JP4618119B2 - 車高調整装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車高調整装置における脈動の抑制に関するものである。
特許文献1には、(a)車両の複数の車輪の各々に対応して、その車輪を保持する車輪保持装置と車体との間に設けられた懸架シリンダと、(b)液圧源と、(c)その液圧源と前記複数の懸架シリンダの各々とをそれぞれ接続する個別通路にそれぞれ設けられ、それら懸架シリンダと前記液圧源との間の作動液の流れをそれぞれ制御可能な複数の車高調整弁と、(d)少なくとも前記複数の車高調整弁を制御することにより、前記複数の車輪の各々について、その車輪と前記車体との上下方向の相対位置関係である車高を制御する車高調整弁制御装置とを含む車高調整装置が記載されている。
特開2005−88766号公報
本発明の課題は、上述の車高調整装置において脈動を抑制することである。
請求項1に記載の車高調整装置は、前記(a)懸架シリンダと、(b)液圧源と、(c)複数の車高調整弁と、(d)車高調整弁制御装置と、(e)前記複数の個別通路のうちの2つを連結する連結装置とを含む車高調整装置であって、前記懸架シリンダが、車両の前輪側と後輪側との少なくとも一方の側において、左側輪と右側輪とにそれぞれ対応して設けられ、前記車高調整弁が、前記左側輪に対応して設けられた左側懸架シリンダおよび前記右側輪に対応して設けられた右側懸架シリンダの各々と前記液圧源とをそれぞれ接続する左側個別通路および右側個別通路にそれぞれ設けられ、前記連結装置が、(a)前記左側個別通路と前記右側個別通路とを連結する左右連通路と、(b)その左右連通路に設けられ、開状態と閉状態とに切り換え可能な左右連通弁とを含み、前記車高調整弁制御装置が、前記左右連通弁によって連結された前記左側個別通路および前記右側個別通路の各々に対応する前記左側輪、右側輪について車高調整が開始される場合と終了させられる場合との少なくとも一方において、前記左側個別通路に設けられた左側車高調整弁と前記右側個別通路に設けられた右側車高調整弁との各々の開状態と閉状態との間の切り換え作動を、それら左側,右側車高調整弁の作動時に生じる作動液の脈動の周期の1/2の時間だけ隔てて行う脈動抑制対応制御部を含むとともに、その脈動抑制対応制御部が、前記左右連通弁の開状態において、前記左側車高調整弁と前記右側車高調整弁との前記切り換え作動を行う左右連通時制御部を含むものとされる。
本項に記載の車高調整装置において、車輪に対応して設けられた懸架シリンダにおいて作動液が流入・流出させられることにより、その車輪について、車輪と車体との間の上下方向の相対位置関係である車高が制御される。また、懸架シリンダの各々と液圧源とは個別通路によって接続され、個別通路には車高調整弁が設けられる。車高調整弁の閉状態において懸架シリンダが液圧源から遮断され、開状態において液圧源に連通させられる。車高調整弁の開状態においては、液圧源から懸架シリンダに作動液が供給されて車高が大きくされる場合と、懸架シリンダから液圧源に作動液が流出させられて車高が小さくされる場合とがある。
車高調整弁が開状態と閉状態との間で切り換えられると、懸架シリンダと液圧源との間の作動液の流れが、急に止まったり、急に始まったりする。それによって脈動が生じ、異音が発したり、振動が生じたりする。油撃により液圧が周期的に変化するのである。
そこで、本項に記載の車高調整装置においては、連結装置によって連結された2つの個別通路に対応する2つの懸架シリンダにおいて、それぞれ、作動液の流出・流入が行われる場合において、2つの個別通路の各々に設けられた車高調整弁の開閉が脈動周期の1/2の時間だけ隔てて行われる。換言すれば、2つの車高調整弁のうちの一方の開閉に起因して生じる脈動と他方の開閉に起因して生じる脈動とが、位相がπだけずれて生じるように、2つの車高調整弁の各々が開閉されるのである。車高調整弁の開閉に起因する脈動はそれぞれ個別通路を経て伝達されるが、これら2つの個別通路は連結装置によって連結されるため、連結装置に介して2つの脈動が合成される。2つの脈動においては、互いに位相がπだけずれているため、合成された脈動については、合成前の脈動より、振幅が小さくなる。そのため、脈動に起因して生じる異音を小さくしたり、振動を小さくしたりすることが可能となる。
連結装置は、個別通路の各々を、車高調整弁より懸架シリンダ側の部分において連結するものであっても、液圧源側の部分において連結するものであってもよい。
脈動の周期は、車高調整装置の構造、すなわち、個別通路の液通路の長さ、直径(太さ)、形状(湾曲状態)、〔実施例〕において詳述するように、個別通路にアキュムレータが設けられている場合に、そのアキュムレータのばね定数等で決まる。そのため、予め実験等により、車高調整装置において生じる脈動の周期を取得することが可能である。また、後述するように、作動液の温度や、液圧を考慮して、その都度、脈動周期を取得することもできる。
また、前輪側、後輪側の少なくとも一方の側における左右輪の各々に対応する左側懸架シリンダおよび右側懸架シリンダの各々において、左側車高調整弁、右側車高調整弁の開閉により、作動液の流入、流出が制御され、左側輪、右側輪の車高調整が行われる。
以下、左右連通路が、左側個別通路、右側個別通路の各々の車高調整弁より懸架シリンダ側の部分に設けられる車高調整装置において、車高を小さくする車高調整の終了時に生じる脈動が抑制される場合を例として説明する。
車高を小さくする車高調整の終了時に右側車高調整弁、左側車高調整弁が開状態から閉状態に切り換えられると、左側懸架シリンダ、右側懸架シリンダから液圧源としての低圧源に向かう作動液の流れが止められる。この場合に、左側、右側個別通路の左側、右側車高調整弁より低圧源側の液圧はほぼ大気圧にあるのに対して、左側、右側の懸架シリンダ側の液圧は、それぞれの車輪に加わる荷重等で決まる大きさとなり、低圧源側の液圧より高くなる。したがって、車高を小さくする車高調整の終了時の左側、右側車高調整弁の開閉に起因して生じる脈動は、左側、右側車高調整弁より懸架シリンダ側の方が大きい。そこで、車高調整終了時には、左右連通弁が開状態とされた状態で、すなわち、左側個別通路と右側個別通路とが連通させられた状態で、左側車高調整弁と右側車高調整弁とが脈動周期の1/2だけ時間を隔てて開状態から閉状態に切り換えられる。その結果、左側個別通路を伝達する脈動と、右側個別通路を伝達する脈動とが、左右連通路および左右連通弁に伝達されて、合成されるのであるが、位相がπだけずれているため、合成された脈動については振幅が小さくされるのである。
また、左右連通時制御部は、(a)左右連通弁の閉状態から開状態への切り換え、(b)右側車高調整弁と左側車高調整弁とのいずれか一方の開状態から閉状態への切り換え、(c)右側車高調整弁と左側車高調整弁との他方の開状態から閉状態への切り換え、(d)左右連通弁の開状態から閉状態への切り換えの順に各電磁弁を開閉させるものとすることができる。この場合に、(b)の切り換えから(c)の切り換えの間の時間が脈動周期の1/2とされる。
請求項2に記載の車高調整装置においては、前記脈動抑制対応制御部が、当該車高調整装置の状態に基づいて前記脈動の周期を取得する周期取得部を含む。
脈動の周期は、前述のように、車高調整装置の構造でほぼ決まるため、その構造で決まる周期の1/2だけ時間を隔てて2つの車高調整弁の開閉作動が行われるようにすることができるが、車高調整弁の開閉作動が行われる場合の車高調整装置の状態も考慮して周期を取得することができる。例えば、請求項3に記載のように、作動液の液圧を考慮して取得したり、請求項4に記載のように、作動液の温度を考慮して取得したりすることができる。車高調整時の車高調整装置の状態を考慮すれば、脈動周期をより正確に取得することが可能となり、脈動を良好に抑制することが可能となる。
脈動周期は、作動液の液圧が大きい場合は小さい場合より短くなり、温度が低い場合は高い場合より短くなる。作動液の温度が低い場合は高い場合に比較して粘性が大きく、作動液の動的な剛性が大きくなるため、周波数が大きくなり、周期が短くなるのである。
以下、本発明の一実施例としての車高調整装置を、図面に基づいて詳細に説明する。
本サスペンション装置は、図1に示すように、前後左右輪4FL、FR、RL、RRの各々において、車輪4を保持する車輪保持装置6FL、FR、RL、RRと車体8との間に、それぞれ、懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRがサスペンションスプリング21とともに設けられる。懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRは流体としての作動液により作動させられる。前後左右輪4FL、FR、RL、RRは駆動輪であり、本サスペンション装置が搭載された車両は4輪駆動車両である。以下、車輪位置で区別する必要がある場合には、車輪位置を表す符号FL、FR、RL、RRを付して使用し、区別する必要がない場合に符号を付さないで使用する。
懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRは、互いに構造が同じものであり、それぞれ、ハウジング11と、ハウジング11の内部を相対移動可能に嵌合されたピストン12と、ピストンロッド14とを含み、ピストンロッド14が車体8に、ハウジング11が車輪保持装置6に、それぞれ上下方向に相対移動不能に連結される。ピストン12には、そのピストン12により仕切られた2つの液室16,18を連通させる連通路20が設けられ、連通路20には絞りが設けられる。絞りにより、ピストン12のハウジング11に対する相対移動速度(絞りを流れる作動液の流速)に応じた減衰力が発生させられる。懸架シリンダ10はショックアブソーバとして機能する。
図1に示すように、ピストンロッド14は、サスペンションスプリング21を保持するスプリングリテーナ22にゴム等の弾性部材を介して取り付けられ、スプリングリテーナ22が車体8に上下方向に相対移動不能に取り付けられる。また、スプリングリテーナ22には、バウンド側ストッパ24が取り付けられる。バウンド側ストッパ24にシリンダ本体11の外側上端面26が当接することによってバウンド側の移動限度が規定される。
それに対して、ピストン12のピストンロッド14が設けられた側にはリバウンド側ストッパ28が設けられる。リバウンド側ストッパ28に本体11の内側上端面30が当接することにより、リバウンド側の移動限度が規定される。
懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRの液室16には、それぞれ、個別制御通路32FL、FR、RL、RRが接続される。
個別制御通路32FL、FR、RL、RRの各々には、懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRの各々に対応して、互いに並列にアキュムレータ34FL、FR、RL、RRとアキュムレータ36FL、FR、RL、RRとが接続される。また、懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRとアキュムレータ36FL、FR、RL、RRとの間には、それぞればね定数切換弁38FL、FR、RL、RRが設けられる。
これらアキュムレータ34、36は、いずれもばねとしての機能を有するものであり、例えば、ハウジングとそのハウジングの内側を仕切る仕切部材とを含み、その仕切部材の一方の容積変化室に個別制御通路32が連通させられ、他方の容積変化室に弾性体が設けられたものであり、一方の容積変化室の容積の増加に起因して他方の容積変化室の容積が減少し、それによって弾性力を発生させるものとすることができる。アキュムレータ34,36は、ベローズ式のものとしたり、ブラダ式のものとしたり、ピストン式のものとしたりすること等ができる。
本実施例においては、アキュムレータ34の方がアキュムレータ36よりばね定数が大きいものとされており、以下、アキュムレータ34を高圧アキュムレータと称し、アキュムレータ36を低圧アキュムレータと称する。ばね定数切換弁38は、常開の電磁開閉弁である。
個別制御通路32FL、FR、RL、RRには、それぞれ、可変絞り40FL、FR、RL、RRが設けられる。前述のように、車輪保持装置6の車体8に対する相対的な上下動により液室16において作動液が流入・流出させられるが、この場合に、可変絞り40によって個別制御通路32の流路面積が制御されることにより、懸架シリンダ10において発生させられる減衰力が制御される。本実施例においては、可変絞り40等により減衰力調整機構が構成される。
個別制御通路32FL、FR、RL、RRには作動液給排装置70が接続される。
作動液給排装置70は、高圧源72、低圧源74としてのリザーバを備えた液圧源76個別制御弁装置80等を含む。
高圧源72は、ポンプ81とポンプモータ82とを備えたポンプ装置84、蓄圧用アキュムレータ86等を含む。ポンプ装置84,蓄圧用アキュムレータ86等は制御通路88に設けられる。ポンプ81によってリザーバ74の作動液が汲み上げられて吐出され、蓄圧用アキュムレータ86において加圧した状態で蓄えられる。蓄圧用アキュムレータ86は常閉の電磁開閉弁である蓄圧制御弁90を介して制御通路88に接続される。蓄圧制御弁90は、蓄圧用アキュムレータ86における作動液の流入・流出を許容する許容状態と蓄圧用アキュムレータ86における作動液の流入・流出を阻止する阻止状態とに切り換え可能なものである。
制御通路88には液圧源液圧センサ92が設けられる。液圧源液圧センサ92は、ポンプ81の吐出圧を検出するものであるが、ポンプ81の吐出圧と懸架シリンダ10の液圧との間に予め定められた関係がある場合には、液圧源液圧センサ92による検出液圧に基づいて懸架シリンダ10の液圧を推定することができる。
制御通路88のポンプ81の吐出側には、逆止弁94,消音用アキュムレータ96が設けられる。また、ポンプ81の高圧側と低圧側とを接続する流出通路104が設けられ、流出通路104に流出制御弁106が設けられる。
流出制御弁106は、ポンプ81の吐出圧をパイロット圧とするメカ式の開閉弁である。ポンプ81の非作動時には連通状態にあるが、ポンプ81の作動により吐出圧が高くなると遮断状態とされる。ポンプ81は、ギアポンプである。
個別制御弁装置80は、個別制御通路32FL、FR、RL、RRに設けられた車高調整弁110FL、FR、RL、RRを含む。車高調整弁は、個別制御弁、個別車高調整弁と称することもできる。また、個別制御通路32FL、FRは、前輪側左右連通路111によって、車高調整弁110FL,110FRより懸架シリンダ側において連結される。前輪側左右連通弁111には、左右連通弁112が設けられる。個別制御通路32RL、RRも同様に、車高調整弁110RL,110RRより懸架シリンダ側の部分において後輪側左右連通路113によって連結され、左右連通弁114が設けられる。
これら車高調整弁110FL、FR、RL、RR、左右連通弁112,114は、常閉の電磁開閉弁であり、左右連通弁112,114の遮断状態において車高調整弁110FL、FR、RL、RRを個別に制御することにより、各車輪4FL、FR、RL、RRの各々において、車輪保持装置6FL、FR、RL、RRとそれに対応する車体8の部分(懸架シリンダ10FL、FR、RL、RRに対応する部分)との間の距離である車高が独立に制御可能とされる。
本車高調整装置は、コンピュータを主体とする車高調整ECU200によって制御される。車高調整ECU200は、実行部204,記憶部206,入出力部208等を含み、入出力部208には、ばね定数切換弁38、可変絞り40のコイル、作動液給排装置70(蓄圧用制御弁90,車高調整弁110,左右連通弁112、114のコイル、ポンプモータ82等)が図示しない駆動回路を介して接続されるとともに、液圧源液圧センサ92,前後左右の各輪毎に設けられ、車高をそれぞれ検出する車高センサ220,温度センサ222,車高調整モード選択スイッチ224,車高調整指示スイッチ226、車高調整要求有無取得装置228等がそれぞれ接続される。
温度センサ222は、作動液の温度を検出するものであり、例えば、リザーバ74に設けることができる。
車高調整モード選択スイッチ224は、運転者によって操作されるものであり、スイッチ224の操作により、自動モードとマニュアルモードとのいずれか一方が選択される。
車高調整指示スイッチ226は、車高を増大させる場合、車高を減少させる場合等に操作されるスイッチで、運転者のマニュアル操作によって切り換えられる。
車高調整要求有無取得装置228は、車両の走行状態を検出する走行状態検出部、運転者の発進意図等を検出する発進意図等検出部(イグニッションスイッチを含む)等を含み、これらの検出結果に基づいて車高調整要求の有無が取得される。例えば、車両が停止状態にあり、かつ、イグニッションスイッチがOFF状態からON状態に切り換えられた場合には、走行に適した高さまで車高を大きくする要求があるとされる。車両が停止状態とされ、かつ、イグニッションスイッチがON状態からOFF状態に切り換えられた場合には、降車し易い高さまで車高を小さくする要求があるとされる。
記憶部206には、図2のフローチャートで表される車高調整プログラム、図3のフローチャートで表される周期推定プログラム、図4のマップで表される補正係数取得テーブル等が記憶される。
以上のように構成された車高調整装置における作動について説明する。
懸架シリンダ10の各々において、減衰特性が可変絞り40の制御により制御される。
可変絞り40により個別制御通路32の流路面積が小さくされた場合には、サスペンションの硬さがハード(車輪と車体との上下方向の相対移動速度が同じ場合の減衰力が大きくなる状態)となり、流路面積が大きくされた場合にはソフト(相対移動速度が同じ場合の減衰力が小さくなる状態)となる。サスペンションの硬さは、図示しないモード選択スイッチの運転者による操作に応じて切り換えられるが、車両の走行状態に基づいて制御されるようにすることもできる。
また、ばね定数切換弁38の制御によりばね定数が切り換えられる。
ばね定数切換弁38が連通状態とされた場合には、液室16に2つのアキュムレータ34,36が連通させられて、ばね定数が小さい状態とされ、ばね定数切換弁38が遮断状態とされた場合には、液室16から低圧アキュムレータ36が遮断されて高圧アキュムレータ34が連通させられるため、ばね定数が大きい状態とされる。
4つの車輪4FL,FR,RL,RRに対応する車高が作動液給排装置70の制御により制御される。
車高調整モード選択スイッチ224によって自動モードが選択された場合において、予め定められた条件が満たされた場合に、アップ要求(車高を大きくする要求)あるいはダウン要求(車高を小さくする要求)が満たされたとされて、アップ制御(車高を大きくする車高調整)、あるいは、ダウン制御(車高を小さくする車高調整)が行われる。また、マニュアルモードが選択された場合に、車高調整指示スイッチ226の指示に応じて、アップ制御あるいはダウン制御が行われる。
左右連通弁112,114、車高調整弁110は、通常は、図示する原位置にある。
例えば、左前輪4FLについて車高を大きくする場合には、ポンプ81が作動させられ、車高調整弁110FLが連通状態とされる。ポンプ81の作動により流出制御弁106が遮断状態とされるため、ポンプ81から吐出された作動液が懸架シリンダ10FLに供給され、車高が大きくなる。実際の車高が目標値に達すると、車高調整弁110FLが遮断状態とされ、ポンプ81の作動が停止させられる。
車高を大きくする車高調整が行われる場合、すなわち、ポンプ81が作動状態にあり、流出制御弁106が閉状態にある場合には、図5に示すように、ポンプ81の吐出圧は懸架シリンダ10の液圧の増加に伴って増加する。そのため、車高を大きくする車高調整中の液圧源液圧センサ92による検出値に基づけば懸架シリンダ10の液圧を取得することができる。本実施例においては、車高調整終了時の液圧源液圧センサ92による検出値に基づいて懸架シリンダ10の液圧が推定され、後述するように、脈動周期を取得する際に利用される。
一方、車高を大きくする場合に、蓄圧制御弁90を開状態に切り換えて、蓄圧用アキュムレータ86の作動液が利用されるようにすれば、蓄圧用アキュムレータ86とポンプ装置84との両方から懸架シリンダ10に作動液が供給されるため、早急に目標車高まで車高を大きくすることが可能となる。しかし、蓄圧用アキュムレータ86には、常に、車高調整が終了するまで懸架シリンダ10に供給するのに充分な作動液が蓄えられているとは限らない。また、車高調整終了時の液圧源液圧センサ92による検出液圧と懸架シリンダ10の液圧との関係は、蓄圧用アキュムレータ86から作動液が流出される場合とそうでない場合とでは異なる。少なくとも、蓄圧用アキュムレータ86から作動液が流出しない状態、例えば、蓄圧制御弁90が閉状態にあり作動液の流入も流出も阻止された状態、蓄圧制御弁90が開状態にあり蓄圧用アキュムレータ86に作動液が流入させられる状態においては、ポンプ81の吐出圧は、蓄圧用アキュムレータ86の液圧、懸架シリンダ10の液圧の増加に伴って増加するため、ポンプ81の吐出圧に基づいて懸架シリンダ10の液圧を推定することが可能である。しかし、蓄圧用アキュムレータ86に作動液が流入されると、その分、車高調整に要する時間が長くなる。そこで、本実施例においては、車高を大きくする車高調整が行われる場合には、蓄圧制御弁90は開状態に切り換えられるが、実際の車高が目標車高より設定値だけ小さい値に達した場合に、蓄圧制御弁90が閉状態に切り換えられるようにされている。
その結果、車高調整装置において、液圧センサが液圧源液圧センサ92の1つだけしか設けられていなくても、車高調整終了時の液圧源液圧センサ92による検出値に基づいて懸架シリンダ10の液圧の各々を推定することができる。
また、前回の車高を大きくする車高調整が終了した時点と今回の車高を小さくする車高調整が開始される時点とで車輪に加わる荷重が同じである場合には、静的な状態において、今回の車高を小さくする車高調整が開始される場合の懸架シリンダ10の液圧は前回の車高を大きくする車高調整が終了した時点の懸架シリンダ10の液圧と同じであると考えることができる。本実施例においては、車高を大きくする車高調整の終了時に、液圧源液圧センサ92によって液圧が検出され、その液圧が、車高を小さくする車高調整が開始される場合の懸架シリンダ10の液圧とされる。
車高を小さくする場合は、車高調整弁110FLが連通状態とされる。ポンプ81は停止状態にあるため、流出制御弁106は連通状態にある。懸架シリンダ10FLからリザーバ74に作動液が流出させられる。実際の車高が目標値に達すると、車高調整弁110FLが遮断状態とされる。
本実施例においては、懸架シリンダ10が車輪保持装置6と車体8との間に、サスペンションスプリング21と並列に設けられる。そのため、車輪4に加わる荷重が一定であると仮定すれば、車高が小さくなると、サスペンションスプリング21が受ける力(弾性力)が大きくなるため、懸架シリンダ10の液圧が低くなるが、これら車高と懸架シリンダ10の液圧との間には関係がある。そのため、車高を小さくする車高調整の開始時の懸架シリンダ10の液圧と、ダウン制御における目標車高とに基づけば、車高を小さくする車高調整の終了時の懸架シリンダ10の液圧を推定することができる。
本実施例においては、車高を小さくする車高調整の終了時に生じる脈動、すなわち、油撃による振動が抑制される。図8に示すように、車高を小さくする車高調整の終了時には、車高調整弁装置80より液圧源側はリザーバ74に連通させられているためほぼ大気圧にある。それに対して、懸架シリンダ10側は、車高と荷重とで決まる大きさであり、大気圧より高い。そのため、車高調整バルブ110が開状態から閉状態に切り換えられた場合に生じる脈動は、懸架シリンダ側において液圧源側より大きくなる。
そこで、本実施例においては、左右連通弁112(114)の連通状態において、右側車高調整バルブ110Rと、左側車高調整バルブ110Lとが、脈動周期の1/2の時間だけ隔てて開状態から閉状態に切り換えられる。その結果、個別制御通路32R、32Lの各々において、位相がπだけずれて脈動が生じることになるが、これら脈動が左右連通弁112(114)を経て伝達されるため、図6に示すように、脈動が合成されて、抑制される。
その脈動の周期は、主として、車高調整装置の構造で決まるが、その他、作動液の温度、懸架シリンダ側の作動液の液圧等の影響も受ける。車高調整装置の構造としては、個別制御通路32の長さ、直径(太さ)、アキュムレータ34,36のばね定数等が該当する。これらで決まる車高調整装置において、作動液の温度が常温で、液圧が標準液圧である場合に生じる脈動周期が、車高調整装置の構造で決まる脈動周期であり、以下、標準脈動周期Tf0と称する。
それに対して、作動液の液圧が高い場合は低い場合より、動的な剛性が高くなるため、周期は短くなる。作動液の温度についても同様に、温度が低い場合は高い場合より、作動液の粘性が大きく、動的な剛性が高くなるため、周期は短くなる。
この事実に基づき、本実施例においては、作動液の液圧に基づいて液圧対応補正係数αpが取得され、温度に基づいて温度対応補正係数αtが取得され、標準脈動周期Tf0と、補正係数αp、αtとに基づいて、車高調整弁110の開閉制御において使用される脈動周期Tf(以下、本脈動周期と称する)が式
Tf=Tf0・αp・αt
に従って決定される。
ダウン制御が行われる直前に行われたアップ制御終了時の液圧と、液圧対応補正係数αpとの関係が図4(a)に示すようにテーブル化されて予め記憶されている。図4(a)のマップで表すように、液圧対応補正係数αpは、懸架シリンダ10の液圧が標準液圧である場合に1とされ、かつ、液圧が高い場合は低い場合より小さい値とされる。この液圧補正係数αpと標準脈動周期Tf0とを掛けた値(Tf0・αp)が、液圧で決まる脈動周期(液圧対応脈動周期Tfp)であると考えることができるため、上述のように、液圧が標準液圧である場合に液圧対応脈動周期Tfpが標準周期Tf0とされ、かつ、液圧が高い場合は低い場合より液圧対応脈動周期Tfpが短くなるように、図4(a)のテーブル(液圧対応補正係数決定テーブル)が作成されるのである。
詳しく言えば、アップ制御終了時の液圧源液圧センサ92による検出値が、ダウン制御開始時の懸架シリンダ10の液圧であるとされ、その液圧と目標車高とに基づいて、ダウン制御終了時の懸架シリンダ10の液圧が推定され、その推定された液圧と液圧対応補正係数αpとの関係が、アップ制御終了時の液圧と液圧対応補正係数αpとの関係としてテーブル化されるのである。ダウン制御においては、ハイ車高からノーマル車高、あるいは、ハイ車高あるいはノーマル車高からロー車高まで小さくされるため、ハイ車高からノーマル車高まで小さくされる場合とロー車高まで小さくされる場合とでは、ダウン制御終了時の懸架シリンダの液圧が異なるが、これらの差は小さいため、液圧補正係数αpは、車高調整開始時の懸架シリンダ10の液圧に基づいて決まると考えることができる。
なお、液圧対応補正係数決定テーブルは、ダウン制御終了時の懸架シリンダ10の液圧(目標車高に達した場合の液圧)と液圧対応補正係数αpとの関係を表すものとすることもできる。この場合には、ダウン制御開始時の液圧と目標車高とに基づいてダウン制御終了時の液圧が推定され、推定された液圧とテーブルとに基づいて液圧対応補正係数αpが取得されることになる。
また、懸架シリンダ10の液圧と液圧対応補正係数αpとの関係は、連続的に変化するようにしても、段階的に変化するようにしてもよい。
作動液の温度と温度対応補正係数αtとの関係は、図4(b)のマップで表される。上述のように、作動液の温度が非常に低くなると脈動周期は短くなるが、温度が非常に高く動的な剛性が小さくなると、周期は長くなる。この事実に基づいて、本実施例においては、温度が常温周辺である場合には温度対応補正係数αtが1とされ、温度が常温より低い第1設定温度TL1より低い場合は1より小さい値αtL1とされ(αtL1<1)、さらに第2設定温度TL2(TL2<TL1)より低い場合はさらに小さい値αt2とされる(αtL2<αtL1<1)。また、温度が常温より高い第1設定温度TH1より高い場合は1より大きい値αtH1とされ(αtH1>1)、さらに第2設定温度TH2(TH2>TH1)より高い場合はさらに大きい値αtH2とされる(αtH2>αtH1>1)。作動液の温度が常温付近にあり、温度対応補正係数αtが1である場合には、温度対応脈動周期Tftは標準脈動周期Tf0となる。
なお、図4(b)のマップで表されるテーブルは、温度対応補正係数αtが、作動液の温度に対して5段階で変化するように作成されたが、5段階に限らず、2段階あるいは3段階で変化するように作成することもできる。
図2のフローチャートで表される車高調整プログラムは予め定められた設定時間毎に実行される。
本実施例においては、左右前輪、左右後輪の各々について、車高調整が行われる。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、アップ要求があるか否かが判定され、S2において、ダウン要求があるか否かが判定される。アップ要求がある場合には、S3〜7において、車高を大きくする制御が行われる。S3において、ポンプモータ82等が作動させられ、S4において、車高調整対象車輪に対応する車高調整バルブが閉状態から開状態に切り換えられる。ポンプ81から懸架シリンダ10に作動液が供給されることにより車高が大きくされる。車高が目標車高に達すると、S5の判定がYESとなり、S6において、車高調整バルブが開状態から閉状態に切り換えられる。S7において、他に車高を大きくする制御対象輪があるか否かが判定されるが、制御対象輪がある場合には、S4に戻され、S4〜7が繰り返し実行される。他に制御対象輪がない場合には、S8において、ポンプモータ82が停止させられる。
本実施例においては、S6において、車高調整対象車輪に対応する車高調整バルブ110が閉状態にされた場合が、その車輪についての車高調整が終了したとされるのであり、後述するように、液圧源液圧センサ92によって液圧が検出され、その検出液圧がその車高調整対象車輪に対応する懸架シリンダ10の液圧であるとされる。
ダウン要求がある場合にはS2の判定がYESとなる。
S9において、後述する周期取得プログラムの実行により取得された本脈動周期Tf、車高調整が開始される場合の懸架シリンダ10の液圧等に基づいて左右の車高調整弁110R、110Lのうちの一方が閉状態とされる時期(本実施例においては、右側車高調整弁110Rが左側車高調整弁110Lより先に閉状態とされる)が決定される。
右側車高調整弁110Fを切り換える時期(タイミング)は、車高を基準にして決めても、ダウン制御が開始されてからの経過時間を基準にして決めてもよいが、本実施例においては、車高調整開始時からの経過時間を基準としてタイミングが決定される。
車高を小さくする車高調整が開始された場合の懸架シリンダ10の液圧、車高調整弁110における絞りの程度等に基づけば、車高が目標車高に達するまでに要する時間や車高変化速度等がわかる。
また、それらに基づけば、左右連通弁112(114)が開状態、右側車高調整弁110Fの閉状態において2つの懸架シリンダ10FR、FLから左側車高調整弁110Lを経て作動液が流出する場合の車高変化速度もわかる。図5に示すように、右側、左側車高調整弁110F,110Lの両方が開状態にある場合より、一方が閉状態にある場合の方が、車高変化速度が小さくなる。
さらに、右側車高調整弁110Rが閉状態に切り換えられてから脈動周期の半分の時間Tf/2が経過した後に、左側車高調整弁110Lが閉状態に切り換えられるが、右側、左側車高調整弁110F、110Lの両方が閉状態にされた場合に目標車高に達するようにする。
これらの事情から、右側車高調整弁110F、左側車高調整弁110Lの両方が閉状態にされた場合に目標車高に達するように右側車高調整弁110Fが閉状態に切り換えられる時期を決めることができる。本実施例においては、車高調整開始時からの経過時間が時間T1に達した時期とされる。
また、右側車高調整弁110Fが閉状態に切り換えられる時期が決まれば、それより、設定時間前に左右連通弁112(114)が開状態に切り換えられるようにすることができる。本実施例においては、車高調整開始時からの経過時間が時間T2に達した時期とされる。
さらに、左右車高調整弁110F、110Lの両方が閉状態に切り換えられてから、遅れ時間(脈動抑制時間)T0が経過した後に、左右連通弁112(114)が開状態から閉状態に切り換えられる。
S10において、制御対象側(例えば、前輪側について車高を小さくする場合を考える)の左右輪4FR、FLの車高調整弁110FR、FLが開状態とされる。それによって、左右前輪4FR、FLの懸架シリンダ10FR、FLから作動液が流出し、車高が小さくなる。S11において、ダウン制御開始時からの経過時間が時間T1に達したか否か、S12において、時間T2に達したか否かが判定される。時間T1は時間T2より長い。
経過時間が時間T2に達する以前においては、S11,12が繰り返し実行される。時間T2に達すると、S12の判定がYESとなり、S13において、左右連通弁112が開状態とされる。
次に、時間T1に達するのが待たれる。時間T2経過する以前においては、S11〜13が繰り返し実行される。左右連通弁112は既に開状態にあるため事情は変わらない。
時間T1に達するとS11の判定がYESとなり、S14において右側車高調整弁110FRが開状態から閉状態とされ、S15において時間(Tf/2)が経過するのが待たれる。時間(Tf/2)が経過すると、S15の判定がYESとなり、S16において、左側車高調整弁110FLが開状態から閉状態に切り換えられる。
右側車高調整弁110FR、左側車高調整弁110FLが、それぞれ、開状態から閉状態に切り換えられると脈動が生じ、懸架シリンダ側に伝達される。本実施例においては、個別制御通路32FR、FLの各々の、右側、左側車高調整弁110FR、110FLより懸架シリンダ側において左右連通路111によって連結されている。そのため、脈動が懸架シリンダ側に伝達された場合に、左右連通路111および左右連通弁112において、これらの脈動が合成される。個別通路32FR,32FLの各々において、脈動は、Tf/2だけ発生時期がずれるため、図6に示すように、これらの脈動の合成により、振幅が小さくされ、脈動に起因して発生する音や振動を抑制することができる。
さらに、S17において、左右の車高調整弁110FR、FLの両方が閉状態に切り換えられてから、予め定められた設定時間Te(遅れ時間、あるいは、脈動抑制時間と称する)が経過するのが待たれる。時間Te経過した後に、S18において、左右連通弁112が閉状態とされる。時間Teは、脈動を両方に抑制するのに要する時間である。
さらに、S19において、後輪側についてもダウン要求があるか否かが判定される。ダウン要求がある場合には、S9に戻され、後輪側についても同様に車高調整が行われる。前輪側、後輪側のいずれの側においてもダウン要求がない場合には、本プログラムの実行が終了される。
図3のフローチャートで表す脈動周期取得プログラムは、予め定められた設定時間毎に実行される。S51においてアップ制御が終了したか否かが判定される。アップ制御が終了した場合には、S52において液圧源液圧センサ92によって液圧が検出され、S53において、その液圧と図4(a)のマップで表される液圧対応補正係数決定テーブルとに基づいて液圧対応補正係数αpが取得され、記憶される。
次に、S54において、ダウン要求があるか否かが判定される。ダウン要求がある場合には、S55において温度センサ222によって温度が検出され、S56において温度と図4(b)のマップで表される温度対応補正係数決定テーブルとに基づいて温度対応補正係数αtが取得される。
ダウン要求は、車高を大きくする車高調整が行われた後に満たされるのが普通である。そのため、S56が実行される場合には、液圧対応補正係数αpが取得されているのが普通である。そこで、本実施例においては、推定された2つの補正係数αp、αtと、標準脈動周期Tfpとに基づいて本脈動周期Tf=(Tf0・αp・αt)が取得される。
このように、取得された本脈動周期が、車高調整プログラムのS9において読み込まれ、バルブ切り換え時期が決定されるのである。
本実施例の車高調整プログラムの実行に従って車高調整弁110,左右連通弁112(114)が開閉されるが、その場合のタイミングチャートを図5に示し、作動状態を図7に示す。
ダウン制御の開始から時間T2が経過する(ta)と、左右連通弁112が開状態とされる。図7(a)に示すように、2つの懸架シリンダ10FR,10FLからそれぞれ右側、左側車高調整弁110FR,110FLを経て作動液が低圧源74に向かって流れる。
ダウン制御の開始から時間T1が経過する(tb)と、右側車高調整弁110FRが閉状態に切り換えられる。図7(b)に示すように、2つの懸架シリンダ10FR、10FLから左右連通弁112,開状態にある左側車高調整弁110FLを経て作動液が流出する。右側車高調整弁110FRが閉状態に切り換えられたことに起因して、脈動が生じる。
右側車高調整弁110FRが閉状態に切り換えられてから脈動周期Tfの1/2だけ時間が経過した後(tc)に、左側車高調整弁110FLが開状態から閉状態に切り換えられる。図7(c)に示すように、左右連通弁112の開状態において、右側車高調整弁110FR,左側車高調整弁110FLが閉状態とされるのであり、脈動は、左右連結通路111に伝達されるが、脈動が生じる時期が互いに時間(Tf/2)だけ隔たっているため、図6に示すように、左右連通弁112のハウジング内において脈動が抑制あるいは打ち消される。それによって、脈動に伴う音、振動等を抑制することが可能となる。
左右の車高調整弁110FR,110FLが閉状態に切り換えられた後に、脈動抑制時間Teが経過した後(td)に、図7(d)に示すように、左右連通弁112が閉状態に切り換えられる。
また、図5に示すように、左右の車高調整弁110FR、110FLの両方が開状態にある場合より、左右連通弁112が開状態、右側の車高調整弁110FRが開状態、左側車高調整弁110FLが閉状態にある場合の方が、車高変化速度は小さくなる。
以上のように本実施例においては、車高調整ECU200のうち図2のフローチャートで表される車高調整プログラムを記憶する部分、実行する部分および図3のフローチャートで表される脈動周期取得プログラムを記憶する部分、実行する部分等により車高調整弁制御装置が構成される。そのうちの、S13〜16を記憶する部分、実行する部分等により脈動抑制対応制御部が構成される。脈動抑制対応制御部は、左右連通時制御部でもある。また、図3のフローチャートで表される脈動周期取得プログラムを記憶する部分、実行する部分等により周期取得部が構成され、そのうちの、S51〜53を記憶する部分、実行する部分等により液圧対応周期取得部が構成され、S54〜56を記憶する部分、実行する部分等により温度対応周期取得部が構成される。
なお、上記実施例においては、ダウン制御の開始時からの経過時間に応じて左右連通弁112(114)を開状態とするタイミング、右側車高調整弁110Rを開状態から閉状態に切り換えるタイミングが決まるようにされていたが、車高に基づいてタイミングが決まるようにすることもできる。
前述のように、ダウン制御に要する時間はわかるため、ダウン制御に要する時間と、開始時の車高と目標車高とに基づけば、上記実施例の経過時間T1、T2に対応する車高H1,H2を決めることができるのである。これら車高H1、H2は、目標車高Hfより大きい。車高に限らず、車高を小さくする車高調整の開始時からの車高変化量(上下ストローク)でタイミングを決めることもできる。
また、上記実施例においては、本脈動周期が、標準脈動周期Tf0と、作動液の温度および液圧の両方とに基づいて決定されるようにされていたが、そのようにすることは不可欠ではなく、標準脈動周期Tf0と、温度と液圧とのいずれか一方とに基づいて決まるようにすることができる。例えば、標準脈動周期Tf0と液圧対応補正係数αpあるいは温度対応補正係数αtとを掛けた値を、それぞれ、本脈動周期Tfとするのである。
Tf=Tfp=Tf0・αp
Tf=Tft=Tf0・αt
さらに、温度も液圧も考慮することなく標準脈動周期Tf0(固定値)を本脈動周期とすることもできる。
Tf=Tf0
また、作動液の液圧で決まる脈動周期Tfpと温度で決まる脈動周期Tftとの両方の平均的な値を本脈動周期Tfとすることもできる。
Tf=(Tfp+Tft)/2
さらに、液圧で決まる脈動周期Tfpと温度で決まる脈動周期Tftとのそれぞれに異なる重み付けをして、本脈動周期Tfが決まるようにすることもできる。
Tf={β・Tfp+(1−β)・Tft}/2
0<β<1
重み付け係数βは、固定値であっても、可変値であってもよい。例えば、作動液の温度が非常に低い場合はβを0あるいは1/2より小さい値として、本脈動周期に対する温度の影響を大きくし、作動液の温度が常温周辺の温度である場合にはβを1あるいは1/2より大きい値として、本脈動周期に対する液圧の影響を大きくするのである。
また、本脈動周期Tfを、標準脈動周期Tf0と、液圧対応補正係数αpおよび温度対応補正係数αtを掛けた値の平方根とを掛けた値とすることもできる。
Tf=Tf0・(αp・αt)1/2
さらに、標準脈動周期Tf0をアキュムレータ34,36のばね定数の経時的な変化に応じて変化する値とすることも可能である。
また、右側車高調整弁110Rが後に、左側車高調整弁110Lが先に閉状態に切り換えられるようにすることもできる。
さらに、車高を小さくする車高調整の終了時に限らず、車高を大きくする車高調整の終了時、車高調整の開始時にも同様の制御を行うことができる。
また、車高を大きくする車高調整が終了して、車高調整弁110が閉状態に切り換えられた後に、蓄圧制御弁90を開状態に切り換えて、蓄圧用アキュムレータ86に作動液が蓄えられるようにすることができる。
さらに、液圧センサを懸架シリンダ10に対応してそれぞれ設けることができる。その場合には、ダウン制御開始時の懸架シリンダ10の液圧を直接的に検出することができる。
その他、本発明は、前述に記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
本発明の一実施例である車高調整全体を表す図である。 上記車高調整装置の車高調整ECUの記憶部に記憶された車高調整プログラムを表すフローチャートである。 上記車高調整ECUの記憶部に記憶された脈動周期取得プログラムを表すフローチャートである。 上記車高調整ECUの記憶部に記憶された補正係数取得テーブルを表すマップである。 上記車高調整プログラムの実行による車高調整弁、左右連通弁の制御状態を表す図である。 上記車高調整プログラムの実行により脈動が抑制される状態を示す図である。 上記車高調整プログラムの実行により開閉させられる車高調整弁、左右連通弁の状態を表す図である。 上記車高調整装置において脈動が生じる状態を示す図である。
符号の説明
10:懸架シリンダ 110:車高調整弁 111,113:連結通路 112,114:左右連通弁

Claims (4)

  1. 車両の複数の車輪の各々に対応して、その車輪を保持する車輪保持装置と車体との間に設けられた懸架シリンダと、
    液圧源と、
    その液圧源と前記複数の懸架シリンダの各々とをそれぞれ接続する個別通路にそれぞれ設けられ、それら懸架シリンダと前記液圧源との間の作動液の流れをそれぞれ制御可能な複数の車高調整弁と、
    少なくとも前記複数の車高調整弁を制御することにより、前記複数の車輪の各々について、その車輪と前記車体との上下方向の相対位置関係である車高を制御する車高調整弁制御装置と
    前記複数の個別通路のうちの2つを連結する連結装置と
    を含む車高調整装置であって、
    前記懸架シリンダが、車両の前輪側と後輪側との少なくとも一方の側において、左側輪と右側輪とにそれぞれ対応して設けられ、
    前記車高調整弁が、前記左側輪に対応して設けられた左側懸架シリンダおよび前記右側輪に対応して設けられた右側懸架シリンダの各々と前記液圧源とをそれぞれ接続する左側個別通路および右側個別通路にそれぞれ設けられ、
    前記連結装置が、(a)前記左側個別通路と前記右側個別通路とを連結する左右連通路と、(b)その左右連通路に設けられ、開状態と閉状態とに切り換え可能な左右連通弁とを含み、
    前記車高調整弁制御装置が、前記左右連通弁によって連結された前記左側個別通路および前記右側個別通路の各々に対応する前記左側輪、右側輪について車高調整が開始される場合と終了させられる場合との少なくとも一方において、前記左側個別通路に設けられた左側車高調整弁と前記右側個別通路に設けられた右側車高調整弁との各々の開状態と閉状態との間の切り換え作動を、それら左側,右側車高調整弁の作動時に生じる作動液の脈動の周期の1/2の時間だけ隔てて行う脈動抑制対応制御部を含むとともに、その脈動抑制対応制御部が、前記左右連通弁の開状態において、前記左側車高調整弁と前記右側車高調整弁との前記切り換え作動を行う左右連通時制御部を含むことを特徴とする車高調整装置。
  2. 前記脈動抑制対応制御部が、当該車高調整装置の状態に基づいて前記脈動の周期を取得する周期取得部を含む請求項1に記載の車高調整装置。
  3. 前記周期取得部が、(a)前記懸架シリンダの液圧を検出する液圧検出装置と、(b)その液圧検出装置による検出液圧が高い場合は低い場合より、前記脈動の周期を短い値として取得する液圧対応周期取得部とを含む請求項2に記載の車高調整装置。
  4. 前記周期取得部が、(a)作動液の温度を検出する温度検出装置と、(b)その温度検出装置による検出温度が低い場合は高い場合より、前記脈動の周期を短い値として取得する温度対応周期取得部とを含む請求項2または3に記載の車高調整装置。
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