JP2000020999A - 収差検出装置及びこれを用いた光学ヘッド - Google Patents

収差検出装置及びこれを用いた光学ヘッド

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JP2000020999A
JP2000020999A JP10199544A JP19954498A JP2000020999A JP 2000020999 A JP2000020999 A JP 2000020999A JP 10199544 A JP10199544 A JP 10199544A JP 19954498 A JP19954498 A JP 19954498A JP 2000020999 A JP2000020999 A JP 2000020999A
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light
light beam
wavefront
diffraction
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Hiroshi Shimura
啓 志村
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】構成簡単で様々な収差を検出することが可能な
収差検出装置及びこれを用いた収差補正可能な光学ヘッ
ドを提供する。 【解決手段】収差検出対象の光ビーム210を素子22
9に通して少なくとも2つの光ビーム259a、259
bに振幅分割し、これらを互いに空間的にずらせて重ね
合わせ、その光強度の分布から波面収差を検出する波面
収差検出装置において、素子229の厚みや傾きの設定
で、分割した光ビーム259a、259bの波面の位相
差を概略(n+1/2)π(ただし、nは整数)として
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、収差検出装置およ
びこれを用いた光学ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスク装置の光学系には、光源から
出た光を集光し、ディスクの情報記録面上に回折限界の
光スポットを作ることが要求される。この要求を満たす
ためには、光学ヘッドを構成する個々の光学素子の面精
度と取り付け精度とを十分高くするとともに光ディスク
の面精度、厚さの精度、取り付け精度も十分に高くし
て、集光される光の波面収差を十分に小さくすることが
必要である。
【0003】しかし、ディスクの製造コストを抑えるた
めには、ディスクの厚さのばらつきをあまり小さくはで
きない。さらに、ディスクを回転させると、ディスクの
ゆがみや回転に伴う面ぶれ、焦点追従のための対物レン
ズの動き等の要因により、対物レンズの光軸に対してデ
ィスクが傾く場合も生じる。このような要因によって、
ディスクの情報記録面に集光されるビームに波面収差が
生じ、データの記録特性あるいは再生特性が劣化してし
まうことがあった。
【0004】そこで、波面収差のうちのディスクの傾き
による成分を低減することが試みられている。すなわ
ち、ディスクの傾きや対物レンズの傾きを検出し、検出
結果に基づいて対物レンズや補正レンズの傾きを変えて
収差を補正する方法(特開平3−137831号公報,
応用物理学会講演予稿集No.3,p.1062 ,1063)や、
同じ検出結果に基づいて液晶パネルで光の位相を変調し
て波面収差を直接補正する方法(Technical digest of
ISOM/ODS ' 96,p.351-353)が提案されている。ま
た、ディスクの傾きや対物レンズの傾きを検出する代わ
りに、ディスクの情報記録面で反射されて光学ヘッド内
に戻ってきた光を用いて収差量に応じて増減する信号を
検出する方法(特開平9−35319号公報)も提案さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の波面収差補正の
ための収差検出方法では、ディスクの厚み誤差等によっ
て生じる球面収差や、素子の取り付け誤差等に起因する
コマ収差や、非点収差を検出することができなかった。
また、対物レンズ周辺などの光学ヘッドの外側にセンサ
を配置する方法では、光学ヘッドの小型化が難しかっ
た。
【0006】また、ディスクの情報記録面で反射されて
光学ヘッド内に戻ってきた光を用いて収差量に対応する
信号を検出する方法は、光学ヘッドの設計自由度も高く
小型化に適している。しかし、簡単な構成で十分な検出
特性を持ったものは実現されていない。
【0007】そこで本発明は、小型化が可能で、しかも
様々な収差を検出できる収差検出装置及びこれを用いて
波面収差を補正できる光学ヘッドを提供することを目的
としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る収差検出装置では、収差測定対象の光
ビームを少なくとも2つの光ビームに振幅分割し、それ
らを互いに空間的にずらせて重ね合わせる際に、分割し
た2つの光ビームの波面の位相差を概略(n+1/2)
π(ただし、nは整数)としている。
【0009】上記のように位相差を設定すると、収差に
よって波面が相対的に進んでいる領域と遅れている領域
とが、重ね合わされた光の強め合う領域と弱め合う領域
とに対応するようになる。その結果、2個あるいは高々
10個程度の受光領域を持つ比較的安価な光検出器を用
いて、複雑な収差を正確に検出することが可能になる。
【0010】なお、本発明に係る収差検出装置では、収
差測定対象の光ビームのずらし方の1つの方法として、
その光ビームのほぼ中心を通る平面を挟んでその右側と
左側とで、光ビームをずらす方向を逆向きにする方法を
用いる。右側と左側でずらす方向を逆向きにすると、そ
の光ビームの波面に左右反対称な収差成分(例えば、コ
マ収差)が生じた場合に、右側で光が強め合う場合には
左側では弱め合うようになる。したがって、左右の各々
の領域に対応した2個の受光領域を持つ光検出器を用い
て光電変換し、差信号をとることで、この収差の検出が
可能になる。光ディスクの光学ヘッドに適用する場合に
は、光源から対物レンズの直前までの光学系で生じたコ
マ収差を検出することが可能になる。
【0011】また、本発明に係る収差検出装置では、収
差測定対象の光ビームのずらし方の別の方法として、概
略円形の光ビームを半径方向にずらす方法を用いる。左
右で逆にずらす方法と同様の原理で、その光ビームの波
面が中心に対して反対称になるような収差成分(例え
ば、方向の異なるコマ収差)を検出することが可能にな
る。4個以上の受光領域が光ビームの中心を囲むように
配置された光検出器を用いることで、方向が互いに異な
る2種類のコマ収差をそれぞれ検出することが可能にな
る。
【0012】また、本発明に係る収差検出装置では、収
差測定対象の光ビームを振幅分割し、ずらせて重ね合わ
せる光学素子として、平板、あるいは反射膜や吸収膜等
の光学膜厚をつけた平板、あるいはそれらを山形に組ん
だもの、あるいは回折格子を2枚組み合わせたものを用
いる。いずれも平板状もしくはそれに近い小型の素子な
ので、組み込みスペースが小さくて済み、小型の検出系
を実現することが可能になる。また、素子が簡素な構成
となるため、振動に強く安定な波面分割光学系を低コス
トで実現することが可能になる。
【0013】また、本発明に係る光学ヘッドでは、上述
した小型で高性能の収差検出装置を組み込み、この装置
で検出される収差検出信号を基に収差補正素子を用いて
収差補正を行なうようにしている。したがって、小型
で、集光特性がよく、光学素子の取り付け誤差等に対す
るマージンの大きい光学ヘッドを実現することが可能に
なる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら発明の
実施形態を説明する。
【0015】図1には本発明の第1の実施形態に係る収
差検出装置の概略構成が示されていす。なお、この図は
収差検出系に概略円形の収差測定対象の光ビーム210
が入射した場合の様子を模式的に示している。
【0016】図中の円210は入射光ビームの広がり
を、また直線230は入射光ビーム中の代表的な光線を
表している。収差検出系は、平行平板229と、受光領
域が2つに分割された光検出器290と、この光検出器
290の2つの受光領域からの信号の差信号を作る演算
回路293とからなる。
【0017】この収差検出系に入射した光ビーム210
は、平行平板229の表面と裏面での反射によって2つ
のビーム259aと259bに分割される。光ビーム2
59aと259bは、平行平板229を透過してきた光
線249aと平行平板229内で2回反射して出てきた
光線249bとにそれぞれ対応する。
【0018】この2つの光ビーム259a、259b
は、平行平板229を出た段階で、互いに空間的にずら
して重ね合わされた状態となる。この光を受光領域が2
分割された光検出器290で光電変換し、2つの受光領
域290Lと290Rからの出力を演算回路293に入
力し、それらの差信号を得る。
【0019】この例では、平行平板229で収差測定対
象の光ビーム210を分割し、ずらせて重ね合わせると
きの設定が重要なポイントとなる。
【0020】すなわち、図2には、この例に係る収差検
出装置における光ビームの重ね合わせ方の一例が示され
ている。この図は、平行平板229を出た後の光ビーム
の波面の断面図である。図中のx軸とz軸はそれぞれ図
1のx軸とz軸に対応している。図中の実線および破線
は波面を表す。細い実線110は光ビーム259bの波
の山を、細い破線120は、同じビームの波の谷を表
し、太い実線130は光ビーム259aの波の山を表
す。
【0021】この例では、2つの光ビーム259aと2
59bの位相差が(n+1/2)π(ただし、nは整
数)、すなわち光の波長をλとしたときの光路差が(n
+1/2)λ/2となるように、平行平板229の厚さ
とz軸に対する傾きを設定している。この図は、n=0
の場合の例を示した。また、2つのビームが空間的にx
方向にずれて重なるようにしている。
【0022】こうすると、図のように波面の歪みがxz
面内でz軸に対して対称であるような収差を検出するこ
とが可能になる。具体的には、球面収差とx軸方向の非
点収差を検出することが可能になる。収差が無く波面が
平面の場合には、xが正の領域も負の領域も2つのビー
ムの重なりに違いは無いので、それぞれの領域に対応す
る光検出器290の受光領域290Rと290Lから同
じレベルの信号が出力され、端子295で得られる差信
号は零となる。
【0023】図のように波面の歪みが下に凸の場合に
は、図中のxが正の領域では、波面の山130が波面の
山110に接近するので2つの光は強め合い、xが負の
領域では、波面の山130が波面の谷120に接近する
ので2つの光は弱め合う。したがって、この場合には、
光検出器290の受光領域290Rからの信号のレベル
が受光領域290Lからの信号より大きくなり、端子2
95には正の信号が得られる。一方、波面の歪みが上に
凸の場合には、同様の原理で負の信号が得られる。これ
らの信号のレベルは、収差の大きさに応じて増減するた
め、この信号から収差量を知ることが可能になる。
【0024】図3には光ビーム分割系の変形例が示され
ている。
【0025】この例では、図1に示される平行平板22
9の代わりに2枚の回折型素子275aと275bを用
いる。回折型素子275aと275bは、図を簡略化す
るために断面図のみ示されているが、実際には図示した
断面形状が図の奥行き方向に続いた形状を持つものとす
る。
【0026】図中の円210は入射光ビームの広がり
を、直線230は入射光ビーム中の代表的な光線を表し
ている。回折型素子275a、275bに入射した光ビ
ーム210は光線230に沿って進み、回折型素子27
5aの回折格子と回折型素子275bの回折格子とでそ
れぞれ回折され、2本の光ビーム251aと251bに
分割される。
【0027】光線243aと243bは、これらの2本
の光ビームの代表的光線で、光線243aは回折型素子
275aの回折格子で+1次の回折を受け、回折型素子
275bの回折格子で−1次の回折を受けた光線を、光
線243bは回折型素子275aの回折格子で−1次の
回折を受け、回折型素子275bの回折格子で+1次の
回折を受けた光線を、それぞれ表している。また、これ
らの光線に直交する細い実線は、光の波面を表してい
る。
【0028】ここでは、回折格子として、+1次と−1
次の回折光の回折効率が高いものを用いる例を示してい
る。このような回折格子は、図示したような2値の位相
格子で比較的簡単に実現することができる。回折格子の
パターンは、周期Λとし、回折型素子275aに刻まれ
た回折格子と回折型素子275aに刻まれた回折格子の
空間的位相すなわち周期を持った格子パターンの位置関
係がx方向に(n+1/2)Λ/4(nは整数)ずれる
ように設定される。このようにすると、光ビーム251
aと251bの波面の位相を(n+1/2)π(nは整
数)、すなわち光の波長をλとしたときの光路差を(n
+1/2)λ/2とすることができる。図には、n=0
の場合の例が示されている。
【0029】この変形例のように回折型の素子を用いる
と以下のようなメリットがある。回折素子は、平板状の
素子で実現できるので、傾きをつけた平行平板と比べて
より狭いスペースに設置できる。したがって、これを用
いることで、光学系の小型化が可能になる。また、回折
素子は、設計の自由度が高いので、収差検出特性の改善
や収差検出機能と焦点誤差検出機能を合わせもった素子
等の多機能の素子を実現することも可能である。したが
って、部品点数を削減できるなどの効果もある。
【0030】図4には本発明の第2の実施形態に係る収
差検出装置の概略構成が示されている。
【0031】この例が図1に示す例と異なる点は、光ビ
ームを分割して重ね合わせる素子にある。すなわち、こ
の例では、2枚の平行平板を山形に組み合わせた素子2
20を用いている。
【0032】光ビーム210をずらせて重ね合わせると
きの設定は、図1に示した例と同様である。具体的に
は、左右それぞれの領域で2つの光ビーム250aと2
50b、260aと260bの位相差が(n+1/2)
π(nは整数)、すなわち光路差が(n+1/2)λ/
2となるように組み合わせる2枚の平行平板の厚さとz
軸に対する傾きを決める。
【0033】この例では、波面の歪みが図中のy軸に対
して反対称であるような収差を検出することが可能にな
る。山形の素子220を用いることで、収差検出系に入
射した光ビーム210が素子220の表面と裏面での反
射によって2つのビームに分割されるときに、分割され
たビームのずれる向きが図の右側と左側で逆向きになる
からである。
【0034】検出の原理を光ビームの重ね方を示す図5
を用いて説明する。
【0035】この図の細い実線110は光ビーム250
aと260aの波の山を、細い破線120は同じビーム
の波の谷を表し、太い実線130は光ビーム250bと
260bの波の山を表す。山形の素子220の効果で、
右側では素子220を透過した光ビーム260aに対し
て素子220内で反射して出てきたビーム260bは右
側にずれるが、左側では素子220を透過した光ビーム
250aに対して素子220内で反射して出てきたビー
ム250bは左側にずれる。そこで、光ビーム250b
と260bの波の山を表す太い実線130は中心で切れ
た形となる。
【0036】収差が無く波面が平面の場合には、xが正
の領域も負の領域も2つのビームの重なりに違いは無い
ので、それぞれの領域に対応する光検出器290の受光
領域290Rと290Lからは同じレベルの信号が出力
され、端子295に得られる差信号は零となる。図のよ
うに波面の歪みが右下がりの場合には、図中のxが正の
領域では波面の山130が波面の谷120に接近するの
で2つの光は弱めあい、xが負の領域では波面の山13
0が波面の山110に接近するので2つの光は強めあ
う。したがって、この場合には、光検出器の受光領域2
90Rからの信号のレベルが受光領域290Lからの信
号より小さくなり、端子295には負の信号が得られ
る。一方、波面の歪みが右上がりの場合には、同様の原
理で正の信号が得られる。これらの信号のレベルは、収
差の大ききさに応じて増減するため、この信号から収差
量を知ることが可能になる。
【0037】図4に示される収差検出系で検出される信
号を計算機シミュレーションで求めた結果を図6に示
す。
【0038】この図6は、検出系に入射する光ビーム2
10にコマ収差があった場合の検出特性で、横軸はコマ
収差の収差係数を、縦軸は検出される信号の信号レベル
を表す。収差量にほぼ比例した信号が得られることがわ
かる。
【0039】図7には素子220と置き代え可能な光ビ
ーム分割素子の変形例が示されている。
【0040】この例では、光ビーム210を分割し、ず
らせて重ね合わせる素子として山形の素子を裏返して使
用している。この変形例では、素子225を透過した光
ビーム255aと265aが外側に、素子225内部で
反射して出てきた光ビーム255bと265bが内側と
なり、ビームの位置関係が変わるだけである。したがっ
て、図4の例と同様の収差検出特性が得られる。
【0041】図8には光ビーム分割素子のさらに別の例
が示されている。
【0042】すなわち、図8(a)に示す例ではブレー
ズ化した2枚の回折素子270a,270bを用いてお
り、図8(b)に示す例では表と裏のそれぞれにブレー
ズ化した回折格子を持つ1枚の素子280を用いてい
る。
【0043】回折格子としては、0次光とその他にもう
1つの回折光だけが回折効率の高いものが望ましい。以
下では、0次光と1次回折光の回折効率が高い場合を例
としてその作用を説明する。
【0044】収差検出系に入射した光ビーム210は、
光線230に沿って進み、第1の回折素子270aの回
折格子あるいは回折素子280の第1面に加工された回
折格子に入射する。入射光線は、回折格子で回折を受
け、0次光と1次光に分離される。分離された2つの光
線は、次に第2の回折素子270bの回折格子あるいは
回折素子280の第2面に加工された回折格子に入射す
る。ここで、更にそれぞれが回折を受け、2つの光線に
分離される。
【0045】合わせて4本の光線に分離されるが、図に
はこのうちの収差検出に関与する2本だけが示されてい
る。実線の光線247aは2回とも0次光であった成分
を示し、破線の光線247bは2回とも1次光であった
成分を示している。これらの2成分は、回折素子270
bあるいは回折素子280を出た後は、元の入射光21
0と平行で、位置のずれた光線となり、後方に設けられ
た光検出器に入射する。
【0046】回折格子の溝の間隔と2枚の回折素子27
0aと270bの間隔あるいは回折素子280の厚さと
を2つの光線247aと247bとにそれぞれ対応する
2つの光ビーム257aと257bとの位相差が(n+
1/2)π(nは整数)、すなわち光路差が(n+1/
2)λ/2となるように決めることで、図4に示す例と
同様の収差検出特性を実現することが可能になる。
【0047】なお、図示してない残りの2本の光線は、
1回目の回折で1次光、2回目の回折で0次光であった
成分と、1回目の回折で0次光、2回目の回折で1次光
であった成分とである。これらの成分は共に光軸に対し
て傾いた成分となり、光検出器面上に達しても細かい縞
を作るだけで受光領域内の光強度を積分して得られる検
出信号にはほとんど影響を与えない。
【0048】図8に示す例では、ブレーズ化した回折格
子を用いることによって、2次以上の回折次数の光を用
いることが可能になる。そこで、回折格子のパターンの
周期を粗くすることが可能になり、簡単な切削加工によ
って素子を製作することが可能になるというメリットが
ある。また、2つの回折格子を1枚の素子の表と裏に設
けた素子280では、2つの回折格子の位置合わせを素
子を作る段階で済ませることかができ、その後の位置ず
れの可能性も無くなるので、より安定な系を構成するこ
とが可能になる。
【0049】図9には本発明の第3の実施形態に係る収
差検出装置の概略構成が示されている。
【0050】この例では、光ビームをずらす方向を概略
円形の光ビーム210の半径方向とし、光検出器295
に受光領域が4分割された素子を用いている。4つの受
光領域のうち互いに向かい合う2領域の信号の差をとる
ことで、図4に示す施例と同様の原理で、波面の歪みが
y軸に対して反対称な収差とx軸に対して反対称な収差
とをそれぞれ検出することが可能になる。
【0051】図には、半径方向のビームのずらしを実現
するための素子285として円形あるいは楕円形の溝を
表と裏の両面に持つ回折素子を用いる例が示されている
が、この素子は円錐素子の内側を円錐にくりぬいたバル
クの素子であっても構わない。また、この例では4分割
の光検出器295を用いる例を示したが、受光領域の分
割数のさらに多い光検出器を用いても構わない。分割数
のより多い光検出器を用いれば、より正確な収差の検出
が可能になると考えられる。
【0052】なお、上述した各例では、光ビームをずら
せて重ね合わせる素子として、平行平板や平行平板を山
形に組み合わせた素子や回折型素子を用いているが、こ
れらの素子の素材は、ガラスでも樹脂でもよい。ガラス
を用いれば、周囲の温度変化に強い光学系を構成するこ
とが可能になるし、樹脂を用いれば、より低いコストで
素子を作ることが可能になる。また、これらの素子の表
面には適当な光学薄膜をつけてもよい。膜付けにはコス
トが掛かるが、重ね合わされた2つの光ビームの強度比
や位相差を最適化することが可能になり、収差検出信号
のSN比を改善することが可能になる。
【0053】また、上述した各例では、光ビームのずら
し方として、光ビームの太さは変えずに単に平行移動さ
せるようにしているが、2つに分けた光ビームのうちの
一方あるいは両方を、拡大、縮小、一方向に拡大、一方
向に縮小等してもよい。2つの光ビームが空間的にずれ
て重なっていれば同様の収差検出効果が得られる。ま
た、このような光ビームのずらし方を用いることで、検
出系の設計自由度が高くなり、検出系の小型化が可能に
なる。
【0054】図10には上述した本発明に係る収差検出
装置を組み込んだ光学ヘッドの例が示されている。
【0055】この図は、光源510から出た光を光ディ
スク560の情報記録面561上に集光させ、その面に
記録されたマークを読み取る光ディスク装置用の光学ヘ
ッドの例を示している。
【0056】光源510から出た光は、レンズ520、
ハーフミラー530、収差補正素子540を透過し、対
物レンズ550によって光ディスク560の情報記録面
561上に集光される。情報記録面561上には記録マ
ークが同心円状あるいは螺旋状のトラックに沿って並ん
でおり、情報記録面561に入射した光は、このマーク
によって変調を受けるとともに反射される。反射された
光は、対物レンズ550と収差補正素子540を透過
し、ハーフミラー530で反射されて検出光学系に導か
れる。検出光学系において、ディスクからの光は、ハー
フミラー570でさらに2つの光ビームに分けられる。
【0057】その一方は、集光レンズ580、焦点誤差
およびトラッキング誤差検出光学系590を通って光検
出器600に入射する。光検出器600としては、複数
の受光領域を持つ検出器が用いされている。個々の受光
領域からの信号を処理して、焦点誤差信号、トラッキン
グ誤差信号、記録情報再生信号を得る。ここで得られる
誤差信号を用いて、焦点合わせの制御、トラック追従の
制御を行なう。
【0058】ハーフミラー570で分けられたもう一方
の光ビームは、波面収差の検出に用いられる。この光ビ
ームは、収差検出光学系610を通して光検出器630
に導かれる。収差検出光学系としては、先に説明した第
1〜第3の実施形態に係る光学系のいずれかを用いてい
る。こうして得られた収差検出信号をもとに、収差制御
回路640と収差補正素子540とで波面収差の補正を
行なう。なお、収差補正素子540としては、平行配向
の液晶パネル等のように光の位相を変調可能な空間光変
調器を用いている。
【0059】なお、収差補正素子540の位置は、この
例に示した位置に限定されるものではなく、光源510
から光ディスク560までの光路中であればどこであっ
ても構わない。
【0060】また、上述した例では、球面収差やコマ収
差等の収差成分をそれぞれ個別に検出する装置として示
したが、本発明の方法を組み合わせて数種類の収差を1
つの検出系で検出してもよい。また、光学ヘッドの例で
は、焦点誤差およびトラッキング誤差検出光学系と収差
信号検出系とを別系統として持つ例を示したが、これは
分ける必要は無く、1系統の光学系で検出してもよい。
光ビームを分割し重ね合わせるときの位相差を各例に示
したように設定すれば、同様の収差検出特性を得ること
ができる。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ディスクの厚み誤差等によって生じる球面収差や、素子
の取り付け誤差等に起因するコマ収差や非点収差等様々
な収差を検出することが可能になる。
【0062】また、センサを対物レンズ周辺等の光学ヘ
ッドの外側に配置する必要が無いため、この収差検出装
置を組み込んだ光学ヘッドの小型化にも寄与できる。
【0063】また、本発明に係る収差検出装置では、比
較的安価な光検出器を用いて、複雑な収差を正確に検出
することが可能になる。
【0064】さらに、小型で高性能の波面収差検出装置
を光ディスクの光学ヘッドに組み込み、この装置で検出
される収差検出信号をもとに収差補正素子を用いて収差
補正を行なうことで、小型で、集光特性がよく、光学素
子の取り付け誤差等に対するマージンの大きい光学ヘッ
ドを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る収差検出装置の
概略構成を示す図
【図2】同装置での光ビームの重ね方を説明するための
【図3】光ビーム分割素子の変形例を示す図
【図4】本発明の第2の実施形態に係る収差検出装置の
概略構成を示す図
【図5】同装置での光ビームの重ね方を説明するための
【図6】同装置の収差検出特性を示す図
【図7】光ビーム分割素子の変形例を示す図
【図8】光ビーム分割素子の別の変形例を示す図
【図9】本発明の第3の実施形態に係る収差検出装置の
概略構成を示す図
【図10】本発明に係る収差検出装置を用いた光学ヘッ
ドの概略構成図
【符号の説明】
210…収差検出対象の光ビーム 220,225…光ビームを振幅分割し、ずらして重ね
合わせる光学素子(平板を山形に組んだ素子) 229…光ビームを振幅分割し、ずらして重ね合わせる
光学素子(平板) 270a,270b…光ビームを振幅分割し、ずらして
重ね合わせる光学素子(2枚の回折素子を用いる場合) 275a,275b…光ビームを振幅分割し、ずらして
重ね合わせる光学素子(2枚の回折素子を用いる場合) 280,285…光ビームを振幅分割してずらして重ね
合わせる光学素子(2枚の回折素子を1枚の素子の両面
に作る場合) 290,295…光検出器 293…演算回路 295…差検出信号出力端子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】収差検出対象の光ビームを少なくとも2つ
    の光ビームに振幅分割し、これらを互いに空間的にずら
    せて重ね合わせ、その光強度の分布から波面収差を検出
    する収差検出装置において、 分割した前記光ビームの波面の位相差を概略(n+1/
    2)π(ただし、nは整数)としていることを特徴とす
    る収差検出装置。
  2. 【請求項2】収差検出対象の光ビームのほぼ中心を通る
    平面を挟んで、その右側と左側とで光ビームをずらす方
    向を逆向きにすることを特徴とする請求項1に記載の収
    差検出装置。
  3. 【請求項3】概略円形の収差検出対象の光ビームを半径
    方向にずらせて重ね合わせることを特徴とする請求項1
    に記載の収差検出装置。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれか1項記載の収差
    検出装置により光ディスクへ向かう光ビームあるいは光
    ディスクで反射された光ビームの波面収差を検出し、こ
    れに基づいて波面収差を補正することを特徴とする光学
    ヘッド。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6771584B2 (en) 2000-11-09 2004-08-03 Nec Corporation Optical disk, aberration correction method and optical disk apparatus
US7355932B2 (en) 2001-02-16 2008-04-08 Nec Corporation Optical disk device for detecting thickness errors of the transparent substrate

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6771584B2 (en) 2000-11-09 2004-08-03 Nec Corporation Optical disk, aberration correction method and optical disk apparatus
US7355932B2 (en) 2001-02-16 2008-04-08 Nec Corporation Optical disk device for detecting thickness errors of the transparent substrate

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