JP4190267B2 - 光情報記録再生ヘッド装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、光源から照射された光束を光ディスク上に導き、光情報の記録、再生、及び消去を行う相変化型光ディスク用ヘッド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ディスクなどの光情報記録媒体からの反射光を分割し、その分割された光束を受光素子により受光してデータ信号、サーボ信号を得る構成の相変化型光ディスク用ヘッド装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。その相変化型光ディスク用ヘッド装置は次のように構成されている。光ディスクからの反射レーザ光(戻り光)が、回折格子によって、0次光、±1次回折光に分離され、0次光がデータ信号用光束、+1次回折光がサーボ信号用光束として用いられている。回折格子から射出した0次光、+1次回折光は、それぞれデータ用センサ、サーボ用センサに入射し、各センサの出力に基づいて各信号が検出されている。なお、この公報において、フォーカスエラー信号は非点収差法、トラッキングエラー信号はプッシュプル法によって検出している。
【0003】
また、フォーカスエラー信号はスポットサイズ法、トラッキングエラー信号はプッシュプル法によって検出している光情報記録再生ヘッド装置がある(例えば、特許文献2参照。)。この装置を応用して、0次光をデータ信号用光束、±1次回折光をサーボ信号用光束とするような相変化型光ディスク用ヘッド装置を構成することができる。その場合、光磁気ディスク用の光情報記録再生ヘッド装置と、相変化型光ディスク用の相変化型光ディスク用ヘッド装置のいずれにおいても同様の調整装置、治具などを使用することができる。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−91715号公報(第3、4項、第1〜3図)
【特許文献2】
特開2000−276744号公報(第4、5項、第2、9図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の相変化型光ディスク用ヘッド装置では、サーボ信号検出用である±1次回折光は、センサ面を挟んで光軸方向に等量にそれぞれ正負のデフォーカスが与えられている。そして各サーボ用センサは、データ用センサを挟んで光軸と直交する方向に等距離に配設され、データ用センサは、光軸上に配設され、さらに各センサが同一平面上に配設されているため、合焦時、0次光は、データ用センサ面上において極小の点として集光されてしまう(すなわち、焦点を結ぶ。)。その結果、エネルギー密度の高い光束が、センサ面上で受光されてしまい、センサの応答速度が低下してしまう問題があった。この問題の解決方法として、新たに別の光学素子を追加し、データ用センサ面上で形成されるスポット径を大きくし、受光される光束のエネルギー密度を低くする方法がある。ところが、新たに別の光学素子を追加すると、装置の大型化、複雑化、及びコストアップに繋がってしまう。
【0006】
そこで、本発明は上記の事情に鑑み、新たに別の光学素子を追加することなく、センサの応答速度低下を防止することが可能となる相変化型光ディスク用ヘッド装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を達成するため、請求項1に記載の相変化型光ディスク用ヘッド装置は、フォーカスエラー信号をスポットサイズ法によって検出する相変化型光ディスク用ヘッド装置において、光ディスクからの反射レーザ光を回折によって複数の光束である0次光、±m次回折光に分割すると共に、複数の光束に光軸方向に関して正負方向のデフォーカスを発生させる光束分割手段と、光軸上に配設され、0次光を受光するデータ用受光素子と、データ用受光素子と略同一平面上に光軸対称に設けられ、互いに等しい形状と受光面積を有し、光ディスクのラジアル方向に相当する方向と平行な分割線により少なくとも3つの受光エレメントに分割され、それぞれ等しい光量の光束を受光したときに異なる信号を出力するよう該分割の比率が互いに異なる、±m次回折光を受光する一対のサーボ用受光素子とを有し、データ用受光素子と一対のサーボ用受光素子の出力に基づき、データ信号とサーボ信号を検出するするように構成されている。そして、データ用受光素子は、一対のサーボ用受光素子の出力に基づいて光ディスクに対するフォーカシングが適正と判定されるサーボ信号が検出される時にデフォーカス状態の0次光を受光するよう配置されている。このように一対のサーボ用受光素子がそれぞれ等しい光量の光束を受光した場合に異なった信号を出力するよう構成すると、フォーカスエラー信号をスポットサイズ法によって検出しているため、一対のサーボ用受光素子それぞれに異なった量のデフォーカスを発生させて、フォーカスエラーを除去しようとする。そのため、データ用受光素子上において焦点が結ばれることなく、デフォーカスが発生し、エネルギー密度の低い光束を、データ用受光素子上で受光し、受光素子の応答速度低下を防止することが可能となる。
【0008】
また、請求項2に記載の相変化型光ディスク用ヘッド装置において、一対のサーボ用受光素子は、それぞれ光ディスクのラジアル方向に相当する方向と平行な分割線により分割された少なくとも3つの受光エレメントを有し、一対のサーボ用受光素子の受光面の中心を含む受光エレメントの受光面積はそれぞれ異なることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に記載の相変化型光ディスク用ヘッド装置において、一対のサーボ用受光素子の受光感度はそれぞれ異なることを特徴とする。このように受光感度がそれぞれ異なるように各サーボ用受光素子を構成すると、この受光感度の相違を補うように、一対のサーボ用受光素子それぞれに異なった量のデフォーカスを発生させて、フォーカスエラーを除去しようとする。そのため、0次光の焦点がデータ用受光素子面上から外れ、その面でデフォーカスが生じ、応答速度低下を防止することが可能となる。各サーボ用受光素子の受光感度以外は共通であるため、機械的な設計が簡便となる。
【0010】
また、請求項4に記載の相変化型光ディスク用ヘッド装置は、一対のサーボ用受光素子のいずれか一方の受光面前面に減光フィルタが設けられていることを特徴とする。このようにいずれか一方のサーボ用受光素子前面に減光フィルタを配設すると、この減光した分の光量を補うように、一対のサーボ用受光素子それぞれに異なった量のデフォーカスを発生させて、フォーカスエラーを除去しようとする。そのため、0次光の焦点がデータ用受光素子面上から外れ、その面でデフォーカスが生じ、応答速度低下を防止することが可能となる。各サーボ用受光素子は共通部品となるため、コストダウンを図ることができる。
【0011】
また、請求項5に記載の相変化型光ディスク用ヘッド装置は、一対のサーボ用受光素子の演算処理に、それぞれ異なった係数が用いられることを特徴とする。このように演算処理に用いる係数が各サーボ用受光素子で異なるように装置を構成すると、フォーカスエラーを除去するために、一対のサーボ用受光素子それぞれに異なった量のデフォーカスを発生させて、フォーカスエラーを除去しようとする。そのため、0次光の焦点がデータ用受光素子面上から外れ、その面でデフォーカスが生じ、応答速度低下を防止することが可能となる。各サーボ用受光素子は共通部品となるため、コストダウンを図ることができる。
【0012】
また、請求項6に記載の相変化型光ディスク用ヘッド装置は、光束分割手段は、ホログラム素子であることを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に記載の相変化型光ディスク用ヘッド装置は、ホログラム素子は、同心円で、かつ断面形状が矩形構造の溝形状を有することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る、相変化型光ディスク用ヘッド装置の構成を示す斜視図である。相変化型光ディスク用ヘッド装置は、光源部1、対物光学系2、信号検出部3、処理部4を有する。光源部1は発散レーザ光を発生する半導体レーザ5、この半導体レーザ5が射出した発散レーザ光を平行光束に変換するコリメータレンズ6、このコリメータレンズ6により平行光束とされたレーザ光の断面形状を整形するアナモフィックプリズム7を有する。このアナモフィックプリズム7により整形された平行光束はプリズムブロック部8に導かれる。
【0015】
プリズムブロック部8は、アナモフィックプリズム9、集光レンズ10、直角プリズム11を有する。集光レンズ10はアナモフィックプリズム9に接合されている。アナモフィックプリズム9はアナモフィックプリズム7で整形された平行光束をさらに整形して、光束の断面形状をほぼ円形状にする。アナモフィックプリズム9と直角プリズム11との間の接合面は偏光ビームスプリッター(PBS)面12として形成されている。PBS面12は、光源部1から出射された平行光束のS偏光成分の一部を集光レンズ10に向けて反射する。集光レンズ10はオートパワーコントロール(APC)用の受光素子13上に光束を収束させる。受光素子13の受光出力に基づき、半導体レーザ5の出力が自動制御される。
【0016】
対物光学系2は、λ/4波長板40、立ち上げミラープリズム14と、対物レンズ15とから概略構成される。PBS面12を透過した断面円形状の平行光束(P偏光)は、λ/4波長板40によって円偏光となり、立ち上げミラープリズム14で図中上方に向けて(光ディスク16に向けて)反射され、対物レンズ15により光ディスク16の情報記録面上に収束される。
【0017】
この光ディスク16は、情報記録面としての裏面に同心円状の記録トラックが形成されており、図示を略す回転駆動手段により回転される。図1には座標軸X’Y’Z’からなる直交座標系を示す。X’軸は光ディスク16の半径方向(すなわちトラッキング方向)、Y’軸はトラッキング方向と直交する方向(タンジェンシャル方向)、Z’軸はフォーカシング方向(対物レンズ15の光軸方向)を示すものとする。対物レンズ15は、光ディスク16の半径方向(トラッキング方向)X’に駆動される光学ヘッド(図示を略す)内に立ち上げミラープリズム14と共に設けられている。この対物レンズ15は光学ヘッド内のアクチュエータの駆動によりZ’方向に移動され、光ディスク16の情報記録面上に合焦される。
【0018】
光ディスク16により反射された反射レーザ光束は、対物レンズ15を透過した後、立ち上げミラープリズム14によりプリズムブロック部8に向けて90度偏向され、λ/4波長板40によってS偏光となり、PBS面12で反射されて90度偏向され、信号検出部3に導かれる。ここで、信号検出部3において、XYZ直交座標系を規定する。X軸、Y軸、Z軸はそれぞれディスク上でのX’軸、Y’軸、Z’軸に相当する。
【0019】
信号検出部3は、ホログラム板18、集光レンズ19、複合センサ20を有する。ホログラム板18は、偏光特性がない位相型の非偏光ホログラム素子からなり、通常のパターニングと同様の方法で作成される。このようなホログラムは、元来、物体で反射される光束の波面、あるいは物体を透過する光束の波面に参照波面を加えて干渉させ、その干渉縞の強度を記録媒体に記録したものであり、周知のデフォーカス波面(球面波)、チルト波面(傾斜した平面波)等を単独に、あるいは、組み合わせた干渉パターンとして記録したものである。
【0020】
図3はホログラム板18の断面図である。ホログラム板18は、同心円状でかつ断面が矩形状の多数の凹凸部18a、18bを有する透明基材17の一部を切り取ることにより形成されており、屈折率nを有する。
【0021】
図4に示すように、同心円状の凹凸部18a、18bの曲率中心は、Y軸上に位置している。すなわち、円弧状のパターンとしての凹凸部18a、18bは、透明基材17の同心円状のデフォーカスパターンの中心部からY軸方向にシフトした任意の部分を切り取ったパターンと考えることができる。なお、隣接する凹部18aと凸部18bのデューティ比は略1:1である。
【0022】
ただし、凹凸部18a、18bは、上記同心円状のデフォーカスパターンの外周部ほどピッチTpが二次関数的に密になる同心円状のパターン(デフォーカス波面発生機能)と、Y軸方向に凹凸部18a、18bと同ピッチを持つ直線状のパターン(チルト波面発生機能)とを合わせ持っている。
【0023】
すなわちホログラム板18は、入射光束をY軸方向に分割すると共に、分割された光束に対し光軸方向に正負のデフォーカスを与えることができる。
【0024】
各構成要素は、レーザ光束が光ディスク16の情報記録面に適正に収束したとき、ホログラム板18によって分割された一対の光束が、後述するサーボ用受光素子22a、22bに受光され、その受光出力に基づいて所定の演算処理が行われ、算出された各エラー信号が0となるように設定されている。この一対の光束は、光ディスク16に対する光学ヘッドの離反・接近に起因して光ディスク16の情報記録面に適正に合焦されないとき、サーボ用受光素子22a、22b上に形成されるスポットの形状が変化するため、受光出力が変化し、演算結果も変化する。
【0025】
なお、ここでは、ホログラム板18の断面形状は矩形状であるが、これに限られるものではなく、サイン波形状、階段波形状、鋸歯状など、他の形状でも良いし、18aと18bの凹凸部のDuty比を1:1から変更することや、さらに、図3に示す溝深さTdを変更し、全く別の所望の光量比率に設定もできる。
【0026】
ホログラム板18は、プリズムブロック部8が射出した光束を、図2の左右方向(タンジェンシャル相当方向:Y方向)において光束A(0次光)と、光束群B1、B2(±1次回折光)に分割し、この光束群に、図5に示すように、光軸O方向に関する正負方向のデフォーカス(集光レンズ19を透過した±1次回折光が、センサ位置に対し、ホログラム板側とその逆側で収束するようなデフォーカス)を生じさせる。図5において、光軸Oとは信号検出部3の中心軸をいう。また、FB1は+1次回折光による合焦位置であり、FB2は−1次回折光による合焦位置である。また、各センサの光軸Oと直交する中心軸からFB1までの光軸O方向の距離をΔLB1、各センサの光軸Oと直交する中心軸からFB2までの光軸O方向の距離をΔLB2とする。
【0027】
複合センサ20は、図2、図5に示すように、ホログラム板18から射出して、集光レンズ19を透過した、各光束をそれぞれ受光して電気信号に変換する、データ用受光素子21、及びサーボ用受光素子22a、22bを有する。これらの受光素子21、22a、22bは、光軸Oと直交する同一平面上に配置された状態で、パッケージ20aに収容されてコンパクト化されている。また、サーボ用受光素子22a、22bは、光軸O対称に配設された一対の受光素子であり、後述する受光エレメントを除き、同様の形態を有している。
【0028】
この0次光は、データ用受光素子21に受光され、データ信号としての再生RF信号の生成に用いられる。また、±1次回折光は、サーボ用受光素子22a、22bに受光され、サーボ信号としてのフォーカスエラー信号FES及びトラッキングエラー信号TESの生成に用いられる。
【0029】
上述したように±1次回折光は、それぞれの受光素子位置に対し、ホログラム板側とその逆側で収束する(図5)ため、各受光素子上でデフォーカスを発生させる。ただし、その収束位置FB1、FB2が受光素子位置を挟んで等距離に位置する場合(すなわちΔLB1=ΔLB2の場合)、データ用受光素子21上に0次光の焦点が結ばれるため、上述したようにエネルギー密度が高い光束がデータ用受光素子21において受光されることになり、データ用受光素子21の応答速度が低下してしまう。
【0030】
本発明の実施形態では、サーボ用受光素子22a、22bの受光エレメントが、それぞれ異なった形態となっているため、データ用受光素子21上においてデフォーカスが発生した0次光が受光される。その結果、データ用受光素子21上で形成されるスポットのエネルギー密度が低くなり、データ用受光素子21の応答速度低下を防止することが可能となる。詳しくは、以下に説明をする。
【0031】
図6は、本発明の実施形態の受光素子と処理部との接続開係を示す回路図である。一対のサーボ用受光素子22a、22bは、同等の受光面積を有している。さらに、トラッキング相当方向(X方向)と直交する方向の分割線により2等分割されると共に、トラッキング方向と平行な方向の分割線により3分割されたマトリックス型の分割受光面(受光エレメント)を備えている。サーボ用受光素子22aの1行目の分割受光面に図中左から順にk、a、g、2行目の分割受光面に左から順にl、b、hの符号を付し、サーボ用受光素子22bの1行目の分割受光面に左から順にe、i、c、2行目の分割受光面に左から順にf、j、dの符号を付する。また、データ用受光素子21の受光面にpの符号を付する。また、以下の記載において、各受光面の出力には、各受光面に付した符号と同一符号を用いることとする。上記受光面の出力は処理部4に入力され、処理部4においてフォーカスエラー信号およびトラックエラー信号が検出される。本実施の形態の相変化型光ディスク用ヘッド装置では、スポットサイズ法によりフォーカスエラー信号を検出すると共に、ラジアルプッシュプル法によりトラックエラー信号を検出している。
【0032】
処理部4は、図6に示すように、第1加算器24〜第8加算器31と第1減算器32、第2減算器33を有する。第1加算器24は出力i、h、lを加算し、第2加算器25は出力j、k、gを加算し、第3加算器26は出力a、f、dを加算し、第4加算器27は出力b、c、eを加算する。第5加算器28は、第1加算器24の加算出力(i+h+l)と第2加算器25の加算出力(j+k+g)とを加算して、その加算出力(i+h+l+j+k+g)を第1減算器32の一方の入力端子に出力し、第6加算器29は、第3加算器26の加算出力(a+f+d)と第4加算器27の加算出力(b+c+e)とを加算して、加算出力(a+f+d+b+c+e)を第1減算器32の他方の入力端子に出力する。第1減算器32は、第5加算器28の加算出力(i+h+l+j+k+g)と第6加算器29の加算出力(a+f+d+b+c+e)と差を取ることにより、フォーカスエラー信号FESを生成する。
フォーカスエラー信号FES(i+h+l+j+k+g)−(a+f+d+b+c+e)=0・・・(1)、
式(1)が成立するとき、レーザ光束が光ディスク16の情報記録面に適正に合焦していると判定する。
【0033】
本発明の実施形態では、サーボ用受光素子22aの受光エレメント(a+b)と、サーボ用受光素子22bの受光エレメント(i+j)との受光面積比は、2:1となっている。また、サーボ用受光素子22aの受光エレメント(g+h+k+l)と、サーボ用受光素子22bの受光エレメント(c+d+e+f)との受光面積比は、4:5となっている。フォーカスエラー信号FESが0となる(つまり、式(1)を満たす)とき、各サーボ用受光素子上で形成されるスポットは、左右のサーボ用受光素子の出力の差を補うために、それぞれ異なった形状となる(図6)。この時、ΔLB1≠ΔLB2であり、すなわち0次光は、データ用受光素子21に対してホログラム板側、またはその逆側のいずれかで収束している。そのため、データ用受光素子21上でデフォーカスが生じる。その結果、データ用受光素子21上で形成されるスポットのエネルギー密度が低くなり、データ用受光素子21の応答速度低下を防止することが可能となる。
【0034】
第7加算器30は、第2加算器25の加算出力(j+k+g)と第3加算器26の加算出力(a+f+d)とを加算して、加算出力(j+k+g+a+f+d)を第2減算器34の一方の入力端子に出力し、第8加算器31は、第1加算器24の加算出力(i+h+l)と第4加算器27の加算出力(b+c+e)とを加算して、加算出力(i+h+l+b+c+e)を第2減算器33の他方の入力端子に出力する。第2減算器33は、第7加算器30の加算出力(j+k+g+a+f+d)と第8加算器31の加算出力(i+b+l+b+c+e)との差を取ることにより、トラッキングエラー信号TESを生成する。
トラッキングエラー信号TES=(j+k+g+a+f+d)−(i+b+l+b+c+e)=0・・・(2)、
式(2)が成立するとき、レーザ光束が光ディスク16の情報記録面に対してトラッキング方向に誤差無く収束していると判定する。
【0035】
また、データ用受光素子21に受光された光束は、出力pとして、再生RF信号を生成する。
【0036】
以上が本発明の実施形態である。本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく様々な範囲で変形が可能である。
【0037】
本実施形態は、一対のサーボ用受光素子22a、22bの受光面の中心を含む受光エレメントが、それぞれ異なった受光面積を有しているが、他の実施形態では、それぞれ異なった受光感度を有するように構成してもよい。この場合、各サーボ用受光素子の受光感度の相違を補うように、一対のサーボ用受光素子それぞれに異なった量のデフォーカスを発生させて、フォーカスエラーを除去しようとする。そのため、0次光の焦点がデータ用受光素子面上から外れ、本実施形態と同様にデフォーカスが生じ、応答速度低下を防止することが可能となる。各サーボ用受光素子の受光感度以外は共通であるため、機械的な設計が簡便となる。
【0038】
また、他の実施形態では、一対のサーボ用受光素子22a、22bのいずれかの受光面前面に減光フィルタを設けてもよい。この場合、減光した分の光量を補うように、一対のサーボ用受光素子それぞれに異なった量のデフォーカスを発生させて、フォーカスエラーを除去しようとする。各サーボ用受光素子は共通部品となるため、コストダウンを図ることができる。
【0039】
また、他の実施形態では、一対のサーボ用受光素子22a、22bの演算処理にそれぞれ異なった係数を用いてもよい。この場合、フォーカスエラー信号FESの演算結果を0とするために、一対のサーボ用受光素子それぞれに異なった量のデフォーカスを発生させて、フォーカスエラーを除去しようとする。各サーボ用受光素子は共通部品となるため、コストダウンを図ることができる。
【0040】
【発明の効果】
以上のように本発明の相変化型光ディスク用ヘッド装置は、一対のサーボ用受光素子がそれぞれ等しい光量の光束を受光した場合に異なった信号を出力するよう構成されているため、合焦時、一対のサーボ用受光素子それぞれに異なった量のデフォーカスを発生させて、スポットサイズ法によるフォーカスエラーを除去しようとする。そのため、光軸上に配設されたデータ用受光素子上に0次光の焦点が結ばれなくなる。つまり、データ用受光素子上でデフォーカスが生じ、その結果、高いエネルギー密度を受光することによる受光素子の応答速度の低下を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る相変化型光ディスク用ヘッド装置の実施の形態の要部構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示す相変化型光ディスク用ヘッド装置の信号検出部を拡大して示す斜視図である。
【図3】図1に示すホログラム板の断面を部分的に示す拡大断面図である。
【図4】図3に示すホログラム板の平面図である。
【図5】図2に示す信号検出部を上方から見た平面図である。
【図6】受光素子と処理部との接続開係を示す回路図である。
【符号の説明】
1 光源部
2 対物光学系
3 信号検出部
4 処理部
20 複合センサ
Claims (7)
- フォーカスエラー信号をスポットサイズ法によって検出する相変化型光ディスク用ヘッド装置において、
光ディスクからの反射レーザ光を回折によって複数の光束である0次光、±m次回折光に分割すると共に、前記複数の光束に光軸方向に関して正負方向のデフォーカスを発生させる光束分割手段と、
前記光軸上に配設され、前記0次光を受光するデータ用受光素子と、
前記データ用受光素子と略同一平面上に前記光軸対称に設けられ、互いに等しい形状と受光面積を有し、前記光ディスクのラジアル方向に相当する方向と平行な分割線により少なくとも3つの受光エレメントに分割され、それぞれ等しい光量の光束を受光したときに異なる信号を出力するよう該分割の比率が互いに異なる、前記±m次回折光を受光する一対のサーボ用受光素子と、を有し、
前記データ用受光素子と前記一対のサーボ用受光素子の出力に基づき、データ信号とサーボ信号を検出するように構成され、
前記データ用受光素子は、前記一対のサーボ用受光素子の出力に基づいて前記光ディスクに対するフォーカシングが適正と判定される前記サーボ信号が検出される時にデフォーカス状態の前記0次光を受光するよう配置されていること、を特徴とする相変化型光ディスク用ヘッド装置。 - 前記一対のサーボ用受光素子の受光面の中心を含む前記受光エレメントの受光面積は、それぞれ異なること、を特徴とする請求項1に記載の相変化型光ディスク用ヘッド装置。
- 前記一対のサーボ用受光素子の受光感度は、それぞれ異なること、を特徴とする請求項1に記載の相変化型光ディスク用ヘッド装置。
- 前記一対のサーボ用受光素子のいずれか一方の受光面前面に減光フィルタが設けられていること、を特徴とする請求項1に記載の相変化型光ディスク用ヘッド装置。
- 前記一対のサーボ用受光素子の演算処理に、それぞれ異なった係数が用いられること、を特徴とする請求項1に記載の相変化型光ディスク用ヘッド装置。
- 前記光束分割手段は、ホログラム素子であること、を特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の相変化型光ディスク用ヘッド装置。
- 前記ホログラム素子は、同心円で、かつ断面形状が矩形構造の溝形状を有すること、を特徴とする請求項6に記載の相変化型光ディスク用ヘッド装置。
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