JP3542844B2 - 光情報記録・再生装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、光磁気記録媒体を用いて情報の記録・再生を行う光情報記録・再生装置に関し、さらに詳しくは、不要光を除去して情報信号のみを検出するための光情報記録・再生装置の光学系の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
光磁気ヘッド装置として、従来より、光ディスク及び光カードなどの光磁気記録媒体にレーザ光を照射し、反射レーザ光を、サーボ信号用光束とデータ信号用光束に分離して利用する光情報記録・再生装置が知られている。このサーボ信号用光束は、例えば周知のスポットサイズ法によれば、さらに2分割されてそれぞれ受光素子に入力され、合焦状態を維持するために利用される。すなわち、ディスク面でビームが合焦している時に2分割された光束のスポット径が同一となるよう構成され、スポット径が同一となるようにサーボがかけられる。一方、データ信号用光束は、複屈折光学素子を用いて偏光状態が異なる光束に分割され、別の受光素子に入力されてデータ信号(光磁気記録信号MO)が得られる構成となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような基本構成を持つ光情報記録・再生装置においては、光路の途中から入り込む迷光や、光学系の光学素子内部でのレーザ光の反射などにより発生する不要光(迷光)成分が、サーボ信号やデータ信号に悪影響を及ぼすことが知られている。このような不要光による悪影響は、光磁気ディスクからの反射光が弱い場合に特に問題となるものであり、不要光の除去が望まれていた。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、簡単な構成で受光素子の配置も単純な光学系を有し、データ信号とサーボ信号分割して信号検出を行い、しかも不要光による悪影響を取り除くことのできるする光情報記録・再生装置の提供を目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明の光情報記録・再生装置は、記録媒体に照射する光を射出する光源と、光源からの光束の強度をモニタするための第1の受光素子と、記録媒体からの反射光束を受光する第2の受光素子と、光学素子を有し、入射面から入射した前記光源により射出された光束の一部は前記光学素子の第1面より第1の光束として前記第1の受光素子に向けて射出され、入射光束の一部は前記光学素子の第2面より第2の光束として前記記録媒体に向けて射出され、前記記録媒体からの反射光束は、前記光学素子の前記第2面より入射して第3面より第3の光束として前記第2の受光素子側に向けて射出され、前記第2の受光素子はウォラストンプリズムおよび回折格子を介して分割された前記第3の光束を受光しサーボ信号およびデータ信号を生成する光情報記録・再生装置において、入射光および光学素子から射出された第1、第2および第3の光束の光軸は同一の平面上にあって、前記第1の光束と前記第1面、前記第2の光束と第2面、および前記第3の光束と第3面が、それぞれ0度でない所定の角度をなし、前記ウォラストンプリズムの光束分離の方向は前記平面とほぼ垂直な方向であり、前記回折格子の回折による光束分離の方向は前記平面とほぼ平行な方向であることを特徴としている。
【0006】
【実施例】
以下図示実施例に基づいて本発明を説明する。
【0007】
図1は、本発明の実施例としての光磁気ヘッド装置の信号検出系を示す斜視図である。この光磁気ヘッド装置の信号検出系は、光源部11と、プリプリズムブロック12と、対物光学系13と、信号検出部14と、処理部15とを備えている。
【0008】
光源部11は、発散光束を発生させる半導体レーザ16と、この半導体レーザ16からの発散光束を平行光束にするコリメータレンズ17と、このコリメータレンズ17からの光束の形状を整形するアナモフィックプリズム18とを備えている。
【0009】
プリズムブロック12は、アナモフィックプリズム18からの光束の形状を整形して光束の断面を円形にする、アナモフィックプリズム19、及び、このアナモフィックプリズム19に接合された集光レンズ21と直角プリズム20とを備えている。アナモフィックプリズム19と直角プリズム20の接合面はハーフミラー面22とされている。このプリズムブロック12は、不要光の悪影響を防止するために特殊な形状、配置となっており、その詳細は後に説明する。
【0010】
光源部11からの光束の一部は、ハーフミラー面22で反射して集光レンズ21により受光素子50に集光される。他の光束は、ハーフミラー面22を透過して、立ち上げミラープリズム23で反射される。受光素子50は、入射した光束の強度に応じて、半導体レーザ16の自動出力調整用の信号を生成する。
【0011】
対物光学系13は、プリズムブロック12を透過した光束を光磁気ディスク24に向けて反射する立ち上げミラープリズム23と、この立ち上げミラープリズム19からの光束を光磁気ディスク(光磁気記録媒体)24に収束させる対物レンズ25とを備えている。この対物レンズ25と、立ち上げミラープリズム23とは、光磁気ディスク24の半径方向Xに沿って移動されるヘッド(図示せず)内に設けられている。さらに、対物レンズ25は、該ヘッド内のアクチュエータ(図示せず)により、その光軸方向Z及び光磁気ディスク24の半径方向Xに沿って駆動される。
【0012】
光磁気ディスク24からの反射光は、対物レンズ25を通り、立ち上げミラープリズム23でプリズムブロック12に向けて反射され、さらにハーフミラー面22で反射されて、信号検出部14に入射される。
【0013】
信号検出部14は、ウォラストンプリズム(光束分離手段)26と、ホログラム板(回折素子)27と、集光レンズ28と、複合センサ29とを備えている。
【0014】
ウォラストンプリズム26は、複屈折性を有する結晶性偏光素子である。図4に示すように、光磁気ディスク24からの反射レーザ光(光束L)を偏光方向aの直線偏光とすると、特定平面内(プリズムブロック12の入・出射光を含む平面と垂直な平面内)において、入射光束を偏光方向の異なる3光束、A1、B1およびC1に分離する。光束A1は、光束Lの偏光方向aとほぼ平行な方向の偏光成分からなる光束であり、光束C1は、光束Lの偏光方向aとほぼ直交する方向bの偏光成分からなる光束である。また、光束A1と光束C1との間に位置する光束B1は、これらa、b両方向の偏光成分を共に有する光束である。
【0015】
次にホログラム板27について説明する。ホログラムは種々の波面(デフォーカス波面やチルト波面等)を干渉パターンとして記録したものと言うことができる。例えば、デフォーカス波面の記録パターンは、同心円状で、外周部へ行くほど2次関数的にピッチが密になるパターンとして記録される。チルト波面は、ピッチの等しい直線状のパターンとして記録される。
【0016】
本実施例のホログラム板27は、上記の2種のパターンが組み合わされたようなパターンを有している。図2において、透明部材30は、上述のデフォーカス波面に対応する干渉パターンを有している。同心円状の凹凸部30aおよび30bは、図示しないx軸上の中心点から外周部へ行くほど2次関数的にピッチが密になっており、ある一部分(x軸断面)における隣り合うピッチ間におけるデューティー比はほぼ1対1となっている(図3参照)。ホログラム板27はこの透明部材30の同心円状の干渉パターンの中心から所定量ずれた位置の円形の部分と同一のパターンを有している。図2において、ホログラム板27の干渉パターンは左方に行くほど密となっている。
【0017】
このような構造により、ホログラム板27は入射光束の光軸を正負に傾けるチルト成分を与え、同時にその正負のチルト成分に、光軸方向における正負のデフォーカス成分を与える機能を有している。
なお、ホログラム板27は上述のパターンを外形が四角形状の透明基材27Pの円形の領域内に形成した構成となっている。
【0018】
ホログラム板27によって分割された一対の光束は、光磁気ディスク24の信号記録面に対してレーザ光束が適正に収束(合焦)したときスポット形状がほぼ同じ円形となるように設定されている。光磁気ディスク24が光学系に対し接近したり、離れたりして、レーザ光束が適正に収束していないときには、一対のスポット形状が互いに変化するため、スポット形状が一致するよう、収束状態が調整される。なお、本実施例のホログラム板27の断面形状は矩形であるが、これに限定されるものではなく、正弦波形状や、階段型の形状でも良い。また、図3に示す溝深さdを変えることにより、所望の光量比率にすることができる。
【0019】
ウォラストンプリズム26によって図4上下方向(Y’方向)において3つに分離された光束A1、B1、C1がホログラム27に入射する。入射光束A1、B1、C1は、プリズムブロック12の入射・出射光束の光軸を含む平面と平行な方向(X’方向)において2つの光束群A2、B2、C2およびA2’、B2’、C2’に分割される。この時、2分割された光束群には、光軸O方向に関する正負方向のデフォーカスが生じる。この3対の光束、A2とA2’、B2とB2’、C2とC2’のうち、光束A2およびA2’、C2およびC2’はそれぞれ、データ信号である光磁気記録信号MO、プリフォーマット信号ROとして使用される。光束B2およびB2’は、サーボ信号であるフォーカスエラー信号FEおよびトラッキングエラー信号TEとして使用される。
【0020】
複合センサ29に3対の光束が照射するとき、3対の光束、A2とA2’、B2とB2’、C2とC2’のスポット径は、レーザ光が非合焦状態の時には図4における左右方向で(すなわち各対で)異なるが(デフォーカスが与えられているため)、図4の上下方向においては、合焦・非合焦にかかわらずほぼ同じである。なお、図4中のOは、信号検出系の光軸(中心線)である。
【0021】
複合センサ29は、集光レンズ28を透過した、3対の分割された光束をそれぞれ受光して電気信号に変換するデータ用受光素子31a、31b、33a、33bと、サーボ用受光素子32a、32bとを備えている。この6つの受光素子31a、31b、32a、32b、33a、33bは、6分割された光束A2、A2’、B2、B2’、C2、C2’をそれぞれが受光できる配置となっている。すなわち、図4のX’方向に並ぶ対が、上下方向(Y’方向)において3段に配置されている。
【0022】
一対のデータ用受光素子31a、31bは、光磁気記録信号MOおよびプリフォーマット信号ROの検出に用いられるものである。データ用受光素子31aは、ホログラム板27からの偏光方向aの光束を受光したとき出力h1を出力する。データ用受光素子31bは、ホログラム板27からの偏光方向bの光束を受光したとき出力h2を出力する。
【0023】
一対のデータ用受光素子33a、33bは、光磁気記録信号MOおよびプリフォーマット信号ROの検出に用いられるものである。データ用受光素子33aは、ホログラム板27からの偏光方向aの光束を受光したとき出力k1を出力する。データ用受光素子33bは、ホログラム板27からの偏光方向bの光束を受光したとき出力k2を出力する。なお、各データ用及びサーボ用受光素子31a、31b、32a、32b、33a、33bの配置は、図4に示す配置に限定されるものではない。例えば、データ用受光素子31a、31b、及びデータ用受光素子33a、33bの2組のうち少なくとも一方は、2つに分割することなく1つの受光素子として構成することができる。
【0024】
一対のサーボ用受光素子32a、32bは、フォーカスエラー信号FEおよびトラッキングエラー信号TEの検出に用いられるものである。サーボ用受光素子32a、32bは、それぞれの受光面が、ディスク24のトラックと平行な(図4中、Y’軸方向に3分割された)分割面に3分割されている。サーボ用受光素子32aは、ホログラム板27からの光束を分割面d1、e1、f1で受光したとき、各分割面d1、e1、f1に対応した出力i1、i2、i3を発生する。サーボ用受光素子32bは、ホログラム板27からの光束を分割面d2、e2、f2で受光したとき、各分割面d2、e2、f2に対応した出力j1、j2、j3を発生する(図5参照)。
【0025】
一対のサーボ用受光素子32a、32bに入射する光束のスポット位置は、対物レンズ25が光磁気ディスク24に近い場合には図6のようになり、合焦状態の場合に図7、対物レンズ25が光磁気ディスク24から遠い場合に図8のようになる。
【0026】
処理部15は、図5に示すように、加算回路36、37、38、39、40、41、44と、減算回路42、43、45とを備えている。
【0027】
加算回路36は、サーボ用受光素子32aの分割面d1で受光したときの出力i1と、分割面f1で受光したときの出力i3と、サーボ用受光素子32bの分割面e2で受光したときの出力j2との和を演算して減算回路42に送る。
【0028】
加算回路37は、サーボ用受光素子32aの分割面e1で受光したときの出力i2と、サーボ用受光素子32bの分割面d2で受光したときの出力j1と、分割面f2で受光したときの出力j3との和を演算して減算回路42に送る。
【0029】
減算回路42は、加算回路36、37からの出力の差を演算して、フォーカスエラー信号FEを生成する。すなわち、フォーカスエラー信号FEは、次式、
FE=(i1+i3+j2)−(i2+j1+j3)
によって与えられる。
【0030】
加算回路38は、サーボ用受光素子32aの分割面f1で受光したときの出力i3と、サーボ用受光素子32bの分割面d2で受光したときの出力j1との和を演算して減算回路43に送る。
【0031】
加算回路39は、サーボ用受光素子32aの分割面d1で受光したときの出力i1と、サーボ用受光素子32bの分割面f2で受光したときの出力j3との和を演算して、減算回路43に送る。
【0032】
減算回路43は、加算回路38、39からの出力の差を演算して、トラッキングエラー信号TEを生成する。すなわち、トラッキングエラー信号TEは、次式、
TE=(i3+j1)−(i1+j3)
によって与えられる。
【0033】
加算回路40は、データ用受光素子33aで受光したときの出力k1と、データ用受光素子33bで受光したときの出力k2との和を演算して、加算回路44と減算回路45に送る。
【0034】
加算回路41は、データ用受光素子31aで受光したときの出力h1と、データ用受光素子31bで受光したときの出力h2との和を演算して、加算回路44と減算回路44は、45に送る。
【0035】
加算回路44は、加算回路40と41からの出力の和を演算して、プリフォーマット信号ROを生成する。
【0036】
減算回路44は、加算回路40と41からの出力の差を演算して、光磁気記録信号MOを生成する。
すなわち、プリフォーマット信号ROおよび光磁気記録信号MOはそれぞれ、次式、
RO=(k1+k2)+(h1+h2)
MO=(k1+k2)−(h1+h2)
によって与えられる。
【0037】
これらのフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE、プリフォーマット信号RO、および光磁気記録信号MOは、再生回路(図示せず)及びサーボ回路(図示せず)にそれぞれ出力され、処理される。
【0038】
図1に示すように、半導体レーザ16から射出されたレーザ光はコリメータレンズで平行光となり、アナモフィックプリズム18で整形されてアナモフィックプリズム19へ入射する。また、図9に示すように、アナモフィックプリズム19と直角プリズム20の接合面(すなわちハーフミラー部)22への入射光束はハーフミラー面22に対し入射角45で入射する。この角度は従来の構成と同様であるが、本実施例においては、図に示すように、直角プリズム20の頂角が45度ではなく、44度及び46度に設定されている。このため、プリズムの材質をBK7材(屈折率1.51)とすると、ハーフミラー面22を透過した光束は、図中プリズム20のa面に入射角1度で入射し、a面に立てた垂線に対し、時計方向に1.51度傾いた光路で出射して対物レンズへと向かう。一方、ハーフミラー面22で反射された光束は、a面と直角なb面に立てた垂線に対し、時計方向に1.51度傾いた光路でAPCセンサへと向かう。これらの光は、光磁気信号の記録再生信号として用いられる信号用光束である。なお、ここでは、入射・出射角が極めて小さいことから、プリズム内部の入射角/プリズムからの出射角=屈折率という関係が成り立っている。
【0039】
プリズムブロック12のa、b面において、プリズム内部への反射光が発生する。もしも、ハーフミラー面22からa面、b面に向かう光線の光軸がそれぞれの面に垂直であれば不要な迷光(反射光)は信号光と同一にサーボ及びデータ用複合センサへと戻ることになり、常に一定の光量がセンサに入射して、信号検出結果に悪影響を与えることになる。本実施例のように、直角プリズム20のa面とアナモフィックプリズム19のb面を、接合面であるハーフミラー面22に対して、−1度と+1度ずつそれぞれ傾け、44度と46度になるように構成することにより、a、b面で内部反射する光束(不要光1、2となる)は、レーザダイオード側から進行してくる光束(入射光束)に対して2度の角度差を持って反射進行することになる。
【0040】
ここで、直角プリズム20のa面で反射された不要光は、再びハーフミラー面22に43度の入射角で入射し、同じく43度の反射角で反射されて直角プリズム20のd面へと向かう。このd面に入射する角度は、3度であり、結果的に集光レンズ側へ向かう信号光とは、約3度の偏角をもって信号検知部14へと出射する。アナモフィックプリズム19のb面で反射された不要光は、ハーフミラー面22を透過し、直角プリズム20のd面へ1度の入射角で入射し、d面で屈折後、集光レンズ側へ向かう信号光とは約3度の偏角をもって同様に信号検知部へと出射する。これら不要光成分は信号光を基準として互いに反対側に約3度傾いている。
【0041】
従って、本来の目的である、信号光に対して、ハーフミラープリズムd面を出射後は、不要光は、それぞれ±3度の傾きを正負に持ちながら出射して、ウォラストンプリズム26に入射する。
【0042】
前述のように、ウォラストンプリズム26と集光レンズを透過した信号光は、ホログラム素子、集光レンズを経て、複合センサ上で所定の大きさにそれぞれ集光される。不要光も信号光に対して、±3度の傾きを持ってウォラストンプリズム26、ホログラム素子27を経て、集光レンズ28によって複合センサ29上にそれぞれ集光される。このようにして複合センサ29上に集光された信号光および不要光を図10に示す。S(−1)、S(+1)は信号光の−1次回折光および+1次回折光、A(0)、A(−1)は直角プリズム20のa面で反射された不要光の0次および−1次回折光であり、B(0)、B(+1)はアナモフィックプリズム20のb面からの不要光の0次および+1次回折光である。直角プリズム20のa面で反射された不要光の+1次回折光及び、アナモフィックプリズム20のb面からの不要光の−1次回折光は複合センサ29の外側で収束している。
【0043】
上述のように、本実施例の光情報記録・再生装置においては、光学素子およびセンサの配置は、往路光学系において光学素子の内部反射により発生する不要光(迷光)が、センサの信号検出エリア内に入らないようになっている。なお、プリズムの頂角、46度と44度、及びプリズム全体を約1.51度、X−Y(部分系でのX’−Y’)平面内で回転する方向をそれぞれ逆にすれば、図6内の不要光の場所も左右が入れ替わる。
【0044】
さらに、通常、ホログラム素子を透過する光は±1次回折光だけではなく、製作上の公差・誤差により回折角を有せずに単にホログラム素子を透過するだけの0次光も含まれる。この0次光は、単に集光レンズに斜めに入射した光束としてセンサ上に集光される。
【0045】
このように、本実施例の光磁気ヘッド装置は、光磁気ディスク24からの光束Lを、特定平面内において偏光方向の異なる3光束A1、B1、C1に分離し、そのうちの1光束B1をサーボ信号用光束とし、2光束A1、C1をデータ信号用光束とするウォラストンプリズム26を有し、このウォラストンプリズム26で分離された3光束A1、B1、C1をさらにそれぞれ該ウォラストンプリズム26による光束分離方向とは直交する方向に2分割するためのホログラム板を有して、各2分割光束A2、B2、C2およびA2’、B2’、C2’を生成している。そして、ホログラム板27により分割されたサーボ信号用光束の2分割光束B2およびB2’を受光するために、光軸O方向の同一位置における平面内に位置する一対のサーボ用受光素子32a、32bを有し、ホログラム板27により分割された2とのデータ信号用光束の2分割光束A2、A2’およびC2、C2’をそれぞれに受光するために、サーボ用受光素子32a、32bと同一の光軸方向位置における平面内に位置する一対ずつのデータ用受光素子31a、31bおよび33a、33bを有している。さらに、ビームスプリッタとしてのプリズムブロック12は、ホログラム板27の回折方向と平行な方向において内部反射光が信号光と異なる角度で出射するような構成となっており、センサの受光領域は、信号光のみを受光するよう配置されている。
【発明の効果】
本発明によると、データ信号用の受光素子とサーボ信号用の受光素子とを完全に分離させ、不要光の悪影響を受けることなく、サーボ信号、光磁気記録信号MO、プリフォーマット信号ROをそれぞれ別個に検出することができ、信号処理及び回路構成が簡易な光学系を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の光情報記録・再生装置の光学系を示す図である。
【図2】ホログラム板のパターンを説明するための図である。
【図3】ホログラム板の断面図である。
【図4】プリズムブロックから出射された光束の進路を示す図である。
【図5】センサの各受光領域の出力信号と、その演算回路を示す図である。
【図6】スポット形状を示す図である。
【図7】スポット形状を示す図である。
【図8】スポット形状を示す図である。
【図9】プリズムブロックの構成を示す図である。
【図10】不要光および信号光のセンサ上での集光状態を示す図である。
【符号の説明】
12 プリズムブロック
16 半導体レーザ
20 アナモフィックプリズム
21 直角プリズム
22 ハーフミラー面
24 光磁気ディスク
25 対物レンズ
26 ウォラストンプリズム
27 ホログラム板
29 複合センサ
【産業上の利用分野】
本発明は、光磁気記録媒体を用いて情報の記録・再生を行う光情報記録・再生装置に関し、さらに詳しくは、不要光を除去して情報信号のみを検出するための光情報記録・再生装置の光学系の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
光磁気ヘッド装置として、従来より、光ディスク及び光カードなどの光磁気記録媒体にレーザ光を照射し、反射レーザ光を、サーボ信号用光束とデータ信号用光束に分離して利用する光情報記録・再生装置が知られている。このサーボ信号用光束は、例えば周知のスポットサイズ法によれば、さらに2分割されてそれぞれ受光素子に入力され、合焦状態を維持するために利用される。すなわち、ディスク面でビームが合焦している時に2分割された光束のスポット径が同一となるよう構成され、スポット径が同一となるようにサーボがかけられる。一方、データ信号用光束は、複屈折光学素子を用いて偏光状態が異なる光束に分割され、別の受光素子に入力されてデータ信号(光磁気記録信号MO)が得られる構成となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような基本構成を持つ光情報記録・再生装置においては、光路の途中から入り込む迷光や、光学系の光学素子内部でのレーザ光の反射などにより発生する不要光(迷光)成分が、サーボ信号やデータ信号に悪影響を及ぼすことが知られている。このような不要光による悪影響は、光磁気ディスクからの反射光が弱い場合に特に問題となるものであり、不要光の除去が望まれていた。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、簡単な構成で受光素子の配置も単純な光学系を有し、データ信号とサーボ信号分割して信号検出を行い、しかも不要光による悪影響を取り除くことのできるする光情報記録・再生装置の提供を目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明の光情報記録・再生装置は、記録媒体に照射する光を射出する光源と、光源からの光束の強度をモニタするための第1の受光素子と、記録媒体からの反射光束を受光する第2の受光素子と、光学素子を有し、入射面から入射した前記光源により射出された光束の一部は前記光学素子の第1面より第1の光束として前記第1の受光素子に向けて射出され、入射光束の一部は前記光学素子の第2面より第2の光束として前記記録媒体に向けて射出され、前記記録媒体からの反射光束は、前記光学素子の前記第2面より入射して第3面より第3の光束として前記第2の受光素子側に向けて射出され、前記第2の受光素子はウォラストンプリズムおよび回折格子を介して分割された前記第3の光束を受光しサーボ信号およびデータ信号を生成する光情報記録・再生装置において、入射光および光学素子から射出された第1、第2および第3の光束の光軸は同一の平面上にあって、前記第1の光束と前記第1面、前記第2の光束と第2面、および前記第3の光束と第3面が、それぞれ0度でない所定の角度をなし、前記ウォラストンプリズムの光束分離の方向は前記平面とほぼ垂直な方向であり、前記回折格子の回折による光束分離の方向は前記平面とほぼ平行な方向であることを特徴としている。
【0006】
【実施例】
以下図示実施例に基づいて本発明を説明する。
【0007】
図1は、本発明の実施例としての光磁気ヘッド装置の信号検出系を示す斜視図である。この光磁気ヘッド装置の信号検出系は、光源部11と、プリプリズムブロック12と、対物光学系13と、信号検出部14と、処理部15とを備えている。
【0008】
光源部11は、発散光束を発生させる半導体レーザ16と、この半導体レーザ16からの発散光束を平行光束にするコリメータレンズ17と、このコリメータレンズ17からの光束の形状を整形するアナモフィックプリズム18とを備えている。
【0009】
プリズムブロック12は、アナモフィックプリズム18からの光束の形状を整形して光束の断面を円形にする、アナモフィックプリズム19、及び、このアナモフィックプリズム19に接合された集光レンズ21と直角プリズム20とを備えている。アナモフィックプリズム19と直角プリズム20の接合面はハーフミラー面22とされている。このプリズムブロック12は、不要光の悪影響を防止するために特殊な形状、配置となっており、その詳細は後に説明する。
【0010】
光源部11からの光束の一部は、ハーフミラー面22で反射して集光レンズ21により受光素子50に集光される。他の光束は、ハーフミラー面22を透過して、立ち上げミラープリズム23で反射される。受光素子50は、入射した光束の強度に応じて、半導体レーザ16の自動出力調整用の信号を生成する。
【0011】
対物光学系13は、プリズムブロック12を透過した光束を光磁気ディスク24に向けて反射する立ち上げミラープリズム23と、この立ち上げミラープリズム19からの光束を光磁気ディスク(光磁気記録媒体)24に収束させる対物レンズ25とを備えている。この対物レンズ25と、立ち上げミラープリズム23とは、光磁気ディスク24の半径方向Xに沿って移動されるヘッド(図示せず)内に設けられている。さらに、対物レンズ25は、該ヘッド内のアクチュエータ(図示せず)により、その光軸方向Z及び光磁気ディスク24の半径方向Xに沿って駆動される。
【0012】
光磁気ディスク24からの反射光は、対物レンズ25を通り、立ち上げミラープリズム23でプリズムブロック12に向けて反射され、さらにハーフミラー面22で反射されて、信号検出部14に入射される。
【0013】
信号検出部14は、ウォラストンプリズム(光束分離手段)26と、ホログラム板(回折素子)27と、集光レンズ28と、複合センサ29とを備えている。
【0014】
ウォラストンプリズム26は、複屈折性を有する結晶性偏光素子である。図4に示すように、光磁気ディスク24からの反射レーザ光(光束L)を偏光方向aの直線偏光とすると、特定平面内(プリズムブロック12の入・出射光を含む平面と垂直な平面内)において、入射光束を偏光方向の異なる3光束、A1、B1およびC1に分離する。光束A1は、光束Lの偏光方向aとほぼ平行な方向の偏光成分からなる光束であり、光束C1は、光束Lの偏光方向aとほぼ直交する方向bの偏光成分からなる光束である。また、光束A1と光束C1との間に位置する光束B1は、これらa、b両方向の偏光成分を共に有する光束である。
【0015】
次にホログラム板27について説明する。ホログラムは種々の波面(デフォーカス波面やチルト波面等)を干渉パターンとして記録したものと言うことができる。例えば、デフォーカス波面の記録パターンは、同心円状で、外周部へ行くほど2次関数的にピッチが密になるパターンとして記録される。チルト波面は、ピッチの等しい直線状のパターンとして記録される。
【0016】
本実施例のホログラム板27は、上記の2種のパターンが組み合わされたようなパターンを有している。図2において、透明部材30は、上述のデフォーカス波面に対応する干渉パターンを有している。同心円状の凹凸部30aおよび30bは、図示しないx軸上の中心点から外周部へ行くほど2次関数的にピッチが密になっており、ある一部分(x軸断面)における隣り合うピッチ間におけるデューティー比はほぼ1対1となっている(図3参照)。ホログラム板27はこの透明部材30の同心円状の干渉パターンの中心から所定量ずれた位置の円形の部分と同一のパターンを有している。図2において、ホログラム板27の干渉パターンは左方に行くほど密となっている。
【0017】
このような構造により、ホログラム板27は入射光束の光軸を正負に傾けるチルト成分を与え、同時にその正負のチルト成分に、光軸方向における正負のデフォーカス成分を与える機能を有している。
なお、ホログラム板27は上述のパターンを外形が四角形状の透明基材27Pの円形の領域内に形成した構成となっている。
【0018】
ホログラム板27によって分割された一対の光束は、光磁気ディスク24の信号記録面に対してレーザ光束が適正に収束(合焦)したときスポット形状がほぼ同じ円形となるように設定されている。光磁気ディスク24が光学系に対し接近したり、離れたりして、レーザ光束が適正に収束していないときには、一対のスポット形状が互いに変化するため、スポット形状が一致するよう、収束状態が調整される。なお、本実施例のホログラム板27の断面形状は矩形であるが、これに限定されるものではなく、正弦波形状や、階段型の形状でも良い。また、図3に示す溝深さdを変えることにより、所望の光量比率にすることができる。
【0019】
ウォラストンプリズム26によって図4上下方向(Y’方向)において3つに分離された光束A1、B1、C1がホログラム27に入射する。入射光束A1、B1、C1は、プリズムブロック12の入射・出射光束の光軸を含む平面と平行な方向(X’方向)において2つの光束群A2、B2、C2およびA2’、B2’、C2’に分割される。この時、2分割された光束群には、光軸O方向に関する正負方向のデフォーカスが生じる。この3対の光束、A2とA2’、B2とB2’、C2とC2’のうち、光束A2およびA2’、C2およびC2’はそれぞれ、データ信号である光磁気記録信号MO、プリフォーマット信号ROとして使用される。光束B2およびB2’は、サーボ信号であるフォーカスエラー信号FEおよびトラッキングエラー信号TEとして使用される。
【0020】
複合センサ29に3対の光束が照射するとき、3対の光束、A2とA2’、B2とB2’、C2とC2’のスポット径は、レーザ光が非合焦状態の時には図4における左右方向で(すなわち各対で)異なるが(デフォーカスが与えられているため)、図4の上下方向においては、合焦・非合焦にかかわらずほぼ同じである。なお、図4中のOは、信号検出系の光軸(中心線)である。
【0021】
複合センサ29は、集光レンズ28を透過した、3対の分割された光束をそれぞれ受光して電気信号に変換するデータ用受光素子31a、31b、33a、33bと、サーボ用受光素子32a、32bとを備えている。この6つの受光素子31a、31b、32a、32b、33a、33bは、6分割された光束A2、A2’、B2、B2’、C2、C2’をそれぞれが受光できる配置となっている。すなわち、図4のX’方向に並ぶ対が、上下方向(Y’方向)において3段に配置されている。
【0022】
一対のデータ用受光素子31a、31bは、光磁気記録信号MOおよびプリフォーマット信号ROの検出に用いられるものである。データ用受光素子31aは、ホログラム板27からの偏光方向aの光束を受光したとき出力h1を出力する。データ用受光素子31bは、ホログラム板27からの偏光方向bの光束を受光したとき出力h2を出力する。
【0023】
一対のデータ用受光素子33a、33bは、光磁気記録信号MOおよびプリフォーマット信号ROの検出に用いられるものである。データ用受光素子33aは、ホログラム板27からの偏光方向aの光束を受光したとき出力k1を出力する。データ用受光素子33bは、ホログラム板27からの偏光方向bの光束を受光したとき出力k2を出力する。なお、各データ用及びサーボ用受光素子31a、31b、32a、32b、33a、33bの配置は、図4に示す配置に限定されるものではない。例えば、データ用受光素子31a、31b、及びデータ用受光素子33a、33bの2組のうち少なくとも一方は、2つに分割することなく1つの受光素子として構成することができる。
【0024】
一対のサーボ用受光素子32a、32bは、フォーカスエラー信号FEおよびトラッキングエラー信号TEの検出に用いられるものである。サーボ用受光素子32a、32bは、それぞれの受光面が、ディスク24のトラックと平行な(図4中、Y’軸方向に3分割された)分割面に3分割されている。サーボ用受光素子32aは、ホログラム板27からの光束を分割面d1、e1、f1で受光したとき、各分割面d1、e1、f1に対応した出力i1、i2、i3を発生する。サーボ用受光素子32bは、ホログラム板27からの光束を分割面d2、e2、f2で受光したとき、各分割面d2、e2、f2に対応した出力j1、j2、j3を発生する(図5参照)。
【0025】
一対のサーボ用受光素子32a、32bに入射する光束のスポット位置は、対物レンズ25が光磁気ディスク24に近い場合には図6のようになり、合焦状態の場合に図7、対物レンズ25が光磁気ディスク24から遠い場合に図8のようになる。
【0026】
処理部15は、図5に示すように、加算回路36、37、38、39、40、41、44と、減算回路42、43、45とを備えている。
【0027】
加算回路36は、サーボ用受光素子32aの分割面d1で受光したときの出力i1と、分割面f1で受光したときの出力i3と、サーボ用受光素子32bの分割面e2で受光したときの出力j2との和を演算して減算回路42に送る。
【0028】
加算回路37は、サーボ用受光素子32aの分割面e1で受光したときの出力i2と、サーボ用受光素子32bの分割面d2で受光したときの出力j1と、分割面f2で受光したときの出力j3との和を演算して減算回路42に送る。
【0029】
減算回路42は、加算回路36、37からの出力の差を演算して、フォーカスエラー信号FEを生成する。すなわち、フォーカスエラー信号FEは、次式、
FE=(i1+i3+j2)−(i2+j1+j3)
によって与えられる。
【0030】
加算回路38は、サーボ用受光素子32aの分割面f1で受光したときの出力i3と、サーボ用受光素子32bの分割面d2で受光したときの出力j1との和を演算して減算回路43に送る。
【0031】
加算回路39は、サーボ用受光素子32aの分割面d1で受光したときの出力i1と、サーボ用受光素子32bの分割面f2で受光したときの出力j3との和を演算して、減算回路43に送る。
【0032】
減算回路43は、加算回路38、39からの出力の差を演算して、トラッキングエラー信号TEを生成する。すなわち、トラッキングエラー信号TEは、次式、
TE=(i3+j1)−(i1+j3)
によって与えられる。
【0033】
加算回路40は、データ用受光素子33aで受光したときの出力k1と、データ用受光素子33bで受光したときの出力k2との和を演算して、加算回路44と減算回路45に送る。
【0034】
加算回路41は、データ用受光素子31aで受光したときの出力h1と、データ用受光素子31bで受光したときの出力h2との和を演算して、加算回路44と減算回路44は、45に送る。
【0035】
加算回路44は、加算回路40と41からの出力の和を演算して、プリフォーマット信号ROを生成する。
【0036】
減算回路44は、加算回路40と41からの出力の差を演算して、光磁気記録信号MOを生成する。
すなわち、プリフォーマット信号ROおよび光磁気記録信号MOはそれぞれ、次式、
RO=(k1+k2)+(h1+h2)
MO=(k1+k2)−(h1+h2)
によって与えられる。
【0037】
これらのフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TE、プリフォーマット信号RO、および光磁気記録信号MOは、再生回路(図示せず)及びサーボ回路(図示せず)にそれぞれ出力され、処理される。
【0038】
図1に示すように、半導体レーザ16から射出されたレーザ光はコリメータレンズで平行光となり、アナモフィックプリズム18で整形されてアナモフィックプリズム19へ入射する。また、図9に示すように、アナモフィックプリズム19と直角プリズム20の接合面(すなわちハーフミラー部)22への入射光束はハーフミラー面22に対し入射角45で入射する。この角度は従来の構成と同様であるが、本実施例においては、図に示すように、直角プリズム20の頂角が45度ではなく、44度及び46度に設定されている。このため、プリズムの材質をBK7材(屈折率1.51)とすると、ハーフミラー面22を透過した光束は、図中プリズム20のa面に入射角1度で入射し、a面に立てた垂線に対し、時計方向に1.51度傾いた光路で出射して対物レンズへと向かう。一方、ハーフミラー面22で反射された光束は、a面と直角なb面に立てた垂線に対し、時計方向に1.51度傾いた光路でAPCセンサへと向かう。これらの光は、光磁気信号の記録再生信号として用いられる信号用光束である。なお、ここでは、入射・出射角が極めて小さいことから、プリズム内部の入射角/プリズムからの出射角=屈折率という関係が成り立っている。
【0039】
プリズムブロック12のa、b面において、プリズム内部への反射光が発生する。もしも、ハーフミラー面22からa面、b面に向かう光線の光軸がそれぞれの面に垂直であれば不要な迷光(反射光)は信号光と同一にサーボ及びデータ用複合センサへと戻ることになり、常に一定の光量がセンサに入射して、信号検出結果に悪影響を与えることになる。本実施例のように、直角プリズム20のa面とアナモフィックプリズム19のb面を、接合面であるハーフミラー面22に対して、−1度と+1度ずつそれぞれ傾け、44度と46度になるように構成することにより、a、b面で内部反射する光束(不要光1、2となる)は、レーザダイオード側から進行してくる光束(入射光束)に対して2度の角度差を持って反射進行することになる。
【0040】
ここで、直角プリズム20のa面で反射された不要光は、再びハーフミラー面22に43度の入射角で入射し、同じく43度の反射角で反射されて直角プリズム20のd面へと向かう。このd面に入射する角度は、3度であり、結果的に集光レンズ側へ向かう信号光とは、約3度の偏角をもって信号検知部14へと出射する。アナモフィックプリズム19のb面で反射された不要光は、ハーフミラー面22を透過し、直角プリズム20のd面へ1度の入射角で入射し、d面で屈折後、集光レンズ側へ向かう信号光とは約3度の偏角をもって同様に信号検知部へと出射する。これら不要光成分は信号光を基準として互いに反対側に約3度傾いている。
【0041】
従って、本来の目的である、信号光に対して、ハーフミラープリズムd面を出射後は、不要光は、それぞれ±3度の傾きを正負に持ちながら出射して、ウォラストンプリズム26に入射する。
【0042】
前述のように、ウォラストンプリズム26と集光レンズを透過した信号光は、ホログラム素子、集光レンズを経て、複合センサ上で所定の大きさにそれぞれ集光される。不要光も信号光に対して、±3度の傾きを持ってウォラストンプリズム26、ホログラム素子27を経て、集光レンズ28によって複合センサ29上にそれぞれ集光される。このようにして複合センサ29上に集光された信号光および不要光を図10に示す。S(−1)、S(+1)は信号光の−1次回折光および+1次回折光、A(0)、A(−1)は直角プリズム20のa面で反射された不要光の0次および−1次回折光であり、B(0)、B(+1)はアナモフィックプリズム20のb面からの不要光の0次および+1次回折光である。直角プリズム20のa面で反射された不要光の+1次回折光及び、アナモフィックプリズム20のb面からの不要光の−1次回折光は複合センサ29の外側で収束している。
【0043】
上述のように、本実施例の光情報記録・再生装置においては、光学素子およびセンサの配置は、往路光学系において光学素子の内部反射により発生する不要光(迷光)が、センサの信号検出エリア内に入らないようになっている。なお、プリズムの頂角、46度と44度、及びプリズム全体を約1.51度、X−Y(部分系でのX’−Y’)平面内で回転する方向をそれぞれ逆にすれば、図6内の不要光の場所も左右が入れ替わる。
【0044】
さらに、通常、ホログラム素子を透過する光は±1次回折光だけではなく、製作上の公差・誤差により回折角を有せずに単にホログラム素子を透過するだけの0次光も含まれる。この0次光は、単に集光レンズに斜めに入射した光束としてセンサ上に集光される。
【0045】
このように、本実施例の光磁気ヘッド装置は、光磁気ディスク24からの光束Lを、特定平面内において偏光方向の異なる3光束A1、B1、C1に分離し、そのうちの1光束B1をサーボ信号用光束とし、2光束A1、C1をデータ信号用光束とするウォラストンプリズム26を有し、このウォラストンプリズム26で分離された3光束A1、B1、C1をさらにそれぞれ該ウォラストンプリズム26による光束分離方向とは直交する方向に2分割するためのホログラム板を有して、各2分割光束A2、B2、C2およびA2’、B2’、C2’を生成している。そして、ホログラム板27により分割されたサーボ信号用光束の2分割光束B2およびB2’を受光するために、光軸O方向の同一位置における平面内に位置する一対のサーボ用受光素子32a、32bを有し、ホログラム板27により分割された2とのデータ信号用光束の2分割光束A2、A2’およびC2、C2’をそれぞれに受光するために、サーボ用受光素子32a、32bと同一の光軸方向位置における平面内に位置する一対ずつのデータ用受光素子31a、31bおよび33a、33bを有している。さらに、ビームスプリッタとしてのプリズムブロック12は、ホログラム板27の回折方向と平行な方向において内部反射光が信号光と異なる角度で出射するような構成となっており、センサの受光領域は、信号光のみを受光するよう配置されている。
【発明の効果】
本発明によると、データ信号用の受光素子とサーボ信号用の受光素子とを完全に分離させ、不要光の悪影響を受けることなく、サーボ信号、光磁気記録信号MO、プリフォーマット信号ROをそれぞれ別個に検出することができ、信号処理及び回路構成が簡易な光学系を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の光情報記録・再生装置の光学系を示す図である。
【図2】ホログラム板のパターンを説明するための図である。
【図3】ホログラム板の断面図である。
【図4】プリズムブロックから出射された光束の進路を示す図である。
【図5】センサの各受光領域の出力信号と、その演算回路を示す図である。
【図6】スポット形状を示す図である。
【図7】スポット形状を示す図である。
【図8】スポット形状を示す図である。
【図9】プリズムブロックの構成を示す図である。
【図10】不要光および信号光のセンサ上での集光状態を示す図である。
【符号の説明】
12 プリズムブロック
16 半導体レーザ
20 アナモフィックプリズム
21 直角プリズム
22 ハーフミラー面
24 光磁気ディスク
25 対物レンズ
26 ウォラストンプリズム
27 ホログラム板
29 複合センサ
Claims (4)
- 記録媒体に照射する光を射出する光源と、
光源からの光束の強度をモニタするための第1の受光素子と、
記録媒体からの反射光束を受光する第2の受光素子と、
光学素子を有し、
入射面から入射した前記光源により射出された光束の一部は前記光学素子の第1面より第1の光束として前記第1の受光素子に向けて射出され、入射光束の一部は前記光学素子の第2面より第2の光束として前記記録媒体に向けて射出され、前記記録媒体からの反射光束は、前記光学素子の前記第2面より入射して第3面より第3の光束として前記第2の受光素子側に向けて射出され、前記第2の受光素子はウォラストンプリズムおよび回折格子を介して分割された前記第3の光束を受光しサーボ信号およびデータ信号を生成する光情報記録・再生装置において、
前記入射光および前記光学素子から射出された前記第1、第2および第3の光束の光軸は同一の平面上にあって、
前記第1の光束と前記第1面、前記第2の光束と第2面、および前記第3の光束と第3面が、それぞれ0度でない所定の角度をなし、前記ウォラストンプリズムの光束分離の方向は前記平面とほぼ垂直な方向であり、前記回折格子の回折による光束分離の方向は前記平面とほぼ平行な方向であることを特徴とする、光情報記録・再生装置。 - 前記第1の光束および第2の光束の光軸がなす角、前記第2の光束および第3の光束の光軸がなす角はそれぞれ前記平面上で90度であることを特徴とする、請求項1の光情報記録・再生装置。
- 前記光学素子は、2つの三角プリズムを接合した6面体で、接合面がハーフミラーとなっており、前記入射光束は前記ハーフミラー面に45度の入射角で入射し、一部が前記第1面に向けて反射されることを特徴とする、請求項1の光光情報記録・再生装置。
- 前記第2の受光素子は、前記ウォラストンプリズムおよび前記回折格子により分割された前記第3の光束をそれぞれ受光する複数の受光部を有し、前記複数の受光部は前記分割された前記第3の光束のみを受光するよう配置されていること、を特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の光情報記録・再生装置。
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