JP4442556B2 - 車高調整装置および液圧源制御装置 - Google Patents

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本発明は、作動装置に作動液を供給可能な液圧源を制御する液圧源制御装置および、その液圧源制御装置を備えた車高調整装置に関するものである。
特許文献1には、(i)車両の車輪に対応して設けられ、前記車輪を保持する車輪保持装置と車体との間に設けられた懸架シリンダと、(ii)その懸架シリンダに接続された液圧源を含み、その液圧源の作動液を前記懸架シリンダに供給して、前記車輪と前記車体との上下方向の相対位置関係である車高を大きくする作動液供給装置とを含む車高調整装置において、前記液圧源を、(a)動力により作動させられる液圧発生装置と、(b)その液圧発生装置から供給された作動液を加圧した状態で蓄えるアキュムレータと、(c)そのアキュムレータにおける作動液の流入・流出を許容する許容状態と流入・流出を阻止する阻止状態とに切り換え可能な蓄圧制御弁とを含むものが記載されている。この車高調整装置においては、車高を大きくする場合に、液圧発生装置が作動させられ、実際の車高が目標車高に達すると、停止させられる。
特開2005−88766号公報
本発明の課題は、液圧源の制御により、作動装置に速やかに作動液を供給可能とすることである。
上記課題は、請求項1の発明によれば、上述の(i)懸架シリンダと、(ii)作動液供給装置とを含む車高調整装置において、前記液圧源を、(a)液圧発生装置、(b)アキュムレータ、(c)蓄圧制御弁を含むものとし、前記作動液供給装置を、(d)前記アキュムレータに蓄えられた作動液の液圧と、前記液圧発生装置の液圧との少なくとも一方を検出する液圧源液圧検出装置と、(e)前記車高を大きくする場合に、前記液圧発生装置を作動状態とするとともに、前記蓄圧制御弁を前記許容状態とする大流量作動液供給部と、(f)その大流量作動液供給部の作動中において、前記液圧源液圧検出装置による検出液圧が減少傾向から増加傾向に変わった場合に、前記蓄圧制御弁を前記阻止状態とする小流量作動液供給部とを備えた液圧源制御装置を含むものとすることによって解決される。
本項に記載の車高調整装置においては、車高調整開始当初等、大きな作動液流量が要求される場合には、液圧発生装置が作動させられるとともに蓄圧制御弁が許容状態とされる。懸架シリンダには、液圧発生装置とアキュムレータとの両方から作動液が供給されるのであり、大流量で作動液が供給される(大流量供給状態と称する)。蓄圧制御弁が阻止状態に切り換えられると、アキュムレータからの作動液が懸架シリンダに供給されなくなるため、懸架シリンダに供給される作動液の流量は小さくなる(小流量供給状態と称する)。しかし、蓄圧制御弁が阻止状態とされれば、液圧発生装置からアキュムレータに作動液が供給されることも阻止されるため、液圧発生装置の作動液がアキュムレータにも懸架シリンダにも供給される場合に比較して、懸架シリンダに供給される作動液の流量の低下を抑制することができ、車高調整に要する時間を短くすることができる。
本項に記載の車高調整装置は、例えば、懸架シリンダ、液圧発生装置およびアキュムレータが、互いに液通路によって接続された構造を成したものとすることができる。また、液圧発生装置およびアキュムレータを含む液圧源と懸架シリンダとの間には、車高調整バルブが設けられるのが普通である。液通路を作動液が流れると、それに起因して抵抗(管路抵抗)が生じるが、この管路抵抗は、液通路の直径が同じである場合には、長さが長い場合は短い場合より大きく、絞り(バルブ)がある場合はない場合より大きくなる。液圧源と懸架シリンダとの間に車高調整バルブが設けられる場合には、車高調整バルブ内の狭い通路により生じる絞り作用により、これらの間の管路抵抗が大きくなる。
車高を大きくする車高調整が行われる場合には、液圧源から懸架シリンダに作動液が供給される。液圧発生装置、アキュムレータの両方から懸架シリンダに作動液が供給される状態においては、液圧発生装置の出力液圧およびアキュムレータに蓄えられた作動液の液圧(以下、アキュムレータ液圧と略称する)は、懸架シリンダの液圧に管路抵抗分の液圧を加えた大きさより大きくなる。また、液圧発生装置の出力液圧は、アキュムレータ液圧と、懸架シリンダの液圧と管路抵抗分の液圧との和とのうちの大きい方で決まる。そのため、アキュムレータの液圧は、作動液の流出に伴って低下するが、アキュムレータの液圧が充分に高い間は、液圧発生装置の出力液圧はアキュムレータの液圧の減少に伴って減少する。
アキュムレータ液圧は作動液の流出に伴って低下し続けるが、懸架シリンダの液圧は、作動液が供給されるのに伴って高くなり、やがて、液圧発生装置の出力液圧が、懸架シリンダの液圧で決まるようになり、懸架シリンダの液圧の増加に伴って増加する。
一方、アキュムレータ液圧の低下により、アキュムレータ液圧がアキュムレータの出力側の液圧(液通路のアキュムレータとの接続部の液圧)と同じになると、アキュムレータから作動液が流出しなくなる。さらに、液圧発生装置から懸架シリンダに作動液が供給されることにより、懸架シリンダの液圧が高くなれば、液圧発生装置の出力液圧も高くなる。液圧発生装置の出力液圧がアキュムレータ液圧より高くなると、以後、液圧発生装置からアキュムレータに作動液が供給されるようになる。それによって、アキュムレータ液圧が増加し、液圧発生装置の液圧も増加する。したがって、アキュムレータの液圧が減少傾向から増加傾向に変われば、アキュムレータにおいて、作動液流出状態から作動液流入状態に変わったことがわかる。
従来、車高を大きくする車高調整が行われる場合に、蓄圧制御弁は、予め定められた設定時間の間許容状態に保たれるようにされていた。しかし、一回の車高を大きくする車高調整において要求される作動液量は同じであるとは限らない。例えば、車高調整において1つの懸架シリンダにおいて要求される作動液の液量(液圧の増加量)、車高調整対象輪の数等は同じであるとは限らないのである。また、車高調整において要求される作動液の液圧の範囲も車輪に加わる荷重(車両の積載状態)によって異なる。そのため、蓄圧制御弁が常に設定時間の間許容状態に保たれる場合には、アキュムレータに蓄えられた作動液を充分に有効に使用できない事態や、懸架シリンダに供給される作動液の流量が小さくなって車高調整に要する時間が長くなる等の事態が発生する。
それに対して、アキュムレータにおいて作動液流出状態から流入状態へ切り換わると、アキュムレータ液圧は減少勾配から増加勾配に変わる。したがって、この事実に基づいて、アキュムレータの液圧変化勾配が減少から増加に転じた場合(アキュムレータ液圧の変曲点が検出された場合)に蓄圧制御弁が阻止状態に切り換えられるようにすれば、アキュムレータに蓄えられた作動液を充分に有効に利用することができる。また、蓄圧制御弁が阻止状態とされれば、液圧発生装置からアキュムレータに作動液が供給されるのを防止することができるため、懸架シリンダに供給される作動液の流量の低下を抑制することができ、車高調整に要する時間を短くすることができる。その結果、液圧発生装置やアキュムレータの小型化を図ることが可能となる。
前述のように、アキュムレータと液圧発生装置とが互いに連通状態にある場合には、液圧発生装置の出力液圧とアキュムレータ液圧とは対応して変化するため、液圧源液圧検出装置は、アキュムレータの液圧を検出するものであっても液圧発生装置の出力液圧を検出するものであってもよい。ただし、液圧発生装置の出力液圧はアキュムレータ液圧より早期に減少傾向から増加傾向へ変化するため、液圧発生装置の出力液圧が検出されるようにすれば、液圧発生装置からアキュムレータへの作動液の流入をより良好に阻止することができる。
液圧発生装置は、ポンプ装置とすること等ができる。液圧発生装置は、エネルギの供給により作動させられるものであり、供給エネルギの制御により作動させられたり、停止させられたりする。
蓄圧制御弁は、例えば、ソレノイドへの供給電流の制御により開閉させられる電磁制御弁等とすることができる。蓄圧制御弁は、例えば、アキュムレータと液圧発生装置および懸架シリンダとの間に設けることができる。
請求項2に記載の車高調整装置においては、当該車高調整装置が、前記作動液供給装置と前記懸架シリンダとの間に設けられた車高調整弁を含み、前記液圧源制御装置が、前記車高を大きくする車高調整が終了した後に、前記車高調整弁を開状態から閉状態に切り換えることにより前記懸架シリンダを前記液圧源から遮断し、かつ、前記蓄圧制御弁を前記許容状態とすることにより、前記液圧発生装置から出力された作動液を前記アキュムレータに供給し、前記液圧源液圧検出装置による検出液圧が予め定められた設定圧に達した後に、前記蓄圧制御弁を前記阻止状態とするとともに前記液圧発生装置を非作動状態とする蓄圧制御部を含むものとされる。
車高を大きくする車高調整が行われる場合には、懸架シリンダが液圧源に連通させられる。懸架シリンダに作動液が供給されて車高が大きくされ、車高が目標車高に達すると、懸架シリンダが液圧源から遮断される。この状態において、すなわち、懸架シリンダが液圧源から遮断され、かつ、液圧発生装置が作動している状態において、蓄圧制御弁を許容状態とすれば、液圧発生装置から出力された作動液がアキュムレータに供給され、アキュムレータ液圧は増加する。アキュムレータ液圧が予め定められた設定圧に達した後に、蓄圧制御弁が阻止状態とされて、液圧発生装置が停止させられる。
このように、アキュムレータの作動液は車高を大きくする場合に利用されるため、車高を大きくする車高調整が終了した後に補充しておけば、次に車高を大きくする要求があった場合に、アキュムレータの作動液を利用して、速やかに車高調整を行うことができる。
車高調整装置において、例えば、液圧発生装置、アキュムレータ、懸架シリンダが共通の液通路に接続され、液圧源液圧検出装置が、液圧発生装置とアキュムレータとの間に設けられ、液通路とアキュムレータとの間に蓄圧制御弁が設けられる構造とすることができる。さらに、液通路に流出制御装置を介してリザーバが接続され、流出制御装置が、懸架シリンダから液圧発生装置の吐出側への作動液の流れを阻止する手段と、液圧発生装置の出力液圧が設定圧より低い場合に開状態にあり、出力液圧が設定圧より高くなると閉状態に切り換わるパイロット式の開閉弁とを含む構造とすることができる。
この構造の車高調整装置においては、アキュムレータ圧を検出するために蓄圧制御弁を許容状態に切り換える必要があるが、液圧発生装置が非作動状態にあり流出制御装置により液通路がリザーバに連通させられた状態にある場合には、液通路の液圧は大気圧にあるため、蓄圧制御弁を許容状態に切り換えると、アキュムレータから作動液が無駄に流出させられる。そのため、車高を大きくする車高調整が開始される前にアキュムレータ液圧を検出して、アキュムレータに蓄えられた作動液量を取得することは行われていなかった。前述のように、従来の車高調整装置において、蓄圧制御弁が、設定時間の間、許容状態に保たれるようにされていたが、その設定時間を車高調整が開始された時のアキュムレータ液圧に基づいて制御することができず、予め定められた固定の設定時間の間許容状態に保たれるようにされていたのである。
それに対して、液圧源液圧検出装置が蓄圧制御弁よりアキュムレータとは反対側にあっても、液圧源液圧の変曲点によれば、アキュムレータにおいて作動液流出状態から流入状態に切り換わったことを検出することが可能となるため、車高調整開始時にアキュムレータに蓄えられている作動液量を取得しなくても、蓄圧制御弁を適切な時期に閉状態に切り換えることが可能となる。アキュムレータの作動液を有効に利用することが可能となり、車高調整時間を短くすることが可能となる。
また、車高を大きくする制御が終了し、液圧発生装置が作動状態にある場合(液圧発生装置が停止させられる前にある場合)には、流出制御装置によって液通路がリザーバから遮断された状態にあるため、液通路の液圧は高い。その場合に、蓄圧制御弁を許容状態としても、アキュムレータからの作動液の流出を抑制することができる。逆に、アキュムレータ液圧の方が液通路の液圧より低い場合もある。いずれにしても、車高を大きくする車高調整が終了した時点においては、アキュムレータからの作動液の無駄な流出を抑制しつつ、アキュムレータ液圧を検出することが可能となる。したがって、車高を大きくする車高調整が終了して、液圧発生装置が停止させられる前において、アキュムレータ液圧が設定圧以上になるまで、作動液が蓄えられるようにすることは妥当なことであり、エネルギの無駄な消費を抑制することができる。


上記課題は、請求項3の発明によれば、作動装置に作動液を供給可能な液圧源を制御する液圧源制御装置であって、前記液圧源を、(a)液圧発生装置、(b)アキュムレータ、(c)蓄圧制御弁とを含むものとし、当該液圧源制御装置を、(d)前記アキュムレータに蓄えられた作動液の液圧と、前記液圧発生装置の液圧との少なくとも一方を検出する液圧源液圧検出装置と、(e)前記液圧発生装置を作動状態とするとともに前記蓄圧制御弁を前記許容状態とする大流量作動液供給部と、(f)その大流量作動液供給部の作動状態で、前記液圧源液圧検出装置による検出液圧が減少傾向から増加傾向に変わった場合に、前記蓄圧制御弁を前記阻止状態とする小流量作動液供給部とを含むものとすることによって解決される。
本項に記載の液圧源制御装置は、液圧発生装置によって出力される作動液とアキュムレータの作動液との両方が協調して利用されるため、液圧発生装置やアキュムレータ等を大型にすることなく、作動装置に速やかに作動液を供給することが可能となる。
液圧源制御装置は、車高調整装置に限らず、ブレーキ装置等の他の液圧作動装置の液圧源の制御装置として適用することができる。
本項に記載の液圧源制御装置には、請求項1,2に記載の技術的特徴を採用することができる。
以下、本発明の一実施例としての車高調整装置を、図面に基づいて詳細に説明する。本車高調整装置は、本発明の一実施例としての液圧源制御装置が含まれる。
本サスペンション装置は、図1に示すように、前後左右輪4FL、FR、RL、RRの各々において、車輪4を保持する車輪保持装置6FL、FR、RL、RRと車体8との間に、それぞれ、懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRがサスペンションスプリング21とともに設けられる。懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRは流体としての作動液により作動させられる。前後左右輪4FL、FR、RL、RRは駆動輪であり、本サスペンション装置が搭載された車両は4輪駆動車両である。以下、車輪位置で区別する必要がある場合には、車輪位置を表す符号FL、FR、RL、RRを付して使用し、区別する必要がない場合に符号を付さないで使用する。
懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRは、互いに構造が同じものであり、それぞれ、ハウジング11と、ハウジング11の内部を相対移動可能に嵌合されたピストン12と、ピストンロッド14とを含み、ピストンロッド14が車体8に、ハウジング11が車輪保持装置6に、それぞれ上下方向に相対移動不能に連結される。ピストン12には、そのピストン12により仕切られた2つの液室16,18を連通させる連通路20が設けられ、連通路20には絞りが設けられる。絞りにより、ピストン12のハウジング11に対する相対移動速度(絞りを流れる作動液の流速)に応じた減衰力が発生させられる。懸架シリンダ10はショックアブソーバとして機能する。
図1に示すように、ピストンロッド14は、サスペンションスプリング21を保持するスプリングリテーナ22にゴム等の弾性部材を介して取り付けられ、スプリングリテーナ22が車体8に上下方向に相対移動不能に取り付けられる。また、スプリングリテーナ22には、バウンド側ストッパ24が取り付けられる。バウンド側ストッパ24にシリンダ本体11の外側上端面26が当接することによってバウンド側の移動限度が規定される。
それに対して、ピストン12のピストンロッド14が設けられた側にはリバウンド側ストッパ28が設けられる。リバウンド側ストッパ28に本体11の内側上端面30が当接することにより、リバウンド側の移動限度が規定される。
懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRの液室16には、それぞれ、個別制御通路32FL、FR、RL、RRが接続される。
個別制御通路32FL、FR、RL、RRの各々には、懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRの各々に対応して、互いに並列にアキュムレータ34FL、FR、RL、RRとアキュムレータ36FL、FR、RL、RRとが接続される。また、懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRとアキュムレータ36FL、FR、RL、RRとの間には、それぞればね定数切換弁38FL、FR、RL、RRが設けられる。
これらアキュムレータ34、36は、いずれもばねとしての機能を有するものであり、例えば、ハウジングとそのハウジングの内側を仕切る仕切部材とを含み、その仕切部材の一方の容積変化室に個別制御通路32が連通させられ、他方の容積変化室に弾性体が設けられたものであり、一方の容積変化室の容積の増加に起因して他方の容積変化室の容積が減少し、それによって弾性力を発生させるものとすることができる。アキュムレータ34,36は、ベローズ式のものとしたり、ブラダ式のものとしたり、ピストン式のものとしたりすること等ができる。
本実施例においては、アキュムレータ34の方がアキュムレータ36よりばね定数が大きいものとされており、以下、アキュムレータ34を高圧アキュムレータと称し、アキュムレータ36を低圧アキュムレータと称する。ばね定数切換弁38は、常開の電磁開閉弁である。
個別制御通路32FL、FR、RL、RRには、それぞれ、可変絞り40FL、FR、RL、RRが設けられる。前述のように、車輪保持装置6の車体8に対する相対的な上下動により液室16において作動液が流入・流出させられるが、この場合に、可変絞り40によって個別制御通路32の流路面積が制御されることにより、懸架シリンダ10において発生させられる減衰力が制御される。本実施例においては、可変絞り40等により減衰力調整機構が構成される。
個別制御通路32FL、FR、RL、RRには作動液給排装置70が接続される。
作動液給排装置70は、高圧源72、低圧源74としてのリザーバを備えた液圧源76、個別制御弁装置80等を含む。
高圧源72は、ポンプ81とポンプモータ82とを備えたポンプ装置84、蓄圧用アキュムレータ86等を含む。ポンプ装置84,蓄圧用アキュムレータ86等は制御通路88に設けられる。ポンプ81によってリザーバ74の作動液が汲み上げられて吐出され、蓄圧用アキュムレータ86において加圧した状態で蓄えられる。
蓄圧用アキュムレータ86は、前述のように、ハウジングとそのハウジングの内側を仕切る仕切部材とを含むものである。仕切部材の一方の容積変化室(作動液収容室と称する)に制御通路88が接続され、他方の容積変化室(弾性力発生室)に弾性体が設けられる。蓄圧用アキュムレータ86において、図8に示すように、作動液収容室の容積の増加に伴って弾性力発生室の容積が減少し、発生させられる弾性力が大きくなり、作動液収容室に蓄えられた作動液の液圧が高くなる。また、作動液収容室から作動液が流出すると、作動液収容室の容積が小さくなり、弾性力発生室の容積が大きくなる。弾性力が小さくなり、作動液の液圧が低くなる。このように、蓄圧用アキュムレータ86において、作動液収容室に蓄えられた作動液の容量と作動液の液圧とは対応するため、蓄えられた作動液の液圧(以下、単に、アキュムレータ液圧と称する)に基づけば、収容された作動液の液量を取得することができる。
蓄圧用アキュムレータ86は、例えば、ピストン式のものとすることができるがそれに限らない。
蓄圧用アキュムレータ86は常閉の電磁開閉弁である蓄圧制御弁90を介して制御通路88に接続される。
蓄圧制御弁90は、蓄圧用アキュムレータ86における作動液の流入・流出を許容する許容状態(蓄圧制御弁90の開状態に対応する)と蓄圧用アキュムレータ86における作動液の流入・流出を阻止する阻止状態(蓄圧制御弁90の閉状態に対応する)とに切り換え可能なものである。開状態において、蓄圧用アキュムレータ86からの作動液の流出、ポンプ装置84からの作動液の流入が許容され、閉状態において、作動液の流出も、流入も阻止される。
制御通路88には液圧源液圧センサ92が設けられる。液圧源液圧センサ92は、ポンプ81の吐出液圧(以下、単にポンプ吐出液圧と略称する)を検出したり、アキュムレータ液圧を検出したりする。蓄圧制御弁90の閉状態においては、ポンプ吐出液圧が検出される。蓄圧制御弁90の開状態において、ポンプ吐出液圧とアキュムレータ液圧とが検出されると考えることができるが、液圧源液圧センサ92と蓄圧用アキュムレータ86との間の管路抵抗が大きい場合には、ポンプ吐出液圧が検出されると考えるのが妥当である。いずれにしても、ポンプ吐出液圧とアキュムレータ液圧とは互いに関連して変化するため、いずれか一方に基づけば他方を推定することができる。
制御通路88のポンプ81の吐出側には、逆止弁94,消音用アキュムレータ96が設けられる。また、ポンプ81の高圧側と低圧側とを接続する流出通路104が設けられ、流出通路104に流出制御弁106が設けられる。
流出制御弁106は、ポンプ吐出液圧をパイロット圧とするメカ式の開閉弁である。ポンプ81の非作動時には連通状態にあるが、ポンプ81の作動により吐出液圧が高くなると遮断状態とされる。ポンプ81はギアポンプである。
個別制御弁装置80は、個別制御通路32FL、FR、RL、RRに設けられた車高調整弁としての個別制御弁110FL、FR、RL、RRを含む。また、個別制御通路32FL、FRを接続する前輪側左右連通路111に左右連通弁112が設けられ、個別制御通路32RL、RRを接続する後輪側左右連通路113に左右連通弁114が設けられる。
これら車高調整弁110FL、FR、RL、RR、左右連通弁112,114は、常閉の電磁開閉弁であり、左右連通弁112,114の遮断状態において車高調整弁110FL、FR、RL、RRを個別に制御することにより、各車輪4FL、FR、RL、RRの各々において、車輪保持装置6FL、FR、RL、RRとそれに対応する車体8の部分(懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRに対応する部分)との間の距離である車高が独立に制御可能とされる。
本車高調整装置は、コンピュータを主体とする車高調整ECU200によって制御される。車高調整ECU200は、実行部204,記憶部206,入出力部208等を含み、入出力部208には、ばね定数切換弁38、可変絞り40のコイル、作動液給排装置70(蓄圧用制御弁90,車高調整弁110,左右連通弁112、114のコイル、ポンプモータ82等)が図示しない駆動回路を介して接続されるとともに、液圧源液圧センサ92,前後左右の各輪毎に設けられ、車高をそれぞれ検出する車高センサ220,車高調整モード選択スイッチ224,車高調整指示スイッチ226,車高調整要求有無検出装置228等がそれぞれ接続される。
車高調整モード選択スイッチ224は、運転者によって操作されるものであり、スイッチ224の操作により、自動モードとマニュアルモードとのいずれか一方が選択される。
車高調整指示スイッチ226は、車高を増大させる場合、車高を減少させる場合等に操作されるスイッチで、運転者のマニュアル操作によって切り換えられる。
車高調整要求有無検出装置228は、車両の走行状態を検出したり、運転者の発進意図を検出したり、乗員の乗降の可能性を検出したりするものであり、これらに基づいて車高調整要求の有無が検出される。
記憶部206には、図2のフローチャートで表される車高調整プログラム等が記憶される。
以上のように構成された車高調整装置における作動について説明する。
懸架シリンダ10の各々において、減衰特性が可変絞り40の制御により制御される。
可変絞り40により個別制御通路32の流路面積が小さくされた場合には、サスペンションの硬さがハード(車輪と車体との上下方向の相対移動速度が同じ場合の減衰力が大きくなる状態)となり、流路面積が大きくされた場合にはソフト(相対移動速度が同じ場合の減衰力が小さくなる状態)となる。サスペンションの硬さは、図示しないモード選択スイッチの運転者による操作に応じて切り換えられるが、車両の走行状態に基づいて制御されるようにすることもできる。
また、ばね定数切換弁38の制御によりばね定数が切り換えられる。
ばね定数切換弁38が連通状態とされた場合には、液室16に2つのアキュムレータ34,36が連通させられて、ばね定数が小さい状態とされ、ばね定数切換弁38が遮断状態とされた場合には、液室16から低圧アキュムレータ36が遮断されて高圧アキュムレータ34が連通させられるため、ばね定数が大きい状態とされる。
4つの車輪4FL,FR,RL,RRに対応する車高が作動液給排装置70の制御により制御される。
車高調整モード選択スイッチ224によって自動モードが選択された場合において、予め定められた条件が満たされた場合にそれに応じて車高が変化させられ、マニュアルモードが選択された場合において、車高調整指示スイッチ226が操作された場合には、その指示に応じて変化させられる。例えば、自動モータが選択された場合において、車両が停止した後に、イグニッションスイッチがON状態からOFF状態に切り換えられた場合には、乗員が降車する可能性があるとされて、車高が小さくされる。また、イグニッションスイッチがOFF状態からON状態に切り換えられ、かつ、シフト位置がパーキング位置からドライブ位置に切り換えられる等の発進意図が検出された場合には、車高が大きくされ、走行に適した高さとされる。
左右連通弁112,114、車高調整弁110は、通常は、図示する原位置にある。
例えば、左前輪4FLについて車高を大きくする場合には、ポンプ81が作動させられ、蓄圧制御弁90が連通状態とされ、車高調整弁110FLが連通状態とされる。ポンプ81の作動により流出制御弁106が遮断状態とされるため、ポンプ81から吐出された作動液が懸架シリンダ10FLに供給され、車高が大きくなる。懸架シリンダ10FLには、蓄圧用アキュムレータ86からも作動液が供給される。左前輪4FLについて、実際の車高が目標値に達すると、車高調整弁110FLが遮断状態とされ、ポンプ81の作動が停止させられる。蓄圧制御弁90の制御については後述する。
車高を小さくする場合は、車高調整弁110FLが連通状態とされる。ポンプ81は停止状態にあるため、流出制御弁106は連通状態にある。懸架シリンダ10FLからリザーバ74に作動液が流出させられる。実際の車高が目標値に達すると、車高調整弁110FLが遮断状態とされる。
本実施例においては、前述のように、懸架シリンダ10が車輪保持装置6と車体8との間に、サスペンションスプリング21と並列に設けられる。そのため、車輪4に加わる荷重が一定であると仮定すれば、図9に示すように、車高が大きくなると、サスペンションスプリング21が受ける力(弾性力)が小さくなるため、懸架シリンダ10の液圧(以下、単にシリンダ液圧と略称する)が高くなる。また、シリンダ液圧は、車高が同じ(サスペンションスプリング21の弾性力が同じ)である場合において、荷重が大きい場合は小さい場合より高くなる。なお、図9には、1輪について、懸架シリンダ10の液圧の変化と車高の変化との関係を示す。
本実施例においては、車高を大きくする際に、蓄圧制御弁90が開状態に切り換えられて蓄圧用アキュムレータ86に蓄えられた作動液が利用されるのであるが、その場合に、液圧源液圧センサ92による検出液圧が減少傾向から増加傾向に変わった場合に、蓄圧制御弁90が開状態から閉状態に切り換えられる。
従来の車高調整装置においては、蓄圧制御弁90が車高調整開始時から設定時間が経過するまでの間開状態に保たれるようにされていた。その場合のアキュムレータ液圧、ポンプ吐出液圧、シリンダ液圧の変化を図7に示す。なお、液圧源76と懸架シリンダ10との間には、車高調整弁110が設けられるため、これらの間の管路抵抗は大きい。
図6(a)に示すように、車高を大きくする車高調整が行われる場合には、液圧源76から懸架シリンダ10に作動液が供給される。このポンプ装置84,蓄圧用アキュムレータ86との両方から懸架シリンダ10に作動液が供給される状態においては、ポンプ吐出液圧およびアキュムレータ液圧は、シリンダ液圧に管路抵抗分の液圧を加えた大きさより大きい。また、ポンプ吐出液圧は、アキュムレータ液圧と、シリンダ液圧と管路抵抗分の液圧との和とのうちの大きい方で決まる。そのため、アキュムレータ液圧は、作動液の流出に伴って低下するが、アキュムレータ液圧が充分に高い間は、ポンプ吐出液圧はアキュムレータ液圧の減少に伴って減少する。
アキュムレータ液圧は作動液の流出に伴って低下し続けるが、シリンダ液圧は、作動液が供給されるのに伴って高くなり、やがて、ポンプ吐出液圧が、シリンダ液圧で決まるようになり、シリンダ液圧の増加に伴って増加する。
一方、アキュムレータ液圧の低下により、アキュムレータ液圧が蓄圧用アキュムレータ86と制御通路88との接続部240の液圧と同じになると、蓄圧用アキュムレータ86から作動液が流出しなくなる。さらに、ポンプ装置84から懸架シリンダ10に作動液が供給されることにより、シリンダ液圧が高くなれば、ポンプ吐出液圧も高くなる。ポンプ吐出液圧がアキュムレータ液圧より高くなると、図6(b)に示すように、ポンプ装置84から蓄圧用アキュムレータ86に作動液が供給されるようになる。それによって、アキュムレータ液圧が増加し、ポンプ吐出液圧も増加する。
このように、従来の車高調整装置において、図6(a)に示す状態においては、懸架シリンダ10に、ポンプ装置84から吐出された作動液の流量Aと蓄圧用アキュムレータ86から流出させられた作動液の流量Bとの合計の流量C(=A+B)で作動液が供給される。図6(b)の状態においては、ポンプ装置84から吐出された作動液の流量Aから蓄圧用アキュムレータ86に供給された作動液の流量Bを引いた流量C(=A−B)で作動液が供給される。このように、図6(b)の状態において、懸架シリンダ10に供給される作動液の流量が小さくなるため、車高調整に要する時間(T1)が長くなるという問題があった。
また、一回の車高を大きくする車高調整において要求される作動液量は常に同じであるとは限らない。例えば、車高調整において1つの懸架シリンダ10において要求される作動液の液量(液圧の増加量)、車高調整対象輪の数等は同じであるとは限らないのである。さらに、車高調整において要求される作動液の液圧の範囲も車輪に加わる荷重(車両の積載状態)によって異なる。そのため、蓄圧制御弁90が常に設定時間の間許容状態に保たれる場合には、蓄圧用アキュムレータ86に蓄えられた作動液を充分に有効に使用できないという問題もあった(図9参照)。
それに対して、前述のように、アキュムレータ液圧が減少傾向から増加傾向に切り換わった場合には、蓄圧用アキュムレータ86において、作動液流出状態から作動液流入状態に切り換わったことがわかる。そこで、本実施例においては、アキュムレータ圧が減少傾向から増加傾向に切り換わった場合に、蓄圧制御弁90が閉状態に切り換えられるようにしたのである。
図2のフローチャートで表される車高調整プログラムは、予め定められた設定時間毎に実行される。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、車高を大きくする要求、すなわち、アップ要求があるか否かが判定される。すなわち、自動モードにおいて、車高を大きくする要求が満たされた場合、車高調整指示スイッチ226が操作された場合等が該当する。
アップ要求がある場合には、S2において、ポンプモータ82が作動させられ、S3において、蓄圧制御弁90が開状態に切り換えられる。その後、車高調整対象車輪に対応する車高調整弁110が開状態に切り換えられる。車高調整対象車輪に対応する懸架シリンダ10には、蓄圧用アキュムレータ86からもポンプ装置84からも作動液が供給されることになる。車高調整対象車輪は、1輪である場合、左右前輪あるいは左右後輪である場合(2輪)、前後左右輪である場合(4輪)等がある。
S5において、実際の車高が目標車高に達したか否かが判定され、目標車高に達する以前においては、S6において、蓄圧制御弁90が閉状態にあるか否かが判定される。蓄圧制御弁90は、車高調整が開始された当初は開状態にあるため、判定がNOとなり、S7において、液圧源液圧センサ92によって液圧が検出されて、S8において、減少傾向から増加傾向に変わったか否か(検出液圧の変曲点であるか否か)が判定される。車高調整の開始当初においては、減少傾向にあるため、判定はNOとなる。その後、S10において、車高が検出されて、S5に戻される。
車高調整対象車輪の車高が目標車高に達する以前においては、S5〜8,10が繰り返し実行される。車高が目標車高に達するより先に、液圧源液圧が減少傾向から増加傾向に転じた場合には、S8の判定がYESとなり、S9において、蓄圧制御弁90が閉状態に切り換えられる。それによって、次回からの実行時にS6の判定がYESとなる。車高が目標車高に達するまで、S5,6,10が繰り返し実行される。
車高が目標車高に達すると、S5の判定がYESとなり、S11において、その車高調整対象車輪に対応する車高調整弁110が開状態から閉状態に切り換えられる。S12において、他に車高調整対象車輪があるか否かが判定される。他に車高調整対象車輪がある場合には、その車輪に対応する車高調整弁110が開状態に切り換えられて、S14において、車高が検出され、S5に戻される。次の車高調整対象車輪についての車高調整が行われるのであり、同様に、S5,6,10あるいはS5〜8,10が繰り返し実行される。
その車輪について車高が目標車高に達すると、S5の判定がYESとなり、その車高調整弁110が閉状態に切り換えられ、S12において、他に車高調整対象車輪があるか否かが判定され、他に車高調整対象車輪がある場合には、同様に、S5以降が繰り返し実行されるが、他に車高調整対象車輪がない場合には、S15において、蓄圧制御が行われる。
蓄圧制御については、図3のフローチャートに表す。
S15が実行される時点においては、すべての車高調整弁110は閉状態にあり、ポンプ装置84は作動状態にある(停止させられる前の状態にある)。蓄圧制御弁90は閉状態にあるのが普通である。そこで、S51において、蓄圧制御弁90が開状態とされ、S52において、液圧源液圧(アキュムレータ圧)PACCが検出され、S53において、予め定められた設定圧PACCD以上になったか否かが判定される。設定圧PACCDより小さい場合には、ポンプ装置84の作動が継続させられるが、設定圧PACCD以上になると、S53の判定がYESとなり、S54において、蓄圧制御弁90が閉状態とされて、S55において、ポンプモータ82の作動が停止させられる。設定圧PACCDは、蓄圧用アキュムレータ86に、作動液が収容可能な最大液量収容された場合の液圧としたり、2輪について車高を大きくする1回の車高調整において必要な作動液量に基づいて決まる液圧としたりすること等ができる。
本実施例における場合の、アキュムレータ液圧、ポンプ吐出液圧、シリンダ液圧の変化の状態を図5に示す。車高調整当初においては、図4(a)に示すように、懸架シリンダ10には、ポンプ81と蓄圧用アキュムレータ86との両方から作動液が供給される。その後、液圧源液圧が減少傾向から増加傾向に変わるのであるが、その場合に、蓄圧制御弁90が閉状態に切り換えられる。蓄圧制御弁90が閉状態に切り換えられると、図4(b)に示すように、ポンプ81から吐出された作動液(流量A)は蓄圧用アキュムレータ86に供給されることなく懸架シリンダ10に供給される(流量C=A)。その結果、蓄圧制御弁90が開状態に保たれる場合より、懸架シリンダ10に供給される作動液の流量を大きくすることができ、車高調整に要する時間(T0)を短くすることができる(T1>T0)。そのため、ポンプ装置84,蓄圧用アキュムレータ86の小形化を図ることも可能となる。
本実施例においては、蓄圧用アキュムレータ86とポンプ装置84との両方から懸架シリンダ10に作動液が供給される状態が大流量供給状態であり、ポンプ装置84の作動液が供給される状態が小流量供給状態である。また、液圧源液圧が減少傾向から増加傾向に切り換わる時期は、常に同じであるとは限らない。例えば、左右前輪、左右後輪について、この順に車高が大きくされる場合に、左右前輪についての車高調整中に切り換わる場合や、左右後輪についての車高調整中に切り換わる場合等がある。
車高調整は、4輪について行われる場合、2輪について行われる場合、1輪について行われる場合等がある。また、車高調整において、1つの懸架シリンダ10において増加させる車高の大きさ(目標ストロークであり、車高を目標車高まで大きくするのに必要な液圧に対応する)も同じであるとは限らない。そのため、一回の車高調整において要求される作動液量は異なる。また、車両における積載状態によって車輪4に加わる荷重が異なり、懸架シリンダ10において必要な作動液の液圧の範囲も異なる。しかし、いずれの場合であっても、液圧源液圧が減少傾向から増加傾向に転じたことが検出された場合に、蓄圧用アキュムレータ86において作動液流出状態から作動液流入状態に変わったことがわかる。したがって、そのことが検出された場合に、蓄圧制御弁90を閉状態に切り換えれば、車高調整の態様に関係なく、蓄圧用アキュムレータ86の作動液を充分に有効に利用することができる
また、前述のように、ポンプ吐出液圧は、アキュムレータ液圧より早期に減少傾向から増加傾向へ変化する。そのため、ポンプ吐出液圧が検出されるようにすれば、ポンプ81から蓄圧用アキュムレータ86への作動液の流入をより良好に阻止することができる。
さらに、車高を大きくする車高調整が終了した場合に、蓄圧用アキュムレータ86に作動液が蓄えられるのであり、使用された作動液が補充される。そのため、次に必要になった場合に、速やかに車高を大きくすることが可能となる。
また、本実施例においては、液圧源液圧センサ92が制御圧通路88,すなわち、蓄圧制御弁90に対して蓄圧用アキュムレータ86とは反対側に設けられる。そのため、蓄圧用アキュムレータ86の液圧は蓄圧制御弁90を開状態にしないと検出することができない。さらに、流出制御弁106は、ポンプ装置84の吐出圧が設定圧以下の場合に開状態にあり、設定圧を越えると閉状態に切り換えられるパイロット式の開閉弁である。そのため、制御通路88の液圧は、ポンプ装置84が非作動状態にあり、流出制御弁106が開状態にある場合には大気圧にある。これらの事実から、ポンプ装置86が非作動状態にある場合に蓄圧制御弁90を開状態とすると、蓄圧用アキュムレータ86から作動液が流出し、蓄圧用アキュムレータ86の作動液が無駄に消費される。
それに対して、ポンプ装置84の作動状態において、蓄圧制御弁90が開状態とされれば、蓄圧用アキュムレータ86から作動液が流出することなく、アキュムレータ圧を検出することが可能となる。さらに、図5に示すように、車高調整終了時には、制御通路88の液圧の方がアキュムレータ液圧より高い場合もある。この場合に、蓄圧制御弁90が開状態とされれば、制御通路88の作動液を蓄圧用アキュムレータ86に供給することも可能である。いずれにしても、車高調整終了後の、制御通路88の液圧が大気圧より高い状態で、蓄圧制御弁90を開状態に切り換えて、アキュムレータ液圧を検出しつつ、蓄圧用アキュムレータ86に作動液を供給することは妥当なことである。
以上のように、車高調整ECU200の図2のフローチャートのS1〜10,15を記憶する部分、実行する部分等により液圧源液圧制御装置が構成され、そのうちの、S3,4を記憶する部分、実行する部分等により大流量供給部が構成され、S8,9を記憶する部分、実行する部分等により小流量供給部が構成され、S15を記憶する部分、実行する部分等により蓄圧制御部が構成される。また、大流量供給部と小流量供給部とによって作動液供給装置が構成される。さらに、S15を記憶する部分、実行する部分等により蓄圧制御部が構成される。
なお、上記実施例においては、蓄圧制御弁90が電磁開閉弁とされたが、リニア制御弁とすること等ができる。
また、液圧源液圧センサ92は、蓄圧制御弁90より蓄圧用アキュムレータ側に設けてもよい。
さらに、上記実施例の液圧源制御装置は、車高調整装置に限らず、ブレーキ装置等に適用することもできる。
その他、本発明は、前述に記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
本発明の一実施例である車高調整装置全体を示す回路図である。本車高調整装置には、本発明の一実施例である液圧源制御装置が含まれる。 上記車高調整装置に含まれる車高調整ECUの記憶部に記憶された車高調整プログラムを示すフローチャートである。 上記車高調整プログラムの一部を示すフローチャートである。 上記車高調整プログラムが実行された場合の作動状態を示す図である。 上記車高調整プログラムが実行された場合の、液圧の変化状態を示す図である。 従来の車高調整装置において車高調整プログラムが実行された場合の作動状態を示す図である。 従来の車高調整プログラムが実行された場合の、液圧の変化状態を示す図である。 本発明の一実施例である車高調整装置に含まれる蓄圧用アキュムレータの液圧の変化を示す図である。 本発明の一実施例である車高調整装置に含まれる懸架シリンダの液圧の変化を示す図である。
符号の説明
10:懸架シリンダ 84:ポンプ装置 74:液圧源 86:蓄圧用アキュムレータ 90:蓄圧制御弁 92:液圧源液圧センサ 110:車高調整弁 200:車高調整ECU

Claims (3)

  1. 車両の車輪に対応して設けられ、前記車輪を保持する車輪保持装置と車体との間に設けられた懸架シリンダと、
    その懸架シリンダに接続された液圧源を含み、その液圧源の作動液を前記懸架シリンダに供給して、前記車輪と前記車体との上下方向の相対位置関係である車高を大きくする作動液供給装置と
    を含む車高調整装置であって、
    前記液圧源が、(a)動力により作動させられる液圧発生装置と、(b)その液圧発生装置から供給された作動液を加圧した状態で蓄えるアキュムレータと、(c)そのアキュムレータ
    における作動液の流入・流出を許容する許容状態と流入・流出を阻止する阻止状態とに切り換え可能な蓄圧制御弁とを含み、
    前記作動液供給装置が、(d)前記アキュムレータに蓄えられた作動液の液圧と、前記液
    圧発生装置の液圧との少なくとも一方を検出する液圧源液圧検出装置と、(e)前記車高を
    大きくする場合に、前記液圧発生装置を作動状態とするとともに、前記蓄圧制御弁を前記許容状態とする大流量作動液供給部と、(f)その大流量作動液供給部の作動中において、前記液圧源液圧検出装置による検出液圧が減少傾向から増加傾向に変わった場合に、前記蓄圧制御弁を前記阻止状態とする小流量作動液供給部とを備えた液圧源制御装置を含むことを特徴とする車高調整装置。
  2. 当該車高調整装置が、前記作動液供給装置と前記懸架シリンダとの間に設けられた車高調整弁を含み、前記液圧源制御装置が、前記車高を大きくする車高調整が終了した後に、前記車高調整弁を開状態から閉状態に切り換えることにより前記懸架シリンダを前記液圧源から遮断し、かつ、前記蓄圧制御弁を前記許容状態とすることにより、前記液圧発生装置から出力された作動液を前記アキュムレータに供給し、前記液圧源液圧検出装置による検出液圧が予め定められた設定圧に達した後に、前記蓄圧制御弁を前記阻止状態とするとともに前記液圧発生装置を非作動状態とする蓄圧制御部を含む請求項1に記載の車高調整装置。
  3. 作動装置に作動液を供給可能な液圧源を制御する液圧源制御装置であって、
    前記液圧源が、(a)液圧発生装置と、(b)その液圧発生装置から供給された作動液を加圧した状態で蓄えるアキュムレータと、(c)そのアキュムレータにおける作動液の流入・流出を許容する許容状態と流入・流出を阻止する阻止状態とに切り換え可能な蓄圧制御弁とを含み、
    当該液圧源制御装置が、(d)前記アキュムレータに蓄えられた作動液の液圧と、前記液圧発生装置の液圧との少なくとも一方を検出する液圧源液圧検出装置と、(e)前記液圧発生装置を作動状態とするとともに前記蓄圧制御弁を前記許容状態とする大流量作動液供給部と、(f)その大流量作動液供給部の作動状態で、前記液圧源液圧検出装置による検出液圧が減少傾向から増加傾向に変わった場合に、前記蓄圧制御弁を前記阻止状態とする小流量作動液供給部とを含むことを特徴とする液圧源制御装置。
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