JP2002100063A - 光ピックアップ装置用の回折素子・フォーカスエラー信号生成方法および装置・光ピックアップ装置・光情報処理装置 - Google Patents

光ピックアップ装置用の回折素子・フォーカスエラー信号生成方法および装置・光ピックアップ装置・光情報処理装置

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JP2002100063A
JP2002100063A JP2000290260A JP2000290260A JP2002100063A JP 2002100063 A JP2002100063 A JP 2002100063A JP 2000290260 A JP2000290260 A JP 2000290260A JP 2000290260 A JP2000290260 A JP 2000290260A JP 2002100063 A JP2002100063 A JP 2002100063A
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light receiving
diffraction
optical pickup
focus error
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JP2000290260A
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Hiroyuki Inoue
浩之 井上
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】トラッキング制御による対物レンズの移動に起
因するフォーカスエラー信号のオフセットを有効に軽減
する。 【解決手段】光情報記録媒体8の記録面8Aにより反射
された戻り光束20を回折素子12により互いに回折角
の異なる2光束に分離し、分離した光束の一方を集束途
上の状態で受光素子44により受光し、他方を、集束後
の発散状態で受光素子43により受光し、受光素子4
3、44の出力に基づきフォーカスエラー信号を発生さ
せる方式の光ピックアップ装置において、回折素子12
は、互いに回折角の異なる2種の回折エレメントをそれ
ぞれ細部に分け、細部12a、12b同士を規則的もし
くはランダムな配置で稠密に組み合わせ、全体として単
体化してなり、全体としての回折領域が、戻り光束20
の入射位置の変動範囲をカバーする広さを持ち、互いに
回折角の異なる2つの1次回折光の光量が実質的に等し
くなるように、各細部12a、12bが組み合わせられ
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光ピックアップ
装置用の回折素子・フォーカスエラー信号生成方法およ
び装置・光ピックアップ装置・光情報処理装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光ピックアップ装置は、CD(コンパク
トディスク)やDVD(デジタルビデオディスク)とい
った光情報記録媒体に対し、情報の記録や再生を行う装
置として広く知られ、種々のものが実施されている。
【0003】光ピックアップ装置では、光スポットが光
情報記録媒体のトラックから逸れないように制御するト
ラッキング制御と、光スポットが光情報記録媒体の記録
面上に合焦するようにするフォーカシング制御とが行わ
れ、これら制御も種々の方式のものが知られている。
【0004】フォーカシング制御は一般に、記録面によ
り反射された戻り光束によりフォーカスエラー信号を発
生させ、フォーカスエラー信号を0とするようなサーボ
制御を行うことにより行われる。
【0005】フォーカスエラー信号を生成する方法とし
て、図13に示す如きものの実施が意図されている。図
13(a)において、光源としての半導体レーザ1から
放射された光束は発散しつつ回折素子11を透過し、対
物レンズ7に入射する。対物レンズ7は入射光束を集束
性の光束に変換する。この集束性の光束は光情報記録媒
体8の透明基板を透過して記録面8A上に光スポットと
して結像する。
【0006】記録面8Aにより反射された光束は「戻り
光束」となり、対物レンズ7を透過すると集束性の光束
となり、集束途上において回折素子11に入射する。回
折素子11は、図13(b)に示すように、受光部が2
つの受光領域11a、11bに分割され、各受光領域1
1a、11bは異なる「回折エレメント」となってい
る。
【0007】図13(b)に示すように、戻り光束20
は「回折エレメント11a、11bの分割部により2等
分される」ようにして回折素子11に入射する。回折エ
レメント11a、11bは、戻り光束20の入射部分に
対して回折作用を及ぼすが、各回折エレメント11a、
11bの回折作用は以下の2点において異なっている。
即ち、第1は「回折角が互いに異なる」ことである。
【0008】図13(a)に示すように、回折エレメン
ト11aからは1次回折光31が生じ、回折エレメント
11bからは1次回折光32が発生する。第2に、回折
エレメント11a、11bは「回折光に対するレンズ作
用」を持っており、このレンズ作用が互いに異なってい
る。この「レンズ作用の差異」により1次回折光の集束
位置は1次回折光31と32とで互いに異なり、1次回
折光31に比して、1次回折光32は回折素子11から
「より遠方」で集束する。
【0009】図13(a)において符号41、42で示
す受光素子はそれぞれ、1次回折光31、32を受光す
るが、図示のように、受光素子42は1次回折光32を
「集束の途上」即ち、集束状態において受光する。逆
に、受光素子41は1次回折光31を「一旦集束後の発
散状態」において受光する。
【0010】図13(c)は、受光素子41、42上に
おける1次回折光31、32の「入射スポット」を示し
ている。受光素子41、42の位置を調整することによ
り、記録面8A上に光スポットが適正に結像している
「合焦状態」のとき、図13(d)真中図のように、受
光素子41、42上における1次回折光31、32の
「入射スポットの大きさ」が実質的に等しくなるように
する。
【0011】デフォーカスにより対物レンズ7による集
束光束が「記録面8Aの後側」に結像する場合(即ち
「記録面が対物レンズ7に近い」場合)、戻り光は「恰
も記録面の手前に発散の起点を持つ光束」のように振舞
うから、対物レンズ7を透過した後は、合焦状態よりも
集束性が弱くなり、1次回折光31、32の集束位置
は、図13(a)に示す各位置よりも「回折素子11か
ら離れる側」に移動する。
【0012】このため、1次回折光31、32の受光素
子41、42への入射スポットは、図13(d)上図の
ように、受光素子41の受光する1次回折光31の入射
スポットが、受光素子42の受光する1次回折光32の
入射スポットよりも小さくなる。
【0013】逆に、デフォーカスにより、対物レンズ7
による集束光束が記録面8Aの手前で結像する場合(即
ち「記録面が対物レンズ7から遠い」場合)、戻り光は
「恰も記録面の後方に発散の起点を持つ光束」のように
振舞うから、対物レンズ7を透過した後は、合焦状態よ
りも集束性が強くなり、1次回折光31、32の集束位
置は、図13(a)よりも回折素子11側へ移動する。
【0014】このため、1次回折光31、32の受光素
子41、42上の入射スポットは、図13(d)下図の
ように、受光素子41の受光する1次回折光31の入射
スポットが、受光素子42の受光する1次回折光32の
入射スポットよりも大きくなる。このように、デフォー
カスにより受光素子41、42に入射する1次回折光3
1、32の入射スポットの大きさが変化するので、この
ことを利用してフォーカスエラー信号を生成できる。
【0015】図13(c)に示すように、受光素子41
は「合焦状態において受光する光束の径(上記1次回折
光31の入射スポットの径)」よりも幅の狭い細帯状受
光領域41bを真中にし、その両側にサイド受光領域4
1a、41cを対称的に配置し、各受光領域から独立に
受光信号を出力するものである。符号41pは「細帯状
受光領域41bとサイド受光領域41a、41cを分離
する分割線」を示す。
【0016】受光素子42は「合焦状態において受光す
る光束の径(上記1次回折光32の入射スポット径)」
よりも幅の狭い細帯状受光領域42bを真中にし、その
両側にサイド受光領域42a、42cを対称的に配置
し、各受光領域から独立に受光信号を出力するものであ
る。符号42pは「細帯状受光領域42bとサイド受光
領域42a、42cを分離する分割線」を示す。
【0017】上記の各受光領域から出力される受光信号
をそれぞれ、S41a、S41b、S41c、S42
a、S42b、S42cとすると、フォーカスエラー信
号:FESを、演算:FES=(S41a+S41c+S4
2b)−(S41b+S42a+S42c)により生成で
きる。このフォーカスエラー信号は周知の「S字カー
ブ」を描く。
【0018】上記のように、回折素子により、戻り光束
から2本の1次回折光を発生させ、一方の1次回折光を
集束途上で受光し、他方の1次回折光を集束後の発散状
態で受光し、受光された各1次回折光の入射スポットの
径の大小でフォーカスエラー信号を生成させるフォーカ
スエラー信号生成方式を以下、便宜上「回折ビーム径差
方式」と呼ぶことにする。
【0019】図13に示すような「2分割の回折素子1
1を用いる光ピックアップ装置」では、トラッキング制
御に伴ない、対物レンズ7が、図14(a)に示すよう
に、光情報記録媒体8に対し、そのトラック配列方向
(トラックに直交する方向)へ変位する。図において、
破線は「基準の状態」を示し、実線は「トラキング制御
により対物レンズ7が変位した状態」を示す。
【0020】対物レンズ7が上記のように変位すると戻
り光束も変位し、回折素子11への入射位置が変位す
る。図14(b)において、破線は「戻り光束20が回
折素子11の適正な位置に入射している状態」を示し、
実線は「トラッキング制御に伴ない、戻り光束20の回
折素子11への入射位置が適正な位置から変位した状
態」を示す。
【0021】回折素子11への戻り光束20の入射位置
が図14(b)の実線の如くであると、図14(a)に
示す如く、回折エレメント11aによる1次回折光31
は光束径が太く、回折エレメント11bによる1次回折
光32は光束径が細くなる。このため、受光素子41、
42が受光する1次回折光31、32の入射スポットの
形態は、図14(c)に示す如くなる。このようになる
と「光スポットが記録面8A位置に正しく合焦して」い
ても、1次回折光31、32の強度に不均衡が生じるた
め、上のフォーカスエラー信号:FESは0にならず
「恰もデフォーカスが発生しているような信号」にな
り、前述のS字カーブ特性にも大きな影響がでる。
【0022】図14の例で、トラッキング制御に伴なう
対物レンズ7の変位(トラック配列方向へのシフト)に
よるフォーカスエラー信号:EFSの変化を図15に示
す。対物レンズのシフトがないとき、S字カーブはデフ
ォーカス:0に対し「0」であるが、シフトがあるとデ
フォーカス:0に対するフォーカスエラー信号は0とな
らず、有限の値となる。これを「フォーカスエラー信号
のオフセット」と呼んでいる。
【0023】このように、2分割の回折素子11を用い
る「回折ビーム径差方式」では、トラッキング制御に伴
なう対物レンズの変位により、フォーカスエラー信号に
オフセットが生じる。
【0024】回折ビーム径差方式ではまた、別の原因で
も「フォーカスエラー信号のオフセット」が生じる。即
ち、光ピックアップ装置の光源として「半導体レーザ」
を用いた場合、良く知られたように、半導体レーザの発
光波長は温度変化等の影響で変動する。このような波長
変動が生じると、回折素子11により回折される1次回
折光31、32の回折角が変化することになる。
【0025】上に、図13〜15に即して説明した例で
は、回折素子11の回折エレメント11a、11bは
「互いに異なるレンズ作用」を持っているが、波長変動
があると各回折エレメントのレンズ作用の「レンズパワ
ー」が変化するため、これが、各受光素子が受光する1
次回折光の入射スポットを変化させ、対物レンズの変位
の場合と同様に「フォーカスエラー信号のオフセット」
が生じるのである。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上述したと
ころに鑑み、「回折光ビーム径差方式」において、トラ
ッキング制御による対物レンズの変位に起因するフォー
カスエラー信号のオフセットを有効に軽減することを課
題とする。
【0027】この発明はまた、上記トラッキング制御に
伴なうフォーカスエラー信号のオフセットの軽減と共
に、光源として半導体レーザを用いる場合、波長変動に
起因するフォーカスエラー信号のオフセットを補正可能
とすることを課題とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】この発明の回折素子は
「光情報記録媒体に対して情報の記録・再生・消去の1
以上を行い、光情報記録媒体の記録面により反射された
戻り光束を回折素子により互いに回折角の異なる2光束
に分離し、分離した光束の一方を集束途上の状態で第1
の受光素子により受光し、分離した光束の他方を集束後
の発散状態で第2の受光素子により受光し、第1及び第
2の受光素子の出力に基づきフォーカスエラー信号を発
生させる方式の光ピックアップ装置において、戻り光束
を互いに回折角の異なる2光束に分離するための回折素
子」である。
【0029】請求項1記載の回折素子は、以下の点を特
徴とする。即ち、回折素子は「互いに回折角の異なる2
種の回折エレメント」をそれぞれ細部に分け、2種の回
折エレメントの細部同士を規則的もしくはランダムな配
置で稠密に組み合わせ、全体として単体化してなる。
【0030】そして、全体としての回折領域が「戻り光
束の入射位置の変動範囲をカバーする広さ」を持ち、互
いに回折角の異なる2つの1次回折光の光量が実質的に
等しくなるように、各細部が組み合わせられる。
【0031】請求項2記載の回折素子は、請求項1記載
の光ピックアップ装置用の回折素子において「2種の回
折エレメントの細部同士を、規則的な配置で稠密に組み
合わせた」ことを特徴とする。この場合、2種の回折エ
レメントの細部を「略同形状の短冊形状」とし、各回折
エレメントの短冊形状の細部を短冊の幅方向に交互に配
置することができる(請求項3)。
【0032】この請求項3記載の回折素子は、短冊形状
の細部の長手方向に「光情報記録媒体におけるトラック
方向に対する傾き角:θ」を持たせることができる(請
求項4)。この場合、傾き角:θを略45度に設定でき
る(請求項5)。
【0033】上記請求項3または5記載の回折素子は、
2種の回折エレメントによる各1次回折光の光量変動の
許容度をLとするとき、回折素子への戻り光束の入射位
置の変動に起因する2つの1次回折光の最大光量変動:
ΔSmaxが条件:L>ΔSmaxを満足するように各
短冊状の細部の幅が設定される(請求項6)。
【0034】また、請求項4記載の回折素子において
は、2種の回折エレメントによる各1次回折光の光量変
動の許容度をLとするとき、回折素子への戻り光束の入
射位置の変動に起因する2つの1次回折光の最大光量変
動:ΔSmaxが条件:L>ΔSmaxを満足するよう
に、各短冊状の「細部の幅」と傾き角:θとが設定され
る(請求項7)。
【0035】請求項2記載の回折格子においては、2種
の回折エレメントの細部を「略同形状の矩形形状」と
し、各回折エレメントの矩形形状の細部を「矩形の各幅
方向に交互に配置」することができる(請求項8)。
【0036】上記請求項1〜8の任意の1に記載の回折
素子において、一方の回折エレメントを構成する細部を
同一の回折パラメータで形成し、他方の回折エレメント
を構成する細部を同一の回折パラメータで形成し、これ
ら回折パラメータが2つの回折エレメントで互いに異な
るようにすることができる(請求項9)。「回折パラメ
ータ」は、回折エレメントの回折特性を特定する「位相
多項式の各係数」を言う。
【0037】また、上記請求項1〜8の任意の1に記載
の回折素子において、一方の回折エレメントを構成する
細部を「位置に応じた回折パラメータ」で形成し、他方
の回折エレメントを構成する細部を「位置に応じた回折
パラメータ」で形成することができる(請求項10)。
【0038】この請求項10記載の光ピックアップ装置
用の回折素子においては「各細部による1次回折光が、
回折素子への戻り光束の入射位置にかかわらず、各回折
エレメントごとに所定の位置において重なり合う」よう
に、各回折エレメントを構成する各細部の回折パラメー
タを設定できる(請求項11)。
【0039】上記請求項1〜11の任意の1に記載の回
折素子は「2つの回折エレメントが共にレンズ作用を有
する」ようにすることができ(請求項12)、この場
合、2つの回折エレメントのレンズ作用を「互いに異な
らせる」ことができる(請求項13)。
【0040】上記請求項1〜13の任意の1に記載の回
折素子は「互いに偏光方向が直交する直線偏向光束の一
方を透過させ、他方に対して回折作用を及ぼす偏光ホロ
グラム回折素子」として構成することができる(請求項
14)。
【0041】更に、請求項1〜14の任意の1に記載
の、光ピックアップ装置用の回折格子は、各回折エレメ
ントの各細部を「+1次回折光の回折効率を最も高くす
るようにブレーズ化」することができる(請求項1
5)。
【0042】この発明のフォーカスエラー信号生成方法
は「光情報記録媒体に対して、情報の記録・再生・消去
の1以上を行う光ピックアップ装置において、フォーカ
スエラー信号を生成する方法」であって、光情報記録媒
体の記録面により反射された戻り光束を回折素子により
互いに回折角の異なる2光束に分離し、分離した光束の
一方を集束途上の状態で第1の受光素子により受光し、
分離した光束の他方を集束後の発散状態で第2の受光素
子により受光し、第1及び第2の受光素子の出力に基づ
きフォーカスエラー信号を発生させ、戻り光束を互いに
回折角の異なる2光束に分離するための回折素子として
前記請求項1〜15の任意の1に記載のものを用いるこ
とを特徴とする(請求項16)。
【0043】この場合、戻り光束が「集束途上において
回折素子に入射する」ようにすることができる(請求項
17)。この発明のフォーカスエラー信号生成装置は
「光情報記録媒体に対して、情報の記録・再生・消去の
1以上を行う光ピックアップ装置において、フォーカス
エラー信号を生成する装置」であって、回折素子と、第
1および第2の受光素子と、演算手段とを有する(請求
項18)。
【0044】「回折素子」は、光情報記録媒体の記録面
により反射された戻り光束を回折により、互いに回折角
の異なる2光束に分離する回折素子で、前記請求項1〜
15の任意の1に記載のものが用いられる。
【0045】「第1の受光素子」は、回折素子による回
折で分離した光束の一方を集束途上の状態で受光する。
【0046】「第2の受光素子」は、回折により分離し
た光束の他方を集束後の発散状態で受光する。
【0047】「演算手段」は、第1および第2の受光素
子の出力に基づきフォーカスエラー信号を演算する。
【0048】即ち、上記フォーカスエラー信号生成方法
・フォーカスエラー信号生成装置は「回折ビーム径差方
式」でフォーカスエラー信号を生成する。
【0049】上記請求項18記載のフォーカスエラー信
号生成装置において、回折素子として請求項13記載の
もの(2つの回折エレメントのレンズ作用が互いに異な
る)を用いることにより、回折素子により分離した2光
束の集束位置を異ならせ、略同一面に配備された第1及
び第2の受光素子を、上記2光束の各集束位置の間に配
備することにより、回折素子の回折により分離した一方
の光束が「集束途上」で第1の受光素子に入射し、他方
の光束が「集束後の発散状態」で第2の受光素子に入射
するようにすることができる(請求項19)。
【0050】この請求項19記載のフォーカスエラー信
号生成装置においては第1および第2の受光素子が略同
一面に配置されるので「第1および第2の受光素子を一
体化する」ことが容易にできる(請求項20)。
【0051】上記請求項18〜20の任意の1に記載の
フォーカスエラー信号生成装置において、第1および第
2の受光素子として、「合焦状態において受光する光束
の径(前述の入射スポットの径)よりも幅の狭い細帯状
受光領域を真中にして、その両側に偶数個のサイド受光
領域を対称的に配置し、各受光領域から独立に受光信号
を出力するもの」を用いることができる(請求項2
1)。
【0052】上記「偶数個のサイド受光領域」は、受光
素子全体として偶数個という意味である。従って、細帯
状受光領域の両側に各1個ずつのサイド受光領域を設
け、全体として3つの受光領域を持つ受光素子を用いる
ことができる。サイド受光領域の形状は、帯状とするこ
ともできるし、半円形状や半楕円形状、さらには台形形
状等とすることもできる。
【0053】上記請求項21記載のフォーカスエラー信
号生成装置において「第1および第2の受光素子の、各
細帯状受光領域からの受光信号の差としてフォーカスエ
ラー信号を生成する演算」と、「(第1の受光素子の細
幅状受光領域からの受光信号と、第2の受光素子の偶数
個のサイド受光領域からの受光信号の和)を第1和、
(第2の受光素子の細幅状受光領域からの受光信号と、
第1の受光素子の偶数個のサイド受光領域からの受光信
号の和)を第2和として、第1和と第2和との差として
フォーカスエラー信号を生成する演算」とを切り換え可
能とすることができる(請求項22)。
【0054】請求項21または22記載のフォーカスエ
ラー信号生成装置においては、第1および第2の受光素
子における「各受光領域間を分離する分割線」を、互い
に平行で、且つ、光情報記録媒体におけるトラック方向
と直交的に対応させることが好ましい(請求項23)。
【0055】請求項21または22または23記載のフ
ォーカスエラー信号生成装置が「半導体レーザを光源と
する光ピックアップ装置」に用いられる場合、「光源に
おける波長変動により、回折素子で分離された各1次回
折光の移動する方向」が、第1および第2の受光素子に
おける「各受光領域間を分離する分割線の方向」となる
ように、回折素子を形成することができる(請求項2
4)。
【0056】上記請求項18〜24の任意の1に記載の
フォーカスエラー信号生成装置はまた「半導体レーザを
光源とする光ピックアップ装置」に用いられる場合、波
長変動量検出手段と、補正手段とを有することができる
(請求項25)。
【0057】「波長変動量検出手段」は、光源の波長変
動量を検出する手段である。
【0058】「補正手段」は、波長変動量検出手段によ
り検出された波長変動量に基づき、波長変動量に伴なう
フォーカスエラー信号の変動を補正する手段である。
【0059】この請求項25記載のフォーカスエラー信
号生成装置においては「光源における波長変動により、
回折素子により分離された各1次回折光の移動する方向
において、第1および第2の受光素子の受光領域を分割
し、適正波長のときに各1次回折光の中心(前記入射ス
ポットの中心)が、対応する受光素子の上記分割部に入
射するようにし、第1および第2の受光素子の上記分割
線に関する各同じ側の出力信号和の差により、波長変動
量を演算する波長変動量演算手段を有する」構成とする
ことができる(請求項26)。この場合、第1および第
2の受光素子と、波長変動量演算手段とが「波長変動量
検出手段」を構成する。
【0060】上記請求項18〜26の任意の1に記載の
フォーカスエラー信号生成装置においては「第1および
第2の受光素子を同一基板により一体化し、フォーカス
エラー信号を演算する演算手段を同一基板に内蔵する」
ことができ(請求項27)、この場合、第1および第2
の受光素子として上記「請求項26記載のもの」を用
い、その波長変動量演算手段を「第1および第2の受光
素子を一体化した同一基板」に、フォーカスエラー信号
を演算する演算手段とともに内蔵することができる(請
求項28)。
【0061】この発明の光ピックアップ装置は「光情報
記録媒体に対して、情報の記録・再生・消去の1以上を
行い、光情報記録媒体の記録面により反射された戻り光
束を回折素子により互いに回折角の異なる2光束に分離
し、分離した光束の一方を集束途上の状態で第1の受光
素子により受光し、分離した光束の他方を集束後の発散
状態で第2の受光素子により受光し、第1及び第2の受
光素子の出力に基づきフォーカスエラー信号を発生させ
る方式の光ピックアップ装置」である。
【0062】請求項29記載の光ピックアップ装置は
「フォーカスエラー信号生成装置として、請求項18〜
28の任意の1に記載のものを用いる」ことを特徴とす
る。
【0063】この場合、光源として半導体レーザを用
い、請求項24または25または26または27または
28記載のフォーカスエラー信号生成装置を用いること
ができる(請求項30)。また、請求項29または30
記載の光ピックアップ装置は「光源側からの光束を発散
状態で対物レンズに入射させ、対物レンズにより光情報
記録媒体の記録面上に集光し、戻り光束が対物レンズに
より集束状態とされて回折素子に入射する」ように構成
することもできるし(請求項31)、「光源からの光束
をコリメートレンズにより平行光束化して対物レンズに
入射させ、戻り光束が少なくとも対物レンズを介して回
折素子に入射する」ように構成することもできる(請求
項32)。
【0064】上記請求項29〜32の任意の1に記載の
光ピックアップ装置において、回折素子を「光源と対物
レンズとの間に配置する」ことができる(請求項3
3)。また、請求項29〜33の任意の1に記載の光ピ
ックアップ装置において、第1および第2の受光素子の
他に「回折素子により回折される+1次光以外の戻り光
束成分を受光するための1以上の受光素子」を設けても
良い(請求項34)。
【0065】この発明の光情報処理装置は「光ディスク
として形成された光情報記録媒体に対し、情報の記録・
再生・消去の1以上を行う光情報処理装置」であって、
保持部と、駆動手段と、光ピックアップ装置と、変位駆
動手段とを有する(請求項35)。
【0066】「保持部」は、光ディスクをセットされて
保持する。「駆動手段」は、保持部にセットされた光デ
ィスクを回転駆動する。「光ピックアップ装置」は、セ
ットされた光ディスクに対し、情報の記録・再生・消去
の1以上を行うものであり、上記請求項29〜34の任
意の1に記載のものが用いられる。
【0067】「変位駆動手段」は、光ピックアップ装置
を光ディスクの半径方向へ変位駆動する手段である。回
折素子の使用は、光ピックアップ装置の「小型化・薄型
化・低コスト化」に有利であり、この発明により、良好
なフォーカスエラー信号を生成できる光ピックアップ装
置を、小型・薄型化してコンパクトに、且つ低価格で実
現することが可能になる。
【0068】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態を説明す
る。
【0069】図1(a)は、光ピックアップ装置の実施
の1形態を要部のみ略示している。繁雑を避けるため、
混同の虞がないとおもわれるものについては、図13に
おけると同一の符号を付した。
【0070】図1(a)において、光源としての半導体
レーザ1から放射された光束は、発散しつつ回折素子1
2を透過して対物レンズ7に入射する。対物レンズ7は
入射光束を集束性の光束に変換する。この集束性の光束
は光情報記録媒体8の透明基板を透過して記録面8A上
に光スポットとして結像する。この光スポットにより光
情報記録媒体8に対して「情報の記録・再生・消去の1
以上」が行われる。なお、光情報記録媒体8は、この実
施の形態において「光ディスク」である。
【0071】記録面8Aにより反射された光束は「戻り
光束」となり、対物レンズ7を透過すると集束性の光束
となって集束途上において回折素子12に入射する。回
折素子12は、図1(b)に示すような構成となってい
る。
【0072】図1(b)において、符号12a、12b
は「互いに回折角の異なる2種の回折エレメントをそれ
ぞれ細部に分けた各細部」を示している。細部12aは
一方の回折エレメントの細部で、この「一方の回折エレ
メント」は戻り光束を回折させて1次回折光33を生じ
させるような回折光学素子である。また、細部12bは
他方の回折エレメントの細部で、この「他方の回折エレ
メント」は戻り光束を回折させて1次回折光34を生じ
させるような回折光学素子である。
【0073】これら2種の回折エレメントの細部12
a、12bは、互いに規則的な配置で稠密に組み合わせ
られ、全体として単体化されている。そして図1(b)
に示すように、全体としての回折領域は戻り光束20に
対して十分に広く、戻り光束が変動しても、戻り光束の
入射位置の変動範囲をカバーする広さを持つ。
【0074】各細部12a、12bは、互いに回折角の
異なる2つの1次回折光33、34の光量が実質的に等
しくなるように組み合わせられている(請求項1)。
【0075】回折素子12における2種の回折エレメン
トの細部同士は、規則的な配置で稠密に組み合わせられ
(請求項2)ているが、2種の回折エレメントの細部1
2a、12bは「略同形の短冊形状」で、短冊の幅方向
に交互に配置されている(請求項3)。
【0076】従って、図1(b)に示すように、戻り光
束20が回折素子12に入射すると、入射した戻り光束
20がカバーする範囲内にある「細部12aの集合」に
より1次回折光33が発生し、入射光束20がカバーす
る範囲内にある「細部12bの集合」により1次回折光
34が発生する。
【0077】細部12aに係る回折エレメントと、細部
12bに係る回折エレメントは共に「レンズ作用」を有
し(請求項12)、かつ、2つの回折エレメントのレン
ズ作用が互いに異なる(請求項13)。即ち「細部12
aに係る回折エレメント」は正のパワーのレンズ作用を
有し、1次回折光33の集束性を、回折素子12に入射
してくる戻り光束の集束状態より更に強める。
【0078】他方、細部12bに係る回折エレメントは
負のパワーのレンズ作用を有し、1次回折光34の集束
性を、入射してくる戻り光束の集束性よりも弱める。こ
のようにして、1次回折光33、34には「互いに異な
る集束性」が付与され、1次回折光33は回折素子12
に近い側で、1次回折光34は回折素子12から遠い側
でそれぞれ集束する。
【0079】受光素子43は1次回折光33を受光す
る。1次回折光33は「一旦集束した後の発散状態」で
受光素子43に入射する。受光素子44は1次回折光3
4を受光する。1次回折光34は「集束途上」で受光素
子44に入射する。
【0080】図1(d)は、受光素子43、44にそれ
ぞれ1次回折光33、34が入射している状態を示す。
この図の状態は「光スポットが記録面8Aに合焦してい
る状態」であり、受光素子43、44が受光している1
次回折光33、34の入射スポット(受光している光束
形状)は互いに大きさが等しくなっている。
【0081】図13に即して説明したのと同様、受光素
子43、44に入射する1次回折光33、34の入射ス
ポットは、デフォーカスにより、記録面が対物レンズに
近いと、図1(e)上図のように「1次回折光33の入
射スポットの径が小さく、1次回折光34の入射スポッ
トの径が大きく」なる。逆に、対物レンズが記録面から
遠ざかると、同図下図のように「1次回折光33の入射
スポットの径が大きく、1次回折光34の入射スポット
の径が小さく」なる。
【0082】受光素子43は、合焦状態において受光す
る1次回折光33の光束径(上記入射スポットの径)よ
りも幅の狭い細帯状受光領域43bを真中に、その両側
に偶数個のサイド受光領域43a、43cを対称的に配
置し、各受光領域43a、43b、43cから独立に受
光信号を出力するものである。
【0083】受光素子44は、合焦状態において受光す
る1次回折光34の光束径(上記入射スポットの径)よ
りも幅の狭い細帯状受光領域44bを真中に、その両側
に偶数個のサイド受光領域44a、44cを対称的に配
置し、各受光領域44a、44b、44cから独立に受
光信号を出力するものである(請求項21)。
【0084】なお、図1(d)において符号43P、4
4Pは「受光素子43、44における各受光領域を分離
する分割線」を示している。図12に即した説明と同
様、受光領域43a、43b、43c、44a、44
b、44cから出力される受光信号をそれぞれ、S43
a、S43b、S43c、S44a、S44b、S44
cとすると、フォーカスエラー信号:FESを、FES=
(S43a+S43c+S44b)−(S44a+S44
c+S43b)なる演算により生成できる。
【0085】従って、上記各受光領域からの出力を「加
算回路と減算回路」とからなる演算手段に入力させて、
上記の演算を実行すればフォーカスエラー信号を生成す
ることができる。
【0086】即ち、図1に実施の形態を示した光ピック
アップ装置は、光情報記録媒体8に対して情報の記録・
再生・消去の1以上を行う光ピックアップ装置であるが
「フォーカスエラー信号を生成する装置」が、光情報記
録媒体8の記録面8Aにより反射された戻り光束を、回
折により互いに回折角の異なる2光束に分離する回折素
子12と、この回折素子による回折で分離した光束の一
方を集束途上の状態で受光する第1の受光素子44と、
回折により分離した光束の他方を集束後の発散状態で受
光する第2の受光素子43と、第1および第2の受光素
子の出力に基づきフォーカスエラー信号を演算する演算
手段(図示されず)とを有し、回折素子12は請求項1
に記載のものである(請求項18)。
【0087】回折素子12は各回折エレメントのレンズ
作用が異なり(請求項13)、回折素子12により分離
した2光束の集束位置が異なるので、第1及び第2の受
光素子44、43は略同一面に配備され、2光束の各集
束位置の間に配置され、回折素子12の回折により分離
した一方の光束が集束途上で第1の受光素子44に入射
し、他方の光束が集束後の発散状態で第2の受光素子4
3に入射する(請求項19)。
【0088】図1(e)を見れば分かる様に、対物レン
ズが記録面に近づくと「細帯状受光領域43bの受光量
が増大する一方、細帯状受光領域44bの受光量が減
少」し、対物レンズが記録面から遠ざかると「細帯状受
光領域43bの受光量が減少する一方、細帯状受光領域
44bの受光量が増大」するから、この点に着目すれば
フォーカスエラー信号:FESを演算: FES=S43b−S44b により生成することもできる。
【0089】但し、感度(S字カーブの傾き)の点から
すれば、先の演算; FES=(S43a+S43c+S44b)−(S44a+S
44c+S43b) の方が感度は良い。
【0090】図2に上記演算を行う演算手段を3例示
す。
【0091】図2(a)は前記演算: FES=(S43a+S43c+S44b)−(S44a+S
44c+S43b) を実行する演算手段であり、受光領域43a、43cの
出力を加算器91で加算し、その出力と受光領域44b
の出力を加算器92で加算する。また、受光領域44
a、44cの出力を加算器93で加算し、その出力と受
光領域43bの出力を加算器94で加算する。そして、
加算器92、94の出力を減算器95により減算してフ
ォーカスエラー信号:FESとして出力する。
【0092】図2(b)は前記演算: FES=S43b−S44b を実行する演算手段であり、受光領域43b、44bの
出力を減算器96により減算してフォーカスエラー信
号:FESとして出力する。
【0093】図2(c)は上の2つの演算結果を切り換
え可能とした演算手段である。
【0094】即ち、図2(c)の演算手段では、第1お
よび第2の受光素子44、43の、各細帯状受光領域4
4b、43bからの受光信号の差としてフォーカスエラ
ー信号を生成する演算(減算器96で行う)と、第1の
受光素子44の細幅状受光領域44bからの受光信号
と、第2の受光素子43の偶数個のサイド受光領域43
a、43cからの受光信号の和(加算器91、92で行
う)を第1和、第2の受光素子43の細幅状受光領域4
3bからの受光信号と、第1の受光素子44の偶数個の
サイド受光領域44a、44cからの受光信号の和(加
算器93、94で行う)を第2和として、第1和と第2
和との差としてフォーカスエラー信号を生成する演算
(減算器95で行う)とがスイッチSwにより「切り換
え可能」である(請求項22)。
【0095】図2(a)の演算手段で得られるフォーカ
スエラー信号はS字カーブ直線部の「傾きがきつい(感
度が高い)」のに対し、図7(b)の演算手段で得られる
フォーカスエラー信号はS字カーブの直線部の傾斜が緩
い(感度が低い)。
【0096】図2(c)の演算手段のように、上記2つ
の演算の結果を切り換え可能とすることにより、光情報
記録媒体8の種類(CD、CD−R、DVD等)や、光
ピックアップ装置の記録再生速度などに好適な感度のフ
ォーカシング制御を選択することが可能となる。
【0097】この場合、各受光素子の受光領域の分割数
を5つ以上にすることで、中央の受光領域の幅を段階的
に可変にすることが可能となり、分割数に応じたわずか
な演算回路の追加のみで、フォーカス感度選択の幅を広
げることが可能となる。
【0098】ここで、回折素子につき、図3を参照して
説明する。図3(a)において、符号200A、200
Bはそれぞれ「回折エレメント」を示す。回折エレメン
ト200A、200Bはそれぞれが独自の回折特性(回
折角・レンズ機能)を有する。
【0099】図3(b)は、これら回折エレメント20
0A、200Bをそれぞれ「同一形状の短冊状の細部」
に分けた状態を示している。分けられた細部に符号を振
り、回折エレメント200Aの各細部を、図の如くA
1,A2,A3,...Ai,..とし、回折エレメン
ト200Bの各細部をB1,B2,B3,...B
j,..とする。
【0100】図3(c)は回折素子200を示してい
る。回折素子200は、回折エレメント200Aを分割
した細部A1,A2,A3,...Ai,..から偶数
番目の細部A2,A4,A6,...を抜き出し、回折
エレメント200Bからは奇数番目の細部B1,B3,
B5,..を抜き出し、これらを短冊状の細部の幅方向
に交互に稠密に組み合わせて一体化して構成されてい
る。
【0101】即ち、回折素子200は、互いに回折角の
異なる2種の回折エレメント200A、200Bを、そ
れぞれ細部A1,A2,A3,..,B1,B2,B
3,..に分け、2種の回折エレメントの細部同士を規
則的な配置で稠密に組み合わせ、全体として単体化した
ものである(請求項1、2)。
【0102】また2種の回折エレメントの細部A2,A
4,..,B1,B3,..が、略同形の短冊形状であ
り、各回折エレメントの短冊形状の細部が短冊幅方向に
交互に配置されている(請求項3)。図1(b)に示す
回折素子12は図2(c)に示す型の回折素子である。
【0103】ここで付言すると、図3(a)〜(c)は
「回折素子200の構造」を説明したものであり、実際
に回折格子200を製造するのに、上に説明したような
方法が取られるわけではない。実際には、回折エレメン
ト200A、200Bに求められる回折特性を特定した
後、回折エレメントの設計を行う。続いて、細部をどの
ように組み合わせるかの組み合わせのパターンを確定す
る。
【0104】この段階で図3(c)に示す回折素子20
0における細部A2,A4,..,B1,B3,..の
組み合わせパターンが決定される。このように決定され
たパターンに基づき、フォトリソグラフィとエッチング
とにより所望の回折素子を作製するのである。回折素子
200における細部A2,B1等の幅は10〜30μm
程度、好適には20μm程度である。
【0105】先に説明したように、トラッキング制御に
伴ない対物レンズが変位すると、戻り光束もそれと共に
変動し、回折素子への戻り光束の入射位置も変動する。
従って、回折素子の「全体としての回折領域」は戻り光
束の入射位置の変動範囲をカバーする広さを持たねばな
らない。また、上記各細部の組み合わせは「互いに回折
角の異なる2つの1次回折光の光量が実質的に等しくな
る」ように行われる。このことは、戻り光束が回折素子
に入射するとき、入射光束断面内に各回折エレメントの
細部が実質的に同数含まれることを意味し、このような
条件が満足されるならば、2種の回折エレメントの「細
部の組合せ」は、規則的でなくランダムであってもよ
い。
【0106】また、互いに組み合わせる「回折エレメン
トの細部の形状」は短冊形状には限らない。例えば、図
1(c)に示す回折素子120では、2種の回折エレメ
ントの細部120a、120bが「略同形状の矩形形
状」で、各回折エレメントの矩形形状の細部は(市松模
様のように)「矩形の各幅方向に交互に配置」されてい
る(請求項8)。
【0107】図1(b)の「短冊型の細部12a、12
bを組合せた回折素子」や、(c)の「市松模様状に細
部120a、120bを組合せた回折素子」は、組み合
わせられる細部同士が互いに平行な分割線で分割されて
おり、曲線部がなく平行な直線のみで細部の分割が可能
であり、回折素子を簡便に低コストで作成することが可
能である。
【0108】また回折素子の分割線部分における回折は
不安定でフレア光や迷光の原因になりやすいため、「反
射光20に掛かる分割線の割合」は少ない方が望まし
い。
【0109】図1の実施の形態において、回折素子12
を構成する2種の回折エレメントは回折角が異なるのみ
ならず、その有するレンズ機能が異なり、このため1次
回折光33の集束性が強められ、1次回折光34の集束
性が弱められている。
【0110】回折素子にはしかし、必ずしもレンズ機能
は要求されない。即ち、回折素子はレンズ機能を持たな
くても良い。例えば、図3(c)に示す回折素子200
がレンズ機能を持たなくても、図3(d)のように、集
束状態にある戻り光束20を入射させれば、1次回折光
210、220は、それ自身の集束性で集束するので、
受光素子43、44を図の如く配置すれば、受光素子4
4は1次回折光220を集束途上で受光し、受光素子4
3は1次回折光210を一旦集束した後の発散状態で受
光することができる。
【0111】従って、図1の実施の形態と同様にしてフ
ォーカスエラー信号を生成することができる。レンズ機
能のない回折エレメントは単なる回折格子であるから、
製造も容易で低コストに実現できる。
【0112】回折素子を構成する一方の回折エレメント
を構成する細部を「同一の回折パラメータ」で形成し、
他方の回折エレメントを構成する細部も「同一の回折パ
ラメータ」で形成し、これら回折パラメータを2つの回
折エレメントで互いに異なるようにすることができる
(請求項9)。
【0113】このようにすると、回折素子の設計は「2
種の回折エレメントの回折パラメータのみ」を設計すれ
ばよく、この2つの回折パラメータに基づいた回折パタ
ーンを、必要とする複数の細部に分割して配置すれば所
望の回折素子が得られる。
【0114】これとは逆に、一方の回折エレメントを構
成する細部を「位置に応じた回折パラメータ」で形成
し、他方の回折エレメントを構成する細部を「位置に応
じた回折パラメータ」で形成することもできる(請求項
10)。
【0115】この場合には、回折素子の設計を複数の領
域に分割された各細部毎に行うことになるが、各細部毎
に異なる回折パラメータを設定できるため「戻り光束を
集束させる場合の光学的収差補正」が容易になり、かつ
回折素子設計の自由度が著しく増大する。また、このよ
うに回折素子の設計を複数の領域に分割された各細部毎
に行うと、図3(e)に示す実施の形態のように、各回
折エレメントによる1次回折光が、回折素子への戻り光
束の入射位置(実線・破線・鎖線)にかかわらず、各回
折エレメントごとに所定の位置において重なり合うよう
に、各回折エレメントを構成する各細部A2,A
4,...、B1,B3,..,の回折パラメータを設
定することができる(請求項11)。
【0116】図1の実施の形態において、光源である半
導体レーザ1からの光束は回折素子12を透過して対物
レンズ7に入射する。即ち、光源側から対物レンズ7へ
入射するのは回折素子12を透過する0次光であり、対
物レンズ7の側へ向かって回折素子12を透過する際、
回折される光は無駄になってしまう。
【0117】図1の回折素子12として「互いに偏光方
向が直交する直線偏向光束の一方を透過させ、他方に対
して回折作用を及ぼす偏光ホログラム回折素子」を用い
ると(請求項14)、半導体レーザから放射される光を
光情報記録媒体に最大限に照射することができる。ま
た、回折素子における各回折エレメントの細部を「+1
次回折光の回折効率を最も高くするようにブレーズ化」
する(請求項15)と、受光素子43、44の受光量を
有効に大きくでき、1次回折光の検出精度が向上し、フ
ォーカスエラー信号の信頼性を高めることができる。
【0118】ここで再び、図1に示した実施の形態の説
明に戻る。図4(a)は、トラッキング動作により対物
レンズ7が「トラック方向に直交する方向」に移動(シ
フト)するのに伴ない、回折素子12上での戻り光束2
0が移動する様子を示している。破線は戻り光束の正規
の入射位置であり、実線はトラッキングに起因して変位
した入射位置を示している。
【0119】回折素子12を構成する2種の回折エレメ
ントの細部12a、12bは細かいので、戻り光束20
の光束断面内には「細部12aと細部12bが略同数存
在」し、戻り光束20の入射位置が変動しても、細部1
2aと12bに入射する戻り光束の光量は略同じ比率に
なる。
【0120】従って、受光素子43、44上での1次回
折光33、34の光量も略同一となり、図1(d)の
「受光形態」をほぼ維持する。このため、トラッキング
制御に伴い対物レンズ7が移動しても、フォーカスエラ
ー信号に劣化やオフセットが生じない。図1のピックア
ップ装置で、対物レンズ7を移動させた場合のフォーカ
スエラー特性(S字カーブ)を図4(b)に示す。
【0121】比較を容易にするため、図4(b)でも、
対物レンズの移動量を「図15と同一」にしてある。図
4(b)を図15と比較すれば直ちに明らかなように、
図4(b)では、対物レンズがシフトした場合でもS字
カーブにほとんど変化がなく「劣化やオフセットのない
安定したフォーカスエラー特性」が得られている。
【0122】図4(c)左図はトラッキング制御に伴う
対物レンズ7の移動(光情報記録媒体8におけるトラッ
ク方向に直交する方向に生じる)により、受光素子43
に入射する1次回折光33の移動を示している。また、
右図はトラッキング制御に伴う対物レンズ7の移動によ
り、受光素子44に入射する1次回折光34の移動を示
している。
【0123】図示のように、トラッキングに共ない、1
次回折光33、34はトラック方向に直交する方向に
(互いに逆向きに)変位する。図4(d)に、受光素子
43をもって例示するように、受光素子43、44は共
に、各受光領域間を分離する分割線43P、44Pが互
いに平行で、且つ、光情報記録媒体8におけるトラック
方向と直交的に対応する(請求項23)ので、トラッキ
ング制御に伴ない1次回折光33、34の入射位置が受
光素子43、44に対して移動しても、移動の方向が分
割線43P、44Pの方向に平行であるので、受光素子
43、44による1次回折光33、34の検出に影響を
与えない。
【0124】この場合、図3(e)で説明した「請求項
11記載の回折素子」を用いれば、各回折エレメントご
との1次回折光の、受光素子への入射位置が実質的に変
動しないので、この場合は、各受光素子の受光領域間を
分離する分割線の方向を、光情報記録媒体8のトラック
方向と直交的に対応させる必要は必ずしもない。
【0125】図5(a)は、図1(b)に示した回折素
子12と光情報記録媒体8におけるトラック方向との関
係を示している。即ち、図1の実施の形態において、回
折素子12における短冊状の細部12a、12bの長手
方向は、トラック方向と直交する方向になっている。
【0126】このため、トラッキング制御に伴ない対物
レンズが変位すると、戻り光束20の入射位置は、回折
素子12上で「短冊の幅方向」に変位する。この変位量
をXとする。回折素子12上における戻り光束20が
「正規の位置(破線の位置)」にあるとき、戻り光束2
0の光束径内に含まれる短冊型の細部の数(細部12a
の数と細部12bの数の和)を「分割数」と呼ぶことに
すると、細部12aに入射する戻り光束の光量と、細部
12bに入射する戻り光束の光量との変動量の比(変動
比という)は、上記変位量:Xにより変化する。
【0127】「変動比」は、以下のように定義される。
一方の1次回折光につき、その強度を考え、2つの1次
回折光が等しいときの回折光量を「Sx」とする。そし
て、この1次回折光につき、戻り光束20が変位量:X
だけ変位したときの光量を「S0」とする。
【0128】このとき、変動比:|Δs|は、 |Δs|=(Sx−S0)/S0 で定義される。Δsは、一方の1次回折光と他方の1次
回折光とで対称的に発生するから、一方の1次回折光に
つき変動比を見れば十分である。変動比の「変位量:
X」に対する変化を、分割数をパラメータとして描いて
みると図5(b)の如きものとなる。
【0129】図5(b)において2分割とあるのは、図
13に即して説明した場合である。図4(a)に示す場
合は「8分割」である。図5(b)において「前」とあ
るのは、1次回折光が「受光素子前で集光」する場合を
意味している。
【0130】図示のように「変動比」は、分割数を多く
するに従い小さくなるが、分割数を無限にしない限り0
にはならない。しかし分割数を大きくすることには、回
折素子の製造の困難性やコストの面から自ずと限界があ
る。分割数を徒に増大させることなく変動比を小さくす
るには、細部を短冊形状とした回折素子12において
「短冊形状の細部の長手方向」に、光情報記録媒体にお
けるトラック方向に対して傾き角:θを持たせればよい
(請求項4)。
【0131】図6(a)はこの場合の実施の1形態を示
している。図示のように回折素子12に傾き角:θを持
たせると、戻り光束20の「回折素子12上におけるト
ラッキング制御に伴なう変位量:X」は短冊型の細部1
2a、12bの配列方向に対しては「X・cosθ」に
減少する。従って、傾き角:θを持たせることにより、
変動比の変数となる変位量:Xを実質的に減少させるこ
とにより、上記変動比の最大値を「cosθ倍」に減少
させることができる。
【0132】この点のみを考えると、傾き角:θを90
度に設定すれば、変動比が分割数に関わりなく0になる
ので、このようにするのが良いように考えられるが、傾
き角:θを90度に設定することには以下の如き問題が
ある。
【0133】回折素子12は、略同形状の短冊型の細部
12aと12bを交互に配列しているので、受光素子4
3、44が受光する1次回折光33、34の入射スポッ
トは、図1(d)等に示したように「短冊形の光束断面
が纏まったもの」となり、光束断面は断続している。
【0134】このため、傾き角:θを90度に設定する
と、受光素子43、44上における1次回折光33、3
4の入射スポットと分割線44P等との関係が、図6
(b)に示す如きものとなる。
【0135】このような状態で、入射スポットの径が変
化して、光束スポットの不連続部分が分割線43p、4
4pにかかると、その間「光束径の変化を検出できない
無反応部分」が生じることになり、受光素子43、44
の検出信号の変化が階段状になり、フォーカスエラー信
号も階段的なものとなってS字カーブの直線部分のリニ
アリティが損なわれる。
【0136】このような状況を避けるには、図6(c)
に示すように、傾き角:θを略45度に設定するのが良
い(請求項5)。
【0137】傾き角:θを略45°にすることで、各1
次回折光のスポットは、その不連続部分が分割線43
P、44Pに対し略45度に傾くので、スポットの不連
続部分が全て分割線に掛かることがなく、入射スポット
の径を検出できない無反応部分がなくなる。また変位量
も、傾き角:θ=の場合に比してcosθ倍、即ち0.
707倍に小さくなる。
【0138】ここで再び図5(b)に戻ると、4分割以
上の分割数では変動比に最大値が存在する。この最大値
を最大変動比:Δsmaxと呼ぶと、最大変動比は分割
数をnとして図5(c)の如き曲線となる。
【0139】この曲線は「Δsmax=2.7・
-1.4」という式で近似できる。ここで「回折素子への
戻り光束の入射位置の変動に起因する2つの1次回折光
の最大光量変動:ΔSmax」を、上記最大変動比:Δ
smaxとcosθの積により、次式で定義する。
【0140】ΔSmax=Δsmax×cosθ 2種の回折エレメントによる各1次回折光の光量変動の
許容度をLとすると、許容度:Lは、フォーカスエラー
信号生成装置、引いては光ピックアップ装置の設計の条
件として定まる。
【0141】そこで、傾き角:θが0である場合や、θ
=略45度に設定された場合であれば、回折素子12に
対する設計の自由度は各短冊状の細部12a、12bの
幅になるので、この幅を上記最大光量変動:ΔSmax
が条件: L>ΔSmax を満足するように設定すればよい(請求項6)。
【0142】また、上記以外の場合であれば、最大光量
変動:ΔSmaxが条件:L>ΔSmaxを満足するよ
うに、各短冊状の細部12a、12bの「幅と傾き角:
θ」とを設定すれば良い(請求項7)。
【0143】なお、図1(c)に示した回折素子120
のように、2種の回折エレメントの細部120a、12
0bを市松模様のように組合せた場合には、トラッキン
グ制御に伴ない戻り光束の入射位置が回折素子上で変動
しても、各1次回折光の光量には殆ど変動が生じない。
また、回折素子の傾き角:θの変化による光量変動も殆
どないため、傾き角:θを考慮する必要がない。
【0144】上に説明した実施の各形態では光源として
半導体レーザ1が用いられている。周知の如く、半導体
レーザの発光波長は温度等の環境の変化により変化す
る。一方、回折素子による回折角は入射光の波長に依存
する。
【0145】図7(a)に示すように、回折素子13に
光束14が垂直に入射したとき、回折光15の回折角:
θRは次のように表せる。
【0146】sinθR=m・λ/p ここでmは「回折次数」、pは回折素子の「格子ピッ
チ」である。即ち、波長λが短く(長く)なると、回折
角:θRは小さく(大きく)なる。
【0147】従って、上に説明した実施の各形態の場合
で言えば、半導体レーザ1の発光波長が変動すると、受
光素子43、44に入射する1次回折光33、34の入
射位置も受光素子上で移動する。このような波長変動に
伴なう受光素子への入射位置の変動は請求項11記載の
回折素子を用いても避けることができない。
【0148】この場合、図7(b)に受光素子43によ
り例示するように、受光素子43、44の受光領域の分
割線43P、44Pが「光源における波長変動により、
回折素子で分離された各光束の移動する方向となるよう
に回折素子を形成する(請求項24)なり、各受光素子
の配置態位を調整するなりすれば、光源における波長変
動が「受光素子での光検出」に与える影響を軽減もしく
は防止できる。
【0149】回折素子がレンズ作用を持たないような場
合には、各受光素子の受光する1次回折光のスポットは
波長変動により入射位置を変位させるだけであり、この
ような場合には、上記の如く受光素子の分割線の方向を
1次回折光の「波長変動による移動方向」に平行にする
のみで良いが、上に説明した実施の形態で用いられてい
る回折素子12は、これを構成する細部12A、12B
にレンズ作用があり、しかもレンズ作用が互いに異なっ
ているため、光源における波長変動は、受光素子43、
44に入射する1次回折光の入射位置のみならず、その
スポット径も変動させてしまう。
【0150】図8(a)は、光源の波長が変化したとき
の受光素子43、44上における1次回折光33、34
の入射スポットの形状変化を模式的に示す。図8(a)
真中図は、所定波長即ち設計上の波長であるときの合焦
状態を示している。このとき、受光素子43、44に入
射する1次回折光33、34の入射スポットの径は互い
に等しい。
【0151】光源での発光波長が所定波長より長く(短
く)なると、次光素子43、44上の1次回折光33、
34のスポット形状は「合焦状態」においても、図8
(a)上図(下図)のようになる。従って、波長の変動
が生じると、実際には合焦状態にあっても「デフォーカ
スを表すフォーカスエラー信号」が発生してしまう。光
源における発光波長の変動が、フォーカスエラー信号の
S字カーブに与える影響を図8(b)に示す。
【0152】光源における発光波長が変動すると、S字
カーブの形状に大きな変化はないが、S字カーブが全体
として横軸(デフォーカス)方向に移動し、オフセット
が生じることがわかる。
【0153】このような波長変動の影響を補正するに
は、図8(c)に示す実施の形態のように、光源の波長
変動を検出する波長変動検出手段81により光源におけ
る波長の変動量(波長変動量検出信号)を検出し、フォ
ーカスエラー信号生成装置80により生成されるフォー
カスエラー原信号を、補正手段であるフォーカスオフセ
ット補正回路82により補正するようにすれば良い(請
求項25)。
【0154】上述の如く、波長変動はS字カーブの形状
には殆ど影響せず、波長変動に伴うオフセットは波長の
変動量に比例的であるので、フォーカスオフセットの補
正は、検出される波長変動量に応じてフォーカスエラー
信号の原点を補正するのみで足りる。
【0155】また、波長変動量検出手段は例えば「半導
体レーザの後方射出光をグレーティングで回折させ、回
折光をラインセンサや位置センサで検出する構成のも
の」として容易に実現できる。
【0156】図9は、第1および第2の受光素子を工夫
することにより、これら受光素子の出力により波長変動
量を検出できるようにした実施の形態を示している。
【0157】即ち、受光素子45、46は上に説明した
各実施の形態における受光素子43、44の代わりに用
いられる。これら受光素子45、46は、光源における
波長変動により、回折素子により分離された各1次回折
光の移動する方向(図9の左右方向)において、第1お
よび第2の受光素子46、45の受光領域を(分割線4
6p、45pで)A、B、C、Dに分割したものであ
る。
【0158】図の如く、適正波長のときに各1次回折光
34、33の中心が、対応する受光素子46、45の分
割部46p、45pに入射するようにし、第1及び第2
の受光素子46、45の分割線46p、45pに関する
各同じ側(AとC、BとD)の出力信号和の差により、
波長変動量を(図示されない「波長変動量演算手段」に
より)演算する(請求項26)。
【0159】波長変動検出信号Δλは演算: Δλ=(SA+SC)−(SB+SD) により得ることができる。ここに、SA、SB、SC、
SDは、受光素子45および46の各受光領域45a、
45b、45c、45d、45e、45fおよび46
a、46b、46c、46d、46e、46fからの出
力信号をそれぞれ、S45a、S45b、S45c、S
45d、S45e、S45fおよびS46a、S46
b、S46c、S46d、S46e、S46fとすると
き、以下のように与えられる。
【0160】 SA=S45a+S45b+S45c、 SB=S45d+S45e+S45f、 SC=S46a+S46b+S46c、 SD=S46d+S46e+S46f この関係を見れば、波長変動量演算手段をどのように構
成すべきかは自明であろう。このようにして得られる
「波長変動量検出信号(波長変動量)」を用いて、波長
変動に起因するフォーカスエラー信号のオフセットを電
気的に補正することができる。
【0161】なお、対物レンズの移動によっても受光素
子上のスポットは移動するが、この場合の回折光スポッ
トの移動方向は、図4(c)に示したように、2つの受
光素子上で「互いに変位の向きが逆」であるので、上の
演算式:Δλ=(A+C)−(B+D)においては第1
項と第2項で互いに相殺する関係にある。従って、対物
レンズの移動による「Δλ検出」への影響は少ない。
【0162】上に説明した実施の各形態においては、回
折素子による+1次回折光のみを受光してフォーカスエ
ラー信号を検出している。受光素子43、44等の出力
は、情報再生信号の一部として利用できる。回折素子で
は、通常は+1次回折光だけでなく高次回折光やマイナ
ス次数の回折光も同時に発生している。そこで、図10
の実施の形態では、回折素子12によるマイナス次数の
回折光35を受光素子25で受光し、その出力を再生信
号の一部として利用できるようにした(請求項35)。
このように構成することにより、光情報記録媒体8から
の戻り光束の光利用効率を向上させ、より「S/N比の
良」い情報再生信号を得ることが可能となる。
【0163】上に説明した実施の形態の光ピックアップ
装置は、光源側からの光束が発散状態で対物レンズ7に
入射し、対物レンズ7により光情報記録媒体8の記録面
8A上に集光され、戻り光束が、対物レンズ7により集
束状態とされて回折素子に入射する(請求項32)構成
となっている。
【0164】しかし、この発明の光ピックアップ装置の
構成はこのような構成のみに限られるものではなく、図
11に実施の形態を示す光ピックアップ装置のように、
光源1からの光束が、コリメートレンズ2により平行光
束化されて対物レンズ7に入射し、戻り光束が、少なく
とも対物レンズ7を介して回折素子12に入射するよう
な構成(請求項33)とすることもできる。図1以下に
即して説明した実施の各形態は、何れも図11のような
光学配置に対して適用できるものである。即ち、回折素
子やフォーカスエラー信号生成装置は、図1等の実施の
形態において説明したものを適宜、図11の光ピックア
ップ装置に用いることができる。
【0165】図1や図10、図11の光ピックアップ装
置では、回折素子は「光源と対物レンズとの間」に配置
されている(請求項34)。しかし、例えば、図11の
ようにコリメートレンズを用いる場合、コリメートレン
ズ2と対物レンズ7との間にビームスプリッタを配置し
て戻り光束を「光源から対物レンズへ向かう光路」から
分離し、分離された戻り光束をレンズ機能を持つ回折素
子へ導くように構成してもよい。
【0166】上に説明した実施の各形態において、回折
素子による1次回折光を受光する第1及び第2の受光素
子は、図には「互いに別体のもの」として描いたが、こ
れら第1及び第2の受光素子を互いに一体化することも
できる(請求項20)。
【0167】特に、図1、図10、図11に示す光ピッ
クアップ装置では、受光素子43、44は略同一面に配
置されるので、これらを同一基板により一体化すること
は容易であり、その際、フォーカスエラー信号を演算す
る演算手段を上記同一基板に内蔵することにより(請求
項27)光ピックアップ装置をよりコンパクト化でき
る。更には、第1および第2の受光素子が、図9に示す
如きものである場合、前述の波長変動量演算手段をも、
第1および第2の受光素子46、45を一体化した同一
基板に、フォーカスエラー信号を演算する演算手段とと
もに内蔵することができる(請求項28)。
【0168】上に説明した各実施の形態の光ピックアッ
プ装置には、上述の如く、請求項1〜15に記載された
フォーカスエラー信号生成装置が適宜に用いられてい
る。
【0169】従って、これら光ピックアップ装置は、光
情報記録媒体8に対して情報の記録・再生・消去の1以
上を行う光ピックアップ装置であって、フォーカスエラ
ー信号を生成する方法として、光情報記録媒体8の記録
面8Aにより反射された戻り光束を回折素子12により
互いに回折角の異なる2光束に分離し、分離した光束の
一方を集束途上の状態で第1の受光素子44(46)に
より受光し、分離した光束の他方を集束後の発散状態で
第2の受光素子43(45)により受光し、第1及び第
2の受光素子44(46)、43(45)の出力に基づ
きフォーカスエラー信号を発生させるフォーカス誤差生
成方法が実施され(請求項16)、また、戻り光束20
は集束途上において回折素子12に入射する(請求項1
7)。
【0170】上に実施の形態を説明した光ピックアップ
装置はまた、光情報記録媒体8に対して情報の記録・再
生・消去の1以上を行い、光情報記録媒体8の記録面8
Aにより反射された戻り光束を回折素子12等により互
いに回折角の異なる2光束に分離し、分離した光束の一
方を集束途上の状態で第1の受光素子44等により受光
し、分離した光束の他方を集束後の発散状態で第2の受
光素子43等により受光し、第1及び第2の受光素子の
出力に基づきフォーカスエラー信号を発生させる方式の
光ピックアップ装置であって、フォーカスエラー信号生
成装置として請求項18〜28に記載された適宜のもの
が用いられ(請求項29)、図7〜図9に即して説明し
た実施の形態では、光源が半導体レーザで、請求項24
または25または26または27または28記載のフォ
ーカスエラー信号生成装置が適宜に用いられる(請求項
30)。
【0171】図12は、この発明の光情報記録処理装置
の実施の1形態を示す図である。
【0172】光情報処理装置は、光ディスクとして形成
された光情報記録媒体8に対し情報の記録・再生・消去
の1以上を行う装置であって、光ディスク8をセットさ
れる保持部121と、保持部121にセットされた光デ
ィスク8を回転駆動する駆動手段トしてのモータMと、
セットされた光ディスク8に対し、情報の記録・再生・
消去の1以上を行う光ピックアップ装置PUと、この光
ピックアップ装置PUを光ディスク8の半径方向へ変位
駆動する変位駆動手段122とを有する。
【0173】光ピックアップ装置PUとしては上に各種
の実施の形態を説明した請求項29〜34の任意の1に
記載のものが用いられる。「制御手段」は、光情報処理
装置の各部を制御する。
【0174】
【発明の効果】以上に説明したようにこの発明によれ
ば、新規な光ピックアップ装置用の回折素子・フォーカ
スエラー信号生成方法および装置・光ピックアップ装置
・光情報処理装置を実現できる。
【0175】この発明の光ピックアップ装置用の回折素
子は上記の如き構成となっており、トラッキング制御に
より対物レンズが変位し、戻り光束の回折素子への入射
位置が変動しても、回折素子で発生する2つの1次回折
光の光量が大きく変動しないため、良好なフォーカスエ
ラー信号を生成することが可能となる。
【0176】また、この発明のフォーカスエラー信号生
成方法および装置は上記回折素子を用いることにより、
対物レンズの変位あるいは更に光源の発光波長変動に起
因するフォーカスエラー信号のオフセットを有効に軽減
もしくは補正して良好なフォーカスエラー信号を生成で
きる。
【0177】従って、このようなフォーカスエラー信号
生成装置を用いる光ピックアップ装置は、良好なフォー
カスエラー信号により、適正なフォーカシング制御を実
現でき、かかる光ピックアップ装置を用いる光情報処理
装置では、良好な光情報処理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の光ピックアップ装置の実施の1形態
を説明するための図である。
【図2】図1の実施の形態におけるフォーカスエラー信
号を演算する演算手段を3例示す図である。
【図3】この発明の回折素子を説明するための図であ
る。
【図4】トラッキング制御に伴なう、対物レンズの変位
の影響を説明するための図である。
【図5】トラッキング制御に伴なう、対物レンズの変位
の影響を説明するための図である。
【図6】回折素子の傾き角を説明するための図である。
【図7】光源における発光波長の変化の影響を説明する
ための図である。
【図8】光源における発光波長の変化の影響とその補正
を説明するための図である。
【図9】光源における発光波長の変化を検出できるよう
にした受光素子を説明するための図である。
【図10】戻り光束の光利用効率を高める構成とした光
ピックアップ装置の実施の1形態を示す図である。
【図11】光ピックアップ装置の実施の別形態を説明す
るための図である。
【図12】光情報処理装置の実施の1形態を示す図であ
る。
【図13】従来、実施を意図されている光ピックアップ
装置を説明するための図である。
【図14】図13の光ピックアップ装置における問題点
を説明するための図である。
【図15】図13の光ピックアップ装置における問題点
を説明するための図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザ(光源) 7 対物レンズ 8 光情報記録媒体 8A 記録面 12 回折素子 34、35 1次回折光 43、44 受光素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 AA04 AA14 AA26 AA50 AA57 AA63 AA66 CA15 CA20 5D118 AA18 BA01 BB02 BF02 BF03 CD02 CD03 CF04 CG02 DA20 DC03 5D119 AA04 AA29 BA01 CA09 DA01 DA05 EA02 EA03 JA15 JA43 KA02 KA18 LB07

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光情報記録媒体に対して、情報の記録・再
    生・消去の1以上を行い、上記光情報記録媒体の記録面
    により反射された戻り光束を回折素子により互いに回折
    角の異なる2光束に分離し、分離した光束の一方を、集
    束途上の状態で第1の受光素子により受光し、上記分離
    した光束の他方を、集束後の発散状態で第2の受光素子
    により受光し、上記第1及び第2の受光素子の出力に基
    づきフォーカスエラー信号を発生させる方式の光ピック
    アップ装置において、戻り光束を互いに回折角の異なる
    2光束に分離するための回折素子であって、 互いに回折角の異なる2種の回折エレメントをそれぞれ
    細部に分け、上記2種の回折エレメントの細部同士を規
    則的もしくはランダムな配置で稠密に組み合わせ、全体
    として単体化してなり、 全体としての回折領域が、戻り光束の入射位置の変動範
    囲をカバーする広さを持ち、互いに回折角の異なる2つ
    の1次回折光の光量が実質的に等しくなるように、上記
    各細部が組み合わせられていることを特徴とする光ピク
    アップ装置用の回折素子。
  2. 【請求項2】請求項1記載の光ピックアップ装置用の回
    折素子において、 2種の回折エレメントの細部同士が、規則的な配置で稠
    密に組み合わせられたことを特徴とする光ピックアップ
    装置用の回折素子。
  3. 【請求項3】請求項2記載の光ピックアップ装置用の回
    折素子において、 2種の回折エレメントの細部が略同形の短冊形状であ
    り、各回折エレメントの短冊形状の細部が、短冊の幅方
    向へ交互に配置されていることを特徴とする、光ピック
    アップ装置用の回折素子。
  4. 【請求項4】請求項3記載の光ピックアップ装置用の回
    折素子において、 短冊形状の細部の長手方向が、光情報記録媒体における
    トラック方向に対して傾き角:θを持っていることを特
    徴とする光ピックアップ装置用の回折素子。
  5. 【請求項5】請求項4記載の光ピックアップ装置用の回
    折素子において、 傾き角:θが略45度であることを特徴とする光ピック
    アップ装置用の回折素子。
  6. 【請求項6】請求項3または5記載の光ピックアップ装
    置用の回折素子において、 2種の回折エレメントによる各1次回折光の光量変動の
    許容度をLとするとき、回折素子への戻り光束の入射位
    置の変動に起因する2つの1次回折光の最大光量変動:
    ΔSmaxが条件: L>ΔSmax を満足するように各短冊状の細部の幅が設定されたこと
    を特徴とする光ピックアップ装置用の回折素子。
  7. 【請求項7】請求項4記載の光ピックアップ装置用の回
    折素子において、 2種の回折エレメントによる各1次回折光の光量変動の
    許容度をLとするとき、回折素子への戻り光束の入射位
    置の変動に起因する2つの1次回折光の最大光量変動:
    ΔSmaxが条件: L>ΔSmax を満足するように各短冊状の細部の幅と傾き角:θとが
    設定されたことを特徴とする光ピックアップ装置用の回
    折素子。
  8. 【請求項8】請求項2記載の光ピックアップ装置用の回
    折格子において、 2種の回折エレメントの細部が略同形状の矩形形状であ
    り、各回折エレメントの矩形形状の細部が、矩形の各幅
    方向に交互に配置されていることを特徴とする光ピック
    アップ装置用の回折素子。
  9. 【請求項9】請求項1〜8の任意の1に記載の光ピック
    アップ装置用の回折素子において、 一方の回折エレメントを構成する細部が同一の回折パラ
    メータで形成され、 他方の回折エレメントを構成する細部が同一の回折パラ
    メータで形成され、 上記回折パラメータは、2つの回折エレメントで互いに
    異なることを特徴とする光ピックアップ装置用の回折素
    子。
  10. 【請求項10】請求項1〜8の任意の1に記載の光ピッ
    クアップ装置用の回折素子において、 一方の回折エレメントを構成する細部が、位置に応じた
    回折パラメータで形成され、 他方の回折エレメントを構成する細部が、位置に応じた
    回折パラメータで形成されていることを特徴とする光ピ
    ックアップ装置用の回折素子。
  11. 【請求項11】請求項10記載の光ピックアップ装置用
    の回折素子において、 各細部による1次回折光が、回折素子への戻り光束の入
    射位置に拘わらず、各回折エレメントごとに所定の位置
    において重なり合うように、各回折エレメントを構成す
    る各細部の回折パラメータが設定されていることを特徴
    とする光ピックアップ装置用の回折素子。
  12. 【請求項12】請求項1〜11の任意の1に記載の光ピ
    ックアップ用の回折素子において、 2つの回折エレメントが共にレンズ作用を有することを
    特徴とする光ピックアップ装置用の回折素子。
  13. 【請求項13】請求項12記載の光ピックアップ装置用
    の回折素子において、 2つの回折エレメントのレンズ作用が互いに異なること
    を特徴とする光ピックアップ装置の回折素子。
  14. 【請求項14】請求項1〜13の任意の1に記載の、光
    ピックアップ装置用の回折素子において、 互いに偏光方向が直交する直線偏向光束の一方を透過さ
    せ、他方に対して回折作用を及ぼす偏光ホログラム回折
    素子であることを特徴とする光ピックアップ装置用の回
    折素子。
  15. 【請求項15】請求項1〜14の任意の1に記載の、光
    ピックアップ装置用の回折格子において、 各回折エレメントの細部が、+1次回折光の回折効率を
    最も高くするようにブレーズ化されていることを特徴と
    する光ピックアップ装置用の回折素子。
  16. 【請求項16】光情報記録媒体に対して、情報の記録・
    再生・消去の1以上を行う光ピックアップ装置におい
    て、フォーカスエラー信号を生成する方法であって、 光情報記録媒体の記録面により反射された戻り光束を回
    折素子により互いに回折角の異なる2光束に分離し、分
    離した光束の一方を集束途上の状態で第1の受光素子に
    より受光し、上記分離した光束の他方を集束後の発散状
    態で第2の受光素子により受光し、上記第1及び第2の
    受光素子の出力に基づきフォーカスエラー信号を発生さ
    せ、 上記戻り光束を互いに回折角の異なる2光束に分離する
    ための回折素子として、請求項1〜15の任意の1に記
    載のものを用いることを特徴とするフォーカスエラー信
    号生成方法。
  17. 【請求項17】請求項16記載のフォーカスエラー信号
    生成方法において、 戻り光束が、集束途上において回折素子に入射すること
    を特徴とするフォーカスエラー信号生成方法。
  18. 【請求項18】光情報記録媒体に対して、情報の記録・
    再生・消去の1以上を行う光ピックアップ装置におい
    て、フォーカスエラー信号を生成する装置であって、 光情報記録媒体の記録面により反射された戻り光束を、
    回折により互いに回折角の異なる2光束に分離する回折
    素子と、 この回折素子による回折で分離した光束の一方を、集束
    途上の状態で受光する第1の受光素子と、 上記回折で分離した光束の他方を、集束後の発散状態で
    受光する第2の受光素子と、 上記第1および第2の受光素子の出力に基づきフォーカ
    スエラー信号を演算する演算手段とを有し、 上記回折素子として、請求項1〜15の任意の1に記載
    のものが用いられることを特徴とするフォーカスエラー
    信号生成装置。
  19. 【請求項19】請求項18記載のフォーカスエラー信号
    生成装置において、 回折素子として請求項13記載のものを用いることによ
    り、回折素子により分離した2光束の集束位置を異なら
    せ、 略同一面に配備された第1および第2の受光素子を、上
    記2光束の各集束位置の間に配備することにより、 回折素子の回折により分離した一方の光束が集束途上で
    上記第1の受光素子に入射し、他方の光束が集束後の発
    散状態で上記第2の受光素子に入射するようにしたこと
    を特徴とするフォーカスエラー信号生成装置。
  20. 【請求項20】請求項19記載のフォーカスエラー信号
    生成装置において、 第1および第2の受光素子が一体化されていることを特
    徴とするフォーカスエラー信号生成装置。
  21. 【請求項21】請求項18〜20の任意の1に記載の、
    フォーカスエラー信号生成装置において、 第1および第2の受光素子が、合焦状態において受光す
    る光束の径よりも幅の狭い細帯状受光領域を真中にし
    て、その両側に偶数個のサイド受光領域が対称的に配置
    され、各受光領域から独立に受光信号を出力するもので
    あることを特徴とするフォーカスエラー信号生成装置。
  22. 【請求項22】請求項21記載のフォーカスエラー信号
    生成装置において、 第1および第2の受光素子の、各細帯状受光領域からの
    受光信号の差としてフォーカスエラー信号を生成する演
    算と、 第1の受光素子の細幅状受光領域からの受光信号と、第
    2の受光素子の偶数個のサイド受光領域からの受光信号
    の和を第1和、第2の受光素子の細幅状受光領域からの
    受光信号と、第1の受光素子の偶数個のサイド受光領域
    からの受光信号の和を第2和として、上記第1和と第2
    和との差としてフォーカスエラー信号を生成する演算と
    を、切り換え可能としたことを特徴とするフォーカスエ
    ラー信号生成装置。
  23. 【請求項23】請求項21または22記載のフォーカス
    エラー信号生成装置において、 第1および第2の受光素子における、各受光領域間を分
    離する分割線が互いに平行で、且つ、光情報記録媒体に
    おけるトラック方向と直交的に対応することを特徴とす
    るフォーカスエラー信号生成装置。
  24. 【請求項24】請求項21または22または23記載
    の、フォーカスエラー信号生成装置において、 半導体レーザを光源とする光ピックアップ装置に用いら
    れ、 光源における波長変動により、回折素子で分離された各
    1次回折光の移動する方向が、第1および第2の受光素
    子における各受光領域間を分離する分割線の方向となる
    ように、上記回折素子が形成されていることを特徴とす
    るフォーカスエラー信号生成装置。
  25. 【請求項25】請求項18〜24の任意の1に記載の、
    フォーカスエラー信号生成装置において、 半導体レーザを光源とする光ピックアップ装置に用いら
    れ、 光源の波長変動量を検出する波長変動検出手段と、 この波長変動量検出手段により検出された波長変動量に
    基づき、上記波長変動量に伴なうフォーカスエラー信号
    の変動を補正する補正手段を有することを特徴とするフ
    ォーカスエラー信号生成装置。
  26. 【請求項26】請求項25記載のフォーカスエラー信号
    生成装置において、 光源における波長変動により、回折素子により分離され
    た各1次回折光の移動する方向において、第1および第
    2の受光素子の受光領域を分割し、 適正波長のときに各1次回折光の中心が、対応する受光
    素子の上記分割部に入射するようにし、上記第1および
    第2の受光素子の、上記分割線に関する各同じ側の出力
    信号和の差により、波長変動量を演算する波長変動量演
    算手段を有することを特徴とするフォーカスエラー信号
    生成装置。
  27. 【請求項27】請求項18〜26の任意の1に記載の、
    フォーカスエラー信号生成装置において、 第1および第2の受光素子を同一基板により一体化し、
    フォーカスエラー信号を演算する演算手段が、上記同一
    基板に内蔵されたことを特徴とするフォーカスエラー信
    号生成装置。
  28. 【請求項28】請求項27記載のフォーカスエラー信号
    生成装置において、 第1および第2の受光素子が請求項26記載のものであ
    り、請求項26記載の波長変動量演算手段を有し、この
    波長変動量演算手段が、上記第1および第2の受光素子
    を一体化した同一基板に、フォーカスエラー信号を演算
    する演算手段とともに内蔵されていることを特徴とする
    フォーカスエラー信号生成装置。
  29. 【請求項29】光情報記録媒体に対して、情報の記録・
    再生・消去の1以上を行い、上記光情報記録媒体の記録
    面により反射された戻り光束を回折素子により互いに回
    折角の異なる2光束に分離し、分離した光束の一方を集
    束途上の状態で第1の受光素子により受光し、上記分離
    した光束の他方を集束後の発散状態で第2の受光素子に
    より受光し、上記第1及び第2の受光素子の出力に基づ
    きフォーカスエラー信号を発生させる方式の光ピックア
    ップ装置において、 フォーカスエラー信号生成装置として、請求項18〜2
    8の任意の1に記載のものを用いることを特徴とする光
    ピックアップ装置。
  30. 【請求項30】請求項29記載の光ピックアップ装置に
    おいて、 光源が半導体レーザであって、請求項24または25ま
    たは26または27または28記載のフォーカスエラー
    信号生成装置を有することを特徴とする光ピックアップ
    装置。
  31. 【請求項31】請求項29または30記載の光ピックア
    ップ装置において、 光源側からの光束が発散状態で対物レンズに入射し、上
    記対物レンズにより光情報記録媒体の記録面上に集光さ
    れ、戻り光束が、上記対物レンズにより集束状態とされ
    て回折素子に入射することを特徴とする光ピックアップ
    装置。
  32. 【請求項32】請求項29または30記載の光ピックア
    ップ装置において、 光源からの光束がコリメートレンズにより平行光束化さ
    れて対物レンズに入射し、戻り光束が、少なくとも上記
    対物レンズを介して回折素子に入射することを特徴とす
    る光ピックアップ装置。
  33. 【請求項33】請求項29〜32の任意の1に記載の光
    ピックアップ装置において、 回折素子が、光源と対物レンズとの間に配置されること
    を特徴とする光ピックアップ装置。
  34. 【請求項34】請求項29〜33の任意の1に記載の光
    ピックアップ装置において、 第1および第2の受光素子の他に、回折素子により回折
    される+1次光以外の戻り光束成分を受光するための1
    以上の受光素子を有することを特徴とする光ピックアッ
    プ装置。
  35. 【請求項35】光ディスクとして形成された光情報記録
    媒体に対し、情報の記録・再生・消去の1以上を行う光
    情報処理装置であって、 上記光ディスクをセットされる保持部と、 この保持部にセットされた光ディスクを回転駆動する駆
    動手段と、 上記セットされた光ディスクに対し、情報の記録・再生
    ・消去の1以上を行う光ピックアップ装置と、 この光ピックアップ装置を光ディスクの半径方向へ変位
    駆動する変位駆動手段とを有し、 光ピックアップ装置として、請求項29〜34の任意の
    1に記載のものを用いることを特徴とする光情報処理装
    置。
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