JP6664273B2 - 作業機械の油圧制御装置 - Google Patents

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本発明は、エンジンが搭載される作業機械に設けられる油圧制御装置であって、前記エンジンにより駆動されるパイロットポンプと、当該パイロットポンプからのパイロット圧の供給を受けることにより作動するパイロット操作式の制御弁を含むものである。
従来、作業機械の油圧制御装置として、いわゆるパイロット式の油圧切換弁、すなわち、パイロット圧の供給を受けることにより作動する制御弁と、当該制御弁にパイロット圧を入力するためのパイロット回路と、を備えたものが多く用いられている。前記パイロット回路は、エンジンにより駆動されるパイロットポンプと、当該パイロットポンプが吐出するパイロット油を前記制御弁のパイロットポートに導くパイロットラインと、当該パイロットラインの途中に設けられてオペレータが操作部材に与える操作に応じて前記パイロット圧を変化させるパイロット操作弁、例えばリモコン弁、と、を含む。
さらに、前記パイロット回路には、蓄圧器であるアキュムレータが付設される場合がある。前記アキュムレータは、前記パイロットラインに接続され、前記パイロット油の流入を適宜受け入れて蓄圧し、パイロット圧が必要とされる場合に前記パイロット油を放出する。
一方、前記エンジンの駆動は、燃料の節減や騒音の抑制を目的としたいわゆるアイドリングストップ制御によって一時的に停止される場合がある。当該アイドリングストップ制御は、例えば操作装置が一定時間操作されていないといった予め設定されたエンジン停止条件を満たす場合に実行され、これにより前記パイロットポンプによるパイロット圧の生成も停止される。その後、エンジン再始動条件を満たす場合にエンジンの再始動が行われ、これにより、前記パイロットポンプの駆動も再開される。
特開2012−237161号公報
前記のようなアキュムレータを含む装置では、前記パイロットポンプの駆動が再開されてもパイロット圧がすぐに立ち上がらないおそれがある。すなわち、前記アイドリングストップ制御によるエンジンの停止中、アキュムレータに蓄えられた油は放出されて当該アキュムレータの圧力は低下しており、また仮に当該アキュムレータの入口に設けられた開閉弁が閉じられることにより当該アキュムレータが封止されていたとしても前記エンジンの停止が長時間にわたり継続された場合には当該アキュムレータからの油の漏出によりアキュムレータの圧力は低下している。従って、この状態でエンジンが再始動してパイロットポンプの駆動が再開されても、しばらくは当該パイロットポンプの吐出するパイロット油が前記アキュムレータの蓄圧に用いられてしまい、これにより、オペレータによる操作部材の操作にかかわらず前記パイロット操作弁の二次圧すなわち前記制御弁に供給されるパイロット圧がすぐに立ち上がらないおそれがある。このことは、オペレータの意志と実際の運転状態との間にずれを生じさせることになり、好ましくない。
特許文献1は、前記アキュムレータに蓄えられる圧力が一定以下の場合にはエンジンの再始動を禁止してオペレータによる操作を無効にし、これをオペレータに知らせる技術を開示するが、この技術においても、アイドリングストップ状態においてオペレータが操作を行った時点でのアキュムレータの圧力が低いと当該操作が有効とならないため、迅速な運転操作の再開は不可能である。
本発明は、前記の事情に鑑み、エンジンが搭載された作業機械に設けられる油圧制御装置であって、前記エンジンの一時停止後、アキュムレータの圧力にかかわらず迅速に運転を再開することを可能にするものを提供することを目的とする。
提供されるのは、エンジンを搭載する作業機械に設けられる油圧制御装置であって、パイロット圧の供給を受けることにより作動するパイロット操作式の制御弁と、油圧ポンプからなり、前記エンジンにより駆動されることによりパイロット油を吐出するパイロットポンプと、前記パイロットポンプが吐出するパイロット油を前記制御弁に導くパイロットラインと、前記制御弁を動かすための操作を受ける操作部材と、前記パイロットラインの途中に設けられ、前記操作部材が前記操作を受けないときは閉弁して前記制御弁への前記パイロット圧の供給を遮断し、前記操作部材が前記操作を受けたときはその操作に応じたパイロット圧を前記制御弁に与えるように開弁するパイロット操作弁と、前記パイロットポンプと前記パイロット操作弁との間の領域で前記パイロットラインに接続されるアキュムレータと、前記パイロットラインと前記アキュムレータとの間に介在し、当該パイロットラインから当該アキュムレータへのパイロット油の流入を許容する許容位置と当該パイロットラインから当該アキュムレータへのパイロット油の流入を前記許容位置に比べて制限する制限位置とに切換わり可能なアキュムレータ切換弁と、前記エンジンの稼働中に前記作業機械の運転状態が予め設定されたエンジン停止条件を充足するときに前記エンジンを一時停止させ、当該一時停止中に前記作業機械の状態が予め設定されたエンジン再始動条件を充足するときに前記エンジンを再始動させるエンジン停止制御部と、前記アキュムレータ切換弁の位置を切換える切換制御部と、を備える。前記切換制御部は、前記エンジン停止制御部が前記エンジンを再始動させるときに前記アキュムレータ切換弁を前記制限位置に切換える。
この装置によれば、エンジンが一時停止してから再始動する際には、切換制御部がアキュムレータ切換弁の位置を制限位置に切換えてパイロットポンプからアキュムレータへのパイロット油の流入を抑制するため、当該アキュムレータの圧力にかかわらず、前記パイロットポンプから前記パイロットラインを通じて制御弁に供給されるパイロット圧を迅速に立ち上げることができる。従って、エンジンが再始動してから迅速に運転を再開することが可能である。
前記切換制御部は、前記エンジンの再始動後、予め設定されたアキュムレータ復帰条件を満たす場合に前記アキュムレータ切換弁を前記許容位置にすることが、より好ましい。前記のようにエンジン再始動時のパイロット圧が立ち上がった後は、前記アキュムレータ切換弁が前記許容位置に切換えられてパイロットポンプからのパイロット油の一部が前記アキュムレータに多く流入しても当該流入がパイロット圧に与える影響は小さい。従って、前記エンジンの再始動後に前記アキュムレータ切換弁を前記許容位置に切換えることで、迅速な運転の再開を可能にしながらアキュムレータの復帰も行うことができる。
さらに、前記アキュムレータ復帰条件を適当な条件に設定することにより、前記アキュムレータ切換弁が前記制限位置から前記許容位置に切換えられることによる運転への影響をなくし、あるいは当該影響をより小さく抑えることが可能である。
例えば、前記油圧制御装置は、前記アキュムレータ内の圧力を検出するアキュムレータ圧検出器をさらに備え、前記アキュムレータ復帰条件は前記アキュムレータ圧検出器により検出される圧力が予め設定された許容圧力以上であることを含むのが、好ましい。このアキュムレータ復帰条件によれば、アキュムレータ内の圧力であるアキュムレータ圧が高くなった時点で前記アキュムレータ切換弁を前記許容位置に切換えることにより、当該切換が制御弁へのパイロット圧の供給に与える影響を十分小さく抑えることが可能である。
前記アキュムレータ復帰条件は、前記操作部材の操作量が予め設定された許容範囲内にあるという条件を含んでもよい。前記のようにエンジン再始動時のパイロット圧が立ち上がった後は、前記アキュムレータ切換弁が前記許容位置に切換えられてパイロットポンプからのパイロット油の一部が前記アキュムレータに多く流入しても当該流入がパイロット圧に与える影響は小さいので、前記エンジンが再始動してから所定時間が経過した後に前記アキュムレータ切換弁を前記許容位置に切換えることで、オペレータの操作への干渉を抑えながらアキュムレータの復帰を行うことが可能である。
前記アキュムレータ切換弁の制限位置は、例えば、前記許容位置に比べて少ない制限流量でのみ前記パイロットラインから前記アキュムレータ内へのパイロット用の流入を許容する制限許容位置が、好適である。当該制限許容位置では、前記許容位置に比べて前記アキュムレータへのパイロット油の流入を制限することにより、エンジン再始動時にパイロット油が前記アキュムレータに流入することに起因するパイロット圧の立ち上がりの遅れを抑制しながら、当該制限許容位置を維持したままでもエンジン再始動後にアキュムレータ内の圧力が時間経過とともに上昇して当該アキュムレータが復帰することを可能にする。
つまり、前記アキュムレータ切換弁の制限位置が前記制限許容位置である場合は、前記アキュムレータ内の圧力が時間経過とともに上昇するので、前記アキュムレータ復帰条件が、前記エンジンが再始動してから所定時間が経過することを含むことにより、簡単な制御で、前記アキュムレータ内の圧力が上昇してから前記アキュムレータ切換弁を前記許容位置に切換えることが可能になる。
前記アキュムレータ切換弁の制限位置は、あるいは、前記パイロットラインと前記アキュムレータとの間を遮断する遮断位置であってもよい。この遮断位置によれば、エンジン再始動時におけるパイロットポンプからアキュムレータへのパイロット油の流入をなくすことにより、制御弁に供給されるパイロット圧の立ち上がりをより迅速にすることができる。
前記アキュムレータ切換弁の制限位置が前記遮断位置である場合、前記制限許容位置と異なり、時間の経過にかかわらずアキュムレータ内の圧力は上昇しないが、前記アキュムレータ復帰条件が、前記操作部材の操作量が予め設定された許容範囲内にあるという条件を含むことにより、つまり、操作部材の操作量が小さくて大きなパイロット圧の要請がないときに前記アキュムレータ切換弁を前記許容位置に切換えることにより、前記操作部材の操作による運転に与える影響を抑えながらアキュムレータ内の圧力を上昇させて当該アキュムレータを復帰させることができる。
この場合、前記アキュムレータ内の圧力を検出するアキュムレータ圧検出器をさらに備え、前記切換制御部は、前記アキュムレータ圧検出器により検出される圧力が予め設定された許容圧力以上になった時点以降は前記操作部材の操作量にかかわらず前記アキュムレータ切換弁を開弁状態に維持することが、好ましい。前記のようにアキュムレータ内の圧力が前記許容圧力以上になった時点からは前記アキュムレータ切換弁を前記許容位置に切換えても制御弁に供給されるパイロット圧に与える影響は小さく、前記操作部材の操作量に応じてアキュムレータ切換弁の位置を切換えるという制御は不要である。従って、前記アキュムレータ内の圧力の監視は、前記操作量に基づくアキュムレータ切換弁の過剰な切換動作が行われるのを防ぎ、当該切換動作の繰返しによる機器寿命の短縮を抑えることを可能にする。
前記アキュムレータ切換弁の切換のための具体的な構成としては、前記切換制御部が、前記アキュムレータ切換弁を前記制限位置に切換えるための切換指令信号を出力するものであり、前記アキュムレータ切換弁が、前記切換指令信号の入力を受け入れる信号入力部を有し、当該信号入力部への当該切換指令信号の入力がない場合は前記許容位置を維持し、当該切換指令信号の入力を受けると前記許容位置から前記制限位置に切換えられるように構成されるものが、好ましい。当該アキュムレータ切換弁は、例えば切換制御部の故障や断線といった異常の発生により切換指令信号の入力を受けられなくなった場合でも前記許容位置を維持することにより、当該異常にかかわらずアキュムレータが使用可能な状態を保持することができる。
前記アキュムレータ切換弁は、前記とは逆に、前記信号入力部への前記切換指令信号の入力がない場合は前記制限位置を維持し、当該切換指令信号の入力を受けると前記制限位置から前記許容位置に切換えられるように構成されたものでもよい。例えば、前記アキュムレータ切換弁の制限位置が前記アキュムレータから前記パイロットラインへのパイロット油の流出を遮断する位置である場合、前記切換制御部は、前記エンジンが一時停止しているときに前記切換指令信号の出力を停止することにより、当該切換指令信号の生成に必要なエネルギーを節約しながら、前記アキュムレータ切換弁を前記制限位置に保って前記アキュムレータ内の圧力が低下するのを有効に抑止することができる。
前記切換制御部は、前記パイロットポンプからのパイロット油の供給に加えて前記アキュムレータからのパイロット油の供給を必要とする特定の作業が行われるときは常に前記アキュムレータ切換弁を前記許容位置にすることが、好ましい。このように構成された切換制御部は、前記特定の作業(例えばクレーンのフリーフォール作業のように一時的に大流量のパイロット油の供給を要する作業)ではアキュムレータの使用を優先することにより当該特定の作業を確実に行うことを可能にする。
以上のように、本発明によれば、エンジンが搭載された作業機械に設けられる油圧制御装置であって、前記エンジンの一時停止後、アキュムレータの圧力にかかわらず迅速に運転を再開することを可能にするものが、提供される。
本発明の第1の実施の形態に係る作業機械の油圧制御装置を示す回路図である。 前記油圧制御装置におけるコントローラの入出力を示すブロック図である。 前記コントローラの演算制御動作を示すフローチャートである。 エンジンの再始動に伴う前記油圧制御装置の作用を示すタイムチャートである。 前記油圧制御装置におけるアキュムレータ切換弁の第1の変形例を示す回路図である。 前記油圧制御装置におけるアキュムレータ切換弁の第2の変形例を示す回路図である。 本発明の第2の実施の形態に係る作業機械の油圧制御装置を示す回路図である。 前記第2の実施の形態に係る作業機械の油圧制御装置のコントローラの演算制御動作を示すフローチャートである。
本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、前記実施の形態に係る作業機械の油圧制御装置及びこれに関係する主要な構成要素を示す回路図である。なお、本発明が適用される作業機械の種類は問わず、当該作業機械には、例えばクレーン、油圧ショベル、破砕機、その他の油圧式作業機械が含まれる。
この実施の形態に係る作業機械は、図1に示すエンジン10と、このエンジン10が生成する動力によって作動する油圧回路と、当該油圧回路を制御するコントローラ40と、を備える。前記油圧回路は、メイン回路2と、パイロット回路4と、蓄圧装置6と、を含む。
前記メイン回路2は、メインポンプ12と、油圧アクチュエータ14と、制御弁16と、を有する。
前記メインポンプ12は、油圧ポンプからなり、前記エンジン10の出力軸に連結される。当該メインポンプ12は、当該エンジン10が生成する動力によって駆動されることにより、タンク内の油を作動油として吐出する。
前記油圧アクチュエータ14は、前記メインポンプ12が吐出する作動油の供給を受けることにより、前記作業機械に含まれる所定の駆動対象を動かすように作動する。例えば当該駆動対象がクレーンのウィンチである場合、前記油圧アクチュエータ14には、当該ウィンチに含まれるウィンチドラムを回転させる油圧モータが該当する。
前記制御弁16は、前記メインポンプ12と前記油圧アクチュエータ14との間に介在し、当該メインポンプ12から当該油圧アクチュエータ14への作動油の供給及び当該油圧アクチュエータ14からタンクへの作動油の排出を制御するように作動する。具体的に、当該制御弁16はパイロット式の油圧切換弁からなり、パイロット圧の供給を受けることにより当該パイロット圧に対応したストロークで開弁作動し、当該ストロークに対応した流量で前記メインポンプ12から前記油圧アクチュエータ14に作動油が供給されることを許容する。
前記パイロット回路4は、所定のパイロット圧を生成して前記制御弁16に入力するものであり、パイロットポンプ18と、パイロットライン20と、リリーフ弁22と、操作レバー24と、リモコン弁26と、を含む。
前記パイロットポンプ18は、油圧ポンプからなり、前記メインポンプ12と同様に前記エンジン10の出力軸に連結される。当該パイロットポンプ18は、当該エンジン10が生成する動力によって駆動されることにより、タンク内の油をパイロット油として吐出する。
前記パイロットライン20は、前記パイロットポンプ18に接続される配管であり、当該パイロットポンプ18が吐出するパイロット油を前記制御弁16のパイロットポートに導くように配設される。
前記リリーフ弁22は、変更可能な設定圧をもつリリーフ弁であって、前記パイロットライン20の圧力を前記設定圧以下に制限する機能を有する。具体的に、当該リリーフ弁22は、前記パイロットライン20とタンクとの間に介在するとともに、前記パイロットライン20の圧力が前記設定圧に達すると開弁する。
前記操作レバー24は、オペレータによる操作を受ける操作部材であり、前記リモコン弁26は当該操作レバー24に連結されるパイロット操作弁である。すなわち、当該リモコン弁26は、前記パイロットライン20の途中に設けられ、前記操作レバー24に与えられる操作に連動して開弁動作することにより、当該リモコン弁26の下流側の圧力であるパイロット二次圧、つまり実際に前記制御弁16に入力されるパイロット圧、を前記操作レバー24に与えられる操作に応じて変化させる。
前記蓄圧装置6は、アキュムレータ28と、アキュムレータ切換弁30と、を有する。
前記アキュムレータ28は、アキュムレータライン29を介して前記パイロットライン20の一次側の部位、つまり前記リモコン弁26よりも上流側の部位、に接続される蓄圧器である。当該アキュムレータ28は、前記パイロットライン20を流れるパイロット油を適宜受け入れて蓄圧を行う機能と、必要に応じて蓄えた圧力を前記パイロットライン20に放出する機能と、を有する。
前記アキュムレータ切換弁30は、前記パイロットライン20と前記アキュムレータ28との間に介在するように前記アキュムレータライン29の途中に設けられる。当該アキュムレータ切換弁30は、前記アキュムレータライン29を開通して前記パイロットライン20から前記アキュムレータ28へのパイロット油の流入を許容する許容位置33と、当該パイロットライン20から当該アキュムレータ28へのパイロット油の流入を前記許容位置に比べて制限する制限位置34と、を有する。
この実施の形態に係るアキュムレータ切換弁30は、ソレノイド32を有する電磁切換弁からなり、当該ソレノイド32に切換指令信号が入力されないときは前記許容位置33を保ち、当該ソレノイド32に切換指令信号が入力されると前記制限位置34に切換えられるように構成されている。図1に示される制限位置34は、前記アキュムレータライン29を完全にブロックする位置、つまり前記パイロットライン20から前記アキュムレータ28を遮断する遮断位置、である。
前記油圧回路には、複数の検出器が設けられる。当該複数の検出器は、パイロット圧検出器37と、アキュムレータ圧検出器38と、を含む。
前記パイロット圧検出器37は、例えば圧力センサからなり、前記パイロットライン20のうち前記リモコン弁26の下流側の領域の圧力(パイロット二次圧)PLに相当するパイロット圧検出信号を生成する。当該パイロット圧検出信号は、前記操作レバー24の操作状態についての情報として前記コントローラ40に入力される。
前記アキュムレータ圧検出器38も、例えば圧力センサからなり、前記アキュムレータライン29のうち前記アキュムレータ切換弁30よりも前記アキュムレータ28に近い部位の圧力であるアキュムレータ圧PAに相当するアキュムレータ圧検出信号を生成する。当該アキュムレータ圧検出信号は、アキュムレータ28内の圧力についての情報として前記コントローラ40に入力される。
前記コントローラ40は、本発明に関する機能として、図2に示されるエンジン停止制御部42及び切換制御部44を有する。
前記エンジン停止制御部42は、燃料の節減や騒音の抑制を目的としたいわゆるアイドリングストップ制御を行う。具体的に、前記エンジン停止制御部42は、次の制御を行う。
A)前記エンジン停止制御部42は、前記エンジン10の稼働中に前記作業機械の運転状態が予め設定されたエンジン停止条件を充足するときに前記エンジン10を一時停止すなわちアイドリングストップさせる。当該エンジン停止条件は、任意に設定されることが可能であり、複数の項目を含んでもよい。例えば、1a)運転室その他の適所に設けられたアクセル操作装置が一定時間操作されないこと、2a)前記作業機械がクレーンである場合に旋回パーキングブレーキが作動していること、3a)操作レバー24の操作量が一定以下であること、を含んでもよい。これらの項目は、全て論理積で結ばれてもよいし、全て論理和で結ばれてもよいし、あるいは論理積と論理和の混合であってもよい。例えば、前記項目1a〜3aの全てに該当する場合にのみエンジン10のアイドリングストップが行われてもよいし、前記項目1a〜3aの少なくとも一つに該当する場合に当該アイドリングストップが行われてもよいし、前記項目1a及び2aの少なくとも一つに該当しかつ項目3aに該当する場合にのみ当該アイドリングストップが行われてもよい。
B)前記エンジン停止制御部42は、前記エンジン10のアイドリングストップ中に前記作業機械の状態が予め設定されたエンジン再始動条件を充足するときに前記エンジン10を再始動させる。当該エンジン再始動条件も、任意に設定されることが可能であり、複数の項目を含んでもよい。例えば、エンジン10のアイドリングストップ中に1b)前記アクセル操作装置が一定量以上操作されたこと、2b)前記旋回パーキングブレーキが解除されたこと、3b)操作レバー24が一定量以上操作されたこと、を含んでもよい。これらの項目も、全て論理積で結ばれてもよいし、全て論理和で結ばれてもよいし、あるいは論理積と論理和の混合であってもよい。例えば、前記項目1b〜3bの全てに該当する場合にのみエンジン10の再始動が行われてもよいし、前記項目1b〜3bの少なくとも一つに該当する場合に当該再始動が行われてもよいし、前記項目1b及び2bの少なくとも一つに該当しかつ項目3bに該当する場合にのみ当該再始動が行われてもよい。
前記切換制御部44は、前記アキュムレータ切換弁30を開閉作動させるように当該アキュムレータ切換弁30に対する指令を行う。具体的に、この実施の形態に係る切換制御部44は、切換指令信号を生成して前記アキュムレータ切換弁30のソレノイド32に入力することにより当該アキュムレータ切換弁30を前記制限位置(この実施の形態では遮断位置)34に切換える動作と、当該切換指令信号の入力を停止して当該アキュムレータ切換弁30を前記許容位置33に復帰させる動作と、を行う。
この装置の特徴として、前記切換制御部44は、前記アキュムレータ切換弁30の切換について次のような制御動作を行う。
A)前記切換制御部44は、前記エンジン停止制御部42が前記エンジン10を一時停止させている間すなわちアイドリングストップ中は前記切換指令信号の生成及び前記アキュムレータ切換弁30への入力を停止する。
B)前記切換制御部44は、前記エンジン停止制御部42が前記エンジンを再始動させた時点で前記アキュムレータ切換弁30を前記制限位置34に切換える。
C)前記切換制御部44は、前記エンジン10の再始動後、予め設定されたアキュムレータ復帰条件を満たす場合に前記アキュムレータ切換弁30を前記許容位置33に復帰させる。当該アキュムレータ復帰条件も、任意に設定されることが可能である。当該アキュムレータ復帰条件は、前記エンジン停止条件や前記エンジン再始動条件と同様、複数の項目を含んでもよく、これらの項目は論理積、論理和のいずれで結ばれていてもよい。
この実施の形態では、前記アキュムレータ切換弁30の制限位置34が遮断位置であってアキュムレータ28内へのパイロット油の流入を許容しない位置、つまり時間の経過にかかわらずアキュムレータ圧を増加させない位置、であることから、操作レバー24の操作による運転に影響を与えずに前記アキュムレータ28を昇圧させるためのアキュムレータ復帰条件として、1c)前記パイロット圧検出器37により検出されるパイロット圧PLが予め設定された規定圧PLnよりも小さいという項目と、2c)前記アキュムレータ圧検出器38により検出されるアキュムレータ圧PAが予め設定された許容圧力PAs以上であるという項目と、が論理和で結ばれるとともに、3c)エンジン10が再始動してから所定時間TAが経過するという項目と論理積で結ばれている。
ここで、前記パイロット圧PLについて設定される規定圧PLnは、前記操作レバー24の操作量が0または実質上非操作とみなせる程度に微小な値である。従って、当該規定圧PLnは、制御弁16が開弁し始めるパイロット圧をPLoとするとPLn<PLoを満たす範囲で設定されることが、好ましい。
また、前記所定時間TAは、前記エンジン10の再始動時に前記アキュムレータ切換弁30が前記制限位置に切換えられてからパイロットポンプ18の駆動によるパイロット圧の立ち上がりを保証するための最低制限時間よりも長い時間(例えば5秒)に設定されることが好ましい。このような所定時間TAは、実験やシミュレーションによって特定されることが可能である。あるいは、当該所定時間TAがオペレータの入力操作によって指定されてもよい。
前記のようなアキュムレータ復帰条件の設定により、前記切換制御部44は、i)エンジン10が再始動してから少なくとも前記所定時間TAが経過するまでは前記アキュムレータ切換弁30を制限位置に維持した後、ii)前記アキュムレータ圧PAが前記許容圧力PAsに満たないうちは前記パイロット圧PLが前記規定圧PLn未満であるという条件を満たす場合にのみ前記アキュムレータ切換弁30を前記制限位置34から前記許容位置33に切換え、iii)前記アキュムレータ圧PAが前記許容圧力PAsに達した時点からは前記パイロット圧PLにかかわらず前記アキュムレータ切換弁30を前記許容位置33に維持するように、構成されている。
次に、前記コントローラ40が行う制御動作、特に切換制御部44が行うアキュムレータ切換弁30の切換制御動作、を図3のフローチャートを参照しながら説明する。なお、このフローチャートに示される「PAフラグ」は、現在の運転状態が、エンジン10の再始動後にアキュムレータ圧PAが許容圧力PAsまで復帰した状態であるか否かを判定するためのフラグであって、アイドリングストップが行われる前の初期状態では「1」に設定される。
前記切換制御部44は、現在エンジン10がアイドリングストップ状態であるか否かを判定し(ステップS1)、アイドリングストップ状態でない場合は(ステップS1でNO)、PAフラグに基づく判定を行う(ステップS2)。PAフラグが1である場合(ステップS2でNO)、つまり、アキュムレータ圧PAが既に許容圧力PAsに達している場合、切換制御部44はアキュムレータ切換弁30を許容位置に維持する(ステップS3)。
前記コントローラ40のエンジン停止制御部42がエンジン10をアイドリングストップさせると(ステップS1でYES)、切換制御部44はPAフラグを0に切換え(ステップS4)、現在の運転状態がエンジン再始動条件を満たすまで(ステップS5でNO)アキュムレータ切換弁30を許容位置33に維持する(ステップS3)。現在の運転状態がエンジン再始動条件を満たすと(ステップS5でYES)、エンジン停止制御部42がエンジン10を再始動させ(ステップS6)、この時点から切換制御部44はエンジン再始動後の経過時間を計測するための計測時間Tをリセットしてそのカウントを開始する(ステップS7)とともに、アキュムレータ切換弁30を制限位置にする(ステップS8)。
前記エンジン10の再始動直後は、前記PAフラグは0のままである(ステップS2でYES)。前記切換制御部44は、前記計測時間Tが前記所定時間TAに到達するまでは(ステップS9でNO)その他の条件に関係なくアキュムレータ切換弁30を制限位置に維持し(ステップS8)、前記計測時間Tが前記所定時間TAに到達した時点から(ステップS9でYES)、アキュムレータ圧PA及びパイロット圧PLに基づきアキュムレータ切換弁30の切換の判定を行う(ステップS10〜ステップS12)。
すなわち、前記切換制御部44は、前記アキュムレータ圧PAが前記許容圧力PAsに満たない間は(ステップS10でNO)、前記パイロット圧PLが規定圧PLn未満である、つまり実質上操作レバー24が操作されておらずリモコン弁26が閉じている、という条件を満たす場合にのみ(ステップS11でYES)アキュムレータ切換弁30を許容位置に切換える(ステップS3)。その後、前記アキュムレータ圧PAが前記許容圧力PAs以上になると(ステップS10でYES)、切換制御部44はPAフラグを1に切換え(ステップS12)、この時点からはパイロット圧PLに関係なくアキュムレータ切換弁30を許容位置33に維持する(ステップS3)。
このように、アキュムレータ復帰条件としてパイロット圧PLが規定圧PLn未満であるという条件とアキュムレータ圧PAが許容圧力PAs以上であるという条件とを論理和で結ぶことは、アキュムレータ圧PAが十分高くてアキュムレータ切換弁30を許容位置に切換えることが制御弁16のパイロット操作に影響を与えない状況にあるにもかかわらずパイロット圧PLに応じてアキュムレータ切換弁30の開閉操作が過剰に行われるのを防ぎ、これにより、当該開閉操作に起因する機器寿命の短縮を抑止することを可能にする。なお、前記パイロット圧PLや前記アキュムレータPAの判定にはハンチングを抑止するためのヒステリシスが与えられてもよい。
図4は、前記エンジン10の再始動に伴うエンジン回転数、アキュムレータ切換弁30の位置、パイロット一次圧(リモコン弁26の上流側の領域におけるパイロットライン20の圧力)P1及びアキュムレータ圧PAの時間変化を示すタイムチャートである。
前記エンジン10が再始動される時点、すなわち、エンジン10のアイドリングストップ状態がオンからオフに切換えられる時点t1、よりエンジン回転数が立ち上がるとともに、アキュムレータ切換弁30がそれまでの許容位置33から制限位置34に切換えられる。この切換は、前記エンジン10の再始動により駆動されるパイロットポンプ18から吐出されるパイロット油がアキュムレータ28に流入するのを阻み、これにより、前記エンジン回転数の立ち上がりに呼応してパイロット一次圧P1も図4に破線51で示されるように迅速に立ち上がることを可能にする。このことは、エンジン10が再始動してからオペレータが操作レバー24の操作によって迅速に運転を再開することを可能にする。
一方、図4に破線61で示されるようにアキュムレータ圧PAはエンジン再始動後も最低圧を維持したままであるが、前記エンジン10の再始動後、操作レバー24が中立位置に戻された時点t2、つまりパイロット圧PLが規定圧PLn未満の圧力まで低下した時点t2、でアキュムレータ切換弁30が再び許容位置33に切換えられることによりパイロット油がアキュムレータ28に流入してアキュムレータ圧PAが上昇する。つまり、アキュムレータ28が復帰する。このとき、前記アキュムレータ28への前記パイロット油の流入により前記破線51に示されるように一時的にパイロット一次圧P1が低下するが、操作レバー24が操作されていないので運転に影響を与えることがない。もし仮に操作レバー24が操作されていたとしても、パイロット圧はエンジン10の始動後から既に十分に立ち上がっているので、前記パイロット一次圧の一時的な低下が運転に与える影響は、小さい。
比較例として、前記エンジン10が再始動した時点で前記アキュムレータ切換弁30の前記許容位置33から前記制限位置34への切換が行われない場合を想定する。この場合、パイロットポンプ18のパイロット油は前記アキュムレータ切換弁30を通じて大きな流量でアキュムレータ28に流入するため、図4に点線60に示されるようにアキュムレータ圧PAは比較的迅速に上昇する。しかし、その分、図4に点線50で示されるようにパイロット一次圧P1がエンジン回転数の上昇に呼応して上昇することができず、その立ち上がりが遅れる。このことは、前記エンジン10の再始動後に操作レバー24に与えられる操作と実際に制御弁16に与えられるパイロット圧との間に時間的なずれを生じさせ、オペレータに著しい違和感を与える。
これに対して図3に示される制御は、エンジン10が再始動してから少なくとも所定時間TAが経過するまではアキュムレータ切換弁30を制限位置34に保つことによって、迅速なパイロット圧の立ち上がりを保証し、これにより、オペレータに著しい違和感を与えるのを防ぐことができる。さらに、当該制御は、アキュムレータ圧PAが許容圧力PAs以上である場合またはパイロット圧PLが規定圧PLn未満である場合に限りアキュムレータ切換弁30を許容位置33に切換えることで、当該許容位置33へのアキュムレータ切換弁30の切換が制御弁16に与えられるパイロット圧に与える影響をさらに抑えることを可能にしている。
図1に示されるアキュムレータ切換弁30の制限位置34は、アキュムレータ28をパイロットライン20から完全に遮断する遮断位置であるが、本発明は、例えば図5及び図6にそれぞれ示されるアキュムレータ切換弁30A,30Bのように、制限位置において許容位置よりも少ない流量でパイロット油が流通するのを許容するように構成されたアキュムレータ切換弁を用いることも可能である。具体的に、図5に示されるアキュムレータ切換弁30Aは、許容位置33と制限位置34Aとを有するが、当該制限位置34Aは絞り35により制限された流量でパイロット油が流通するのを許容する制限許容位置である。図6に示されるアキュムレータ切換弁30Bは、前記絞り35に加えてこれと並列に配置される逆止弁36を含み、前記制限位置34Bにおいて、アキュムレータ28に流入するパイロット油についてはその流量を絞り35によって規制する一方、アキュムレータ28からの油は流量を規制することなく当該油が逆止弁36を通じて流出することを許容する。
前記アキュムレータ切換弁30A,30Bにおいて、パイロットライン20からアキュムレータ28に流入するパイロット油の最大流量を制限流量Qlim以下に抑えるには、下記の式を満たすように絞り35の流路面積Ahが設定されればよい。
Qlim≧C×Ah×√(PP−PA)
ここで、Cは流量係数、PPは前記リリーフ弁22によりパイロットライン20に与えられる設定圧である。
前記アキュムレータ切換弁30A,30Bのように、その制限位置34A,34Bにおいてアキュムレータ28へのパイロット油の流入を許容するものが用いられても、当該アキュムレータ28に入力するパイロット油の流量はリモコン弁26側に流れるパイロット油の流量に比べると僅かであるから、前記アキュムレータ切換弁30が用いられる場合と同様、図4に実線52で示されるようにパイロット圧一次圧P1が迅速に立ち上がることが可能である。
しかも、前記制限位置34A,34Bにあってもアキュムレータ切換弁30A,30Bは図4に実線62で示されるようにアキュムレータ圧PAが時間経過とともに上昇することを許容するため、その昇圧速度を見計らって、エンジン10が再始動した時点t1から所定時間すなわち前記アキュムレータ圧PAが十分な圧力まで上昇するのに必要な時間が経過した後にアキュムレータ切換弁30を許容位置33に切換える制御を行うことにより、前記のようなパイロット圧PLに基づく頻度の高い切換制御を行うことなく、しかも運転操作に影響を与えずに前記アキュムレータ切換弁30を許容位置33に切換えてアキュムレータ28を復帰させることが可能である。
例えば図3のフローチャートでは、ステップS9における「所定時間TA」として、前記制限位置34Aまたは34Bにおけるアキュムレータ切換弁30Aまたは30Bを通じてのアキュムレータ28へのパイロット油の流入によってアキュムレータ圧PAを許容圧力PAsまで上昇させるのに必要な時間が設定されることにより、ステップS10,S11の判断を行うことなく適正な時期にアキュムレータ切換弁30を許容位置に復帰させることが可能である。
図1に示されるアキュムレータ切換弁30は、信号入力部であるソレノイド32への切換指令信号の入力がない場合は許容位置33を維持し、当該切換指令信号の入力を受けると前記許容位置33から制限位置34に切換えられるものであるため、例えば切換制御部44の故障や断線といった異常の発生により切換指令信号の入力を受けられなくなった場合でも前記許容位置33を維持することにより、当該異常にかかわらずアキュムレータ28が使用可能な状態を保持することができるという利点がある。
しかし、その反面、エンジン10のアイドリングストップ中にバッテリーの消費電力の節減を目的として前記アキュムレータ切換弁30への切換指令信号の入力を停止すると、当該アイドリングストップ中はアキュムレータ切換弁30が許容位置33に保たれるためにアキュムレータ圧PAの降下が短時間で進行し、その分、エンジン10の再始動後のアキュムレータ圧PAの立ち上がりに時間を要するという不都合がある。
この不都合は、前記アキュムレータ切換弁30とは逆に、切換指令信号が入力されないときに制限位置を保持し、かつ、当該制限位置ではアキュムレータからパイロットラインへのパイロット油の流出を遮断するアキュムレータ切換弁を用いることで解消される。その例を第2の実施の形態として図7に示す。図7に示される装置は、図1に示されるアキュムレータ切換弁30がアキュムレータ切換弁30Cに置換されたものである。当該アキュムレータ切換弁30Cは、前記第1の実施の形態に係るアキュムレータ切換弁30と同じく許容位置33と遮断位置である制限位置34とを有するが、当該アキュムレータ切換弁30とは逆に、信号入力部であるソレノイド32への切換指令信号の入力がない場合は前記制限位置34を維持し、当該切換指令信号の入力を受けると前記制限位置34から前記許容位置33に切換えられるように構成されている。
この第2の実施の形態では、コントローラ40の切換制御部44は、エンジン10がアイドリングストップしているときに前記切換指令信号の出力を停止して当該切換指令信号の生成に必要なエネルギー(例えばバッテリーに蓄えられた電力)を節約しながら、前記アイドリングストップ中も前記アキュムレータ切換弁30Cを前記制限位置34に保ってアキュムレータ圧PAが低下するのを有効に抑止することが可能である。
この第2の実施の形態において行われる制御動作を図8のフローチャートに示す。当該制御動作は、図3のフローチャートに示される制御動作と実質的に同一であり、アイドリングストップ中にエンジン再始動条件を満たさない間は(ステップS5でNO)切換制御部44が切換指令信号の入力を停止する結果、アキュムレータ切換弁30Cの位置が許容位置33ではなく制限位置(遮断位置)34に保たれること以外は図3に示される制御動作と共通するものである。
以上説明した第1及び第2の実施の形態に係る切換制御部44が行う制御は、エンジン10の再始動時の操作性を重視するものであるが、アキュムレータ28からのパイロット油の供給を必要とする特定の作業が行われるときは当該切換制御部44は常に(つまりエンジン10の再始動時も含めて)アキュムレータ切換弁を許容位置にする制御を行うことが、より好ましい。このように構成された切換制御部44は、前記特定の作業(例えばクレーンのフリーフォール作業のように一時的に大きな流量でのパイロット圧の供給を要する作業)ではアキュムレータ28の使用を優先することにより、当該特定の作業を確実に行うことを可能にする。
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されない。本発明は、例えば次のような態様を含む。
A)アキュムレータ復帰条件について
アキュムレータ復帰条件は、第1及び第2の実施の形態で設定された条件に限られない。例えば、当該アキュムレータ復帰条件は、エンジンが再始動してから所定時間が経過することのみを含むものでもよい。この場合、アキュムレータ圧が十分に高まる前にアキュムレータ切換弁が許容位置に切換えられる可能性があるが、エンジン再始動時点と異なりパイロット圧は既に立ち上がっているので、アキュムレータ切換弁を許容位置に切換えることがオペレータの操作に与える影響は小さい。
B)パイロット操作弁について
本発明に係るパイロット操作弁は、前記リモコン弁26のように操作部材である操作レバー24に直結されるものに限られない。換言すれば、本発明に係る操作レバーとパイロット操作弁とは分離されていてもよい。例えば、前記パイロット操作弁としてパイロットラインに設けられる電磁比例弁と、操作部材に与えられる操作に応じた電気信号(操作信号)を生成する操作装置と、当該操作装置により生成された操作信号に対応したパイロット圧が得られるように前記電磁比例弁の設定圧を変更するパイロット圧制御回路と、を備えた装置にも、本発明を有効に適用することが可能である。
10 エンジン
14 油圧アクチュエータ
16 制御弁
18 パイロットポンプ
20 パイロットライン
24 操作レバー(操作部材)
26 リモコン弁(パイロット操作弁)
28 アキュムレータ
29 アキュムレータライン
30,30A,30B,30C アキュムレータ切換弁
32 ソレノイド(信号入力部)
33 許容位置
34,34A,34B 遮断位置
35 絞り
37 パイロット圧検出器
38 アキュムレータ圧検出器
40 コントローラ
42 エンジン停止制御部
44 切換制御部

Claims (11)

  1. エンジンを搭載する作業機械に設けられる油圧制御装置であって、
    パイロット圧の供給を受けることにより作動するパイロット操作式の制御弁と、
    油圧ポンプからなり、前記エンジンにより駆動されることによりパイロット油を吐出するパイロットポンプと、
    前記パイロットポンプが吐出するパイロット油を前記制御弁に導くパイロットラインと、
    前記制御弁を動かすための操作を受ける操作部材と、
    前記パイロットラインの途中に設けられ、前記操作部材が前記操作を受けないときは閉弁して前記制御弁への前記パイロット圧の供給を遮断し、前記操作部材が前記操作を受けたときはその操作に応じたパイロット圧を前記制御弁に与えるように開弁するパイロット操作弁と、
    前記パイロットポンプと前記パイロット操作弁との間の領域で前記パイロットラインに接続されるアキュムレータと、
    前記パイロットラインと前記アキュムレータとの間に介在し、当該パイロットラインから当該アキュムレータへのパイロット油の流入を許容する許容位置と当該パイロットラインから当該アキュムレータへのパイロット油の流入を前記許容位置に比べて制限する制限位置とに切換わり可能なアキュムレータ切換弁と、
    前記エンジンの稼働中に前記作業機械の運転状態が予め設定されたエンジン停止条件を充足するときに前記エンジンを一時停止させ、当該一時停止中に前記作業機械の状態が予め設定されたエンジン再始動条件を充足するときに前記エンジンを再始動させるエンジン停止制御部と、
    前記アキュムレータ切換弁の位置を切換える切換制御部と、を備え、当該切換制御部は、前記エンジン停止制御部が前記エンジンを再始動させるときに前記アキュムレータ切換弁を前記制限位置に切換える、作業機械の油圧制御装置。
  2. 請求項1記載の作業機械の油圧制御装置であって、前記切換制御部は、前記エンジンの再始動後、予め設定されたアキュムレータ復帰条件を満たす場合に前記アキュムレータ切換弁を前記許容位置にする、作業機械の油圧制御装置。
  3. 請求項2記載の作業機械の油圧制御装置であって、前記アキュムレータ内の圧力を検出するアキュムレータ圧検出器をさらに備え、前記アキュムレータ復帰条件は前記アキュムレータ圧検出器により検出される圧力が予め設定された許容圧力以上であることを含む、作業機械の油圧制御装置。
  4. 請求項2または3記載の作業機械の油圧制御装置であって、前記アキュムレータ復帰条件は、前記エンジンが再始動してから所定時間が経過することを含む、作業機械の油圧制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の作業機械の油圧制御装置であって、前記アキュムレータ切換弁の前記制限位置は前記許容位置に比べて少ない制限流量でのみ前記パイロットラインから前記アキュムレータ内へのパイロット用の流入を許容する制限許容位置である、作業機械の油圧制御装置。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の作業機械の油圧制御装置であって、前記アキュムレータ切換弁の前記制限位置は前記パイロットラインと前記アキュムレータとの間を遮断する遮断位置である、作業機械の油圧制御装置。
  7. 請求項2または3記載の作業機械の油圧制御装置であって、前記アキュムレータ切換弁の前記制限位置は前記パイロットラインと前記アキュムレータとの間を遮断する遮断位置であり、前記アキュムレータ復帰条件は前記操作部材の操作量が予め設定された許容範囲内にあるという条件を含む、作業機械の油圧制御装置。
  8. 請求項7記載の作業機械の油圧制御装置であって、前記アキュムレータ内の圧力を検出するアキュムレータ圧検出器をさらに備え、前記切換制御部は、前記アキュムレータ圧検出器により検出される圧力が予め設定された許容圧力以上になった時点以降は前記操作部材の操作量にかかわらず前記アキュムレータ切換弁を開弁状態に維持する、作業機械の油圧制御装置。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の作業機械の油圧制御装置であって、前記切換制御部は、前記アキュムレータ切換弁を前記制限位置に切換えるための切換指令信号を出力するものであり、前記アキュムレータ切換弁は、前記切換指令信号の入力を受け入れる信号入力部を有し、当該切換指令信号の入力がない場合は前記許容位置を維持し、当該切換指令信号の入力を受けると前記許容位置から前記制限位置に切換えられるように構成される、作業機械の油圧制御装置。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載の作業機械の油圧制御装置であって、前記切換制御部は、前記アキュムレータ切換弁を前記許容位置に切換えるための切換指令信号を出力するものであり、前記アキュムレータ切換弁は、前記切換指令信号の入力を受け入れる信号入力部を有し、当該切換指令信号の入力がない場合は前記制限位置を維持し、当該切換指令信号の入力を受けると前記制限位置から前記許容位置に切換えられるように構成され、前記切換制御部は、前記エンジンが一時停止しているときは前記切換指令信号の出力を停止する、作業機械の油圧制御装置。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の作業機械の油圧制御装置であって、前記切換制御部は、前記アキュムレータからのパイロット油の供給を必要とする特定の作業が行われるときは常に前記アキュムレータ切換弁を前記許容位置にする、作業機械の油圧制御装置。
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