JP4631528B2 - サスペンション装置 - Google Patents
サスペンション装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4631528B2 JP4631528B2 JP2005131849A JP2005131849A JP4631528B2 JP 4631528 B2 JP4631528 B2 JP 4631528B2 JP 2005131849 A JP2005131849 A JP 2005131849A JP 2005131849 A JP2005131849 A JP 2005131849A JP 4631528 B2 JP4631528 B2 JP 4631528B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- vehicle height
- communication
- height adjustment
- state
- fluid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Vehicle Body Suspensions (AREA)
Description
センタシリンダにおいて、ハウジングに相対移動可能に嵌合されたピストンは複数の受圧面を有するものであるが、複数の受圧面には、それぞれ、前後左右の各輪に対応する流体シリンダの流体圧が加えられる。ピストンにおいて、各流体シリンダの流体圧によりそれぞれ加えられる力が釣り合い、静止状態にある場合には、ピストンは中立位置にあることが望まれる。しかし、各輪の流体シリンダ各々の流体圧は、常に同じであるとは限らない。そのため、ピストンは、流体圧により加えられる力が釣り合う位置まで移動して静止する。
例えば、人の乗降り、荷物の積載の有無等により、各輪に対する荷重は変化する。流体シリンダが、サスペンションスプリングとともに、車輪保持装置と車体との間に設けられた場合に、車輪に加えられる荷重は、それぞれ、サスペンションスプリングと流体シリンダの流体圧とで受けられる。そのため、荷重が変化したからといって、そのままの変化が流体シリンダの流体圧に生じるわけではない。しかし、車高調整装置により各輪の車高が同じとされた場合には、これら各輪において、サスペンションスプリングの弾性力が同じとなり、流体シリンダの流体圧が荷重に応じた大きさとなる。荷重の変化に応じて流体圧が変化し、それによって、ピストンは、各流体シリンダの流体圧により加えられる力が釣り合う位置まで移動して静止する。
また、各輪の荷重が一定であっても、車高調整が行われることによって、流体シリンダの流体圧が変わることがある。例えば、個別の車高調整により、前後左右の各輪の実際の車高が同じ高さまで高くされる場合、車体の重量は、主として、車高が最も高い3点で支持されるため、最後に流体の流入・流出が行われる流体シリンダにおいては、他の3輪の流体シリンダにおけるより流体圧が低い状態で車高が目標車高に達する。この場合には、各輪に加わる荷重が一定であっても、流体シリンダの流体圧が変化し、ピストンは各流体シリンダの流体圧により加えられる力が釣り合う位置まで移動させられる。
さらに、右側輪、左側輪に加わる荷重が異なることに起因して右側輪の流体シリンダと左側輪の流体シリンダとで流体圧が異なる場合に、これらを連通させて車高調整が行われる場合がある。連通させることにより、流体圧が高い方の流体シリンダの流体圧が低くなり、低い方の流体シリンダの流体圧が高くなる。それに伴って、ピストンが移動させられる。
このように、各輪の流体シリンダの流体圧が変わったり、車高調整が行われたりすると、ピストンは各輪の流体シリンダの流体圧により加えられる力が釣り合う位置まで移動させられる。このピストンの移動の繰り返しにより、静止状態におけるピストンの位置が中立位置から大きくずれる可能性がある。この中立位置からのずれは、各輪の流体シリンダの流体圧が互いに大きく異なる状態で車高調整が行われる時に、特に、大きくなり、極端な場合、ピストンがハウジングの一方の端部に当接した位置で静止することもある(ボトミング)。それによって、センタシリンダの機能が充分に発揮されないことがあるのである。
それに対し、本項に記載のサスペンション装置においては、位置補正装置により、ピストンの中立位置からのずれが小さくされる。その結果、センタシリンダにおいて、ピストンの中立位置からのずれが大きくなることに起因して、機能が充分に発揮できなくなることを回避することができる。
ハウジングと、そのハウジングに相対移動可能に嵌合され、前記前後左右の各輪に対応する流体シリンダの流体圧をそれぞれ受ける受圧面を有するピストンとを含み、前記前後左右の各輪の流体シリンダの流体圧により作動させられるセンタシリンダと、
前記前後左右の各輪に対応する流体シリンダの流体圧差に起因して生じる前記センタシリンダにおける前記ピストンの中立位置からのずれを小さくする位置補正装置と
を含むことを特徴とするサスペンション装置。
流体は、液体でも気体でもよい。
(2)前記ハウジングと前記ピストンとにより前記複数の受圧面にそれぞれ対向する複数の流体圧室が形成されるとともに、前記ピストンの同じ向きの2つの受圧面にそれぞれ対向する2つの流体圧室のうちの一方に右前輪の流体シリンダが接続されるとともに他方に左後輪の流体シリンダが接続され、前記2つの受圧面とは反対向きの2つの受圧面にそれぞれ対向する2つの流体圧室の一方に左前輪の流体シリンダが接続されるとともに右後輪の流体シリンダが接続され、前記位置補正装置が、前輪側と後輪側との少なくとも一方の側に設けられ、左側輪に対応する流体シリンダと右側輪に対応する流体シリンダとを連通させる状態と遮断する状態とに切り換え可能な左右連通弁と、その少なくとも一方の側に設けられた左右連通弁のうちの少なくとも一方を遮断状態から連通状態とする左右連通部とを含む(1)項に記載のサスペンション装置。
本項に記載のサスペンション装置において、センタシリンダのピストンの複数の受圧面のうち、同じ向きの2つの受圧面には、右前輪の流体シリンダの圧力に応じた力(圧力に受圧面の面積を掛けた大きさの力であり、以下、同様である)と左後輪の流体シリンダの圧力に応じた力とが加えられ、2つの受圧面とは反対向きの2つの受圧面には、左前輪の流体シリンダの圧力に応じた力と右後輪の流体シリンダの圧力に応じた力とが加えられる。ピストンにおいて、同じ向きの2つの受圧面に加えられる力の和と反対向きの2つの受圧面に加えられる力の和とが釣り合った状態で、静止する。
また、前輪側と後輪側との少なくとも一方の側において、左側輪の流体シリンダと右側輪の流体シリンダとの間に設けられ、これらを連通させる連通状態と遮断する遮断状態とに切り換え可能な左右連通弁が設けられ、位置補正装置により、前輪側、後輪側の少なくとも一方の側に設けられた左右連通弁のうちの少なくとも一方が遮断状態から連通状態に切り換えられる。それによって、後述するように、ピストンの中立位置からのずれを小さくすることができる。
(3)当該サスペンション装置が、前記前後左右の流体シリンダにおける、流体の流入・流出を制御することにより、前記前後左右の流体シリンダの流体の量を制御して車高を調整する車高調整装置を含む(1)項または(2)項に記載のサスペンション装置。
(4)前記車高調整装置が、(i)各輪に対応する流体シリンダにおける流体の流入・流出をそれぞれ個別に制御する個別制御部と、(ii)前記前輪側と後輪側とのいずれか一方の側の前記左右連通弁を連通状態として、そのいずれか一方の側の右側輪の流体シリンダと左側輪の流体シリンダとにおける流体の流入・流出を共通に制御する共通制御部との少なくとも一方を含む(3)項に記載のサスペンション装置。
個別制御部によれば、各輪の流体シリンダにおける流体の流入・流出が個別に制御される。共通制御部によれば、右側輪の流体シリンダと左側輪の流体シリンダとにおける流体の流入・流出が共通に制御される。
車高調整の態様としては、(a)各輪毎の車高が個別に制御される場合、(b)前輪側と後輪側とのいずれか一方の側において共通に制御され、他方の側において個別に制御される場合、(c)前輪側と後輪側とで、それぞれ、共通に制御される場合がある。
(5)前記左右連通部が、前記車高調整装置による車高調整中に、前記少なくとも一方の前記左右連通弁を遮断状態から連通状態とする車高調整中左右連通部を含む(3)項または(4)項に記載のサスペンション装置(請求項1)。
車高調整が個別制御部により行われる場合には、前輪側、後輪側の少なくとも一方の側に設けられた左右連通弁のうちの少なくとも一方が、遮断状態から連通状態に切り換えられる。この場合には、前述のように、前輪側、後輪側の両方の左右連通弁が同時に連通状態とされても、順番に連通状態とされても、いずれか一方の側の左右連通弁のみが連通状態とされてもよい。例えば、車高調整が共通制御部により共通制御が行われていない側の左右連通弁が遮断状態から連通状態に切り換えられた場合には、それによって、前輪側、後輪側の両方の左右連通弁がともに連通状態とされることになる。また、前輪側の左右連通弁と後輪側の左右連通弁とが順番に連通状態とされたと考えることができる。
前述のように、前輪側、後輪側の左右連通弁を遮断状態から連通状態とすると、流体シリンダの流体圧の変化に起因して車体の姿勢が変化するのが普通である。それに対して、車高調整中に連通状態とされれば、その車高調整において、左右連通弁を連通状態としたことに起因する車体の姿勢の変化を修正することが可能となる。
また、ピストンの位置が修正された後に車高調整が行われると、それによって、ピストンが移動させられることもある。しかし、ピストンの位置が修正されることなく、車高調整が複数回連続して実行される場合に比較して、ピストンがボトミングする確率を低くし、中立位置からのずれが過大になることを回避することができる。
さらに、車高調整は比較的頻繁に行われるため、車高調整をトリガとして左右連通弁を連通させて、ピストンの位置を修正することは妥当なことである。
なお、少なくとも一方の左右連通弁は、ピストンが移動するのに要する時間に基づいて決まる設定時間の間、連通状態に保たれることが望ましい。
また、流体シリンダにおける流体の流入・流出と位置補正とは、別個に行われるようにしても、並行して行われるようにしてもよい。流体の流入・流出と位置補正とが並行して行われるようにすれば、車高調整に要する時間を短くすることができる。
(6)前記車高調整中左右連通部が、前記車高調整装置による車高調整中の、前後左右の車輪のうちの少なくとも1輪の実際の車高が、車高調整開始前の実際の車高と目標車高とに基づいて決まる設定車高に達した後に、前記少なくとも一方を遮断状態から連通状態とする目標車高依拠連通部を含む(5)項に記載のサスペンション装置(請求項2)。
実際の車高が設定車高に達したことがトリガとされて、左右連通弁が連通状態に切り換えられる。設定車高は、車高調整開始時の実際の車高と目標車高との中間の値であるが、車高調整開始時の実際の車高に近い値としても、目標車高に近い値としてもよい。車高調整においては、車高が増加させられる場合と減少させられる場合とがある。
また、前後左右の各輪のすべての車高が設定車高に達したことをトリガとすることができるが、前後左右の車輪のうちの予め定められた1輪以上の車高が設定車高に達したことをトリガとしてもよい。これらの条件は、車高調整において、個別制御が行われるか共通制御が行われるかによって決まることもある。
なお、車高に基づくのではなく、車高調整が開始されてからの時間に基づいて、左右連通弁を遮断状態から連通状態に切り換える時期を決めることもできる。
(7)前記車高調整装置が、前記前後左右の各輪の車高が第1目標値に達するまで1つ以上の流体シリンダにおける流体の流入・流出を制御する主車高調整部と、前記前後左右の各輪の車高がそれぞれ第2目標値に達するまで、各輪の流体シリンダにおける流体の流入・流出を個別に制御する補助車高調整部とを含み、前記車高調整中左右連通部が、前記補助車高調整部による車高調整が行われる前に、前記少なくとも一方の左右連通弁を連通状態とし、設定時間が経過した後、かつ、前記補助車高調整部による車高調整が行われる前に、前記少なくとも一方の左右連通弁を遮断状態とする補助調整前連通部を含む(5)項または(6)項に記載のサスペンション装置(請求項5)。
第1目標値、第2目標値は、車高調整要求の内容等で決まる目標車高(真の目標車高と称する)に基づいて決まる。第2目標値は、例えば、真の目標車高と同じ大きさとすることができ、第1目標値は、第2目標値近傍の値であって、真の目標車高より車高調整開始時の実際の車高に近い値とすることができる。例えば、第1目標値は、車高調整開始時の実際の車高と真の目標車高との中間より真の目標車高に近い値とすることが望ましい。
左右連通弁は、主車高調整による車高調整が終了した後に連通状態とされても、主車高調整による車高調整中に連通状態とされてもよい。いずれにしても、その後に行われる補助車高調整部により車高姿勢が修正される。
主車高調整においては、各輪の流体シリンダにおける流体の流入・流出が別個独立に制御されても、前輪側、後輪側の右側輪の流体シリンダと左側輪の流体シリンダとについて共通に制御されてもよい。
(8)前記車高調整中左右連通部が、前記主車高調整部による車高調整中に、前記少なくとも一方の左右連通弁を遮断状態から連通状態とする手段を含む(7)項に記載のサスペンション装置(請求項6)。
(9)前記車高調整中左右連通部が、前記主車高調整部による車高調整が終了した後に、前記少なくとも一方の左右連通弁を遮断状態から連通状態とし、前記設定時間が経過した後に、前記少なくとも一方の左右連通弁を連通状態から遮断状態とする手段を含み、前記補助車高調整部が、前記少なくとも一方の左右連通弁が遮断状態にされた後に、車高調整を行う(7)項または(8)項に記載のサスペンション装置(請求項7)。
(10)前記車高調整中左右連通部が、前記車高調整装置による車高調整を中断して、前記少なくとも一方の左右連通弁を遮断状態から連通状態とする手段を含む(5)項ないし(9)項のいずれか1つに記載のサスペンション装置(請求項3)。
(11)前記左右連通弁が、前記前輪側と前記後輪側との各々に設けられ、前記車高調整装置が、前記前輪側と後輪側とのいずれか一方の側の前記左右連通弁を連通状態として、そのいずれか一方の側の右側輪の流体シリンダと左側輪の流体シリンダとにおける流体の流入・流出を共通に制御する共通制御部を含み、前記車高調整中左右連通部が、前記共通制御部による車高調整中に、その共通制御部により車高調整が行われていない他方の側の左右連通弁を遮断状態から連通状態とする手段を含む(5)項ないし(10)項のいずれか1つに記載のサスペンション装置(請求項4)。
(12)前記車高調整装置が、車高調整要求がある場合に、車高調整を行うものであり、前記左右連通部が、前記車高調整要求がある場合に、前記少なくとも一方の左右連通弁を遮断状態から連通状態とする手段を含む(5)項ないし(11)項のいずれか1つに記載のサスペンション装置(請求項8)。
(13)前記位置補正装置が、前記前輪側と後輪側との各々に設けられた前記左右連通弁を含み、前記車高調整中左右連通部が、前記左右連通弁のうちいずれか一方を遮断状態から連通状態とする片側連通部を含む(5)項ないし(12)項のいずれか1つに記載のサスペンション装置(請求項10)。
例えば、ピストンの各受圧面に、右前輪の流体シリンダの流体圧に応じた力FFR、左前輪の流体シリンダの流体圧に応じた力FFL、右後輪の流体シリンダの流体圧に応じた力FRR、左後輪の流体シリンダの流体圧に応じた力FRLが加えられ、これらが互いに異なる状態で、釣り合っている場合を考える。この場合には、例えば、式
FFR+FRL=FFL+FRR
FFR>FFL
FRR>FRL
FFR,FFL>FRR,FRL
が成立する。ピストンは、中立位置より、右前輪の流体シリンダが接続された流体圧室の容積が大きくなる位置で静止していると考えられる。
この状態から、例えば、前輪側の左右連通弁を連通させると、車体が右側が低くなる向きに傾斜する。前輪側の左右連通弁を連通させることにより、右側輪の流体シリンダの流体圧が低くなるが、サスペンションスプリングが収縮し、弾性力が大きくなる。それによって、前輪側の右側輪に対応する流体シリンダから左側輪に対応する流体シリンダに向かって流体が流れる。それに対して、車体は剛体であるため、前輪側において右側の車高が小さくなると、後輪側においても、同様に、右側輪の車高が小さくなるのであり、車体は、全体として右側が低くなる向きに傾斜する(姿勢が変化する)。一方、後輪側においては、右側輪の流体シリンダと左側輪の流体シリンダとは遮断状態にあるため、車体の傾斜により、右側輪の流体シリンダから流出した流体がセンタシリンダの流体圧室に流入し、センタシリンダの流体圧室から流出した流体が左側輪の流体シリンダに供給される。それによって、センタシリンダにおいて、左後輪の流体シリンダが接続された流体圧室の容積が小さくなり、右後輪の流体シリンダが接続された流体圧室の容積が大きくなるのであり、換言すれば、ピストンが、右前輪の流体シリンダが接続された流体圧室の容積が小さくなり、左前輪の流体シリンダが接続された流体圧室の容積が大きくなる向きに移動させられる。この向きは、右前輪の流体シリンダの流体圧が大きいことに起因する中立位置からのずれを小さくする向きである。
このように、前輪側、後輪側のいずれか一方の側の左右連通弁のみを連通状態とすれば、ピストンの中立位置からのずれを小さくすることができる。
(14)前記片側連通部が、前輪側と後輪側とで、右側輪の流体シリンダの流体圧と左側輪の流体シリンダの流体圧との平均的な高さが大きい側の左右連通弁を遮断状態から連通状態とする高圧側連通部を含む(13)項に記載のサスペンション装置。
(15)前記左右連通部が、前記車両の制動中に、前記前輪側の左右連通弁を遮断状態から連通状態とする制動時連通部を含む(5)項ないし(14)項のいずれか1つに記載のサスペンション装置(請求項12)。
例えば、前輪側の流体シリンダの流体圧が後輪側の流体シリンダの流体圧に対して非常に大きく、式
FFR>FFL》FRR,FRL
が成立する場合には、右前輪の流体シリンダの流体圧が過大であることに起因してピストンがボトミングしており、式
FFR+FRL>FFL+FRR
が成立する状態で静止している場合がある。
この状態で、後輪側の左右連通弁を連通状態として、右側輪の流体シリンダの流体圧と左側輪の流体シリンダの流体圧とを同じ大きさとしても、ピストンに加えられる力の関係式において、不等号の向きは変わらず、ピストンが移動しないことがある。後輪側の左右連通弁を連通状態に切り換えても、センタシリンダにおいては、流体圧が大きい(荷重が大きい)前輪側の影響を強く、ピストンが移動しないか、移動しても僅かなのであり、車体の傾斜は変わらないか、変わっても僅かである。
それに対して、前輪側の左右連通弁を連通状態とすれば、ピストンを移動させることができ、中立位置からのずれを小さくすることができる。
車両の制動時においては、前輪側の荷重が大きく、前輪側の流体シリンダの流体圧が後輪側の流体シリンダの流体圧に比較して大きくなるのが普通である。そのため、制動時に前輪側の左右連通弁を連通状態とすることは妥当なことである。
また、制動時には、前傾姿勢となるため、前輪側の左右連通弁を連通状態とすることに起因する走行安定性の低下を抑制することができる。サスペンションスプリングにおいて、変形量と弾性力(加わる荷重)との関係が非線形であり、荷重が大きい領域においては小さい領域より、荷重の変化量が同じである場合の変形量が小さくなる。そのため、制動時の前輪荷重が大きい状態においては、前輪側の左右連通弁を連通状態に切り換えたことに起因する車体の傾きを抑制することができるのである。この意味においても、制動をトリガとして左右連通弁を連通状態とすることは望ましいことである。
なお、前輪側の左右連通弁は、制動開始時に遮断状態から連通状態に切り換えられるようにしても、制動中の減速度が設定値以上になった場合(減速度が設定値以上である制動中)に連通状態に切り換えられるようにしてもよい。
また、本項に記載のサスペンション装置においては、センタシリンダが自己復帰部を有する必要は必ずしもない。
(16)前記片側連通部が、前輪側と後輪側とで、右側輪の流体シリンダの流体圧と左側輪の流体シリンダの流体圧との差が大きい側の左右連通弁を遮断状態から連通状態とする左右差大側連通部を含む(13)項ないし(15)項のいずれか1つに記載のサスペンション装置。
前輪側と後輪側とのうちの、右側輪の流体シリンダの流体圧と左側輪の流体シリンダの流体圧との差が大きい側の左右連通弁を連通させれば小さい方の側の左右連通弁を連通させる場合に比較して、左右連通弁を連通状態とした場合の流体圧の変化量が大きくなるため、ピストンに加わる力が大きくなり、センタシリンダにおいて、ハウジングとピストンとの間の摩擦力が大きくても、ピストンを確実に移動させることができる。
(17)前記左右連通部が、前記片側連通部によって、前記前輪側と後輪側とのいずれか一方の側の左右連通弁が連通させられた後に、他方の側の左右連通弁を連通させる順次連通部を含む(13)項ないし(16)項のいずれか1つに記載のサスペンション装置(請求項11)。
前輪側と後輪側との各々に設けられた左右連通弁を同時に遮断状態から連通状態に切り換えると、大きな脈動が生じ望ましくない。それに対して、前輪側の左右連通弁と後輪側の左右連通弁とを順番に遮断状態から連通状態に切り換えれば、脈動を抑制することができる。本項に記載のサスペンション装置においては、センタシリンダが自己復帰部を有する。
(18)前記位置補正装置が、前記前輪側と後輪側との各々に設けられた前記左右連通弁を含み、前記車高調整中左右連通部が、前記前輪側の左右連通弁と後輪側の左右連通弁との両方を、同時に、連通状態とする同時連通部を含む(5)項ないし(12)項、(15)項のいずれか1つに記載のサスペンション装置(請求項9)。
(19)前記センタシリンダが、前記ピストンを前記ハウジングの予め定められた中立位置に復帰させる自己復帰部を含む(1)項ないし(18)項のいずれか1つに記載のサスペンション装置。
本項に記載のサスペンション装置において、センタシリンダが自己復帰部を有している。 自己復帰部は、ピストンの両端部とハウジングの両端部との間にそれぞれ設けられた一対のリターンスプリングを含むものとすることができる。
自己復帰部は、動力により駆動させられるものとしてもそうでないものとてもよいが、動力により駆動させられないものが使用されることが多く、例えば、ピストンの両端部とハウジングの両端部との間にそれぞれ設けられた一対のリターンスプリングを含むものとすることができる。
リターンスプリング等の自己復帰部は、ピストンが自由に移動し得る状態において、ピストンを中立位置に復帰させる。例えば、前輪側の左右連通弁と後輪側の左右連通弁との両方が連通状態とされた場合、各流体シリンダのすべてが低圧源に連通させられた場合等に、ピストンは自由に移動し得る状態となり、自己復帰部により中立位置に戻される。
本サスペンション装置において、図1に示すように、前後左右輪4FL、FR、RL、RRを保持する車輪保持装置6FL、FR、RL、RRと車体8との間に、それぞれ、流体シリンダとしての懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRが、図示しないサスペンションスプリングとともに設けられる。懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRは流体としての作動液により作動させられる。以下、懸架シリンダ10等を区別する必要がある場合に、車輪位置を表す符号FL、FR、RL、RRを付して使用し、区別する必要がない場合に符号を付さないで使用する。
懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRは、互いに構造が同じものであり、それぞれ、ハウジング11と、ハウジング11の内部を相対移動可能に嵌合されたピストン12と、ピストンロッド14とを含み、ピストンロッド14が車輪保持装置6に、ハウジング11が車体8に、それぞれ上下方向に相対移動不能に連結される。ピストン12には、そのピストン12により仕切られた2つの液室16,18を連通させる連通路20が設けられ、連通路20には絞りが設けられる。絞りにより、ピストン12のハウジング11に対する相対移動速度(絞りを流れる作動液の流速)に応じた減衰力が発生させられる。懸架シリンダ10はショックアブソーバとして機能する。
個別通路22FL、FR、RL、RRの各々には、懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRの各々に対応して、互いに並列にアキュムレータ24FL、FR、RL、RRとアキュムレータ26FL、FR、RL、RRとが接続される。また、懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRとアキュムレータ26FL、FR、RL、RRとの間には、それぞればね定数切換弁28FL、FR、RL、RRが設けられる。
本実施例においては、アキュムレータ24の方がアキュムレータ26よりばね定数が大きいものとされており、以下、アキュムレータ24を高圧アキュムレータと称し、アキュムレータ26を低圧アキュムレータと称する。ばね定数切換弁28は、常開の電磁開閉弁である。
第一ピストン52の第二ピストン53とは反対側が第一液室60、第一ピストン52と第二ピストン53との間が第二液室61、第二ピストン53と第三ピストン54との間が第三液室62、第三ピストン54の第二ピストン53とは反対側が第四液室63とされる。また、第一ピストン52において、第一液室60側が外側受圧面65とされて、第二液室61側が内側受圧面66とされる。また、第二ピストン53において、第二液室61側が内側受圧面67とされ、第三液室62側が内側受圧面68とされるとともに、第三ピストン54において、第三液室62側が内側受圧面69とされ、第四液室63側が外側受圧面70とされる。
また、互いに隣接する第一ピストン52と第二ピストン53との間の第二液室61には、個別通路22RLにより左後輪4RLの懸架シリンダ10RLが接続され、第二ピストン53と第三ピストン54との間の第三液室62には個別通路22RRにより右後輪4RRの懸架シリンダ10RRが接続される。
それに対して、第二液室61の両側の互いに反対向きである第一ピストン52の内側受圧面66と第二ピストン53の内側受圧面67とは、左後輪4RLの懸架シリンダ10RLの液圧を受ける。しかし、2つのピストンのうち直径の小さい第一ピストン52に加える力は、直径の大きい第二ピストン53の内側受圧面67のうち第一ピストン52の内側受圧面66と等しい受圧面積の部分に加える力により相殺される。そのため、ピストン組立体50の第二液室61の液圧に対する有効受圧面積は、第二ピストン53の内側受圧面67の受圧面積から第一ピストン52の内側受圧面66の受圧面積を差し引いた大きさとなる。同様に、ピストン組立体50の第三液室62の液圧に対する有効受圧面積は、第二ピストン53の内側受圧面68の受圧面積から第三ピストン54の内側受圧面69の受圧面積を差し引いた大きさとなる。つまり、ピストン組立体50には、第二液室61,第三液室62の液圧と、上述した有効受圧面積との積で表される力がそれぞれ作用することになる。
したがって、ピストン組立体50において、同じ側の2つの受圧面65,67にはそれぞれ、右前輪4FR、左後輪4RLの懸架シリンダ10FR,10RLの液圧に応じた力FFR、FRLを受け、2つの受圧面65,67とは反対側の2つの受圧面70,68には、それぞれ、左前輪4FL,右後輪4RRの懸架シリンダ10FL,10RRの液圧に応じた力を受ける。
また、センタシリンダ48において。ピストン組立体50の外側受圧面65とハウジング51の端面との間、外側受圧面70とハウジング51の端面との間には、それぞれ、リターンスプリング71,72が設けられる。これら一対のリターンスプリング71,72により自己復帰部73が構成される。
高圧源76は、ポンプ81とポンプモータ82とを備えたポンプ装置84、蓄圧用アキュムレータ86等を含む。ポンプ装置84,蓄圧用アキュムレータ86等は制御通路88に設けられる。ポンプ81によってリザーバ78の作動液が汲み上げられて吐出され、蓄圧用アキュムレータ86において加圧した状態で蓄えられる。蓄圧用アキュムレータ86は常閉の電磁開閉弁である蓄圧制御弁90を介して制御通路88に接続される。制御通路88には、流体圧センサ92が設けられる。流体圧センサ92によれば、ポンプ81の吐出圧やアキュムレータ圧を検出することができる。
制御通路88のポンプ81の吐出側には、逆止弁94,消音用アキュムレータ96が設けられる。また、ポンプ81の高圧側と低圧側とを接続する流出通路104が設けられ、流出通路104に流出制御弁106が設けられる。
流出制御弁106は、ポンプ81の吐出圧をパイロット圧とするメカ式の開閉弁である。ポンプ81の非作動時には連通状態にあるが、ポンプ81の作動により吐出圧が高くなると遮断状態とされる。ポンプ81は、ギアポンプである。
これら個別制御弁110FL、FR、RL、RR、左右連通弁112,114は、常閉の電磁開閉弁であり、左右連通弁112,114の遮断状態において個別制御弁110FL、FR、RL、RRを個別に制御することにより、各車輪4FL、FR、RL、RRの各々において、車輪保持装置6FL、FR、RL、RRとそれに対応する車体8の部分(懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRに対応する部分)との間の距離である車高が独立に制御可能とされる。
車高調整モード選択スイッチ224は、運転者によって操作されるものであり、スイッチ224の操作により、自動モードとマニュアルモードとのいずれか一方が選択される。自動モードが選択された場合には、予め定められた条件が満たされた場合にそれに応じて車高が変化させられ、マニュアルモードが選択された場合には、車高調整指示スイッチ226の指示に応じて変化させられる。
パーキングブレーキスイッチ232は、図示しないパーキングブレーキが作動状態にあるか否かを検出するスイッチであり、サービスブレーキスイッチ234は、図示しないサービスブレーキが作動状態にあるか否かを検出するスイッチである。
通信装置236は、送受信アンテナ241等を含み、予め定められた設定領域内において携帯機242との間で通信を行う。
携帯機242は、送受信アンテナ等を含む通信部244、識別情報を記憶するとともに情報を作成するコンピュータを主体とする処理部246等を含む。携帯機242は、複数の操作部を備え、操作部の操作に応じて、車高を高くする指示、車高を低くする指示等を表す情報を識別情報とともに送信する。
通信装置236において、携帯機242から送信された情報を受信した場合に、その情報に含まれる識別情報に基づき、自車両に送信されたものであるか否かを判定する。自車両に送信されたものであるとされた場合には、携帯機242からの指示に応じて車高調整が開始される。また、携帯機242から車高調整指示を表す情報が送信されなくても、予め定められた設定領域内に携帯機242が入ったことが検出された場合に、車高調整(車高を低くすること)が開始される場合もある。
また、記憶部206には、図2のフローチャートで表される車高調整プログラム等が記憶される。
センタシリンダ48において、ピストン組立体50には、各車輪に設けられた懸架シリンダ10の液圧に応じた力(その液圧と、それに対応する受圧面の受圧面積との積で表される力)が作用し、原則として、静止状態においては、これらが釣り合っている。
車体にピッチング、例えば、車両の前側において車輪保持装置6と車体8との間の距離が減少して後側において増大した場合(例えば、制動した場合等)、左右前輪4FL,4FRの懸架シリンダ10FL,10FRの液圧が高くなり、左右後輪4RL,4RRの懸架シリンダ10RL,10RRの液圧が低くなる。そのため、第一ピストン52,第三ピストン54のそれぞれの外側受圧面65,70に作用する液圧が高くなり、第二ピストン52の内側受圧面67,68に作用する液圧が低くなる。この場合には、ピストン組立体50に作用する力の釣り合いの状態は変わらないため、ピストン組立体50の移動が抑制され、各懸架シリンダ10は、それぞれ独立しているに等しい状態となり、大きな減衰力が発生させられ、車両のピッチングが効果的に抑制される。
車体にローリング、例えば、車両の左側において車輪保持装置6と車体8との間の距離が増大して右側において減少した場合(例えば、左旋回時等の場合)、左前輪4FL、左後輪4RLの懸架シリンダ10FL,10RLの液圧が低くなり、右前輪4FR、右後輪4RRの懸架シリンダ10FR,10RRの液圧が高くなる。それに応じ、第三ピストン54の外側受圧面70および第二ピストン53の内側受圧面67に作用する液圧が低くなり、第一ピストン52の外側受圧面65および第二ピストン53の内側受圧面68に作用する液圧が高くなる。ローリング時にもピストン組立体50に作用する力の釣り合い状態が変わらない場合には、各懸架シリンダ10は、それぞれ独立しているに近い状態(極端に言えば、センタシリンダ48がなきに等しい状態)となり、ピストン20の移動に伴って懸架シリンダ10の各々において大きい減衰力が発生させられて、ローリングが効果的に抑制される。
可変絞り30により個別通路22の流路面積が小さくされた場合には、サスペンションの硬さがハード(車輪と車体との上下方向の相対移動速度が同じ場合の減衰力が大きくなる状態)となり、流路面積が大きくされた場合にはソフト(相対移動速度が同じ場合の減衰力が小さくなる状態)となる。サスペンションの硬さは、図示しないモード選択スイッチの運転者による操作に応じて切り換えられるが、車両の走行状態に基づいて制御されるようにすることもできる。
また、ばね定数切換弁28の制御によりばね定数が切り換えられる。
ばね定数切換弁28が連通状態とされた場合には、液室16に2つのアキュムレータ24,26が連通させられて、ばね定数が小さい状態とされ、ばね定数切換弁28が遮断状態とされた場合には、液室16から低圧アキュムレータ26が遮断されて高圧アキュムレータ24が連通させられるため、ばね定数が大きい状態とされる。
本実施例においては、前輪側、後輪側の左右連通弁112,114が遮断状態に保たれた状態で、各輪毎に別個に車高調整が行われる。
左右連通弁112,114、個別制御弁110は、通常は、図示する原位置にある。左前輪4FLについて、車輪保持装置6FLと車体8の左前輪4FLに対応する部分との間の距離である車高を大きくする場合には、個別制御弁110FLが連通状態とされて、ポンプ81が作動させられる。ポンプ81の作動により流出制御弁106が遮断状態とされるため、ポンプ81から吐出された作動液が流体シリンダ10FLに供給され、車高が大きくなる。実際の車高が目標値に達すると、個別制御弁110FLが遮断状態とされ、ポンプ81の作動が停止させられる。
車高を低くする場合は、個別制御弁110FLが連通状態とされる。ポンプ81は停止状態にあるため、流出制御弁106は連通状態にある。懸架シリンダ10FLからリザーバ78に作動液が流出させられる。実際の車高が目標値に達すると、個別制御弁110FLが遮断状態とされる。
例えば、マニュアルモードにおいて、車高調整指示スイッチ226が操作された場合、自動モードにおいて、予め定められた車高調整条件が満たされた場合等に車高調整要求が満たされたとされる。また、マニュアルモード、自動モードとは関係なく、イグニッションスイッチ228がON状態からOFF状態に切り換えられた後においては、見栄えを良くするために車高が標準車高とされる。また、標準車高においては人が乗り難いため、携帯機242から送信された「車高を低くする指示を表す情報」が受信された場合には、車高が自動で低くされる。また、イグニッションスイッチ228がOFF状態からON状態に切り換えられたこと、シフト位置がパーキング位置からドライブ位置に切り換えられたこと等の予め定められた条件が満たされた場合に、車高が高くされる。乗車時に低くされた車高が走行するのに先だって標準高さまで高くされるのである。
また、上述の自動モードにおいては、走行していた車両が停止した後、パーキングブレーキが作動させられたことと、シフト位置がドライブ位置からパーキング位置に切り換えられたこととの少なくとも一方が満たされた場合には、人が降車する可能性があると考えられるため、車高が自動で低くされる。車両の走行中においては、標準高さにあるため、人が降車し易い高さまで低くされるのである。なお、走行していた車両が停止した後、予め定められた設定時間が経過しても、上述の条件が満たされない場合には車高が低くされる。
また、車両の走行中において、車高が走行速度が設定速度以上である場合には、車高が低くされる。
前述のように、ピストン組立体50には、各車輪に設けられた懸架シリンダ10の液圧に応じた力(その液圧と、それに対応する受圧面の有効受圧面積との積で表される力)が作用し、静止状態においては、これらが釣り合っているのが普通である。しかし、各懸架シリンダ10の液圧は常に同じとは限らない。懸架シリンダ10の液圧が変化すると、ピストン組立体50は、これらが釣り合う位置まで移動させられて、静止する。また、この状態から車高調整が行われることがある。
例えば、人の乗降り、荷物の積載の有無等により、各輪4FL、FR、RL、RR に対する荷重は変化する。懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRが、サスペンションスプリングとともに、車輪保持装置6FL、FR、RL、RRと車体8との間に設けられた場合に、車輪4FL、FR、RL、RRに加えられる荷重は、それぞれ、サスペンションスプリングと懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRの液圧とで受けられる。そのため、荷重が変化したからといって、そのままの変化が懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRの液圧に生じるわけではない。しかし、車高調整装置74により各輪の車高が同じとされた場合には、これら各輪において、サスペンションスプリングの弾性力が同じとなり、懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRの液圧が荷重に応じた大きさとなる。荷重の変化に応じて各懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRの液圧が変化し、それによって、ピストン組立体50は、各懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRの液圧により加えられる力が釣り合う位置まで移動して静止する。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、車高調整要求があるか否かが判定される。車高調整要求がある場合には、S2において、主車高調整が行われ、S3において補助車高調整が行われる。
主車高調整については図3のフローチャートで表され、補助車高調整については図4のフローチャートで表される。
また、予め定められた位置の車輪の車高が第1目標値に達したこと(あるいは、予め定められた個数の車輪の車高が第1目標値に達したこと)がトリガとされて位置補正が行われる。本実施例においては、左前輪4の車高が第1目標値に達したこと(1つの車輪についての車高が第1目標値に達したこと)がトリガとされる。左前輪4FLはカウント値1に対応する車輪であるため、カウント値が2(設定値)となれば、カウント値1に対応する車輪についての車高調整が終了したと考えられる。したがって、設定値N0が2とされ、カウント値が設定値2になると位置補正が行われる。
さらに、本実施例においては、主車高調整と位置補正とが並行して行われる。設定時間の間、左右連通弁112,114が連通状態とされた状態で、車高調整対象車輪の懸架シリンダにおいて作動液の流入・流出制御が行われるのである。この場合には、左右連通弁が連通状態にあるため、車高調整対象車輪とは左右反対側の車輪の懸架シリンダにおいても作動液の流入・流出が行われることになる。
なお、主車高調整が中断されて、位置補正が行われるようにすることもできる。この場合についての実施例については、後述する。
このように、左前輪4FLの車高が第1目標値に達するまでは、S22〜27が繰り返し実行される。
そのうちに、左前輪4FLの車高が第1目標値に達すると、S24の判定がYESとなり、S28において、個別制御弁110FLが遮断状態とされて、S29において、カウンタのカウント値が1増加させられて、2とされる。
ここでは、カウント値が2であるため、車高調整対象車輪が左後輪4RLとされて、S22〜24において、左後輪4RLの車高が車高センサ220RLにより検出され、個別制御弁110RLが連通状態とされて、第1目標値に達したか否かが判定される。この場合には、連通フラグがセット状態にあるため、S25の判定がYESとなり、S32において、設定時間が経過したか否かが判定される。左右連通弁112,114が連通状態とされてからの経過時間が設定時間より短い場合には、判定がNOとなり、S27の実行後、S22に戻されて、同様に実行される。設定時間以上になると、S32の判定がYESとなり、S33,34において、連通フラグがリセットされて、前輪側、後輪側の左右連通弁112,114が遮断状態とされる。その後、S27において、カウント値が5より小さいか否かが判定される。たいていの場合には、左後輪4RLについての実車高が第1目標値に達する以前に左右連通弁112,114が連通状態にある時間が設定時間以上になるため、ここでは、カウント値は2のままである。S27における判定がNOとなり、S22以降が実行される。
S22〜29が繰り返し実行されてカウント値が増加させられ、5になると、S27の判定がYESとなり、主車高調整が終了する。
このように、主車高調整の途中に左右連通弁112,114が連通状態とされるため、それ以前に車高調整が行われた車輪については、車高が第1目標値から外れる可能性がある。しかし、本実施例においては、主車高調整が行われた後に、補助車高調整が行われるため、それによって、各車輪の車高が真の目標車高となるように制御することができる。また、ピストン組立体50は、位置補正により中立位置近傍に戻されるが、その後の車高調整により、再び、中立位置から外れることがある。しかし、ピストン組立体50が中立位置近傍に戻されることなく、連続して、複数回の車高調整が行われる場合に比較して、ピストン組立体50がボトミングする確率を低くし、中立位置からのずれが過大となることを回避することができる。
真の目標車高に達する前においては、S52〜54が繰り返し実行され、真の目標車高に達すると、S54の判定がYESとなり、S55において、個別制御弁110が遮断状態とされて、S56において、カウンタのカウント値が1増加させられる。
そして、カウント値が増加させられつつ、S52〜56が繰り返し実行されるが、カウント値が5になると、S57の判定がYESとなり、補助車高調整が終了するとともに車高調整が終了する。
本実施例においては、サスペンションECU200の主車高調整プログラムのS25〜34を記憶する部分、実行する部分等により左右連通部が構成され、左右連通弁112,114および左右連通部等により位置補正装置が構成される。左右連通部は、同時左右連通部、車高調整中左右連通部、補助制御前連通部でもある。
3とされれば、左前輪4FL、左後輪4RLの車高が第1目標値に達した場合に位置補正が行われる。前輪側、後輪側において1輪ずつ、第1目標値に達したことがトリガとされることになる。4とされれば、左右前輪4FL、FR、左後輪4RLの3輪の車高が第1目標値に達した場合に、位置補正が行われることになる。
また、車高調整が行われる順は、上記実施例におけるそれに限らない。カウント値と車高調整対象車輪の位置との対応を変え、例えば、カウント値Nの1〜4が、それぞれ、左前輪4FL、右前輪4FR、左後輪4RL、右後輪4RRを表し、この順に車高調整が行われるようにすることができる。この場合に、設定値N0を3とすれば、左右前輪4FL、FRについて、車高が第1目標値に達した場合に位置補正が行われる。
さらに、上記実施例においては、主車高調整中に位置補正が行われるようにされていたが、主車高調整の開始と同時に位置補正が行われるようにすることもできる。また、主車高調整が開始される直前、すなわち、車高調整要求が満たされた場合に、位置補正が行われるようにすることもできる。
さらに、車高調整が行われる場合には、常に、位置補正が行われるようにされていたが、車高調整要求の種類に応じて位置補正が行われたり、行われなかったりすることができる。例えば、イグニッションスイッチ228のOFF状態において車高調整が行われる場合に位置補正が行われ、ON状態において車高調整が行われる場合には行われないようにする。イグニッションスイッチ228のOFF状態においては、乗員がいないことが多く、位置補正に起因して違和感を感じる頻度を低くすることができる。また、車両の停止状態における車高調整中に位置補正が行われ、走行状態における車高調整中には行われないようにすることもできる。それによって、位置補正に起因する走行安定性の低下を抑制することができる。
また、上記実施例においては、前輪側、後輪側の左右連通弁112,114が同時に遮断状態から連通状態に切り換えられるようにされていたが、これらを順番に、すなわち、時間を隔てて、連通状態に切り換えることもできる。
本実施例においては、各輪毎に、実際の車高が第1目標値に達するまでS22〜24が繰り返し実行される。実際の車高が第1目標値に達すると、S28,29において、個別制御弁110が遮断状態とされて、カウント値が1増加させられる。そして、S26において、カウント値が設定値と等しいか否かが判定される。設定値と等しい場合には、S26の判定がYESとなり、S30、32の実行により、前輪側、後輪側の左右連通弁112,114が設定時間の間、連通状態とされるが、この設定時間の間、次の車高調整対象輪についての車高調整が行われることはない。設定時間が経過すると、S32の判定がYESとなり、S34において、左右連通弁112,114が遮断状態とされ、S27の判定がNOである場合には、次の車高調整対象輪についての車高調整が開始される。
その一例を図6のフローチャートで表す。本実施例においては、前輪側、後輪側の順に車高調整が行われるが、後輪側において、車高が第1目標値より車高調整開始時の実車高に近い第3目標値に達したことがトリガとされて位置補正が行われる。第3目標値は、車高を大きくする場合には第1目標値より小さい値とされ、車高を小さくする場合には第1目標より大きい値とされる。第3目標値は、第1目標値と車高調整開始時の実際の車高との中間より第1目標値に近い値とすることができる。
次に、S76〜79において後輪側の車高調整が行われる。前輪側の左右連通弁112が遮断状態に保たれたまま後輪側の左右連通弁114が連通状態とされ、個別制御弁110RL、RRの少なくとも一方が連通状態とされて車高調整が行われる。S78において、左後輪4RL,右後輪4RRの車高が検出されて、これらの平均的な値が後輪側の車高とされる。S79において、後輪側の車高が第1目標値に達したか否かが判定される。最初にS79が実行される場合には、判定はNOとなり、S80において、第3目標値に達したか否かが判定される。車高調整において、第3目標値は第1目標値より車高調整開始時の実際の車高に近い値であるため、車高は先に第3目標値に達することになり、S80の判定が先にYESとなる。
実際の車高が第3目標値を越えたが第1目標値に達する前においては、S79の判定がNO、S80の判定がYES、S81の判定がNOとなり、S83において、前輪側、後輪側の左右連通弁112,114が連通状態に保たれた時間が設定時間以上になったか否かが判定されるのであり、S76〜83が繰り返し実行される。左右連通弁112,114の連通状態において、後輪側の車高調整が行われるのである。
以下、S76以降が実行され、後輪側の車高調整が継続して行われる。この場合には、位置補正済みフラグがセット状態にあるため、S76〜81が繰り返し実行される。
そのうちに、後輪側の車高が第1目標値に達すると、S79の判定がYESとなり、S86において、S77において連通状態とされた個別制御弁110RL、RRの少なくとも一方が遮断状態とされて、S87において、位置補正済みフラグがセット状態にあるか否かが判定される。ここでは、位置補正済みフラグがセット状態にあるため、判定がYESとなり、S88において、後輪側の左右連通弁114が遮断状態とされ、S89において、位置補正済みフラグがリセットされる。主車高調整と位置補正との両方が終了したのである。
それに対して、左右連通弁112,114の両方が連通状態とされた時間が設定時間以上となるより前に、後輪側の車高が第1目標値に達した場合には、S84,85が実行されることなく、S79の判定がYESとなり、S86において、個別制御弁が遮断状態とされる。それによって、主車高調整が終了する。
しかし、この場合には、位置補正済みフラグはリセット状態にあるため、S90において、経過時間が設定時間に達するのが待たれる。設定時間に達すると、S91において、前輪側の左右連通弁112が遮断状態とされ、S88において、後輪側の左右連通弁114が遮断状態とされて、S89において、位置補正済みフラグがリセットされる。それにより、位置補正が終了する。なお、ここでは、位置補正済みフラグはすでにリセット状態にある。
その後、上記実施例における場合と同様に、補助車高調整が各輪毎に個別に行われる。
本実施例においては、サスペンションECU200のS80〜85、87〜91を記憶する部分、実行する部分等により左右連通部が構成される。左右連通部は、車高調整中左右連通部、片側連通部、補助調整前連通部でもある。
また、上記図5のフローチャートで表される実施例と同様に、左右連通弁112,114の両方が連通状態にある場合には、車高調整が中断されるようにすることもできる。
本実施例においては、図7のフローチャートで表されるように、S2において、主車高調整が行われた後に、S2aにおいて、位置補正が行われ、その後に、S3において、補助車高調整が行われる。
主車高調整は図8のフローチャートで表されるように、S22〜24において、カウント値に対応する車高調整対象車輪の車高が第1目標値に達するまで個別制御弁110が連通状態に保たれ、第1目標値に達すると、S28,29において、個別制御弁110が遮断状態とされ、カウント値が1増加させられる。次に、車高調整対象車輪が変更され同様に車高調整が行われるが、すべての車輪について車高調整が行われると、S27の判定がYESとなり、主車高調整が終了させられる。
なお、主車高調整は、前輪側、後輪側のそれぞれにおいて共通に行われるようにすることもできる。その場合のフローチャートの図示は省略するが、図6のS71〜75,S76〜79,86,88が繰り返し実行されるようにすればよい。
位置補正が行われた後、補助車高調整が行われるが、補助車高調整は、上記実施例における場合と同様に行われる。
このように、主車高調整が行われた後に位置補正が行われるのであり、位置補正と懸架シリンダ10における作動液の流入・流出とが別々に行われる。しかし、主車高調整と補助車高調整とで一連の車高調整とされるため、車高調整中に行われることには変わりはない。上記各実施例における場合と同様に、位置補正により車体の姿勢が変化するが、補助車高調整において修正することができる。
本実施例においては、サスペンションECU200のS101〜103を記憶する部分、実行する部分等により左右連通部が構成される。左右連通部は、車高調整中連通部、同時連通部、補助調整前連通部でもある。
車両の制動中に位置補正が行われる場合の一例を図10のフローチャートで表す。制動が行われたことがトリガとなって位置補正が行われるのである。
S121において、走行中であるか否かが判定され、S122において、制動中であるか否かが判定される。車両の走行中において、サービスブレーキスイッチ234がON状態とされた場合には、S121,122の判定がYESとなり、S123において、前輪側の左右連通弁112が遮断状態から連通状態に切り換えられる。前輪側の左右連通弁112は、第1設定時間の間、連通状態に保たれる。
この状態で、前輪側の左右連通弁112を連通させると、車体8が右側が低くなる向きに傾斜する。前輪側の左右連通弁112を連通させることにより、右前輪4FRの懸架シリンダ10FRの液圧が低くなるが、サスペンションスプリングが収縮し、弾性力が大きくなる。それによって、右前輪4FRの懸架シリンダ10FRから左前輪4FLの懸架シリンダ10FLに向かって流体が流れる。それに対して、車体8は剛体であるため、前輪側において右側の車高が小さくなると、後輪側においても、同様に、右側輪の車高が小さくなるのであり、車体8は、全体として右側の車高が小さくなる向きに傾斜する。一方、後輪側においては、左右連通弁114が遮断状態にあるため、右後輪4RRの懸架シリンダ10RRと左後輪4RLの懸架シリンダ10RLとは遮断状態にある。車体8の傾斜により、右後輪4RRの懸架シリンダ10RRから流出した作動液がセンタシリンダ48の第三液室62に流入し、第二液室61から左後輪4RLの懸架シリンダ10RLに作動液が供給される。それによって、センタシリンダ48において、第二液室61の容積が小さくなり、第三液室62の容積が大きくなるのであり、ピストン組立体50が、第一液室60の容積が小さくなり、第四液室63の容積が大きくなる向きに移動させられる。この向きは、右前輪4FRの懸架シリンダ10FRの液圧が大きいことに起因する中立位置からのずれを小さくする向きである。
このように、本実施例においては、リターンスプリング71,72がなくてもピストン組立体50が中立位置からのずれが小さくなる向きに移動させられることになる。
例えば、前輪側の懸架シリンダ10FL,10FRの液圧が後輪側の懸架シリンダ10RL,10RRの液圧に対して非常に大きく、式
FFR>FFL》FRR,FRL
が成立する場合には、右前輪の懸架シリンダ10FL,10FRの液圧が過大であることに起因してピストン組立体50がボトミングして、式
FFR+FRL>FFL+FRR
が成立する状態で静止している可能性がある。
この状態で、後輪側の左右連通弁114を連通状態として、右後輪4RRの懸架シリンダ10RRの液圧と左後輪4RLの懸架シリンダ10RLの液圧とを同じ大きさとしても、ピストン組立体50に加えられる力の関係式において、不等号の向きは変わらず、ピストン組立体50が移動しないことがある。後輪側の左右連通弁114を連通状態に切り換えても、センタシリンダ48においては、液圧が大きい(荷重が大きい)前輪側の影響を強く、ピストン組立体50が移動しないか、移動しても僅かなのであり、車体8の傾斜は変わらないか、変わっても僅かである。
それに対して、前輪側の左右連通弁112を連通状態とすれば、ピストン組立体50を確実に移動させることができ、中立位置からのずれを小さくすることができる。
このように、本実施例においては、前輪側、後輪側の左右連通弁112,114が同時に連通状態とされるのではないため、それによって生じる脈動を抑制することができる。
また、車体の傾斜により、ピストン組立体50を移動させるのに要する時間と、リターンスプリング71,72によりピストン組立体50を中立位置まで戻す時間とは異なるのが普通であるが、S124の第1設定時間とS126の第2設定時間とは同じ長さに設定することも可能である。さらに、第1設定時間を第2設定時間に比較して非常に短くすることもできる。
本実施例においては、図10のフローチャートで表される位置補正プログラムを記憶する部分、実行する部分等により左右連通部が構成される。左右連通部は、片側左右連通部、制動中左右連通部でもある。
また、左右前輪4FL、FRの懸架シリンダ10FL、FRの液圧差が設定値以上である場合に、前輪側の左右連通弁112が連通状態とされるようにすることもできる。液圧差が大きい場合は小さい場合より、ピストン組立体50に加わる力が大きくなる。その結果、ピストン組立体50とハウジング51との間の摩擦力が大きくても、ピストン組立体50をより確実に移動させることができる。
さらに、上記実施例においては、リターンスプリング71,72は不可欠ではない。さらに、S125〜127の実行も不可欠ではない。
前述のように、制動中において、左右前輪4FL、FRに加わる荷重が大きい場合には、後輪側の左右連通弁114を先に開いても、ピストン組立体50が移動しないことがある。しかし、その後に、前輪側の左右連通弁112を連通状態とすれば、ピストン組立体50が移動し、中立位置に戻すことができる。この場合には、前輪側、後輪側の左右連通弁112,114の両方が連通状態にあるが、前輪側の左右連通弁112が連通状態とされると、右前輪4FRの懸架シリンダ10FRから流出した作動液が左前輪4FLの懸架シリンダ10FLに流入するとともに、センタシリンダ48において、第一液室60から第四液室63に向かって作動液が流れ、ピストン組立体50を移動させることができ、中立位置に近づけることができる。
個別通路22には可変絞り30が設けられていること、懸架シリンダ10におけるハウジング11とピストン12との間に作用する摩擦力が、センタシリンダ48におけるハウジング51とピストン組立体50との間に作用する摩擦力より大きいこと等に起因して、懸架シリンダ10FRから流出した作動液は、懸架シリンダ10FLより第四液室63の方へ流入し易い。したがって、後輪側の左右連通弁114の連通状態において、前輪側の左右連通弁112を連通状態に切り換えれば、センタシリンダ48において、ピストン組立体50を移動させることができ、中立位置に近づけることができる。
Claims (12)
- 車両の前後左右の各輪に対応して、各々、車輪を保持する車輪保持装置と車体との間に設けられた4つの流体シリンダと、
ハウジングと、そのハウジングに相対移動可能に嵌合され、前記前後左右の各輪に対応する流体シリンダの流体圧をそれぞれ受ける受圧面を有するピストンとを含み、前記前後左右の各輪の流体シリンダの流体圧により作動させられるセンタシリンダと、
前記前後左右の各輪に対応する流体シリンダの流体圧差に起因して生じる前記センタシリンダにおける前記ピストンの中立位置からのずれを小さくする位置補正装置と、
前記前後左右の流体シリンダにおける、流体の流入・流出を制御することにより、前記前後左右の流体シリンダの流体の量を制御して車高を調整する車高調整装置と
を含むサスペンション装置であって、
前記センタシリンダにおいて、前記ハウジングと前記ピストンとにより前記複数の受圧面にそれぞれ対向する複数の流体圧室が形成されるとともに、前記ピストンの同じ向きの2つの受圧面にそれぞれ対向する2つの流体圧室のうちの一方に右前輪の流体シリンダが接続されるとともに他方に左後輪の流体シリンダが接続され、前記2つの受圧面とは反対向きの2つの受圧面にそれぞれ対向する2つの流体圧室の一方に左前輪の流体シリンダが接続されるとともに右後輪の流体シリンダが接続され、
前記位置補正装置が、(a)前輪側と後輪側との少なくとも一方の側に設けられ、左側輪に対応する流体シリンダと右側輪に対応する流体シリンダとを連通させる状態と遮断する状態とに切り換え可能な左右連通弁と、(b)前記少なくとも一方の側に設けられた左右連通弁のうちの少なくとも一方を遮断状態から連通状態とする左右連通部とを含み、その左右連通部が、前記車高調整装置による車高調整中に前記少なくとも一方の左右連通弁を遮断状態から連通状態とする車高調整中左右連通部を有することを特徴とするサスペンション装置。 - 前記車高調整中左右連通部が、前記車高調整装置による車高調整中の、前記前後左右の車輪のうちの少なくとも1輪の実際の車高が、車高調整開始前の実際の車高と目標車高との中間の、前記実際の車高と前記目標車高とに基づいて決まる設定車高に達した後に、前記少なくとも一方の左右連通弁を遮断状態から連通状態とする目標車高依拠連通部を含む請求項1に記載のサスペンション装置。
- 前記車高調整中左右連通部が、前記車高調整装置による車高調整を中断して、前記少なくとも一方の左右連通弁を遮断状態から連通状態とする手段を含む請求項1または2に記載のサスペンション装置。
- 前記左右連通弁が、前記前輪側と前記後輪側との各々に設けられ、前記車高調整装置が、前記前輪側と後輪側とのいずれか一方の側の左右連通弁を連通状態として、そのいずれか一方の側の右側輪の流体シリンダと左側輪の流体シリンダとにおける流体の流入・流出を共通に制御する共通制御部を含み、前記車高調整中左右連通部が、前記共通制御部による車高調整中に、その共通制御部により車高調整が行われていない他方の側の左右連通弁を遮断状態から連通状態とする手段を含む請求項1ないし3のいずれか1つに記載のサスペンション装置。
- 前記車高調整装置が、前記前後左右の各輪の車高が第1目標値に達するまで1つ以上の流体シリンダにおける流体の流入・流出を制御する主車高調整部と、前記前後左右の各輪の車高がそれぞれ第2目標値に達するまで、各輪の流体シリンダにおける流体の流入・流出を個別に制御する補助車高調整部とを含み、前記車高調整中左右連通部が、前記補助車高調整部による車高調整が行われる前に前記少なくとも一方の左右連通弁を遮断状態から連通状態として、設定時間が経過した後、かつ、前記補助車高調整部による車高調整が行われる前に前記少なくとも一方の左右連通弁を前記連通状態から前記遮断状態とする補助調整前連通部を含む請求項1ないし4のいずれか1つに記載のサスペンション装置。
- 前記車高調整中左右連通部が、前記主車高調整部による車高調整中に、前記少なくとも一方の左右連通弁を遮断状態から連通状態とする手段を含む請求項5に記載のサスペンション装置。
- 前記車高調整中左右連通部が、前記主車高調整部による車高調整が終了した後に、前記少なくとも一方の左右連通弁を遮断状態から連通状態とし、前記設定時間が経過した後に、前記少なくとも一方の左右連通弁を連通状態から遮断状態とする手段を含み、前記補助車高調整部が、前記少なくとも一方の左右連通弁が遮断状態にされた後に、車高調整を行う請求項5または6に記載のサスペンション装置。
- 前記車高調整装置が、車高調整要求がある場合に、車高調整を行うものであり、前記左右連通部が、前記車高調整要求がある場合に、前記少なくとも一方の左右連通弁を遮断状態から連通状態とする手段を含む請求項1ないし7のいずれか1つに記載のサスペンション装置。
- 前記左右連通弁が、前記前輪側と後輪側との各々に設けられ、前記車高調整中左右連通部が、前記前輪側の左右連通弁と前記後輪側の左右連通弁との両方を、同時に、連通状態とする同時連通部を含む請求項1ないし8のいずれか1つに記載のサスペンション装置。
- 前記左右連通弁が、前記前輪側と後輪側との各々に設けられ、前記車高調整中左右連通部が、前記左右連通弁のいずれか一方を遮断状態から連通状態とする片側連通部を含む請求項1ないし8のいずれか1つに記載のサスペンション装置。
- 前記車高調整中左右連通部が、前記片側連通部によって、前記前輪側と後輪側とのいずれか一方の側の左右連通弁が連通状態とされた後に、他方の側の左右連通弁を連通状態とする順次連通部を含む請求項10に記載のサスペンション装置。
- 前記左右連通弁が、前記前輪側と後輪側との各々に設けられ、前記左右連通部が、前記車両の制動中に、前記前輪側の左右連通弁を遮断状態から連通状態とする制動時連通部を含む請求項1ないし11のいずれか1つに記載のサスペンション装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005131849A JP4631528B2 (ja) | 2005-04-28 | 2005-04-28 | サスペンション装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005131849A JP4631528B2 (ja) | 2005-04-28 | 2005-04-28 | サスペンション装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006306282A JP2006306282A (ja) | 2006-11-09 |
JP4631528B2 true JP4631528B2 (ja) | 2011-02-16 |
Family
ID=37473664
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005131849A Expired - Fee Related JP4631528B2 (ja) | 2005-04-28 | 2005-04-28 | サスペンション装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4631528B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101175835B (zh) | 2005-05-24 | 2012-10-10 | 三菱化学株式会社 | 荧光体及其应用 |
JP4534960B2 (ja) * | 2005-11-16 | 2010-09-01 | トヨタ自動車株式会社 | サスペンション装置 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005088854A (ja) * | 2003-09-19 | 2005-04-07 | Toyota Motor Corp | 車両用サスペンションシステム |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04345512A (ja) * | 1991-05-23 | 1992-12-01 | Nissan Motor Co Ltd | 車高制御装置 |
-
2005
- 2005-04-28 JP JP2005131849A patent/JP4631528B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005088854A (ja) * | 2003-09-19 | 2005-04-07 | Toyota Motor Corp | 車両用サスペンションシステム |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2006306282A (ja) | 2006-11-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4770712B2 (ja) | サスペンション装置 | |
US10308091B2 (en) | Suspension system | |
JP2006224848A (ja) | サスペンション装置 | |
JP6579125B2 (ja) | サスペンションシステム | |
JP3875681B2 (ja) | 左右分離型アンチロール装置 | |
US20040061292A1 (en) | Articulation compensated hydraulic suspension system | |
JP2008247209A (ja) | 車高制御装置 | |
JP4581880B2 (ja) | サスペンション装置 | |
JPH0613246B2 (ja) | サスペンション制御装置 | |
JP4631528B2 (ja) | サスペンション装置 | |
JP4715380B2 (ja) | サスペンション装置 | |
JP4442556B2 (ja) | 車高調整装置および液圧源制御装置 | |
JP4905050B2 (ja) | 車高制御装置 | |
JP4534960B2 (ja) | サスペンション装置 | |
JP7298527B2 (ja) | 車高制御システム | |
JPS5953221A (ja) | ハイドロニユ−マチツク懸架装置 | |
JP4618119B2 (ja) | 車高調整装置 | |
JP4449887B2 (ja) | サスペンション装置 | |
JP3692649B2 (ja) | 車高調整装置 | |
JP4816894B2 (ja) | サスペンション装置 | |
JP6551296B2 (ja) | サスペンションシステム | |
JP4518008B2 (ja) | サスペンション装置 | |
JP7085502B2 (ja) | サスペンション装置 | |
JPS63232014A (ja) | 車両用サスペンシヨンの制御装置 | |
JP2005081926A (ja) | 車両懸架システム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20071001 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100119 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100323 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100803 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100921 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20101019 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20101101 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131126 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |