周期構造に対し、第三領域13の周期構造が、例えば3〜90度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされた場合に、第二領域12と、第三領域13との境界線部16が明確化されつつ、適度な特性を備えた回折格子10が形成される。
回折格子10の第二領域12と、回折格子10の第三領域13との境界線部16が略明確化されるので、第一領域11および第一領域11に隣接する第二領域12を備える回折格子10の一方の領域部18と、第三領域13および第三領域13に隣接する第四領域14を備える回折格子10の他方の領域部19との境界線部16が明確化される。従って、回折格子10の一方の領域部18と、回折格子10の他方の領域部19とに、レーザ光が略二等分された状態に当てられる。回折格子10の一方の領域部18と、回折格子10の他方の領域部19とに、レーザ光が略二等分された状態に当てられたときに、OPU100のハウジングに回折格子10が精度よく装備される。
回折格子10を構成する略短冊状の第一領域11および略短冊状の第四領域14の間に、回折格子10を構成する略線状の第二領域12および略線状の第三領域13が配置されている。第一領域11の周期構造に対し、第二領域12の周期構造は、異なる位相を有する周期構造とされている。また、第二領域12の周期構造に対し、第三領域13の周期構造は、異なる位相を有する周期構造とされている。また、第三領域13の周期構造に対し、第四領域14の周期構造は、異なる位相を有する周期構造とされている。第一領域11の周期構造に対し、第四領域14の周期構造は、略180度ほど異なる位相を有する周期構造とされている。
これにより、回折格子10における第一領域11と、第二領域12と、第三領域13と、第四領域14とが区別化されると共に、回折格子10おける第一領域11と、第四領域14との位相差が明確化される。回折格子10の第一領域11の周期構造に対し、回折格
子10の第四領域14の周期構造が、略180度ほど異なる位相を有する周期構造とされているので、光ディスクDの信号面Daに少なくとも3個の各集光スポットSa,Sb,Smが良好に形成される。光ディスクDの信号面Daに良好に形成された少なくとも3個の各集光スポットSa,Sb,Smにより、トラックピッチTpが異なる複数種類の光ディスクDのデータ記録/再生時に、例えばOBL4の変位に伴ってトラッキングエラー信号が劣化するということは回避され易くなる。
第一領域11と第二領域12とを区切る境界線部15により、第一領域11と第二領域12とが分けられている。また、第二領域12と第三領域13とを区切る境界線部16により、第二領域12と第三領域13とが分けられている。また、第三領域13と第四領域14とを区切る境界線部17により、第三領域13と第四領域14とが分けられている。
第一領域11の周期構造に対し、第二領域12の周期構造は、30〜180度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされる。また、第二領域12の周期構造に対し、第三領域13の周期構造は、3〜180度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされる。また、第三領域13の周期構造に対し、第四領域14の周期構造は、30〜180度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされる。
これにより、回折格子10における第一領域11と、第二領域12と、第三領域13と、第四領域14とが、略明確に区別化される。回折格子10を構成する第一領域11の周期構造に対し、回折格子10を構成する第二領域12の周期構造は、30〜180度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされているので、回折格子10の第一領域11と、回折格子10の第二領域12とが明確に区別化される。また、回折格子10を構成する第二領域12の周期構造に対し、回折格子10を構成する第三領域13の周期構造は、3〜180度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされているので、回折格子10の第二領域12と、回折格子10の第三領域13とが略区別化される。また、回折格子10を構成する第三領域13の周期構造に対し、回折格子10を構成する第四領域14の周期構造は、30〜180度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされているので、回折格子10の第三領域13と、回折格子10の第四領域14とが明確に区別化される。
回折格子10が4つの領域に分けられて区別化されることにより、光ディスクDの信号面Daに、各々独立した少なくとも3個の集光スポットSa,Sb,Smが照射される。光ディスクDの信号面Daに、少なくとも3個の集光スポットSa,Sb,Smが各々独立して照射されるので、光ディスクDの信号面Daに対するOPU100のトラッキングは、行われ易くなる。また、各領域の周期構造の位相が、定められた数値の範囲内に適宜設定されることにより、回折格子10の設計自由度が向上すると共に、OPU100の設計自由度も向上する。従って、使用される部位に対応して最適な特性が発揮され易いOPU100が構成される。
回折格子10は、略矩形板状に形成されている。回折格子10が平面視されたときに、回折格子10は、略矩形板状のものとして目視される。
縦長の略長方形状第一領域11と、縦長の略線状第二領域12と、縦長の略線状第三領域13と、縦長の略長方形状第四領域14とが横並びに配列された状態で、回折格子10が平面視されたときに、回折格子10の一領域の位相に対し、一領域の右側に隣接する他領域の位相が略右上がり階段状にずらされた場合に、他領域の位相は、プラス(+)側にずらされたものと定められる。
また、縦長の略長方形状第一領域11と、縦長の略線状第二領域12と、縦長の略線状第三領域13と、縦長の略長方形状第四領域14とが横並びに配列された状態で、回折格
子10が平面視されたときに、回折格子10の一領域の位相に対し、一領域の右側に隣接する他領域の位相が略右下がり階段状にずらされた場合に、他領域の位相は、マイナス(−)側にずらされたものと定められる。
なお、この明細書におけるプラス(+)の位相およびマイナス(−)の位相の定義は、回折格子の位相差状態を説明するための便宜上の定義とされる。また、この明細書における「縦」、「横」の定義についても、回折格子を説明するための便宜上の定義とされる。
回折格子10が平面視されたときに、第一領域11の周期構造に対し、第一領域11の右側に隣接する第二領域12の周期構造は、プラス側にずらされた位相を有する周期構造とされている。また、回折格子10が平面視されたときに、第二領域12の周期構造に対し、第二領域12の右側に隣接する第三領域13の周期構造は、プラス側にずらされた位相を有する周期構造とされている。また、回折格子10が平面視されたときに、第三領域13の周期構造に対し、第三領域13の右側に隣接する第四領域14の周期構造は、プラス側にずらされた位相を有する周期構造とされている。
回折格子10は、各領域11,12,13,14の周期構造の各位相が順を追って段階的にずらされて構成されている。回折格子10は、いわゆる順位相の周期構造を備える回折格子10とされている。
OPUの設計/仕様などにより、例えば図5に示す回折格子10において、符号や引出線や寸法線などについては略そのままとされつつ、輪郭線のみが境界線部(16)を中心に左右反転された回折格子(10)が用いられてもよい。そのようなものについて具体的に説明すると、例えば、回折格子(10)が平面視されたときに、第一領域(11)の周期構造に対し、第一領域(11)の右側に隣接する第二領域(12)の周期構造が、マイナス側にずらされた位相を有する周期構造とされてもよい。また、例えば、回折格子(10)が平面視されたときに、第二領域(12)の周期構造に対し、第二領域(12)の右側に隣接する第三領域(13)の周期構造が、マイナス側にずらされた位相を有する周期構造とされてもよい。また、例えば、回折格子(10)が平面視されたときに、第三領域(13)の周期構造に対し、第三領域(13)の右側に隣接する第四領域(14)の周期構造が、マイナス側にずらされた位相を有する周期構造とされてもよい。
回折格子(10)は、各領域(11,12,13,14)の周期構造の各位相が順を追って段階的にずらされて構成される。回折格子(10)は、いわゆる順位相の周期構造を備える回折格子(10)とされる。
順位相の周期構造を備える回折格子がOPUに装備されていれば、サブ・プッシュプル信号振幅レベル(Sub−PP振幅レベル)が増加され、サブ・プッシュプル信号振幅レベル特性(Sub−PP振幅レベル特性)が向上され易くなる(図14)。Sub−PP振幅レベル(%)が減少され、Sub−PP振幅レベル特性が低下するということは回避される。
光ディスクDの信号面Daに照射される少なくとも3個の集光スポットSa,Sb,Smは、メインスポットSmと、メインスポットSmを挟む一対のサブスポットSa,Sbとを含むものとされている。メインスポットSmと、サブスポットSa,Sbとに関連した信号振幅レベルとされるSub−PP振幅レベルは、下記(1)式に基づいて定められる。
また、トラッキングエラー位相差量(TE位相差量)が減少され、トラッキングエラー位相差特性(TE位相差特性)が向上され易くなる(図15)。TE位相差量が増加され、TE位相差特性が低下するということは回避される。
Sub−PP振幅レベル特性が向上されると共に、TE位相差特性が向上されるので、このOPUは、デスクトップ型PC用の光ディスク装置に装備されることが好ましい。デスクトップ型PC用の光ディスク装置に用いられるOPUは、大きいサイズのOBLが使用可能とされることから、視野特性が考慮されつつ、視野特性よりも、Sub−PP振幅レベル特性や、TE位相差特性のほうが、設計上、重要とされることがある。
図5の如く、第一領域11の周期構造に対し、第二領域12の周期構造は、略+75度異なる位相を有する周期構造とされている。また、第二領域12の周期構造に対し、第三領域13の周期構造は、略+30度異なる位相を有する周期構造とされている。第一領域11の周期構造に対し、第三領域13の周期構造は、略+105度異なる位相を有する周期構造とされている。また、第三領域13の周期構造に対し、第四領域14の周期構造は、略+75度異なる位相を有する周期構造とされている。第一領域11の周期構造に対し、第四領域14の周期構造は、略+180度異なる位相を有する周期構造とされている。
このように構成された回折格子10がOPU100に装備されていれば、Sub−PP振幅レベル(%)が増加され、Sub−PP振幅レベル特性が向上する(図14)。Sub−PP振幅レベル(%)が減少され、Sub−PP振幅レベル特性が低下するということは回避される。このOPU100のSub−PP振幅レベル特性は、従来の3つの位相領域91,92,93(図22)に分けられた回折格子90を備えるOPU(図示せず)の信号振幅レベル特性よりも向上する(図14)。
また、TE位相差量が減少され、TE位相差特性が向上する(図15)。TE位相差量が増加され、TE位相差特性が低下するということは回避される。このOPU100のTE位相差特性は、従来の3つの位相領域91,92,93(図22)に分けられた回折格子90を備えるOPU(図示せず)のTE位相差特性よりも向上する(図15)。
位相シフト型四分割回折格子10(図5)が採用されて、インラインDPP法によるトラッキング誤差検出法が実行されるOPU100(図1)は、従来の三分割回折格子90(図22)が使用されたOPUに比べ、TE位相差量を小さく抑えることが可能となる(図15)。従って、位相シフト型四分割回折格子10(図5)を備えるOPU100(図1)が装備された光ディスク装置200においては、例えばトラックピッチTp(図2,図3)の異なるいかなるメディアDに対しても、安定した動作にて、メディアDに対しデータ/情報の読出し/書込みが行われる。
光ディスクDの信号面Daに照射されたSub−PP振幅レベル特性が向上されると共に、TE位相差特性が向上されるので、このOPUは、デスクトップ型PC用の光ディス
ク装置に装備されることが好ましい。
図13は、光ピックアップ装置の視野特性を示す説明図、図14は、光ピックアップ装置のサブ・プッシュプル信号振幅レベル特性を示す説明図、図15は、光ピックアップ装置のトラッキングエラー位相差特性を示す説明図である。
回折格子10(図5)の第二領域12と、第三領域13とが合わせられた領域12,13が、回折格子10の縦長の中央部10mとされる。OBL4(図1)の瞳面部4eを通過する光の直径4dに対し、回折格子10の中央部10m(図1,図5)の幅10wは、16〜28%、好ましくは18〜26%とされる。すなわち、回折格子10の中央部比率Wrは、16〜28%、好ましくは18〜26%とされる(図13,図14,図15)。
このように構成された回折格子10がOPU100に装備されていれば、トラックピッチTpが異なる複数種類の光ディスクDのデータ記録/再生時に、OBL4の変位に伴ってトラッキングエラー信号が劣化するということは回避され易くなる。
OBL4の瞳面部4eを通過する光の直径4dに対し、回折格子10の中央部10mの幅10wが16%未満に設定された場合、TE振幅レベル(%)が減少され、TE視野特性が低下され易くなる(図13)。すなわち、回折格子10の中央部比率Wrが16%未満に設定された場合、OBLセンター比(%)が減少され、TE視野特性が低下され易くなる。また、OBL4の瞳面部4eを通過する光の直径4dに対し、回折格子10の中央部10mの幅10wが18%以上とされることにより、TE振幅レベル(%)の減少が抑えられ、TE視野特性の低下が抑えられる。すなわち、回折格子10の中央部比率Wrが18%以上とされることにより、OBLセンター比(%)の減少が抑えられ、TE視野特性の低下が抑えられる。
また、OBL4の瞳面部4eを通過する光の直径4dに対し、回折格子10の中央部10mの幅10wが28%を超えて設定された場合、Sub−PP振幅レベル(%)が減少され、Sub−PP振幅レベル特性が低下され易くなる(図14)。OBL4の瞳面部4eを通過する光の直径4dに対し、回折格子10の中央部10mの幅10wが26%以内とされることにより、Sub−PP振幅レベル(%)の減少が抑えられ、Sub−PP振幅レベル特性の低下が抑えられる。
また、OBL4の瞳面部4eを通過する光の直径4dに対し、回折格子10の中央部10mの幅10wが28%を超えて設定された場合、TE位相差量が増加され、TE位相差特性が低下され易くなる(図15)。OBL4の瞳面部4eを通過する光の直径4dに対し、回折格子10の中央部10mの幅10wが26%以内とされることにより、TE位相差量の増加が抑えられ、TE位相差特性の低下が抑えられる。
OBL4の瞳面部4eを通過する光の直径4dに対し、回折格子10の中央部10mの幅10wが16〜28%好ましくは18〜26%に設定されることにより、TE振幅レベル(図13)と、Sub−PP振幅レベル(図14)と、TE位相差量(図15)とが適度な値に設定され易くなる。
例えば、OBL4の瞳面部4eを通過する光の直径4dに対し、回折格子10の中央部10mの幅10wが略20%に設定されることにより、TE振幅レベル(図13)と、Sub−PP振幅レベル(図14)と、TE位相差量(図15)とが最適な値に設定され易くなる。TE振幅レベルと、Sub−PP振幅レベルと、TE位相差量とが、バランスよく適度な値に設定されるので、OPU100のトラッキング制御が行われ易くなる。
回折格子10(図5)の第二領域12の幅12wと、回折格子10の第三領域13の幅13wとは、両方とも、10〜100μm、好ましくは30〜80μm、より好ましくは48〜72μmに設定される。すなわち、回折格子10の分割部幅12w,13wは、10〜100μm、好ましくは30〜80μm、より好ましくは48〜72μmに設定される。
これにより、光ディスクDの信号面Daに対するOPU100のトラッキングは、良好に行われ易くなる。トラックピッチTpが異なる複数種類の光ディスクDの記録/再生時に、例えばOBL4の変位に伴って、トラッキングエラー信号が劣化するということは回避され易くなる。
回折格子10の第二領域12の幅12wと、回折格子10の第三領域13の幅13wとが、両方とも10μm未満の狭い幅とされた場合や、回折格子10の第二領域12の幅12wと、回折格子10の第三領域13の幅13wとが、両方とも100μmを超える広い幅とされた場合には、TE視野特性と、Sub−PP振幅レベル特性と、TE位相差特性とのバランスが崩される。各特性のバランスが崩されると、トラッキングエラー信号が劣化されて、光ディスクDの信号面Daに対するOPU100のトラッキングが正確に行われ難くなる。
例えば、回折格子10の第二領域12の幅12wと、回折格子10の第三領域13の幅13wとが、両方とも30〜80μm程度に設定されることにより、TE視野特性と、Sub−PP振幅レベル特性と、TE位相差特性とのバランスが略保たれ易くなる。これに伴って、光ディスクDの信号面Daに対するOPU100のトラッキングは、正確に行われ易くなる。
好ましくは、回折格子10の第二領域12の幅12wと、回折格子10の第三領域13の幅13wとが、両方とも48〜72μmの範囲内に設定されることにより、TE視野特性と、Sub−PP振幅レベル特性と、TE位相差特性とのバランスが保たれる。これにより、トラッキングエラー信号の劣化は回避される。従って、光ディスクDの信号面Daに対するOPU100のトラッキングは、正確に行われる。
回折格子10の中央部比率Wrが19.0%とされたときに、回折格子10の分割部幅12w,13wは52μmとされた。また、回折格子10の中央部比率Wrが21.8%とされたときに、回折格子10の分割部幅12w,13wは60μmとされた。また、回折格子10の中央部比率Wrが24.7%とされたときに、回折格子10の分割部幅12w,13wは68μmとされた。
従来の三分割型回折格子90(図22)を備えたOPUにおいて、TE視野特性もしくはTE位相差特性を変更させるには、三分割型回折格子90の中央部90mの幅90wを変更させることでしかできなかった。
これに対し、四分割型回折格子10(図5)を備えたOPU100(図1)において、TE視野特性や、TE位相差特性などを変更させる場合には、四分割型回折格子10(図5)の中央部10mの幅10wを変更させることに加え、四分割型回折格子10の中央部10mの各領域12,13を構成する格子状ピッチの位相差を変更させることにより、各種特性を調整変更させることが可能となる。
四分割型回折格子10の中央部10mの幅10wと、四分割型回折格子10の中央部10mの各領域12,13を構成する格子状ピッチの位相差とが、調整されて設定されることにより、所望の性能が発揮されると共に各種特性のバランスがとられたOPU100を
設計することが可能となる。従って、OPU100が設計されるときの設計の自由度が向上する。
このOPU100(図1)は、例えば、平面視略矩形の回折格子10(図5)と、3本の光束を集光して光ディスクD(図1)の信号面Daに各々独立した少なくとも3個の集光スポットSa,Sb,Sm(図2,図3)を照射させるOBL4(図1)と、光ディスクDにおける3個の各集光スポットSa,Sb,Sm(図2,図3)の反射光を受光するPD6(図1,図3)とを、少なくとも備えて構成されている。
このようにOPU100が構成されていれば、光ディスクDの信号面Daに対するOPU100のトラッキングは、精度よく行われる。トラックピッチTpが異なる複数種類の光ディスクDのデータ記録/再生時に、OBL4の変位に伴って、トラッキングエラー信号の振幅が劣化することや、トラッキングエラー信号にオフセットが残留するということは回避され易くなる。
位相シフト型四分割回折格子10を備えるOPU100が構成されることにより、DVD−RAMに対するOPU100のデータ再生動作またはデータ記録動作は、確実に行われる。また、DVD±R、DVD±RWに対するOPU100のデータ再生動作またはデータ記録動作も、確実に行われる(図示せず)。
回折格子10(図1,図5)により回折されて形成された3ビームは、図2および図3に示す如く、レーザ光の0次回折光のメインビームと±1次回折光の先行および後行の各サブビームとが、光ディスクDの信号面Daの同一トラックT上に略並んで配置されるように、光ディスクDの信号面Da上に照射される。
先行および後行の各サブビームがそれぞれディスクに照射されて形成される先行サブスポットSaおよび後行サブスポットSbは、回折格子10に形成された位相シフト領域11,14により、信号トラック方向Yに対して斜め方向に2つ並んで光ディスクDの信号面Da上に形成される。先行サブスポットSaおよび後行サブスポットSbは、信号トラック方向Yに対して斜めに傾けられた状態とされ、ディスクDに照射されるメインスポットSmを挟んで配置されるように、光ディスクDの信号面Da上に照射される。
このように、各スポットSa,Sb,SmがディスクDの信号面DaのトラックT上に照射されるために、回折格子10(図5)は、各領域11,12,13,14に分けられている。各スポットSa,Sb,SmがディスクDの信号面DaのトラックT上に照射されるために、回折格子10は、レーザ光にπラジアンの位相シフトを発生させる位相シフト領域11,14を備えるものとされている。
回折格子10の位相シフト領域11を通過するレーザ光には、この位相シフト領域11以外の領域14を通過するレーザ光に対してπラジアンの位相シフトが付与されることになるので、各サブビームをディスクDの信号面Daにオントラックさせても、各サブビームに対応するPD6の各サブ受光領域から、それぞれ差動プッシュプル方式におけるサブプッシュプル信号を生成させることが可能となる。
図3の如く、PD6は、メインビームの反射光を検知する一対の光検出面部6A,6Bと、先行サブビームの反射光を検知する一対の光検出面部6C,6Dと、遅行サブビームの反射光を検知する一対の光検出面部6E,6Fとを備える。PD6は、例えば、0次反射光と±1次反射光との重畳部分を含む領域を2分割してそれぞれのビームを受光する。
PD6を構成する一対の光検出面部6A,6Bは、互いに隣接して配置される。メイン
ビームの0次反射光の中心部が光検出面部6A,6Bの境界部6Lmに当たるように光検出面部6A,6Bの位置が調整される。光検出面部6Aは、メインビームの反射光における一方の重畳領域を含む領域を受光し、光検出面部6Bは、メインビームの反射光における他方の重畳領域を含む領域を受光する。光検出面部6Aおよび光検出面部6Bは、それぞれ独立に検出値を出力する。
PD6を構成する一対の光検出面部6C,6Dは、互いに隣接して配置される。先行サブビームの0次反射光の中心部が光検出面部6C,6Dの境界部6Laに当たるように光検出面部6C,6Dの位置が調整される。光検出面部6Cは、先行サブビームの反射光における一方の重畳領域を含む領域を受光し、光検出面部6Dは、先行サブビームの反射光における他方の重畳領域を含む領域を受光する。光検出面部6Cおよび光検出面部6Dは、それぞれ独立に検出値を出力する。
PD6を構成する一対の光検出面部6E,6Fは、互いに隣接して配置される。遅行サブビームの0次反射光の中心部が光検出面部6E,6Fの境界部6Lbに当たるように光検出面部6E,6Fの位置が調整される。光検出面部6Eは、遅行サブビームの反射光における一方の重畳領域を含む領域を受光し、光検出面部6Fは、遅行サブビームの反射光における他方の重畳領域を含む領域を受光する。光検出面部6Eおよび光検出面部6Fは、それぞれ独立に検出値を出力する。
このPD6においては、2つの光検出面部を1組の光検出部とさせ、0次反射光と±1次反射光との重畳部分を含む領域が2分割されてそれぞれのビームが受光される。例えば、4つの光検出面部を1組の光検出部とさせ、0次反射光と±1次反射光との重畳部分を含む領域を4分割させてそれぞれのビームをPDに受光させることも可能である。
PD6は、演算部7に接続されている。PD6にて生成された信号は、演算部7に送信される。演算部7は、4つの差動アンプ7A〜7Dと、加算器7Eと、増幅アンプ7Fとを含んで構成される。差動アンプ7Aは、光検出面部6A,6Bからの出力信号の差分(A−B)を演算しメインプッシュプル信号MPPとして生成する。差動アンプ7Bは、光検出面部6C,6Dからの出力信号の差分(C−D)を演算し先行サブプッシュプル信号FSPPとして生成する。差動アンプ7Cは、光検出面部6E,6Fからの出力信号の差分(E−F)を演算し遅行サブプッシュプル信号BSPPとして生成する。
加算器7Eに、差動アンプ7B,7Cの出力信号である先行サブプッシュプル信号FSPPと、差動アンプ7C出力信号である遅行サブプッシュプル信号BSPPとが入力される。加算器7Eは、これらの信号の加算(FSPP+BSPP)を演算し加算サブプッシュプル信号SPPとさせる。増幅アンプ7Fに、加算器7Eの出力信号である加算サブプッシュプル信号SPPが入力される。増幅アンプ7Fは、加算サブプッシュプル信号SPPを増幅率Kでメインプッシュプル信号MPPと同等の信号レベルに増幅する。差動アンプ7Dに、差動アンプ7Aの出力信号と、増幅アンプ7Fの出力信号とが入力される。差動アンプ7Dは、メインプッシュプル信号MPPと、加算サブプッシュプル信号SPPを増幅した信号との差分を演算して、トラッキング誤差信号DPPとして出力する。
演算部7で生成されたトラッキング誤差信号DPPが、対物レンズ駆動部8(図1)に送られて、光ディスクDのトラックT(図2,図3)に対するOBL4(図1)のトラッキング調整が自動的に行われる。
上記OPU100は、光ディスク装置200に装備される。光ディスク装置200は、単一のOPU100を備えて構成される。
これにより、各光ディスクDからのデータの読出しや、各光ディスクDに対するデータの書込みは、OPU100を備える光ディスク装置200にて正常に行われる。光ディスク装置200に各光ディスクDが挿入されて、トラックピッチTpが異なる複数種類の光ディスクDのデータが読み出されたり、又は、トラックピッチTpが異なる複数種類の光ディスクDにデータが書き込まれたりされるときに、例えばOBL4の変位に伴って、トラッキングエラー信号が劣化するということは回避され易くなる。従って、精度の高いトラッキング制御が行われ易い単一のOPU100を備えた光ディスク装置200の提供が可能となる。
また、光ディスク装置200に、トラックピッチTpが異なる複数種類の光ディスクDに対応可能な一つのOPU100が内装されていれば、光ディスク装置200の価格が低く抑えられる。トラックピッチTpが異なる複数種類の光ディスクDに対応して、複数のOPUが光ディスク装置200に内装され、これに伴って、光ディスク装置200の価格が大幅に上昇するということは回避される。
図6は、光ピックアップ装置に装備される回折格子の第二形態(参考例)を示す概略平面図、図7は、図6の回折格子における光ディスクラジアル方向と位相差との関係を示す図である。
図1に示す回折格子10に代えて、図6に示す回折格子20がOPU100(図1)に装備された。図1に示す回折格子10が図6に示す回折格子20に置き換えられたこと以外に、OPU100および光ディスク装置200に変更はない。図1に示す回折格子10が図6に示す回折格子20に置き換えられた点で、実施例1と、実施例2とが異なるが、回折格子10,20以外の他の部分においては、実施例1と、実施例2とは、共通なものとされている。便宜上、図1〜図4ならびに図13〜図15を併用して、実施例2を説明する。また、実施例2において、実施例1にて説明したものと同一のものについては、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略した。
図6の如く、回折格子20に、LD1(図1)から出射されるレーザ光の一部にπラジアンの位相シフトを発生させる位相シフト領域21,24(図6)が設けられている。回折格子20は、略長方形状の第一領域21と、第一領域21に隣接する略線状の第二領域22と、第二領域22に隣接する略線状の第三領域23と、第三領域23に隣接する略長方形状の第四領域24との少なくとも4つの領域21,22,23,24に分けられている。各領域21,22,23,24内で所定の周期構造が構成されている。
図6に示す回折格子20において、第二領域22の位相状態と、第三領域23の位相状態とが分かり易くされるために、便宜上、第二領域22および第三領域23は、ある程度の幅をもたせて描かれている。実際には、回折格子20の第二領域22および回折格子20の第三領域23は、例えば幅20wが20〜200μm程度の細い線形状とされる。また、回折格子20を構成する各領域21,22,23,24の周期構造は、微細な凹凸状の繰返し周期構造とされている。また、回折格子20は、例えば略3〜10mm角の縦横寸法をした厚み略0.3〜3mmのガラス板とされている。
図6に示す回折格子20がOPU100に装備されていれば、光ディスクDの信号面Daに対するOPU100のトラッキングは、良好に行われ易くなる。回折格子20が4つの領域21,22,23,24に分けられて構成されることにより、光ディスクDの信号面Daに、各々独立した少なくとも3個の集光スポットSa,Sb,Sm(図2,図3)が照射される。光ディスクDの信号面Daに、少なくとも3個の集光スポットSa,Sb,Smが各々独立して照射されるので、トラックピッチTpが異なる複数種類の光ディス
クDにデータ記録が行われるときや、トラックピッチTpが異なる複数種類の光ディスクDのデータ再生が行われるときに、例えばOBL4(図1)の変位に伴って、トラッキングエラー信号が劣化するということは回避され易くなる。従って、トラッキング制御が行われ易い単一のOPU100の提供が可能となる。
図6の如く、回折格子20は、第一領域21および第一領域21に隣接する第二領域22を備える略長方形状の一方の領域部28と、第三領域23および第三領域23に隣接する第四領域24を備える略長方形状の他方の領域部29とを有するものとされる。回折格子20の第一領域21の幅21wと、第四領域24の幅24wとは、略等しい幅とされている。また、回折格子20の第二領域22の幅22wと、第三領域23の幅23wとは、略等しい幅とされている。回折格子20の第二領域22と、この第二領域22に隣接する回折格子20の第三領域23との境界線部26により、回折格子20は、回折格子20を構成する一方の領域部28と、回折格子20を構成する他方の領域部29とに二等分される。
これにより、光ディスクDの信号面Daに形成される集光スポットSa,Sb,Smは、精度のよい集光スポットSa,Sb,Smとして形成される。回折格子20の第二領域22と、第二領域22に隣接する第三領域23との境界線部26によって、第一領域21および第一領域21に隣接する第二領域22を備える一方の領域部28と、第三領域23および第三領域23に隣接する第四領域24を備える他方の領域部29とに回折格子20が二等分されるので、OPU100のハウジング(図示せず)に回折格子20が装備されるときに、LD1から出射され回折格子20に当てられたレーザ光は、例えば不図示の光軸調整用カメラなどにより、容易に光軸調整される。LD1から出射され回折格子20に当てられたのちにOBL4を透過したレーザ光は、例えば光軸調整用カメラなどが用いられて観察可能とされる。
従来の三分割型回折格子90(図22)にあっては、回折格子90を平面視したときに、回折格子90を等分割させる位置決め用境界線が設けられていなかった。回折格子90に位置決め用中心線として用いられる境界線が設けられていないことにより、レーザ光の中心を回折格子90の中心に合わせつつレーザ光を回折格子90に照射させ、光軸調整用カメラによって、回折格子90を精度よく光ピックアップ装置のハウジングに装備させることは難しかった。
しかしながら、図6に示す四分割型回折格子20においては、回折格子20の略中央を二等分させて、略長方形状の一方の領域部28と、略長方形状の他方の領域部29とを構成させる境界線部26が回折格子20に設けられているので、光軸調整用カメラなどが用いられて、レーザ光の光軸調整が行われるときに、レーザ光は、回折格子20を構成する略長方形状の一方の領域部28と、回折格子20を構成する略長方形状の他方の領域部29とに、略二等分された状態に当てられ易くなる。
回折格子20を構成する略長方形状の一方の領域部28と、回折格子20を構成する略長方形状の他方の領域部29とに、レーザ光が略二等分とされた状態に当てられ易くなることにより、回折格子20は、OPU100のハウジングに精度よく位置決め調整されつつ備えられ易くなる。従って、光ディスクDの信号面Daに精度よく集光スポットSa,Sb,Smが形成され易くなる。これに伴って、光ディスクDの信号面Daに対するOPU100のトラッキングは、精度よく行われ易くなる。
回折格子20の第二領域22の周期構造に対し、回折格子20の第三領域23の周期構造は、3〜180度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされる。
これにより、光ディスクDの信号面Daに形成される集光スポットSa,Sb,Smは、より精度の高い集光スポットSa,Sb,Smとして形成され易くなる。回折格子20を構成する第二領域22の周期構造に対し、回折格子20を構成する第三領域23の周期構造は、3〜180度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされているので、回折格子20の第二領域22と、第二領域22に隣接する回折格子20の第三領域23との境界線部26が略明確化される。
第二領域22の周期構造に対し、第三領域23の周期構造が3度未満の異なる位相を有する周期構造とされた場合、第二領域22と、第三領域23との境界線部26が明確化されない。第二領域22の周期構造に対し、第三領域23の周期構造が180度の異なる位相を有する周期構造とされたときに、第二領域22と、第三領域23との境界線部26は、最も明確化される。第二領域22の周期構造に対し、第三領域23の周期構造が、例えば3〜90度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされた場合に、第二領域22と、第三領域23との境界線部26が明確化されつつ、適度な特性を備えた回折格子20が形成される。
回折格子20の第二領域22と、回折格子20の第三領域23との境界線部26が略明確化されるので、第一領域21および第一領域21に隣接する第二領域22を備える回折格子20の一方の領域部28と、第三領域23および第三領域23に隣接する第四領域24を備える回折格子20の他方の領域部29との境界線部26が明確化される。従って、回折格子20の一方の領域部28と、回折格子20の他方の領域部29とに、レーザ光が略二等分された状態に当てられる。回折格子20の一方の領域部28と、回折格子20の他方の領域部29とに、レーザ光が略二等分された状態に当てられたときに、OPU100のハウジングに回折格子20が精度よく装備される。
回折格子20を構成する略短冊状の第一領域21および略短冊状の第四領域24の間に、回折格子20を構成する略線状の第二領域22および略線状の第三領域23が配置されている。第一領域21の周期構造に対し、第二領域22の周期構造は、異なる位相を有する周期構造とされている。また、第二領域22の周期構造に対し、第三領域23の周期構造は、異なる位相を有する周期構造とされている。また、第三領域23の周期構造に対し、第四領域24の周期構造は、異なる位相を有する周期構造とされている。第一領域21の周期構造に対し、第四領域24の周期構造は、略180度ほど異なる位相を有する周期構造とされている。
これにより、回折格子20における第一領域21と、第二領域22と、第三領域23と、第四領域24とが区別化されると共に、回折格子20おける第一領域21と、第四領域24との位相差が明確化される。回折格子20の第一領域21の周期構造に対し、回折格子20の第四領域24の周期構造が、略180度ほど異なる位相を有する周期構造とされているので、光ディスクDの信号面Daに少なくとも3個の各集光スポットSa,Sb,Smが良好に形成される。光ディスクDの信号面Daに良好に形成された少なくとも3個の各集光スポットSa,Sb,Smにより、トラックピッチTpが異なる複数種類の光ディスクDのデータ記録/再生時に、例えばOBL4の変位に伴ってトラッキングエラー信号が劣化するということは回避され易くなる。
第一領域21と第二領域22とを区切る境界線部25により、第一領域21と第二領域22とが分けられている。また、第二領域22と第三領域23とを区切る境界線部26により、第二領域22と第三領域23とが分けられている。また、第三領域23と第四領域24とを区切る境界線部27により、第三領域23と第四領域24とが分けられている。
第一領域21の周期構造に対し、第二領域22の周期構造は、30〜180度の範囲内
の異なる位相を有する周期構造とされる。また、第二領域22の周期構造に対し、第三領域23の周期構造は、3〜180度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされる。また、第三領域23の周期構造に対し、第四領域24の周期構造は、30〜180度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされる。
これにより、回折格子20における第一領域21と、第二領域22と、第三領域23と、第四領域24とが、略明確に区別化される。回折格子20を構成する第一領域21の周期構造に対し、回折格子20を構成する第二領域22の周期構造は、30〜180度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされているので、回折格子20の第一領域21と、回折格子20の第二領域22とが明確に区別化される。また、回折格子20を構成する第二領域22の周期構造に対し、回折格子20を構成する第三領域23の周期構造は、3〜180度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされているので、回折格子20の第二領域22と、回折格子20の第三領域23とが略区別化される。また、回折格子20を構成する第三領域23の周期構造に対し、回折格子20を構成する第四領域24の周期構造は、30〜180度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされているので、回折格子20の第三領域23と、回折格子20の第四領域24とが明確に区別化される。
回折格子20が4つの領域に分けられて区別化されることにより、光ディスクDの信号面Daに、各々独立した少なくとも3個の集光スポットSa,Sb,Smが照射される。光ディスクDの信号面Daに、少なくとも3個の集光スポットSa,Sb,Smが各々独立して照射されるので、光ディスクDの信号面Daに対するOPU100のトラッキングは、行われ易くなる。また、各領域の周期構造の位相が、定められた数値の範囲内に適宜設定されることにより、回折格子20の設計自由度が向上すると共に、OPU100の設計自由度も向上する。従って、使用される部位に対応して最適な特性が発揮され易いOPU100が構成される。
回折格子20は、略矩形板状に形成されている。回折格子20が平面視されたときに、回折格子20は、略矩形板状のものとして目視される。
縦長の略長方形状第一領域21と、縦長の略線状第二領域22と、縦長の略線状第三領域23と、縦長の略長方形状第四領域24とが横並びに配列された状態で、回折格子20が平面視されたときに、回折格子20の一領域の位相に対し、一領域の右側に隣接する他領域の位相が略右上がり階段状にずらされた場合に、他領域の位相は、プラス(+)側にずらされたものと定められる。
また、縦長の略長方形状第一領域21と、縦長の略線状第二領域22と、縦長の略線状第三領域23と、縦長の略長方形状第四領域24とが横並びに配列された状態で、回折格子20が平面視されたときに、回折格子20の一領域の位相に対し、一領域の右側に隣接する他領域の位相が略右下がり階段状にずらされた場合に、他領域の位相は、マイナス(−)側にずらされたものと定められる。
回折格子20が平面視されたときに、第一領域21の周期構造に対し、第一領域21の右側に隣接する第二領域22の周期構造は、プラス側にずらされた位相を有する周期構造とされている。また、回折格子20が平面視されたときに、第二領域22の周期構造に対し、第二領域22の右側に隣接する第三領域23の周期構造は、プラス側にずらされた位相を有する周期構造とされている。また、回折格子20が平面視されたときに、第三領域23の周期構造に対し、第三領域23の右側に隣接する第四領域24の周期構造は、プラス側にずらされた位相を有する周期構造とされている。
回折格子20は、各領域21,22,23,24の周期構造の各位相が順を追って段階
的にずらされて構成されている(図7)。回折格子20(図6)は、いわゆる順位相の周期構造を備える回折格子20とされている。
OPUの設計/仕様などにより、例えば図6に示す回折格子20において、符号や引出線や寸法線などについては略そのままとされつつ、輪郭線のみが境界線部(26)を中心に左右反転された回折格子(20)が用いられてもよい。そのようなものについて具体的に説明すると、例えば、回折格子(20)が平面視されたときに、第一領域(21)の周期構造に対し、第一領域(21)の右側に隣接する第二領域(22)の周期構造が、マイナス側にずらされた位相を有する周期構造とされてもよい。また、例えば、回折格子(20)が平面視されたときに、第二領域(22)の周期構造に対し、第二領域(22)の右側に隣接する第三領域(23)の周期構造が、マイナス側にずらされた位相を有する周期構造とされてもよい。また、例えば、回折格子(20)が平面視されたときに、第三領域(23)の周期構造に対し、第三領域(23)の右側に隣接する第四領域(24)の周期構造が、マイナス側にずらされた位相を有する周期構造とされてもよい。
回折格子(20)は、各領域(21,22,23,24)の周期構造の各位相が順を追って段階的にずらされて構成される。回折格子(20)は、いわゆる順位相の周期構造を備える回折格子(20)とされる。
順位相の周期構造を備える回折格子がOPUに装備されていれば、Sub−PP振幅レベルが増加され、Sub−PP振幅レベル特性が向上され易くなる(図14)。Sub−PP振幅レベル(%)が減少され、Sub−PP振幅レベル特性が低下するということは回避される。
また、TE位相差量が減少され、TE位相差特性が向上され易くなる(図15)。TE位相差量が増加され、TE位相差特性が低下するということは回避される。
Sub−PP振幅レベル特性が向上されると共に、TE位相差特性が向上されるので、このOPUは、デスクトップ型PC用の光ディスク装置に装備されることが好ましい。デスクトップ型PC用の光ディスク装置に用いられるOPUは、大きいサイズのOBLが使用可能とされることから、視野特性が考慮されつつ、視野特性よりも、Sub−PP振幅レベル特性や、TE位相差特性のほうが、設計上、重要とされることがある。
図6の如く、第一領域21の周期構造に対し、第二領域22の周期構造は、略+60度異なる位相を有する周期構造とされている。また、第二領域22の周期構造に対し、第三領域23の周期構造は、略+60度異なる位相を有する周期構造とされている。第一領域21の周期構造に対し、第三領域23の周期構造は、略+120度異なる位相を有する周期構造とされている。また、第三領域23の周期構造に対し、第四領域24の周期構造は、略+60度異なる位相を有する周期構造とされている。第一領域21の周期構造に対し、第四領域24の周期構造は、略+180度異なる位相を有する周期構造とされている。
このように構成された回折格子20がOPU100に装備されていれば、Sub−PP振幅レベル(%)が増加され、Sub−PP振幅レベル特性が大幅に向上する(図14)。Sub−PP振幅レベル(%)が減少され、Sub−PP振幅レベル特性が低下するということは回避される。このOPU100のSub−PP振幅レベル特性は、従来の3つの位相領域91,92,93(図22)に分けられた回折格子90を備えるOPU(図示せず)の信号振幅レベル特性よりも、大幅に向上する(図14)。
また、TE位相差量が減少され、TE位相差特性が大幅に向上する(図15)。TE位相差量が増加され、TE位相差特性が低下するということは回避される。このOPU10
0のTE位相差特性は、従来の3つの位相領域91,92,93(図22)に分けられた回折格子90を備えるOPU(図示せず)のTE位相差特性よりも、大幅に向上する(図15)。
位相シフト型四分割回折格子20(図6)が採用されて、インラインDPP法によるトラッキング誤差検出法が実行されるOPU100(図1)は、従来の三分割回折格子90(図22)が使用されたOPUに比べ、TE位相差量を小さく抑えることが可能となる(図15)。従って、位相シフト型四分割回折格子20(図6)を備えるOPU100(図1)が装備された光ディスク装置200においては、例えばトラックピッチTp(図2,図3)の異なるいかなるメディアDに対しても、安定した動作にて、メディアDに対しデータ/情報の読出し/書込みが行われる。
光ディスクDの信号面Daに照射されたSub−PP振幅レベル特性が大幅に向上されると共に、TE位相差特性が大幅に向上されるので、このOPUは、デスクトップ型PC用の光ディスク装置に装備されることが好ましい。
回折格子20(図6)の第二領域22と、第三領域23とが合わせられた領域22,23が、回折格子20の縦長の中央部20mとされる。OBL4(図1)の瞳面部4eを通過する光の直径4dに対し、回折格子20の中央部20m(図1,図6)の幅20wは、16〜28%、好ましくは18〜26%とされる。すなわち、回折格子20の中央部比率Wrは、16〜28%、好ましくは18〜26%とされる(図13,図14,図15)。
このように構成された回折格子20がOPU100に装備されていれば、トラックピッチTpが異なる複数種類の光ディスクDのデータ記録/再生時に、OBL4の変位に伴ってトラッキングエラー信号が劣化するということは回避され易くなる。
OBL4の瞳面部4eを通過する光の直径4dに対し、回折格子20の中央部20mの幅20wが16%未満に設定された場合、TE振幅レベル(%)が減少され、TE視野特性が低下され易くなる(図13)。すなわち、回折格子20の中央部比率Wrが16%未満に設定された場合、OBLセンター比(%)が減少され、TE視野特性が低下され易くなる。また、OBL4の瞳面部4eを通過する光の直径4dに対し、回折格子20の中央部20mの幅20wが18%以上とされることにより、TE振幅レベル(%)の減少が抑えられ、TE視野特性の低下が抑えられる。すなわち、回折格子20の中央部比率Wrが18%以上とされることにより、OBLセンター比(%)の減少が抑えられ、TE視野特性の低下が抑えられる。
また、OBL4の瞳面部4eを通過する光の直径4dに対し、回折格子20の中央部20mの幅20wが28%を超えて設定された場合、Sub−PP振幅レベル(%)が減少され、Sub−PP振幅レベル特性が低下され易くなる(図14)。OBL4の瞳面部4eを通過する光の直径4dに対し、回折格子20の中央部20mの幅20wが26%以内とされることにより、Sub−PP振幅レベル(%)の減少が抑えられ、Sub−PP振幅レベル特性の低下が抑えられる。
また、OBL4の瞳面部4eを通過する光の直径4dに対し、回折格子20の中央部20mの幅20wが28%を超えて設定された場合、TE位相差量が増加され、TE位相差特性が低下され易くなる(図15)。OBL4の瞳面部4eを通過する光の直径4dに対し、回折格子20の中央部20mの幅20wが26%以内とされることにより、TE位相差量の増加が抑えられ、TE位相差特性の低下が抑えられる。
OBL4の瞳面部4eを通過する光の直径4dに対し、回折格子20の中央部20mの
幅20wが16〜28%好ましくは18〜26%に設定されることにより、TE振幅レベル(図13)と、Sub−PP振幅レベル(図14)と、TE位相差量(図15)とが適度な値に設定され易くなる。
例えば、OBL4の瞳面部4eを通過する光の直径4dに対し、回折格子20の中央部20mの幅20wが略20%に設定されることにより、TE振幅レベル(図13)と、Sub−PP振幅レベル(図14)と、TE位相差量(図15)とが最適な値に設定され易くなる。TE振幅レベルと、Sub−PP振幅レベルと、TE位相差量とが、バランスよく適度な値に設定されるので、OPU100のトラッキング制御が行われ易くなる。
回折格子20(図6)の第二領域22の幅22wと、回折格子20の第三領域23の幅23wとは、両方とも、10〜100μm、好ましくは30〜80μm、より好ましくは48〜72μmに設定される。すなわち、回折格子20の分割部幅22w,23wは、10〜100μm、好ましくは30〜80μm、より好ましくは48〜72μmに設定される。
これにより、光ディスクDの信号面Daに対するOPU100のトラッキングは、良好に行われ易くなる。トラックピッチTpが異なる複数種類の光ディスクDの記録/再生時に、例えばOBL4の変位に伴って、トラッキングエラー信号が劣化するということは回避され易くなる。
回折格子20の第二領域22の幅22wと、回折格子20の第三領域23の幅23wとが、両方とも10μm未満の狭い幅とされた場合や、回折格子20の第二領域22の幅22wと、回折格子20の第三領域23の幅23wとが、両方とも100μmを超える広い幅とされた場合には、TE視野特性と、Sub−PP振幅レベル特性と、TE位相差特性とのバランスが崩される。各特性のバランスが崩されると、トラッキングエラー信号が劣化されて、光ディスクDの信号面Daに対するOPU100のトラッキングが正確に行われ難くなる。
例えば、回折格子20の第二領域22の幅22wと、回折格子20の第三領域23の幅23wとが、両方とも30〜80μm程度に設定されることにより、TE視野特性と、Sub−PP振幅レベル特性と、TE位相差特性とのバランスが略保たれ易くなる。これに伴って、光ディスクDの信号面Daに対するOPU100のトラッキングは、正確に行われ易くなる。
好ましくは、回折格子20の第二領域22の幅22wと、回折格子20の第三領域23の幅23wとが、両方とも48〜72μmの範囲内に設定されることにより、TE視野特性と、Sub−PP振幅レベル特性と、TE位相差特性とのバランスが保たれる。これにより、トラッキングエラー信号の劣化は回避される。従って、光ディスクDの信号面Daに対するOPU100のトラッキングは、正確に行われる。
回折格子20の中央部比率Wrが22.9%とされたときに、回折格子20の分割部幅22w,23wは63μmとされた。また、回折格子20の中央部比率Wrが25.8%とされたときに、回折格子20の分割部幅22w,23wは71μmとされた。
従来の三分割型回折格子90(図22)を備えたOPUにおいて、TE視野特性もしくはTE位相差特性を変更させるには、三分割型回折格子90の中央部90mの幅90wを変更させることでしかできなかった。
これに対し、四分割型回折格子20(図6)を備えたOPU100(図1)において、
TE視野特性や、TE位相差特性などを変更させる場合には、四分割型回折格子20(図6)の中央部20mの幅20wを変更させることに加え、四分割型回折格子20の中央部20mの各領域22,23を構成する格子状ピッチの位相差を変更させることにより、各種特性を調整変更させることが可能となる。
四分割型回折格子20の中央部20mの幅20wと、四分割型回折格子20の中央部20mの各領域22,23を構成する格子状ピッチの位相差とが、調整されて設定されることにより、所望の性能が発揮されると共に各種特性のバランスがとられたOPU100を設計することが可能となる。従って、OPU100が設計されるときの設計の自由度が向上する。
このOPU100(図1)は、例えば、平面視略矩形の回折格子20(図6)と、3本の光束を集光して光ディスクD(図1)の信号面Daに各々独立した少なくとも3個の集光スポットSa,Sb,Sm(図2,図3)を照射させるOBL4(図1)と、光ディスクDにおける3個の各集光スポットSa,Sb,Sm(図2,図3)の反射光を受光するPD6(図1,図3)とを、少なくとも備えて構成されている。
このようにOPU100が構成されていれば、光ディスクDの信号面Daに対するOPU100のトラッキングは、精度よく行われる。トラックピッチTpが異なる複数種類の光ディスクDのデータ記録/再生時に、OBL4の変位に伴って、トラッキングエラー信号の振幅が劣化することや、トラッキングエラー信号にオフセットが残留するということは回避され易くなる。
位相シフト型四分割回折格子20を備えるOPU100が構成されることにより、DVD−RAMに対するOPU100のデータ再生動作またはデータ記録動作は、確実に行われる。また、DVD±R、DVD±RWに対するOPU100のデータ再生動作またはデータ記録動作も、確実に行われる(図示せず)。
上記OPU100(図1)は、光ディスク装置200に装備される。光ディスク装置200は、単一のOPU100を備えて構成される。
これにより、精度の高いトラッキング制御が行われ易い単一のOPU100を備えた光ディスク装置200の提供が可能となる。また、光ディスク装置200に、トラックピッチTpが異なる複数種類の光ディスクDに対応可能な一つのOPU100が内装されていれば、光ディスク装置200の価格が低く抑えられる。
図8は、光ピックアップ装置に装備される回折格子の第三実施形態を示す概略平面図である。
図1に示す回折格子10に代えて、図8に示す回折格子30がOPU100(図1)に装備された。図1に示す回折格子10が図8に示す回折格子30に置き換えられたこと以外に、OPU100および光ディスク装置200に変更はない。図1に示す回折格子10が図8に示す回折格子30に置き換えられた点で、実施例1と、実施例3とが異なるが、回折格子10,30以外の他の部分においては、実施例1と、実施例3とは、共通なものとされている。便宜上、図1〜図4ならびに図13〜図15を併用して、実施例3を説明する。また、実施例3において、実施例1にて説明したものと同一のものについては、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略した。
図8の如く、回折格子30に、LD1(図1)から出射されるレーザ光の一部にπラジ
アンの位相シフトを発生させる位相シフト領域31,34(図8)が設けられている。回折格子30は、略長方形状の第一領域31と、第一領域31に隣接する略線状の第二領域32と、第二領域32に隣接する略線状の第三領域33と、第三領域33に隣接する略長方形状の第四領域34との少なくとも4つの領域31,32,33,34に分けられている。各領域31,32,33,34内で所定の周期構造が構成されている。
図8に示す回折格子30において、第二領域32の位相状態と、第三領域33の位相状態とが分かり易くされるために、便宜上、第二領域32および第三領域33は、ある程度の幅をもたせて描かれている。実際には、回折格子30の第二領域32および回折格子30の第三領域33は、例えば幅30wが20〜200μm程度の細い線形状とされる。また、回折格子30を構成する各領域31,32,33,34の周期構造は、微細な凹凸状の繰返し周期構造とされている。また、回折格子30は、例えば略3〜10mm角の縦横寸法をした厚み略0.3〜3mmのガラス板とされている。
図8に示す回折格子30がOPU100に装備されていれば、光ディスクDの信号面Daに対するOPU100のトラッキングは、良好に行われ易くなる。回折格子30が4つの領域31,32,33,34に分けられて構成されることにより、光ディスクDの信号面Daに、各々独立した少なくとも3個の集光スポットSa,Sb,Sm(図2,図3)が照射される。光ディスクDの信号面Daに、少なくとも3個の集光スポットSa,Sb,Smが各々独立して照射されるので、トラックピッチTpが異なる複数種類の光ディスクDにデータ記録が行われるときや、トラックピッチTpが異なる複数種類の光ディスクDのデータ再生が行われるときに、例えばOBL4(図1)の変位に伴って、トラッキングエラー信号が劣化するということは回避され易くなる。従って、トラッキング制御が行われ易い単一のOPU100の提供が可能となる。
図8の如く、回折格子30は、第一領域31および第一領域31に隣接する第二領域32を備える略長方形状の一方の領域部38と、第三領域33および第三領域33に隣接する第四領域34を備える略長方形状の他方の領域部39とを有するものとされる。回折格子30の第一領域31の幅31wと、第四領域34の幅34wとは、略等しい幅とされている。また、回折格子30の第二領域32の幅32wと、第三領域33の幅33wとは、略等しい幅とされている。回折格子30の第二領域32と、この第二領域32に隣接する回折格子30の第三領域33との境界線部36により、回折格子30は、回折格子30を構成する一方の領域部38と、回折格子30を構成する他方の領域部39とに二等分される。
これにより、光ディスクDの信号面Daに形成される集光スポットSa,Sb,Smは、精度のよい集光スポットSa,Sb,Smとして形成される。回折格子30の第二領域32と、第二領域32に隣接する第三領域33との境界線部36によって、第一領域31および第一領域31に隣接する第二領域32を備える一方の領域部38と、第三領域33および第三領域33に隣接する第四領域34を備える他方の領域部39とに回折格子30が二等分されるので、OPU100のハウジング(図示せず)に回折格子30が装備されるときに、LD1から出射され回折格子30に当てられたレーザ光は、例えば不図示の光軸調整用カメラなどにより、容易に光軸調整される。LD1から出射され回折格子30に当てられたのちにOBL4を透過したレーザ光は、例えば光軸調整用カメラなどが用いられて観察可能とされる。
従来の三分割型回折格子90(図22)にあっては、回折格子90を平面視したときに、回折格子90を等分割させる位置決め用境界線が設けられていなかった。回折格子90に位置決め用中心線として用いられる境界線が設けられていないことにより、レーザ光の中心を回折格子90の中心に合わせつつレーザ光を回折格子90に照射させ、光軸調整用
カメラによって、回折格子90を精度よく光ピックアップ装置のハウジングに装備させることは難しかった。
しかしながら、図8に示す四分割型回折格子30においては、回折格子30の略中央を二等分させて、略長方形状の一方の領域部38と、略長方形状の他方の領域部39とを構成させる境界線部36が回折格子30に設けられているので、光軸調整用カメラなどが用いられて、レーザ光の光軸調整が行われるときに、レーザ光は、回折格子30を構成する略長方形状の一方の領域部38と、回折格子30を構成する略長方形状の他方の領域部39とに、略二等分された状態に当てられ易くなる。
回折格子30を構成する略長方形状の一方の領域部38と、回折格子30を構成する略長方形状の他方の領域部39とに、レーザ光が略二等分とされた状態に当てられ易くなることにより、回折格子30は、OPU100のハウジングに精度よく位置決め調整されつつ備えられ易くなる。従って、光ディスクDの信号面Daに精度よく集光スポットSa,Sb,Smが形成され易くなる。これに伴って、光ディスクDの信号面Daに対するOPU100のトラッキングは、精度よく行われ易くなる。
回折格子30の第二領域32の周期構造に対し、回折格子30の第三領域33の周期構造は、3〜180度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされる。
これにより、光ディスクDの信号面Daに形成される集光スポットSa,Sb,Smは、より精度の高い集光スポットSa,Sb,Smとして形成され易くなる。回折格子30を構成する第二領域32の周期構造に対し、回折格子30を構成する第三領域33の周期構造は、3〜180度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされているので、回折格子30の第二領域32と、第二領域32に隣接する回折格子30の第三領域33との境界線部36が略明確化される。
第二領域32の周期構造に対し、第三領域33の周期構造が3度未満の異なる位相を有する周期構造とされた場合、第二領域32と、第三領域33との境界線部36が明確化されない。第二領域32の周期構造に対し、第三領域33の周期構造が180度の異なる位相を有する周期構造とされたときに、第二領域32と、第三領域33との境界線部36は、最も明確化される。第二領域32の周期構造に対し、第三領域33の周期構造が、例えば3〜90度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされた場合に、第二領域32と、第三領域33との境界線部36が明確化されつつ、適度な特性を備えた回折格子30が形成される。
回折格子30の第二領域32と、回折格子30の第三領域33との境界線部36が略明確化されるので、第一領域31および第一領域31に隣接する第二領域32を備える回折格子30の一方の領域部38と、第三領域33および第三領域33に隣接する第四領域34を備える回折格子30の他方の領域部39との境界線部36が明確化される。従って、回折格子30の一方の領域部38と、回折格子30の他方の領域部39とに、レーザ光が略二等分された状態に当てられる。回折格子30の一方の領域部38と、回折格子30の他方の領域部39とに、レーザ光が略二等分された状態に当てられたときに、OPU100のハウジングに回折格子30が精度よく装備される。
回折格子30を構成する略短冊状の第一領域31および略短冊状の第四領域34の間に、回折格子30を構成する略線状の第二領域32および略線状の第三領域33が配置されている。第一領域31の周期構造に対し、第二領域32の周期構造は、異なる位相を有する周期構造とされている。また、第二領域32の周期構造に対し、第三領域33の周期構造は、異なる位相を有する周期構造とされている。また、第三領域33の周期構造に対し
、第四領域34の周期構造は、異なる位相を有する周期構造とされている。第一領域31の周期構造に対し、第四領域34の周期構造は、略180度ほど異なる位相を有する周期構造とされている。
これにより、回折格子30における第一領域31と、第二領域32と、第三領域33と、第四領域34とが区別化されると共に、回折格子30おける第一領域31と、第四領域34との位相差が明確化される。回折格子30の第一領域31の周期構造に対し、回折格子30の第四領域34の周期構造が、略180度ほど異なる位相を有する周期構造とされているので、光ディスクDの信号面Daに少なくとも3個の各集光スポットSa,Sb,Smが良好に形成される。光ディスクDの信号面Daに良好に形成された少なくとも3個の各集光スポットSa,Sb,Smにより、トラックピッチTpが異なる複数種類の光ディスクDのデータ記録/再生時に、例えばOBL4の変位に伴ってトラッキングエラー信号が劣化するということは回避され易くなる。
第一領域31と第二領域32とを区切る境界線部35により、第一領域31と第二領域32とが分けられている。また、第二領域32と第三領域33とを区切る境界線部36により、第二領域32と第三領域33とが分けられている。また、第三領域33と第四領域34とを区切る境界線部37により、第三領域33と第四領域34とが分けられている。
第一領域31の周期構造に対し、第二領域32の周期構造は、30〜180度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされる。また、第二領域32の周期構造に対し、第三領域33の周期構造は、3〜180度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされる。また、第三領域33の周期構造に対し、第四領域34の周期構造は、30〜180度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされる。
これにより、回折格子30における第一領域31と、第二領域32と、第三領域33と、第四領域34とが、略明確に区別化される。回折格子30を構成する第一領域31の周期構造に対し、回折格子30を構成する第二領域32の周期構造は、30〜180度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされているので、回折格子30の第一領域31と、回折格子30の第二領域32とが明確に区別化される。また、回折格子30を構成する第二領域32の周期構造に対し、回折格子30を構成する第三領域33の周期構造は、3〜180度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされているので、回折格子30の第二領域32と、回折格子30の第三領域33とが略区別化される。また、回折格子30を構成する第三領域33の周期構造に対し、回折格子30を構成する第四領域34の周期構造は、30〜180度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされているので、回折格子30の第三領域33と、回折格子30の第四領域34とが明確に区別化される。
回折格子30が4つの領域に分けられて区別化されることにより、光ディスクDの信号面Daに、各々独立した少なくとも3個の集光スポットSa,Sb,Smが照射される。光ディスクDの信号面Daに、少なくとも3個の集光スポットSa,Sb,Smが各々独立して照射されるので、光ディスクDの信号面Daに対するOPU100のトラッキングは、行われ易くなる。また、各領域の周期構造の位相が、定められた数値の範囲内に適宜設定されることにより、回折格子30の設計自由度が向上すると共に、OPU100の設計自由度も向上する。従って、使用される部位に対応して最適な特性が発揮され易いOPU100が構成される。
回折格子30は、略矩形板状に形成されている。回折格子30が平面視されたときに、回折格子30は、略矩形板状のものとして目視される。
縦長の略長方形状第一領域31と、縦長の略線状第二領域32と、縦長の略線状第三領
域33と、縦長の略長方形状第四領域34とが横並びに配列された状態で、回折格子30が平面視されたときに、回折格子30の一領域の位相に対し、一領域の右側に隣接する他領域の位相が略右上がり階段状にずらされた場合に、他領域の位相は、プラス(+)側にずらされたものと定められる。
また、縦長の略長方形状第一領域31と、縦長の略線状第二領域32と、縦長の略線状第三領域33と、縦長の略長方形状第四領域34とが横並びに配列された状態で、回折格子30が平面視されたときに、回折格子30の一領域の位相に対し、一領域の右側に隣接する他領域の位相が略右下がり階段状にずらされた場合に、他領域の位相は、マイナス(−)側にずらされたものと定められる。
回折格子30が平面視されたときに、第一領域31の周期構造に対し、第一領域31の右側に隣接する第二領域32の周期構造は、プラス側にずらされた位相を有する周期構造とされている。また、回折格子30が平面視されたときに、第二領域32の周期構造に対し、第二領域32の右側に隣接する第三領域33の周期構造は、マイナス側にずらされた位相を有する周期構造とされている。また、回折格子30が平面視されたときに、第三領域33の周期構造に対し、第三領域33の右側に隣接する第四領域34の周期構造は、プラス側にずらされた位相を有する周期構造とされている。
回折格子30は、第一領域31,第二領域32,第四領域34の周期構造の位相に対し、第三領域33の周期構造の位相のみ位相方向が逆にずらされて構成されている。回折格子30は、いわゆる逆位相の周期構造を備える回折格子30とされている。
OPUの設計/仕様などにより、例えば図8に示す回折格子30において、符号や引出線や寸法線などについては略そのままとされつつ、輪郭線のみが境界線部(36)を中心に左右反転された回折格子(30)が用いられてもよい。そのようなものについて具体的に説明すると、例えば、回折格子(30)が平面視されたときに、第一領域(31)の周期構造に対し、第一領域(31)の右側に隣接する第二領域(32)の周期構造が、マイナス側にずらされた位相を有する周期構造とされてもよい。また、例えば、回折格子(30)が平面視されたときに、第二領域(32)の周期構造に対し、第二領域(32)の右側に隣接する第三領域(33)の周期構造が、プラス側にずらされた位相を有する周期構造とされてもよい。また、例えば、回折格子(30)が平面視されたときに、第三領域(33)の周期構造に対し、第三領域(33)の右側に隣接する第四領域(34)の周期構造が、マイナス側にずらされた位相を有する周期構造とされてもよい。
回折格子(30)は、第一領域(31),第二領域(32),第四領域(34)の周期構造の位相に対し、第三領域(33)の周期構造の位相のみ位相方向が逆にずらされて構成される。回折格子(30)は、いわゆる逆位相の周期構造を備える回折格子(30)とされる。
逆位相の周期構造を備える回折格子がOPUに装備されていれば、TE振幅レベル(%)が増加され、TE視野特性が向上され易くなる(図13)。TE振幅レベル(%)が減少され、TE視野特性が低下するということは回避される。TE視野特性が向上されるので、このOPUは、ノート型もしくはラップトップ型PC用の光ディスク装置に装備されることが好ましい。ノート型もしくはラップトップ型PC用の光ディスク装置に用いられるOPUは、小さいサイズのOBLが使用されることから、主に視野特性が重要とされる。
図8の如く、第一領域31の周期構造に対し、第二領域32の周期構造は、略+105度異なる位相を有する周期構造とされている。また、第二領域32の周期構造に対し、第
三領域33の周期構造は、略−30度異なる位相を有する周期構造とされている。第一領域31の周期構造に対し、第三領域33の周期構造は、略+75度異なる位相を有する周期構造とされている。また、第三領域33の周期構造に対し、第四領域34の周期構造は、略+105度異なる位相を有する周期構造とされている。第一領域31の周期構造に対し、第四領域34の周期構造は、略+180度異なる位相を有する周期構造とされている。
このように構成された回折格子30がOPU100に装備されていれば、TE振幅レベル(%)が増加され、TE視野特性が向上する(図13)。TE振幅レベル(%)が減少され、TE視野特性が低下するということは回避される。このOPU100のTE視野特性は、従来の3つの位相領域91,92,93(図22)に分けられた回折格子90を備えるOPU(図示せず)のTE視野特性よりも向上する(図13)。TE視野特性が向上されるので、このOPUは、ノート型もしくはラップトップ型PC用の光ディスク装置に装備されることが好ましい。
回折格子30(図8)の第二領域32と、第三領域33とが合わせられた領域32,33が、回折格子30の縦長の中央部30mとされる。OBL4(図1)の瞳面部4eを通過する光の直径4dに対し、回折格子30の中央部30m(図1,図8)の幅30wは、16〜28%、好ましくは18〜26%とされる。すなわち、回折格子30の中央部比率Wrは、16〜28%、好ましくは18〜26%とされる(図13,図14,図15)。
このように構成された回折格子30がOPU100に装備されていれば、トラックピッチTpが異なる複数種類の光ディスクDのデータ記録/再生時に、OBL4の変位に伴ってトラッキングエラー信号が劣化するということは回避され易くなる。
OBL4の瞳面部4eを通過する光の直径4dに対し、回折格子30の中央部30mの幅30wが16%未満に設定された場合、TE振幅レベル(%)が減少され、TE視野特性が低下され易くなる(図13)。すなわち、回折格子30の中央部比率Wrが16%未満に設定された場合、OBLセンター比(%)が減少され、TE視野特性が低下され易くなる。また、OBL4の瞳面部4eを通過する光の直径4dに対し、回折格子30の中央部30mの幅30wが18%以上とされることにより、TE振幅レベル(%)の減少が抑えられ、TE視野特性の低下が抑えられる。すなわち、回折格子30の中央部比率Wrが18%以上とされることにより、OBLセンター比(%)の減少が抑えられ、TE視野特性の低下が抑えられる。
また、OBL4の瞳面部4eを通過する光の直径4dに対し、回折格子30の中央部30mの幅30wが28%を超えて設定された場合、Sub−PP振幅レベル(%)が減少され、Sub−PP振幅レベル特性が低下され易くなる(図14)。OBL4の瞳面部4eを通過する光の直径4dに対し、回折格子30の中央部30mの幅30wが26%以内とされることにより、Sub−PP振幅レベル(%)の減少が抑えられ、Sub−PP振幅レベル特性の低下が抑えられる。
また、OBL4の瞳面部4eを通過する光の直径4dに対し、回折格子30の中央部30mの幅30wが28%を超えて設定された場合、TE位相差量が増加され、TE位相差特性が低下され易くなる(図15)。OBL4の瞳面部4eを通過する光の直径4dに対し、回折格子30の中央部30mの幅30wが26%以内とされることにより、TE位相差量の増加が抑えられ、TE位相差特性の低下が抑えられる。
OBL4の瞳面部4eを通過する光の直径4dに対し、回折格子30の中央部30mの幅30wが16〜28%好ましくは18〜26%に設定されることにより、TE振幅レベ
ル(図13)と、Sub−PP振幅レベル(図14)と、TE位相差量(図15)とが適度な値に設定され易くなる。
例えば、OBL4の瞳面部4eを通過する光の直径4dに対し、回折格子30の中央部30mの幅30wが略20%に設定されることにより、TE振幅レベル(図13)と、Sub−PP振幅レベル(図14)と、TE位相差量(図15)とが最適な値に設定され易くなる。TE振幅レベルと、Sub−PP振幅レベルと、TE位相差量とが、バランスよく適度な値に設定されるので、OPU100のトラッキング制御が行われ易くなる。
回折格子30(図8)の第二領域32の幅32wと、回折格子30の第三領域33の幅33wとは、両方とも、10〜100μm、好ましくは30〜80μm、より好ましくは48〜72μmに設定される。すなわち、回折格子30の分割部幅32w,33wは、10〜100μm、好ましくは30〜80μm、より好ましくは48〜72μmに設定される。
これにより、光ディスクDの信号面Daに対するOPU100のトラッキングは、良好に行われ易くなる。トラックピッチTpが異なる複数種類の光ディスクDの記録/再生時に、例えばOBL4の変位に伴って、トラッキングエラー信号が劣化するということは回避され易くなる。
回折格子30の第二領域32の幅32wと、回折格子30の第三領域33の幅33wとが、両方とも10μm未満の狭い幅とされた場合や、回折格子30の第二領域32の幅32wと、回折格子30の第三領域33の幅33wとが、両方とも100μmを超える広い幅とされた場合には、TE視野特性と、Sub−PP振幅レベル特性と、TE位相差特性とのバランスが崩される。各特性のバランスが崩されると、トラッキングエラー信号が劣化されて、光ディスクDの信号面Daに対するOPU100のトラッキングが正確に行われ難くなる。
例えば、回折格子30の第二領域32の幅32wと、回折格子30の第三領域33の幅33wとが、両方とも30〜80μm程度に設定されることにより、TE視野特性と、Sub−PP振幅レベル特性と、TE位相差特性とのバランスが略保たれ易くなる。これに伴って、光ディスクDの信号面Daに対するOPU100のトラッキングは、正確に行われ易くなる。
好ましくは、回折格子30の第二領域32の幅32wと、回折格子30の第三領域33の幅33wとが、両方とも48〜72μmの範囲内に設定されることにより、TE視野特性と、Sub−PP振幅レベル特性と、TE位相差特性とのバランスが保たれる。これにより、トラッキングエラー信号の劣化は回避される。従って、光ディスクDの信号面Daに対するOPU100のトラッキングは、正確に行われる。
回折格子30の中央部比率Wrが17.8%とされたときに、回折格子30の分割部幅32w,33wは49μmとされた。また、回折格子30の中央部比率Wrが20.7%とされたときに、回折格子30の分割部幅32w,33wは57μmとされた。
従来の三分割型回折格子90(図22)を備えたOPUにおいて、TE視野特性もしくはTE位相差特性を変更させるには、三分割型回折格子90の中央部90mの幅90wを変更させることでしかできなかった。
これに対し、四分割型回折格子30(図8)を備えたOPU100(図1)において、TE視野特性や、TE位相差特性などを変更させる場合には、四分割型回折格子30(図
8)の中央部30mの幅30wを変更させることに加え、四分割型回折格子30の中央部30mの各領域32,33を構成する格子状ピッチの位相差を変更させることにより、各種特性を調整変更させることが可能となる。
四分割型回折格子30の中央部30mの幅30wと、四分割型回折格子30の中央部30mの各領域32,33を構成する格子状ピッチの位相差とが、調整されて設定されることにより、所望の性能が発揮されると共に各種特性のバランスがとられたOPU100を設計することが可能となる。従って、OPU100が設計されるときの設計の自由度が向上する。
このOPU100(図1)は、例えば、平面視略矩形の回折格子30(図8)と、3本の光束を集光して光ディスクD(図1)の信号面Daに各々独立した少なくとも3個の集光スポットSa,Sb,Sm(図2,図3)を照射させるOBL4(図1)と、光ディスクDにおける3個の各集光スポットSa,Sb,Sm(図2,図3)の反射光を受光するPD6(図1,図3)とを、少なくとも備えて構成されている。
このようにOPU100が構成されていれば、光ディスクDの信号面Daに対するOPU100のトラッキングは、精度よく行われる。トラックピッチTpが異なる複数種類の光ディスクDのデータ記録/再生時に、OBL4の変位に伴って、トラッキングエラー信号の振幅が劣化することや、トラッキングエラー信号にオフセットが残留するということは回避され易くなる。
位相シフト型四分割回折格子30を備えるOPU100が構成されることにより、DVD−RAMに対するOPU100のデータ再生動作またはデータ記録動作は、確実に行われる。また、DVD±R、DVD±RWに対するOPU100のデータ再生動作またはデータ記録動作も、確実に行われる(図示せず)。
上記OPU100(図1)は、光ディスク装置200に装備される。光ディスク装置200は、単一のOPU100を備えて構成される。
これにより、精度の高いトラッキング制御が行われ易い単一のOPU100を備えた光ディスク装置200の提供が可能となる。また、光ディスク装置200に、トラックピッチTpが異なる複数種類の光ディスクDに対応可能な一つのOPU100が内装されていれば、光ディスク装置200の価格が低く抑えられる。
図9は、光ピックアップ装置に装備される回折格子の第四実施形態を示す概略平面図、図10は、図9の回折格子における光ディスクラジアル方向と位相差との関係を示す図である。
図1に示す回折格子10に代えて、図9に示す回折格子40がOPU100(図1)に装備された。図1に示す回折格子10が図9に示す回折格子40に置き換えられたこと以外に、OPU100および光ディスク装置200に変更はない。図1に示す回折格子10が図9に示す回折格子40に置き換えられた点で、実施例1と、実施例4とが異なるが、回折格子10,40以外の他の部分においては、実施例1と、実施例4とは、共通なものとされている。便宜上、図1〜図4ならびに図13〜図15を併用して、実施例4を説明する。また、実施例4において、実施例1にて説明したものと同一のものについては、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略した。
図9の如く、回折格子40に、LD1(図1)から出射されるレーザ光の一部にπラジ
アンの位相シフトを発生させる位相シフト領域41,44(図9)が設けられている。回折格子40は、略長方形状の第一領域41と、第一領域41に隣接する略線状の第二領域42と、第二領域42に隣接する略線状の第三領域43と、第三領域43に隣接する略長方形状の第四領域44との少なくとも4つの領域41,42,43,44に分けられている。各領域41,42,43,44内で所定の周期構造が構成されている。
図9に示す回折格子40において、第二領域42の位相状態と、第三領域43の位相状態とが分かり易くされるために、便宜上、第二領域42および第三領域43は、ある程度の幅をもたせて描かれている。実際には、回折格子40の第二領域42および回折格子40の第三領域43は、例えば幅40wが20〜200μm程度の細い線形状とされる。また、回折格子40を構成する各領域41,42,43,44の周期構造は、微細な凹凸状の繰返し周期構造とされている。また、回折格子40は、例えば略3〜10mm角の縦横寸法をした厚み略0.3〜3mmのガラス板とされている。
図9に示す回折格子40がOPU100に装備されていれば、光ディスクDの信号面Daに対するOPU100のトラッキングは、良好に行われ易くなる。回折格子40が4つの領域41,42,43,44に分けられて構成されることにより、光ディスクDの信号面Daに、各々独立した少なくとも3個の集光スポットSa,Sb,Sm(図2,図3)が照射される。光ディスクDの信号面Daに、少なくとも3個の集光スポットSa,Sb,Smが各々独立して照射されるので、トラックピッチTpが異なる複数種類の光ディスクDにデータ記録が行われるときや、トラックピッチTpが異なる複数種類の光ディスクDのデータ再生が行われるときに、例えばOBL4(図1)の変位に伴って、トラッキングエラー信号が劣化するということは回避され易くなる。従って、トラッキング制御が行われ易い単一のOPU100の提供が可能となる。
図9の如く、回折格子40は、第一領域41および第一領域41に隣接する第二領域42を備える略長方形状の一方の領域部48と、第三領域43および第三領域43に隣接する第四領域44を備える略長方形状の他方の領域部49とを有するものとされる。回折格子40の第一領域41の幅41wと、第四領域44の幅44wとは、略等しい幅とされている。また、回折格子40の第二領域42の幅42wと、第三領域43の幅43wとは、略等しい幅とされている。回折格子40の第二領域42と、この第二領域42に隣接する回折格子40の第三領域43との境界線部46により、回折格子40は、回折格子40を構成する一方の領域部48と、回折格子40を構成する他方の領域部49とに二等分される。
これにより、光ディスクDの信号面Daに形成される集光スポットSa,Sb,Smは、精度のよい集光スポットSa,Sb,Smとして形成される。回折格子40の第二領域42と、第二領域42に隣接する第三領域43との境界線部46によって、第一領域41および第一領域41に隣接する第二領域42を備える一方の領域部48と、第三領域43および第三領域43に隣接する第四領域44を備える他方の領域部49とに回折格子40が二等分されるので、OPU100のハウジング(図示せず)に回折格子40が装備されるときに、LD1から出射され回折格子40に当てられたレーザ光は、例えば不図示の光軸調整用カメラなどにより、容易に光軸調整される。LD1から出射され回折格子40に当てられたのちにOBL4を透過したレーザ光は、例えば光軸調整用カメラなどが用いられて観察可能とされる。
従来の三分割型回折格子90(図22)にあっては、回折格子90を平面視したときに、回折格子90を等分割させる位置決め用境界線が設けられていなかった。回折格子90に位置決め用中心線として用いられる境界線が設けられていないことにより、レーザ光の中心を回折格子90の中心に合わせつつレーザ光を回折格子90に照射させ、光軸調整用
カメラによって、回折格子90を精度よく光ピックアップ装置のハウジングに装備させることは難しかった。
しかしながら、図9に示す四分割型回折格子40においては、回折格子40の略中央を二等分させて、略長方形状の一方の領域部48と、略長方形状の他方の領域部49とを構成させる境界線部46が回折格子40に設けられているので、光軸調整用カメラなどが用いられて、レーザ光の光軸調整が行われるときに、レーザ光は、回折格子40を構成する略長方形状の一方の領域部48と、回折格子40を構成する略長方形状の他方の領域部49とに、略二等分された状態に当てられ易くなる。
回折格子40を構成する略長方形状の一方の領域部48と、回折格子40を構成する略長方形状の他方の領域部49とに、レーザ光が略二等分とされた状態に当てられ易くなることにより、回折格子40は、OPU100のハウジングに精度よく位置決め調整されつつ備えられ易くなる。従って、光ディスクDの信号面Daに精度よく集光スポットSa,Sb,Smが形成され易くなる。これに伴って、光ディスクDの信号面Daに対するOPU100のトラッキングは、精度よく行われ易くなる。
回折格子40の第二領域42の周期構造に対し、回折格子40の第三領域43の周期構造は、3〜180度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされる。
これにより、光ディスクDの信号面Daに形成される集光スポットSa,Sb,Smは、より精度の高い集光スポットSa,Sb,Smとして形成され易くなる。回折格子40を構成する第二領域42の周期構造に対し、回折格子40を構成する第三領域43の周期構造は、3〜180度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされているので、回折格子40の第二領域42と、第二領域42に隣接する回折格子40の第三領域43との境界線部46が略明確化される。
第二領域42の周期構造に対し、第三領域43の周期構造が3度未満の異なる位相を有する周期構造とされた場合、第二領域42と、第三領域43との境界線部46が明確化されない。第二領域42の周期構造に対し、第三領域43の周期構造が180度の異なる位相を有する周期構造とされたときに、第二領域42と、第三領域43との境界線部46は、最も明確化される。第二領域42の周期構造に対し、第三領域43の周期構造が、例えば3〜90度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされた場合に、第二領域42と、第三領域43との境界線部46が明確化されつつ、適度な特性を備えた回折格子40が形成される。
回折格子40の第二領域42と、回折格子40の第三領域43との境界線部46が略明確化されるので、第一領域41および第一領域41に隣接する第二領域42を備える回折格子40の一方の領域部48と、第三領域43および第三領域43に隣接する第四領域44を備える回折格子40の他方の領域部49との境界線部46が明確化される。従って、回折格子40の一方の領域部48と、回折格子40の他方の領域部49とに、レーザ光が略二等分された状態に当てられる。回折格子40の一方の領域部48と、回折格子40の他方の領域部49とに、レーザ光が略二等分された状態に当てられたときに、OPU100のハウジングに回折格子40が精度よく装備される。
回折格子40を構成する略短冊状の第一領域41および略短冊状の第四領域44の間に、回折格子40を構成する略線状の第二領域42および略線状の第三領域43が配置されている。第一領域41の周期構造に対し、第二領域42の周期構造は、異なる位相を有する周期構造とされている。また、第二領域42の周期構造に対し、第三領域43の周期構造は、異なる位相を有する周期構造とされている。また、第三領域43の周期構造に対し
、第四領域44の周期構造は、異なる位相を有する周期構造とされている。第一領域41の周期構造に対し、第四領域44の周期構造は、略180度ほど異なる位相を有する周期構造とされている。
これにより、回折格子40における第一領域41と、第二領域42と、第三領域43と、第四領域44とが区別化されると共に、回折格子40おける第一領域41と、第四領域44との位相差が明確化される。回折格子40の第一領域41の周期構造に対し、回折格子40の第四領域44の周期構造が、略180度ほど異なる位相を有する周期構造とされているので、光ディスクDの信号面Daに少なくとも3個の各集光スポットSa,Sb,Smが良好に形成される。光ディスクDの信号面Daに良好に形成された少なくとも3個の各集光スポットSa,Sb,Smにより、トラックピッチTpが異なる複数種類の光ディスクDのデータ記録/再生時に、例えばOBL4の変位に伴ってトラッキングエラー信号が劣化するということは回避され易くなる。
第一領域41と第二領域42とを区切る境界線部45により、第一領域41と第二領域42とが分けられている。また、第二領域42と第三領域43とを区切る境界線部46により、第二領域42と第三領域43とが分けられている。また、第三領域43と第四領域44とを区切る境界線部47により、第三領域43と第四領域44とが分けられている。
第一領域41の周期構造に対し、第二領域42の周期構造は、30〜180度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされる。また、第二領域42の周期構造に対し、第三領域43の周期構造は、3〜180度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされる。また、第三領域43の周期構造に対し、第四領域44の周期構造は、30〜180度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされる。
これにより、回折格子40における第一領域41と、第二領域42と、第三領域43と、第四領域44とが、略明確に区別化される。回折格子40を構成する第一領域41の周期構造に対し、回折格子40を構成する第二領域42の周期構造は、30〜180度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされているので、回折格子40の第一領域41と、回折格子40の第二領域42とが明確に区別化される。また、回折格子40を構成する第二領域42の周期構造に対し、回折格子40を構成する第三領域43の周期構造は、3〜180度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされているので、回折格子40の第二領域42と、回折格子40の第三領域43とが略区別化される。また、回折格子40を構成する第三領域43の周期構造に対し、回折格子40を構成する第四領域44の周期構造は、30〜180度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされているので、回折格子40の第三領域43と、回折格子40の第四領域44とが明確に区別化される。
回折格子40が4つの領域に分けられて区別化されることにより、光ディスクDの信号面Daに、各々独立した少なくとも3個の集光スポットSa,Sb,Smが照射される。光ディスクDの信号面Daに、少なくとも3個の集光スポットSa,Sb,Smが各々独立して照射されるので、光ディスクDの信号面Daに対するOPU100のトラッキングは、行われ易くなる。また、各領域の周期構造の位相が、定められた数値の範囲内に適宜設定されることにより、回折格子40の設計自由度が向上すると共に、OPU100の設計自由度も向上する。従って、使用される部位に対応して最適な特性が発揮され易いOPU100が構成される。
回折格子40は、略矩形板状に形成されている。回折格子40が平面視されたときに、回折格子40は、略矩形板状のものとして目視される。
縦長の略長方形状第一領域41と、縦長の略線状第二領域42と、縦長の略線状第三領
域43と、縦長の略長方形状第四領域44とが横並びに配列された状態で、回折格子40が平面視されたときに、回折格子40の一領域の位相に対し、一領域の右側に隣接する他領域の位相が略右上がり階段状にずらされた場合に、他領域の位相は、プラス(+)側にずらされたものと定められる。
また、縦長の略長方形状第一領域41と、縦長の略線状第二領域42と、縦長の略線状第三領域43と、縦長の略長方形状第四領域44とが横並びに配列された状態で、回折格子40が平面視されたときに、回折格子40の一領域の位相に対し、一領域の右側に隣接する他領域の位相が略右下がり階段状にずらされた場合に、他領域の位相は、マイナス(−)側にずらされたものと定められる。
回折格子40が平面視されたときに、第一領域41の周期構造に対し、第一領域41の右側に隣接する第二領域42の周期構造は、プラス側にずらされた位相を有する周期構造とされている。また、回折格子40が平面視されたときに、第二領域42の周期構造に対し、第二領域42の右側に隣接する第三領域43の周期構造は、マイナス側にずらされた位相を有する周期構造とされている。また、回折格子40が平面視されたときに、第三領域43の周期構造に対し、第三領域43の右側に隣接する第四領域44の周期構造は、プラス側にずらされた位相を有する周期構造とされている。
回折格子40は、第一領域41,第二領域42,第四領域44の周期構造の位相に対し、第三領域43の周期構造の位相のみ位相方向が逆にずらされて構成されている(図10)。回折格子40(図9)は、いわゆる逆位相の周期構造を備える回折格子40とされている。
OPUの設計/仕様などにより、例えば図9に示す回折格子40において、符号や引出線や寸法線などについては略そのままとされつつ、輪郭線のみが境界線部(46)を中心に左右反転された回折格子(40)が用いられてもよい。そのようなものについて具体的に説明すると、例えば、回折格子(40)が平面視されたときに、第一領域(41)の周期構造に対し、第一領域(41)の右側に隣接する第二領域(42)の周期構造が、マイナス側にずらされた位相を有する周期構造とされてもよい。また、例えば、回折格子(40)が平面視されたときに、第二領域(42)の周期構造に対し、第二領域(42)の右側に隣接する第三領域(43)の周期構造が、プラス側にずらされた位相を有する周期構造とされてもよい。また、例えば、回折格子(40)が平面視されたときに、第三領域(43)の周期構造に対し、第三領域(43)の右側に隣接する第四領域(44)の周期構造が、マイナス側にずらされた位相を有する周期構造とされてもよい。
回折格子(40)は、第一領域(41),第二領域(42),第四領域(44)の周期構造の位相に対し、第三領域(43)の周期構造の位相のみ位相方向が逆にずらされて構成される。回折格子(40)は、いわゆる逆位相の周期構造を備える回折格子(40)とされる。
逆位相の周期構造を備える回折格子がOPUに装備されていれば、TE振幅レベル(%)が増加され、TE視野特性が向上され易くなる(図13)。TE振幅レベル(%)が減少され、TE視野特性が低下するということは回避される。TE視野特性が向上されるので、このOPUは、ノート型もしくはラップトップ型PC用の光ディスク装置に装備されることが好ましい。ノート型もしくはラップトップ型PC用の光ディスク装置に用いられるOPUは、小さいサイズのOBLが使用されることから、主に視野特性が重要とされる。
図9の如く、第一領域41の周期構造に対し、第二領域42の周期構造は、略+120
度異なる位相を有する周期構造とされている。また、第二領域42の周期構造に対し、第三領域43の周期構造は、略−60度異なる位相を有する周期構造とされている。第一領域41の周期構造に対し、第三領域43の周期構造は、略+60度異なる位相を有する周期構造とされている。また、第三領域43の周期構造に対し、第四領域44の周期構造は、略+120度異なる位相を有する周期構造とされている。第一領域41の周期構造に対し、第四領域44の周期構造は、略+180度異なる位相を有する周期構造とされている。
このように構成された回折格子40がOPU100に装備されていれば、TE振幅レベル(%)が増加され、TE視野特性が大幅に向上する(図13)。TE振幅レベル(%)が減少され、TE視野特性が低下するということは回避される。このOPU100のTE視野特性は、従来の3つの位相領域91,92,93(図22)に分けられた回折格子90を備えるOPU(図示せず)のTE視野特性よりも、大幅に向上する(図13)。TE視野特性が大幅に向上されるので、このOPUは、ノート型もしくはラップトップ型PC用の光ディスク装置に装備されることが好ましい。
回折格子40(図9)の第二領域42と、第三領域43とが合わせられた領域42,43が、回折格子40の縦長の中央部40mとされる。OBL4(図1)の瞳面部4eを通過する光の直径4dに対し、回折格子40の中央部40m(図1,図9)の幅40wは、16〜28%、好ましくは18〜26%とされる。すなわち、回折格子40の中央部比率Wrは、16〜28%、好ましくは18〜26%とされる(図13,図14,図15)。
このように構成された回折格子40がOPU100に装備されていれば、トラックピッチTpが異なる複数種類の光ディスクDのデータ記録/再生時に、OBL4の変位に伴ってトラッキングエラー信号が劣化するということは回避され易くなる。
OBL4の瞳面部4eを通過する光の直径4dに対し、回折格子40の中央部40mの幅40wが16%未満に設定された場合、TE振幅レベル(%)が減少され、TE視野特性が低下され易くなる(図13)。すなわち、回折格子40の中央部比率Wrが16%未満に設定された場合、OBLセンター比(%)が減少され、TE視野特性が低下され易くなる。また、OBL4の瞳面部4eを通過する光の直径4dに対し、回折格子40の中央部40mの幅40wが18%以上とされることにより、TE振幅レベル(%)の減少が抑えられ、TE視野特性の低下が抑えられる。すなわち、回折格子40の中央部比率Wrが18%以上とされることにより、OBLセンター比(%)の減少が抑えられ、TE視野特性の低下が抑えられる。
また、OBL4の瞳面部4eを通過する光の直径4dに対し、回折格子40の中央部40mの幅40wが28%を超えて設定された場合、Sub−PP振幅レベル(%)が減少され、Sub−PP振幅レベル特性が低下され易くなる(図14)。OBL4の瞳面部4eを通過する光の直径4dに対し、回折格子40の中央部40mの幅40wが26%以内とされることにより、Sub−PP振幅レベル(%)の減少が抑えられ、Sub−PP振幅レベル特性の低下が抑えられる。
また、OBL4の瞳面部4eを通過する光の直径4dに対し、回折格子40の中央部40mの幅40wが28%を超えて設定された場合、TE位相差量が増加され、TE位相差特性が低下され易くなる(図15)。OBL4の瞳面部4eを通過する光の直径4dに対し、回折格子40の中央部40mの幅40wが26%以内とされることにより、TE位相差量の増加が抑えられ、TE位相差特性の低下が抑えられる。
OBL4の瞳面部4eを通過する光の直径4dに対し、回折格子40の中央部40mの
幅40wが16〜28%好ましくは18〜26%に設定されることにより、TE振幅レベル(図13)と、Sub−PP振幅レベル(図14)と、TE位相差量(図15)とが適度な値に設定され易くなる。
例えば、OBL4の瞳面部4eを通過する光の直径4dに対し、回折格子40の中央部40mの幅40wが略20%に設定されることにより、TE振幅レベル(図13)と、Sub−PP振幅レベル(図14)と、TE位相差量(図15)とが最適な値に設定され易くなる。TE振幅レベルと、Sub−PP振幅レベルと、TE位相差量とが、バランスよく適度な値に設定されるので、OPU100のトラッキング制御が行われ易くなる。
回折格子40(図9)の第二領域42の幅42wと、回折格子40の第三領域43の幅43wとは、両方とも、10〜100μm、好ましくは30〜80μm、より好ましくは48〜72μmに設定される。すなわち、回折格子40の分割部幅42w,43wは、10〜100μm、好ましくは30〜80μm、より好ましくは48〜72μmに設定される。
これにより、光ディスクDの信号面Daに対するOPU100のトラッキングは、良好に行われ易くなる。トラックピッチTpが異なる複数種類の光ディスクDの記録/再生時に、例えばOBL4の変位に伴って、トラッキングエラー信号が劣化するということは回避され易くなる。
回折格子40の第二領域42の幅42wと、回折格子40の第三領域43の幅43wとが、両方とも10μm未満の狭い幅とされた場合や、回折格子40の第二領域42の幅42wと、回折格子40の第三領域43の幅43wとが、両方とも100μmを超える広い幅とされた場合には、TE視野特性と、Sub−PP振幅レベル特性と、TE位相差特性とのバランスが崩される。各特性のバランスが崩されると、トラッキングエラー信号が劣化されて、光ディスクDの信号面Daに対するOPU100のトラッキングが正確に行われ難くなる。
例えば、回折格子40の第二領域42の幅42wと、回折格子40の第三領域43の幅43wとが、両方とも30〜80μm程度に設定されることにより、TE視野特性と、Sub−PP振幅レベル特性と、TE位相差特性とのバランスが略保たれ易くなる。これに伴って、光ディスクDの信号面Daに対するOPU100のトラッキングは、正確に行われ易くなる。
好ましくは、回折格子40の第二領域42の幅42wと、回折格子40の第三領域43の幅43wとが、両方とも48〜72μmの範囲内に設定されることにより、TE視野特性と、Sub−PP振幅レベル特性と、TE位相差特性とのバランスが保たれる。これにより、トラッキングエラー信号の劣化は回避される。従って、光ディスクDの信号面Daに対するOPU100のトラッキングは、正確に行われる。
従来の三分割型回折格子90(図22)を備えたOPUにおいて、TE視野特性もしくはTE位相差特性を変更させるには、三分割型回折格子90の中央部90mの幅90wを変更させることでしかできなかった。
これに対し、四分割型回折格子40(図9)を備えたOPU100(図1)において、TE視野特性や、TE位相差特性などを変更させる場合には、四分割型回折格子40(図9)の中央部40mの幅40wを変更させることに加え、四分割型回折格子40の中央部40mの各領域42,43を構成する格子状ピッチの位相差を変更させることにより、各種特性を調整変更させることが可能となる。
四分割型回折格子40の中央部40mの幅40wと、四分割型回折格子40の中央部40mの各領域42,43を構成する格子状ピッチの位相差とが、調整されて設定されることにより、所望の性能が発揮されると共に各種特性のバランスがとられたOPU100を設計することが可能となる。従って、OPU100が設計されるときの設計の自由度が向上する。
このOPU100(図1)は、例えば、平面視略矩形の回折格子40(図9)と、3本の光束を集光して光ディスクD(図1)の信号面Daに各々独立した少なくとも3個の集光スポットSa,Sb,Sm(図2,図3)を照射させるOBL4(図1)と、光ディスクDにおける3個の各集光スポットSa,Sb,Sm(図2,図3)の反射光を受光するPD6(図1,図3)とを、少なくとも備えて構成されている。
このようにOPU100が構成されていれば、光ディスクDの信号面Daに対するOPU100のトラッキングは、精度よく行われる。トラックピッチTpが異なる複数種類の光ディスクDのデータ記録/再生時に、OBL4の変位に伴って、トラッキングエラー信号の振幅が劣化することや、トラッキングエラー信号にオフセットが残留するということは回避され易くなる。
位相シフト型四分割回折格子40を備えるOPU100が構成されることにより、DVD−RAMに対するOPU100のデータ再生動作またはデータ記録動作は、確実に行われる。また、DVD±R、DVD±RWに対するOPU100のデータ再生動作またはデータ記録動作も、確実に行われる(図示せず)。
上記OPU100(図1)は、光ディスク装置200に装備される。光ディスク装置200は、単一のOPU100を備えて構成される。
これにより、精度の高いトラッキング制御が行われ易い単一のOPU100を備えた光ディスク装置200の提供が可能となる。また、光ディスク装置200に、トラックピッチTpが異なる複数種類の光ディスクDに対応可能な一つのOPU100が内装されていれば、光ディスク装置200の価格が低く抑えられる。
図11は、光ピックアップ装置に装備される回折格子の第五形態(参考例)を示す概略平面図、図12は、図11の回折格子における光ディスクラジアル方向と位相差との関係を示す図である。
図1に示す回折格子10に代えて、図11に示す回折格子50がOPU100(図1)に装備された。図1に示す回折格子10が図11に示す回折格子50に置き換えられたこと以外に、OPU100および光ディスク装置200に変更はない。図1に示す回折格子10が図11に示す回折格子50に置き換えられた点で、実施例1と、実施例5とが異なるが、回折格子10,50以外の他の部分においては、実施例1と、実施例5とは、共通なものとされている。便宜上、図1〜図4を併用して、実施例5を説明する。また、実施例5において、実施例1にて説明したものと同一のものについては、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略した。
図11の如く、回折格子50に、LD1(図1)から出射されるレーザ光の一部にπラジアンの位相シフトを発生させる位相シフト領域51,54(図11)が設けられている。回折格子50は、略長方形状の第一領域51と、第一領域51に隣接する略線状の第二領域52と、第二領域52に隣接する略線状の第三領域53と、第三領域53に隣接する
略長方形状の第四領域54との少なくとも4つの領域51,52,53,54に分けられている。各領域51,52,53,54内で所定の周期構造が構成されている。
図11に示す回折格子50において、第二領域52の位相状態と、第三領域53の位相状態とが分かり易くされるために、便宜上、第二領域52および第三領域53は、ある程度の幅をもたせて描かれている。実際には、回折格子50の第二領域52および回折格子50の第三領域53は、例えば幅50wが20〜200μm程度の細い線形状とされる。また、回折格子50を構成する各領域51,52,53,54の周期構造は、微細な凹凸状の繰返し周期構造とされている。また、回折格子50は、例えば略3〜10mm角の縦横寸法をした厚み略0.3〜3mmのガラス板とされている。
回折格子50は、第一領域51および第一領域51に隣接する第二領域52を備える略長方形状の一方の領域部58と、第三領域53および第三領域53に隣接する第四領域54を備える略長方形状の他方の領域部59とを有するものとされる。回折格子50の第一領域51の幅51wと、第四領域54の幅54wとは、略等しい幅とされている。また、回折格子50の第二領域52の幅52wと、第三領域53の幅53wとは、略等しい幅とされている。回折格子50の第二領域52と、この第二領域52に隣接する回折格子50の第三領域53との境界線部56により、回折格子50は、回折格子50を構成する一方の領域部58と、回折格子50を構成する他方の領域部59とに二等分される。
回折格子50の第二領域52の周期構造に対し、回折格子50の第三領域53の周期構造は、3〜180度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされる。
回折格子50を構成する略短冊状の第一領域51および略短冊状の第四領域54の間に、回折格子50を構成する略線状の第二領域52および略線状の第三領域53が配置されている。第一領域51の周期構造に対し、第二領域52の周期構造は、異なる位相を有する周期構造とされている。また、第二領域52の周期構造に対し、第三領域53の周期構造は、異なる位相を有する周期構造とされている。また、第三領域53の周期構造に対し、第四領域54の周期構造は、異なる位相を有する周期構造とされている。第一領域51の周期構造に対し、第四領域54の周期構造は、略180度ほど異なる位相を有する周期構造とされている。
第一領域51と第二領域52とを区切る境界線部55により、第一領域51と第二領域52とが分けられている。また、第二領域52と第三領域53とを区切る境界線部56により、第二領域52と第三領域53とが分けられている。また、第三領域53と第四領域54とを区切る境界線部57により、第三領域53と第四領域54とが分けられている。
第一領域51の周期構造に対し、第二領域52の周期構造は、30〜180度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされる。また、第二領域52の周期構造に対し、第三領域53の周期構造は、3〜180度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされる。また、第三領域53の周期構造に対し、第四領域54の周期構造は、30〜180度の範囲内の異なる位相を有する周期構造とされる。
回折格子50は、略矩形板状に形成されている。回折格子50が平面視されたときに、回折格子50は、略矩形板状のものとして目視される。
縦長の略長方形状第一領域51と、縦長の略線状第二領域52と、縦長の略線状第三領域53と、縦長の略長方形状第四領域54とが横並びに配列された状態で、回折格子50が平面視されたときに、回折格子50の一領域の位相に対し、一領域の右側に隣接する他領域の位相が略右上がり階段状にずらされた場合に、他領域の位相は、プラス(+)側に
ずらされたものと定められる。
また、縦長の略長方形状第一領域51と、縦長の略線状第二領域52と、縦長の略線状第三領域53と、縦長の略長方形状第四領域54とが横並びに配列された状態で、回折格子50が平面視されたときに、回折格子50の一領域の位相に対し、一領域の右側に隣接する他領域の位相が略右下がり階段状にずらされた場合に、他領域の位相は、マイナス(−)側にずらされたものと定められる。
回折格子50が平面視されたときに、第一領域51の周期構造に対し、第一領域51の右側に隣接する第二領域52の周期構造は、プラス側にずらされた位相を有する周期構造とされている。また、回折格子50が平面視されたときに、第二領域52の周期構造に対し、第二領域52の右側に隣接する第三領域53の周期構造は、マイナス側にずらされた位相を有する周期構造とされている。また、回折格子50が平面視されたときに、第三領域53の周期構造に対し、第三領域53の右側に隣接する第四領域54の周期構造は、プラス側にずらされた位相を有する周期構造とされている。
回折格子50は、第一領域51,第二領域52,第四領域54の周期構造の位相に対し、第三領域53の周期構造の位相のみ位相方向が逆にずらされて構成されている(図12)。回折格子50(図11)は、いわゆる逆位相の周期構造を備える回折格子50とされている。
OPUの設計/仕様などにより、例えば図11に示す回折格子50において、符号や引出線や寸法線などについては略そのままとされつつ、輪郭線のみが境界線部(56)を中心に左右反転された回折格子(50)が用いられてもよい。そのようなものについて具体的に説明すると、例えば、回折格子(50)が平面視されたときに、第一領域(51)の周期構造に対し、第一領域(51)の右側に隣接する第二領域(52)の周期構造が、マイナス側にずらされた位相を有する周期構造とされてもよい。また、例えば、回折格子(50)が平面視されたときに、第二領域(52)の周期構造に対し、第二領域(52)の右側に隣接する第三領域(53)の周期構造が、プラス側にずらされた位相を有する周期構造とされてもよい。また、例えば、回折格子(50)が平面視されたときに、第三領域(53)の周期構造に対し、第三領域(53)の右側に隣接する第四領域(54)の周期構造が、マイナス側にずらされた位相を有する周期構造とされてもよい。
回折格子(50)は、第一領域(51),第二領域(52),第四領域(54)の周期構造の位相に対し、第三領域(53)の周期構造の位相のみ位相方向が逆にずらされて構成される。回折格子(50)は、いわゆる逆位相の周期構造を備える回折格子(50)とされる。
第一領域51の周期構造に対し、第二領域52の周期構造は、略+180度異なる位相を有する周期構造とされている。また、第二領域52の周期構造に対し、第三領域53の周期構造は、略−180度異なる位相を有する周期構造とされている。第一領域51の周期構造に対し、第三領域53の周期構造は、同じ位相を有する周期構造とされている。また、第三領域53の周期構造に対し、第四領域54の周期構造は、略+180度異なる位相を有する周期構造とされている。第一領域51の周期構造に対し、第四領域54の周期構造は、略+180度異なる位相を有する周期構造とされている。
このように構成された回折格子50がOPU100に装備されていれば、例えば、TE位相差量が大幅に増加され、TE位相差特性が大幅に低下するということは回避され易くなる。
回折格子50の第二領域52と、第三領域53とが合わせられた領域52,53が、回折格子50の縦長の中央部50mとされる。OBL4(図1)の瞳面部4eを通過する光の直径4dに対し、回折格子50の中央部50m(図1,図11)の幅50wは、16〜28%、好ましくは18〜26%とされる。すなわち、回折格子50の中央部比率Wrは、16〜28%、好ましくは18〜26%とされる。
回折格子50(図11)の第二領域52の幅52wと、回折格子50の第三領域53の幅53wとは、両方とも、10〜100μm、好ましくは30〜80μm、より好ましくは48〜72μmに設定される。すなわち、回折格子50の分割部幅52w,53wは、10〜100μm、好ましくは30〜80μm、より好ましくは48〜72μmに設定される。
このOPU100(図1)は、例えば、平面視略矩形の回折格子50(図11)と、3本の光束を集光して光ディスクD(図1)の信号面Daに各々独立した少なくとも3個の集光スポットSa,Sb,Smを照射させるOBL4と、光ディスクDにおける3個の各集光スポットSa,Sb,Smの反射光を受光するPD6(図1,図3)とを、少なくとも備えて構成される。
上記OPU100(図1)は、光ディスク装置200に装備される。光ディスク装置200は、単一のOPU100を備えて構成される。
本発明の光ピックアップ装置および光ディスク装置は、図示されたものに限定されるものではない。本発明の光ピックアップ装置および光ディスク装置は、その要旨を逸脱しない範囲において、種々変更可能とされる。
本発明に係る光ピックアップ装置および光ディスク装置の第一実施形態を示す説明図である。
光ディスクなどのメディア上における各集光スポット示す説明図である。
光ピックアップ装置に装備された光検出器および演算部を示す説明図である。
対物レンズシフト量とトラッキングエラー振幅レベルとの関係を示す説明図である。
光ピックアップ装置に装備される回折格子の第一実施形態を示す概略平面図である。
光ピックアップ装置に装備される回折格子の第二形態(参考例)を示す概略平面図である。
図6の回折格子における光ディスクラジアル方向と位相差との関係を示す図である。
光ピックアップ装置に装備される回折格子の第三実施形態を示す概略平面図である。
光ピックアップ装置に装備される回折格子の第四実施形態を示す概略平面図である。
図9の回折格子における光ディスクラジアル方向と位相差との関係を示す図である。
光ピックアップ装置に装備される回折格子の第五形態(参考例)を示す概略平面図である。
図11の回折格子における光ディスクラジアル方向と位相差との関係を示す図である。
光ピックアップ装置の視野特性を示す説明図である。
光ピックアップ装置のサブ・プッシュプル信号振幅レベル特性を示す説明図である。
光ピックアップ装置のトラッキングエラー位相差特性を示す説明図である。
従来の光ピックアップ装置および光ディスク装置において所定のトラックピッチのメディアが使用されたときのサブ・プッシュプル信号を示す波形図である。
トラッキングエラー位相差量と光ディスクの偏芯量とが共に小さいときのトラッキングエラー信号を示す波形図である。
従来の光ピックアップ装置および光ディスク装置において所定のトラックピッチ以外のメディアが使用されたときのサブ・プッシュプル信号を示す波形図である。
トラッキングエラー位相差量と光ディスクの偏芯量とが共に大きいときのトラッキングエラー信号を示す波形図である。
従来の光ピックアップ装置に装備された回折格子の第一形態を示す概略平面図である。
図20の回折格子における光ディスクラジアル方向と位相差との関係を示す図である。
従来の光ピックアップ装置に装備された回折格子の第二形態を示す概略平面図である。
図22の回折格子における光ディスクラジアル方向と位相差との関係を示す図である。
符号の説明
1 LD(発光素子)
2 BS(ビームスプリッタ)
3 CL(コリメータレンズ)
4 OBL(対物レンズ)
4d 直径
4e 瞳面部
5 センサーレンズ
6 PD(光検出器)
6A,6B,6C,6D,6E,6F 光検出面部(受光面部)
6La,6Lb,6Lm 境界部
7 演算部
7A,7B,7C,7D 作動アンプ
7E 加算器
7F 増幅アンプ
8 対物レンズ駆動部
10,20,30,40,50 回折格子
10m,20m,30m,40m,50m 中央部
10w,11w,14w,20w,21w,24w,30w,31w,34w,40w,41w,44w,50w,51w,54w 幅
12w,13w,22w,23w,32w,33w,42w,43w,52w,53w
分割部幅(幅)
11,21,31,41,51 第一領域(領域)
12,22,32,42,52 第二領域(領域)
13,23,33,43,53 第三領域(領域)
14,24,34,44,54 第四領域(領域)
15,16,17,25,26,27,35,36,37,45,46,47,55,56,57 境界線部(境界部)
18,28,38,48,58 一方の領域部
19,29,39,49,59 他方の領域部
100 OPU(光ピックアップ装置)
200 光ディスク装置
D 光ディスク(メディア)
Da 信号層(信号面)
Dn 内周部
Do 外周部
P ピット
Sa 先行サブスポット(スポット)
Sb 後行サブスポット(スポット)
Sc,Sd スポット
Sm メインスポット(スポット)
T トラック
Tp トラックピッチ
Wr 中央部比率
X トラッキング方向(方向)
Y タンジェンシャル方向(方向)
Z フォーカシング方向(方向)