JP3826082B2 - 光ピックアップ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光によって光記録媒体に情報を記録および/または光記録媒体から情報を再生する光ピックアップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)およびミニディスク(MD)などの光ディスクが、オーディオビデオおよびコンピュータなどの多くの分野において光記録媒体として利用されている。前述のような光記録媒体に記録される情報量である記憶容量の増大要求に従って、光記録媒体に形成されるトラックの間隔であるトラックピッチの狭幅化とともに、光記録媒体の中心近くの内周まで情報記憶領域として利用されるに至っている。
【0003】
このような光記録媒体を用いる情報記録再生装置においては、光記録媒体の情報記録面に光スポットを集光し、光記録媒体に形成されるトラックに光スポットを追従させて情報の記録または再生を行う。トラックに光スポットを追従させる制御をトラッキング制御と呼び、トラッキング制御は、光記録媒体によって反射される光を受光素子によって検出し、受光素子による検出信号を光記録媒体上に光を集光する集光手段である対物レンズを駆動させるアクチュエータにフィードバックすることによって行われる。このアクチュエータの駆動をフィードバック制御するために用いられる信号をトラッキング誤差信号(以後、TESと表記することがある)と呼び、トラッキング誤差信号として用いられる信号生成方法の1つにディファレンシャル・プッシュ・プル(DPP)法がある。
【0004】
DPP法は、たとえば特開平7−93764に開示されている。図16は、DPP法が用いられる従来の光ピックアップ装置1の構成を簡略化して示す系統図である。従来の光ピックアップ装置1は、たとえば次のように構成される。光ピックアップ装置1は、光源である半導体レーザ2、コリメータレンズ3、回折格子4、ビームスプリッタ5、4分の1波長板6、対物レンズ7、集光レンズ8および受光素子からなる光検出器9を含む。
【0005】
光ピックアップ装置1において、半導体レーザ2から放射される光は、コリメータレンズ3によって略平行光にされ、回折格子4によって少なくとも零次回折光、プラス(+)1次回折光およびマイナス(−)1次回折光に回折され、ビームスプリッタ5を透過し、4分の1波長板6によって円偏光に変換され、対物レンズ7によって集光されて光記録媒体10上に照射される。
【0006】
図17は、光記録媒体10上に照射されている零次回折光および±1次回折光の状態を示す図である。図17(a)には、光記録媒体10に形成されるトラック上に照射される零次回折光,+および−(±)1次回折光の配置を示し、図17(b)には、光記録媒体10の断面形状を示す。零次回折光を構成するメインビーム(以後、MBと略記する)は、情報が記録されるべきトラックまたは再生されるべき情報の記録されているトラックのランド部11(以後、ランド部11を情報トラックと呼ぶことがある)の幅方向中央に照射されるようにトラッキング制御される。このとき+1次回折光である第1サブビーム(以後、SB1と略記する)および−1次回折光である第2サブビーム(以後、SB2と略記する)は、MBが照射される情報トラック11に対して両側にそれぞれ隣接するグルーブ部12,13に2分の1トラックピッチだけずれた位置に照射される。
【0007】
光記録媒体10に照射されたMB,SB1およびSB2は、光記録媒体10によって反射されて再び対物レンズ7と4分の1波長板6とを透過し、ビームスプリッタ5によって反射され、集光レンズ8によって集光されて光検出器9に受光される。
【0008】
図18は、光検出器9による検出信号に基づいてDPP信号を求める回路の概略を示す図である。前述の光検出器9は、光ピックアップ装置1を臨んで光記録媒体10が装着された状態で、光記録媒体10に形成されるトラックの延びる方向と平行方向に分割線を有するように2分割された受光素子からなる光検出器9b,9cと、トラックの延びる方向と平行方向および直交方向に分割線を有するように4分割された受光素子からなる光検出器9aとを含む。
【0009】
光検出器9aによって検出されるMBの受光信号と減算器14とによって得られるMBのプッシュプル信号をMPP(Main Push Pull)とし、光検出器9bによって検出されるSB1の受光信号と減算器15とによって得られるSB1のプッシュプル信号をSPP1(Sub Push Pull-1)とし、光検出器9cによって検出されるSB2の受光信号と減算器16とによって得られるSB2のプッシュプル信号をSPP2(Sub Push Pull-2)とするとき、SPP1およびSPP2と加算器17とによって得られる加算信号SPP(=SPP1+SPP2)をさらに増幅器18によって増幅した信号と、前述のMPPとに基づいて減算器19で演算されるDPP信号は、次の式(1)によって与えられる。
DPP=MPP−k(SPP1+SPP2) …(1)
【0010】
ここで、増幅器18における増幅率であるkは、零次回折光と±1次回折光との光強度の違いを補正するために用いられる係数であり、各回折光の光強度比が次のように、零次回折光の光強度:+1次回折光の光強度:−1次回折光の光強度=a:b:bであるとき、k=a/(2b)で与えられる。
【0011】
前述のようにSB1およびSB2は、MBの照射されている情報トラック11から両側に2分の1トラックピッチだけずれた位置に照射されているので、SPP1およびSPP2の位相は、MPPの位相に対して180度ずれた位相になる。図19は、プッシュプル信号の1例を示す図である。図19には、前述の各回折光の光強度が等しく、a=bすなわち係数k=0.5である場合について例示する。SPP1とSPP2との光強度が等しいので、SPP1とSPP2とは重複し、さらにSPP1とSPP2との和をさらに0.5倍したSPPは、SPP1およびSPP2に一致するので、SPP1およびSPP2と重複する。MPPとSPPとは位相が180度ずれた逆位相であるので、MPPとSPPとの振幅の絶対値を加えた信号が、DPP信号として得られる。
【0012】
図20は、オフセットΔPが発生している状態でのプッシュプル信号の1例を示す図である。各回折光が光記録媒体10上の所定のトラック位置に照射されている状態であっても、対物レンズのシフトまたは光記録媒体10の傾斜などに起因してオフセットΔPの生じることがある。しかしながら、このようなオフセットΔPの生じる場合においても、前述のようにMPPとSPPとは、逆位相であるので、前述の式(1)の演算によってオフセットΔPが相殺されたDPP信号を得ることが可能である。
【0013】
しかしながら、特開平7−93764に開示される従来のDPP法では、SB1およびSB2をMBに対して正確に2分の1トラックピッチだけずらして配置することができるように、回折格子4の光記録媒体10に対する相対位置を精度よく回転調整しなければならないという問題がある。さらに、特開平7−93764に開示される従来のDPP法では前述の図17に示すように光記録媒体10に形成されるトラックの曲率による影響が考慮されていない。
【0014】
図21は、トラックの曲率を考慮した光記録媒体21上に照射されている零次回折光および±1次回折光の状態を示す図である。前述のように、記憶容量増大の要求に応じて光記録媒体21の中心付近まで情報記憶および再生に利用されるようになっているので、光記録媒体21の中心付近に形成されるトラックからの信号検出に際しては、トラックの曲率の影響が考慮されなければならない。
【0015】
図21に示すようにトラックに曲率が存在すると、サブビームの先行ビームであるSB1をトラックのグルーブ部23中央に配置すると、後行ビームであるSB2をトラックのグルーブ部24中央に配置することができない。零次回折光と±1次回折光とによる3ビーム(MB,SB1,SB2)を用いたサーボ制御方式では、MBが配置されている情報トラック22(ランド部)の両側にそれぞれ隣接するトラックのグルーブ部23,24にSB1およびSB2をそれぞれ配置するのが、一般的に行われる方法であるけれども、図21に示すようにトラックに曲率が存在すると、MBを情報トラック22の中央に配置するとき、情報トラック22に隣接するグルーブ部23の中央にSB1を配置し、同時にグルーブ部24の中央にSB2配置することができないという問題がある。
【0016】
図22は、曲率を有するトラックに照射されたMB,SB1およびSB2の検出信号に基づいて求められるDPP信号の例を示す図である。図21に示すように、MBを情報トラック22に配置すると同時にSB1とSB2とを、情報トラック22にそれぞれ隣接するグルーブ部23,24の中央に配置することができないとき、MPPに対してSPP1とSPP2の和信号であるSPPは位相差を有するので、前記式(1)によって求められるDPPとMPPとの間にも位相差が生じ、この位相差がトラックオフセットとなる。
【0017】
前述とは逆にSB2をグルーブ部24中央に配置すると、SB1をグルーブ部23中央に配置させることができなくなるので、トラックオフセットが生じる。また、回折格子の構造を工夫することによって、MBの位相に対してサブビームSB1,SB2の位相を反転させて、3つのビームを同一トラック上に配置させてオフセットを低減する方法があるけれども、先行ビームと後行ビームとの離隔距離が存在するので、トラックに曲率が存在すると前述の3つのビームすべてを同一トラックの中央に配置させることは困難であり、やはりトラックオフセットが生じる。
【0018】
このように、トラックに曲率が存在するとき、回折格子4の光記録媒体21に対する相対位置を厳密に回転調整しても、SB1およびSB2の和信号SPPとMBのプッシュプル信号MPPとの位相ずれを皆無にすることはできず、トラックオフセットが残留するという問題がある。
【0019】
このような問題を解決するもう一つの従来技術がたとえば特開2001−250250に開示されている。以下に特開2001−250250に開示される技術について説明する。
【0020】
図23は、もう一つの従来技術に用いられる光ピックアップ装置25の構成を簡略化して示す系統図である。光ピックアップ装置25は、半導体レーザ26、コリメータレンズ27、回折格子28、ビームスプリッタ29、対物レンズ30、集光レンズ31および前述の光検出器9と同様に構成される光検出器32(簡略化して図示)を含んで構成される。ここで、図23中に示す3次元座標軸であるX,YおよびZ軸について定義する。図24は、光ビームが集光される側から見た光記録媒体33の平面図である。Z軸は、半導体レーザ26から放射され光記録媒体33の情報記録面に集光される光の軸線方向の軸である。X軸は、Z軸に直交する仮想平面内において、光記録媒体33の中心34と半導体レーザ26から放射される光が光記録媒体33の情報記録面で集光される集光位置35とを結ぶ線分36の延びる方向に設けられる軸であり、光記録媒体33の半径方向に一致するので、このX軸方向をラジアル方向と呼ぶことがある。Y軸は、Z軸に直交する前記仮想平面内において、前述のX軸に直交する方向に延びる軸であり、光記録媒体33に形成されるトラックの接線方向に一致するので、このY軸方向をトラック方向と呼ぶことがある。これらの3軸方向の定義は、本明細書中で共通して用いられる。
【0021】
図25は、従来の光ピックアップ装置25に備わる回折格子28の構造(パターニング)を示す平面図である。回折格子28は、X軸方向およびY軸方向にそれぞれ平行な分割線で4つに等分割したと想定した場合に得られる4分の1の領域部分37が、前記4分の1以外の領域部分38と異なるように形成される。図25に示す回折格子28では、前記4分の1の領域部分37は平面図上で右下隅部に形成される。4分の1の領域部分37とそれ以外の領域部分38とは、格子溝方向および格子溝間隔が同一に構成されるけれども、格子溝間隔のピッチが互いに2分の1だけずれるように配置されるので、4分の1の領域部分37を通過した光は、4分の1以外の領域部分38を通過した光に対して180度の位相差が付加される。
【0022】
図26は、回折格子28を用いた場合のTESを示す図である。回折格子28を通過する光ビーム39が、MB,SB1およびSB2に回折され、さらに光記録媒体33で反射されて光検出器32に受光されるとき、±1次回折光であるSB1およびSB2を受光する受光素子において、180度の位相差を与えられた回折光と位相差の関係しない回折光とのビーム照射面積に占める面積がほぼ等しくなる、すなわち位相差を与えられた回折光と位相差の関係しない回折光との受光量がほぼ等しくなるので、互いに180度の位相ずれを有する回折光同志が相殺され、サブビームSB1およびSB2によるプッシュプル信号SPP1およびSPP2の振幅は、ほぼ零になる。
【0023】
また対物レンズ30がシフトすることに起因して発生するオフセットについては、前述の式(1)の演算によってキャンセルすることが可能である。このようにもう一つの従来の光ピックアップ装置25では、SB1およびSB2によるプッシュプル信号SPP1,SPP2の振幅をほぼ零にすることによって、回折格子28の回転調整誤差に起因して生じるトラックオフセットの低減を実現している。
【0024】
しかしながら、もう一つの従来の光ピックアップ装置25では、回折格子28の180度位相差を付加する4分の1領域部分37が、光ビーム39に対して光軸方向に垂直なX軸および/またはY軸方向に位置ずれを生じた場合、位置ずれ量の増大に伴って振幅比が増加するという現象が発生する。ここで、振幅比は、MBによるプッシュプル信号MPPの振幅に対するSB1またはSB2によるプッシュプル信号SPP1,SPP2の振幅の比(SPP1/MPPまたはSPP2/MPP)をいう。
【0025】
図27は、位置ずれ量と振幅比との関係を示す図である。図27では、MPPの振幅に対するSPP1の振幅の比(SPP1/MPP)を例示する。図27中、ライン40が、X軸(ラジアル)方向に位置ずれした場合の振幅比の変化を表し、ライン41が、Y軸(トラック)方向に位置ずれした場合の振幅比の変化を表す。前述の図25に示すパターニングの回折格子28では、Y軸方向に位置ずれする場合の方が、X軸方向に位置ずれする場合よりも、振幅比の増加感受性が高い。
【0026】
したがって、もう一つの従来の光ピックアップ装置25では、回折格子28の位相差付加領域部分37が、X軸および/またはY軸方向に位置ずれを起こして振幅比が増大した状態、すなわちSB1およびSB2によるプッシュプル信号SPP1,SPP2の振幅が大きい状態で、回折格子28の回転位置調整にずれが生じるとトラックオフセットが発生するという問題がある。すなわち、光ビーム39の一部に位相差を付加する回折格子28を用いる光ピックアップ装置25においても、回折格子28の回転位置調整に高い精度を要求されるという問題がある。
【0027】
また、一般的に、光ピックアップ装置では、光記録媒体上の目標とするべき位置にMB,SB1およびSB2を配置するために、回折格子を回転調整しなければならないので、回折格子が回転軸線を有する円筒形のホルダに装着される。回折格子をホルダに装着するに際し、回折格子の中心とホルダの回転軸線とに装着誤差が生じると、光ビームに位相差を付加する領域部分にX軸および/またはY軸方向の位置ずれが生じたのと同様の状態になるので、回折格子の回転位置調整時にSB1およびSB2によるプッシュプル信号SPP1,SPP2の振幅が増大し、トラックオフセット発生の原因となる。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、DPP法を用いたトラッキング制御において発生するトラックオフセットを簡易な構成で抑制することを可能にし、装置の組立調整を簡略化することのできる光ピックアップ装置を提供することである。
【0029】
【課題を解決するための手段】
本発明は、光によって光記録媒体に情報を記録および/または光記録媒体から情報を再生する光ピックアップ装置であって、
光を放射する光源と、
前記光源から放射される光を略平行光にするコリメートレンズと、
前記光源から放射される光を、少なくとも零次回折光,プラス(+)1次回折光およびマイナス(−)1次回折光に回折するとともに、+および−(±)1次回折光の一部に位相差を与える回折格子と、
零次回折光および±1次回折光を前記光記録媒体上に集光する集光手段と、
前記光源と前記集光手段との間に配置され、零次回折光および±1次回折光を透過および反射する光分岐手段と、
前記光記録媒体によって反射された零次回折光および±1次回折光を受光する複数の受光素子からなる光検出手段とを備え、
前記回折格子は、
±1次回折光に位相差を与える回折領域と±1次回折光に位相差を与えない回折領域とが、格子溝の延びる方向に交互に隣接して配置され、前記光源から放射されて回折格子に照射される光ビームの有効径がDであり、光ビームの有効径Dを格子溝方向に等分割する分割数がm(m≧3の整数)であるとき、位相差を与える回折領域の格子溝の延びる方向の長さである幅W1と、位相差を与えない回折領域の格子溝の延びる方向の長さである幅W2とが、次式(W1=W2=D/m)を満足するように形成されることを特徴とする光ピックアップ装置である。
【0030】
本発明に従えば、光源から放射される光を、少なくとも零次回折光および±1次回折光に回折するとともに、±1次回折光の一部に位相差を与える回折格子は、±1次回折光に位相差を与える回折領域と±1次回折光に位相差を与えない回折領域とが、格子溝の延びる方向に交互に隣接して配置され、光源から放射されて回折格子に照射される光ビームの有効径がDであり、光ビームの有効径Dを格子溝方向に等分割する分割数がm(m≧3の整数)であるとき、位相差を与える回折領域の格子溝の延びる方向の長さである幅W1と、位相差を与えない回折領域の格子溝の延びる方向の長さである幅W2とが、ともにD/mに等しくなるように形成される。
【0031】
このように形成される回折格子では、回折格子を通過する光ビームの有効径D内に、±1次回折光に位相差を与える回折領域と位相差を与えない回折領域とがほぼ等しく含まれる。このことによって、回折格子によって回折された+1次回折光である第1サブビームSB1と−1次回折光である第2サブビームSB2とから光検出手段によってそれぞれ検出されるプッシュプル信号は、位相差を与える回折領域と位相差を与えない回折領域とからの光が互いに相殺される。したがって、光記録媒体のトラック上におけるSB1およびSB2の存在位置に関係なく、SB1およびSB2によるプッシュプル信号は、ほぼ一定の変化特性を有する信号となる。このように光記録媒体のトラック上におけるSB1およびSB2の存在位置に関係なく、ほぼ一定の変化特性を有するプッシュプル信号を得ることができるので、SB1とSB2とがともにトラックの中央に配置されるように回折格子を回転調整する必要がなく、装置の組立て調整の大幅簡略化が実現される。
【0032】
また、±1次回折光に位相差を与える回折領域と±1次回折光に位相差を与えない回折領域とが、格子溝の延びる方向にそれぞれ等しい幅W1=W2(=D/m)を有して格子溝の延びる方向に交互に隣接して複数配置されるので、回折格子がX軸および/またはY軸方向に位置ずれを生じた場合であっても、回折格子に照射される光ビームの有効径D内に含まれる回折格子のパターニングが同一形状になり、±1次回折光の光強度に変化が生じない。このことによって、±1次回折光であるSB1およびSB2によるプッシュプル信号の振幅の増加が防止されるので、トラックオフセットの発生が抑制される。
【0033】
また本発明は、複数個の前記回折格子が、格子溝の延びる方向に直交する方向に隣接し、かつ隣接する回折格子同志が互いに格子溝の延びる方向に前記幅W1(=W2)だけずれて配置され、
前記光ビームの有効径Dを格子溝方向に直交する方向に等分割する分割数がn(n≧2の整数)であるとき、回折格子の格子溝の延びる方向に直交する方向の長さである高さHが、次式(H=D/n)を満足することを特徴とする。
【0034】
本発明に従えば、複数個の回折格子が、格子溝の延びる方向に直交する方向に隣接し、かつ隣接する回折格子同志が互いに格子溝の延びる方向に前記幅W1(=W2)だけずれて配置される。各回折格子の格子溝の延びる方向に直交する方向の長さである高さHは、光ビームの有効径Dを格子溝方向に直交する方向に等分割する分割数n(n≧2の整数)で除算した商(D/n)と等しくなるように設定されるので、回折格子に照射される光ビームの有効径D内には、幅W1(=W2)だけ互いにずれて配置される少なくとも2以上の回折格子が含まれることになる。このことによって、SB1とSB2とから光検出手段によってそれぞれ検出されるプッシュプル信号は、位相差を与える回折領域と位相差を与えない回折領域とからの光が互いに一層確実に相殺されるので、前述のプッシュプル信号の振幅がほぼ零になり、トラックオフセットの発生が抑制される。また回折格子を回転調整する必要がなくなり、装置の組立て調整の大幅簡略化が実現される。
【0035】
また本発明は、前記回折格子は、前記光源と前記コリメータレンズとの間に配置されることを特徴とする。
【0036】
本発明に従えば、回折格子は、位置調整および回転調整を行う必要が無く、光源から放射される光ビームの有効径Dが小さい場合にも適用することができるので、光源とコリメータレンズとの間に配置されてもよい。回折格子を光源とコリメータレンズとの間に配置することによって、装置の組立て調整が簡略化され、さらに装置が小型化される。
【0037】
また本発明は、前記回折格子を前記光源から放射される光の軸に平行な方向に移動する格子移動手段をさらに含むことを特徴とする。
【0038】
本発明に従えば、回折格子を光源から放射される光の軸に平行な方向に移動する格子移動手段を含む。格子移動手段によって回折格子を光軸方向に移動させて、±1次回折光によるプッシュプル信号の振幅をほぼ零にすることのできる位置に選択配置することが可能になる。このことによって、光軸方向の好適位置に回折格子を配置させてトラックオフセットを最小値に抑制することができる。
【0039】
また本発明は、前記回折格子は、前記光分岐手段の前記光源寄りに、前記光分岐手段に接して装着されることを特徴とする。
【0040】
また本発明は、前記回折格子は、前記光分岐手段の前記光源寄りに形成され、前記光分岐手段と単一部品に一体化されることを特徴とする。
【0041】
本発明に従えば、回折格子は、光分岐手段の光源寄りに光分岐手段に接して装着されるか、または光分岐手段の光源寄りに光分岐手段と単一部品に一体化されて形成される。このことによって、回折格子を保持するホルダを不要にすることができるので、部品点数の削減が可能になるとともに装置の小型化に寄与することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態である光ピックアップ装置50の構成を簡略化して示す系統図である。光ピックアップ装置50は、光源である半導体レーザ51と、コリメータレンズ52と、回折格子53と、光分岐手段55であるビームスプリッタと、半導体レーザ51から放射される光を光記録媒体60上に集光する集光手段56である対物レンズと、光記録媒体60によって反射される光を集光する反射光集光レンズ57と、シリンドリカルレンズ58と、複数の受光素子からなる光検出手段59とを含む。図1および以降の図中に示すX−Y−Z系3次元座標軸は、前述のとおりX軸がラジアル方向であり、Y軸がトラック方向であり、Z軸が光軸方向である。
【0043】
半導体レーザ51は、たとえば元素の周期律表に規定されるIII族元素とV族元素とを含む化合物半導体であり、レーザ光を発振することができる。コリメータレンズ52は、半導体レーザ51から放射される光を略平行光にする。
【0044】
回折格子53は、半導体レーザ51から放射される光ビーム61を通過させることによって、少なくとも零(0)次回折光、+1次回折光および−1次回折光に回折する。図2は、光ピックアップ装置50に備わる回折格子53の構成を示す平面図である。図2を参照して回折格子53の構成について説明する。
【0045】
回折格子53は、X軸(ラジアル)方向に延びる格子溝62a,62bを有する平面格子であり、光は格子溝62a,62bを通過する際に反射されて干渉することによって回折される。回折格子53は、±1次回折光に位相差を与える回折領域63と±1次回折光に位相差を与えない回折領域64とが、格子溝62a,62bの延びる方向に交互に隣接して配置され、半導体レーザ51から放射されて回折格子53に照射される光ビーム61の有効径がDであり、光ビーム61の有効径Dを格子溝方向に等分割する分割数がm(m≧3の整数:本実施の形態ではm=10)であるとき、位相差を与える回折領域63の格子溝62a,62bの延びる方向の長さである幅W1と、位相差を与えない回折領域64の格子溝の延びる方向の長さである幅W2とが、次式(W1=W2=D/m)を満足するように形成される。
【0046】
なお図2中において、位相差を与えない回折領域64における格子溝62bは、図が煩瑣になることを避けるために省略されているけれども、格子溝62aに対して格子溝間隔が2分の1ピッチだけずれて形成されることを除いて、格子溝62aと同一に構成される。このことによって、位相差を与える回折領域63による回折光には、位相差を与えない回折領域64による回折光に対して180度の位相差が与えられる。
【0047】
回折格子53の位相差を与える回折領域63と位相差を与えない回折領域64とは、光ビーム61の有効径Dの内方にのみ形成されるのではなく、光ビーム61の有効径Dの外方においても位相差を与える回折領域63と位相差を与えない回折領域64とが存するように形成される。すなわち、前述の構成要件を満足し光ビーム61の有効径Dよりも大きい平面面積を有するように形成される回折格子面に、光ビーム61が照射される。
【0048】
ここで、光ビーム61の有効径Dとは、対物レンズで利用される光束径に相当する。ただし、対物レンズとコリメータレンズとの間に縮小または拡大の効果を有する光学系が存在する場合には、その光学系の倍率で除算したものが、回折格子上における有効径Dとなる。たとえば、対物レンズで利用される光束径がφ3mmであり、対物レンズとコリメータレンズとの間の倍率が2であるとき、回折格子上の有効径Dは、φ1.5mm(=φ3mm/2)となる。本実施の形態では、対物レンズとコリメータレンズとの間の倍率は1である。
【0049】
再び図1に戻って、光分岐手段55であるビームスプリッタ55は、半導体レーザ51から放射される光を透過させ、光記録媒体60で反射された反射光を反射することができるように、半導体レーザ51と光記録媒体60との間に配置される。
【0050】
対物レンズ56は、ビームスプリッタ55を透過した0次回折光および±1次回折光を光記録媒体60の情報記録面に形成されるトラック上に集光する。本実施の形態では、0次回折光をメインビーム(MB)として情報トラック(ランド部)上の中央に照射し、+1次回折光を第1サブビーム(SB1)とし−1次回折光を第2サブビーム(SB2)として情報トラックにそれぞれ隣接するグルーブ部上に照射する。しかしながら、光記録媒体60上におけるトラックの曲率を考慮しているので、MB,SB1およびSB2の間の相対的な配置は、前述の図21に示すように、MBが情報トラックの中央に位置するけれども、SB1およびSB2が、情報トラックに隣接するグルーブ部の中央に位置することができない状態になる。本実施の形態では、情報トラックをランド部としているが、グループ部に記録再生を行ってもよい。
【0051】
光記録媒体60で反射されたMB,SB1およびSB2は、再び対物レンズ56を透過し、ビームスプリッタ55で反射されて反射光集光レンズ57に入射する。反射光集光レンズ57を透過して集光されたMB,SB1およびSB2は、シリンドリカルレンズ58によって焦点ずれ検出のための非点収差を与えられて光検出手段59によって受光検出される。
【0052】
光検出手段59は、フォトダイオードからなる複数の受光素子によって構成される光検出器である。光検出手段59は、X軸方向に平行な分割線とY軸方向に平行な分割線とで分割される4つの受光素子によって構成される第1光検出器59aと、Y軸(トラック)方向と平行な分割線で分割される2つの受光素子によって構成される第2および第3光検出器59b,59cとを含む。
【0053】
第1光検出器59aはMBを検出し、第1光検出器59aによって検出されるMBの受光信号に基づいて求められるプッシュプル信号をMPPとする。第2光検出器59bはSB1を検出し、第2光検出器59bによって検出されるSB1の受光信号に基づいて求められるプッシュプル信号をSPP1とする。また第3光検出器59cはSB2を検出し、第3光検出器59cによって検出されるSB2の受光信号に基づいて求められるプッシュプル信号をSPP2とする。TESとして用いられるDPP信号は、MPP、SPP1およびSPP2によって前述の式(1)によって求めることができる。なおサブビームによるプッシュプル信号の和信号をSPPで表す。
【0054】
図3は、本実施の形態の光ピックアップ装置50において求められるプッシュプル信号を例示する図である。図3に示すように、SB1およびSB2のプッシュプル信号であるSPP1,SPP2の振幅は、MBのプッシュプル信号であるMPPに比べて振幅が小さい。これは、MBは回折格子53で回折される際に位相が変化しないのに対して、SB1とSB2とは、回折格子53で回折されるに際し、前述のように位相差を与える回折領域63を通過した光と、位相差を与えない回折領域64を通過した光との間に180度の位相差が与えられることによる。SB1およびSB2では、位相差を与える回折領域63を通過するビーム断面積と、位相差を与えない回折領域64を通過するビーム断面積とが、ほぼ等量になるので、回折格子53で回折されさらに光記録媒体60で反射されて光検出手段59b,59cで受光されるとき、位相差を与える回折領域63を通過した光と位相差を与えない回折領域64を通過した光とが、180度の位相差を有することによって相殺される。
【0055】
このことによって、SB1およびSB2のプッシュプル信号であるSPP1およびSPP2の振幅が小さくなり、またSPP1およびSPP2は、光記録媒体60のトラック上におけるSB1およびSB2の存在位置に関係なく、ほぼ一定の変化特性を有する信号となる。このように光ピックアップ装置50では、光記録媒体60のトラック上におけるSB1およびSB2の存在位置に関係なく、ほぼ一定の変化特性を有するプッシュプル信号を得ることができるので、SB1とSB2とがともにトラックの中央に配置されるように回折格子53を回転位置調整する必要がなく、装置の組立て調整の大幅簡略化が実現される。
【0056】
図4は、本実施の形態の光ピックアップ装置50において求められるオフセットΔPが生じている状態でのプッシュプル信号を例示する図である。図4には、本実施の形態の光ピックアップ装置50において、対物レンズシフトまたは光記録媒体60の傾きに起因するオフセットΔPが発生している状態のTESを示す。対物レンズシフトまたは光記録媒体60に傾きが生じてMB,SB1およびSB2の各光量に応じて同じ側(同位相)にオフセットΔpが発生したとき、光ピックアップ装置50においても、前述の式(1)の演算によってオフセットΔpをキャンセルしたTES(=DPP)を得ることができる。ここで、式(1)に用いる係数kは、前述と同様に0次回折光と±1次回折光との光強度の違いを補正するためのものであり、各光の強度比が、0次回折光:+1次回折光:−1次回折光=a:b:bであるとき、a/(2b)である。図4中に示すSPPは、(SPP1+SPP2)に係数kが乗算された信号である。
【0057】
また図5は、光ビーム61と回折格子53との相対的な位置ずれが生じた場合の位置ずれ量と振幅比との関係を示す図である。図5には、Z軸に対して直交する平面内において、光ビーム61に対して回折格子53が、X軸またはY軸方向に位置ずれを生じた場合における位置ずれ量と振幅比(SPP1/MPP)との関係を示す。図5中、ライン65がX軸方向に位置ずれを生じた場合の振幅比であり、ライン66がY軸方向に位置ずれを生じた場合の振幅比である。なお、図5では、振幅比(SPP1/MPP)を示すけれども、SPP2についての振幅比(SPP2/MPP)であっても同様の傾向を示す。
【0058】
光ピックアップ装置50では、光ビーム61に対して回折格子53が、X軸方向およびY軸方向のいずれに位置ずれを生じた場合でも、振幅比(SPP1/MPP)が百分率で10%未満の小さな値に抑制される。
【0059】
このように光ビーム61に対する回折格子53の位置ずれが生じた場合であっても、SB1およびSB2によるプッシュプル信号SPP1,SPP2の振幅が小さく抑制されるので、SB1およびSB2が光記録媒体60上のトラックの所定位置に配置されるように回折格子53を厳密に回転位置調整しなくても、トラックオフセットの発生を防止できる。
【0060】
これは、SB1およびSB2に位相差を与える回折領域63と位相差を与えない回折領域64とが、格子溝62a,62bの延びる方向にそれぞれ等しい幅W1=W2を有して格子溝の延びる方向に交互に隣接し、光ビーム61の有効径D内にm=10個含まれるとともに、回折格子53の光ビーム照射面が光ビーム61の有効径Dよりも大きく形成されるので、回折格子53がX軸および/またはY軸方向に位置ずれを生じた場合であっても、回折格子53に照射される光ビーム61の有効径D内に含まれる回折格子53のパターニングが同一形状になり、SB1およびSB2の光強度に変化が生じないことによる。
【0061】
図6は、本発明の実施の第2形態である光ピックアップ装置に設けられる回折格子70の構成を簡略化して示す平面図である。本実施の形態の光ピックアップ装置は、回折格子53に代えて回折格子70が用いられる点を除いて、実施の第1形態の光ピックアップ装置50と同一に構成されるので図を省略する。また本実施の形態の回折格子70は、実施の第1形態の回折格子53に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。なお、図6に示す回折格子70においても、図2に示す回折格子53と同様図が煩瑣になることを避けるために、位相差を与えない回折領域64における格子溝62bは、省略されている。
【0062】
回折格子70は、実施の第1形態と同様に構成される2種類の回折格子53a,53bであって、位相差を与える回折領域63と位相差を与えない回折領域64のX軸方向の配列ピッチTPが互いに2分の1ピッチ(TP/2)ずつずれて形成される回折格子53a,53bによって構成される。このずれ量である2分の1ピッチ(TP/2)は、位相差を与える回折領域63と位相差を与えない回折領域64との前記幅W1(=W2)に等しい。本実施の形態では、回折格子53aと回折格子53bとが、それぞれ2個ずつ合計4個準備され、Y軸方向に交互に隣接して配置される構成である。回折格子70を構成する個々の回折格子53a,53bのY軸方向の長さである高さHは、光ビーム61の有効径Dを格子溝方向に直交する方向であるY軸方向に等分割する分割数がn(n≧2の整数:本実施の形態ではn=2)であるとき、H=D/nを満足するように設定される。
【0063】
回折格子70を備える光ピックアップ装置では、回折格子70に照射される光ビーム61の有効径D内には、少なくとも2以上の幅W1(=W2)だけ互いにずれて配置される回折格子53a,53bが含まれることになる。このことによって、SB1とSB2とから光検出手段59b,59cによってそれぞれ検出されるプッシュプル信号SPP1,SPP2は、位相差を与える回折領域63と位相差を与えない回折領域64とからの光が互いに一層確実に相殺されるので、プッシュプル信号SPP1,SPP2の振幅がほぼ零になり、トラックオフセットの発生が抑制される。
【0064】
図7は、光ビーム61と回折格子70との相対的な位置ずれが生じた場合の位置ずれ量と振幅比との関係を示す図である。図7には、Z軸に対して直交する平面内において、光ビーム61に対して回折格子70が、X軸またはY軸方向に位置ずれを生じた場合における位置ずれ量と振幅比(SPP1/MPP)との関係を示す。図7中、ライン71がX軸方向に位置ずれを生じた場合の振幅比であり、ライン72がY軸方向に位置ずれを生じた場合の振幅比である。本実施の形態の光ピックアップ装置に備えられる回折格子70では、光ビーム61に対して位置ずれが生じた場合であっても、前述した図5に示す実施の第1形態の光ピックアップ装置50に備えられる回折格子53の場合に比べて、振幅比(SPP1/MPP)がさらに小さい値に抑制される。このようにSPP1,SPP2の振幅がほぼ零に近い値まで抑制されることによって、回折格子70を回転調整する必要がなくなり、装置の組立て調整の大幅簡略化が実現される。
【0065】
図8は、本発明の実施の第3形態である光ピックアップ装置75の構成を簡略化して示す系統図である。本実施の形態の光ピックアップ装置75は、実施の第1形態の光ピックアップ装置50に類似し、対応する部分について同一の参照符号を付して説明を省略する。光ピックアップ装置75において注目すべきは、回折格子53が、半導体レーザ51とコリメータレンズ52との間に配置されることである。実施の第1形態の光ピックアップ装置50では、コリメータレンズ52が、半導体レーザ51と回折格子53との間に配置されたので、回折格子53にはコリメータレンズ52によって略平行光にされ有効光束径の大きな光が入射したけれども、本実施の形態の光ピックアップ装置75では、コリメータレンズ52を透過する前の有効光束径の小さい光が回折格子53に入射するように構成される。
【0066】
回折格子が有効光束径の小さい光の中に配置される場合、SB1およびSB2のプッシュプル信号SPP1,SPP2の振幅を小さくするためには、回折格子が有効光束径の大きい平行光中に配置される場合よりも、回折格子のパターンを小さくしなければならない。回折格子のパターンを小さくすると、回折格子と光ビームとの相対的な位置調整を厳密にしなければならないけれども、本実施の形態の光ピックアップ装置75では、前述の回折格子53を備えるので、有効光束径の小さい光が入射する場合においても、SB1およびSB2によるプッシュプル信号SPP1,SPP2の振幅を小さい値に抑制し、トラックオフセットの発生を抑制することが可能になる。
【0067】
図9は、本発明の実施の第4形態である光ピックアップ装置76の構成を簡略化して示す系統図である。本実施の形態の光ピックアップ装置76は、実施の第3形態の光ピックアップ装置75に類似し、対応する部分について同一の参照符号を付して説明を省略する。光ピックアップ装置76において注目すべきは、回折格子53を半導体レーザ51から放射される光の軸に平行な方向、すなわちZ軸方向に移動する格子移動手段54を含むことである。
【0068】
図10は、光ピックアップ装置76に備わる格子移動手段54の構成を簡略化して示す斜視図である。図10は、半導体レーザ51側から回折格子53の光ビーム61照射面を臨んで見た状態を示す斜視図である。格子移動手段54は、回折格子53を保持する保持部材77と、保持部材77が摺動可能に装着されるハウジング78とを含む。ハウジング78は、Z軸方向に垂直な断面が略U字状を有する部材であり、基台部79と、基台部79の両端に連なるとともに基台部79の両端から垂直に立上がる第1および第2立上がり部80,81で構成される。基台部79には、ハウジング内方に臨んでZ軸方向に延びる案内溝82が形成される。第1立上がり部80のほぼ中央には、第1立上がり部80を貫通してZ軸方向に細長く延びる長孔83が形成される。
【0069】
保持部材77は、大略直方体形状を有する部材であり、内方に光を通過させることのできる開口部84が形成され、その開口部84に回折格子53が固設される。回折格子53が固設された状態で、保持部材77には、回折格子53の格子溝が延びる方向に直交する方向に突出して案内突起部85が形成される。この案内突起部85が、ハウジング78の基台部79に形成される案内溝82に係合するようにして、保持部材77および保持部材77に固設された回折格子53がハウジング78に装着される。案内突起部85は、基台部79に形成される案内溝82と摺動可能であり、またハウジング78に装着された状態で保持部材77のX軸方向の両端面は、第1および第2立上がり部80,81のハウジング内方に臨む面とそれぞれ摺動可能に構成される。ハウジング78は、光ピックアップ装置76の図示しないケーシングに固設されるので、保持部材77に保持される回折格子53は、ハウジング78に対して保持部材77とともに移動することによって、光ピックアップ装置76の他の光学部材に対して相対的に位置を変化することができる。
【0070】
回折格子53のハウジング78に対する移動は、たとえば次のようにして実現される。保持部材77の第1立上がり部80に対する摺動面に、前述の長孔83と整合する位置に予め嵌合孔を形成しておく。この嵌合孔に嵌合させることのできる棒状の調整治具を準備し、長孔83を挿通して保持部材77の嵌合孔に調整治具を嵌合させ、調整治具をZ軸方向に移動させることによって、保持部材77および保持部材77に固設される回折格子53をZ軸方向に移動して位置決めする。
【0071】
図11は、Z軸方向のそれぞれ異なる位置に移動配置された回折格子53に対する光ビーム61の照射状態を示す図である。図11(a)は、回折格子53が、光軸方向であるZ軸方向において光分岐手段であるビームスプリッタ55寄りに位置する状態を示し、図11(c)は、回折格子53が、Z軸方向において光源である半導体レーザ51寄りに位置する状態を示し、図11(b)は、回折格子53が、前述の図11(a)と図11(c)とに示す位置の中間に位置する状態を示す。
【0072】
光ビーム61の有効径Dに含まれる位相差を与える回折領域63および位相差を与えない回折領域64の数、すなわち有効径Dを前記回折領域63または前記回折領域64の幅W1(またはW2)で除算した分割数mは、回折格子53がビームスプリッタ55寄りの位置に在るときに最も多く、半導体レーザ51寄りの位置へ移動するのに伴って減少する。
【0073】
たとえば、回折格子53が図11(b)に示す中間位置にある状態で、光ビーム61の有効径Dに含まれる位相差を与える回折領域63と位相差を与えない回折領域64との面積比が最も1に近く、SB1およびSB2のプッシュプル信号SPP1,SPP2の振幅が最小になるとすると、回折格子53が前述の中間位置からビームスプリッタ55寄りに移動して図11(a)に示す分割数mが増加した状態、または回折格子53が前述の中間位置から半導体レーザ51寄りに移動して図11(c)に示す分割数mが減少した状態にあるときには、光ビーム61の有効径Dに含まれる位相差を与える回折領域63と位相差を与えない回折領域64との面積比が、前述の回折格子53が図11(b)に示す中間位置にあるときに比べて1から離反するので、SB1およびSB2のプッシュプル信号SPP1,SPP2の振幅が大きくなる。
【0074】
逆に装置の組立初期状態において、回折格子53のZ軸方向における位置が、図11(a)または図11(c)のSB1およびSB2によるプッシュプル信号SPP1,SPP2の振幅が大きくなる位置にあるとき、格子移動手段54を用いて、回折格子53のZ軸方向の位置を図11(b)に示す位置、すなわちSB1およびSB2によるプッシュプル信号SPP1,SPP2の振幅が最小値になる好適位置に移動調整することができる。このように回折格子53のZ軸方向の位置を好適位置に選択配置することによって、トラックオフセットの発生をより一層抑制することが可能になる。
【0075】
図12は本発明の実施の第5形態である光ピックアップ装置90の構成を簡略化して示す系統図であり、図13は図12に示す光ピックアップ装置90に備わる回折格子53の構成を簡略化して示す斜視図である。本実施の形態の光ピックアップ装置90は、実施の第3形態の光ピックアップ装置75に類似し、対応する部分について同一の参照符号を付して説明を省略する。光ピックアップ装置90において注目すべきは、回折格子53が、ビームスプリッタ55の半導体レーザ51寄りに、ビームスプリッタ55に接して装着されることである。
【0076】
図14は本発明の実施の第6形態である光ピックアップ装置95の構成を簡略化して示す系統図であり、図15は図14に示す光ピックアップ装置95に備わる回折格子96およびビームスプリッタ97の構成を簡略化して示す斜視図である。本実施の形態の光ピックアップ装置95は、実施の第3形態の光ピックアップ装置75に類似し、対応する部分について同一の参照符号を付して説明を省略する。光ピックアップ装置95において注目すべきは、回折格子96が、ビームスプリッタ97の半導体レーザ51寄りに形成され、ビームスプリッタ97と単一の光学部品98に一体化されることである。
【0077】
回折格子53(回折格子70であってもよい)は、前述のようにSB1およびSB2によるプッシュプル信号SPP1,SPP2の振幅を小さくすることができるので、SB1およびSB2を光記録媒体60上のトラックの所定位置に配置するべく回転位置調整を行う必要がない。したがって、実施の第5および第6形態の光ピックアップ装置90,95のように、回折格子53をビームスプリッタ55の半導体レーザ51寄りにビームスプリッタ55に接して装着し、またはビームスプリッタ97の半導体レーザ51寄りにビームスプリッタ97と単一の光学部品98として一体化して形成することが可能になる。
【0078】
このことによって、回折格子53,96を保持するホルダを不要にすることができるので、部品点数の削減が可能になるとともに、回折格子53,96とビームスプリッタ55,97との間隔を零にすることができるので、装置の小型化に寄与することができる。また、平行光束中と同様に集束される光の中に回折格子を位置させるとき、対物レンズと回折格子との距離が長いと、対物レンズの開口制限に起因してSB1およびSB2に光量損失が発生するけれども、ビームスプリッタ55,97と回折格子53,96との間隔を零にすることによって、対物レンズ56と回折格子53,96との距離を短くすることができるので、SB1およびSB2の光量損失抑制に寄与することができる。
【0079】
以上に述べたように、本実施の形態では、光ビーム61の有効径DのX軸方向の分割数mが10であり、Y軸方向の分割数nが2であるけれども、これに限定されることなく、分割数mには3以上の任意の整数が選択されてよく、分割数nには2以上の任意の整数が選択されてよい。
【0080】
【発明の効果】
本発明によれば、光源から放射される光を、少なくとも零次回折光および±1次回折光に回折するとともに、±1次回折光の一部に位相差を与える回折格子は、±1次回折光に位相差を与える回折領域と±1次回折光に位相差を与えない回折領域とが、格子溝の延びる方向に交互に隣接して配置され、光源から放射されて回折格子に照射される光ビームの有効径がDであり、光ビームの有効径Dを格子溝方向に等分割する分割数がm(m≧3の整数)であるとき、位相差を与える回折領域の格子溝の延びる方向の長さである幅W1と、位相差を与えない回折領域の格子溝の延びる方向の長さである幅W2とが、ともにD/mに等しくなるように形成される。
【0081】
このように形成される回折格子では、回折格子を通過する光ビームの有効径D内に、±1次回折光に位相差を与える回折領域と位相差を与えない回折領域とがほぼ等しく含まれる。このことによって、回折格子によって回折された+1次回折光である第1サブビームSB1と−1次回折光である第2サブビームSB2とから光検出手段によってそれぞれ検出されるプッシュプル信号は、位相差を与える回折領域と位相差を与えない回折領域とからの光が互いに相殺される。したがって、光記録媒体のトラック上におけるSB1およびSB2の存在位置に関係なく、SB1およびSB2によるプッシュプル信号は、ほぼ一定の変化特性を有する信号となる。このように光記録媒体のトラック上におけるSB1およびSB2の存在位置に関係なく、ほぼ一定の変化特性を有するプッシュプル信号を得ることができるので、SB1とSB2とがともにトラックの中央に配置されるように回折格子を回転調整する必要がなく、装置の組立て調整の大幅簡略化が実現される。
【0082】
また、±1次回折光に位相差を与える回折領域と±1次回折光に位相差を与えない回折領域とが、格子溝の延びる方向にそれぞれ等しい幅W1=W2(=D/m)を有して格子溝の延びる方向に交互に隣接して複数配置されるので、回折格子がX軸および/またはY軸方向に位置ずれを生じた場合であっても、回折格子に照射される光ビームの有効径D内に含まれる回折格子のパターニングが同一形状になり、±1次回折光の光強度に変化が生じない。このことによって、±1次回折光であるSB1およびSB2によるプッシュプル信号の振幅の増加が防止されるので、トラックオフセットの発生が抑制される。
【0083】
また本発明によれば、複数個の回折格子が、格子溝の延びる方向に直交する方向に隣接し、かつ隣接する回折格子同志が互いに格子溝の延びる方向に前記幅W1(=W2)だけずれて配置される。各回折格子の格子溝の延びる方向に直交する方向の長さである高さHは、光ビームの有効径Dを格子溝方向に直交する方向に等分割する分割数n(n≧2の整数)で除算した商(D/n)と等しくなるように設定されるので、回折格子に照射される光ビームの有効径D内には、幅W1(=W2)だけ互いにずれて配置される少なくとも2以上の回折格子が含まれることになる。このことによって、SB1とSB2とから光検出手段によってそれぞれ検出されるプッシュプル信号は、位相差を与える回折領域と位相差を与えない回折領域とからの光が互いに一層確実に相殺されるので、前述のプッシュプル信号の振幅がほぼ零になり、トラックオフセットの発生が抑制される。また回折格子を回転調整する必要がなくなり、装置の組立て調整の大幅簡略化が実現される。
【0084】
また本発明によれば、回折格子は、位置調整および回転調整を行う必要が無く、光源から放射される光ビームの有効径Dが小さい場合にも適用することができるので、光源とコリメータレンズとの間に配置されてもよい。回折格子を光源とコリメータレンズとの間に配置することによって、装置の組立て調整が簡略化され、さらに装置が小型化される。
【0085】
また本発明によれば、回折格子を光源から放射される光の軸に平行な方向に移動する格子移動手段を含む。格子移動手段によって回折格子を光軸方向に移動させて、±1次回折光によるプッシュプル信号の振幅をほぼ零にすることのできる位置に選択配置することが可能になる。このことによって、光軸方向の好適位置に回折格子を配置させてトラックオフセットを最小値に抑制することができる。
【0086】
また本発明によれば、回折格子は、光分岐手段の光源寄りに光分岐手段に接して装着されるか、または光分岐手段の光源寄りに光分岐手段と単一部品に一体化されて形成される。このことによって、回折格子を保持するホルダを不要にすることができるので、部品点数の削減が可能になるとともに装置の小型化に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である光ピックアップ装置50の構成を簡略化して示す系統図である。
【図2】光ピックアップ装置50に備わる回折格子53の構成を示す平面図である。
【図3】本実施の形態の光ピックアップ装置50において求められるプッシュプル信号を例示する図である。
【図4】本実施の形態の光ピックアップ装置50において求められるオフセットΔPが生じている状態でのプッシュプル信号を例示する図である。
【図5】光ビーム61と回折格子53との相対的な位置ずれが生じた場合の位置ずれ量と振幅比との関係を示す図である。
【図6】本発明の実施の第2形態である光ピックアップ装置に設けられる回折格子70の構成を簡略化して示す平面図である。
【図7】光ビーム61と回折格子70との相対的な位置ずれが生じた場合の位置ずれ量と振幅比との関係を示す図である。
【図8】本発明の実施の第3形態である光ピックアップ装置75の構成を簡略化して示す系統図である。
【図9】本発明の実施の第4形態である光ピックアップ装置76の構成を簡略化して示す系統図である。
【図10】光ピックアップ装置76に備わる格子移動手段54の構成を簡略化して示す斜視図である。
【図11】Z軸方向のそれぞれ異なる位置に移動配置された回折格子53に対する光ビーム61の照射状態を示す図である。
【図12】本発明の実施の第5形態である光ピックアップ装置90の構成を簡略化して示す系統図である。
【図13】図12に示す光ピックアップ装置90に備わる回折格子53の構成を簡略化して示す斜視図である。
【図14】本発明の実施の第6形態である光ピックアップ装置95の構成を簡略化して示す系統図である。
【図15】図14に示す光ピックアップ装置95に備わる回折格子96およびビームスプリッタ97の構成を簡略化して示す斜視図である。
【図16】DPP法が用いられる従来の光ピックアップ装置1の構成を簡略化して示す系統図である。
【図17】光記録媒体10上に照射されている零次回折光および±1次回折光の状態を示す図である。
【図18】光検出器9による検出信号に基づいてDPP信号を求める回路の概略を示す図である。
【図19】プッシュプル信号の1例を示す図である。
【図20】オフセットΔPが発生している状態でのプッシュプル信号の1例を示す図である。
【図21】トラックの曲率を考慮した光記録媒体21上に照射されている零次回折光および±1次回折光の状態を示す図である。
【図22】曲率を有するトラックに照射されたMB,SB1およびSB2の検出信号に基づいて求められるDPP信号の例を示す図である。
【図23】もう一つの従来技術に用いられる光ピックアップ装置25の構成を簡略化して示す系統図である。
【図24】光ビームが集光される側から見た光記録媒体33の平面図である。
【図25】従来の光ピックアップ装置25に備わる回折格子28の構造(パターニング)を示す平面図である。
【図26】回折格子28を用いた場合のTESを示す図である。
【図27】位置ずれ量と振幅比との関係を示す図である。
【符号の説明】
50,75,76,90,95 光ピックアップ装置
51 半導体レーザ
52 コリメータレンズ
53,70,96 回折格子
54 格子移動手段
55,97 ビームスプリッタ
56 対物レンズ
57 反射光集光レンズ
58 シリンドリカルレンズ
59 光検出手段
61 光ビーム
63 位相差を与える回折領域
64 位相差を与えない回折領域

Claims (6)

  1. 光によって光記録媒体に情報を記録および/または光記録媒体から情報を再生する光ピックアップ装置であって、
    光を放射する光源と、
    前記光源から放射される光を略平行光にするコリメータレンズと、
    前記光源から放射される光を、少なくとも零次回折光,プラス(+)1次回折光およびマイナス(−)1次回折光に回折するとともに、+および−(±)1次回折光の一部に位相差を与える回折格子と、
    零次回折光および±1次回折光を前記光記録媒体上に集光する集光手段と、
    前記光源と前記集光手段との間に配置され、零次回折光および±1次回折光を透過および反射する光分岐手段と、
    前記光記録媒体によって反射された零次回折光および±1次回折光を受光する複数の受光素子からなる光検出手段とを備え、
    前記回折格子は、
    ±1次回折光に位相差を与える回折領域と±1次回折光に位相差を与えない回折領域とが、格子溝の延びる方向に交互に隣接して配置され、前記光源から放射されて回折格子に照射される光ビームの有効径がDであり、光ビームの有効径Dを格子溝方向に等分割する分割数がm(m≧3の整数)であるとき、位相差を与える回折領域の格子溝の延びる方向の長さである幅W1と、位相差を与えない回折領域の格子溝の延びる方向の長さである幅W2とが、次式(W1=W2=D/m)を満足するように形成されることを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 複数個の前記回折格子が、格子溝の延びる方向に直交する方向に隣接し、かつ隣接する回折格子同志が互いに格子溝の延びる方向に前記幅W1(=W2)だけずれて配置され、
    前記光ビームの有効径Dを格子溝方向に直交する方向に等分割する分割数がn(n≧2の整数)であるとき、回折格子の格子溝の延びる方向に直交する方向の長さである高さHが、次式(H=D/n)を満足することを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。
  3. 前記回折格子は、
    前記光源と前記コリメータレンズとの間に配置されることを特徴とする請求項1または2記載の光ピックアップ装置。
  4. 前記回折格子を前記光源から放射される光の軸に平行な方向に移動する格子移動手段をさらに含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
  5. 前記回折格子は、
    前記光分岐手段の前記光源寄りに、前記光分岐手段に接して装着されることを特徴とする請求項1または2記載の光ピックアップ装置。
  6. 前記回折格子は、
    前記光分岐手段の前記光源寄りに形成され、前記光分岐手段と単一部品に一体化されることを特徴とする請求項1または2記載の光ピックアップ装置。
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