JP6670167B2 - 油圧式作業機械の蓄圧装置 - Google Patents

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Description

本発明は、油圧式作業機械の油圧回路に設けられて蓄圧を行う装置に関する。
クレーン等の油圧式作業機械に搭載される油圧回路には、必要に応じて蓄圧器であるアキュムレータが付設される。当該アキュムレータは、前記油圧回路を構成する油路に接続され、当該油路からの油の流入を受け入れて蓄圧を行う。
さらに、前記アキュムレータを含む蓄圧装置の中には、前記アキュムレータと前記油路との間に設けられるアキュムレータ切換弁と、当該アキュムレータ切換弁の作動を制御する制御装置と、を含むものがある。例えば特許文献1は、パイロットラインとアキュムレータとの間に介在するノンリーク弁と、当該ノンリーク弁の開閉切換を制御するコントローラと、を備えた装置を開示する。前記ノンリーク弁は、前記アキュムレータを前記パイロットラインに連通する開位置と、前記アキュムレータを前記パイロットラインから遮断する閉位置と、を有する。前記コントローラは、エンジンの運転状態に応じて前記ノンリーク弁を開閉作動させることにより、前記アキュムレータへの油の流入及び当該アキュムレータからの油の流出を制御する。
特開2013−209193号公報
前記のようなアキュムレータ及びアキュムレータ切換弁を備えた蓄圧装置において、前記アキュムレータ切換弁に作動不良が生じると、前記アキュムレータの蓄圧機能が正常に働かなくなる。具体的に、前記アキュムレータ切換弁は、これに接続される制御ラインの断線や、当該アキュムレータ切換弁を流れる油中に含まれる鉄粉などの不純物によるスプールの固着のために、制御装置が出力する制御信号に対応して動作ができなくなる場合がある。
このようなアキュムレータ切換弁の故障により油圧回路の運転圧力に異常が生じた場合、迅速な対処が望まれるが、当該運転圧力の異常の原因の究明は必ずしも容易でなく、対処が遅れてしまうおそれがある。
本発明は、前記の事情に鑑み、油圧式作業機械に設けられてアキュムレータ及びこれに付設されるアキュムレータ切換弁を備える蓄圧装置であって、簡単な構成で前記アキュムレータ切換弁の作動不良を迅速に判定することが可能なものを提供することを目的とする。
本発明が提供するのは、油圧式作業機械の油圧回路に設けられる蓄圧装置であって、前記油圧回路に含まれる油路に接続されるアキュムレータと、当該油路と当該アキュムレータとの間に設けられ、当該油路と当該アキュムレータとの間での油の流通を許容する許容位置と当該許容位置に比べて当該流通を制限する制限位置とを有し、与えられる指令に応じて前記許容位置と前記制限位置との間で切換わるように作動するアキュムレータ切換弁と、前記アキュムレータ切換弁を作動させるように当該アキュムレータ切換弁に対する指令を行うアキュムレータ切換指令部と、前記アキュムレータ切換弁よりも前記アキュムレータに近い部位の圧力であるアキュムレータ圧を検出するアキュムレータ圧検出器と、前記アキュムレータ切換弁よりも前記油路に近い部位の圧力である油路圧を検出する油路圧検出器と、前記アキュムレータ切換指令部が前記アキュムレータ切換弁に対して行う指令の内容と、前記油路圧に対する前記アキュムレータ圧の追従の度合いと、に基づいて前記アキュムレータ切換弁の作動の異常の有無を判定する異常判定部と、を備える。
この装置によれば、前記アキュムレータ切換指令部が前記アキュムレータ切換弁に対して行う指令の内容と、前記アキュムレータ切換弁の両側の圧力すなわちアキュムレータ圧及び油路圧の特性と、に基づいて、前記アキュムレータ切換弁の作動の異常の有無を簡単な構成で的確に判定することが可能である。
具体的に、前記異常判定部は、前記アキュムレータ切換指令部が前記アキュムレータ切換弁に対して当該アキュムレータ切換弁を前記許容位置に切換える指令を与えているにもかかわらず前記アキュムレータ圧と前記油路圧との間に許容範囲を超える相違がある場合に当該アキュムレータ切換弁の前記許容位置への切換わり動作に異常があると判定することができる。
より具体的に、前記異常判定部は、前記アキュムレータ圧と前記油路圧との間に前記許容範囲を超える相違がある状態で前記アキュムレータ切換指令部が前記アキュムレータ切換弁を前記制限位置から前記許容位置に切換える指令を行ったにもかかわらず所定時間内に前記相違が前記許容範囲内に収まられない場合に、当該アキュムレータ切換弁の前記許容位置への切換わり動作に異常があると判定することができる。
さらに、前記異常判定部は、前記アキュムレータ切換指令部が前記アキュムレータ切換弁を前記制限位置から前記許容位置に切換える指令を行う前の時点で前記アキュムレータ圧と前記油路圧との間に前記許容範囲を超える相違が存在しない場合であっても、その後の前記油路圧の変動に対する前記アキュムレータ圧の応答遅れが許容範囲を超える場合に、当該アキュムレータ切換弁の前記許容位置への切換わり動作に異常があると判定することができる。
この場合、前記蓄圧装置は、前記油路の圧力を変動させる圧力変動装置と、当該圧力変動装置を作動させる圧力変動指令部と、をさらに備えることが、より好ましい。前記異常判定部は、前記アキュムレータ切換指令部が前記アキュムレータ切換弁に対して当該アキュムレータ切換弁を前記許容位置に切換える指令を行っている状態で前記圧力変動指令部が前記圧力変動装置を作動させて前記油路圧を変動させたときの当該油路圧の変動に対する前記アキュムレータ圧の応答遅れに基いて前記アキュムレータ切換弁の前記許容位置への切換わり動作の異常の有無を判定することができる。すなわち、前記圧力変動装置の作動により前記油路圧を積極的に変動させることが、前記アキュムレータ切換弁の前記許容位置への切換わり動作の異常の有無をより迅速に判定することを可能にする。
一方、前記異常判定部は、前記アキュムレータ切換指令部が前記アキュムレータ切換弁に対して当該アキュムレータ切換弁を前記制限位置に切換える指令を行っているにもかかわらず前記油路圧の変動に対する前記アキュムレータ圧の許容範囲を超える応答がある場合に、当該アキュムレータ切換弁の前記制限位置への切換わり動作に異常があると判定することができる。
この場合も、前記蓄圧装置は、前記油路の圧力を変動させる圧力変動装置と、当該圧力変動装置を作動させる圧力変動指令部と、をさらに備えることが好ましい。この場合、前記異常判定部は、前記アキュムレータ切換指令部が前記アキュムレータ切換弁に対して当該アキュムレータ切換弁を前記制限位置に切換える指令を行っている状態で前記圧力変動指令部が前記圧力変動装置を作動させて前記油路圧を変動させたときの当該油路圧の変動に対する前記アキュムレータ圧の応答性に基いて前記アキュムレータ切換弁の前記制限位置への切換わり動作の異常の有無を迅速に判定することができる。
前記異常判定部が前記アキュムレータ切換弁の切換動作の異常の判定を行う時期は、適宜設定されることが可能であるが、当該異常判定部は、前記油圧式作業機械において行われる作業が予め設定された作業であって前記アキュムレータに蓄えられた圧力を要する特定作業(例えばクレーンにおけるフリーフォール作業)に該当する場合にのみ前記アキュムレータ切換弁の切換動作の異常の判定を行うことが、好ましい。このような異常判定時期の設定は、前記アキュムレータの蓄えた圧力を必ずしも要しない通常の運転には支障を与えることなく、故障診断が真に必要とされるときにのみ有効な異常判定を行うことを可能にする。また、当該異常判定時期の制限は、異常判定部の負荷の軽減にもつながる。
以上のように、本発明によれば、油圧式作業機械に設けられてアキュムレータ及びこれに付設されるアキュムレータ切換弁を備える蓄圧装置であって、簡単な構成で前記アキュムレータ切換弁の作動不良を迅速に判定することが可能なものが、提供される。
本発明の第1の実施の形態に係る油圧式作業機械の蓄圧装置を示す回路図である。 前記蓄圧装置を構成するコントローラの入出力を示すブロック図である。 前記コントローラにより行われる異常判定動作を示すフローチャートである。 図1に示されるアキュムレータ切換弁の開き動作が正常である場合の電磁リリーフ弁の設定圧の変更に伴う油路圧及びアキュムレータ圧の変動を示すグラフである。 図1に示されるアキュムレータ切換弁の開き動作に異常がある場合の電磁リリーフ弁の設定圧の変更に伴う前記油路圧及び前記アキュムレータ圧の変動を示すグラフである。 前記アキュムレータ切換弁の第1の変形例を示す回路図である。 前記アキュムレータ切換弁の第2の変形例を示す回路図である。 前記第1の変形例に係るアキュムレータ切換弁の開き動作に異常がある場合の電磁リリーフ弁の設定圧の変更に伴う前記油路圧及び前記アキュムレータ圧の変動を示すグラフである。 前記第2の変形例に係るアキュムレータ切換弁の開き動作に異常がある場合の電磁リリーフ弁の設定圧の変更に伴う前記油路圧及び前記アキュムレータ圧の変動を示すグラフである。 図1に示されるアキュムレータ切換弁の開き動作が正常である場合のパイロット操作弁の開弁に伴う前記油路圧及び前記アキュムレータ圧の変動を示すグラフである。 図1に示されるアキュムレータ切換弁の開き動作に異常がある場合の前記パイロット操作弁の開弁に伴う前記油路圧及び前記アキュムレータ圧の変動を示すグラフである。 前記第1の変形例に係るアキュムレータ切換弁の開き動作に異常がある場合の前記パイロット操作弁の開弁に伴う前記油路圧及び前記アキュムレータ圧の変動を示すグラフである。 前記第2の変形例に係るアキュムレータ切換弁の開き動作に異常がある場合の前記パイロット操作弁の開弁に伴う前記油路圧及び前記アキュムレータ圧の変動を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態に係るコントローラにより行われる異常判定動作を示すフローチャートである。
本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、以下に説明する第1及び第2の実施の形態に係る蓄圧装置及びこれを備えた油圧式作業機械の構成要素であって前記蓄圧装置に関係する主要な構成要素を示す回路図である。なお、本発明が適用される作業機械の種類は問わず、当該作業機械には、例えばクレーン、油圧ショベル、破砕機、その他の油圧式作業機械が含まれる。
この実施の形態に係る作業機械は、図1に示すエンジン10と、このエンジン10が生成する動力によって作動する油圧回路と、当該油圧回路を制御するコントローラ40と、を備える。前記油圧回路は、メイン回路2と、パイロット回路4と、蓄圧装置6と、を含む。
前記メイン回路2は、メインポンプ12と、油圧アクチュエータ14と、制御弁16と、を有する。
前記メインポンプ12は、油圧ポンプからなり、前記エンジン10の出力軸に連結される。当該メインポンプ12は、当該エンジン10が生成する動力によって駆動されることにより、タンク内の油を作動油として吐出する。
前記油圧アクチュエータ14は、前記メインポンプ12が吐出する作動油の供給を受けることにより、前記作業機械に含まれる所定の駆動対象を動かすように作動する。例えば当該駆動対象がクレーンのウィンチである場合、前記油圧アクチュエータ14には、当該ウィンチに含まれるウィンチドラムを回転させる油圧モータが該当する。
前記制御弁16は、前記メインポンプ12と前記油圧アクチュエータ14との間に介在し、当該メインポンプ12から当該油圧アクチュエータ14への作動油の供給及び当該油圧アクチュエータ14からタンクへの作動油の排出を制御するように作動する。具体的に、当該制御弁16はパイロット式の油圧切換弁からなり、パイロット圧の供給を受けることにより当該パイロット圧に対応したストロークで開弁作動し、当該ストロークに対応した流量で前記メインポンプ12から前記油圧アクチュエータ14に作動油が供給されることを許容する。
前記パイロット回路4は、所定のパイロット圧を生成して前記制御弁16に入力するものであり、パイロットポンプ18と、パイロットライン20と、電磁リリーフ弁22と、操作レバー24と、リモコン弁26と、を含む。
前記パイロットポンプ18は、油圧ポンプからなり、前記メインポンプ12と同様に前記エンジン10の出力軸に連結される。当該パイロットポンプ18は、当該エンジン10が生成する動力によって駆動されることにより、タンク内の油をパイロット油として吐出する。
前記パイロットライン20は、前記パイロットポンプ18に接続される配管であり、当該パイロットポンプ18が吐出するパイロット油を前記制御弁16のパイロットポートに導くように配設される。この実施の形態では、前記パイロットライン20が本発明にいう「油路」に相当する。
前記電磁リリーフ弁22は、変更可能な設定圧をもつリリーフ弁であって、前記パイロットライン20の圧力を前記設定圧以下に制限する機能を有するとともに、後述のように前記蓄圧装置6を構成する圧力変動装置としても機能する。具体的に、当該電磁リリーフ弁22は、前記パイロットライン20とタンクとの間に介在するとともに、前記パイロットライン20の圧力が前記設定圧に達すると開弁し、これにより当該パイロットライン20の圧力が前記設定圧を超えることを規制する。
前記電磁リリーフ弁22の設定圧は、当該電磁リリーフ弁22に入力される設定圧指令信号に応じて変化する。従って、当該設定圧指令信号の変更ひいては当該設定圧の変更により、前記パイロットライン20の圧力を変動させることが可能である。
前記操作レバー24は、オペレータによる操作を受ける操作部材であり、前記リモコン弁26は当該操作レバー24に連結されるパイロット操作弁である。すなわち、当該リモコン弁26は、前記パイロットライン20の途中に設けられ、前記操作レバー24に与えられる操作に連動して開弁動作することにより、当該リモコン弁26の下流側の圧力であるパイロット二次圧、つまり実際に前記制御弁16に入力されるパイロット圧、を前記操作レバー24に与えられる操作に応じて変化させる。
前記蓄圧装置6は、アキュムレータ28と、アキュムレータ切換弁30と、を有する。
前記アキュムレータ28は、アキュムレータライン29を介して前記パイロットライン20の一次側の部位、つまり前記リモコン弁26よりも上流側の部位、に接続される蓄圧器である。当該アキュムレータ28は、前記パイロットライン20を流れるパイロット油を適宜受け入れて蓄圧を行う機能と、必要に応じて蓄えた圧力を前記パイロットライン20に放出する機能と、を有する。
前記アキュムレータ切換弁30は、前記パイロットライン20と前記アキュムレータ28との間に介在するように前記アキュムレータライン29の途中に設けられる。当該アキュムレータ切換弁30は、前記アキュムレータライン29を開通して前記パイロットライン20から前記アキュムレータ28へのパイロット油の流入を許容する許容位置33と、当該パイロットライン20から当該アキュムレータ28へのパイロット油の流入を前記許容位置に比べて制限する制限位置34と、を有する。
この実施の形態に係るアキュムレータ切換弁30は、ソレノイド32を有する電磁切換弁からなり、当該ソレノイド32に切換指令信号が入力されないときは前記許容位置33を保ち、当該ソレノイド32に切換指令信号が入力されると前記制限位置34に切換えられるように構成されている。図1に示される制限位置34は、前記アキュムレータライン29を完全にブロックする位置、つまり前記パイロットライン20から前記アキュムレータ28を遮断する遮断位置、である。
この第1の実施の形態に係る蓄圧装置6は、さらに、前記アキュムレータ切換弁30についての故障診断機能、具体的には当該アキュムレータ切換弁30の前記制限位置34から前記許容位置33への切換わり動作である開き動作に異常があるか否かを判定する機能、を有する。当該機能を実現するための手段として、当該蓄圧装置6は、パイロット一次圧検出器37と、アキュムレータ圧検出器38と、コントローラ40に含まれる機能であって図2に示されるアキュムレータ切換指令部42、異常判定部44及び圧力変動指令部46と、を有する。
前記パイロット一次圧検出器37及び前記アキュムレータ圧検出器38は、例えば圧力センサからなり、特定位置におけるパイロット油の圧力を検出する。具体的に、前記パイロット一次圧検出器37は、前記アキュムレータライン29のうち前記アキュムレータ切換弁30を境界として前記アキュムレータ28と反対側の部位の圧力つまりパイロットライン20の一次側部分の圧力であるパイロット一次圧PBを検出するものであり、本発明にいう油路圧検出器に相当する。前記アキュムレータ圧検出器38は、前記アキュムレータライン29のうち前記アキュムレータ切換弁30を境界として前記アキュムレータ28に近い側の圧力であるアキュムレータ圧PAを検出する。
前記コントローラ40のアキュムレータ切換指令部42は、前記アキュムレータ切換弁30を開閉作動させるように当該アキュムレータ切換弁30に対する指令を行う。具体的に、この実施の形態に係るアキュムレータ切換指令部42は、前記アキュムレータ切換弁30のソレノイド32に切換指令信号を入力することにより当該アキュムレータ切換弁30を前記制限位置(この実施の形態では遮断位置)34に切換える動作と、当該切換指令信号の入力を停止して当該アキュムレータ切換弁30を前記許容位置33に復帰させる動作と、を行う。
前記コントローラ40の異常判定部44は、前記アキュムレータ切換指令部42が前記アキュムレータ切換弁30に対して行う指令の内容と、前記パイロット一次圧PBへの前記アキュムレータ圧PAの追従の度合いと、に基づいて前記アキュムレータ切換弁30の作動の異常の有無を判定し、その判定結果を例えば運転室に設けられる表示装置50に表示させる。また、当該判定のため、必要に応じて圧力変動指令部46に圧力変動指令を行わせる。
圧力変動指令部46は、上述のように圧力変動装置として機能し得る電磁リリーフ弁22に対して圧力変動指令を行う。具体的に、当該圧力変動指令部46は、前記電磁リリーフ弁22に設定圧指令信号を入力するとともに、必要に応じて当該設定圧指令信号を変化させることにより前記電磁リリーフ弁22の設定圧を変更する。
次に、前記コントローラ40が行う異常判定動作を、図3のフローチャート及び図4,図5のグラフに基いて説明する。この実施の形態では、アキュムレータ切換弁30の切換動作のうち特に重要な開き動作(許容位置33への切換動作)の異常の有無の判定が行われる。アキュムレータ切換弁30が許容位置33に切換えられなければ、アキュムレータ28はパイロットライン20から遮断されたままであって蓄圧器として機能することができないためである。
前記コントローラ40の異常判定部44は、まず、現時点が予め設定された異常判定時期、つまり前記アキュムレータ切換弁30の作動の異常の有無を判定すべき時期、であるか否かを判断する(図3のステップS1)。
この異常判定時期は、適宜設定可能である。例えば、エンジンが始動してから所定時間経過後の時点や、オペレータが専用の異常判定指令スイッチを操作した時点等、が設定されてもよい。好ましくは、予め設定された特定の作業であってアキュムレータ28に蓄えられた圧力を必要とする作業(例えばクレーンの場合はフリーフォール作業等)が行われるときに設定される。このような異常判定時期の設定は、前記アキュムレータ28の蓄えた圧力を必ずしも要しない通常の運転には支障を与えることなく、故障診断が真に必要とされるときに有効な異常判定を行うことを可能にする。また、このような特定作業時のみに異常判定時期を制限することで、コントローラ40の負荷の軽減が可能になる。
異常判定部44は、現時点が異常判定時期と判断した場合(ステップS1でYES)、まずアキュムレータ切換指令部42に開き動作の指令、つまりアキュムレータ切換弁30を許容位置33に切換わらせる指令(この実施の形態ではソレノイド32への切換指令信号の入力を停止すること)を行わせる(ステップS2)。
この時点で、異常判定部44は、パイロット一次圧検出器37が検出するパイロット一次圧PBと、アキュムレータ圧検出器38が検出するアキュムレータ圧PAと、を比較する(ステップS3)。異常判定部44は、前記指令が行われてから所定時間が経過しても前記パイロット一次圧PBと前記アキュムレータ圧PAとの差が許容範囲内に収まらない場合、具体的には、両者の差の絶対値(=|PB−PA|)が予め設定された微小値δを上回ったままである場合(ステップS3でNO)、異常判定部44はアキュムレータ切換弁30の開き動作に異常があると判定して(ステップS4)その判定結果を表示装置50に表示させる。すなわち、前記アキュムレータ切換指令部42の指令に対応してアキュムレータ切換弁30が正常に許容位置33に切換わっていれば、アキュムレータ圧PAはパイロット一次圧PBに追従するはずであるから、両者の間に許容範囲を超える相違がある場合には、アキュムレータ切換弁30の開き動作に異常があると判定することができる。従って、前記微小値δの具体的な値は、前記許容位置33での前記アキュムレータ切換弁30の圧力損失を見越して当該許容位置33にアキュムレータ切換弁30が切換えられていると判定できるように設定されればよい。
一方、前記パイロット一次圧PBと前記アキュムレータ圧PAとの差が前記微小値δ以下の場合(ステップS3でYES)、異常判定部44はアキュムレータ切換指令部42に圧力変動指令を行わせる(ステップS5)。アキュムレータ切換指令部42は、例えば図4の実線で示されるように、パイロット一次圧PBを急激に下降させ、さらに再び上昇させるように、電磁リリーフ弁22の設定圧を急激に変動させる。
前記異常判定部44は、前記パイロット一次圧PBの変動に対する前記アキュムレータ圧PAの追従度合いを監視し、その追従度に基いて前記アキュムレータ切換弁30の開き動作の異常の有無を判断する。具体的に、異常判定部44は、前記アキュムレータ圧PAが前記パイロット一次圧PBの変動に良好に追従する場合には(ステップS6でYES)、前記開き動作が正常であると判定し(ステップS7)、良好に追従しない場合、例えば図5の破線に示すようにアキュムレータ圧PAに変動が認められない場合、には(ステップS6でNO)前記開き動作に異常があると判定する(ステップS8)。
前記追従の度合いは、前記パイロット一次圧PBの変動に対する前記アキュムレータ圧PAの応答遅れが許容範囲内にあるか否かによって判定することが可能である。この実施の形態に係る異常判定部44は、図4に示されるように、前記パイロット一次圧PBの下降に対する前記アキュムレータ圧PAの応答遅れが予め設定された許容応答遅れT1以下であり、かつ、前記パイロット一次圧PBの再上昇に対する前記アキュムレータ圧PAの応答遅れが予め設定された許容応答遅れT2以下である場合にのみ、前記開き動作が正常であると判定し、それ以外の場合、例えば図5に示されるようにアキュムレータ圧PAがパイロット一次圧PBの変動にかかわらず変動しない場合、には前記開き動作に異常があると判定する。
図1に示されるアキュムレータ切換弁30の制限位置34は、アキュムレータ28をパイロットライン20から完全に遮断する遮断位置であるが、本発明は、例えば図6及び図7にそれぞれ示されるアキュムレータ切換弁30A,30Bのように、制限位置において許容位置よりも少ない流量で油が流通するのを許容するアキュムレータ切換弁についても適用することが可能である。図6に示されるアキュムレータ切換弁30Aは、許容位置33と制限位置34Aとを有するが、当該制限位置34Aでは絞り35により制限された流量でパイロット油が流通するのを許容する。図7に示されるアキュムレータ切換弁30Bは、前記絞り35に加えてこれと並列に配置される逆止弁36を含み、制限位置34Bにおいて、アキュムレータ28に流入するパイロット油についてはその流量を絞り35によって規制する一方、アキュムレータ28からの油は流量を規制することなく当該油が逆止弁36を通じて流出することを許容する。
このように、図6及び図7に示されるアキュムレータ切換弁30A,30Bでは、その開き動作に異常があって許容位置33にうまく切換えられない場合にも油の流通は完全に遮断されず、小流量での流通が許容されるが、当該アキュムレータ切換弁30A,30Bの開き動作の異常の有無も、図1に示されるアキュムレータ切換弁30と同様、前記の許容応答遅れT1,T2を適用した図3に示される手順で的確に判定することが可能である。すなわち、図6及び図7に示されるアキュムレータ切換弁30A,30Bにおいて開き動作指令が行われているにもかかわらず当該アキュムレータ切換弁30A,30Bが制限位置34A,34Bからそれぞれ許容位置33に切換わることができない場合、アキュムレータ切換弁30Aについては図8に示されるようにパイロット一次圧PBの下降及び再上昇のいずれについてもアキュムレータ圧PAに大きな応答遅れが発生し、アキュムレータ切換弁30Bについても図9に示されるようにパイロット一次圧PBの再上昇時(つまりアキュムレータ28へのパイロット油の流入時)にはアキュムレータ圧PAに大きな応答遅れが発生する。従って、実際の応答遅れと前記許容応答遅れT1,T2との比較によって開き動作の異常の有無を判定することが可能である。
本発明において圧力変動装置を具備する場合、当該圧力変動装置は前記電磁リリーフ弁22に限定されない。例えば、パイロット操作弁が前記リモコン弁26ではなく(例えばコントローラ40の圧力変動指令部46から)入力される電気信号によって開口面積が変化する電磁弁である場合、当該電磁弁の開度を変化させることによってパイロット一次圧PBも変動させることが可能である。あるいは、実作業時にオペレータが前記操作レバー24を操作して前記リモコン弁26を作動させる際のパイロット一次圧PB及びアキュムレータ圧PAを監視するようにしてもよい。つまり、前記圧力変動指令部46が省略されてもよい。
前記のようにリモコン弁26やこれに代わる電磁弁といったパイロット操作弁を圧力変動装置として用いる場合の実際の圧力変動の例を図10〜図13に示す。これらの図に示されるように、前記パイロット操作弁の開口面積が増加されると、当該パイロット操作弁の上流側の圧力であるパイロット一次圧PBは緩やかな曲線を描いて一旦下降し、その後に前記開口面積が再び絞られると前記パイロット一次圧PBは緩やかな曲線を描いて再上昇する。ここで、前記アキュムレータ切換弁30,30A,30Bのいずれについても、その制限位置34,34A,34Bから許容位置33への切換動作すなわち開き動作に異常があって開き動作指令にかかわらず当該制限位置34,34A,34Bが維持される場合には、当該開き動作が正常である場合に比べて大きな応答遅れが生じるため、これにより当該開き動作の異常の有無を判定することが可能である。
この場合、前記のようにパイロット一次圧PBの変動は比較的緩やかであるのに対し、実作業時において期待できる操作継続時間は短いため、前記のように電磁リリーフ弁22を圧力変動装置として用いる場合と異なり、パイロット操作弁が開かれてからアキュムレータ圧PAがパイロット一次圧PBと同等の圧力に到達する前に当該パイロット操作弁が再び閉じられるように操作される可能性が高い。つまり、実際の応答遅れを直接的に計測することは難しい。
しかし、当該応答遅れを時間ではなく圧力を基準にして間接的に応答遅れの大きさを評価することにより、異常の有無の判定を行うことが可能である。例えば、図10〜図13に示す例では、応答遅れを判断するために、パイロット一次圧PBの下降時については基準圧力P1、基準経過時間TD及び許容圧力差ΔPDが設定され、パイロット一次圧PBの再上昇時については基準圧力P2(>P1)、基準経過時間TU及び許容圧力差ΔPUが設定される。
図10は、前記アキュムレータ切換弁30,30A,30Bの開き動作が正常である場合の、パイロット操作弁(例えばリモコン弁26)の作動に伴うパイロット一次圧PBの変動に対するアキュムレータ圧PAの応答を示す。アキュムレータ切換弁30,30A,30Bのいずれについても、許容位置33に正常に切換わっていれば、アキュムレータ圧PAは、パイロット一次圧PBが前記基準圧力P1まで降下した時点から前記基準経過時間TDが経過するまでの間に、前記基準圧力P1に前記許容圧力差ΔPDを加えた圧力(=P1+ΔPD)以下の圧力まで降下することが可能である。同様に、アキュムレータ圧PAは、パイロット一次圧PBが前記基準圧力P2まで再上昇した時点から前記基準経過時間TUが経過するまでの間に、前記基準圧力P2から前記許容圧力差ΔPDを差し引いた圧力(=P2−ΔPU)以上の圧力まで上昇することが可能である。
これに対して図11,図12,図13は、それぞれ、前記アキュムレータ切換弁30,30A,30Bの開き動作に異常がある場合のパイロット一次圧PBの変動に対するアキュムレータ圧PAの応答を示す。いずれの場合も、前記基準圧力P1,P2、前記基準経過時間TD,TU及び前記許容圧力差ΔPD,ΔPUを用いて開き動作の異常の有無を的確に判断することが可能である。
具体的に、図1に示されるアキュムレータ切換弁30の開き動作に異常がある場合、図11に示されるように、前記パイロット一次圧PBの変動にかかわらずアキュムレータ圧PAは変動しないため、アキュムレータ圧PAは、パイロット一次圧PBが前記基準圧力P1まで降下した時点から前記基準経過時間TDが経過するまでの間に、前記基準圧力P1に前記許容圧力差ΔPDを加えた圧力(=P1+ΔPD)以下の圧力まで降下することができない。従って、基準経過時間TDが経過した後の実際のアキュムレータ圧PAに基いてアキュムレータ切換弁30の開き動作の異常を判定することが可能である。
また、図6に示されるアキュムレータ切換弁30Aの開き動作に異常がある場合、図12に示されるように、前記パイロット一次圧PBの下降に伴ってアキュムレータ圧PAも下降するが、その応答性が低いため、アキュムレータ圧PAは、パイロット一次圧PBが前記基準圧力P1まで降下した時点から前記基準経過時間TDが経過するまでの間に、前記基準圧力P1に前記許容圧力差ΔPDを加えた圧力(=P1+ΔPD)以下の圧力までは降下することができない。従って、この場合も、基準経過時間TDが経過した後の実際のアキュムレータ圧PAに基いてアキュムレータ切換弁30の開き動作の異常を判定することが可能である。
一方、図7に示されるアキュムレータ切換弁30Aの開き動作に異常がある場合、図13に示されるように、前記パイロット一次圧PBの下降に伴ってアキュムレータ圧PAは正常時と同様の応答性でもって下降するが、その後のパイロット一次圧PBの再上昇に対するアキュムレータ圧PAの応答性が低いため、当該アキュムレータ圧PAは、パイロット一次圧PBが前記基準圧力P2まで上昇した時点から前記基準経過時間TUが経過するまでの間に、前記基準圧力P2から前記許容圧力差ΔPUを差し引いた圧力(=P2−ΔPU)以上の圧力まで上昇することができない。従って、この場合は、前記基準経過時間TUが経過した後の実際のアキュムレータ圧PAに基いてアキュムレータ切換弁30の開き動作の異常を判定することが可能である。
以上示した実施の形態では、アキュムレータ切換弁の開き動作の異常の有無が判定されるが、これと逆の論理に基づいてアキュムレータ切換弁の閉じ動作、つまり許容位置から制限位置への切換動作、の異常の有無を判定することも可能である。
その異常判定動作の例を第2の実施の形態として図14のフローチャートを参照しながら説明する。この第2の実施の形態も、前記第1の実施の形態と同様にコントローラ40を含み、当該コントローラ40は図2に示されるアキュムレータ切換指令部42、異常判定部44及び圧力変動指令部46を有する。
前記コントローラ40は、異常判定時期において(ステップS1でYES)、アキュムレータ切換弁(例えば図1に示すアキュムレータ切換弁30)に閉じ動作の指令つまり制限位置への切換わり動作の指令を行った後(ステップS2A)、直ちに圧力変動装置(例えば図1に示される電磁リリーフ弁22)に対して圧力変動指令を行う(ステップS5)。そして、第1の実施の形態とは逆に、異常判定部44は、アキュムレータ圧PAがパイロット一次圧PBの変動に対して高い応答性で追従する場合には前記閉じ動作に異常があると判定し(ステップS4A)、当該応答性が低い場合には閉じ動作が正常であると判定する(ステップS7A)。より具体的には、前記第1の実施の形態とは逆に、前記パイロット一次圧PBの変動に対して図4あるいは図10に示されるような高い応答性でアキュムレータ圧PAが追従する場合には、前記閉じ動作の指令にかかわらずアキュムレータ切換弁が許容位置から制限位置に切換わっていないと推定されるため、当該閉じ動作に異常があると判定することが可能である一方、前記アキュムレータ圧PAの変動に対して図5,図8,図9または図11〜図13に示すように前記応答性が低い場合には、前記閉じ動作の指令に対応してアキュムレータ切換弁が制限位置に切換わっていると推定されるため、当該閉じ動作が正常であると判定することが可能である。
本発明に係る蓄圧装置に含まれるアキュムレータは、図1に示されるようにパイロットライン20に接続されるものに限られない。本発明に係る蓄圧装置は、例えば、図1に示されるメイン回路2に設けられるアキュムレータを含むものであってもよい。
6 蓄圧装置
10 エンジン
16 制御弁
20 パイロットライン(油路)
22 電磁リリーフ弁(圧力変動装置)
28 アキュムレータ
29 アキュムレータライン
30,30A,30B アキュムレータ切換弁
33 許容位置
34,34A,34B 制限位置
36 逆止弁
37 パイロット一次圧検出器(油路圧検出器)
38 アキュムレータ圧検出器
40 コントローラ
42 アキュムレータ切換指令部
44 異常判定部
46 圧力変動指令部

Claims (4)

  1. 油圧式作業機械の油圧回路に設けられる蓄圧装置であって、
    前記油圧回路に含まれる油路に接続されるアキュムレータと、
    前記油路と前記アキュムレータとの間に設けられ、当該油路と当該アキュムレータとの間での油の流通を許容する許容位置と当該許容位置に比べて当該流通を制限する制限位置とを有し、与えられる指令に応じて前記許容位置と前記制限位置との間で切換わるように作動するアキュムレータ切換弁と、
    前記アキュムレータ切換弁を作動させるように当該アキュムレータ切換弁に対する指令を行うアキュムレータ切換指令部と、
    前記アキュムレータ切換弁よりも前記アキュムレータに近い部位の圧力であるアキュムレータ圧を検出するアキュムレータ圧検出器と、
    前記アキュムレータ切換弁よりも前記油路に近い部位の圧力である油路圧を検出する油路圧検出器と、
    前記アキュムレータ切換指令部が前記アキュムレータ切換弁に対して行う指令の内容と、前記油路圧に対する前記アキュムレータ圧の追従の度合いと、に基づいて前記アキュムレータ切換弁の作動の異常の有無を判定する異常判定部と、
    前記油路の圧力を変動させる圧力変動装置と、
    当該圧力変動装置を作動させる圧力変動指令部と、を備え、
    前記異常判定部は、前記アキュムレータ切換指令部が前記アキュムレータ切換弁に対して当該アキュムレータ切換弁を前記許容位置に切換える指令を与えているにもかかわらず前記アキュムレータ圧と前記油路圧との間に許容範囲を超える相違がある場合であって、前記油路圧の変動に対する前記アキュムレータ圧の応答遅れが許容範囲を超える場合に、当該アキュムレータ切換弁の前記許容位置への切換わり動作に異常があると判定するものであり、
    前記異常判定部は、前記アキュムレータ切換指令部が前記アキュムレータ切換弁に対して当該アキュムレータ切換弁を前記許容位置に切換える指令を行っている状態で前記圧力変動指令部が前記圧力変動装置を作動させて前記油路圧を変動させたときの当該油路圧の変動に対する前記アキュムレータ圧の応答遅れに基いて前記アキュムレータ切換弁の前記許容位置への切換わり動作の異常の有無を判定する、油圧式作業機械の蓄圧装置。
  2. 油圧式作業機械の油圧回路に設けられる蓄圧装置であって、
    前記油圧回路に含まれる油路に接続されるアキュムレータと、
    前記油路と前記アキュムレータとの間に設けられ、当該油路と当該アキュムレータとの間での油の流通を許容する許容位置と当該許容位置に比べて当該流通を制限する制限位置とを有し、与えられる指令に応じて前記許容位置と前記制限位置との間で切換わるように作動するアキュムレータ切換弁と、
    前記アキュムレータ切換弁を作動させるように当該アキュムレータ切換弁に対する指令を行うアキュムレータ切換指令部と、
    前記アキュムレータ切換弁よりも前記アキュムレータに近い部位の圧力であるアキュムレータ圧を検出するアキュムレータ圧検出器と、
    前記アキュムレータ切換弁よりも前記油路に近い部位の圧力である油路圧を検出する油路圧検出器と、
    前記アキュムレータ切換指令部が前記アキュムレータ切換弁に対して行う指令の内容と、前記油路圧に対する前記アキュムレータ圧の追従の度合いと、に基づいて前記アキュムレータ切換弁の作動の異常の有無を判定する異常判定部と、
    前記油路の圧力を変動させる圧力変動装置と、
    当該圧力変動装置を作動させる圧力変動指令部と、を備え、
    前記異常判定部は、前記アキュムレータ切換指令部が前記アキュムレータ切換弁に対して当該アキュムレータ切換弁を前記制限位置に切換える指令を行っているにもかかわらず前記油路圧の変動に対する前記アキュムレータ圧の許容範囲を超える応答がある場合に、当該アキュムレータ切換弁の前記制限位置への切換わり動作に異常があると判定するものであり、
    前記異常判定部は、前記アキュムレータ切換指令部が前記アキュムレータ切換弁に対して当該アキュムレータ切換弁を前記制限位置に切換える指令を行っている状態で前記圧力変動指令部が前記圧力変動装置を作動させて前記油路圧を変動させたときの当該油路圧の変動に対する前記アキュムレータ圧の応答性に基いて前記アキュムレータ切換弁の前記制限位置への切換わり動作の異常の有無を判定する、油圧式作業機械の蓄圧装置。
  3. 請求項1または2記載の油圧式作業機械の蓄圧装置であって、前記異常判定部は、前記アキュムレータ圧と前記油路圧との間に前記許容範囲を超える相違がある状態で前記アキュムレータ切換指令部が前記アキュムレータ切換弁を前記制限位置から前記許容位置に切換える指令を行ったにもかかわらず所定時間内に前記相違が前記許容範囲内に収まられない場合に、当該アキュムレータ切換弁の前記許容位置への切換わり動作に異常があると判定する、油圧式作業機械の蓄圧装置。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の油圧式作業機械の蓄圧装置であって、前記異常判定部は、前記油圧式作業機械において行われる作業が予め設定された作業であって前記アキュムレータに蓄えられた圧力を要する特定作業に該当する場合にのみ前記アキュムレータ切換弁の切換動作の異常の判定を行う、油圧式作業機械の蓄圧装置。
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